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特開2025-13008チューブポンプシステムおよびその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013008
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】チューブポンプシステムおよびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   F04C 5/00 20060101AFI20250117BHJP
   F04C 14/06 20060101ALI20250117BHJP
   F04B 43/12 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
F04C5/00 341N
F04C14/06 A
F04C14/06 B
F04B43/12 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116259
(22)【出願日】2023-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】591257111
【氏名又は名称】サーパス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】阿保 一夫
【テーマコード(参考)】
3H044
3H077
【Fターム(参考)】
3H044BB00
3H044CC21
3H044DD10
3H044DD13
3H044DD21
3H044DD24
3H077AA08
3H077CC04
3H077CC10
3H077DD02
3H077EE05
3H077EE15
3H077FF06
3H077FF14
(57)【要約】
【課題】チューブポンプから配管に送出される液体を一定量ずつ間欠的に配管から吐出する。
【解決手段】チューブポンプ100と、チューブ101から送出される液体を流通させる流通流路が内部に形成された配管200と、第1所定位置P1に配置されるオリフィス400と、第2所定位置P2に配置される切替弁500と、制御部600と、を備え、制御部600は、チューブポンプ100を停止状態から送出状態へ切り替える送出タイミングと切替弁500を遮断状態から流通状態へ切り替える流通タイミングとを同期させ、かつチューブポンプ100を送出状態から停止状態へ切り替える停止タイミングと切替弁500を流通状態から遮断状態へ切り替える遮断タイミングとを同期させるようチューブポンプ100および切替弁500を制御するチューブポンプシステム700を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性材料により形成されるチューブを間欠的に押し潰すことによって前記チューブ内の液体を送出するとともに液体を送出する送出状態と液体を送出しない停止状態とを切り替えるチューブポンプと、
前記チューブに一端が接続されるとともに前記チューブから送出される液体を前記一端から他端へ向けた流通方向に沿って流通させる流通流路が内部に形成された配管と、
前記配管の前記一端と前記他端との間の第1所定位置に配置されるとともに前記流通方向に直交する流路断面の断面積が前記流通流路において最小となる縮径部と、
前記配管の前記一端と前記他端との間の第2所定位置に配置されるとともに液体が前記第2所定位置を通過する流通状態と液体の流通が前記第2所定位置で遮断される遮断状態とを切り替える切替弁と、
前記配管の前記他端から間欠的に液体が吐出されるよう前記チューブポンプおよび前記切替弁を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記チューブポンプを前記停止状態から前記送出状態へ切り替える送出タイミングと前記切替弁を前記遮断状態から前記流通状態へ切り替える流通タイミングとを同期させ、かつ前記チューブポンプを前記送出状態から前記停止状態へ切り替える停止タイミングと前記切替弁を前記流通状態から前記遮断状態へ切り替える遮断タイミングとを同期させるよう前記チューブポンプおよび前記切替弁を制御するチューブポンプシステム。
【請求項2】
前記チューブポンプは、
軸線回りに円弧状に形成されるとともに前記チューブが配置される内周面を有する収容部と、
前記収容部に収容されるとともに前記軸線回りの閉塞位置から解除位置に至るまで前記チューブを閉塞した状態で前記軸線回りに回転する一対のローラ部と、
前記一対のローラ部のそれぞれを前記軸線回りに同方向に回転させる一対の駆動部と、を有し、
前記チューブから前記配管に送出される液体の圧力を検出する圧力検出部を備え、
前記制御部は、前記一対のローラ部が少なくとも一回転する際に前記圧力検出部が検出する液体の圧力の変動幅が所定値以内となるように、前記一対の駆動部のそれぞれを制御する請求項1に記載のチューブポンプシステム。
【請求項3】
前記制御部は、前記圧力検出部が検出する圧力の変動幅が前記所定値以内となるように、第1の前記ローラ部が前記閉塞位置を通過する際の前記一対のローラ部の間の前記軸線回りの第1回転角度と、第2の前記ローラ部が前記解除位置を通過する際の前記一対のローラ部の間の前記軸線回りの第2回転角度とを制御する請求項2に記載のチューブポンプシステム。
【請求項4】
前記配管の前記一端から前記切替弁が配置される前記第2所定位置までの間に前記縮径部が配置される前記第1所定位置があり、
前記配管の前記第1所定位置から前記第2所定位置までの前記流通流路の体積は、前記配管の前記一端から前記第2所定位置までの体積の1/10以下である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のチューブポンプシステム。
【請求項5】
前記制御部は、前記送出タイミングから第1所定時間が経過したタイミングが前記流通タイミングとなり、かつ前記停止タイミングから第2所定時間が経過したタイミングが前記遮断タイミングとなるように前記チューブポンプおよび前記切替弁を制御する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のチューブポンプシステム。
【請求項6】
前記制御部は、前記流通タイミングから第3所定時間が経過したタイミングが前記送出タイミングとなり、かつ前記遮断タイミングから第4所定時間が経過したタイミングが前記停止タイミングとなるように前記チューブポンプおよび前記切替弁を制御する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のチューブポンプシステム。
【請求項7】
チューブポンプシステムの制御方法であって、
前記チューブポンプシステムは、
可撓性材料により形成されるチューブを間欠的に押し潰すことによって前記チューブ内の液体を送出するとともに液体を吐出する送出状態と液体を送出しない停止状態とを切り替えるチューブポンプと、
前記チューブに一端が接続されるとともに前記チューブから送出される液体を前記一端から他端へ向けた流通方向に沿って流通させる流通流路が内部に形成された配管と、
前記配管の前記一端と前記他端との間の第1所定位置に配置されるとともに前記流通方向に直交する流路断面の断面積が前記流通流路において最小となる縮径部と、
前記配管の前記一端と前記他端との間の第2所定位置に配置されるとともに液体が前記第2所定位置を通過する流通状態と液体の流通が前記第2所定位置で遮断される遮断状態とを切り替える切替弁と、を備え、
