(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013211
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】自動仮止め締結具作動装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
B25B 28/00 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
B25B28/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024103063
(22)【出願日】2024-06-26
(31)【優先権主張番号】18/341,612
(32)【優先日】2023-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504242618
【氏名又は名称】ロッキード マーティン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LOCKHEED MARTIN CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー ティー ドリューウェット
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー ロバート カルパ
(57)【要約】
【課題】製造プロセス中の仮止め締結具の取り付け取り外しを自動的に短時間で行う。
【解決手段】仮止め締結具作動ツール(100)は、突出部(122)、この端部と整列する端部を各々備えた多数のばねクリップ(124)、および軸受胴(127)を有する。突出部は、仮止め締結具の凹み(301)の形状に合致した溝(230 )を有する。ばねクリップは、仮止め締結具の凹みを突出部に当てて固定状態に保持する。仮止め締結具作動ツールは、軸受胴に結合されていて、仮止め締結具の円筒形本体(300)に接触し、これを第1の方向に回転させる第1の軸受(125)をさらに有する。仮止め締結具作動ツールは、軸受胴に結合されていて、仮止め締結具のステム(302)に接触して第2の方向に回転させる第2の軸受(126)をさらに有する。モータシャフト(121)が軸受胴に結合されている。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮止め締結具作動システムであって、
仮止め締結具を含み、前記仮止め締結具は、
凹みを有する円筒形本体と、
圧縮可能なガスケットと、
ステムと、
前記ステムに結合された複数の歯とを有し、前記歯は、
前記ステムを第1の方向に回転させたときに拡がり、それにより前記仮止め締結具を仮止め締結具をパネルに固定し、
前記ステムを第2の方向に回転させたときに縮み、前記第2の方向は、前記第1の方向とは逆であり、
仮止め締結具作動ツールを含み、前記仮止め締結具作動ツールは、
前記仮止め締結具の前記凹みの形状に合致した溝を備える突出部を有し、
複数のばねクリップを有し、各ばねクリップは、前記突出部の端部と整列する端部を有し、前記複数のばねクリップは、前記仮止め締結具の前記凹みを前記突出部に当てて固定した状態に保持するよう構成され、
軸受胴を有し、
前記軸受胴に結合された第1の軸受を有し、前記第1の軸受は、前記仮止め締結具の円筒形本体に接触し、そして前記仮止め締結具の前記ステムを前記第2の方向に回転させるよう構成され、
前記軸受胴に結合された第2の軸受を有し、前記第2の軸受は、前記仮止め締結具の前記ステムに接触し、そして前記仮止め締結具の前記ステムを前記第2の方向に回転させるよう構成され、
前記軸受胴に結合されたモータシャフトを有し、
回転ツールを含み、前記回転ツールは、
前記仮止め締結具作動ツールの前記モータシャフトに結合し、
前記第2の軸受が前記ステムから離脱している間に前記モータシャフトおよび前記第1の軸受を前記第1の方向に回転させ、それにより前記仮止め締結具の前記円筒形本体が回転するようにし、
前記第1の軸受が前記円筒形本体から離脱している間に前記モータシャフトおよび前記第2の軸受を前記第2の方向に回転させ、それにより前記複数の歯が縮むようにし、
カラーを含み、前記カラーは、前記仮止め締結具の前記円筒形本体に接触し、そして前記ステムを前記第2の方向に回転させたときに前記仮止め締結具の前記円筒形本体を静止状態に保持するよう構成されている、仮止め締結具作動システム。
【請求項2】
前記仮止め締結具は、Clecoファスナーである、請求項1記載の仮止め締結具作動システム。
【請求項3】
前記回転ツールは、多機能型エンドエフェクタ(MFEE)である、請求項1記載の仮止め締結具作動システム。
【請求項4】
前記仮止め締結具作動ツールは、前記MFEEに結合されている、請求項3記載の仮止め締結具作動システム。
【請求項5】
前記仮止め締結具作動ツールは、前記モータシャフトに結合されたスピンドルをさらに有し、
前記軸受胴は、前記軸受胴を前記スピンドルに結合するねじ山付き端部を有する、請求項1記載の仮止め締結具作動システム。
【請求項6】
前記仮止め締結具作動ツールは、形状が円筒形である、請求項1記載の仮止め締結具作動システム。
