(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013094
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】海底ケーブルシステム障害後のデータ秘密保持方法及び海底ケーブルシステム
(51)【国際特許分類】
H04B 10/03 20130101AFI20250117BHJP
H04J 14/02 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
H04B10/03
H04J14/02
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023176590
(22)【出願日】2023-10-12
(31)【優先権主張番号】202310860532.1
(32)【優先日】2023-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521037097
【氏名又は名称】エイチエムエヌ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チン,シャオヨン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,リー
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジェンピン
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA41
5K102AB06
5K102AD01
5K102LA02
5K102LA14
5K102LA21
5K102LA52
5K102MC11
5K102MH01
5K102MH12
5K102MH22
5K102NA02
5K102PA01
5K102PC11
5K102PH11
5K102PH31
5K102PH47
5K102PH48
5K102RB03
5K102RB12
(57)【要約】
【課題】本願は海底ケーブルシステム障害後のデータ秘密保持方法及び海底ケーブルシステムを開示する。
【解決手段】前記方法は、第1のブランチに障害が起こったことに応じて、第1のディザスタートレランス組を決定するステップと第1の光信号における目標光信号を仮想光信号に置き換えるステップとを含み、第1のブランチは海底ケーブルシステムにおけるいずれかのブランチであり、第1のディザスタートレランス組は第1の端局が第1のブランチに光信号を伝送するために使用する少なくとも1つの波長を含み、第1の光信号は第1の端局が出力した光信号であり、目標光信号は第1のディザスタートレランス組における各波長に対応する光信号を含み、仮想光信号はデータ内容を携帯しない光信号である。前記方法は、海底ケーブルシステムのディザスタートレランス後の伝送安定性を向上させ、データ漏洩のリスクを低減させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海底ケーブルシステムに応用される海底ケーブルシステム障害後のデータ秘密保持方法において、前記海底ケーブルシステムは、第1の端局、第2の端局、前記第1の端局と第2の端局との間に接続されたトランク海底ケーブル、及び前記トランク海底ケーブルに設置された少なくとも1つの光分岐装置を含み、そのうち、各前記光分岐装置は、1本のブランチに接続され、各前記ブランチは、前記光分岐装置に接続されたブランチ海底ケーブル、及び前記ブランチ海底ケーブルに接続されたブランチ局を含む海底ケーブルシステム障害後のデータ秘密保持方法であって、
第1のブランチに障害が起こったことに応じて、第1のディザスタートレランス組を決定するステップであって、前記第1のブランチは、前記海底ケーブルシステムにおけるいずれかのブランチであり、前記第1のディザスタートレランス組は、第1の端局が第1のブランチ局に光信号を伝送するために使用される少なくとも1つの波長を含み、前記第1のブランチ局は、第1のブランチにおけるブランチ局であるステップと、
第1の光信号における目標光信号を仮想光信号に置き換えるステップであって、前記第1の光信号は、第1の端局が出力した光信号であり、前記目標光信号は、前記第1のディザスタートレランス組における各波長に対応する光信号を含み、前記仮想光信号は、データ内容を携帯しない光信号であり、前記仮想光信号の波長は、前記目標光信号の波長と同じであるステップと、を含むことを特徴とする海底ケーブルシステム障害後のデータ秘密保持方法。
【請求項2】
第1の光信号における目標光信号を仮想光信号に置き換える前記ステップは、
前記第1の光信号における前記目標光信号をフィルタリングして除去し、第1のフィルタリング光信号を得るステップと、
前記仮想光信号を生成するステップと、
前記第1のフィルタリング光信号を前記仮想光信号と合波して出力するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の海底ケーブルシステム障害後のデータ秘密保持方法。
【請求項3】
前記仮想光信号を生成する前記ステップの後、
前記目標光信号のパワーと前記仮想光信号のパワーを決定するステップと、
前記仮想光信号のパワーが前記目標光信号のパワーと異なっていれば、前記仮想光信号のパワーを調整して、前記仮想光信号のパワーが前記目標光信号のパワーと同じになるようにするステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の海底ケーブルシステム障害後のデータ秘密保持方法。
【請求項4】
第1の光信号における目標光信号を仮想光信号に置き換える前記ステップは、
前記第1のブランチに障害が起こったことに応じて、第1の光分岐装置を決定するステップであって、前記第1の光分岐装置は、前記第1のブランチに接続された光分岐装置であるステップと、
前記第1の光分岐装置を制御して光路切り替えを行い、前記第1のディザスタートレランス組における各波長に対応する光信号を第2の端局に伝送するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の海底ケーブルシステム障害後のデータ秘密保持方法。
【請求項5】
前記第1の光分岐装置を制御して光路切り替えを行い、前記第1のディザスタートレランス組における各波長に対応する光信号を第2の端局に伝送する前記ステップの後、
前記第1のブランチに障害解消が起こったことに応じて、前記第1の光信号における前記目標光信号をフィルタリングして除去することを停止し、且つ前記仮想光信号の生成を停止するステップと、
前記第1の光分岐装置を制御して光路切り替えを行い、前記目標光信号を前記第1のブランチ局に伝送するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の海底ケーブルシステム障害後のデータ秘密保持方法。
【請求項6】
第1のブランチに障害が起こったことに応じて、第1のディザスタートレランス組を決定する前記ステップの前に、
前記第1の端局が各前記ブランチ局に光信号を伝送するために使用される波長を決定するステップと、
前記第1の端局が各前記ブランチ局に光信号を伝送するために使用される波長に基づき、各前記光分岐装置に対応するディザスタートレランス組をそれぞれ決定するステップであって、各前記光分岐装置に対応するディザスタートレランス組は、前記第1の端局が当該前記光分岐装置に接続された前記ブランチ局に光信号を伝送するために使用される少なくとも1つの波長を含むステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の海底ケーブルシステム障害後のデータ秘密保持方法。
【請求項7】
前記第1のブランチに障害が起こったことは、前記第1のブランチにおけるブランチ海底ケーブルに障害が起こったこと、前記第1のブランチ局に障害が起こったこと、第1の光分岐装置に障害が起こったことのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の海底ケーブルシステム障害後のデータ秘密保持方法。
【請求項8】
第1の端局、第2の端局、前記第1の端局と第2の端局との間に接続されたトランク海底ケーブル、及び前記トランク海底ケーブルに設置された少なくとも1つの光分岐装置を含む海底ケーブルシステムにおいて、各前記光分岐装置は、1本のブランチに接続され、各前記ブランチは、前記光分岐装置に接続されたブランチ海底ケーブル、及び前記ブランチ海底ケーブルに接続されたブランチ局を含む海底ケーブルシステムであって、
前記第1の端局の出光側に設置された波長管理装置をさらに含み、
前記波長管理装置は、第1のブランチに障害が起こったことに応じて、第1のディザスタートレランス組を決定するため、且つ第1の光信号における目標光信号を仮想光信号に置き換えるために用いられ、
前記第1のブランチは、前記海底ケーブルシステムにおけるいずれかのブランチであり、前記第1のディザスタートレランス組は、第1の端局が第1のブランチ局に光信号を伝送するために使用される少なくとも1つの波長を含み、前記第1のブランチ局は、第1のブランチにおけるブランチ局であり、
前記第1の光信号は、第1の端局が出力した光信号であり、前記目標光信号は、前記第1のディザスタートレランス組における各波長に対応する光信号を含み、前記仮想光信号は、データ内容を携帯しない光信号であり、前記仮想光信号の波長は、前記目標光信号の波長と同じであることを特徴とする海底ケーブルシステム。
【請求項9】
前記波長管理装置は、
前記仮想光信号を生成するための光生成モジュールと、
前記第1の光信号における前記目標光信号をフィルタリングして除去し、第1のフィルタリング光信号を得るため、且つ前記第1のフィルタリング光信号を前記仮想光信号と合波して出力するために用いられるフィルタリング合波モジュールと、を含むことを特徴とする請求項8に記載の海底ケーブルシステム。
【請求項10】
前記波長管理装置は、
前記目標光信号のパワーと前記仮想光信号のパワーを決定するためのパワー検出モジュールをさらに含み、
前記フィルタリング合波モジュールは、さらに、前記仮想光信号のパワーが前記目標光信号のパワーと異なっていれば、前記仮想光信号のパワーを調整し、前記仮想光信号のパ
