(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013128
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】頭髪用美容器
(51)【国際特許分類】
A45D 1/04 20060101AFI20250117BHJP
A45D 1/00 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
A45D1/04 C
A45D1/00 504C
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024009994
(22)【出願日】2024-01-26
(31)【優先権主張番号】P 2023116322
(32)【優先日】2023-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000114628
【氏名又は名称】ヤーマン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】峰村 千尋
(57)【要約】
【課題】種々の用途に使用可能な頭髪用美容器を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、頭髪用美容器が提供される。この頭髪用美容器は、加熱部と、振動部とを備える。振動部は、頭髪に接触して振動を付与するように構成される。加熱部は、頭髪に接触して熱を付与するように構成され、頭髪に接触する部分の温度を100℃以上の温度に設定可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭髪用美容器であって、
加熱部と、振動部とを備え、
前記振動部は、前記頭髪に接触して振動を付与するように構成され、
前記加熱部は、前記頭髪に接触して熱を付与するように構成され、前記頭髪に接触する部分の温度を100℃以上の温度に設定可能である、頭髪用美容器。
【請求項2】
請求項1に記載の頭髪用美容器において、
さらに、支持部を備え、
前記支持部は、前記加熱部及び前記振動部を支持するように構成されている、頭髪用美容器。
【請求項3】
請求項2に記載の頭髪用美容器において、
前記振動部は、前記頭髪に接触する振動板と、前記振動板を介して前記頭髪に前記振動を付与する振動機構とを有し、
前記加熱部は、前記頭髪に接触する加熱板と、前記加熱板を介して前記頭髪に前記熱を付与する加熱機構とを有し、
前記支持部は、互いに接近及び離間可能な第1の筐体及び第2の筐体を有し、これらの間に前記頭髪を挟持するように構成されている、頭髪用美容器。
【請求項4】
請求項3に記載の頭髪用美容器において、
前記振動板と前記加熱板とは、前記第1の筐体と前記第2の筐体との一方の前記筐体において併設されている、頭髪用美容器。
【請求項5】
請求項4に記載の頭髪用美容器において、
前記一方の筐体は、長尺状をなし、
前記振動板と前記加熱板との併設方向は、前記一方の筐体の短手方向である、頭髪用美容器。
【請求項6】
請求項4に記載の頭髪用美容器において、
前記加熱板を複数有し、前記振動板が隣り合う前記加熱板の間に設けられている、頭髪用美容器。
【請求項7】
請求項4に記載の頭髪用美容器において、
他方の前記筐体は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを接近させたとき、前記振動板に対向するように位置し、前記振動板と異なる機能を備える機能部を有する、頭髪用美容器。
【請求項8】
請求項7に記載の頭髪用美容器において、
前記振動板と前記加熱板との全体での平面形状と、前記機能部の平面形状とが略等しい、頭髪用美容器。
【請求項9】
請求項7に記載の頭髪用美容器において、
前記振動板と前記加熱板との全体での平面積と、前記機能部の平面積とが略等しい、頭髪用美容器。
【請求項10】
請求項7に記載の頭髪用美容器において、
前記他方の筐体は、さらに、前記機能部に併設され、前記頭髪に接触して前記加熱機構からの熱を付与する第2の加熱板を有する、頭髪用美容器。
【請求項11】
請求項10に記載の頭髪用美容器において、
前記他方の筐体は、長尺状をなし、
前記第2の加熱板と前記機能部との併設方向は、前記他方の筐体の短手方向である、頭髪用美容器。
【請求項12】
請求項11に記載の頭髪用美容器において、
前記第2の加熱板を複数有し、前記機能部が隣り合う前記第2の加熱板の間に設けられている、頭髪用美容器。
【請求項13】
請求項10に記載の頭髪用美容器において、
前記機能部は、光を発する発光部、又は薬剤を担持する薬剤担持部である、頭髪用美容器。
【請求項14】
請求項10に記載の頭髪用美容器において、
前記振動板と前記加熱板との全体での平面形状と、前記機能部と前記第2の加熱板との全体での平面形状とが略等しい、頭髪用美容器。
【請求項15】
請求項10に記載の頭髪用美容器において、
前記振動板と前記加熱板との全体での平面積と、前記機能部と前記第2の加熱板との全体での平面積とが略等しい、頭髪用美容器。
【請求項16】
請求項3に記載の頭髪用美容器において、
前記振動機構からの前記振動の出力値は、前記振動板の単位面積[cm2]あたり、0.05W以上0.2W以下である、頭髪用美容器。
【請求項17】
請求項3に記載の頭髪用美容器において、
前記第1の筐体の前記頭髪を挟持するのと反対側の端部と、前記第2の筐体の前記頭髪を挟持するのと反対側の端部とが回動可能に接続されている、頭髪用美容器。
【請求項18】
請求項3に記載の頭髪用美容器において、
さらに、互いに接近させた状態の前記第1の筐体と前記第2の筐体との隙間に、前記頭髪を誘導する誘導部を備える、頭髪用美容器。
【請求項19】
請求項1に記載の頭髪用美容器において、
前記頭髪に対して振動を付与しつつ、前記頭髪を加熱するのに際し、
前記振動の周波数が0.8MHz以上1.5MHz以下、前記加熱の温度が55℃以上200℃以下に設定される、頭髪用美容器。
【請求項20】
請求項1に記載の頭髪用美容器において、
液剤を保持した状態又は濡れた状態の前記頭髪に対して前記振動を付与する浸透モードと、前記頭髪を100℃以上の温度で加熱し、前記頭髪の形状を調整するアイロンモードとで動作するように構成されている、頭髪用美容器。
【請求項21】
請求項20に記載の頭髪用美容器において、
前記浸透モードでは、さらに、前記頭髪に対して前記熱を付与するように構成されている、頭髪用美容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭髪用美容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一対の挟持体の対向する面に毛髪を挟持して加熱する加熱板と、加熱板の毛髪を挟持する挟持面と反対側の熱供給面の中央部に熱を供給するためのヒータとを設けたヘアーアイロン(頭髪用美容器)が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、かかるヘアーアイロンは、例えば、くせ毛をストレートにするために使用されるが、その用途が制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明では上記事情に鑑み、種々の用途に使用可能な頭髪用美容器を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、頭髪用美容器が提供される。この頭髪用美容器は、加熱部と、振動部とを備える。振動部は、頭髪に接触して振動を付与するように構成される。加熱部は、頭髪に接触して熱を付与するように構成され、頭髪に接触する部分の温度を100℃以上の温度に設定可能である。
【0006】
かかる態様によれば、種々の用途に使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態の頭髪用美容器を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す頭髪用美容器の先端側を離間させた状態の側面図である。
