IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイハツ工業株式会社の特許一覧

特開2025-1288車両用制御装置および車両用制御システム
<>
  • 特開-車両用制御装置および車両用制御システム 図1
  • 特開-車両用制御装置および車両用制御システム 図2A
  • 特開-車両用制御装置および車両用制御システム 図2B
  • 特開-車両用制御装置および車両用制御システム 図3
  • 特開-車両用制御装置および車両用制御システム 図4A
  • 特開-車両用制御装置および車両用制御システム 図4B
  • 特開-車両用制御装置および車両用制御システム 図5
  • 特開-車両用制御装置および車両用制御システム 図6
  • 特開-車両用制御装置および車両用制御システム 図7
  • 特開-車両用制御装置および車両用制御システム 図8
  • 特開-車両用制御装置および車両用制御システム 図9
  • 特開-車両用制御装置および車両用制御システム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001288
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】車両用制御装置および車両用制御システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20241225BHJP
   H04N 21/482 20110101ALI20241225BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20241225BHJP
【FI】
G01C21/26 C
H04N21/482
H04N21/442
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100789
(22)【出願日】2023-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高倉 このみ
【テーマコード(参考)】
2F129
5C164
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC06
2F129CC17
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF19
2F129FF58
2F129GG22
2F129GG23
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH20
2F129HH21
5C164UB41P
5C164UD52P
5C164YA21
5C164YA30
(57)【要約】
【課題】複雑な手続きを行うことなく、車両の将来の走行経路に見合った放送メディアの聴取予約または視聴予約を行うことが可能な車両用制御装置および車両用制御システムを提供する。
【解決手段】車両用放送メディア視聴装置(車両用制御装置)は、現在時刻と、予め設定された走行経路と、に基づいて、走行経路を走行した際に、当該走行経路における各地点の通過時刻を予測する通過時刻予測部と、走行経路の各地点において視聴または聴取可能な番組の番組表を生成する番組表生成部と、生成された番組表の中から、視聴予約または聴取予約を行う番組の選択を受け付ける予約受付部と、予約受付部が受け付けた予約を実行する予約実行部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置と、現在時刻と、予め設定された走行経路と、に基づいて、前記走行経路を走行した際に、当該走行経路における各地点の通過時刻を予測する通過時刻予測部と、
前記走行経路の各地点において視聴または聴取可能な番組の番組表を生成する番組表生成部と、
前記番組表の中から、視聴予約または聴取予約を行う番組の選択を受け付ける予約受付部と、
前記予約受付部が受け付けた予約を実行する予約実行部と、を備える、
車両用制御装置。
【請求項2】
前記予約実行部が実行している予約を実行できなくなったことを条件として、前記予約の変更を要求する予約変更受付部を更に備える、
請求項1に記載の車両用制御装置。
【請求項3】
車両に搭載された車両用制御装置と、前記車両のユーザが所持する携帯端末とを備える車両用制御システムであって、
前記携帯端末は、
前記車両用制御装置から取得した車両の現在位置と、現在時刻と、予め設定された走行経路と、に基づいて、前記走行経路を走行した際に、当該走行経路における各地点の通過時刻を予測する通過時刻予測部と、
前記走行経路の各地点において視聴または聴取可能な番組の番組表を生成する番組表生成部と、
前記番組表の中から、視聴予約または聴取予約を行う番組の選択を受け付ける予約受付部と、
前記予約受付部が受け付けた予約を、前記車両用制御装置に出力する予約情報出力部と、を備えて、
前記車両用制御装置は、
前記携帯端末から、前記予約を取得する予約情報取得部と、
前記予約情報取得部が取得した予約を実行する予約実行部と、を備える、
車両用制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用制御装置および車両用制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラジオ番組やテレビ番組等の放送メディアの聴取予約や視聴予約を行うことが可能なコンテンツ再生装置が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-217998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなコンテンツ再生装置は、一般に、予めプリセットされた放送メディアや、現在位置で受信可能な放送メディアに対して聴取予約や視聴予約を行うものであった。したがって、プリセットされていないラジオ番組の聴取予約やテレビ番組の視聴予約を行うことはできなかった。そのため、長距離ドライブを行う場合に、現在位置から離れた遠隔地で受信可能な、普段は見聞きしない放送メディアの視聴予約や聴取予約を行うことはできなかった。
