IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日本設計の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013148
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】建築用木材
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/94 20060101AFI20250117BHJP
   E04C 2/12 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
E04B1/94 P
E04C2/12 E
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024057778
(22)【出願日】2024-03-29
(31)【優先権主張番号】P 2023115511
(32)【優先日】2023-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】301062226
【氏名又は名称】株式会社日本設計
(74)【代理人】
【識別番号】100177426
【弁理士】
【氏名又は名称】粟野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】小泉 治
【テーマコード(参考)】
2E001
2E162
【Fターム(参考)】
2E001DE01
2E001EA08
2E001FA03
2E001FA11
2E001FA14
2E001GA12
2E001GA42
2E001HC01
2E162CC01
2E162GB07
(57)【要約】
【課題】二酸化炭素排出量抑制効果と再利用性に優れ、耐火性能のある建築用木材を提供する。
【解決手段】仕上げ面と耐火用流路とを有し、前記耐火用流路は、導入口と、前記導入口に通じ、前記仕上げ面に並行して伸びる中空の並行流路と、前記並行流路に通じ、前記仕上げ面に開口する排出口とを有し、火災時に前記導入口から通水される水を前記並行流路を通して前記排出口から排出できる、建築用木材。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕上げ面と耐火用流路とを有し、
前記耐火用流路は、導入口と、前記導入口に通じ、前記仕上げ面に並行して伸びる中空の並行流路と、前記並行流路に通じ、前記仕上げ面に開口する排出口とを有し、火災時に前記導入口から通水される水を前記並行流路を通して前記排出口から排出できる、建築用木材。
【請求項2】
前記耐火用流路を流れる水を保持できる、請求項1に記載の建築用木材。
【請求項3】
前記耐火用流路を流れる水を前記仕上げ面が保持できる、請求項2に記載の建築用木材。
【請求項4】
前記耐火用流路を流れる水を前記並行流路の表面を介して吸収できる、請求項2に記載の建築用木材。
【請求項5】
前記導入口は、前記仕上げ面の反対側の表面又は前記仕上げ面に設けられる、請求項1に記載の建築用木材。
【請求項6】
前記並行流路は、前記仕上げ面に沿って並び互いに並行しつつ前記仕上げ面に並行して伸びる複数の第1流路と、全ての前記第1流路を互いに通じさせる流路接続部とを有する、請求項1に記載の建築用木材。
【請求項7】
前記流路接続部は、前記仕上げ面に沿って並び上記複数の第1流路の端から端まで前記仕上げ面に並行して伸びる第2流路を有する、請求項6に記載の建築用木材。
【請求項8】
前記並行流路は、各々の前記第1流路に対応して、前記第1流路に沿って並ぶ複数の前記排出口からなる排出口群を有する、請求項6に記載の建築用木材。
【請求項9】
前記並行流路は、前記仕上げ面に沿って並び互いに並行しつつ前記仕上げ面に並行して伸びる複数の第1流路からなり前記排出口の内側端が開口する第1流路群と、前記仕上げ面に沿って並び上記複数の第1流路の端から端まで前記仕上げ面に並行して伸びる複数の第2流路からなる第2流路群とを有し、
少なくとも1つの前記第1流路は、当該第1流路に連なる全ての前記第2流路よりも前記仕上げ面側に飛び出る滞水層を有するか、或いは、少なくとも1つの前記第2流路は、当該第2流路に連なる全ての前記第1流路よりも前記仕上げ面側に飛び出る滞水層を有する、請求項1に記載の建築用木材。
【請求項10】
前記第1流路群は、前記第1流路として前記滞水層を有さずに前記排出口を有する排出用第1流路と、前記第1流路として前記排出口を有さずに前記滞水層を有する滞水用第1流路とを有する、請求項9に記載の建築用木材。
【請求項11】
前記第1流路群は、前記第1流路として前記滞水層及び前記排出口を有する滞水排出用第1流路を有する、請求項9に記載の建築用木材。
【請求項12】
前記第2流路群は、前記第2流路として前記排出口を有さずに前記滞水層を有する滞水用第2流路を有する、請求項9に記載の建築用木材。
【請求項13】
前記耐火用流路は、第2の導入口と、前記第2の導入口に通じ前記並行流路よりも前記仕上げ面の反対側又は前記仕上げ面側において前記仕上げ面に並行して伸びる中空の第2の並行流路と、前記第2の並行流路に通じ、前記仕上げ面に開口する第2の排出口とを有し、火災時に前記第2の導入口から通水される水を前記第2の並行流路を通して前記第2の排出口から排出できる、請求項9に記載の建築用木材。
【請求項14】
前記第2の導入口は、前記建築用木材の外表面に設けられる、請求項9に記載の建築用木材。
【請求項15】
前記並行流路を構成する溝を有する板を有し、
製材、単板積層材、合板、集成材又は直交集成材あるいはこれらの任意の組み合わせによって形成される、請求項1に記載の建築用木材。
【請求項16】
請求項1に記載の建築用木材を有する、木材による耐火構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築用木材に関する。
【背景技術】
【0002】
耐火性能のある建築用木材が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-208353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建築用木材は、二酸化炭素排出量抑制効果と再利用性に優れることが好ましい。
【0005】
そこで本発明の目的は、二酸化炭素排出量抑制効果と再利用性に優れ、耐火性能のある建築用木材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は以下のとおりである。
