(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013113
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】鳥型ロボット装置
(51)【国際特許分類】
A63H 13/02 20060101AFI20250117BHJP
A63H 5/00 20060101ALI20250117BHJP
A63H 11/00 20060101ALI20250117BHJP
A63H 23/10 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
A63H13/02 Z
A63H5/00 C
A63H11/00 Z
A63H23/10 C
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023207863
(22)【出願日】2023-12-08
(31)【優先権主張番号】112125856
(32)【優先日】2023-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】511212376
【氏名又は名称】先鋒材料科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PIONEER MATERIAL PRECISION TECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1F, NO.11, WUCYUAN 2ND RD., Wugu Dist., NEW Taipei City 248, Taiwan,
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 偉▲ユィ▼
(72)【発明者】
【氏名】張 昌祺
(72)【発明者】
【氏名】潘 冠豪
(72)【発明者】
【氏名】葉 禮源
(72)【発明者】
【氏名】陳 泰宇
(72)【発明者】
【氏名】劉 欽宏
(72)【発明者】
【氏名】沈 志偉
(72)【発明者】
【氏名】▲頼▼ 慶樹
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150CA02
2C150DA19
2C150DA23
2C150DC03
2C150DF01
2C150DF33
2C150EB01
2C150ED42
2C150EF03
2C150EF13
2C150EF16
2C150EF30
2C150EF45
2C150EG07
2C150EG12
(57)【要約】
【課題】自律的に泳げる鳥型ロボット装置を提供する。
【解決手段】鳥の頭及び胴体を模した外部形状を有する鳥形の筐体1と、鳥形の筐体1の下部に配置される2つの脚構造2と、2つの脚構造2を駆動する駆動モジュールと、を備え、各2つの脚構造2は、いずれも回転できるように鳥形の筐体1に取り付けられる第1の部分21と、第1の部分21に枢支される第2の部分22と、を有し、且つ、駆動モジュールからの駆動によって、第1の部分21が前方側へ延伸し、第2の部分22が第1の部分21から前後方向D3の後方側へ延伸する曲げ姿勢と、第1の部分21が後方側へ延伸し、第2の部分22が第1の部分21から更に前後方向D3の後方側へ延伸する伸び姿勢と、の間に切り替える動きを行うことができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鳥の頭及び胴体を模した外部形状を有すると共に、前記頭及び胴体の位置関係により、左右方向と上下方向と前後方向とが定義される鳥形の筐体と、
前記左右方向に沿って並列するように前記鳥形の筐体の前記上下方向における下部に配置される2つの脚構造と、
前記鳥形の筐体内に配置されると共に、前記2つの脚構造の前記鳥形の筐体に対する相対移動を駆動する駆動モジュールと、を備えた鳥型ロボット装置であって、
各前記脚構造は、前記左右方向に平行する第1の回転軸で回転できるように前記鳥形の筐体に取り付けられる第1の部分と、前記左右方向に平行する第2の回転軸で回転できるように前記第1の部分に枢支される第2の部分と、を有することにより、前記駆動モジュールからの駆動によって、
前記第1の部分が前記鳥形の筐体から前記前後方向の前方側へ延伸し、前記第2の部分が前記第1の部分から前記前後方向の後方側へ延伸する曲げ姿勢と、
