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特開2025-12976多液混合吐出用工具及び多液混合吐出用工具のヘッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012976
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】多液混合吐出用工具及び多液混合吐出用工具のヘッド
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20250117BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20250117BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20250117BHJP
   B01F 23/45 20220101ALI20250117BHJP
   B01F 25/431 20220101ALI20250117BHJP
   B01F 25/46 20220101ALI20250117BHJP
   B01F 33/501 20220101ALI20250117BHJP
   B01F 35/42 20220101ALI20250117BHJP
   B05C 17/005 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
B05C5/00 A
B05C11/10
B01F35/71
B01F23/45
B01F25/431
B01F25/46
B01F33/501
B01F35/42
B05C17/005
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116200
(22)【出願日】2023-07-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】500301924
【氏名又は名称】テーエー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 順英
【テーマコード(参考)】
4F041
4F042
4G035
4G036
4G037
【Fターム(参考)】
4F041AA08
4F041AA17
4F041AB01
4F041BA02
4F041BA12
4F041BA35
4F041BA43
4F041CB02
4F041CB44
4F041CB55
4F042AA16
4F042AA28
4F042CB02
4F042CB08
4F042CB27
4G035AB37
4G035AC01
4G035AC41
4G035AE13
4G036AC70
4G037AA02
4G037DA25
4G037EA01
(57)【要約】
【課題】筐体より上流側に液体が逆流して固化することによる工具本体の破損を抑制する。
【解決手段】第1態様に係る多液混合吐出用工具は、作業者が把持する把持部と、前記把持部に設けられ、駆動により第1液及び第2液を独立して交互に圧送する圧送部と、前記圧送部の出口に取り外し可能に装着され、前記第1液が前記圧送部の第1出口から圧送される第1流路と、前記第2液が前記圧送部の第2出口から圧送される第2流路と、前記第1流路及び前記第2流路のうち少なくともいずれか一方に設けられた逆止弁と、を有する筐体と、前記筐体から流入された前記第1液と前記第2液とが混合されて吐出されるノズルと、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が把持する把持部と、
前記把持部に設けられ、駆動により第1液及び第2液を独立して交互に圧送する圧送部と、
前記圧送部の出口に取り外し可能に装着され、前記第1液が前記圧送部の第1出口から圧送される第1流路と、前記第2液が前記圧送部の第2出口から圧送される第2流路と、前記第1流路及び前記第2流路のうち少なくともいずれか一方に設けられた逆止弁と、を有する筐体と、
前記筐体から流入された前記第1液と前記第2液とが混合されて吐出されるノズルと、
を備える多液混合吐出用工具。
【請求項2】
前記逆止弁は、前記第1流路及び前記第2流路のそれぞれに設けられた、
請求項1に記載の多液混合吐出用工具。
【請求項3】
前記筐体は、前記逆止弁の設置領域に形成され、前記第1流路と前記第2流路とを仕切る壁部を有する、
請求項1に記載の多液混合吐出用工具。
【請求項4】
前記筐体は、板状であって、一部で前記逆止弁を支持し、他部で前記第1液及び前記第2液を前記ノズルに流通させるプレートを有する、
請求項1に記載の多液混合吐出用工具。
【請求項5】
前記ノズルは、前記筐体に取り外し可能に装着される、
請求項1に記載の多液混合吐出用工具。
【請求項6】
ノズルの先端の外周に装着される弾性体を有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の多液混合吐出用工具。
【請求項7】