【
図3】
図1に示す頭髪用美容器の分解斜視図である。
【
図7】
図1に示す頭髪用美容器の構成を示すブロック図である。
【
図8】第2実施形態の頭髪用美容器を示す斜視図である。
【
図13】第3実施形態の頭髪用美容器を示す斜視図である。
【
図17】発光部及び第2の加熱板を有するユニット部の斜視図である。
【
図20】第4実施形態の頭髪用美容器を示す斜視図である。
【
図21】第5実施形態の頭髪用美容器を示す斜視図である。
【
図22】第6実施形態の頭髪用美容器を示す斜視図である。
【
図23】第7実施形態の頭髪用美容器を示す斜視図である。
【
図24】第8実施形態の頭髪用美容器の先端側を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0009】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュ-タが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサ-バからダウンロ-ド可能に提供されてもよいし、外部のコンピュ-タで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピュ-ティング)するように提供されてもよい。
【0010】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハ-ドウェア資源と、これらのハ-ドウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0011】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィ-ルドプログラマブルゲ-トアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0012】
<第1実施形態>
まず、第1実施形態の頭髪用美容器について説明する。
図1は、第1実施形態の頭髪用美容器を示す斜視図である。
図2は、
図1に示す頭髪用美容器の先端側を離間させた状態の側面図である。
図3は、
図1に示す頭髪用美容器の分解斜視図である。
図4は、
図1に示す下側本体の平面図である。
図5は、
図1に示す上側本体の底面図である。
図6は、
図1に示す上側本体の縦断面図である。
図7は、
図1に示す頭髪用美容器の構成を示すブロック図である。
なお、以下の説明では、
図1~
図3及び
図6中の左側を「先端側」と、右側を「基端側」とも記載し、
図4及び
図5中の下側を「先端側」と、上側を「基端側」とも記載する。また、
図2及び
図6中の上側を「上側」と、下側を「下側」とも記載し、
図4中の紙面手前側を「上側」と、紙面奥側を「下側」とも記載し、
図5中の紙面奥側を「上側」と、紙面手前側を「下側」とも記載する。
【0013】
図1に示す頭髪用美容器1は、振動機構8を有する下側本体2(第1の筐体)と、発光機構7を有する上側本体3(第2の筐体)と、下側本体2と上側本体3とを回動可能に接続するヒンジ部4と、加熱機構9とを備えている。以下、各構成要素について順次説明する。
かかる頭髪用美容器1では、下側本体2(第1の筐体)と上側本体3(第2の筐体)とが接近及び離間可能に設けられ、これらの間に頭髪を挟持するように構成されている。下側本体2と上側本体3との間に頭髪を挟持した状態で、頭髪に対して振動機構8を介して振動を付与しつつ、加熱機構9を介して頭髪を加熱するとともに、発光機構7を介して頭髪に光を照射することができる。これにより、トリートメント剤、カラーリング剤のような液剤を頭髪に円滑かつ十分に浸透させることができるとともに、縮毛矯正等も行なうことができる。また、液剤が光と反応する発色剤を含有する場合、例えば、頭髪の発色性を高めることができる。
【0014】
下側本体2は、振動機構8及び加熱機構9の一部と、これらの振動機構8及び加熱機構9の一部を収容及び支持する下側筐体22とを有している。また、下側筐体22は、下側ケース221と、下側ケース221の上部開口を塞ぐ下側カバー222とを備えている。
下側筐体22(下側ケース221及び下側カバー222)の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂のような硬質の樹脂材料が挙げられる。
【0015】
下側カバー222の先端側には、
図3及び
図4に示すように、開口部222aが形成されている。この開口部222aには、1つの振動板82と2つの加熱板92とが嵌め込まれている。すなわち、頭髪用美容器1は、1つの振動板82と2つの加熱板92とを備えている。
振動板82は、頭髪に接触して振動機構8からの振動を付与するように構成され、各加熱板92は、頭髪に接触して加熱機構9からの熱を付与するように構成されている。すなわち、本実施形態では、振動板82と振動機構8とで、頭髪に接触して振動を付与する振動部80が構成され、各加熱板92と加熱機構9とで、頭髪に接触して熱を付与する加熱部90が構成されている。また、加熱部90は、各加熱板(頭髪に接触する部分)92の温度を100℃以上の温度に設定可能である。
【0016】
そして、本実施形態では、1つの振動板82と2つの加熱板92は、下側筐体(第1の筐体と第2の筐体との一方の筐体)22において併設されている。
具体的には、下側筐体(一方の筐体)22は、長尺状をなしており、1つの振動板82と2つの加熱板92との併設方向が下側筐体(一方の筐体)22の短手方向とされている。すなわち、頭髪用美容器1は、加熱板92を複数(本実施形態では2つ)有し、1つの振動板82が隣り合う2つの加熱板92の間に設けられている。これにより、接近させた下側本体2と上側本体3との間を通過させる頭髪に対して、熱の付与と振動の付与とを順次行なうことができる。このため、液剤を使用する場合、その頭髪への浸透効率を高めることができる。
【0017】
また、1つの振動板82及び2つの加熱板92と下側カバー222との間には、図示しないパッキン(封止部材)が配置されて、下側筐体22の液密性が確保されている。
下側筐体22内には、振動板82に接触する振動子81と、振動子81の基端側に振動制御基板83と、振動子81を冷却するヒートシンク24と、図示しない他のパッキン(封止部材)とが設けられている。本実施形態では、振動機構8は、振動子81と振動制御基板83とで構成される。
したがって、本実施形態では、振動は、振動子81(振動機構8)から振動板82を介して頭髪に付与されることになる。かかる構成によれば、頭髪に振動を均一に付与し易い。このため、液剤を使用する場合、その頭髪への浸透効率を高めるとともに、浸透にムラが発生するのを好適に防止することができる。
振動制御基板83は、振動子81(振動板82)の振動の条件(例えば、振動の周波数)を設定する。
【0018】
各加熱板92の下側には、電熱線を内蔵するフィルムヒータ(熱源)91が配置されている。すなわち、下側筐体22は、フィルムヒータ91を支持している。
フィルムヒータ91は、具体的には、電熱線が埋設されたポリアミドをフィルム状に形成することにより得られる。フィルムヒータ91を使用することにより、目的とする加熱の温度までの立ち上がりを早めることができる。その結果、頭髪に対する加熱処理、浸透処理等に要する時間の短縮を図ることができる。
フィルムヒータ91は、その抵抗値が2Ω以上20Ω以下程度であることが好ましく、4Ω以上17Ω以下程度であることがより好ましく、6Ω以上14Ω以下程度であることがさらに好ましい。このような抵抗値を有するフィルムヒータ91であれば、上記効果をより向上させることができる。また、熱源には、フィルムヒータ91に代えて、セラミックスヒータ、加熱用光源(例えば、加熱用ハロゲンランプ)等を使用することもできる。
【0019】
