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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025130019
(43)【公開日】2025-09-05
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20250829BHJP
   H01L 23/14 20060101ALI20250829BHJP
   H05K 1/16 20060101ALI20250829BHJP
【FI】
H01L23/12 B
H01L23/14 Z
H05K1/16 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024204651
(22)【出願日】2024-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2024-0027002
(32)【優先日】2024-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲尚▼鍾
(72)【発明者】
【氏名】崔 大徹
(72)【発明者】
【氏名】沈 正虎
【テーマコード(参考)】
4E351
【Fターム(参考)】
4E351AA03
4E351AA04
4E351BB11
4E351BB33
4E351CC06
4E351CC07
4E351DD04
4E351DD05
4E351DD06
4E351DD10
4E351DD11
4E351DD12
4E351DD19
4E351DD21
4E351GG06
4E351GG20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】インダクタのサイズを減らすことができ、必要なインダクタの数量を配列することができ、さらに、他の基板に実装又は内蔵が容易なプリント回路基板を提供する。
【解決手段】プリント回路基板100Aは、磁性体層110と、磁性体層をそれぞれ貫通する複数の貫通ビア150と、複数の貫通ビアのそれぞれの上面上に配置された複数の第1パッド161と、第1パッドを貫通ビアの上面と連結する複数の第1接続ビア171と、複数の貫通ビアのそれぞれの下面上に配置された複数の第2パッド162と、第2パッドを貫通ビアの下面と連結する複数の第2接続ビア172と、複数の第1パッドのそれぞれの少なくとも一部を覆う第1絶縁層121と、複数の第2パッドのそれぞれの少なくとも一部を覆う第2絶縁層122と、を含み、磁性体層の側面の少なくとも一部は、第1絶縁層の側面及び第2絶縁層の側面のうち一つ以上の少なくとも一部と実質的に共面をなす。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性体層と、
前記磁性体層をそれぞれ貫通する複数の貫通ビアと、
前記複数の貫通ビアのそれぞれの上面上に配置された複数の第1パッドと、
前記複数の貫通ビアのそれぞれの下面上に配置された複数の第2パッドと、
前記複数の第1パッドのそれぞれの少なくとも一部を覆う第1絶縁層と、
前記複数の第2パッドのそれぞれの少なくとも一部を覆う第2絶縁層と、を含み、
前記磁性体層の側面の少なくとも一部は、前記第1絶縁層の側面及び前記第2絶縁層の側面のうち一つ以上の少なくとも一部と実質的に共面をなす、プリント回路基板。
【請求項2】
前記複数の貫通ビアのそれぞれと前記磁性体層との間に配置され、前記複数の貫通ビアのそれぞれの側面を囲む複数の絶縁膜をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記複数の絶縁膜はそれぞれ無機絶縁材を含み、
前記無機絶縁材は、Al、TiO、ZnO、ZnO、ZrO、SnO、SnO、HfO及びSiOのうち一つ以上を含む、請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
断面上において、前記複数の貫通ビアのそれぞれの側面と垂直な方向を基準として、前記複数の絶縁膜のそれぞれの幅は、2μm以下である、請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記第1絶縁層をそれぞれ貫通し、前記複数の第1パッド及び前記複数の貫通ビアをそれぞれ互いに連結する複数の第1接続ビアと、
前記第2絶縁層をそれぞれ貫通し、前記複数の第2パッド及び前記複数の貫通ビアをそれぞれ互いに連結する複数の第2接続ビアと、をさらに含む、請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記磁性体層の上面と、前記複数の絶縁膜のそれぞれの上面と、前記複数の貫通ビアのそれぞれの上面とが互いに実質的に共面をなし、
前記磁性体層の下面と、前記複数の絶縁膜のそれぞれの下面と、前記複数の貫通ビアのそれぞれの下面とが互いに実質的に共面をなす、請求項5に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は互いに実質的に同じ絶縁材を含み、
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は厚さが互いに実質的に同じである、請求項5に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記第2絶縁層をそれぞれ貫通し、前記複数の第2パッド及び前記複数の貫通ビアをそれぞれ互いに連結する複数の第2接続ビアをさらに含み、
前記複数の絶縁膜は、前記磁性体層の上面上に延長され、
前記複数の絶縁膜の延長された部分は、前記第1絶縁層及び前記磁性体層の間に少なくとも一部が配置され、
前記複数の第1パッドは、前記複数の貫通ビアとそれぞれ直接連結される、請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記複数の貫通ビアのそれぞれの上面は前記磁性体層の上面上に突出し、
前記磁性体層の下面と、前記複数の絶縁膜のそれぞれの下面と、前記複数の貫通ビアのそれぞれの下面とが互いに実質的に共面をなす、請求項8に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は互いに異なる絶縁材を含み、
前記第2絶縁層は前記第1絶縁層より厚さが厚い、請求項8に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記磁性体層の少なくとも一部を貫通するキャビティ内に少なくとも一部が配置された第1電子部品と、
前記第1電子部品の少なくとも一部を覆い、前記キャビティの少なくとも一部を充填する封止材と、をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
前記第2絶縁層の下側にそれぞれ配置され、前記複数の第2パッドとそれぞれ連結された複数の電気連結金属をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
複数の絶縁層、複数の配線層、及び複数のビア層を含む基板と、
前記基板の上側に実装された第2電子部品と、
前記基板の下側に実装されたMCAI(Magnetic Core Array Inductor)構造と、
前記MCAI構造の下側に実装された第3電子部品と、をさらに含み、
前記MCAI構造は、前記磁性体層、前記複数の貫通ビア、前記複数の第1パッド及び前記複数の第2パッド、並びに前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
複数の絶縁層、複数の配線層、及び複数のビア層を含む基板と、
前記基板の上側に実装された第2電子部品と、
前記基板に内蔵されたMCAI構造と、
前記基板の下側に実装された第3電子部品と、をさらに含み、
前記MCAI構造は、前記磁性体層、前記複数の貫通ビア、前記複数の第1パッド及び前記複数の第2パッド、並びに前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
MCAI構造と、
前記MCAI構造の上側に実装された第4電子部品と、
前記MCAI構造及び前記第4電子部品のそれぞれの少なくとも一部を覆うモールディング材と、をさらに含み、
前記MCAI構造は、前記磁性体層、前記複数の貫通ビア、前記複数の第1パッド及び前記複数の第2パッド、並びに前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項16】
複数の貫通孔を有する磁性体層と、
前記複数の貫通孔のそれぞれの壁面上にそれぞれ配置された複数の絶縁膜と、
前記複数の絶縁膜上にそれぞれ配置され、前記複数の貫通孔のそれぞれの少なくとも一部を充填する複数の金属柱と、
前記磁性体層の上面及び下面のうち一つ以上を覆う絶縁層と、
前記絶縁層内に少なくとも一部がそれぞれ埋め込まれ、前記複数の金属柱のそれぞれの上面及び下面のうち一つ以上とそれぞれ連結された複数の金属パターンと、を含み、
