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特開2025-13259情報処理装置、情報処理装置の制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013259
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 90/00 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
G06Q90/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024110350
(22)【出願日】2024-07-09
(31)【優先権主張番号】P 2023115913
(32)【優先日】2023-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】504103984
【氏名又は名称】ウイングアーク1st株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】田中 潤
(72)【発明者】
【氏名】大畠 幸男
(72)【発明者】
【氏名】藤原 秀一
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050DD04
(57)【要約】
【課題】対象データの提供者が意識することなく大規模言語モデルを含む学習済モデルを利用した処理を行うことができるとともに、出力データの活用を効率化できる情報処理装置、情報処理装置の制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置1は、処理対象となる対象データを受け付ける受付処理を実行するデータ受付部30と、対象データおよびコマンドを含むスクリプトを、生成AIサーバ101に出力し、生成AIサーバ101によって出力された出力データを取得する取得処理を実行する連携処理部31と、出力データをデータベース90に格納する格納処理を実行するとともに、格納処理によって格納された出力データをデータ利用者端末3等の外部端末に提示するための提示処理を実行可能なデータ管理部33と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象となる対象データを受け付ける受付処理を実行するデータ受付部と、
前記対象データおよびコマンドを含むスクリプトを、大規模言語モデルを含む学習済モデルに出力し、前記学習済モデルによって出力された出力データを取得する取得処理を実行する連携処理部と、
前記出力データをデータベースに格納する格納処理を実行するとともに、前記格納処理によって格納された前記出力データを外部端末に提示するための提示処理を実行可能なデータ管理部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記対象データに関する情報が登録されるデータベースから当該対象データに関する抽出データを抽出する抽出処理を実行する抽出処理部を更に備え、
前記抽出処理部は、前記抽出データを前記連携処理部に出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記連携処理部は、前記抽出データとともに前記対象データおよびコマンドを含むスクリプトを前記学習済モデルに出力し、前記出力データを取得する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
処理対象となる対象データを受け付ける受付処理を実行する受付ステップと、
前記対象データおよびコマンドを含むスクリプトを、大規模言語モデルを含む学習済モデルに出力し、前記学習済モデルによって出力された出力データを取得する取得処理を実行する連携ステップと、
前記出力データをデータベースに格納する格納処理を実行する格納ステップと、
前記格納処理によって格納された前記出力データを外部端末に提示するための提示処理を実行する提示ステップと、
を含む情報処理装置の制御方法。
【請求項5】
処理対象となる対象データを受け付ける受付処理を実行する受付ステップと、
前記対象データおよびコマンドを含むスクリプトを、大規模言語モデルを含む学習済モデルに出力し、前記学習済モデルによって出力された出力データを取得する取得処理を実行する連携ステップと、
前記出力データをデータベースに格納する格納処理を実行する格納ステップと、
前記格納処理によって格納された前記出力データを外部端末に提示するための提示処理を実行する提示ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザ端末から入力される問合せ等のテキストデータに対してコンピュータによって自動応答を行う技術が知られている。この種の技術が記載されるものとして例えば特許文献1がある。
【0003】
特許文献1には、利用者によって入力された質問に対する回答を出力する利用者端末装置と、回答者による回答を利用者端末装置に送信する回答者端末装置とを備える質問応答システムに関するものである。特許文献1では、利用者端末装置は、質問に対して、機械学習による学習結果に基づいて自動生成された回答である自動回答を回答として出力するとともに、質問に対する回答に関する評価指標に基づいて、自動回答が適切な回答に到達できていないと判定された場合に、回答者端末装置と接続させる処理が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-86817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