多液混合吐出用工具の圧送部の出口に取り付け可能であって、第1液が前記圧送部の第1出口から圧送可能な第1流路と、前記第1液と混合されることにより固化する第2液が前記圧送部の第2出口から圧送可能な第2流路と、前記第1流路及び前記第2流路のうち少なくともいずれか一方に設けられた逆止弁と、前記逆止弁の下流に形成され、前記第1流路と前記第2流路とを仕切る壁部と、を有する筐体と、
前記筐体から流入された前記第1液と第2液とが混合されて吐出されるノズルと、
を備える多液混合吐出用工具のヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、多液混合吐出用工具及び多液混合吐出用工具のヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の多液混合吐出装置は、少なくとも第一流体と第一流体よりも密度の小さい第二流体とを混合して吐出するものであって、第一流体を移送する第一流路と、第二流体を移送する第二流路と、第一流路により移送された第一流体、及び第二流路により移送された第二流体を混合させる合流部と、第一流路への第二流体の浸入、及び第二流路への第一流体の浸入のうち少なくともいずれかを抑制する浸入抑制部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021‐194613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンクリート壁のような構造体に亀裂が入ると、補修のために混合されると固化する混合液が注入されることがある。構造体の亀裂には混合液が注入されにくく、圧入する必要がある。しかし、混合される前の2液は工具の内部で交互に圧送される構成であるため、混合液を亀裂に圧入する際、工具の一部である筐体より上流側に一の液が他の液側に逆流して、筐体より上流側 で混合液が生じ、混合液が固化して、工具本体が破損するおそれがある。
【0005】
本開示の目的は、筐体より上流側に液体が逆流して固化することによる工具本体の破損を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様に係る多液混合吐出用工具は、作業者が把持する把持部と、前記把持部に設けられ、駆動により第1液及び第2液を独立して交互に圧送する圧送部と、前記圧送部の出口に取り外し可能に装着され、前記第1液が前記圧送部の第1出口から圧送される第1流路と、前記第2液が前記圧送部の第2出口から圧送される第2流路と、前記第1流路及び前記第2流路のうち少なくともいずれか一方に設けられた逆止弁と、を有する筐体と、前記筐体から流入された前記第1液と前記第2液とが混合されて吐出されるノズルと、を備える。
【0007】
上記構成によれば、筐体より上流側に一の液が他の液側に逆流して固化することによる工具本体の破損を抑制することができる。
【0008】
第2態様に係る多液混合吐出用工具は、第1態様に記載の多液混合吐出用工具であって、前記逆止弁は、前記第1流路及び前記第2流路のそれぞれに設けられている。
【0009】
上記構成によれば、第1液と第2液との混合液が逆止弁の設けられていない流路に逆流し、筐体全体が固化することによる工具本体の破損を抑制することができる。
【0010】
第3態様に係る多液混合吐出用工具は、第1態様又は第2態様のいずれか一態様に記載の多液混合吐出用工具であって、前記筐体は、前記逆止弁の設置領域に形成され、前記第1流路と前記第2流路とを仕切る壁部を有する。
【0011】
上記構成によれば、逆止弁の設置領域において各液が混合されない状態で存在するので、筐体内部における混合液の固化を抑制できる。
【0012】
第4態様に係る多液混合吐出用工具は、第1態様から第3態様のいずれか一態様に記載の多液混合吐出用工具であって、前記筐体は、板状であって、一部で前記逆止弁を支持し、他部で前記第1液及び前記第2液を前記ノズルに流通させるプレートを有する。
【0013】
上記構成によれば、逆止弁の支持を担う部品と、各液のノズルへの供給を担う部品とが独立する構成に比べて、部品点数を削減できる。
【0014】
第5態様に係る多液混合吐出用工具は、第1態様から第4態様のいずれか一態様に記載の多液混合吐出用工具であって、前記ノズルは、前記筐体に取り外し可能に装着される。
【0015】
上記構成によれば、ノズル内部でのみ固化が生じた場合に、ノズルを筐体から取り外して、ノズルのみを交換できる。
【0016】
第6態様に係る多液混合吐出用工具は、第1態様から第5態様のいずれか一態様に記載の多液混合吐出用工具であって、ノズルの先端の外周に装着される弾性体を有する。
【0017】
上記構成によれば、被吐出部にノズルを差し込むと弾性体が被吐出部に食い込むので、高圧で吐出しても、ノズルの先端の外周に弾性体が装着されていない構成に比べて、安定して混合液を被吐出部に吐出できる。
【0018】
第7態様に係る多液混合吐出用工具のヘッドは、圧送部の出口に取り付け可能であって、第1液が前記圧送部の第1出口から圧送可能な第1流路と、前記第1液と混合されることにより固化する第2液が前記圧送部の第2出口から圧送可能な第2流路と、前記第1流路及び前記第2流路のうち少なくともいずれか一方に設けられた逆止弁と、前記逆止弁の下流に形成され、前記第1流路と前記第2流路とを仕切る壁部と、を有する筐体と、前記筐体から流入された前記第1液と第2液とが混合されて吐出されるノズルと、を備える。
