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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013318
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】物品ピッキングロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/02 20060101AFI20250117BHJP
   B25J 15/08 20060101ALI20250117BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20250117BHJP
   B25J 15/00 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
B25J9/02 A
B25J15/08 C
B25J5/00 A
B25J15/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024112929
(22)【出願日】2024-07-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2025-01-06
(31)【優先権主張番号】202310858132.7
(32)【優先日】2023-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524267316
【氏名又は名称】馳逸自動化科技(蘇州)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】周 逸
(72)【発明者】
【氏名】周 英浩
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707BS02
3C707BT14
3C707CS08
3C707DS01
3C707ES03
3C707ET08
3C707EU11
3C707EV10
3C707HS13
3C707HS27
3C707HT03
3C707HT21
3C707KS30
3C707KS34
3C707KX08
3C707LV08
3C707WA16
(57)【要約】
【課題】 物品ピッキングロボットを提供すること。
【解決手段】 走行機構を備え、前記走行機構の頂部には水平に配置した多段の棚板である収納機構が設けられ、前記収納機構の両側に同じリフティング横行機構が設けられ、前記リフティング横行機構の底部にロボットハンド機構が設けられる。本発明は、リフティング横行機構によりロボットハンド機構を移動させ、ロボットハンド機構を通じて物品をピックアップし、ロボットハンド機構がピックアップした時、全体を下方に伸ばして把持できるため、操作が簡単かつ迅速であり、その後リフティング横行機構は物品をピックアップした後のロボットハンド機構を収納機構に近づかせ、対応する棚板まで上昇してから、ロボットハンド機構を棚板の真上まで横移動させ、ロボットハンド機構を開き、収納機構が多段になっているため、一度により多くの物品を運ぶことができ、ピッキング能力が向上する。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂部に水平に配置した多段の棚板(2)である収納機構を設ける走行機構(1)を備えた物品ピッキングロボットであって、前記収納機構の両側に同じリフティング横行機構(3)が設けられ、前記リフティング横行機構(3)の底部にロボットハンド機構(4)が設けられ、
前記リフティング横行機構(3)は、前記棚板(2)の両側にそれぞれ取り付けられた2つの垂直ガイドレール(31)を備え、2つの前記垂直ガイドレール(31)の摺動部材の前側には横向きの油圧シリンダ(32)が設けられ、2つの前記横向きの油圧シリンダ(32)の前側には同じ支持板(33)が設けられ、前記支持板(33)の底部に制限板(34)が水平に貫装され、前記制限板(34)の頂部に歯部(35)が設けられ、前記支持板(33)の頂部に駆動モータ(36)が設けられ、前記駆動モータ(36)の出力軸の端部にメインギア(37)が設けられ、前記支持板(33)の頂部に貫通溝が設けられ、前記メインギア(37)は前記支持板(33)の頂部から前記貫通溝に下向きに埋め込まれ、前記制限板(34)の頂部の前記歯部(35)と噛み合い、