【0005】
本発明の目的は、複雑な手続きを行うことなく、車両の将来の走行経路に見合った放送メディアの聴取予約または視聴予約を行うことが可能な車両用制御装置および車両用制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するため、本発明に係る車両用制御装置は、車両の現在位置と、現在時刻と、予め設定された走行経路と、に基づいて、走行経路を走行した際に、当該走行経路における各地点の通過時刻を予測する通過時刻予測部と、走行経路の各地点において視聴または聴取可能な番組の番組表を生成する番組表生成部と、番組表の中から、視聴予約または聴取予約を行う番組の選択を受け付ける予約受付部と、予約受付部が受け付けた予約を実行する予約実行部と、を備える。
【0007】
この構成によれば、複雑な手続きを行うことなく、車両の将来の走行経路に見合った放送メディアの聴取予約または視聴予約を行うことができる。
【0008】
また、本発明に係る車両用制御装置は、予約実行部が実行している予約を実行できなくなったことを条件として、予約の変更を要求する予約変更受付部を更に備える。
【0009】
この構成によれば、そのときの交通状況に応じて、聴取予約や視聴予約を変更することができる。
【0010】
また、本発明に係る車両用制御システムは、車両に搭載された車両用制御装置と、車両のユーザが所持する携帯端末とを備える。携帯端末は、車両用制御装置から取得した車両の現在位置と、現在時刻と、予め設定された走行経路と、に基づいて、走行経路を走行した際に、当該走行経路における各地点の通過時刻を予測する通過時刻予測部と、走行経路の各地点において視聴または聴取可能な番組の番組表を生成する番組表生成部と、番組表の中から、視聴予約または聴取予約を行う番組の選択を受け付ける予約受付部と、予約受付部が受け付けた予約を、車両用制御装置に出力する予約情報出力部と、を備える。車両用制御装置は、携帯端末から、予約を取得する予約情報取得部と、予約情報取得部が取得した予約を実行する予約実行部と、を備える。
【0011】
この構成によれば、乗車前に、車両と離れた位置から、複雑な手続きを行うことなく、車両の将来の走行経路に見合った放送メディアの聴取予約または視聴予約を行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複雑な手続きを行うことなく、車両の将来の走行経路に見合った放送メディアの聴取または視聴を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、第1の実施形態の車両用放送メディア視聴装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2A図2Aは、受信局マップのデータ構造の一例を示す図である。
図2B図2Bは、予約データのデータ構造の一例を示す図である。
図3図3は、車両用放送メディア視聴装置が生成した番組表の一例を示す図である。
図4A図4Aは、聴取予約受付処理の内容を示す第1の図である。
図4B図4Bは、聴取予約受付処理の内容を示す第2の図である。
図5図5は、第1の実施形態の車両用放送メディア視聴装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、第1の実施形態の車両用放送メディア視聴装置が行う聴取予約受付処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7図7は、第1の実施形態の車両用放送メディア視聴装置が行う聴取予約実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、第2の実施形態の車両用放送メディア視聴システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図9図9は、第2の実施形態の車両用放送メディア視聴システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図10図10は、第2の実施形態の車両用放送メディア視聴システムが行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1を用いて、本発明の第1の実施形態の車両用放送メディア視聴装置のハードウェア構成を説明する。図1は、第1の実施形態の車両用放送メディア視聴装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
(車両用メディア視聴装置の概略構成)
車両用放送メディア視聴装置10aは、図示しない車両に搭載されて、放送メディア受信装置18が受信した番組を、車両の乗員に提供する。放送メディアとは、例えばラジオ放送(AM放送、FM放送)やテレビ放送である。なお、車両用放送メディア視聴装置10aは、本開示における車両用制御装置の一例である。
【0017】
図1に示すように、車両用放送メディア視聴装置10aは、ECU12と、記憶装置13と、入力デバイス14と、表示デバイス15と、スピーカ16と、測位装置17と、放送メディア受信装置18とを備える。
【0018】
ECU12は、コンピュータの構成を有するプロセッサである。ECU12は、記憶装置13が記憶する制御プログラム131aに従って動作することによって、車両用放送メディア視聴装置10aに所定の動作を行わせる。
【0019】
記憶装置13は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶デバイスである。また、記憶装置13は、電源を切っても記憶情報が保持されるフラッシュメモリ等の不揮発性メモリであってもよい。記憶装置13は、制御プログラム131aと、地図データベース132と、受信局マップ133と、予約データ134と、録音・録画データ135とを記憶する。
【0020】
制御プログラム131aは、ECU12上で動作して、車両用放送メディア視聴装置10aに所定の動作を行わせるプログラムである。
【0021】
