IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ SUSHI TOP MARKETING株式会社の特許一覧

特開2025-13298プログラム、発行済みトークン配布方法
<>
  • 特開-プログラム、発行済みトークン配布方法 図1
  • 特開-プログラム、発行済みトークン配布方法 図2
  • 特開-プログラム、発行済みトークン配布方法 図3
  • 特開-プログラム、発行済みトークン配布方法 図4
  • 特開-プログラム、発行済みトークン配布方法 図5
  • 特開-プログラム、発行済みトークン配布方法 図6
  • 特開-プログラム、発行済みトークン配布方法 図7
  • 特開-プログラム、発行済みトークン配布方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013298
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】プログラム、発行済みトークン配布方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/36 20120101AFI20250117BHJP
【FI】
G06Q20/36 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024112438
(22)【出願日】2024-07-12
(31)【優先権主張番号】P 2023116073
(32)【優先日】2023-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】522077328
【氏名又は名称】SUSHI TOP MARKETING株式会社
(72)【発明者】
【氏名】徳永 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大塚 大輔
【テーマコード(参考)】
5L020
【Fターム(参考)】
5L020AA68
(57)【要約】
【課題】トークンの配布を効果的に支援する。
【解決手段】 ブロックチェーンネットワーク上で流通可能な一のトークンであった発行済の一のトークンの取得又は管理を可能とする所定情報を、取り出し可能に埋め込んだデータ構造、例えばURL(Uniform Resource Locator)を、特定のユーザに対してアクセス可能な状態とする第1処理を、コンピュータに実行させるプログラムが開示される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックチェーンネットワーク上で流通可能な一のトークンであった発行済の一のトークンの取得又は管理を可能とする所定情報を、取り出し可能に埋め込んだデータ構造を、特定のユーザに対してアクセス可能な状態とする第1処理を、コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項2】
前記データ構造は、URL(Uniform Resource Locator)を含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記一のトークンは、前記所定情報に基づき生成された第1のウォレットに紐付けられている、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記所定情報は、秘密鍵に係る情報を含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第1処理は、前記URL又は前記URLの情報を読み取り可能なコードに関して、媒体上に出力する処理、所定端末に送信する処理、及び、表示装置に表示する処理のうちの少なくともいずれ1つの処理を実行することを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第1処理は、特定の商品の購入又はサービスの利用に基づいて実行される、請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第1処理は、記憶装置に記憶された複数の前記URLのうちの、一の前記URLを用いて実行される、請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記URLに対応付けられた表示画面の出力状態において、前記URLに係る前記一のトークンの視覚的情報を出力する出力処理を、更にコンピュータ実行させる、請求項2に記載のプログラム。