前記第1の部分が前記鳥形の筐体から前記前後方向の後方側へ延伸し、前記第2の部分が前記第1の部分から更に前記前後方向の後方側へ延伸する伸び姿勢と、の間に切り替える動きを行うことができるように構成されたことを特徴とする鳥型ロボット装置。
【請求項2】
前記曲げ姿勢において、前記第1の部分は前記鳥形の筐体から前記前後方向の前方側、且つ、前記上下方向の下方側へ斜めに延伸し、前記第2の部分は前記第1の部分から前記前後方向の後方側へ延伸し、
前記伸び姿勢において、前記第1の部分は前記鳥形の筐体から前記前後方向の後方側、且つ、前記上下方向の下方側へ斜めに延伸することを特徴とする請求項1に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項3】
各前記脚構造が有する前記第1の部分もしくは前記第2の部分には、前記第1の部分に枢支される前記第2の部分の前記第1の部分に対する相対回転角度を制限する第1の位置制限手段と第2の位置制限手段とが配置されており、
前記第1の位置制限手段は、前記第2の部分の前記第1の部分に対する相対回転角度の下限を決定し、前記第2の位置制限手段は前記第2の部分の前記第1の部分に対する相対回転角度の上限を決定することを特徴とする請求項2に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項4】
前記駆動モジュールは、前記2つの脚構造がそれぞれ有する前記第1の部分の前記第1の回転軸における前記鳥形の筐体に対する回転を駆動する2つの第1の駆動手段を有することを特徴とする請求項1に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項5】
前記鳥形の筐体は、鳥の胴体を模した外部形状を有する胴体部と、鳥の頭を模した外部形状に形成されていると共に、回転可能に前記胴体部に取り付けられる頭部とを有するように構成されており、
前記駆動モジュールは、前記頭部の前記胴体部に対する回転を駆動する第2の駆動手段を有することを特徴とする請求項1に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項6】
前記鳥形の筐体に配置されて外部の画像を撮影して対応する画像データを生成する撮影モジュールと、
前記撮影モジュール及び前記駆動モジュールに電気的に接続するマイクロコンピュータとを更に備え、
前記マイクロコンピュータは顔認識機能を有し、前記撮影モジュールにより撮影された画像データを前記顔認識機能で処理することにより対応の制御コマンドを前記駆動モジュールに出力するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項7】
前記鳥形の筐体に配置されて隣接する物体との距離を検知して対応の距離感知データを生成する複数の距離センサーと、各前記距離センサー及び前記駆動モジュールに電気的に接続するマイクロコンピュータとを更に備え、
前記マイクロコンピュータは各前記距離センサーからの前記距離感知データに基づいて対応の回避コマンドを前記駆動モジュールに出力するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項8】
前記鳥形の筐体に配置されて前記マイクロコンピュータに電気的に接続することにより、受信した音声を対応する音声データを生成して前記マイクロコンピュータに出力する複数の音声受信手段と、
前記鳥形の筐体に配置されて前記マイクロコンピュータに電気的に接続するスピーカーと、を更に備え、
前記マイクロコンピュータは、各前記音声データに基づいて対応の制御コマンドを前記駆動モジュールに出力し、且つ、前記スピーカーを制御して予め録音されたオーディオデータを再生させることができるように構成されることを特徴とする請求項6に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項9】
前記鳥形の筐体の下部に配置されて前記マイクロコンピュータに電気的に接続することにより、水面から離れたことを感知すると前記マイクロコンピュータに離水信号を出力する水センサーを更に備え、
