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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013103
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】滑り止め用ステント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/848 20130101AFI20250117BHJP
   A61F 2/90 20130101ALI20250117BHJP
   A61F 2/94 20130101ALI20250117BHJP
【FI】
A61F2/848
A61F2/90
A61F2/94
【審査請求】有
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023192033
(22)【出願日】2023-11-10
(31)【優先権主張番号】10-2023-0089800
(32)【優先日】2023-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】516374842
【氏名又は名称】ビーシーエム カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ミョン,ビョン チョル
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA44
4C267AA45
4C267AA46
4C267AA47
4C267AA50
4C267AA53
4C267BB02
4C267BB06
4C267BB12
4C267BB16
4C267BB20
4C267BB26
4C267BB40
4C267CC09
4C267FF05
4C267GG32
4C267HH08
4C267HH14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】滑り止め用ステントを提供する。
【解決手段】この滑り止め用ステント1000は、第1空間部を有する第1円筒状胴体110と、第1円筒状胴体の内面に螺旋状に形成されるPTFE材質の第1被膜部120と、第1円筒状胴体の外面全体に形成され、第1被膜部と接着されるPTFE材質の第2被膜部130とを含む第1ステント、並びに第2空間部を有し、第1円筒状胴体よりも長さが短く且つ大きい直径を有する第2円筒状胴体210と、第2円筒状胴体の一側が縮径されて形成された連結部220と、第2円筒状胴体及び連結部に形成されるシリコーン材質の第3被膜部とを含む第2ステント200、を備え、第1ステント100の一側に第2ステントが外嵌された後、第1ステントの一側に連結部が連結され、第2ステントは内腔に保持されることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内の内腔に発生した狭窄又は閉塞病変部位を拡張する第1ステントを含んでなり、
前記第1ステントは、超弾性形状記憶合金からなるワイヤーが網目構造の中空円筒状に編まれるか或いは交差することで前記ワイヤーの間に多数の第1空間部が形成された第1円筒状胴体と、前記第1円筒状胴体の内面に所定の間隔をあけて螺旋状に形成されるPTFE(polytetrafluoroethylene)材質の第1被膜部と、前記第1円筒状胴体の外面全体に形成され、第1被膜部と接着されるPTFE(polytetrafluoroethylene)材質の第2被膜部と、から構成される滑り止め用ステントにおいて、
超弾性形状記憶合金からなる前記ワイヤーで網状に編まれるか或いは交差して組まれることで多数の第2空間部を有し、前記第1ステントよりも長さが短く、前記第1ステントの一側に外嵌されて接続され、病変部位の発生した内腔に保持される第2ステントを含んでなり、
前記第2ステントは、中空円筒状に形成された第2円筒状胴体と、前記第2円筒状胴体の一側が縮径されて形成され、前記第1ステントに連結される連結部とから構成され、
前記第2円筒状胴体及び前記連結部には、シリコーン材質の第3被膜部が形成されることを特徴とする、滑り止め用ステント。
【請求項2】
前記第1ステントの一端の第1空間部と前記連結部の第2空間部とは、連結糸で縫合されて連結されることを特徴とする、請求項1に記載の滑り止め用ステント。
【請求項3】
前記第1ステントの一端と前記連結部とは、一体に形成されて連結されることを特徴とする、請求項1に記載の滑り止め用ステント。
【請求項4】
前記第2ステントの反対側に位置した前記第1円筒状胴体の一側には、突出部が突設され、
前記突出部には、第1被膜部及び第2被膜部が形成されないことを特徴とする、請求項1に記載の滑り止め用ステント。
【請求項5】
前記連結部と重なる前記第1円筒状胴体の一側には、第1被膜部及び第2被膜部が形成されないことを特徴とする、請求項1に記載の滑り止め用ステント。
【請求項6】
前記連結部には、第3被膜部が形成されないことを特徴とする、請求項1に記載の滑り止め用ステント。
【請求項7】
前記連結部と重なる前記第1円筒状胴体の一側には、第1被膜部及び第2被膜部が形成されず、
前記連結部には、第3被膜部が形成されないことを特徴とする、請求項1に記載の滑り止め用ステント。
【請求項8】
第2ステントと重なる前記第1円筒状胴体の一側の第1空間部は、前記第2ステントと重ならない前記第1円筒状胴体の残り部分の第1空間部よりも大きさが大きいことを特徴とする、請求項1に記載の滑り止め用ステント。
【請求項9】
前記第2空間部は、第1空間部よりも大きさが大きいことを特徴とする、請求項1に記載の滑り止め用ステント。
【請求項10】
前記第1ステントは、所定の長さだけ連結部から突出して前記連結部に連結されることを特徴とする、請求項1に記載の滑り止め用ステント。
【請求項11】
体内の内腔に発生した狭窄又は閉塞病変部位を拡張する第1ステントを含んでなり、
前記第1ステントは、超弾性形状記憶合金からなるワイヤーが網目構造の中空円筒状に編まれるか或いは交差することで、前記ワイヤーの間に多数の第1空間部が形成された第1円筒状胴体と、
前記第1円筒状胴体の内面全体に形成されたPTFE(Polytetrafluoroethylene)材質の第1被膜部と、
前記第1円筒状胴体の外面に所定の間隔をあけて螺旋状に形成されて第1被膜部と接着されるPTFE(Polytetrafluoroethylene)材質の第2被膜部とから構成される滑り止め用ステントにおいて、
超弾性形状記憶合金からなる前記ワイヤーで網状に編まれるか或いは交差して組まれることで多数の第2空間部が形成されながら前記第1ステントよりも長さが短く、前記第1ステントの一側に外嵌されて接続され、病変部位の発生した内腔に保持される第2ステントを含んでなり、
前記第2ステントは、中空円筒状に形成された第2円筒状胴体と、前記第2円筒状胴体の一側が縮径されて形成され、前記第1ステントに連結される連結部とから構成され、
前記第2円筒状胴体及び前記連結部には、シリコーン材質の第3被膜部が形成されることを特徴とする、滑り止め用ステント。
【請求項12】
前記第1ステントの一端の第1空間部と連結部の第2空間部とは、連結糸で縫合されて連結されることを特徴とする、請求項11に記載の滑り止め用ステント。
【請求項13】
前記第1ステントの一端と前記連結部とは、一体に形成されて連結されることを特徴とする、請求項11に記載の滑り止め用ステント。
【請求項14】
前記第2ステントの反対側に位置した前記第1円筒状胴体の一側には、突出部が突設され、
前記突出部には、第1被膜部及び第2被膜部が形成されないことを特徴とする、請求項11に記載の滑り止め用ステント。
【請求項15】
前記連結部と重なる前記第1円筒状胴体の一側には、第1被膜部及び第2被膜部が形成されないことを特徴とする、請求項11に記載の滑り止め用ステント。
【請求項16】
前記連結部には、第3被膜部が形成されないことを特徴とする、請求項11に記載の滑り止め用ステント。
【請求項17】
前記連結部と重なる前記第1円筒状胴体の一側には、第1被膜部及び第2被膜部が形成されず、
前記連結部には、第3被膜部が形成されないことを特徴とする、請求項11に記載の滑り止め用ステント。
【請求項18】
前記第2ステントと重なる前記第1円筒状胴体の一側の第1空間部は、前記第2ステントと重ならない前記第1円筒状胴体の残り部分の第1空間部よりも大きさが大きいことを特徴とする、請求項11に記載の滑り止め用ステント。
【請求項19】
前記第2空間部は、第1空間部よりも大きさが大きいことを特徴とする、請求項11に記載の滑り止め用ステント。
【請求項20】
前記第1ステントは、所定の長さだけ前記連結部から突出して前記連結部に連結されることを特徴とする、請求項11に記載の滑り止め用ステント。
【請求項21】
体内の内腔に発生した狭窄又は閉塞病変部位を拡張する第1ステントを含んでなり、
前記第1ステントは、超弾性形状記憶合金からなるワイヤーが網目構造の中空円筒状に編まれるか或いは交差することで、前記ワイヤーの間に多数の第1空間部が形成された第1円筒状胴体と、
前記第1円筒状胴体の内面に所定の間隔をあけて螺旋状に形成されるPTFE(Polytetrafluoroethylene)材質の第1被膜部と、
前記第1円筒状胴体の外面に所定の間隔をあけて第1被膜部と同じ螺旋状に形成され、前記第1被膜部と接着されるPTFE(Polytetrafluoroethylene)材質の第2被膜部とから構成される滑り止め用ステントにおいて、
超弾性形状記憶合金からなる前記ワイヤーで網状に編まれるか或いは交差して組まれることで多数の第2空間部が形成されながら前記第1ステントよりも長さが短く、前記第1ステントの一側に外嵌されて接続され、病変部位の発生した内腔に保持される第2ステントを含んでなり、
前記第2ステントは、中空円筒状に形成された第2円筒状胴体と、前記第2円筒状胴体の一側が縮径されて形成され、前記第1ステントに連結される連結部と、から構成され、
前記第2円筒状胴体及び前記連結部には、シリコーン材質の第3被膜部が形成されることを特徴とする、滑り止め用ステント。
【請求項22】
前記第1ステントの一端の第1空間部と連結部の第2空間部とは、連結糸で縫合されて連結されることを特徴とする、請求項21に記載の滑り止め用ステント。
【請求項23】
前記第1ステントの一端と前記連結部とは、一体に形成されて連結されることを特徴とする、請求項21に記載の滑り止め用ステント。
【請求項24】
前記第2ステントの反対側に位置した前記第1円筒状胴体の一側には、突出部が突設され、
前記突出部には、第1被膜部及び第2被膜部が形成されないことを特徴とする、請求項21に記載の滑り止め用ステント。
