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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012852
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】ハイブリッド車
(51)【国際特許分類】
   B60W 20/15 20160101AFI20250117BHJP
   B60K 6/445 20071001ALI20250117BHJP
   B60W 10/06 20060101ALI20250117BHJP
   B60W 20/50 20160101ALI20250117BHJP
   F02D 45/00 20060101ALI20250117BHJP
   B60L 50/16 20190101ALI20250117BHJP
【FI】
B60W20/15
B60K6/445 ZHV
B60W10/06 900
B60W20/50
F02D45/00 362
B60L50/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116001
(22)【出願日】2023-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小口 和麻
(72)【発明者】
【氏名】岡本 光太郎
【テーマコード(参考)】
3D202
3G384
5H125
【Fターム(参考)】
3D202AA03
3D202BB01
3D202CC48
3D202DD17
3D202DD18
3D202DD20
3G384AA28
3G384BA02
3G384BA09
3G384BA13
3G384DA27
3G384EB01
3G384ED01
3G384FA01Z
3G384FA37Z
3G384FA54Z
3G384FA55Z
3G384FA56Z
3G384FA58Z
5H125AA01
5H125AC08
5H125AC12
5H125BA00
5H125BD17
5H125CA02
5H125EE08
5H125EE31
(57)【要約】
【課題】エンジンでリーンインバランスが生じているか否かを誤判定するのを抑制する。
【解決手段】第1制御装置は、カウンタが互いに同一値のときの慣性トルクおよび共振影響トルクの和をエンジンの出力トルクとして演算し、エンジンの回転数が所定回転数未満のときには、出力トルクの変動量に基づいて何れかの気筒の燃料噴射量が他気筒の燃料噴射量に比して少なくなっているリーンインバランスが生じているか否かを判定する診断処理を実行し、エンジンの回転数が所定回転数以上のときには、診断処理を実行しない。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気筒ごとに燃料噴射弁を有するエンジンと、モータと、前記エンジンのクランクシャフトに入力側が接続されると共に前記モータの回転子に出力側が接続されたねじれ要素と、前記クランクシャフトのクランク角を検出する第1センサと、前記回転子の回転位置を検出する第2センサと、前記クランク角に基づいて前記エンジンの回転数の演算と前記エンジンの制御とを行なう第1制御装置と、前記回転位置に基づいて前記モータを制御する第2制御装置と、を備えるハイブリッド車であって、
前記第1制御装置は、前記クランク角が所定角度だけ回転するごとに切り替わるカウンタを前記第2制御装置に送信すると共に、前記カウンタが切り替わるごとに、前記クランク角に基づいて前記エンジンの回転角速度を演算すると共に前記エンジンの回転角速度に基づいて前記エンジンの慣性トルクを演算し、
前記第2制御装置は、前記カウンタが切り替わるごとに、前記回転位置に基づいて前記モータの回転角速度を演算すると共に前記モータの回転角速度に基づいて前記ねじれ要素のねじれ共振に基づく前記ねじれ要素の出力側の共振影響トルクを演算して前記第1制御装置に送信し、
前記第1制御装置は、前記カウンタが互いに同一値のときの前記慣性トルクおよび前記共振影響トルクの和を前記エンジンの出力トルクとして演算し、前記エンジンの回転数が所定回転数未満のときには、前記出力トルクの変動量に基づいて何れかの気筒の燃料噴射量が他気筒の燃料噴射量に比して少なくなっているリーンインバランスが生じているか否かを判定する診断処理を実行し、前記エンジンの回転数が前記所定回転数以上のときには、前記診断処理を実行しない、
ハイブリッド車。
【請求項2】
請求項1記載のハイブリッド車であって、
前記第1制御装置は、前記気筒ごとに膨張行程の少なくとも一部の前記出力トルクの平均である平均出力トルクを演算し、対象気筒の前記平均出力トルクから前記対象気筒よりも所定点火前の気筒の前記平均出力トルクを減じて前記出力トルクの変動量を演算する、
ハイブリッド車。
【請求項3】
請求項1または2記載のハイブリッド車であって、
前記第1制御装置は、前記気筒ごとに、目標噴射量に基づいて燃料噴射弁から燃料を噴射するように前記燃料噴射弁を制御し、