前記磁性体層の下面の少なくとも一部は、前記複数の金属柱のうち少なくとも一つの下面の少なくとも一部と実質的に共面をなす、プリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路基板、例えば、複数のインダクタ配列構造を含むプリント回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の消費電力の減少など電力効率化への要求が増加するにつれて、電源供給装置の周波数がますます高くなっており、これに伴い要求されるパワーインダクタの容量がますます低くなっている。また、電圧調整のために一般及びサーバ用コンピュータに使用されるPMIC(Power Management Integrated Circuit)は、複数個の出力電圧を統合した出力方式を適用して電力効率を高める傾向にある。これにより、低容量インダクタの使用がさらに増加している。一方、低容量インダクタの場合、既存のチップ形状では低容量を実現することが容易ではないため、主にプリント回路基板に直接パターン形状にインダクタンスを実現していた。しかしながら、このようなパターン形状のインダクタはチップ形状のインダクタとは異なって磁性体を使用しないため、チップインダクタに比べて、相対的に単位体積当たりの容量が低く、体積が大きく、抵抗が大きい可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の様々な目的の一つは、インダクタのサイズを減らすことができ、必要なインダクタの数量を配列することができ、さらに、他の基板に実装又は内蔵が容易であり得るプリント回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明を通じて提供されるいくつかの解決手段の一つは、プリント回路基板を用いて磁性体を含むインダクタ構造、例えば、MCAI(Magnetic Core Array Inductor)構造を実現することである。
【0005】
例えば、一例に係るプリント回路基板は、磁性体層と、上記磁性体層をそれぞれ貫通する複数の貫通ビアと、上記複数の貫通ビアのそれぞれの上面上に配置された複数の第1パッドと、上記複数の貫通ビアのそれぞれの下面上に配置された複数の第2パッドと、上記複数の第1パッドのそれぞれの少なくとも一部を覆う第1絶縁層と、上記複数の第2パッドのそれぞれの少なくとも一部を覆う第2絶縁層と、を含み、上記磁性体層の側面の少なくとも一部は、上記第1絶縁層の側面及び上記第2絶縁層の側面のうち一つ以上の少なくとも一部と実質的に共面をなすものであってもよい。
【0006】
例えば、一例に係るプリント回路基板は、複数の貫通孔を有する磁性体層と、上記複数の貫通孔のそれぞれの壁面上にそれぞれ配置された複数の絶縁膜と、上記複数の絶縁膜上にそれぞれ配置され、上記複数の貫通孔のそれぞれの少なくとも一部を充填する複数の金属柱と、上記磁性体層の上面及び下面のうち一つ以上を覆う絶縁層と、上記絶縁層内に少なくとも一部がそれぞれ埋め込まれ、上記複数の金属柱のそれぞれの上面及び下面のうち一つ以上とそれぞれ連結された複数の金属パターンと、を含み、上記磁性体層の下面の少なくとも一部は、上記複数の金属柱のうち少なくとも一つの下面の少なくとも一部と実質的に共面をなすものであってもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の様々な効果のうち一効果として、インダクタのサイズを減らすことができ、必要なインダクタの数量を配列することができ、さらに、他の基板に実装又は内蔵が容易であり得るプリント回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
図2】電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
図3】プリント回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
図4a図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図4b図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図4c図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図4d図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図4e図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図4f図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図4g図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図4h図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図4i図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図5】プリント回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
図6a図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6b図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6c図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6d図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6e図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6f図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6g図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6h図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6i図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6j図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図7】プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
図8a図7のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図8b図7のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図8c図7のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図8d図7のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図8e図7のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図8f図7のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図8g図7のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図8h図7のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図8i図7のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図9図3のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
図10図5のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
図11図7のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
図12図3のプリント回路基板の他の変形例を概略的に示す断面図である。
図13図5のプリント回路基板の他の変形例を概略的に示す断面図である。
図14図7のプリント回路基板の他の変形例を概略的に示す断面図である。
図15図3のプリント回路基板のさらに他の変形例を概略的に示す断面図である。
図16図5のプリント回路基板のさらに他の変形例を概略的に示す断面図である。
図17図7のプリント回路基板のさらに他の変形例を概略的に示す断面図である。
図18】プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照して本発明について説明する。図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張又は縮小することができる。
【0010】
電子機器
図1は、電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0011】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは後述する他の電子部品とも結合して様々な信号ライン1090を形成する。