【請求項25】
前記連結部と重なる前記第1円筒状胴体の一側には、第1被膜部及び第2被膜部が形成されないことを特徴とする、請求項21に記載の滑り止め用ステント。
【請求項26】
前記連結部には、第3被膜部が形成されないことを特徴とする、請求項21に記載の滑り止め用ステント。
【請求項27】
前記連結部と重なる前記第1円筒状胴体の一側には、第1被膜部及び第2被膜部が形成されず、
前記連結部には、第3被膜部が形成されないことを特徴とする、請求項21に記載の滑り止め用ステント。
【請求項28】
前記第2ステントと重なる前記第1円筒状胴体の一側の第1空間部は、前記第2ステントと重ならない前記第1円筒状胴体の残り部分の第1空間部よりも大きさが大きいことを特徴とする、請求項21に記載の滑り止め用ステント。
【請求項29】
前記第2空間部は、第1空間部よりも大きさが大きいことを特徴とする、請求項21に記載の滑り止め用ステント。
【請求項30】
前記第1ステントは、所定の長さだけ前記連結部から突出して前記連結部に連結されることを特徴とする、請求項21に記載の滑り止め用ステント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体内の内腔に発生した狭窄又は閉塞病変部位を拡張しながら、移動する体液、飲食物の圧力、人体の揺れなどによる外力発生の際に、病変部位での滑りを防止する滑り止め用ステントに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、体内の内腔、例えば人体の食道、十二指腸、胆道などに狭窄又は閉塞病変部位が発生すると、体液や飲食物を移動させる体内の内腔としての固有の機能が低下するという問題点が発生したため、狭窄又は閉塞病変部位の位置にステントを挿入することで、狭くなった体内の内腔を拡張した。
【0003】
これに関連し、特許文献1は、1本以上の形状記憶合金ワイヤーを編んだりジグザグ状に交差させたりして空間部を形成し、両端には、多数の折曲端が円周に沿って形成された円筒状胴体からなる円筒状ステントを形成し、胆汁の移動のために前記空間部又は円筒状胴体全体を人体に無害なシリコーン又はPTFEで被覆した胆道用ステントにおいて、前記胆道用ステントの端部に形成された折曲端及びこれと共に形成された端部空間部を順次通過させながら、折曲端を挟んでジグザグ状に医療用糸を通し、医療用糸の両端を引っ張って結ぶことにより、前記折曲端が内側に向けて窄まりながら、移動折曲部によって小さくなった直径を有する胆汁排出部を備え、前記移動折曲部が構成している空間部の一部のみをシリコーン又はPTFEでコーティングして空間部の一部を遮断することを特徴とする、胆道ステントを提供した。
【0004】
しかし、上述した特許文献1の場合は、内腔に沿って移動する体液、飲食物の圧力、人体の揺れなどによる外力発生の際に、病変部位での滑りが生じるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1996524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、体内の内腔に発生した狭窄又は閉塞病変部位を拡張しながら、移動する体液、飲食物の圧力、人体の揺れなどによる外力発生の際に、病変部位での滑りが発生しないようにし、屈曲した形態の体内の内腔に合わせて変形し、病変部位への施術の完了後から一定時間が経過して除去するときに体内の内腔から容易に除去することができる、従来とは異なる構造の滑り止め用ステントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、体内の内腔に発生した狭窄又は閉塞病変部位を拡張する第1ステントを含んでなり、第1ステントは、超弾性形状記憶合金からなるワイヤーが網目構造の中空円筒状に編まれるか或いは交差することでワイヤーの間に多数の第1空間部が形成された第1円筒状胴体と、第1円筒状胴体の内面に所定の間隔をあけて螺旋状に形成されるPTFE材質の第1被膜部と、第1円筒状胴体の外面全体に形成され、第1被膜部に接着されるPTFE材質の第2被膜部と、から構成される滑り止め用ステントにおいて、超弾性形状記憶合金からなるワイヤーで網状に編まれるか或いは交差して組まれることで多数の第2空間部を有し、第1ステントよりも長さが短く、第1ステントの一側に外嵌されて接続され、病変部位の発生した内腔に保持される第2ステントを含んでなり、第2ステントは、中空円筒状に形成された第2円筒状胴体と、第2円筒状胴体の一側が縮径されて形成され、第1ステントに連結される連結部とから構成され、第2円筒状胴体及び連結部には、シリコーン材質の第3被膜部が形成されることを特徴とする、滑り止め用ステントを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、第1ステントで病変部位を拡張し、第1ステントから突出する第2ステントが内腔に保持されることにより、移動する体液、飲食物の圧力、人体の揺れなどによる外力発生の際に病変部位での滑りを防止するという効果がある。
【0009】
本発明は、第2ステントにPTFEではなくシリコーン材質の第3被膜部が形成されるため、シリコーン材質の第3被膜部がPTFEによって形成される被膜部よりは厚さが薄くなるという効果があるが、これにより、病変部位への施術の完了後から一定時間が経過して除去するとき、第1ステントを引き抜くと、PTFEよりも厚さが薄く形成されるシリコーン材質の第3被膜部によって第2ステントが容易に裏返されるという効果があるので、滑り止め用ステントを体内の内腔から容易に除去することができるという効果がある。
【0010】
本発明は、第1円筒状胴体の内面にPTFE材質の第1被膜部が螺旋状に形成されながら、第1円筒状胴体の外面全体に、第1被膜部に接着されるPTFE材質の第2被膜部が形成されるため、接着された第1被膜部及び第2被膜部が位置しない第1ステントの複数の部分が柔軟になるという効果がある。
【0011】
すなわち、滑り止め用ステントは、屈曲した内腔に合わせて柔軟に変形する効果と共に、接着状態を維持するPTFE材質の第1被膜部及び第2被膜部のため、屈曲変形した状態を維持するという効果がある。
【0012】
また、第1被膜部及び第2被膜部は、第1円筒状胴体の長手方向に沿って長く螺旋状に接着されるため、滑り止め用ステントが屈曲を維持することができるように広く支持する効果、及び、病変部位が第1空間部を介して第1ステントの内部に成長することを第1円筒状胴体の外面全体に形成された第2被膜部で防止するという効果がある。
【0013】
本発明は、第1円筒状胴体の内面全体にPTFE材質の第1被膜部が形成されながら、第1円筒状胴体の外面に第1被膜部に接着されるPTFE材質の第2被膜部が螺旋状に形成されるため、接着された第1被膜部及び第2被膜部が位置しない第1ステントの複数の部分が柔軟になる効果があり、これにより、滑り止め用ステントは、屈曲した内腔に合わせて柔軟に変形するという効果がある。
【0014】
また、滑り止め用ステントは、接着状態を維持するPTFE材質の第1被膜部及び第2被膜部のため、屈曲変形した状態を維持する効果と共に、第1被膜部及び第2被膜部は、第1円筒状胴体の長手方向に沿って長く螺旋状に接着されるため、滑り止め用ステントが屈曲を維持することができるように広く支持するという効果がある。
【0015】
また、第1被膜部及び第2被膜部に閉鎖されていない第1空間部は、病変部位が挿入されて保持されるという効果がある。
【0016】
また、病変部位が第1空間部を介して第1ステントの内部に成長することを、第1円筒状胴体の内面全体に形成された第1被膜部で防止するという効果がある。
【0017】
本発明は、第1円筒状胴体の内、外面に、互いに接着されるPTFE材質の第1被膜部及び第2被膜部が同一の螺旋状に形成されるため、第1ステントに第1被膜部及び第2被膜部がより少なく形成される効果、及び、接着された第1被膜部及び第2被膜部が位置しない第1ステントの複数の部分がより柔軟になる効果により、本発明の滑り止め用ステントは、さらに屈曲した内腔に合わせてより柔軟に変形するという効果がある。
【0018】
また、滑り止め用ステントは、接着状態を維持するPTFE材質の第1被膜部及び第2被膜部のため、屈曲変形した状態を維持するという効果がある。
【0019】
また、第1被膜部及び第2被膜部は、第1円筒状胴体の長手方向に沿って長く螺旋状に接着されるため、滑り止め用ステントが屈曲を維持することができるように広く支持するという効果がある。
【0020】
また、第1被膜部及び第2被膜部に閉鎖されていない第1空間部は、病変部位が挿入されて保持されるという効果がある。
【0021】
本発明は、突出部に第1、第2被膜部が形成されないため、突出部の第1空間部は、病変部位及び内腔が挿入されて保持されるので、本発明の滑り止め用ステントの両側が第2ステント及び突出部によって内腔に保持されるという効果がある。
【0022】
本発明は、第2ステントの連結部が第1ステントの一端に一体に形成されるため、連結糸で第1ステント及び第2ステントを連結する作業を行わなくてもよいので、本発明の滑り止め用ステントの製造が簡便であるという効果がある。
【0023】
また、連結糸を使用しないため、第2ステントが裏返されたときに連結糸によって連結部が折れることを防止するという効果があるが、これは、連結部の連結部位が裏返されて第1ステントの外側に突出しないため、滑り止め用ステント除去の際に、第2ステントの連結部が内腔に保持されることを低減するという効果がある。
【0024】
本発明は、連結部と重なる第1円筒状胴体の一側に第1被膜部及び第2被膜部が形成されないため、第1円筒状胴体の一側が柔軟になるという効果があるが、これは、第1円筒状胴体の一側が第1ステントを引っ張る外力によって伸ばされながら体積が縮小されるという効果、すなわち、滑り止め用ステントがより少なく内腔に保持されながら容易に除去されるという効果がある。
【0025】
また、第1ステントの一端と連結部との連結部位は、第1被膜部及び第2被膜部が形成されないながら厚さが薄くなるため、連結糸がより少なく第2ステントの外側に突出するという効果があるが、これは、滑り止め用ステントをステント送達システムに装着するとき、ステント送達システムの外部チューブに連結糸及び第2ステントが保持されることを低減するという効果がある。
【0026】
言い換えれば、滑り止め用ステントをステント送達システムに容易に装着することができるという効果と共に、第1被膜部及び第2被膜部が形成されないため、第1、第2ステントの第1、第2空間部を連結糸で縫合する作業が簡便になるという効果がある。
【0027】