前記チューブポンプを前記停止状態から前記送出状態へ切り替える送出タイミングと前記切替弁を前記遮断状態から前記流通状態へ切り替える流通タイミングとを同期させるよう前記チューブポンプおよび前記切替弁を制御する第1制御工程と、
前記チューブポンプを前記送出状態から前記停止状態へ切り替える停止タイミングと前記切替弁を前記流通状態から前記遮断状態へ切り替える遮断タイミングとを同期させるよう前記チューブポンプおよび前記切替弁を制御する第2制御工程と、を備えるチューブポンプシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブポンプシステムおよびその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、可撓性を有するチューブを複数のローラによって間欠的に押し潰すことによってチューブ内の液体を圧送するチューブポンプが知られている。チューブポンプは、間欠的に液体を圧送するため、圧送される液体に脈動(流量の増減が繰り返される状態)が生じる。
特許文献1には、ローラにより押し潰されたチューブが原形に戻る際に、下流側の流路からチューブポンプ側に液体が引き込まれる現象によって脈動が生じるという不具合が開示されている。特許文献1は、このような脈動を抑制するために、一対のローラ部の一方がチューブから離間する離間位置を通過する際に、一対のローラ部との接触により閉塞されたチューブ内の液体の圧力を上昇させることを開示する。特許文献1によれば、チューブ内の液体の圧力を上昇させることにより、チューブポンプ側に液体が引き込まれる現象を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-44488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
医療や理化学などのライフサイエンス分野において、検体や試料となる液体を一定量だけ間欠的に吐出する(分注する)ことが求められる場合がある。特許文献1に開示されチューブポンプシステムでは、流量計が計測する液値の流量が予め定めた目標流量となるように一対のローラ部を駆動する一対の駆動部を制御している。特許文献1に開示されチューブポンプシステムは、吐出される液体の脈動を抑制することができる点で有利であるが、液体を一定量だけ間欠的に吐出する用途には最適化されていない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、チューブポンプから配管に送出される液体を一定量ずつ間欠的に配管から吐出することが可能なチューブポンプシステムおよびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のチューブポンプシステムおよびその制御方法は以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムは、可撓性材料により形成されるチューブを間欠的に押し潰すことによって前記チューブ内の液体を送出するとともに液体を送出する送出状態と液体を送出しない停止状態とを切り替えるチューブポンプと、前記チューブに一端が接続されるとともに前記チューブから送出される液体を前記一端から他端へ向けた流通方向に沿って流通させる流通流路が内部に形成された配管と、前記配管の前記一端と前記他端との間の第1所定位置に配置されるとともに前記流通方向に直交する流路断面の断面積が前記流通流路において最小となる縮径部と、前記配管の前記一端と前記他端との間の第2所定位置に配置されるとともに液体が前記第2所定位置を通過する流通状態と液体の流通が前記第2所定位置で遮断される遮断状態とを切り替える切替弁と、前記配管の前記他端から間欠的に液体が吐出されるよう前記チューブポンプおよび前記切替弁を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記チューブポンプを前記停止状態から前記送出状態へ切り替える送出タイミングと前記切替弁を前記遮断状態から前記流通状態へ切り替える流通タイミングとを同期させ、かつ前記チューブポンプを前記送出状態から前記停止状態へ切り替える停止タイミングと前記切替弁を前記流通状態から前記遮断状態へ切り替える遮断タイミングとを同期させるよう前記チューブポンプおよび前記切替弁を制御する。
【0007】
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムによれば、チューブポンプが可撓性材料により形成されるチューブを間欠的に押し潰すことにより、チューブ内の液体が送出され、チューブに一端が接続される配管の内部に形成された流通流路に導かれる。配管の第1所定位置に流路断面の断面積が流通流路において最小となる縮径部が配置される。縮径部における液体の流通抵抗が流通流路において最大となるため、流通流路に縮径部を設けない場合に比べ、配管の一端から縮径部に至るまでの流通流路を流通する液体は動圧が低くかつ静圧が高い状態となる。
【0008】
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムによれば、チューブポンプの送出タイミングと切替弁の流通タイミングとを同期させ、チューブポンプの停止タイミングと切替弁の遮断タイミングとを同期させるようチューブポンプおよび切替弁が制御される。チューブポンプの停止タイミングと切替弁の遮断タイミングとが同期するため、配管の一端から切替弁が配置される第2所定位置までの間の液体の静圧を一定に保持した状態で、配管の他端からの液体の吐出が停止する。
【0009】
また、チューブポンプの送出タイミングと切替弁の流通タイミングとが同期するため、配管の一端から切替弁が配置される第2所定位置までの間の液体の静圧を一定に保持した状態で、配管の他端からの液体の吐出が開始する。配管の一端から切替弁が配置される第2所定位置までの間の液体の静圧を一定に保持した状態で、配管の他端からの液体の吐出の開始と停止を切り替えるため、チューブポンプから配管に送出される液体を一定量ずつ間欠的に配管の他端から吐出することができる。
【0010】
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムにおいて、前記チューブポンプは、軸線回りに円弧状に形成されるとともに前記チューブが配置される内周面を有する収容部と、前記収容部に収容されるとともに前記軸線回りの閉塞位置から解除位置に至るまで前記チューブを閉塞した状態で前記軸線回りに回転する一対のローラ部と、前記一対のローラ部のそれぞれを前記軸線回りに同方向に回転させる一対の駆動部と、を有し、前記チューブから前記配管に送出される液体の圧力を検出する圧力検出部を備え、前記制御部は、前記一対のローラ部が少なくとも一回転する際に前記圧力検出部が検出する液体の圧力の変動幅が所定値以内となるように、前記一対の駆動部のそれぞれを制御する構成としてもよい。
【0011】
本構成のチューブポンプシステムによれば、一対のローラ部のそれぞれを一対の駆動部により軸線回りに同方向に回転させることにより、一対のローラ部がチューブを押し潰した状態で閉塞位置から解除位置に至る。制御部は、一対の駆動部のそれぞれを制御することにより、チューブの一端から流入した液体をチューブの他端から吐出させる。一対のローラ部が少なくとも一回転する際に圧力検出部が検出する液体の圧力の変動幅は、チューブポンプシステムにより圧送される液体の脈動の大きさを示す。一対のローラ部の一方が解除位置を通過してローラ部により押し潰されたチューブが原形に戻る際に、解除位置の下流側の液体の圧力と解除位置の上流側の液体の圧力との圧力差が大きいほど、圧力の変動幅が大きくなる。本構成のチューブポンプシステムでは、制御部が、圧力検出部が検出する圧力の変動幅が所定値以内となるように一対の駆動部のそれぞれを制御する。そのため、脈動の状態が動的に変化する場合であってもその変化に応じて適切に脈動を抑制することができる。