【請求項7】
前記突出部および前記複数のばねクリップは、前記仮止め締結具作動ツールの第1の端部に結合され、
前記第1の軸受は、前記仮止め締結具作動ツールの前記第1の端部の近くに配置され、
前記第2の軸受は、前記第1の軸受の近くに配置され、
前記第1の軸受と前記第2の軸受は両方とも、形状が管状であり、前記仮止め締結具の少なくとも一部分を前記第1の軸受および前記第2の軸受中へ挿入することができるようになっている、請求項6記載の仮止め締結具作動システム
【請求項8】
仮止め締結具作動システムであって、
仮止め締結具作動ツールを含み、前記仮止め締結具作動ツールは、
前記仮止め締結具の前記凹みの形状に合致した溝を備える突出部を有し、
複数のばねクリップを有し、各ばねクリップは、前記突出部の端部と整列する端部を有し、前記複数のばねクリップは、前記仮止め締結具の前記凹みを前記突出部に当てて固定した状態に保持するよう構成され、
軸受胴を有し、
前記軸受胴に結合された第1の軸受を有し、前記第1の軸受は、前記仮止め締結具の円筒形本体に接触し、そして前記仮止め締結具の前記ステムを前記第2の方向に回転させるよう構成され、
前記軸受胴に結合された第2の軸受を有し、前記第2の軸受は、前記仮止め締結具の前記ステムに接触し、そして前記仮止め締結具の前記ステムを前記第2の方向に回転させるよう構成され、
前記軸受胴に結合されたモータシャフトを有し、
回転ツールを含み、前記回転ツールは、
前記仮止め締結具作動ツールの前記モータシャフトに結合し、
前記第2の軸受が前記ステムから離脱している間に前記モータシャフトおよび前記第1の軸受を前記第1の方向に回転させ、それにより前記仮止め締結具の前記円筒形本体が回転するようにし、
前記第1の軸受が前記円筒形本体から離脱している間に前記モータシャフトおよび前記第2の軸受を前記第2の方向に回転させ、それにより前記複数の歯が縮むようにし、
カラーを含み、前記カラーは、前記仮止め締結具の前記円筒形本体に接触し、そして前記ステムを前記第2の方向に回転させたときに前記仮止め締結具の前記円筒形本体を静止状態に保持するよう構成されている、仮止め締結具作動システム。
【請求項9】
前記仮止め締結具は、Clecoファスナーである、請求項8記載の仮止め締結具作動システム。
【請求項10】
前記回転ツールは、多機能型エンドエフェクタ(MFEE)である、請求項8記載の仮止め締結具作動システム。
【請求項11】
前記仮止め締結具作動ツールは、前記MFEEに結合されている、請求項10記載の仮止め締結具作動システム。
【請求項12】
前記仮止め締結具作動ツールは、前記モータシャフトに結合されたスピンドルをさらに有し、
前記軸受胴は、前記軸受胴を前記スピンドルに結合するねじ山付き端部を有する、請求項8記載の仮止め締結具作動システム。
【請求項13】
前記仮止め締結具作動ツールは、形状が円筒形である、請求項8記載の仮止め締結具作動システム
【請求項14】
前記突出部および前記複数のばねクリップは、前記仮止め締結具作動ツールの第1の端部に結合され、
前記第1の軸受は、前記仮止め締結具作動ツールの前記第1の端部の近くに配置され、
前記第2の軸受は、前記第1の軸受の近くに配置され、
前記第1の軸受と前記第2の軸受は両方とも、形状が管状であり、前記仮止め締結具の少なくとも一部分を前記第1の軸受および前記第2の軸受中へ挿入することができるようになっている、請求項8記載の仮止め締結具作動システム。
【請求項15】
仮止め締結具作動ツールであって、
前記仮止め締結具の前記凹みの形状に合致した溝を備える突出部を有し、
複数のばねクリップを有し、各ばねクリップは、前記突出部の端部と整列する端部を有し、前記複数のばねクリップは、前記仮止め締結具の前記凹みを前記突出部に当てて固定した状態に保持するよう構成され、
軸受胴を有し、
前記軸受胴に結合された第1の軸受を有し、前記第1の軸受は、前記仮止め締結具の円筒形本体に接触し、そして前記仮止め締結具の前記ステムを前記第2の方向に回転させるよう構成され、
前記軸受胴に結合された第2の軸受を有し、前記第2の軸受は、前記仮止め締結具の前記ステムに接触し、そして前記仮止め締結具の前記ステムを前記第2の方向に回転させるよう構成され、
前記軸受胴に結合されたモータシャフトを有する、仮止め締結具作動ツール。
【請求項16】
前記仮止め締結具は、Clecoファスナーである、請求項15記載の仮止め締結具作動ツール。
【請求項17】
前記仮止め締結具作動ツールの前記モータシャフトは、回転ツールに結合するよう構成されている、請求項15記載の仮止め締結具作動システム
【請求項18】
前記回転ツールは、多機能型エンドエフェクタ(MFEE)である、請求項17記載の仮止め締結具作動ツール。
【請求項19】
前記仮止め締結具作動ツールは、前記モータシャフトに結合されたスピンドルをさらに有し、
前記軸受胴は、前記軸受胴を前記スピンドルに結合するねじ山付き端部を有する、請求項15記載の仮止め締結具作動ツール。
【請求項20】
前記突出部および前記複数のばねクリップは、前記仮止め締結具作動ツールの第1の端部に結合され、
前記第1の軸受は、前記仮止め締結具作動ツールの前記第1の端部の近くに配置され、
前記第2の軸受は、前記第1の軸受の近くに配置され、
