(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013253
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】TDCを利用して量子暗号キー分配システムの時間ビンキュービットの状態を決定する方法及びこれを利用する量子暗号キー分配システム
(51)【国際特許分類】
H04L 9/12 20060101AFI20250117BHJP
H04B 10/70 20130101ALI20250117BHJP
【FI】
H04L9/12
H04B10/70
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024109978
(22)【出願日】2024-07-09
(31)【優先権主張番号】10-2023-0089585
(32)【優先日】2023-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0112832
(32)【優先日】2023-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522302367
【氏名又は名称】エスディーティー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】ユン チウォン
(72)【発明者】
【氏名】パク ビョンクォン
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AB11
5K102PC12
5K102PH02
5K102PH33
5K102PH49
5K102RB02
(57)【要約】
【課題】本発明は、時間ビンキュービットを含む量子信号を利用する量子暗号キー分配システムにおいて、時間ビンキュービットの状態を決定する新しい構造を時間ディジタル変換器(time to digital converter、TDC)を導入して提供しようとする。
【解決手段】量子暗号キー分配システムを公開する。このシステムの受信装置は、量子信号を示す時間ビン符号化パルスを含むデータ信号を出力する第1単一光子感知器、及び所定の基準タイミング信号及び前記データ信号を受信するTDCを含む。前記TDCは、前記基準タイミング信号に含まれた基準パルスの第1発生時点と、前記第1発生時点以後に発生した前記時間ビン符号化パルスの第2発生時点間の時間差に基づいて前記時間ビン符号化パルスが示す時間ビンキュービットの状態を決定するようになっている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信された量子信号の状態を伝送するためのデータライン(241)、
前記データラインに連結された第1単一光子感知器(221)、及び
所定の基準タイミング信号(Srt)及び前記第1単一光子感知器が出力するデータ信号(Sd)を受信するTDC(250)を含み、
前記TDCは、前記基準タイミング信号に含まれる基準パルスの発生時刻と前記データ信号に含まれる時間ビン符号化パルス間の発生時刻間の時間差を決定するようになっており、
前記時間差を利用して前記時間ビン符号化パルスが示す時間ビンキュービットの状態を決定するようになっている、量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項2】
削除
【請求項3】
前記時間差を利用して前記時間ビン符号化パルスが示す時間ビンキュービットの状態を決定するようになっている第2制御部(270)をさらに含む、請求項1に記載の量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項4】
前記基準タイミング信号は、前記量子暗号キー分配システムで生成するキュービットの発生周期と同じ周期を有するパルス列または前記キュービットの発生周期と同期化したパルス列信号である、請求項1に記載の量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項5】
前記TDCは、
前記基準パルスの第1発生時点と、前記第1発生時点以後に発生した前記時間ビン符号化パルスの第2発生時点間の時間差を幅として有する入力パルスが入力される第1ディレイライン部(20)、及び
前記第1ディレイライン部が出力するサーモメータコードを利用して前記発生時間差を決定する演算部(60)を含む、請求項1に記載の量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項6】
前記TDCは、前記サーモメータコードの要素の順序を変換して出力するコード変換部(30)をさらに含み、
前記演算部は、前記コード変換部が出力した変換コードを利用して前記発生時間差を決定するようになっており、
前記変換コードは所定の基準に従って前記サーモメータコードの要素の順序を整列したものであり、
前記所定の基準は、前記入力パルスの出力ノードから前記第1ディレイライン部に含まれる複数のフリップフロップ(FF)のそれぞれの出力ノードまでのデータパスディレイである、請求項5に記載の量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項7】
前記TDCは、FPGAによって具現されたものであり、前記FPGAは、前記第1ディレイライン部及び前記演算部を含むようにプログラムされている、請求項5に記載の量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項8】
前記TDCは、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びIC(Integrated Circuit)のうちのいずれか1つのデバイスによって具現されたものであり、前記いずれか1つのデバイスは前記時間差を利用して前記時間ビン符号化パルスが示す時間ビンキュービットの状態を決定するようになっている、請求項1に記載の量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項9】
前記TDCは、前記入力パルスが入力される第2ディレイライン部をさらに含み、
前記コード変換部は、前記第1ディレイライン部が出力するサーモメータコードの要素と前記第2ディレイライン部が出力するサーモメータコードの要素を所定の第2基準に従って整列して併合して前記変換コードを生成するようになっており、
前記所定の第2基準は、前記入力パルスの出力ノードから前記第1ディレイライン部及び前記第2ディレイライン部に含まれる複数のフリップフロップのそれぞれの出力ノードまでのデータパスディレイである、請求項6に記載の量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項10】
前記TDCは、前記量子暗号キー分配システムで生成するキュービットの発生周期より短い周期を有するクロック信号(clk)を利用するようになっており、
前記TDCは、
前記基準パルスの立ち上がりエッジ発生時点と前記時間ビン符号化パルスの立ち上がりエッジ発生時点間の時間差を幅として有する前記入力パルスを生成する入力信号生成部(10)、及び
前記入力パルスの維持期間の間に発生した前記クロック信号のクロックパルスの数をカウントするクロックパルスカウント部(40)をさらに含み、
前記演算部、前記発生したクロックパルスのうちの最初のクロックパルスの立ち上がりエッジ時点で前記コード変換部が出力した第1サーモメータコード(TC1)、前記発生したクロックパルスのうちの最後のクロックパルスの直後に発生したクロックパルスの立ち上がりエッジ時点で前記コード変換部が出力した第2サーモメータコード(TC2)、及び前記カウントされたクロックパルスの数を利用して前記発生時間差の値を決定するようになっている、請求項6に記載の量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項11】
前記量子信号を受信するビームスプリッタ(210)をさらに含み、
前記データライン(241)は、前記ビームスプリッタに連結されている、請求項1に記載の量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項12】
量子暗号キー分配システムに含まれたFPGAが、
第1単一光子感知器が出力するデータ信号(Sd)を受信する信号受信部、
所定の基準タイミング信号(Srt)に含まれる基準パルスの発生時刻と前記データ信号に含まれる時間ビン符号化パルス間の発生時刻間の時間差を決定するようになっている時間差決定部、及び
前記時間差を利用して前記時間ビン符号化パルスが示す時間ビンキュービットの状態を決定するようになっているキュービット状態決定部を含むデジタル回路を構成するように、前記FPGAをプログラムするようになっている構成データ(configuration data)を含む2進ファイル(binary file)が記録されている、電子装置で読み取り可能な不揮発性記録媒体。
【請求項13】
削除
【請求項14】
前記デジタル回路は、前記量子暗号キー分配システムで生成するキュービットの発生周期と同じ周期を有するパルス列を生成するパルス列生成部をさらに含み、
前記基準タイミング信号は前記パルス列である、請求項12に記載の電子装置で読み取り可能な不揮発性記録媒体。
【請求項15】
前記デジタル回路は、
前記基準パルスの第1発生時点と、前記第1発生時点以後に発生した前記時間ビン符号化パルスの第2発生時点間の時間差を幅として有する入力パルスが入力される第1ディレイライン部(20)、及び
前記第1ディレイライン部が出力するサーモメータコードを利用して前記発生時間差を決定する演算部(60)をさらに含む、請求項12に記載の電子装置で読み取り可能な不揮発性記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量子暗号キー分配技術に関する。より詳細には、時間ビン(time-bin)符号化方法を利用する量子暗号キー分配プロトコルを利用するシステムにおいて、TDC(Time to Digital Converter)を利用して時間ビンキュービットを測定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