大規模言語モデルを含む学習済モデルを用いたシステムでは、プロンプトの設定により出力される回答も異なってくる。処理対象となる対象データを提供するユーザは、大規模言語モデルを含む学習済モデルを必ずしも意識している訳ではなく、大規模言語モデルを含む学習済モデルに適する形式で対象データが入力される訳ではない。また、質問ではなく会議の議事録等を対象データとして分析したい場合もあるが、議事録をそのまま大規模言語モデルを含む学習済モデルに入力しても、大規模言語モデルを含む学習済モデルの出力データが望んだ形式となるとは限らない。
【0006】
また、大規模言語モデルを含む学習済モデルによって出力される出力データが適切なものであっても、出力データは対象データの入力した者に対して返される。そのため、対象データを提供する者は出力データを確認できるものの、大規模言語モデルを含む学習済モデルの出力結果を利用したい他のデータ利用者が直接確認することができなかった。対象データを提供する者を介してデータ利用者が生成AIの出力データを確認することも考えられるが、大規模言語モデルを含む学習済モデルの出力データを効率的に活用するという点では従来技術には改善の余地があった。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、対象データの提供者が意識することなく大規模言語モデルを含む学習済モデルを利用した処理を行うことができるとともに、出力データの活用を効率化できる情報処理装置、情報処理装置の制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、処理対象となる対象データを受け付ける受付処理を実行するデータ受付部と、前記対象データおよびコマンドを含むスクリプトを、大規模言語モデルを含む学習済モデルに出力し、前記学習済モデルによって出力された出力データを取得する取得処理を実行する連携処理部と、前記出力データをデータベースに格納する格納処理を実行するとともに、前記格納処理によって格納された前記出力データを外部端末に提示するための提示処理を実行可能なデータ管理部と、を備える、情報処理装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の情報処理装置、情報処理装置の制御方法及びプログラムによれば、対象データの提供者が意識することなく大規模言語モデルを含む学習済モデルを利用した処理を行うことができるとともに、出力データの活用を効率化できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る情報処理装置によって実現されるデータ処理システムを示す図である。
図2】第1実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係る情報処理装置の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4】第1実施形態に係る情報処理装置による判定処理の流れを示すフロー図である。
図5】対象者端末から入力される対象データの一例を示す図である。
図6】連携処理部によって取得される出力データの一例を示す図である。
図7】第1実施形態に係る情報処理装置による出力データの格納処理及び提示処理の流れを示すフロー図である。
図8】対象データとしての勤怠報告用のチャットルームの会話内容の一例を示す図である。
図9】チャットルームの会話内容に基づいて作成される整形後の出力データの一例を示す図である。
図10】対象データとしてのチャットルームのメンバー間の1週間の会話内容がデータベースに登録される様子を模式的に示す図である。
図11】メンバー間の1週間の会話内容の要約がデータベースに登録され、各メンバーが1週間の会話内容の要約を確認できるようになった様子を模式的に示す図である。
図12】第2実施形態に係る情報処理装置の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図13】第2実施形態に係る情報処理装置による抽出処理及び連携処理の流れを示すフロー図である。
図14】第3実施形態に係る情報処理装置による複数の連携処理の流れを示すフロー図である。
図15】第4実施形態に係る情報処理装置の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図16】第4実施形態に係る情報処理装置の作業手順書の作成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。本発明の技術的範囲には、様々な変形例も含まれる。
【0012】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報処理装置1によって実現されるデータ処理システム100を示す図である。
【0013】
<システム構成>
まず、全体的なシステム構成について説明する。データ処理システム100は、対象者端末2等から入力される対象データおよびコマンドを含むスクリプトに対して外部の生成AI(Artificial Intelligence)サーバ101やSaaS(Software as a Service)102と連携し、予め設定される作業手順書に基づくデータ処理を行う。生成AIサーバ101は、機械学習、深層学習等の技術で構築された学習モデルにより、入力されるテキスト、音声、画像、動画等の対象データおよびコマンドを含むスクリプトに対してデータ処理を行う大規模言語モデルを含む学習済モデルである。
【0014】
情報処理装置1は、コンピュータによって構成されるサーバである。情報処理装置1は、インターネット等の通信ネットワークを介して対象者端末2やデータ利用者端末3と各種情報の送受信を行う。情報処理装置1は、対象者端末2やデータ利用者端末3に対するデータの送受信は、SaaS102を介して行われてもよい。