各段の前記棚板(2)の底部には、ギアチェーン構造(5)が設けられ、前記ギアチェーン構造(5)は2組で、2組の間にパワーロッド(6)が設けられ、前記パワーロッド(6)の中央には、前記制限板(34)頂部の前記歯部(35)に対応するサブギア(7)が嵌め込み装着され、前記ギアチェーン構造(5)の底部に吊り下げられた補助板(8)が設けられる
ことを特徴とする、物品ピッキングロボット。
【請求項2】
前記ロボットハンド機構(4)は、本体プレート(41)を備え、前記本体プレート(41)の頂部に縦向きの油圧シリンダ(42)が設けられ、前記縦向きの油圧シリンダ(42)は前記制限板(34)の底面に取り付けられ、前記本体プレート(41)の底部に摺動溝が設けられ、前記摺動溝内に2つのスライダ(43)が設けられ、前記スライダ(43)の底部に把持爪(44)が設けられ、2つの前記スライダ(43)の反対側に前記摺動溝の両端に連結固定された復帰バネ(45)がそれぞれ設けられ、前記スライダ(43)の前記支持板(33)底部中央に近い側にワイヤロープ(46)が設けられ、前記ワイヤロープ(46)の頂端は前記制限板(34)の底面に連結固定され、前記ワイヤロープ(46)のコーナー部に制限ローラが設けられる
請求項1に記載の物品ピッキングロボット。
【請求項3】
前記補助板(8)の頂部には、T字板(9)が設けられ、前記T字板(9)の頂端は対応する前記棚板(2)の底部に摺動可能に連結され、前記T字板(9)は前記棚板(2)の底部で前後に摺動でき、前記T字板(9)の表面にボールが埋め込まれる
請求項1に記載の物品ピッキングロボット。
【請求項4】
2つの前記把持爪(44)の対向する面にゴムパッド(10)が設けられ、前記ゴムパッド(10)の表面に凹溝が穿設される
請求項2に記載の物品ピッキングロボット。
【請求項5】
2つの前記把持爪(44)の底端には、インジケータロッド(11)が水平に差し込まれ、2つの前記把持爪(44)の反対側には直角板(12)が設けられ、前記直角板(12)の前記インジケータロッド(11)に近い表面に圧力センサ(13)が設けられ、前記圧力センサ(13)の高さは前記インジケータロッド(11)の高さと同じである
請求項2に記載の物品ピッキングロボット。
【請求項6】
前記インジケータロッド(11)の外側に水平バネ(14)が嵌め込み装着され、前記水平バネ(14)が復元状態にあるとき、前記インジケータロッド(11)の一端は前記把持爪(44)の内部に完全に位置し、他端は2つの前記把持爪(44)の間に延びる
請求項5に記載の物品ピッキングロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットの技術分野に関し、特に、物品ピッキングロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
現代化された物流業界の飛速な発展、自動化技術、コンピュータ技術等のハイテクに伴い徐々に工業設計の過程に取り入れられ、産業用ロボットは、デジタルメカトロニクス機器の代表格であり、高い技術的付加価値と幅広い応用範囲を有し、最先端の製造業のキーテクノロジー及び情報化社会における新興産業であり、工業や将来の生産と社会の発展にとって非常に重要な役割を果たしている。ロボットのピックアップ及び操作では通常、1つの物品に対して1つのロボットグリッパを配置し、1つの物品のピックアンドプレースを実現する。
【0003】
ロボットのロボットハンドで作業する際、ロボットハンドを介して物品を把持するとき、ロボットアームはまずロボットハンドを物品の上方に位置させてからロボットハンドを下降させ、ロボットハンドで物品を把持し、最後にロボットハンドは物品を移載機構に入れ、このプロセスではロボットハンドによる物品把持の安定性を確保する必要がある。