量子暗号キー分配技術は、通信盗聴(傍受、monitoring)の危険性を解決するための技術として研究されている。量子暗号キー分配技術は、光子の量子力学的性質を利用して遠隔地の使用者間で暗号キーを分配し共有する技術である。使用者間で分配されている暗号キー情報を取得するために攻撃者(または盗聴者)が量子暗号キー分配過程に介入する場合、光子の量子力学的性質によって暗号キー情報が変質し得るということを利用して、前記攻撃者の存在が感知されることができる。
【0003】
BB84、B92及びT12プロトコルなどのすべての量子暗号キー分配システムで量子状態を時間ビン形式に符号化することができる。時間ビン符号化方法を利用する量子キー分配プロトコルのうちのコヒーレント一方向(Coherent One Way、COW)量子暗号キー分配プロトコルは、従来技術による代表的な量子暗号キー分配プロトコルである。このとき、暗号キーの送信者(Alice)が一定の位相差を有する2つのパルスレーザを発生させ、前記2つのパルスは1つの情報単位として受信者(Bob)に伝送される。このとき、前記2つのパルスのうちの時間的に先行するパルスのみ生成された状態はビット情報「0」を示し、これとは異なり、後行するパルスのみ生成された状態はビット情報「1」を示す。そして、前記2つのパルスが両方とも生成された状態は囮状態を示し、前記囮状態は量子暗号キー分配システムを攻撃する攻撃者(盗聴者)(Eve)の存在を感知するために使用される。受信者(Bob)は、受信した状態を感知するためのデータラインと攻撃者の存在を感知するためのモニタリングラインを有することができる。受信者が受信する1つのパルスの一部は前記データラインに伝達されて暗号キーを生成するために使用され、他の一部は前記モニタリングラインに伝達されて攻撃者の存在を感知するために使用される。このとき、モニタリングラインは送信者(Alice)がコヒーレントレーザパルスを生成するために使用される位相間隔(ρ)だけを遅延させる遅延干渉計及び信号の補強干渉及び相殺干渉を検出するための2つの光子検出器を含むことができる。攻撃者の攻撃がないと補強干渉が検出され、攻撃があると相殺干渉が検出されることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、時間ビンキュービットを含む量子信号を利用する量子暗号キー分配システムにおいて、時間ビンキュービットの状態を決定する新しい構造を時間ディジタル変換器(time to digital converter、TDC)を導入して提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一観点により、量子暗号キー分配システムの受信装置が提供されることができる。前記受信装置は、受信された量子信号の状態を伝送するためのデータライン241、前記データラインに連結された第1単一光子感知器221、及び所定の基準タイミング信号(Srt)及び前記第1単一光子感知器が出力するデータ信号(Sd)を受信するTDC250を含む。そして、前記TDCは、前記基準タイミング信号に含まれる基準パルスの発生時刻と前記データ信号に含まれる時間ビン符号化パルス間の発生時刻間の時間差を決定するようになっている。
【0006】
このとき、前記受信装置は、前記時間差を利用して前記時間ビン符号化パルスが示す時間ビンキュービットの状態を決定するようになっていることができる。
【0007】
このとき、前記受信装置は、前記時間差を利用して前記時間ビン符号化パルスが示す時間ビンキュービットの状態を決定するようになっている第2制御部270をさらに含むことができる。
【0008】
このとき、前記基準タイミング信号は、前記量子暗号キー分配システムで生成するキュービットの発生周期と同じ周期を有するパルス列または前記キュービットの発生周期と同期化したパルス列信号であり得る。
【0009】
このとき、前記TDCは、前記基準パルスの第1発生時点と、前記第1発生時点以後に発生した前記時間ビン符号化パルスの第2発生時点間の時間差を幅として有する入力パルスが入力される第1ディレイライン部20、及び前記第1ディレイライン部が出力するサーモメータコードを利用して前記発生時間差を決定する演算部60を含むことができる。
【0010】
このとき、前記TDCは、前記サーモメータコードの要素の順序を変換して出力するコード変換部30をさらに含むことができる。そして、前記演算部は、前記コード変換部が出力した変換コードを利用して前記発生時間差を決定するようになっており、前記変換コードは所定の基準に従って前記サーモメータコードの要素の順序を整列したものであり、前記所定の基準は、前記入力パルスの出力ノードから前記第1ディレイライン部に含まれる複数のフリップフロップ(FF)のそれぞれの出力ノードまでのデータパスディレイであり得る。
【0011】
このとき、前記TDCは、FPGAによって具現されたものであり、前記FPGAは、前記第1ディレイライン部及び前記演算部を含むようにプログラムされていることができる。
【0012】
このとき、前記TDCは、FPGAによって具現されたものであり、前記FPGAは、前記時間差を利用して前記時間ビン符号化パルスが示す時間ビンキュービットの状態を決定するようにプログラムされていることができる。
【0013】
このとき、前記TDCは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びIC(Integrated Circuit)のうちのいずれか1つのデバイスによって具現されたものであり、前記いずれか1つのデバイスは前記時間差を利用して前記時間ビン符号化パルスが示す時間ビンキュービットの状態を決定するようになっていることができる。
【0014】
このとき、前記TDCは、前記入力パルスが入力される第2ディレイライン部をさらに含むことができる。そして、前記コード変換部は、前記第1ディレイライン部が出力するサーモメータコードの要素と前記第2ディレイライン部が出力するサーモメータコードの要素を所定の第2基準に従って整列して併合して前記変換コードを生成するようになっていることができる。そして、前記所定の第2基準は、前記入力パルスの出力ノードから前記第1ディレイライン部及び前記第2ディレイライン部に含まれる複数のフリップフロップのそれぞれの出力ノードまでのデータパスディレイであり得る。
【0015】
このとき、前記TDCは、前記量子暗号キー分配システムで生成するキュービットの発生周期より短い周期を有するクロック信号(clk)を利用するようになっていることができる。そして、前記TDCは、前記基準パルスの立ち上がりエッジ発生時点と前記時間ビン符号化パルスの立ち上がりエッジ発生時点間の時間差を幅として有する前記入力パルスを生成する入力信号生成部10、前記入力パルスの維持期間の間に発生した前記クロック信号のクロックパルスの数をカウントするクロックパルスカウント部40、及び前記発生したクロックパルスのうちの最初のクロックパルスの立ち上がりエッジ時点で前記コード変換部が出力した第1サーモメータコード(TC1)、前記発生したクロックパルスのうちの最後のクロックパルスの直後に発生したクロックパルスの立ち上がりエッジ時点で前記コード変換部が出力した第2サーモメータコード(TC2)、及び前記カウントされたクロックパルスの数を利用して前記発生時間差の値を決定する前記演算部をさらに含むことができる。
【0016】
このとき、前記受信装置は、前記量子信号を受信するビームスプリッタ210をさらに含むことができる。そして、前記データライン241は、前記ビームスプリッタに連結されていることができる。
【0017】
本発明の他の観点により、時間ビンキュービットを含む量子信号を生成して送信する送信装置、及び前記量子信号を受信して前記量子信号の状態を決定する受信装置を含む量子暗号キー分配システムが提供されることができる。このとき、前記受信装置は、前記量子信号が入力されて前記量子信号を示す時間ビン符号化パルスを含むデータ信号(Sd)を出力する第1単一光子感知器221、及び所定の基準タイミング信号(Srt)及び前記データ信号(Sd)を受信するTDC250を含む。そして、前記TDCは、前記基準タイミング信号に含まれた基準パルスの第1発生時点と、前記第1発生時点以後に発生した前記時間ビン符号化パルスの第2発生時点間の時間差を決定するようになっている。
【0018】
このとき、前記TDCは、前記時間差を幅として有する入力パルスが入力される第1ディレイライン部20、前記第1ディレイライン部が出力するサーモメータコードの要素の順序を変換して出力するコード変換部30、及び前記コード変換部が出力した変換コードを利用して前記発生時間差を決定する演算部60を含むことができる。
【0019】
このとき、前記変換コードは、所定の基準に従って前記サーモメータコードの要素の順序を整列したものであり、前記所定の基準は、前記入力パルスの出力ノードから前記第1ディレイライン部に含まれる複数のフリップフロップ(FF)のそれぞれの出力ノードまでのデータパスディレイであり得る。
【0020】
本発明の一態様により提供される時間ビンキュービット測定方法は、受信者200のビームスプリッタ210に連結されており、受信された状態を感知するためのデータライン241に連結された第1単一光子感知器221が出力するデータ信号(Sd)の入力を受けるTDC250を利用してなされることができる。
【0021】
TDC(時間ディジタル変換器、Time to Digital Converter)は、2つのイベント間の時間間隔をデジタル出力に変換する装置または回路である。TDCは、回路内の二地点で信号到着または信号発信及び反射を例にあげることができる2つのイベント間の時間差を測定することによって作動する。一般的にカウンターを使用して2つのイベント間のクロック周期数を数える。次に、カウントを時間間隔を示すデジタル出力に変換する。リーディングエッジTDC、トレーリングエッジTDC、及び補間TDCのような様々な類型のTDCがある。リーディングエッジTDCは、開始信号のリーディングエッジ(立ち上がりエッジ)と中止信号(終了信号)のリーディングエッジとの間の時間を測定し、トレーリングエッジTDCは、開始信号のトレーリングエッジ(立ち下がりエッジ)と中止信号のトレーリングエッジとの間の時間を測定する。インターポレイション(interpolation)TDCは、補間技術を使用して2つのクロック周期間の時間間隔を推定してTDCの分解能を増加させる。
【0022】