本発明は、連結部に第3被膜部が形成されないため、連結部が柔軟になるが、これは、第1ステントを引き抜く外力によって第2ステントの連結部が容易に変形しながらよく裏返されるようにすることにより、本発明の滑り止め用ステントを容易に除去するという効果がある。
【0028】
また、第1ステントの一端と連結部との連結部位は、第3被膜部が形成されず厚さが薄くなるため、連結糸がより少なく第2ステントの外側に突出するので、本発明の滑り止め用ステントをステント送達システムに装着するとき、ステント送達システムの外部チューブに連結糸及び第2ステントが保持されることを低減するという効果がある。
【0029】
言い換えれば、滑り止め用ステントをステント送達システムに容易に装着することができるという効果がある。
【0030】
また、第3被膜部が形成されないため、第1、第2ステントの第1、第2空間部を連結糸で縫合する作業が簡便になるという効果がある。
【0031】
本発明は、連結部と重なる第1円筒状胴体の一側に第1、第2被膜部が形成されず、連結部に第3被膜部が形成されないため、第1円筒状胴体の一側及び連結部が柔軟になるので、第1円筒状胴体の一側が第1ステントを引っ張る外力によって伸ばされて体積が減少するという効果がある。
【0032】
言い換えれば、滑り止め用ステントがより少なく内腔に保持されて容易に除去されるという効果がある。
【0033】
また、第1ステントを引っ張る外力によって第2ステントの連結部が容易に変形しながらよく裏返されるので、滑り止め用ステントが内腔に施術された位置から容易に除去されるという効果がある。
【0034】
また、第1ステントの一端と連結部との連結部位は、第1、第2、第3被膜部が形成されなくて厚さが薄くなるため、連結糸がよく少なく第2ステントの外側に突出するように構成されるが、これは、滑り止め用ステントをステント送達システムに装着するとき、ステント送達システムの外部チューブに連結糸及び第2ステントが保持されることを低減するという効果がある。
【0035】
言い換えれば、滑り止め用ステントをステント送達システムに容易に装着することができるという効果がある。
【0036】
また、第1、第2、第3被膜部が形成されないため、第1、第2ステントの第1、第2空間部を連結糸で縫合する作業が簡便になるという効果がある。
【0037】
本発明は、第2ステントと重なる第1円筒状胴体の一側の第1空間部が、第2ステントと重ならない第1円筒状胴体の残り部分の第1空間部よりも大きさが大きいため、第2ステントと重なる第1円筒状胴体の一側の弾性が弱くなるので、第1円筒状胴体の一側が第1ステントを引っ張る外力によって伸ばされて体積が減少するという効果がある。
【0038】
言い換えれば、滑り止め用ステントがより少なくとも内腔に保持されて容易に除去されるという効果がある。
【0039】
本発明は、第2空間部が第1空間部よりも大きさが大きいため、第2ステントの弾性が弱くなるので、第1ステントを引っ張る外力によって第2ステントが容易に変形しながらよく裏返されるという効果があるが、これは、本発明の滑り止め用ステントが容易に除去されるという効果がある。
【0040】
本発明は、第1ステントが所定の長さだけ連結部から突出して連結糸で連結されるため、第1ステントの一端と連結部の一端とが同時に内腔に保持されることを防止する作用により、内腔に対する刺激を低減するという効果がある。
【0041】
また、ステント送達システムへの装着の際に、より少なく外部チューブに保持されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明の第1実施形態による滑り止め用ステントの分解図、結合図及び部分拡大断面図である。
図2】本発明の第1実施形態による滑り止め用ステントの分解図、結合図及び部分拡大断面図である。
図3】本発明の第1実施形態による滑り止め用ステントの分解図、結合図及び部分拡大断面図である。
図4】本発明の第1実施形態による滑り止め用ステントの分解図、結合図及び部分拡大断面図である。
図5】本発明の第1実施形態による滑り止め用ステントの分解図、結合図及び部分拡大断面図である。
図6】本発明の第1実施形態による滑り止め用ステントの分解図、結合図及び部分拡大断面図である。
図7】本発明の第1実施形態による滑り止め用ステントの使用状態図である。
図8】本発明の第1実施形態による滑り止め用ステントの使用状態図である。
図9】本発明の第1実施形態による滑り止め用ステントの使用状態図である。
図10】本発明の第1実施形態による滑り止め用ステントの使用状態図である。
図11】本発明の第1実施形態の第1変形例による滑り止め用ステントの正面図及び使用状態図である。
図12】本発明の第1実施形態の第1変形例による滑り止め用ステントの正面図及び使用状態図である。
図13】本発明の第1実施形態の第2変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図14】本発明の第1実施形態の第2変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図15】本発明の第1実施形態の第2変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図16】本発明の第1実施形態の第3変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図17】本発明の第1実施形態の第3変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図18】本発明の第1実施形態の第3変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図19】本発明の第1実施形態の第4変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図20】本発明の第1実施形態の第4変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図21】本発明の第1実施形態の第4変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図22】本発明の第1実施形態の第5変形例による滑り止め用ステントの正面図及び使用状態図である。
図23】本発明の第1実施形態の第5変形例による滑り止め用ステントの正面図及び使用状態図である。
図24】本発明の第1実施形態の第5変形例による滑り止め用ステントの正面図及び使用状態図である。
図25】本発明の第1実施形態の第5変形例による滑り止め用ステントの正面図及び使用状態図である。
図26】本発明の第1実施形態の第6変形例による滑り止め用ステントの正面図である。
図27】本発明の第2実施形態による滑り止め用ステントの分解図、結合図及び部分拡大断面図である。
図28】本発明の第2実施形態による滑り止め用ステントの分解図、結合図及び部分拡大断面図である。
図29】本発明の第2実施形態による滑り止め用ステントの分解図、結合図及び部分拡大断面図である。
図30】本発明の第2実施形態による滑り止め用ステントの分解図、結合図及び部分拡大断面図である。
図31】本発明の第2実施形態による滑り止め用ステントの分解図、結合図及び部分拡大断面図である。
図32】本発明の第2実施形態による滑り止め用ステントの分解図、結合図及び部分拡大断面図である。
図33】本発明の第2実施形態による滑り止め用ステントの使用状態図である。
図34】本発明の第2実施形態による滑り止め用ステントの使用状態図である。
図35】本発明の第2実施形態による滑り止め用ステントの使用状態図である。
図36】本発明の第2実施形態による滑り止め用ステントの使用状態図である。
図37】本発明の第2実施形態による滑り止め用ステントの使用状態図である。
図38】本発明の第2実施形態の第1変形例による滑り止め用ステントの正面図及び使用状態図である。
図39】本発明の第2実施形態の第1変形例による滑り止め用ステントの正面図及び使用状態図である。
図40】本発明の第2実施形態の第2変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図41】本発明の第2実施形態の第2変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図42】本発明の第2実施形態の第2変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図43】本発明の第2実施形態の第3変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図44】本発明の第2実施形態の第3変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図45】本発明の第2実施形態の第3変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図46】本発明の第2実施形態の第4変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図47】本発明の第2実施形態の第4変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図48】本発明の第2実施形態の第4変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図49】本発明の第2実施形態の第5変形例による滑り止め用ステントの正面図及び使用状態図である。
図50】本発明の第2実施形態の第5変形例による滑り止め用ステントの正面図及び使用状態図である。
図51】本発明の第2実施形態の第5変形例による滑り止め用ステントの正面図及び使用状態図である。
図52】本発明の第2実施形態の第5変形例による滑り止め用ステントの正面図及び使用状態図である。
図53】本発明の第2実施形態の第6変形例による滑り止め用ステントの正面図である。
図54】本発明の第3実施形態による滑り止め用ステントの分解図、結合図及び部分拡大断面図である。
図55】本発明の第3実施形態による滑り止め用ステントの分解図、結合図及び部分拡大断面図である。
図56】本発明の第3実施形態による滑り止め用ステントの分解図、結合図及び部分拡大断面図である。
図57】本発明の第3実施形態による滑り止め用ステントの分解図、結合図及び部分拡大断面図である。
図58】本発明の第3実施形態による滑り止め用ステントの分解図、結合図及び部分拡大断面図である。
図59】本発明の第3実施形態による滑り止め用ステントの分解図、結合図及び部分拡大断面図である。
図60】本発明の第3実施形態による滑り止め用ステントの使用状態図である。
