(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013216
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】電気自動車のバッテリー充電データ管理方法、および、システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/00 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024104186
(22)【出願日】2024-06-27
(31)【優先権主張番号】112126058
(32)【優先日】2023-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】597127029
【氏名又は名称】光陽工業股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】侯一安
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503EA08
5G503FA06
(57)【要約】
【課題】電気自動車のバッテリー充電データ管理方法、および、システムを提供する。
【解決手段】電気自動車に適用する電気自動車のバッテリー充電データ管理方法、および、システムを提供する。まず、電気自動車を用いて、電気自動車の走行距離を記録する。その後、電力補充装置を用いて、バッテリーに電力補充作業を実行し、バッテリーを用いて、電気エネルギーを電気自動車に提供し、電力補充作業は、充電作業、あるいは、バッテリー交換作業を含む。バッテリー、あるいは、電力補充装置を用いて、電力補充作業に対応する電力補充記録データを記録し、電力補充記録データは少なくとも、バッテリーのバッテリー識別データ、および、電力補充情報を含む。その後、リモートサーバーは、バッテリーの電力補充記録データ、および、電気自動車の走行距離を得るとともに、これに応じて、電気自動車が、電力補充の異常状態にあるか否か判断する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車に適用する電気自動車のバッテリー充電データ管理方法であって、
前記電気自動車により、前記電気自動車の走行距離を記録する工程と、
電力補充装置により、電力補充作業をバッテリーに実行して、前記バッテリーを用いて、電気エネルギーを前記電気自動車に提供し、前記電力補充作業が、充電作業、あるいは、バッテリー交換作業を含む工程と、
前記バッテリー、あるいは、前記電力補充装置により、前記電力補充作業に対応する電力補充記録データを記録し、前記電力補充記録データは少なくとも、前記バッテリーのバッテリー識別データ、および、電力補充情報を含む工程と、
リモートサーバーにより、前記バッテリーの前記電力補充記録データ、および、前記電気自動車の前記走行距離を得る工程、
前記バッテリーの前記電力補充記録データ、および、前記電気自動車の前記走行距離にしたがって、前記リモートサーバーにより、前記電気自動車が、電力補充の異常状態にあるか否か判断する工程、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
さらに、
前記電気自動車の前記走行距離に基づいて、アンペア時消耗を計算するとともに、前記リモートサーバーにより、前記電力補充情報が、前記アンペア時消耗の所定許容差範囲内にあるかどうか判断する工程、および、
前記電力補充情報が、前記アンペア時消耗の前記所定の許容範囲に収まらないとき、前記リモートサーバーにより、前記電気自動車が、電力補充の前記異常状態を有すると判断する工程、
を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、前記電力補充情報が、前記アンペア時消耗の前記所定の許容範囲に収まらないとき、警告通知を生成する、あるいは、ネットワークを介して、前記リモートサーバーにより、前記警告通知を、前記バッテリー識別データに固定されるユーザー装置に送信する工程を有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
さらに、
前記バッテリーを、前記電気自動車に電気的に結合して、前記電気自動車に電気エネルギーを提供する工程と、
前記バッテリーにより、前記電気自動車に前記電力補充記録データを送信する工程、および、
ネットワークを介して、前記電気自動車により、前記電力補充記録データ、および、前記走行距離を送信する工程、を有し、
前記電気自動車は、前記ネットワークを介して、直接、前記電力補充記録データ、および、前記走行距離を、前記リモートサーバーに送信する、あるいは、前記ネットワークを介して、モバイル装置に接続するとともに、前記モバイル装置により、前記電力補充記録データ、および、前記走行距離を、前記リモートサーバーに送信することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