【0007】
[1]
仕上げ面と耐火用流路とを有し、
前記耐火用流路は、導入口と、前記導入口に通じ、前記仕上げ面に並行して伸びる中空の並行流路と、前記並行流路に通じ、前記仕上げ面に開口する排出口とを有し、火災時に前記導入口から通水される水を前記並行流路を通して前記排出口から排出できる、建築用木材。
【0008】
[2]
前記耐火用流路を流れる水を保持できる、[1]に記載の建築用木材。
【0009】
[3]
前記耐火用流路を流れる水を前記仕上げ面が保持できる、[2]に記載の建築用木材。
【0010】
[4]
前記耐火用流路を流れる水を前記並行流路の表面を介して吸収できる、[2]又は[3]に記載の建築用木材。
【0011】
[5]
前記導入口は、前記仕上げ面の反対側の表面又は前記仕上げ面に設けられる、[1]~[4]の何れか1項に記載の建築用木材。
【0012】
[6]
前記並行流路は、前記仕上げ面に沿って並び互いに並行しつつ前記仕上げ面に並行して伸びる複数の第1流路と、全ての前記第1流路を互いに通じさせる流路接続部とを有する、[1]~[5]の何れか1項に記載の建築用木材。
【0013】
[7]
前記流路接続部は、前記仕上げ面に沿って並び上記複数の第1流路の端から端まで前記仕上げ面に並行して伸びる第2流路を有する、[6]に記載の建築用木材。
【0014】
[8]
前記並行流路は、各々の前記第1流路に対応して、前記第1流路に沿って並ぶ複数の前記排出口からなる排出口群を有する、[6]又は[7]に記載の建築用木材。
【0015】
[9]
前記並行流路は、前記仕上げ面に沿って並び互いに並行しつつ前記仕上げ面に並行して伸びる複数の第1流路からなり前記排出口の内側端が開口する第1流路群と、前記仕上げ面に沿って並び上記複数の第1流路の端から端まで前記仕上げ面に並行して伸びる複数の第2流路からなる第2流路群とを有し、
少なくとも1つの前記第1流路は、当該第1流路に連なる全ての前記第2流路よりも前記仕上げ面側に飛び出る滞水層を有するか、或いは、少なくとも1つの前記第2流路は、当該第2流路に連なる全ての前記第1流路よりも前記仕上げ面側に飛び出る滞水層を有する、[1]~[8]の何れか1項に記載の建築用木材。
【0016】
[10]
前記第1流路群は、前記第1流路として前記滞水層を有さずに前記排出口を有する排出用第1流路と、前記第1流路として前記排出口を有さずに前記滞水層を有する滞水用第1流路とを有する、[9]に記載の建築用木材。
【0017】
[11]
前記第1流路群は、前記第1流路として前記滞水層及び前記排出口を有する滞水排出用第1流路を有する、[9]又は[10]に記載の建築用木材。
【0018】
[12]
前記第2流路群は、前記第2流路として前記排出口を有さずに前記滞水層を有する滞水用第2流路を有する、[9]~[11]の何れか1項に記載の建築用木材。
【0019】
[13]
前記耐火用流路は、第2の導入口と、前記第2の導入口に通じ前記並行流路よりも前記仕上げ面の反対側又は前記仕上げ面側において前記仕上げ面に並行して伸びる中空の第2の並行流路と、前記第2の並行流路に通じ、前記仕上げ面に開口する第2の排出口とを有し、火災時に前記第2の導入口から通水される水を前記第2の並行流路を通して前記第2の排出口から排出できる、[9]~[12]の何れか1項に記載の建築用木材。
【0020】
[14]
前記第2の導入口は、前記建築用木材の外表面に設けられる、[9]~[13]の何れか1項に記載の建築用木材。
【0021】
[15]
前記並行流路を構成する溝を有する板を有し、
製材、単板積層材、合板、集成材又は直交集成材あるいはこれらの任意の組み合わせによって形成される、[1]~[14]の何れか1項に記載の建築用木材。
【0022】
[16]
[1]~[15]の何れか1項に記載の建築用木材を有する、木材による耐火構造。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、二酸化炭素排出量抑制効果と再利用性に優れ、耐火性能のある建築用木材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態の建築用木材の正面図である。
図2図1に示す建築用木材の上面図である。
図3図1に示す建築用木材を示す右側面図である。
図4図3の部分拡大図である。
図5】本発明の第2実施形態の建築用木材の正面図である。
図6図5に示す建築用木材の上面図である。
図7図5に示す建築用木材を示す右側面図である。
図8】本発明の第3実施形態の建築用木材の正面図である。
図9図8に示す建築用木材の上面図である。
図10図8に示す建築用木材を示す右側面図である。
図11】本発明の第4実施形態の建築用木材の正面図である。
図12図11に示す建築用木材の上面図である。
図13図11に示す建築用木材を示す右側面図である。
図14】本発明の第5実施形態の建築用木材の正面図である。
図15図14に示す建築用木材の上面図である。
図16図14に示す建築用木材を示す右側面図である。
図17】本発明の第6実施形態の建築用木材の正面図である。
図18図17に示す建築用木材の上面図である。
図19図17に示す建築用木材のA-A断面図である。
図20図17に示す建築用木材のB-B断面図である。
図21】本発明の第7実施形態の建築用木材の正面図である。
図22図21に示す建築用木材の上面図である。
図23図21に示す建築用木材を示す右側面図である。
図24】本発明の第8実施形態の建築用木材の正面図である。
図25図24に示す建築用木材の上面図である。
図26図24に示す建築用木材を示す右側面図である。
図27】本発明の第9実施形態の建築用木材の正面図である。
図28図27に示す建築用木材の上面図である。
図29図27に示す建築用木材のC-C断面図である。
図30図27に示す建築用木材のD-D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。
【0026】
<第1実施形態>
図1図4に示すように、本発明の第1実施形態において建築用木材1は、仕上げ面2と耐火用流路3とを有し、耐火用流路3は、導入口4と、導入口4に通じ、仕上げ面2に並行して伸びる中空の並行流路5と、並行流路5に通じ、仕上げ面2に開口する排出口6aとを有し、火災時に導入口4から通水される水を並行流路5を通して排出口6aから排出できる。
【0027】