振動板82の構成材料としては、特に限定されないが、金属材料、セラミックス材料が挙げられる。中でも、振動板82の構成材料としては、金属材料が好ましく、ステンレス鋼、アルミニウム又はアルミニウム合金がより好ましく、ステンレス鋼がさらに好ましい。ステンレス鋼製の振動板82は、耐蝕性に優れるとともに、その上面が滑らかであり、頭髪に対する滑りが良好であることから好ましい。このため、頭髪に対するダメージを低減することができる。
また、加熱板92の構成材料は、振動板82と同様の構成材料が挙げられるが、ステンレス鋼が好ましい。ステンレス鋼製の加熱板92は、高い熱伝導率を有することから好ましい。この場合、上述したのと同様の理由から、加熱板92の上面には、酸化被膜(特に、黒色又は暗色を呈する酸化被膜)を形成することが好ましい。
【0020】
振動板82及び加熱板92のそれぞれは、その上面(頭髪に接触する側の面)の表面粗さ(算術平均高さRa)が0.2μm以上6.3μm以下程度であることが好ましく1.6μm以上3.2μm以下程度であることがより好ましい。振動板82及び加熱板92のそれぞれの上面の表面粗さが十分に小さいと、振動板82及び加熱板92のそれぞれの上面に対する頭髪の滑りをより高めることができる。なお、算術平均高さRaは、JIS B0601:2001に規定される値である。
また、振動板82及び加熱板92のそれぞれは、その上面(頭髪に接触する側の面)に酸化被膜を有することが好ましい。振動板82及び加熱板92のそれぞれの上面に酸化被膜を形成することにより、振動板82及び加熱板92のそれぞれの上面の表面粗さを上述した範囲に調整し易い。
【0021】
また、酸化被膜は、黒色又は暗色を呈することが好ましい。これにより、加熱機構9からの熱を吸収することで、頭髪に対する加温効果を高めることができる。また、振動板82及び加熱板92のそれぞれの審美性を高めることもできる。
かかる酸化被膜は、例えば、黒色色素又は暗色色素を含む処理液を使用した陽極酸化処理により比較的簡便に形成することができる。
なお、振動板82及び加熱板92のそれぞれの上面には、ブラックシリカを含む被膜を形成することが好ましい。かかる被膜を形成することにより、頭髪へのダメージを低減することができる。
【0022】
振動板82及び加熱板92のそれぞれは、その上面(頭髪に接触する側の面)に、上記酸化被膜に代えて、振動板82及び加熱板92のそれぞれより頭髪に対する摺動性を高める被膜を有することも好ましい。かかる被膜を形成することにより、振動板82及び加熱板92のそれぞれの上面に対する頭髪の滑りをより高めることができる。
この場合、被膜は、振動板82及び加熱板92のそれぞれより硬度が高いことが好ましい。これにより、振動板82及び加熱板92のそれぞれの上面に対する頭髪の滑りをさらに高めることができる。ステンレス鋼製の振動板82及び加熱板92の場合、チタン製の被膜を形成することが好ましい。チタン製の被膜は、振動板82及び加熱板92のそれぞれの上面に対して、例えば、蒸着、スパッタリングのような気相成膜法により形成することができる。
【0023】
以上のように、頭髪の滑りをよくする観点からは、振動板82及び加熱板92のそれぞれの上面の表面粗さ(算術平均高さRa)はできる限り小さいことが好ましいが、研磨により加工するとコスト高となり易い。そこで、振動板82及び加熱板92のそれぞれをステンレス鋼製又はセラミックス製とするか、フッ素系樹脂(例えば、テトラフルオロエチレン)被膜又は黒色ステンレス鋼被膜を形成することが好ましい。これにより、滑らかな上面を有する振動板82及び加熱板92を比較的安価に作製することができる。
なお、図示の構成では、1つの振動板82の上面と2つの加熱板92の上面とは、平坦面を構成するが、例えば、1つの振動板82の上面が2つの加熱板92の上面より下側に位置して、これらの間に段差が形成されていてもよい。また、1つの振動板82の上面と2つの加熱板92の上面とが、全体として短手方向の中央部が最も下側となるように湾曲する湾曲凹面を構成していてもよい。さらに、1つの振動板82の上面と2つの加熱板92の上面とが、全体として短手方向に沿って波打っていてもよい。
【0024】
また、頭髪用美容器1は、下側ケース221の先端側(振動板82及び加熱板92に対応する箇所)に、両側に突出して設けられた一対のブラシ部5を備えている。各ブラシ部5は、複数のピン状の櫛歯51を備え、櫛歯51同士の間を頭髪を通過させることができる。
下側本体2(第1の筐体)と上側本体3(第2の筐体)とを互いに接近させた状態として、頭髪を挟んでスライドさせることにより、下側本体2と上側本体3との間に、頭髪を束ねた状態で誘導して通過させることができる。すなわち、ブラシ部5は、互いに接近させた状態の下側本体2(第1の筐体)と上側本体3(第2の筐体)との隙間に、頭髪を誘導する誘導部を構成する。
【0025】
また、下側ケース221の基端側には、
図3及び
図4に示すように、凹部223と、凹部223の開口を囲むように筒部224とが設けられている。この凹部223の内側には、円筒状のシール部材25と、コイルバネ26とが配置されている。
シール部材25は、下側本体2及び上側本体3に対して液密性を確保しつつ、接続されている。シール部材25には、下側本体2内の電気部品と上側本体3内の電気部品とを電気的に接続する配線等が挿通される。なお、シール部材25は、例えば、シリコーンゴムのようなゴム材料等で構成することができる。
コイルバネ26は、下側本体2及び上側本体3の双方に接触して設けられている。下側本体2と上側本体3とを接近させると、コイルバネ26は圧縮状態となって、下側本体2と上側本体3とを離間させる方向に付勢する。
【0026】
下側本体2の基端部において、上側本体3が下側本体2に対して回動可能に接続されている。
上側本体3は、発光機構7及び加熱機構9の一部と、これらの発光機構7及び加熱機構9の一部を収容及び支持する上側筐体(第2の筐体)32とを有している。また、上側筐体32は、上側ケース321と、上側ケース321の下部開口を塞ぐ上側カバー322とを備えている。
上側筐体32(上側ケース321及び上側カバー322)の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂のような硬質の樹脂材料が挙げられる。
【0027】
上側カバー322の先端側には、
図5に示すように、開口部322aが形成されている。この開口部322aには光を発する発光部(機能部)71が設けられ、発光部71の両側に2つの加熱板92が嵌め込まれている。
各加熱板92の上側には、上述したのと同様のフィルムヒータ(熱源)91が配置されている。すなわち、上側筐体32は、フィルムヒータ91を支持している。
また、本実施形態では、加熱機構9は、下側本体2及び上側本体3に設けられた4つのフィルムヒータ91と、主制御基板30の一部とで構成される。
また、各加熱板92と上側カバー322との間には、
図6に示すように、パッキン(封止部材)323が配置されて、上側筐体32の液密性が確保されている。
【0028】
発光部71は、透明(無色透明、着色透明又は半透明)の支持板と、この支持板の上面に固定(支持)された複数の光源(例えば、LED)とで構成することができる。光源は、1色のみを単独で使用しても、複数色を組み合わせて使用してもよい。
すなわち、上側本体3(他方の筐体)は、下側本体2(第1の筐体)と上側本体3(第2の筐体)とを接近させたとき、振動板82に対向するように位置し、振動板82と異なる機能を備える機能部としての発光部71とを有する。かかる構成により、より多くの種類の処理を頭髪に行なうことができる。また、上側本体3(他方の筐体)は、発光部(機能部)71に併設され、頭髪に接触してフィルムヒータ91(加熱機構)からの熱を付与する加熱板(第2の加熱板)92を有する。
【0029】