ワーが前記目標光信号のパワーと同じになるようにするために用いられることを特徴とする請求項9に記載の海底ケーブルシステム。
【請求項11】
前記波長管理装置は、さらに、
前記第1のブランチに障害が起こったことに応じて、第1の光分岐装置を決定するため、且つ
前記第1の光分岐装置を制御して光路切り替えを行い、前記第1のディザスタートレランス組における各波長に対応する光信号を第2の端局に伝送するために用いられ、
前記第1の光分岐装置は、前記第1のブランチに接続された光分岐装置であることを特徴とする請求項8に記載の海底ケーブルシステム。
【請求項12】
前記波長管理装置は、さらに、
前記第1のブランチに障害解消が起こったことに応じて、前記第1の光信号における前記目標光信号をフィルタリングして除去することを停止し、且つ前記仮想光信号の生成を停止するため、及び
前記第1の光分岐装置を制御して光路切り替えを行い、前記目標光信号を前記第1のブランチ局に伝送するために用いられることを特徴とする請求項11に記載の海底ケーブルシステム。
【請求項13】
前記波長管理装置は、さらに、
前記第1の端局が各前記ブランチ局に光信号を伝送するために使用される波長を決定するため、且つ
前記第1の端局が各前記ブランチ局に光信号を伝送するために使用される波長に基づき、各前記光分岐装置に対応するディザスタートレランス組をそれぞれ決定するために用いられ、
各前記光分岐装置に対応するディザスタートレランス組は、前記第1の端局が当該前記光分岐装置に接続された前記ブランチ局に光信号を伝送するために使用される少なくとも1つの波長を含むことを特徴とする請求項8に記載の海底ケーブルシステム。
【請求項14】
前記波長管理装置は、
前記第1のブランチのブランチケーブル、前記第1のブランチ局及び第1の光分岐装置の動作状態を検出するために用いられる障害検出モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項8~13のいずれか1項に記載の海底ケーブルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、データ秘密保持技術の分野に関し、特に海底ケーブルシステム障害後のデータ秘密保持方法及び海底ケーブルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
海底光ファイバー通信システム(Undersea Fiber Communication Systems)は、様々な国及び海上機器を海底光ファイバーで接続する重要な通信システムであり、海底ケーブルシステムと略称され、数千キロメートルから数万キロメートルの距離に及ぶ。BU(Branching Unit、海底光分岐装置)は、海底ケーブルシステムにおける水中機器であり、その主な機能は、内部光ファイバーの接続配置により、BUにおける3つのポートの間の光ファイバーの相互接続を実現することである。BUは、複雑な海底ケーブルシステムを構成する重要な機器であり、BUにより海底ケーブルシステムにおける複数の局の間の業務伝送を実現することができる。
【0003】
図1に示すように、BUは、局A、B間の幹線(トランク)における帯域幅部分をブランチに分岐挿入して、局Cを接続し、それにより局A、B、Cの3者間の通信を実現する。幹線に障害が起こった場合(例えば局A側)、非障害側局(局B、C)の間には、BUの帯域幅スケジューリング機能により光ファイバーペアモードに構築され、それにより障害側の損失した信号パワーを補填してパワー競合による伝送性能の劣化を避け、非障害側局(局B、C)の間で、障害及び海底ケーブルのメンテナンス期間に依然として正常な通信を保持できることを保障する。同様に、ブランチに障害が起こった場合(局C側)、非障害側局(局A、B)の間には、BU光路切り替え機能により光ファイバーペアモードに構築され、それにより非障害局の正常な通信を保証する。
【0004】
海底ケーブルシステムに障害が起こり且つBUがディザスタートレランスを行う過程に、障害局の業務を他の局に伝達する問題が存在し、そのため、局間にはPRBS(Pseudo Random Bit Sequence、擬似ランダムビットシーケンス)機能を応用してデータ秘密保持を行う。PRBS機能は、データ光における情報をスクランブリングすることにより、受信機器がこの内容を認識することができないようにし、さらにデータ秘密保持の効果を達成する。且つPRBS機能を実現するために、同一メーカーの水中機器と伝送機器を使用する必要があり、それにより水中ディザスタートレランス操作は、伝送機器のPRBS機能をトリガーすることができる。
【0005】
しかし、オープン海底ケーブルシステムプラットフォームの普及に伴い、異なるメーカーの機器を用いて海底ケーブルシステムの構築を行うことは、常態になり、PRBS機能が、異なるメーカーの機器間で実現できないため、さらに水中機器がディザスタートレランスされた後、障害局のデータをスクランブリングできず、データ漏洩のリスクを増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、海底ケーブルシステム障害後のデータ秘密保持方法及び海底ケーブルシステムを提供し、オープン海底ケーブルシステムにおける水中機器のディザスタートレランス後のデータ漏洩のリスクが増加するという問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例の第1の態様によれば、海底ケーブルシステム障害後のデータ秘密保持方法を提供し、海底ケーブルシステムに応用され、海底ケーブルシステムは、第1の端局、第2の端局、第1の端局と第2の端局との間に接続されたトランク海底ケーブル、及びトランク海底ケーブルに設置された少なくとも1つの光分岐装置を含み、そのうち、各光分岐装置は、1本のブランチに接続され、各ブランチは、光分岐装置に接続されたブランチ海底ケーブル、及びブランチ海底ケーブルに接続されたブランチ局を含む。
【0008】
方法は、第1のブランチに障害が起こったことに応じて、第1のディザスタートレランス組を決定するステップであって、第1のブランチは、海底ケーブルシステムにおけるいずれかのブランチであり、第1のディザスタートレランス組は、第1の端局が第1のブランチ局に光信号を伝送するために使用される少なくとも1つの波長を含み、第1のブランチ局は、第1のブランチにおけるブランチ局であるステップと、第1の光信号における目標光信号を仮想光信号に置き換えるステップであって、第1の光信号は、第1の端局が出力した光信号であり、目標光信号は、第1のディザスタートレランス組における各波長に対応する光信号を含み、仮想光信号は、データ内容を携帯しない光信号であり、仮想光信号の波長は、目標光信号の波長と同じであるステップと、を含む。
【0009】
本願の実施例にて提供される方法は、海底ケーブルシステムが障害された後、障害された第1のブランチにおけるブランチ局の正常な運転時に送受信した光信号の情報に基づき、第1のディザスタートレランス組として決定し、続いて第1の端局が送出した第1の光信号において、第1のディザスタートレランス組に対応する目標光信号を、データ内容を携帯しない仮想光信号に置き換える。海底ケーブルシステムのブランチに障害が起こった時、障害ブランチの光信号を置き換え、データ漏洩のリスクを低減させる。
【0010】
1つの実行可能な実施形態で、第1の光信号における目標光信号を仮想光信号に置き換えるステップは、第1の光信号における目標光信号をフィルタリングして除去し、第1のフィルタリング光信号を得るステップと、仮想光信号を生成するステップと、第1のフィルタリング光信号を仮想光信号と合波して出力するステップと、を含む。このように、目標光信号を置き換える時、第1の光信号における目標光信号をフィルタリングして除去することができ、それとともに生成した仮想光信号をフィルタリングして得られた第1のフィルタリング光信号と合波して出力し、目標光信号を置き換えるという目的を達成する。
【0011】
1つの実行可能な実施形態で、仮想光信号を生成するステップの後、目標光信号のパワーと仮想光信号のパワーを決定するステップと、仮想光信号のパワーが目標光信号のパワーと異なっていれば、仮想光信号のパワーを調整して、仮想光信号のパワーが目標光信号のパワーと同じになるようにするステップと、をさらに含む。目標光信号のみをフィルタリングすることは、海底ケーブルシステムにおいて伝送される光信号のパワーを低下させ、パワーの低下は、海底ケーブルシステムの伝送品質を低下させ、仮想光信号のパワーを目標光信号のパワーと一致させるように調整することにより、目標光信号をフィルタリングした後の影響を低下させることができる。
【0012】
1つの実行可能な実施形態で、第1の光信号における目標光信号を仮想光信号に置き換えるステップは、第1のブランチに障害が起こったことに応じて、第1の光分岐装置を決定するステップであって、第1の光分岐装置は、第1のブランチに接続された光分岐装置であるステップと、第1の光分岐装置を制御して光路切り替えを行い、第1のディザスタートレランス組における各波長に対応する光信号を第2の端局に伝送するステップと、をさらに含む。このように、第1のブランチに障害が起こったことを検出した後、第1のブランチに対応する第1の光分岐装置を制御して光路切り替えを行い、第1のブランチとトランク海底ケーブルとの間の情報伝達を中断し、それにより海底ケーブルシステムの伝送安定性を維持することができる。
【0013】
1つの実行可能な実施形態で、第1の光分岐装置を制御して光路切り替えを行い、第1のディザスタートレランス組における各波長に対応する光信号を第2の端局に伝送するステップの後、第1のブランチに障害解消が起こったことに応じて、第1の光信号における目標光信号をフィルタリングして除去することを停止し、且つ仮想光信号の生成を停止するステップと、第1の光分岐装置を制御して光路切り替えを行い、目標光信号を第1のブランチ局に伝送するステップと、をさらに含む。このように、第1のブランチにおける障害が解消された後、海底ケーブルシステムの運転に影響を与えないために、さらに第1のブランチをトランク海底ケーブルに接続することができ、すなわち第1の光分岐装置の光路を海底ケーブルシステムの正常な運転状態に切り替え、第1のブランチが第1の端局が送信した光信号を受信することができる。