【0012】
上記構成のチューブポンプシステムにおいて、前記制御部は、前記圧力検出部が検出する圧力の変動幅が前記所定値以内となるように、第1の前記ローラ部が前記閉塞位置を通過する際の前記一対のローラ部の間の前記軸線回りの第1回転角度と、第2の前記ローラ部が前記解除位置を通過する際の前記一対のローラ部の間の前記軸線回りの第2回転角度とを制御する態様としてもよい。
【0013】
本態様のチューブポンプシステムによれば、解除位置の下流側と上流側の液体の圧力差は、第1回転角度と第2回転角度に応じたものとなる。すなわち、第1回転角度と第2回転角度の差が大きいほど一対のローラ部との接触により閉塞されたチューブ内の液体の圧力が高くなり、第1回転角度と第2回転角度の差が小さいほど一対のローラ部との接触により閉塞されたチューブ内の液体の圧力が低くなる。
【0014】
そこで、本態様のチューブポンプシステムでは、制御部が、圧力検出部が検出する圧力の変動幅が所定値以内となるように、第1のローラ部が閉塞位置を通過する際の一対のローラ部の間の軸線回りの第1回転角度と、第2のローラ部が解除位置を通過する際の一対のローラ部の間の軸線回りの第2回転角度とを制御している。本態様のチューブポンプシステムによれば、脈動の状態が動的に変化する場合であってもその変化に応じて適切に脈動を抑制することが可能となる。
【0015】
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムにおいては、前記配管の前記一端から前記切替弁が配置される前記第2所定位置までの間に前記縮径部が配置される前記第1所定位置があり、前記配管の前記第1所定位置から前記第2所定位置までの前記流通流路の体積は、前記配管の前記一端から前記第2所定位置までの体積の1/10以下である構成としてもよい。
【0016】
本構成のチューブポンプシステムによれば、配管の第1所定位置から第2所定位置までの流通流路の体積が、配管の一端から第2所定位置までの体積の1/10以下であるため、チューブポンプが停止状態となりかつ切替弁が遮断状態となった際に、縮径部が配置される第1所定位置から切替弁が配置される第2位置に向けて流出する液体の流量を抑制することができる。そのため、配管の一端から縮径部に至るまでの流通流路内の液体の圧力が下降し、それに伴って配管から間欠的に吐出される液体の流量が減少することを適切に抑制することができる。
【0017】
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムにおいて、前記制御部は、前記送出タイミングから第1所定時間が経過したタイミングが前記流通タイミングとなり、かつ前記停止タイミングから第2所定時間が経過したタイミングが前記遮断タイミングとなるように前記チューブポンプおよび前記切替弁を制御する構成としてもよい。
【0018】
本構成のチューブポンプシステムによれば、送出タイミングよりも流通タイミングを第1所定時間だけ遅らせることにより、チューブポンプを停止状態から送出状態に切り替えて配管に保持される液体の圧力を増加させてから切替弁を遮断状態から流通状態へ切り替え、液体の吐出量を増加させることができる。
【0019】
また、停止タイミングよりも遮断タイミングを第2所定時間だけ遅らせることにより、チューブポンプを送出状態から停止状態に切り替えて配管に保持される液体の圧力を増加させずに切替弁を流通状態から遮断状態へ切り替え、遮断状態における配管内の液体の圧力を低下させることができる。そして、第1所定時間と第2所定時間とを適切に調整することにより、間欠的に吐出される液体の吐出量を適量に調整することができる。
【0020】
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムにおいて、前記制御部は、前記流通タイミングから第3所定時間が経過したタイミングが前記送出タイミングとなり、かつ前記遮断タイミングから第4所定時間が経過したタイミングが前記停止タイミングとなるように前記チューブポンプおよび前記切替弁を制御する構成としてもよい。
【0021】
本構成のチューブポンプシステムによれば、流通タイミングよりも送出タイミングを第3所定時間だけ遅らせることにより、切替弁を遮断状態から流通状態へ切り替えて配管に保持される液体の圧力を低下させてからチューブポンプを停止状態から送出状態に切り替え、液体の吐出量を低下させることができる。
【0022】
また、遮断タイミングよりも停止タイミングを第4所定時間だけ遅らせることにより、切替弁を流通状態から遮断状態へ切り替えて配管に保持される液体の圧力を増加させてからチューブポンプを送出状態から停止状態へ切り替え、遮断状態における配管内の液体の圧力を増加させることができる。そして、第3所定時間と第4所定時間とを適切に調整することにより、間欠的に吐出される液体の吐出量を適量に調整することができる。
【0023】
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムの制御方法において、前記チューブポンプシステムは、可撓性材料により形成されるチューブを間欠的に押し潰すことによって前記チューブ内の液体を送出するとともに液体を吐出する送出状態と液体を送出しない停止状態とを切り替えるチューブポンプと、前記チューブに一端が接続されるとともに前記チューブから送出される液体を前記一端から他端へ向けた流通方向に沿って流通させる流通流路が内部に形成された配管と、前記配管の前記一端と前記他端との間の第1所定位置に配置されるとともに前記流通方向に直交する流路断面の断面積が前記流通流路において最小となる縮径部と、前記配管の前記一端と前記他端との間の第2所定位置に配置されるとともに液体が前記第2所定位置を通過する流通状態と液体の流通が前記第2所定位置で遮断される遮断状態とを切り替える切替弁と、を備え、前記チューブポンプを前記停止状態から前記送出状態へ切り替える送出タイミングと前記切替弁を前記遮断状態から前記流通状態へ切り替える流通タイミングとを同期させるよう前記チューブポンプおよび前記切替弁を制御する第1制御工程と、前記チューブポンプを前記送出状態から前記停止状態へ切り替える停止タイミングと前記切替弁を前記流通状態から前記遮断状態へ切り替える遮断タイミングとを同期させるよう前記チューブポンプおよび前記切替弁を制御する第2制御工程と、を備える。
【0024】
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムの制御方法によれば、チューブポンプが可撓性材料により形成されるチューブを間欠的に押し潰すことにより、チューブ内の液体が送出され、チューブに一端が接続される配管の内部に形成された流通流路に導かれる。配管の第1所定位置に流路断面の断面積が流通流路において最小となる縮径部が配置される。縮径部における液体の流通抵抗が流通流路において最大となるため、流通流路に縮径部を設けない場合に比べ、配管の一端から縮径部に至るまでの流通流路を流通する液体は動圧が低くかつ静圧が高い状態となる。
【0025】
