(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001327
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】調達業務支援装置、調達業務支援システム、調達業務支援方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20241225BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20241225BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20241225BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q30/0601 320
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100845
(22)【出願日】2023-06-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1) 開催日(公開日) 令和4年9月13日 集会名、開催場所 調達業務支援システムのトライアル実施に関する説明会 千代田工販株式会社 (東京都中央区京橋1-10-7 KPP八重洲ビル9階) (2) 開催日(公開日) 令和4年9月26日 集会名、開催場所 調達業務支援システムのトライアル実施に関する説明会 株式会社守谷商会 (東京都中央区八重洲1-4-22 本社ビルMB83) (3) 開催日(公開日) 令和4年9月30日 集会名、開催場所 調達業務支援システムのトライアル実施に関する説明会 東芝エネルギーシステムズ株式会社 (神奈川県川崎市幸区堀川町72-34 ラゾーナ川崎東芝ビル) (4) 開催日(公開日) 令和4年10月3日 集会名、開催場所 調達業務支援システムのトライアル実施に関する説明会 株式会社東光高岳 (東京都江東区豊洲5-6-36 豊洲プライムスクエア8階) (5) 開催日(公開日) 令和4年10月6日 集会名、開催場所 調達業務支援システムのトライアル実施に関する説明会 株式会社明電舎 (東京都品川区大崎2-1-1 ThinkPark Tower) (6) 開催日(公開日) 令和4年12月23日から令和5年3月24日 集会名、開催場所 調達業務支援システムのトライアル実施稼働 千代田工販株式会社 (東京都中央区京橋1-10-7 KPP八重洲ビル9階) (7) 開催日(公開日) 令和4年12月23日から令和5年3月24日 集会名、開催場所 調達業務支援システムのトライアル実施稼働 株式会社守谷商会 (東京都中央区八重洲1-4-22 本社ビルMB83) (8) 開催日(公開日) 令和4年12月23日から令和5年3月24日 集会名、開催場所 調達業務支援システムのトライアル実施稼働 東芝エネルギーシステムズ株式会社 (神奈川県川崎市幸区堀川町72-34 ラゾーナ川崎東芝ビル) (9) 開催日(公開日) 令和4年12月23日から令和5年3月24日 集会名、開催場所 調達業務支援システムのトライアル実施稼働 株式会社東光高岳 (東京都江東区豊洲5-6-36 豊洲プライムスクエア8階)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (10) 開催日(公開日) 令和4年12月23日から令和5年3月24日 集会名、開催場所 調達業務支援システムのトライアル実施稼働 株式会社明電舎 (東京都品川区大崎2-1-1 ThinkPark Tower)
(71)【出願人】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】秋澤 英一郎
(72)【発明者】
【氏名】金子 周平
(72)【発明者】
【氏名】光安 枝里子
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB34
5L030BB58
5L049BB34
5L049BB58
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】見積書の査定の効率向上を図る。
【解決手段】製品毎に少なくとも2以上の仕様項目が定められた製品仕様定義データを記憶する製品仕様定義データ記憶部と、見積入力情報で指定された見積内訳の製品に関する少なくとも2以上の仕様項目を製品仕様定義データから取得して見積入力画面の仕様入力欄に表示する見積入力情報受付部と、見積入力情報を用いて見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを作成する見積データ作成部と、査定入力画面により見積依頼識別情報に関連付けて見積データの見積内訳の製品に関する査定入力情報を受付ける査定入力情報受付部と、査定入力情報を用いて見積依頼識別情報に関連付けられた査定データを作成する査定データ作成部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品毎に少なくとも2以上の仕様項目が定められた製品仕様定義データを記憶する製品仕様定義データ記憶部と、
見積部と、
査定部と、を備え、
前記見積部は、
見積入力画面により見積依頼識別情報に関連付けて見積入力情報を受付けると共に、見積入力情報で指定された見積内訳の製品に関する少なくとも2以上の仕様項目を前記製品仕様定義データから取得して見積入力画面の仕様入力欄に表示する見積入力情報受付部と、
見積入力画面により受付けられた見積入力情報を用いて見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを作成する見積データ作成部と、
見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを出力する見積データ出力部と、
を備え、
前記査定部は、
見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを取込む見積データ取込部と、