TDCは、ASICs(Application-Specific Integrated Circuits)、MCUs(Microcontrollers)、PSoC (Programmable System-on-Chip)、DSPs(Digital Signal Processors)、FPAAs(Field Programmable Analog Arrays)、TACs(Time-to-Amplitude Converters)、TFCs(Time-to-Frequency Converters)、及びFPGA(Field Programmable Gate Array)などを利用して具現されることができる。
【0023】
TDCを、FPGAを使用して具現するとき、次のような問題があり得る。第1に、FPGAに提供されるロジックセル、ルックアップテーブル(LUT)及びルーティングチャネルを含む資源は制限的であるため、これによってFPGAで具現されたTDCの分解能及び正確度が制限され得る。第2に、高いクロック周波数では、ジッタがTDC測定に誤差を導入し得る。ここで、ジッタとは、ノイズ、温度などの要因によってクロック信号のタイミングで発生する変動を意味する。第3に、電圧低下、温度変化及び製造工程の差などの要因によって、TDCは非線形的な動作を示すことがあり得、その結果、高分解能ではTDC測定に誤差が導入され得る。第4に、FPGAは信号処理及びルーティングによって遅延が発生するが、この遅延は小さな時間間隔の場合、TDC測定に誤差を導入し得る。
【0024】
FPGAにおけるルーティングは、所望の論理回路を形成するためにプログラミング可能な論理要素(例えば、ルックアップテーブル、フリップフロップ及びマルチプレクサ)をチップに連結するプロセスを意味する。ルーティングは、信号がチップを介して伝播する方式を決定し、設計の全体的な性能に大きな影響を及ぼし得る。FPGAルーティングで遅延を起こし得る主な要因のうちの1つは、論理要素を連結する相互連結ワイヤの静電容量である。論理要素の数とその間の距離が増加するに伴い、相互連結ワイヤの静電容量も増加する。このキャパシタンスは、電線を介する信号電波を遅延させ、設計遅延を全般的に増加させ得る。FPGAルーティングで遅延を誘発し得るまた他の要因はルーティング混雑である。FPGAのルーティングリソースが制限されて、連結しなければならない論理要素の数が多いと、ルーティング混雑が発生する。ルーティング混雑は、ロジック要素の間の距離を増加させてインターコネクトワイヤのキャパシタンスを増加させるので、遅延を誘発し得る。
【0025】
タップ付きディレイライン(tapped delay line)は、サーモメータコード(thermometer code)を具現するために使用されるデジタル信号処理技術である。サーモメータコードでは、2進数の各ビットが別途の信号ラインに表示され、「on」のビットに該当するラインは、2進数の値が示すことを示す。タップ付きディレイラインを使用してサーモメータコードを具現するために、各ビットを示す一連のディレイ要素が使用される。入力2進数は、一連のパルスに変換され、各パルスは2進数の1ビットを示す。このようなパルスは、それぞれのビット位置に応じて異なる量だけ遅延された後、タップ付きディレイラインに供給される。タップ付きディレイラインの出力で各出力信号ラインは、2進数のビットを示し、「on」のラインは、2進数の値を示す。この技術は、デジタル-アナログ変換器(DAC)でデジタル信号をアナログ信号に変換するために一般的に使用される。
【0026】
FPGAでキャリーチェーンブロック(carry chain block)は、高速算術演算、特に加算と減算を行うために使用されるハードウェアブロックである。デジタル回路で多重ビット数の数字の加算と減算は、キャリービットの計算が必要であり、高速作業でボトルネック現象が発生し得る。キャリーチェーンブロックはこのようなキャリービットの計算を効率的に処理し、より高速で効率的な算術演算が可能にする。キャリーチェーンブロックは、一般的にキャリーチェーンを形成するために特定の方式で相互連結された全体加算器回路の連続で構成される。各全体加算器回路は、出力の1つのビットとチェーンの次の段階に伝達されるキャリービットを計算する。このような全体加算器回路をチェーンに連結することによって、キャリービットが1つのクロックサイクルの間チェーンを介して伝播し、多重ビット数の数字の高速加算と減算が可能となる。キャリーチェーンブロックは、高速算術演算を提供することに加えて、キャリービットの計算が必要なカウンター及びディレイ遅延回路を具現するためにも使用することができる。
【0027】
タイミング報告書ツール(timing report tool)は、FPGAに具現されたデザインのタイミング性能を分析するために使用されるソフトウェアツールである。このツールは、デザインのタイミング特性に対する情報を提供する報告書を生成する。この報告書にはデータパスディレイ(data path delay)、クリティカルパス、設定時間及び保有時間、クロックスキュー及び最大動作周波数をはじめとするデザインのタイミング特性に対する情報が含まれる。前記データパスディレイは、データ信号がFPGAの論理要素を介して伝播するのにかかる時間である。
【0028】
マルチプレクサ(Multiplexer)、略して「MUX」は複数の入力信号のうちの1つを選択して選択された入力を出力ラインにで伝達する電子回路である。マルチプレクサの入力-出力構造は、一般的に複数の入力ライン、選択ライン及び1つまたは複数の出力ラインで構成される。入力ラインの数はマルチプレクサが選択できる入力信号の数と一致し、選択ラインは選択された入力信号を決定する。例えば、4対1マルチプレクサは4つの入力ラインと1つの出力ライン、そして4つの入力信号のうちのどれを出力として伝送するかを決定する選択ラインがある。選択ラインは、選択された入力ラインを示す2進コードで制御されることができる。マルチプレクサは、デジタルシステムにおいて、データ及び制御信号を伝送するのに必要な電線の数を減らすためによく使用される。データセレクタ、メモリアドレスデコーダ及びバス割り当て回路のような機能を具現するために使用されることができる。
【0029】
本発明のまた他の観点により、FPGAをプログラムするようになっている構成データ(configuration data)を含む2進ファイル(binary file)が記録されている、電子装置で読み取り可能な不揮発性記録媒体が提供されることができる。このとき、前記FPGAは量子暗号キー分配システムに含まれたFPGAである。前記構成データは、前記FPGAが第1単一光子感知器が出力するデータ信号(Sd)を受信する信号受信部、及び所定の基準タイミング信号(Srt)に含まれる基準パルスの発生時刻と前記データ信号に含まれる時間ビン符号化パルス間の発生時刻間の時間差を決定するようになっている時間差決定部を含むデジタル回路を構成するように、前記FPGAをプログラムするようになっている。
【0030】
このとき、前記デジタル回路は、前記時間差を利用して前記時間ビン符号化パルスが示す時間ビンキュービットの状態を決定するようになっているキュービット状態決定部をさらに含むことができる。
【0031】
このとき、前記デジタル回路は、前記量子暗号キー分配システムで生成するキュービットの発生周期と同じ周期を有するパルス列を生成するパルス列生成部をさらに含むことができる。このとき、前記基準タイミング信号は前記パルス列である。
【0032】
このとき、前記デジタル回路は、前記基準パルスの第1発生時点と、前記第1発生時点以後に発生した前記時間ビン符号化パルスの第2発生時点間の時間差を幅として有する入力パルスが入力される第1ディレイライン部20、及び前記第1ディレイライン部が出力するサーモメータコードを利用して前記発生時間差を決定する演算部60をさらに含むことができる。
【0033】
このとき、前記デジタル回路は、前記サーモメータコードの要素の順序を変換して出力するコード変換部30をさらに含むことができる。そして、前記演算部は、前記コード変換部が出力した変換コードを利用して前記発生時間差を決定するようになっており、前記変換コードは所定の基準に従って前記サーモメータコードの要素の順序を整列したものであり、そして、前記所定の基準は、前記入力パルスの出力ノードから前記第1ディレイライン部に含まれる複数のフリップフロップ(FF)のそれぞれの出力ノードまでのデータパスディレイであり得る。
【0034】
このとき、前記デジタル回路は、前記入力パルスが入力される第2ディレイライン部をさらに含むことができる。前記コード変換部は、前記第1ディレイライン部が出力するサーモメータコードの要素と前記第2ディレイライン部が出力するサーモメータコードの要素を所定の第2基準に従って整列して併合して前記変換コードを生成するようになっていることができる。そして、前記所定の第2基準は、前記入力パルスの出力ノードから前記第1ディレイライン部及び前記第2ディレイライン部に含まれる複数のフリップフロップのそれぞれの出力ノードまでのデータパスディレイであり得る。
【0035】
このとき、前記デジタル回路は、前記量子暗号キー分配システムで生成するキュービットの発生周期より短い周期を有するクロック信号(clk)を利用するようになっていることができる。そして、前記デジタル回路は、前記基準パルスの立ち上がりエッジ発生時点と前記時間ビン符号化パルスの立ち上がりエッジ発生時点間の時間差を幅として有する前記入力パルスを生成する入力信号生成部、前記入力パルスの維持期間中に発生した、前記クロック信号のクロックパルスの数をカウントするクロックパルスカウント部、及び前記発生したクロックパルスのうちの最初のクロックパルスの立ち上がりエッジ時点に前記コード変換部が出力した第1サーモメータコード、前記発生したクロックパルスのうちの最後のクロックパルスの直後に発生したクロックパルスの立ち上がりエッジ時点に前記コード変換部が出力した第2サーモメータコード、及び前記カウントされたクロックパルスの数を利用して前記発生時間差の値を決定する前記演算部をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、時間ビンキュービットを含む量子信号を利用する量子暗号キー分配システムにおいて、時間ビンキュービットの状態を決定する新しい構造を時間ディジタル変換器(TDC)を導入して提供することができる。
【0037】
本発明により提供された構造を有するTDCは、10Ghzより低い動作速度である数百Mhzで動作するFPGAによっても具現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の一実施例によって提供される量子暗号キー分配システムで利用する3つの量子状態を示す図である。
【
図2】本発明の一実施例によって提供される量子暗号キー分配システムの構成を示す図である。