図61】本発明の第3実施形態による滑り止め用ステントの使用状態図である。
図62】本発明の第3実施形態による滑り止め用ステントの使用状態図である。
図63】本発明の第3実施形態による滑り止め用ステントの使用状態図である。
図64】本発明の第3実施形態による滑り止め用ステントの使用状態図である。
図65】本発明の第3実施形態の第1変形例による滑り止め用ステントの正面図及び使用状態図である。
図66】本発明の第3実施形態の第1変形例による滑り止め用ステントの正面図及び使用状態図である。
図67】本発明の第3実施形態の第2変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図68】本発明の第3実施形態の第2変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図69】本発明の第3実施形態の第2変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図70】本発明の第3実施形態の第3変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図71】本発明の第3実施形態の第3変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図72】本発明の第3実施形態の第3変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図73】本発明の第3実施形態の第4変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図74】本発明の第3実施形態の第4変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図75】本発明の第3実施形態の第4変形例による滑り止め用ステントの正面図、部分拡大断面図及び使用状態図である。
図76】本発明の第3実施形態の第5変形例による滑り止め用ステントの正面図及び使用状態図である。
図77】本発明の第3実施形態の第5変形例による滑り止め用ステントの正面図及び使用状態図である。
図78】本発明の第3実施形態の第5変形例による滑り止め用ステントの正面図及び使用状態図である。
図79】本発明の第3実施形態の第5変形例による滑り止め用ステントの正面図及び使用状態図である。
図80】本発明の第3実施形態の第6変形例による滑り止め用ステントの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、上述した本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0044】
図1乃至図80に示すように、本発明の様々な実施形態及び様々な変形例による滑り止め用ステント1000は、カテーテルなどのステント送達システムによる人体の食道、十二指腸、胆道などの体内の内腔1に挿入され、前記内腔1に発生した狭窄又は閉塞病変部位1aを拡張するときに使用される。
【0045】
図1乃至図10に示すように、本発明の第1実施形態による前記滑り止め用ステント1000は、第1ステント100と、前記第1ステント100の一側に外嵌されて連結糸300によって連結される第2ステント200と、を含む。
【0046】
前記第1ステント100は、超弾性形状記憶合金からなるワイヤー2が網目構造の中空円筒状に編まれるか或いは交差することで、前記ワイヤー2の間に多数の第1空間部111が形成された第1円筒状胴体110を含む。
【0047】
ここで、前記第1ステント100は、熱処理され、第1空間部111の周辺には、ワイヤー2が編まれた編み部、及び前記ワイヤー2の交差した交差部が形成されるとともに、前記第1空間部111は、菱形などに似た形状に形成される。
【0048】
前記第1ステント100は、前記第1円筒状胴体110の内面に所定の間隔をあけて螺旋状に形成されるPTFE(Polytetrafluoroethylene)材質の第1被膜部120と、前記第1円筒状胴体110の外面全体に形成され、第1被膜部120と接着されるPTFE(Polytetrafluoroethylene)材質の第2被膜部130と、を含む。
【0049】
ここで、前記第1、第2被膜部120、130は、加熱及び加圧によって互いに接着され、多数の第1空間部111の一部は、互いに接着された前記第1、第2被膜部120、130によって閉鎖される。
【0050】
すなわち、前記第1、第2被膜部120、130によって閉鎖された第1空間部111は、外力によって容易に変形することができない状態となり、前記第1被膜部120は、螺旋状に第1円筒状胴体110の内面の一部に形成されるため、前記第1円筒状胴体110の外面全体に形成された第2被膜部130の一部は、第1被膜部120と接着されない。
【0051】
これは、前記第2被膜部130の一部は接着する対象物がないので自由な状態になるため、第1、第2被膜部120、130によって閉鎖されていない残りの第1空間部111は、外力によって変形する可能性のある状態になる。
【0052】
言い換えれば、前記第1円筒状胴体110の様々な部分は、自由な第2被膜部130によって柔軟性を有し、前記第1円筒状胴体110の残りの部分は、接着状態を維持する第1、第2被膜部120、130によって柔軟性を有しなくなる。
【0053】
また、前記第1被膜部120に形成される間隔は、一定であってもよく、一定でなくてもよい。
【0054】
前記第1ステント100は、第2ステント200の反対側に位置した第1円筒状胴体110の一側に突設された突出部140を含み、このとき、前記突出部140は、第1、第2被膜部120、130を形成されないようにして、前記突出部140の第1空間部111を閉鎖されないようにする。
【0055】
前記第2ステント200は、超弾性形状記憶合金からなるワイヤー2が網目構造で中空円筒状に編まれるか或いは交差することで、前記ワイヤー2の間に多数の第2空間部211が形成され、第1円筒状胴体110よりも長さが短く且つ大きい直径を有する第2円筒状胴体210と、前記第2円筒状胴体210の一側が縮径されて形成された連結部220と、を含む。
【0056】
ここで、前記第2ステント200は、熱処理され、第2空間部211の周辺には、ワイヤー2が編まれた編み部、及び前記ワイヤー2の交差した交差部が形成されるとともに、前記第2空間部211は、菱形などに似た形状に形成され、前記第2ステント200は、第2円筒状胴体210及び連結部220に形成されるシリコーン材質の第3被膜部230を含む。
【0057】
このような前記第3被膜部230は、多数の第2空間部211をシリコーン溶液に含浸又はスプレーでコーティングされるようにすることで、前記第2空間部211をシリコーン材質の第3被膜部230で閉鎖されるようにする。
【0058】
前記第2ステント200にPTFEではなくシリコーン材質の第3被膜部230が形成される理由を説明すると、前記PTFEの場合には、一対からなり、第2ステント200の内、外面に互いに対向するように位置した後、加熱及び加圧によって接着されるため、前記シリコーン材質の第3被膜部230よりも厚さの厚いPTFE被膜部が第2ステント200に形成される。
【0059】
これにより、前記病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後に一定時間が経過して前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引き抜いて除去するとき、厚さが厚くなったPTFE被膜部のために第2ステント200が巻かれながら多重に重なり合うおそれがあるとともに、多重に重なり合った前記第2ステント200が硬直して第1ステント100を引っ張る方向とは反対の方向に裏返されないおそれがあった。
【0060】
すなわち、前記滑り止め用ステント1000が内腔1から抜け出ることなく、硬直した第2ステント200によって前記内腔1が損傷するおそれがあった。
【0061】
しかし、このような場合には、上述した問題点はあるものの、本発明の前記滑り止め用ステント1000が滑ろうとするときに、滑りを防止しようとする第2ステント200が下方に移動すると、前記第2ステント200が巻かれながら多重に重なり合ってラジアルフォース(Radial Force)が強くなるため、むしろ滑り止め用ステント1000が滑ることを防止するという効果がある。
【0062】
ところが、このような利点はあるものの、結局は、前記滑り止め用ステント1000の除去時に上記の問題点があるので、かかる問題点を解決するために、本発明の第2ステント200には、PTFEではなくシリコーン材質の第3被膜部230を形成して第3被膜部230の厚さを薄く形成する構成が有利である。
【0063】
言い換えれば、本発明の前記第2ステント200には、PTFEではなくシリコーン材質の第3被膜部230を形成して前記第3被膜部230の厚さを薄く形成した。
【0064】
前記滑り止め用ステント1000は、第1ステント100の一側に第2ステント200が外嵌された後、前記第1ステント100の一端の第1空間部111と連結部220の第2空間部211とが連結糸300で周方向に沿って縫合されて連結されて製造される。
【0065】
ここで、前記第1ステント100の一端と連結部220の一端とは、ほぼ同一線上に位置する。
【0066】
そこで、体内の内腔1、例えば、前記人体の食道、十二指腸、胆道などに発生した狭窄又は閉塞病変部位1aに滑り止め用ステント1000をカテーテルなどのステント送達システムを介して挿入させて施術することにより、図7に示すように、前記第1ステント100は、体内内腔1に発生した病変部位1aを拡張し、前記第2ステント200は、病変部位1aの発生した内腔1に挿入されて保持される。
【0067】
そして、前記第1円筒状胴体110の外面全体に形成された第2被膜部130は、病変部位1aが第1空間部111に挿入されることを防止するが、もちろん、前記第2ステント200が病変部位1aに位置すると、第3被膜部230は、病変部位1aが第2空間部211に挿入されることを防止する。
【0068】
図8に示すように、前記突出部140は、第1空間部111に内腔1及び病変部位1aが挿入されて保持される。
【0069】
図9に示すように、前記体内の内腔1に発生した狭窄又は閉塞病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後に一定時間が経過すると、これを除去する必要があるが、このとき、カテーテルなどのステント送達システムによって前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100の突出部140を引っ張る。