【0019】
上記構成によれば、混合により固化する複数の液体を圧送する場合、圧送部全体を清掃する構成に比べて、圧送部の清掃範囲を限定することができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、筐体より上流側に液体が逆流して固化することによる工具本体の破損を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の実施形態に係るガンを模式的に示す正面図である。
図2】(a)は、本開示の実施形態に係るガンにおいて、パッキンが組付けられた機材側吐出部付近の正面図、(b)は図2(a)のS2‐S2断面図である。
図3】(a)は、本開示の実施形態に係るガンのソケットベースにおける正面図、(b)は、図3(a)のS3‐S3断面図である。
図4】本開示の実施形態に係るヘッドの断面図である。
図5】本開示の実施形態に係るヘッドを構成するノズルの断面図である。
図6】(a)は、本開示の実施形態に係るヘッドを構成する弁プラグの正面図、(b)は図6(a)のS6‐S6断面図である。
図7】(a)は、本開示の実施形態に係るヘッドのバネ押さえの正面図、(b)は右側面図である。
図8】(a)は、本開示の実施形態に係るヘッドを構成する弁プラグにバルブを組み込んだ状態の断面図、(b)は、バルブが第1液により付勢されている状態の図8(a)のS8‐S8断面図である。
図9】(a)は、バルブが第1流路及び第2流路をそれぞれ閉塞している状態の上断面図、(b)は、第1流路のバルブが第1液によって開かれ、かつ第2流路のバルブが閉塞されている状態の上断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態の構成)
本開示の実施形態に係る多液混合吐出用工具の一例としてのガン10及び多液混合吐出用工具を構成するヘッド60の一例について図1から図9を用いて説明する。なお、説明の便宜のため、図中に示す矢印Hは工具上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは工具幅方向(水平方向)を示し、矢印Dは工具奥行方向(水平方向)を示すものとし、ガン10の実際の使用においてはこれらに限られない。
【0023】
図1は、本開示の実施形態に係るガン10を模式的に示す正面図である。ガン10は把持部20と、圧送部の一例としてのポンプ30と、容器40と、支持部50と、ヘッド60とを備える。作業者が把持部20を把持し、ヘッド60の先端を図示しない被吐出部の亀裂に差し込んだ状態で作業者が後述するスイッチ22を押すと、ヘッド60から後述する混合液が吐出される。ガン10のヘッド60は、支持部50から取り外し可能である。
【0024】
本実施形態のガン10は一例として電動式である。把持部20は、本体部21と、スイッチ22と、バッテリー24とを有する。本体部21はL字状であり、上下方向に延びた部分の下方にバッテリー24が設けられ、上下方向に延びた部分と幅方向に延びた部分とが交差する位置にスイッチ22が設けられる。スイッチ22は、本体部21に対して突出して設けられる。スイッチ22は幅方向に可動域があり、スイッチ22の操作に伴って、バッテリー24から電力が供給される状態のオン位置と、バッテリー24から電力が供給されない状態のオフ位置とを切り替え可能である。
【0025】
ポンプ30は、把持部20における幅方向に延びた部分に接続される。ポンプ30は一例としてプランジャ式である。ポンプ30は、スイッチ22がオン位置である場合に、後述する支持部50を介して第1液及び第2液をヘッド60に独立して交互に圧送する。またポンプ30は、スイッチ22がオフ位置である場合に第1液及び第2液をヘッド60に圧送しない。ポンプ30の吐出圧は、4.9MPa(50kgf/cm)程度の動作圧である。
【0026】
容器40は、上下方向に延びた有底円筒状であり、ポンプ30と後述する支持部50との間に設けられる。容器40は可撓性を有する。容器40は複数設けられ、第1液及び第2液がそれぞれ収容される。本実施形態のガン10は、第1液及び第2液を混合することにより混合液を吐出するため、混合される前の状態では、第1液及び第2液は別々の容器40に保存される。例えば、第1液はエポキシの主剤、第2液はその硬化剤であり、第1液と第2液を混合することにより、グリース状(ゲル状)のエポキシ樹脂である混合液が後述するノズル70の筒状部72で生成される。
【0027】
支持部50は、ポンプ30を介して把持部20に支持され、上下方向下方に交換可能に接続された容器40と、幅方向の他端に交換可能に接続されたヘッド60とをそれぞれ支持する。
【0028】
また、支持部50は、ヘッド60側(幅方向他端側)に機材側吐出部52と、パッキン54と、ソケットベース56と、ナット部58とを有する。図2において、(a)は、本開示の実施形態に係るガン10において、パッキン54が組付けられた機材側吐出部52付近の正面図、(b)は、図2(a)のS2‐S2断面図である。