地図データベース132は、測位装置17が測位した車両の位置を、実際に走行している道路上の位置に照らし合わせるために利用する地図データである。地図データベース132は、複数のメッシュに分割されて、メッシュ毎に、道路線形や区間距離を示すリンクデータや道路の接続状態を示す接続データ等が格納されている。
【0022】
受信局マップ133は、地図データベース132を所定のスケールで縦横に分割したメッシュ毎に、当該メッシュ内で受信可能な放送局の一覧を記憶したデータである。受信局マップ133について、詳しくは後述する(図2A参照)。
【0023】
予約データ134は、聴取予約または視聴予約された日時とチャンネルとを記憶したデータである。予約データ134について、詳しくは後述する(図2B参照)。
【0024】
録音・録画データ135は、車両用放送メディア視聴装置10aが録音または録画したデータである。
【0025】
なお、図1には図示しないが、記憶装置13は、更に、全ての放送局の番組表を記憶している。
【0026】
入力デバイス14は、車両用放送メディア視聴装置10aに対する各種操作情報を入力するデバイスである。入力デバイス14は、例えば、表示デバイス15の表示面に積層されたタッチパネルや、車両に設置された物理スイッチである。
【0027】
表示デバイス15は、車両に設置された液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置である。表示デバイス15は、車両用放送メディア視聴装置10aを操作する際の各種操作画面や番組表30(図3参照)等を表示する。また、表示デバイス15は、放送メディア受信装置18が受信したテレビ放送の映像や、車両用放送メディア視聴装置10aが録画したテレビ放送の映像を表示する。
【0028】
スピーカ16は、放送メディア受信装置18が受信したラジオ放送やテレビ放送の音声を出力する。また、スピーカ16は、車両用放送メディア視聴装置10aが録音したラジオ放送やテレビ放送の音声を表示する。
【0029】
測位装置17は、車両の現在位置を測位する。より具体的には、測位装置17は、図示しないGPSアンテナが受信したGPS信号を解析することによって、車両の現在位置を示す緯度、経度を算出する。
【0030】
放送メディア受信装置18は、受信した放送メディアの情報を受信する装置である。放送メディアとは、例えば、ラジオ放送やテレビ放送である。放送メディア受信装置18は、例えば、ラジオチューナやテレビチューナである。
【0031】
(受信局マップのデータ構造)
図2Aを用いて、受信局マップ133のデータ構造を説明する。図2Aは、受信局マップのデータ構造の一例を示す図である。
【0032】
受信局マップ133は、地図データベース132に格納されているメッシュに一意に付与されたメッシュコードに関連付けて、当該メッシュコードの領域で受信可能な放送局情報を格納する。
【0033】
放送局情報は、放送局名と、受信周波数とを含む。同じメッシュコード内では、一般に複数の放送局を受信可能であるため、メッシュコードに関連付けて、複数の放送局名と受信周波数のペアが格納される。なお、放送局情報は、更に、ラジオ放送(AM放送、FM放送)とテレビ放送とに分けて格納されてもよい。
【0034】
(予約データのデータ構造)
図2Bを用いて、予約データ134のデータ構造を説明する。図2Bは、予約データのデータ構造の一例を示す図である。
【0035】
予約データ134は、予約された順に付与される予約番号に関連付けて、予約内容を示す予約情報を格納する。
【0036】
予約情報は、開始時刻と、終了時刻と、放送局名と、受信周波数と、番組名とを含む。
【0037】
予約開始時刻は、予約の開始時刻である。
【0038】
予約終了時刻は、予約の終了時刻である。
【0039】
放送局名は、予約された放送局名である。
【0040】
受信周波数は、予約された放送局の受信周波数である。
【0041】
番組名は、予約された番組名である。
【0042】
なお、図2Bに示す予約データ134は一例であって、図2Bに記載した以外の情報が格納されてもよい。
【0043】
(番組表の構成)
図3を用いて、車両用放送メディア視聴装置10aが生成した番組表30の構成を説明する。図3は、車両用放送メディア視聴装置が生成した番組表の一例を示す図である。
【0044】
番組表30は、車両が、現在位置から、予め設定された経路に沿って走行した際に、走行経路の各地点において、視聴または聴取可能な番組のリストである。番組表30は、例えば、表示デバイス15に表示される。
【0045】
番組表30は、時刻31と、放送局名32と、受信可能番組名34と、受信不能番組名35とを含む。
【0046】
時刻31は、現在時刻を含み、少なくとも、経路設定された目的地に到着するまでの時刻が、番組表30の縦軸方向にプロットされる。なお、現在時刻を示す現在時刻マーカ33を表示してもよい。また、図3には図示しないが、目的地への到着予想時刻を示す到着予想時刻マーカを表示してもよい。
【0047】
放送局名32は、車両を現在位置から設定された経路に沿って目的地まで走行させた際に、受信可能な放送局名である。車両用放送メディア視聴装置10aは、受信局マップ133を参照することによって、車両が通過する地点が含まれるメッシュにおいて受信可能な放送局名を参照することによって、放送局名32をリストアップする。
【0048】
受信可能番組名34は、車両を現在位置から設定された経路に沿って目的地まで走行させた際に、移動中の各地点で受信可能な番組名である。なお、車両用放送メディア視聴装置10aは、車両が、予め設定された平均車速で移動するものと仮定して、設定された経路上の各地点の通過時刻を算出する。その際、走行する道路種別に応じて、平均車速を変更してもよい。例えば、一般道は平均車速30km/h、自動車専用道路は平均車速60km/h等と仮定する。そして、車両用放送メディア視聴装置10aは、受信局マップ133を参照することによって、車両が通過する地点が含まれるメッシュにおいて受信可能な放送局名と、当該放送局の番組表とを参照することによって、受信可能番組名34を決定する。
【0049】