見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを査定入力画面に表示すると共に、査定入力画面により見積依頼識別情報に関連付けて見積データの見積内訳の製品に関する査定入力情報を受付ける査定入力情報受付部と、
査定入力画面により受付けられた査定入力情報を用いて見積依頼識別情報に関連付けられた査定データを作成する査定データ作成部と、
見積依頼識別情報に関連付けられた見積データ及び査定データを格納する見積査定データ格納部と、
を備える、
調達業務支援装置。
【請求項2】
見積依頼識別情報に関連付けられた見積データ及び査定データを蓄積する見積査定データベースと、
複数の調達業務支援装置からアクセスされるマスターデータベースに対して前記見積査定データ格納部に格納された見積依頼識別情報に関連付けられた見積データ及び査定データを格納させ、前記マスターデータベースに格納された見積依頼識別情報に関連付けられた見積データ及び査定データを取得し、取得した見積依頼識別情報に関連付けられた見積データ及び査定データによって前記見積査定データベースを更新するデータベース制御部と、
を備える請求項1に記載の調達業務支援装置。
【請求項3】
前記見積入力情報受付部は、見積入力情報で指定された見積内訳の製品に関する見積データを前記見積査定データベースから取得し、取得した見積データの情報を過去実績検索画面に表示する、
請求項2に記載の調達業務支援装置。
【請求項4】
前記査定入力情報受付部は、査定入力画面上で指定された見積内訳の製品に関する査定データを前記見積査定データベースから取得し、取得した査定データの情報を過去実績検索画面に表示する、
請求項2に記載の調達業務支援装置。
【請求項5】
前記見積入力情報受付部は、見積入力情報で指定された製品に関する少なくとも2以上の仕様項目の見積入力情報が見積入力画面の仕様入力欄に入力されている場合に、見積依頼識別情報に関連付けられた見積入力情報の受付けを終了し、
前記見積データ作成部は、見積入力情報の受付けが終了した見積依頼識別情報に関連付けられた見積入力情報を見積データの作成に用いる、
請求項1に記載の調達業務支援装置。
【請求項6】
前記見積入力情報受付部は、見積入力情報で指定された製品に関する少なくとも2以上の仕様項目の見積入力情報が見積入力画面の仕様入力欄に入力されていない場合に、当該未入力の仕様項目の入力を促すメッセージをポップアップ形式で見積入力画面上に表示する、
請求項5に記載の調達業務支援装置。
【請求項7】
前記製品仕様定義データの更新データを取込み、取込んだ更新データにより前記製品仕様定義データ記憶部に記憶される前記製品仕様定義データを更新する製品仕様定義データ更新部をさらに備える、
請求項1に記載の調達業務支援装置。
【請求項8】
請求項2に記載の調達業務支援装置を複数と、
前記複数の調達業務支援装置それぞれから提供された見積依頼識別情報に関連付けられた見積データ及び査定データを蓄積し、蓄積した見積依頼識別情報に関連付けられた見積データ及び査定データを前記複数の調達業務支援装置それぞれに提供するマスターデータベースと、
を備える調達業務支援システム。
【請求項9】
調達業務支援装置が実行する調達業務支援方法であって、
製品毎に少なくとも2以上の仕様項目が定められた製品仕様定義データを記憶する製品仕様定義データ記憶ステップと、
見積入力画面により見積依頼識別情報に関連付けて見積入力情報を受付けると共に、見積入力情報で指定された見積内訳の製品に関する少なくとも2以上の仕様項目を前記製品仕様定義データから取得して見積入力画面の仕様入力欄に表示する見積入力情報受付ステップと、
見積入力画面により受付けられた見積入力情報を用いて見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを作成する見積データ作成ステップと、
見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを出力する見積データ出力ステップと、
見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを取込む見積データ取込ステップと、
見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを査定入力画面に表示すると共に、査定入力画面により見積依頼識別情報に関連付けて見積データの見積内訳の製品に関する査定入力情報を受付ける査定入力情報受付ステップと、
査定入力画面により受付けられた査定入力情報を用いて見積依頼識別情報に関連付けられた査定データを作成する査定データ作成ステップと、
見積依頼識別情報に関連付けられた見積データ及び査定データを格納する見積査定データ格納ステップと、
を含む調達業務支援方法。
【請求項10】
コンピュータに、
製品毎に少なくとも2以上の仕様項目が定められた製品仕様定義データを記憶する製品仕様定義データ記憶ステップと、
見積入力画面により見積依頼識別情報に関連付けて見積入力情報を受付けると共に、見積入力情報で指定された見積内訳の製品に関する少なくとも2以上の仕様項目を前記製品仕様定義データから取得して見積入力画面の仕様入力欄に表示する見積入力情報受付ステップと、
見積入力画面により受付けられた見積入力情報を用いて見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを作成する見積データ作成ステップと、
見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを出力する見積データ出力ステップと、
見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを取込む見積データ取込ステップと、
見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを査定入力画面に表示すると共に、査定入力画面により見積依頼識別情報に関連付けて見積データの見積内訳の製品に関する査定入力情報を受付ける査定入力情報受付ステップと、
査定入力画面により受付けられた査定入力情報を用いて見積依頼識別情報に関連付けられた査定データを作成する査定データ作成ステップと、