【請求項9】
前記URLに対応付けられた表示画面の出力状態において、所定のユーザ入力に応答して、前記一のトークンに係る状態を、ブロックチェーンネットワーク上で前記所定情報を介して管理される第1状態から、ユーザによりアクセス可能な第2のウォレットを介して管理される第2状態へと移行させる第2処理を、更にコンピュータ実行させる、請求項2から8のうちのいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
ブロックチェーンネットワーク上で流通可能な一のトークンであった発行済の一のトークンの取得又は管理を可能とする所定情報を、取り出し可能に埋め込んだデータ構造を、特定のユーザに対してアクセス可能な状態とする、発行済みトークン配布方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、及び発行済みトークン配布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロックチェーン上で管理するトークンの発行方法及び制御方法に関して、電子的かつ中央集権的な仕組みを持たずに価値を表現・移転させることができるビットコインが登場し、これを実現しているブロックチェーン技術が広く広まっている。ビットコインの概念やブロックチェーン技術の理解が進むと共にビットコイン以外に電子的に価値を表現する様々なコインが登場している。これらの価値を持つコインのことを、以下ではトークンと呼ぶ。ブロックチェーン技術の特徴から、発行されたトークンは改ざんすることが非常に困難という特徴を持つ。この特徴を活かし、画像、動画、音声などの様々な電子データの保有者をブロックチェーンに記録して保有者であることを保証・証明するという使い方が広まっている。このような用途で利用されるトークンをNon-Fungible Token(NFT)と呼ぶ。NFTのコンセプト自体は古くからあるが、2017年頃から少しずつ認知され始め、2021年には高額で取引されるものも出てきたこともあり、注目されている。NFTの具体的な利用方法として、無形資産の管理(特許文献1)や契約・ライセンス管理(特許文献2)などが検討されている。従来、権利保有者が中央管理していたシステムからブロックチェーンを活用した分散システムにすることで耐障害性を高めると共に、中央管理者が業務を遂行できなくなっても、問題なく記録済みの情報が利用できるという特徴を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6640320号
【特許文献2】特開2020-68388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現時点ではNFTという技術自体が新しいものであり、その作成には専門家の知見が必要であると共に、事業者もブロックチェーンにおける取引方法を理解しないとNFTのようなトークンを配布すること自体が難しいという課題がある。
【0005】
そこで、本開示は、トークンの配布を効果的に支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面では、ブロックチェーンネットワーク上で流通可能な一のトークンであった発行済の一のトークンの取得又は管理を可能とする所定情報を、取り出し可能に埋め込んだデータ構造を、特定のユーザに対してアクセス可能な状態とする第1処理を、コンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、トークンの配布を効果的に支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施例のシステムの全体の概要を示す説明図である。
図2】トークンソースデータベースに記憶されてよいデータをテーブル形式で示す説明図である。
図3】トークンソーステーブルの説明図である。
図4】トークンビュアーテーブルの説明図である。
図5】配布ページの一例を示す図である。
図6】本実施例による発行済みトークン配布方法の全体の流れを示す概略図である。
図7】秘密鍵の情報が付与される媒体の多様性を示す説明図である。
図8】ウォレット移行プロセスの全体の流れを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
【0010】
図1は、本実施例のシステム1の全体の概要を示す説明図である。
【0011】
以下の説明において、トークンとは、基本的には、NFT(Non-Fungible Token)をさすが、他の形態のトークンを含む概念である。