前記第1制御装置は、前記診断処理により前記リーンインバランスが生じていると判定したときには、前記何れかの気筒の前記目標噴射量を前記他気筒の前記目標噴射量に比して増量する、
ハイブリッド車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ハイブリッド車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術としては、気筒ごとに燃料噴射弁を設けられた内燃機関の制御装置において、回転計測手段と気筒間回転差算出手段と噴射量補正手段と気筒間回転差平均化手段とトルク調整手段とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、回転計測手段は、各気筒ごとに所定のクランク角度間の回転速度を計測する。気筒間回転差算出手段は、計測された回転速度から今回爆発気筒と前回爆発気筒との回転速度の差を算出する。噴射量補正手段は、冷機始動後に、算出された気筒間の回転速度の差に応じて全気筒の燃料噴射弁の平均噴射量を調整する。気筒間回転差平均化手段は、算出された気筒間の回転速度の差を気筒ごとに平均化する。トルク調整手段は、算出された気筒間の回転速度の差の平均値をゼロに近づけるように各気筒のトルクを調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-281236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジンのクランクシャフトがねじれ要素の入力側に接続され且つモータの回転子がねじれ要素の出力側に接続されている場合、ねじれ要素のねじれ共振に基づくねじれ要素の出力側の共振影響トルクがエンジンの出力トルクの変動に影響を与え得るため、ねじれ共振の影響を排除してエンジンの出力トルクを精度よく演算することが求められている。この手法として、エンジンを制御する第1制御装置が、モータを制御する第2制御装置からねじれ共振の影響に関する情報を通信により取得して、エンジンの出力トルクの演算に用いることが考えられている。この場合、通信遅れの影響により、エンジンの回転数が比較的高いときに、出力トルクの演算精度が低下し、何れかの気筒の燃料噴射量が他気筒の燃料噴射量に比して少なくなっているリーンインバランスが生じているか否かを誤判定しやすくなる可能性がある。
【0005】
本開示のハイブリッド車は、エンジンでリーンインバランスが生じているか否かを誤判定するのを抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のハイブリッド車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。本開示のハイブリッド車は、気筒ごとに燃料噴射弁を有するエンジンと、モータと、前記エンジンのクランクシャフトに入力側が接続されると共に前記モータの回転子に出力側が接続されたねじれ要素と、前記クランクシャフトのクランク角を検出する第1センサと、前記回転子の回転位置を検出する第2センサと、前記クランク角に基づいて前記エンジンの回転数の演算と前記エンジンの制御とを行なう第1制御装置と、前記回転位置に基づいて前記モータを制御する第2制御装置と、を備えるハイブリッド車であって、前記第1制御装置は、前記気筒ごとに、目標噴射量に基づいて前記燃料噴射弁から燃料を噴射するように前記燃料噴射弁を制御し、前記第1制御装置は、前記クランク角が所定角度だけ回転するごとに切り替わるカウンタを前記第2制御装置に送信すると共に、前記カウンタが切り替わるごとに、前記クランク角に基づいて前記エンジンの回転角速度を演算すると共に前記エンジンの回転角速度に基づいて前記エンジンの慣性トルクを演算し、前記第2制御装置は、前記カウンタが切り替わるごとに、前記回転位置に基づいて前記モータの回転角速度を演算すると共に前記モータの回転角速度に基づいて前記ねじれ要素のねじれ共振に基づく前記ねじれ要素の出力側の共振影響トルクを演算して前記第1制御装置に送信し、前記第1制御装置は、前記カウンタが互いに同一値のときの前記慣性トルクおよび前記共振影響トルクの和を前記エンジンの出力トルクとして演算し、前記エンジンの回転数が所定回転数未満のときには、前記出力トルクの変動量に基づいて何れかの気筒の燃料噴射量が他気筒の燃料噴射量に比して少なくなっているリーンインバランスが生じているか否かを判定する診断処理を実行し、前記エンジンの回転数が前記所定回転数以上のときには、前記診断処理を実行しないことを要旨とする。
【0007】
本開示のハイブリッド車では、カウンタが互いに同一のときの(同期を取った)慣性トルクおよび共振影響トルクを用いてエンジンの出力トルクを演算することにより、エンジンの出力トルクの演算精度を向上させることができる。しかしながら、エンジンの回転数が大きくなると、共振影響トルクの第1制御装置から第2制御装置への通信遅れの影響が大きくなり、エンジンの出力トルクの演算精度が低下する可能性がある。これを踏まえて、エンジンの回転数が所定回転数以上のときに診断処理を実行しないことにより、エンジンでリーンインバランスが生じているか否かを誤判定するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態のハイブリッド車20の概略構成図である。