具体的には、上側筐体(他方の筐体)32は、長尺状をなしており、2つの加熱板92と1つの発光部71との併設方向が上側筐体(他方の筐体)の短手方向とされている。すなわち、頭髪用美容器1は、加熱板92を複数(本実施形態では2つ)有し、1つの発光部71が隣り合う2つの加熱板92の間に設けられている。これにより、接近させた下側本体2と上側本体3との間を通過させる頭髪に対して、光の照射と熱の付与とを行なうことができる。このため、液剤を使用する場合、その頭髪への浸透効率を高めることができる。また、液剤が光と反応する発色剤を含有する場合、例えば、頭髪の発色性を高めることができる。
【0030】
頭髪用美容器1では、下側本体2における1つの振動板82と2つの加熱板92との全体での平面形状と、上側本体3における1つの発光部(機能部)71と2つの加熱板(第2の加熱板)92との全体での平面形状とが略等しい長方形状に設定されている。特に、頭髪用美容器1では、下側本体2における1つの振動板82と2つの加熱板92との全体での平面積と、1つの発光部(機能部)71と2つの加熱板(第2の加熱板)92との全体での平面積とが略等しく設定されている。このような構成により、頭髪に対して、種々の処理を無駄なく施すことができる。
なお、上記平面積は、特に限定されないが、1000mm2以上2500mm2以上程度であることが好ましく、1200mm2以上2300mm2以上程度であることがより好ましい。かかる平面積とすれば、種々の頭髪の処理中において、振動板82、加熱板92及び発光部71と頭髪との接触面積を十分に確保することができる。
【0031】
なお、図示の構成では、1つの発光部71の下面と2つの加熱板92の下面とは、平坦面を構成するが、例えば、1つの発光部71の下面が2つの加熱板92の下面より下側に位置して、これらの間に段差が形成されていてもよい。また、1つの発光部71の下面と2つの加熱板92の下面とが、全体として短手方向の中央部が最も下側となるように湾曲する湾曲凸面を構成していてもよい。さらに、1つの発光部71の下面と2つの加熱板92の下面とが、全体として短手方向に沿って波打っていてもよい。
すなわち、1つの振動板82の上面と2つの加熱板92の上面とで構成される面と、1つの発光部71の下面と2つの加熱板92の下面とで構成される面とが対応する形状をなすように形成することができる。
【0032】
上側筐体32内には、フィルムヒータ91の上方に、発光制御基板72及び電源34が設けられている。熱源としてフィルムヒータ91を使用することにより、上側筐体32内の空間を十分に確保することができ、この空間内に発光制御基板72及び電源34を配置することができる。その結果、頭髪用美容器1の小型化を図ることができる。
発光制御基板72は、光源の発光の条件(例えば、発光させる光源の選択、発光のパターン)を設定する。
電源は、例えば、乾電池、太陽電池、燃料電池のような一次電池、リチウムイオン電池のような二次電池等で構成することができる。また、比較的質量の大きい電源を上側筐体32内の先端側に配置することにより、上側本体3を下側本体2に接近させる操作を行い易くなる。
【0033】
上側筐体32内の基端側には、主制御基板30と、コネクタ部39と、図示しない他のパッキン(封止部材)とが設けられている。
コネクタ部39は、上側本体3の基端で外部に開放している。電源が二次電池である場合、コネクタ部39に充電装置のコネクタ部が接続されて充電される。
また、上側ケース321の基端側には、
図5に示すように、凹部323と、凹部323の開口を囲むように筒部324とが設けられている。この凹部323の内側には、シール部材25が嵌合する嵌合部35と、コイルバネ26のバネ座36とが設けられている。
頭髪用美容器1の組立状態において、筒部324は、凹部223及び筒部224内に挿入されている。
【0034】
上側ケース321の上面には、
図1及び
図6に示すように、2つの操作ボタン37、38が設けられている。例えば、操作ボタン37は、電源のオン/オフを行うためのボタンであり、操作ボタン38は、頭髪用美容器1の動作モードを選択及び決定するためのボタンである。なお、操作ボタン37、38は、それぞれその他の機能を有していてもよい。
また、振動の周波数を設定するための操作ボタン、加熱の温度を設定するための操作ボタン等を設けるようにしてもよい。
【0035】
下側本体2の下側筐体(第1の筐体)22と上側本体3の上側筐体(第2の筐体)32とは、ヒンジ部4を介して回動可能に接続されている。すなわち、下側筐体(第1の筐体)22の基端部(振動板82及び加熱板92と反対側の端部である頭髪を挟持するのと反対側の端部)と、上側筐体(第2の筐体)32の基端部(発光部71と反対側の端部である頭髪を挟持するのと反対側の端部)とが回動可能に接続されている。
具体的には、
図3~
図5に示すように、下側カバー222の基端部には、短手方向に対向する一対の円環状の接続部41が設けられている。一方、上側カバー322の基端部には、短手方向に対向する一対の円環状の接続部42が設けられている。一対の円環状の接続部41と一対の円環状の接続部42とを位置合わせし、軸部材43aを円環状の接続部41、42の貫通孔に挿通し、その端部に固定部材43bを取り付ける。これにより、ヒンジ部4が形成され、下側本体2と上側本体3とを回動可能に接続することができる。
以上のように、本実施形態では、互いに接近及び離間可能な下側筐体(第1の筐体)22と上側筐体(第2の筐体)32とで、加熱部90及び振動部80を支持する支持部100が構成されている。
【0036】
次に、頭髪用美容器1の電気的構成について説明する。
図7に示すように、主制御基板30には、振動制御基板83、フィルムヒータ91、発光制御基板72、電源34、及びコネクタ部39が電気的に接続されている。
また、発光制御基板72には、発光部71が接続され、これらの発光部71と発光制御基板72とが発光機構7を構成している。振動制御基板83には、振動子81が接続され、これらの振動子81と振動制御基板83とが振動機構8を構成している。
主制御基板30は、演算素子301と記憶素子302とを内蔵している。なお、振動制御基板83及び発光制御基板72も、それぞれ演算素子と記憶素子とを内蔵してもよい。
【0037】
演算素子301は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等で構成される。演算素子301は、記憶素子302に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、頭髪用美容器1に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶素子302に記憶されているソフトウェアによる情報処理が演算素子301によって具体的に実現される。
なお、演算素子301は、単一であることに限定されず、機能ごとに複数の演算素子301を設けるようにしてもよい。また、それらの組合せであってもよい。特に、振動子81の振動制御に関する演算素子301と別異に、フィルムヒータ91の加熱制御のための演算素子301が備えられるとよい。
【0038】
記憶素子302は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、演算素子301によって実行される頭髪用美容器1に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施することができる。
また、記憶素子302は、演算素子301によって実行される頭髪用美容器1に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
【0039】
例えば、液剤を使用する場合、振動板82及び加熱板92(フィルムヒータ91)と、発光部71及び加熱板92(フィルムヒータ91)との間に液剤を保持した状態の頭髪を位置させ、頭髪に対して振動子81から振動板82を介して振動を付与しつつ、頭髪を加熱板92を介してフィルムヒータ91により加熱するとともに、発光部71から頭髪に光を照射する。このようにすることにより、液剤を頭髪に円滑かつ十分に浸透させることができる。また、液剤が光と反応する発色剤を含有する場合、例えば、頭髪の発色性を高めることができる。