【0015】
情報処理装置1は、予め設定される作業手順書に基づいて生成AIサーバ101と連携して対象データを処理する。作業手順書は、データ利用者等によって設定される対象データを処理する内容や手順を指定するものである。
【0016】
対象者端末2は、対象データを情報処理装置1に提供するユーザによって使用される。対象者端末2は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等によって構成される。対象者端末2は、予めインストールされたプログラムにより、情報処理装置1と各種の情報をやり取りしてもよいし、ウェブブラウザを通じて各種の情報をやり取りしてもよいし、メールアドレスを利用してやり取りしてもよい。なお、図1では、複数の対象者端末2のうちの1つが図示されているものとする。
【0017】
データ利用者端末3は、情報処理装置1によって処理された処理後のデータを利用するデータ利用者によって使用される。データ利用者端末3は、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等によって構成される。データ利用者端末3は、予めインストールされたプログラムにより、情報処理装置1と各種の情報をやり取りしてもよいし、ウェブブラウザを通じて各種の情報をやり取りしてもよいし、メールアドレスを利用してやり取りしてもよい。なお、図1では、複数のデータ利用者端末3のうちの1つが図示されているものとする。また、データ利用者端末3は、対象者端末2と同じ端末であってもよい。
【0018】
<ハードウェア構成>
次に、情報処理装置1を構成するハードウェアの一例について説明する。図2は、第1実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0019】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0020】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)やSSD(Solid State Drive)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置との間で通信を行う。
【0021】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0022】
ここで説明したハードウェア構成はあくまで一例である。情報処理装置1を含む本実施形態で説明するコンピュータは、図2の構成と共通する構成であってもよいし、異なる構成でもよい。また、コンピュータは、2台以上のコンピュータによって構成されてもよい。図1における対象者端末2及びデータ利用者端末3は、例えば、図2で示したハードウェア構成と同様の構成を有するスマートフォン、タブレット又はパーソナルコンピュータである。また、コンピュータは、通信ネットワークを利用したクラウドコンピューティングによって実現されてもよい。
【0023】
<機能的構成>
次に、情報処理装置1の機能的構成について説明する。図3は、第1実施形態に係る情報処理装置1の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0024】
図3に示すように、情報処理装置1は、作成手順設定部25と、データ受付部30と、連携処理部31と、結果処理部32と、データ管理部33と、をプロセッサ(CPU11)上で実現される機能部として備える。
【0025】
作成手順設定部25は、作成手順書の内容及び手順を設定するための設定処理を実行する。設定処理は、例えば、データ利用者により出力データの利用目的に応じて設定される。データ利用者は、データ利用者端末3を通じて情報処理装置1と通信し、作成手順の設定を行う。
【0026】
本実施形態では、作業手順書は、予め用意される複数の処理ブロックの中から任意のブロックを選択して組み合わせることにより、プログラム言語等のコードを用いることなくノーコードで作成できる。情報処理装置1には、複数の処理ブロックとしてデータ受付部30、連携処理部31、結果処理部32及びデータ管理部33等が登録されており、データ利用者は、データ受付部30、連携処理部31、結果処理部32及びデータ管理部33の中から任意の処理ブロックを組み合わせて作成手順書を設定できる。
【0027】
次に、図4を参照し、作成手順書に基づいて動作する処理ブロックの各機能について説明する。図4は、第1実施形態に係る情報処理装置1による判定処理の流れを示すフロー図である。図4には、データ利用者によって設定されたデータ受付部30、連携処理部31及び結果処理部32を含む作業手順書が示されている。
【0028】
データ受付部30は、通信ネットワークを介して対象者端末2から処理対象となるデータを取得する機能を有する。本実施形態のデータ受付部30は、テキスト、音声、画像等の処理対象の対象データを受け付けるためのVA(Virtual Assistant)を構築する。VAは、例えばAIを用いたAIチャットボット、或いは過去に交換されたメッセージを知識として蓄積し、蓄積した知識のうちで対象メッセージの回答として最適と考えられるものを抽出して提示する装置等を自動応答VAとして用いることが考えられる。更に詳細な説明は省略するが、回答としては、テキストだけでなく、Webページ、ファイル、若しくは配信映像等を指定するURLの提示、或いはファイルの添付、等が含まれていてもよい。テキストではなく、音声、或いは画像(動画であっても良い)等での回答としてもよい。
【0029】
図5は、対象者端末2から入力される対象データの一例を示す図である。図5には、チャットのメッセージやメール等でユーザにより自由形式で入力されたテキストの内容が示されている。
【0030】