図2】エンジン22の概略構成図である。
図3】エンジン22の出力トルクTeの演算処理を説明するための説明図である。
図4】診断処理の一例を示すフローチャートである。
図5】増量補正係数マップの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本開示の実施形態のハイブリッド車20の概略構成図である。図2は、エンジン22の概略構成図である。図1に示すように、実施形態のハイブリッド車20は、エンジン22と、エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)24と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、モータ用電子制御ユニット(モータECU)40と、バッテリ50と、バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)52と、ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)70とを備える。エンジンECU24とモータECU40とバッテリECU52とHVECU70とは、共用通信線(CANバス)90を介して互いに通信可能となっており、エンジンECU24とモータECU40とは、専用通信線(ローカルバス)92を介して通信可能となっている。なお、専用通信線92を介した通信は、共用通信線90を介した通信に比して通信遅れが十分に抑制される。
【0010】
エンジン22は、例えばガソリンや軽油などの燃料を用いて吸気、圧縮、膨張(爆発燃焼)、排気の4行程により動力を出力する4気筒の内燃機関として構成されている。図2に示すように、エンジン22は、気筒ごとに、燃焼室129に燃料を噴射する筒内噴射弁127と、点火プラグ130とを有する。エンジン22は、エアクリーナ122により清浄された空気を吸気管123に吸入してスロットルバルブ124、サージタンク125、吸気バルブ128を介して燃焼室129に吸入し、吸気行程や圧縮行程において筒内噴射弁127から1回または複数回で燃料を噴射し、点火プラグ130による点火によって爆発燃焼させる。そして、その爆発燃焼によるエネルギによって押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト23の回転運動に変換する。燃焼室129から排気バルブ133を介して排気管134に排出される排気は、浄化装置135を介して外気に排出される。浄化装置135は、排気中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)135aを有する。
【0011】
エンジンECU24は、CPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを有するマイクロコンピュータを備える。エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランクシャフト23のクランク角θcr、水温センサ142からのエンジン22の冷却水温Twを入力する。カムポジションセンサ144からの吸気バルブ128を開閉するインテークカムシャフトや排気バルブ133を開閉するエキゾーストカムシャフトのカム角θci,θco、スロットルポジションセンサ124aからのスロットルバルブ124のスロットル開度THも入力する。エアフローメータ123aからの吸入空気量Qa、温度センサ123tからの吸気温Ta、圧力センサ125aからのサージ圧Psも入力する。空燃比センサ137,138からの排気管134のうち浄化装置135よりも上流側、下流側の空燃比AF1,AF2も入力する。エンジンECU24は、スロットルバルブ124、筒内噴射弁127、点火プラグ130に制御信号を出力する。エンジンECU24は、回転数Neや回転角速度ωe、負荷率KLを演算する。回転数Neや回転角速度ωeは、クランク角θcrに基づいて演算される。負荷率KLは、吸入空気量Qaと回転数Neとに基づいて演算される。
【0012】
プラネタリギヤ30は、シングルピニオンタイプの遊星歯車機構として構成されており、図1に示すように、サンギヤは、サンギヤ軸31を介してモータMG1の回転子に接続され、リングギヤは、駆動輪39a,39bにデファレンシャルギヤ38を介して連結された駆動軸37に接続され、キャリヤは、キャリヤ軸32およびダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト23に接続されている。ダンパ28は、クランクシャフト23に接続された入力要素と、キャリヤ軸32に接続された出力要素と、入力要素と出力要素との間に配置される複数の弾性体(スプリング)とを有する。
【0013】