前記マイクロコンピュータが前記水センサーから前記離水信号を受信すると、前記撮影モジュールにより撮影された画像データを前記顔認識機能で処理した結果に基づいて、前記駆動モジュールに前記脚構造を動かせたり前記スピーカーにアラートを再生させたりするよう構成されることを特徴とする請求項8に記載の鳥型ロボット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動物を模倣した装置に関し、特に、鳥型ロボット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
お風呂に入ったり、プールで遊んだりするときに、水に浮くアヒルのおもちゃをよく見かけるが、この種のアヒルのおもちゃは水の流れに乗って浮くだけで、水面上で自律的に泳いだりその他の動作を行うことはできない欠点がある。したがって、アヒルのおもちゃを自律的に泳ぐようにする方法や、アヒルのおもちゃとユーザーのインタラクションをより良くする方法は探求に値する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許出願公開第115465383号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明は従来技術の少なくとも1つの欠点を解決する鳥型ロボット装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成すべく、本発明は、鳥の頭及び胴体を模した外部形状を有すると共に、前記頭及び胴体の位置関係により、左右方向と上下方向と前後方向とが定義される鳥形の筐体と、
前記左右方向に沿って並列するように前記鳥形の筐体の前記上下方向における下部に配置される2つの脚構造と、
前記鳥形の筐体内に配置されると共に、前記2つの脚構造の前記鳥形の筐体に対する相対移動を駆動する駆動モジュールと、を備えた鳥型ロボット装置であって、
各前記脚構造は、前記左右方向に平行する第1の回転軸で回転できるように前記鳥形の筐体に取り付けられる第1の部分と、前記左右方向に平行する第2の回転軸で回転できるように前記第1の部分に枢支される第2の部分と、を有することにより、前記駆動モジュールからの駆動によって、
前記第1の部分が前記鳥形の筐体から前記前後方向の前方側へ延伸し、前記第2の部分が前記第1の部分から前記前後方向の後方側へ延伸する曲げ姿勢と、
前記第1の部分が前記鳥形の筐体から前記前後方向の後方側へ延伸し、前記第2の部分が前記第1の部分から更に前記前後方向の後方側へ延伸する伸び姿勢と、の間に切り替える動きを行うことができるように構成されたことを特徴とする鳥型ロボット装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の鳥型ロボット装置は、鳥形の筐体に対して曲げ姿勢と伸び姿勢との間に切り替える動きを行うことができる2つの脚構造と、この2つの脚構造を駆動する駆動モジュールとを有することにより、水面上で自律的に泳ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の鳥型ロボット装置の実施例の斜視図である。
【
図5】同実施例における脚構造の曲げ姿勢の断面図である。
【
図6】同実施例における脚構造の伸び姿勢の断面図である。
【
図7】同実施例におけるマイクロコンピュータの他の部品との接続関係が示されるブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下では各図面を参照して本発明の実施例について詳しく説明する。
【0009】
図1~
図4に本発明の実施例の鳥型ロボット装置100が示されており、図示のように、水面(図示せず)に浮かぶのに適するこの鳥型ロボット装置100は、鳥形の筐体1と、2つの脚構造2と、駆動モジュール3と、複数のスピーカー4と、撮影モジュール5と、複数の距離センサー6と、複数の音声受信手段7と、水センサー8と、マイクロコンピュータ9とを備える。
【0010】
鳥形の筐体1は、例えばプラスチック材料により構成されることができ、鳥の胴体を模した外部形状を有する胴体部11と、鳥の頭を模した外部形状に形成されていると共に、回転可能に胴体部11に取り付けられる頭部12とを有するように構成されている。また、頭部12と胴体部11との位置関係により、左右方向D1と上下方向D2と前後方向D3とを定義する。すなわち、頭部12は上下方向D2において胴体部11の上部、且つ、前後方向D3において胴体部11の前部に取り付けられている。
【0011】
2つの脚構造2は例えばプラスチック材料により構成されることができる。
図1と