連携処理部31は、予め連携対象に設定されるベンダーの生成AIサーバ101と接続する接続処理(コネクト機能)と、データ受付部30のVAによって取得された対象データおよびコマンドを含むスクリプトを生成AIサーバ101に出力し、生成AIによって出力された出力データを取得する取得処理(生成AI連携機能)と、を実行する。連携処理部31は、対象データを取得すると、予め設定されるプロンプト(コマンドを含むスクリプト)とともに当該対象データを生成AIサーバ101に出力し、生成AIサーバ101によって生成された出力データを取得する。
【0031】
この例の連携対象の生成AIサーバ101は、Chat-GPT等のような大規模言語モデルLLM(Large Language Models)により自然言語を分析する機能を有する。図6は、連携処理部31によって取得される出力データの一例を示す図である。本実施形態では、連携処理部31には、図6に示すような出力データが出力されるようなプロンプトが設定される。この例では、テキストデータである対象データに含まれる文章から「概要」、「問い合わせ内容」、「ポジネガ」、「ポジネガ点数」、「感情の強さ」、「感情点数」、「主観性」、「カテゴリー」、「カテゴリー点数」、「FAQ」、「問い合わせ」を出力するようにプロンプトが設定される。
【0032】
結果処理部32は、予め設定される判定基準に基づいて出力データを解析し、出力データに対して次に行われる処理内容を決定する決定処理を実行する。図6の例では、出力データで出力される項目のうち、重要度が高い項目として「ポジネガ」の内容と「カテゴリー」の内容が処理内容を決定する判定基準に設定されている。
【0033】
結果処理部32は、「ポジネガ」の内容と「カテゴリー」の内容に基づいて処理a又は処理bを出力データに対して次に行う処理内容を決定する判定処理を実行する。結果処理部32は、「ポジネガ」がネガティブであり、かつ、「カテゴリー」が怒りの場合にビジネス上の重要度が高い出力データと判定して処理aを処理内容として決定する。処理aは、例えば、部門責任者等の管理者のデータ利用者端末3に対してアラートメッセージを自動送信し、データ管理部33の処理に移行する。処理bは、アラートメッセージの自動送信を行わずにデータ管理部33の処理に移行する。
【0034】
なお、結果処理部32は、出力データに対してアラートメッセージの送信を行うべきか否かを判定する構成に限定される訳ではない。結果処理部32は、予め設定されるルールに基づいてデータベース90に格納すべき出力データか否か等を判定してもよい。このように、出力データに対して行う判定基準は、出力データの利用目的等に応じて適宜できる。
【0035】
次に、図7を参照し、データ管理部33について説明する。図7は、第1実施形態に係る情報処理装置1による出力データの格納処理及び提示処理の流れを示すフロー図である。
【0036】
図7に示すように、データ管理部33は、出力データをデータベース90に格納する格納処理と、格納した出力データを管理者に提示する提示処理と、を実行する。
【0037】
格納処理について説明する。データ管理部33は、結果処理部32の処理内容の決定後に、出力データを利用するSaaS102を利用する管理者等のユーザに関連付けてデータベース90に格納する。
【0038】
提示処理について説明する。データ管理部33は、出力データを利用する権限を有する管理者のデータ利用者端末3から出力データの閲覧要求を受信すると、当該ユーザに対応する出力データをデータベース90から取得し、閲覧要求を行ったデータ利用者端末3に出力データを提示するための処理を行う。
【0039】
次に、図8及び図9を参照し、勤怠報告用のチャットルームの会話を処理対象の対象データとする例について説明する。図8は、対象データとしての勤怠報告用のチャットルームの会話内容の一例を示す図である。図9は、チャットルームの会話内容に基づいて作成される整形後の出力データの一例を示す図である。
【0040】
図8に示すチャットルームは、対象者端末2に同じSNS(Social networking service)のアプリケーションをインストールしているメンバーに対して設定される複数人のチャットを可能とする機能である。メンバーは、例えば、会社等の同じ組織に所属し、勤怠を相互に把握する必要がある部署やプロジェクトに属しており、チャットルームを利用して勤怠の予定を報告することが業務内容の1つとして課せられているものとする。
【0041】
図8の例では、メンバーの一人である山田は、「明日、所用のため10:30-13:00まで離席します。」とチャットルームに書き込んでいる。また、メンバーの1人である鈴木は、「本日体調不良のため、お休みをいただきます。」と書き込んでおり、メンバーの1人である佐藤は、「6/27 11:00-13:00 通院のため離席 6/28 所用のため全休、よろしく御願いします。」と書き込んでいる。メンバーの勤怠予定の報告の仕方は統一性がなく、対象者端末2を通じてチャットルームを閲覧しても、メッセージは流れていくため、それぞれの状況を即座に把握することが難しい。
【0042】
メンバーの勤怠予定を把握し易くするため、連携処理部31は、在席の時間帯、離席の時間帯、休みか否か等の情報を含む文章をシンプルな言葉に変換させるためのプロンプトを設定し、当該プロンプトとともにデータ受付部30を介して対象データとして受け取ったチャットルームのテキスト内容を生成AIサーバ101に出力する。そして、連携処理部31は、生成AIサーバ101によってシンプルな言葉に変換された出力データを取得する。結果処理部32は、連携処理部31から入力される出力データを解析し、図9に示すような表形式に整形した上でデータ管理部33に出力する。図9の例では、メンバーの在籍や不在の時間を示す宇勤怠状況が日付ごとに表形式で示されている。
【0043】