さらに、
ワイヤレスネットワークを介して、前記バッテリーの無線接続ユニットにより、前記電力補充記録データを、前記リモートサーバーに送信する工程、
ネットワークを介して、前記電気自動車により、前記リモートサーバーに前記走行距離を送信する工程、を有し、
前記電気自動車は、前記ネットワークを介して、直接、前記走行距離を、前記リモートサーバーに送信する、あるいは、前記ネットワークを介して、モバイル装置に接続するとともに、前記モバイル装置により、前記走行距離を、前記リモートサーバーに送信することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記電力補充装置は、前記電気自動車、家庭用充電器、あるいは、バッテリーエナジーステーションを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
電気自動車に適用する電気自動車のバッテリー充電データ管理システムであって、
前記電気自動車の走行距離を記録する電気自動車と、
電気エネルギーを、前記電気自動車に提供するバッテリーと、
前記バッテリーに結合されて、前記バッテリーに対応する電力補充作業を実行し、前記電力補充作業は、充電作業、あるいは、バッテリー交換作業を有し、前記バッテリー、あるいは、前記電力補充装置は、前記電力補充作業の前記電力補充記録データを記録し、前記電力補充記録データが少なくとも、前記バッテリーのバッテリー識別データ、および、電力補充情報を含む電力補充装置、および、
前記バッテリーの前記電力補充記録データ、および、前記電気自動車の前記走行距離を得るとともに、前記バッテリーの前記電力補充記録データ、および、前記電気自動車の前記走行距離にしたがって、前記電気自動車が、電力補充の異常状態にあるか否か判断するリモートサーバー、
を有することを特徴とするシステム。
【請求項8】
前記リモートサーバーはさらに、前記電気自動車の前記走行距離に基づいて、アンペア時消耗を計算し、前記電力補充情報が、前記アンペア時消耗の所定の許容範囲に収まるか否か判断するとともに、前記電力補充情報が、前記アンペア時消耗の前記所定の許容範囲に収まらないとき、前記電気自動車は、電力補充の前記異常状態を有すると判断することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記リモートサーバーはさらに、前記電力補充情報が、前記アンペア時消耗の前記所定の許容範囲に収まらないとき、警告通知を生成する、あるいは、ネットワークを介して、警告通知を、前記バッテリー識別データに結合されるユーザー装置に送信することを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記電力補充装置は、前記電気自動車、家庭用充電器、あるいは、バッテリーエナジーステーションを有することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー充電データ管理方法、および、システムに関するものであって、特に、電気自動車のバッテリー充電状態に異常が発生したか否かを判断することができる方法、および、システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護に対する意識の高まりと電気自動車技術の進歩に伴い、化石燃料を動力源とする従来の自動車に代わって、電気エネルギーを動力源とする電気自動車の開発が、自動車分野において、徐々に重要な目標となっており、そのため、電気自動車は、ますます普及している。電気自動車の航続距離と使用意欲を高めるため、多くの国や都市が、公共の場所に、充電ステーションやバッテリーエナジーステーションを設置して、電気自動車や電動バイクに、充電やバッテリー交換を提供し、電気自動車の使用をより便利にしている。
【0003】
一般的に、バッテリーは、メーカーにとって最も重要なコストの一つであり、且つ、二次電池には耐用年数の限界がある。電動バイクのような一部の電気自動車では、バッテリーの電力が不足しているとき、各バッテリー間の電力差が大きすぎる場合、および/または、個々のバッテリーの残存寿命サイクルが大きく異なる場合、これらのバッテリーを組み合わせて電気自動車を始動させると、車両、または、バッテリー自体の機能、または、寿命に影響を及ぼす。
【0004】
さらに、バッテリーのコストが高いことも、電動バイクのサービスコストが高い主な理由の1つである。ユーザーのニーズに応じて、異なる充電モードを計画し、あるいは、異なるサプライヤーを導入して、電気自動車のエコロジーチェーンに参加させることができれば、電動バイクの全体的なサービスコストを適度に削減することができ、ユーザーの電動バイクの採用意欲を、さらに高めることができるかもしれない。場合によっては、利用者が自宅で充電できるようにすれば、事業者は利用者に電動バイクの導入を促すために、より有利なプランを設計することができ、公共電源設備の使用を減らし、それによって電力網への電力圧力を分散させることができる。ただし、この場合、利用者が充電中に異常な状態に陥らないよう、利用者の利用状況や充電状況を把握する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって、本発明は、電気自動車のバッテリー充電データ管理方法、および、システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