前記第1の軸受と前記第2の軸受は両方とも、形状が管状であり、前記仮止め締結具の少なくとも一部分を前記第1の軸受および前記第2の軸受中へ挿入することができるようになっている、請求項15記載の仮止め締結具作動ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容(本発明)は、一般に、仮止め締結具、特に自動仮止め締結具作動装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
製造プロセス中に、異種材料を互いに締結するために製造プロセスにおいて仮止め締結具、例えばClecoファスナーが用いられている。これら異種材料を結合すると、作業員は、他のプロセスを実施してこれら材料を物理的に接合する場合がある。その後、仮止め締結具は、次の組立作業のために接合された材料から取り外される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
仮止め締結具を付けたり外したりするための現行のプロセスは、手作業であり、時間がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態によれば、仮止め締結具作動システムは、仮止め締結具、仮止め締結具作動ツール、回転ツール、およびカラーを含む。仮止め締結具は、凹みを有する円筒形本体、圧縮可能なガスケット、ステム、およびステムに結合された複数の歯を有する。仮止め締結具作動ツールは、仮止め締結具の凹みの形状に合致した溝を備える突出部を有する。仮止め締結具作動ツールは、複数のばねクリップをさらに有し、各ばねクリップは、突出部の端部と整列する端部を有する。ばねクリップは、仮止め締結具の凹みを突出部に当てて固定した状態に保持するよう構成されている。仮止め締結具作動ツールは、軸受胴、軸受胴に結合されていて、仮止め締結具の円筒形本体に接触し、そして仮止め締結具のステムを第2の方向に回転させるよう構成された第1の軸受、軸受胴に結合されていて、仮止め締結具のステムに接触し、そして仮止め締結具のステムを第2の方向に回転させるよう構成された第2の軸受、および軸受胴に結合されたモータシャフトを有する。回転ツールは、仮止め締結具作動ツールのモータシャフトに結合するよう構成され、回転ツールは、第2の軸受がステムから離脱している間にモータシャフトおよび第1の軸受を第1の方向に回転させ、それにより仮止め締結具の円筒形本体が回転するようにし、第1の軸受が円筒形本体から離脱している間にモータシャフトおよび第2の軸受を第2の方向に回転させ、それにより複数の歯が縮むようにする。カラーは、仮止め締結具の円筒形本体に接触し、そしてステムを第2の方向に回転させたときに仮止め締結具の円筒形本体を静止状態に保持するよう構成されている。
【0005】
もう1つの実施形態によれば、仮止め締結具作動システムは、仮止め締結具作動ツール、回転ツール、およびカラーを有する。仮止め締結具作動ツールは、仮止め締結具の凹みの形状に合致した溝を備える突出部を有する。仮止め締結具作動ツールは、複数のばねクリップをさらに有し、各ばねクリップは、突出部の端部と整列する端部を有する。ばねクリップは、仮止め締結具の凹みを突出部に当てて固定した状態に保持するよう構成されている。仮止め締結具作動ツールは、軸受胴、軸受胴に結合されていて、仮止め締結具の円筒形本体に接触し、そして仮止め締結具のステムを第2の方向に回転させるよう構成された第1の軸受、軸受胴に結合されていて、仮止め締結具のステムに接触し、そして仮止め締結具のステムを第2の方向に回転させるよう構成された第2の軸受、および軸受胴に結合されたモータシャフトを有する。回転ツールは、仮止め締結具作動ツールのモータシャフトに結合するよう構成され、回転ツールは、第2の軸受がステムから離脱している間にモータシャフトおよび第1の軸受を第1の方向に回転させ、それにより仮止め締結具の円筒形本体が回転するようにし、第1の軸受が円筒形本体から離脱している間にモータシャフトおよび第2の軸受を第2の方向に回転させ、それにより複数の歯が縮むようにする。カラーは、仮止め締結具の円筒形本体に接触し、そしてステムを第2の方向に回転させたときに仮止め締結具の円筒形本体を静止状態に保持するよう構成されている。
【0006】
もう1つの実施形態によれば、仮止め締結具作動ツールは、突出部、多数のばねクリップ、および軸受胴を有する。突出部は、仮止め締結具の凹みの形状に合致した溝を備える。各ばねクリップは、突出部の端部と整列する端部を有する。ばねクリップは、仮止め締結具の凹みを突出部に当てて固定した状態に保持するよう構成されている。仮止め締結具作動ツールは、軸受胴に結合されていて、仮止め締結具の円筒形本体に接触し、そして仮止め締結具のステムを第2の方向に回転させるよう構成された第1の軸受を有する。仮止め締結具作動ツールは、軸受胴に結合されていて、仮止め締結具のステムに接触し、そして仮止め締結具のステムを第2の方向に回転させるよう構成された第2の軸受をさらに有する。仮止め締結具作動ツールは、軸受胴に結合されたモータシャフトをさらに有する。
【0007】