データ管理部33は、表形式に整形された出力データをメンバーの対象者端末2やデータ利用者端末3等で確認できるように、データベース90に格納する処理を行う。データ管理部33は、メンバーの対象者端末2又はメンバーの勤怠を管理する管理者のデータ利用者端末3から勤怠予定の閲覧要求を受け付けると、表形式の出力データに基づく勤怠予定を閲覧要求元の対象者端末2やデータ利用者端末3に提示するための提示処理を実行する。なお、メンバー又は管理者には、勤怠予定を閲覧するための権限が予め設定されるものとする。
【0044】
次に、図10を参照し、図8及び図9とは異なる対象データと出力データの組合せの例について説明する。図10は、対象データとしてのチャットルームのメンバー間の1週間の会話内容がデータベース90に登録される様子を模式的に示す図である。
【0045】
図10に示す例では、データ受付部30は、チャットルームの1週間の会話内容を対象データとして取得し、連携処理部31が生成AIサーバ101と連携して対象データから会話内容の要約を出力データとして取得する。この要約処理では、例えば、1週間の振り返りのタイトルのもと、ルーム毎のやりとりのポイント、今週の要点、アクションプランの候補等が会話内容から抽出され、出力データとして出力される。出力データは、結果処理部32によってデータを登録に適切な形式に整理され、データ管理部33によってデータベース90に登録される。
【0046】
図11は、メンバー間の1週間の会話内容の要約がデータベース90に登録され、各メンバーが1週間の会話内容の要約を確認できるようになった様子を模式的に示す図である。図11に示すように、連携処理部31が生成AIサーバ101と連携して対象データから取得した1週間の会話内容の要約は、データベース90を通じてメンバー間で共有可能となる。
【0047】
なお、対象データと出力データの組合せは、図5及び図6の例、図8及び図9の例、図10及び図11の例に限定される訳ではない。例えば、情報処理装置1は、市民の要望の分析を行うこともできる。この場合、ある地域に住む人等、特定の属性を有するユーザにチャットルームに登録してもらい、特別に意識させることなく要望(対象データ)をテキストや音声等につぶやいてもらう。データ受付部30は、チャットルームに登録する複数の対象者端末2の対象データを取得する。連携処理部31は、複数の対象データのそれぞれの要約を生成AIサーバ101に処理させて出力データを取得する。結果処理部32は、分析目的に応じて出力データ(要望の要約)を表形式等の分析し易い形式に変換する。データ管理部33は、結果処理部32の処理後の出力データをデータベース90に格納し、分析結果を確認したい管理者等が確認できるように可視化する。このように、電話インタビューや郵送のアンケート等の手間を掛けることなく市民それぞれが利用する対象者端末2及び通信ネットワークを利用して市民の要望を収集し、分析することができる。
【0048】
(1-1)以上説明したように、第1実施形態の情報処理装置1は、処理対象となる対象データを受け付ける受付処理を実行するデータ受付部30と、対象データおよびコマンドを含むスクリプトを、生成AIサーバ101(大規模言語モデルを含む学習済モデル)に出力し、生成AIサーバ101によって出力された出力データを取得する取得処理を実行する連携処理部31と、予め設定される判定基準に基づいて出力データに対する処理内容を決定する決定処理を実行する結果処理部32と、を備える。
これにより、対象データを提供するユーザは、生成AIサーバ101の存在を意識する必要なく対象データの入力を行うことができる。ユーザが生成AIサーバ101の仕組みを理解していなくても、連携処理部31にプロンプトを組み込むことができるので、データ利用者が必要な形式の出力データを得ることができる。そして、本実施形態では、生成AIサーバ101の出力データを用いた次の処理が結果処理部32によって決定されるので、出力データ取得後の処理も自動分岐できる。結果処理部32の処理をルールベースにすることにより、シンプルな処理で出力データを活用するための処理を自動化できる。
【0049】
また、本実形態の情報処理装置1は、出力データをデータベース90に格納する格納処理を実行するとともに、格納処理によって格納された出力データをデータ利用者端末3等の外部端末に提示するための提示処理を実行可能なデータ管理部33を更に備える。
【0050】
従来の生成AIを利用したシステムでは、質問に対する回答を得ることができても、当該回答のデータは別途保存する必要がある。この点、本実施形態の構成によれば、生成AIサーバ101の出力データが格納処理によりデータベース90に格納され、データ利用者端末3等の外部端末から閲覧可能になるので、検索性もよく、対象データの統計分析や視覚化も容易に行うことができる。
【0051】
(1-5)また、第1実施形態の情報処理装置1の制御方法は、処理対象となる対象データを受け付ける受付処理を実行する受付ステップと、対象データおよびコマンドを含むスクリプトを生成AIサーバ101に出力し、生成AIサーバ101によって出力された出力データを取得する取得処理を実行する連携ステップと、予め設定される判定基準に基づいて出力データに対する処理内容を決定する決定処理を実行する決定ステップと、含む。
(1-6)また、第1実施形態のコンピュータのプログラムは、処理対象となる対象データを受け付ける受付処理を実行する受付ステップと、対象データおよびコマンドを含むスクリプトを生成AIサーバ101に出力し、生成AIサーバ101によって出力された出力データを取得する取得処理を実行する連携ステップと、予め設定される判定基準に基づいて出力データに対する処理内容を決定する決定処理を実行する決定ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0052】