受信不能番組名35は、車両を現在位置から設定された経路に沿って目的地まで走行させた際に、移動中の各地点で受信不能な番組名である。受信不能番組名35は、受信可能番組名34とは異なる表示形態で表示される。車両用放送メディア視聴装置10aは、受信局マップ133を参照することによって、車両が通過する地点が含まれるメッシュにおいて受信可能な放送局名と、当該放送局の番組表とを参照することによって、受信不能番組名35を決定する。
【0050】
例えば、図3に示す番組表30は、14:00から16:00までは放送局Aで放送している番組Aaと番組Abとを受信可能であることを示している。また、16:00以降は、放送局Aで放送している番組Acと番組Adとを受信不能であることを示している。
【0051】
なお、番組表30は、表示デバイス15の表面に積層されたタッチパネルの、放送局名32の行を左右になぞることによって、放送局名32をスクロール可能である。これによって、放送局数が多い場合であっても、全ての放送局名を閲覧することが可能である。
【0052】
また、番組表30は、時刻31の欄を上下になぞることによって、時刻をスクロール可能である。これによって、自分が確認したい時刻の情報を閲覧することが可能である。
【0053】
なお、番組表30は、メインメニュー画面において、ラジオ放送(AM放送、FM放送)とテレビ放送とを切り替え可能としてもよい。
【0054】
また、経路設定が行われていない場合、車両用放送メディア視聴装置10aは、現在位置で受信可能な放送局名と番組名とを含む番組表30が生成される。そして、この場合は、車両の移動経路が不明であるため、現在位置で受信可能な全ての放送局の番組が受信可能であるとする。
【0055】
(番組の予約方法の説明)
図4A図4Bを用いて、番組の予約方法を説明する。図4Aは、聴取予約受付処理の内容を示す第1の図である。図4Bは、聴取予約受付処理の内容を示す第2の図である。
【0056】
操作者は、図4Aに示すように、番組表30に表示された受信可能番組名34の中から、視聴予約または聴取予約したい受信可能番組名34を押下する。
【0057】
車両用放送メディア視聴装置10aは、受信可能番組名34が押下されたことを検出すると、図4Bに示す操作メニュー36をポップアップさせる。
【0058】
操作メニュー36は、聴取のみの予約を指示するボタン37と、聴取と録音の両方の予約を指示するボタン38と、録音のみの予約を指示するボタン39とを含む。
【0059】
車両用放送メディア視聴装置10aは、ボタン37、ボタン38、ボタン39のいずれかが押下されるのを検出すると、押下されたボタンの内容に応じた内容の予約を受け付ける。なお、図示はしないが、予約された結果は、番組表30の該当する受信可能番組名34の欄に、受け付けた予約内容に応じた形態で表示される。具体的には、受信可能番組名34の欄に重畳して、「視聴予約」、「視聴+録音予約」、「録音予約」のいずれかを示す情報が表示される。これによって、操作者は、予約が完了したことと、予約の内容とを確認することができる。
【0060】
なお、視聴する番組がテレビ番組の場合、ボタン37は、視聴のみの予約を指示するボタンになる。また、ボタン38は、視聴と録画の両方の予約を指示するボタンになる。そして、ボタン39は、録画のみの予約を指示するボタンになる。なお、車両用放送メディア視聴装置10aは、走行中の運転者がテレビ番組を見ることができないように、視聴予約が行われた場合であっても、音声情報のみを出力する。走行中にテレビ番組を見ることができるのは、車両の後席に設置された後席ディスプレイのみである。
【0061】
(車両用放送メディア視聴装置の機能構成)
図5を用いて、第1の実施形態の車両用放送メディア視聴装置10aの機能構成を説明する。図5は、第1の実施形態の車両用放送メディア視聴装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0062】
車両用放送メディア視聴装置10aが備えるECU12は、記憶装置13に記憶された制御プログラム131aを読み出して実行することにより、図5に示す現在位置取得部121と、目的地取得部122と、経路探索部123と、通過時刻予測部124と、番組表生成部125と、予約受付部126と、予約実行部127と、予約変更受付部128と、放送メディア情報出力部129とを機能部として実現する。
【0063】
現在位置取得部121は、車両の現在位置を取得する。具体的には、現在位置取得部121は、測位装置17が測位した位置情報(緯度、経度)を地図データベース132とマップマッチングすることによって、車両の現在位置を取得する。
【0064】
目的地取得部122は、設定された目的地の位置情報を取得する。
【0065】
経路探索部123は、現在位置から目的地に至る経路を探索する。経路探索部123は、広く普及しているカーナビゲーションシステムが用いている経路探索アルゴリズムを用いて経路探索を行う。なお、経路探索アルゴリズムは多数提案されているが、そのいずれを用いてもよい。
【0066】
通過時刻予測部124は、車両の現在位置と、現在時刻と、予め設定された走行経路と、に基づいて、設定された走行経路を走行した際に、当該走行経路における各地点の通過時刻を予測する。
【0067】
番組表生成部125は、走行経路の各地点において視聴または聴取可能な番組の番組表30を生成する。番組表生成部125は、受信局マップ133と、全放送局の番組表とを用いて、現在時刻に現在位置を出発して、道路種別に応じて予め設定された車速で移動した際に、経路上の各点において受信可能な番組表30を生成する。
【0068】
予約受付部126は、番組表30の中から、視聴予約または聴取予約を行う番組の選択を受け付ける。また、予約受付部126は、受け付けた予約情報を、予約データ134に格納する。
【0069】
予約実行部127は、予約受付部126が受け付けて、予約データ134に登録された予約を実行する。また、予約実行部127は、地図データベース132の中から、聴取予約された予約時間における車両の到達予測位置が属するメッシュを推定する。そして、予約実行部127は、受信局マップ133を参照することによって、推定されたメッシュにおいて、聴取予約された番組が受信可能であるかを判定する。
【0070】