上記構成によれば、火災時に、導入口4から通水される水を並行流路5を通じて排出口6aから排出させることにより、排出口6aから排出された水を火災の熱によって気化させ、気化熱によって仕上げ面2を冷却することができる。またその際、仕上げ面2に並行して伸びる並行流路5を水が流れることによっても仕上げ面2を冷却することができる。したがって、耐火性薬剤の塗布又は吸収によって耐火、準耐火等の耐火性能を与える場合に比べて二酸化炭素排出量抑制効果と再利用性に優れる耐火性能のある建築用木材1を実現できる。なお建築用木材1は、耐火性能に加えて不燃材料、準不燃材料、難燃材料等の不燃性能も発揮する構成としてもよい。
【0028】
建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を保持できる。上記構成によれば、耐火用流路3を流れる水が建築用木材1に保持されることによる耐火性能の向上効果を得ることができる。
【0029】
建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を仕上げ面2が保持できる。上記構成によれば、耐火用流路3を流れる水が仕上げ面2に保持されることによる耐火性能の向上効果を得ることができる。
【0030】
建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を並行流路5の表面を介して吸収できる。上記構成によれば、耐火用流路3を流れる水が並行流路5の表面を介して建築用木材1に吸収されることによる耐火性能の向上効果を得ることができる。
【0031】
導入口4は、仕上げ面2の反対側の表面7に設けられる。上記構成によれば、仕上げ面2に導入口4を設ける必要性を低減できるので、仕上げ面2の意匠性を確保し易くできる。導入口4は仕上げ面2に設けられる構成としてもよい。上記構成によれば、仕上げ面2の反対側の表面7に導入口4を設ける必要性を低減できるので、仕上げ面2の反対側の表面7の意匠性を確保し易くできる。
【0032】
並行流路5は、仕上げ面2に沿って並び互いに並行しつつ仕上げ面2に並行して伸びる複数の第1流路5aと、全ての第1流路5aを互いに通じさせる流路接続部5bとを有する。上記構成によれば、上記複数の第1流路5aと流路接続部5bとを通じて水を流すことで、仕上げ面2を効率的に冷却できる。
【0033】
流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並び上記複数の第1流路5aの端から端まで仕上げ面2に並行して伸びる第2流路5b1を有する。上記構成によれば、上記複数の第1流路5aと第2流路5b1とを通じて水を流すことで、仕上げ面2を効率的に冷却できる。
【0034】
流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並ぶ複数の第2流路5b1を有する。上記構成によれば、上記複数の第1流路5aと上記複数の第2流路5b1とを通じて水を流すことで、仕上げ面2を効率的に冷却できる。
【0035】
並行流路5は、各々の第1流路5aに対応して、第1流路5aに沿って並ぶ複数の排出口6aからなる排出口群6(図4参照)を有する。上記構成によれば、排出口群6から水を排出することで、仕上げ面2を効率的に冷却できる。上記複数の排出口6aは例えば、図4に示すような等間隔に並べて設けられる構成とすることができる。なお、図1図3では排出口群6の図示を省略する。
【0036】
建築用木材1は、並行流路5を構成する溝8を有する板9を有し、集成材10によって形成される。上記構成によれば、所望の大きさの建築用木材1を容易に実現できる。建築用木材1は、集成材10に代えて、当該集成材10とラミナの積層方向が同じ直交集成材によって形成される構成としてもよい。
【0037】
集成材10は、上記板9によって形成される。上記構成によれば、所望の大きさの仕上げ面2を有する建築用木材1をさらに容易に実現できる。
【0038】
集成材10は、並行流路5を構成する溝8をそれぞれ有する複数の板9からなる。上記構成によれば、効率的に冷却できる所望の大きさの仕上げ面2を有する建築用木材1を容易に実現できる。
【0039】
集成材10は、第1流路5aを構成する溝8と第2流路5b1を構成する貫通穴11とをそれぞれ有する上記複数の板9からなる。上記構成によれば、上記複数の第1流路5a及び第2流路5b1によって効率的に冷却できる所望の大きさの仕上げ面2を有する建築用木材1を容易に実現できる。
【0040】
集成材10は、第1流路5aを構成する溝8と上記複数の第2流路5b1を構成する複数の貫通穴11とをそれぞれ有する上記複数の板9からなる。上記構成によれば、上記複数の第1流路5a及び上記複数の第2流路5b1によって効率的に冷却できる仕上げ面2を有する所望の大きさの建築用木材1を容易に実現できる。
【0041】
建築用木材1は、建築用木材1の第1の端を形成する第1の板9の上記複数の貫通穴11を塞ぐ複数の第1の栓体12と、建築用木材1の第2の端を形成する第2の板9の上記複数の貫通穴11を塞ぐ複数の第2の栓体12とを有する。上記構成によれば、仕上げ面2を効率的に冷却できる上記複数の第2流路5b1を容易に実現できる。
【0042】
本実施形態において、木材による耐火構造13は建築用木材1を有する。上記構成によれば、二酸化炭素排出量抑制効果と再利用性に優れる、木材による耐火構造13を実現できる。なお耐火構造13は、建築用木材1によって耐火性能に加えて不燃性能も発揮する構成としてもよい。
【0043】
<第2実施形態>
図5図7に示すように、本発明の第2実施形態において建築用木材1は、仕上げ面2と耐火用流路3とを有し、耐火用流路3は、導入口4と、導入口4に通じ、仕上げ面2に並行して伸びる中空の並行流路5と、並行流路5に通じ、仕上げ面2に開口する排出口6aとを有し、火災時に導入口4から通水される水を並行流路5を通して排出口6aから排出できる。
【0044】
建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を保持できる。建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を仕上げ面2が保持できる。建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を並行流路5の表面を介して吸収できる。
【0045】
導入口4は、仕上げ面2に設けられる。導入口4は仕上げ面2の反対側の表面7に設けられる構成としてもよい。
【0046】
並行流路5は、仕上げ面2に沿って並び互いに並行しつつ仕上げ面2に並行して伸びる複数の第1流路5aと、全ての第1流路5aを互いに通じさせる流路接続部5bとを有する。流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並び上記複数の第1流路5aの端から端まで仕上げ面2に並行して伸びる第2流路5b1を有する。流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並ぶ複数の第2流路5b1を有する。