【0004】
特許文献1では、ロボットによる高速かつ多品種の物品ピッキング装置及び方法であって、制御キャビネットと、ピッキングロボットと、移載機構と、保管用ケース、搬送ライン及び搬送ライン上に設けられたピッキングケースとを備え;前記ピッキングロボットは、搬送ラインの一側に設けられ、移載機構内に取り付けられ、保管用ケース内の物品をピッキングケースにピッキングするために用いられ;前記移載機構には保管用ケースが設けられ、移載機構は制御キャビネットに接続され、物品情報を受信し、保管用ケースをピッキングロボットのピックアップ範囲内に搬送するために用いられ;前記制御キャビネットは、ケーブルを通じてピッキングロボット及び移載機構にそれぞれ接続され、ピッキングロボットを制御して物品をピッキングし、物品情報を移載機構に送信するために用いられ、この発明は作業区域における保管用ケースの交換作業及びピッキング作業を物理的に隔離し、相互に干渉することなく並行して実行できるため、多品種少量注文の物品仕分け作業の高速かつ連続的な進行を保証し、物品の仕分け作業の速度及び効率をアップさせると開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1の装置は、多品種の物品をピッキングするため、装置の柔軟性を捨てたため、装置の固定化が生じ、複雑な作業環境において大きなスペースを取り、実用性に乏しいものとなっていた。
【0006】
故に、装置を固定せずに柔軟にするだけでなく、異なる種類の物品を同時にピッキングでき、一度により多量の物品をピッキングできる物品ピッキングロボットを発明する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】中国特許第CN114643205A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の問題点に着目し、上述の背景技術中で言及された課題を解決するため、物品ピッキングロボットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、次のような技術的手段を提示する。頂部に水平に配置した多段の棚板である収納機構を設ける走行機構を備えた物品ピッキングロボットであって、前記収納機構の両側に同じリフティング横行機構が設けられ、前記リフティング横行機構の底部にロボットハンド機構が設けられる。
【0010】
好ましくは、前記リフティング横行機構は、棚板の両側にそれぞれ取り付けられた2つの垂直ガイドレールを備え、2つの垂直ガイドレールの摺動部材の前側には横向きの油圧シリンダが設けられ、2つの横向きの油圧シリンダの前側には同じ支持板が設けられ、支持板の底部に制限板が水平に貫装され、制限板の頂部に歯部が設けられ、支持板の頂部に駆動モータが設けられ、駆動モータの出力軸の端部にメインギアが設けられ、前記支持板の頂部に貫通溝が設けられ、メインギアは支持板の頂部から貫通溝に下向きに埋め込まれ、制限板の頂部の歯部と噛み合う。
【0011】
好ましくは、前記ロボットハンド機構は、本体プレートを備え、本体プレートの頂部に縦向きの油圧シリンダが設けられ、縦向きの油圧シリンダは制限板の底面に取り付けられ、本体プレートの底部に摺動溝が設けられ、摺動溝内に2つのスライダが設けられ、スライダの底部に把持爪が設けられ、2つのスライダの反対側に摺動溝の両端に連結固定された復帰バネがそれぞれ設けられ、スライダの支持板底部中央に近い側にワイヤロープが設けられ、ワイヤロープの頂端は制限板の底面に連結固定され、ワイヤロープのコーナー部に制限ローラが設けられる。
【0012】
好ましくは、各段の前記棚板の底部には、ギアチェーン構造が設けられ、ギアチェーン構造は2組で、2組の間にパワーロッドが設けられ、パワーロッドの中央には、制限板頂部の歯部に対応するサブギアが嵌め込み装着され、ギアチェーン構造の底部に吊り下げられた補助板が設けられる。
【0013】
好ましくは、前記補助板の頂部には、T字板が設けられ、T字板の頂端は対応する棚板の底部に摺動可能に連結され、T字板は棚板の前端に近く、T字板の表面にボールが埋め込まれる。
