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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012861
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】取着体及び取着体装置
(51)【国際特許分類】
   H02G 9/10 20060101AFI20250117BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
H02G9/10
F16K27/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116018
(22)【出願日】2023-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】川端 誠規
(72)【発明者】
【氏名】北村 祐介
【テーマコード(参考)】
3H051
5G369
【Fターム(参考)】
3H051AA01
3H051BB02
3H051CC11
3H051CC15
3H051FF02
3H051FF15
5G369BA06
5G369DD02
5G369DD05
(57)【要約】
【課題】2種類のサイズの貫通孔のいずれにも取着できる取着体及び取着体装置を提供すること。
【解決手段】取着体20は、裏側本体部32の雄ねじ33と表側本体部22の雌ねじ23とを螺着しつつ表側部材21と裏側部材31とで樹脂製地中埋設箱111の側壁13を壁厚方向の両側から挟持して取着体20を側壁13に取着可能とする挟持機構を備える。また、取着体20は、表側筒部28の外周面を大型貫通孔の画定面に接着することで、取着体20をコンクリート製地中埋設箱の側壁13に取着可能とする接着機構を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画定体に設けられた貫通孔を使用して前記画定体に取着される取着体であって、
前記画定体における厚さ方向の表面側に配置される表側部材、及び前記画定体における裏面側に配置される裏側部材を備え、
前記表側部材及び前記裏側部材の少なくとも一方は、前記貫通孔内に挿入される第1挿入部を備えるとともに、前記表側部材及び前記裏側部材の少なくとも他方は、前記第1挿入部に螺着される螺着部を備え、
前記第1挿入部と前記螺着部とを螺着しつつ前記表側部材と前記裏側部材とで前記画定体を厚さ方向の両側から挟持して前記取着体を前記画定体に取着可能とする挟持機構を備えるとともに、
前記画定体とは別の画定体であり、前記画定体よりも相対的に厚く、かつ前記貫通孔よりも前記厚さ方向に大きい大型貫通孔を備える前記別の画定体に前記取着体を取着可能とすべく、前記第1挿入部と前記螺着部とが螺着された前記表側部材及び前記裏側部材の少なくとも一方は、前記大型貫通孔内に挿入可能な第2挿入部を備え、
前記第2挿入部の外周面を前記大型貫通孔の画定面に接着することで、前記取着体を前記別の画定体に取着可能とする接着機構を備えることを特徴とする取着体。
【請求項2】
画定体に設けられた貫通孔を使用して前記画定体に取着される取着体であって、
前記画定体における厚さ方向の表面側に配置される表側部材、及び前記画定体における裏面側に配置される裏側部材を備え、
前記表側部材及び前記裏側部材の少なくとも一方は、前記貫通孔内に挿入される第1挿入部を備えるとともに、前記表側部材及び前記裏側部材の少なくとも他方は、前記第1挿入部に螺着される螺着部を備え、
前記第1挿入部と前記螺着部とを螺着しつつ前記表側部材と前記裏側部材とで前記画定体を厚さ方向の両側から挟持して前記取着体を前記画定体に取着可能とする挟持機構を備えるとともに、
前記画定体とは別の画定体であり、かつ前記貫通孔よりも相対的に内部空間の大きい大型貫通孔の形成された前記別の画定体に前記取着体を取着可能とすべく、前記第1挿入部と前記螺着部とが螺着された前記表側部材及び前記裏側部材の少なくとも一方は、前記大型貫通孔内に挿入可能な第2挿入部を備え、
前記第2挿入部の外周面を前記大型貫通孔の画定面に接着することで、前記取着体を前記別の画定体に取着可能とする接着機構を備えることを特徴とする取着体。
【請求項3】
前記第2挿入部は、前記表側部材及び前記裏側部材のいずれか一方に設けられ、前記表側部材及び前記裏側部材の他方は、前記第2挿入部の外面と異なる形状であって、前記大型貫通孔の画定面に接着不可な外面、又は前記大型貫通孔内に挿入不可な形状を有する請求項1又は請求項2に記載の取着体。
【請求項4】
前記貫通孔に対する挿入方向への前記第1挿入部の長さは、前記挿入方向への前記貫通孔の長さよりも長く、前記第1挿入部の先端には雄ねじが設けられ、
前記螺着部は、前記第2挿入部を外周部に備える中空筒状であり、
前記螺着部は、当該螺着部の軸方向において前記第2挿入部と重なる内側に、前記雄ねじと螺着される雌ねじを備える請求項1又は請求項2に記載の取着体。
【請求項5】
前記取着体の内部には、前記第1挿入部と前記螺着部との螺着状態において前記画定体の表面側と裏面側とを連通させる流通路が画定されるとともに、
前記取着体の内部には、前記流通路を流れる液体の一方向への流れを許容し、かつ前記一方向と反対方向への前記液体の流れを阻止する逆止弁が配置されている請求項1又は請求項2に記載の取着体。
【請求項6】
貫通孔の設けられた画定体に取着される取着体と、
前記貫通孔よりも相対的に内部空間が大きい大型貫通孔を備える別の画定体に取着可能とすべく、前記大型貫通孔を画定する中空筒状の外装筒体と、を備え、
前記取着体は、請求項1又は請求項2に記載の取着体であり、
前記外装筒体の軸方向への長さは、前記第1挿入部よりも長くかつ前記第2挿入部よりも長いことを特徴とする取着体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取着体及び取着体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地中に埋設された配線・配管材は、地中に埋設された敷設経路に挿通されている。地中に埋設された敷設経路は、間隔を空けて埋設された地中埋設箱と、隣り合う地中埋設箱同士を繋ぐ地中埋設管と、を備えている。
【0003】
このような地中埋設箱には、コンクリート製の地中埋設箱や、軽量化を目的とした樹脂製の地中埋設箱がある。また、地中埋設箱には、内部空間を画定する画定壁を厚さ方向に貫通した貫通孔が設けられている。例えば、特許文献1には、貫通孔の一例として、地中埋設箱の内部に侵入した水を排出するための水抜孔が開示されている。
【0004】
また、特許文献2に開示されるように、地中埋設箱には、水抜孔を使用して取着体としての逆止弁が取着されている。特許文献2に開示の逆止弁は、地中埋設箱の内部から外部への排水を可能としつつ、外部から内部への水の浸入を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-186638号公報
【特許文献2】特開2017-210969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、地中埋設箱の材質に依存して、貫通孔の形成された部位の厚さが異なったり、製造メーカ毎に、貫通孔の形成された部位の厚さや貫通孔の孔径が異なったりする。このため、例えば、特許文献2のように、貫通孔を使用して取着体を取着するには、貫通孔の形成された部位の厚さに合わせた取着体や、貫通孔の孔径に合わせた取着体を準備する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するための取着体の各態様を記載する。