ある幾つかの実施形態の技術的な利点としては、自動仮止め締結具作動装置およびシステムを提供するということが挙げられる。仮止め締結具、例えばClecoファスナーを付けたり外したりするために現在用いられている典型的な手作業プロセスに代えて、開示する実施形態は、仮止め締結具を迅速にかつ自動的に作動させ、それにより相当な時間および出費を節約する。他の技術的利点は、以下の図、説明、および特許請求の範囲から当業者には容易に明らかになろう。さらに、特定の利点を上記において列挙したが、種々の実施形態は、列挙した利点の全て、幾つかを含む場合があり、あるいは、これら利点を全く含まない場合がある。
【0008】
本発明およびその利点のより完全な理解を得るため、添付の図面と関連して以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ある幾つかの実施形態としての自動仮止め作動システムを示す図である。
【
図2A】ある幾つかの実施形態としての自動仮止め締結具作動ツールの斜視図である。
【
図2B】ある幾つかの実施形態としての自動仮止め締結具作動ツールの断面図である。
【
図3】ある幾つかの実施形態としての仮止め締結具を示す図である。
【
図4A】ある幾つかの実施形態のうちの1つに従って材料のパネルを互いに結合する
図3の仮止め締結具を示す図である。
【
図4B】ある幾つかの実施形態のうちの別の1つに従って材料のパネルを互いに結合する
図3の仮止め締結具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
製造プロセス中に、異種材料を互いに締結するために製造プロセスにおいて仮止め締結具、例えばClecoファスナーが用いられている。これら異種材料を結合すると、作業員は、他のプロセスを実施してこれら材料を物理的に接合する場合がある。その後、仮止め締結具は、次の組立作業のために接合された材料から取り外される。仮止め締結具を付けたり外したりするための現行のプロセスは、手作業であり、時間がかかる。
【0011】
仮止め締結具、例えばClecoファスナーを手作業で作動させる場合に生じるこれらの問題および他の問題を解決するために、開示する実施形態は、自動的に仮止め締結具作動ツールおよびシステムを提供する。仮止め締結具、例えばClecoファスナーを付けたり外したりするために現在用いられている典型的な手作業プロセスに代えて、開示する実施形態は、仮止め締結具を迅速にかつ自動的に作動させ、それにより相当な時間および出費を節約する。このようにするため、幾つかの実施形態は、回転ツール、例えば多機能型エンドエフェクタ(MFEE)および仮止め締結具、例えばClecoファスナーを作動させるための仮止め締結具作動ツールを利用する。回転ツールは、仮止め締結具作動ツール内のシャフトを回転させ、このシャフトは、仮止め締結具を外すか、またはこれをパネルに付けるかのいずれかを行うよう仮止め締結具を自動的に作動させる。その結果、仮止め締結具、例えばClecoファスナーは、作業員による手作業を必要としないで、自動的に作動可能である。
【0012】
本発明の良好な理解を容易にするため、ある幾つかの実施形態の以下の実施例が与えられている。以下の実施例は、本発明の範囲を制限しまたは規定するよう読まれるべきであることは決してない。本発明の実施形態およびその利点は、添付の図を参照することによって最もよく理解でき、図中、同一の符号は、同一の部分および対応の部分を示すために用いられている。
【0013】
図1は、ある幾つかの実施形態としての仮止め締結具作動システム100を示している。仮止め締結具作動システム100は、回転ツール110、仮止め締結具作動ツール120、および仮止め締結具130を含む。一般に、仮止め締結具作動ツール120は、回転ツール110に結合されまたは違ったやり方でこの回転ツールによって操作される。仮止め締結具130を仮止め締結具作動ツール120中に挿入し、次に、仮止め締結具130の歯(すなわち、歯306)をパネル140に設けられている整列状態の穴中に挿入する。次に、回転ツール110は、シャフト(すなわち、モータシャフト121)を仮止め締結具作動ツール120内で回転させ、このシャフトは、仮止め締結具130のステム(すなわち、ステム302)を回転させる。これにより、仮止め締結具130の歯が作動され、そして仮止め締結具130をパネル140に一時的に固定し、それによりパネル140を製造目的で互いに固定する。回転ツール110はまた、モータシャフト121を仮止め締結具作動ツール120内で逆方向に回転させることができ、その目的は、仮止め締結具130の歯を引っ込めて仮止め締結具130をパネル140から弛めることにある。
【0014】
回転ツール110は、本明細書において説明するような仮止め締結具130を作動させることができる任意適当なツールまたは装置である。幾つかの実施形態では、回転ツール110は、多機能型エンドエフェクタ(MFEE)または3軸ロボットシステム(例えば、クーカ・エーロスペース(Kuka Aerospace)社製)である。一般に、回転ツール110は、仮止め締結具作動ツール120に保持状態でまたは違ったやり方で取り付けられ、仮止め締結具作動ツール120を位置決めし、そしてこの仮止め締結具作動ツールをパネル140に設けられた穴に整列させ、そしてモータシャフト121を仮止め締結具作動ツール120内でスピンさせるが、その目的は、仮止め締結具130を本明細書において説明するように作動させることにある。例えば、回転ツール110は、モータシャフト121および内側軸受126を第1の方向に回転させるよう構成されているのがよく、他方、外側軸受125は、静止しており、それにより仮止め締結具130の歯が拡がる。もう1つの実施例として、回転ツール110は、モータシャフト121を第2の方向(第1の方向とは逆の方向)に回転させることができ、他方、外側軸受125は、静止しており、それにより仮止め締結具130の歯が縮む。さらにもう1つの実施例では、回転ツール110は、内側軸受126がステム302から外されている間にモータシャフト121および外側軸受125を第1の方向に回転させるよう構成されているのがよく、それにより仮止め締結具130の本体全体が回転する。