【0029】
機材側吐出部52は、内部に貫通孔を有する円柱状であり、支持部50における幅方向他端側に設けられ、その材質は例えば、SUS(ステンレス鋼)等である。図2(b)に示すように、機材側吐出部52の内部には、幅方向に延びて第1液を流通可能な第1機材側流路521と、図2(a)に示すように、幅方向に延びて第1機材側流路521と平行に設けられ、第2液を流通可能な第2機材側流路522とが設けられている。第1機材側流路521の下流端は、第1出口の一例であり、第2機材側流路522の下流端は、第2出口の一例である。また機材側吐出部52の内部には、一対のねじ穴523が、図2(b)に示すように幅方向(W方向)に延び、図2(a)に示すように上下方向(H方向)に第1機材側流路521及び第2機材側流路522を挟むように設けられている。さらに、機材側吐出部52の外面には、雄ねじ部524が、図2(b)に示すように幅方向(W方向)に延びて設けられている。機材側吐出部52は、ヘッド60側に第1液及び第2液を流通させる。
【0030】
パッキン54は、複数の穴が設けられた円盤状のゴムシートであり、その材質は例えばクロロプレンゴムである。パッキン54は、機材側吐出部52における幅方向の他端側から機材側吐出部52に接するように設けられ、機材側吐出部52と後述のソケットベース56との液漏れを抑制する。パッキン54は、第1機材側流路521、第2機材側流路522及びねじ穴523を覆わない位置に設けられている。
【0031】
図3において、(a)は、本開示の実施形態に係るガン10のソケットベース56における正面図、(b)は、図3(a)のS3‐S3断面図である。図3(b)に示すようにソケットベース56は、複数の穴の開いた円盤状であり、機材側吐出部52の他端側から機材側吐出部52に挿入され、パッキン54と一の面で接する。ソケットベース56は、パッキン54と接する一の面とは反対側の他の面で後述のヘッド60と接する。ソケットベース56の材質は、例えばPC(ポリカーボネート)樹脂等である。
【0032】
ソケットベース56は、円盤状の母材に、シール部材561と、突起562と、穴563と、ねじ用穴564と、位置合わせ部565とが設けられる。シール部材561は、環状の弾性体であり、例えばOリングである。図3(b)に示すようにシール部材561は、ソケットベース56に対して交換可能に設けられ、後述する穴563からの液漏れを抑制する。突起562は、ソケットベース56の中央に設けられ、ソケットベース56の他の面から起立している板状体であり、ヘッド60における弁プラグ80の位置決めに用いられる。図3(a)に示すように穴563は、突起562を挟むように奥行方向に離隔して一対設けられた段付き形状であり、一の面側(図3(b)の左側)に設けられる小径部分と、他の面側(同図の右側)に設けられた大径部分とを含む。穴563は、機材側吐出部52の第1機材側流路521及び第2機材側流路522に対応する位置に設けられ、第1液及び第2液が穴563に流通可能である。穴563の小径部分と大径部分との間にシール部材561が設けられる。
【0033】
図3(a)に示すようにねじ用穴564は、穴563とは異なる位置に突起562を挟むように幅方向(図3(a)の上下方向)に離隔して一対設けられた貫通孔であり、内面にねじは切られていない。ねじ用穴564は、機材側吐出部52のねじ穴523に対応する位置に設けられており、図示しないねじが幅方向(図3(a)の手前から奥方向)に挿入可能である。図示しないねじがねじ用穴564を通じて機材側吐出部52のねじ穴523に締め付けられることにより、機材側吐出部52、パッキン54及びソケットベース56が一体となる。なお、一対のねじ用穴564の離隔した距離は、一対の穴563の離隔した距離よりも長い。
【0034】
また位置合わせ部565は、母材の外周に設けられ、他の面から一の面側に設けられた切り欠きである。位置合わせ部565は、後述の弁プラグ80における突起87と係合することで、支持部に50に対するヘッド60の位置合わせが容易になり、かつ組付け誤りによる支持部50内部の混合液の発生を抑制できる。
【0035】
ナット部58(図9参照)は、底面に穴を有する円筒状である。底面の穴に後述するヘッド60が挿入された状態で、機材側吐出部52の雄ねじ524がナット部58の内周面に設けられた図示しない雌ねじに締め付けられることにより、ヘッド60及び支持部50が一体となる。すなわち、ナット部58が支持部50からヘッド60を取り外して交換可能にする。
【0036】
図4は本開示の実施形態に係るヘッド60の断面図である。ヘッド60は、ノズル70と、筐体の一例としての弁プラグ80と、逆止弁の一例としてのバルブ90とを備える。ヘッド60は、ガン10の把持部20側からポンプ30により圧送された第1液と第2液とを混合して、先端から混合液を吐出する。
【0037】
(ノズル70)