[態様1]
画定体に設けられた貫通孔を使用して前記画定体に取着される取着体であって、前記画定体における厚さ方向の表面側に配置される表側部材、及び前記画定体における裏面側に配置される裏側部材を備え、前記表側部材及び前記裏側部材の少なくとも一方は、前記貫通孔内に挿入される第1挿入部を備えるとともに、前記表側部材及び前記裏側部材の少なくとも他方は、前記第1挿入部に螺着される螺着部を備え、前記第1挿入部と前記螺着部とを螺着しつつ前記表側部材と前記裏側部材とで前記画定体を厚さ方向の両側から挟持して前記取着体を前記画定体に取着可能とする挟持機構を備えるとともに、前記画定体とは別の画定体であり、前記画定体よりも相対的に厚く、かつ前記貫通孔よりも前記厚さ方向に大きい大型貫通孔を備える前記別の画定体に前記取着体を取着可能とすべく、前記第1挿入部と前記螺着部とが螺着された前記表側部材及び前記裏側部材の少なくとも一方は、前記大型貫通孔内に挿入可能な第2挿入部を備え、前記第2挿入部の外周面を前記大型貫通孔の画定面に接着することで、前記取着体を前記別の画定体に取着可能とする接着機構を備えることを特徴とする取着体。
【0008】
[態様2]
画定体に設けられた貫通孔を使用して前記画定体に取着される取着体であって、前記画定体における厚さ方向の表面側に配置される表側部材、及び前記画定体における裏面側に配置される裏側部材を備え、前記表側部材及び前記裏側部材の少なくとも一方は、前記貫通孔内に挿入される第1挿入部を備えるとともに、前記表側部材及び前記裏側部材の少なくとも他方は、前記第1挿入部に螺着される螺着部を備え、前記第1挿入部と前記螺着部とを螺着しつつ前記表側部材と前記裏側部材とで前記画定体を厚さ方向の両側から挟持して前記取着体を前記画定体に取着可能とする挟持機構を備えるとともに、前記画定体とは別の画定体であり、かつ前記貫通孔よりも相対的に内部空間の大きい大型貫通孔の形成された前記別の画定体に前記取着体を取着可能とすべく、前記第1挿入部と前記螺着部とが螺着された前記表側部材及び前記裏側部材の少なくとも一方は、前記大型貫通孔内に挿入可能な第2挿入部を備え、前記第2挿入部の外周面を前記大型貫通孔の画定面に接着することで、前記取着体を前記別の画定体に取着可能とする接着機構を備えることを特徴とする取着体。
【0009】
[態様3]
前記第2挿入部は、前記表側部材及び前記裏側部材のいずれか一方に設けられ、前記表側部材及び前記裏側部材の他方は、前記第2挿入部の外面と異なる形状であって、前記大型貫通孔の画定面に接着不可な外面、又は前記大型貫通孔内に挿入不可な形状を有する[態様1]又は[態様2]に記載の取着体。
【0010】
[態様4]
前記貫通孔に対する挿入方向への前記第1挿入部の長さは、前記挿入方向への前記貫通孔の長さよりも長く、前記第1挿入部の先端には雄ねじが設けられ、前記螺着部は、前記第2挿入部を外周部に備える中空筒状であり、前記螺着部は、当該螺着部の軸方向において前記第2挿入部と重なる内側に、前記雄ねじと螺着される雌ねじを備える[態様1]~[態様3]のいずれか一つに記載の取着体。
【0011】
[態様5]
前記取着体の内部には、前記第1挿入部と前記螺着部との螺着状態において前記画定体の表面側と裏面側とを連通させる流通路が画定されるとともに、前記取着体の内部には、前記流通路を流れる液体の一方向への流れを許容し、かつ前記一方向と反対方向への前記液体の流れを阻止する逆止弁が配置されている[態様1]~[態様4]のいずれか一つに記載の取着体。
【0012】
[態様6]
貫通孔の設けられた画定体に取着される取着体と、前記貫通孔よりも相対的に内部空間が大きい大型貫通孔を備える別の画定体に取着可能とすべく、前記大型貫通孔を画定する中空筒状の外装筒体と、を備え、前記取着体は、[態様1]~[態様5]のいずれか一つに記載の取着体であり、前記外装筒体の軸方向への長さは、前記第1挿入部よりも長くかつ前記第2挿入部よりも長いことを特徴とする取着体装置。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、2種類のサイズの貫通孔のいずれにも取着できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、樹脂製地中埋設箱及び地中埋設管を示す断面図である。
図2図2は、コンクリート製地中埋設箱及び地中埋設管を示す断面図である。
図3図3は、取着体及び挿入部材を示す分解斜視図である。
図4図4は、取着体及び挿入部材を示す断面図である。
図5図5は、取着体及び挿入部材を示す斜視図である。
図6図6は、取着体及び挿入部材を示す斜視図である。
図7図7は、表側筒部を外装筒体の内周面に接着した状態の断面図である。
図8図8は、別例の取着体を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、取着体及び取着体装置を具体化した一実施形態を図1図7にしたがって説明する。
<敷設経路>
図1及び図2に示すように、地中UGに埋設された配線10は、地中UGに埋設された敷設経路に挿通されている。地中UGに埋設された敷設経路は、間隔を空けて埋設された複数の地中埋設箱11と、隣り合う地中埋設箱11同士を繋ぐ地中埋設管16と、を備えている。
【0016】
<地中埋設箱及び地中埋設管>
地中埋設箱11には、ハンドホールといった合成樹脂材料製の地中埋設箱11と、マンホールといったコンクリート製の地中埋設箱11と、がある。なお、以下の説明において、合成樹脂材料製の地中埋設箱11を「樹脂製地中埋設箱111」と記載するとともに、コンクリート製の地中埋設箱11を「コンクリート製地中埋設箱112」と記載する場合がある。
【0017】
地中埋設箱11は、合成樹脂材料製及びコンクリート製のいずれであっても、矩形板状の底壁12と、底壁12の周縁に沿って立設された4枚の側壁13と、を備える四角箱状である。樹脂製地中埋設箱111の底壁12及び側壁13の壁厚は、コンクリート製地中埋設箱112の底壁12及び側壁13の壁厚より薄い。そして、コンクリート製地中埋設箱112の底壁12及び側壁13は、樹脂製地中埋設箱111の底壁12及び側壁13とは別の画定体である。また、コンクリート製地中埋設箱112の底壁12及び側壁13は、樹脂製地中埋設箱111の底壁12及び側壁13よりも相対的に厚い。
【0018】
底壁12は、底壁12の壁厚方向の一方面である外底面12aと、底壁12の壁厚方向における外底面12aの反対面となる内底面12bと、を備える。側壁13は、側壁13の壁厚方向の一方面である外面13aと、側壁13の壁厚方向における外面13aの反対面となる内面13bと、を備える。
【0019】
地中埋設箱11は、上面に開口する有底四角箱状である。地中埋設箱11の上面は、地中埋設箱11の上部に設置された蓋17によって閉塞されている。地中埋設箱11は、底壁12が重力方向の下側、蓋17が重力方向の上側となるように地中UGに埋設されている。地中埋設箱11の空間Sは、底壁12の内底面12bと、4枚の側壁13の内面13bとによって画定されるとともに、蓋17によって空間Sは閉塞されている。底壁12及び側壁13の各々は、空間Sを画定する画定体である。そして、底壁12及び側壁13の壁厚方向は、画定体における厚さ方向である。底壁12及び側壁13の各々は、図示しない工具によって貫通孔14を形成できる。
【0020】