【0015】
図2Aおよび
図2Bは、ある幾つかの実施形態としての仮止め締結具作動ツール120を示している。幾つかの実施形態では、仮止め締結具作動ツール120は、図示のように形状が全体的に円筒形である。これにより、仮止め締結具作動ツール120を回転ツール110のツール受け口中に少なくとも部分的に挿入することができ、そして回転ツール110に結合することができる。幾つかの実施形態では、仮止め締結具作動ツール120は、モータシャフト121、突出部122、1つ以上のばねクリップ124(例えば、124aおよび124b)、外側軸受125、内側軸受126、軸受胴127、スピンドル128、およびねじ山129を有する。モータシャフト121は、軸受胴に結合されている。モータシャフト121と軸受胴127の両方は、仮止め締結具作動ツール120内で軸線210回りに回転するよう構成されている。幾つかの実施形態では、モータシャフト121は、図示のようにモータシャフト121の一端部に結合されたスピンドル128を有する。かかる実施形態では、軸受胴127は、軸受胴127をスピンドル128に結合するねじ山129を有する。モータシャフト121は、一般に、内側軸受126を回転させるために、回転動力を回転ツール110から軸受胴127に伝達する。これにより、仮止め締結具130のステム302が回転し、それにより仮止め締結具130が作動される。
【0016】
突出部122は、図示のように、仮止め締結具130の端部220に結合されている。一般に、突出部122は、仮止め締結具130を仮止め締結具作動ツール120内に保持するのを助ける。幾つかの実施形態では、突出部122は、仮止め締結具130の凹み301の断面形状に合致した溝230を有する。例えば、本体300および凹み301の形状が図示のように円筒形である場合、溝230は、図示のように形状が円形である。これにより、仮止め締結具130の凹み301を突出部122に当てて定位置にしっかりと保持することができる(すなわち、凹み301は、溝230に嵌まり、他方、本体300の一部分が突出部122の内側部分260に嵌まる)。仮止め締結具130を突出部122に当てて保持するのを助けるため、仮止め締結具130の幾つかの実施形態では、1つ以上のばねクリップ124を有する。ばねクリップ124は、図示のように、仮止め締結具130の端部220に結合されている。各ばねクリップ124は、突出部122の端部250と整列した端部240を有する。ばねクリップ124は、ばねクリップ124を可撓性であるようにするとともにばね押しすることができる金属、プラスチック、または任意他の適当な材料で作られるのがよい。
【0017】
ある幾つかの実施形態では、外側軸受125は、仮止め締結具130の本体300に接触し、そして仮止め締結具130の作動中、仮止め締結具130の本体300を静止状態にするよう構成されている。例えば、外側軸受125は、外側軸受125が本体300に接触してこれを静止状態に保持することができるようにする内径を有するのがよい。
【0018】
幾つかの実施形態では、外側軸受125は、仮止め締結具130の本体300に接触し、そして仮止め締結具130の作動中、本体300を回転させるよう構成されている。例えば、外側軸受125は、外側軸受125が本体300に接触してこれを回転させることができる内径を有するのがよい。
【0019】
ある幾つかの実施形態では、外側軸受125は、図示のように、仮止め締結具作動ツール120の端部220の近くに配置されている。幾つかの実施形態では、外側軸受125は、仮止め締結具130の少なくとも一部分を外側軸受125中に挿入することができるよう形状が管状である。
【0020】
内側軸受126は、仮止め締結具130のステム302に接触し、そして仮止め締結具130の作動中、ステム302を回転させるよう構成されている。幾つかの実施形態では、内側軸受126は、図示のように、外側軸受125の近くに配置されている。幾つかの実施形態では、内側軸受126は、仮止め締結具130の少なくとも一部分(例えば、ステム302)を内側軸受126中に挿入することができるよう形状が管状である。一般に、内側軸受126は、内側軸受126がステム302に接触してこれを回転させることができる内径を有する。
【0021】