頭髪に対して振動を付与しつつ、頭髪を加熱するのに際し、振動の周波数を0.8MHz以上1.5MHz以下程度、好ましくは0.9MHz以上1.4MHz以下程度、より好ましくは1MHz以上1.3MHz以下程度に設定する。振動の周波数を上記範囲に設定することにより、液剤の頭髪への浸透効率をより高めることができる。
【0040】
振動機構8からの振動の出力値は、振動板82の単位面積[cm2]あたり、0.05W以上0.2W以下であることが好ましく、0.07W以上0.17W以下程度であることがより好ましく、0.09W以上0.14W以下程度であることがさらに好ましい。この場合、振動板82の全体での振動の均一性を高めることができる。このため、液剤の頭髪への浸透にムラが生じ難い。
また、加熱の温度が55℃以上100℃以下程度、好ましくは60℃以上95℃以下程度、より好ましくは65℃以上90℃以下程度に設定する。加熱の温度を上記範囲に設定することにより、液剤の頭髪への浸透効率をより高めることができる。
以上の条件は、液剤を頭髪に浸透させる浸透モードを実行する場合に適している。なお、浸透モードの後に、又は浸透モードとは別に、頭髪を高温でプレスするアイロンモードでは、上記条件での振動板82の振動に加えて、加熱板92の加熱の温度を好ましくは80℃以上200℃以下に設定することができる。
【0041】
なお、アイロンモードでは、A:縮毛矯正、B:トリートメント、C:通常のヘアアイロン等の用途で使用することができる。
A:縮毛矯正
この場合、まず、頭髪に1剤を塗布することにより、うねっている頭髪中の成分の化学結合を切断する。次いで、1剤を頭髪から洗い流した後、頭髪を乾燥させる。その後、アイロンモードに設定した頭髪用美容器1の下側本体2と上側本体3とで頭髪を挟持し、高温でプレスする。最後に、頭髪に2剤を塗布して放置することにより、真っ直ぐに伸ばした状態で頭髪中の成分の化学結合を再結合する。なお、最後の放置の際には、浸透モードに設定した頭髪用美容器1の下側本体2と上側本体3とで頭髪を挟持して行ってもよい。
使用薬剤としては、例えば、クオライン(アリミノ社製)、ネオリシオ(ミルボン社製)等が挙げられる。
【0042】
B:トリートメント
この場合、まず、頭髪に1剤を塗布する。その後、浸透モードに設定した頭髪用美容器1の下側本体2と上側本体3とで頭髪を挟持することにより、1剤を頭髪に浸透させる。次いで、1剤を頭髪から洗い流す。次に、頭髪に2剤を塗布する。その後、浸透モードに設定した頭髪用美容器1の下側本体2と上側本体3とで頭髪を挟持することにより、2剤を頭髪に浸透させる。次いで、頭髪を乾燥させる。最後に、アイロンモードに設定した頭髪用美容器1の下側本体2と上側本体3とで頭髪を挟持し、高温でプレスする。これにより、頭髪に浸透させた薬剤の結合を強くすることができる。
使用薬剤としては、例えば、バランサー(アリミノスリム社製)、サイエンスアクア(S-AQUA社製)等が挙げられる。なお、薬剤は、1剤及び2剤の区別がなく、単一の薬剤を使用するケースもある。
【0043】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の頭髪用美容器について説明する。
以下、第2実施形態の頭髪用美容器1について、上記第1実施形態の頭髪用美容器1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図8は、第2実施形態の頭髪用美容器を示す斜視図である。
図9は、
図8に示す下側本体の平面図である。
図10は、
図8に示す上側本体の底面図である。
なお、以下の説明では、
図8中の左側を「先端側」と、右側を「基端側」とも記載し、
図9及び
図10中の下側を「先端側」と、上側を「基端側」とも記載する。また、
図9中の紙面手前側を「上側」と、紙面奥側を「下側」とも記載し、
図10中の紙面奥側を「上側」と、紙面手前側を「下側」とも記載する。
【0044】
第2実施形態の頭髪用美容器1は、主に、下側本体2及び上側本体3の先端側の構成が異なり、それ以外は、第1実施形態の頭髪用美容器1と同様である。
図8~
図10に示すように、下側本体2からブラシ部5が省略され、加熱板92が下側カバー222の側部及び下側ケース221の上端部にわたる形状を有している。また、加熱板92が上側カバー322の側部及び上側ケース321の下端部にわたる形状を有している。かかる構成によれば、互いに接近させた状態の下側本体2と上側本体3との隙間に頭髪を通過させる際に、加熱板92と頭髪との接触時間を延長することができる。このため、液剤の頭髪への浸透効率をさらに高めることができる。
また、第2実施形態では、コネクタ部39が上側本体3の基端部に代えて、下側本体2の基端部に設けられている。
さらに、ヒンジ部4は、軸受状の接続部41と、接続部41の貫通孔に挿通される軸状の接続部42とで構成されている。
【0045】
機能部は、
図11及び
図12に示す構成とすることもできる。
図11及び
図12は、それぞれ機能部の他の構成を示す模式図である。
図11に示す機能部は、薬剤を担持する薬剤担持部6で構成されている。この薬剤担持部6は、支持体と、支持体に担持された薬剤とを有している。
支持体としては、例えば、紙基材、樹脂基材、ゲル基材、多孔質セラミックス基材、金属基材、ガラス基材等が挙げられる。
また、薬剤としては、例えば、ヒアルロン酸、リンゴ酸、アミノ酸、ビタミン、ラクトン等が挙げられる。
【0046】
図12(a)に示す機能部は、加熱板92で構成されている。
この場合、3つの加熱板92の加熱温度は、同一にも、異なるようにも設定することができる。
図12(b)に示す機能部は、単一の加熱板92で構成されている。
かかる頭髪用美容器1では、下側本体2における1つの振動板82と2つの加熱板92との全体での平面形状と、単一の加熱板(機能部)92の平面形状とが略等しく設定されている。特に、頭髪用美容器1では、下側本体2における1つの振動板82と2つの加熱板92との全体での平面積と、単一の加熱板(機能部)92の平面積とが略等しく設定されている。このような構成により、頭髪に対して、種々の処理を無駄なく施すことができる。
【0047】
また、機能部は、磁場を発生する磁場発生部であってもよく、電場を発生する電場発生部であってもよく、イオンを発生するイオン発生部であってもよく、オゾンを発生するオゾン発生部等であってもよい。
【0048】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の頭髪用美容器について説明する。
以下、第3実施形態の頭髪用美容器1について、上記第1及び第2実施形態の頭髪用美容器1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図13は、第3実施形態の頭髪用美容器を示す斜視図である。
図14は、
図13に示す下側本体の平面図である。
図15は、
図13に示す上側本体の底面図である。
図16は、
図13に示す下側本体の一部の縦断面図である。
図17は、発光部及び第2の加熱板を有するユニット部の斜視図である。
図18は、
図17中のA-A線断面図である。
図19は、
図17に示すユニット部の分解斜視図である。
【0049】
なお、以下の説明では、
図13、
図16及び
図17中の左側を「先端側」と、右側を「基端側」とも記載し、
図14及び
図15中の下側を「先端側」と、上側を「基端側」とも記載し、
図18及び
図19中の紙面手前側を「先端側」と、紙面奥側を「基端側」とも記載する。また、
図14中の紙面手前側を「上側」と、紙面奥側を「下側」とも記載し、
図15中の紙面奥側を「上側」と、紙面手前側を「下側」とも記載する。
また、
図17~
図19では、他の図と比較して上下が反転している。