【0012】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にもその他の異なる形態のチップ関連電子部品が含まれてもよいことは言うまでもない。また、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせてもよいことは勿論である。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージ形態であってもよい。
【0013】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth(登録商標)、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる多数の無線又は有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれてもよい。また、ネットワーク関連部品1030をチップ関連部品1020と併せて互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0014】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルタ、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる様々な用途のために使用されるチップ部品形態の受動素子などが含まれてもよい。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0015】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されているか又はされていない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例としては、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリ1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)などであってもよい。これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために使用されるその他の電子部品などが含まれてもよいことは言うまでもない。
【0016】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニタ(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであってもよい。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0017】
図2は、電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【0018】
図面を参照すると、電子機器は、例えば、スマートフォン1100であってもよい。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には、様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。また、カメラモジュール1130及び/又はスピーカ1140のようにマザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されているか又はされていない他の部品が内部に収容されている。部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であってもよく、例えば、部品パッケージ1121であってもよいが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面実装配置されたプリント回路基板の形態であってもよい。あるいは、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であってもよい。一方、電子機器は必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0019】
プリント回路基板
図3は、プリント回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
【0020】
図面を参照すると、一例に係るプリント回路基板100Aは、磁性体層110、磁性体層110をそれぞれ貫通する複数の貫通ビア150、複数の貫通ビア150のそれぞれの上面上に配置された複数の第1パッド161、複数の貫通ビア150のそれぞれの下面上に配置された複数の第2パッド162、複数の第1パッド161のそれぞれの少なくとも一部を覆う第1絶縁層121、複数の第2パッド162のそれぞれの少なくとも一部を覆う第2絶縁層122、第1絶縁層121をそれぞれ貫通し、複数の第1パッド161のそれぞれを複数の貫通ビア150のそれぞれの上面と連結する複数の第1接続ビア171、第2絶縁層122をそれぞれ貫通し、複数の第2パッド162のそれぞれを複数の貫通ビア150のそれぞれの下面と連結する複数の第2接続ビア172、及び複数の貫通ビア150のそれぞれと磁性体層110との間に配置され、複数の貫通ビア150のそれぞれの側面を囲む複数の絶縁膜130を含むことができる。
【0021】
例えば、一例に係るプリント回路基板100Aは、MCAI(Magnetic Core Array Inductor)構造を含むことができ、より具体的には、磁性体層110と第1及び第2絶縁層121、122と複数の絶縁膜130と複数の貫通ビア150と複数の第1及び第2パッド161、162と複数の第1及び第2接続ビア171、172を含むインダクタアレイ(IA:Inductor Array)を含むことができる。インダクタアレイIAに含まれる各インダクタは、貫通ビア150とその上面及び下面に第1及び第2接続ビア171、172を介して連結される第1及び第2パッド161、162とを含むことができる。このような各インダクタは一つ以上のコイルを形成することができる。例えば、複数の第1パッド161及び/又は複数の第2パッド162と連結された金属パターンは、様々な形態のコイルパターンを含むことができる。あるいは、各インダクタは、貫通ビア150と第1及び第2接続ビア171、172と第1及び第2パッド161、162をそれぞれ2つ以上含むことができ、これらは互いに電気的に連結されて一つ以上のコイルを形成することもできる。このような各インダクタは互いに電気的に連結されることができる。例えば、複数の第1パッド161のうち少なくとも2つが金属パターンなどを介して様々な形態で互いに電気的に連結されるか、及び/又は複数の第2パッド162のうち少なくとも2つが金属パターンなどを介して様々な形態で互いに電気的に連結されることができる。このように、2つ以上のインダクタが互いに電気的に連結されて一つ以上のコイルを形成することもできる。
【0022】
一方、磁性体層110の側面の少なくとも一部は、第1及び第2絶縁層121、122のそれぞれの側面の少なくとも一部と実質的に共面をなすことができる。例えば、磁性体層110は、後述する工程のように、複数の磁性体フィルムを積層、圧着、焼成して積層体の形態で形成することができる。また、このような積層体形態の磁性体層110に貫通孔hを形成した後、貫通孔hの少なくとも一部を金属で充填して複数の貫通ビア150、例えば、複数の金属柱を形成することができる。また、このような積層体形態の磁性体層110の上面及び下面にそれぞれ第1及び第2絶縁層121、122をさらに積層することができ、第1及び第2絶縁層121、122に複数の第1及び第2パッド161、162と複数の第1及び第2接続ビア171、172、例えば、複数の金属パターンを形成することができる。その後、切断工程などで必要な大きさのユニット基板の形態でプリント回路基板100Aを形成することができる。したがって、磁性体層110の側面、より具体的には、磁性体層110の外側面が外部に露出することができる。このような構造のプリント回路基板100Aは、基本的に磁性体層110を含むため、インダクタのサイズを減らすことができる。また、複数の貫通ビア150と複数の第1及び第2パッド161、162等によりインダクタアレイ構造を実現することができるため、必要な分だけの複数のインダクタを容易に配列することができる。また、磁性体層110のサイズ、材質など、及びそれに形成される貫通孔hのサイズなどを調節してインダクタの容量を容易に調整することができる。また、複数の第2パッド162にそれぞれ第1電気連結金属180、例えば、半田ボールを連結してBGA(Ball Grid Array)構造を実現することができる。したがって、他の基板への実装が容易であり得る。また、単に基板にパターンインダクタを形成する場合に比べて、空間効率性が高くなる可能性があり、このようなMCAI構造が実装される他の基板の設計自由度を高めることができる。
【0023】