【0047】
並行流路5は、各々の第1流路5aに対応して、第1流路5aに沿って並ぶ複数の排出口6aからなる排出口群6(図7参照)を有する。上記複数の排出口6aは例えば、図7に示すような等間隔に並べて設けられる構成とすることができる。なお、図5図6では排出口群6の図示を省略する。
【0048】
建築用木材1は、並行流路5を構成する溝8を有する板9を有し、集成材10によって形成される。建築用木材1は、集成材10に代えて、当該集成材10とラミナの積層方向が同じ直交集成材によって形成される構成としてもよい。
【0049】
集成材10は、上記板9によって形成される。上記構成によれば、所望の大きさの建築用木材1を容易に実現できる。
【0050】
上記板9は、上記複数の第1流路5aを構成する複数の溝8を有する。上記構成によれば、上記複数の第1流路5aによって効率的に冷却できる仕上げ面2を有する建築用木材1を容易に実現できる。上記板9は、上記複数の第1流路5aを構成する複数の溝8と第2流路5b1を構成する溝8とを有する。上記構成によれば、上記複数の第1流路5a及び第2流路5b1によって効率的に冷却できる仕上げ面2を有する建築用木材1を容易に実現できる。上記板9は、上記複数の第1流路5aを構成する上記複数の溝8と上記複数の第2流路5b1を構成する複数の溝8とを有する。上記構成によれば、上記複数の第1流路5a及び上記複数の第2流路5b1によって効率的に冷却できる仕上げ面2を有する建築用木材1を容易に実現できる。
【0051】
本実施形態において、木材による耐火構造13は建築用木材1を有する。木材による耐火構造13は、仕上げ面2に沿う方向に並べて接合される複数の建築用木材1を有する。上記構成によれば、所望の大きさの仕上げ面2を有する木材による耐火構造13を容易に実現できる。
【0052】
<第3実施形態>
図8図10に示すように、本発明の第3実施形態において建築用木材1は、仕上げ面2と耐火用流路3とを有し、耐火用流路3は、導入口4と、導入口4に通じ、仕上げ面2に並行して伸びる中空の並行流路5と、並行流路5に通じ、仕上げ面2に開口する排出口6aとを有し、火災時に導入口4から通水される水を並行流路5を通して排出口6aから排出できる。
【0053】
建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を保持できる。建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を仕上げ面2が保持できる。建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を並行流路5の表面を介して吸収できる。
【0054】
導入口4は、仕上げ面2に設けられる。導入口4は仕上げ面2の反対側の表面7に設けられる構成としてもよい。
【0055】
並行流路5は、仕上げ面2に沿って並び互いに並行しつつ仕上げ面2に並行して伸びる複数の第1流路5aと、全ての第1流路5aを互いに通じさせる流路接続部5bとを有する。流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並び上記複数の第1流路5aの端から端まで仕上げ面2に並行して伸びる第2流路5b1を有する。流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並ぶ複数の第2流路5b1を有する。
【0056】
並行流路5は、各々の第1流路5aに対応して、第1流路5aに沿って並ぶ複数の排出口6aからなる排出口群6(図10参照)を有する。上記複数の排出口6aは例えば、図10に示すような等間隔に並べて設けられる構成とすることができる。なお、図8図9では排出口群6の図示を省略する。
【0057】
建築用木材1は、並行流路5を構成する溝8を有する板9を有し、直交集成材14によって形成される。直交集成材14は、上記板9によって形成される。このような構成に代えて、製材としての上記板9は直交集成材14に接合される構成としてもよい。上記構成によれば、所望の大きさの建築用木材1を容易に実現できる。なお直交集成材14を構成する層の数は適宜設定でき、偶数であっても奇数であってもよい。
【0058】
上記板9は、上記複数の第1流路5aの一部を構成する溝8を有する。上記構成によれば、上記複数の第1流路5aによって効率的に冷却できる仕上げ面2を有する建築用木材1を容易に実現できる。上記板9は、上記複数の第1流路5aの一部を構成する複数の溝8を有する。上記構成によれば、上記複数の第1流路5aによって効率的に冷却できる仕上げ面2を有する建築用木材1をさらに容易に実現できる。
【0059】
上記板9は、上記複数の第1流路5aの一部を構成する溝8と第2流路5b1を構成する溝8とを有する。上記構成によれば、上記複数の第1流路5a及び第2流路5b1によって効率的に冷却できる仕上げ面2を有する建築用木材1を容易に実現できる。上記板9は、上記複数の第1流路5aの一部を構成する溝8と上記複数の第2流路5b1を構成する複数の溝8とを有する。上記構成によれば、上記複数の第1流路5a及び上記複数の第2流路5b1によって効率的に冷却できる仕上げ面2を有する建築用木材1を容易に実現できる。
【0060】
上記板9は、上記複数の第1流路5aの一部を構成する複数の溝8と第2流路5b1を構成する溝8とを有する。上記構成によれば、上記複数の第1流路5a及び第2流路5b1によって効率的に冷却できる仕上げ面2を有する建築用木材1をさらに容易に実現できる。上記板9は、上記複数の第1流路5aの一部を構成する上記複数の溝8と上記複数の第2流路5b1を構成する複数の溝8とを有する。上記構成によれば、上記複数の第1流路5a及び上記複数の第2流路5b1によって効率的に冷却できる仕上げ面2を有する建築用木材1をさらに容易に実現できる。
【0061】
上記板9は導入口4を有する。上記構成によれば、建築用木材1に形成される複数の導入口4を利用して仕上げ面2をさらに効率的に冷却できる。
【0062】
本実施形態において、木材による耐火構造13は建築用木材1を有する。
【0063】
<第4実施形態>
図11図13に示すように、本発明の第4実施形態において建築用木材1は、仕上げ面2と耐火用流路3とを有し、耐火用流路3は、導入口4と、導入口4に通じ、仕上げ面2に並行して伸びる中空の並行流路5と、並行流路5に通じ、仕上げ面2に開口する排出口6aとを有し、火災時に導入口4から通水される水を並行流路5を通して排出口6aから排出できる。