【0012】
システム1は、各種サーバ10や、ユーザ端末20、コード出力装置30が、ネットワーク3を介して接続されるシステム構成を有する。
【0013】
ネットワーク3は、有線及び/又は無線の任意のネットワークを含む。また、ネットワーク3は、ブロックチェーンネットワークを含んでよい。また、ネットワーク3は、プライベートネットワークと、パブリックネットワークとを含んでよい。
【0014】
各種サーバ10は、各種データベース12にアクセス可能であり、必要な情報を蓄積又は抽出する。
【0015】
本実施例では、一例として、サーバ10は、プライベートネットワーク(プライベートネット)を介してトークンソースデータベース(Token Source DB)121に接続されるトークンソースサーバ(Token Source Server)13と、パブリックネットワークを介してトークンダムチェックデータベース(Token Dam Check DB)122に接続されるトークンダムチェックサーバ(Token Dam Check Server)14とを含む。なお、プライベートネットワークは、NFT発行事業者の社内システムであって、一般のユーザはアクセスできないように運用される。
【0016】
トークンソースサーバ13は、キー(鍵)付きURL(URL With Key)を発行するためのプログラムを動かすサーバである。また、URL配布装置(コード出力装置(Token Dam))30はキー付きURLを配布する装置であり、URL配布装置30には様々なタイプ(Type〇…TypeB、TypeC等)がある。
【0017】
トークンソースサーバ13は所定のプログラムにより、テンポラリアドレスへNFTの配布処理を行う。またトークンソースサーバ13は、キー付きURLを発行ログの管理のためにトークンソースデータベースに記録する。
【0018】
キー付きURLとは、NFT発行事業者が秘密鍵や関連情報を記録したURLのことである。キー付きURLには、クエリパラメータやパスに各種情報 (図2に示すkey(主キー)、テンポラリアドレス(tmp_address)、キャンペーンID(campaign_id)、URL配布装置情報(token_dam))を設定する。なお、本実施例では、キー付きURLを例に挙げて説明するが、これに限らず、URLにはキーを付けない(キー無しURL)ようにしてもよい。また、URLはNFTを配布可能なWebサイト、NFTを配布可能なアプリケーション、NFTを配布可能な装置やサーバ、NFTを配布可能なクラウドサーバ等(以下、配布ページ、またはページという)の所在(配布場所等)を特定可能な情報であればよい。
【0019】
キー付きURLはURL配布装置30に対して設定される。図1では、URL配布装置30はPOS端末の形状をしているが、これに限らず、後述する図7に示すようにPOS(Point of sale)レジ(POS装置)、コンビニエンスストア等の店内に設置されるプリンター、ATM(現金自動預け払い機)等のレシート発券機能を有する装置であればよい。またURL配布装置30は、QRコード(登録商標、以下では省略する)等の二次元コードを表示できる店頭設置用のデバイス、NFC(Near Field Communication)にタッチ(または、かざす)ことでURLの配布が可能な専用デバイスであってもよい。
【0020】
またURL配布装置30を用いず、商品等に付属する(または、印刷、表示される)QRコードが印刷された紙やシール、URLが記憶されたNFCカード(NFC記録媒体)等の薄状媒体によってキー付きURLを配布するようにしてもよい。
【0021】
またURL配布装置30は、決済システムや販売システムの完了画面等においてのQRコード表示、完了後のリダイレクト、ガシャポン(登録商標)等のカプセル自動販売機など様々な方式としてよい。
【0022】
ユーザ端末20は、スマートフォンやタブレット端末のような任意の装置であり、携帯型であってもよいし、固定型であってもよい。ユーザ端末20は、ヘッドマウントディスプレイやスマートグラス、スマートウォッチ等の形態であってもよい。
【0023】
コード出力装置30は、後述する2次元コードであって、ユーザ端末20により読み取り可能な2次元コードを出力する。コード出力装置(URL配布装置)30は、店舗等に配置されるPOS装置など任意であり、その他のいくつかの例は後述する。
【0024】