見積依頼識別情報に関連付けられた見積データ及び査定データを格納する見積査定データ格納ステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調達業務支援装置、調達業務支援システム、調達業務支援方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、資材を調達する資材調達業務では、調達先から受領した見積書の見積額が妥当であるかなどの査定が実施されている。例えば、電力機器の調達業務における見積額の査定では、発注者が、調達先から任意の様式で提出される見積内訳書の各項目の見積額を、過去に購入した電力機器の同一又は類似の項目の実績額と個々に比較して行っていた。
【0003】
また、特許文献1には、見積書の精度を向上させるために、部品を購入する工場と、部品を組立て加工して納入する加工外注メーカーとの間で単価情報を共有し、見積処理を、インターネットを利用して行う見積処理方式が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の見積書の査定では、過去の査定実績を探し出すことに時間を要したり、調達先から受領した見積書において査定に必要な情報が不足しているために当該情報を取得することに時間を要したりするために、見積書の査定の効率が悪かった。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、見積書の査定の効率向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、製品毎に少なくとも2以上の仕様項目が定められた製品仕様定義データを記憶する製品仕様定義データ記憶部と、見積部と、査定部と、を備え、前記見積部は、見積入力画面により見積依頼識別情報に関連付けて見積入力情報を受付けると共に、見積入力情報で指定された見積内訳の製品に関する少なくとも2以上の仕様項目を前記製品仕様定義データから取得して見積入力画面の仕様入力欄に表示する見積入力情報受付部と、見積入力画面により受付けられた見積入力情報を用いて見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを作成する見積データ作成部と、見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを出力する見積データ出力部と、を備え、前記査定部は、見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを取込む見積データ取込部と、見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを査定入力画面に表示すると共に、査定入力画面により見積依頼識別情報に関連付けて見積データの見積内訳の製品に関する査定入力情報を受付ける査定入力情報受付部と、査定入力画面により受付けられた査定入力情報を用いて見積依頼識別情報に関連付けられた査定データを作成する査定データ作成部と、見積依頼識別情報に関連付けられた見積データ及び査定データを格納する見積査定データ格納部と、を備える、調達業務支援装置である。
【0008】
本発明の一態様は、上記の調達業務支援装置において、見積依頼識別情報に関連付けられた見積データ及び査定データを蓄積する見積査定データベースと、複数の調達業務支援装置からアクセスされるマスターデータベースに対して前記見積査定データ格納部に格納された見積依頼識別情報に関連付けられた見積データ及び査定データを格納させ、前記マスターデータベースに格納された見積依頼識別情報に関連付けられた見積データ及び査定データを取得し、取得した見積依頼識別情報に関連付けられた見積データ及び査定データによって前記見積査定データベースを更新するデータベース制御部と、を備える調達業務支援装置である。
【0009】
本発明の一態様は、上記の調達業務支援装置において、前記見積入力情報受付部は、見積入力情報で指定された見積内訳の製品に関する見積データを前記見積査定データベースから取得し、取得した見積データの情報を過去実績検索画面に表示する、調達業務支援装置である。
【0010】
本発明の一態様は、上記の調達業務支援装置において、前記査定入力情報受付部は、査定入力画面上で指定された見積内訳の製品に関する査定データを前記見積査定データベースから取得し、取得した査定データの情報を過去実績検索画面に表示する、調達業務支援装置である。
【0011】
本発明の一態様は、上記の調達業務支援装置において、前記見積入力情報受付部は、見積入力情報で指定された製品に関する少なくとも2以上の仕様項目の見積入力情報が見積入力画面の仕様入力欄に入力されている場合に、見積依頼識別情報に関連付けられた見積入力情報の受付けを終了し、前記見積データ作成部は、見積入力情報の受付けが終了した見積依頼識別情報に関連付けられた見積入力情報を見積データの作成に用いる、調達業務支援装置である。
【0012】
本発明の一態様は、上記の調達業務支援装置において、前記見積入力情報受付部は、見積入力情報で指定された製品に関する少なくとも2以上の仕様項目の見積入力情報が見積入力画面の仕様入力欄に入力されていない場合に、当該未入力の仕様項目の入力を促すメッセージをポップアップ形式で見積入力画面上に表示する、調達業務支援装置である。
【0013】
本発明の一態様は、上記の調達業務支援装置において、前記製品仕様定義データの更新データを取込み、取込んだ更新データにより前記製品仕様定義データ記憶部に記憶される前記製品仕様定義データを更新する製品仕様定義データ更新部をさらに備える、調達業務支援装置である。
【0014】
本発明の一態様は、複数の調達業務支援装置と、前記複数の調達業務支援装置それぞれから提供された見積依頼識別情報に関連付けられた見積データ及び査定データを蓄積し、蓄積した見積依頼識別情報に関連付けられた見積データ及び査定データを前記複数の調達業務支援装置それぞれに提供するマスターデータベースと、を備える調達業務支援システムである。
【0015】