【0014】
好ましくは、2つの前記把持爪の対向する面にゴムパッドが設けられ、ゴムパッドの表面に凹溝が穿設される。
【0015】
好ましくは、2つの前記把持爪の底端には、インジケータロッドが水平に差し込まれ、2つの把持爪の反対側には直角板が設けられ、直角板の表面のインジケータロッドの高さと同じ位置に圧力センサが設けられる。
【0016】
好ましくは、前記インジケータロッドの外側に水平バネが嵌め込み装着され、水平バネが復元状態にあるとき、インジケータロッドの一端は把持爪の内部に完全に位置し、他端は2つの把持爪の間に延びる。
【0017】
本発明の技術的効果及び利点は、次の通りである。
【0018】
1、本発明は、リフティング横行機構によりロボットハンド機構を移動させ、ロボットハンド機構を通じて物品をピックアップし、ロボットハンド機構がピックアップした時、全体を下方に伸ばして把持できるため、操作が簡単かつ迅速であり、その後リフティング横行機構は物品をピックアップした後のロボットハンド機構を収納機構に近づかせ、対応する棚板まで上昇してから、ロボットハンド機構を棚板の真上まで横移動させ、ロボットハンド機構を開き、収納機構が多段になっているため、一度により多くの物品を運ぶことができ、ピッキング能力が向上する。
【0019】
2、本発明は、制限板頂部の歯部がメインギアを回転させることで、ギアチェーン構造が動作するよう動かせ、ギアチェーン構造は物品を収納した底部の補助板を後方に移動し、最終的に大きな物品を収納できる十分なスペースが棚板の真上に残り、小さな物品を後方に動かせると共に大きな物品を棚板の表面に送るのは、一度の動作だけで済み、より効率的である。また、小さな物品が後側補助板の頂部にあり、大きな物品が棚板の頂部にあるため、物品のピッキングの種類が増え、物品の整然とした収納が容易になり、実用性がより良好になる。
【0020】
3、本発明の収納機構とロボットハンド機構は、一体化した設計であり、移動と走行を同時に容易にし、装置の柔軟性を向上させ、複雑な現場作業環境により適している。本発明のロボットハンド機構は、インジケータロッドの設計によりオペレータは物品が把持されているかどうかを判断することを容易にし、物品の移動過程中に物品が把持されなかったことによる物品の損傷事故の発生可能性を低減する。
【0021】
4、本発明は、T字板の工夫により補助板をより安定させ、より多くの物品を収納と共に物品の収納の安定性を向上させる。
【0022】
以下、本発明の実施形態又は従来技術内の技術的手段を明確に説明するため、実施形態又は従来技術の描写に使用する必要がある添付図面を簡単に説明する。以下に描写する添付図面は、本発明のいくつかの実施形態というのみであり、当業者にとって創造性の活動をしない前提で、これら添付図面に基づいてその他の添付図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の物品ピッキングロボットの概略立体図である。
図2】本発明の物品ピッキングロボットの正面図である。
図3】本発明内の図2の部位Aの拡大図である。
図4】本発明内のロボットハンド機構の正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態の目的、技術的手段及び利点をより明確かつ明白するため、以下、本発明の実施形態の図面を参照しつつ本発明の実施形態中の技術的手段を明確かつ詳細に説明するが、説明する実施形態は本発明の一部の実施形態であり、全ての実施形態でないことは言うまでもない。本発明中の実施形態に基づいて、当業者は創造性の活動をしない前提で得られた全ての他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0025】
本発明の説明において、用語「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などが示した方位又は位置関係は、図面に基づいて示した方位又は位置関係であり、単に本発明を簡単に説明しやすくするためであり、示された装置又は部材が必ず特定の方位を有し、又は特定の方位で構成され操作することと指示又は示唆するものではないので、本発明に対する限定と理解してはいけない。また、本発明の説明において、「複数」とは、特に明確に限定しない限り、2つ以上を意味する。