(2-1)また、第1実施形態の情報処理装置1は、処理対象となる対象データを受け付ける受付処理を実行するデータ受付部30と、対象データおよびコマンドを含むスクリプトを生成AIサーバ101(大規模言語モデルを含む学習済モデル)に出力し、生成AIサーバ101によって出力された出力データを取得する取得処理を実行する連携処理部31と、出力データをデータベース90に格納する格納処理を実行するとともに、格納処理によって格納された出力データをデータ利用者端末3等の外部端末に提示するための提示処理を実行可能なデータ管理部33と、を備える。
これにより、対象データを提供するユーザは、生成AIサーバ101の存在を意識する必要なく対象データの入力を行うことができる。ユーザが生成AIサーバ101の仕組みを理解していなくても、連携処理部31にプロンプトを組み込むことができるので、データ利用者が必要な形式の出力データを得ることができる。また、従来の生成AIを利用したシステムでは、質問に対する回答を得ることができても、当該回答のデータは別途保存する必要がある。この点、本実施形態では、生成AIサーバ101の出力データが格納処理によりデータベース90に格納され、データ利用者端末3等の外部端末から閲覧可能になるので、検索性もよく、対象データの統計分析や視覚化も容易に行うことができる。
【0053】
また、本実施形態の情報処理装置1は、予め設定される判定基準に基づいて出力データに対する処理内容を決定する決定処理を実行する結果処理部32を更に備える。
これにより、生成AIサーバ101の出力データを用いた次の処理が結果処理部32によって決定されるので、出力データ取得後の処理も自動分岐できる。結果処理部32の処理をルールベースにすることにより、シンプルな処理で出力データを活用するための処理を自動化できる。
【0054】
(2-4)また、本実施形態の情報処理装置1の制御方法は、処理対象となる対象データを受け付ける受付処理を実行する受付ステップと、対象データおよびコマンドを含むスクリプトを生成AIサーバ101に出力し、生成AIサーバ101によって出力された出力データを取得する取得処理を実行する連携ステップと、出力データをデータベース90に格納する格納処理を実行する格納ステップと、格納処理によって格納された出力データをデータ利用者端末3等の外部端末に提示するための提示処理を実行する提示ステップと、を含む。
(2-5)また、第1実施形態のコンピュータのプログラムは、処理対象となる対象データを受け付ける受付処理を実行する受付ステップと、対象データおよびコマンドを含むスクリプトを生成AIサーバ101に出力し、生成AIサーバ101によって出力された出力データを取得する取得処理を実行する連携ステップと、出力データをデータベース90に格納する格納処理を実行する格納ステップと、格納処理によって格納された出力データをデータ利用者端末3等の外部端末に提示するための提示処理を実行する提示ステップと、を含む。
【0055】
<第2実施形態>
次に、第1実施形態の構成とは異なる構成の第2実施形態の情報処理装置1aについて説明する。図12は、第2実施形態に係る情報処理装置1aの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、第1実施形態と共通又は同様の構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
【0056】
図12に示すように、第2実施形態の情報処理装置1aは、第1実施形態の構成に加えて抽出処理部34をプロセッサ(CPU11)上で実現される機能部として更に備える。
【0057】
図13を参照し、第2実施形態の情報処理装置1aの処理の流れについて説明する。図13は、第2実施形態に係る情報処理装置1aによる抽出処理及び連携処理の流れを示すフロー図である。
【0058】
データ受付部30は対象データとしての質問を受け付けると、抽出処理部34に当該対象データを出力する。抽出処理部34は、データ受付部30が受け付けた対象データに関する情報を取得するためデータベース90にアクセスする。
【0059】
第2実施形態のデータベース90は、処理対象となる対象データに関する情報が登録されるナレッジデータベースである。対象データに関する情報は、業務のノウハウや過去の実施策等、インターネットでは公開されていない内部情報も含まれている。データベース90には、例えば、種々の課題に対して設定される改善処置A~Eが登録されており、このうち改善処置Aと改善処置Eが段組み効率を改善するために過去に実施又は予定されたものであるとする。抽出処理部34は、対象データとしての質問内容が段組効率に関するものである場合、改善処置Aと改善処置Eを抽出データとして対象データとともに連携処理部31に出力する。
【0060】
抽出処理部34による対象データの分類は、シソーラスを利用したルールベースで行ってもよいし、機械学習等の学習モデルを用いてもよい。また、改善処置は、第1実施形態の図10及び図11を参照して説明した際に登録された1週間の会話内容に含まれるアクションプランであってもよい。また、抽出処理部34による抽出対象のデータベース90は、1つではなく、複数であってもよい。この場合、抽出処理部34は、対象データの内容に応じて複数の中から抽出対象のデータベース90を選択する処理を行ってもよい。
【0061】
連携処理部31は、質問内容及び抽出データを予め設定されるプロンプトとともに生成AIサーバ101に出力し、出力データを取得する。この出力データは、データベース90の質問内容に関連する過去の蓄積情報が反映されることになる。この例では、質問内容とともに改善処置Aと改善処置Eが生成AIサーバ101に出力され、改善処置Aと改善処置Eが加味された出力データが生成されることになる。
【0062】