【0070】
このような作用により、前記第2ステント200は、内腔1に密着しているため、第1ステント100を引っ張る方向の反対方向に裏返されるので、前記第2ステント200は、内腔1に保持されなくなり、本発明の滑り止め用ステント1000は、前記内腔1から容易に抜け出ることができる。
【0071】
図10に示すように、前記滑り止め用ステント1000が、屈曲した内腔1に位置すると、自由な第2被膜部130によって柔軟性を有する第1ステント100の複数の部分は、第1空間部111が変形するが、これは、屈曲した内腔1の形状に合わせて前記滑り止め用ステント1000が容易に変形することを意味する。
【0072】
このとき、接着状態を維持する前記第1、第2被膜部120、130によって柔軟性を有しなくなった第1ステント100の残り部分は、第1空間部111が容易に変形しなくなるが、これは、自由な前記第2被膜部130に位置した第1空間部111は外力の伝達を受けない限り、接着状態を維持する第1、第2被膜部120、130に位置して容易に変形しない第1空間部111によって、変形した状態を維持する意味であり、すなわち、滑り止め用ステント1000は、屈曲変形した状態を維持するという意味である。
【0073】
図11及び図12に示すように、本発明の第1実施形態の第1変形例による前記滑り止め用ステント1000の第2ステント200は、連結糸300なしで第1ステント100の一端に連結部220が一体に形成されて連結され、前記滑り止め用ステント1000の施術後から一定時間が経過して除去が必要な場合が発生する。このとき、前記第1滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張ると、第2ステント200は、内腔1に密着しているので、前記第1ステント100を引っ張る方向とは反対の方向に裏返されながら内腔1に保持されなくなり、前記内腔1から滑り止め用ステント1000を除去する。
【0074】
また、前記連結部220は、連結糸300がないため、前記連結糸300によって一部の折れる部分が発生しなくなる。
【0075】
すなわち、前記第1ステント100の一端に連結された連結部220の連結部位は、裏返されながら前記第1ステント100の外側に突出しなくなるので、本発明の滑り止め用ステント1000は、内腔1から容易に抜け出る。
【0076】
図13乃至図15に示すように、本発明の第1実施形態の第2変形例による前記滑り止め用ステント1000において、連結部220と重なる第1円筒状胴体110の一側は、第1、2被膜部120、130が形成されない。
【0077】
すなわち、前記連結部220と重なる第1円筒状胴体110の一側は、第1、第2被膜部120、130が形成されずに柔軟性を有する。
【0078】
また、前記第1ステント100の一端と連結部220との連結部位は、第1、第2被膜部120、130が形成されないながら厚さが薄くなるように構成される。
【0079】
このような構成は、前記病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後、一定時間が経過すると、これを除去する必要がある。この際、前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張ると、前記第2ステント200は、内腔1に密着しているので、第1ステント100を引っ張る方向とは反対の方向に裏返されるようになり、前記第1、第2被膜部120、130が形成されずに柔軟性を有する第1円筒状胴体110の一側は、第1ステント100を引っ張る外力によって容易に変形しながら伸ばされるので、本発明の滑り止め用ステント1000は、内腔1から容易に抜け出る。
【0080】
図16乃至図18に示すように、本発明の第1実施形態の第3変形例による前記滑り止め用ステント1000において、連結部220は、第3被膜部230が形成されない。
【0081】
すなわち、前記連結部220は、第3被膜部230が形成されずに柔軟性を有し、前記第1ステント100の一端と連結部220との連結部位は、第3被膜部230が形成されずに厚さが薄くなるように構成される。
【0082】
このような構成は、前記病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後、一定時間が経過すると、これを除去する必要がある。このとき、前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張ると、第2ステント200は、内腔1に密着しているので、前記第1ステント100を引っ張る方向の反対方向に裏返される。
【0083】
ここで、前記第2ステント200は、第3被膜部230が形成されずに柔軟性を有する連結部220によって、第1ステント100を引っ張る外力によって容易に変形しながらよく裏返される。
【0084】
このような理由のため、本発明の前記滑り止め用ステント1000は、内腔1から容易に抜け出る。
【0085】
図19乃至図21に示すように、本発明の第1実施形態の第4変形例による前記滑り止め用ステント1000において、連結部220と重なる第1円筒状胴体110の一側は、第1、第2被膜部120、130が形成されず、連結部220は、第3被膜部230が形成されない。
【0086】
すなわち、前記連結部220と重なる第1円筒状胴体110の一側は、第1、第2被膜部120、130が形成されずに柔軟性を有し、連結部220は、第3被膜部230が形成されずに柔軟性を有する。
【0087】
また、前記第1ステント100の一端と連結部220との連結部位は、第1、第2、第3被膜部120、130、230が形成されずに厚さが薄くなるように構成される。
【0088】
このような構成は、前記病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後、一定時間が経過すると、これを除去する必要がある。このとき、前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張ると、第2ステント200は、内腔1に密着しているので、前記第1ステント100を引っ張る方向の反対方向に裏返される。
【0089】
ここで、前記第2ステント200は、第3被膜部230が形成されずに柔軟性を有する連結部220のため、第1ステント100を引っ張る外力によって容易に変形しながらよく裏返される。
【0090】
そして、前記第1、第2被膜部120、130が形成されずに柔軟性を有する第1円筒状胴体110の一側は、第1ステント100を引っ張る外力によって容易に変形しながら伸ばされるので、本発明の滑り止め用ステント1000は、内腔1から容易に抜け出る。
【0091】
図22及び図25に示すように、本発明の第1実施形態の第5変形例による前記滑り止め用ステント1000において、第2ステント200と重なる第1円筒状胴体110の一側の第1空間部111は、前記第2ステント200と重ならない第1円筒状胴体110の残り部分の第1空間部111よりも2~4倍大きく形成される。
【0092】
すなわち、前記第2ステント200と重なる第1円筒状胴体110の一側は、前記第2ステント200と重ならない第1円筒状胴体110の残り部分よりも弾性が弱くなる。
【0093】
このような構成は、前記病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後、一定時間が経過すると、これを除去する必要がある。このとき、前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張ると、前記第2ステント200と重なる第1円筒状胴体110の一側は弾性が弱いので、前記第1ステント100を引っ張る外力によって容易に変形しながら伸ばされる。
【0094】
そして、前記第2ステント200の第2空間部211は、前記第2ステント200と重ならない第1円筒体110の一側の第1空間部111よりも大きさが2~4倍大きく形成されるため、前記第2ステント200は、弾性が弱くなる。
【0095】
このような構成は、前記病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後に、一定時間が経過すると、これを除去する必要があるが、このとき、前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張ると、第2ステント200は、弾性が弱いため、第1ステント100を引っ張る外力によって容易に変形しながらよく裏返されるようになり、本発明の滑り止め用ステント1000は、内腔1から容易に抜け出る。
【0096】
図26に示すように、本発明の第1実施形態の第6変形例による前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100は、所定の長さLだけ連結部220から突出しながら、連結糸300によって前記連結部220に縫合されて連結される。
【0097】
ここで、前記長さLは3~5mmであるため、第1ステント100の一端と連結部220の一端とは、同一線上に位置しなくなる。
【0098】
図27及び図37に示すように、本発明の第2実施形態による前記滑り止め用ステント1000は、第1ステント100と、前記第1ステント100の一側に外嵌されて連結糸300によって連結される第2ステント200と、を含む。
【0099】
前記第1ステント100は、超弾性形状記憶合金からなるワイヤー2が網目構造の中空円筒状に編まれるか或いは交差することで、前記ワイヤー2の間に多数の第1空間部111が形成された第1円筒状胴体110を含む。
【0100】
ここで、前記第1ステント100は、熱処理され、第1空間部111の周辺には、ワイヤー2が編まれた編み部、及び前記ワイヤー2の交差した交差部が形成されるとともに、前記第1空間部111は、菱形などに似た形状に形成される。
【0101】
前記第1ステント100は、第1円筒状胴体110の内面全体に形成されたPTFE(Polytetrafluoroethylene)材質の第1被膜部120と、前記第1円筒状胴体110の外面に所定の間隔をあけて螺旋状に形成され、第1被膜部120と接着されるPTFE(Polytetrafluoroethylene)材質の第2被膜部130と、を含む。
【0102】
ここで、前記第1、第2被膜部120、130は、加熱及び加圧によって互いに接着され、多数の第1空間部111の一部は、互いに接着された前記第1、第2被膜部120、130によって閉鎖される。
【0103】
すなわち、前記第1、第2被膜部120、130によって閉鎖された第1空間部111は、外力によって容易に変形することができない状態となり、前記第2被膜部130は、螺旋状に第1円筒状胴体110の外面の一部に形成されるため、前記第1円筒状胴体110の内面全体に形成された第1被膜部120の一部は、第2被膜部130と接着されない。