また、複数の絶縁膜130はそれぞれ無機絶縁材を含むことができる。例えば、複数の絶縁膜130はそれぞれ無機酸化膜を含むことができる。無機酸化膜は、例えば、Al、TiO、ZnO、ZnO、ZrO、SnO、SnO、HfO及びSiOのうち一つ以上を含むことができるが、これに限定されるものではない。複数の絶縁膜130は、このような無機絶縁材を用いて蒸着工程で形成することができるため、薄い厚さで形成することができる。例えば、断面上において、複数の貫通ビア150のそれぞれの側面と垂直な方向を基準として、複数の絶縁膜130のそれぞれの幅は2μm以下、例えば、約1μm~2μm程度であってもよいが、これに限定されるものではない。このように、複数の絶縁膜130を薄く形成する場合、磁性体層110の幅を十分に確保することができるため、インダクタの容量をより容易に調整することができる。
【0024】
一方、磁性体層110の上面と複数の絶縁膜130のそれぞれの上面と複数の貫通ビア150のそれぞれの上面とは互いに実質的に共面をなすことができる。また、磁性体層110の下面と複数の絶縁膜130のそれぞれの下面と複数の貫通ビア150のそれぞれの下面とは互いに実質的に共面をなすことができる。例えば、後述する工程のように、磁性体層110に複数の絶縁膜130と複数の貫通ビア150を形成した後、研磨等の平坦化工程を行うことができる。これにより、これらの上面と下面とが実質的に平坦になり得る。したがって、これらを覆う第1及び第2絶縁層121、122もより優れた平坦性を有することができる。よって、第1及び第2絶縁層121、122に形成される複数の第1及び第2パッド161、162をより容易に形成することができる。
【0025】
なお、第1及び第2絶縁層121、122は、互いに実質的に同じ絶縁材を含むことができる。例えば、第1及び第2絶縁層121、122は実質的に同じ絶縁層であってもよい。したがって、第1及び第2絶縁層121、122の厚さは互いに実質的に同じであり得る。よって、磁性体層110を中心に実質的に上下対称の構造を有することができる。したがって、反り制御などにおいてより有利になり得る。
【0026】
一方、必要に応じて、別途の第3絶縁層が磁性体層110と第1及び第2絶縁層121、122のそれぞれの側面の少なくとも一部を覆ってもよい。例えば、必要に応じて、第1及び第2絶縁層121、122と別途の第3絶縁層によって、磁性体層110は外部に露出しない場合もある。
【0027】
以下では、図面を参照して、一例に係るプリント回路基板100Aの構成要素についてより詳細に説明する。
【0028】
磁性体層110は磁性物質を含むことができる。磁性物質は、例えば、フェライト(ferrite)系物質、パーマロイ(permalloy)系物質等を含むことができる。例えば、Ni系フェライト、Ni-Zn系フェライト、Ni-Zn-Cu系フェライト、Fe-Si-Al(センダスト、Sendust)、Ni-Mo-Fe(MPP:Molypermalloy Powder Core)、Ni-Fe(High Flux Core)等を含むことができるが、これに限定されるものではなく、これら以外にも他の公知のフェライト系物質やパーマロイ系物質等を含むことができる。また、これら以外にも他の磁性粉末及び/又は磁性粒子を含む様々な種類の磁性物質が用いられてもよい。磁性体層110は、磁性体フィルム又は磁性体シートの形態で硬化され、コア層に配置されることができる。磁性体層110は、複数の貫通孔hを有することができ、複数の貫通孔hはそれぞれ離隔して磁性体層110の上面及び下面の間を貫通することができる。
【0029】
第1及び第2絶縁層121、122はそれぞれ有機絶縁材を含むことができる。例えば、第1及び第2絶縁層121、122は、互いに実質的に同じ有機絶縁材を含むことができる。有機絶縁材は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又は樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー、及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含むことができる。例えば、有機絶縁材は、PPG(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、PID(Photo Imageable Dielectric)、SR(Solder Resist)などであってもよいが、これに限定されるものではない。必要に応じて、第1及び第2絶縁層121、122は、それぞれ複数の層で構成されてもよく、この場合、互いに実質的に同じ層数を有してもよい。
【0030】
複数の絶縁膜130はそれぞれ無機絶縁材を含むことができる。例えば、複数の絶縁膜130はそれぞれ無機酸化膜を含むことができる。無機酸化膜は、例えば、Al、TiO、ZnO、ZnO、ZrO、SnO、SnO、HfO及びSiOのうち一つ以上を含むことができるが、これに限定されるものではない。複数の絶縁膜130は、このような無機絶縁材を用いて蒸着工程で形成することができるため、薄い厚さで形成することができる。例えば、断面上において、複数の貫通ビア150のそれぞれの側面と垂直な方向を基準として、複数の絶縁膜130のそれぞれの幅は2μm以下、例えば、約1μm~2μm程度であってもよいが、これに限定されるものではない。複数の絶縁膜130のそれぞれは、複数の貫通孔hのそれぞれの壁面上に上述した所定の厚さで配置されることができる。
【0031】
複数の貫通ビア150はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。複数の貫通ビア150のそれぞれは、複数の貫通孔hのそれぞれの少なくとも一部を充填する複数の金属柱を含むことができる。複数の金属柱のそれぞれは、絶縁膜130上に所定の厚さで配置されたシード金属層と、シード金属層上に配置されて貫通孔hを実質的に充填するめっき金属層とを含むことができる。シード金属層は無電解めっき(又は化学銅)で形成することができ、必要に応じて、スパッタ工程で形成することもできる。あるいは、両方を利用することもできる。めっき金属層は、電解めっき(又は電気銅)で形成することができる。後述する研磨等の平坦化工程により、シード金属層はめっき金属層の側面に配置されるが、上面及び下面上には配置されなくてもよい。また、シード金属層とめっき金属層の上面と下面とが互いに実質的に共面をなすことができる。例えば、シード金属層は、所定の薄い厚さでめっき金属層の側面を全体的に囲むような形で配置されることができ、めっき金属層はシード金属によって形成された空間を充填することができる。複数の貫通ビア150のそれぞれは、インダクタアレイIAに含まれる各インダクタの一部の構成として含まれることができる。
【0032】
複数の第1及び第2パッド161、162はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。複数の第1及び第2パッド161、162のそれぞれは、第1及び第2絶縁層121、122にそれぞれ形成された複数の金属パターンの一部として含まれてもよい。複数の金属パターンは、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターン、コイルパターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなど様々な形態を有することができる。複数の第1パッド161のうち少なくとも2つは、他の金属パターンなどを介して互いに電気的に連結されてもよい。複数の第2パッド162のうち少なくとも2つは、他の金属パターンなどを介して互いに電気的に連結されてもよい。複数の第1及び第2パッド161、162は、それぞれシード金属層及びめっき金属層を含むことができる。シード金属層は無電解めっき(又は化学銅)で形成することができ、必要に応じて、スパッタ工程で形成することもできる。あるいは、両方を利用することもできる。めっき金属層は、電解めっき(又は電気銅)で形成することができる。複数の第1及び第2パッド161、162は、それぞれ第1及び第2絶縁層121、122に埋め込まれて配置されてもよいが、これに限定されるものではなく、必要に応じて第1及び第2絶縁層121、122上に突出して配置されてもよい。複数の第1及び第2パッド161、162のそれぞれは、インダクタアレイIAに含まれる各インダクタの一部の構成として含まれることができる。
【0033】
複数の第1及び第2接続ビア171、172はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。複数の第1及び第2接続ビア171、172のそれぞれは、上述した複数の金属パターンの他の一部として含まれてもよい。複数の第1接続ビア171のそれぞれは、複数の第1パッド161のそれぞれと互いに一体に形成されてもよい。複数の第2接続ビア172のそれぞれは、複数の第2パッド162のそれぞれと互いに一体に形成されてもよい。複数の第1及び第2接続ビア171、172は、それぞれ複数の第1及び第2パッド161、162にそれぞれ含まれる上述したシード金属層及びめっき金属層を含むことができる。複数の第1及び第2接続ビア171、172は、それぞれビアホールを充填するフィルドビア(filled VIA)を含むことができるが、ビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal VIA)を含むこともできる。複数の第1及び第2接続ビア171、172は、断面上において互いに反対方向のテーパ形状を有することができる。複数の第1及び第2接続ビア171、172のそれぞれは、インダクタアレイIAに含まれる各インダクタの一部の構成として含まれることができる。