結果処理部32は、データ受付部30のVAを介して質問を行った対象者に出力データとしての回答を出力する。なお、図13では、省略しているが、データ管理部33が、対象データとしての質問内容とともに出力データとしての回答をデータベース90に格納する処理を行ってもよい。
【0063】
(2-2)以上、説明したように、第2実施形態の情報処理装置1bは、対象データに関する情報が登録されるデータベース90から当該対象データに関する抽出データを抽出する抽出処理を実行する抽出処理部34を更に備え、抽出処理部34は、抽出データを連携処理部31に出力する。
これにより、インターネットで公開されていないようなノウハウ等の情報をデータベース90に蓄積しておくことにより、生成AIの出力処理に当該情報を反映することができる。データベース90への登録はテキストデータでもよいので、RAG(Retrieval Augmented Generation)のようにテキストデータを数値化させたベクトルデータベースを構築するような高度な環境を用意することなく、生成AIに蓄積情報を反映させるシステムを構築できる。
【0064】
(2-3)また、本実施形態では、連携処理部31は、前記抽出データとともに対象データおよびコマンドを含むスクリプトを生成AIサーバ101に出力し、出力データを取得する。
これにより、処理を複雑化することなく、問合せ等の質問からなる対象データに当該対象データに関連する解決処置等の抽出データを組み合わせるというシンプルな処理により、生成AIから出力される出力データに抽出データを反映できる。
【0065】
<第3実施形態>
次に、図14を参照し、複数の種類の生成AIサーバ101a~101cを用いて出力データを作成する例について説明する。第3実施形態に係る情報処理装置1bによる複数の連携処理の流れを示すフロー図である。
【0066】
図14に示すように、第3実施形態の情報処理装置1bは、第1連携処理部31a、第2連携処理部31b及び第3連携処理部31cを備える。また、第3実施形態の対象データは、会議の録音やインタビュー等の音声データである。
【0067】
第3実施形態の処理の流れについて説明する。まず、データ受付部30は、VAを介して音声データを取得し、第1連携処理部31aに出力する。
【0068】
第1連携処理部31aには、音声を文字に変換する機能に特化したベンダーXの生成AIサーバ101aが連携対象として予め設定されている。第1連携処理部31aは、ベンダーXの生成AIサーバ101aに音声データを出力し、文字変換された出力データとしてのテキストデータを取得する。第1連携処理部31aは、取得したテキストデータを第2連携処理部31bに出力する。
【0069】
第2連携処理部31bには、テキストデータを要約する機能に特化したベンダーYの生成AIサーバ101bが連携対象として予め設定されている。生成AIサーバ101bは、LLMである。第2連携処理部31bは、ベンダーYの生成AIサーバ101bにテキストデータを出力し、要約処理された出力データを取得する。第2連携処理部31bは、取得した要約データを第3連携処理部31cに出力する。
【0070】
第3連携処理部31cには、文章に対して業界辞書解析を行う機能に特化したベンダーZの生成AIサーバ101cが連携対象として予め設定されている。第3連携処理部31cは、ベンダーZの生成AIサーバ101cに要約データを出力し、業界辞書解析が行われた出力データを取得する。第3連携処理部31cは、取得した業界辞書解析後の出力データを結果処理部32に出力する。
【0071】
結果処理部32は、業界辞書解析後の出力データに対して予め設定される処理内容に基づく処理を行ってデータ管理部33に出力する。例えば、結果処理部32は、業界辞書解析後の出力データを格納に適した形式に変換し、データ管理部33は、結果処理部32の処理後の出力データをデータベース90に格納する。これによってデータベース90に格納された出力データは、データ利用者の要求に応じて提示できる状態となる。
【0072】
(1-2)以上、説明したように、第3実施形態の情報処理装置1bは、複数の連携処理部(第1連携処理部31a、第2連携処理部31b及び第3連携処理部31c)のそれぞれが異なる生成AIサーバ101a~101cと連携して取得処理を実行する。
これにより、異なる処理のそれぞれの特性に応じて生成AIサーバ101a~101cを設定することにより、対象データを精度良く出力データに変換することができる。複数種類の生成AIサーバ101a~101cを用いることにより、様々な形式の出力データを出力でき、データ利用者の様々な要望にも対応できる。
【0073】
<第4実施形態>
次に、図15を参照し、第3実施形態の作成手順設定部25と異なる構成の作成手順設定部25を備える第4実施形態の情報処理装置1cについて説明する。図15は、第4実施形態に係る情報処理装置1cの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0074】
図15に示すように、第4実施形態の情報処理装置1cは、作成手順設定部25aと、データ受付部30と、連携処理部31と、結果処理部32と、データ管理部33と、をプロセッサ(CPU11)上で実現される機能部として備える。
【0075】
第4実施形態では、作成手順設定部25aは、データ利用者から入力される要望情報に基づいて作業手順書に必要な処理を分析する分析機能と、必要な処理に必要な生成AIサーバ101a~101cを提案する提案機能と、を有する。なお、第4実施形態のデータ受付部30、連携処理部31、結果処理部32及びデータ管理部33は、上記実施形態で説明した構成と同様の構成である。また、作成手順設定部25aは、第1実施形態から第3実施形態の何れの情報処理装置1、1a~1bにも適用可能である。
【0076】