ユーザはURL配布装置30からキー付きURLを取得する。上述の通り、このキー付きURLにはNFT配布済みの秘密鍵が付属している。キー付きURLには、その後の画面を表示するためのキャンペーンIDも設定されている。キャンペーンIDは、トークンダムチェックサーバからキャンペーンページ(配布ページ)の見た目などの各種情報を追加で取得するために利用する。
【0025】
ユーザがキー付きURLを受け取った際に、URLで開かれるページにジャバスクリプト(JavaScript(登録商標))などでロジックが入っており、NFT配布事業者の公開システム(図1の中ではインターネットと記載されている)と通信する。その際に、キャンペーンIDを送付し、ページ表示内容などに関する情報を取得する。キャンペーンIDから利用するためのページ情報には例えば、後述する図3に示すようなものが考えられる。
【0026】
図2は、トークンソースデータベース121に記憶されるデータをテーブル形式(トークンソーステーブル)で示す説明図である。
【0027】
トークンソースデータベース121に記憶されるトークンソーステーブルの一例を示す図である。トークンソーステーブルはキー付きURLに設定するパラメータ情報である。トークンソーステーブルには、キー(主キー(キー付きURL))ごとに、テンポラリアドレス(tmp_address)、キャンペーンID(campaign_id)、及びURL配布装置情報(token_dam)を含む。ユーザはURL配布装置30からキー付きURLを取得する。このキー付きURLにはNFT配布済みの秘密鍵が付属している。また、その後の画面を表示するためのキャンペーンID(配布ページID)も付属している。キャンペーンIDを利用してトークンダムチェックサーバ14と連携することで、キャンペーンページ(配布ページ)の見た目などの各種情報を追加で取得する。なお、キー付きURLの必須パラメータは秘密鍵(key)およびキャンペーンIDである。秘密鍵はNFTの一時保管および送付に利用する。
【0028】
またオプションの情報として、URL配布装置情報(token_dam)とテンポラリアドレス(tmp_address)を含む。これらはNFT発行事業者の管理用情報である。URL配布装置情報は、発行したURLをどのURL配布装置30に保存したかを示す情報である。また、テンポラリアドレスは、秘密鍵から導出することができるが、NFT発行事業者の管理上、識別をしやすくするためにトークンソーステーブルに含めるようにしている。
【0029】
図3は、トークンダムチェックデータベース122に記憶されるデータをテーブル形式(トークンビュアーテーブル)で示す説明図である。
【0030】
トークンビュアーテーブルは、テンポラリアドレス(tmp_address)(主キー)ごとに、キャンペーンID(campaign_id)、トークンダム(token_dam)、チェーン(chain)、コントラクトアドレス(contract address)、プリントメッセージ(print_message)、システムメッセージ(system_message)、及び設定URL(setting_url)を含む。
【0031】
トークンビュアーテーブルのデータとキー付きURLのパラメータによって、ユーザの端末上に一時利用する秘密鍵、取得したNFT、配布ページの見た目、配布情報が揃う。その後、ユーザがメインで使っているウォレットアドレスを入力すれば、そのアドレスへの指定したNFTの保存が可能となる。なお、配布ページの見た目の例は図5に示し、動作概要図は図6に示し、保存の具体的なロジックは図8に示している。
【0032】
一時アドレスであるテンポラリアドレスは、データベース検索の際の主キーである。また、トークンダムチェックデータベースはインターネットに公開されている装置であるため、URL設定パラメータの秘密鍵(key)は中に含まない。トークンダムチェックデータベース内のテーブルをテンポラリアドレスで検索し、NFTのコントラクトアドレス(contractaddress)などを取得する。
【0033】
システム上のパラメータはコントラクトアドレスとブロックチェーン(chain)であり、コントラクトアドレスはNFTのコントラクトアドレス、ブロックチェーンは利用するブロックチェーンのIDである。ブロックチェーンのIDとNFTのコントラクトアドレスをもとに取得したNFTを判定し、図8に示すような所有ウォレット変更の要求をブロックチェーンに送る。
【0034】