【0034】
複数の第1電気連結金属180は、プリント回路基板100Aを他の基板などに連結させることができる。複数の第1電気連結金属180は、複数の第2パッド162とそれぞれ連結されてもよい。必要に応じて、複数の第1電気連結金属180は、複数のアンダーバンプ金属を介して複数の第2パッド162にそれぞれ連結されてもよい。複数の第1電気連結金属180は、導電性物質、例えば、半田などで形成されてもよいが、これは一例に過ぎず、材質は特にこれに限定されるものではない。複数の第1電気連結金属180は、それぞれランド、ボール、ピンなどであってもよい。複数の第1電気連結金属180は、それぞれ多層又は単層で形成されてもよい。多層で形成される場合には、銅柱と銅柱上に形成された半田とを含むことができ、単層で形成される場合には、錫-銀半田や銅を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0035】
図4a~図4iは、図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【0036】
図4aを参照すると、複数の磁性体フィルム111を準備することができる。複数の磁性体フィルム111は、互いに実質的に同じ材料、例えば、上述の磁性物質を含むことができる。
【0037】
図4bを参照すると、複数の磁性体フィルム111を積層し、圧着した後に焼成することができる。これにより、磁性体層110を形成することができる。
【0038】
図4cを参照すると、磁性体層110に複数の貫通孔hを形成することができる。複数の貫通孔hは、CNCドリル等を用いて形成することができる。図4dを参照すると、磁性体層110の下側にキャリアフィルムCFを貼り付けることができる。キャリアフィルムCFの材料は特に限定されなくてもよい。
【0039】
図4eを参照すると、磁性体層110上にパッシベーション層131を形成することができる。例えば、非金属性絶縁物を材料として、CVD(Chemical Vapor Deposition)、ALD(Atomic Layer Deposition)などの蒸着工程を用いて、薄い厚さのパッシベーション層131を形成することができる。パッシベーション層131は、磁性体層110の上面と複数の貫通孔hのそれぞれの壁面とキャリアフィルムCFの露出した上面とを覆うことができる。
【0040】
図4fを参照すると、パッシベーション層131上に金属層151を形成することができる。金属層151は、複数の貫通孔hのそれぞれの残りの空間を充填することができる。金属層151はめっき工程で形成することができる。例えば、無電解めっきでシード金属層を形成することができ、電解めっきでめっき金属層を形成することができる。必要に応じて、シード金属層を形成するためにスパッタ工程を用いてもよく、又は無電解めっきとスパッタ工程の両方を用いてもよい。
【0041】
図4gを参照すると、キャリアフィルムCFを除去し、磁性体層110の上面及び下面を平坦化することができる。この過程で磁性体層110とパッシベーション層131と金属層151のそれぞれの一部が除去されることができる。したがって、平坦な上面と下面を提供することができる。また、複数の貫通ビア150と複数の絶縁膜130を形成することができる。平坦化工程としては、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)などの研磨工程を用いることができる。
【0042】
図4hを参照すると、磁性体層110の上面及び下面上にそれぞれ積層工程又はコーティング工程で第1及び第2絶縁層121、122を形成することができる。また、第1及び第2絶縁層121、122にそれぞれパターンホール加工及び/又はビアホール加工を行い、その後にめっき工程を行って、複数の第1及び第2パッド161、162と複数の第1及び第2接続ビア171、172を含む複数の金属パターンを形成することができる。
【0043】
図4iを参照すると、複数の第2パッド162に複数の第1電気連結金属180をそれぞれ連結することができる。複数の第1電気連結金属180は、それぞれ半田ボールの付着及びリフロー工程で形成することができる。必要に応じて、切断工程を行うことができる。切断工程により、上述したユニット基板形態のプリント回路基板100Aを形成することができる。
【0044】
その他の説明は、上述したプリント回路基板100Aで説明したものと実質的に同一であり得るため、重複説明は省略する。
【0045】
図5は、プリント回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
【0046】
図面を参照すると、他の一例に係るプリント回路基板100Bは、上述した一例に係るプリント回路基板100Aにおいて、複数の絶縁膜130’がそれぞれ磁性体層110の上面上に延長されることができ、複数の絶縁膜130’のそれぞれの延長された部分は、第1絶縁層121’と磁性体層110との間に少なくとも一部が配置されることができる。複数の絶縁膜130’は、このような延長された部分において互いに連結されることができ、例えば、全体的に連結されて、結果的に一つのパッシベーション膜を形成することができる。また、複数の貫通ビア150’のそれぞれの上面が磁性体層110の上面上に突出することができ、複数の第1パッド161は複数の貫通ビア150’とそれぞれ直接連結されることができる。また、第1及び第2絶縁層121’、122は互いに異なる絶縁材を含んでもよく、第2絶縁層122の厚さが第1絶縁層121’の厚さより厚くてもよい。例えば、他の一例に係るプリント回路基板100Bは、上述した一例に係るプリント回路基板100Aの構造に比べて、相対的に非対称な構造を有することができる。一方、他の一例に係るプリント回路基板100BもMCAI構造を含むことができ、より具体的には、磁性体層110と第1及び第2絶縁層121’、122と複数の絶縁膜130’と複数の貫通ビア150’と複数の第1及び第2パッド161、162と複数の第2接続ビア172を含むインダクタアレイIAを含むことができる。一方、必要に応じて、第1絶縁層121’は磁性体層110及び第2絶縁層122のそれぞれの側面の少なくとも一部を覆うように延長されて配置されてもよい。あるいは、必要に応じて、別途の第3絶縁層が磁性体層110と第1及び第2絶縁層121’、122のそれぞれの側面の少なくとも一部を覆ってもよい。
【0047】
その他の説明は、一例に係るプリント回路基板100Aで説明したものと実質的に同一であり得るため、重複説明は省略する。
【0048】
図6a~図6jは、図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【0049】
図6a~図6fを参照すると、上述した図4a~図4fで説明したものと実質的に同じ工程を行うことができる。
【0050】
図6gを参照すると、エッチングなどにより金属層151の一部を除去することができる。例えば、金属層151の上部領域をパターニングすることができる。また、金属層151が除去された領域にコーティング工程等で第1絶縁層121’を形成することができる。
【0051】
図6hを参照すると、キャリアフィルムCFを除去し、磁性体層110の下面を平坦化することができる。この過程で、磁性体層110とパッシベーション層131と金属層151のそれぞれの一部が除去されることができる。したがって、平坦な下面を提供することができる。また、複数の貫通ビア150’と複数の絶縁膜130’と複数の上部金属パターンを形成することができる。複数の上部金属パターンは複数の第1パッド161を含むことができる。平坦化工程としては、例えば、CMPなどの研磨工程を用いることができる。
【0052】
図6iを参照すると、磁性体層110の下面上に積層工程又はコーティング工程で第2絶縁層122を形成することができる。また、第2絶縁層122にパターンホール加工及び/又はビアホール加工を行い、その後にめっき工程を行って、複数の第2パッド162と複数の第2接続ビア172とを含む複数の下部金属パターンを形成することができる。
【0053】
図6jを参照すると、複数の第2パッド162に複数の第1電気連結金属180をそれぞれ連結することができる。複数の第1電気連結金属180は、それぞれ半田ボールの付着及びリフロー工程で形成することができる。必要に応じて、切断工程を行うことができる。切断工程により、上述したユニット基板形態のプリント回路基板100Bを形成することができる。
【0054】
その他の説明は、上述したプリント回路基板100A、100Bと、上述したプリント回路基板100Aの製造の一例等で説明したものと実質的に同一であり得るため、重複説明は省略する。
【0055】
図7は、プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【0056】