地中UGに埋設された地中埋設箱11の1枚の側壁13には、取着体20を取着するために使用される貫通孔14が形成されている。取着体20を側壁13に取着するために使用される貫通孔14を、取着体用貫通孔141とも記載する。
【0021】
また、地中UGに埋設された地中埋設箱11の2枚の側壁13には、接続具15を介して地中埋設管16を接続するための貫通孔14が形成されている。接続具15を介して地中埋設管16を接続するための貫通孔14を、管用貫通孔142とも記載する。なお、管用貫通孔142の形成された2枚の側壁13のうち、一方の側壁13には、取着体用貫通孔141も形成されている。取着体用貫通孔141は、管用貫通孔142よりも底壁12寄りに形成されている。
【0022】
樹脂製地中埋設箱111における取着体用貫通孔141の孔径R1は、コンクリート製地中埋設箱112における取着体用貫通孔141の孔径R2より小さい。なお、コンクリート製地中埋設箱112の取着体用貫通孔141には、中空円筒状の外装筒体81が挿入されている。外装筒体81は、軸方向に一様な断面円形状をなす。外装筒体81の外径は、表側部材21における表側筒部28での外径より大きく、かつ外装筒体81の内径は、表側筒部28での外径とほぼ同じである。外装筒体81の外周面は、取着体用貫通孔141の内周面に接着されている。外装筒体81の内側には、樹脂製地中埋設箱111の取着体用貫通孔141よりも内部空間の大きい大型貫通孔200が画定されている。したがって、外装筒体81は、大型貫通孔200を画定する。外装筒体81の軸方向の第1端面81aは、側壁13の外面13aと同一面上に位置するとともに、外装筒体81の軸方向の第2端面81bは、側壁13の内面13bと同一面上に位置している。
【0023】
外装筒体81は、軸方向の両端部に形成された端部開口81dを備える。各端部開口81dは、外装筒体81の軸方向の両端に開口する。
また、樹脂製地中埋設箱111における取着体用貫通孔141の深さD1は、コンクリート製地中埋設箱112における取着体用貫通孔141の深さD2より小さい。したがって、コンクリート製地中埋設箱112の取着体用貫通孔141は、樹脂製地中埋設箱111の取着体用貫通孔141よりも、壁厚方向に大きい。なお、樹脂製地中埋設箱111における取着体用貫通孔141の深さD1は、樹脂製地中埋設箱111の側壁13の壁厚と同じであり、コンクリート製地中埋設箱112における取着体用貫通孔141の深さD2は、コンクリート製地中埋設箱112の側壁13の壁厚と同じである。
【0024】
樹脂製地中埋設箱111の取着体用貫通孔141と、コンクリート製地中埋設箱112の取着体用貫通孔141とは、R1,R2及び深さD1,D2を具体例として、サイズが異なる。そして、樹脂製地中埋設箱111の取着体用貫通孔141における内部空間の容積は、コンクリート製地中埋設箱112の取着体用貫通孔141における内部空間の容積より小さい。そして、コンクリート製地中埋設箱112における外装筒体81の内側は、樹脂製地中埋設箱111における取着体用貫通孔141よりも相対的に内部空間の大きい大型貫通孔200であり、かつ樹脂製地中埋設箱111の取着体用貫通孔141とは別の取着体用貫通孔141である。したがって、コンクリート製地中埋設箱112の側壁13は、大型貫通孔200を備える。
【0025】
接続具15は、円筒状をなす合成樹脂材料製である。接続具15は、管用貫通孔142に嵌合されている。そして、管用貫通孔142に嵌合された接続具15に地中埋設管16が嵌合されるとともに、図示されない固定部材により接続具15と地中埋設管16とが固定されている。
【0026】
<取着体>
取着体20は、地中埋設箱11の取着体用貫通孔141を使用して側壁13に取着される。
【0027】
図3及び図4に示すように、取着体20は、表側部材21と、裏側部材31と、を備える。また、取着体20には、挿入体41と、弁座部51と、弁体61と、が取り付けられる。
【0028】
<表側部材>
表側部材21は、側壁13の壁厚方向の表面側としての外面13a側に配置されるとともに、裏側部材31は、側壁13の壁厚方向の裏面側としての内面13b側に配置される。
【0029】
図4及び図5に示すように、表側部材21は、中空円筒状の表側本体部22と、表側本体部22の軸方向の第1端22a側に一体の表側フランジ24と、表側本体部22の軸方向の第2端22b側に一体の網目部25と、表側フランジ24から延出する、第2挿入部としての表側筒部28と、を備える。
【0030】
表側本体部22の内周面には、雌ねじ23が形成されている。表側フランジ24は、表側本体部22の第1端22a側の外周面から表側本体部22の径方向に延出する。表側フランジ24は、表側本体部22の径方向に幅を有する。表側本体部22は、第2端22b側の内周面から表側本体部22の径方向に延出する複数の腕部25aを備える。網目部25は、複数の腕部25aに支持されている。網目部25には、網目部25の板厚方向に貫通する複数の網目25bが形成されている。網目25bの大きさは、異物の通過を抑制できる大きさである。
【0031】
表側本体部22は、表側本体部22の内周面から表側本体部22の径方向に延出するストッパ22cを備える。ストッパ22cは、表側本体部22の内周面のうち、表側本体部22の軸方向における網目25bよりも第1端22a側、かつ雌ねじ23より第2端22b側に位置する。
【0032】
表側部材21は、表側本体部22の軸方向における網目部25とストッパ22cとの間に配置される異物通過防止材27を備えていてもよい。異物通過防止材27は、ウレタンフォーム製の円盤状である。異物通過防止材27は、透水性を有するとともに、異物の通過を防止する。
【0033】
表側筒部28は、表側フランジ24から表側本体部22の第2端22bに向けて延出する。表側筒部28は、表側本体部22の軸方向一部を外周面側から覆う円筒状である。表側筒部28と表側本体部22とは、表側部材21の径方向に重なり合っている。表側筒部28の内周面は、表側本体部22の外周面から、表側本体部22の径方向に離れている。したがって、表側部材21の表側本体部22での外径は、表側部材21の表側筒部28での外径より小さい。そして、螺着部としての表側本体部22は、第2挿入部としての表側筒部28を外周部に備えるとともに、表側本体部22は、表側本体部22の軸方向において表側筒部28と重なる内側に雌ねじ23を備える。この雌ねじ23は、後に説明する裏側部材31の雄ねじ33と螺着される。
【0034】
表側筒部28の外周面は、円筒面である。また、表側部材21における表側筒部28での外径は、コンクリート製地中埋設箱112の取着体用貫通孔141での孔径R2、ひいては外装筒体81の内径、ひいては端部開口81dでの内径より僅かに小さい。このため、表側部材21は、表側筒部28側からコンクリート製地中埋設箱112の大型貫通孔200に挿入可能である。具体的には、表側部材21は、外装筒体81の端部開口81dの内側に挿入可能である。したがって、表側部材21は、大型貫通孔200内に挿入可能な第2挿入部としての表側筒部28を備える。
【0035】
また、コンクリート製地中埋設箱112の取着体用貫通孔141に対する表側筒部28の挿入方向への長さは、表側部材21の軸方向への表側筒部28の長さである。この挿入方向への表側筒部28の長さは、コンクリート製地中埋設箱112の厚さ、つまり壁厚、ひいては外装筒体81の軸方向への長さよりも短い。このため、コンクリート製地中埋設箱112の大型貫通孔200に表側筒部28を挿入すると、表側筒部28は、大型貫通孔200内に収容されるため、コンクリート製地中埋設箱112の側壁13から突出しない。