第3実施形態の頭髪用美容器1は、主に、下側本体2の先端側の構成及び上側本体3の先端側の構成が異なり、それ以外は、第1実施形態の頭髪用美容器1と同様である。
【0050】
図13~
図15に示すように、下側本体2は、ブラシ部5が省略されるとともに、発光部71、フィルムヒータ91及び加熱板(第2の加熱板)92がユニット化されたユニット部10を有している。
このユニット部10は、
図16~
図19に示すように、第1のケース102と、第2のケース103と、こられの間を液密的に封止するシール部材104とを有している。
第1のケース102及び第2のケース103は、それぞれ下側筐体22及び上側筐体32で挙げたのと同様の樹脂材料で構成することができる。また、シール部材104は、シール部材25で挙げたのと同様のゴム材料で構成することができる。
【0051】
第1のケース102には、
図18及び
図19に示すように、開口部102aと開口部102bとが形成されている。
開口部102aは、加熱板92で塞がれ、開口部102bは、透光板712で塞がれている。透光板712は、例えば、光透過性を有する樹脂材料等で構成することができる。
加熱板92及び透光板712は、それぞれ第1のケース102と一体成形(例えば、インサート成形)されている。これにより、第1のケース102の開口部102a及び開口部102bにおける液密性が確保されている。
図18及び
図19に示すように、加熱板92に接触してフィルムヒータ91が配置され、フィルムヒータ91と第2のケース103との間に押え部材93(
図18では、示されていない。)が配置されている。また、フィルムヒータ91の基端部には、端子911が設けられている。一方、透光板712から離間して、複数の光源(例えば、LED)7111を搭載した発光基板711が配置されている。
【0052】
第2のケース103の基端部には、
図17及び
図18に示すように、外側に向かって突出する円環状の接続部1031が形成されている。一方、下側筐体22の下側カバー222には、
図16に示すように、凹没する凹部222bが形成されている。ユニット部10は、加熱板92及び透光板712を外側(上側本体3側)にして、凹部222b内に収容されることにより、下側筐体22に装着されている。
また、凹部222bには、内側に向かって突出する円環状の接続部225が形成されている。ユニット部10を凹部222b内に収容すると、接続部1031が接続部225に挿入される。この状態で、
図16に示すように、接続部1031及び接続部225の内側にシール部材27が装着(嵌着)されることにより、下側筐体22とユニット部10との接続部分における液密性が確保されている。なお、シール部材27は、シール部材25で挙げたのと同様のゴム材料で構成することができる。
【0053】
また、第2のケース103の内面には、
図19に示すように、所定の箇所(本実施形態では、先端部及び基端部の2箇所)に内側に向かって突出する嵌合ピン1032が形成されている。一方、発光基板711には、嵌合ピン1032に対応して、先端部及び基端部の2箇所に貫通孔711aが形成されている。そして、嵌合ピン1032を貫通孔711aに挿入して嵌合させることにより、発光基板711を第2のケース103に固定(装着)することができる。
さらに、第2のケース103の外面には、複数(本実施形態では、3つ)の弾性部材11~13が配置されている。1つの弾性部材11は、第2のケース103の先端部中央に配置され、2つ弾性部材11は、第2のケース103の基端部に互いに所定の間隔を空けて配置されている。
【0054】
ユニット部10の側面視において、各弾性部材11~13の先端は、ユニット部10より下側筐体22側に突出している。このため、ユニット部10を下側筐体22に装着した状態で、各弾性部材11~13の先端が下側筐体22に接触することにより、ユニット部10と下側筐体22(下側カバー222)との間にスペースSが形成されている。
各弾性部材11~13は、弾性変形するため、ユニット部10に外力が付与されると、各弾性部材11~13が圧縮されて、ユニット部10が下側筐体22に接近する。一方、ユニット部10に対する外力の付与が解除されると、各弾性部材11~13が略元の形状に復元して、ユニット部10が下側筐体22から離間する。
【0055】
かかる構成により、下側本体2と上側本体3との挟持により、頭髪に不要な力を付与してしまうことを防止することができる。よって、頭髪にダメージが生じ難くなる。
なお、自然状態(外力を付与しない状態)でのスペースSの高さ方向のサイズ(ユニット部10と下側筐体22との離間距離)は、特に限定されないが、1mm以上10mm以下程度であることが好ましく、2mm以上8mm以下程度であることがより好ましく、3mm以上6mm以下程度であることがさらに好ましい。
各弾性部材11~13は、例えば、シリコーンゴム製のブロック体、コイルスプリング等で構成することができるが、弾性変形可能な他の部材(部品)で構成することもできる。
【0056】
一方、上側本体3の上側カバー322には、開口部322aを塞ぐように、加熱板92と振動板82とが嵌め込まれている。
下側本体2(第1の筐体)と上側本体3(第2の筐体)とを接近させたとき、上側本体3の加熱板92と下側本体2の加熱板92とが対向し、上側本体3の振動板82と下側本体2の透光板712とが対向するように配置されている。
【0057】
かかる頭髪用美容器1は、例えば、液剤を保持した状態又は濡れた状態の頭髪に対して振動を付与する浸透モードと、頭髪を100℃以上の温度で加熱し、頭髪の形状を調整するアイロンモードとで動作するように構成することができる。浸透モードでは、さらに、頭髪に対して熱を付与するように構成されていることが好ましい。なお、頭髪用美容器1は、上記モードに加えて、他のモードで動作するように構成してもよい。
具体的には、頭髪用美容器1は、A:振動+低温(50℃以上90℃未満程度、好ましくは70℃程度)で行う浸透モードと、B:振動+中温(80℃以上100℃未満程度)で行う就寝前のプレケアモードと、C:高温(100℃以上温度)で行うアイロンモード(スタイリングモード)との3つのモードで動作するように構成することができる。
【0058】
なお、浸透モードで使用中に、不本意にアイロンモードに切り替わると、頭髪にダメージを与えてしまうおそれがある。このため、浸透モードを選択する操作ボタンとアイロンモードを選択する操作ボタンとの離間距離を大きくしたり、浸透モードとアイロンモードとを切り替える際に、操作ボタンの長押しを必要とするように設計する等、操作の区別ができるように構成することが好ましい。
また、切り替え操作に伴って、光源の発光色が変化したり、通知音を発したりする機能を搭載して、ユーザが認識し易いように構成することも好ましい。
【0059】
なお、第3実施形態の頭髪用美容器1では、上側本体3において、フィルムヒータ91、加熱板92、振動子81及び振動板82をユニット化してユニット部を構成するようにしてもよい。この場合のユニット部も上側筐体32に対して変位(接近及び離間)するように構成することができる。
また、第3実施形態の頭髪用美容器1においても、
図11及び
図12に示す構成を採用することができる。
このように作用部分を液密的に封止したユニット部を構成することにより、作用部分を支持部に対して変位可能に設計することができる。この作用部分を、イオン導出入、電気通電等を実施し得る構成としてもよい。
【0060】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態の頭髪用美容器について説明する。
以下、第4実施形態の頭髪用美容器1Aについて、上記第1~第3実施形態の頭髪用美容器1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図20は、第4実施形態の頭髪用美容器を示す斜視図である。
なお、以下の説明では、
図20中の右側を「先端側」と、左側を「基端側」とも記載する。
