(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013399
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】ロボットシステム
(51)【国際特許分類】
F02B 61/00 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
F02B61/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024191083
(22)【出願日】2024-10-30
(62)【分割の表示】P 2023500183の分割
【原出願日】2021-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】521431099
【氏名又は名称】カワサキモータース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 義基
(57)【要約】
【課題】移動式の作業装置に搭載され、作業時間や移動距離を増大することができるエネルギー発生ユニット及びエネルギー供給システムを提供する。
【解決手段】エネルギー発生ユニットは、内燃機関と、前記内燃機関によって駆動されて前記作業動力を生成する動力生成機と、作業装置から与えられる情報を受信する通信インターフェースと、作業装置に作動動力を供給する供給インターフェースと、通信インターフェースを介して、作業装置から与えられる情報に基づいて、内燃機関及び動力生成機の少なくとも一方を制御する制御装置と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動式の作業装置に搭載されて、前記作業装置に対し作業に必要な作業動力を供給するエネルギー発生ユニットであって、
内燃機関と、
前記内燃機関によって駆動されて前記作業動力を生成する動力生成機と、
前記作業装置から与えられる情報を受信する通信インターフェースと、
前記作業装置に前記作動動力を供給する供給インターフェースと、
前記通信インターフェースを介して、前記作業装置から与えられる情報に基づいて、前記内燃機関及び前記動力生成機の少なくとも一方を制御する制御装置と、を備える、エネルギー発生ユニット。
【請求項2】
前記作業装置は、移動作業を行う移動アクチュエーターと、移動作業とは異なる追加作業を行う追加アクチュエーターと、を有し、
前記制御装置は、前記移動アクチュエーターに関する情報と、前記追加アクチュエーターに関する情報と、に基づいて、内燃機関および動力生成機の少なくとも一方を制御する、請求項1に記載のエネルギー発生ユニット。
【請求項3】
前記制御装置は、前記作業装置の自立姿勢での作業状態を示す情報に基づいて、前記内燃機関および動力生成機の少なくとも一方を制御する、請求項1または2に記載のエネルギー発生ユニット。
【請求項4】
前記動力生成機は、前記内燃機関の駆動によって圧力エネルギーを生成し、
前記供給インターフェースは、前記作業装置に接続されることで、圧力エネルギーを供給する配管を備える、請求項1~3のいずれか1項に記載のエネルギー発生ユニット。
【請求項5】
前記動力生成機によって生成されたエネルギーを蓄えるエネルギー蓄積装置を更に備える、請求項1~4のいずれか1項に記載のエネルギー発生ユニット。
【請求項6】
前記制御装置は、予め定める条件に基づいて、姿勢状態を判断し、判断した姿勢状態に応じた制御を行う、請求項1~5のいずれか1項に記載のエネルギー発生ユニット。
【請求項7】
前記作業装置に着脱固定するための取付部を有する支持フレームを更に備え、
前記支持フレームが前記取付部によって前記作業装置に固定されたときに、前記内燃機関及び前記動力生成機がそれぞれ前記支持フレームを介して前記作業装置に支持される、請求項1~6のいずれか1項に記載のエネルギー発生ユニット。
【請求項8】
前記内燃機関は、吸排気装置と、冷却液を冷却するラジエターとを有し、
前記動力生成機は、ジェネレーターであり、
前記吸排気装置と、前記ラジエターと、前記ジェネレーターとが前記支持フレームに支持される、請求項7に記載のエネルギー発生ユニット。
【請求項9】
重心位置が、前記内燃機関におけるシリンダー全体についての中心位置よりも、前記作業装置への取り付けの行われる取付部寄りの位置である、請求項1~8のいずれか1項に記載のエネルギー発生ユニット。
【請求項10】
前記内燃機関は、冷却液を冷却するラジエターを有し、
前記支持フレームは、立方体枠状に構成されると共に、前記取付部の設けられた取付領域と、それ以外の非取付領域とを有し、
前記非取付領域に前記ラジエターが取り付けられている、請求項7に記載のエネルギー発生ユニット。
【請求項11】
前記内燃機関は、排気装置を有し、
前記ラジエターは、前記支持フレームの外側に配置され、
前記支持フレームは、前記ラジエターを支持するラジエター支持領域と、前記取付部の設けられた取付領域とを有し、
前記排気装置は、前記ラジエター支持領域と前記取付領域とは異なる領域を通って外部に排気される位置に設けられている、請求項8に記載のエネルギー発生ユニット。
【請求項12】
前記内燃機関に供給する燃料を収容する燃料タンクを更に備え、
前記作業装置に搭載された状態の上下方向において、前記燃料タンクは、前記作業装置の重心よりも下方に配置される、請求項1~11のいずれか1項に記載のエネルギー発生ユニット。
【請求項13】
移動式の作業装置に搭載されて、前記作業装置に対し作業に必要な作業動力を供給するエネルギー発生ユニットであって、
内燃機関と、
前記内燃機関によって駆動されて前記作業動力を生成する動力生成機と、
前記作業装置から与えられる情報を受信する通信インターフェースと、
前記作業装置に前記作動動力を供給する供給インターフェースと、
前記通信インターフェースを介して、作業装置から与えられる情報に基づいて、前記内燃機関及び動力生成機の少なくとも一方を制御する制御装置と、
前記内燃機関と、前記動力生成機と、前記通信インターフェースと、前記供給インターフェースと、前記制御装置とのそれぞれが収容される収容領域と、
前記作業装置に着脱固定するための取付部を有する支持フレームと、を備え、
前記支持フレームは、前記収容領域の外側に設けられる、エネルギー発生ユニット。
【請求項14】
移動式の作業装置と、前記作業装置に対し作業に必要な作業動力を供給するエネルギー発生ユニットとを備え、
前記エネルギー発生ユニットは、
内燃機関と、
前記内燃機関によって駆動されて前記作業動力を生成する動力生成機と、
前記作業装置から与えられる情報を受信する通信インターフェースと、
前記作業装置に前記作動動力を供給する供給インターフェースと、
前記通信インターフェースを介して、作業装置から与えられる情報に基づいて、前記内燃機関及び動力生成機の少なくとも一方を制御する制御装置と、
前記作業装置に対し取り付けを行う取付部と、を有し、
前記作業装置は、前記取付部によって取り付けが行われる被取付部を有している、エネルギー供給システム。
【請求項15】
前記作業装置は、2足で直立することが可能なロボットであり、
前記ロボットは、地面に接地した接地面を有し、
前記エネルギー発生ユニットは、前記接地面から鉛直上方に延びる鉛直領域から、前記鉛直領域に対し、鉛直方向に直交する方向へ離れた位置に設けられる、請求項14に記載のエネルギー供給システム。
【請求項16】
移動式の作業装置と、前記作業装置に対し作業に必要な作業動力を供給するエネルギー発生ユニットとを備え、
前記エネルギー発生ユニットは、
内燃機関と、
前記内燃機関によって駆動されて前記作業動力を生成する動力生成機と、
前記作業装置に前記作動動力を供給する供給インターフェースと、
前記内燃機関及び動力生成機の少なくとも一方を制御するユニット制御装置と、を有し、
前記作業装置は、前記作業装置の作業を制御する作業制御装置を有し、
前記ユニット制御装置と前記作業制御装置とは、互いに情報の通信を行うことが可能に構成され、
前記ユニット制御装置は、前記作業制御装置から受け取った情報に応じて前記エネルギー発生ユニットの前記内燃機関及び動力生成機の少なくとも一方を制御すると共に、前記内燃機関及び動力生成機の少なくとも一方から受け取った情報に応じて前記作業制御装置に指令を送信して前記作業装置を制御する、エネルギー供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業装置に動力を供給するエネルギー発生ユニット及びエネルギー供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バッテリーを搭載し、バッテリーから供給される電力を用いて駆動されるロボットが知られている(例えば特許文献1)。特許文献1には、バッテリーと駆動輪とを備え、バッテリーからの電力を用いて自走しながら生産ラインにて作業を行うロボットが開示されている。特許文献1のロボットは、バッテリー内の電力の残量が少なくなった場合に、充電ステーションでバッテリーの充電を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたロボットは、バッテリーの電力を用いて自走や作業を行うので、自走あるいは作業を行う時間に限りがある。また、バッテリーの電力が少なくなると充電ステーションでバッテリーに充電する必要があるので、作業を行う場所が充電ステーションの近くの場所に制限される。
【0005】
そこで、本開示の一態様は、移動式の作業装置に搭載され、作業時間や移動距離を増大することができるエネルギー発生ユニット及びエネルギー供給システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のエネルギー発生ユニットは、移動式の作業装置に搭載されて、前記作業装置に対し作業に必要な作業動力を供給するエネルギー発生ユニットであって、内燃機関と、前記内燃機関によって駆動されて前記作業動力を生成する動力生成機と、前記作業装置から与えられる情報を受信する通信インターフェースと、前記作業装置に前記作動動力を供給する供給インターフェースと、前記通信インターフェースを介して、作業装置から与えられる情報に基づいて、前記内燃機関及び動力生成機の少なくとも一方を制御する制御装置と、を備える。