本発明の一態様は、調達業務支援装置が実行する調達業務支援方法であって、製品毎に少なくとも2以上の仕様項目が定められた製品仕様定義データを記憶する製品仕様定義データ記憶ステップと、見積入力画面により見積依頼識別情報に関連付けて見積入力情報を受付けると共に、見積入力情報で指定された見積内訳の製品に関する少なくとも2以上の仕様項目を前記製品仕様定義データから取得して見積入力画面の仕様入力欄に表示する見積入力情報受付ステップと、見積入力画面により受付けられた見積入力情報を用いて見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを作成する見積データ作成ステップと、見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを出力する見積データ出力ステップと、見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを取込む見積データ取込ステップと、見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを査定入力画面に表示すると共に、査定入力画面により見積依頼識別情報に関連付けて見積データの見積内訳の製品に関する査定入力情報を受付ける査定入力情報受付ステップと、査定入力画面により受付けられた査定入力情報を用いて見積依頼識別情報に関連付けられた査定データを作成する査定データ作成ステップと、見積依頼識別情報に関連付けられた見積データ及び査定データを格納する見積査定データ格納ステップと、を含む調達業務支援方法である。
【0016】
本発明の一態様は、コンピュータに、製品毎に少なくとも2以上の仕様項目が定められた製品仕様定義データを記憶する製品仕様定義データ記憶ステップと、見積入力画面により見積依頼識別情報に関連付けて見積入力情報を受付けると共に、見積入力情報で指定された見積内訳の製品に関する少なくとも2以上の仕様項目を前記製品仕様定義データから取得して見積入力画面の仕様入力欄に表示する見積入力情報受付ステップと、見積入力画面により受付けられた見積入力情報を用いて見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを作成する見積データ作成ステップと、見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを出力する見積データ出力ステップと、見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを取込む見積データ取込ステップと、見積依頼識別情報に関連付けられた見積データを査定入力画面に表示すると共に、査定入力画面により見積依頼識別情報に関連付けて見積データの見積内訳の製品に関する査定入力情報を受付ける査定入力情報受付ステップと、査定入力画面により受付けられた査定入力情報を用いて見積依頼識別情報に関連付けられた査定データを作成する査定データ作成ステップと、見積依頼識別情報に関連付けられた見積データ及び査定データを格納する見積査定データ格納ステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、見積書の査定の効率向上を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】一実施形態に係る調達業務支援装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る調達業務支援システムの構成例を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係る製品仕様定義データの構成例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る調達業務支援方法の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図5】一実施形態に係る調達業務支援方法の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図6】一実施形態に係る見積入力画面の構成例を示す図である。
【
図7】一実施形態に係る査定入力画面の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、調達業務の一例として電力設備に関する調達業務を挙げて説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に係る調達業務支援装置の構成例を示すブロック図である。
図2は、本実施形態に係る調達業務支援システムの構成例を示すブロック図である。
【0021】
調達業務支援装置10は、見積書の作成支援機能と、見積書の査定支援機能とを有する。
【0022】
図2において、調達業務支援システム1は、複数の調達業務支援装置10がインターネット等の通信ネットワーク50を介してマスターデータベース30に接続可能に構成される。マスターデータベース30は、複数の調達業務支援装置から通信ネットワーク50を介してアクセスされる。各調達業務支援装置10は、通信ネットワーク50を介してマスターデータベース30にアクセスする。調達業務支援装置10同士は、通信を行わない。したがって、調達業務支援装置10は、マスターデータベース30にアクセスするが、それ以外は単独で動作する。
【0023】
図2に示される複数の調達業務支援装置10は、調達先(見積書の作成側)に具備される調達業務支援装置10と、調達側(見積書の査定側)に具備される調達業務支援装置10とがある。見積書の作成側及び見積書の査定側は、それぞれ独立に、調達業務支援装置10を利用する。見積書の作成側は、調達業務支援装置10を利用して見積書を作成する。見積書の査定側は、調達業務支援装置10を利用して見積書の査定を行う。
【0024】
図1において、調達業務支援装置10は、制御部100と、表示部120と、操作部130と、通信部140と、記憶部150とを備える。
【0025】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)であり、記憶部150に格納されているプログラムを呼び出して実行することによって、各種の機能を実行する。
【0026】