図5は、本開示の実施形態に係るヘッド60を構成するノズル70の断面図である。ノズル70は、筒状であって、その内部で第1液及び第2液を混合する機能がある。ノズル70は、筒状部72と、収容部74と、先端部76と、図4に示すように弾性体の一例としてのカバー部78を有する。
【0038】
筒状部72は、捩り部721と、凹部722とを有し、ガン10の幅方向に延びた円筒状である。筒状部72は第1液と第2液とを混合する。筒状部72の材質は、例えば、PC(ポリカーボネート)樹脂等又はPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等である。筒状部72の内部の一区間には、捩り部721を有する。捩り部721は、周知の方法であればよい。例えば、捩り部721は、予め定められた距離ごとに予め定められた角度及び方向に捩られた形状である。捩り部721は、収容部74側から筒状部72に挿入される。凹部722は、筒状部72の端部に形成され、後述する先端部76側に開口した溝であり、カバー部78の位置決め機能を有する。
【0039】
収容部74は、底面に穴を有する有底円筒状の基体であって、筒状部72と連続して形成される。収容部74は、基体に、シール部材741と、座部742と、溝部743とが設けられている。シール部材741は環状に形成された弾性体であって、基体740に対し交換可能に設けられ、後述するノズル70の状態で、基体の内部から外部への液漏れを抑制する。例えば、シール部材741はOリングである。座部742は、筒状部72の外周側に設けられ、シール部材741の座面として機能する。溝部743は、基体の内周面に設けられた対向する一対の溝であり、筒状部72の端部よりも幅方向に筒状部72から離隔する方向に形成される。溝部743は、後述の弁プラグ80と係合することによって、ノズル70と弁プラグ80とが一体となる。つまり、ノズル70は弁プラグ80に取り外し可能に装着される。
【0040】
先端部76は、中心部分に貫通孔761と、外周面に凹みとを有した円錐状体であり、筒状部72と内部で連通し、筒状部72を挟んで収容部74の反対側に形成される。先端部76は、混合液を吐出するために図示しない被吐出部に差し込まれる。貫通穴761は、筒状部72側の端部から先端まで貫通した穴であり、その内部に第1液と第2液が混合された混合液が圧送される。先端部76の外周面の凹みは、外周面に亘っている。また先端部76の内径について、筒状部72側の端部の内径は、筒状部72の端部における内径と同一か又は細く形成されており、筒状部72側の端部から先端に向かうに連れて内径が徐々に縮径する。
【0041】
図4に示すようにカバー部78は、筒状体であって、先端部76の外周に装着される弾性体である。例えば、カバー部78の材質は熱可塑性エラストマー等である。カバー部78は、一端から他端までの長さ(図4の幅方向の長さ)が先端部76の幅方向の長さよりも短い。つまり、カバー部78の一端が筒状部72の凹部722に差し込まれた状態では、カバー部78の他端から先端部76の先端が突出する。カバー部78を先端部76の外周に装着されたガン10が被吐出部に差し込まれた場合、カバー部78の幅方向の移動が凹部722で制限されると共に、カバー部78自体が幅方向に弾性変形して、カバー部78が被吐出部に食い込む。
【0042】
(弁プラグ80)
図6において、(a)は、本開示の実施形態に係るヘッド60を構成する弁プラグ80の正面図、(b)は、図6(a)のS6‐S6断面図である。図6(b)に示すように弁プラグ80は、幅方向に延びる円筒状体であり、第1液と第2液との混合を抑制するためにその内部が仕切られている。弁プラグ80は支持部50のソケットベース56と、ノズル70とを接続する。弁プラグ80には、円筒状体に、第1流路81と、第2流路82と、壁部の一例としての壁83と、内側爪部84と、外側爪部85と、溝86と、突起87、プレートの一例としてのバネ押さえ88とが含んで構成される。弁プラグ80の材質は、例えば、PP(ポリプロピレン)樹脂である。
【0043】
第1流路81は、上流側を底とする有底の円筒状体の内部に設けられた第1液の流路であり、上流(ポンプ30)側の第1機材側流路521から圧送される第1液を下流(ノズル70)に誘導する。第2流路82は、円筒状体の内部に設けられた第2液の流路であり、上流(ポンプ30)側の第2機材側流路522から圧送される第2液を下流(ノズル70)に誘導する。
【0044】
第1流路81と第2流路82は、円筒状体の底から上流側に突出された別個の独立したパイプで構成されており、これらのパイプはソケットベース56の一対の穴563に対応した位置に配置されている。図6(a)及び図6(b)に示すように第1流路81と第2流路82は、円筒状体の内部では、壁83を共有して半円筒状に形成された独立した流路であり、円筒状体は第1流路81と第2流路82とを壁83で仕切られているともいえる。換言すれば、第1流路81及び第2流路82は、いずれもパイプと半円筒状体とを接続した形状であり、第1流路81及び第2流路82における下流部分は、円筒状体の内部で後述するバルブ90の設置領域を形成する。壁83は、円筒状体の内部に形成され、ノズル70側の端部とは反対側の端部からノズル70側の端部に向かって延び、第1流路81と第2流路82とを奥行方向に仕切る板状体である。壁83は、円筒状体のノズル70側の端部よりもソケットベース56側の端部側に形成され、ノズル70側の端部には面831が形成されている。