モータMG1,MG2は、例えば同期発電電動機として構成されている。モータMG1の回転子は、上述したように、サンギヤ軸31を介してプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されており、モータMG2の回転子は、駆動軸37に接続されている。インバータ41,42は、バッテリ50と共に電力ライン54に接続されている。モータMG1,MG2は、モータECU40によってインバータ41,42の複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動されている。モータECU40は、エンジンECU24と同様にマイクロコンピュータを備える。モータECU40は、回転位置センサ43a,44aからのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2や、電流センサ43u,43v,44u,44vからのモータMG1,MG2の各相の相電流Iu,1v1,Iu2,Iv2などを入力する。モータECU40は、インバータ41,42に制御信号を出力ポートを介して出力する。モータECU40は、回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2や回転角速度ωm1,ωm2を演算する。
【0014】
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されている。バッテリECU52は、エンジンECU24と同様にマイクロコンピュータを備える。バッテリECU52は、電圧センサや電流センサからのバッテリ50の電圧Vbや電流Ibなどを入力する。バッテリECU52は、電流Ibの積算値に基づいてバッテリ50の蓄電割合SOCを演算する。
【0015】
HVECU70は、エンジンECU24と同様にマイクロコンピュータを備える。HVECU70は、スタートスイッチ80からのスタート信号や、シフトポジションセンサ82からのシフトレバー81の操作位置(シフトポジションSP)、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセルペダル83の踏込量(アクセル開度Acc)、ブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダル85の踏込量(ブレーキペダルポジションBP)、車速センサ87からの車速Vなどを入力する。
【0016】
本実施形態のハイブリッド車20では、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40との協調制御により、ハイブリッド走行モード(HV走行モード)や電動走行モード(EV走行モード)で走行するように、エンジン22とモータMG1,MG2とが制御される。HV走行モードは、エンジン22の運転を伴って走行するモードであり、EV走行モードは、エンジン22の運転停止を伴って走行するモードである。
【0017】
HV走行モードでは、HVECU70は、最初に、アクセル開度Accおよび車速Vに基づいて駆動軸37に要求される要求トルクTr*を設定し、設定した要求トルクTr*に駆動軸37の回転数Nd(モータMG2の回転数Nm2)を乗じて駆動軸37に要求される要求パワーPr*を演算する。続いて、要求パワーPr*とバッテリ50の充放電要求パワーPb*とに基づいてエンジン22の目標パワーPe*を演算し、演算した目標パワーPe*がエンジン22から出力されると共に要求トルクTr*が駆動軸37に出力されるようにエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定する。そして、エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*をエンジンECU24に送信すると共に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。エンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*および目標トルクTe*に基づいて運転されるようにエンジン22の運転制御(吸入空気量制御や燃料噴射制御、点火制御など)を行なう。吸入空気量制御では、エンジン22の目標トルクTe*に基づいて目標空気量Qa*を設定し、吸入空気量Qaが目標空気量Qa*となるように目標スロットル開度TH*を設定してスロットルバルブ124を制御する。燃料噴射制御では、吸入空気量Qaに基づいて空燃比AF1が目標空燃比AF*(例えば理論空燃比)となるように目標噴射量Qf*を設定し、目標噴射量Qf*の燃料が筒内噴射弁127から1回または複数回で噴射されるように筒内噴射弁127を制御する。点火制御では、エンジン22の回転数Neと負荷率KLとに基づいて目標点火時期Tf*を設定し、目標点火時期Tf*で点火が行なわれるように点火プラグ130を制御する。モータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようにインバータ41,42の複数のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