【0007】
上記構成のエネルギー発生ユニットは、内燃機関と、内燃機関によって駆動されて作業動力を生成する動力生成機とを備えているので、内燃機関で燃料を燃焼させて得られるエネルギーを用いることで、バッテリー単体と比べて、発生させるエネルギー容量を増大させることができる。これによって、エネルギー発生ユニットからのエネルギーを用いて作業装置に作業を行わせる際の作業時間や、作業装置に移動を行わせる際の移動距離を増大させることができる。
【0008】
また、作業装置からの情報に応じて制御装置がエネルギーを供給制御することができる。作業装置の状況に応じてエネルギー供給状況を異ならせることができ、エネルギー供給の過不足を防ぎ易くすることができる。
【0009】
本発明のエネルギー発生ユニットは、移動式の作業装置に搭載されて、前記作業装置に対し作業に必要な作業動力を供給するエネルギー発生ユニットであって、内燃機関と、前記内燃機関によって駆動されて前記作業動力を生成する動力生成機と、前記作業装置から与えられる情報を受信する通信インターフェースと、前記作業装置に前記作動動力を供給する供給インターフェースと、前記通信インターフェースを介して、作業装置から与えられる情報に基づいて、前記内燃機関及び動力生成機の少なくとも一方を制御する制御装置と、前記内燃機関と、前記動力生成機と、前記通信インターフェースと、前記供給インターフェースと、前記制御装置とのそれぞれが収容される収容領域と、前記作業装置に着脱固定するための取付部を有する支持フレームと、を備え、前記支持フレームは、前記収容領域の外側に設けられる。
【0010】
上記構成のエネルギー発生ユニットは、内燃機関と、動力生成機と、通信インターフェースと、供給インターフェースと、制御装置とのそれぞれが収容される収容領域と、作業装置に着脱固定するための取付部を有する支持フレームと、を備えているので、支持フレームによって、収容領域に収容された内燃機関と、動力生成機と、通信インターフェースと、供給インターフェースと、制御装置とが保護される。従って、エネルギー発生ユニットの安全性を向上させることができる。
【0011】
本発明のエネルギー供給システムは、移動式の作業装置と、前記作業装置に対し作業に必要な作業動力を供給するエネルギー発生ユニットとを備え、前記エネルギー発生ユニットは、内燃機関と、前記内燃機関によって駆動されて前記作業動力を生成する動力生成機と、前記作業装置から与えられる情報を受信する通信インターフェースと、前記作業装置に前記作動動力を供給する供給インターフェースと、前記通信インターフェースを介して、作業装置から与えられる情報に基づいて、前記内燃機関及び動力生成機の少なくとも一方を制御する制御装置と、前記作業装置に対し取り付けを行う取付部と、を有し、前記作業装置は、前記取付部によって取り付けが行われる被取付部を有している。
【0012】
上記構成のエネルギー供給システムは、エネルギー発生ユニットが作業装置に対し取り付けを行う取付部を有し、作業装置が取付部によって取り付けが行われる被取付部を有しているので、作業装置へのエネルギー発生ユニットへの取付を容易に且つ確実に行うことができる。
【0013】
本発明のエネルギー供給システムは、移動式の作業装置と、前記作業装置に対し作業に必要な作業動力を供給するエネルギー発生ユニットとを備え、前記エネルギー発生ユニットは、内燃機関と、前記内燃機関によって駆動されて前記作業動力を生成する動力生成機と、前記作業装置に前記作動動力を供給する供給インターフェースと、前記内燃機関及び動力生成機の少なくとも一方を制御するユニット制御装置と、を有し、前記作業装置は、前記作業装置の作業を制御する作業制御装置を有し、前記ユニット制御装置と前記作業制御装置とは、互いに情報の通信を行うことが可能に構成され、前記ユニット制御装置は、前記作業制御装置から受け取った情報に応じて前記エネルギー発生ユニットの前記内燃機関及び動力生成機の少なくとも一方を制御すると共に、前記内燃機関及び動力生成機の少なくとも一方から受け取った情報に応じて前記作業制御装置に指令を送信して前記作業装置を制御する。
【0014】
上記構成のエネルギー供給システムは、ユニット制御装置が作業制御装置から受け取った情報に応じてエネルギー発生ユニットの内燃機関及び動力生成機の少なくとも一方を制御すると共に、内燃機関及び動力生成機の少なくとも一方から受け取った情報に応じて作業制御装置に指令を送信して前記作業装置を制御するので、ユニット制御装置がエネルギー発生ユニットと作業装置との両方を制御することができる。従って、エネルギー発生ユニット及び作業装置に対し、状況に応じて柔軟に制御することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、作業装置による作業時間の増大や、作業装置の移動距離を増大させることにより、作業装置の適用できる範囲を広げることができる。例えば、これまで作業に時間がかかることでエネルギー量の限界から行うことのできなかった作業を行うことができるようになり、また、これまで到達することのできなかった場所で作業を行うことができる。
【0016】
また、エネルギーの供給を過不足なく適切に供給することができるので、作業装置が供給されるエネルギーの不足によって作業できなくなることを防ぐことができると共に、エネルギーが過剰に供給されることによって使用可能なエネルギーを消費し尽くしてしまい作業できなくなることを防ぐことができる。これにより、より多くの作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】(a)及び(b)は、第1実施形態に係るエネルギー発生ユニットの斜視図である。
【
図2】(a)は、
図1(a)及び(b)のエネルギー発生ユニットを搭載したロボットが歩行している状態について示した側面図であり、(b)は、ロボットが直立した状態について示した側面図である。
【
図3】エネルギー発生ユニットとロボットとについての制御系統を示すブロック図である。
【
図4】
図2(a)において、エネルギー発生ユニットの周辺について拡大して示した側面図である。
【
図5】(a)及び(b)は、第2実施形態に係るエネルギー発生ユニットの斜視図である。
【
図6】
図5(a)及び(b)のエネルギー発生ユニットを搭載したロボットが直立した状態について示した側面図である。
【
図7】第3実施形態に係るエネルギー発生ユニットをロボットに取り付けたときのエネルギー発生ユニット及びロボットの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係るエネルギー発生ユニットについて、添付図面を参照して説明する。
図1(a)に、第1実施形態に係るエネルギー発生ユニット1を斜め後方から見た斜視図を示し、
図1(b)に、エネルギー発生ユニット1を斜め前方から見た斜視図を示す。ここで、「前方」、「後方」との用語については、後述するように、エネルギー発生ユニット1を2足歩行型ロボットに背負わせたときに、2足歩行型ロボットを基準とした方向を示すものとする。また、「上方」、「下方」、「左方」及び「右方」の方向についても、エネルギー発生ユニット1が2足歩行型ロボットによって背負われた状態のときの、エネルギー発生ユニット1から見た方向であるものとする。
【0019】
図1(a)、(b)に、第1実施形態におけるエネルギー発生ユニット1の斜視図を示す。
図1(a)は、斜め後方からエネルギー発生ユニット1を見た斜視図であり、
図1(b)は、斜め前方からエネルギー発生ユニット1を見た斜視図である。
【0020】
エネルギー発生ユニット1は、内燃機関2と、内燃機関2によって駆動されて動力を生成するためのモーター(動力生成機)3とを備えている。内燃機関2の出力軸2a(
図3)とモーター3の入力軸3a(
図3)とは互いに同軸に接続されている。本実施形態では、内燃機関2が駆動することによって出力軸2aが回転し、出力軸の回転駆動がモーター3の入力軸3aに伝達されることにより、モーター3で電力が生成される。本実施形態では、モーター3は、主に発電用のモーターとして動作し、内燃機関2による回転駆動を、入力軸を介して受け取って、電力を生成するジェネレーターとして機能している。本実施形態では、内燃機関2と、モーター3とは、エネルギー発生ユニット1の前後方向に並べられ、モーター3が内燃機関2に対し前方に配置されている。言い換えれば、内燃機関2とモーター3とは、水平方向において、後述するエネルギー発生ユニット1とロボット16とが並べられている方向に並べられ、モーター3が内燃機関2に対しロボット16側に配置されている。
【0021】
また、エネルギー発生ユニット1は、バッテリー4を備えている。本実施形態では、バッテリー4は、内燃機関2のシリンダーの後方に設けられている。バッテリー4は、モーター3によって生成された電気エネルギーを蓄えるエネルギー蓄積装置として機能している。本実施形態では、バッテリー4は、内燃機関2の出力軸2a(
図3)及びモーター3の入力軸3a(
図3)よりも上側に位置している。
【0022】
内燃機関2は、吸排気装置5と、冷却液を冷却するラジエター6とを有している。吸排気装置5は、吸気口(不図示)、吸気ダクト7及びエアクリーナー8を有する吸気装置9と、排気口10、排気ダクト11及びマフラー12を有する排気装置13と、を有している。本実施形態では、吸気装置9は、概ね内燃機関2に対し左右方向の左側の位置に配置されている。また、本実施形態では、排気装置13は、概ね内燃機関2に対し左右方向の右側の位置に配置されている。このように、エネルギー発生ユニット1には、内燃機関2への吸気取り込み構造と、内燃機関2からの排気排出構造とが備えられている。また、エネルギー発生ユニット1は、内燃機関2及びモーター3の冷却、潤滑に必要とされる構造を有している。ここで、左右方向とは、水平方向において前後方向に直交し、吸排気装置5における吸気側から排気側へ向かう方向あるいはその逆方向のことを言うものとする。
【0023】