図面を参照すると、さらに他の一例に係るプリント回路基板100Cは、上述した一例に係るプリント回路基板100Aにおいて、磁性体層110がキャビティCを有することができ、キャビティCに第1電子部品190が配置されることができ、封止材140が第1電子部品190の少なくとも一部を覆い、キャビティCの少なくとも一部を充填することができる。キャビティCは貫通キャビティであってもよいが、これに限定されるものではなく、ブラインドキャビティであってもよい。第1電子部品190は、MLCCなどのチップ型の受動部品を含むことができるが、これに限定されるものではなく、IPD(Integrated Passive Devices)などの集積回路チップを含むこともできる。第1電子部品190は、複数の第2接続ビア172のうち少なくとも一つを介して複数の第2パッド162のうち少なくとも一つと連結されてもよい。必要に応じて、第1電子部品190は、複数の金属パターンを介してインダクタアレイIAと電気的に連結されてもよい。封止材140は、エポキシ樹脂などの公知の絶縁物質を含むことができる。例えば、さらに他の一例に係るプリント回路基板100Cは、インダクタアレイIAを含むMCAI構造を有することができるとともに、部品の内蔵された基板の構造を有することができる。したがって、より多様な機能を有することができ、電気的経路を最小化することができる。一方、必要に応じて、他の一例に係るプリント回路基板100BにおけるインダクタアレイIAが、さらに他の一例に係るプリント回路基板100Cに適用されてもよい。
【0057】
その他の説明は、一例に係るプリント回路基板100A、他の一例に係るプリント回路基板100B等で説明したものと実質的に同一であり得るため、重複説明は省略する。
【0058】
図8a~図8iは、図7のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【0059】
図8a~図8bを参照すると、上述した図4a~図4bで説明したものと実質的に同じ工程を行うことができる。
【0060】
図8cを参照すると、磁性体層110に複数の貫通孔hとキャビティCを形成することができる。複数の貫通孔hとキャビティCは、CNCドリル等を用いて形成することができる。
【0061】
図8dを参照すると、磁性体層110の下側にキャリアフィルムCFを貼り付けることができる。キャリアフィルムCFの材料は特に限定されなくてもよい。その後、キャビティCに第1電子部品190を配置し、封止材140で封止することができる。
【0062】
図8eを参照すると、磁性体層110と封止材140上にパッシベーション層131を形成することができる。例えば、非金属性絶縁物を材料として、CVD、ALDなどの蒸着工程を用いて、薄い厚さのパッシベーション層131を形成することができる。パッシベーション層131は、磁性体層110の上面と封止材140の上面と複数の貫通孔hのそれぞれの壁面とキャリアフィルムCFの露出した上面とを覆うことができる。
【0063】
図8fを参照すると、パッシベーション層131上に金属層151を形成することができる。金属層151は、複数の貫通孔hのそれぞれの残りの空間を充填することができる。金属層151はめっき工程で形成することができる。例えば、無電解めっきでシード金属層を形成することができ、電解めっきでめっき金属層を形成することができる。必要に応じて、シード金属層を形成するためにスパッタ工程を用いてもよく、又は無電解めっきとスパッタ工程の両方を用いてもよい。
【0064】
図8gを参照すると、キャリアフィルムCFを除去し、磁性体層110の上面及び下面を平坦化することができる。この過程で、磁性体層110とパッシベーション層131と金属層151のそれぞれの一部が除去されることができる。したがって、平坦な上面と下面を提供することができる。また、複数の貫通ビア150と複数の絶縁膜130を形成することができる。平坦化工程としては、例えば、CMPなどの研磨工程を用いることができる。
【0065】
図8hを参照すると、磁性体層110の上面及び下面上にそれぞれ積層工程又はコーティング工程で第1及び第2絶縁層121、122を形成することができる。また、第1及び第2絶縁層121、122にそれぞれパターンホール加工及び/又はビアホール加工を行い、その後にめっき工程を行って、複数の第1及び第2パッド161、162と複数の第1及び第2接続ビア171、172を含む複数の金属パターンを形成することができる。
【0066】
図8iを参照すると、複数の第2パッド162に複数の第1電気連結金属180をそれぞれ連結することができる。複数の第1電気連結金属180は、それぞれ半田ボールの付着及びリフロー工程で形成することができる。必要に応じて、切断工程を行うことができる。切断工程により、上述したユニット基板形態のプリント回路基板100Cを形成することができる。
【0067】
その他の説明は、上述したプリント回路基板100A、100B、100Cと、上述したプリント回路基板100Aの製造の一例等で説明したものと実質的に同一であり得るため、重複説明は省略する。
【0068】
図9図11は、それぞれ図3図5図7のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
【0069】
図面を参照すると、変形例に係るプリント回路基板500A、500B、500Cは、それぞれ、第1基板200A、第1基板200Aの上側に実装された第2電子部品310、第1基板200Aの下側に実装されたMCAI構造100A、100B、100C、及びMCAI構造100A、100B、100Cの下側に実装された第3電子部品320を含むことができる。例えば、第1基板200Aの下側に、上述したプリント回路基板100A、100B、100CがMCAI構造100A、100B、100Cとして実装されることができ、PMIC(Power Management Integrated Circuit)、VR(Voltage Regulator)などを含む第3電子部品320がMCAI構造100A、100B、100Cに実装されることができる。この場合、体積の減少、構造の簡素化、電流パスの減少などの効果が期待できる。より具体的に、基板に単純にパターンインダクタを形成する場合に比べて、パターンの長さ減少の効果を有することができ、これにより、インダクタ抵抗の減少及びシステム効率の増加が期待できる。また、容量の増加により、適用アプリケーションの設計利便性の増加、及びサイズの減少が期待できる。また、電流パスの縮小により実装部品であるPMIC、VRなどの効率を増加させることができる。
【0070】
以下では、図面を参照して、変形例に係るプリント回路基板500A、500B、500Cの構成要素についてより詳細に説明する。
【0071】
第1基板200Aは、複数の絶縁層211、212、213、214、215と複数の配線層221、222、223、224、225、226と複数のビア層231、232、233、234、235を含む多層プリント回路基板であってもよい。例えば、複数の絶縁層211、212、213、214、215は、コア層である第1絶縁層211とビルドアップ層である第2及び第3絶縁層212、213と半田レジスト層である第4及び第5絶縁層214、215を含むことができる。また、複数の配線層221、222、223、224、225、226は、コア配線層である第1及び第2配線層221、222とビルドアップ配線層である第3~第6配線層223、224、225、226を含むことができる。また、複数のビア層231、232、233、234、235は、貫通ビアを含む第1ビア層231と接続ビアをそれぞれ含む第2~第5ビア層232、233、234、235とを含むことができる。一方、第1基板200Aは、コアタイプの多層プリント回路基板であってもよいが、コアレスタイプの多層プリント回路基板であってもよい。
【0072】
複数の絶縁層211、212、213、214、215は、無機絶縁材及び/又は有機絶縁材を含むことができる。限定されない一例として、複数の絶縁層211、212、213、214、215は全て有機絶縁材を含むことができる。あるいは、第1絶縁層211は無機絶縁材を含み、且つ第2~第5絶縁層212、213、214、215は有機絶縁材を含むことができる。但し、これに限定されるものではない。有機絶縁材は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又は樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維を含むことができる。例えば、有機絶縁材は、CCL(Copper Clad Lamiante)、PPG、ABF、PID、SRなどであってもよいが、これに限定されるものではない。無機絶縁材は、ガラス基板、シリコン基板及び/又はセラミック基板を含むことができる。例えば、ガラス基板はガラス(glass)を含むことができ、ガラスは、例えば、純粋な二酸化ケイ素(約100%のSiO)、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス(alumino-silicate glass)などを含むことができる。但し、これに限定されるものではなく、代替のガラス材料である、例えば、フッ素ガラス、リン酸ガラス、カルコゲンガラスなどもガラス層の材料として使用することができる。また、特定の物理的特性を有するガラスを形成するために、その他の添加剤をさらに含むこともできる。このような添加剤は、炭酸カルシウム(例えば、石灰)及び炭酸ナトリウム(例えば、ソーダ)だけでなく、マグネシウム、カルシウム、マンガン、アルミニウム、鉛、ホウ素、鉄、クロム、カリウム、硫黄及びアンチモン、並びにこのような元素及び他の元素の炭酸塩及び/又は酸化物を含むことができる。一方、ガラスは、有機絶縁材に含まれるガラス繊維とは区別されることができる。また、シリコン基板はシリコン(Si)を含んでもよく、必要に応じて、シリコン(Si)の上に形成された酸化層を含んでもよい。また、酸化層の上に形成された窒化層を含んでもよい。一方、酸化層はシリコン酸化膜を含むことができ、窒化層はシリコン窒化膜を含むことができるが、これに限定されるものではない。また、セラミック基板はセラミック(ceramic)を含むことができ、セラミックは、例えば、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si)などを含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0073】