図2と
図4とに示されるように、2つの脚構造2は左右方向D1に沿って並列するように鳥形の筐体1の上下方向D2における下部に配置される。各脚構造2は、いずれも左右方向D1に平行する第1の回転軸A1で回転できるように鳥形の筐体1の胴体部11に取り付けられる第1の部分21と、左右方向D1に平行する第2の回転軸A2で回転できるように第1の部分21に枢支される第2の部分22と、を有し、第1の部分21は略棒状に形成され、第2の部分22は略板状に形成されている。
【0012】
各脚構造2は、
図5に示されるように、第1の部分21と第2の部分22とを有することにより、第1の部分21が鳥形の筐体1から前後方向D3の前方側へ延伸し、第2の部分22が第1の部分21から前後方向D3の後方側へ延伸する曲げ姿勢と、
図6に示されるように、第1の部分21が鳥形の筐体1から前後方向D3の後方側へ延伸し、第2の部分22が第1の部分21から更に前後方向D3の後方側へ延伸する伸び姿勢と、の間に切り替える動きを行うことができる。
【0013】
また、この実施例において、各脚構造2の第2の部分22には、第1の部分21に枢支される第2の部分22の第1の部分21に対する相対回転角度を制限する第1の位置制限手段221と第2の位置制限手段222とが配置されており、
図5に示されるように、第1の位置制限手段221は、第2の部分22の第1の部分21に対する相対回転角度の下限(この実施例では約45度)を決定し、そして
図6に示されるように、第2の位置制限手段222は第2の部分22の第1の部分21に対する相対回転角度の上限(この実施例では約180度)を決定する。ちなみに、この第1の位置制限手段221と第2の位置制限手段222としては、第1の部分21に形成されることも可能であり、あるいは、第1の部分21と第2の部分22にそれぞれ形成される構成も考えられるが、ここでは簡潔さに主眼を置き、第2の部分22にのみ形成される構成だけ説明する。
【0014】
この構造を有する脚構造2の第1の部分21が第1の回転軸A1で胴体部11に対して
図5に示される位置から
図6に示される位置に移行する動きにおいて、第1の部分21は前後方向D3において前側から後側に揺動するため、第2の回転軸A2により第1の部分21の先端に揺動可能に取り付けられる第2の部分22は周りの空気や水の抵抗力を受けて第1の部分21から離れ、すなわち第2の部分22の第1の部分21に対する第2の回転軸A2における相対回転角度が大きくなる動きに相当するため、この際、第2の位置制限手段222が介在することにより第2の部分22の第1の部分21に対する第2の回転軸A2における相対回転角度の上限が決まっており、従って第2の部分22はこの決まった第1の部分21に対する上限の相対回転角度のままで前後方向D3における後方へ押し出されて周りの空気や水の抵抗力を受けて鳥形の筐体1を前後方向D3における前方へ移動させる動力を生成することができる。
【0015】
また、この構造を有する脚構造2が第1の部分21が
図6に示される位置から
図5に示される位置に移行する動きにおいて、第1の部分21は前後方向D3において前側から前側に揺動するため、第2の回転軸A2により揺動可能に第1の部分21の先端に取り付けられる第2の部分22は周りの空気や水の抵抗力を受けて第1の部分21に接近し、すなわち第2の部分22の第1の部分21に対する第2の回転軸A2における相対回転角度が小さくなる動きに相当するため、この際、第1の位置制限手段221が介在することにより第2の部分22の第1の部分21に対する第2の回転軸A2における相対回転角度の下限が決まっており、従って第2の部分22はこの決まった第1の部分21に対する下限の相対回転角度で前後方向D3における前方へ揺動することで、周りの空気や水の抵抗力を受け流して鳥形の筐体1の前後方向D3における前方への移動を妨げない位置にとどめることができると共に、この脚構造2が第1の部分21が
図5に示される位置から
図6に示される位置に再び移行するようになると、また周りの空気や水の抵抗力を受けてスムーズに
図6に示される位置に到達することができる。
【0016】
駆動モジュール3は鳥形の筐体1内に配置されると共に、2つの脚構造2の鳥形の筐体1に対する相対移動をそれぞれ駆動する2つの第1の駆動手段31と、頭部12の胴体部11に対する回転を駆動する第2の駆動手段32とを有し、この実施例において、2つの第1の駆動手段31と第2の駆動手段32とは、いずれもサーボモーターが用いられる。