【0045】
第1流路81及び第2流路82は、壁83の上流にそれぞれテーパ部811及び821を有する。第1流路81及び第2流路の流路径は、テーパ部811及び821の上流側よりもテーパ部811及び821の下流側の方が大きく形成される。
【0046】
内側爪部84は、円筒状体の内周面に亘って円筒状体の中心Cに向かって起立する爪状に形成される。内側爪部84は、壁83の面831と対向する面部841を有し、後述するバネ押さえ88を支持する。
【0047】
外側爪部85は、円筒状体の外周に奥行方向に沿って起立する爪状に形成される。外側爪部85は、第1流路81及び第2流路82の上流から下流に向かうに連れて爪の高さが低くなる。外側爪部85は、ノズル70における収容部74の溝部743と係合可能である。
【0048】
溝86は、円筒状体の外面であって、第1流路81及び第2流路82との間に形成され、壁83が延びる方向(幅方向)とは反対方向に開口する。溝86は、支持部50におけるソケットベース56の突起562を収容可能であり、溝86が突起562を収容することで弁プラグ80と支持部50とが位置決めされる。
【0049】
図6(a)及び図8(b)に示すように突起87は、円筒状体の外面であって、壁83が延びる方向(幅方向)とは反対方向に起立する。突起87は、支持部50におけるソケットベース56の位置合わせ部565と係合することで、弁プラグ80と支持部50とが位置決めされる。溝86は180°位相が逆転した状態であっても、弁プラグ80と支持部50とを位置決めするのに対し、突起87は弁プラグ80と支持部50とを一義的に位置決めする。
【0050】
図7において、(a)は、本開示の実施形態に係るヘッド60のバネ押さえ88の正面図、(b)は、右側面図である。図7(a)に示すようにバネ押さえ88は、十字状の板であり、バネ押さえ88は、板状の十字状体に、凸部881と、切り欠き882と、中央部883とが設けられ、弁プラグ80の内部に対し取り外し可能に組付けられる。図7(b)に示すように十字状体の一の面(幅方向右側の面)は平坦であり、内側爪部84の面部841と当接する。これにより、バネ押さえ88は後述するバルブ90を支持している。つまり、バネ押さえ88はその一部(後述する凸部881)でバルブ90を支持する。
【0051】
凸部881は、円盤状の突起であり、十字状体の奥行方向に互いに離れて2つ形成される。凸部881は、第1流路81及び第2流路82と対向する位置に形成される。
【0052】
図7(a)に示すように切り欠き882は、十字状体の外周面に互いに離隔して設けられた4つの領域である。切り欠き882は、弁プラグ80に組み込まれた状態で弁プラグ80の内周面とバネ押さえ88の外周面との間の空間を形成する。該空間は、第1流路81及び第2流路82の一部を成す。
【0053】
図7(b)に示すように中央部883は、他の面(幅方向左側の面)に形成された平坦部であり、2つの凸部881の間に位置する。中央部883は、壁83の面831と当接する。中央部883が面831と当接することによって、第1流路81と第2流路82とは中央部883の他の面から一の面に至るまで独立した流路として仕切られている。つまり、バネ押さえ88は、壁83と同様に第1流路81と第2流路82とを仕切るため、バネ押さえ88の他部で第1流路81を流れる第1液と、第2流路82を流れる第2液とをノズル70にそれぞれ流通させている。
【0054】
(バルブ90)
バルブ90について説明する。バルブ90は、第1流路81及び第2流路82の内部をそれぞれ流れる第1液及び第2液の逆流を抑制する。図8において、(a)は、本開示の実施形態に係るヘッドを構成する弁プラグ80にバルブ90を組み込んだ状態の断面図、(b)は、バルブ90が第1液により付勢されている状態の図8(a)のS8‐S8断面図である。
【0055】
図8(a)に示すようにバルブ90は、弁体92と、バネ94とを備える。弁体92は、上流側の一部が円錐状に形成され、弁体92の最大の外径は、第1流路81及び第2流路82のパイプ部分の径よりも大きく、かつ弁体92は第1流路81及び第2流路82の半円状部分の空間よりも小さく形成される。弁体92の一端は、弁座としての第1流路81のテーパ部811及び弁座としての第2流路82のテーパ部821と当接することによって、第1流路81及び第2流路82を閉塞する。弁体92の他端はバネ94に支持される。
【0056】
バネ94は、圧縮コイルバネであり、一端が弁体92を支持し、他端が弁プラグ80のバネ押さえ88に支持される。バネ94は、自然長よりも圧縮された状態で弁プラグ80に収容される。つまり、第1流路81及び第2流路82から第1液及び第2液が圧送されていない状態では、バネ94は弁体92をテーパ部811及び821に当接させ、第1液及び第2液が圧送されている状態では、バネ94は液圧により弁体92と共に更に圧縮される。バネ94は、バネ押さえ88の外周に巻き付くように支持される。
【0057】