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムの制御方法によれば、チューブポンプの送出タイミングと切替弁の流通タイミングとを同期させ、チューブポンプの停止タイミングと切替弁の遮断タイミングとを同期させるようチューブポンプおよび切替弁が制御される。チューブポンプの停止タイミングと切替弁の遮断タイミングとが同期するため、配管の一端から切替弁が配置される第2所定位置までの間の液体の静圧を一定に保持した状態で、配管の他端からの液体の吐出を停止する。
【0026】
また、チューブポンプの送出タイミングと切替弁の流通タイミングとが同期するため、配管の一端から切替弁が配置される第2所定位置までの間の液体の静圧を一定に保持した状態で、配管の他端からの液体の吐出を開始する。配管の一端から切替弁が配置される第2所定位置までの間の液体の静圧を一定に保持した状態で、配管の他端からの液体の吐出の開始と停止を切り替えるため、チューブポンプから配管に送出される液体を一定量ずつ間欠的に配管から吐出することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、チューブポンプから配管に送出される液体を一定量ずつ間欠的に配管から吐出することが可能なチューブポンプシステムおよびその制御方法を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の第1実施形態に係るチューブポンプシステムを示す構成図である。
図2図1に示すチューブポンプの正面図である。
図3図2に示すチューブポンプのA-A矢視縦断面図である。
図4】第1ローラ部が閉塞位置に到達した状態のチューブポンプを示す正面図である。
図5】第2ローラ部が解除位置に到達した状態のチューブポンプを示す正面図である。
図6】チューブポンプが一定の流量で液体を連続的に送出するように制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
図7】チューブポンプが一定の流量で液体を間欠的に送出するように制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
図8】本発明の第2実施形態に係るチューブポンプシステムにおいて、チューブポンプが一定の流量で液体を間欠的に送出するように制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
図9】本発明の第3実施形態に係るチューブポンプシステムにおいて、チューブポンプが一定の流量で液体を間欠的に送出するように制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
〔第1実施形態〕
以下に、本発明の第1実施形態に係るチューブポンプシステムおよびその制御方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態のチューブポンプシステム700は、流入端701から流出端702へ向けて液体を圧送するとともに、流出端702から一定量の液体を間欠的に吐出する装置である。本実施形態のチューブポンプシステム700が圧送する液体は、例えば、検体や試料として用いられる液体である。
【0030】
図1に示すように、本実施形態のチューブポンプシステム700は、チューブポンプ100と、配管200と、圧力センサ(圧力検出部)300と、オリフィス(縮径部)400と、切替弁500と、制御部600と、を備える。以下、本実施形態のチューブポンプシステム700が備える各構成について説明する。
【0031】
チューブポンプ100は、流入端701から流出端702へ向けて液体を圧送する装置である。チューブポンプ100は、可撓性を有するチューブ101をローラで押し潰した状態でローラを移動させる動作を繰り返すことにより液体を圧送する。チューブポンプ100から配管200に吐出された液体は、オリフィス400および切替弁500を通過して流出端702へ到達する。チューブポンプ100は、制御部600により、液体を送出する送出状態と液体を送出しない停止状態とが切り替えられる。チューブポンプ100の詳細については後述する。
【0032】
配管200は、チューブポンプ100のチューブ101に一端200aが接続され、チューブ101から送出される液体を一端200aから他端200bへ向けた流通方向に沿って流通させる流通流路が内部に形成された管体である。配管200の他端200bには、ノズル201が取り付けられている。配管200は、可撓性を有する材料(例えば、シリコーン等の樹脂材料)により形成されている。配管200は、オリフィス400の流路断面積を適切に設定することにより、流通流路を流通する液体の圧力を大気圧よりも高い状態に維持することができる。
【0033】
図1に示すように、配管200の一端200aから切替弁500が配置される第2所定位置P2までの間にオリフィス400が配置される第1所定位置P1がある。配管200の第1所定位置P1から第2所定位置P2までの流通流路の体積は、配管200の一端200aから第2所定位置P2までの体積の1/10以下とするのが好ましい。
【0034】
配管200の流路断面積がオリフィス400を除く他の部分で同一である場合、配管200の第1所定位置P1から第2所定位置P2までの流通流路の長さL3を、配管200の一端200aから第2所定位置P2までの長さL2の1/10以下とするのが好ましい。長さL2は、配管200の一端200aから第1所定位置P1までの長さL1と長さL3を合計した長さである。
【0035】
圧力センサ300は、チューブポンプ100のチューブ101から配管200に送出される液体の圧力を検出する装置である。圧力センサ300は、チューブポンプ100から切替弁500へ液体を導く配管200において、オリフィス400よりも流通方向の上流側に配置されている。圧力センサ300は、検出した圧力を制御部600へ伝達する。
【0036】
オリフィス400は、配管200の一端200aと他端200bとの間の流通流路の第1所定位置P1に配置されるとともに流通方向に直交する流路断面の断面積が流通流路において最小となる部材である。オリフィス400は、液体の流通抵抗を流通流路上で最大とし、オリフィス400よりも配管200の流通方向の上流側部分の液体の静圧を高めるための部材である。
【0037】
ここで、オリフィス400の流路断面の断面積は、オリフィス400よりも配管200の流通方向の上流側部分の液体の静圧が20kPaG以上かつ250kPaG以下の範囲となるように設定するのが望ましい。オリフィス400の流路断面の断面積は、特に、90kPaG以上かつ110kPaG以下の範囲となるように設定するのが望ましい。ここで、Gはゲージ圧を意味している。オリフィス400が形成する流路断面の断面積は、配管200の他の部分の流路断面の断面積に対して、例えば、5%以上かつ70%以下の範囲に設定される。
【0038】
切替弁500は、配管200の一端200aと他端200bとの間の第2所定位置P2に配置される弁体である。切替弁500は、液体が第2所定位置P2を通過する流通状態と液体の流通が第2所定位置P2で遮断される遮断状態を切り替える。切替弁500は、例えば、可撓性の配管200の外周面を押し潰して流体流路を閉塞させるピンチバルブである。
【0039】
制御部600は、配管200の他端200bから一定量の液体が間欠的に吐出されるようチューブポンプ100および切替弁500を制御する装置である。制御部600は、チューブポンプ100が備える可撓性のチューブ101の一端から流入した液体をチューブ101の他端から吐出させるよう後述する第1駆動部50および第2駆動部60のそれぞれを制御する。
【0040】