表示用のパラメータには、プリントメッセージ(print_message)、システムメッセージ(system_message)、セッティングURL(setting_url)がある。プリントメッセージはURL配布装置30等の電子機器に対して動的に活用するメッセージなどであり、システムメッセージはURL配布装置30等が高度な処理をする際の条件判定フラグである。セッティングURLはユーザの端末上に表示される画面のデザインや機能になる情報である。なお、その他情報として、NFT発行事業者の管理用情報である、キャンペーンID(campaign_id)とURL配布装置情報(token_dam)の管理用情報等がある。
【0035】
本実施例では、キーは、秘密鍵に対応する。テンポラリアドレスは、キーに基づいて生成されるキー固有のアドレスである。テンポラリアドレスは、ウォレット(第1のウォレットの一例)として機能する。以下では、テンポラリアドレスに係るウォレットを、使い捨て型ウォレットとも称する。
【0036】
本実施例では、使い捨て型ウォレットには、発行済のトークンがあらかじめ対応付けられている。すなわち、使い捨て型ウォレット内には、概念的には、発行済のトークンが入っている。このように本実施例では、発行済のトークンと使い捨て型ウォレットとキー(秘密鍵)とがセットとなった状態で準備される。なお、一のキーに対して、一のウォレットを介して一のトークンが対応付けられるが、複数のトークンが対応付けられてもよい。すなわち、使い捨て型ウォレット内には、概念的には、発行済のトークンが2つ以上入っていてもよい。
【0037】
キャンペーンIDは、トークンの配布に関連するキャンペーンを特定するためのIDである。なお、キャンペーンに伴わずに発行されるトークンが存在してもよく、その場合は、キャンペーンIDは省略されてよい。トークンダムは、トークンの配布を行う装置(コード出力装置30)を特定するための情報である。トークンは、コード出力装置30を介して配布される。トークンダムは、どのコード出力装置30を介して配布するかを、示す情報である。
【0038】
チェーンは、利用するブロックチェーンネットワークを特定するための情報であり、コントラクトアドレスは、対応するスマートコントラクトが実装されているアドレスを表す。スマートコントラクトは、対応するトークンを表示させる機能を有するとともに、署名の正当性を検証する機能を有する。プリントメッセージは、コード出力装置30により出力される媒体に印刷されるメッセージを表す。この場合、プリントメッセージは、媒体が紙媒体のような印刷可能な場合だけ設定されてもよい。システムメッセージは、システム上で利用する情報であり、例えばトークンの属性等を表してよい。設定URLは、トークンの配布ページの設定内容を表す。配布ページは、コード出力装置30により出力された2次元コードを読み込むことでアクセス可能なページである。
【0039】
設定URLは、トークンの配布ページを出力するための任意の設定内容を含んでよい。例えば、設定URLは、図4に示すような情報を含んでよい。図4に示す例では、設定URLは、配布したトークンを表示するとともに、ユーザが必要に応じて当該トークンを推奨ウォレットに移行させるための画面である。この場合、移行先のウォレット(Wallettypearray)や、ツイートメッセージ(isTweetButton,insertTweetText)、移行中に出力してよい動画情報(nftReceivingMovieUrl)、移行後の開くページ(web3layerUrl)、広告主メッセージ(campaignMessage)、リダイレクトする場合にはリダイレクト先(redirectTarget)等を含んでよい。
【0040】
図5は、配布ページの一例を示す図である。図5では、スマートフォンのようなユーザ端末20上に表示されている配布ページが概略的に示されている。
【0041】
図5に示す例では、配布ページは、トークン表示部G500と、第1メッセージ表示部G501と、移行ボタンB510と、第2メッセージ表示部G502と、広告表示部G503とを含む。
【0042】
トークン表示部G500は、配布済トークンを表示する領域であってよい。配布済トークンの画像データは、対応するスマートコントラクトを介して取得されてよい。対応するスマートコントラクトは、対応するキーに基づいて、テンポラリアドレスを復元し、復元したテンポラリアドレスに対応付けられているトークン(配布済)の画像データを取得してよい。
【0043】
第1メッセージ表示部G501は、受信済などのメッセージを表示する領域であってよい。
【0044】