予約変更受付部128は、例えば道路の混雑によって、予約時間になっても予約された番組を受信可能な位置に到達できないと判定された場合に、予約に間に合わないことを通知する。また、予約変更受付部128は、予約実行部127が実行している予約を実行できなくなったことを条件として、予約データ134の変更を要求する。なお、予約データ134の変更は、例えばラジオ・テレビ操作のメイメニューの中から、「予約変更」や「予約削除」を選択することによって行う。また、予約データ134の変更は、任意のタイミングで行うことが可能であるとする。
【0071】
放送メディア情報出力部129は、放送メディア受信装置18が受信したラジオ放送(AM放送、FM放送)やテレビ放送を、スピーカ16や表示デバイス15から出力させる。また、放送メディア情報出力部129は、録音または録画の設定がなされている場合、放送メディア受信装置18が受信したラジオ放送(AM放送、FM放送)やテレビ放送を、録音・録画データ135に記憶する。
【0072】
(車両用放送メディア視聴装置が行う聴取予約受付処理の流れ)
図6を用いて、車両用放送メディア視聴装置10aが行う聴取予約受付処理の流れを説明する。図6は、第1の実施形態の車両用放送メディア視聴装置が行う聴取予約受付処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、ラジオ放送の聴取予約を受け付ける場合を例にあげて説明する。テレビ放送の視聴予約を行う場合も、車両用放送メディア視聴装置10aは、図6と同様の処理を行うことによって、視聴予約を受け付ける。
【0073】
経路探索部123は、現在位置取得部121が取得した車両の現在位置と、目的地取得部122が取得した目的地の位置とに基づいて、現在位置から目的地に至る経路を設定する(ステップS11)。
【0074】
番組表生成部125は、車両がステップS11で設定された経路上を移動した際に、経路上の各点で受信可能な番組表30を生成する(ステップS12)。また、番組表生成部125は、生成した番組表30を表示デバイス15に表示する。
【0075】
予約受付部126は、予約指示があるかを判定する(ステップS13)。予約指示があると判定される(ステップS13:Yes)とステップS14に進む。一方、予約指示があると判定されない(ステップS13:No)と、車両用放送メディア視聴装置10aは、聴取予約受付処理を終了する。なお、予約受付部126は、表示デバイス15に表示された番組表30において、図4Bに示した操作メニュー36の中のボタン37、ボタン38、ボタン39のいずれかが押下された場合に予約指示があると判定する。
【0076】
ステップS13において、予約指示があると判定されると、予約受付部126は、予約指示を受け付ける(ステップS14)。予約受付部126は、受け付けた予約情報を、予約データ134に格納する。
【0077】
続いて、予約受付部126は、予約が完了したかを判定する(ステップS15)。予約が完了したと判定される(ステップS15:Yes)と、車両用放送メディア視聴装置10aは、聴取予約受付処理を終了する。一方、予約が完了したと判定されない(ステップS15:No)とステップS14に戻る。
【0078】
(車両用放送メディア視聴装置が行う聴取予約実行処理の流れ)
図7を用いて、車両用放送メディア視聴装置10aが行う聴取予約実行処理の流れを説明する。図7は、第1の実施形態の車両用放送メディア視聴装置が行う聴取予約実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0079】
図6に示した聴取予約受付処理によって予約が完了した後で、図7に示す聴取予約実行処理が開始される。なお、ここでは、ラジオ放送の聴取予約を実行する場合を例にあげて説明する。テレビ放送の視聴予約を実行する場合も、車両用放送メディア視聴装置10aは、図7と同様の処理を行うことによって、視聴予約を実行する。
【0080】
現在位置取得部121は、車両の現在位置を取得する(ステップS21)。
【0081】
予約実行部127は、聴取予約された予約時間における車両の到達位置を推定して、推定された位置で、聴取予約された番組が受信可能であるか、言い換えると、予約データ134に予約された聴取予約の実行に間に合うかを判定する(ステップS22)。聴取予約の実行に間に合うと判定される(ステップS22:Yes)とステップS23に進む。一方、聴取予約の実行に間に合うと判定されない(ステップS22:No)とステップS25に進む。
【0082】
ステップS22において、聴取予約の実行に間に合うと判定されると、予約実行部127は、予約時間になったかを判定する(ステップS23)。予約時間になったと判定される(ステップS23:Yes)とステップS24に進む。一方、予約時間になったと判定されない(ステップS23:No)とステップS21に戻る。なお、予約実行部127は、ECU12が備えるタイマ―と、予約データ134に登録された予約開始時刻とを比較することによって、予約時間になったかを判定する。
【0083】
ステップS23において、予約時間になったと判定されると、予約実行部127は、予約データ134に登録された予約を実行する(ステップS24)。具体的には、「聴取のみ」の予約がなされている場合には、予約実行部127は、放送メディア情報出力部129に対して、予約されたラジオ放送を受信させて、受信した情報をスピーカ16から出力させる。「録音のみ」の予約がなされている場合には、予約実行部127は、放送メディア情報出力部129に対して、予約されたラジオ放送を受信させて、受信した情報を録音・録画データ135に記憶させる。また、「聴取と録音」の予約がなされている場合には、予約実行部127は、放送メディア情報出力部129に対して、予約されたラジオ放送を受信させて、受信した情報をスピーカ16から出力させるとともに、録音・録画データ135に記憶させる。その後、ステップS29に進む。
【0084】
ステップS22に戻り、ステップS22において、聴取予約の実行に間に合うと判定されないと、予約変更受付部128は、例えば、表示デバイス15に、予約に間に合わない旨を通知する情報を表示する(ステップS25)。なお、予約変更受付部128は、このとき、表示デバイス15に、予約変更を受け付けるボタンを表示させる。なお、予約に間に合わない旨の通知は、車両の走行状態を問わずに行われるが、予約の変更は、車両が停止中にのみ行わせるものとする。