ある幾つかの実施形態では、仮止め締結具130のステム302を内側軸受126により作動させている間、本体300を静止状態に保持するようカラー170が仮止め締結具130の本体300に圧力嵌め方式で嵌まるようになっている。幾つかの実施形態では、カラー170は、仮止め締結具130の本体300を回転させることができる一方で、仮止め締結具130のステム302を外側軸受125により作動させることができる。カラー170は、図示のように、仮止め締結具作動ツール120の端部220の近くに配置されるのがよい。幾つかの実施形態では、カラー170は、形状が管状である。カラー170は、任意適当な材料(例えば、プラスチック)で構成できる。
【0022】
仮止め締結具130は、パネル140を互いに保持するための任意適当な締結具である。幾つかの実施形態では、仮止め締結具130は、Clecoファスナーである。仮止め締結具130の特定の実施形態について
図3を参照して以下に詳細に説明する。
【0023】
パネル140は、製造の際に互いに結合されるべき材料または物体である。幾つかの実施形態では、例えば、パネル140は、航空機のパネルである。もう1つの実施例として、パネル140は、自動車のパネルである。一般に、パネル140は、パネル140を互いに保持するために仮止め締結具130に整列してこの仮止め締結具を挿入することができる穴を有する。
【0024】
図3は、ある幾つかの実施形態としての仮止め締結具130を示している。仮止め締結具130は、任意適当な寸法、高さ、形状、およびこれらの任意の組み合わせであってよい。幾つかの実施形態では、仮止め締結具130は、任意適当な材料を含むことができ、かかる材料として、金属、非金属、ポリマー、セラミック、複合材、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。仮止め締結具130は、任意適当な締結具であってよく、これによって本発明が限定されることはない。幾つかの実施形態では、仮止め締結具130は、Clecoファスナーである。
【0025】
幾つかの実施形態では、仮止め締結具130は、本体300、凹み301、ステム302、スプレッダーバー304、1対の歯306a,306b、1対のバーブ308a,308b、および圧縮可能なガスケット412を有するのがよい。本体300および凹み301は、形状が全体として円筒形であるのがよく、凹み301は、図示のように、凹み301の各端部上の本体300の部分よりも小さな直径を有する。本体300は、ステム302の少なくとも一部分を収容するよう構成されているのがよく、ステム302は、本体300に対して互いに逆の方向に並進するよう構成されているのがよい。例えば、ステム302は、本体300内に設けられた状態でこれに固定されているのがよい。1つ以上の実施形態では、ステム302は、本体300の内部中に、そしてこの中にねじ込まれるのがよい。作動中、本体300から延び出ているステム302の頂部分312を回転させると、ステム302を本体300の中心軸線に沿って並進させることができる。
【0026】
幾つかの実施形態では、スプレッダーバー304は、頂部分312から見て反対側に位置する本体300の端部に結合されるのがよい。図示のように、スプレッダーバー304は、本体300から外方に延びるのがよく、歯306は、スプレッダーバー304に隣接して配置されるのがよい。第1の歯306aは、スプレッダーバー304の一方の側に沿って設けられるのがよく、第2の歯306bは、スプレッダーバー304の反対側に沿って設けられるのがよい。歯306は各々、ステム302に結合されるのがよい。ステム302を作動させて回転させても、スプレッダーバー304は、静止状態のままでいることができ、歯306は、ステム302と一緒に並進することができる。1つ以上の実施形態では、歯306は、本体300中に後方に引っ込み、スプレッダーバー304は、歯306を半径方向外方に拡げるよう構成されているのがよい。1つ以上の実施形態では、歯306は、本体300から外方に延び、歯306相互間の距離は、半径方向に減少するのがよい。幾つかの実施形態では、バーブ308は、歯306の遠位端部のところに設けられるのがよい。第1のバーブ308aは、第1の歯306aの遠位端部314のところに設けられるのがよく、第2のバーブ308bは、第2の歯306bの遠位端部316のところに設けられるのがよい。幾つかの実施形態では、バーブ308は、歯306を作動させると、並進と拡張と引っ込みを続けて行うことができる。
【0027】
図4Aおよび
図4Bは、別々の材料パネルを互いに結合する仮止め締結具130を示している。図示のように、仮止め締結具130は、第1の材料パネル400および第2の材料パネル402に設けられた穴に少なくとも部分的に挿入されるのがよい。第1の材料パネル400および第2の材料パネル402は各々、任意適当な寸法、高さ、形状、およびこれらの任意の組み合わせであってよい。幾つかの実施形態では、第1の材料パネル400および第2の材料パネル402は各々、任意適当な材料を含むことができ、かかる材料としては、金属、非金属、ポリマー、セラミック、複合材、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。幾つかの実施形態では、歯306およびバーブ308は、第1のパネル400の第1の側404を貫通して挿入されるのがよく、そして第2のパネル402の第2の側410から出るのがよく、この場合、第1のパネル400の第2の側406は、第2のパネル402の第1の側408に当てて設けられている。力を加えてパネル400,402を互いにクランプするため、仮止め締結具130のステム302(