吸気口から吸気された空気が吸気ダクト7の内部を通って内燃機関2に流入する。その際、吸気口から吸気された空気がエアクリーナー8を通ることにより、内燃機関2の内部に取り込む空気を清浄にすることができる。本実施形態では、エアクリーナー8は、ラジエター6の前方に配置されると共に、バッテリー4よりも下側の位置に配置されている。内燃機関2から排出された排気は、排気ダクト11を通り、排気口10から外部に排出される。その際、排気がマフラー12を通過することにより、排気の脈動により発生する音を低減させることができる。排気口10は、マフラー12からエネルギー発生ユニット1の後方に向けて排気を排出する。本実施形態では、マフラー12は、エネルギー発生ユニット1内における中央から右方向に偏った位置に配置されている。また、ラジエター6は、エネルギー発生ユニット1内における中央から左方向に偏った位置に配置されている。
【0024】
ラジエター6は内部を冷却液が流通可能に構成されている。また、ラジエター6には、通過風をラジエター6に導入するファンが設置されている。ファンによってラジエター6に空気が導入され、ラジエター6で冷却液と外気との間で熱交換が行われることにより、冷却液の冷却を行うことができる。ラジエター6によって冷却された冷却液が内燃機関2に供給され、冷却液が内燃機関2の内部を流通することにより、内燃機関2を冷却することができる。
【0025】
また、エネルギー発生ユニット1は、燃料タンク14と、燃料管(不図示)とを備えている。燃料タンク14は、ガソリン等の、内燃機関2で用いられる燃料を貯留することが可能に構成されている。本実施形態では、燃料タンク14内には、燃料としてガソリンが用いられる。燃料タンク14の内部に貯留された燃料を、燃料管を通して内燃機関2に供給することができる。本実施形態では、燃料タンク14は、内燃機関2の出力軸2a(
図3)及びモーター3の入力軸3a(
図3)よりも上側に位置している。燃料タンク14がエネルギー発生ユニット1のうち内燃機関2の出力軸2a及びモーター3の入力軸3aよりも上側の位置に配置されているので、燃料タンク14における給油口の位置もエネルギー発生ユニット1における内燃機関2の出力軸2a及びモーター3の入力軸3aよりも上側の位置に配置される。従って、給油口が、燃料タンク14への給油の際に燃料の供給を行い易い位置に設けられている。
【0026】
モーター3は、バッテリー4に蓄えられている電力を用いることにより、内燃機関2の始動を行うことができる。モーター3がバッテリー4から電力の供給を受け、モーター3が電力を発生させるジェネレーターとして用いられる際の回転方向とは逆方向に入力軸3aを回転駆動させることにより、内燃機関2の出力軸2aを回転させることができ、これによって内燃機関2の始動を行わせることができる。このように、モーター3は、電力を発生させるジェネレーターとしての機能と、内燃機関2の始動装置としての機能とを兼ね備えている。これにより、必要とされるモーター3の個数を減少させることができ、エネルギー発生ユニット1を小型化させることができる。
【0027】
また、エネルギー発生ユニット1は、支持フレーム15を備えている。本実施形態では、内燃機関2及びモーター3が、支持フレーム15によって支持されている。また、本実施形態では、ラジエター6が、支持フレーム15によって支持されている。本実施形態では、支持フレーム15は、立方体枠状に構成されている。支持フレーム15は、内部に内燃機関2及びモーター3を収容した構造物の外殻として機能する。従って、支持フレーム15を介して各要素が一体に接続され、エネルギー発生ユニット1が単独で設置されている状態において、エネルギー発生ユニット1が自立することができる。本実施形態では、支持フレーム15はエネルギー発生ユニット1の下方に回り込んでおり、エネルギー発生ユニット1が自立したときに支持フレーム15が地面に接触し、支持フレーム15がエネルギー発生ユニット1の自重を支持するように構成されている。
【0028】
支持フレーム15は、後述するロボット等の作業装置への着脱固定のために用いられる取付部15aを有している。取付部15aを、例えばネジ止めによって作業装置に固定することにより、支持フレーム15が作業装置に固定される。本実施形態ではエネルギー発生ユニット1の吸排気装置5と、ラジエター6と、モーター3とが、支持フレーム15に支持されている。
【0029】
また、本実施形態では、支持フレーム15における取付部15aの設けられた領域を取付領域15bとし、それ以外の領域を非取付領域15cとする。本実施形態では、ラジエター6は、支持フレーム15における非取付領域15cに取り付けられている。また、本実施形態では、ラジエター6は、支持フレーム15の左右方向の外側に配置されている。ラジエター6は、立方体枠状の支持フレーム15によって囲まれた領域の左右方向の外側の位置で支持フレーム15に取り付けられており、支持フレーム15によって支持されている。本実施形態では、ラジエター6は、バッテリー4の左方に配置されている。
【0030】
本実施形態では、エネルギー発生ユニット1における内燃機関2及びモーター3が、支持フレーム15によって囲まれた領域の内側に設けられている。また、本実施形態では、支持フレーム15が、金属パイプによって枠状となるように構成されており、支持フレーム15によって囲まれた領域の内部を保護することができる。そのため、内燃機関2及びモーター3が、支持フレーム15の内部で保護される。
【0031】
また、支持フレーム15における、ラジエター6を支持する領域を、ラジエター支持領域15dとしている。排気装置13は、ラジエター支持領域15dと取付領域15bとは異なる領域を通って外部に排気される位置に設けられている。本実施形態では、排気装置13は、エネルギー発生ユニット1の左右方向において、ラジエター6の配置されている側とは逆側の位置に配置されている。本実施形態では、マフラー12がラジエター6の配置されている側とは逆側の位置に配置され、排気口10がマフラー12から後方に向けて突出している。内燃機関2からの排気は、排気口10を通って後方へ向かって排出されている。
【0032】
上記のエネルギー発生ユニット1は、移動式のロボットに搭載することができる。本実施形態では、移動式のロボットは、2足で直立することが可能であると共に、2足歩行を行うことができ、移動先において作業を行うことが可能な作業装置として構成されている。
【0033】
本明細書においては、作業装置は、予め定められた始動位置から自走移動可能であって、始動位置に対して離れた作業位置で作業可能な装置のことをいうものとする。作業装置は、エネルギー発生ユニット1で生成されたエネルギーを受け取るために、エネルギー発生ユニット1に接続可能なインターフェースを備えている。また、作業装置は、作業装置が移動や作業を行うために、エネルギー発生ユニット1で生成されたエネルギーを受け取って駆動されるアクチュエーターを備えている。エネルギー発生ユニット1で生成されたエネルギーを用い、作業装置に人間の代わりに作業を行わせることができる。作業装置に作業を行わせるので、人間よりも大きな力によって作業を行うことができる。また、作業装置は、インターフェースを介してエネルギー発生ユニット1と情報のやり取りを行うことができる。
【0034】
図2(a)に、エネルギー発生ユニット1が搭載されたロボット(作業装置)16の歩行している状態の側面図を示す。
図2(a)は、ロボット16を左方から見た側面図である。ロボット16は2つの足17を備え、足17を用いて2足歩行によって移動することができる。足17は、地面に接地した接地面17aを有している。
【0035】
ロボット16は、移動を行うためのアクチュエーターである移動アクチュエーターを備えている。本実施形態では、ロボット16は2足歩行で移動を行うので、本実施形態では、2つの足17を駆動させる足駆動用アクチュエーターが、移動作業を行う移動アクチュエーターに相当する。ロボット16が2足歩行によって進む方向である前方を矢印D1で示す。足駆動用アクチュエーターは、エネルギー発生ユニット1によって生成されるエネルギーによって駆動される。本実施形態では、エネルギー発生ユニット1が内燃機関2によってモーター3が回転駆動されて電気エネルギーを発生させると共に、内燃機関2によってオイルポンプ2bが回転駆動されて作動油に圧力エネルギーが付与されるので、足駆動用アクチュエーターは、電気エネルギーあるいは圧力エネルギーのいずれかによって駆動される。
【0036】
図2(b)に、エネルギー発生ユニット1が搭載されたロボット16の直立している状態の側面図を示す。
図2(b)は、ロボット16を左方から見た側面図である。
図2(a)及び(b)に示されるように、エネルギー発生ユニット1は、ロボット16の後方に背負わされて搭載されている。つまり、エネルギー発生ユニット1がロボット16に搭載された状態において、エネルギー発生ユニット1から見て、ロボット16がエネルギー発生ユニット1の前方に位置する。エネルギー発生ユニット1は、ロボット16の直立状態において、接地面17aから鉛直上方に延びる鉛直領域A1から、鉛直領域A1に対し、鉛直方向に直交する方向へ離れた位置に設けられている。本実施形態では、鉛直領域A1に対し、ロボット16が前進する際のロボット16の歩行による進行方向のD1方向とは逆方向の、ロボット16の後方へ離れた位置にエネルギー発生ユニット1が設けられている。
【0037】
また、ロボット16は、移動とは異なる追加作業を行うためのアクチュエーターである追加アクチュエーターを備えている。本実施形態では、例えば、2つの手18及び2つの腕19が移動以外の追加作業を行うので、2つの手18を駆動させる手駆動用アクチュエーター及び2つの腕19を駆動させる腕駆動用アクチュエーターが追加アクチュエーターに相当する。手駆動用アクチュエーター及び腕駆動用アクチュエーターは、エネルギー発生ユニット1で生成される動力によって駆動される。すなわち、手駆動用アクチュエーター及び腕駆動用アクチュエーターは、内燃機関2が駆動されモーター3で生成された電力エネルギーあるいは内燃機関2の駆動によって後述するオイルポンプ2bが駆動されて生成される作動油による圧力エネルギーのいずれかによって駆動される。
【0038】
図2に示されるように、支持フレーム15が取付部15aによってロボット16に固定されたときに、エネルギー発生ユニット1がロボット16に支持される。従って、内燃機関2及びモーター3がそれぞれ支持フレーム15を介してロボット16に支持される。
【0039】