【0104】
これは、前記第1被膜部120の一部は接着する対象物がないので自由な状態になるため、第1、第2被膜部120、130によって閉鎖されていない残りの第1空間部111は、外力によって変形可能な状態となる。
【0105】
言い換えれば、前記第1円筒状胴体110の複数の部分は、自由な第1被膜部120によって柔軟性を有し、前記第1円筒状胴体110の残り部分は、接着状態を維持する第1、第2被膜部120、130によって柔軟性を有しなくなる。
【0106】
また、前記第2被膜部130に形成される間隔は、一定であってもよく、一定でなくてもよい。
【0107】
前記第1ステント100は、第2ステント200の反対側に位置した第1円筒状胴体110の一側に突設された突出部140を含み、このとき、前記突出部140は、第1、第2被膜部120、130を形成されないようにして、前記突出部140の第1空間部111は閉鎖されないようにする。
【0108】
前記第2ステント200は、超弾性形状記憶合金からなるワイヤー2が網目構造の中空円筒状に編まれるか或いは交差することで、前記ワイヤー2の間に多数の第2空間部211が形成され、第1円筒状胴体110よりも長さが短く且つ大きい直径を有する第2円筒状胴体210と、前記第2円筒状胴体210の一側が縮径されて形成された連結部220と、を含む。
【0109】
ここで、前記第2ステント200は、熱処理され、第2空間部211の周辺には、ワイヤー2が編まれた編み部、及び前記ワイヤー2の交差した交差部が形成されるとともに、前記第2空間部211は、菱形などに似た形状に形成され、前記第2ステント200は、第2円筒状胴体210及び連結部220に形成されるシリコーン材質の第3被膜部230を含む。
【0110】
このような前記第3被膜部230は、複数の第2空間部211をシリコーン溶液に含浸又はスプレーでコーティングされるようにして、前記第2空間部211をシリコーン材質の第3被膜部230で閉鎖されるようにする。
【0111】
前記第2ステント200にPTFEではなくシリコーン材質の第3被膜部230が形成される理由を説明すると、前記PTFEの場合には、一対からなり、第2ステント200の内、外面に互いに対向するように位置した後、加熱及び加圧によって接着されるため、前記シリコーン材質の第3被膜部230よりも厚さの厚いPTFE被膜部が第2ステント200に形成される。
【0112】
これにより、前記病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後、一定時間が経過して前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張りながら除去するとき、厚さが厚くなったPTFE被膜部のために第2ステント200が巻かれながら多重に重なり合うおそれがあるとともに、多重に重なり合った前記第2ステント200が硬直して第1ステント100を引っ張る方向とは反対の方向に裏返されないおそれがあった。
【0113】
すなわち、前記滑り止め用ステント1000が内腔1から抜け出ることができないため、硬直した第2ステント200によって前記内腔1が損傷するおそれがあった。
【0114】
かかる問題点を解決するために、本発明の前記第2ステント200には、PTFEではなくシリコーン材質の第3被膜部230を形成して前記第3被膜部230の厚さを薄く形成した。
【0115】
前記滑り止め用ステント1000は、第1ステント100の一側に第2ステント200が外嵌された後、前記第1ステント100の一端の第1空間部111と連結部220の第2空間部211とが連結糸300で周方向に沿って縫合されて連結されて製造される。
【0116】
ここで、前記第1ステント100の一端と連結部220の一端とは、ほぼ同一線上に位置する。
【0117】
そこで、体内の内腔1、例えば、前記人体の食道、十二指腸、胆道などに発生した狭窄又は閉塞病変部位1aに、滑り止め用ステント1000をカテーテルなどのステント送達システムを介して挿入させて施術することにより、図33に示すように、前記第1ステント100は、体内の内腔1に発生した病変部位1aを拡張し、前記第2ステント200は、病変部位1aの発生した内腔1に挿入されて保持される。
【0118】
図34に示すように、接着された前記第1、第2被膜部120、130に閉鎖されていない第1空間部111は、病変部位1aが挿入されて保持され、前記第1円筒状胴体110の内面全体に形成された第1被膜部120は、病変部位1aが第1空間部111を介して前記第1円筒状胴体110の内部に挿入されるのを防止する。
【0119】
もちろん、前記第2ステント200が病変部位1aに位置すると、第3被膜部230は、病変部位1aが第2空間部211に挿入されるのを防止する。
【0120】
図35に示すように、前記突出部140は、第1空間部111に内腔1及び病変部位1aが挿入されて保持される。
【0121】
図36に示すように、前記体内の内腔1に発生した狭窄又は閉塞病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後、一定時間が経過すると、これを除去する必要がある。このとき、カテーテルなどのステント送達システムによって前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100の突出部140を引っ張る。
【0122】
このような作用で、前記第2ステント200は、内腔1に密着しているため、第1ステント100を引っ張る方向とは反対の方向に裏返されるので、前記第2ステント200は内腔1に保持されなくなり、本発明の滑り止め用ステント1000は前記内腔1から容易に抜け出ることができる。
【0123】
図37に示すように、屈曲した内腔1に前記滑り止め用ステント1000が位置する場合、自由な第1被膜部120によって柔軟性を有する第1ステント100の複数の部分は第1空間部111が変形するが、これは、屈曲した内腔1の形状に合わせて前記滑り止め用ステント1000が容易に変形することを意味する。
【0124】
このとき、接着状態を維持する前記第1、第2被膜部120、130によって柔軟性を有しなくなった第1ステント100の残り部分は、第1空間部111が容易に変形しなくなる。これは、自由な前記第1被膜部120に位置した第1空間部111は外力の伝達を受けない限り、接着状態を維持する第1、第2被膜部120、130に位置して容易に変形しない第1空間部111によって、変形した状態を維持するという意味であり、すなわち、滑り止め用ステント1000は、屈曲して変形した状態を維持するという意味である。
【0125】
図38及び図39に示すように、本発明の第2実施形態の第1変形例による前記滑り止め用ステント1000の第2ステント200は、連結糸300なしで第1ステント100の一端に連結部220が一体に形成されて連結され、前記滑り止め用ステント1000の施術後、一定時間が経過して除去が必要な場合が発生する。このとき、前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張ると、第2ステント200は内腔1に密着しているので、前記第1ステント100を引っ張る方向とは反対の方向に裏返されながら内腔1に保持されなくなり、前記内腔1から滑り止め用ステント1000を除去する。
【0126】
また、前記連結部220は、連結糸300がないため、前記連結糸300によって一部の折れる部分が発生しなくなる。
【0127】
すなわち、前記第1ステント100の一端に連結された連結部220の連結部位は、裏返されながら前記第1ステント100の外側に突出しなくなるので、本発明の滑り止め用ステント1000は、内腔1から容易に抜け出る。
【0128】
図40乃至図42に示すように、本発明の第2実施形態の第2変形例による前記滑り止め用ステント1000において、連結部220と重なる第1円筒状胴体110の一側は、第1、第2被膜部120、130が形成されない。
【0129】
すなわち、前記連結部220と重なる第1円筒状胴体110の一側は、第1、第2被膜部120、130が形成されずに柔軟性を有する。
【0130】
また、前記第1ステント100の一端と連結部220との連結部位は、第1、第2被膜部120、130が形成されずに厚さが薄くなるように構成される。
【0131】
このような構成は、前記病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後、一定時間が経過すると、これを除去する必要がある。このとき、前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張ると、第2ステント200は、内腔1に密着しているので、第1ステント100を引っ張る方向とは反対の方向に裏返されるようになり、前記第1、第2被膜部120、130が形成されずに柔軟性を有する第1円筒状胴体110の一側は、第1ステント100を引っ張る外力によって容易に変形しながら伸ばされるので、本発明の滑り止め用ステント1000は、内腔1から容易に抜け出る。
【0132】
図43乃至図45に示すように、本発明の第2実施形態の第3変形例による前記滑り止め用ステント1000において、連結部220は、第3被膜部230が形成されない。
【0133】
すなわち、前記連結部220は、第3被膜部230が形成されずに柔軟性を有し、前記第1ステント100の一端と連結部220との連結部位は、第3被膜部230が形成されずに厚さが薄くなるように構成される。
【0134】
このような構成は、前記病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後、一定時間が経過すると、これを除去する必要がある。このとき、前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張ると、第2ステント200は、内腔1に密着しているので、前記第1ステント100を引っ張る方向とは反対の方向に裏返される。
【0135】
ここで、前記第2ステント200は、第3被膜部230が形成されずに柔軟性を有する連結部220のため、第1ステント100を引っ張る外力によって容易に変形しながらよく裏返される。
【0136】
このような理由から、本発明の前記滑り止め用ステント1000は、内腔1から容易に抜け出る。
【0137】
図46乃至図48に示すように、本発明の第2実施形態の第4変形例による前記滑り止め用ステント1000において、連結部220と重なる第1円筒状胴体110の一側は、第1、第2被膜部120、130が形成されず、連結部220は、第3被膜部230が形成されない。