図3参照)を回転させると、歯306を引っ込めることができる。歯306が引っ込むと、スプレッダーバー304(
図3参照)により、歯306および次にバーブ308が半径方向に画定することができる。バーブ308は、パネル400,402の穴のサイズを超えて拡張されるのがよく、そしてこれらバーブは、第2のパネル402を第2の側410に当接することができる。次に、仮止め締結具130をさらに作動させるのがよく、それによりバーブ308は、力を第2のパネル402後方に加えることができる。図示のように、圧縮可能なガスケット412が本体300の一端部(
図3参照)のところに設けられるのがよく、この端部は、本体300および/または第1のパネル400の保護手段となることができる。圧縮力をガスケット412とバーブ308との間で第1のパネル400と第2のパネル402の両方に加えるのがよく、それにより第1のパネル400を第2のパネル402に一時的に固定することができる。
【0028】
作用の説明にあたり、
図1~
図4Bを参照すると、開示した実施形態は、仮止め締結具130を自動的に作動させるために仮止め締結具作動ツール120を利用した仮止め締結具作動システム100を提供している。仮止め締結具、例えばClecoファスナーを付けたり外したりするために現在用いられている典型的な手作業プロセスに代えて、開示する実施形態は、仮止め締結具を迅速にかつ自動的に作動させ、それにより相当な時間および出費を節約する。このようにするため、最初に、仮止め締結具120を回転ツール110に結合し、または違ったやり方でこれに取り付ける。次に、仮止め締結具130がパネル140中にすでに取り付けられている場合、仮止め締結具作動ツール120を操作して(手作業によるか、回転ツール110によって自動的にかのいずれかで)、軸線210が取り付けられた仮止め締結具130と整列するようにする。次に、仮止め締結具作動ツール120を動かして仮止め締結具130が仮止め締結具130中に押し込まれるようにする。仮止め締結具130中に挿入されると、ばねクリップ124および突出部122は、凹み301と整列してこれに接触し、それにより仮止め締結具130を仮止め締結具作動ツール120内に固定する。本体300は、外側軸受125に接触し、ステム302は、仮止め締結具130内の内側軸受126に接触する。次に、モータシャフト121を回転ツール120によって回転させ、それにより軸受胴127、内側軸受126、そして最終的にステム302を回転させる。外側軸受125は、ステム302を内側軸受126によって回転させている間、仮止め締結具130の本体300が回転するのを阻止するので、仮止め締結具130を作動させて歯306を縮める。これにより、仮止め締結具130が弛められてパネル140から自由になる。次に、仮止め締結具作動ツール120を引っ込めてパネル140から離し、それにより仮止め締結具130をパネル140から引いて自由にする。
【0029】
仮止め締結具作動システム100を用いて仮止め締結具130をパネル140中に取り付ける場合、最初に、仮止め締結具130を仮止め締結具作動ツール120中に挿入するのがよい。仮止め締結具130中に挿入されると、ばねクリップ124および突出部122は、凹み301と整列してこれに接触し、それにより仮止め締結具130を仮止め締結具作動ツール120内に固定する。本体300は、外側軸受125に接触し、ステム302は、内側軸受126に接触する。次に、モータシャフト121を回転ツール120によって上記の方向とは逆の方向に回転させ、それにより軸受胴127、内側軸受126、そして最終的にステム302を回転させる。外側軸受125は、ステム302を内側軸受126によって回転させている間、仮止め締結具130の本体300が回転するのを阻止するので、仮止め締結具130を作動させて歯306を拡げる。これにより、仮止め締結具130がパネル140上に固定される。
【0030】
仮止め締結具作動システム100を用いて、仮止め締結具130を仮止め締結具130に硬化して固着されている場合のある封止材から剥がして自由にすれば、仮止め締結具作動ツール120の外側軸受125は、仮止め締結具130の本体300に接触し、そして仮止め締結具130の本体300を回転させる。カラー170は、ステム302を逆方向に回転させると、仮止め締結具130の本体300に接触して仮止め締結具130の本体300を静止状態に保持するよう構成されている。
【0031】
本明細書において、「または」は、別段の明示の指示がなければ、あるいは文脈上別段の示唆がなければ、包括的であって、排他的ではない。したがって、本明細書において、「AまたはB」は、別段の明示の指示がなければ、あるいは文脈上別段の示唆がなければ、「A、B、または両方」を意味する。さらに、「および」は、別段の明示の指示がなければ、あるいは文脈上別段の示唆がなければ、連帯と個別(joint and several)の両方を表す言葉である。したがって、別段の明示の指示がなければ、あるいは文脈上別段の示唆がなければ、本明細書において、「Aおよび(と)B」は、「Aおよび(と)B、連帯してまたは別々に」を意味する。
【0032】