制御部100は、その機能として、見積入力情報受付部1101と、見積データ作成部1102と、見積データ出力部1103と、見積データ取込部1201と、査定入力情報受付部1202と、査定データ作成部1203と、査定データ出力部1204と、データベース制御部1301とを含む。これらの制御部100の機能は、CPUが記憶部150に格納された調達業務支援プログラム1501を実行することにより実現される。
【0027】
表示部120は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)等のいずれかの表示素子を含み、各種の情報を表示する。操作部130は、例えばテンキー等の入力デバイスから構成され、利用者の操作に応じたデータ入力を行う。又は、調達業務支援装置10は、データ入力とデータ表示の両方が可能なタッチパネルを備えてもよい。
【0028】
通信部140は、通信ネットワーク50を介して、自装置の外部の装置と通信を行う。
【0029】
記憶部150は、制御部100が実行するプログラムや制御部100が使用するデータ等の各種のデータを記憶する。なお、記憶部150は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、CD-ROM等の読み出しのみが可能な記録媒体、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成されるものとする。
【0030】
記憶部150は、調達業務支援プログラム1501及び製品仕様定義データ1502を記憶する。また、記憶部150には、見積データ格納部1503、見積査定データ格納部1504及び見積査定データベース1505が設けられる。
【0031】
見積入力情報受付部1101、見積データ作成部1102、見積データ出力部1103及び見積データ格納部1503は、見積部に対応する。見積データ取込部1201、査定入力情報受付部1202、査定データ作成部1203、査定データ出力部1204及び見積査定データ格納部1504は、査定部に対応する。
【0032】
図3は、本実施形態に係る製品仕様定義データ1502の構成例である。製品仕様定義データ1502は、製品毎に、少なくとも2以上の仕様項目が定められたデータである。ある製品に関して、製品仕様定義データ1502に定められた少なくとも2以上の仕様項目は、査定に必要な情報として仕様項目の内容を見積書に含めることが求められる仕様項目である。
【0033】
例えば、製品「変圧器」には、4つの仕様項目として「仕様1:容量(kVA)」、「仕様2:1次/2次電圧(V)」、「仕様3:接続形式」、「仕様4:塩害区分(号)」が定められている。例えば、製品「母線」には、2つの仕様項目として「仕様1:定格電流(A)」、「仕様2:定格遮断電流(kA)」が定められている。
【0034】
なお、査定に必要な情報として仕様項目の内容が見積書に含めることが求められる仕様項目の個数は、2以上であればよく、限定されない。
また、ある製品に関して、製品仕様定義データ1502に定められた少なくとも2以上の仕様項目のうち、全ての仕様項目の内容を見積書に含めることが求められてもよいし、少なくとも2以上であれば一部の仕様項目のみがその内容を見積書に含めることが求められてもよい。
また、製品毎に、製品仕様定義データ1502に定められた少なくとも2以上の仕様項目のうち見積書に含めることが求められる必須の仕様項目を示す必須フラグを、製品仕様定義データ1502において必須の仕様項目に付加してもよい。この場合、ある製品に関して、製品仕様定義データ1502に定められた少なくとも2以上の仕様項目のうち、必須フラグが付加された全ての仕様項目を含む少なくとも2以上の仕様項目がその内容を見積書に含めることが求められる。
【0035】
製品仕様定義データ1502は、適宜、更新可能である。例えば、制御部100は、さらに一機能として、製品仕様定義データ1502の更新データを取込み、取込んだ更新データにより記憶部150に記憶される製品仕様定義データ1502を更新する製品仕様定義データ更新部(図示せず)を備えてもよい。
また、製品仕様定義データ1502は、自己のバージョンを示すバージョン情報を有してもよい。
【0036】
見積入力情報受付部1101は、表示部120に見積入力画面を表示させる。利用者(見積作成者)は、操作部130により、見積入力画面上で見積入力情報を入力する。見積入力情報受付部1101は、見積入力画面により見積依頼識別情報(見積依頼ID)に関連付けて見積入力情報を受付ける。見積依頼IDは、見積作成者が入力してもよいし、見積入力情報受付部1101が取得してもよい。見積入力情報受付部1101は、見積入力情報で指定された見積内訳の製品に関する少なくとも2以上の仕様項目を製品仕様定義データ1502から取得して見積入力画面の仕様入力欄に表示する。見積作成者は、見積入力情報として、見積入力画面の仕様入力欄に表示された仕様項目についてその内容を当該仕様入力欄に入力する。
【0037】
見積データ作成部1102は、見積入力画面により受付けられた見積入力情報を用いて見積依頼IDに関連付けられた見積データを作成する。
【0038】
見積データ格納部1503は、見積データ作成部1102が作成した見積依頼IDに関連付けられた見積データを格納する。
【0039】
見積データ出力部1103は、見積依頼IDに関連付けられた見積データを出力する。例えば、見積データ出力部1103は、通信部140により、見積作成者から指定された宛先へ電子メール等により見積依頼IDに関連付けられた見積データを送信する。
【0040】
見積データ取込部1201は、見積依頼IDに関連付けられた見積データを取込む。例えば、見積データ取込部1201は、通信部140により電子メール等で受信した見積依頼IDに関連付けられた見積データを取込む。
【0041】
査定入力情報受付部1202は、表示部120に査定入力画面を表示させる。利用者(査定者)は、操作部130により、査定入力画面上で査定入力情報を入力する。査定入力情報受付部1202は、見積依頼IDに関連付けられた見積データを査定入力画面に表示する。査定入力情報受付部1202は、査定入力画面により見積依頼IDに関連付けて見積データの見積内訳の製品に関する査定入力情報を受付ける。