【0138】
すなわち、前記連結部220と重なる第1円筒状胴体110の一側は、第1、第2被膜部120、130が形成されずに柔軟性を有し、連結部220は、第3被膜部230が形成されずに柔軟性を有する。
【0139】
また、前記第1ステント100の一端と連結部220との連結部位は、第1、第2、第3被膜部120、130、230が形成されずに厚さが薄くなるように構成される。
【0140】
このような構成は、前記病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後、一定時間が経過すると、これを除去する必要がある。このとき、前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張ると、第2ステント200は、内腔1に密着しているので、前記第1ステント100を引っ張る方向とは反対の方向に裏返される。
【0141】
ここで、前記第2ステント200は、第3被膜部230が形成されずに柔軟性を有する連結部220のため、第1ステント100を引っ張る外力によって容易に変形しながらよく裏返される。
【0142】
そして、前記第1、第2被膜部120、130が形成されずに柔軟性を有する第1円筒状胴体110の一側は、第1ステント100を引っ張る外力によって容易に変形しながら伸ばされるので、本発明の滑り止め用ステント1000は、内腔1から容易に抜け出る。
【0143】
図49乃至図52に示すように、本発明の第2実施形態の第5変形例による前記滑り止め用ステント1000において、第2ステント200と重なる第1円筒状胴体110の一側の第1空間部111は、前記第2ステント200と重ならない第1円筒状胴体110の残り部分の第1空間部111よりも大きさが2~4倍大きく形成される。
【0144】
すなわち、前記第2ステント200と重なる第1円筒状胴体110の一側は、前記第2ステント200と重ならない第1円筒状胴体110の残り部分よりも弾性が弱くなる。
【0145】
このような構成は、前記病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後、一定時間が経過すると、これを除去する必要がある。このとき、前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張ると、第2ステント200と重なる第1円筒状胴体110の一側は弾性が弱いため、前記第1ステント100を引っ張る外力によって容易に変形しながら伸ばされる。
【0146】
そして、前記第2ステント200の第2空間部211は、前記第2ステント200と重ならない第1円筒状胴体110の一側の第1空間部111よりも大きさが2~4倍大きく形成されるため、前記第2ステント200は、弾性が弱くなる。
【0147】
このような構成は、前記病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後、一定時間が経過すると、これを除去する必要がある。このとき、前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張ると、第2ステント200は、弾性が弱いため、前記第1ステント100を引っ張る外力によって容易に変形しながらよく裏返されるようになり、本発明の滑り止め用ステント1000は、内腔1から容易に抜け出る。
【0148】
図53に示すように、本発明の第2実施形態の第6変形例による前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100は、所定の長さLだけ連結部220から突出しながら、連結糸300によって前記連結部220に縫合されて連結される。
【0149】
ここで、前記長さLは3~5mmであるため、第1ステント100の一端と連結部220の一端とは、同一線上に位置しなくなる。
【0150】
図54乃至図64に示すように、本発明の第3実施形態による前記滑り止め用ステント1000は、第1ステント100と、前記第1ステント100の一側に外嵌されて連結糸300によって連結される第2ステント200と、を含む。
【0151】
前記第1ステント100は、超弾性形状記憶合金からなるワイヤー2が網目構造の中空円筒状に編まれるか或いは交差することで、前記ワイヤー2の間に多数の第1空間部111が形成された第1円筒状胴体110を含む。
【0152】
ここで、前記第1ステント100は、熱処理され、第1空間部111の周辺には、ワイヤー2が編まれた編み部、及び前記ワイヤー2の交差した交差部が形成されるとともに、前記第1空間部111は、菱形などに似た形状に形成される。
【0153】
前記第1ステント100は、前記第1円筒状胴体110の内面に所定の間隔をあけて螺旋状に形成されるPTFE(Polytetrafluoroethylene)材質の第1被膜部120と、前記第1円筒状胴体の外面に所定の間隔をあけて第1被膜部120と同じ螺旋状に形成され、前記第1被膜部120と接着されるPTFE(Polytetrafluoroethylene)材質の第2被膜部130と、を含む。
【0154】
ここで、前記第1、第2被膜部120、130は、加熱及び加圧によって互いに接着され、多数の第1空間部111の一部は、互いに接着された前記第1、第2被膜部120、130によって閉鎖される。
【0155】
すなわち、前記第1、第2被膜部120、130によって閉鎖された第1空間部111は、外力によって容易に変形することができない状態となり、前記第1、第2被膜部120、130は、螺旋状に第1円筒状胴体110の内、外面の一部に形成されるため、前記第1円筒状胴体110の内、外面の残りの一部には、第1、第2被膜部120、130が形成されない。
【0156】
このような理由から、前記第1、第2被膜部120、130によって閉鎖されていない残りの第1空間部111は、外力によって変形可能な状態となる。
【0157】
言い換えれば、前記第1円筒状胴体110の複数の部分は、第1、第2被膜部120、130が形成されないため柔軟性を有し、前記第1円筒状胴体110の残りの部分は、接着状態を維持する第1、第2被膜部120、130によって柔軟性を有しなくなる。
【0158】
また、前記第1被膜部120に形成される間隔は、一定であってもよく、一定でなくてもよい。第2被膜部130に形成される間隔は、前記第1被膜部120と同様に形成される。
【0159】
前記第1ステント100は、第2ステント200の反対側に位置した第1円筒状胴体110の一側に突設された突出部140を含み、このとき、前記突出部140は、第1、第2被膜部120、130を形成されないようにして、前記突出部140の第1空間部111を閉鎖されないようにする。
【0160】
前記第2ステント200は、超弾性形状記憶合金からなるワイヤー2が網目構造の中空円筒状に編まれるか或いは交差することで、前記ワイヤー2の間に多数の第2空間部211が形成され、第1円筒状胴体110よりも長さが短く且つ大きい直径を有する第2円筒状胴体210と、前記第2円筒状胴体210の一側が縮径されて形成された連結部220と、を含む。
【0161】
ここで、前記第2ステント200は、熱処理され、第2空間部211の周辺には、ワイヤー2が編まれた編み部、及び前記ワイヤー2の交差した交差部が形成されるとともに、前記第2空間部211は、菱形などに似た形状に形成され、前記第2ステント200は、第2円筒状胴体210及び連結部220に形成されるシリコーン材質の第3被膜部230を含む。
【0162】
このような前記第3被膜部230は、多数の第2空間部211をシリコーン溶液に含浸又はスプレーでコーティングされるようにして、前記第2空間部211をシリコーン材質の第3被膜部230で閉鎖されるようにする。
【0163】
前記第2ステント200にPTFEではなくシリコーン材質の第3被膜部230が形成される理由を説明すると、前記PTFEの場合には、一対からなり、第2ステント200の内、外面に互いに対向するように位置した後、加熱及び加圧によって接着されるため、前記シリコーン材質の第3被膜部230よりも厚さの厚いPTFE被膜部が第2ステント200に形成される。
【0164】
これにより、前記病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後から一定時間が経過して前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張りながら除去するとき、厚さの厚くなったPTFE被膜部のために第2ステント200が巻かれながら多重に重なり合うおそれがあるとともに、多重に重なり合った前記第2ステント200が硬直して第1ステント100を引っ張る方向とは反対の方向に裏返されるおそれがあった。
【0165】
すなわち、前記滑り止め用ステント1000が内腔1から抜け出ることができず、硬直した第2ステント200によって前記内腔1が損傷するおそれがあった。
【0166】
かかる問題点を解決するために、本発明の前記第2ステント200には、PTFEではなくシリコーン材質の第3被膜部230を形成して前記第3被膜部230の厚さを薄く形成した。
【0167】
前記滑り止め用ステント1000は、第1ステント100の一側に第2ステント200が外嵌された後、前記第1ステント100の一端の第1空間部111と連結部220の第2空間部211とが連結糸300で周方向に沿って縫合されて連結されて製造される。
【0168】
ここで、前記第1ステント100の一端と連結部220の一端とは、ほぼ同一線上に位置する。
【0169】
そこで、体内の内腔1、例えば、前記人体の食道、十二指腸、胆道などに発生した狭窄又は閉塞病変部位1aに滑り止め用ステント1000をカテーテルなどのステント送達システムを介して挿入させて施術することにより、図60に示すように、前記ステント100は、体内の内腔1に発生した病変部位1aを拡張し、前記第2ステント200は、病変部位1aの発生した内腔1に挿入されて保持される。
【0170】
図61に示すように、接着された前記第1、第2被膜部120、130に閉鎖されていない第1空間部111は、病変部位1aが挿入されて保持される。
【0171】
ここで、前記第2ステント200が病変部位1aに位置すると、第3被膜部230は、病変部位1aが第2空間部211に挿入されるのを防止する。
【0172】
図62に示すように、前記突出部140は、第1空間部111に内腔1及び病変部位1aが挿入されて保持される。
【0173】
図63に示すように、前記体内の内腔1に発生した狭窄又は閉塞病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後、一定時間が経過すると、これを除去する必要がある。このとき、カテーテルなどのステント送達システムで前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100の突出部140を引っ張る。