後述するように、制御部600は、チューブポンプ100を停止状態から送出状態へ切り替える送出タイミングと切替弁500を遮断状態から流通状態へ切り替える流通タイミングとを同期させるようチューブポンプ100および切替弁500を制御する。また、制御部600は、チューブポンプ100を送出状態から停止状態へ切り替える送出タイミングと切替弁500を流通状態から遮断状態へ切り替える遮断タイミングとを同期させるようチューブポンプ100および切替弁500を制御する。
【0041】
図1に示すように、制御部600は、記憶部610を備えている。記憶部610は、制御部600が実行するプログラムを記憶している。制御部600は、記憶部610に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、後述する各処理を実行する。記憶部610は、例えば、データを書き換え可能な不揮発性メモリにより構成されている。制御部600は、後述するように、第1駆動部50および第2駆動部60を制御するための制御波形を調整し、調整済の制御波形を記憶部610に記憶する。制御部600は、記憶部610に記憶された制御波形を読み出すことにより、調整済みの制御波形を用いて第1駆動部50および第2駆動部60を制御することができる。
【0042】
次に、チューブポンプシステム700が備えるチューブポンプ100について説明する。図2は、図1に示すチューブポンプ100の正面図である。図3は、図2に示すチューブポンプ100のA-A矢視縦断面図である。
【0043】
図2に示すように、本実施形態のチューブポンプ100は、軸線X1(第1軸線)回りに第1ローラ部10(第1接触部材)と第2ローラ部20(第2接触部材)とを同方向に回転させることにより、流入側端部101aから流入するチューブ101内の流体を流出側端部101bへ吐出させる装置である。流出側端部101bには、配管200が接続されている。なお、図2は、図3に示すカバー83を取り外した状態のチューブポンプ100を示すものである。
【0044】
チューブポンプ100には、第1ローラ部10および第2ローラ部20を収容するローラ収容部82の凹所82aの内周面82bに沿って、軸線X1回りに円弧状にチューブ101が配置される。図2に示すように、ローラ収容部82に収容される第1ローラ部10および第2ローラ部20は、チューブ101に接触しながら反時計回りの回転方向(図2中に矢印で示す方向)に沿って軸線X1回りに回転する。
【0045】
図3に示すように、本実施形態のチューブポンプ100は、チューブ101に接触しながら軸線X1回りに回転する第1ローラ部10および第2ローラ部20と、軸線X1上に配置されるとともに第1ローラ部10に連結される駆動軸30(軸部材)と、第2ローラ部20に連結される駆動筒(筒部材)40と、駆動軸30に駆動力を伝達する第1駆動部50と、第2駆動部60と、第2駆動部60の駆動力を駆動筒40に伝達する伝達機構70(伝達部)と、を備える。
【0046】
第1ローラ部10は、チューブ101と接触しながら軸線X1と平行な軸線回りに回転する第1ローラ11と、軸線X1回りに一体に回転するように駆動軸30に連結された第1ローラ支持部材12と、両端部が第1ローラ支持部材12に支持されるとともに第1ローラ11を回転可能に取り付ける第1ローラシャフト13とを有する。
【0047】
第2ローラ部20は、チューブ101と接触しながら軸線X1と平行な軸線回りに回転する第2ローラ21と、軸線X1回りに一体に回転するように駆動筒40に連結された第2ローラ支持部材22と、両端部が第2ローラ支持部材22に支持されるとともに第2ローラ21を回転可能に取り付ける第2ローラシャフト23とを有する。
【0048】
駆動軸30は、その下端が第1駆動軸51に連結され、その上端がカバー83に形成された挿入穴に挿入される。カバー83の挿入穴には、第1駆動軸51の先端を軸線X1回りに回転可能に支持する第3軸受部材33が挿入されている。また、駆動軸30は、外周面に沿って挿入された円筒状の第1軸受部材31と、第1軸受部材31とは独立に形成された円筒状の第2軸受部材32とにより、駆動筒40の内周側に軸線X1回りに回転可能に支持されている。
【0049】
図3に示すように、第1駆動部50および第2駆動部60は、ケーシング(収容部材)80の内部に収容されている。ケーシング80の内部には、伝達機構70を収容するためのギヤ収容部81と、第1駆動部50および第2駆動部60を支持する支持部材90が取り付けられている。また、ケーシング80の上部には、第1ローラ部10と第2ローラ部20とを収容するためのローラ収容部82が取り付けられている。
【0050】
ローラ収容部82は、第1ローラ部10および第2ローラ部20を収容する凹所82aを有する。凹所82aには、軸線X1回りに円弧状に形成される内周面82bが設けられている。図3に示すように、チューブ101は、内周面82bに沿って軸線X1回りに円弧状に配置されている。
【0051】
支持部材90には、軸線X1に沿って延びる第1貫通穴と軸線X2に沿って延びる第2貫通穴92が形成されている。第1駆動部50は、支持部材90に形成された第1貫通穴91に第1駆動軸51を挿入した状態で支持部材90に締結ボルト(図示略)により取り付けられている。同様に、第2駆動部60は、支持部材90に形成された第2貫通穴92に第2駆動軸61を挿入した状態で支持部材90に締結ボルト(図示略)により取り付けられている。このように、第1駆動部50および第2駆動部60のそれぞれは、一体に形成された部材である支持部材90に取り付けられている。
【0052】
第1駆動部50は、第1駆動軸51と、第1電動モータ52と、第1電動モータ52が回転させる回転軸(図示略)の回転を減速して第1駆動軸51に伝達する第1減速機53とを有する。第1駆動部50は、第1電動モータ52の駆動力を第1駆動軸51に伝達することにより、駆動軸30に連結された第1駆動軸51を軸線X1回りに回転させる。
【0053】
駆動軸30の先端側には、第1ローラ部10の第1ローラ支持部材12が軸線X1回りに一体に回転するように連結されている。第1駆動部50が第1駆動軸51を軸線X1回りに回転させる駆動力は、第1駆動軸51から駆動軸30を介して第1ローラ部10に伝達される。
【0054】
第2駆動部60は、軸線X2上に配置される第2駆動軸61と、第2電動モータ62と、第2電動モータ62が回転させる回転軸(図示略)の回転を減速して第2駆動軸61に伝達する第2減速機63とを有する。第2駆動部60は、第2電動モータ62の駆動力を第2駆動軸61に伝達することにより、第2駆動軸61を軸線X2回りに回転させる。
【0055】
伝達機構70は、軸線X1と平行な軸線X2(第2軸線)回りに回転する第1ギヤ部71と、第1ギヤ部71から第2駆動軸61の駆動力が伝達される第2ギヤ部72とを有する。伝達機構70は、第2駆動軸61の軸線X2回りの駆動力を駆動筒40の外周面に伝達して駆動筒40を軸線X1回りに回転させる。
【0056】
駆動筒40の先端側には、第2ローラ部20の第2ローラ支持部材22が軸線X1回りに一体に回転するように連結されている。第2駆動部60が第2駆動軸61を軸線X2回りに回転させる駆動力は、伝達機構70によって駆動筒40の外周面に伝達され、駆動筒40から第2ローラ部20に伝達される。
【0057】
次に、本実施形態のチューブポンプシステム700により実行される液体の吐出について、図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態のチューブポンプシステム700は、チューブポンプ100から配管200へ吐出される液体の圧力を圧力センサ300で検出し、制御部600へ伝達する。