【0018】
EV走行モードでは、HVECU70は、HV走行モードと同様に要求トルクTr*を設定し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共に要求トルクTr*が駆動軸37に出力されるようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。モータECU40によるインバータ41,42の制御については上述した。
【0019】
次に、本実施形態のハイブリッド車20の動作、特に、エンジン22の出力トルクTeの演算処理や、エンジン22のリーンインバランスの診断処理について説明する。ここで、リーンインバランスは、エンジン22の何れかの気筒の燃料噴射量が他気筒の燃料噴射量に比して少なくなっている、即ち、何れかの気筒の空燃比が他気筒の空燃比に比してリーンになっていることを意味する。
【0020】
最初に、エンジン22の出力トルクTeの演算処理について説明する。図3は、エンジン22の出力トルクTeの演算処理を説明するための説明図である。上述したように、エンジンECU24とモータECU40とは、共用通信線90および専用通信線92を介して通信可能となっている。モータECU40の処理について説明する。モータECU40は、モータトルク演算処理M21、モータ回転数演算処理M22、モータ回転角速度演算処理M23、キャリヤ軸回転角速度演算処理M24、共振影響トルク演算処理M25を実行する。本実施形態では、クランクカウンタCcrが切り替わるごとに各処理M21~M25を実行する。クランクカウンタCcrは、詳細は後述するが、エンジンECU24により設定され、専用通信線92を介してモータECU40に送信される。以下の説明において、[Ccr]は、クランクカウンタCcrに対応する値であることを意味する。なお、図3では、[Ccr]の図示を省略した。
【0021】
モータトルク演算処理M21は、モータMG1の出力トルクTm1[Ccr]を演算する処理である。モータECU40は、回転位置センサ43aからのモータMG1の回転子の回転位置θm1を用いて、電流センサ43u,43vからのモータMG1のU相、V相の相電流Iu,Ivをd軸、q軸の電流Id,Iqに座標変換し、得られたd軸、q軸の電流Id,Iqに基づいてモータMG1の出力トルクTm1[Ccr]を演算する。モータ回転数演算処理M22は、モータMG1,MG2の回転数Nm1[Ccr],Nm2[Ccr]を演算する処理である。モータECU40は、回転位置センサ43a,44aからのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1[Ccr],Nm2[Ccr]を演算する。
【0022】
モータ回転角速度演算処理M23は、モータMG1の回転角速度ωm1[Ccr]を演算する処理である。モータECU40は、モータ回転数演算処理M22で演算したモータMG1の回転数Nm1[Ccr]をモータMG1の回転角速度ωm1[Ccr]に換算する。キャリヤ軸回転角速度演算処理M24は、キャリヤ軸32の回転角速度ωm1[Ccr]を演算する処理である。モータECU40は、モータ回転数演算処理M22で演算したモータMG1,MG2の回転数Nm1[Ccr],Nm2[Ccr]を用いて式(1)によりキャリヤ軸32の回転数Nc[Ccr]を演算し、演算した回転数Nc[Ccr]を回転角速度ωc[Ccr]に換算する。式(1)中、「ρ」は、プラネタリギヤ30のギヤ比(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)である。
【0023】
Nc[Ccr]=(ρ・Nm1[Ccr]+Nm2[Ccr])/(1+ρ) (1)
【0024】
共振影響トルク演算処理M25は、ダンパ28のねじれ共振に基づくキャリヤ軸32のトルク(共振影響トルクTdmp[Ccr])を演算してエンジンECU24に送信する処理である。ハイブリッド車20では、エンジン22のクランクシャフト23がダンパ28を介してキャリヤ軸32に接続されているため、ダンパ28のねじれ共振に基づくキャリヤ軸32のトルク(共振影響トルク)がエンジン22の回転数やトルクの変動に影響を与え得る。モータECU40は、モータトルク演算処理M21で演算したモータMG1の出力トルクTm1[Ccr]と、モータ回転角速度演算処理M23で演算したモータMG1の回転角速度ωm1[Ccr]と、キャリヤ軸回転角速度演算処理M24で演算したキャリヤ軸32の回転角速度ωc[Ccr]と、を用いて式(2)により共振影響トルクTdmp[Ccr]を演算し、演算した共振影響トルクTdmp[Ccr]を共用通信線90を介してエンジンECU24に送信する。式(2)中、「Ic」は、キャリヤ軸32の慣性モーメントであり、「Im1」は、モータMG1の慣性モーメントである。式(2)は、サンギヤ軸31のトルクの関係を示す式(3)から導出することができる。
【0025】