ロボット16は、取付部15aによって取り付けが行われる被取付部41を有している。本実施形態では、エネルギー発生ユニット1の取付部15aとロボット16の被取付部41とが互いにネジ止めによって締結されることにより、支持フレーム15がロボット16に固定されてエネルギー発生ユニット1がロボット16に支持される。なお、エネルギー発生ユニット1の取付部15aとロボット16の被取付部41とは、ネジ止め以外の方法によって取り付けが行われてもよい。
【0040】
エネルギー発生ユニット1がロボット16に支持されたときには、エネルギー発生ユニット1は、ロボット16の背中の後方に位置し、ロボット16によって背負われている。そのため、ロボット16が後方に転倒したときには、エネルギー発生ユニット1が地面と衝突する可能性がある。本実施形態では、内燃機関2及びモーター3が、支持フレーム15によって外側を囲まれて構成されている。従って、エネルギー発生ユニット1が地面と衝突するような場合にも内燃機関2及びモーター3が支持フレーム15によって保護される。
【0041】
ロボット16にエネルギー発生ユニット1が搭載されると、エネルギー発生ユニット1とロボット16とで駆動力や情報のやり取りを行うことができる。エネルギー発生ユニット1とロボット16とについての制御系統を示すブロック図を
図3に示す。
【0042】
ロボット16にエネルギー発生ユニット1が搭載されると、支持フレーム15が、ロボット16に搭載されている状態でのエネルギー発生ユニット1をロボット16に支持させる部分になる。ロボット16にエネルギー発生ユニット1を搭載させた状態においては、エネルギー発生ユニット1がロボット16の背中に背負われた姿勢で、内燃機関2の排気口10がロボット16の後方を向いている。そのため、内燃機関2から排気される高温の排気ガスがロボット16に向けて排出されることを抑えることができる。従って、ロボット16が高温になることを抑えることができる。さらに、本実施形態では、マフラー12及びラジエター6は、エネルギー発生ユニット1内において、中央から右方向、左方向に偏り、且つ、支持フレーム15の取付部15aから後方に離間した位置に配置されている。従って、エネルギー発生ユニット1がロボット16に搭載された状態において、マフラー12及びラジエター6から発せられる熱がロボット16に伝達するのを抑えることができる。これにより、ロボット16が高温になるのを抑えることができる。
【0043】
エネルギー発生ユニット1は、エネルギー発生ユニット1の運転を制御するユニット制御装置(制御装置)20を備えている。ユニット制御装置20は、内燃機関2に信号を送信することができる。ユニット制御装置20からの信号に応じて、出力軸2aから出力される回転駆動が制御される。従って、ユニット制御装置20が内燃機関2の駆動を制御することができる。
【0044】
内燃機関2には、内燃機関2の状態についての情報を検知する各種のセンサーが設けられている。センサーを用いることによって内燃機関2の状態についての情報を得ることができる。センサーによって得られた情報のうち、少なくとも一部の情報がユニット制御装置20に送信されることにより、ユニット制御装置20が内燃機関2の状態に応じて内燃機関2の運転を制御することができる。本実施形態においては、内燃機関2の状態を検出するセンサーとしては、例えばフューエルセンサーF、イグニッションセンサーI及びエアフローセンサーTが用いられる。フューエルセンサーFによって燃料が噴射される際の燃料の圧力を検出することができる。また、イグニッションセンサーIによって内燃機関2での点火のタイミングを検知することができる。また、エアフローセンサーTによって内燃機関2による吸気の流量を検出することができる。これらのセンサーによる検出結果に応じて、例えば、インジェクターによる燃料噴射、点火プラグによる点火、スロットル開度といった要素が操作され、空燃比や出力が調整されて、内燃機関2の運転が制御される。このとき、例えば、インジェクター、点火プラグ、スロットルバルブが、内燃機関2における具体的なアクチュエーターとして機能する。
【0045】
また、内燃機関2は、燃料タンク14内部に貯留されている燃料の量を検出する燃料残量センサー、吸気口から取り入れた吸気の圧力を検出する吸気圧センサー、内燃機関2の温度を検出するエンジン温度センサー、排気口10から排出される排ガスの成分を検出するO2センサー等の排ガスセンサー、内燃機関2における出力軸2aの回転数を検出するエンジン回転数センサー、内燃機関2における例えば電装品等に異常あるいは劣化が生じたときにそのことを検出する異常状態センサーといったセンサーを有していてもよい。これらのセンサーによって検出された検出結果に応じて、内燃機関2の運転の制御が行われてもよい。
【0046】
内燃機関2は、オイルポンプ2bを有している。内燃機関2の出力軸2aからの回転駆動の一部がオイルポンプ2bに伝達され、作動油を、オイルポンプ2bを介して、ロボット16へ供給することができる。オイルポンプ2bからの作動油の配管22は、アキュムレーター39に接続されている。また、アキュムレーター39からの作動油の配管22は、レギュレーター21に接続されている。レギュレーター21からの配管22は、ロボット16に接続される。配管22を介してオイルポンプ2bからの圧油を、アキュムレーター39及びレギュレーター21を介して、ロボット16に向けて供給することが可能に構成されている。
【0047】
オイルポンプ2bからの作動油の配管22がアキュムレーター39に接続されているので、オイルポンプ2bの駆動によって圧力の付与された作動油をアキュムレーター39で蓄えることができる。アキュムレーター39で蓄えられた作動油をロボット16に向けて供給することができる。従って、ある程度大きな圧力を有する作動油をロボット16に向けて供給することができる。
【0048】
また、オイルポンプ2bからの配管22が、レギュレーター21を通してロボット16に供給されるので、レギュレーター21によってロボット16からの指令に応じた油圧に設定された作動油がロボット16に供給される。従って、ロボット16に供給される作動油の油圧をより正確に設定することができる。従って、より精度の高い油圧を有する作動油をロボット16に供給することができる。
【0049】
本実施形態では、内燃機関2の内部を潤滑油が流通可能に構成されている。すなわち、オイルポンプ2bの駆動によって潤滑油が内燃機関2の内部を流通するように構成されている。なお、潤滑油が内燃機関2の内部を流通するために潤滑油にエネルギーを供給する構成は、オイルポンプ2bでなくてもよい。例えば、ロボット16の2つの手18を駆動させる手駆動用アクチュエーター及び2つの腕19を駆動させる腕駆動用アクチュエーターに作動油を供給し手駆動用アクチュエーター及び腕駆動用アクチュエーターに圧力エネルギーを供給するためのオイルポンプ2b以外の別のオイルポンプが内燃機関2に設けられ、オイルポンプ2b以外の別のオイルポンプの駆動によって潤滑油が内燃機関2の内部を流通するように構成されていてもよい。
【0050】
モーター3は、電力ケーブルを介してバッテリー4に接続されている。従って、モーター3で発生された電力をバッテリー4に向けて供給することができる。バッテリー4に供給された電力は、一旦そこで蓄電される。また、ユニット制御装置20は、バッテリーマネジメントシステム(BMS)23を介してバッテリー4に接続されている。従って、ユニット制御装置20が、BMS23を介してバッテリー4からのロボット16への電力の供給を制御することができる。
【0051】
また、モーター3とバッテリー4との間にはインバーター25が設けられている。また、インバーター25は、ユニット制御装置20に接続されている。従って、インバーター25が、モーター3からバッテリー4に供給される電力の調節を行うことができる。
【0052】
バッテリー4は、電力ケーブル24を介してロボット16に電力を供給することが可能に構成されている。従って、ユニット制御装置20が電力を制御しながら、バッテリー4からロボット16に向けて電力を供給することができる。
【0053】
ロボット16は、移動アクチュエーターによるロボット16の移動作業及び追加作業アクチュエーターによるロボット16の追加作業を制御する作業制御装置26を備えている。
【0054】
ロボット16における作業制御装置26は、演算部26aと、記憶部26bと、サーボ制御部26cとを含む。作業制御装置26は、例えばマイクロコントローラ等のコンピュータを備えたロボットコントローラである。なお、作業制御装置26は、集中制御する単独の作業制御装置26によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の作業制御装置26によって構成されていてもよい。
【0055】
記憶部26bには、ロボットコントローラとしての基本プログラム、各種固定データ等の情報が記憶されている。演算部26aは、記憶部26bに記憶された基本プログラム等のソフトウェアを読み出して実行することにより、ロボット16の各種動作を制御する。すなわち、演算部26aは、ロボット16の制御指令を生成し、これをサーボ制御部26cに出力する。例えば、演算部26aは、プロセッサユニットによって構成されている。
【0056】
サーボ制御部26cは、演算部26aにより生成された制御指令に基づいて、移動アクチュエーター及び追加アクチュエーターのそれぞれの駆動を制御するように構成されている。
【0057】
本実施形態では、作業制御装置26のサーボ制御部26cが、移動アクチュエーターとしての足駆動用アクチュエーター27に接続されている。従って、作業制御装置26が足駆動用アクチュエーター27の駆動を制御し、足17を用いた2足歩行によるロボット16の移動を制御することができる。また、作業制御装置26のサーボ制御部26cが、追加アクチュエーターとしての手駆動用アクチュエーター28及び足駆動用アクチュエーター29に接続されている。従って、作業制御装置26が腕駆動用アクチュエーター28及び手駆動用アクチュエーター29の駆動を制御し、ロボット16の手18及び腕19を用いた追加作業を制御することができる。
【0058】