本発明の範囲は、本明細書において説明しまたは図示した例示の実施形態に対する全ての変更、置換、変形、代替、および改造を含み、これらについては、当業者であれば理解されよう。本発明の範囲は、本明細書において説明しまたは図示した例示の実施形態には限定されない。さらに、本発明は、特定のコンポーネント、要素、特徴、機能、作用、またはステップを含むものとして本明細書においてそれぞれの実施形態を説明するとともに図示しているが、これら実施形態のうちの任意のものは、本明細書におけるどこか別の場所で説明しまたは図示したコンポーネント、要素、特徴、機能、作用、またはステップのうちの任意のものの任意の組み合わせまたは並び替えを含むことができ、これらについては、当業者であればその理解のうちに含まれるであろう。さらに、添付の特許請求の範囲において、装置もしくはシステム、または装置もしくはシステムのコンポーネントが特定の機能を実行するよう適合され、実行するよう配置され、実行することができ、実行するよう構成され、実行するよう実現でき、実行するよう作動でき、または実行するよう作動する、という記載は、当該装置、システム、またはコンポーネントがそのように適合され、配置され、でき、構成され、実現でき、作動でき、または作動する限り、当該特定機能が実施され、稼働され、あるいは発揮されるかどうかにかかわらず、当該装置、システムまたはコンポーネントを含む。加うるに、本開示は、特定の利点を提供するものとして特定の実施形態を説明しまたは図示しているが、特定の実施形態は、これら利点のうちのどれも提供しなくてもよく、あるいは、これら利点のうちの幾つかまたは全てを提供してもよい。
【0033】
本明細書において開示する実施形態は、例示に過ぎず、本発明の範囲は、これら実施形態には限定されない。特定の実施形態は、本明細書において開示した実施形態のコンポーネント、要素、特徴、機能、作用、またはステップの全て、これらのうちの幾つかを含むことができ、またはこれらを含んでもよく、あるいはこれらを全く含まなくてもよい。ある幾つかの実施形態は、特に、方法、記憶媒体、システムおよびコンピュータプログラム製品に関する特許請求の範囲の記載に開示されており、この場合、1つのクレームカテゴリ、例えば方法カテゴリにおいて言及された任意の特徴を別のクレームカテゴリ、例えばシステムカテゴリにおいてもクレーム請求することができる。特許請求の範囲の記載における従属性または「前記」記載は、形式的な理由でのみ選択されている。しかしながら、任意の先のクレーム(特に、多数項引用形式)に対する意図的な「前記」記載の結果として生じる任意の発明内容もまた、クレーム請求でき、したがって、特許請求の範囲に記載された発明およびかかる発明の特徴の任意の組み合わせが開示され、そして特許請求の範囲において選択された従属性にもかかわらず、クレーム請求できる。クレーム請求できる発明内容は、特許請求の範囲に記載された特徴の組み合わせだけでなく、特許請求の範囲における特徴の任意他の組み合わせをも含み、この場合、特許請求の範囲において言及された各特徴を特許請求の範囲における任意他の特徴または他の特徴の組み合わせと組み合わせることができる。さらに、本明細書において説明しまたは図示した実施形態および特徴のうちの任意のものを別個のクレームにおいてかつ/あるいは本明細書において説明しまたは図示した任意の実施形態または特徴もしくは特許請求の範囲に記載された本発明の特徴のうちの任意のものとの任意の組み合わせとしてクレーム請求できる。
【0034】
本明細書において用いられる「各(各々)」は、一集合の各元または一集合のうちの一部分集合の各元を意味している。さらに、本明細書において用いられる「または」は、必ずしも排他的ではなく、別段の明示の指示がなければ、「または」は、ある幾つかの実施形態では包括的であるのがよく、「および/または」を意味するものと理解できる。同様に、本明細書において用いられる「および」は、必ずしも包括的ではなく、別段の明示の指示がなければ、「および」は、ある幾つかの実施形態では包括的であってもよく、つまり「および/または」を意味するものと理解できる。“a/an/the”(左記は原文明細書における表現)を冠する単数形の要素、装置、コンポーネント、手段、ステップなどに対する全ての言及は、別段の明示の規定がなければ、要素、装置、コンポーネント、手段、ステップなどのうちの少なくとも1つの場合を参照しているものとして非限定的に理解されるべきである。
【0035】
幾つかの実施形態を図示するとともに詳細に説明したが、理解されるように、置換および変更が特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲から逸脱することなく、可能である。
【符号の説明】
【0036】
100 仮止め締結具作動システム
110 回転ツール
120 仮止め締結具作動ツール
121 モータシャフト
122 突出部
124 ばねクリップ
125 外側軸受
126 内側軸受
127 軸受胴
128 スピンドル
129 ねじ山
130 仮止め締結具
140 パネル
220 仮止め締結具の端部
230 溝
240 ばねクリップの端部
300 円筒形本体
301 凹み
302 ステム
306 歯
308 バーブ
412 ガスケット
【外国語明細書】