図16を参照し、データ利用者から入力される要望情報に基づいて作業手順書が作成される処理の一例を説明する。図16は、第4実施形態に係る情報処理装置1cの作業手順書の作成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0077】
ステップS1において、データ受付部30は、データ利用者から最終的に得たい出力データの内容やデータ処理の目的等を含む要望情報を取得する。データ受付部30は、例えば、VAを利用したチャット形式、メール等のテキスト、音声入力等により、データ利用者端末3等を介して要望情報を受け付ける。
【0078】
ステップS2において、作成手順設定部25aは、データ受付部30によって取得された要望情報を分析し、前記要望情報の中でデータ利用者が要望する出力データを得るための複数の処理を作成する分析処理を実行する。分析処理の方法は、特に限定されない。例えば、分析処理は、キーワード等を利用したルールベースによって予め登録される複数の処理を含む作業手順書からデータ利用者に合致するものを抽出する形式でもよいし、予め用意した選択肢の中からデータ利用者が選択したものに対応する複数の処理を含む作業手順書を選択するものでもよい。あるいは、分析処理は、機械学習や深層学習等の生成AIを利用するものであってもよい。
【0079】
ステップS3において、作成手順設定部25aは、分析によって作成した複数の処理の種類に応じて連携対象の生成AIサーバ101を設定する。作成手順設定部25aは、例えば、予め処理の種類に応じた生成AIサーバ101及びその接続情報が複数登録されるデータベース90を参照し、処理の種類に対して適切な生成AIサーバ101を抽出する。
【0080】
ステップS4において、作成手順設定部25aは、データ利用者に対して出力データを得るための複数の処理及び各処理に対応する生成AIサーバ101を含む作成手順書を提示する提示処理を実行する。データ利用者は、提示された複数の処理及び各処理に対応する生成AIサーバ101に基づいて作成手順書の設定を行う。データ利用者は、そのまま提示された作成手順書を利用してもよいし、作成された作成手順書を修正して利用してもよい。
【0081】
(1-3)以上、説明したように、第4実施形態の情報処理装置1cは、対象データに対する処理の内容及び手順を設定する作成手順設定部25aを更に備え、作成手順設定部25aは、データ利用者により入力される要望を示す要望情報を分析し、当該要望情報を満たす前記出力データを得るための処理を複数のブロックに分けて生成する分析処理を実行する。
これにより、要望情報に基づいて自動的に複数のブロックに分かれた処理が自動的に生成される。データ利用者は、生成された複数のブロックをそのまま利用したり、参考にしたりできるので、作成手順書を作成するための手間や時間を効果的に削減できる。また、データ利用者が作成手順書に精通していないため、複雑な処理を1つの処理に無理にまとめて所望の出力データが生成されないといった事態も回避できる。
【0082】
(1-4)また、本実施形態では、作成手順設定部25aは、複数の処理のそれぞれに対応する生成AIサーバ101a~cの候補を提案する提案処理を実行する。
これにより、複数種類の各処理で生成AIサーバ101と連携する必要がある場合であっても、処理に適した生成AIサーバ101a~cが作成手順設定部25aによって提示されるので、作成手順書を作成するための労力や時間を低減できる。作成手順書を設定するデータ利用者が生成AIサーバ101a~cの得意分野に精通していない場合であっても、各生成AIサーバ101a~cの特性に応じて作成手順書を作成できる。
【0083】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0084】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、上述の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置1、1a~1cに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上述の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、特に限定されず、任意でよい。例えば、情報処理装置1、1a~1cの機能ブロックを他の装置等に移譲させてもよい。逆に他の装置の機能ブロックをサーバ等に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0085】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0086】
このようなプログラムを含む記録媒体は、プログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で提供される記録媒体等で構成される。プログラムはネットワークを介して配信可能であることから、記録媒体は、ネットワークに接続された、或いは接続可能なコンピュータに搭載、或いはアクセス可能なものであってもよい。
【0087】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【符号の説明】
【0088】
1、1a~1c 情報処理装置
2 対象者端末
3 データ利用者端末
25、25a 作業手順設定部
30 データ受付部
31 連携処理部
31a 第1連携処理部
31b 第2連携処理部
31c 第3連携処理部
32 結果処理部
33 データ管理部
34 抽出処理部
100 データ処理システム
101、101a~101c 生成AIサーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16