【0014】
1つの実行可能な実施形態で、第1のブランチに障害が起こったことに応じて、第1のディザスタートレランス組を決定するステップの前、第1の端局が各ブランチ局に光信号を伝送するために使用される波長を決定するステップと、第1の端局が各ブランチ局に光信号を伝送するために使用される波長に基づき、各光分岐装置に対応するディザスタートレランス組をそれぞれ決定するステップであって、各光分岐装置に対応するディザスタートレランス組は、第1の端局が当該光分岐装置に接続されたブランチ局に光信号を伝送するために使用される少なくとも1つの波長を含むステップと、をさらに含む。第1のディザスタートレランス組を決定する前、ブランチ局の受信した光信号の波長を利用し、各ブランチ局に対応するディザスタートレランス組を決定し、あるブランチ局に障害が起こった時、ブランチ局とディザスタートレランス組との対応関係により、第1のディザスタートレランス組を迅速に決定する。
【0015】
1つの実行可能な実施形態で、第1のブランチに障害が起こったことは、第1のブランチにおけるブランチ海底ケーブルに障害が起こったこと、第1のブランチ局に障害が起こったこと、第1の光分岐装置に障害が起こったことのうちの少なくとも1種を含む。海底ケーブルシステムにおけるブランチは、ブランチ海底ケーブルとブランチ局を含み、ブランチは、光分岐装置によりトランクに接続され、そのためブランチデータ送受信に影響を与える要因は、ブランチ海底ケーブルの障害、ブランチ局の障害及び光分岐装置の障害を含み、したがって、ブランチの障害の判断を行う時、ブランチ海底ケーブル、ブランチ局及び光分岐装置を検出することができ、3者のうちの少なくとも1つに障害が存在した場合、当該ブランチに障害が起こる。
【0016】
本発明の実施例の第2の態様によれば、海底ケーブルシステムを提供し、第1の端局、第2の端局、第1の端局と第2の端局との間に接続されたトランク海底ケーブル、及びトランク海底ケーブルに設置された少なくとも1つの光分岐装置を含み、そのうち、各光分岐装置は、1本のブランチに接続され、各ブランチは、光分岐装置に接続されたブランチ海底ケーブル、及びブランチ海底ケーブルに接続されたブランチ局を含む。
【0017】
システムは、第1の端局の出光側に設置された波長管理装置をさらに含み、波長管理装置は、第1のブランチに障害が起こったことに応じて、第1のディザスタートレランス組を決定することであって、第1のブランチは、海底ケーブルシステムにおけるいずれかのブランチであり、第1のディザスタートレランス組は、第1の端局が第1のブランチ局に光信号を伝送するために使用される少なくとも1つの波長を含み、第1のブランチ局は、第1のブランチにおけるブランチ局であること、及び第1の光信号における目標光信号を仮想光信号に置き換えることであって、第1の光信号は、第1の端局が出力した光信号であり、目標光信号は、第1のディザスタートレランス組における各波長に対応する光信号を含み、仮想光信号は、データ内容を携帯しない光信号であり、仮想光信号の波長は、目標光信号の波長と同じであることに用いられる。波長管理装置は、海底ケーブルシステム
における第1のブランチに障害が起こったことに応答することにより、第1のブランチにおけるブランチ局に対応する光信号を、データを携帯しない仮想光信号に置き換え、海底ケーブルシステムにおけるブランチの障害でディザスタートレランスされる時、生じるデータ漏洩の問題を低減させる。
【0018】
1つの実行可能な実施形態で、波長管理装置は、仮想光信号を生成するための光生成モジュールと、第1の光信号における目標光信号をフィルタリングして除去し、第1のフィルタリング光信号を得るため、且つ第1のフィルタリング光信号を仮想光信号と合波して出力するために用いられるフィルタリング合波モジュールと、を含む。波長管理装置には、光生成モジュールとフィルタリング合波モジュールがそれぞれ内蔵され、それにより第1の端局が送出した第1の光信号を操作し、第1の光信号における目標光信号を置き換える。
【0019】
1つの実行可能な実施形態で、波長管理装置は、目標光信号のパワーと仮想光信号のパワーを決定するためのパワー検出モジュールをさらに含み、フィルタリング合波モジュールは、さらに仮想光信号のパワーが目標光信号のパワーと異なっていれば、仮想光信号のパワーを調整し、仮想光信号のパワーが目標光信号のパワーと同じになるようにするために用いられる。波長管理装置にパワー検出モジュールがさらに設置され、フィルタリング合波モジュールが仮想光信号のパワーをより正確に調整し、フィルタリング、合波中における誤差を減少させ、目標光信号の置き換えの後続伝送に対する品質の影響を低減させる。
【0020】
1つの実行可能な実施形態で、波長管理装置は、さらに、第1のブランチに障害が起こったことに応じて、第1の光分岐装置を決定することであって、第1の光分岐装置は、第1のブランチに接続された光分岐装置であること、及び第1の光分岐装置を制御して光路切り替えを行い、第1のディザスタートレランス組における各波長に対応する光信号を第2の端局に伝送することに用いられる。波長管理装置は、第1のブランチに障害が起こったことを検出した後、第1のブランチに接続された光分岐装置を制御して光路切り替えを行い、障害が起こった第1のブランチの波のアップダウンの信号を遮断し、障害された第1のブランチの、海底ケーブルシステムに対する影響を減少させる。
【0021】
1つの実行可能な実施形態で、波長管理装置は、さらに、第1のブランチに障害解消が起こったことに応じて、第1の光信号における目標光信号をフィルタリングして除去することを停止し、且つ仮想光信号の生成を停止すること、及び第1の光分岐装置を制御して光路切り替えを行い、目標光信号を第1のブランチ局に伝送することに用いられる。第1のブランチの障害が解消された後、海底ケーブルシステムの正常な運転を回復するために、波長管理装置は、さらに第1の光分岐装置を制御することにより、光路を正常な運転状態に切り替え、それにより、海底ケーブルシステムは障害が回復された後に正常な運転状態に入る。
【0022】
1つの実行可能な実施形態で、波長管理装置は、さらに、第1の端局が各ブランチ局に光信号を伝送するために使用される波長を決定すること、及び第1の端局が各ブランチ局に光信号を伝送するために使用される波長に基づき、各光分岐装置に対応するディザスタートレランス組をそれぞれ決定することであって、各光分岐装置に対応するディザスタートレランス組は、第1の端局が当該光分岐装置に接続されたブランチ局に光信号を伝送するために使用される少なくとも1つの波長を含むことに用いられる。波長管理装置は、障害が発生しない時、各ブランチ局と光信号の受信した波長との対応関係により、各ブランチのディザスタートレランス組を決定し、それによりあるブランチに障害が発生した後、第1のディザスタートレランス組を迅速に決定することができる。
【0023】
1つの実行可能な実施形態で、波長管理装置は、第1のブランチのブランチケーブル、第1のブランチ局及び第1の光分岐装置の動作状態を検出するために用いられる障害検出モジュールをさらに含む。波長管理装置は、障害検出モジュールを設置することにより、ブランチ及び対応する光分岐装置の動作状態を検出し、障害ブランチを適時に発見することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上の技術的解決手段から分かるように、本願は、海底ケーブルシステム障害後のデータ秘密保持方法及び海底ケーブルシステムを提供し、前記方法は、第1のブランチに障害が起こったことに応じて、第1のディザスタートレランス組を決定するステップと、第1の光信号における目標光信号を仮想光信号に置き換えるステップと、を含み、そのうち、第1のブランチは、海底ケーブルシステムにおけるいずれかのブランチであり、第1のディザスタートレランス組は、第1の端局が第1のブランチ局に光信号を伝送するために使用される少なくとも1つの波長を含み、第1のブランチ局は、第1のブランチにおけるブランチ局であり、第1の光信号は、第1の端局が出力した光信号であり、目標光信号は、第1のディザスタートレランス組における各波長に対応する光信号を含み、仮想光信号は、データ内容を携帯しない光信号であり、仮想光信号の波長は、目標光信号の波長と同じである。前記方法は、海底ケーブルシステムにおけるブランチに障害が起こってディザスタートレランスを行う時、第1のブランチに伝送される光信号の波長を決定し、且つそれを、データ情報を携帯しない仮想光信号に置き換える方式で、海底ケーブルシステムがディザスタートレランスされた後、第1のブランチの光信号を他の局に伝送せず、海底ケーブルシステムのディザスタートレランス後の伝送安定性を向上させ、データ漏洩のリスクを低減させる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本願の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例において使用する必要がある図面を簡単に紹介し、明らかに、当業者にとって、創造的な労力を行わない前提で、さらにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図2】海底ケーブルシステムの障害後の構造概略図である。
【
図3】本願の実施例における海底ケーブルシステムの構造概略図である。
【
図4】本願の実施例における海底ケーブルシステムの障害後のデータ秘密保持方法のフローチャートである。
【
図5】本願の実施例における他の海底ケーブルシステムの障害後のデータ秘密保持方法のフローチャートである。
【
図6】本願の実施例における仮想光信号生成のフローチャートである。
【
図7】本願の実施例における海底ケーブルシステム及び波長管理装置の構造概略図である。
【
図8】本願の実施例における海底ケーブルシステムの障害後のデータ秘密保持方法である。
【
図9】本願の実施例におけるデータ秘密保持方法の応用シーン図である。
【
図10】本願の実施例におけるデータ秘密保持方法の応用シーン図である。
【
図11】本願の実施例におけるデータ秘密保持方法の応用シーン図である。
【
図12】本願の実施例における波長管理装置の応用シーン図である。
【