【0058】
図1に示すチューブポンプシステム700は、チューブポンプ100の第1駆動部50および第2駆動部60を制御するための制御信号を制御部600からチューブポンプ100へ送信する。なお、チューブポンプ100を、制御部600が内部に組み込まれた装置として構成するようにしてもよい。この場合、チューブポンプ100の内部に組み込まれた制御部600が第1駆動部50および第2駆動部60を制御するための制御信号を生成し、第1駆動部50および第2駆動部60へ伝達する。
【0059】
図4は、第1ローラ部10が閉塞位置Po1に到達した状態のチューブポンプ100を示す正面図である。図5は、第2ローラ部20が解除位置Po2に到達した状態のチューブポンプ100を示す正面図である。閉塞位置Po1は、第1ローラ部10および第2ローラ部20がチューブ101を閉塞していない状態から閉塞した状態に切り替わる軸線X1回りの位置を示す。また、解除位置Po2は、第1ローラ部10および第2ローラ部20がチューブ101を閉塞した状態を解除して閉塞していない状態へ切り替わる軸線X1回りの位置を示す。第1ローラ部10および第2ローラ部20は、閉塞位置Po1から解除位置Po2に至るまでチューブ101を内周面82bとの間で閉塞した状態で、それぞれ独立して軸線X1回りを回転する。
【0060】
図4および図5に示す0°,90°,180°270°は、軸線X1回りの回転角度を示し、0°の位置を基準とした反時計回りの角度を示す。閉塞位置Po1は、例えば、50°の回転角度となる。解除位置Po2は、例えば、310°の回転角度となる。
【0061】
図4に示す第1回転角度θ1は、第1ローラ部10が閉塞位置Po1を通過する際の第1ローラ部10および第2ローラ部20の間の軸線X1回りの回転角度である。図5に示す第2回転角度θ2は、第2ローラ部20が解除位置Po2を通過する際の第1ローラ部10および第2ローラ部20の間の軸線X1回りの回転角度である。
【0062】
次に、制御部600が実行する処理について説明する。図6は、チューブポンプ100が一定の流量で液体を連続的に送出するように制御部600が実行する処理を示すフローチャートである。
【0063】
制御部600は、電源が投入された場合に、操作者により入力される目標流量Ft[ml/min]を設定し、図6に示す各処理の実行を開始する。制御部600は、チューブポンプ100が送出する液体の流量が目標流量Ft[ml/min]と一致するように第1駆動部50および第2駆動部60を制御する。なお、図6に示す処理を実行する場合、制御部600は、切替弁500を開状態に維持するよう制御する。
【0064】
ステップS101で、制御部600は、圧力センサ300を用いて配管200を流通する液体の圧力を検出する。制御部600は、第1ローラ部10および第2ローラ部20が軸線X1回りに少なくとも一回転(例えば、一回転、三回転)する際に圧力センサ300が検出する圧力を記憶部610に記憶させる。
【0065】
ステップS102で、制御部600は、記憶部610に記憶された圧力を参照し、第1ローラ部10および第2ローラ部20が軸線X1回りに少なくとも一回転する際の圧力の変動幅ΔPが所定値Pdif以内であるかどうかを判断する。制御部600は、変動幅ΔPが所定値Pdif以内でなければステップS103へ処理を進め、変動幅ΔPが所定値Pdif以内であればステップS105へ処理を進める。
【0066】
ステップS103で、制御部600は、圧力の変動幅ΔPが所定値Pdifよりも大きいため、圧力の変動幅ΔPを小さくするために、図4に示す第1回転角度θ1と図5に示す第2回転角度θ2を調整する。第1回転角度θ1および第2回転角度θ2を調整しているのは、解除位置Po2の下流側と上流側の液体の圧力差が第1回転角度θ1と第2回転角度θ2に応じたものとなるからである。すなわち、第1回転角度θ1と第2回転角度θ2の差が大きいほど第1ローラ部10および第2ローラ部20との接触により閉塞されたチューブ101内の液体の圧力が高くなり、第1回転角度θ1と第2回転角度θ2の差が小さいほど第1ローラ部10および第2ローラ部20との接触により閉塞されたチューブ101内の液体の圧力が低くなる。
【0067】
制御部600は、第1回転角度θ1よりも第2回転角度θ2が小さくなるように第1駆動部50および第2駆動部60を制御する制御波形を調整する。これは、大気圧と略同じ圧力でチューブ101に流入する液体の圧力を大気圧よりも高くした状態で配管200に吐出させるためである。第1回転角度θ1よりも第2回転角度θ2を小さくすることで、配管200に吐出される液体の圧力が大気圧よりも高くなる。
【0068】
ステップS104で、制御部600は、チューブ101の端部から配管200へ吐出される液体の単位時間当たりの流量が目標流量Ft(所定流量)に維持されるように、第1ローラ部10および第2ローラ部20の角速度を調整する。制御部600は、第1回転角度θ1が大きくなるほど平均角速度が低くなり、第1回転角度θ1が小さくなるほど平均角速度が高くなるように、第1ローラ部10および第2ローラ部20の角速度を調整する。このようにしているのは、第1回転角度θ1によって第1ローラ部10および第2ローラ部20によりチューブ101の内部で閉塞される液体の量が決定されるからである。
【0069】
第1回転角度θ1が大きいほどチューブ101により閉塞される液体の量が多くなり、第1回転角度θ1が小さいほどチューブ101により閉塞される液体の量が少なくなる。制御部600は、チューブ101により閉塞される液体の量に応じて第1ローラ部10および第2ローラ部20の角速度を制御することにより、目標流量Ft(所定流量)を維持する。
【0070】
ステップS105で、制御部600は、操作者により目標流量Ftの変更あるいは制御終了が指示されたかどうかを判定し、YESであれば本フローチャートの処理を終了させる。制御部600は、NOであればステップS101以降の処理を繰り返す。
【0071】
以上の図6に示す処理は、チューブポンプ100が一定の流量で液体を連続的に送出するように制御部600が実行する処理であった。一方、図7に示す処理は、チューブポンプ100が一定の流量で液体を間欠的に送出するように制御部600が実行する処理である。図7は、チューブポンプ100が一定の流量で液体を間欠的に送出するように制御部600が実行する処理を示すフローチャートである。
【0072】
ステップS201で、制御部600は、チューブポンプ100が液体を送出しない停止状態となるように、第1駆動部50および第2駆動部60が停止した状態を維持する制御する。
【0073】
ステップS202で、制御部600は、切替弁500が第2所定位置P2で液体の流通が遮断される遮断状態となるように、切替弁500を閉状態とするよう制御する。
【0074】
ステップS203で、制御部600は、チューブポンプ100から配管200に送出される液体を一定量ずつ間欠的に配管200のノズル201から吐出する分注動作を開始するかどうかを判断し、YESであればステップS204に処理を進め、NOであれば本フローチャートの処理を終了させる。
【0075】
ステップS204で、制御部600は、チューブポンプ100が液体を送出する送出状態となるように、第1駆動部50および第2駆動部60を動作させるよう制御する。
ステップS205で、制御部600は、切替弁500が第2所定位置P2で液体が流通する流通状態となるように、切替弁500を開状態とするよう制御する。
【0076】