【
図3】本発明の一実施例によって提供されるTDCを含む量子暗号キー分配システムの受信装置の構成を示す図である。
【
図4】本発明の一実施例によって提供されるTDCに提供されるデータ信号及び基準タイミング信号の例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施例によるTDCの構成図を示す図である。
【
図6】本発明の一実施例によって第1ディレイライン部に入力される入力パルスを説明するための図である。
【
図7】本発明の一実施例にとる第1ディレイライン部の構成を示す図である。
【
図8】
図7のバッファのインデックスを説明するための図である。
【
図9】データパスディレイを説明するための表を示す図である。
【
図10a】本発明の一実施例によって複数のディレイライン部を並列構成した図である。
【
図10b】本発明の一実施例によって複数のディレイライン部を並列構成した図である。
【
図11a】
図10bの第1ディレイライン部と第2ディレイライン部の構成を示した図である。
【
図11b】本発明の一実施例によって2つのディレイライン部が利用される場合のコード変換部の動作を説明する図である。
【
図12】本発明の一実施例によってコード変換部の適用有無によるディレイのグラフを示す図である。
【
図13】本発明の一実施例によってコード変換部の適用有無によるフリップフロップ出力値の配列基準と
図12のタップ数の増加値について説明するための図である。
【
図14】本発明の一実施例によって提供されるFPGAを含むPCBボードの主要機能部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施例を添付した図面を参考して説明する。しかし、本発明は本明細書で説明する実施例に限定されず、様々な他の形態に具現されることができる。本明細書で使用されている用語は実施例の理解を助けるためのものであって、本発明の範囲を限定しようと意図されたものではない。また、以下で使用される単数の形態は語句がこれと明白に反対の意味を示さない限り、複数の形態も含む。
【0040】
本発明の一実施例によって提供される量子暗号キー分配システム1000で使用するプロトコルは、時間ビン符号化方法に基づいたものである。
【0041】
1つのキュービットの一般的な形式は、数式1の通りである。
【数1】
【0042】
時間ビンキュービットは、初期(E)及び後期(L)に表示された2つのタイムモードから構成される。時間ビンキュービットは、|ψ0>=|α>E|0>L及び|ψ1>=|0>E|α>Lのような弱いコヒーレント状態αに近似化される。多くのQKD具現は、|ψ>=(|ψ0>+eiΦ|ψ1>)/root(2)(ただし、Φ∈{0、π/2、π、3π/2})のような形式の4つのBB84状態を使用する。
【0043】
図1は本発明の一実施例によって提供される量子暗号キー分配システムで利用する3つの量子状態を示したものである。
【0044】
本発明の一実施例では、
図1に示される符号化を有する3つの量子状態のみを使用する。
【0045】
ローキー(raw key)を生成するために使用されるZ基底(Z basis)で送信者(Alice)はビット0または1を状態|ψ0>または|ψ1>に符号化する。
【0046】
X基底(X basis)は、盗聴者の情報を推定するために使用されることができる。この基底で、送信者(Alice)は|ψ+>=(|ψ0>+|ψ1>)/root(2)を送る。
【0047】
Z基底とX基底を選択する可能性は、それぞれpZ
A、pX
Aである。
【0048】
弱いコヒーレントパルスを使用するので、囮状態方法を使用することによって光子数分割攻撃(photon number splitting attack)を予防することができる。
【0049】
それぞれ信号及び囮と称する2つの互いに異なる平均光子数μ1及びμ2のみを使用して具現することができる。各キュービットの平均光子数μ=|α|2は、該当確率p1及びp2でμ1及びμ2中から無作為に選択される。
【0050】
受信者(Bob)は、それぞれ確率pZ
B、pX
Bを使用してZ基底またはX基底でキュービットを測定する。Z基底の測定は、受信者がビット値を復旧することができるようにする光子の到着時間の直接測定である。X基底で、2つの連続パルスの間のコヒーレンスは、不均衡干渉計(unbalanced interferometer)によって測定される。
【0051】
図2は、本発明の一実施例によって提供される量子暗号キー分配システム1000の構成を示したものである。
【0052】
送信者(Alice)100は、パルスを送信する送信装置であって、レーザ110、フィルター120、ピエゾ電子光ファイバストレッチャ(Piezoelectric fiber stretcher)133、送信側第1ファラデーミラー131、送信側第2ファラデーミラー132、強度変調器(IM;Intensity Modulator)140、RF増幅器141、DAC(Digital Analog Convertor)142、第1制御部170、分散補償光ファイバ(DCF;Dispersion Compensating Fiber)150、及び可変減衰器(VA;Variable Attenuator)160を含むことができる。
【0053】
例えば、レーザ110は、1550nmの高速利得-スイッチド分配フィードバックレーザ(fast gain-switched distributed feedback laser)であり得、フィルター120は270pmバンドパスフィルターであり得、第1制御部170は10Ghzで動作するFPGAであり得るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0054】
本発明の一実施例に使用される受信者(Bob)200は、パルスを受信する受信装置であって、ビームスプリッタ(BS;BeamSplitter)210、ビームスプリッタ210に連結されて受信された状態を感知するためのデータライン241、ビームスプリッタ210に連結されて攻撃者の存在を感知するためのモニタリングライン242、データライン241に連結された第1単一光子感知器(SPD;Single-Photon Detector)221、モニタリングライン242に連結された第2単一光子感知器222、受信側第1ファラデーミラー231、受信側第2ファラデーミラー232、及びTDC(Time to Digital Converter)250、及び第2制御部270を含むことができる。
【0055】
第1単一光子感知器221と第2単一光子感知器222は、個別光子を感知する装置であって、単一光子検出器と称することもできる。前記単一光子感知器は、高感度で個別光子を感知することができるように設計され、雑音や背景光に簡単に反応することなく、単一光子の存在の有無を確実に区別できるようになっている。QKDでは、様々な種類の単一光子感知器が使用されることができる。単一光子感知器は、高電子光ダイオード(Avalanche Photodiodes、APDs)、超伝導ナノワイヤ検出器(Superconducting Nanowire Detectors、SNSPDs)、または単一光子アバランシェダイオード(Single Photon Avalanche Diodes、SPADs)などであり得、これと異なる種類のデバイスでもあり得る。このような単一光子感知器は、それぞれ異なる原理に基づいており、1つの光子を感知できる共通の特性を有する。
【0056】
第2制御部270は、例えば10Ghzの高速クロックで動作するFPGAであり得るが、本発明がこれに限定されるものではない。第2制御部270は、例えば10Ghzよりも低いクロックで動作するFPGAであり得る。
【0057】
本発明の一実施例で使用される送信者100で生成されたパルスは、量子チャネル300を介して受信者200に伝達されることができる。量子チャネル300は、例えば単一モード光ファイバ(SMF;Single-Mode Fiber)で構成されることができる。
【0058】
送信者(Alice)と受信者(Bob)の装置は、それぞれ例えばfX Ghzサンプリング速度のFPGA(Field Programmable Gate Array)によって制御されることができる。これらは、fX Ghz SFP(Small Form-factor Pluggable)トランシーバー基盤の光サービスチャネルを介して同期化されることができる。量子チャネルは、減衰が約0.2dB/kmの単一モード光ファイバ(SMF)のスプールから構成されることができる。ここで、前記fXは、例えば10であるかそれより小さい数であり得る。
【0059】
送信者(Alice)側では、レーザ110を使用して任意の位相を有するパルスを例えば2.5Ghz速度で生成する。狭帯域フィルター(270pm)は、光パルスのスペクトルを制限して光ファイバリンクの色分散効果を制限する。また、このようなパルスは、チャープされるので、フィルタリングは持続時間を約30psに短縮する。次に、パルスはアーム長さ(arm length)の差が200psの不均衡マイケルソン干渉計(Michelson interferometer)を通過する。その効果は、各パルスを互いにコヒーレント状態を有する2つのパルスに分割するものである。一方のアームで光ファイバは、干渉計位相を調整するために使用される圧電シリンダーを包むことができる。
【0060】
図2に示す3つの状態を符号化するために、ただ1つの強度変調器(IM)140で具現することができる。
【0061】
符号化するキュービット状態及びパルス振幅は、第1制御部170によって無作為に選択されることができる。このために、第1制御部170は、擬似乱数生成器を使用することができる。第1制御部170からの高速出力は、適切な振幅を有する無線周波数(RF)パルスを生成する3ビットプログラミング可能なDAC(デジタル-アナログ変換器)142に連結される。DAC142の出力は、RF増幅器141によって追加で増幅される。このようなパルスは、干渉計を出るパルスの強度を調節するニオブ酸リチウム(LiNbO3)IM[IXblue]を駆動する。DACを使用すると、独立的に調整可能な4つのレベルのみを生成することができる。これら4つのレベルは、最終減衰後の平均光子数μ1、μ2=μ1/2、μ2/2及び0に該当する。したがってμ2=μ1/2に制約される。この比率はほぼすべての距離で最適値に近い。
【0062】