【0026】
本発明は、図1図4に示すように、走行機構を備えた物品ピッキングロボットを提供する。走行機構1は、自在車輪であり、走行機構1の頂部には水平に配置した多段の棚板2である収納機構が設けられ、前記収納機構の両側に同じリフティング横行機構3が設けられ、前記リフティング横行機構3の底部にロボットハンド機構4が設けられる。
【0027】
リフティング横行機構3によりロボットハンド機構4を移動させ、ロボットハンド機構4を通じて物品をピックアップし、ロボットハンド機構4がピックアップした時、全体を下方に伸ばして把持できるため、操作が簡単かつ迅速であり、その後リフティング横行機構は物品をピックアップした後のロボットハンド機構4を収納機構に近づかせ、対応する棚板2まで上昇してから、ロボットハンド機構4を棚板2の真上まで横移動させ、ロボットハンド機構4を開き、収納機構が多段になっているため、一度により多くの物品を運ぶことができ、ピッキング能力が向上する。
【0028】
図1図3を参照すると、前記リフティング横行機構3は、棚板2の両側にそれぞれ取り付けられた2つの電子制御式スライドレール等の動力付きリニアガイドである垂直ガイドレール31を備え、2つの垂直ガイドレール31の摺動部材の前側には横向きの油圧シリンダ32が設けられ、2つの横向きの油圧シリンダ32の前側には同じ支持板33が設けられ、支持板33の底部に制限板34が水平に貫装され、制限板34の頂部は歯部35となり、支持板33の頂部に駆動モータ36が設けられ、駆動モータ36の出力軸の端部にメインギア37が設けられ、前記支持板33の頂部に貫通溝が設けられ、メインギア37は支持板33の頂部から貫通溝に下向きに埋め込まれ、制限板34の頂部の歯部35と噛み合う。
【0029】
リフティング横行機構3が動作する時、垂直ガイドレール31を介して横向きの油圧シリンダ32の前端にある支持板33を上下動させることができるため、底部のロボットハンド機構4を上下動させ、横向きの油圧シリンダ32が支持板33を押すことができるため、底部のロボットハンド機構4を棚板2から離反させ、ロボットハンド機構4が遠い場所の物品をピックアップするようにさせ、ピックアップが完了した後、横向きの油圧シリンダ32がロボットハンド機構4を駆動して棚板2に近づかせ、最後に駆動モータ36によりメインギア37を回転駆動し、メインギア37が制限板34を水平移動させて、ロボットハンド機構4及び底部の物品を棚板2の真上に到達させ、物品を解放すると物品の収納を完了する。
【0030】
図1図4を参照すると、前記ロボットハンド機構4は、本体プレート41を備え、本体プレート41の頂部に縦向きの油圧シリンダ42が設けられ、縦向きの油圧シリンダ42は制限板34の底面に取り付けられ、縦向きの油圧シリンダ42の底端と制限板34と間の距離を減少するため、縦向きの油圧シリンダ42の頂部が制限板34内に埋め込まれ、 本体プレート41の底部に摺動溝が設けられ、摺動溝内に2つのスライダ43が設けられ、スライダ43の底部に把持爪44が設けられ、2つの前記把持爪44の対向する面にゴムパッド10が設けられ、ゴムパッド10の表面に凹溝が穿設され、把持爪44の表面のゴムパッド10は、把持時に変形できるため、物品への損傷を低減し、摩擦力を高めることができ、また凹溝を穿設することにより、ゴムパッド10が変形した時、凹溝内の空気を逃がすことができ、負圧吸引の効果を働かせ、把持の安定性が向上する。2つのスライダ43の反対側に摺動溝の両端に連結固定された復帰バネ45がそれぞれ設けられ、スライダの支持板33底部中央に近い側にワイヤロープ46が設けられ、ワイヤロープ46の頂端は制限板34の底面に連結固定され、ワイヤロープ46のコーナー部に制限ローラが設けられる。
【0031】