【0042】
査定データ作成部1203は、査定入力画面により受付けられた査定入力情報を用いて見積依頼IDに関連付けられた査定データを作成する。
【0043】
査定データ出力部1204は、見積依頼IDに関連付けられた査定データを出力する。
【0044】
見積査定データ格納部1504は、査定データ作成部1203が作成した見積依頼IDに関連付けられた査定データを、当該見積依頼IDに関連付けられた見積データと共に格納する。
【0045】
見積査定データベース1505は、見積依頼IDに関連付けられた見積データ及び査定データを蓄積するデータベースである。見積査定データベース1505に対しては、見積査定データベース1505が蓄積する見積データ及び査定データを検索対象にする検索機能がデータベース制御部1301により提供される。
【0046】
データベース制御部1301は、見積査定データベース1505に関する構築や検索等の制御を行う。
【0047】
データベース制御部1301は、マスターデータベース30に対して、見積査定データ格納部1504に格納された見積依頼IDに関連付けられた見積データ及び査定データを格納させる。マスターデータベース30は、各調達業務支援装置10から受信する見積依頼IDに関連付けられた見積データ及び査定データを蓄積する。したがって、マスターデータベース30には、複数の調達業務支援装置10でそれぞれ作成された見積依頼IDに関連付けられた見積データ及び査定データが蓄積される。
【0048】
データベース制御部1301は、マスターデータベース30に格納された見積依頼IDに関連付けられた見積データ及び査定データをマスターデータベース30から取得する。データベース制御部1301は、マスターデータベース30から取得した見積依頼IDに関連付けられた見積データ及び査定データによって、自己の見積査定データベース1505を更新する。これにより、調達業務支援装置10の見積査定データベース1505は、マスターデータベース30に蓄積された複数の調達業務支援装置10でそれぞれ作成された見積依頼IDに関連付けられた見積データ及び査定データを格納することになる。したがって、
図2に示される複数の調達業務支援装置10間で、マスターデータベース30を介して、当該複数の調達業務支援装置10でそれぞれ作成された見積依頼IDに関連付けられた見積データ及び査定データが共有される。
【0049】
調達業務支援装置10として、パーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。
【0050】
次に
図4、
図5を参照して本実施形態に係る調達業務支援装置10の動作を説明する。
図4、
図5は、本実施形態に係る調達業務支援方法の手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態に係る調達業務支援方法は、見積段階と査定段階とに大別される。
【0051】
調達業務支援装置10の制御部100は、見積支援メニューと査定支援メニューとを提供する。見積支援メニューは、見積書の作成を支援するメニューである。査定支援メニューは、見積書の査定を支援するメニューである。
【0052】
[見積段階]
図4を参照して本実施形態に係る調達業務支援方法の見積段階を説明する。
【0053】
見積作成者は、調達業務支援装置10を操作して、見積支援メニューを選択する。制御部100は、見積支援メニューが選択されると、
図4の処理を開始する。
【0054】
(ステップS101) 見積入力情報受付部1101は、表示部120に見積入力画面を表示させる。
【0055】
(ステップS102) 見積作成者は、見積入力画面上で見積依頼情報を入力する。見積依頼情報は、少なくとも例えば見積依頼番号等の見積依頼IDを含む情報である。見積依頼情報は、例えば、見積依頼番号、見積依頼先、調達物の納品場所、調達物の物品名称、調達数量などの情報である。見積作成者は、見積依頼情報の各項目を、見積入力画面内の該当欄に入力する。
【0056】
なお、見積入力情報受付部1101は、通信部140により例えば電子メール等により受信した見積依頼に含まれる見積依頼情報を取得し、取得した見積依頼情報を見積入力画面内の該当欄に入力してもよい。
【0057】
(ステップS103) 見積作成者は、見積入力画面上で見積入力情報を入力する。見積入力情報は、例えば、見積内訳の製品の製品名称、見積内訳の製品の仕様項目の内容、見積内訳の製品の数量や単位や見積単価や数量分の見積金額、見積内訳の製品の補足情報などである。
【0058】
(ステップS104) 見積入力情報受付部1101は、仕様項目の取得要か否かを判断する。ステップS103で見積内訳の製品の製品名称が入力された場合、見積入力情報受付部1101は仕様項目の取得要であると判断し(ステップS104、YES)、ステップS105に進む。そうではない場合(ステップS104、NO)、ステップS106に進む。
【0059】
(ステップS105) 見積入力情報受付部1101は、ステップS103で入力された見積内訳の製品の製品名称に対応する仕様項目を製品仕様定義データ1502から取得する。見積入力情報受付部1101は、製品仕様定義データ1502から取得した仕様項目を、当該見積内訳の製品の製品名称に対応する見積入力画面の仕様入力欄に表示する。
【0060】
例えば、ステップS103で見積内訳の製品の製品名称「変圧器」が入力された場合、見積入力情報受付部1101は、
図3の製品仕様定義データ1502から、4つの仕様項目「仕様1:容量(kVA)」、「仕様2:1次/2次電圧(V)」、「仕様3:接続形式」及び「仕様4:塩害区分(号)」を取得して、当該見積内訳の製品の製品名称「変圧器」に対応する見積入力画面の仕様入力欄に表示する。これにより、見積作成者に対して、「変圧器」の仕様項目として当該4つの仕様項目の内容を入力するように求めることができる。見積作成者は、「変圧器」の各仕様入力欄において、各仕様項目の内容を入力する。
【0061】
例えば、ステップS103で見積内訳の製品の製品名称「母線」が入力された場合、見積入力情報受付部1101は、