移行ボタンB510は、ユーザが推奨ウォレットに、表示されているトークンを移行させることを望む場合に操作されるボタンである。すなわち、ユーザは、移行ボタンB510を操作すれば、表示されているトークンを、推奨ウォレットに移行させることができる。なお、推奨ウォレットは、設定URLの内容(図4参照)に基づくウォレットである。推奨ウォレットは、例えば、キャンペーンでおすすめのウォレット等であってよい。
【0045】
第2メッセージ表示部G502は、その他の任意のメッセージを表示する領域であってよい。例えば、第2メッセージ表示部G502は、表示されているトークンの説明を含んでもよい。
【0046】
なお、本実施例において、配布対象のトークンには、何らかの機能(例えばクーポン機能など)を有してもよい。この場合、第2メッセージ表示部G502は、トークンの機能や使い方などの説明を含んでもよい。
【0047】
広告表示部G503は、広告情報を表示する。広告情報は、メッセージ、動画、静止画、AR情報、音声、音楽、HTMLによる動的表現、又はこれらの任意の組み合わせにより生成されてもよい。広告情報は、配布元の広告主に関連してよいし、別の広告主、又は他の情報発信者に関連してもよい。また、広告情報に係る広告は、有料であってもよいし、無料であってもよい。
【0048】
また、別の実施例では、広告情報に代えて又は加えて、広告とはいえないレベルの類似情報を出力してもよい。この場合も、類似情報は、メッセージ、動画、静止画、AR情報、音声、音楽、HTMLによる動的表現、又はこれらの任意の組み合わせにより生成されてもよい。また、更なる別の実施例では、広告情報やその類似情報に代えて、所定情報を知らせるための特定情報を同様の態様で出力することも可能である。
【0049】
なお、広告表示部G503等の広告情報は、図4に示したような設定URLの内容に応じて決まる。従って、広告表示部G503等の広告情報は、設定URLの内容を生成する際に所望の広告情報とすることや、設定URLの内容を変更することで事後的に所望の広告情報に変更すること等が可能である。これは、第1メッセージ表示部G501や第2メッセージ表示部G502に係るメッセージの内容等も同様である。
【0050】
なお、図5に示すような配布ページは、設定URLの設定内容に応じて変化するので、カスタマイズが可能である。
【0051】
図6は、本実施例による発行済みトークン配布方法の全体の流れを示す概略図である。
【0052】
図6に示す例では、店舗でユーザに対してレシートが発行される。レシートは、例えば商品の購入時に発行されるレシートである。レシートには、図中の“レシート発行内容”に示すように、QRコードと、メッセージが含まれる。QRコードには、発行済みトークンが対応付けられている使い捨て型ウォレットを取得可能な秘密鍵の情報が含められている。メッセージには、例えば広告主からのメッセージなどが含められてよい。ユーザが、レシートにプリントされたQRコードをスマートフォン等で読み取ると、QRコードから得られる秘密鍵に基づいて、発行済みトークンが対応付けられている使い捨て型ウォレットが取得され、図5に示したような画面がスマートフォン等で表示される。
【0053】
なお、図6では、発行済みトークンが対応付けられている使い捨て型ウォレットを取得可能な秘密鍵の情報が付与される媒体は、POSレジのレシートの形態であったが、任意である。例えば、図7に模式的に示すように、媒体は、コンビニエンスストア等に設置されてよいプリンター等から出力される紙媒体や、ガチャ等で得られるカプセル内の紙媒体、シール媒体、任意の形態の表示装置(表示媒体)、通信に用いられる電磁波等を含んでよい。なお、通信は、NFC(Near Field Communication)等のような近距離通信等であってよい。また、表示媒体の場合、決済後に秘密鍵の情報(QRコード)が表示されてもよい。
【0054】
図8は、発行済みトークンが対応付けられているウォレットを、使い捨て型ウォレットから他のウォレットに変更(移行)する際のプロセスの全体の流れを示す概略図である。
【0055】
図8では、ユーザと、専用サーバと、スマートコントラクト(「NFTコントラクト」と表記)とが動作主体として示されている。なお、ユーザの動作は、ユーザがスマートフォン等のようなユーザ端末を介して実現される。
【0056】
ユーザは、まず、上述したように、店舗等で商品を購入することで得たレシート状のQRコードを読み込むことで、秘密鍵から使い捨て型ウォレットが復元され、図5に示したような画面をユーザ端末上で表示される。そして、ユーザが移行ボタンB510(図5参照)を操作すると、使い捨て型ウォレットからNFT保有者の署名を取得し、専用サーバを介して、スマートコントラクトが呼び出される。この場合、スマートコントラクトは、署名の正当性を判定する。そして、署名の正当性が確認されると、トークンの移行が実現される。このように、テンポラリウォレットでトークンを保有しているユーザからの移行要求があった場合のみ、ブロックチェーンのガス代をユーザが気にせずにトークンを移行可能である。