以上により、ガン10及びヘッド60が構成される。
【0058】
(作用効果)
図9において、(a)は、バルブ90が第1流路81及び第2流路82をそれぞれ閉塞している状態の上断面図、図9(b)は、第1流路のバルブが第1液によって開かれ、かつ第2流路のバルブが閉塞されている状態の上断面図である。
【0059】
まず、作業者がガン10を把持し、被吐出部にノズル70の先端部76を押し付けただけの状態では、第1液及び第2液は容器40から圧送されないので、ガン10の内部では図9(a)の状態が維持される。ガン10のスイッチ22はオフ位置に維持されている。
【0060】
次に、作業者がガン10のスイッチ22をオン位置に動かすと、バッテリー24から電力が供給され、ポンプ30が駆動する。ポンプ30が駆動すると、容器40から第1液及び第2液が交互に吸い上げられ、第1流路81及び第2流路82を交互に流れて、バルブ90の弁体92を押圧する。
【0061】
第1液又は第2液の少なくともいずれかの液圧がバネ94の規定荷重を超えると、バネ94が更に圧縮され、弁体92がテーパ部811又は821から離れて、バネ84は開弁状態となる。開弁状態となったバネ94が位置する流路では、第1液又は第2液が弁プラグ80の内部に流れ込み、バルブ90の下流のバネ押さえ88を通過して、ノズル70の筒状部72に至る。図9(b)に示す例では、第1液F1がバルブ90を開弁し、第2液F2がバルブ90を開弁していない状態を示している。ポンプ30は交互に第1液F1及び第2液F2をヘッド60に独立して交互に圧送するので、次のタイミングでは第2液F2がバルブ90を開弁し、第1液F1が開弁しない状態となる。
【0062】
このように独立して交互に圧送された第1液及び第2液が筒状部72の捩り部721で合流すると、第1液と第2液とが混合した混合液が先端部76から被吐出部に注入される。
【0063】
被吐出部に混合液が注入された後、作業者がガン10のスイッチ22をオフ位置に動かすと、ヘッド60の内部には少なくとも第1液と第2液とが混合した混合液が存在する。混合液には硬化性があるため、放置するとノズル70の内部で硬化が進み、最終的にはノズル70が固化する。ノズル70が固化すると、作業者が再度ガン10のスイッチ22をオン位置に動かしても、新たな混合液はノズル70に供給されない。
【0064】
本実施形態に係るガン10及びヘッド60には、弁プラグ80がバルブ90を有する構成であるため、弁プラグ80より上流側に混合液が逆流して固化することによるガン10本体の破損を抑制することができる。
【0065】
続いて、バルブ90は第1流路81及び第2流路82のそれぞれに設けられている。上記構成によれば、第1液と第2液との混合液がバルブ90の設けられていない流路に逆流し、弁プラグ80全体が固化することによるガン10本体の破損を抑制することができる。
【0066】
続いて、弁プラグ80はバルブ90の設置領域に形成され、第1流路81と第2流路82とを仕切る壁83を有する。上記構成によれば、バルブ90の設置領域において各液が混合されない状態で存在するので、弁プラグ80内部における混合液の固化を抑制できる。
【0067】
続いて、弁プラグ80は上記構成のバネ押さえ88を有する。当該構成によれば、バルブ90の支持を担う部品と、各液のノズル70への供給を担う部品とが独立する構成に比べて、部品点数を削減できる。
【0068】
続いて、ガン10の上記ノズル70は、上記構成の弁プラグ80に取り外し可能に装着される。当該構成によれば、ノズル70内部でのみ固化が生じた場合に、ノズル70から弁プラグ80を取り外して、ノズル70のみを交換できる。
【0069】
そして、ガン10は上記構成のカバー部78を有する。当該構成によれば、被吐出部にノズル70を差し込むとカバー部78が被吐出部に食い込むので、高圧で吐出しても、ノズル70の先端の外周にカバー部が装着されていない構成に比べて、安定して混合液を被吐出部に吐出できる。
【0070】
さらに、ガン10に用いられるヘッド60は、ポンプ30の出口に取り付け可能であって、第1液が前記ポンプの第1機材側流路521から圧送可能な第1流路81と、前記第1液と混合されることにより固化する第2液が前記圧送部の第2機材側流路522から圧送可能な第2流路82と、前記第1流路81及び前記第2流路82のうち少なくともいずれか一方に設けられたバルブ90と、前記バルブ90の下流に形成され、前記第1流路81と前記第2流路82とを仕切る壁83と、を有する弁プラグ80と、前記弁プラグ80から流入された前記第1液と第2液とが混合されて吐出されるノズル70と、を備える。
【0071】
上記構成によれば、混合により固化する複数の液体を圧送する場合、ポンプ30全体を清掃する構成に比べて、ポンプ30の清掃範囲を限定することができる。
【0072】
(変形例)
本開示を特定の実施形態について詳細に説明したが、本開示は係る実施形態に限定されるものではなく、本開示は本開示の範囲にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。
【0073】