電気自動車のバッテリー充電データ管理方法の一実施形態において、電気自動車は、電気自動車の走行距離を記録するために使用される。その後、電力補充装置が、バッテリーに電力補充作業を実行するために使用され、バッテリーは、電気エネルギーを電気自動車に提供するために使用され、電力補充作業は、充電作業、あるいは、バッテリー交換作業を含む。バッテリー、あるいは、電力補充装置は、電力補充作業に対応する電力補充記録データを記録するために使用され、電力補充記録データは少なくとも、バッテリーのバッテリー識別データ、および、電力補充情報を含む。その後、リモートサーバーは、バッテリーの電力補充記録データ、および、電気自動車の走行距離を得るとともに、これに応じて、電気自動車が、電力補充の異常状態にあるか否か判断する。
【0007】
電気自動車のバッテリー充電データ管理システムの一実施形態は、電気自動車、バッテリー、電力補充装置、および、リモートサーバーを有する。電気自動車は、電気自動車の走行距離を記録する。バッテリーは、電気エネルギーを電気自動車に提供する。電力補充装置は、バッテリーに結合されて、バッテリーに対応する電力補充作業を実行する。電力補充作業は、充電作業、あるいは、バッテリー交換作業を含むとともに、バッテリー、あるいは、電力補充装置は、電力補充作業の電力補充記録データを記録し、電力補充記録データは少なくとも、バッテリーのバッテリー識別データ、および、電力補充情報を含む。リモートサーバーは、バッテリーの電力補充記録データ、および、電気自動車の走行距離を有するとともに、これに応じて、電気自動車が、電力補充の異常状態にあるか否か判断する。
【0008】
いくつかの実施形態において、リモートサーバーはさらに、電気自動車の走行距離に基づいて、アンペア時消耗を計算し、電力補充情報が、アンペア時消耗の所定の許容範囲に収まるか否か判断するとともに、電力補充情報が、アンペア時消耗の所定許容差範囲内にある時、電気自動車が、電力補充の異常状態にあると判断する。
【0009】
いくつかの実施形態において、リモートサーバーはさらに、電力補充情報が、アンペア時消耗の所定の許容範囲に収まらないとき、警告通知を生成する、あるいは、ネットワークを介して、警告通知を、バッテリー識別データに結合されるユーザー装置に送信する。
【0010】
いくつかの実施形態において、バッテリーは、電気自動車に電気的に結合されて、電気エネルギーを電気自動車に提供するとともに、電力補充記録データを、電気自動車に送信する。電気自動車は、ネットワークを介して、電力補充記録データ、および、走行距離を、リモートサーバーに送信する。電気自動車は、ネットワークを介して、直接、電力補充記録データ、および、走行距離を、リモートサーバーに送信する、あるいは、ネットワークを介して、モバイル装置に接続するとともに、モバイル装置により、電力補充記録データ、および、走行距離を、リモートサーバーに送信する。
【0011】
いくつかの実施形態において、バッテリーの無線接続ユニットは、ワイヤレスネットワークを介して、電力補充記録データを、リモートサーバーに送信する。電気自動車は、ネットワークを介して、走行距離をリモートサーバーに送信する。電気自動車は、ネットワークを介して、直接、走行距離を、リモートサーバーに送信する、あるいは、ネットワークを介して、モバイル装置に接続するとともに、モバイル装置により、走行距離を、リモートサーバーに送信する。
【0012】
いくつかの実施形態において、電力補充装置は、電気自動車、家庭用充電器、あるいは、バッテリーエナジーステーションを有する。
【0013】
バッテリー充電データ管理方法は、有形媒体に具現化されたプログラムコードの形態をとることができる。プログラムコードが機械にロードされ、機械によって実行されると、機械は、開示された方法を実施するための装置になる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の電気自動車のバッテリー充電データ管理方法、および、システムにより、充電記録データ収集の精度を向上させるとともに、不正を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明は、添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を参照することにより、より完全に理解されるであろう。
【0016】
【