【0064】
建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を保持できる。建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を仕上げ面2が保持できる。建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を並行流路5の表面を介して吸収できる。
【0065】
導入口4は、仕上げ面2の反対側の表面7に設けられる。導入口4は仕上げ面2に設けられる構成としてもよい。
【0066】
並行流路5は、仕上げ面2に沿って並び互いに並行しつつ仕上げ面2に並行して伸びる複数の第1流路5aと、全ての第1流路5aを互いに通じさせる流路接続部5bとを有する。流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並び上記複数の第1流路5aの端から端まで仕上げ面2に並行して伸びる第2流路5b1を有する。流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並ぶ複数の第2流路5b1を有する。
【0067】
並行流路5は、各々の第1流路5aに対応して、第1流路5aに沿って並ぶ複数の排出口6aからなる排出口群6(図13参照)を有する。上記複数の排出口6aは例えば、図13に示すような等間隔に並べて設けられる構成とすることができる。なお、図11図12では排出口群6の図示を省略する。
【0068】
建築用木材1は、並行流路5を構成する溝8をそれぞれ有する1層目及び2層目の板9を有し、直交集成材14によって形成される。直交集成材14は、上記板9によって形成される。このような構成に代えて、製材としての上記板9は直交集成材14に接合される構成としてもよい。
【0069】
上記1層目の板9は、上記複数の第1流路5aの一部を構成する溝8を有する。上記1層目の板9は、上記複数の第1流路5aの一部を構成する複数の溝8を有する。
【0070】
上記1層目の板9は、上記複数の第1流路5aの一部を構成する溝8を有し、上記2層目の板9は、第2流路5b1を構成する溝8を有する。上記構成によれば、上記複数の第1流路5a及び第2流路5b1によって効率的に冷却できる仕上げ面2を有する建築用木材1を容易に実現できる。
【0071】
上記板9は、上記複数の第1流路5aの一部を構成する複数の溝8を有し、上記2層目の板9は、第2流路5b1を構成する溝8を有する。上記構成によれば、上記複数の第1流路5a及び第2流路5b1によって効率的に冷却できる仕上げ面2を有する建築用木材1をさらに容易に実現できる。
【0072】
本実施形態において、木材による耐火構造13は建築用木材1を有する。
【0073】
<第5実施形態>
図14図16に示すように、本発明の第5実施形態において建築用木材1は、仕上げ面2と耐火用流路3とを有し、耐火用流路3は、導入口4と、導入口4に通じ、仕上げ面2に並行して伸びる中空の並行流路5と、並行流路5に通じ、仕上げ面2に開口する排出口6aとを有し、火災時に導入口4から通水される水を並行流路5を通して排出口6aから排出できる。
【0074】
建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を保持できる。建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を仕上げ面2が保持できる。建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を並行流路5の表面を介して吸収できる。
【0075】
導入口4は、仕上げ面2に設けられる。導入口4は仕上げ面2の反対側の表面7に設けられる構成としてもよい。
【0076】
並行流路5は、仕上げ面2に沿って並び互いに並行しつつ仕上げ面2に並行して伸びる複数の第1流路5aと、全ての第1流路5aを互いに通じさせる流路接続部5bとを有する。流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並び上記複数の第1流路5aの端から端まで仕上げ面2に並行して伸びる第2流路5b1を有する。流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並ぶ複数の第2流路5b1を有する。
【0077】
並行流路5は、各々の第1流路5aに対応して、第1流路5aに沿って並ぶ複数の排出口6aからなる排出口群6(図16参照)を有する。上記複数の排出口6aは例えば、図16に示すような等間隔に並べて設けられる構成とすることができる。なお、図14図15では排出口群6の図示を省略する。
【0078】
建築用木材1は、並行流路5を構成する溝8を有する板9を有し、集成材10によって形成される。製材としての上記板9は、集成材10に接合される。上記構成によれば、所望の大きさの建築用木材1を容易に実現できる。建築用木材1は、集成材10に代えて、当該集成材10とラミナの積層方向が同じ直交集成材によって形成される構成としてもよい。
【0079】
上記板9は、上記複数の第1流路5aを構成する複数の溝8を有する。上記板9は、上記複数の第1流路5aを構成する複数の溝8と第2流路5b1を構成する溝8とを有する。上記板9は、上記複数の第1流路5aを構成する上記複数の溝8と上記複数の第2流路5b1を構成する複数の溝8とを有する。
【0080】
本実施形態において、木材による耐火構造13は建築用木材1を有する。木材による耐火構造13は、仕上げ面2に沿う方向に並べて接合される複数の建築用木材1を有する。
【0081】
<第6実施形態>
図17図20に示すように、本発明の第6実施形態において建築用木材1は、仕上げ面2と耐火用流路3とを有し、耐火用流路3は、導入口4と、導入口4に通じ、仕上げ面2に並行して伸びる中空の並行流路5と、並行流路5に通じ、仕上げ面2に開口する排出口6aとを有し、火災時に導入口4から通水される水を並行流路5を通して排出口6aから排出できる。
【0082】
建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を保持できる。建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を仕上げ面2が保持できる。建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を並行流路5の表面を介して吸収できる。