本実施形態の一部の構成に材質が記載されているが、当該材質とは異なる材質を用いてもよい。例えば、樹脂部分を金属に代えてもよい。
【0074】
把持部20の下方にバッテリー24が設けられるものとしたが、これに限られない。例えば、把持部20にバッテリー24が内蔵されてもよく、外部の電源から電源コードを介して電力が供給されてもよい。
【0075】
ポンプ30は電動式を用いたが、これに限られない。例えば、油圧式、空圧式等の方式が用いられてもよい。
【0076】
容器40は液体の数に応じて複数の容器を設けてもよいし、1つの容器に仕切りを設けて分割してもよい。また容器40は可撓性を有するものとしたが、これに限られない。
【0077】
支持部50には、機材側吐出部52とソケットベース56とが独立して設けられるものとしたが、これに限られない。例えば、機材側吐出部52がソケットベース56の機能を単独で有してもよい。この場合、部品点数の削減や重量の低減が期待できる。また支持部50におけるナット部58が、支持部50とヘッド60とを固定するものとしたが、これに限られない。例えば、支持部50に係合部と、ヘッド60に被係合部とをそれぞれ設け、係合部と被係合部が直接係合してもよい。この場合、部品点数の削減や重量の低減が期待できる。
【0078】
カバー部78の形状について、筒状体が先端部76の外周に装着されるものに限らない。例えば、内部に貫通孔が設けられたブロック状体が先端部76の外周に装着されるものであってもよい。
【0079】
バネ押さえ88は十字状の板としたが、これに限られない。例えば、星形状等の多角形であってもよい。
【0080】
バルブ90には圧縮コイルバネを用いたが、これに限られない。液体が流れる下流側から上流側へ付勢する構成であれば、その他のバネであってもよい。バルブ90はバネ押さえ92にそれぞれ支持されるものとしたが、これに限られない。例えば、バルブ90は弁プラグ80の内壁に支持されてもよい。
【符号の説明】
【0081】
10 ガン(多液混合吐出用工具)
20 把持部
30 ポンプ(圧送部)
40 容器
50 支持部
60 ヘッド(多液混合吐出用工具のヘッド)
70 ノズル
78 カバー部(弾性体)
80 弁プラグ(筐体)
83 壁(壁部)
84 内側爪部
85 外側爪部
88 バネ押さえ(プレート)
90 バルブ(逆止弁)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-11-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が把持する把持部と、
前記把持部に設けられ、駆動により第1液及び第2液を独立して交互に圧送する圧送部と、
前記圧送部の出口に取り外し可能に装着され、前記第1液が前記圧送部の第1出口から圧送される第1流路と、前記第2液が前記圧送部の第2出口から圧送される第2流路と、前記第1流路及び前記第2流路のうち少なくともいずれか一方に設けられた逆止弁と、を有する筐体と、
前記筐体から流入された前記第1液と前記第2液とが混合されて吐出されるノズルと、
を備え
前記筐体は、前記第1流路及び前記第2流路の少なくともいずれか一方に形成されたテーパ状の弁座を更に備え、
前記逆止弁は、前記弁座と当接した状態で前記第1流路又は前記第2流路を閉塞するテーパ状の弁体と、前記弁体が前記第1流路又は前記第2流路を閉塞する方向に前記弁体を付勢する付勢部とを有す
多液混合吐出用工具。
【請求項2】
前記逆止弁は、前記第1流路及び前記第2流路のそれぞれに設けられた、
請求項1に記載の多液混合吐出用工具。
【請求項3】
前記筐体は、前記逆止弁の設置領域に形成され、前記第1流路と前記第2流路とを仕切る壁部を有する、
請求項1に記載の多液混合吐出用工具。
【請求項4】
前記筐体は、板状であって、一部で前記逆止弁を支持し、他部で前記第1液及び前記第2液を前記ノズルに流通させるプレートを有する、
請求項1に記載の多液混合吐出用工具。
【請求項5】
前記ノズルは、前記筐体に取り外し可能に装着される、
請求項1に記載の多液混合吐出用工具。
【請求項6】
ノズルの先端の外周に装着される弾性体を有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の多液混合吐出用工具。
【請求項7】
多液混合吐出用工具の圧送部の出口に取り付け可能であって、第1液が前記圧送部の第1出口から圧送可能な第1流路と、前記第1液と混合されることにより固化する第2液が前記圧送部の第2出口から圧送可能な第2流路と、前記第1流路及び前記第2流路のうち少なくともいずれか一方に設けられた逆止弁と、前記逆止弁の設置領域に形成され、前記第1流路と前記第2流路とを仕切る壁部と、を有する筐体と、
前記筐体から流入された前記第1液と第2液とが混合されて吐出されるノズルと、
を備え
前記筐体は、前記第1流路及び前記第2流路の少なくともいずれか一方に形成されたテーパ状の弁座を更に備え、
前記逆止弁は、前記弁座と当接した状態で前記第1流路又は前記第2流路を閉塞するテーパ状の弁体と、前記弁体が前記第1流路又は前記第2流路を閉塞する方向に前記弁体を付勢する付勢部とを有す
多液混合吐出用工具のヘッド。