図1】本発明の電気自動車のバッテリー充電データ管理システムの一実施形態を示す概略図である。
【
図2】本発明の電力補充記録データを収集する一実施形態を示す概略図である。
【
図3】本発明の電力補充記録データを収集するもう一つの実施形態を示す概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態による電気自動車のバッテリー充電データ管理方法のフローチャートである。
【
図5】充電作業期間中に、異常状態があるか否かを判断する方法のフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態による電力補充記録データの収集方法のフローチャートである。
【
図7】本発明のもう一つの実施形態による電力補充記録データの収集方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の説明は、本発明を実施するための最良の想定される態様に関するものである。この説明は、本発明の一般的な原理を説明する目的でなされたものであり、限定的な意味で捉えられるべきではない。実施形態は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実現され得ることが理解されるべきである。
【0018】
図1は、本発明の電気自動車のバッテリー充電データ管理システムの一実施形態を示す概略図である。電気自動車のバッテリー充電データ管理システム100は、バッテリー110、電力補充装置120、電気自動車140、および、リモートサーバー130を有する。バッテリー110は、少なくとも一つの電池を有し、電気エネルギーを保存、および、放出するバッテリーモジュールである。注意すべきことは、いくつかの実施形態において、少なくとも一つのバッテリーは、直列、あるいは、並列に接続されて、電気エネルギーを、電気自動車140のモーターユニットに提供して操作する。電力補充装置120を用いて、バッテリー110を充電することができる。いくつかの実施形態において、電力補充装置120は、電気自動車、たとえば、電気自動車140、家庭用充電器、および/または、バッテリーエナジーステーションを有する。理解できることは、いくつかの実施形態において、バッテリー110、および/または、電力補充装置120は、それぞれ、ストレージユニット(
図1で示されない)を有して、関連情報、たとえば、バッテリー110、電力補充装置120、および/または、電気自動車140の識別データを保存することである。いくつかの実施形態において、ストレージユニットは、対応する電力補充作業の電力補充データを記録する。いくつかの実施形態において、電力補充記録データは、対応するバッテリーのバッテリー識別データ、電力補充装置の装置識別データ、および、電力補充情報を含む。いくつかの実施形態において、電力補充記録データはさらに、対応する電気自動車の車両識別コード、および、バッテリーに対応するユーザー識別データを有する。このほか、いくつかの実施形態において、ストレージユニットは、対応するバッテリー110の充電モードデータを記録することができる。充電モードデータは、バッテリー110に電力を供給させるモードを記録する。注意すべきことは、いくつかの実施形態において、モードは、電気自動車での充電、家庭用充電器での充電、バッテリーエナジーステーションでの充電、および、バッテリーエナジーステーションでのバッテリー交換の任意の一つ、あるいは、それらの任意の組み合わせを有することである。注意すべきことは、上記の充電モードは、本発明の単なる例であり、本発明はそれらに制限されないことである。注意すべきことは、いくつかの実施形態において、電気自動車140は、電気バイクであることである。電気自動車140は、電気自動車140の総走行距離、および/または、バッテリーの各充電作業間の駆動距離を記録する。バッテリー110、電力補充装置120、および/または、電気自動車140は、ネットワークを介して、直接、あるいは、間接的に、リモートサーバー130に接続されるとともに、本発明の電気自動車のバッテリー充電データ管理方法を実行し、詳細は以下で討論する。
【0019】
図2は、本発明の電力補充記録データを収集する一実施形態を示す概略図である。この実施形態において、対応するバッテリーの電力補充作業を実行するとき、電力補充装置120は、対応する電力補充作業の電力補充記録データを記録することができる。電力補充装置120は、ネットワーク接続能力を有する。電力補充装置120は、ネットワーク200を介して、電力補充記録データをリモートサーバー130に送信することができる。注意すべきことは、いくつかの実施形態において、ネットワーク200は、有線ネットワーク、電気通信網、ワイヤレスネットワーク、たとえば、ブルートゥース、Wi-Fiネットワークなどであることである。上記のように、いくつかの実施形態において、電力補充装置120は、電気自動車、家庭用充電器、および/または、バッテリーエナジーステーションを有する。
【0020】