第4実施形態の頭髪用美容器1Aは、主に、支持部100が下側本体2(下側筐体22)のみを有する点が異なり、それ以外は、第1実施形態の頭髪用美容器1と同様である。
【0061】
頭髪用美容器1Aは、手等で把持する把持部21を有し、把持部21より先端側(下側筐体22の下側カバー222の先端側)にブラシ部5が設けられている。本実施形態では、このブラシ部5が加熱部90の一部(頭髪と接触する部分)を構成している。また、ブラシ部5が固定される土台部が振動部80の一部(頭髪と接触する部分)を構成している。
なお、ブラシ部5を振動部80の一部として構成し、ブラシ部5の土台部を加熱部90の一部として構成してもよい。
かかる構成によれば、頭髪をブラシ部5で梳くだけで、頭髪に対して熱及び振動の付与を行うことができる。なお、モードによって、頭髪に対して振動のみの付与、熱のみの付与を行うように構成することもできる。
【0062】
<第5実施形態>
次に、第5実施形態の頭髪用美容器について説明する。
以下、第5実施形態の頭髪用美容器1Bについて、上記第1~第4実施形態の頭髪用美容器1、1Aとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図21は、第5実施形態の頭髪用美容器を示す斜視図である。
なお、以下の説明では、
図21中の左側を「先端側」と、右側を「基端側」とも記載する。
第5実施形態の頭髪用美容器1Bは、主に、下側本体2の先端側の構成及び上側本体3の先端側の構成が異なり、それ以外は、第3実施形態の頭髪用美容器1と同様である。
【0063】
下側本体2には、発光機構7が設けられ、上側本体3には、振動部80が設けられている。
また、下側本体2の外周面及び上側本体3の外周面には、それぞれ加熱部90の一部(頭髪と接触する部分)として構成されたブラシ部5が設けられている。
かかる構成によれば、下側本体2と上側本体3との間に頭髪を挟持した状態で、頭髪に対して振動の付与及び光の照射を行うことができる。また、下側本体2と上側本体3とを閉じた状態でブラシ部5に頭髪を巻き付けた状態で、加熱することができる。すなわち、第5実施形態の頭髪用美容器1Bは、2WAYでの使用が可能である。なお、モードによって、頭髪に対して振動のみの付与、光のみの照射、熱のみの付与を行うように構成することもできる。
さらに、発光機構7に変えて加熱部90を設け、下側本体2と上側本体3との間に頭髪を挟持した状態で加熱できるようにしてもよい。
【0064】
<第6実施形態>
次に、第6実施形態の頭髪用美容器について説明する。
以下、第6実施形態の頭髪用美容器1Cについて、上記第1~第5実施形態の頭髪用美容器1、1A~1Bとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図22は、第6実施形態の頭髪用美容器を示す斜視図である。
なお、以下の説明では、
図22中の右側を「先端側」と、左側を「基端側」とも記載する。
第6実施形態の頭髪用美容器1Cは、主に、先端側の構成が異なり、それ以外は、第4実施形態の頭髪用美容器1Aと同様である。
【0065】
第6実施形態の頭髪用美容器1Cは、把持部21の先端側にカール50を備えている。
このカール50には、その周方向に沿って略等間隔で複数のブラシ部5が配置されている。各ブラシ部5は、カール50の長手方向に沿って略等間隔で配置された複数の線材状の櫛歯(ナイロン毛)51で構成されている。そして、各ブラシ部5が振動部80の一部(頭髪と接触する部分)を構成している。また、カール50の外周面の隣り合うブラシ部5同士の間は、加熱部90の一部(頭髪と接触する部分)を構成している。
なお、ブラシ部5を加熱部90の一部として構成し、カール50の外周面の隣り合うブラシ部5同士の間を振動部80の一部として構成してもよい。
かかる構成によれば、頭髪をカール50に巻き付けるだけで、頭髪に対して熱及び振動の付与を行うことができる。なお、モードによって、頭髪に対して振動のみの付与、熱のみの付与を行うように構成することもできる。
また、ブラシ部5は、線材状の櫛歯51に代えて又は櫛歯51に加えて、樹脂製又は金属製の板材を有していてもよい。
【0066】
<第7実施形態>
次に、第7実施形態の頭髪用美容器について説明する。
以下、第7実施形態の頭髪用美容器1Dについて、上記第1~第6実施形態の頭髪用美容器1、1A~1Cとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図23は、第7実施形態の頭髪用美容器を示す斜視図である。
なお、以下の説明では、
図23中の左側を「先端側」と、右側を「基端側」とも記載する。
第7実施形態の頭髪用美容器1Dは、主に、先端側の構成が異なり、それ以外は、第6実施形態の頭髪用美容器1Cと同様である。
【0067】
第7実施形態の頭髪用美容器1Dは、カール50の複数のブラシ部5が省略され、カール50の外周面に、振動部80の一部(頭髪と接触する部分)及び加熱部90の一部(頭髪と接触する部分)が設けられている。
また、頭髪用美容器1Dは、カール50に対して回動可能(接近及び離間可能)に設けられた押え部52を有している。カール50に頭髪を巻き付けた状態で押え部52をカール50に接近させることにより、頭髪を挟持してカール50に固定することができる。
なお、カール50の外周面及び押え部52の内周面の一方に振動部80の一部を設け、他方に加熱部90の一部を設けるようにしてもよい。
かかる構成によれば、頭髪をカール50に巻き付けるだけで、頭髪に対して熱及び振動の付与を行うことができる。なお、モードによって、頭髪に対して振動のみの付与、熱のみの付与を行うように構成することもできる。
【0068】
<第8実施形態>
次に、第8実施形態の頭髪用美容器について説明する。
以下、第8実施形態の頭髪用美容器1Eについて、上記第1~第7実施形態の頭髪用美容器1、1A~1Dとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図24は、第8実施形態の頭髪用美容器の先端側を示す側面図である。
なお、以下の説明では、
図24中の左側を「先端側」と、右側を「基端側」とも記載する。
第8実施形態の頭髪用美容器1Eは、主に、先端側の構成が異なり、それ以外は、第6実施形態の頭髪用美容器1Cと同様である。
【0069】
第8実施形態の頭髪用美容器1Eは、把持部21(図示せず。)より先端側に、平板状のブラシ部5を有している。このブラシ部5は、複数の短冊状の櫛歯51を備え、最も先端側の5本の櫛歯51から順に5本の櫛歯51毎に、交互に振動部80の一部(頭髪に接触する部分)及び加熱部90の一部(頭髪に接触する部分)で構成されている。
かかる構成によれば、頭髪をブラシ部5で梳くだけで、頭髪に対して熱及び振動の付与を行うことができる。なお、一対のブラシ部5を重ね合わせて、一方のブラシ部5を振動部80の一部で構成し、他方のブラシ部5を加熱部90の一部で構成してもよい。いずれの場合も、モードによって、頭髪に対して振動のみの付与、熱のみの付与を行うように構成することもできる。
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0070】
(1)頭髪用美容器であって、加熱部と、振動部とを備え、前記振動部は、前記頭髪に接触して振動を付与するように構成され、前記加熱部は、前記頭髪に接触して熱を付与するように構成され、前記頭髪に接触する部分の温度を100℃以上の温度に設定可能である、頭髪用美容器。
【0071】
(2)上記(1)に記載の頭髪用美容器において、さらに、支持部を備え、前記支持部は、前記加熱部及び前記振動部を支持するように構成されている、頭髪用美容器。
【0072】
(3)上記(2)に記載の頭髪用美容器において、前記振動部は、前記頭髪に接触する振動板と、前記振動板を介して前記頭髪に前記振動を付与する振動機構とを有し、前記加熱部は、前記頭髪に接触する加熱板と、前記加熱板を介して前記頭髪に前記熱を付与する加熱機構とを有し、前記支持部は、互いに接近及び離間可能な第1の筐体及び第2の筐体を有し、これらの間に前記頭髪を挟持するように構成されている、頭髪用美容器。