【0057】
以上のように、本実施例によれば、ユーザは、以下で説明する本件サービスを利用して、簡単な作業を行うだけでトークンの配布を行うことができる。本実施例では、あるユーザへのあるトークンの配布とは、そのユーザがそのトークンの所有権を有する状態を構築することを意味する。また、そのユーザへのそのトークンの所有権の設定は、そのトークンに対応するスマートコントラクト内で、そのトークンのIDとそのユーザのアドレス(基本的にはウォレットアドレス)とが対応付けられることによって行われる。
【0058】
また、本実施例では、発行済みのトークンを配布でき、また、図7に示すような各種媒体を介してトークンを取得可能な秘密鍵を配布できるので、配布に係る仕組みの拡張性を高めることができる。
【0059】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0060】
例えば、上述した実施例において、発行済みトークンは、店舗などで利用可能なクーポンやチケットのような役割を有してもよい。この場合、一の商品を購入して得られるレシートを介して取得される発行済みトークンは、当該一の商品又はそれに関連する商品を次回購入する際の割引クーポンとして利用可能とされてもよい。この場合、一の商品を購入して得られるレシートを介して取得される発行済みトークンは、商品が同じであれば同じであってもよいし、異なってもよい(例えば割引率が異なる複数種類の発行済みトークンが用意されてもよい)。
【0061】
ここで、本実施例に開示された発明の一部を記載しておく。
【0062】
ブロックチェーンネットワーク上で流通可能な一のトークンであった発行済の一のトークンの取得又は管理を可能とする所定情報を、取り出し可能に埋め込んだデータ構造を、特定のユーザに対してアクセス可能な状態とする第1処理を、コンピュータに実行させるプログラムの発明1。
【0063】
前記データ構造は、URL(Uniform Resource Locator)を含む、発明1に記載のプログラムの発明2。
【0064】
前記一のトークンは、前記所定情報に基づき生成された第1のウォレットに紐付けられている、発明1に記載のプログラムの発明3。
【0065】
前記所定情報は、秘密鍵に係る情報を含む、発明1に記載のプログラムの発明4。
【0066】
前記第1処理は、前記URL又は前記URLの情報を読み取り可能なコードに関して、媒体上に出力する処理、所定端末に送信する処理、及び、表示装置に表示する処理のうちの少なくともいずれ1つの処理を実行することを含む、発明1に記載のプログラムの発明5。
【0067】
前記第1処理は、特定の商品の購入又はサービスの利用に基づいて実行される、発明1に記載のプログラムの発明6。
【0068】
前記第1処理は、記憶装置に記憶された複数の前記URLのうちの、一の前記URLを用いて実行される、発明1に記載のプログラムの発明7。
【0069】
前記URLに対応付けられた表示画面の出力状態において、前記URLに係る前記一のトークンの視覚的情報を出力する出力処理を、更にコンピュータ実行させる、発明1に記載のプログラムの発明8。
【0070】
前記URLに対応付けられた表示画面の出力状態において、所定のユーザ入力に応答して、前記一のトークンに係る状態を、ブロックチェーンネットワーク上で前記所定情報を介して管理される第1状態から、ユーザによりアクセス可能な第2のウォレットを介して管理される第2状態へと移行させる第2処理を、更にコンピュータ実行させる、発明2から8のうちのいずれかの発明に記載のプログラムの発明10。
【0071】
ブロックチェーンネットワーク上で流通可能な一のトークンであった発行済の一のトークンの取得又は管理を可能とする所定情報を、取り出し可能に埋め込んだデータ構造を、特定のユーザに対してアクセス可能な状態とする、発行済みトークン配布方法の発明10。
【符号の説明】
【0072】
1 システム
3 ネットワーク
10 サーバ
12 データベース
13 トークンソースサーバ
14 チェックサーバ
20 ユーザ端末
30 コード出力装置
121 トークンソースデータベース
122 チェックデータベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8