【0085】
続いて、予約変更受付部128は、予約変更要求があるかを判定する(ステップS26)。予約変更要求があると判定される(ステップS26:Yes)とステップS27に進む。一方、予約変更要求があると判定されない(ステップS26:No)とステップS28に進む。なお、予約変更受付部128は、ステップS25で表示させた予約変更を受け付けるボタンが押下された場合に、予約変更要求があると判定する。一方、予約変更受付部128は、ステップS25で表示させた予約変更を受け付けるボタンが所定時間押下されない場合に、予約変更要求がないと判定する。
【0086】
ステップS26において、予約変更要求があると判定されると、予約変更受付部128は、表示デバイス15に番組表30を表示させて、予約データ134の変更を受け付ける(ステップS27)。その後、ステップS29に進む。
【0087】
一方、ステップS26において、予約変更要求があると判定されないと、予約変更受付部128は、予約データ134の中の、予約の実行に間に合わないデータを削除(キャンセル)する(ステップS28)。その後、ステップS29に進む。
【0088】
ステップS24、ステップS27、ステップS28に続いて、予約実行部127は、全ての聴取予約を実行したかを判定する(ステップS29)。全ての聴取予約を実行したと判定される(ステップS29:Yes)と、車両用放送メディア視聴装置10aは、聴取予約実行処理を終了する。一方、全ての聴取予約を実行したと判定されない(ステップS29:No)とステップS21に戻る。
【0089】
(第1の実施形態の作用効果)
以上説明したように、第1の実施形態の車両用放送メディア視聴装置10a(車両用制御装置)は、車両の現在位置と、現在時刻と、予め設定された走行経路と、に基づいて、走行経路を走行した際に、当該走行経路における各地点の通過時刻を予測する通過時刻予測部124と、走行経路の各地点において視聴または聴取可能な番組の番組表30を生成する番組表生成部125と、生成された番組表30の中から、視聴予約または聴取予約を行う番組の選択を受け付ける予約受付部126と、予約受付部126が受け付けた予約を実行する予約実行部127と、を備える。したがって、複雑な手続きを行うことなく、車両の将来の走行経路に見合った放送メディアの聴取予約または視聴予約を行うことができる。また、遠出をする際には、複雑な手続きを行うことなく、普段は視聴することができない番組を視聴することができる。
【0090】
また、第1の実施形態の車両用放送メディア視聴装置10a(車両用制御装置)は、予約実行部127が実行している予約を実行できなくなったことを条件として、予約の変更を要求する予約変更受付部128を更に備える。したがって、そのときの交通状況に応じて、聴取予約や視聴予約を変更することができる。
【0091】
(第2の実施形態)
次に、図8を用いて、本発明の第2の実施形態である車両用放送メディア視聴システム100を説明する。図8は、第2の実施形態の車両用放送メディア視聴システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0092】
(車両用メディア視聴システムの概略構成)
図8に示すように、車両用放送メディア視聴システム100は、車両用放送メディア視聴装置10bと、ユーザが所持する携帯端末20とを備える。車両用放送メディア視聴システム100は、車両用放送メディア視聴装置10bと、ユーザが所持する携帯端末20とが協働することによって、第1の実施形態で説明した車両用放送メディア視聴装置10aと同じ機能を実現する。なお、車両用放送メディア視聴システム100は、本開示における車両用制御システムの一例である。
【0093】
携帯端末20は、例えば、ユーザが所持するスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末である。
【0094】
図8に示すように、携帯端末20は、CPU22と、記憶装置23と、入力デバイス24と、表示デバイス25と、通信インタフェース29とを備える。
【0095】
CPU22は、コンピュータの構成を有するプロセッサである。CPU22は、記憶装置23が記憶する制御プログラム231に従って動作することによって、携帯端末20に所定の動作を行わせる。
【0096】
記憶装置23は、HDDやSSD等の記憶デバイスである。また、記憶装置23は、電源を切っても記憶情報が保持されるフラッシュメモリ等の不揮発性メモリであってもよい。記憶装置23は、制御プログラム231と、地図データベース232と、受信局マップ233と、予約データ234とを記憶する。
【0097】
制御プログラム231は、CPU22上で動作して、携帯端末20に所定の動作を行わせるプログラムである。
【0098】
地図データベース232は、複数のメッシュに分割されて、メッシュ毎に、道路線形や区間距離を示すリンクデータや道路の接続状態を示す接続データ等を格納したデータベースである。なお、携帯端末20は、記憶装置23に地図データベース232を記憶していておいてもよいし、外部のサーバ装置等と無線通信を行って、必要なときに地図データベース232を取得してもよい。
【0099】
受信局マップ233は、地図データベース232に格納されたメッシュ毎に、当該メッシュ内で受信可能な放送局の一覧を記憶したデータである。なお、携帯端末20は、記憶装置23に受信局マップ233を記憶しておいてもよいし、外部のサーバ装置等と無線通信を行って、必要なときに受信局マップ233を取得してもよい。なお、受信局マップ233の構造は、前述した受信局マップ133(図2A参照)の構造と同じである。
【0100】
予約データ234は、携帯端末20が行う処理によって受け付けた、聴取予約または視聴予約の情報を記憶したデータである。予約データ234の構造は、前述した予約データ134(図2B参照)の構造と同じである。
【0101】
なお、図8には図示しないが、記憶装置23は、更に、全ての放送局の番組表を記憶している。
【0102】