Tdmp[Ccr]=Ic・dωc[Ccr]/dt+(1+ρ)/ρ・(Im1・dωm1[Ccr]/dt-Tm1[Ccr]) (2)
ρ/(1+ρ)・Ic・dωc+Im1・dωm1/dt=Tm1+ρ/(1+ρ)・Tdmp (3)
【0026】
次に、エンジンECU24の処理について説明する。エンジンECU24は、クランクカウンタ更新処理M11、エンジン回転角速度演算処理M12、慣性トルク演算処理M13、エンジントルク演算処理M14を実行する。本実施形態では、クランクカウンタCcrが切り替わるごとに各処理M12~M13を実行する。
【0027】
クランクカウンタ更新処理M11は、クランクカウンタCcrを更新する処理である。エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのエンジン22のクランクシャフト23のクランク角θcrが所定角度Δθcr(例えば、30度や45度など)だけ回転するごとに、クランクカウンタCcrをカウントアップし、エンジン22の1サイクル(2回転)ごとに、クランクカウンタCcrを値0にリセットする。エンジン回転角速度演算処理M12は、エンジン22の回転角速度ωe[Ccr]を演算する処理である。エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのエンジン22のクランクシャフト23のクランク角θcrに基づいてエンジン22の回転数Ne[Ccr]を演算し、演算した回転数Ne[Ccr]をエンジン22の回転角速度ωe[Ccr]に換算する。慣性トルク演算処理M13は、エンジン22の慣性トルクTei[Ccr]を演算する処理である。エンジンECU24は、エンジン回転角速度演算処理M12で演算したエンジン22の回転角速度ωe[Ccr]を用いて式(4)によりエンジン22の慣性トルクTei[Ccr]を演算する。式(4)中、「Ie」は、エンジン22の慣性モーメントである。式(4)は、クランクシャフト23のトルクの関係を示す式(5)から導出することができる。
【0028】
Tei[Ccr]=Ie・dωe[Ccr]/dt (4)
Ie・dωe/dt=Te-Tdmp=Tei (5)
【0029】
エンジントルク演算処理M14は、エンジン22の出力トルクTe[Ccr]を演算する処理である。エンジンECU24は、慣性トルク演算処理M13で演算したクランクカウンタCcrごとのエンジン22の慣性トルクTei[Ccr]と、モータECU40から受信したクランクカウンタCcrごとの共振影響トルクTdmp[Ccr]と、からクランクカウンタCcrが互いに同一値(例えば、最新値)のときの慣性トルクTei[Ccr]と共振影響トルクTdmp[Ccr]とを選択し、両者の和をエンジン22の出力トルクTe[Ccr]として演算する。このように、同期を取ったエンジン22の慣性トルクTei[Ccr]と共振影響トルクTdmp[Ccr]との和をエンジン22の出力トルクTe[Ccr]として演算するから、エンジン22の出力トルクTe[Ccr]の演算精度を向上させることができる。出力トルクTe[Ccr]は、クランクカウンタCcrひいてはエンジン22のクランク角θcrに対応する。また、クランクカウンタCcrがエンジンECU24からモータECU40に専用通信線92を介して送信されるから、共用通信線90を介して送信される場合に比して、エンジンECU24による各処理M12~M13の実行タイミングと、モータECU40による各処理M21~M25の実行タイミングと、のズレを抑制することができる。さらに、モータECU40で共振影響トルクTdmpを演算し、この共振影響トルクTdmpをエンジン22の出力トルクTeの演算に用いるから、ダンパ28の公差の影響を適切に排除することができる。
【0030】
次に、エンジン22のリーンインバランスの診断処理について説明する。図4は、エンジンECU24により実行される診断処理の一例を示すフローチャートである。この診断処理は、後述の増量補正係数k[i]に値1よりも大きい値を設定していないときに繰り返し実行される。この診断処理が実行されると、エンジンECU24は、最初に、診断対象の点火気筒である対象気筒の平均出力トルクTeav0[i](i:対象気筒の気筒番号)、対象気筒の2点火前の点火気筒である2点火前気筒の平均出力トルクTeav2[i]、エンジン22の回転数Neを入力する(ステップS100)。ここで、平均出力トルクTeav0[i],Teav2[i]は、点火気筒についての膨張行程の後半(圧縮上死点から90度の位置から下死点までの区間)の出力トルクTeの平均値として演算されてもよいし、点火気筒についての膨張行程の全部(圧縮上死点から下死点までの区間)の出力トルクTeの平均値として演算されてもよい。出力トルクTeは、上述のようにクランク角θcr(クランクカウンタCcr)に対応して得られる。
【0031】