複数の配線層221、222、223、224、225、226はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。複数の配線層221、222、223、224、225、226は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなど様々な形態を有することができる。複数の配線層221、222、223、224、225、226は、それぞれシード金属層とシード金属層上に形成されためっき金属層とを含むことができる。シード金属層は無電解めっき層(又は化学銅)及び/又はスパッタ層であってもよく、めっき金属層は電解めっき層(又は電気銅)であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0074】
複数のビア層231、232、233、234、235はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。複数のビア層231、232、233、234、235は、それぞれビアホール又は貫通孔を充填するフィルドビアを含むことができるが、ビアホール又は貫通孔の壁面に沿って配置されるコンフォーマルビアを含むこともできる。複数のビア層231、232、233、234、235は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。複数のビア層231、232、233、234、235は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタ層を含んでもよく、両方を含んでもよい。第2~第5ビア層232、233、234、235のそれぞれの接続ビアは、断面上においてテーパ形状を有することができる。第1ビア層231の貫通ビアは、それぞれ断面上において柱形状を有することができ、内部に絶縁物質又は導電性物質の充填材が配置されることができる。
【0075】
第2電子部品310は半導体チップを含むことができる。半導体チップは、数百~数百万個以上の素子が一つのチップ内に集積化された集積回路(IC:Integrated Circuit)ダイ(Die)であってもよい。集積回路ダイは、アクティブウエハをベースにして形成されたものであってもよく、この場合、各本体をなす母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などが使用されてもよい。本体には様々な回路が形成されていてもよい。本体のフロント面には接続パッドが形成されることができ、接続パッドはアルミニウム(Al)、銅(Cu)などの導電性物質を含むことができる。半導体チップは、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどを含むことができるが、これに限定されるものではない。第2電子部品310は、複数の第2電気連結金属315を介して第1基板200Aに連結されてもよい。複数の第2電気連結金属315は、それぞれ錫(Sn)のような低融点金属を含むことができ、例えば、半田を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0076】
第3電子部品320はPMIC及び/又はVRを含むことができる。第3電子部品320は、複数の第3電気連結金属325を介してMCAI構造100A、100B、100Cに連結されることができる。複数の第3電気連結金属325は、それぞれ錫(Sn)のような低融点金属を含むことができ、例えば、半田を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0077】
その他の説明は、上述したプリント回路基板100A、100B、100Cで説明したものと実質的に同一であり得るため、重複説明は省略する。
【0078】
図12図14は、それぞれ図3図5図7のプリント回路基板の他の変形例を概略的に示す断面図である。
【0079】
図面を参照すると、他の変形例に係るプリント回路基板500D、500E、500Fは、それぞれ、第2基板200B、複数の第2電気連結金属315を介して第2基板200Bの上側に実装された第2電子部品310、第2基板200Bに内蔵されたMCAI構造100A、100B、100C、及び複数の第3電気連結金属325を介して第2基板200Bの下側に実装された第3電子部品320を含むことができる。例えば、第2基板200B内に上述したプリント回路基板100A、100B、100CがMCAI構造100A、100B、100Cとして内蔵されてもよく、PMIC及び/又はVR等を含む第3電子部品320がMCAI構造100A、100B、100Cの下部に配置されてもよい。この場合にも、上述した体積の減少、構造の簡素化、電流パスの減少などの効果が期待できる。
【0080】
以下では、図面を参照して、他の変形例に係るプリント回路基板500D、500E、500Fの構成要素についてより詳細に説明する。
【0081】
第2基板200Bは、複数の絶縁層211、212、213、214、215、216と複数の配線層221、223、224、225、226と複数のビア層232、233、234、235、236を含む多層プリント回路基板であってもよい。例えば、複数の絶縁層211、212、213、214、215は、MCAI構造100A、100B、100Cが配置される貫通部Hを有するコア層である第1絶縁層211と、ビルドアップ層である第2及び第3絶縁層212、213と、半田レジスト層である第4及び第5絶縁層214、215と、封止材である第6絶縁層216とを含むことができる。第6絶縁層216は、第2及び第3絶縁層212、213と同様に、上述した有機絶縁材を含むことができる。第6絶縁層216は、第2絶縁層212と境界なしに一体化されてもよい。第6絶縁層216は、MCAI構造100A、100B、100Cの少なくとも一部を覆ってもよく、貫通部Hの少なくとも一部を充填してもよい。また、複数の配線層221、223、224、225、226は、コア配線層である第1配線層221と、ビルドアップ配線層である第3~第6配線層223、224、225、226とを含むことができる。さらに、複数のビア層232、233、234、235、236は、接続ビアをそれぞれ含む第2~第6ビア層232、233、234、235、236を含むことができる。第6ビア層236は、第2~第5ビア層232、233、234、235と同様に、断面上においてテーパ形状の接続ビアを含むことができる。このような第2基板200Bは、コアタイプの多層プリント回路基板であってもよいが、コアレスタイプの多層プリント回路基板であってもよい。
【0082】
その他の説明は、上述したプリント回路基板100A、100B、100Cと、その変形例に係るプリント回路基板500A、500B、500Cなどで説明したものと実質的に同一であり得るため、重複説明は省略する。
【0083】
図15図17は、それぞれ図3図5図7のプリント回路基板のさらに他の変形例を概略的に示す断面図である。
【0084】
図面を参照すると、さらに他の変形例に係るプリント回路基板700A、700B、700Cは、それぞれ、複数の第4電気連結金属335を介してプリント回路基板100A、100B、100Cの上側に実装された第4電子部品330及びプリント回路基板100A、100B、100Cの少なくとも一部と、第4電子部品330の少なくとも一部を覆うモールディング材400とを含むことができる。例えば、さらに他の変形例に係るプリント回路基板700A、700B、700Cにおいて、上述したプリント回路基板100A、100B、100CはMCAI構造100A、100B、100Cを有してもよく、PMIC及び/又はVRなどを含む第4電子部品330は、MCAI構造100A、100B、100C上に実装され、モールディング材400で覆われてもよい。例えば、さらに他の変形例に係るプリント回路基板700A、700B、700Cはパッケージ構造を有することができる。この場合にも、上述した体積の減少、構造の簡素化、電流パスの減少などの効果が期待できる。
【0085】
以下では、図面を参照して、さらに他の変形例に係るプリント回路基板700A、700B、700Cの構成要素についてより詳細に説明する。
【0086】