入力デバイス24は、携帯端末20に対する各種操作情報を入力するデバイスである。入力デバイス14は、例えば、表示デバイス25の表示面に積層されたタッチパネルである。
【0103】
表示デバイス25は、携帯端末20に設置された液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置である。表示デバイス25は、携帯端末20を操作する際の各種操作画面や番組表30等を表示する。
【0104】
通信インタフェース29は、携帯端末20と車両用放送メディア視聴装置10bとの間で、Bluetооth(登録商標)やWi-Hi(登録商標)等の無線通信を行うインタフェースである。また、通信インタフェース29は、携帯端末20と図8に図示しないサーバ装置との間で無線通信を行わせる。
【0105】
車両用放送メディア視聴装置10bは、図1に示した車両用放送メディア視聴装置10aに、通信アダプタ19を付加した構成を有する。なお、車両用放送メディア視聴装置10bは、本開示における車両用制御装置の一例である。
【0106】
通信アダプタ19は、車両用放送メディア視聴装置10bと携帯端末20との間で、Bluetооth(登録商標)やWi-Hi(登録商標)等の無線通信を行うインタフェースである。
【0107】
また、車両用放送メディア視聴装置10bが備える記憶装置13は、車両用放送メディア視聴装置10aの記憶装置13が記憶する制御プログラム131aの代わりに、制御プログラム131bを記憶する。
【0108】
なお、記憶装置13が記憶する地図データベース132と受信局マップ133は、携帯端末20の記憶装置23が記憶する地図データベース232と受信局マップ233と同じデータである。車両用放送メディア視聴システム100の動作を分かり易く説明するために、異なる符号を付与している。
【0109】
(車両用メディア視聴システムの機能構成)
図9を用いて、車両用放送メディア視聴システム100の機能構成を説明する。図9は、第2の実施形態の車両用放送メディア視聴システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【0110】
車両用放送メディア視聴システム100が備える携帯端末20のCPU22は、記憶装置23に記憶された制御プログラム231を読み出して実行することにより、図9に示す現在位置取得部221と、目的地取得部222と、経路探索部223と、通過時刻予測部224と、番組表生成部225と、予約受付部226と、予約情報出力部227とを機能部として実現する。
【0111】
目的地取得部222と、経路探索部223と、通過時刻予測部224と、番組表生成部225と、予約受付部226の機能は、第1の実施形態で説明した車両用放送メディア視聴装置10aが備える同名の機能(図5参照)と同じであるため、再度の説明は省略する。
【0112】
現在位置取得部221は、車両用放送メディア視聴装置10bから、車両の現在位置を取得する。
【0113】
予約情報出力部227は、予約受付部226が受け付けた予約データ234を、車両用放送メディア視聴装置10bに出力する。
【0114】
携帯端末20は、第1の実施形態で説明した車両用放送メディア視聴装置10aが車両のECU12で実現する各機能を、携帯端末20の内部で実現する点が異なる。したがって、ユーザは、番組の聴取予約や視聴予約を、車両から離れた位置、例えば自宅や外出中に行うことができる。
【0115】
車両用放送メディア視聴システム100が備える車両用放送メディア視聴装置10bのECU12は、記憶装置13に記憶された制御プログラム131bを読み出して実行することにより、図9に示す現在位置出力部141と、予約情報取得部142と、予約実行部143と、放送メディア情報出力部144とを機能部として実現する。
【0116】
予約実行部143と、放送メディア情報出力部144の機能は、第1の実施形態で説明した車両用放送メディア視聴装置10aが備える同名の機能(図5参照)と同じであるため、再度の説明は省略する。
【0117】
現在位置出力部141は、車両の現在位置を取得して、取得した現在位置を携帯端末20に出力する。
【0118】
予約情報取得部142は、携帯端末20から、予約データ234を取得する。
【0119】
なお、図9に示す機能構成は一例であって、これに限定されるものではない。例えば、車両の走行中に予約を変更する必要が生じた場合に、携帯端末20に代わって、車両用放送メディア視聴装置10bで予約データ134を変更するようにしてもよい。具体的には、車両用放送メディア視聴装置10bが、第1の実施形態で説明した車両用放送メディア視聴装置10aと同様に、予約データ134を変更する機能を備えてもよい。
【0120】
(車両用メディア視聴システムが行う処理の流れ)
図10を用いて、車両用放送メディア視聴システム100が行う処理の流れを説明する。図10は、第2の実施形態の車両用放送メディア視聴システムが行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0121】
車両用放送メディア視聴システム100において、携帯端末20は、視聴予約または聴取予約を受け付ける。そして、携帯端末20は、生成した予約データ234を、車両が備える車両用放送メディア視聴装置10bに出力する。車両用放送メディア視聴装置10bは、携帯端末20から予約データ234を受け付けて、受け付けた視聴予約または聴取予約を実行する。
【0122】
まず、携帯端末20が行う聴取予約受付処理の流れを説明する。なお、ここでは、ラジオ放送の聴取予約を受け付ける場合を例にあげて説明する。テレビ放送の視聴予約を行う場合も、携帯端末20は、図10と同様の処理を行うことによって、視聴予約を受け付ける。
【0123】
現在位置取得部221は、現在位置出力部141が出力した車両の現在位置を取得する(ステップS31)。
【0124】
経路探索部223は、ステップS31で取得した車両の現在位置と、目的地取得部222が取得した目的地の位置とに基づいて、現在位置から目的地に至る経路を設定する(ステップS32)。
【0125】