続いて、エンジン22の回転数Neを閾値Nerefと比較する(ステップS110)。実施形態では、上述したように、クランクカウンタCcrが専用通信線92を介してエンジンECU24からモータECU40に送信され、モータECU40で共振影響トルクTdmp[Ccr]が演算されて共用通信線90を介してエンジンECU24に送信される。エンジン22の回転数Neが大きくなると、通信遅れの影響により、エンジン22の出力トルクTe[Ccr]の演算タイミングで、エンジンECU24が共振影響トルクTdmp[Ccr]を受信できずに、出力トルクTe[Ccr]を適切に演算できなくなる可能性がある。閾値Nerefは、出力トルクTe[Ccr]を適切に演算できていない可能性があるか否かを判定するための閾値である。
【0032】
ステップS110でエンジン22の回転数Neが閾値Neref未満のときには、出力トルクTe[Ccr]を適切に演算できていると判断し、対象気筒の平均出力トルクTeav0[i]から2点火前気筒の平均出力トルクTeav2[i]を減じて出力トルク変動量ΔTe[i]を演算し(ステップS120)、演算した出力トルク変動量ΔTe[i]を負の閾値ΔTerefと比較する(ステップS130)。ここで、閾値ΔTerefは、エンジン22でリーンインバランスを生じているか否か、具体的には、対象気筒の燃料噴射量が2点火前気筒の燃料噴射量に比して少なくなっている(対象気筒の空燃比が2点火前気筒の空燃比に比してリーンになっている)か否かを判定するための閾値である。ステップS130の処理は、対象気筒の燃料噴射量が2点火前気筒の燃料噴射量に比して少なくなっている場合に対象気筒の平均出力トルクTeav0[i]が2点火前気筒の平均出力トルクTeav2[i]に比してある程度小さくなることを踏まえた処理である。
【0033】
ステップS130で出力トルク変動量ΔTe[i]が閾値ΔTerefよりも大きいときには、対象気筒の燃料噴射量が2点火前気筒の燃料噴射量に比して少なくなっていない(誤差範囲で少なくなっている場合を含む)と判断し、リーンインバランスの検出回数Nli[i]、出力トルク積算変動量ΔTesum[i]、出力トルク平均変動量ΔTeav[i]を初期値としての値0にリセットすると共に増量補正係数k[i]を初期値としての値1にリセットして(ステップS190)、本診断処理を終了する。なお、リーンインバランスの検出回数Nli[i]、出力トルク積算変動量ΔTesum[i]や出力トルク平均変動量ΔTeav[i]は、エンジン22の始動時に値0が設定され、増量補正係数k[i]は、エンジン22の始動時に値1が設定される。
【0034】
ステップS130での出力トルク変動量ΔTe[i]が閾値ΔTeref以下であるときには、対象気筒の燃料噴射量が2点火前気筒の燃料噴射量に比してある程度少なくなっていると判断する。上述したように、エンジン22の出力トルクTeの演算精度を向上させることができるから,出力トルクTeに基づく出力トルク変動量ΔTe[i]を閾値ΔTerefと比較することにより、対象気筒の燃料噴射量が2点火前気筒の燃料噴射量に比してある程度少なくなっているか否かの判断精度を向上させることができる。
【0035】
この場合、リーンインバランスの検出回数Nli[i]を値1だけカウントアップすると共に(ステップS140)、出力トルク変動量ΔTe[i]を出力トルク積算変動量ΔTesum[i]の前回値に加えて、出力トルク積算変動量ΔTesum[i]を演算する(ステップS150)。続いて、リーンインバランスの検出回数Nli[i]を閾値Nlirefと比較する(ステップS160)。ここで、閾値Nlirefとしては、50~150程度が用いられる。ステップS160でリーンインバランスの検出回数Nli[i]が閾値Nliref未満のときには、本診断処理を終了する。
【0036】
ステップS160でリーンインバランスの検出回数Nli[i]が閾値Nliref以上のときには、出力トルク積算変動量ΔTesum[i]を閾値Nlirefで除して出力トルク平均変動量ΔTeav[i]を演算する(ステップ170)。続いて、出力トルク平均変動量ΔTeav[i]に基づいて、対象気筒の燃料噴射量の増量補正係数k[i]に値1よりも大きい値を設定して(ステップS180)、本診断処理を終了する。こうして対象気筒の増量補正係数k[i]を設定すると、その後の燃料噴射制御において、対象気筒の目標噴射量Qf*を他気筒に比して増量補正係数k[i]倍とする。これにより、気筒間の燃料噴射量のズレ(空燃比のズレ)を抑制することができる。本効果は、浄化触媒135aの暖機時などエミッションに影響を与えやすいときにより顕著となる。
【0037】
ここで、増量補正係数k[i]は、例えば、出力トルク平均変動量ΔTeav[i]と増量補正係数k[i]との関係として実験や解析、機械学習により予め定められた増量補正係数マップに、出力トルク平均変動量ΔTeav[i]を適用して設定することができる。図5は、増量補正係数マップの一例を示す説明図である。図示するように、増量補正係数k[i]は、出力トルク平均変動量ΔTeav[i]が閾値ΔTerefよりも小さい(負側に大きい)領域内で、出力トルク平均変動量ΔTeav[i]が小さいほど、即ち、対象気筒の燃料噴射量が2点火前気筒の燃料噴射量に比して少なくないほど、値1よりも大きい範囲内で大きくなるように定められている。したがって、燃料噴射制御において、対象気筒の目標噴射量Qf*(目標噴射時間τf*)を他気筒に比して、出力トルク平均変動量ΔTeav[i]が小さいほどより多くすることになる。これにより、気筒間の燃料噴射量のズレ(空燃比のズレ)をより適正に抑制することができる。