ステップS204およびステップS205で、制御部600は、チューブポンプ100を停止状態から送出状態へ切り替える送出タイミングと切替弁500を遮断状態から流通状態へ切り替える流通タイミングとを同一タイミングとし、送出タイミングと流通タイミングとを同期させる。
【0077】
ステップS206で、制御部600は、送出タイミングから動作期間が経過したかどうかを判断し、YESであればステップS207に処理を進め、NOであればステップS206の判断を繰り返す。動作期間は、配管200の他端200bから1回の分注動作で吐出する液体の量に合わせて設定される時間である。動作期間は、例えば、0.3秒以上かつ30秒以下に設定される。
【0078】
ステップS207で、制御部600は、チューブポンプ100を送出状態から停止状態へ切り替えるよう、第1駆動部50および第2駆動部60を動作状態から停止状態に切り替える。
ステップS208で、制御部600は、切替弁500を流通状態から遮断状態へ切り替えるよう、切替弁500を開状態から閉状態へ切り替える。
【0079】
ステップS207およびステップS208で、制御部600は、チューブポンプ100を送出状態から停止状態へ切り替える停止タイミングと切替弁500を流通状態から遮断状態へ切り替える遮断タイミングとを同一タイミングとし、停止タイミングと遮断タイミングとを同期させる。
【0080】
ステップS209で、制御部600は、分注動作を終了させるかどうかを判断し、YESであれば本フローチャートの処理を終了させ、NOであればステップS210に処理を進める。
【0081】
ステップS210で、制御部600は、停止タイミングから停止期間が経過したかどうかを判断し、YESであればステップS204に処理を進め、NOであればステップS210の判断を繰り返す。停止期間は、操作者からの入力により制御部600に予め設定される時間である。停止期間は、例えば、1秒以上かつ10秒以下に設定される。
【0082】
以上のように、制御部600は、送出タイミングと流通タイミングとを同期させることにより配管200の他端200bからの液体の吐出を開始させ、停止タイミングと遮断タイミングとを同期させることにより配管200の他端200bからの液体の吐出を停止させる。液体の吐出量は、送出タイミングから停止タイミングまでの動作期間に応じた量となる。制御部600は、分注動作が終了するまで、配管200の他端200bからの一定量の液体を吐出する動作を繰り返すようチューブポンプ100および切替弁500を制御する。
【0083】
以上で説明した本実施形態のチューブポンプシステム700によれば、以下の作用および効果を奏する。
本実施形態のチューブポンプシステム700によれば、チューブポンプ100が可撓性材料により形成されるチューブ101を間欠的に押し潰すことにより、チューブ101内の液体が送出され、チューブ101に一端200aが接続される配管200の内部に形成された流通流路に導かれる。配管200の第1所定位置P1に流路断面の断面積が流通流路において最小となるオリフィス400が配置される。オリフィス400における液体の流通抵抗が流通流路において最大となるため、流通流路にオリフィス400を設けない場合に比べ、配管200の一端からオリフィス400に至るまでの流通流路を流通する液体は動圧が低くかつ静圧が高い状態となる。
【0084】
本実施形態のチューブポンプシステム700によれば、チューブポンプ100の送出タイミングと切替弁の流通タイミングとを同期させ、チューブポンプ100の停止タイミングと切替弁の遮断タイミングとを同期させるようチューブポンプ100および切替弁500が制御される。チューブポンプ100の停止タイミングと切替弁の遮断タイミングとが同期するため、配管200の一端200aから切替弁500が配置される第2所定位置P2までの間の液体の静圧を一定に保持した状態で、配管200の他端200bからの液体の吐出が停止する。
【0085】
また、チューブポンプ100の送出タイミングと切替弁の流通タイミングとが同期するため、配管200の一端200aから切替弁500が配置される第2所定位置P2までの間の液体の静圧を一定に保持した状態で、配管200の他端200bからの液体の吐出が開始する。配管200の一端200aから切替弁500が配置される第2所定位置P2までの間の液体の静圧を一定に保持した状態で、配管200の他端200bからの液体の吐出の開始と停止を切り替えるため、チューブポンプ100から配管200に送出される液体を一定量ずつ間欠的に配管200の他端200bから吐出することができる。
【0086】
本実施形態のチューブポンプシステム700によれば、第1ローラ部10および第2ローラ部20のそれぞれを第1駆動部50および第2駆動部60により軸線X1回りに同方向に回転させることにより、第1ローラ部10および第2ローラ部20がチューブ101を押し潰した状態で閉塞位置Po1から解除位置Po2に至る。制御部600は、第1駆動部50および第2駆動部60のそれぞれを制御することにより、チューブ101の流入側端部101aから流入した液体をチューブ101の流出側端部101bから吐出させる。
【0087】
第1ローラ部10が少なくとも一回転する際に圧力センサ300が検出する液体の圧力の変動幅は、チューブポンプシステム700により圧送される液体の脈動の大きさを示す。第1ローラ部10および第2ローラ部20の一方が解除位置Po2を通過して押し潰されたチューブ101が原形に戻る際に、解除位置Po2の下流側の液体の圧力と解除位置Po2の上流側の液体の圧力との圧力差が大きいほど、圧力の変動幅が大きくなる。本実施形態のチューブポンプシステム700では、制御部600が、圧力センサ300が検出する圧力の変動幅が所定値以内となるように第1駆動部50および第2駆動部60のそれぞれを制御する。そのため、脈動の状態が動的に変化する場合であってもその変化に応じて適切に脈動を抑制することができる。
【0088】
本実施形態のチューブポンプシステム700によれば、配管200の第1所定位置P1から第2所定位置P2までの流通流路の体積が、配管200の一端200aから第2所定位置P2までの体積の1/10以下であるため、チューブポンプ100が停止状態となりかつ切替弁500が遮断状態となった際に、オリフィス400が配置される第1所定位置P1から切替弁500が配置される第2位置にP2向けて流出する液体の流量を抑制することができる。そのため、配管200の一端200aからオリフィス400に至るまでの流通流路内の液体の圧力が下降し、それに伴って配管200から間欠的に吐出される液体の流量が減少することを適切に抑制することができる。
【0089】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態にかかるチューブポンプシステム700について、図面を参照して説明する。第2実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。
【0090】
第1実施形態の制御部600は、チューブポンプ100の送出タイミングと切替弁500の流通タイミングとを同一タイミングとし、チューブポンプ100の停止タイミングと切替弁500の遮断タイミングとを同一タイミングとするものであった。それに対して、本実施形態の制御部600は、チューブポンプ100の送出タイミングから第1所定時間が経過したタイミングを切替弁500の流通タイミングとし、かつチューブポンプ100の停止タイミングから第2所定時間が経過したタイミングを切替弁500の遮断タイミングとするものである。
【0091】