図13】本願の実施例における他の波長管理装置の応用シーン図である。
【
図14】本願の実施例における他の波長管理装置の応用シーン図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、実施例を詳細に説明し、その例が図面に示される。以下の記述において図面に関する場合、特に示されない限り、様々な図面において同一の数字で同一又は類似の要素を
示す。以下の実施例に記述される実施形態は、本願と一致する全ての実施形態を表すものではない。特許請求の範囲に詳述された、本願のいくつかの態様と一致する装置及び方法の例に過ぎない。
【0027】
本願の実施例では、海底ケーブルシステムである海底光ファイバー通信システムとは、複数の海底通信ケーブルで構成された通信ネットワークシステムである。システムにおける通信ケーブルは、海底に敷設されるため、海底ケーブル線路と呼ばれることができる。海底ケーブル線路は、端局間に光信号を伝送し、海域を跨る通信機能を実現することができる。海底ケーブルシステムは、長距離通信を実現することができ、例えば、万キロメートルの海洋を跨ってデータ通信を完了することができる。なお、本願の実施例における海底ケーブルシステムは、また河川、湖沼を跨るなどの近距離の通信領域に用いられることができる。
【0028】
海底ケーブルシステムの構築中に、端局と端局との間にいくつかの局が存在し、海底ケーブルシステムにおける業務伝送容量が小さく且つ業務伝送が秘密保持性要求を有する場合、端局の間のトランク海底ケーブルは、ブランチ局に迂回接続することができない。そのため、トランク海底ケーブルに光分岐装置、すなわちBUを設置することにより、ブランチ海底ケーブル及びブランチ局をトランク海底ケーブルに接続する。
【0029】
図1に示すように、局Aと局Bは、端局であり、局Cは、ブランチ局であり、3つの局は、BUの3つのポートにより接続され、BUは、波のアップダウン機能を有し、そのうち、波ダウン機能とは、局Aが送出した光信号を部分的に局Cに送信することであり、波アップ機能とは、局Cが送信した光信号を局Aが送出した光信号と合波して局Bに出力することである。
図1から分かるように、トランク海底ケーブルに設置された各BUは、海底ケーブルシステムにいずれもそれに直接接続されたブランチ海底ケーブルを有し、そのため、ブランチ局に接続されたブランチ海底ケーブルにより各ブランチ局に対応するBUを決定することができる。
【0030】
実際の応用中に、局Aが光信号を送信することを例とし、局Aは、トランク海底ケーブル帯域幅範囲内にある光信号を送信し、例示的に、局Aが送信した光信号の波長は、λ1~λnであり、そのうち、波長λ1とλ2の光信号が局Cに送信され、波長λ3~λnの光信号が局Bに送信される。局Aが送信した光信号は、BUを通過する時、再構成可能な光アド・ドロップ・マルチプレクサー(Reconfigurable Optical
Add-Drop Multiplexer、ROADM)により、局Cに対応する波長がλ1とλ2である光信号をトランク海底ケーブルから分離して局Cに伝送し、それとともに局Cは、波長λ1とλ2の光信号を送出し、且つBUにより波長λ3~λnの光信号と合波し、さらにトランク海底ケーブルを介して局Bに伝送することができる。局Cが受信と送信した光信号の波長は、同じであるが、局Cが送信した光信号は、変調することにより、そのうちに含まれるデータ内容が局Cの受信した光信号と異なり、局Cに伝達した光信号が局Bに伝送されず、それによりデータ秘密保持の効果を達成する。
【0031】
しかし伝送中に障害が起これば、例えば局C又はそれに接続された海底ケーブルに障害が起こり、局Cがデータを受信し又は送信することができず、波長がλ1とλ2である光信号が局Cに波ダウンすることができず、この時、局Aが送信した光信号は、直接トランク海底ケーブルを介して局Bに伝送され、本来局Cに伝送すべき波長がλ1とλ2である光信号を局Bに伝送し、データ漏洩のリスクを引き起こす。
【0032】
一部の実施例では、海底ケーブルシステムに伝送障害が起こった場合、PRBS機能で端局間の秘密保持が必要なデータを暗号化することができる。例示的に、
図2に示すように、局C又は局Cに接続された海底ケーブルに障害が起これば、局Aにおける端局機器に
よりBUの障害情報に応じて、波長がλ
1とλ
2である光信号における業務コードを擬似ランダムコードに置き換え、局Bに送信された光信号に波長がλ
1とλ
2である光信号に対応する業務データが含まないようにし、それにより局Bは、局Cに伝送される業務データを取得することができない。しかしPRBS機能は、応用中に、同一のメーカーの端局機器及び水中機器を応用する必要があり、水中機器がディザスタートレランス(disaster tolerance)の後、端局機器のスクランブリング機能を迅速にトリガーするようにし、データ秘密保持を実現する。
【0033】
しかしOpen Cable、すなわちオープン海底ケーブルネットワーク概念の興起に伴い、水中機器と端局機器は、デカップリングされ、水中機器と端局機器は、異なるメーカーから供給可能になり、伝送機器の更新と世代交代は、水中機器の影響を受けず、海底ケーブルシステムの総合コストを低減させてシステムアーキテクチャーの柔軟性を向上させる。Open Cable解決手段では、水中機器と水上機器のメーカーが異なる可能性があるため、水中機器の操作と関連警告が端局機器に伝達できず、さらにPRBS機能をトリガーできず、海底ケーブルシステムに機器のディザスタートレランス時にデータ漏洩のリスクを有させる。
【0034】
本願の実施例は、海底ケーブルシステム故障後のデータ秘密保持方法を提供し、海底ケーブルシステムが機器のディザスタートレランス時にデータ漏洩のリスクを有するという問題を解決する。本願の一部の実施例では、データ秘密保持方法が海底ケーブルシステムに応用され、海底ケーブルシステムにブランチの障害が起こった場合、伝送されたデータを処理し、海底ケーブルシステムのデータ漏洩のリスクを低減させることができる。
【0035】
例示的に、海底ケーブルシステムは、第1の端局、第2の端局、第1の端局と第2の端局との間に接続されたトランク海底ケーブル、及びトランク海底ケーブルに設置された少なくとも1つの光分岐装置を含むことができる。そのうち、各光分岐装置は、1本のブランチに接続され、且つ各ブランチは、光分岐装置に接続されたブランチ海底ケーブル及びブランチ海底ケーブルに接続されたブランチ局を含む。一部の実施例では、第1の端局が光信号をトランク海底ケーブルに放出する前、第1の端局における変調機器により光信号を変調する必要があり、異なる波長の光信号にデータを携帯させ、それにより異なる局のデータ要求を満たす。信号変調過程が光信号の波長に影響を与えないようにするために、端局は、光信号変調中にコヒーレント変調の方式を採用し、光信号にデータを携帯させる。
【0036】
海底ケーブルシステムにおける第1の端局を信号放出端とすることを例とし、
図3に示すように、第1の端局とトランクにおける第1の端局に最も近い光分岐装置との間に波長管理装置700がさらに設置され、波長管理装置700は、海底ケーブルシステムに障害が起こった後に処理することができ、且つ波長管理装置700が処理した信号は、第1の端局が出力した光信号である。
【0037】
本願の実施例で、データ秘密保持方法は、上記説明における海底ケーブルシステムに応用されることができ、
図4に示すように、データ秘密保持方法は、以下を含む。
【0038】
S410において、第1のブランチに障害が起こったことに応じて、第1のディザスタートレランス組を決定する。
【0039】
そのうち、第1のブランチは、海底ケーブルシステムにおけるいずれかのブランチ海底ケーブルであり、第1のディザスタートレランス組は、第1の端局が第1のブランチ局に光信号を伝送するために使用される少なくとも1つの波長を含み、第1のブランチ局は、第1のブランチにおけるブランチ局である。
【0040】
一部の実施例で、波長管理装置700は、海底ケーブルシステムに障害が起こらない場合、各ブランチ局及び光分岐装置に対応するディザスタートレランス組を決定し、それにより、第1のブランチに障害が起こった場合、第1のディザスタートレランス組を適時に決定することができる。例示的に、第1のディザスタートレランス組を決定する前、
図5に示すように、データ秘密保持方法は、以下をさらに含む。
【0041】
S401において、第1の端局が各ブランチ局に光信号を伝送するために使用される波長を決定する。
【0042】
各ブランチ局が光信号を受信する波長を取得する方式は、様々であり、例えば、第1の端局と各ブランチ局の伝送機器における配置情報により、光信号の波長とブランチ局との対応関係を取得し、第1の端局が送信する光信号を波長により分け、異なるブランチ局に伝送される光信号を分け、また例えば、波長管理装置700は、海底ケーブルシステムの正常な運転中に、各ブランチ局が受信及び送信した光信号の波長を検出し、それにより各ブランチ局が光信号を伝送するために使用する波長を取得する。
【0043】
理解すべきものとして、各ブランチ局に少なくとも1つの波長の光信号が割り当てられ、それにより各ブランチ局は、いずれも第1の端局から送信されたデータを受信することができる。
【0044】
S402において、第1の端局が各ブランチ局に光信号を伝送するために使用される波長に基づき、各光分岐装置に対応するディザスタートレランス組をそれぞれ決定する。
【0045】
そのうち、各光分岐装置に対応するディザスタートレランス組は、第1の端局が当該光分岐装置に接続されたブランチ局に光信号を伝送するために使用される少なくとも1つの波長を含む。各ブランチ局が伝送する光信号が使用する波長を決定した後、ブランチ局と光分岐装置との対応関係に基づき、各光分岐装置に対応する光信号の波長を決定し、それにより各光分岐装置に対応するディザスタートレランス組を得ることができる。
【0046】
理解すべきものとして、各光分岐装置に対応するディザスタートレランス組における内容は、一部が同じであってもよく、全てが異なってもよく、本願では、各ディザスタートレランス組に具体的に含まれる光信号の波長について制限しない。
【0047】