ロボットハンド機構4が物品をピックアップする時、縦向きの油圧シリンダ42を介して本体プレート41を押して移動し、本体プレート41が下方に移動する際にスライダ43はワイヤロープ46により引っ張られて2つのスライダ43を互いに接近させ、最後にスライダ43が把持爪44を動かせて物品を把持し、縦向きの油圧シリンダ42を下方に移動させるだけで、物品を把持できるため、操作もより簡単である。
【0032】
図2図3を参照すると、各段の前記棚板2の底部には、ギアチェーン構造5が設けられ、ギアチェーン構造5は2組で、2組の間にパワーロッド6が設けられ、パワーロッド6の中央には、制限板34頂部の歯部35に対応するサブギア7が嵌め込み装着され、ギアチェーン構造5の底部に吊り下げられた補助板8が設けられる。
【0033】
ピッキングする時、まずロボットハンド機構4により小さな物品をピッキングし、このとき、垂直ガイドレール31はロボットハンド機構4を歯部35がサブギア7より低い高さまで移動させ、駆動モータ36はメインギア37を介して制限板34を棚板2の頂部に動かせたとき、歯部35がサブギア7に接触しないため、ギアチェーン構造5は動作せず、補助板88が元の位置にあり、その後把持爪44を解放し、小さい物品を補助板8上にプレースし、その後ロボットハンド機構4により大きな物品をピッキングし、垂直ガイドレール31を介してロボットハンド機構4を歯部35がサブギア7と面一になる高さまで移動させ、再び駆動モータ36によりメインギア37を駆動して制限板34を動かせた時、制限板34の頂部の歯部35がサブギア7を回転させることでギアチェーン構造5を動作させ、ギアチェーン構造5は物品を収納した頂部の補助板8を後方に移動し、最終的に大きな物品を収納できる十分なスペースが棚板2の真上に残り、小さな物品を後方に動かせると共に大きな物品を棚板2の表面に送るのは、一度の動作だけで済み、より効率的である。また、小さな物品が後側補助板8の頂部にあり、大きな物品が棚板2の頂部にあるため、物品のピッキング量が増え、物品の整然とした収納が確保され、実用性がより良好になる。
【0034】
図1図2を参照すると、前記補助板8の頂部には、T字板9が設けられ、T字板9の頂端は対応する棚板2の底部に摺動可能に連結され、T字板9は棚板2の前端に近く、T字板9の表面にボールが埋め込まれる。
【0035】
T字板9は、棚板2の前端に近づき、棚板2の底部で前後に摺動できるため、ギアチェーン構造5により補助板8を後方に移動させた時、T字板9は、補助板8を引き上げて補助板8が前後に傾くことを防止することができ、T字板9の表面のボールはT字板9の移動時の摩擦力を低減することができる。
【0036】
図2及び図4を参照すると、2つの前記把持爪44の底端には、インジケータロッド11が水平に差し込まれ、2つの把持爪44の反対側には直角板12が設けられ、直角板12のインジケータロッド11に近い表面に圧力センサ13が設けられ、圧力センサ13の高さはインジケータロッド11の高さと同じであり、圧力センサ13はMPX10型を使用した。前記インジケータロッド11の外側に水平バネ14が嵌め込み装着され、水平バネ14が復元状態にあるとき、インジケータロッド11の一端は把持爪44の内部に完全に位置し、他端は2つの把持爪44の間に延びる。
【0037】
把持する時、インジケータロッド11が物品の反力により押されて移動した場合、インジケータロッド11が直角板12にある圧力センサ13に完全に押し付けられると、圧力センサ13の検出圧力が変化しなくなったとき、インジケータロッド11が物品の作用を完全に受けて把持爪44の内側の垂直面と面一となる位置まで押し込まれることを示し、把持爪44と物品が完全に合着したことを示す。
【0038】
前述の実施形態を参照して本発明を詳細に説明してきたが、当業者であれば、前述の各実施形態に記載の技術的手段を修正するか、技術的特徴の一部を均等物で置き換えることができる。その修正又は置換は、対応する技術的手段の本質を本発明の各実施形態の技術的手段の精神及び範囲から逸脱するものではない。
【符号の説明】
【0039】
10 ゴムパッド
1 走行機構
11 インジケータロッド
12 直角板
13 圧力センサ
14 水平バネ
2 棚板
3 リフティング横行機構
31 垂直ガイドレール
32 横向きの油圧シリンダ