DCF(Dispersion Compensating Fiber)150は、量子チャネルの色分散を事前補償する。このDCF150がないと、50km以後の受信者(Bob)側で2つの連続パルスの間の重畳が量子ビット誤り率(QBER)を劇的に増加させる。DCF150は、送信者(Alice)が一部であるため、DCF150によって量子チャネルの減衰が追加されない。
【0063】
最後に送信者(Alice)の出力に配置された可変減衰期160は、出るパルスの所望の平均光子数を設定するために信号を減衰させる。
【0064】
受信者(Bob)200側では、Z基底とX基底との間の分割比率がrZ:rXであるビームスプリッタ210を介して受動的に測定基底を選択する(rZ+rX=100)。前記分割比率は、各伝送距離に応じて最適化することができる。Z基底において、状態は光子の到着時間を測定する第1単一光子感知器221に直接伝送される。測定結果は、|ψ0>または|ψ1>である。X基底においては、送信者(Alice)側と同じ遅延を有する不均衡マイケルソン干渉計がある。この2番目の干渉計以後に、中央干渉(central interfering)と2つの側面ピーク(side peaks)の3つのパルスが観測される。干渉計遅延は、クロック周期の正確に半分であるため、隣接するキュービットの側面ピークが出力ポートで重なる。中央干渉時間ビンでの検出が状態|ψ->=(|ψ0>-|ψ1>)/root(2)に該当するように、送信者(Alice)と受信者(Bob)の干渉計との間の位相差を固定することができる。|ψ+>=(|ψ0>+|ψ1>)/root(2)状態に投影された光子は、2番目のポート、すなわち入力ポートを介して干渉計を出る。このようなイベントを感知しない。位相差は、X基底のQBERを誤り信号として取るフィードバックループに一定に維持される。また、量子チャネルの長さ変動を補償するために、自動フィードバックループが検出器とFPGAとの間に配置された電気的遅延を持続的に調整する。FPGAによるサンプリングが例えば10Ghzで行われるため、|ψ0>及び|ψ1>に該当する検出ビン(detection bins)は、この時間追跡に使用できる「空き」時間ビン(empty time bin)として分離する。
【0065】
図3は、本発明の一実施例によって提供されるTDCを含む量子暗号キー分配システムの受信者(Bob)200の構成を示したものである。
【0066】
受信者(Bob)200は、TDC250をさらに含むことができる。
【0067】
TDC250は、Z基底状態を測定するために利用される。
【0068】
TDC250は、受信者200のビームスプリッタ210に連結されており、受信された状態を感知するためのデータライン241に連結された第1単一光子感知器221が出力するデータ信号(Sd)が入力される。
【0069】
第1単一光子感知器221が出力するデータ信号(Sd)は、0または1の値を有するバイナリ信号であり得る。前記データ信号(Sd)の時間に応じる波形は、パルスが発生するパルス列の形態を有することができる。例えば、第1単一光子感知器221は、自身に単一光子が入力されてこれを検出した場合に、所定デュレーションを有するパルスを出力するデバイスであり得る。
【0070】
また、TDC250は、クロック信号(clk)が入力されることができる。前記クロック信号は、前記TDC250がカウントするクロックパルスの列であり得る。前記クロック信号(clk)は、
図6に示したTDCに使用されるクロックパルスであり得る。
【0071】
また、TDC250は、所定の基準タイミング信号(Srt)が入力される。基準タイミング信号(Srt)は、第2制御部270が提供するものであり得る。
【0072】
送信者100と受信者200は、一連のキュービットの伝送周期に対する情報を共有することができる。また、受信者200は、送信者100が一連のキュービットの送信を開始する時点または時区間に関する情報を取得することができ、したがって受信者200は伝送されるキュービットの受信のために準備することができる。そして、受信者200は、単一光子が受信者200に到達する時点と受信者200が単一光子を検出する検出時点を同期化することができる。前述した技術のため具体的な構成は、この技術分野で既によく知られているものである。
【0073】
一実施例において、前記単一光子感知器は、前記単一光子感知器に入力されるイネーブル信号が特定のロジック状態(例えばロジカルハイ)のときにのみ動作するようになっていることができる。そして、前記イネーブル信号として前記基準タイミング信号(Srt)が提供されることができる。前記基準タイミング信号(Srt)に含まれた一連のパルスの発生周期は、送信者100が発生させたキュービットの発生周期と一致することができる。
【0074】
また、TDC250は、データ信号(Sd)に含まれるパルスの発生時点を示す値を含む信号であるデータタイミング信号を生成して第2制御部270に提供することができる。このとき、前記データタイミング信号は、TDC250はデータ信号(Sd)に含まれるパルスの発生時点がこれに対応する前記基準タイミング信号(Srt)内の特定のパルスの発生時点との差値を示す値であり得る。
【0075】
図4は、本発明の一実施例によって提供されるTDCに提供されるデータ信号及び基準タイミング信号の例を示す。
【0076】
基準タイミング信号(Srt)は、所定の周期を有するパルス列であり得る。前記パルス列のパルス周期(Tq)は、送信者(Alice)100が送信する単位情報の送信周期と同一であり得る。すなわち、前記パルス周期(Tq)は送信者100が送信するキュービットの送信周期と同一であり得る。
【0077】
前記基準タイミング信号(Srt)のそれぞれのパルス、すなわちそれぞれの基準パルス(Pr1、Pr2、Pr3、...)は、後述する開始信号(S1)とみなされる。
【0078】
図4に提示したデータ信号(Sd)は、第1タイムビンキュービット(第1キュービット情報)(QI1)及び第2タイムビンキュービット(第2キュービット情報)(QI2)を含むものとして例示した。
【0079】
データ信号(Sd)に含まれるそれぞれのパルス、すなわちそれぞれの時間ビン符号化パルス(Pt1、Pt2、...)は、後述する終了信号(S2)とみなされる。
【0080】
図4の例において、第1タイムビンキュービット(QI1)は、初期時間ビン(E)と後期時間ビン(L)のうちの初期時間ビン(E)にのみ時間ビン符号化パルスが存在する状態(ψ
0>=|α>
E|0>
L)を示し、第2タイムビンキュービット(QI2)は、初期時間ビン(E)と後期時間ビン(L)のうちの後期時間ビン(L)にのみ時間ビン符号化パルスが存在する状態(|ψ
1>=|0>
E|α>
L)を示す。
【0081】
TDC250は、基準タイミング信号(Srt)の基準パルス(S1)の立ち上がりエッジと、前記基準パルスの直後に発生するデータ信号の時間ビン符号化パルス(S2)の立ち上がりエッジの間の発生時間差(T)を測定する。このような測定は、基準タイミング信号(Srt)のすべての基準パルスに対して反復的に行われることができる。
【0082】
1つの基準パルス(S1)の幅と、1つの時間ビン符号化パルス(S2)の幅が互いに同一ならば、TDC250は基準パルス(S1)の立ち下がりエッジと、時間ビン符号化パルス(S2)の立ち下がりエッジ間の発生時間差を測定するように変形されることもできる。
【0083】
前記発生時間差(T)は、実質的にT1またはT2であり得るが、T1の場合に測定された時間ビンキュービットはビット「0」を示す状態(|ψ0>)であり、T2の場合に測定された時間ビンキュービットはビット「1」を示す状態(|ψ1>)であり得る。
【0084】
受信者200で使用する基準タイミング信号(Srt)のパルス発生時点が、単一光子感知器に入力される光子の到達時点と正確に同期化されたら、前記T1=0であり得る。
【0085】
図4においてT1<T2である。しかし、基準タイミング信号(Srt)とデータ信号(Sd)との間の相対的な位相の具体的な値によっては、T1>T2でもあり得る。基準タイミング信号(Srt)とデータ信号(Sd)との間の相対的な位相は量子暗号キー分配システム1000によって制御されることができる。
【0086】
前述した発生時間差(T)は、
図3で説明したデータタイミング信号に含まれて第2制御部270に提供されることができる。
【0087】
以下、本発明の一実施例によって提供されるTDC250の動作原理を詳細に説明する。前記TDC250は、FPGA1で具現されることができる。
【0088】
図5は、本発明の一実施例によるTDCを具現するFPGAの構成図を示したものである。
【0089】
図3に示した第2制御部270がFPGAの場合に、前記TDC250を具現するFPGA1は前記第2制御部270であり得る。
【0090】
これとは異なって、
図3に示した第2制御部270がFPGAではない場合、前記TDC250は、第2制御部270とは別途に提供されるFPGAで具現されることができる。
【0091】
前記TDC250は、例えば10Ghzのクロックで動作する高速のFPGAではなく、例えば100~300Mhzのクロックで動作する相対的に低速のFPGAでも具現することができる。
【0092】
図6は、本発明の一実施例によって第1ディレイライン部に入力される入力パルスを説明するための図である。
【0093】
【0094】
FPGA1は、入力信号生成部10、第1ディレイライン部20、コード変換部30、クロックパルスカウント部40、優先エンコーダ部50、及び演算部60を含むことができる。
【0095】
具体的には、前述したFPGA1の構成はTDC(Time to Digital converter)の構成であり得る。
【0096】
図5のように、入力信号生成部10は、所定の与えられた開始信号(S1)の立ち上がりエッジ(E1)と所定の与えられた終了信号(S2)の立ち上がりエッジ(E2)間の発生時間差(T)を幅として有する入力パルス(P1)を生成することができる。入力信号生成部10は、前記生成のために必要な論理ゲートで構成されることができる。
【0097】
第1ディレイライン部20は、開始信号(S1)と終了信号(S2)の発生時間差(T)を幅として有する入力パルス(P1)が入力されることができる。そして、第1ディレイライン部20は、サーモメータコード(Thermometer code)(O1)を出力することができる。このとき、前記サーモメータコードは、第1ディレイライン部20に含まれるフリップフロップ(flip flop)の出力値からなる、例えば8bitの値として各フリップフロップの出力値を前記サーモメータコードの要素と称することができる。