各光分岐装置に対応するディザスタートレランス組を決定した後、第1のブランチに障害が発生してディザスタートレランスを行う時、まず第1のブランチにおけるブランチ海底ケーブルとトランク海底ケーブルとの接続関係に基づき、第1のブランチに対応する光分岐装置を決定し、続いて当該光分岐装置に対応するディザスタートレランス組を第1のディザスタートレランス組として決定する。
【0048】
海底ケーブルシステムの運転中に、波長管理装置700は、海底ケーブルシステムにおけるデータ伝送状況を監視測定(モニタリング)し、海底ケーブルシステムに起こる可能性がある障害情報を取得することができる。具体的には、波長管理装置700は、それぞれ第1のブランチのブランチ海底ケーブル、第1のブランチに対応する第1のブランチ局及び第1のブランチに対応する第1の光分岐装置を監視測定することができ、そのうち、第1の光分岐装置は、第1のブランチに接続された光分岐装置である。波長管理装置700は、上記機器のいずれかに障害が起こったことを監視測定した場合、第1のブランチに障害が起こったことを決定し、すなわち第1のブランチに障害が起こったことは、第1のブランチにおけるブランチ海底ケーブルに障害が起こったこと、第1のブランチ局に障害が起こったこと、及び第1の光分岐装置に障害が起こったことのうちの少なくとも1つの
状況を含む。例示的に、第1のブランチにおけるブランチ海底ケーブルに障害が起こったことは、ブランチ海底ケーブルの中断、ブランチ海底ケーブルの損失増大などを含み、第1のブランチ局に障害が起こったことは、第1のブランチ局の機器の障害、第1のブランチ局が光信号を送受信できないことなどを含み、第1の光分岐装置に障害が起こったことは、第1の光分岐装置が光信号を波アップ及び/又は波ダウンできないことを含む。上記障害状況は、本願に例示されるものであり、本願では、第1のブランチに障害が起こった種類について制限しない。
【0049】
第1のブランチに対応するブランチ海底ケーブル、第1のブランチ局及び第1の光分岐装置のうちのいずれかの機器に異常が起こった場合、第1のブランチ局とトランク海底ケーブルとの間の通信接続関係が影響されるため、第1の光分岐装置は、光信号の波のアップダウン機能を実現できない。例示的に、第1のブランチのブランチ海底ケーブルに中断が起こった場合、第1のブランチには第1の光分岐装置が光信号を第1のブランチ局に波ダウンできず、及び第1のブランチ局が光信号を第1の光分岐装置に波アップできないなどの状況がさらに起こり、第1のブランチ局に信号の送受信の異常が起こった場合、第1のブランチは、第1の光分岐装置が第1のブランチ局の光信号を受信して波アップすることができないなどの状況がさらに起こる。そのため、本願の他の一部の実施例では、第1のブランチに対する監視測定は、第1の光分岐装置に監視測定機器を設置することにより、第1の光分岐装置の波のアップダウンの状況を監視測定し、それにより第1のブランチの伝送性能を判断することに簡略化されることができる。
【0050】
波長管理装置700は、第1のブランチに障害が起こったことを監視測定した後、第1の端局と第1のブランチ局との間の伝送信号の波長情報により、第1のディザスタートレランス組を決定することができる。
【0051】
理解すべきものとして、第1のディザスタートレランス組に含まれる波長の数は、第1のブランチ局が受信可能な光信号の波長に関連する。例示的に、第1のブランチ局が波長がλ1、λ2である光信号を受信できる場合、第1のディザスタートレランス組に含まれる波長情報は、λ1とλ2であり、そのうちλ1とλ2は、いずれも1つの確実な波長数値ではなく、1つの波長範囲を表現するために用いられ、例えば1560nm-1561nmである。本願では、第1のディザスタートレランス組に具体的に含まれる波長情報について制限しない。
【0052】
なお、第1のディザスタートレランス組に含まれる内容は、第1の端局が第1のブランチ局に伝送する光信号の1つの特徴であり、それにより海底ケーブルに伝送される他の光信号と区分し、本願の一部の実施例では、光信号の波長で示す。光信号の伝播速度は、光信号の波長と光信号の周波数との積であるため、光信号の伝播速度が同じである場合、光信号の周波数と光信号の波長とは、負の相関を呈し、すなわち周波数が高いほど波長が短く、周波数が低いほど波長が長い。そのため、本願の一部の実施例では、第1のディザスタートレランス組は、さらに光信号の開始周波数と終了周波数という2つのパラメーターにより光信号を限定することができる。
【0053】
本願の一部の実施例では、海底ケーブルシステムの組み立てが完了した後、各局の伝送時に占有するチャネルを明確にするために、端局及びブランチ局において受信と送信の光信号の波長を割り当て、それにより海底ケーブルシステムの使用中に、各ブランチ局の光信号の波長を明確にし、ディザスタートレランスの効率を向上させることができる。
【0054】
S420において、第1の光信号における目標光信号を仮想光信号に置き換える。
【0055】
そのうち、第1の光信号は、第1の端局が出力した光信号であり、目標光信号は、第1
のディザスタートレランス組における各波長に対応する光信号を含み、仮想光信号は、データ内容を携帯しない光信号であり、仮想光信号の波長は、目標光信号の波長と同じである。
【0056】
本願の実施例で、第1の光信号における目標光信号を仮想光信号に置き換えることは、波長管理装置700により実現することができる。波長管理装置700は、第1の端局と第1の端局に最も近い光分岐装置との間に設置されるため、第1の端局が出力した第1の光信号は、まず波長管理装置700を通過し、波長管理装置700は、海底ケーブルシステムに障害が起こったことを検出してディザスタートレランスを行う場合、第1のディザスタートレランス組を決定した後、第1の光信号を処理し、データ漏洩のリスクを低減させることができる。
【0057】
例示的に、波長管理装置700は、第1のディザスタートレランス組を決定した後、第1の光信号における第1のディザスタートレランス組に対応する目標光信号を取得することができる。理解すべきものとして、第1のディザスタートレランス組に含まれる情報は、光信号の波長情報であり、そのため目標光信号は、波長が第1のディザスタートレランス組に含まれる波長情報と同じである光信号である。例えば、第1のディザスタートレランス組における波長情報がλ1とλ2であれば、目標光信号は、すなわち波長λ1の光信号と波長λ2の光信号である。第1の端局が出力する第1の光信号が波長λ1~λnの光信号であることを例とし、第1の光信号の波数は、nであり、目標光信号の波数は、第1のディザスタートレランス組に含まれる波長情報の数と同じであり、且つ目標光信号の波数は、第1の光信号における波数nよりも小さい。
【0058】
なお、本願の実施例における第1の光信号と目標光信号は、いずれも変調された、データ内容を携帯した光信号である。第1のブランチに障害が起こった後、データ漏洩のリスクを減少させるために、波長管理装置700は、仮想光信号を生成して目標光信号を置き換え、秘密保持効果を達成するために、仮想光信号は、変調されていない光信号である。変調された目標光信号を仮想光信号に置き換え、目標光信号に携帯されたデータ内容を、データを携帯しない光信号に置き換え、秘密保持性を有するデータを携帯した光信号が海底ケーブルシステムにおける他の局に伝送されることによる秘密漏洩を避けることができる。
【0059】
上記実施例における内容により、データ秘密保持方法を提供し、海底ケーブルシステムが障害した後、障害した第1のブランチにおけるブランチ局の正常な運転時に送受信した光信号の情報に基づき、第1のディザスタートレランス組として決定し、続いて第1の端局が送出した第1の光信号において、第1のディザスタートレランス組に対応する目標光信号を、データ内容を携帯しない仮想光信号に置き換える。海底ケーブルシステムのブランチに障害が起こった場合、障害ブランチの光信号を置き換え、データ漏洩のリスクを低減させる。
【0060】
さらに、海底ケーブルシステムにおける第1のブランチに障害が起こった場合、第1のブランチ局は、光信号を受信又は伝送することができないが、光分岐装置に障害が発生しない場合、第1のブランチに対応する光分岐装置は、依然として光信号を波ダウンし、非障害端の伝送性能に影響を与える。したがって、非障害端の正常なデータ伝送を維持するために、仮想光信号を用いて第1の光信号における目標光信号を置き換えた後、
図5に示すように、データ秘密保持方法は、以下をさらに含む。
【0061】
S431において、第1のブランチに障害が起こったことに応じて、第1の光分岐装置を決定する。
【0062】
そのうち、第1の光分岐装置は、第1のブランチに接続された光分岐装置である。第1のブランチに障害が発生した場合、波長管理装置700は、光分岐装置と第1のブランチとの接続関係に基づき、第1の光分岐装置を決定する。海底ケーブルシステムの構造から分かるように、トランク海底ケーブルに設置された各BUは、海底ケーブルシステムにいずれもそれに直接接続されたブランチ海底ケーブルを有し、その上で、第1のブランチの接続情報により、対応する第1の光分岐装置を決定することができる。
【0063】
一部の実施例で、波長管理装置700は、さらに第1のブランチにおける障害状況を検出するために用いられ、波長管理装置700が、第1の光分岐装置と第1の端局との間に設置されるため、第1のブランチに障害が起こった場合、第1の光分岐装置により直接障害情報を波長管理装置700に伝送し、波長管理装置700が、第1のブランチの障害に応答するようにすることができる。
【0064】
S432において、第1の光分岐装置を制御して光路切り替えを行い、第1のディザスタートレランス組における各波長に対応する光信号を第2の端局に伝送する。
【0065】
第1のブランチに対応する第1の光分岐装置を決定した後、波長管理装置700は、第1の光分岐装置を制御して光路切り替えを行い、トランク海底ケーブルとブランチ海底ケーブルとの間の情報伝送を中断し、障害端の、非障害端に対する影響を低減させることができる。例示的に、波長管理装置700は、光分岐装置に内蔵されたROADMにより光分岐装置の光路切り替えを制御することができ、第1のブランチに伝送障害が起こった場合、光分岐装置を第1の端局と第2の端局との間の光ファイバーペアモードに調整し、それにより光路切り替えを行うことができる。なお、光分岐装置に内蔵されたROADMにより光路切り替えを実現することは、光路切り替えの1つの実行可能な実施形態に過ぎず、本願では、光路切り替えの具体的な形態について制限しない。