【0038】
ステップS110でエンジン22の回転数Neが閾値Neref以上のときには、出力トルクTe[Ccr]を適切に演算できていない可能性があると判断し、リーンインバランスの検出回数Nli[i]、出力トルク積算変動量ΔTesum[i]や出力トルク平均変動量ΔTeav[i]を初期値としての値0にリセットすると共に増量補正係数k[i]を初期値としての値1にリセットして(ステップS190)、本診断処理を終了する。即ち、エンジン22の回転数Neが閾値Neref以上のときには、リーンにバランスの診断処理を実行しないのである。これにより、エンジン22でリーンインバランスが生じているか否かを誤判定するのを抑制することができる。
【0039】
以上説明した本実施形態のハイブリッド車20では、エンジンECU24は、クランクカウンタCcrごとのエンジン22の慣性トルクTei[Ccr]と、クランクカウンタCcrごとの共振影響トルクTdmp[Ccr]と、からクランクカウンタCcrが同一値のときの慣性トルクTei[Ccr]と共振影響トルクTdmp[Ccr]とを選択し、両者の和をエンジン22の出力トルクTe[Ccr]として演算する。これにより、エンジン22の出力トルクTeの演算精度を向上させることができる。しかも、エンジン22の回転数Neが閾値Neref未満のときには、出力トルクTeに基づく出力トルク変動量ΔTe[i]を用いてリーンにバランスの診断処理を実行し、エンジン22の回転数Neが閾値Neref以上のときには、リーンにバランスの診断処理を実行しない。後者により、エンジン22でリーンインバランスが生じているか否かを誤判定するのを抑制することができる。
【0040】
上述した実施形態では、モータECU40は、モータMG1の出力トルクTm1[Ccr]とモータMG1の回転角速度ωm1[Ccr]とキャリヤ軸32の回転角速度ωc[Ccr]とを用いて上述の式(2)により共振影響トルクTdmp[Ccr]を演算した。しかし、キャリヤ軸32の回転角速度ωc[Ccr]を用いずに、即ち、式(2)の右辺第1項を用いずに共振影響トルクTdmp[Ccr]を演算してもよい。
【0041】
上述した実施形態では、エンジンECU24は、対象気筒の平均出力トルクTeav0[i]から2点火前気筒の平均出力トルクTeav2[i]を減じて出力トルク変動量ΔTe[i]を演算したが、対象気筒の平均出力トルクTeav0[i]から1点火前気筒の平均出力トルクTeav1[i]を減じて出力トルク変動量ΔTe[i]を演算してもよい。
【0042】
上述した実施形態では、エンジンECU24は、出力トルク平均変動量ΔTeav[i]に基づいて、対象気筒の燃料噴射量の増量補正係数k[i]を設定した。しかし、閾値Nlirefの出力トルク変動量ΔTe[i]のうちの最大値に基づいて増量補正係数k[i]を設定してもよい。また、ステップS140~S180の処理に代えて、増量補正係数k[i]に一定値を設定したり、出力トルク変動量ΔTe[i]に基づいて増量補正係数k[i]を設定したりしてもよい。
【0043】
上述の実施形態では、エンジン22として、4気筒のエンジンを用いたが、6気筒や8気筒などのエンジンを用いてもよい。上述の実施形態では、エンジン22のクランクシャフト23とモータMG1の回転子とがダンパ28、キャリヤ軸32、プラネタリギヤ30、サンギヤ軸31を介して接続される構成としたが、エンジンのクランクシャフトとモータの回転子とがねじれ要素を介して接続される構成であればよい。
【0044】
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG1が「モータ」に相当し、ダンパ28が「ねじれ要素」に相当し、クランクポジションセンサ140が「第1センサ」に相当し、回転位置センサ43aが「第2センサ」に相当し、エンジンECU24が「第1制御装置」に相当し、モータECU40が「第2制御装置」に相当する。
【0045】
以上、本開示を実施するための実施形態について説明したが、本開示はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本開示は、ハイブリッド車の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
20 ハイブリッド車、22 エンジン、23 クランクシャフト、24 エンジンECU、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、31 サンギヤ軸、32 キャリヤ軸、40 モータECU、41,42 インバータ、43a,44a 回転位置センサ、43u,43v,44u,44v 電流センサ、90 共用通信線、92 専用通信線、127 筒内噴射弁、140 クランクポジションセンサ、MG1 モータ。
図1
図2
図3
図4
図5