図8は、本発明の第2実施形態に係るチューブポンプシステム700において、チューブポンプ100が一定の流量で液体を間欠的に送出するように制御部600が実行する処理を示すフローチャートである。図8のステップS304AおよびステップS307Aを除く他のステップは、第1実施形態の図7の各ステップと同様であるため、以下での説明を省略する。
【0092】
ステップS304Aで、制御部600は、送出タイミングから第1所定時間が経過したかどうかを判断し、YESであればステップS305に処理を進め、NOであればステップS304Aの判断を繰り返す。第1所定時間は、例えば、10msec以上かつ1000msec以下に設定される。
【0093】
ステップS307Aで、制御部600は、停止タイミングから第2所定時間が経過したかどうかを判断し、YESであればステップS308に処理を進め、NOであればステップS307Aの判断を繰り返す。第2所定時間は、例えば、10msec以上かつ1000msec以下に設定される。
【0094】
以上のように、制御部600は、チューブポンプ100の送出タイミングから第1所定時間が経過したタイミングを切替弁500の流通タイミングとし、かつチューブポンプ100の停止タイミングから第2所定時間が経過したタイミングを切替弁500の遮断タイミングとする。本実施形態のチューブポンプシステム700によれば、送出タイミングよりも流通タイミングを第1所定時間だけ遅らせることにより、チューブポンプ100を停止状態から送出状態に切り替えて配管200に保持される液体の圧力を増加させてから切替弁500を遮断状態から流通状態へ切り替え、液体の吐出量を増加させることができる。
【0095】
また、停止タイミングよりも遮断タイミングを第2所定時間だけ遅らせることにより、チューブポンプ100を送出状態から停止状態に切り替えて配管200に保持される液体の圧力を増加させずに切替弁500を流通状態から遮断状態へ切り替え、遮断状態における配管200内の液体の圧力を低下させることができる。そして、第1所定時間と第2所定時間とを適切に調整することにより、間欠的に吐出される液体の吐出量を適量に調整することができる。
【0096】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態にかかるチューブポンプシステム700について、図面を参照して説明する。第3実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。
【0097】
第1実施形態の制御部600は、チューブポンプ100の送出タイミングと切替弁500の流通タイミングとを同一タイミングとし、チューブポンプ100の停止タイミングと切替弁500の遮断タイミングとを同一タイミングとするものであった。それに対して、本実施形態の制御部600は、切替弁500の流通タイミングから第3所定時間が経過したタイミングをチューブポンプ100の送出タイミングとし、かつ切替弁500の遮断タイミングから第4所定時間が経過したタイミングをチューブポンプ100の停止タイミングとするものである。
【0098】
図9は、本発明の第3実施形態に係るチューブポンプシステム700において、チューブポンプ100が一定の流量で液体を間欠的に送出するように制御部600が実行する処理を示すフローチャートである。図9のステップS404,S404A,S405およびステップS407,S407A,S408を除く他のステップは、第1実施形態の図7の各ステップと同様であるため、以下での説明を省略する。
【0099】
ステップS404で、制御部600は、切替弁500が第2所定位置P2で液体が流通する流通状態となるように、切替弁500を開状態とするよう制御する。
【0100】
ステップS404Aで、制御部600は、切替タイミングから第3所定時間が経過したかどうかを判断し、YESであればステップS405に処理を進め、NOであればステップS404Aの判断を繰り返す。第3所定時間は、例えば、10msec以上かつ1000msec以下に設定される。
【0101】
ステップS405で、制御部600は、チューブポンプ100が液体を送出する送出状態となるように、第1駆動部50および第2駆動部60を動作させるよう制御する。
【0102】
ステップS407で、制御部600は、切替弁500を流通状態から遮断状態へ切り替えるよう、切替弁500を開状態から閉状態へ切り替える。
【0103】
ステップS407Aで、制御部600は、遮断タイミングから第4所定時間が経過したかどうかを判断し、YESであればステップS408に処理を進め、NOであればステップS407Aの判断を繰り返す。第4所定時間は、例えば、10msec以上かつ1000msec以下に設定される。
【0104】
ステップS408で、制御部600は、チューブポンプ100が送出状態から停止状態へ切り替えるよう、第1駆動部50および第2駆動部60を動作状態から停止状態に切り替える。
【0105】
以上のように、制御部600は、切替弁500の流通タイミングから第3所定時間が経過したタイミングをチューブポンプ100の送出タイミングとし、かつ切替弁500の遮断タイミングから第4所定時間が経過したタイミングをチューブポンプ100の停止タイミングとする。本実施形態のチューブポンプシステム700によれば、切替弁500の流通タイミングよりもチューブポンプ100の送出タイミングを第3所定時間だけ遅らせることにより、切替弁500を遮断状態から流通状態へ切り替えて配管200に保持される液体の圧力を低下させてからチューブポンプ100を停止状態から送出状態に切り替え、液体の吐出量を低下させることができる。
【0106】
また、切替弁500の遮断タイミングよりもチューブポンプ100の停止タイミングを第4所定時間だけ遅らせることにより、切替弁500を流通状態から遮断状態へ切り替えて配管200に保持される液体の圧力を増加させてからチューブポンプ100を送出状態から停止状態へ切り替え、遮断状態における配管200内の液体の圧力を増加させることができる。そして、第3所定時間と第4所定時間とを適切に調整することにより、間欠的に吐出される液体の吐出量を適量に調整することができる。
【0107】
〔他の実施形態〕
以上の説明において、チューブポンプシステム700は、チューブポンプ100から流出端702へ液体を導く流路において流路断面積を最小とするオリフィス400を設けるものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、チューブポンプ100から流出端702へ液体を導く流路において流路断面積を最小とするニードルバルブをオリフィス400の代わりに設けても良い。ニードルバルブは、流路断面積を所定の範囲で変更することができるものとする。
【符号の説明】
【0108】
10 第1ローラ部
20 第2ローラ部
30 駆動軸
40 駆動筒
50 第1駆動部
60 第2駆動部
70 伝達機構
80 ケーシング
90 支持部材
100 チューブポンプ
101 チューブ
101a 流入側端部
101b 流出側端部
200 配管
200a 一端
200b 他端
201 ノズル
300 圧力センサ(圧力検出部)
400 オリフィス(縮径部)
500 切替弁
600 制御部
610 記憶部
700 チューブポンプシステム
701 流入端
702 流出端
Ft 目標流量
P1 第1所定位置
P2 第2所定位置
Pdif 所定値
Po1 閉塞位置
Po2 解除位置
X1,X2 軸線
ΔP 変動幅
θ1 第1回転角度
θ2 第2回転角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9