【0098】
図7は、本発明の一実施例による第1ディレイライン部の構成を示したものである。
【0099】
図8は、
図7のバッファのインデックスを説明するための図である。
【0100】
第1ディレイライン部20は、複数のバッファ(遅延素子、ディレイ要素)(B)を含むディレイライン(D_L)と前記ディレイラインの各バッファ(B)の出力端子にタップされたD-フリップフロップ(FF)を含むことができる。
【0101】
複数のバッファは、カスケード(cascade)遅延方式で連結されることができる。すなわち、複数のバッファは、入力パルス(P1)が流れる順序にしたがって配列されることができる。
【0102】
図7の入力パルス(P1)の波形(Signal)は、各バッファ(B)の出力端子で所定のディレイを有して出力されることができる。すなわち、第1バッファ(B1)の出力値は、第1バッファ(B1)の出力端子で所定のディレイを有して出力され、第1バッファ(B1)の出力端子は、第2バッファ(B2)の入力端子に連結される。第1バッファ(B1)の出力値(例えば、「1」)は、また第1フリップフロップ(FF1)に入力されることができる。
【0103】
このとき、各バッファ(B)間に、またフリップフロップ(FF)を経てデータパスディレイが発生することができる。例えば、第1バッファ(B1)の入力値(「1」)が第2バッファ(B2)に伝達されるまでd1だけのディレイが発生することができ、第1バッファ(B1)の出力値(「1」)が第1フリップフロップ(FF1)に伝達されるまでd11だけのディレイが発生することができる。同様に、以前のバッファから次のバッファにデータが伝達されるたびにディレイが発生し、任意のバッファから前記任意のバッファに連結されたフリップフロップにデータが伝達されるたびにディレイが発生することができる。
【0104】
図8は、本発明の一実施例によってバッファのインデックスを説明するための図である。
【0105】
図8の表の各フィールドは、バッファ名、インデックス、及びバッファの出力値を示す。
【0106】
各バッファには、各バッファの順序を定義するインデックスが割り当てられることができる。例えば、第1バッファ(B1)にはインデックス「1」が割り当てられ、第2バッファ(B2)にはインデックス「2」が割り当てられ、同様に第8バッファ(B8)にはインデックス「8」が割り当てられることができる。このように各バッファ(B)を入力パルス(P1)が流れる順序にしたがって配列して、その順序にしたがってインデックスを配列したときに、例えば1000個のバッファには、それぞれの1~1000のインデックスが割り当てられることができる。
【0107】
図9は、データパスディレイを説明するための表を示す。
【0108】
図5及び
図9を参照すると、コード変換部30は、第1ディレイライン部20から出力された前記サーモメータコード(O1)(例えば、11100000)の要素の順序(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8)を変換して出力することができる。このとき、コード変換部30が出力するコード(例えば、11010000)(該当バッファのインデックスの順序は1、2、4、5、3、6、7、8)を「変換コード(CO1)」と称することができる。
【0109】
コード変換部30が出力する変換コード(CO1)は、所定の基準に従って前記サーモメータコード(O1)の要素の順序を整列したものであり得る。このとき、前記所定の基準は、入力パルス(P1)の出力ノード(N1)から第1ディレイライン部20に含まれる複数のフリップフロップ(FF)のそれぞれの出力ノード(N2)までの前記データパスディレイであり得る。
図9を参照してこれについて詳細に説明する。
【0110】
表の各フィールドは、バッファインデックス番号、第1ディレイの値、第2ディレイの値、合計値(順位)を示すことができる。このとき、前記順位は、全体合計値に対する順位を示すことができる。このとき、前記順位は、合計値が最も小さいバッファが第1順位を有し、合計値が最も高いバッファが最後の順位を有することができる。または他の実施例でその逆も可能である。
【0111】
図7で前述したように、前記合計値は、入力パルス(P1)が出力されるノード(N1)から任意のフリップフロップ(例えば、FF4)までデータが伝達されるのにかかる時間を意味することができる。
【0112】
任意のバッファの入力値が前記任意のバッファに連続した他のバッファに伝達されるまでにかかる時間である第1ディレイと、前記任意のバッファの出力値が前記任意のバッファに連結されたフリップフロップの入力に伝達されるまでかかる時間である第2ディレイとが発生することができる。
【0113】
このとき、各バッファに対して第1ディレイの値及び第2ディレイの値を加えた値をデータパスディレイと称することができる。
【0114】
図7と
図9を共に参照すると、各バッファのインデックスを順に羅列したとき、第1ディレイの値と第2ディレイの値の合計値の順位は、各バッファのインデックスの番号の順位と異なることがあり得る。例えば、第3バッファの場合、バッファ配列順位が3位であるため、インデックス番号は「3」であるが、合計値の順位は「5」であり得る。詳しく見ると、第3フリップフロップ(FF3)までデータが伝達されるためには、第1バッファ(B1)、第2バッファ(B2)、及び第3バッファ(B3)を経ることになる。このとき、第1バッファ(B1)、第2バッファ(B2)、第3バッファ(B3)を経るたびに所定のディレイ(d1、d2、d3)が発生し、第3バッファ(B3)から出力されたデータが第3フリップフロップ(FF3)の出力値に出力されるまでのディレイ(d13)も発生し得る。すなわち、入力パルス(P1)の出力ノード(N1)から第3フリップフロップ(FF3)の出力ノード(N2、N23)にデータが伝達されるまでのディレイは、d1、d2、d3、及びd13を合計した値であり得る。
【0115】
このように各フリップフロップ(FF3)の出力ノードにデータが伝達されるまでのディレイ(すなわち、合計値)が計算されることができる。
【0116】
例えば、本実施例において、第3フリップフロップ(FF3)に対するバッファインデックスが3であり、第4フリップフロップ(FF4)に対するバッファインデックスが4である。すなわち、第4フリップフロップ(FF3)は、第3フリップフロップ(FF4)よりも1つのバッファをさらに通過しなければならないが、それにもかかわらず、バッファインデックスが3である第3フリップフロップの出力ノードまでのディレイ合計値がより大きいこともある。
【0117】
コード変換部30は、前記計算されたディレイ(合計値)を基準として(例えば、合計値が小さい順序から)前記サーモメータコード(O1)の要素の順序を変換することができる。
【0118】
コード変換部30が出力した変換コード(CO1)は、優先エンコーダ部50に提供されることができる。
【0119】
優先エンコーダ部50は、長さが長いサーモメータコードをデジタルライズ(デジタル化)することができる。例えば、優先エンコーダ部50は、5200ビットのサーモメータコードを13ビットのサーモメータコードに変換させることができる。例えば、
図7で前述したバッファ(ディレイ素子)(B)及び前記バッファに連結されたフリップフロップ(FF)がそれぞれ5200個ならば、5200個の連続したバイナリナンバー列が出力されるが、これを13ビットの2進数で表現可能である。
【0120】
すなわち、優先エンコーダ部50は、コード変換部30の時間に応じた出力値(CO1)として、5200ビットの第1サーモメータコード(TC1)、及び第2サーモメータコード(TC2)を13ビットの2進数で表現することができる。
【0121】
図6を参照すると、第1サーモメータコード(TC1)は、発生したクロックパルス(CK)のうちの入力パルス(P1)の立ち上がりエッジ(E1)発生以後最初に発生したクロックパルス(CK2)の立ち上がりエッジ(E4)時点で、入力パルス(P1)の立ち上がりエッジに関連してコード変換部30が出力したコードであり得る。13ビットで表現された第1サーモメータコード(TC1)は、演算部60の入力として提供されることができる。
【0122】
そして、第2サーモメータコード(TC2)は、発生したクロックパルス(CK)のうちの入力パルス(P1)の立ち下がりエッジ(E2)発生以後最初に発生したクロックパルス(CK4)立ち上がりエッジ(E6)時点で、入力パルス(P1)の立ち下がりエッジ(E2)に関連してコード変換部30が出力したコードであり得る。13ビットで表現された第2サーモメータコード(TC2)は、演算部60の入力として提供されることができる。
【0123】
このとき、第1サーモメータコード(TC1)の時区間及び第2サーモメータコード(TC2)の時区間は、クロックパルス(CK)の周期(Period)より小さいことができる。
【0124】
また、
図5及び
図6を参照すると、クロックパルスカウント部40は、入力信号生成部10から入力パルス(P1)が入力されることができる。
【0125】
クロックパルスカウント部40は、入力パルス(P1)の維持期間(T)の間に発生したクロックパルス(CK)の数をカウントすることができる。例えば、
図6において、入力パルス(P1)がオン(ON)状態である期間に発生するクロックパルスの立ち上がりエッジ(rising edge)がエッジ(E4、E5)と同じ2つであるため、カウントされた値は2つであり得る。
【0126】
クロックパルスカウント部40の出力値(Coarse count)、すなわち前記カウントされた値は演算部60に提供されることができる。
【0127】
図5及び
図6を参照すると、演算部60は、前記第1サーモメータコード(TC1)、前記第2サーモメータコード(TC2)、及び前記カウントされたクロックパルスの数を利用して前記発生時間差の値を決定することができる。例えば、前記発生時間差は、2*Period+TC1-TC2であり得る。
【0128】
図10a及び
図10bは、本発明の一実施例によって複数のディレイライン部を並列構成した図である。
【0129】
図10aのように、ディレイライン部20は、2つ以上の並列に連結されることもできる。このとき、入力信号生成部10から出力された入力パルス(P1)は、第1ディレイライン部21、第2ディレイライン部22、第3ディレイライン部23、及び第4ディレイライン部24にそれぞれ入力されることができる。そして、第1ディレイライン部21、第2ディレイライン部22、第3ディレイライン部23、及び第4ディレイライン部24から出力された第1サーモメータコード(O1)、第2サーモメータコード(O2)、第3サーモメータコード(O3)、及び第4サーモメータコード(O4)は、コード変換部30に入力されることができる。