【0036】
表側部材21は、表側本体部22の外周面と表側筒部28の内周面とを連結する複数の補強リブ29を備えていてもよい。なお、補強リブ29は、表側部材21を操作する際に指を掛けることができる指掛け部として機能する。
【0037】
<裏側部材>
図4及び図6に示すように、裏側部材31は、円筒状の裏側本体部32と、裏側本体部32の軸方向の第1端32a側に一体の裏側フランジ34と、裏側フランジ34から延出する裏側筒部35と、を備える。
【0038】
裏側本体部32の外周面には、雄ねじ33が形成されている。裏側本体部32は、地中埋設箱11の取着体用貫通孔141に挿入される。したがって、裏側部材31は、取着体用貫通孔141内に挿入される第1挿入部としての裏側本体部32を備える。
【0039】
裏側本体部32の軸方向への長さは、樹脂製地中埋設箱111の側壁13の壁厚、つまり、取着体用貫通孔141の深さD1より大きく、コンクリート製地中埋設箱112の側壁13の壁厚、つまり取着体用貫通孔141の深さD2、ひいては外装筒体81の軸方向への長さより小さい。したがって、樹脂製地中埋設箱111の取着体用貫通孔141に対する裏側本体部32の挿入方向への長さは、当該挿入方向への取着体用貫通孔141の長さよりも長い。このため、樹脂製地中埋設箱111の取着体用貫通孔141に裏側本体部32を挿入したとき、裏側本体部32は、側壁13の外面13aから突出する。
【0040】
そして、樹脂製地中埋設箱111の側壁13の外面13aから突出した裏側本体部32の先端に雄ねじ33が設けられている。この雄ねじ33には、表側部材21の雌ねじ23が螺着される。したがって、表側部材21及び裏側部材31のうちの一方である裏側部材31は、取着体用貫通孔141内に挿入される第1挿入部としての裏側本体部32を備える。また、表側部材21及び裏側部材31のうちの一方である表側部材21は、第2挿入部としての表側筒部28を備える。したがって、取着体20は、第1挿入部としての裏側本体部32と、第2挿入部としての表側筒部28の両方を備える。また、表側部材21及び裏側部材31のうちの他方である表側部材21は、裏側本体部32に螺着される螺着部としての表側本体部22を備える。
【0041】
一方、コンクリート製地中埋設箱112の大型貫通孔200に対する裏側本体部32の挿入方向への長さは、当該挿入方向への大型貫通孔200の長さよりも短い。このため、コンクリート製地中埋設箱112の大型貫通孔200に裏側本体部32を挿入したとき、裏側本体部32は、側壁13の外面13aから突出しない。
【0042】
裏側フランジ34は、裏側本体部32の第1端32a側の外周面から裏側本体部32の径方向に延出する。裏側フランジ34は、裏側本体部32の径方向に幅を有する。裏側筒部35は、裏側フランジ34から裏側本体部32と反対側に向けて延出する。裏側筒部35は、円筒状である。また、裏側筒部35の内周面には、複数のガイド溝35aが等間隔おきに形成されている。各ガイド溝35aは、裏側筒部35の先端から基端に向けて斜めに延びた後、裏側筒部35の周方向へ延びる形状である。
【0043】
裏側筒部35は、裏側フランジ34と裏側筒部35の両方に一体化された複数のリブ36を備える。各リブ36は、薄板状に裏側筒部35の外周面から突出するとともに、裏側フランジ34の周縁よりも内側にて裏側フランジ34から突出している。裏側筒部35の外面形状は、表側筒部28の外面形状と異なる。
【0044】
<挿入体>
挿入体41は、裏側部材31における裏側筒部35の内側に挿入されるとともに、裏側部材31に着脱可能である。挿入体41は円筒状である。挿入体41の外径は、裏側筒部35の内径より小さい。
【0045】
挿入体41は、軸方向の第1端41a側に挿入体用フランジ43を備えるとともに、軸方向の第2端41b側に係合フランジ44を備える。また、挿入体41は、挿入体41の軸方向における挿入体用フランジ43と係合フランジ44の間に位置する環状リブ45を備える。
【0046】
挿入体用フランジ43、係合フランジ44及び環状リブ45の各々は、挿入体41の外周面から挿入体41の径方向に延出する。挿入体41は、複数の係合突部42を外周面に備える。複数の係合突部42は、挿入体41の軸方向における挿入体用フランジ43と環状リブ45との間に設けられている。複数の係合突部42は、挿入体41の周方向へ等間隔おきに形成されている。係合突部42の数は、裏側筒部35に形成されたガイド溝35aの数と同じである。そして、各係合突部42は、対応するガイド溝35aに挿入される。裏側筒部35の先端側からガイド溝35aに係合突部42を挿入した後、挿入体41を回転させると、ガイド溝35aによって係合突部42が裏側筒部35の基端に向けて案内される。このため、挿入体41を回転させると、挿入体41を裏側筒部35の基端に向けて案内できる。さらに、ガイド溝35aによって係合突部42が裏側筒部35の周方向に回転するように案内される。これにより、挿入体41を裏側部材31に組付けられる。
【0047】
なお、挿入体41を裏側部材31に組付けるときと逆方向へ挿入体41を回転させると、ガイド溝35aによって係合突部42が裏側筒部35の周方向に回転するように案内される。さらに、挿入体41を裏側部材31に組付けるときと逆方向へ挿入体41を回転させると、ガイド溝35aによって係合突部42が裏側筒部35の基端側から先端に向けて案内される。すると、挿入体41を裏側部材31から取り外すことができる。
【0048】
挿入体41は、挿入体41の軸方向における係合フランジ44と環状リブ45の間に画定された係合凹条41cを備える。係合凹条41cは、挿入体41の全周に亘って形成されている。
【0049】
挿入体41は、挿入体用フランジ43よりも挿入体41の径方向内側に架設部43aと環状部43bと、を備える。架設部43aは、挿入体用フランジ43の周方向に90度おきに形成されている。また、環状部43bは、挿入体用フランジ43に対し同心円状に形成されている。したがって、挿入体用フランジ43よりも挿入体41の径方向内側には、架設部43aと環状部43bによって複数の流入孔43cが画定されている。各流入孔43cは、挿入体41の径方向内側から外側に向けて拡幅する円弧状である。
【0050】
挿入体41は、把持部46を備える。把持部46は、挿入体41の軸方向に沿って架設部43aから延出する。把持部46は、挿入体用フランジ43の直径方向に延びる薄板状である。
【0051】
<弁座部>
弁座部51は、疎水性を有する材料によって形成されている。疎水性を有する材料としては、疎水性シリコンゴム、疎水性フッ素ゴムが挙げられる。本実施形態では、弁座部51は、撓み変形可能な疎水性シリコンゴム製である。なお、疎水性とは、水と親和性が小さいことである。また、疎水性とは、物の表面で水を薄く広がりにくくして水滴としやすい性質のことである。したがって、弁座部51が疎水性を有することにより、弁座部51の表面では、水は薄く広がりにくく、水滴となりやすい。
【0052】
図3及び図4に示すように、弁座部51は、円盤状の基部52と、基部52の周縁から突出する周壁53と、周壁53の先端に設けられたシール部54と、を備える。基部52と、周壁53と、シール部54とは一体成形されている。
【0053】
基部52は円盤状である。基部52の板厚方向を弁座部51の板厚方向とするとともに、基部52の径方向を弁座部51の径方向とする。