【0017】
また、2つの第1の駆動手段31がそれぞれ独自で2つの脚構造2の動き(第1の部分21の胴体部11に対する揺動)を駆動するので、2つの脚構造2それぞれが動かされる頻度やスピードを個別に制御することが可能となり、これにより本発明の実施例の鳥型ロボット装置100が水面上で動くスピードや方向の転換を制御することができる。
【0018】
各スピーカー4は、鳥形の筐体1の胴体部11上部に配置される。撮影モジュール5は鳥形の筐体1の頭部12に配置されて外部の画像を撮影して対応する画像データを生成するものであり、頭部12の胴体部11に対する回転の具合によって、前後方向D3における前方に向かって撮影することも、前後方向D3における後方に向かって撮影することもできる。各距離センサー6は、鳥形の筐体1の胴体部11の前側と左右両側とにそれぞれ配置される。各音声受信手段7は、鳥形の筐体1の胴体部11の前側と左右両側とにそれぞれ配置され、受信した音声に対応する音声データを生成してマイクロコンピュータ9に出力する。水センサー8は鳥形の筐体1の胴体部11の下部に配置される2つの棒状感知部81を有し、2つの棒状感知部81が周りの水を経由して電気的に接続されているかどうかを感知することにより、鳥型ロボット装置100の胴体部11が水面から離れたかどうかを感知するように構成されている。
【0019】
図1と
図7とに示されるように、マイクロコンピュータ9は鳥形の筐体1の胴体部11内に配置され、駆動モジュール3と各スピーカー4と撮影モジュール5と各距離センサー6と各音声受信手段7と水センサー8とに電気的に接続する。
【0020】
図1~
図4に示されるように、マイクロコンピュータ9には人間の顔面識別データが予め保存され、この人間の顔面識別データにはこの鳥型ロボット装置100のユーザーの顔面の外観が記録されている。この鳥型ロボット装置100の周りに人間の声がすると、マイクロコンピュータ9は、各音声受信手段7から複数の音声データをそれぞれ受信し、これらの音声データが音声を受信したタイミング及び時間差に基づいて人間の声が生成される場所を判断してから、駆動モジュール3に駆動コマンドを出力し、2つの脚構造2及び頭部12を駆動して撮影モジュール5を人間の声が生成される場所に向かせることで、撮影モジュール5で撮影して対応する画像データを生成し、撮影モジュール5から受信した画像データを上記人間の顔面識別データに照合し、そして照合の結果に基づいて駆動モジュール3に制御コマンドを出力し、且つ、スピーカー4を制御して予め録音されたオーディオデータを再生させる顔認識機能を有する。
【0021】
例えば、撮影モジュール5から受信した画像データが上記人間の顔面識別データにマッチングする(すなわち人間の声のソースが使用者である)場合、マイクロコンピュータ9は駆動モジュール3に2つの脚構造2を動かせて鳥型ロボット装置100を使用者に向かって移動させる人間の顔面反応コマンドを出力すると共に、例えば、スピーカー4に「こんにちはご主人様」と発声するサウンドエフェクトを再生させる。また、撮影モジュール5から受信した画像データが上記人間の顔面識別データにマッチングしない(すなわち人間の声のソースが使用者ではない)場合は、人間の顔面反応コマンドを出力せず、そして例えば、スピーカー4に「儲かってまっか」と発声する他のサウンドエフェクトを再生させる。あるいは、スピーカー4を起動しないことも可能である。
【0022】
また、鳥型ロボット装置100が水面から離れた場合、水センサー8は離水信号をマイクロコンピュータ9に出力する。マイクロコンピュータ9が離水信号を受信すると、マイクロコンピュータ9はその時点で撮影された撮影モジュール5からの画像データを上記人間の顔面識別データに照合し、そして照合の結果に基づいて異常反応コマンドを駆動モジュール3に出力したり、異常音声コマンドをスピーカー4に出力したりすることができる。
【0023】
例えば、撮影モジュール5からの画像データが上記人間の顔面識別データにマッチングしない(すなわち離水した時点で鳥型ロボット装置100の傍にいた人間が使用者ではない)場合は、鳥型ロボット装置100が使用者以外の者により水面から取り上げられた可能性があり、そして窃盗行為の可能性がある。従って、マイクロコンピュータ9により駆動モジュール3に出力した異常反応コマンドは、駆動手段3に2つの脚構造2を急速に動かすと共に、鳥形の筐体1の頭部12を急速に回すことで、慌てて助けを求めるような演出を行わせると共に、マイクロコンピュータ9がスピーカー4に出力した異常音声コマンドは、スピーカー4に例えば「ドロボーダ!タスケテ!タスケテ!」と叫び出すアラートを再生させる盗難防止プロセスを実行する。