注意すべきことは、いくつかの実施形態において、対応するバッテリーの電力補充作業を実行するとき、バッテリー110は、電力補充作業の電力補充記録データを記録することである。バッテリー110は、ネットワーク接続ユニットを有する。バッテリー110は、ネットワーク接続ユニットにより、ネットワークに接続されるとともに、ネットワークを介して、電力補充記録データを、リモートサーバー130に送信する。
【0021】
図3は、本発明の電力補充記録データを収集するもう一つの実施形態を示す概略図である。本実施形態において、電気自動車140は、ブルートゥースやWi-Fiネットワークなどのワイヤレスネットワークを介して、たとえば、ユーザーのスマートフォン等のモバイル装置150に接続されるとともに、バッテリー中の電力補充記録データ、および、走行距離記録を、モバイル装置150に送信する。モバイル装置150は、ネットワーク接続能力を有するとともに、ネットワーク300により、電力補充記録データを、リモートサーバー130に送信する。同様に、いくつかの実施形態において、ネットワーク300は、有線ネットワーク、電気通信網、ワイヤレスネットワーク、たとえば、ブルートゥースやWi-Fiネットワークである。注意すべきことは、いくつかの実施形態において、リモートサーバー130は、同じ位置、あるいは、異なる位置に位置するバッテリー、電気自動車、および/または、電力補充装置を同時に管理することができる。
【0022】
図4は、本発明の一実施形態による電気自動車のバッテリー充電データ管理方法のフローチャートである。
【0023】
まず、工程S410において、電気自動車を用いて、電気自動車の走行距離を記録する。注意すべきことは、いくつかの実施形態において、上記の走行距離は、電気自動車の総走行距離、および/または、バッテリーの各充電作業間の駆動距離である。工程S420において、電力補充装置を用いて、バッテリーに対応する電力補充作業を実行し、電力補充作業は、充電作業、あるいは、バッテリー交換作業を含む。同様に、いくつかの実施形態において、電力補充装置は、電気自動車、家庭用充電器、および/または、バッテリーエナジーステーションを有する。工程S430において、バッテリー、あるいは、電力補充装置を用いて、対応する電力補充作業の電力補充記録データを記録する。いくつかの実施形態において、電力補充記録データは少なくとも、バッテリーに対応するバッテリー識別データ、電力補充情報、および/または、電力補充装置の装置識別データを有する。特に強調したいことは、アプリケーション要件のフレキシビリティに対応して、充電モードは多元化できるので、電力補充装置の装置識別データが比較的重要であることである。電力補充装置の装置識別データ管理により、さらに多元化する充電モードアプリケーションが提供される。たとえば、バッテリーは、対応するユーザーに適用できる充電モードが、どのデータであるかを記録することができる。充電モードデータは、電気自動車での充電、家庭用充電器での充電、バッテリーエナジーステーションでの充電、バッテリーエナジーステーションでのバッテリー交換など、バッテリーの供給が許可されているモード、または、それらのいずれか1つ、または、組み合わせを記録することができる。電力補充作業において、バッテリーの充電モードデータ、および、電力補充装置の装置識別データに基づいて、電力補充装置で、バッテリーが充電可能かどうか判断する。その後、工程S440において、リモートサーバーを用いて、対応するバッテリーの電力補充記録データ、および、対応する電気自動車の走行距離を得る。その後、工程S450において、電力補充記録データ、および、対応する電気自動車の走行距離に基づいて、電気自動車が、電力補充の異常状態にあるか否か判断する。いくつかの実施形態において、電気自動車が、電力補充の異常状態にあるとき、バッテリーの再充電状況を正確に記録または取得できないことを意味する可能性があることは注目に値する。いくつかの実施形態において、電気自動車が電力補充の異常状態にあるとき、バッテリーの充電作業中に、ユーザーが不正を行った可能性があることを示すことがある。たとえば、ユーザーが、クラッキングにより、電力補充記録データを修正する場合、電気自動車の実際の走行距離は、対応するバッテリーの電力補充記録データと一致しない可能性がある。
【0024】
図5は、充電作業期間中に、異常状態があるか否かを判断する方法のフローチャートである。
【0025】
まず、工程S510において、対応する電気自動車の走行距離に基づいて、リモートサーバーは、アンペア時消耗を計算する。注意すべきことは、上記のように、走行距離は、電気自動車の総走行距離、および/または、バッテリーの各充電作業間の駆動距離である。その後、工程S520において、電力補充情報が、アンペア時消耗の所定の許容範囲に収まるか否か判断する。電力補充情報が、アンペア時消耗の所定許容差範囲内にあるとき(工程S530で、はい)、工程は終了する。言い換えると、電気自動車は、電力補充の異常状態を有さない。電力補充情報が、アンペア時消耗の所定の許容範囲に収まらないとき(工程S530で、いいえ)、工程S540において、リモートサーバーは、電気自動車が、電力補充の異常状態にあると判断する。その後、工程S550において、リモートサーバーは、警告通知を生成する、あるいは、ネットワークを介して、警告通知を、対応するバッテリー識別データに結合されるユーザー装置に送信する。