第4電子部品330は、PMIC及び/又はVRを含むことができる。但し、これに限定されるものではなく、他の半導体チップやチップ型の受動部品などをさらに含むことができる。複数の第4電気連結金属335は、それぞれ錫(Sn)のような低融点金属を含むことができ、例えば、半田を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0087】
モールディング材400は、第4電子部品330の少なくとも一部を覆うことができ、MCAI構造100A、100B、100Cの上面の少なくとも一部だけでなく、側面の少なくとも一部も覆うことができる。モールディング材400は、エポキシ樹脂などの公知の絶縁物質を含むことができる。例えば、EMC(Epoxy Molding Compound)を含むことができる。但し、これに限定されるものではなく、他の種類の絶縁材が用いられてもよいことは言うまでもない。
【0088】
その他の説明は、上述したプリント回路基板100A、100B、100Cと、その変形例に係るプリント回路基板500A、500B、500C、500D、500E、500Fなどで説明したものと実質的に同一であり得るため、重複説明は省略する。
【0089】
図18は、プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【0090】
図面を参照すると、さらに他の一例に係るプリント回路基板100Dは、上述した一例に係るプリント回路基板100Aにおいて、第1及び第2絶縁層121、122が一体化されて一つの絶縁層120を構成することができる。このとき、絶縁層120は磁性体層110の側面の少なくとも一部を覆うことができる。例えば、絶縁層120は、磁性体層110の側面が露出しないように磁性体層110を囲んでもよい。一方、さらに他の一例に係るプリント回路基板100DもMCAI構造を含むことができ、より具体的には、磁性体層110と絶縁層120と複数の絶縁膜130と複数の貫通ビア150と複数の第1及び第2パッド161、162と複数の第1及び第2接続ビア171、172とを含むインダクタアレイIAを含むことができる。
【0091】
その他の説明は、一例に係るプリント回路基板100Aで説明したものと実質的に同一であり得るため、重複説明は省略する。一方、上述した変形例に係るプリント回路基板500Aと、さらに他の変形例に係るプリント回路基板700Aで説明した各構造に、上述した一例に係るプリント回路基板100Aの代わりに、上述したさらに他の一例に係るプリント回路基板100Dが適用されてもよく、これに対する重複説明は省略する。
【0092】
本発明において、「覆う」という表現は、全体的に覆う場合だけでなく、少なくとも一部を覆う場合を含むことができ、また直接覆う場合だけでなく間接的に覆う場合も含むことができる。また、「充填する」という表現は、完全に充填する場合だけでなく、少なくとも一部を充填する場合を含むことができ、また概ね充填する場合を含むことができる。例えば、一部の空隙やボイドなどが存在する場合を含むことができる。また、「囲む」という表現は、完全に囲む場合だけでなく、一部を囲む場合及び概ね囲む場合を含むことができる。さらに、「露出させる」とは、完全に露出させる場合だけでなく、一部を露出させる場合を含むことができ、「露出」は、当該構成を埋め込むことから露出することを意味することができる。例えば、開口がパッドを露出させることは、レジスト層からパッドを露出させることであり、露出したパッド上には表面処理層などがさらに配置されることができる。
【0093】
本発明において、「貫通部又は貫通孔内に配置される」とは、対象物が完全に貫通部又は貫通孔内に配置される場合だけでなく、断面上において上側又は下側に一部突出する場合を含むことができる。例えば、平面上において貫通部又は貫通孔内に配置される場合であれば、より広い意味で判断することができる。
【0094】
本発明において、実質的には、製造工程上で発生する工程誤差や位置偏差、測定時の誤差などを含めて判断することができる。例えば、「実質的に垂直である」とは、完全に垂直な場合だけでなく、ほぼ垂直な場合も含むことができる。また、「実質的に共面をなす」とは、完全に同一平面上に存在する場合だけでなく、ほぼ同一平面上に存在する場合も含むことができる。
【0095】
本発明において、「同じ絶縁材」とは、完全に同一の絶縁材である場合だけでなく、同じタイプの絶縁材を含む意味であることができる。したがって、絶縁材の組成は実質的に同一であるが、これらの具体的な組成比は少しずつ異なる場合がある。
【0096】
本発明において、断面上における意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、又は対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味することができる。また、平面上における意味は、対象物を水平に切断したときの平面形状、又は対象物をトップビュー又はボトムビューで見たときの平面形状を意味することができる。
【0097】
本発明において、「下側、下部、下面」などは、便宜上、図面の断面を基準として下方向を意味するものとして使用し、「上側、上部、上面」などは、その反対方向を意味するものとして使用している。但し、これは説明の便宜上、方向を定義したものであり、特許請求の範囲の権利範囲がこのような方向に対する記載によって特に限定されるものではないことは勿論であり、上/下の概念はいつでも変更することができる。
【0098】
本発明において、「連結される」とは、直接連結されることだけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結されることを含む概念である。また、「電気的に連結される」とは、物理的に連結される場合及び連結されていない場合の両方を含む概念である。さらに、「第1、第2」などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために使用されるものであって、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【0099】
本発明において、「厚さ、幅、長さ、深さ、線幅、間隔、ピッチ、離隔距離、表面粗さ」などは、それぞれプリント回路基板を研磨又は切断した断面を基準として、走査顕微鏡や光学顕微鏡等で測定することができる。切断断面は垂直断面又は水平断面であることができ、必要な切断断面を基準として各数値を測定することができる。例えば、ビアの上端部及び/又は下端部の幅は、ビアの中心軸を切った断面上で測定することができる。このとき、数値が一定でない場合には、任意の5点で測定した値の平均値で数値を決定することができる。
【0100】
本発明において使用される「一例」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が、他の一例に説明されていなくても、他の一例において、その事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明として理解することができる。
【0101】
本発明において使用される用語は、単に一例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定することを意図していない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を示さない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0102】
1000:電子機器
1010:メインボード
1020:チップ関連部品
1030:ネットワーク関連部品
1040:その他の部品
1050:カメラ
1060:アンテナ
1070:ディスプレイ
1080:バッテリ
1090:信号ライン
1100:スマートフォン
1110:マザーボード
1120:部品
1121:部品パッケージ
1130:カメラモジュール
1140:スピーカ
100A、100B、100C、100D、500A、500B、500C、500D、500E、500F、700A、700B、700C:プリント回路基板
110:磁性体層
120、121、121’、122:絶縁層
130、130’:絶縁膜
131:パッシベーション層
140:封止材
150、150’:貫通ビア
151:金属層
161、162:パッド
171、172:接続ビア
180:電気連結金属
190:電子部品
200A、200B:基板
211、212、213、214、215、216:絶縁層
221、222、223、224、225、226:配線層
231、232、233、234、235、236:ビア層
310、320、330:電子部品
315、325、335:電気連結金属
400:モールディング材
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図4g
図4h
図4i
図5
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e
図6f
図6g
図6h
図6i
図6j
図7
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図8f
図8g
図8h
図8i
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18