エネルギー発生ユニット1におけるオイルポンプ2bからレギュレーター21を介してロボット16に供給される圧油の配管22は、ロボット16側の配管30に、圧油の供給インターフェース31を通じて接続される。圧油の供給インターフェース31は、着脱可能に接続されている。ロボット16側の配管30は、腕駆動用アクチュエーター28及び手駆動用アクチュエーター29のそれぞれに接続されている。圧油の供給インターフェース31を通じてオイルポンプ2bからの圧油をロボット16側の配管30に供給することができるので、腕駆動用アクチュエーター28及び手駆動用アクチュエーター29に油圧による作動動力を供給することができる。このようにして、オイルポンプ2bの駆動によって圧力エネルギーが生成され、圧油の供給インターフェース31を介して、腕駆動用アクチュエーター28及び手駆動用アクチュエーター29に圧力エネルギーを供給することができる。このときには、オイルポンプ2bが、内燃機関2の駆動によって圧力エネルギーを生成する動力生成機として機能する。
【0059】
エネルギー発生ユニット1におけるバッテリー4からロボット16に供給される電力ケーブル24は、ロボット16側の電力ケーブル32に、電力の供給インターフェース33を通じて接続される。電力の供給インターフェース33は、着脱可能に接続されている。ロボット16側の電力ケーブル32は、ロボット16側のバッテリー42に接続されている。バッテリー42からの電力ケーブル32は、足駆動用アクチュエーター27、腕駆動用アクチュエーター28及び手駆動用アクチュエーター29のそれぞれに接続されている。電力の供給インターフェース33を通じてエネルギー発生ユニット1側のバッテリー4からの電力をロボット16側の電力ケーブル32に供給することができるので、ロボット16側のバッテリー42を介して足駆動用アクチュエーター27、腕駆動用アクチュエーター28及び手駆動用アクチュエーター29に電力による作動動力を供給することができる。
【0060】
ロボット16が背中に背負うようにエネルギー発生ユニット1を搭載し、搭載されたエネルギー発生ユニット1からロボット16にエネルギーを供給するので、例えば、所定の位置に設けられた電源から配線によってロボット16に電気エネルギーを供給する必要がない。ロボット16の駆動のためのエネルギーを有線供給する必要がないので、エネルギーがロボット16に有線供給される場合に比べて、ロボット16の移動範囲を拡大させることができる。また、ロボット16が作業を行う際に配線を接続した状態にする必要がないので、配線が邪魔にならず、ロボット16による作業場所での作業上の自由度を向上させることができる。
【0061】
本実施形態では、エネルギー発生ユニット1で発生させた圧油の圧力エネルギーを圧油の配管30及び圧油の供給インターフェース31を介してロボット16へ伝達するので、ロボット16の側でそれぞれのアクチュエーターを駆動させるための圧力エネルギーを発生させる必要がない。また、本実施形態では、エネルギー発生ユニット1で発生させた電力エネルギーを電力ケーブル32及び電力の供給インターフェース33を介してロボット16へ伝達するので、ロボット16側でそれぞれのアクチュエーターを駆動させるための電力エネルギーを発生させる必要がない。
【0062】
そのため、本実施形態では、ロボット16側においては、内燃機関等の動力を発生させるための装置は設けられない。従って、ロボット16には吸排気機構が設けられてなく、ロボット16に吸気が導かれることがない。また、ロボット16から排気が行われることもない。ロボット16側には内燃機関等の動力を発生させるための装置が設けられないので、装置を冷却するために装置の内部を流通する冷却液や装置の潤滑のための潤滑液はロボット16側では流通しない。本実施形態では、ロボット16に搭載されたエネルギー発生ユニット1にラジエター6が設けられ、ラジエター6が内燃機関2の内部を流通する冷却液を冷却する。また、本実施形態では、ロボット16に搭載されたエネルギー発生ユニット1にオイルポンプ2bが設けられ、オイルポンプ2bの駆動によって潤滑油が内燃機関2の内部を流通する。
【0063】
また、本実施形態では、ロボット16が内燃機関2を有するエネルギー発生ユニット1を搭載するので、ロボット16側には、動力生成のための発熱要素が設けられていない。従って、ロボット16側でエネルギーを生成させるための構成が必要ない。また、それに伴って、ロボット16の内部で発熱させる必要もないので、ロボット16が耐熱構造を有する必要がない。ロボット16側での耐熱のための部品点数の増加を抑えることができるので、ロボット16の構成を簡易にすることができる。
【0064】
エネルギー発生ユニット1のユニット制御装置20からロボット16に向けて通信ケーブル34が延びている。ロボット16の作業制御装置26からエネルギー発生ユニット1に向けて通信ケーブル35が延びている。
【0065】
エネルギー発生ユニット1の通信ケーブル34と、ロボット16の通信ケーブル35とが、通信インターフェース36を介して接続されている。本実施形態では、有線の通信ケーブル34と、有線の通信ケーブル35とが、コネクターとしての通信インターフェース36によって接続されている。通信インターフェース36は、接続状態と切断状態とを切り替えることが可能に構成されている。エネルギー発生ユニット1がロボット16に取り付けられた際には、通信インターフェース36が接続されて、ロボット16の作業制御装置26から与えられる情報を、通信インターフェース36を介して、エネルギー発生ユニット1のユニット制御装置20が受信することが可能に構成されている。エネルギー発生ユニット1がロボット16から外されたときには、通信インターフェース36が切断される。エネルギー発生ユニット1がロボット16に取り付けられた際には、通信インターフェース36が自動的に接続され、作業制御装置26からの情報がユニット制御装置20に伝達可能となるように構成されていてもよい。
【0066】
また、本実施形態では、支持フレーム15の内側に、内燃機関2と、モーター3と、通信インターフェースと、電力の供給インターフェース33と、圧油の供給インターフェース36と、ユニット制御装置20とのそれぞれが収容されている。本実施形態では、内燃機関2と、モーター3と、通信インターフェースと、電力の供給インターフェース33と、圧油の供給インターフェース36と、ユニット制御装置20とが収容された、支持フレーム15よりも内側の領域を収容領域40とする。そのため、支持フレーム15は、収容領域40の外側に設けられる。
【0067】
ユニット制御装置20は、通信インターフェース36を介して、ロボット16から与えられる情報に基づいて、内燃機関2を制御する。ユニット制御装置20は、内燃機関2に向けて作動に関する信号を送信することができる。また、ユニット制御装置20は、ロボット16側で作業に必要とされる出力に応じて、内燃機関2に向けてロボット16による出力に応じた作動に関する信号を送信することができる。ユニット制御装置20からの信号に応じて、出力軸2aから出力される回転駆動が制御される。つまり、ユニット制御装置20は、作業制御装置26から受け取った、足駆動用アクチュエーター27(移動アクチュエーター)に関する情報と、手駆動用アクチュエーター28及び腕駆動用アクチュエーター29(追加アクチュエーター)に関する情報と、に基づいて、内燃機関2を制御することができる。例えば、ロボット16側で作業に必要とされる足駆動用アクチュエーター27、手駆動用アクチュエーター28及び腕駆動用アクチュエーター29による出力に応じた、足駆動用アクチュエーター27に関する情報と、手駆動用アクチュエーター28に関する情報と、腕駆動用アクチュエーター29に関する情報と、に基づいて、内燃機関2を制御することができる。
【0068】
ユニット制御装置20が、ロボット16から与えられる情報に基づいて内燃機関2を制御する際には、ロボット16によって必要とされる電気エネルギーあるいはロボット16によって必要とされる圧力エネルギーの、いずれに応じて内燃機関2の制御が行われてもよい。ロボット16によって必要とされる電気エネルギーに応じて内燃機関2の制御が行われる場合には、ロボット16がアクチュエーターを駆動させて作業を行うのに必要な量の電気エネルギーをモーター3で生成させるために、ユニット制御装置20が内燃機関2を制御する。また、ロボット16によって必要とされる圧力エネルギーに応じて内燃機関2の制御が行われる場合には、アクチュエーターに供給される作動油が、ロボット16による作業を行うのに必要な応答速度、出力に応じた適切な油圧、油量となるように、ユニット制御装置20が内燃機関2を制御する。
【0069】
また、ロボット16が自立した状態で作業を行う際には、ユニット制御装置20は、ロボット16の自立姿勢での作業状態を示す情報に基づいて、内燃機関2を制御する。ロボット16には、例えばロボット16の自立姿勢での作業状態を検出する自立姿勢作業状態検出センサー37が設けられている。自立姿勢作業状態検出センサー37によって検出されたロボット16の作業状態を示す情報がユニット制御装置20に送られ、ロボット16の作業状態を示す情報に基づいて、ユニット制御装置20が内燃機関2を制御する。例えば、片足立ち等、不安定な状態でロボット16が作業を行っている場合には、ユニット制御装置20が内燃機関2の出力を増加させ、バッテリー4から足駆動用アクチュエーター27に供給される電力を大きくすることにより、より大きな足17の力でロボット16が踏ん張れるように、内燃機関2の制御が行われてもよい。
【0070】
また、ユニット制御装置20は、ロボット16で必要とされる出力に応じて内燃機関2の出力を制御できるので、ロボット16による作業に必要なエネルギーに対して、過不足のない量のエネルギーをエネルギー発生ユニット1に生成させることができる。従って、内燃機関2で生成されるエネルギー量の不足を抑えることができ、生成されるエネルギーの不足によってロボット16が作業を行えない状態になるのを抑えることができる。また、内燃機関2で無駄に多くの燃料を消費することを抑えることができるので、ロボット16の運転コストが増大することを抑えることができる。また、燃料を効率的に用いることができるので、燃料タンク14への1回の燃料の充填で可能なロボット16による作業時間を延長させることができる。従って、燃料の単位量当たりで行うことのできる作業量を増加させることができ、定められた燃料でロボット16の行うことのできる合計の作業量を増加させることができる。また、ロボット16が予め決まった量の作業を行う際に、燃料タンク14への燃料の給油の回数を減少させることができ、給油に必要とされる時間の分の作業ができなくなることによるロボット16の作業上の損失を少なく抑えることができる。