【0024】
この他、マイクロコンピュータ9は各距離センサー6から複数の距離感知データを受信すると共に、各距離感知データに基づいて対応の回避コマンドを駆動モジュール3に出力し、駆動モジュール3は回避コマンドを受信すると、マイクロコンピュータ9により決定された頻度で2つの脚構造2を動かすことによって、鳥型ロボット装置100が周りの障害物に衝突するような状況を回避することができる。
【0025】
以上をまとめると、本発明の鳥型ロボット装置100は、鳥形の筐体1に対して曲げ姿勢と伸び姿勢との間に切り替える動きができる2つの脚構造2を有すると共に、2つの脚構造2を駆動する駆動モジュール3をも有することにより、水面上で自律的に泳ぐことができる。また、鳥型ロボット装置100はマイクロコンピュータ9と、マイクロコンピュータ9に電気的に接続する例えば撮影モジュール5と距離センサー6と音声受信手段7と水センサー8といった多種多様な入力手段と、駆動モジュール3とスピーカー4といった多種多様な出力手段を有するので、ユーザーとのインタラクション性能がより優れ、特に盗難防止機能をも発揮することができる。
【0026】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0027】
100 鳥型ロボット装置
1 鳥形の筐体
11 胴体部
12 頭部
2 脚構造
21 第1の部分
22 第2の部分
221 第1の位置制限手段
222 第2の位置制限手段
3 駆動モジュール
31 第1の駆動手段
32 第2の駆動手段
4 スピーカー
5 撮影モジュール
6 距離センサー
7 音声受信手段
8 水センサー
81 棒状感知部
9 マイクロコンピュータ
D1 左右方向
D2 上下方向
D3 前後方向
A1 第1の回転軸
A2 第2の回転軸
【手続補正書】
【提出日】2024-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鳥の頭及び胴体を模した外部形状を有すると共に、前記頭及び胴体の位置関係により、左右方向と上下方向と前後方向とが定義される鳥形の筐体と、
前記左右方向に沿って並列するように前記鳥形の筐体の前記上下方向における下部に配置される2つの脚構造と、
前記鳥形の筐体内に配置されると共に、前記2つの脚構造の前記鳥形の筐体に対する相対移動を駆動する駆動モジュールと、を備えた鳥型ロボット装置であって、
各前記脚構造は、前記左右方向に平行となるように延在する第1の回転軸で回転できるように前記鳥形の筐体に取り付けられる第1の部分と、前記左右方向に平行となるように延在する第2の回転軸で回転できるように前記第1の部分に枢支される第2の部分と、を有することにより、前記駆動モジュールからの駆動によって、
前記第1の部分が前記鳥形の筐体から前記前後方向の前方側へ延伸し、前記第2の部分が前記第1の部分から前記前後方向の後方側へ延伸する曲げ姿勢と、
前記第1の部分が前記鳥形の筐体から前記前後方向の後方側へ延伸し、前記第2の部分が前記第1の部分から更に前記前後方向の後方側へ延伸する伸び姿勢と、の間に切り替える動きを行うことができるように構成されたことを特徴とする鳥型ロボット装置。
【請求項2】
前記曲げ姿勢において、前記第1の部分は前記鳥形の筐体から前記前後方向の前方側、且つ、前記上下方向の下方側へ斜めに延伸し、前記第2の部分は前記第1の部分から前記前後方向の後方側へ延伸し、
前記伸び姿勢において、前記第1の部分は前記鳥形の筐体から前記前後方向の後方側、且つ、前記上下方向の下方側へ斜めに延伸することを特徴とする請求項1に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項3】
各前記脚構造が有する前記第1の部分もしくは前記第2の部分には、前記第1の部分に枢支される前記第2の部分の前記第1の部分に対する相対回転角度を制限する第1の位置制限手段と第2の位置制限手段とが配置されており、