【0083】
導入口4は、仕上げ面2に設けられる。導入口4は仕上げ面2の反対側の表面7に設けられる構成としてもよい。
【0084】
並行流路5は、仕上げ面2に沿って並び互いに並行しつつ仕上げ面2に並行して伸びる複数の第1流路5aと、全ての第1流路5aを互いに通じさせる流路接続部5bとを有する。流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並び上記複数の第1流路5aの端から端まで仕上げ面2に並行して伸びる第2流路5b1を有する。流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並ぶ複数の第2流路5b1を有する。
【0085】
並行流路5は、仕上げ面2に沿って並び互いに並行しつつ仕上げ面2に並行して伸びる複数の第1流路5aからなり排出口6aの内側端が開口する第1流路群5Aと、仕上げ面2に沿って並び上記複数の第1流路5aの端から端まで仕上げ面2に並行して伸びる複数の第2流路5b1からなる第2流路群5B1とを有し、少なくとも1つの第1流路5aは、当該第1流路5aに連なる全ての第2流路5b1よりも仕上げ面2側に飛び出る滞水層5cを有する。上記構成によれば、並行流路5への通水によって滞水層5cに保持される水によって仕上げ面2の耐火性を高めることができる。
【0086】
第1流路群5Aは、第1流路5aとして滞水層5cを有さずに排出口6aを有する排出用第1流路5a1と、第1流路5aとして排出口6aを有さずに滞水層5cを有する滞水用第1流路5a2とを有する。上記構成によれば、並行流路5への通水により、排出用第1流路5a1の排出口6aから水を排出することで仕上げ面2を冷却しつつ、滞水用第1流路5a2の滞水層5cに保持される水によって仕上げ面2の耐火性を高めることができる。
【0087】
並行流路5は、各々の排出用第1流路5a1に対応して、排出用第1流路5a1に沿って並ぶ複数の排出口6aからなる排出口群6を有する。上記複数の排出口6aは例えば、図18に示すような等間隔に並べて設けられる構成とすることができる。
【0088】
建築用木材1は、並行流路5を構成する溝8を有する板9を有し、直交集成材14によって形成される。製材としての上記板9は、直交集成材14に接合される。このような構成に代えて、製材としての上記板9は直交集成材14に接合される構成としてもよい。
【0089】
上記板9は、上記複数の第1流路5aを構成する複数の溝8を有する。上記板9は、上記複数の第1流路5aを構成する複数の溝8と第2流路5b1を構成する溝8とを有する。上記板9は、上記複数の第1流路5aを構成する上記複数の溝8と上記複数の第2流路5b1を構成する複数の溝8とを有する。
【0090】
本実施形態において、木材による耐火構造13は建築用木材1を有する。
【0091】
<第7実施形態>
図21図23に示すように、本発明の第7実施形態において建築用木材1は、仕上げ面2と耐火用流路3とを有し、耐火用流路3は、導入口4と、導入口4に通じ、仕上げ面2に並行して伸びる中空の並行流路5と、並行流路5に通じ、仕上げ面2に開口する排出口6aとを有し、火災時に導入口4から通水される水を並行流路5を通して排出口6aから排出できる。
【0092】
建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を保持できる。建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を仕上げ面2が保持できる。建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を並行流路5の表面を介して吸収できる。
【0093】
導入口4は、仕上げ面2の反対側の表面7に設けられる。導入口4は仕上げ面2に設けられる構成としてもよい。
【0094】
並行流路5は、仕上げ面2に沿って並び互いに並行しつつ仕上げ面2に並行して伸びる複数の第1流路5aと、全ての第1流路5aを互いに通じさせる流路接続部5bとを有する。流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並び上記複数の第1流路5aの端から端まで仕上げ面2に並行して伸びる第2流路5b1を有する。流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並ぶ複数の第2流路5b1を有する。
【0095】
並行流路5は、仕上げ面2に沿って並び互いに並行しつつ仕上げ面2に並行して伸びる複数の第1流路5aからなり排出口6aの内側端が開口する第1流路群5Aと、仕上げ面2に沿って並び上記複数の第1流路5aの端から端まで仕上げ面2に並行して伸びる複数の第2流路5b1からなる第2流路群5B1とを有し、少なくとも1つの第1流路5aは、当該第1流路5aに連なる全ての第2流路5b1よりも仕上げ面2側に飛び出る滞水層5cを有する。各々の第1流路5aは、当該第1流路5aに連なる全ての第2流路5b1よりも仕上げ面2側に飛び出る滞水層5cを有する。
【0096】
第1流路群5Aは、第1流路5aとして滞水層5c及び排出口6aを有する滞水排出用第1流路5a3を有する。上記構成によれば、並行流路5への通水により、滞水排出用第1流路5a3の排出口6aから水を排出することで仕上げ面2を冷却しつつ、滞水排出用第1流路5a3の滞水層5cに保持される水によって仕上げ面2の耐火性を高めることができる。上記複数の第1流路5aは鉛直方向に並べて設けられ、第1流路群5Aには建築用木材1の上端部のみに滞水排出用第1流路5a3が設けられる。第1流路群5Aには建築用木材1の最上部のみに1つのみの滞水排出用第1流路5a3が設けられる。上記構成によれば、少ない通水量で滞水排出用第1流路5a3の排出口6aからの水の排出によって仕上げ面2全体を効率良く冷却できる。本実施形態では、建築用木材1は壁材として用いられるが、天井材又は床材として用いてもよい。すなわち、仕上げ面2を例えば水平にして用いてもよい。第1流路群5Aに設ける滞水排出用第1流路5a3の数及び配置は、条件に応じて設定できる。
【0097】
並行流路5は、滞水排出用第1流路5a3に対応して、滞水排出用第1流路5a3に沿って並ぶ複数の排出口6aからなる排出口群6を有する。上記複数の排出口6aは例えば、図22に示すような等間隔に並べて設けられる構成とすることができる。排出口群6に設ける排出口6aの数及び配置は、条件に応じて設定できる。
【0098】
建築用木材1は、並行流路5を構成する溝8を有する板9を有し、直交集成材14によって形成される。製材としての上記板9は、直交集成材14に接合される。