33 支持板
34 制限板
35 歯部
36 駆動モータ
37 メインギア
4 ロボットハンド機構
41 本体プレート
42 縦向きの油圧シリンダ
43 スライダ
44 把持爪
45 復帰バネ
46 ワイヤロープ
5 ギアチェーン構造
6 パワーロッド
7 サブギア
8 補助板
9 T字板

図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-10-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂部に水平に配置した多段の棚板(2)である収納機構を設ける走行機構(1)を備えた物品ピッキングロボットであって、前記収納機構の両側に同じリフティング横行機構(3)が設けられ、前記リフティング横行機構(3)の底部にロボットハンド機構(4)が設けられ、
前記リフティング横行機構(3)は、前記棚板(2)の両側にそれぞれ取り付けられた2つの垂直ガイドレール(31)を備え、2つの前記垂直ガイドレール(31)の摺動部材の前側には横向きの油圧シリンダ(32)が設けられ、2つの前記横向きの油圧シリンダ(32)の前側には同じ支持板(33)が設けられ、前記支持板(33)の底部に制限板(34)が水平に貫装され、前記制限板(34)の頂部に歯部(35)が設けられ、前記支持板(33)の頂部に駆動モータ(36)が設けられ、前記駆動モータ(36)の出力軸の端部にメインギア(37)が設けられ、前記支持板(33)の頂部に貫通溝が設けられ、前記メインギア(37)は前記支持板(33)の頂部から前記貫通溝に下向きに埋め込まれ、前記制限板(34)の頂部の前記歯部(35)と噛み合い、
各段の前記棚板(2)の底部には、ギアチェーン構造(5)が設けられ、前記ギアチェーン構造(5)は2組で、2組の間にパワーロッド(6)が設けられ、前記パワーロッド(6)の中央には、前記制限板(34)頂部の前記歯部(35)に対応するサブギア(7)が嵌め込み装着され、前記ギアチェーン構造(5)の底部に吊り下げられた補助板(8)が設けられる
ことを特徴とする、物品ピッキングロボット。
【請求項2】
前記ロボットハンド機構(4)は、本体プレート(41)を備え、前記本体プレート(41)の頂部に縦向きの油圧シリンダ(42)が設けられ、前記縦向きの油圧シリンダ(42)は前記制限板(34)の底面に取り付けられ、前記本体プレート(41)の底部に摺動溝が設けられ、前記摺動溝内に2つのスライダ(43)が設けられ、前記スライダ(43)の底部に把持爪(44)が設けられ、2つの前記スライダ(43)の反対側に前記摺動溝の両端に連結固定された復帰バネ(45)がそれぞれ設けられ、前記スライダ(43)の前記支持板(33)底部中央に近い側にワイヤロープ(46)が設けられ、前記ワイヤロープ(46)の頂端は前記制限板(34)の底面に連結固定される
請求項1に記載の物品ピッキングロボット。
【請求項3】
前記補助板(8)の頂部には、T字板(9)が設けられ、前記T字板(9)の頂端は対応する前記棚板(2)の底部に摺動可能に連結され、前記T字板(9)は前記棚板(2)の底部で前後に摺動できる
請求項1に記載の物品ピッキングロボット。
【請求項4】
2つの前記把持爪(44)の対向する面にゴムパッド(10)が設けられ、前記ゴムパッド(10)の表面に凹溝が穿設される
請求項2に記載の物品ピッキングロボット。
【請求項5】
2つの前記把持爪(44)の底端には、インジケータロッド(11)が水平に差し込まれ、2つの前記把持爪(44)の反対側には直角板(12)が設けられ、前記直角板(12)の前記インジケータロッド(11)に近い表面に圧力センサ(13)が設けられ、前記圧力センサ(13)の高さは前記インジケータロッド(11)の高さと同じである
請求項2に記載の物品ピッキングロボット。
【請求項6】
前記インジケータロッド(11)の外側に水平バネ(14)が嵌め込み装着され、前記水平バネ(14)が復元状態にあるとき、前記インジケータロッド(11)の一端は前記把持爪(44)の内部に完全に位置し、他端は2つの前記把持爪(44)の間に延びる
請求項5に記載の物品ピッキングロボット。