前記第1の位置制限手段は、前記第2の部分の前記第1の部分に対する相対回転角度の下限を決定し、前記第2の位置制限手段は前記第2の部分の前記第1の部分に対する相対回転角度の上限を決定することを特徴とする請求項2に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項4】
前記駆動モジュールは、前記2つの脚構造がそれぞれ有する前記第1の部分の前記第1の回転軸における前記鳥形の筐体に対する回転を駆動する2つの第1の駆動手段を有することを特徴とする請求項1に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項5】
前記鳥形の筐体は、鳥の胴体を模した外部形状を有する胴体部と、鳥の頭を模した外部形状に形成されていると共に、回転可能に前記胴体部に取り付けられる頭部とを有するように構成されており、
前記駆動モジュールは、前記頭部の前記胴体部に対する回転を駆動する第2の駆動手段を有することを特徴とする請求項1に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項6】
前記鳥形の筐体に配置されて外部の画像を撮影して対応する画像データを生成する撮影モジュールと、
前記撮影モジュール及び前記駆動モジュールに電気的に接続するマイクロコンピュータとを更に備え、
前記マイクロコンピュータは顔認識機能を有し、前記撮影モジュールにより撮影された画像データを前記顔認識機能で処理することにより対応の制御コマンドを前記駆動モジュールに出力するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項7】
前記鳥形の筐体に配置されて隣接する物体との距離を検知して対応の距離感知データを生成する複数の距離センサーと、各前記距離センサー及び前記駆動モジュールに電気的に接続するマイクロコンピュータとを更に備え、
前記マイクロコンピュータは各前記距離センサーからの前記距離感知データに基づいて対応の回避コマンドを前記駆動モジュールに出力するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項8】
前記鳥形の筐体に配置されて前記マイクロコンピュータに電気的に接続することにより、受信した音声を対応する音声データを生成して前記マイクロコンピュータに出力する複数の音声受信手段と、
前記鳥形の筐体に配置されて前記マイクロコンピュータに電気的に接続するスピーカーと、を更に備え、
前記マイクロコンピュータは、各前記音声データに基づいて対応の制御コマンドを前記駆動モジュールに出力し、且つ、前記スピーカーを制御して予め録音されたオーディオデータを再生させることができるように構成されることを特徴とする請求項6に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項9】
前記鳥形の筐体の下部に配置されて前記マイクロコンピュータに電気的に接続することにより、水面から離れたことを感知すると前記マイクロコンピュータに離水信号を出力する水センサーを更に備え、
前記マイクロコンピュータが前記水センサーから前記離水信号を受信すると、前記撮影モジュールにより撮影された画像データを前記顔認識機能で処理したQ結果に基づいて、前記駆動モジュールに前記脚構造を動かせたり前記スピーカーにアラートを再生させたりするよう構成されることを特徴とする請求項8に記載の鳥型ロボット装置。
【手続補正書】
【提出日】2024-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鳥の頭及び胴体を模した外部形状を有すると共に、前記頭及び胴体の位置関係により、左右方向と上下方向と前後方向とが定義される鳥形の筐体と、
前記左右方向に沿って並列するように前記鳥形の筐体の前記上下方向における下部に配置される2つの脚構造と、
前記鳥形の筐体内に配置されると共に、前記2つの脚構造の前記鳥形の筐体に対する相対移動を駆動する駆動モジュールと、を備えた鳥型ロボット装置であって、
各前記脚構造は、前記左右方向に平行となるように延在する第1の回転軸で回転できるように前記鳥形の筐体に取り付けられる第1の部分と、前記左右方向に平行となるように延在する第2の回転軸で回転できるように前記第1の部分に枢支される第2の部分と、を有することにより、前記駆動モジュールからの駆動によって、
前記第1の部分が前記鳥形の筐体から前記前後方向の前方側へ延伸し、前記第2の部分が前記第1の部分から前記前後方向の後方側へ延伸する曲げ姿勢と、