図3の製品仕様定義データ1502から、2つの仕様項目「仕様1:定格電流(A)」及び「仕様2:定格遮断電流(kA)」を取得して、当該見積内訳の製品の製品名称「母線」に対応する見積入力画面の仕様入力欄に表示する。これにより、見積作成者に対して、「母線」の仕様項目として当該2つの仕様項目の内容を入力するように求めることができる。見積作成者は、「母線」の各仕様入力欄において、各仕様項目の内容を入力する。
【0062】
なお、製品仕様定義データ1502に必須フラグが含まれている場合は、見積入力情報受付部1101は、必須フラグが付加された必須の仕様項目の仕様入力欄に対して、仕様項目の内容の入力が必須であることを示す。例えば、見積入力情報受付部1101は、必須の仕様項目の仕様入力欄を赤色等の強調表示にしたり、必須の仕様項目の仕様入力欄に「入力必須」等のメッセージを表示したりする。これにより、見積作成者に対して、必須の仕様項目を明示して必須の仕様項目の内容を入力するように強く求めることができる。
【0063】
図6は、本実施形態に係る見積入力画面300の構成例である。なお、
図6中の金額等の情報は、説明の便宜上の値であり実際とは異なる。
図6に例示されるように、見積入力画面300上には、見積依頼情報として、見積依頼番号、見積依頼先、調達物の納品場所、調達物の物品名称、調達数量などが表示されている。また、見積入力情報として、見積内訳の製品毎に、製品名称、少なくとも2以上の仕様項目、数量、単位、見積単価、見積金額、補足情報などが表示されている。また、見積内訳の各製品の見積金額の合計が合計見積額として表示されている。また、見積入力画面300上の見積依頼情報及び見積入力情報を登録するための登録ボタンが表示されている。
【0064】
(ステップS106) 見積作成者は、見積入力情報の入力を終えると、見積入力画面300上の登録ボタンを押下する。見積入力情報受付部1101は、登録ボタンが押下されると、見積入力情報の入力完了か否かを所定の判断条件により判断する。本実施形態では、見積入力情報の入力完了の判断条件の一つとして、見積入力情報で指定された製品に関する少なくとも2以上の仕様項目の見積入力情報が見積入力画面の仕様入力欄に入力されていることを設ける。これにより、見積書において見積内訳の製品毎に査定に必要な仕様項目の内容が不足することを防止する。
【0065】
ステップS106の判断の結果、見積入力情報の入力完了である場合はステップS107に進む。一方、見積入力情報の入力完了でない場合はステップS103に戻る。見積入力情報の入力完了でない場合、見積入力情報受付部1101は、未入力の項目があることや未入力の項目(例えば未入力の仕様項目など)を見積作成者に報知するようにしてもよい。例えば、見積入力情報受付部1101は、見積入力画面上へのポップアップ表示によって未入力の項目を報知したり、未入力の項目を赤字等の強調表示にしたりしてもよい。例えば、見積入力情報受付部1101は、未入力の仕様項目の入力を促すメッセージをポップアップ形式で見積入力画面上に表示してもよい。例えば、見積入力情報受付部1101は、未入力の項目のうち見積内訳内の先頭の製品から順番に、入力を促すメッセージをポップアップ形式で見積入力画面上に表示してもよい。
【0066】
(ステップS107) 見積データ作成部1102は、見積入力画面上の見積依頼情報及び見積入力情報を含む見積データを作成する。この見積データ作成部1102が作成した見積データは、見積依頼IDを含むデータである。また、見積データ作成部1102は、見積データに、製品仕様定義データ1502のバージョン情報をさらに含めてもよい。
【0067】
(ステップS108) 見積データ格納部1503は、見積データ作成部1102が作成した見積データを格納する。
【0068】
(ステップS109) 見積データ出力部1103は、見積データ作成部1102が作成して見積査定データ格納部1504に格納された見積データを出力する。例えば、見積データ出力部1103は、通信部140により、見積作成者から指定された宛先へ電子メール等により見積データを送信する。
【0069】
以上が本実施形態に係る調達業務支援方法の見積段階を説明である。
なお、見積入力情報受付部1101は、見積入力情報で指定された見積内訳の製品に関する見積データを見積査定データベース1505から取得し、取得した見積データの情報を過去実績検索画面に表示してもよい。これにより、見積作成者は、過去の見積実績を参考にして見積入力情報を決めることができる。
【0070】
[査定段階]
図5を参照して本実施形態に係る調達業務支援方法の査定段階を説明する。
【0071】
査定者は、調達業務支援装置10を操作して、査定支援メニューを選択する。制御部100は、査定支援メニューが選択されると、
図5の処理を開始する。
【0072】
(ステップS201) 査定入力情報受付部1202は、表示部120に査定入力画面を表示させる。
【0073】
(ステップS202) 査定者は、査定入力画面上で見積依頼情報を入力する。見積依頼情報は、少なくとも例えば見積依頼番号等の見積依頼IDを含む情報である。
【0074】
見積データ取込部1201は、ステップS202で入力された見積依頼IDに関連付けられた見積データを取込む。例えば、見積データ取込部1201は、通信部140により電子メール等で受信した当該見積依頼IDに関連付けられた見積データを取込む。
【0075】
見積データ取込部1201は、取込んだ見積データに製品仕様定義データ1502のバージョン情報が含まれている場合、当該見積データに含まれている製品仕様定義データ1502のバージョン情報が自装置の製品仕様定義データ1502のバージョン情報に一致するかを確認する。この確認の結果、双方のバージョン情報が一致する場合は、以降の処理を進める。
【0076】
一方、双方のバージョン情報が一致しない場合は、その旨を示す警告メッセージを査定入力画面上に表示して査定者に報知する。査定者は、当該見積データの作成に使用された製品仕様定義データ1502のバージョンが本査定に問題ないかを判断する。この判断の結果、問題ない場合は以降の処理を進める。一方、問題ある場合は、本査定を中断する。
【0077】