【0073】
(4)上記(3)に記載の頭髪用美容器において、前記振動板と前記加熱板とは、前記第1の筐体と前記第2の筐体との一方の前記筐体において併設されている、頭髪用美容器。
【0074】
(5)上記(4)に記載の頭髪用美容器において、前記一方の筐体は、長尺状をなし、前記振動板と前記加熱板との併設方向は、前記一方の筐体の短手方向である、頭髪用美容器。
【0075】
(6)上記(4)又は(5)に記載の頭髪用美容器において、前記加熱板を複数有し、前記振動板が隣り合う前記加熱板の間に設けられている、頭髪用美容器。
【0076】
(7)上記(4)~(6)のいずれか1つに記載の頭髪用美容器において、他方の前記筐体は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを接近させたとき、前記振動板に対向するように位置し、前記振動板と異なる機能を備える機能部を有する、頭髪用美容器。
【0077】
(8)上記(7)に記載の頭髪用美容器において、前記振動板と前記加熱板との全体での平面形状と、前記機能部の平面形状とが略等しい、頭髪用美容器。
【0078】
(9)上記(7)又は(8)に記載の頭髪用美容器において、前記振動板と前記加熱板との全体での平面積と、前記機能部の平面積とが略等しい、頭髪用美容器。
【0079】
(10)上記(7)に記載の頭髪用美容器において、前記他方の筐体は、さらに、前記機能部に併設され、前記頭髪に接触して前記加熱機構からの熱を付与する第2の加熱板を有する、頭髪用美容器。
【0080】
(11)上記(10)に記載の頭髪用美容器において、前記他方の筐体は、長尺状をなし、前記第2の加熱板と前記機能部との併設方向は、前記他方の筐体の短手方向である、頭髪用美容器。
【0081】
(12)上記(11)に記載の頭髪用美容器において、前記第2の加熱板を複数有し、前記機能部が隣り合う前記第2の加熱板の間に設けられている、頭髪用美容器。
【0082】
(13)上記(10)~(12)のいずれか1つに記載の頭髪用美容器において、前記機能部は、光を発する発光部、又は薬剤を担持する薬剤担持部である、頭髪用美容器。
【0083】
(14)上記(10)~(13)のいずれか1つに記載の頭髪用美容器において、前記振動板と前記加熱板との全体での平面形状と、前記機能部と前記第2の加熱板との全体での平面形状とが略等しい、頭髪用美容器。
【0084】
(15)上記(10)~(14)のいずれか1つに記載の頭髪用美容器において、前記振動板と前記加熱板との全体での平面積と、前記機能部と前記第2の加熱板との全体での平面積とが略等しい、頭髪用美容器。
【0085】
(16)上記(3)~(15)のいずれか1つに記載の頭髪用美容器において、前記振動機構からの前記振動の出力値は、前記振動板の単位面積[cm2]あたり、0.05W以上0.2W以下である、頭髪用美容器。
【0086】
(17)上記(3)~(16)のいずれか1つに記載の頭髪用美容器において、前記第1の筐体の前記頭髪を挟持するのと反対側の端部と、前記第2の筐体の前記頭髪を挟持するのと反対側の端部とが回動可能に接続されている、頭髪用美容器。
【0087】
(18)上記(3)~(17)のいずれか1つに記載の頭髪用美容器において、さらに、互いに接近させた状態の前記第1の筐体と前記第2の筐体との隙間に、前記頭髪を誘導する誘導部を備える、頭髪用美容器。
【0088】
(19)上記(1)~(18)のいずれか1つに記載の頭髪用美容器において、前記頭髪に対して振動を付与しつつ、前記頭髪を加熱するのに際し、前記振動の周波数が0.8MHz以上1.5MHz以下、前記加熱の温度が55℃以上200℃以下に設定される、頭髪用美容器。
【0089】
(20)上記(1)~(19)のいずれか1つに記載の頭髪用美容器において、液剤を保持した状態又は濡れた状態の前記頭髪に対して前記振動を付与する浸透モードと、前記頭髪を100℃以上の温度で加熱し、前記頭髪の形状を調整するアイロンモードとで動作するように構成されている、頭髪用美容器。
【0090】
(21)上記(20)に記載の頭髪用美容器において、前記浸透モードでは、さらに、前記頭髪に対して前記熱を付与するように構成されている、頭髪用美容器。
もちろん、この限りではない。
上記第1実施形態~第8実施形態で説明した任意の構成は、適宜、組み合わせることができる。
【0091】
既述のとおり、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を何ら限定するものではない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0092】
例えば、振動板と加熱板との併設方向は、一方の筐体の短手方向に代えて、一方の筐体の長手方向であってもよく、短手方向と長手方向との組み合わせであってもよい。また、振動板と加熱板とは、一方の筐体の長手方向に対して傾斜して配置されてもよい。さらに、1つの振動板と2つの加熱板との組み合わせに限らず、1つの振動板と1つ又は3つ以上の加熱板との組み合わせであってもよく、1つの加熱板と2つ以上の振動板との組み合わせであってもよい。
【0093】
また、例えば、機能部と第2の加熱板との併設方向は、他方の筐体の短手方向に代えて、他方の筐体の長手方向であってもよく、短手方向と長手方向との組み合わせであってもよい。また、機能部と第2の加熱板とは、他方の筐体の長手方向に対して傾斜して配置されてもよい。さらに、1つの機能部と2つの第2の加熱板との組み合わせに限らず、1つの機能部と1つ又は3つ以上の第2の加熱板との組み合わせであってもよく、1つの第2の加熱板と2つ以上の機能部との組み合わせであってもよい。
【0094】
また、例えば、加熱板92の頭髪が接触する側の角部は、角張った形状とせず、R付した(カーブした)形状としてもよい。この場合、頭髪に液剤を浸透させつつ、加熱板92の角部で頭髪を押圧し過ぎることなく、加熱板92の表面で滑らせることができる。
さらに、振動板82に対向するプレートは、振動板82に対して接近及び離間するように可動(変位)するように構成されてもよい。この場合、数ミリ程度の可動域を設けることにより、頭髪を過度に押圧することなく、振動効果を付与することができる。
【符号の説明】
【0095】
1 :頭髪用美容器
1A :頭髪用美容器
1B :頭髪用美容器
1C :頭髪用美容器
1D :頭髪用美容器
1E :頭髪用美容器
100 :支持部
2 :下側本体
21 :把持部
22 :下側筐体
221 :下側ケース
222 :下側カバー
222a :開口部
222b :凹部
223 :凹部
224 :筒部
225 :接続部
24 :ヒートシンク
25 :シール部材
26 :コイルバネ
27 :シール部材
3 :上側本体
30 :主制御基板
301 :演算素子
302 :記憶素子
32 :上側筐体
321 :上側ケース
322 :上側カバー
322a :開口部
323 :凹部
324 :筒部
34 :電源
35 :嵌合部
36 :バネ座
37 :操作ボタン
38 :操作ボタン
39 :コネクタ部
4 :ヒンジ部
41 :接続部
42 :接続部
43a :軸部材
43b :固定部材
5 :ブラシ部
50 :カール
51 :櫛歯
52 :押え部
6 :薬剤担持部
7 :発光機構
71 :発光部
711 :発光基板
711a :貫通孔
7111 :光源
712 :透光板
72 :発光制御基板
80 :振動部
8 :振動機構
81 :振動子
82 :振動板
83 :振動制御基板
90 :加熱部
9 :加熱機構
91 :フィルムヒータ
911 :端子
92 :加熱板
93 :押え部材
10 :ユニット部
102 :第1のケース
102a :開口部
102b :開口部
103 :第2のケース
1031 :接続部
1032 :嵌合ピン
104 :シール部材
11 :弾性部材
12 :弾性部材
13 :弾性部材
S :スペース