基部52の外周部55は、基部52の板厚方向の一方面から突出し、かつ他方面から凹むように成形されている。周壁53は、外周部55の外周縁から、基部52の板厚方向の他方面側へ突出する。基部52は、板厚方向の一方面に第1着座面52aを備えるとともに、板厚方向における第1着座面52aの反対面、つまり他方面に第2着座面52bを備える。第1着座面52aは、外周部55よりも板厚方向に窪んだ位置にあるとともに、外周部55は、第2着座面52bよりも板厚方向に窪んだ位置にある。したがって、外周部55は、第1着座面52aを内側として、当該第1着座面52aを囲む。そして、第2着座面52bは、第1着座面52aよりも広い面積を有する。つまり、外周部55によって、第1着座面52aは、第2着座面52bよりも狭い範囲に形成されている。
【0054】
基部52には、軸挿通孔52cと、複数の通孔52dが形成されている。軸挿通孔52cは、基部52の中央部を板厚方向に貫通する。複数の通孔52dは、軸挿通孔52cを中心として、基部52の周方向へ等間隔おきに配置されている。各通孔52dは、基部52を板厚方向に貫通する。
【0055】
周壁53は、外周部55の外周縁から第2着座面52b側へ円筒状に突出する。弁座部51のシール部54での内径は、挿入体41における係合凹条41cの位置する外周面での外径より僅かに小さい。シール部54は、弁座部51の径方向において、周壁53の内周面から内側に突出するとともに、周壁53の外周面から外側に突出している。このため、弁座部51の径方向へのシール部54の長さは、弁座部51の径方向への周壁53の長さより大きい。
【0056】
弁座部51には、径方向における外周部55よりも内側に挿入溝部56が画定されている。挿入溝部56は、弁座部51の径方向の外周側かつ周壁53の内周側に画定されている。
【0057】
<弁体>
弁体61は、弁座部51と同様に、疎水性を有する材料によって形成されている。弁体61は、疎水性シリコンゴム製である。弁体61は、円盤状の弁舌部62と、弁舌部62の中央部から突出する軸部63と、を備える。弁舌部62は、薄板状であるとともに、弾性変形可能である。弁舌部62の外径は、裏側部材31における裏側筒部35の内径より小さい。弁舌部62は、径方向の外周部に弁部62aを備える。弁部62aは、弁舌部62における弁部62a以外の部分よりも板厚の厚い部分である。弁部62aは、弁舌部62の板厚方向において、軸部63の突出する側へ突出する。軸部63の先端部は、基端部よりも拡径されている。
【0058】
<取着体の全体>
取着体20は、表側部材21と裏側部材31とが螺着されて形成される。具体的には、表側部材21の表側本体部22の内側に、裏側部材31の裏側本体部32を挿入しつつ、裏側部材31の雄ねじ33を表側本体部22の雌ねじ23に螺合する。これにより、表側部材21と裏側部材31が螺着されて取着体20が形成される。表側部材21と裏側部材31の螺着状態では、表側部材21の中心軸と、裏側部材31の中心軸とは同一直線上に位置する。したがって、取着体20において、表側部材21の軸方向と裏側部材31の軸方向は一致する。表側部材21及び裏側部材31の軸方向と一致する方向を取着体20の軸方向とする。
【0059】
螺着された表側部材21と裏側部材31において、表側部材21の表側フランジ24と、裏側部材31の裏側フランジ34とは、取着体20の軸方向に対向する。取着体20の軸方向への表側フランジ24と裏側フランジ34の間隔は、雌ねじ23と雄ねじ33の相対的な螺進により狭くなるとともに、雌ねじ23と雄ねじ33の相対的な螺退により広くなる。
【0060】
なお、表側フランジ24と裏側フランジ34の間には、面パッキン72が配置されていてもよい。面パッキン72は、ゴム製のリング状である。面パッキン72の径方向への幅は、表側フランジ24及び裏側フランジ34の径方向への幅と同じであるが、異なっていてもよい。
【0061】
取着体20において、表側部材21の表側筒部28の外面形状は、裏側部材31の裏側筒部35の外面形状と異なる。
取着体20において、裏側筒部35は、取着体20の軸方向の一端に開口することによって液体の流入口20aとなる。また、取着体20において、表側本体部22は、取着体20の軸方向の他端に開口することによって液体の流出口20bとなる。なお、取着体20の軸方向の他端は、網目部25の網目25bによって開口するため、網目25bは、流出口20bでもある。
【0062】
そして、裏側本体部32の雄ねじ33と、表側本体部22の雌ねじ23との螺着状態において、表側部材21と裏側部材31の一体化された取着体20の内部には、流通路Rが画定されている。流通路Rは、裏側部材31における裏側筒部35の内部空間及び裏側本体部32の内部空間と、表側部材21における表側本体部22の先端部での内部空間とが連通して画定されている。そして、この流通路Rは、裏側筒部35における流入口20aと、表側本体部22における流出口20bとを繋ぐ。
【0063】
<挿入部材>
挿入体41と、弁座部51と、弁体61とは、一体に組付けられて挿入部材71を形成する。
【0064】
弁体61の軸部63は、弁座部51の軸挿通孔52cに挿通されている。弁舌部62と、軸部63の先端側との間に基部52が挟み込まれる。これによって、弁体61は、基部52に取着される。したがって、弁体61は、基部52に取着される軸部63を備える。
【0065】
軸部63を弁座部51の第1着座面52aから第2着座面52bに向けて挿通すると、弁部62aは、第1着座面52aに着座する。軸部63を弁座部51の第2着座面52bから第1着座面52aに向けて挿通すると、弁部62aは、第2着座面52bに着座する。
【0066】
挿入部材71において、弁座部51の周壁53の内側には、挿入体41の係合フランジ44側が挿入されている。係合フランジ44は、弁座部51の挿入溝部56に挿入されている。係合フランジ44は、弁座部51の径方向における周壁53の内周面と基部52の外周縁との間に挟み込まれている。これにより、挿入体41が弁座部51と一体に組付けられるとともに、弁座部51に取着された弁体61も挿入体41と一体に組付けられる。これにより、挿入部材71が形成される。
【0067】
上記したように、弁座部51のシール部54での内径は、挿入体41における係合凹条41cの位置する外周面での外径より僅かに小さい。このため、シール部54の内周縁は、挿入体41の外周面に密接している。シール部54は、挿入体41の係合凹条41cに入り込んでいる。シール部54は、係合凹条41cを画定した係合フランジ44に係合可能である。
【0068】
<取着体及び弁体>
取着体20には、挿入部材71が一体化される。挿入部材71を係合突部42側から、裏側部材31の裏側筒部35に挿入して、挿入体41を裏側部材31に挿入する。上記のように裏側筒部35の内側は、流入口20aを画定するため、挿入体41は、流入口20a及び流出口20bのうちの流入口20aに挿入される。
【0069】
取着体20に挿入部材71を一体化するとき、係合突部42をガイド溝35aに挿入して挿入体41を裏側部材31に組付ける。このとき、挿入体41は、弁座部51を保持した状態で、取着体20の流入口20aに挿入される。そして、流入口20aへの挿入体41の挿入に伴って、弁座部51の基部52は、流入口20aを覆う。
【0070】
また、挿入体41の径方向において、シール部54の外周縁は、環状リブ45の外周縁から径方向外側へ突出している。そして、シール部54の外周縁は、裏側筒部35の内周面に密接している。シール部54は、挿入体41と裏側筒部35との間、つまり、取着体20と挿入部材71との間をシールしている。取着体20の軸方向における裏側部材31側には、挿入体41の把持部46が軸方向に突出している。