【0066】
理解すべきものとして、第2の端局に伝送された光信号は、第1の光信号における、目標光信号以外の他の光信号をさらに含み、且つ目標光信号は、波長管理装置700により仮想光信号に置き換えられ、したがって、光路切り替えが行われた後に第2の端局に伝送された光信号において、第1のディザスタートレランス組における各波長に対応する光信号は、いずれも仮想光信号であり、第2の端局に伝送された光信号に目標光信号における内容が存在せず、データ秘密保持の効果を達成する。
【0067】
海底ケーブルシステムに障害が発生した後、メンテナンス人員により障害をメンテナンスを行うことができ、メンテナンスを行って障害を解消した後、海底ケーブルシステムの正常な運転を回復することができる。そのため、一部の実施例では、第1のブランチにおける障害が解消されると、第1のブランチは、光信号の伝送を行うことができることを意味し、この時、方法は、以下をさらに含む。
【0068】
S433において、第1のブランチに障害解消が起こったことに応じて、第1の光信号における目標光信号をフィルタリングして除去することを停止し、且つ仮想光信号の生成を停止する。
【0069】
一部の実施例で、第1のブランチに障害が発生してディザスタートレランスを行った後、波長管理装置700は、第1のブランチにプローブ光信号を送信し、第1のブランチにおける障害が除去されたか否かを検査することができ、そのうち、プローブ光信号は、任意の波長の光信号であってもよい。例示的に、第1のブランチに障害が起こった後、波長管理装置700は、第1のブランチにプローブ光信号をリアルタイムに送信し、第1のブランチの状態を検出し、第1のブランチにおける障害が解消された場合、プローブ光信号は、第1のブランチ局に受信され、第1のブランチ局は、プローブ光信号を受信した後に
、対応する回復光信号を生成してトランク海底ケーブルに波アップし、そのため、波長管理装置700は、トランク海底ケーブルから回復光信号を取得すれば、第1のブランチにおける障害が解消されたと考えることができる。
【0070】
本願の他の一部の実施例では、第1のブランチにおける障害が解消された後、第1のブランチ局により光分岐装置に光信号を送信することができ、光分岐装置は、第1のブランチ局が送信した光信号を受信した後、波長管理装置700に信号を送信することができ、第1のブランチにおける障害が解消され、正常なデータ伝送を行うことができることを示す。
【0071】
波長管理装置700は、第1のブランチにおける障害が解消されたことを検出した後、第1の光信号における目標光信号をフィルタリングして除去することを停止し、且つ仮想光信号の生成を停止し、海底ケーブルシステムの正常な運転を回復することができる。
【0072】
理解すべきものとして、目標光信号は、仮想光信号の波長と同じであるため、海底ケーブルで占有するチャネルが同じであり、本実施例では、目標光信号のフィルタリングの停止及び仮想光信号の生成の停止は、同時に行うべきであり、それにより同じ波長の光信号間の競合を避け、海底ケーブルシステムの運転をより安定化させる。
【0073】
S434において、第1の光分岐装置を制御して光路切り替えを行い、目標光信号を第1のブランチ局に伝送する。
【0074】
第1のブランチの障害が解消された後、第1のブランチ局が再び目標光信号を受信できるように、波長管理装置700は、光分岐装置を制御して光路切り替えを行うことができる。例示的に、第1の光分岐装置を制御して光路切り替えを行い、それにより第1の端局から送出された第1の光信号の一部を第1のブランチ局に伝送させる。
【0075】
理解すべきものとして、本ステップにおける光路切り替えとS432ステップにおける光路切り替えは、互いに逆の過程であり、S432ステップにおける光路切り替えは、第1の光分岐装置の光路を第1の端局、第1のブランチ局及び第2の端局の3端の相互接続から第1の端局と第2の端局との間の2端の相互接続に切り替えるが、本ステップにおける光路切り替えは、第1の光分岐装置の光路を第1の端局と第2の端局との間の2端の相互接続から第1の端局、第1のブランチ局及び第2の端局の3の端相互接続に切り替える。
【0076】
上記実施例における内容により、データ秘密保持方法を提供し、データ秘密保持を行う時、第1のブランチに対応する光分岐装置に対して光路切り替えを行って海底ケーブルシステムにおける非障害局の正常な運転を保証し、第1のブランチに障害が起こったことを検出した後、第1のブランチに対応する第1の光分岐装置を制御して光路切り替えを行い、第1のブランチとトランク海底ケーブルとの間の情報伝達を中断し、それにより海底ケーブルシステムの伝送安定性を維持する。さらに、第1のブランチにおける障害が解消された後、海底ケーブルシステムの運転に影響を与えないために、さらに第1のブランチをトランク海底ケーブルに再び接続することができ、すなわち第1の光分岐装置の光路を海底ケーブルシステムの正常な運転状態に切り替え、それにより第1のブランチは第1の端局が送信した光信号を受信することができる。
【0077】
本願の一部の実施例で、データ秘密保持を実現するとともに、海底ケーブルシステムの伝送安定性に影響を与えないために、光信号の置き換えを行う時、仮想光信号を処理することができる。
図6に示すように、第1の光信号における目標光信号を仮想光信号に置き換えることは、以下の過程を含むことができる。
【0078】
S610において、第1の光信号における目標光信号をフィルタリングして除去し、第1のフィルタリング光信号を得る。
【0079】
まず、波長管理装置700は、第1の光信号における目標光信号をフィルタリングして除去し、第1のフィルタリング光信号を得る必要がある。目標光信号は、第1のディザスタートレランス組における波長情報に対応する光信号であるため、第1のフィルタリング光信号には第1のディザスタートレランス組における波長に対応する光信号が含まれない。例示的に、第1の光信号の波長がλ1~λnを含み且つ第1のディザスタートレランス組の波長がλ1とλ2を含む場合、第1の光信号における波長がλ1、λ2である光信号をフィルターなどの方式でフィルタリングして除去し、それにより波長λ3~λnの第1のフィルタリング光信号を得る。
【0080】
なお、第1の端局が第1の光信号を放出する中に、第1の端局は、各周波帯の光信号を変調し、変調が完了した後、異なる周波帯の光信号を合波し、それにより異なる周波帯の光信号を同時にトランク海底ケーブルにおいて伝送させる。
【0081】
そのため、一部の実施例で、波長管理装置700は、第1の光信号における目標光信号をフィルタリングする前、第1のディザスタートレランス組における波長情報に基づいてフィルタリング周波帯を調整し、第1の光信号が波長管理装置700を通過する時、第1のディザスタートレランス組における波長に対応する光信号をフィルタリングして除去し、それにより第1のフィルタリング光信号を得ることができる。
【0082】
S620において、仮想光信号を生成する。
【0083】
仮想光信号は、変調される必要がなく、第1のディザスタートレランス組における波長情報に基づき、対応する波長の光信号を生成すればよい。仮想光信号は、フィルタリングされた目標光信号を補填するために用いられ、トランク海底ケーブルにて伝送される光信号のパワー変動を減少させ、それにより目標光信号の置き換えの、信号伝送の品質に対する影響を低減させる。
【0084】
一部の実施例で、海底ケーブルシステムの伝送の品質を向上させ、海底ケーブルシステムの伝送距離を延長するために、トランク海底ケーブル及びブランチ海底ケーブルに光増幅器が設置され、海底ケーブルシステムにおいて伝送される信号に対して利得を得るために用いられる。光増幅器において、ポンプ光源は、励起粒子が高レベルから低レベルに戻って通過する光信号を増幅するとともに、励起された粒子もランダムなインコヒーレント自発放射を生じ、光信号を送出する。そのため、波長管理装置700は、光増幅器と同様の原理を利用して、目標光信号に代えて、自発放射増幅により仮想光信号を生じることができる。
【0085】
理解すべきものとして、光増幅器において光信号を増幅する中に、自発放射増幅は、ノイズに属し、光増幅器の伝送利得の品質を保証するために排除される必要がある。そのため、仮想光信号を生成する自発放射光源は、光信号の利得のための光増幅器ではない。
【0086】
例示的に、波長管理装置700に自発放射光源を設置し、自発放射により第1のディザスタートレランス組に対応する波長の光信号を生じることができ、自発放射により生じた光信号は、変調されないため、データ内容を携帯せず、仮想光信号として第1のフィルタリング光信号と合波し、トランク海底ケーブルにおける伝送信号パワーを安定化させることができる。
【0087】
本願の一部の実施例で、海底ケーブルシステムのディザスタートレランス後にトランク海底ケーブルにおける伝送信号パワーを向上させ、海底ケーブルシステムの伝送の品質を安定化させ、パワー競合による伝送性能劣化の問題を減少させ、非障害端の機器を正常に運転させるために、仮想光信号を生成した後、
図6に示すように、データ秘密保持方法は、以下をさらに含む。
【0088】
S621において、目標光信号のパワーと仮想光信号のパワーを決定する。
【0089】
波長管理装置700は、海底ケーブルシステムにおける光信号のパワーを検出可能な機器を利用し、第1の光信号と仮想光信号が波長管理装置700に送信される中に、第1の光信号における目標光信号及び波長管理装置700自体が生成した仮想光信号を検出し、それにより目標光信号と仮想光信号に対応するパワー情報を取得する。
【0090】
一部の実施例で、目標光信号のパワーは、他の方式で決定することができる。例示的に、波長管理装置700は、第1の端局から送出された第1の光信号のパワーを検出し、且つフィルタリングの後の第1のフィルタリング光信号のパワーを検出し、さらに2者の差により目標光信号のパワーを決定することができる。
【0091】