【0174】
このような作用で、前記第2ステント200は、内腔1に密着しているため、第1ステント100を引っ張る方向とは反対の方向に裏返されるので、前記第2ステント200は、内腔1に保持されなくなり、本発明の滑り止め用ステント1000は、内腔1から容易に抜け出ることができる。
【0175】
図64に示すように、屈曲した内腔1に前記滑り止め用ステント1000が位置すると、第1、第2被膜部120、130が形成されないため柔軟性を有する第1ステント100の複数の部分は、第1空間部111が変形する。これは、屈曲した内腔1の形状に合わせて容易に前記滑り止め用ステント1000が変形するという意味である。
【0176】
このとき、接着状態を維持する前記第1、第2被膜部120、130によって柔軟性を有しなくなった第1ステント100の残りの部分は、第1空間部111が容易に変形しなくなる。前記第1、第2被膜部120、130に位置しない第1空間部111は、外力の伝達を受けない限り、接着状態を維持する前記第1、第2被膜部120、130に位置して容易に変形しない第1空間部111によって、変形した状態を維持するという意味であり、滑り止め用ステント1000は、屈曲変形した状態を維持するという意味である。
【0177】
図65及び図66に示すように、本発明の第3実施形態の第1変形例による前記滑り止め用ステント1000の第2ステント200は、連結糸300なしで第1ステント100の一端に連結部220が一体に形成されて連結され、前記滑り止め用ステント1000の施術後、一定時間が経過して除去が必要な場合が発生する。このとき、前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張ると、第2ステント200は、内腔1に密着しているので、前記第1ステント100を引っ張る方向とは反対の方向に裏返されながら内腔1に保持されなくなり、前記内腔1から滑り止め用ステント1000を除去する。
【0178】
また、前記連結部220は、連結糸300がないため、前記連結糸300によって一部の折れる部分が発生しなくなる。
【0179】
すなわち、前記第1ステント100の一端に連結された連結部220の連結部位は、裏返されながら前記第1ステント100の外側に突出しなくなるので、本発明の滑り止め用ステント1000は、内腔1から容易に抜け出る。
【0180】
図67乃至図69に示すように、本発明の第3実施形態の第2変形例による前記滑り止め用ステント1000において、連結部220と重なる第1円筒状胴体110の一側は、第1、第2被膜部120、130が形成されない。
【0181】
すなわち、前記連結部220と重なる第1円筒状胴体110の一側は、第1、第2被膜部120、130が形成されずに柔軟性を有する。
【0182】
また、前記第1ステント100の一端と連結部220との連結部位は、第1、第2被膜部120、130が形成されずに厚さが薄くなるように構成される。
【0183】
このような構成は、前記病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後、一定時間が経過すると、これを除去する必要がある。このとき、前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張ると、第2ステント200は、内腔1に密着しているので、第1ステント100を引っ張る方向とは反対の方向に裏返されるようになり、前記第1、第2被膜部120、130が形成されずに柔軟性を有する第1円筒状胴体110の一側は、第1ステント100を引っ張る外力によって容易に変形しながら伸ばされるので、本発明の滑り止め用ステント1000は、内腔1から容易に抜け出る。
【0184】
図70及び図72に示すように、本発明の第3実施形態の第3変形例による前記滑り止め用ステント1000において、連結部220は、第3被膜部230が形成されない。
【0185】
すなわち、前記連結部220は、第3被膜部230が形成されずに柔軟性を有し、前記第1ステント100の一端と連結部220との連結部位は、第3被膜部230が形成されずに厚さが薄くなるように構成される。
【0186】
このような構成は、前記病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後、一定時間が経過すると、これを除去する必要がある。このとき、前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張ると、第2ステント200は、内腔1に密着しているので、前記第1ステント100を引っ張る方向とは反対の方向に裏返される。
【0187】
ここで、前記第2ステント200は、第3被膜部230が形成されずに柔軟性を有する連結部220のため、第1ステント100を引っ張る外力によって容易に変形しながらよく裏返される。
【0188】
このような理由から、本発明の前記滑り止め用ステント1000は、内腔1から容易に抜け出る。
【0189】
図73乃至図75に示すように、本発明の第3実施形態の第4変形例による前記滑り止め用ステント1000において、連結部220と重なる第1円筒状胴体110の一側は、第1、第2被膜部120、130が形成されず、連結部220は、第3被膜部230が形成されない。
【0190】
すなわち、前記連結部220と重なる第1円筒状胴体110の一側は、第1、第2被膜部120、130が形成されずに柔軟性を有し、連結部220は、第3被膜部230が形成されずに柔軟性を有する。
【0191】
また、前記第1ステント100の一端と連結部220との連結部位は、第1、第2、第3被膜部120、130、230が形成されずに厚さが薄くなるように構成される。
【0192】
このような構成は、前記病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後、一定時間が経過すると、これを除去する必要がある。このとき、前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張ると、第2ステント200は、内腔1に密着しているので、前記第1ステント100を引っ張る方向とは反対の方向に裏返される。
【0193】
ここで、前記第2ステント200は、第3被膜部230が形成されずに柔軟性を有する連結部220のため、第1ステント100を引っ張る外力によって容易に変形しながらよく裏返される。
【0194】
前記第1、第2被膜部120、130が形成されずに柔軟性を有する第1円筒状胴体110の一側は、第1ステント100を引っ張る外力によって容易に変形しながら伸ばされるので、本発明の滑り止め用ステント1000は、内腔1から容易に抜け出る。
【0195】
図76乃至図79に示すように、本発明の第3実施形態の第5変形例による前記滑り止め用ステント1000において、第2ステント200と重なる第1円筒状胴体110の一側の第1空間部111は、前記第2ステント200と重ならない第1円筒状胴体110の残り部分の第1空間部111よりも大きさが2~4倍大きく形成される。
【0196】
すなわち、前記第2ステント200と重なる第1円筒状胴体110の一側は、前記第2ステント200と重ならない第1円筒状胴体110の残り部分よりも弾性が弱くなる。
【0197】
このような構成は、前記病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後、一定時間が経過すると、これを除去する必要がある。このとき、前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張ると、第2ステント200と重なる第1円筒状胴体110の一側は弾性が弱いので、前記第1ステント100を引っ張る外力によって容易に変形しながら伸ばされる。
【0198】
前記第2ステント200の第2空間部211は、前記第2ステント200と重ならない第1円筒状胴体110の一側の第1空間部111よりも大きさが2~4倍大きく形成されるので、前記第2ステント200は、弾性が弱くなる。
【0199】
このような構成は、前記病変部位1aへの滑り止め用ステント1000施術の完了後、一定時間が経過すると、これを除去する必要がある。このとき、前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100を引っ張ると、第2ステント200は、弾性が弱いため、前記第1ステント100を引っ張る外力によって容易に変形しながらよく裏返されるようになり、本発明の滑り止め用ステント1000は、内腔1から容易に抜け出る。
【0200】
図80に示すように、本発明の第3実施形態の第6変形例による前記滑り止め用ステント1000の第1ステント100は、所定の長さLだけ連結部220から突出しながら、連結糸300によって前記連結部220に縫合されて連結される。
【0201】
ここで、前記長さLが3~5mmであるので、第1ステント100の一端と連結部220の一端とは、同一線上に位置しなくなる。
【0202】
そして、本発明の様々な実施形態及び様々な変形例による前記滑り止め用ステント1000の第2ステント200は、内腔1内で水平方向にいずれか一方向から外力の伝達を受けると、第1ステント100を中心に前記外力の伝達を受けた方向の反対方向に傾く。
【0203】
すなわち、前記第2ステント200は、外力により傾いて移動しながら内腔1に強く密着して保持されるので、滑り止め用ステント1000は、病変部位1aでの滑りが防止される。
【0204】
また、前記第2ステント200は、内腔1内で水平方向に両方向から外力の伝達を受けると、第1ステント100を中心に前記外力の伝達を受けた両方向の交差する双方向に突出する。
【0205】
すなわち、前記第2ステント200は、外力によって突出しながら内腔1に強く密着して保持されるので、滑り止め用ステント1000は、病変部位1aでの滑りが防止される。
【0206】
以上、本発明を特定の好適な実施形態を例として図示及び説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって様々な変更及び修正が可能であろう。
【符号の説明】
【0207】
100 第1ステント
110 第1円筒状胴体
111 第1空間部
120 第1被膜部
130 第2被膜部
140 突出部
200 第2ステント
210 第2円筒状胴体
211 第2空間部
220 連結部
230 第3被膜部
300 連結糸
1000 滑り止め用ステント
図1
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