【0071】
取着体20において、裏側部材31の内側に画定された流入口20aは、挿入体41の流入孔43cを介して取着体20の外部と連通している。そして、取着体20において、流通路Rの途中には、弁体61、及び弁座部51の基部52が配置されている。
【0072】
<取着体の使用方法>
まず、樹脂製地中埋設箱111に取着体20を取着して、逆止弁を樹脂製地中埋設箱111に設置する場合を説明する。なお、取着体20は、表側部材21と裏側部材31に分解されているとともに、挿入部材71は、取着体20に組付けられていないものとする。
【0073】
まず、樹脂製地中埋設箱111の側壁13に取着体用貫通孔141を形成する。取着体用貫通孔141の孔径R1は、裏側本体部32を挿通できる大きさとする。
次に、図1及び図4に示すように、裏側本体部32に面パッキン72が装着された状態で、裏側本体部32を、樹脂製地中埋設箱111の空間S側から取着体用貫通孔141に挿入する。裏側本体部32は、側壁13を貫通するとともに、雄ねじ33は、側壁13の外面13aから突出する。したがって、表側部材21及び裏側部材31のうちの一方である裏側部材31は、取着体用貫通孔141に挿入される第1挿入部である。
【0074】
次に、裏側本体部32の雄ねじ33に対し、表側部材21の雌ねじ23を螺着する。したがって、表側部材21及び裏側部材31のうちの他方である表側部材21は、裏側本体部32に螺着される螺着部である。
【0075】
作業者は、表側部材21の補強リブ29に指を掛けて螺着作業を行うのが好ましい。そして、表側フランジ24と裏側フランジ34とで側壁13を挟持する。つまり、第1挿入部としての裏側本体部32と、螺着部としての表側本体部22とを螺着しつつ表側部材21と裏側部材31とで樹脂製地中埋設箱111の側壁13を壁厚方向の両側から挟持して取着体20を側壁13に取着する。したがって、取着体20は、裏側本体部32と表側本体部22とを螺着しつつ表側部材21と裏側部材31とで樹脂製地中埋設箱111の側壁13を壁厚方向の両側から挟持して、取着体20を側壁13に取着可能とする挟持機構を備える。挟持機構は、表側部材21と裏側部材31とによって構成される。なお、面パッキン72は、側壁13と裏側フランジ34に挟持されて側壁13の内面13bに密接する。
【0076】
その結果、取着体20は、取着体用貫通孔141を使用して樹脂製地中埋設箱111の側壁13に取着される。その後、挿入部材71の係合突部42を裏側部材31のガイド溝35aに挿入して挿入体41を裏側部材31に組付けることにより、取着体20に挿入部材71が一体化される。したがって、表側部材21と、裏側部材31と、挿入体41と、弁座部51と、弁体61とが一体化されるとともに、樹脂製地中埋設箱111に逆止弁が設置される。
【0077】
次に、コンクリート製地中埋設箱112に取着体20を取着して、逆止弁をコンクリート製地中埋設箱112に設置する場合を説明する。
図2及び図7に示すように、コンクリート製地中埋設箱112の取着体用貫通孔141には、中空筒状の外装筒体81が挿入されるとともに、外装筒体81の内側に大型貫通孔200が画定されている。
【0078】
さて、裏側本体部32を大型貫通孔200に挿入しても、裏側本体部32は、側壁13の外面13aから突出しない。よって、裏側本体部32の雄ねじ33に表側本体部22の雌ねじ23を螺着することができないため、表側部材21と裏側部材31で側壁13を挟持できない。したがって、コンクリート製地中埋設箱112の側壁13の壁厚は、挟持機構による表側部材21と裏側部材31とで挟持できない壁厚である。
【0079】
この場合、取着体20の表側部材21及び裏側部材31のうち、表側部材21を大型貫通孔200に挿入する。したがって、裏側本体部32の雄ねじ33と表側本体部22の雌ねじ23とが螺着された表側部材21及び裏側部材31のうちの一方である表側部材21は、大型貫通孔200に挿入可能な第2挿入部としての表側筒部28を備える。
【0080】
そして、表側筒部28の外周面を、外装筒体81の軸方向におけるいずれか一方の端部開口81dでの内周面、つまり大型貫通孔200の画定面に接着剤によって接着する。これにより、取着体20は、大型貫通孔200を使用してコンクリート製地中埋設箱112の側壁13に取着可能とする。したがって、取着体20は、表側筒部28の外周面を大型貫通孔200の画定面に接着することで、取着体20をコンクリート製地中埋設箱112に取着可能とする接着機構を備える。接着機構は、表側部材21の表側筒部28によって形成されている。よって、取着体20は、挟持機構と接着機構の2つの機構を備える。
【0081】
なお、外装筒体81と取着体20とから取着体装置100が形成されている。取着体装置100は、取着体用貫通孔141の設けられた側壁13に取着される取着体20と、取着体用貫通孔141よりも相対的に内部空間が大きい大型貫通孔200を備える側壁13に取着可能とすべく、大型貫通孔200を画定する中空筒状の外装筒体81と、を備える。
【0082】
表側筒部28の外周面は、円筒面である。一方、裏側筒部35の外周面には、リブ36が形成されている。リブ36は、表側筒部28の円筒面に比べると、大型貫通孔200の画定面に接着不可、かつ挿入不可な形状である。したがって、表側部材21及び裏側部材31のうちの他方となる裏側筒部35は、表側筒部28とは異なる形状であって、大型貫通孔200に接着不可、且つ挿入不可な外面を有する。
【0083】
その後、挿入部材71の係合突部42を裏側部材31のガイド溝35aに挿入して挿入体41を裏側部材31に組付けることにより、取着体20に挿入部材71が一体化される。したがって、表側部材21と、裏側部材31と、挿入体41と、弁座部51と、弁体61とが一体化されるとともに、コンクリート製地中埋設箱112に逆止弁が設置される。
【0084】
地中埋設箱11に取着体20が取着されると、流通路Rの流入口20aは、地中埋設箱11の空間Sに開口するとともに、流出口20bは、地中埋設箱11の外側で開口する。
流通路Rには、地中埋設箱11の内部から外部に向けて液体としての水が流れる。具体的には、地中埋設箱11の内部の水は、流入口20aから取着体20の内部に流入した後、流通路Rを流出口20bに向けて流れる。流通路Rでの水の流通方向は、流入口20aから流出口20bに向かう方向である。
【0085】
流通路Rでの水の流通方向において、流入口20a側が上流側であり、流出口20b側が下流側となる。また、弁座部51の基部52に形成された通孔52dは、流通路Rでの流通方向に基部52を貫通している。
【0086】
基部52は、流入口20aと流出口20bとを隔てている。また、弁体61の弁部62aは、基部52の第1着座面52aに着座している。基部52に対する弁部62aの着座によって、通孔52dは、弁体61によって閉鎖されている。したがって、基部52に対して弁部62aが着座しているとき、流入口20aと流出口20bとは、弁座部51と弁体61とによって遮断されている。
【0087】
取着体20の使用態様において、流入孔43cを介して流入口20aに水が流入して、水が通孔52dを経由して弁舌部62に到達すると、弁舌部62には水圧が作用する。弁舌部62に作用する水圧が閾値を超えると、弁舌部62が変形して弁部62aが第1着座面52aから離間する。これにより、流入口20aと流出口20bが通孔52dを介して連通するとともに、流入口20aに流入した水が流通路Rを経由して流出口20bに流出する。流出口20bに流出した水は、異物通過防止材27を通過した後、網目部25の網目25bを経由して取着体20の外へ流出する。