【0099】
上記板9は、上記複数の第1流路5aを構成する複数の溝8を有する。上記板9は、上記複数の第1流路5aを構成する複数の溝8と第2流路5b1を構成する溝8とを有する。上記板9は、上記複数の第1流路5aを構成する上記複数の溝8と上記複数の第2流路5b1を構成する複数の溝8とを有する。
【0100】
本実施形態において、木材による耐火構造13は建築用木材1を有する。
【0101】
<第8実施形態>
図24図26に示すように、本発明の第8実施形態において建築用木材1は、仕上げ面2と耐火用流路3とを有し、耐火用流路3は、導入口4と、導入口4に通じ、仕上げ面2に並行して伸びる中空の並行流路5と、並行流路5に通じ、仕上げ面2に開口する排出口6aとを有し、火災時に導入口4から通水される水を並行流路5を通して排出口6aから排出できる。
【0102】
建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を保持できる。建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を仕上げ面2が保持できる。建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を並行流路5の表面を介して吸収できる。
【0103】
導入口4は、仕上げ面2の反対側の表面7に設けられる。導入口4は仕上げ面2に設けられる構成としてもよい。
【0104】
並行流路5は、仕上げ面2に沿って並び互いに並行しつつ仕上げ面2に並行して伸びる複数の第1流路5aと、全ての第1流路5aを互いに通じさせる流路接続部5bとを有する。流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並び上記複数の第1流路5aの端から端まで仕上げ面2に並行して伸びる第2流路5b1を有する。流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並ぶ複数の第2流路5b1を有する。
【0105】
並行流路5は、仕上げ面2に沿って並び互いに並行しつつ仕上げ面2に並行して伸びる複数の第1流路5aからなり排出口6aの内側端が開口する第1流路群5Aと、仕上げ面2に沿って並び上記複数の第1流路5aの端から端まで仕上げ面2に並行して伸びる複数の第2流路5b1からなる第2流路群5B1とを有し、少なくとも1つの第2流路5b1は、当該第2流路5b1に連なる全ての第1流路5aよりも仕上げ面2側に飛び出る滞水層5cを有する。各々の第2流路5b1は、当該第2流路5b1に連なる全ての第1流路5aよりも仕上げ面2側に飛び出る滞水層5cを有する。上記構成によれば、並行流路5への通水によって滞水層5cに保持される水によって仕上げ面2の耐火性を高めることができる。
【0106】
第1流路群5Aは、第1流路5aとして滞水層5cを有さずに排出口6aを有する排出用第1流路5a1を有する。上記複数の第1流路5aは鉛直方向に並べて設けられ、第1流路群5Aには建築用木材1の上端部のみに排出用第1流路5a1が設けられる。第1流路群5Aには建築用木材1の最上部のみに1つのみの排出用第1流路5a1が設けられる。上記構成によれば、少ない通水量で排出用第1流路5a1の排出口6aからの水の排出によって仕上げ面2全体を効率良く冷却できる。本実施形態では、建築用木材1は壁材として用いられるが、天井材又は床材として用いてもよい。すなわち、仕上げ面2を例えば水平にして用いてもよい。第1流路群5Aに設ける排出用第1流路5a1の数及び配置は、条件に応じて設定できる。
【0107】
並行流路5は、排出用第1流路5a1に対応して、排出用第1流路5a1に沿って並ぶ複数の排出口6aからなる排出口群6を有する。排出口群6に設ける排出口6aの数及び配置は、条件に応じて設定できる。
【0108】
建築用木材1は、並行流路5を構成する溝8を有する板9を有し、直交集成材14によって形成される。製材としての上記板9は、直交集成材14に接合される。
【0109】
上記板9は、上記複数の第1流路5aを構成する複数の溝8を有する。上記板9は、上記複数の第1流路5aを構成する複数の溝8と第2流路5b1を構成する溝8とを有する。上記板9は、上記複数の第1流路5aを構成する上記複数の溝8と上記複数の第2流路5b1を構成する複数の溝8とを有する。
【0110】
本実施形態において、木材による耐火構造13は建築用木材1を有する。
【0111】
<第9実施形態>
図27図30に示すように、本発明の第9実施形態において建築用木材1は、仕上げ面2と耐火用流路3とを有し、耐火用流路3は、導入口4(第1の導入口4’)と、導入口4に通じ、仕上げ面2に並行して伸びる中空の並行流路5(第1の並行流路5’)と、並行流路5に通じ、仕上げ面2に開口する排出口6a(第1の排出口6a’)とを有し、火災時に導入口4から通水される水を並行流路5を通して排出口6aから排出できる。
【0112】
建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を保持できる。建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を仕上げ面2が保持できる。建築用木材1は、耐火用流路3を流れる水を並行流路5の表面を介して吸収できる。
【0113】
導入口4は、仕上げ面2の反対側の表面7に設けられる。導入口4は仕上げ面2に設けられる構成としてもよい。
【0114】
並行流路5は、仕上げ面2に沿って並び互いに並行しつつ仕上げ面2に並行して伸びる複数の第1流路5aと、全ての第1流路5aを互いに通じさせる流路接続部5bとを有する。流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並び上記複数の第1流路5aの端から端まで仕上げ面2に並行して伸びる第2流路5b1を有する。流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並ぶ複数の第2流路5b1を有する。
【0115】
並行流路5は、仕上げ面2に沿って並び互いに並行しつつ仕上げ面2に並行して伸びる複数の第1流路5aからなり排出口6aの内側端が開口する第1流路群5Aと、仕上げ面2に沿って並び上記複数の第1流路5aの端から端まで仕上げ面2に並行して伸びる複数の第2流路5b1からなる第2流路群5B1とを有し、少なくとも1つの第2流路5b1は、当該第2流路5b1に連なる全ての第1流路5aよりも仕上げ面2側に飛び出る滞水層5cを有する。各々の第2流路5b1は、当該第2流路5b1に連なる全ての第1流路5aよりも仕上げ面2側に飛び出る滞水層5cを有する。上記構成によれば、並行流路5への通水によって滞水層5cに保持される水によって仕上げ面2の耐火性を高めることができる。