番組表生成部225は、車両がステップS31で設定された経路上を移動した際に、経路上の各点で受信可能な番組表30を生成する(ステップS33)。また、番組表生成部225は、生成した番組表30を、携帯端末20の表示デバイス25に表示する。
【0126】
予約受付部226は、予約指示があるかを判定する(ステップS34)。予約指示があると判定される(ステップS34:Yes)とステップS35に進む。一方、予約指示があると判定されない(ステップS34:No)と、携帯端末20は、聴取予約受付処理を終了する。なお、予約受付部226は、表示デバイス25に表示された番組表30において、図4Bに示した操作メニュー36の中のボタン37、ボタン38、ボタン39のいずれかが押下された場合に予約指示があると判定する。
【0127】
ステップS34において、予約指示があると判定されると、予約受付部226は、予約指示を受け付ける(ステップS35)。予約受付部226は、受け付けた予約情報を、予約データ234に格納する。
【0128】
続いて、予約受付部226は、予約が完了したかを判定する(ステップS36)。予約が完了したと判定される(ステップS36:Yes)とステップS37に進む。一方、予約が完了したと判定されない(ステップS36:No)とステップS35に戻る。なお、予約受付部226は、予約が完了したかを、例えば、操作メニュー36のポップアップと同時に番組表30に重畳して表示される、図示しない「予約完了ボタン」が押下されたことによって判定する。
【0129】
ステップS36において、予約が完了したと判定されると、予約情報出力部227は、生成された予約データ234を、車両に送信する(ステップS37)。なお、ここでは、聴取予約の完了後に、予約データ234を車両に送信するものとしたが、操作メニューの中に、「予約データの送信」というメニューを設定して、当該メニューが選択された場合うに、予約データ234を車両に送信してもよい。ステップS37の実行後に、携帯端末20は、聴取予約受付処理を終了する。
【0130】
次に、車両用放送メディア視聴装置10bが行う聴取予約実行処理の流れを説明する。
【0131】
予約情報取得部142は、携帯端末20から予約データ234を取得する(ステップS41)。予約情報取得部142は、取得した予約データ234を、記憶装置13に予約データ134として記憶する。
【0132】
予約実行部143は、予約時間になったかを判定する(ステップS42)。予約時間になったと判定される(ステップS42:Yes)とステップS43に進む。一方、予約時間になったと判定されない(ステップS42:No)とステップS42の判定を繰り返す。なお、予約実行部143は、ECU12が備えるタイマ―と、予約データ134に登録された予約開始時刻とを比較することによって、予約時間になったかを判定する。
【0133】
ステップS42において、予約時間になったと判定されると、予約実行部143は、予約データ134に登録された予約を実行する(ステップS43)。予約の実行方法は、図7のステップS24で説明した通りである。
【0134】
続いて、予約実行部143は、全ての聴取予約を実行したかを判定する(ステップS44)。全ての聴取予約を実行したと判定される(ステップS44:Yes)と、車両用放送メディア視聴装置10bは、聴取予約実行処理を終了する。一方、全ての聴取予約を実行したと判定されない(ステップS44:No)とステップS42に戻る。
【0135】
なお、第2の実施形態の説明では省略したが、車両用放送メディア視聴システム100は、第1の実施形態で説明した車両用放送メディア視聴装置10aと同様に、予約の実行に間に合わない場合に、予約を変更する機能を備えてもよい。
【0136】
(第2の実施形態の作用効果)
以上説明したように、第2の実施形態の車両用放送メディア視聴システム100(車両用制御システム)は、車両に搭載された車両用放送メディア視聴装置10b(車両用制御装置)と、車両のユーザが所持する携帯端末20とを備える。携帯端末20は、現在時刻と、予め設定された走行経路と、に基づいて、走行経路を走行した際に、当該走行経路における各地点の通過時刻を予測する通過時刻予測部224と、走行経路の各地点において視聴または聴取可能な番組の番組表30を生成する番組表生成部225と、番組表30の中から、視聴予約または聴取予約を行う番組の選択を受け付ける予約受付部226と、予約受付部226が受け付けた予約を、車両用放送メディア視聴装置10bに出力する予約情報出力部227と、を備える。車両用放送メディア視聴装置10bは、携帯端末20から、予約を取得する予約情報取得部142と、予約情報取得部142が取得した予約を実行する予約実行部143と、を備える。したがって、乗車前に、車両と離れた位置から、複雑な手続きを行うことなく、車両の将来の走行経路に見合った放送メディアの聴取予約または視聴予約を行うことができる。また、ユーザは車両から離れた場所にいても、携帯端末20を用いて放送メディアの視聴または聴取予約を行うことができる。
【0137】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、前述した実施の形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能である。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。また、この実施の形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0138】
10a,10b 車両用放送メディア視聴装置(車両用制御装置)
12 ECU
20 携帯端末
30 番組表
100 車両用放送メディア視聴システム(車両用制御システム)
121,221 現在位置取得部
122,222 目的地取得部
123,223 経路探索部
124,224 通過時刻予測部
125,225 番組表生成部
126,226 予約受付部
127,143 予約実行部
128 予約変更受付部
129,144 放送メディア情報出力部
133 受信局マップ
134 予約データ
141 現在位置出力部
142 予約情報取得部
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10