【0088】
取着体20の使用態様において、網目部25の網目25bを介して流出口20bに水が流入して、水が弁舌部62に到達すると、弁舌部62には水圧が作用する。弁舌部62に作用する水圧により、弁部62aは第1着座面52aに押し当てられる。これにより、流出口20bから流入口20aへの水の流入、つまり流出口20b側から流入口20a側への水の逆流は阻止される。したがって、挿入部材71の一体化された取着体20は、逆止弁を備える。つまり、取着体20の内部には、流通路Rを流れる水の一方向への流れを許容し、かつ一方向と反対方向への水の流れを阻止する逆止弁が配置されている。
【0089】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)取着体20は、樹脂製地中埋設箱111に対しては、表側部材21と裏側部材31とで側壁13を挟持することで取着体用貫通孔141を使用して側壁13に取着される。また、取着体20は、コンクリート製地中埋設箱112に対しては、表側筒部28を大型貫通孔200の画定面に接着することで取着体用貫通孔141を使用して側壁13に取着される。したがって、取着体20によれば、サイズの異なる取着体用貫通孔141及び大型貫通孔200のいずれを使用しても側壁13に取着できる。つまり、取着体20によれば、2種類の地中埋設箱11に取着できる。
【0090】
よって、側壁13のサイズに応じた複数種類の取着体20を準備する必要がなくなるため、地中埋設箱11の設置箇所へ搬入する備品を減らすことができる。
また、作業者にとっては、表側部材21と裏側部材31で側壁13を挟持して取着体20を取着する作業途中に、表側部材21と裏側部材31で側壁13を挟持できない場合には、取着体20の取着方法を変更できる。このため、別サイズの取着体20を準備して、改めて側壁13への取着作業を行う必要がないため、取着体20を側壁13に取着する作業の作業性が向上する。
【0091】
(2)取着体20は、挟持機構と接着機構を備える。そして、挟持機構を用いることで、壁厚の薄い樹脂製地中埋設箱111に取着体20を取着できる。また、接着機構を用いることで、壁厚が厚いため、裏側本体部32の軸方向長さの足りないコンクリート製地中埋設箱112であっても取着体20を取着できる。したがって、壁厚の異なる2種類の地中埋設箱11でも取着体20を側壁13に取着できる。
【0092】
(3)地中埋設箱11に形成する取着体用貫通孔141の内部空間の大きさを調整することで、取着体20を側壁13に取着する方法を挟持機構か接着機構に変更できる。
(4)表側筒部28の長さは、コンクリート製地中埋設箱112における側壁13の壁厚より小さい。このため、表側筒部28の外周面を大型貫通孔200の画定面に接着するとき、表側筒部28の外周面の全面を接着できるため、側壁13に対する取着体20の接着を強固なものにできる。
【0093】
(5)取着体20は、樹脂製地中埋設箱111の取着体用貫通孔141、及びコンクリート製地中埋設箱112に設けられた大型貫通孔200のいずれを使用しても側壁13に取着できる。したがって、地中埋設箱11の設置場所で側壁13の壁厚を確認した後であっても、取着体20を取着できる。
【0094】
(6)表側部材21と裏側部材31を螺着した状態において、表側筒部28と裏側筒部35では形状が異なる。特に、裏側筒部35の外面形状は、表側筒部28のような円筒面と異なり、リブ36が突出する形状である。つまり、裏側筒部35は、視覚的に接着に適さない形状であることを作業者に認識させやすい。このため、作業者は、表側筒部28側が、コンクリート製地中埋設箱112の側壁13への接着部であることに気付きやすい。
【0095】
(7)裏側筒部35の内側には、弁体61の一体化された挿入体41が挿入される。そして、裏側部材31は、取着体20に弁体61を一体化するための裏側筒部35を備える。つまり、裏側部材31は、側壁13の裏側に位置させる部材である。よって、裏側部材31の裏側筒部35は、接着に適さない形状であり、側壁13の裏側に配置される部位であることを視覚的に認識しやすい。
【0096】
(8)表側部材21は、表側本体部22の内周面に雌ねじ23を備えるとともに、表側本体部22の外周側に表側筒部28を備える。例えば、表側部材21の軸方向に雌ねじ23と表側筒部28が並んでいる場合と比べると、表側部材21の軸方向への長さを小さくできるとともに、取着体20においても軸方向への長さを小さくできる。
【0097】
(9)取着体20は、流入口20aと流出口20bを備える。そして、取着体20に挿入部材71を一体化すると、取着体20に弁体61及び弁座部51を設けることができる。弁座部51及び弁体61は、流入口20aから流出口20bへの水の流れは許容する一方で、流出口20bから流入口20aへの水の流れは阻止する逆止弁である。取着体20は、内部空間の大きさが相対的に異なる取着体用貫通孔141及び大型貫通孔200のいずれに対しても取着できるため、内部空間の大きさの異なる取着体用貫通孔141及び大型貫通孔200のいずれに対しても取着体20を用いて逆止弁を設置できる。
【0098】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○表側部材21の補強リブ29は無くてもよい。
【0099】
○実施形態では、側壁13の内面13bと裏側部材31の裏側フランジ34との間に面パッキン72を介在させたが、これに加えて、側壁13の外面13aと表側フランジ24との間にも面パッキン72を介在させてもよい。又は、側壁13の内面13bと裏側部材31の裏側フランジ34との間には面パッキン72を介在させず、側壁13の外面13aと表側フランジ24との間だけに面パッキン72を介在させてもよい。
【0100】
○側壁13を表側部材21と裏側部材31で挟持する場合、面パッキン72を介在させなくてもよい。
○コンクリート製地中埋設箱112の取着体用貫通孔141は、コンクリート型枠内に配置したボイド管を、側壁13を形成するコンクリート躯体内に埋設することにより形成してもよい。この場合、ボイド管は、外装筒体となり得る。また、ボイド管が側壁13から撤去された場合は、取着体20の表側筒部28の外周面を、取着体用貫通孔141の画定面に直接接着する。すなわち、コンクリート製地中埋設箱112の側壁13に取着体20を取着する場合、外装筒体81を用いなくてもよい。
【0101】
○表側部材21について、表側部材21の軸方向への表側本体部22の長さを拡大する。そして、表側本体部22における表側フランジ24寄りの内周面に雌ねじ23を形成しつつ、その雌ねじ23よりも軸方向の先端側に表側筒部28を設けてもよい。つまり、雌ねじ23と表側筒部28を表側部材21の軸方向の同じ位置に配置するのではなく、雌ねじ23と表側筒部28を表側部材21の軸方向にずらして配置してもよい。
【0102】
○裏側部材31について、裏側筒部35のリブ36を削除するとともに、裏側筒部35の外径を拡径して、表側筒部28の外径と同等にする。そして、コンクリート製地中埋設箱112の側壁13に取着体20を取着する際、裏側筒部35を第2挿入部として使用してもよい。このように構成した場合、取着体20は、当該取着体20の軸方向の両側に第2挿入部を備える。
【0103】