【0116】
第1流路群5Aは、第1流路5aとして滞水層5cを有さずに排出口6aを有する排出用第1流路5a1を有する。第1流路群5Aは複数の排出用第1流路5a1を有する。上記複数の排出用第1流路5a1は鉛直方向に並べて設けられる。並行流路5は、各々の排出用第1流路5a1に対応して、排出用第1流路5a1に沿って並ぶ複数の排出口6aからなる排出口群6を有する。
【0117】
耐火用流路3は、第2の導入口4”と、第2の導入口4”に通じ第1の並行流路5’よりも仕上げ面2の反対側において仕上げ面2に並行して伸びる中空の第2の並行流路5”と、第2の並行流路5”に通じ、仕上げ面2に開口する第2の排出口6a”とを有し、火災時に第2の導入口4”から通水される水を第2の並行流路5”を通して第2の排出口6a”から排出できる。上記構成によれば、仕上げ面2を第1の並行流路5’に加えて第2の並行流路5”によっても冷却できるので耐火性能をさらに向上できる。また、帯水層5cを有する第1の並行流路5’よりも第2の並行流路5”が仕上げ面の反対側に設けられるので、第1の並行流路5’の帯水層5cを仕上げ面2の近くに設けることができるため、耐火性能をさらに向上できる。第2の並行流路5”は、第2の導入口4”に通じ第1の並行流路5’よりも仕上げ面2側において仕上げ面2に並行して伸びる構成としてもよい。
【0118】
第2の並行流路5”は、仕上げ面2に沿って並び互いに並行しつつ仕上げ面2に並行して伸びる複数の第1流路5aと、全ての第1流路5aを互いに通じさせる流路接続部5bとを有する。第2の並行流路5”の流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並び第2の並行流路5”の上記複数の第1流路5aの端から端まで仕上げ面2に並行して伸びる第2流路5b1を有する。第2の並行流路5”の流路接続部5bは、仕上げ面2に沿って並ぶ複数の第2流路5b1を有する。
【0119】
第2の並行流路5”は、仕上げ面2に沿って並び互いに並行しつつ仕上げ面2に並行して伸びる複数の第1流路5aからなり第2の排出口6a”の内側端が開口する第1流路群5Aと、仕上げ面2に沿って並び上記複数の第1流路5aの端から端まで仕上げ面2に並行して伸びる複数の第2流路5b1からなる第2流路群5B1とを有する。第2の並行流路5”の第1流路群5Aは、第1流路5aとして滞水層5cを有さずに第2の排出口6a”を有する排出用第1流路5a1を有する。第2の並行流路5”の第1流路群5Aは複数の排出用第1流路5a1を有する。第2の並行流路5”の上記複数の排出用第1流路5a1は水平方向に並べて設けられる。第2の並行流路5”は、各々の排出用第1流路5a1に対応して、排出用第1流路5a1に沿って並ぶ複数の第2の排出口6a”からなる排出口群6を有する。
【0120】
第2の導入口4”は、建築用木材1の仕上げ面2に設けられる。第2の導入口4”は仕上げ面2の反対側の表面7に設けられる構成としてもよい。
【0121】
建築用木材1は、第1の並行流路5’を構成する溝8を有する1層目の板9と、第2の並行流路5”を構成する溝8を有する2層目の板9とを有し、直交集成材14によって形成される。製材としての1層目の板9は製材としての2層目の板9に接合される。2層目の板9は、直交集成材14に接合される。
【0122】
上記1層目の板9は、第1の並行流路5’の一部を構成する溝8を有する。上記1層目の板9は、第1の並行流路5’の上記複数の第1流路5aの一部を構成する複数の溝8を有する。上記1層目の板9は、第1の並行流路5’の上記複数の第2流路5b1の一部を構成する複数の溝8を有する。上記構成によれば、第1の並行流路5’を容易に実現できる。
【0123】
上記2層目の板9は、第2の並行流路5”の一部を構成する溝8を有する。上記2層目の板9は、第2の並行流路5”の上記複数の第1流路5aの一部を構成する複数の溝8を有する。上記2層目の板9は、第2の並行流路5”の上記複数の第2流路5b1の一部を構成する複数の溝8を有する。上記構成によれば、第2の並行流路5”を容易に実現できる。
【0124】
本実施形態において、木材による耐火構造13は建築用木材1を有する。
【0125】
本発明の実施形態について前述したが、本発明は前述した実施形態に限定されず、前述した実施形態は本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0126】
例えば、建築用木材1は、並行流路5を構成する溝8を有する板9を有し、製材、単板積層材、合板、集成材10又は直交集成材14あるいはこれらの任意の組み合わせによって形成される構成としてもよい。建築用木材1は、両面を仕上げ面2として構成してもよい。両面に耐火性能が必要な場合、例えば建築用木材1は、第1の仕上げ面2と、第1の耐火流路3と、第1の仕上げ面2の反対側の表面7である第2の仕上げ面2と、第2の耐火流路3とを有し、第1の耐火流路3は、第1の導入口4と、第1の導入口4に通じ、第1の仕上げ面2に並行して伸びる中空の第1の並行流路5と、第1の並行流路5に通じ、第1の仕上げ面2に開口する第1の排出口6aとを有し、火災時に第1の導入口4から通水される水を第1の並行流路5を通して第1の排出口6aから排出でき、第2の耐火流路3は、第2の導入口4と、第2の導入口4に通じ、第2の仕上げ面2に並行して伸びる中空の第2の並行流路5と、第2の並行流路5に通じ、第2の仕上げ面2に開口する第2の排出口6aとを有し、火災時に第2の導入口4から通水される水を第2の並行流路5を通して第2の排出口6aから排出できる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0127】
1 建築用木材
2 仕上げ面
3 耐火用流路
4 導入口
4’ 第1の導入口
4” 第2の導入口
5 並行流路
5’ 第1の並行流路
5” 第2の並行流路
5a 第1流路
5A 第1流路群
5a1 排出用第1流路
5a2 滞水用第1流路
5a3 滞水排出用第1流路
5b 流路接続部
5b1 第2流路
5B1 第2流路群
5c 滞水層
6 排出口群
6a 排出口
6a’ 第1の排出口
6a” 第2の排出口
7 表面
8 溝
9 板
10 集成材
11 貫通穴
12 栓体
13 木造耐火構造
14 直交集成材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30