前記第1の部分が前記鳥形の筐体から前記前後方向の後方側へ延伸し、前記第2の部分が前記第1の部分から更に前記前後方向の後方側へ延伸する伸び姿勢と、の間に切り替える動きを行うことができるように構成されたことを特徴とする鳥型ロボット装置。
【請求項2】
前記曲げ姿勢において、前記第1の部分は前記鳥形の筐体から前記前後方向の前方側、且つ、前記上下方向の下方側へ斜めに延伸し、前記第2の部分は前記第1の部分から前記前後方向の後方側へ延伸し、
前記伸び姿勢において、前記第1の部分は前記鳥形の筐体から前記前後方向の後方側、且つ、前記上下方向の下方側へ斜めに延伸することを特徴とする請求項1に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項3】
各前記脚構造が有する前記第1の部分もしくは前記第2の部分には、前記第1の部分に枢支される前記第2の部分の前記第1の部分に対する相対回転角度を制限する第1の位置制限手段と第2の位置制限手段とが配置されており、
前記第1の位置制限手段は、前記第2の部分の前記第1の部分に対する相対回転角度の下限を決定し、前記第2の位置制限手段は前記第2の部分の前記第1の部分に対する相対回転角度の上限を決定することを特徴とする請求項2に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項4】
前記駆動モジュールは、前記2つの脚構造がそれぞれ有する前記第1の部分の前記第1の回転軸における前記鳥形の筐体に対する回転を駆動する2つの第1の駆動手段を有することを特徴とする請求項1に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項5】
前記鳥形の筐体は、鳥の胴体を模した外部形状を有する胴体部と、鳥の頭を模した外部形状に形成されていると共に、回転可能に前記胴体部に取り付けられる頭部とを有するように構成されており、
前記駆動モジュールは、前記頭部の前記胴体部に対する回転を駆動する第2の駆動手段を有することを特徴とする請求項1に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項6】
前記鳥形の筐体に配置されて外部の画像を撮影して対応する画像データを生成する撮影モジュールと、
前記撮影モジュール及び前記駆動モジュールに電気的に接続するマイクロコンピュータとを更に備え、
前記マイクロコンピュータは顔認識機能を有し、前記撮影モジュールにより撮影された画像データを前記顔認識機能で処理することにより対応の制御コマンドを前記駆動モジュールに出力するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項7】
前記鳥形の筐体に配置されて隣接する物体との距離を検知して対応の距離感知データを生成する複数の距離センサーと、各前記距離センサー及び前記駆動モジュールに電気的に接続するマイクロコンピュータとを更に備え、
前記マイクロコンピュータは各前記距離センサーからの前記距離感知データに基づいて対応の回避コマンドを前記駆動モジュールに出力するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項8】
前記鳥形の筐体に配置されて前記マイクロコンピュータに電気的に接続することにより、受信した音声を対応する音声データを生成して前記マイクロコンピュータに出力する複数の音声受信手段と、
前記鳥形の筐体に配置されて前記マイクロコンピュータに電気的に接続するスピーカーと、を更に備え、
前記マイクロコンピュータは、各前記音声データに基づいて対応の制御コマンドを前記駆動モジュールに出力し、且つ、前記スピーカーを制御して予め録音されたオーディオデータを再生させることができるように構成されることを特徴とする請求項6に記載の鳥型ロボット装置。
【請求項9】
前記鳥形の筐体の下部に配置されて前記マイクロコンピュータに電気的に接続することにより、水面から離れたことを感知すると前記マイクロコンピュータに離水信号を出力する水センサーを更に備え、
前記マイクロコンピュータが前記水センサーから前記離水信号を受信すると、前記撮影モジュールにより撮影された画像データを前記顔認識機能で処理した結果に基づいて、前記駆動モジュールに前記脚構造を動かせたり前記スピーカーにアラートを再生させたりするよう構成されることを特徴とする請求項8に記載の鳥型ロボット装置。