また、この場合、裏側筒部35の外径を、表側筒部28の外径と異ならせてもよい。具体的には、裏側筒部35の外径を、取着体用貫通孔141の孔径と同じ又は小さくなるように縮径する。このように構成した場合、接着によって取着体20を側壁13に取着する場合、取着体20は、2種類の取着体用貫通孔141に対応することができる。
【0104】
○裏側部材31について、裏側筒部35のリブ36を削除するとともに、裏側筒部35の外径を拡径して、表側筒部28の外径と同等にする。一方、表側部材21について、表側筒部28の外周面にリブを突設して、コンクリート製地中埋設箱112の大型貫通孔200に挿入できない形状とする。そして、コンクリート製地中埋設箱112の大型貫通孔200に取着体20を取着する際、裏側筒部35を第2挿入部として使用してもよい。このように構成した場合、取着体20は、当該取着体20の軸方向の一端側のみに第2挿入部を備える。
【0105】
このように構成した場合、表側筒部28はリブが突出する形状である。つまり、表側筒部28は、視覚的に接着に適さない形状であることを認識しやすい。このため、作業者は、裏側筒部35側を側壁13に接着しようとすることが気付きやすい。
【0106】
図8に示すように、軸方向への裏側本体部32の長さを、コンクリート製地中埋設箱112における取着体用貫通孔141の深さD2より長くしてもよい。そして、側壁13の外面13aから突出した裏側本体部32の先端に雄ねじ33が形成されるようにする。このように構成した場合、大型貫通孔200から突出した雄ねじ33に表側部材21の表側本体部22を螺着することで、表側部材21と裏側部材31によってコンクリート製地中埋設箱112の側壁13を挟持できる。これにより、取着体20をコンクリート製地中埋設箱112の側壁13に取着できる。
【0107】
また、表側筒部28の外周面を外装筒体81の内周面に接着して取着体20をコンクリート製地中埋設箱112の側壁13に取着することもできる。したがって、取着体20は、挟持機構と接着機構のいずれの方法であっても地中埋設箱11に取着できる。
【0108】
○表側部材21について、表側フランジ24から表側筒部28と反対側へ筒状部を延設する。この筒状部の外径を取着体用貫通孔141の孔径よりも小さくして、筒状部を取着体用貫通孔141に挿入可能とする。そして、筒状部の内周面に雌ねじを形成して、裏側部材31の雄ねじ33に螺着可能として、裏側部材31の裏側本体部32、及び表側部材21の筒状部の両方を取着体用貫通孔141に挿入される第1挿入部とする。
【0109】
この場合、取着体用貫通孔141の内部で、裏側部材31の雄ねじ33と、表側部材21における筒状部の雌ねじとを螺着することによって、表側部材21と裏側部材31とを一体化する。さらに、裏側部材31の雄ねじ33と、表側部材21における筒状部の雌ねじとの螺着によって、側壁13を表側フランジ24と裏側フランジ34で挟持して、取着体20を側壁13に取着する。
【0110】
○表側部材21について、表側フランジ24から表側筒部28と反対側へ筒状部を延設する。この筒状部の外径を取着体用貫通孔141の孔径よりも小さくして、筒状部を取着体用貫通孔141に挿入可能とする。そして、筒状部の外周面に雄ねじを形成する。
【0111】
裏側部材31について、裏側本体部32を削除するとともに、裏側筒部35を裏側部材31の軸方向に延長する。そして、延長した裏側筒部35において、裏側フランジ34側に内側筒状部を形成するとともに、その内側筒状部のよりも先の内周面にガイド溝35aを形成する。また、内側筒状部の内周面に雌ねじを形成する。
【0112】
取着体20を側壁13に取着する際、表側部材21の筒状部を取着体用貫通孔141に挿入する。このとき、表側部材21の筒状部は、側壁13の内面13bよりも突出するとともに、筒状部に設けた雄ねじも内面13bから突出する。そして、裏側部材31の内周筒状部に設けた雌ねじを、筒状部に設けた雄ねじに螺着する。これにより、表側部材21と裏側部材31とを一体化する。さらに、裏側部材31の雌ねじと、表側部材21の雄ねじとの螺着によって、側壁13を表側フランジ24と裏側フランジ34で挟持して、取着体20を側壁13に取着する。
【0113】
このように構成した場合、表側部材21の筒状部を取着体用貫通孔141に挿入される第1挿入部とする。
○表側部材21において、表側筒部28は、表側本体部22の第2端22bにおける網目部25を超える位置まで延出していてもよい。
【0114】
○外装筒体81の軸方向への長さは、コンクリート製地中埋設箱112の側壁13から突出する長さであってもよい。
○コンクリート製地中埋設箱112に取着体20を取着する際、挿入部材71は、取着体20に予め組付けられていてもよい。
【0115】
○樹脂製地中埋設箱111に取着体20を取着する際、挿入部材71は、裏側部材31に予め組付けられていてもよい。
○外装筒体81は、軸方向に一様な断面形状を有しておらず、両方の端部開口81dでの形状が異なっていてもよい。この場合、取着体20は、いずれか一方の端部開口81dの内周面に接着によって取着できればよい。
【0116】
○実施形態では、画定体として、地中埋設箱11の空間Sを画定する側壁13に具体化したが、画定体は、地中に埋設されずに、構造物に固定されて地表に露出した状態の配電函や、配線ボックスの内部空間を画定する側壁や底壁、さらには、建物の部屋を画定する建物壁であってもよい。
【0117】
○実施形態では、取着体20は、地中埋設箱11の側壁13に逆止弁を設けるために側壁13に取着されたが、取着体20は、地中埋設箱11の側壁13に電線管を接続するためのコネクタを側壁13に設けるために側壁13に取着されてもよい。
【0118】
この場合、表側部材21は、網目部25を備えない円筒状とする。表側部材21と裏側部材31を螺着してなる取着体20において、裏側部材31における裏側本体部32の内周面を表側部材21の内側に露出させる。
【0119】
そして、裏側本体部32の内周面に円筒状のコネクタを接着して、取着体20にコネクタを一体化するとともに、このコネクタに電線管を接続する。これにより、地中埋設箱11に取着された取着体20を用いて、地中埋設箱11に電線管を接続できる。
【0120】
○実施形態では、取着体20は、地中埋設箱11の側壁13に取着したが、地中埋設箱11の底壁12に取着してもよい。
○表側部材21及び裏側部材31のいずれかが大型貫通孔200に接着されて側壁13に取着体20が取着される場合に、挟持によって側壁13に取着される場合の表裏の向きを同じにしたが、表裏の向きを反転した状態で、取着体20が大型貫通孔200に接着されてもよい。
【0121】
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記別の画定体の厚さは、前記挟持機構による前記表側部材と前記裏側部材とで前記画定体を挟持できない厚さであり、前記大型貫通孔に対する前記第2挿入部の挿入方向への前記第2挿入部の長さは、前記別の画定体の厚さよりも短い取着体。
【0122】
(ロ)前記取着体は、前記外装筒体の軸方向の両端部に形成された端部開口のうち、少なくともいずれか一方の前記端部開口の内周面に接着可能である取着体装置。
【符号の説明】
【0123】
R…流通路、13…画定体としての側壁、14…貫通孔、20…取着体、21…表側部材、22…螺着部としての表側本体部、28…第2挿入部としての表側筒部、31…裏側部材、32…第1挿入部としての裏側本体部、33…雄ねじ、100…取着体装置、141…取着体用貫通孔、200…大型貫通孔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8