【0130】
図10bのように、他の実施例で2つのディレイライン部20が並列に連結されていると仮定することができる。
【0131】
例えば、入力信号生成部10から出力された入力パルス(P1)は、入力信号生成部10の出力端子と第1ディレイライン部21の入力端子が互いに連結された第1経路(path1)そして入力信号生成部10の出力端子と第2ディレイライン部22の入力端子が互いに連結された第2経路(path2)に沿ってそれぞれ提供されることができる。
【0132】
このとき、入力信号生成部10から出力された入力パルス(P1)が第1ディレイライン部21の入力端子と第2ディレイライン部22の入力端子に到達する時間は互いに異なり得る。これは、前記第1経路(path1)と前記第2経路(path)の長さの差による入力ディレイが存在するためである。
図10aの実施例において、第1経路(path1)の長さが第2経路(path2)の長さよりも短いため、第1経路(path1)を介した入力パルス(path1)の入力時区間は第2経路(path2)を介した入力パルス(path2)の入力時区間よりも小さいことが分かる。
【0133】
図11aは、
図10bの第1ディレイライン部と第2ディレイライン部の構成を示した図であり、
図11bは、本発明の一実施例によって2つのディレイライン部が利用される場合のコード変換部の動作を説明するための図である。
【0134】
図11aでは、説明の便宜のために各ディレイライン部内のバッファとフリップフロップはそれぞれ4つずつ含むものとして示した。
【0135】
図11bでは、表の各フィールドは、ディレイライン部の番号、バッファインデックスの番号、第1ディレイの値、第2ディレイの値、第1合計値(第1順位)、及び第1合計値(全体順位)を示すことができる。このとき、前記第1順位は、各ディレイライン部内のバッファのバッファインデックスに対する各合計値に対する順位を示すことができる。そして、前記全体順位は、第1ディレイライン部及び第2ディレイライン部のすべてのバッファのバッファインデックスに対する各合計値に対する順位を示すことができる。このとき、前記第1順位及び全体順位は、合計値が最も小さいバッファが1順位を有し、合計値が最も高いバッファが最後の順位を有することができる。または他の実施例ではその逆も可能である。合計値を求める方法は、
図5で説明した通りであり得る。
【0136】
コード変換部30は、第1ディレイライン部21が出力するサーモメータコードの要素の合計値、及びバッファインデックス対を合計値が低い順に羅列した第1集合(例えば、{(D1、1)、(D2、2)、(D3、3)、(D4、4)})の元素と第2ディレイライン部22が出力するサーモメータコードの要素の合計値、及びインデックス対を合計値が低い順に羅列した第2集合(例えば、{(D5、5)、(D6、6)、(D7、7)、(D8、8)})の元素を整列して併合して1つの変換コードを生成するようになっていることができる。
【0137】
すなわち、前記第1集合の各元素と前記第2集合の各元素とを合計値が低い順序を基準に整列させることができる。
【0138】
例えば、第1ディレイライン部21でバッファインデックスの基準出力値は{1、2、3、4}であり、第2ディレイライン部22でバッファインデックスの基準出力値は{5、6、7、8}であり得る。そして、
図10b及び
図11aの実施例において、ディレイ(d1)がディレイ(d5)よりも小さいこともある。したがって、整列した順序は(D1、1)、(D2、2)、(D5、5)、(D3、3)、(D6、6)、(D4、4)、(D7、7)、(D8、8)と同じであり得る。前記整列した順に各バッファインデックスに対するフリップフロップの出力値を整列することができる。例えば、整列した値(バッファインデックス)は、0(1)、0(2)、1(4)、1(6)、1(3)、1(5)、0(7)、0(8)であり得る。
【0139】
前述したように、複数のディレイライン部20が使用される場合、配置によって少しずつ異なる入力ディレイを有することができる。以下に説明する
図12は、複数のディレイライン部が使用される場合、配置によるディレイを示す。
【0140】
図12は、本発明の一実施例によってコード変換部の適用有無によるディレイのグラフを示す。
【0141】
図13は、本発明の一実施例によってコード変換部の適用有無によるフリップフロップ出力値の配列基準と
図12のタップの数の増加値について説明するための図である。
【0142】
図12aは、コード変換部30が適用されていない状態のタップの数に応じるディレイグラフを示す図であり、
図12bは、コード変換部30が適用された状態のタップの数に応じるディレイグラフを示す。
【0143】
図13の表のフィールドは整列前後、フリップフロップ出力値の配列基準、及び全体ディレイ合計値の配列順序を含む。
【0144】
【0145】
グラフ(g1、g2)の横軸は、タップの数(Number of taps)を示す。
図11bを参照すると、1つのタップは1つのバッファ(遅延素子)(例えば、B1)及びそれに連結されたフリップフロップ(FF1)の対を意味することができる。例えば、バッファ及びそれに連結されたフリップフロップの対の数が総1000個ならば、タップの総数は1000個であり得る。
【0146】
グラフ(g1、g2)の縦軸は、ディレイ時間(ns)を示す。前記ディレイ時間は、
図9で前述した各バッファにタップされたフリップフロップの出力ノードまでデータが伝達されるのにかかるディレイの合計値を意味することができる。
【0147】
図11a~
図13を共に参照すると、グラフ(g1)でタップの数の増加は、例えばバッファインデックスの増加を意味することができる。例えば、グラフ(g1)の横軸でタップの数が4である場合、バッファインデックス4を意味することができる。このとき、グラフ(g1)の縦軸であるディレイ値は、
図11bのようにD4(=d1+d2+d3+d4+d14)であり得る。例えば、タップの数が5である場合、バッファインデックス5を意味することができる。このとき、グラフ(g1)の縦軸であるディレイ値は、
図11bのようにD5(=d5+d15)であり得る。このとき、
図13を参照すると、D4>D5であり得る。ここで、各タップのフリップフロップで観察されるディレイが、タップのインデックス(例えば、インデックス4->インデックス5)が増加するのに伴って増加するのではなく、タップのインデックスが増加しても局所的に減少する場合も発生することが分かる。
【0148】
一方、グラフ(g2)でタップの数の増加はバッファインデックスの増加を意味するのではなく、コード変換部30によって各フリップフロップの出力値が整列された状態での整列順序による位置の増加を意味することができる。例えば、グラフ(g2)の横軸でタップの数が4である場合、整列されたバッファインデックスの位置順は1、2、5、3であって、バッファインデックス3を意味することができる。そして、この場合のグラフ(g2)の縦軸であるディレイ値は、D3(=d1+d2+d3+d13)であり得る。例えば、タップの数が5である場合、整列されたバッファインデックスの位置順は1、2、5、3、6であって、バッファインデックス6を意味することができる。そして、この場合のディレイ値は、D6(=d5+d6+d16)であり得る。このとき、
図13を参照すると、D3<D6であり得る。
【0149】
すなわち、
図12aのように、本発明のコード変換部30が適用されない場合、タップの数の増加に伴うディレイに対するグラフ(g1)が単調増加する性質をなさないことが分かる。一方、
図12bのように本発明のコード変換部30が適用された場合、タップの数の増加に伴うディレイに対するグラフ(g2)が減少のない増加現象をなすことが分かる。
【0150】
例えば、注文型半導体(特定用途向け集積回路)であるASICとは異なり、プログラミングによって直接設計が可能なFPGAは、プログラミングによってチップの機能を変えることができる。したがって、ASICとは異なり、FPGAに含まれる各構成の機能が変わることができ(または構成の配置によって)タップの数が増加するたびにディレイが常に増加するのではなく、減少する場合もあるため、減少のない増加現象をなさないことがある。
【0151】
しかし、説明したように、グラフ(g2)によってコード変換部30は、第1ディレイライン部20の単調増加する性質を補正できることを確認することができる。
【0152】
前述したように、複数のディレイライン部20が使用される場合、コード変換部によってディレイの整列を提供することができる。その結果、ジッタによる誤差を補正し、時間解像度が高いTDCを提供することができる。例えば、4つのディレイライン部を並列に構成して総9600個のタップを有する場合、1つのタップ当たり0.8psの解像度を有するTDCを提供することができる。
【0153】
図14は、本発明の一実施例によって提供されるFPGAを含むPCBボードの主要機能部を示すブロック図である。
【0154】
図3の受信者200は、TDC250及び第2制御部270を含む電子装置を含むことができる。このとき、TDC250及び/または第2制御部270は、FPGA1で具現されたものであり得る。そして、FPGA1は、受信者200に設置されたPCBボード600に実装されたものであり得る。
【0155】
PCBボード600は、デジタル信号処理が可能な装置であって、FPGA1だけでなく、データインターフェース601、クロック生成部603、電源部604、及び
図14に示されていない他の機能部を含むことができる。
【0156】
データインターフェース601は、PCBボード600とコンピューティング装置700間のデータ交換を可能にする装置であって、USB、イーサネット、またはUARTからなることができるが、これに限定されるものではない。
【0157】
クロック生成部603は、前記FPGA1がカウントするクロックパルスの列(train)を提供することができる。
【0158】
前記FPGA1が計算した、選択された2つの信号の時間差値はFPGA1から出力され、データインターフェース601に提供されることができる。データインターフェース601は、前記2つの信号の時間差値をコンピューティング装置700に提供することができる。
【0159】
電源部604は、PCBボード600で使用される電源を供給する。