【0026】
図6は、本発明の一実施形態による電力補充記録データの収集方法のフローチャートである。この実施形態において、バッテリー中の電力補充記録データは、電気自動車に送信され、その後、電気自動車により、リモートサーバーに送信される。
【0027】
まず、工程S610において、バッテリーは、電気自動車、たとえば、電気バイクに電気的に結合されて、電気エネルギーを電気自動車に提供する。工程S620において、対応するバッテリーの電力補充記録データは、電気自動車に送信される。上記のように、バッテリーの電力補充作業が実行されるとき、対応する電力補充作業の電力補充記録データは、バッテリーのストレージユニットに記録、および、保存される。その後、工程S630において、電気自動車は、ネットワークを介して、対応する電気自動車の電力補充記録データ、および、走行距離を、リモートサーバーに送信する。注意すべきことは、いくつかの実施形態において、電気自動車は、ネットワークを介して、直接、電力補充記録データをリモートサーバーに送信する、あるいは、ブルートゥースやWi-Fiネットワーク等のネットワークを介して、モバイル装置に接続されるとともに、モバイル装置により、電力補充記録データをリモートサーバーに送信することである。注意すべきことは、いくつかの実施形態において、対応するバッテリーのバッテリー識別データ、電力補充装置の装置識別データ、および/または、電力補充情報に加え、電力補充記録データはさらに、対応する電気自動車の車両識別コード、および、バッテリーに対応するユーザー識別データを有することである。
【0028】
図7は、本発明のもう一つの実施形態による電力補充記録データの収集方法のフローチャートである。
【0029】
まず、工程S710において、バッテリーの無線接続ユニットを用いて、ワイヤレスネットワークを介して、電力補充記録データを、リモートサーバーに送信する。工程S720において、電気自動車を用いて、ネットワークを介して、電気自動車の走行距離をリモートサーバーに送信する。注意すべきことは、電気自動車は、ネットワークを介して、直接、走行距離をリモートサーバーに送信する、あるいは、ネットワークを介して、モバイル装置に接続するとともに、モバイル装置により、走行距離をリモートサーバーに送信する。
【0030】
理解できることは、リモートサーバーが、電力補充記録データ、および、走行距離を受信した後、たとえば、電気自動車が、電力補充の異常状態にあるか否か判断する等、関連するアプリケーションを実行することができることである。
【0031】
よって、電気自動車のバッテリー充電データ管理方法、および、システムは、電気自動車のバッテリー充電状態が、異常であるか否か判断し、これにより、充電記録データ収集の精度を向上させるとともに、不正を回避することができる。
【0032】
バッテリー充電データ管理方法は、フロッピーディスク、CD-ROM、ハードドライブ、または、任意の他の機械可読記憶媒体などの有形媒体に具現化されたプログラムコード(すなわち、実行可能命令)の形態をとることができ、プログラムコードが、コンピュータなどの機械にロードされて実行されると、機械は、それによって方法を実行するための装置になる。また、本方法は、電気配線やケーブル配線、光ファイバーを介した送信など、何らかの送信媒体を介して送信されるプログラムコードの形態で具体化することもでき、プログラムコードを受信し、コンピュータなどの機械にロードして実行すると、その機械が開示された方法を実行する装置になる。汎用プロセッサに実装された場合、プログラムコードは、プロセッサと結合し、特定用途向け論理回路に類似して動作する独自の装置を提供する。
【0033】
本発明を例示として、好ましい実施形態の観点から説明したが、本発明はこれに限定されないことを理解されたい。この技術に熟練した者は、本発明の範囲、および、精神から逸脱することなく、なお様々な変更、および、修正を行うことができる。よって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲、および、それに相当するものによって定義され、保護されるものとする。
【符号の説明】
【0034】
100…電気自動車のバッテリー充電データ管理システム
110…バッテリー
120…電力補充裝置
130…リモートサーバー
140…電気自動車
150…モバイル装置
200、300…ネットワーク
S410、S420、S430、S440、S450…工程
S510、S520、S530、S540、S550…工程
S610、S620、S630…工程
S710、S720…工程。