【0071】
なお、ロボット16が燃料タンク14内の燃料を使い果たしたときには、燃料タンク14内に燃料を供給するのではなく、エネルギー発生ユニット1を、燃料タンク14内に燃料が充填された新たなエネルギー発生ユニットに交換することとしてもよい。本実施形態では、支持フレーム15の取付部15aによってエネルギー発生ユニット1をロボット16に取り付け、電力の供給インターフェース33、圧油の供給インターフェース31及び通信インターフェース36をロボット16とエネルギー発生ユニット1とで接続すれば、エネルギー発生ユニット1をロボット16に接続させることができるので、容易にエネルギー発生ユニット1をロボット16に接続させることができる。従って、燃料を使い果たしたときに、エネルギー発生ユニットを新たなエネルギー発生ユニットに交換することにより短時間で作業の再開を行うことができる。
【0072】
なお、本実施形態では、ユニット制御装置20は内燃機関2を制御する構成について説明したが、これに限定されない。ユニット制御装置20はモーター3を制御し、モーター3によって生成される電力エネルギーを制御する構成であってもよい。また、ユニット制御装置20は、内燃機関2とモーター3の両方を制御する構成であってもよい。
【0073】
また、本実施形態では、エネルギー発生ユニット1は、エネルギー発生ユニット1の姿勢についての情報を検出することが可能な姿勢センサー38を有している。姿勢センサー38は、例えば、慣性計測ユニット(IMU)あるいは振り子式のセンサーが用いられてもよい。姿勢センサー38によってエネルギー発生ユニット1が予め定められた傾きについての限界以上に傾いているか否かを検出することができる。例えば、姿勢センサー38によってエネルギー発生ユニット1が予め定められた傾きについての限界以上に傾いていることが検出されたときには、ユニット制御装置20が、内燃機関2の運転を止めるように内燃機関2を制御する。内燃機関2が予め定められた傾きについての限界以上に傾いているときには、潤滑油が内燃機関2の全体に行き渡らない等の不都合が生じ、内燃機関2の運転に影響を与えてしまう可能性がある。従って、内燃機関2が予め定められた傾きについての限界以上に傾かないように、姿勢センサー38によってエネルギー発生ユニット1が予め定められた傾きについての限界以上に傾いていることが検出されたときには、ユニット制御装置20が内燃機関2の運転を止めるように制御が行われる。このように、ユニット制御装置20は、エネルギー発生ユニット1の姿勢状態を判断し、予め定める条件に基づいて判断した姿勢状態に応じた制御を行うように構成されている。
【0074】
上述のように、本実施形態においては、エネルギー発生ユニット1とロボット16との接続は、支持のための機械的な固定構造の接続と、電気エネルギーあるいは作動油の圧力エネルギーをエネルギー発生ユニット1とロボット16との間でやり取りを行うためのエネルギー供給路の接続と、エネルギー発生ユニット1とロボット16との間で情報のやり取りを行うための情報送受信のための接続である。
【0075】
図4に、エネルギー発生ユニット1の周辺について拡大した側面図を示す。
図4では、説明のために、燃料タンク14及びエアクリーナー8について一点鎖線で示し、内燃機関2について実線で示している。
【0076】
図2及び4において、エネルギー発生ユニット1の重心位置をC1とし、内燃機関2におけるシリンダー2c全体についての中心位置をC2としている。また、ロボット16単体の重心位置をC3としている。また、ロボット16にエネルギー発生ユニット1を搭載させたときのロボット16とエネルギー発生ユニット1とを合わせた全体の構成の重心位置をC4としている。本実施形態では、内燃機関2においては、上下方向に延びたシリンダー2cが1列に並べられている。シリンダー2cの左方に吸気ダクト7が配置され、シリンダーの右方に排気ダクト11が配置されている。上下方向に延びたシリンダー2cの両側の側方に吸気ダクト7及び排気ダクト11が配置されるので、シリンダー2cの側方のスペースを効率的に用いることができる。従って、エネルギー発生ユニット1を小型化することができる。本実施形態では、エネルギー発生ユニット1の重心位置C1は、内燃機関2におけるシリンダー2c全体についての中心位置C2よりも、エネルギー発生ユニット1がロボット16へ取り付けの行われる取付部15a寄りの位置に設けられている。
【0077】
本実施形態では、エネルギー発生ユニット1において、比較的重量の重い燃料タンク14が比較的取付部15a寄りの位置に設けられている。そのため、エネルギー発生ユニット1の重心位置C1が前方となるように、エネルギー発生ユニット1が構成されている。そのため、本実施形態では、エネルギー発生ユニット1の重心位置C1が、内燃機関2におけるシリンダー2c全体についての中心位置C2よりも、取付部15a寄りの位置に設けられている。ここで、内燃機関2におけるシリンダー2c全体についての中心位置C2は、左右方向に並べられた内燃機関2のシリンダー2cの列の前後方向の数が奇数であれば、中央に位置するシリンダーの前後方向の中心位置であり、内燃機関2のシリンダー2cの列の前後方向の数が偶数であれば、中央を挟んだ2つのシリンダーの間の中央の位置のことを言うものとする。結局、シリンダー2cが左右方向に1列に並べられている場合には、シリンダー2cは前後方向に1つしかないので、そのシリンダー2cについての中心の位置が中心位置C2になる。内燃機関2のシリンダー2cが前後方向に複数並べられている場合には、中心位置2Cは、前後方向に複数並べられたシリンダー2cにおける全体の前後方向の中心位置である。エネルギー発生ユニット1の重心位置C1が、シリンダー2c全体についての中心位置C2よりも、取付部15a寄りの位置に設けられているので、エネルギー発生ユニット1の重心位置C1がロボット16の重心位置C3に近接した位置関係となる。従って、エネルギー発生ユニット1がロボット16に取り付けられたときに、ロボット16を倒れ難くすることができ、安定してロボット16を自立させることができる。
【0078】
仮に、エネルギー発生ユニット1の重心位置が、ロボット16の重心位置から後方に比較的離れた位置となるように構成された場合には、エネルギー発生ユニット1の下向きの重力によって、大きな慣性モーメントがロボット16に作用する。そのため、ロボット16が慣性モーメントによって倒れ易くなり、ロボット16が不安定になる可能性がある。これに対し、本実施形態では、エネルギー発生ユニット1の重心位置C1がロボット16に近い位置となるので、エネルギー発生ユニット1の重量によってロボット16へ作用する慣性モーメントを小さくすることができる。そのため、ロボット16を倒れ難くすることができる。
【0079】
ロボット16は、エネルギー発生ユニット1を搭載すると、重心位置が
図2及び4に示されるC3からC4に移動する。重心位置が移動すると、それに伴って、ロボット16が移動あるいは作業を行う際の足17を駆動させるための足駆動用アクチュエーターに作用する負荷が変化する。そのため、足駆動用アクチュエーターによって必要とされるエネルギー量が変化する。本実施形態では、ロボット16にエネルギー発生ユニット1が搭載され、ロボット16の通信ケーブル35とエネルギー発生ユニット1の通信ケーブル34とが通信インターフェース36を介して接続されたときに、ロボット16の作業制御装置26が、そのことを検出することができる。作業制御装置26は、ロボット16にエネルギー発生ユニット1が接続されたことを認識すると、重心位置がC3からC4に移動したと判断し、重心位置の移動に応じた量のエネルギーをそれぞれのアクチュエーターに供給し、ロボット16を駆動させる。例えば、ロボット16が歩行によって移動するときに、重心位置に応じた量のエネルギーを足駆動用アクチュエーターに供給し、足17を駆動させる。
【0080】
以上の構成によれば、内燃機関2の駆動をモーター3に伝達させモーター3によって発生させたエネルギーをロボット16に供給することにより、例えばガソリン等のエネルギー密度の高い燃料の燃焼によるエネルギーを用いて内燃機関2を駆動させてロボット16へエネルギーを供給するので、バッテリー単体を備えバッテリーに蓄えられたエネルギーを供給するだけの場合に比べて、現場で使用できるエネルギー容量を増大させることができる。これによって、ロボット16による特定の場所での作業時間や移動距離を増大させることができる。そのため、ロボット16が現場でより長く作業を行うことができ、作業によってより多くの効果を得ることができる。例えばロボット16を人が出入りし難い場所での人命救助に用いる場合には、長く作業を行わせることにより、より多くの人命を救うことが可能になる。
【0081】
また、ロボット16からの情報に応じてユニット制御装置20がロボット16へのエネルギーの供給を制御するので、ロボット16の状況に応じてエネルギー供給の状況を異ならせることができ、エネルギー供給の過不足を防ぎ易くすることができる。ロボット16への過剰なエネルギー供給を防ぐことができるので、従って、エネルギーの消費量が抑えられることにより燃料の消費が少なく抑えられ、ロボット16の運転コストを低減させることができる。ロボット16からの情報としては、例えば、ロボット16が作業を行う際に、作業に必要とされるエネルギー量を示す情報が検出され、ロボット16からエネルギー発生ユニット1に向けて送られるエネルギー量についての情報であってもよい。また、作業に必要とされるエネルギー量に応じて、ロボット16からエネルギー発生ユニット1に向けて発せられるエネルギー供給依頼情報であってもよい。エネルギー供給依頼情報としては、例えば、次に予想されるエネルギー消費に合わせて、発電量をエネルギー発生ユニット1側に指令する指令情報であってもよい。
【0082】