【0160】
コンピューティング装置700は、データインターフェース701、CPU702、及びメモリ703を含むことができる。メモリ703には、前記FPGA1をプログラムするようになっている構成データ(configuration data)を含む2進ファイル(binary file)が記録されていることができる。CPU702は、前記2進ファイルをデータインターフェース701を介してデータインターフェース601に伝達するようにすることができる。
【0161】
前記2進ファイルは、FPGA1のROM80に保存されてFPGA1によって利用されることができる。
【0162】
前記構成データは、前記FPGA1が所定のデジタル回路をその内部に構成するようになっていることができる。
【0163】
前記デジタル回路は、第1単一光子感知器が出力するデータ信号(Sd)を受信する信号受信部71、所定の基準タイミング信号(Srt)に含まれる基準パルスの発生時刻と前記データ信号に含まれる時間ビン符号化パルス間の発生時刻間の時間差を決定するようになっている時間差決定部72、前記時間差を利用して前記時間ビン符号化パルスが示す時間ビンキュービットの状態を決定するようになっているキュービット状態決定部73、前記量子暗号キー分配システムで生成するキュービットの発生周期と同じ周期を有するパルス列を生成するパルス列生成部74を含むことができる。参照番号71、72、73、74が示す部(part)の名称は、説明の便宜のために前記のように提示されているが、その具体的な名前は他の名称に修正して提示されることもできる。
【0164】
このとき、前記基準タイミング信号は、前記パルス列であり得る。
【0165】
また、前記デジタル回路は、前述した入力信号生成部10、第1ディレイライン部21、第2ディレイライン部22、コード変換部30、クロックパルスカウント部40、優先エンコーダ部50、及び演算部60をさらに含むことができる。
【0166】
図14において、コンピューティング装置700は、データインターフェース701、CPU702、及びメモリ703を含むものとして提示したが、FPGA1に前記2進ファイルを提供することさえできるならば、
図14に示されたものとは異なる構成を有することもできる。
【0167】
前記FPGA1をプログラムするようになっている構成データ(configuration data)を含むファイルの名称は、前述した2進ファイルではなく他の名称を有することもできる。
【0168】
前記ROM80、前記ROM80を含むFPGA1、及び前記メモリ703はすべてそれぞれの本発明の一実施例により提供される、電子装置で読み取り可能な不揮発性記録媒体であるものとみなすことができる。
【0169】
説明の便宜のために、
図2~
図4ではコヒーレント一方向(Coherent One Way、COW)方式の例を挙げて説明した。しかし、本発明はこのような実施例に限定されず、時間ビン符号化を使用するQKDならば、本発明が適用されることができる。
【0170】
前述した本発明の実施例を利用して、本発明の技術分野に属する者は本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内に様々な変更及び修正を容易に実施することができる。特許請求の範囲の各請求項の内容は、本明細書によって理解できる範囲内で引用関係がない他の請求項に結合されることができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信された量子信号の状態を伝送するためのデータライン(241)、
前記データラインに連結された第1単一光子感知器(221)、及び
所定の基準タイミング信号(Srt)及び前記第1単一光子感知器が出力するデータ信号(Sd)を受信するTDC(250)を含み、
前記TDCは、前記基準タイミング信号に含まれる基準パルスの発生時刻と前記データ信号に含まれる時間ビン符号化パルス間の発生時刻間の時間差を決定するようになっており、
前記時間差を利用して前記時間ビン符号化パルスが示す時間ビンキュービットの状態を決定するようになっている、量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項2】
前記時間差を利用して前記時間ビン符号化パルスが示す時間ビンキュービットの状態を決定するようになっている第2制御部(270)をさらに含む、請求項1に記載の量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項3】
前記基準タイミング信号は、前記量子暗号キー分配システムで生成するキュービットの発生周期と同じ周期を有するパルス列または前記キュービットの発生周期と同期化したパルス列信号である、請求項1に記載の量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項4】
前記TDCは、
前記基準パルスの第1発生時点と、前記第1発生時点以後に発生した前記時間ビン符号化パルスの第2発生時点間の時間差を幅として有する入力パルスが入力される第1ディレイライン部(20)、及び
前記第1ディレイライン部が出力するサーモメータコードを利用して前記発生時間差を決定する演算部(60)を含む、請求項1に記載の量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項5】
前記TDCは、前記サーモメータコードの要素の順序を変換して出力するコード変換部(30)をさらに含み、
前記演算部は、前記コード変換部が出力した変換コードを利用して前記発生時間差を決定するようになっており、
前記変換コードは所定の基準に従って前記サーモメータコードの要素の順序を整列したものであり、
前記所定の基準は、前記入力パルスの出力ノードから前記第1ディレイライン部に含まれる複数のフリップフロップ(FF)のそれぞれの出力ノードまでのデータパスディレイである、請求項4に記載の量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項6】
前記TDCは、FPGAによって具現されたものであり、前記FPGAは、前記第1ディレイライン部及び前記演算部を含むようにプログラムされている、請求項4に記載の量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項7】
前記TDCは、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びIC(Integrated Circuit)のうちのいずれか1つのデバイスによって具現されたものであり、前記いずれか1つのデバイスは前記時間差を利用して前記時間ビン符号化パルスが示す時間ビンキュービットの状態を決定するようになっている、請求項1に記載の量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項8】
前記TDCは、前記入力パルスが入力される第2ディレイライン部をさらに含み、
前記コード変換部は、前記第1ディレイライン部が出力するサーモメータコードの要素と前記第2ディレイライン部が出力するサーモメータコードの要素を所定の第2基準に従って整列して併合して前記変換コードを生成するようになっており、
前記所定の第2基準は、前記入力パルスの出力ノードから前記第1ディレイライン部及び前記第2ディレイライン部に含まれる複数のフリップフロップのそれぞれの出力ノードまでのデータパスディレイである、請求項5に記載の量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項9】
前記TDCは、前記量子暗号キー分配システムで生成するキュービットの発生周期より短い周期を有するクロック信号(clk)を利用するようになっており、
前記TDCは、
前記基準パルスの立ち上がりエッジ発生時点と前記時間ビン符号化パルスの立ち上がりエッジ発生時点間の時間差を幅として有する前記入力パルスを生成する入力信号生成部(10)、及び
前記入力パルスの維持期間の間に発生した前記クロック信号のクロックパルスの数をカウントするクロックパルスカウント部(40)をさらに含み、
前記演算部、前記発生したクロックパルスのうちの最初のクロックパルスの立ち上がりエッジ時点で前記コード変換部が出力した第1サーモメータコード(TC1)、前記発生したクロックパルスのうちの最後のクロックパルスの直後に発生したクロックパルスの立ち上がりエッジ時点で前記コード変換部が出力した第2サーモメータコード(TC2)、及び前記カウントされたクロックパルスの数を利用して前記発生時間差の値を決定するようになっている、請求項5に記載の量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項10】
前記量子信号を受信するビームスプリッタ(210)をさらに含み、
前記データライン(241)は、前記ビームスプリッタに連結されている、請求項1に記載の量子暗号キー分配システムの受信装置。
【請求項11】
量子暗号キー分配システムに含まれたFPGAが、
第1単一光子感知器が出力するデータ信号(Sd)を受信する信号受信部、
所定の基準タイミング信号(Srt)に含まれる基準パルスの発生時刻と前記データ信号に含まれる時間ビン符号化パルス間の発生時刻間の時間差を決定するようになっている時間差決定部、及び
前記時間差を利用して前記時間ビン符号化パルスが示す時間ビンキュービットの状態を決定するようになっているキュービット状態決定部を含むデジタル回路を構成するように、前記FPGAをプログラムするようになっている構成データ(configuration data)を含む2進ファイル(binary file)が記録されている、電子装置で読み取り可能な不揮発性記録媒体。
【請求項12】
前記デジタル回路は、前記量子暗号キー分配システムで生成するキュービットの発生周期と同じ周期を有するパルス列を生成するパルス列生成部をさらに含み、
前記基準タイミング信号は前記パルス列である、請求項11に記載の電子装置で読み取り可能な不揮発性記録媒体。
【請求項13】
前記デジタル回路は、
前記基準パルスの第1発生時点と、前記第1発生時点以後に発生した前記時間ビン符号化パルスの第2発生時点間の時間差を幅として有する入力パルスが入力される第1ディレイライン部(20)、及び
前記第1ディレイライン部が出力するサーモメータコードを利用して前記発生時間差を決定する演算部(60)をさらに含む、請求項11に記載の電子装置で読み取り可能な不揮発性記録媒体。
【外国語明細書】