他の一部の実施例で、波長管理装置700は、海底ケーブルシステムの正常な運転中に、第1の光信号における異なる波長の光信号のパワー情報を検出し、上記ステップS401とS402において、異なる波長の光信号のパワー情報を波長に基づいて対応するディザスタートレランス組に書き込み、第1のディザスタートレランス組を決定した後、第1のディザスタートレランス組から目標光信号のパワーを得ることができる。
【0092】
S622において、仮想光信号のパワーが目標光信号のパワーと異なっていれば、仮想光信号のパワーを調整し、仮想光信号が目標光信号のパワーと同じになるようにする。
【0093】
波長管理装置700は、目標光信号のパワーと仮想光信号のパワーを決定した後、2者のパワーを比較し、仮想光信号のパワーが目標光信号のパワーと異なる場合、仮想光信号のパワーを調整することができる。例示的に、仮想光信号のパワーが目標光信号のパワーよりも大きければ、仮想光信号を減衰し、仮想光信号のパワーが目標光信号のパワーよりも小さければ、仮想光信号を増幅する。
【0094】
理解すべきものとして、仮想光信号を減衰又は増幅することは、仮想光信号のパワーを目標光信号のパワーと同一レベルに調整し、目標光信号の置き換え中における光信号パワーの変化を減少させることを目的とする。フィルタリング及び合波を行う中に、機器と海底ケーブルとの間の挿入損失などの影響要因により、海底ケーブルシステムにおいて伝送された光信号のパワー変動値は、目標光信号又は仮想光信号のパワーよりも大きい可能性があり、その上で仮想光信号のパワーのみを目標光信号のパワーに調整し、合波後に得られた光信号のパワーは、第1の光信号のパワーと異なる状況がある。
【0095】
本願の一部の実施例で、第1のフィルタリング光信号と仮想光信号が合波した後、第1の光信号のパワーを検出することにより、合波した後に得られた光信号のパワーを第1の光信号のパワーの大きさに調整し、海底ケーブルシステムにおけるパワーを安定に保持させ、信号パワーの変化による伝送性能劣化の問題を減少させる。
【0096】
S630において、第1のフィルタリング光信号を仮想光信号と合波して出力する。
【0097】
仮想光信号を生成した後、仮想光信号を第1のフィルタリング光信号と合波し、さらにトランク海底ケーブルに出力して伝送し、第1の光信号における目標光信号を置き換える
という効果を達成することができる。
【0098】
上記実施形態によれば、目標光信号を置き換える時、まず第1の光信号における目標光信号をフィルタリングして除去すると同時に、生成した仮想光信号をフィルタリングして得られた第1のフィルタリング光信号と合波して出力し、目標光信号を置き換えるという目的を達成する。それとともに目標光信号を置き換える中に、仮想光信号に対してパワー制御を行い、パワー変化による伝送性能劣化を減少させ、非障害端機器間のデータ伝送を維持する。
【0099】
上記海底ケーブルシステムのデータ秘密保持方法に基づき、本願では、海底ケーブルシステムをさらに提供し、海底ケーブルシステムは、第1の端局、第2の端局、第1の端局と第2の端局との間に接続されたトランク海底ケーブル、及びトランク海底ケーブルに設置された少なくとも1つの光分岐装置を含む上で、
図7と
図8に示すように、海底ケーブルシステムは、第1の端局の出光側と第1の端局に最も近い光分岐装置との間に設置された波長管理装置700をさらに含み、当該波長管理装置700は、上記各実施例が提供したデータ秘密保持方法を実行するために用いられることができる。
【0100】
当該波長管理装置700は、第1のブランチに障害が起こったことに応じて、第1のディザスタートレランス組を決定し、第1の光信号における目標光信号を仮想光信号に置き換えるために用いられる。そのうち、第1のブランチは、海底ケーブルシステムにおけるいずれかのブランチ海底ケーブルであり、第1のディザスタートレランス組は、第1の端局が第1のブランチ局に光信号を伝送するために使用される少なくとも1つの波長を含み、第1のブランチ局は、第1のブランチにおけるブランチ局である。
【0101】
波長管理装置700は、海底ケーブルシステムにおける各ブランチの伝送状況を監視測定し、それにより海底ケーブルシステムに障害が存在するか否かを判断することができる。例示的に、一部の実施例で、波長管理装置700は、光生成モジュール710とフィルタリング合波モジュール720を含み、それにより第1の端局が送出した第1の光信号における目標光信号を置き換える。理解すべきものとして、生成した仮想光信号を出力できるように、光生成モジュール710とフィルタリング合波モジュール720は、光ファイバー又はその他の光信号伝送可能な媒体で接続される。
【0102】
図9から
図11は、本願の実施例におけるデータ秘密保持方法の応用シーン図である。
図9に示すように、例示的に、海底ケーブルシステムの正常な運転中に、第1の端局は、波長がλ
1~λ
nである光信号を送出し、光信号は、第1の光分岐装置により、すなわち図示されたBUにより、一部が第1のブランチ局に波ダウンされ、第1のブランチ局は、波長がλ
1とλ
2である光信号を受信した後、この波長の光信号を変調し、それに第1のブランチ局の出力データを携帯させてから出力し、波長管理装置700は、この時、障害検出モジュール740により海底ケーブルシステムにおける第1のブランチの状態を検出する。
【0103】
具体的には、光生成モジュール710は、自発放射増幅光源(Amplified Spontaneous Emission、ASE)であってもよく、仮想光信号を生成するために用いられる。そのうち、自発放射光源は、光増幅器の構造に類似することができ、ポンプ光源により粒子を高レベルまで励起し、続いて励起された粒子は、自発放射を行い、光子を放射し、さらに増幅した後に光信号を形成する。上記構造は、すなわち自発放射光源の1つの実行可能な実施形態であり、自発放射光源の具体的な構成について本願では制限しない。
【0104】
フィルタリング合波モジュール720は、第1の光信号における目標光信号をフィルタ
リングして除去し、第1のフィルタリング光信号を得、且つ第1のフィルタリング光信号を仮想光信号と合波して出力するために用いられる。例示的に、フィルタリング合波モジュール720は、波長選択スイッチ(Wavelength Selective Switch、WSS)により実現することができる。波長選択スイッチは、自由空間光交換技術を用いて、マルチポートをサポートし、且ついずれかのポートの波長の任意の上り下りをサポートする。本願の実施例で、波長選択スイッチは、波長に基づいて第1の光信号における目標光信号をフィルタリングして除去することができ、第1のフィルタリング光信号を仮想光信号と合波して出力することもできる。
【0105】
一部の実施例で、海底ケーブルシステムにおける光信号のパワー変化を減少させるために、光信号の置き換え中に、さらに仮想光信号のパワーを制限することができる。このため、波長管理装置700は、パワー検出モジュール730をさらに含み、仮想光信号のパワー及び目標光信号のパワーを決定するために用いられる。
【0106】
例示的に、パワー検出モジュール730の機能は、光チャンネル検出ユニット(Optical Channel Monitoring、OCM)により実現することができ、光チャンネル検出ユニットは、第1の端局が送出した第1の光信号及び光生成モジュール710が生成した仮想光信号のパワーを検出することができ、光信号のパワーを検出するために、光チャンネル検出ユニットは、第1の光信号及び仮想光信号を受信する必要があり、それによりパワー検出を行ってフィルタリング合波モジュール720にパワー検出の結果を送信する。
【0107】
フィルタリング合波モジュール720を波長選択スイッチとし、パワー検出モジュール730を光チャンネル検出ユニットとすることを例とし、光チャンネル検出ユニットは、波長選択スイッチのみと光ファイバーで接続されてもよく、波長選択スイッチは、対応する光信号を受信した後、光チャンネル検出ユニットに波ダウンしてパワー検出を行う。一部の実施例で、光チャンネル検出ユニットは、それぞれ第1の端局、光生成モジュール710及び波長選択スイッチと光ファイバーで接続されてもよく、第1の端局が送信した第1の光信号及び光生成モジュール710が生成した仮想光信号をそれぞれ受信してパワーを検出し、さらにパワー検出結果を第1の光信号、仮想光信号と共に波長選択スイッチに送信する。
【0108】
図10及び
図11に示すように、海底ケーブルシステムにおける第1のブランチに伝送障害が起こることにより第1のブランチが中断した場合、波長管理装置700は、この障害を検出した後、波長λ
1とλ
2を第1のディザスタートレランス組とし、そのため、波長λ
1とλ
2の光信号は、目標光信号である。それにより光生成モジュール710が第1のディザスタートレランス組に対応する仮想光信号を生じるように制御し、且つフィルタリング合波モジュール720がパワー検出モジュール730の検出結果に基づいて仮想光信号に対してパワー制御を行い、さらに第1の光信号に対してフィルタリング及び合波を行い、それにより第1のブランチ局に伝送すべき光信号を、データを携帯しない仮想光信号に置き換え、データ漏洩のリスクを低減させる。
【0109】
一部の実施例で、パワー検出モジュール730は、第1の光信号のパワーを検出した後、第1の光信号のパワー検出結果を波長管理装置700に伝送し、海底ケーブルシステムに伝送障害のディザスタートレランスが起こって第1のディザスタートレランス組を決定する場合、第1のディザスタートレランス組に、第1のディザスタートレランス組における光信号に対応する光信号パワーを加え、すなわち第1のディザスタートレランス組に目標信号光の波長とパワー情報が含まれる。本実施例で、フィルタリング合波モジュール720が仮想光信号のパワーを受信した後、第1のディザスタートレランス組における目標光信号のパワーと仮想信号光のパワーを比較し、仮想光信号のパワーと目標光信号のパワ
ーが異なっていれば、フィルタリング合波モジュール720は、さらに仮想光信号のパワーを調整するために用いられ、仮想光信号が目標光信号のパワーと同じになるようにすることができる。
【0110】
仮想光信号と目標光信号のパワーを同じになるように調整し、仮想光信号で目標光信号を置き換えた後、第1の光信号のパワーが変化せず、海底ケーブルシステムの伝送安定性を向上させる。例示的に、フィルタリング合波モジュール720は、仮想光信号のパワーを調整する時、仮想光信号のパワーを増幅することと、仮想光信号のパワーを減衰することとを含む。