また、ユニット制御装置20は、ロボット16における移動作業を行う足駆動用アクチュエーター27と、移動先で移動作業とは異なる追加作業を行う手駆動用アクチュエーター29及び腕駆動用アクチュエーター28とに関する情報に基づいて、内燃機関2の駆動を制御すると共にモーター3での電力の生成を制御するので、ロボット16に供給されるエネルギーの生成を、足駆動用アクチュエーター27、手駆動用アクチュエーター29及び腕駆動用アクチュエーター28の使用に基づいて制御することができる。従って、ロボット16へのエネルギー供給をより過不足なく行うことができる。
【0083】
足駆動用アクチュエーター27に関する情報としては、例えば、足駆動用アクチュエーター27を駆動させることによって、所定の位置までロボット16が移動を行うのに必要とされるエネルギーの量についての情報が挙げられる。また、手駆動用アクチュエーター29及び腕駆動用アクチュエーター28に関する情報としては、例えば、手駆動用アクチュエーター29及び腕駆動用アクチュエーター28を駆動させることによって、所定の作業を行うのに必要とされるエネルギーの量についての情報が挙げられる。これらの移動アクチュエーターを駆動させるのに必要とされるエネルギーについての情報及び、追加アクチュエーターを駆動させるのに必要とされるエネルギーについての情報に基づいて、内燃機関2の駆動を制御すると共にモーター3での電力の生成の制御が行われてもよい。
【0084】
また、ユニット制御装置20は、ロボット16の自立姿勢での作業状態を示す情報に基づいて、内燃機関2の駆動を制御すると共にモーター3での電力の生成を制御するので、ロボット16の姿勢に応じてロボット16に供給されるエネルギーの生成を制御することができる。従って、ロボット16へのエネルギー供給をより過不足なく行うことができる。
【0085】
ロボット16の自立姿勢での作業状態を示す情報としては、例えば、ロボット16が片足立ち等、不安定な状態で作業を行っているか否かを示す情報が挙げられる。例えば、ロボット16が不安定な状態で作業を行っている場合には、内燃機関2に出力を増加させ、足駆動用アクチュエーターに大きな電力を供給するような制御が行われてもよい。つまり、ロボット16が作業を行う際に、ロボット16の姿勢に応じた大きさのエネルギーをアクチュエーターへ供給するアクチュエーターへの供給エネルギーに関する情報に応じて、内燃機関2の駆動の制御が行われてもよい。
【0086】
また、モーター3は、内燃機関2の駆動によって圧力エネルギーを生成し、圧油の供給インターフェース31を介して、腕駆動用アクチュエーター28及び手駆動用アクチュエーター29に圧力エネルギーを供給するので、圧力エネルギーによっても腕駆動用アクチュエーター28及び手駆動用アクチュエーター29といった追加作業を行う追加アクチュエーターを駆動させることができる。従って、ロボット16が、油圧による比較的小型で強い力あるいはトルクを発揮させるアクチュエーターを用いて追加作業を行うことができ、ロボット16を、より広範囲に亘る追加作業に対応させることができる。
【0087】
また、エネルギー発生ユニット1が、モーター3によって生成されたエネルギーを蓄えるバッテリー4を備えているので、モーター3で発生された電力をバッテリー4で蓄電し、蓄電された電力をロボット16のそれぞれのアクチュエーターに向けて供給することができる。従って、ある程度大きな電力をロボット16の各アクチュエーターに向けて供給することができる。
【0088】
また、ユニット制御装置20は、姿勢センサー38によってエネルギー発生ユニット1の姿勢状態を検出し、検出された姿勢状態に基づいて内燃機関2の駆動の制御を行うので、エネルギー発生ユニット1の姿勢状態に適した制御を行うことができる。従って、例えば、エネルギー発生ユニット1が予め定められた傾きについての限界以上に傾いている場合にはユニット制御装置20が内燃機関2の運転を止めるので、内燃機関2は、潤滑油が内燃機関2に十分に行き渡った状態で運転を行うことができる。これにより、内燃機関2の運転を良好に行うことができる。
【0089】
また、エネルギー発生ユニット1が支持フレーム15における取付部15aによってロボット16に固定されたときに、内燃機関2及びモーター3がそれぞれ支持フレーム15を介してロボット16に支持されるので、内燃機関2及びモーター3を1つのユニットとしてロボット16に対して容易に着脱することができる。
【0090】
また、吸排気装置5と、ラジエター6とが支持フレーム15に支持され、吸排気装置5と、ラジエター6とがそれぞれ支持フレーム15を介してロボット16に支持されるので、内燃機関2と、モーター3とに追加して、吸排気装置5と、ラジエター6とが、1つのユニットとしてロボット16に対して着脱される。従って、吸排気装置5及びラジエター6についても、ロボット16への着脱を容易に行うことができる。
【0091】
また、エネルギー発生ユニット1の重心位置C1が内燃機関2におけるシリンダー全体についての中心位置C2よりもロボット16への取り付けの行われる取付部15a寄りの位置であるので、エネルギー発生ユニット1の重心位置をロボット16寄りの位置とすることができる。従って、エネルギー発生ユニット1の重量によってロボット16に作用する慣性モーメントを減少させることができる。これにより、ロボット16が安定した状態で作業を行うことができる。
【0092】
また、エネルギー発生ユニット1において、ロボット16に取り付けられる取付領域15bとは異なる非取付領域15cにラジエター6が取り付けられているので、ラジエター6をロボット16から離れた位置に配置することができる。従って、ロボット16によって熱交換を遮られずに外気と十分に熱交換を行うことのできる位置にラジエター6が配置され、ラジエター6による冷却液の冷却を良好に行うことができる。
【0093】
また、排気装置13が、ラジエター支持領域15dと取付領域15bとは異なる領域を通って外部に排気する位置に設けられているので、排気装置13をラジエター6から離れた位置に配置することができる。従って、排気装置13によってラジエター6が加熱されることを抑えることができ、ラジエター6での熱交換をより良好に行うことができる。また、ラジエター6から離れた位置に配置された排気装置13の排気口10が後方に向かって排気するので、排気がラジエター6に向かうことを抑えることができる。従って、ラジエター6が排気によって加熱されることを抑えることができ、ラジエター6での熱交換をより良好に行うことができる。
【0094】
なお、上記実施形態では、有線の通信ケーブル34と、有線の通信ケーブル35とが、コネクターとしての通信インターフェース36によって接続されている形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されない。通信インターフェース36は、非接触な形式であってもよい。つまり、ロボット16の作業制御装置26からの情報が、無線の信号伝達によって、エネルギー発生ユニット1のユニット制御装置20に伝達されてもよい。作業制御装置26からの情報が、無線の信号伝達によってユニット制御装置20に伝達される場合には、通信ケーブル34、35は無くてもよい。
【0095】
また、ロボット16の作業制御装置26からエネルギー発生ユニット1のユニット制御装置20に伝達される情報は、作業制御装置26からユニット制御装置20への指令だけでなく、ロボット16の状況、作業状態等を示す情報であってもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、内燃機関2の駆動力の一部を用いたオイルポンプ2bの駆動によって圧力エネルギーを付与した圧油を用いてロボット16の腕駆動用アクチュエーター28及び手駆動用アクチュエーター29に圧力エネルギーを供給する形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されない。圧力エネルギーをロボット16の腕駆動用アクチュエーター28及び手駆動用アクチュエーター29に供給する際のエネルギーの媒体は、圧油でなくてもよい。例えば、空気圧によって圧力エネルギーが伝達されてもよいし、水であってもよい。流体であれば、圧力エネルギーを伝達する媒体は何であってもよい。
【0097】
また、上記実施形態では、エネルギー発生ユニット1が2足歩行を行うロボット16の背中に背負われる形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。エネルギー発生ユニット1のロボット16への搭載は、他の形態であってもよい。例えば、ロボット16の重心位置に対し、背中側以外の、鉛直方向に垂直な方向(左右方向、前方向)にずれた位置に搭載されてもよいし、また、ロボット16の重心位置に対し、鉛直方向にずれた位置に搭載されてもよい。例えば、ロボット16の上方に搭載される形態であってもよい。また、ロボット16の腹部がくりぬかれその位置にエネルギー発生ユニット1が搭載される形態であってもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、ロボット16の作業のためのアクチュエーターの駆動に用いられるエネルギーとして、電力エネルギー及び作動油の圧力エネルギーが用いられる形態について説明したが、その他の形態のエネルギーが用いられてもよい。例えば、内燃機関2の出力軸2aからの回転駆動力の一部が、減速機等を介して、アクチュエーターの駆動のために直接的に取り出されてもよい。つまり、出力軸2aの回転エネルギーの一部が直接取り出されてアクチュエーターの駆動に用いられてもよい。
【0099】
なお、ロボット16の作業のためのアクチュエーターの駆動に用いられるエネルギーとして、電力エネルギー及び作動油の圧力エネルギー以外の種類のエネルギーが用いられてもよいが、ロボット16の移動作業及び追加作業を制御する作業制御装置26を駆動するためのバッテリーのサイズを考慮すると、ロボット16の作業のためのアクチュエーターの駆動に用いられるエネルギーは電力エネルギー及び作動油の圧力エネルギーのみとすることが好ましい。ロボット16のアクチュエーターの駆動に用いられるエネルギーを、電力エネルギー及び作動油の圧力エネルギーのみとすることにより、ロボット16で用いられるエネルギーの種類を少なくすることができ、作業制御装置26による制御を簡易にすることができる。これにより、作業制御装置26を駆動するためのバッテリーを小型化することができる。
【0100】