見積入力情報受付部1101は、見積データ取込部1201が取込んだ見積データを、査定入力画面上に表示する。これにより、査定入力画面上には、当該見積データに含まれる見積依頼情報及び見積入力情報が表示される。
【0078】
(ステップS203) 査定者は、査定入力画面上で査定入力情報を入力する。査定入力情報は、例えば、見積入力情報の見積内訳の製品毎に、見積内訳の製品の数量や単位や見積単価や数量分の金額に対する査定の結果である。
【0079】
図7は、本実施形態に係る査定入力画面400の構成例である。なお、
図7中の金額等の情報は、説明の便宜上の値であり実際とは異なる。
図7に例示されるように、査定入力画面400上には、見積データ取込部1201が取込んだ見積データに含まれる見積依頼情報として、見積依頼番号、見積依頼先、調達物の納品場所、調達物の物品名称、調達数量などが表示されている。また、同様に、見積データ取込部1201が取込んだ見積データに含まれる見積入力情報として、見積内訳の製品毎に、製品名称、少なくとも2以上の仕様項目、数量、単位、見積単価、見積金額、補足情報などが表示されている。また、見積内訳の各製品の見積金額の合計が合計見積額として表示されている。また、査定入力情報として、見積内訳の製品毎に、査定内訳において数量、単位、査定単価、数量分の査定金額などが表示されている。また、査定内訳の各製品の査定金額の合計が合計査定額として表示されている。また、査定入力画面400上の見積依頼情報、見積入力情報及び査定入力情報を登録するための登録ボタンが表示されている。
【0080】
(ステップS204) 査定者は、査定入力情報の入力を終えると、査定入力画面400上の登録ボタンを押下する。査定入力情報受付部1202は、登録ボタンが押下されると、査定入力情報の入力完了か否かを所定の判断条件により判断する。当該判断条件は、例えば、見積内訳の全ての製品に対して査定内訳において数量、単位、査定単価及び数量分の査定金額が入力されていることである。
【0081】
ステップS204の判断の結果、査定入力情報の入力完了である場合はステップS205に進む。一方、査定入力情報の入力完了でない場合はステップS203に戻る。査定入力情報の入力完了でない場合、査定入力情報受付部1202は、未入力の項目があることや未入力の項目を査定者に報知するようにしてもよい。例えば、査定入力情報受付部1202は、査定入力画面上へのポップアップ表示によって未入力の項目を報知したり、未入力の項目を赤字等の強調表示にしたりしてもよい。
【0082】
(ステップS205) 査定データ作成部1203は、査定入力画面上の見積依頼情報、見積入力情報及び査定入力情報を含む査定データを作成する。この査定データ作成部1203が作成した査定データは、見積依頼IDを含むデータである。また、査定データ作成部1203は、査定データに、製品仕様定義データ1502のバージョン情報をさらに含めてもよい。
【0083】
(ステップS206) 査定データ出力部1204は、査定データ作成部1203が作成した査定データを出力する。
【0084】
(ステップS207) 見積査定データ格納部1504は、査定データ作成部1203が作成した査定データを、当該査定データに含まれる見積依頼IDを含む見積データと共に格納する。
【0085】
(ステップS208) データベース制御部1301は、マスターデータベース30に対して、ステップS207で見積査定データ格納部1504に格納された同一見積依頼IDを含む見積データ及び査定データを格納させる。これにより、マスターデータベース30には、新たに作成された同一見積依頼IDを含む見積データ及び査定データが格納される。
【0086】
(ステップS209) データベース制御部1301は、他の調達業務支援装置10で作成された同一見積依頼IDを含む見積データ及び査定データをマスターデータベース30から取得し、取得した見積データ及び査定データを自装置の見積査定データベース1505に格納する。これにより、見積査定データベース1505が更新される。
【0087】
以上が本実施形態に係る調達業務支援方法の査定段階を説明である。
なお、査定入力情報受付部1202は、査定入力画面上で指定された見積内訳の製品に関する査定データを見積査定データベース1505から取得し、取得した査定データの情報を過去実績検索画面に表示してもよい。これにより、査定者は、過去の査定実績を参考にして査定入力情報を決めることができる。
【0088】
上述したように本実施形態によれば、見積書(見積データ)の査定に必要な仕様項目の内容が見積書(見積データ)に含められるので、見積書(見積データ)の査定の効率向上を図る効果が得られる。
【0089】
また、見積査定データベースによって過去の見積実績や査定実績を見積時や査定時に検索して利用できるので、過去の見積実績や査定実績を探す手間が省ける。
【0090】
また、過去の査定実績を簡単に利用できるので、査定のスキルが従来ほど必要ではなくなり、査定者のトレーニング等のコストを軽減することができる。
【0091】
なお、上述した実施形態では、調達業務の一例として電力設備に関する調達業務を挙げたが、電力設備に限定されず、様々な物品に関する調達業務に適用可能である。
【0092】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0093】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0094】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0095】
1…調達業務支援システム、10…調達業務支援装置、30…マスターデータベース、50…通信ネットワーク、100…制御部、120…表示部、130…操作部、140…通信部、150…記憶部、1101…見積入力情報受付部、1102…見積データ作成部、1103…見積データ出力部、1201…見積データ取込部、1202…査定入力情報受付部、1203…査定データ作成部、1204…査定データ出力部、1301…データベース制御部、1501…調達業務支援プログラム、1502…製品仕様定義データ、1503…見積データ格納部、1504…見積査定データ格納部、1505…見積査定データベース