【0111】
光生成モジュール710を自発放射光源とし、フィルタリング合波モジュール720を波長選択スイッチとすることを例とし、自発放射光源は、自発放射増幅原理で仮想光信号を生成した場合、生じた光信号は、通常、高いパワーを有し、置き換えられた目標光信号のパワーよりも高い。そのため、一部の実施例では、波長選択スイッチは、減衰の大きさを調整することができ、仮想光信号のパワーを第1のディザスタートレランス組におけるパワーの大きさに低下させ、それにより海底ケーブルシステムにおいて伝送される光信号のパワーを安定化させ、海底ケーブルシステムのディザスタートレランス後のシステムの安定性を向上させる。
【0112】
一部の実施例で、波長管理装置700は、第1のブランチのブランチケーブル、第1のブランチ局及び第1の光分岐装置の動作状態を検出するために用いられる障害検出モジュール740をさらに含む。海底ケーブルシステムの正常な運転中に、障害検出モジュール740は、ブランチケーブル、ブランチ局及び光分岐装置のうちのいずれかの機器に障害が起こったことを検出した場合、このブランチに障害が起こり、ディザスタートレランスを行う必要がある。同様に、海底ケーブルシステムのディザスタートレランスの後、障害検出モジュール740は、第1のブランチのブランチケーブル、第1のブランチ局及び第1の光分岐装置がいずれも既に正常に運転していることを検出すれば、第1のブランチにおける障害が解消され、波長管理装置700により海底ケーブルシステムを動作状態に回復するように制御することができる。
【0113】
上記データ秘密保持方法における実施例から分かるように、第1のブランチは、ディザスタートレランス後、さらに第1の光分岐装置を制御して光路切り替えを行うことができる。そのため、一部の実施例で、波長管理装置700は、さらに第1のブランチに障害が起こったことに応じて、第1の光分岐装置を決定し、第1の光分岐装置を制御して光路切り替えを行い、第1のディザスタートレランス組における各波長に対応する光信号を第2の端局に伝送するために用いられる。
【0114】
図9に示すように、海底ケーブルシステムの正常な運転中に、光分岐装置の光路状態は、3つのポートの相互接続の状態にあり、
図10と
図11に示すように、第1のブランチに伝送障害が発生した後、波長管理装置700は、光分岐装置を制御して光路を第1の端局と第2の端局とを直接接続した状態に切り替える。
【0115】
さらに、第1のブランチの障害が解消された後、さらに第1の光分岐装置を制御して第1のブランチを導通させ、第1のブランチのデータ伝送機能を回復することができる。そのため、波長管理装置700は、さらに第1のブランチに障害解消が起こったことに応じて、第1の光信号における目標光信号をフィルタリングして除去することを停止し、且つ仮想光信号の生成を停止し、第1の光分岐装置を制御して光路切り替えを行い、目標光信号を第1のブランチ局に伝送するために用いられる。
【0116】
一部の実施例で、波長管理装置700は、さらに第1の端局が各ブランチ局に光信号を
伝送するために使用される波長を決定し、第1の端局が各ブランチ局に光信号を伝送するために使用される波長に基づき、各光分岐装置に対応するディザスタートレランス組をそれぞれ決定するために用いられる。そのうち、各光分岐装置に対応するディザスタートレランス組は、第1の端局が当該光分岐装置に接続されたブランチ局に光信号を伝送するために使用される少なくとも1つの波長を含む。
【0117】
理解すべきものとして、各光分岐装置に対応するディザスタートレランス組を決定する過程は、海底ケーブルシステムが正常な運転又は運転しない状態にある時、第1の端局が送信した異なる波長の光信号と異なるブランチ局との対応関係を設置することにより、各光分岐装置に対応するディザスタートレランス組を取得することである。各光分岐装置に対応するディザスタートレランス組を決定した後、海底ケーブルシステムにおける第1のブランチに障害が起こった場合、第1のブランチに対応する第1の光分岐装置により、対応するディザスタートレランス組を第1のディザスタートレランス組として決定することができる。
【0118】
本願の一部の実施例で、波長管理装置700は、複数設置されてもよく、それぞれ海底ケーブルシステムにおける各端局及びブランチ局の出力端に、1つの波長管理装置700が設置されてもよく、それにより各局に、対応するデータ秘密保持機能を提供する。例示的に、
図12に示すように、第1の端局と第2の端局の出力端にいずれも1つの波長管理装置700が設置され、そのうち、第1の端局の出力端に設置されたのは、波長管理装置700aであり、第2の端局の出力端に設置されたのは、波長管理装置700bである。当該海底ケーブルシステムにブランチ局の障害が起こった場合、波長管理装置700aは、第1の端局が出力した光信号におけるブランチ局に波ダウンすべき光信号を仮想光信号に置き換え、波長管理装置700bは、第2の端局が出力した光信号におけるブランチ局に波ダウンすべき光信号を仮想光信号に置き換え、当該海底ケーブルシステムに第1の端局障害が起こった場合、波長管理装置700bは、光分岐装置をブランチ局と第2の端局との相互接続のモードに調整し、且つ第2の端局が出力した光信号における第1の端局に送信すべき光信号を仮想光信号に置き換えることができ、当該海底ケーブルシステムに第2の端局障害が起こった場合、波長管理装置700aは、光分岐装置をブランチ局と第1の端局との相互接続のモードに調整し、且つ第1の端局が出力した光信号における第2の端局に送信すべき光信号を仮想光信号に置き換え、それによりデータ漏洩を防止することができる。
【0119】
図13と
図14に示すように、本願の一部の実施例では、海底ケーブルシステムのトランクに2つ及び以上のブランチ局が設置され、各ブランチ局は、1つの光分岐装置に対応する。図示において海底ケーブルシステムに2つのブランチ局が設置されることを例として説明し、そのうちの2つのブランチ局は、それぞれブランチ局aとブランチ局bであり、2つの光分岐装置は、それぞれBUaとBUbであり、且つブランチ局aは、BUaに接続され、ブランチ局bは、BUbに接続され、第1の端局が放出するのは、波長がλ
1~λ
nである光信号であり、ブランチ局aが受信と送信する光信号の波長は、λ
iであり、ブランチ局bが受信と送信する光信号の波長は、λ
jであり、そのうち、iとjは、1以上且つn以下であり、且つiとjは異なる。
【0120】
図13に示すように、海底ケーブルシステムの正常な運転中に、第1の端局が放出した波長がλ
1~λ
nである光信号は、BUaを経過する時、波長λ
iの光信号がブランチ局aに波ダウンされると同時に、ブランチ局aは、波長λ
iの光信号を送信してBUaに波アップし、上記実施例から分かるように、ブランチ局aが受信と送信する光信号に含まれるデータ内容に違いが存在する。続いて光信号が、BUbを経過する時、波長がλ
jである光信号は、ブランチ局bに波ダウンされると同時に、ブランチ局bは、波長がλ
jである光信号を送信してBUbに波アップする。海底ケーブルシステムにおける伝送により第
1の端局が送出する光信号が、第2の端局に伝送された前、秘密保持が必要なデータに対して分岐局で波ダウンと置き換えを行い、それにより海底ケーブルシステムにおけるデータ漏洩を低減させる。そのため、海底ケーブルシステムの正常な運転中に、波長管理装置700は、第1の端局が送出した光信号を操作せず、波長管理装置700は、システムにおける障害を検出する役割のみを果たす。
【0121】
波長管理装置700は、海底ケーブルシステムにおいてブランチの伝送障害を検出した場合、
図14に示すように、波長管理装置700によりブランチ局aが位置するブランチに伝送障害が起こったことを検出して取得し、ブランチ局aとBUaとの間の通信接続を中断させ、第1の端局が送出した光信号における波長がλ
iである光信号は、BUaによりブランチ局aに波ダウンされて受信と変調を行うことができないため、波長管理装置700は、BUaの光路を第1の端局と第2の端局との直接接続のモードに切り替え、且つ第1の端局が送出した光信号における波長がλ
iである光信号を、データを携帯しない仮想信号光に置き換え、波長がλ
iである光信号におけるデータが第2の端局に伝送されることを避け、それにより海底ケーブルシステムの秘密保持効果を向上させる。同様に、ブランチ局bに対応するブランチに伝送障害が起こった場合、処理方式は、上記ステップと同じであり、ブランチ局aに対応する光分岐装置と光信号をブランチ局bに対応する光分岐装置と光信号に変更すればよく、本実施例では、説明を省略する。
【0122】
以上の実施例の内容から分かるように、本願は、海底ケーブルシステム障害後のデータ秘密保持方法及び海底ケーブルシステムを提供し、方法は、第1のブランチに障害が起こったことに応じて、第1のディザスタートレランス組を決定するステップと、第1の光信号における目標光信号を仮想光信号に置き換えるステップと、を含み、そのうち、第1のブランチは、海底ケーブルシステムにおけるいずれかのブランチであり、第1のディザスタートレランス組は、第1の端局が第1のブランチに光信号を伝送するために使用する少なくとも1つの波長を含み、第1の光信号は、第1の端局が出力する光信号であり、目標光信号は、第1のディザスタートレランス組における各波長に対応する光信号を含み、仮想光信号は、データ内容を携帯しない光信号である。方法は、海底ケーブルシステムにおけるブランチに障害が起こってディザスタートレランスを行う時、第1のブランチに伝送される光信号の波長を決定し、且つそれを、データ情報を携帯しない仮想光信号に置き換える方式で、海底ケーブルシステムがディザスタートレランスされた後、第1のブランチの光信号を他の局に伝送せず、海底ケーブルシステムのディザスタートレランス後の伝送安定性を向上させ、データ漏洩のリスクを低減させる。
【0123】
本願にて提供される実施例の間の類似部分は、互いに参照すればよく、以上にて提供される具体的な実施形態は、本願の総構想におけるいくつかの例に過ぎず、本願の保護範囲を限定するものではない。当業者にとって、創造的な労力を行わない前提で、本願の解決手段に基づいて拡張された任意の他の実施形態は、いずれも本願の保護範囲に属する。