また、上記実施形態では、燃料タンク14内に充填される燃料としてガソリンが用いられる形態について説明したが、燃料はガソリン以外であってもよい。例えば、軽油であってもよい。また、燃料は常温常圧で液体のものでなくてもよく、例えば、LPG(液化石油ガス)や液体水素といった常温常圧で気体のものに対し圧力が加えられ、燃料タンク14内に液体として収容されるものが燃料として用いられてもよい。
【0101】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るエネルギー発生ユニットについて説明する。なお、上記第1実施形態と同様に構成される部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。第1実施形態では、燃料タンクが比較的上側の位置に配置されるようにエネルギー発生ユニットが構成され、これによって燃料タンクが内燃機関の出力軸及びモーターの入力軸よりも上側の位置に配置された形態について説明した。第2実施形態のエネルギー発生ユニットでは、燃料タンクが内燃機関よりも下側の位置に配置されている点で第1実施形態とは異なる。
【0102】
図5(a)及び(b)に第2実施形態におけるエネルギー発生ユニット1aの斜視図を示す。第2実施形態では、燃料タンク14aが内燃機関2及びモーター3よりも下側の位置に配置されている。第2実施形態では、支持フレーム15によって囲まれた収容領域40において、第1実施形態で燃料タンクが配置されていた上側且つ取付部15aに近い側の位置のスペースに、燃料タンクの代わりにバッテリー4aが設けられている。
【0103】
第2実施形態では、エネルギー発生ユニット1aにおいて、比較的重い燃料タンク14aが、フレーム15によって囲まれた収容領域40において、下側に配置されている。従って、エネルギー発生ユニット1aにおいて、重心の位置を下方にすることができる。
【0104】
図6に、ロボット16に第2実施形態のエネルギー発生ユニット1aが取り付けられたときの、エネルギー発生ユニット1a及びロボット16の側面図を示す。
図6では、ロボット16は直立した状態にある。
【0105】
本実施形態のエネルギー発生ユニット1aの重心の位置をC5とする。また、直立状態にあるロボット16の重心の位置をC6とする。また、ロボット16にエネルギー発生ユニット1aを搭載させたときのロボット16とエネルギー発生ユニット1aとを合わせた全体の構成の重心位置をC7とする。本実施形態のエネルギー発生ユニット1aは燃料タンク14aの位置を低くすることにより低重心化されているので、直立状態にあるロボット16の重心の位置C6よりも低い位置にエネルギー発生ユニット1aの重心の位置C5がある。本実施形態では、
図6に示されるように、エネルギー発生ユニット1aの重心の位置C5が、直立状態にあるロボット16の重心の位置C6よりもd1だけ低い位置にある。
【0106】
第2実施形態においても、ロボット16がエネルギー発生ユニット1aを搭載すると、重心位置が
図6に示されるC6からC7に移動する。重心位置が移動すると、それに伴って、ロボット16が移動あるいは作業を行う際の足17を駆動させるための足駆動用アクチュエーターに作用する負荷が変化する。ロボット16の通信ケーブル35とエネルギー発生ユニット1の通信ケーブル34とが通信インターフェース36を介して接続されたときに、ロボット16の作業制御装置26が、そのことを検出することができる。作業制御装置26が、ロボット16にエネルギー発生ユニット1が接続されたことを認識すると、重心位置がC6からC7に移動したと判断し、重心位置の移動に応じた量のエネルギーをそれぞれのアクチュエーターに供給し、ロボット16を駆動させる。
【0107】
本実施形態では、エネルギー発生ユニット1aの重心位置C5が低く構成されているので、エネルギー発生ユニット1aがロボット16に取り付けられたときに、エネルギー発生ユニット1aが取り付けられた状態のロボット16の重心位置C7を低くすることができる。従って、ロボット16を倒れ難くすることができる。また、ロボット16が安定した状態で作業を行うことができるので、ロボット16による作業の精度を向上させることができる。
【0108】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係るエネルギー発生ユニットについて説明する。なお、上記第1実施形態及び第2実施形態と同様に構成される部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。第1実施形態及び第2実施形態では、エネルギー発生ユニットが、2本の足で自立し2足歩行を行うことが可能なロボットに取り付けられている形態について説明した。第3実施形態は、エネルギー発生ユニットが4本の足で自立するロボットに取り付けられる点で第1実施形態及び第2実施形態と異なる。
【0109】
図7に、第3実施形態のエネルギー発生ユニット1bがロボット16aに取り付けられた状態のエネルギー発生ユニット1b及びロボット16aの側面図を示す。第3実施形態では、ロボット16aは、4本の足17bを有している。第3実施形態で用いられるエネルギー発生ユニット1bは、第1実施形態で示した形式のエネルギー発生ユニットと同様のものを用いて図示しているが、第2実施形態で示した形式のエネルギー発生ユニット1aと同様のものが用いられてもよい。
【0110】
ロボット16aは、4本の足を用いた歩行によって移動を行うので、本実施形態では、4つの足17bを駆動させる足駆動用アクチュエーターが、移動作業を行う移動アクチュエーターに相当する。本実施形態では、ロボット16aは、移動作業とは異なる追加作業を行う追加アクチュエーターを有していない。なお、ロボット16aは、移動作業とは異なる追加作業を行う追加アクチュエーターが設けられた構成であってもよい。
【0111】
本実施形態においては、4本の足で自立するロボット16aの重心の位置をC8とする。また、エネルギー発生ユニット1bの重心の位置をC9とする。また、ロボット16aにエネルギー発生ユニット1bを搭載させたときのロボット16aとエネルギー発生ユニット1bとを合わせた全体の構成の重心位置をC10とする。ロボット16aがエネルギー発生ユニット1bを搭載すると、重心位置が
図7に示されるC8からC10に移動する。本実施形態においても、ロボット16aにエネルギー発生ユニット1bが搭載されたときに、ロボット16aの作業制御装置がロボット16にエネルギー発生ユニット1が接続されたことを認識すると、重心位置がC8からC10に移動したと判断し、重心位置の移動に応じた量のエネルギーをそれぞれのアクチュエーターに供給し、ロボット16aを駆動させる。
【0112】
上記のように、移動作業あるいは移動作業とは異なる追加作業を行う作業装置としては、2足歩行を行うロボット以外のロボットであってもよい。第2実施形態のように、4本の足17bを用いて歩行を行うロボット16aであってもよい。また、作業装置は、歩行を行うロボット以外のロボットであってもよい。例えば、作業装置は、車輪を用いて移動を行うロボットであってもよい。また、作業装置の形状は、人や動物を模した形状でなくてもよい。移動作業を行う移動式の作業装置であれば、どのような形状であってもよい。
【符号の説明】
【0113】
1、1a、1b エネルギー発生ユニット
2 内燃機関
2b オイルポンプ(動力生成機)
3 モーター(動力生成機、ジェネレーター)
4 バッテリー(エネルギー蓄積装置)
5 吸排気装置
6 ラジエター
13 排気装置
14、14a 燃料タンク
15 支持フレーム
15a 取付部
15b 取付領域
15c 非取付領域
15d ラジエター支持領域
16、16a ロボット(作業装置)
17、17b 足(移動アクチュエーター)
17a 接地面
18 手(追加アクチュエーター)
19 腕(追加アクチュエーター)
20 ユニット制御装置
26 作業制御装置
31、33 供給インターフェース
36 通信インターフェース
40 収容領域
A1 鉛直領域
【手続補正書】
【提出日】2024-10-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行用の足と、足を駆動させる足駆動用アクチュエーターとを備える歩行型ロボットと、
前記歩行型ロボットに搭載され、前記足駆動用アクチュエーターを駆動するエネルギーを生成する内燃機関と、を備え、
前記内燃機関は、出力軸を有し、
前記出力軸は、水平方向に延びている、ロボットシステム。
【請求項2】
前記内燃機関によって駆動されて前記ロボットの作業動力を生成する動力生成機を更に備え、
前記内燃機関の出力軸と、前記動力生成機の入力軸とが、互いに同軸に接続される、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記内燃機関は、前記歩行型ロボットの重心位置に対して鉛直方向にずれた位置に搭載される、請求項1または2に記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記内燃機関は、前記歩行型ロボットの腹部位置または腹部がくりぬかれた位置に搭載される、請求項1~3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記内燃機関は、前記出力軸が前記歩行型ロボットの前後方向に延びている、請求項1~4のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項6】
前記歩行型ロボットは、4本の足で自立し4本の足を用いて歩行を行う四足歩行ロボットである、請求項1~5のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記内燃機関によって駆動されて前記ロボットの作業動力を生成する動力生成機を更に備え、
前記動力生成機は、前記内燃機関よりも前記歩行型ロボット寄りの位置に設けられる、請求項1~6のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項8】
前記内燃機関の燃料を貯留する燃料タンクを更に備え、
前記燃料タンクは、前記内燃機関よりも前記歩行型ロボット寄りの位置に設けられる、請求項1~7のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】