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特開2025-13414採尿システム及び関連の方法及びデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013414
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】採尿システム及び関連の方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/10 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
G01N1/10 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024191751
(22)【出願日】2024-10-31
(62)【分割の表示】P 2023562861の分割
【原出願日】2022-04-15
(31)【優先権主張番号】63/175,380
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/220,873
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520452529
【氏名又は名称】リプリーヴ カーディオヴァスキュラー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】コンリー エリック
(72)【発明者】
【氏名】ハルパート アンドリュー ヴィクター
(72)【発明者】
【氏名】ルッピ ケネス ジョン
(72)【発明者】
【氏名】フィールズ アントニー ジョナサン
(57)【要約】
【課題】採尿システム及び関連の方法及びデバイスを提供する。
【解決手段】採尿システム及び関連の方法及びデバイスを本明細書に開示する。代表的なシステムは、採尿デバイスと、患者からの尿流を採尿デバイスに向けるように構成された流れ制御アセンブリと、第1のセンサ及び第2のセンサを含む尿測定デバイスとを含むことができる。第1のセンサは、容器の重量に基づいて第1のセンサデータを発生するように構成され、第2のセンサは、患者から容器への尿流に基づいて第2のセンサデータを発生するように構成される。システムは、1又は2以上のプロセッサによって実行された時に第1のセンサデータに基づいて第1の患者排尿を決定する段階と第2のセンサデータに基づいて第2の患者排尿を決定する段階とを備える作動をシステムに実行させる命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体を更に含むことができる。
【選択図】図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
採尿システムであって、
患者から尿を採取するように位置決めされた容器の重量に基づいて第1のセンサデータを発生するように構成された第1のセンサと、
前記容器への尿流に基づいて第2のセンサデータを発生するように構成された第2のセンサと、
1又は2以上のプロセッサと、
前記1又は2以上のプロセッサによって実行された時に、
前記第1のセンサデータに基づいて第1の患者排尿を判断する段階、及び
前記第2のセンサデータに基づいて第2の患者排尿を判断する段階、
を備える作動をシステムに実行させる命令を有する1又は2以上の非一時的コンピュータ可読媒体と、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記作動は、
前記容器の前記重量が減少していることを前記第1のセンサデータを通じて判断する段階と、
前記容器の前記重量が減少していることを判断する段階の後に前記第2の患者排尿を1次入力として利用する段階と、
を更に備え、
前記第1の患者排尿及び前記第2の患者排尿は、ある期間にわたる平均体積流量である、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記作動は、前記容器の前記重量が減少していることを判断する段階の前に前記第1の患者排尿を前記1次入力として利用する段階を更に備えることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記作動は、
前記容器の前記重量が減少していることを判断する段階の後に該容器の該重量が増加していることを判断する段階と、
前記容器の前記重量が増加していることを判断する段階の後に前記第1の患者排尿を前記1次入力として利用する段階と、
を更に備える、
ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記作動は、
前記第1の患者排尿と前記第2の患者排尿の間の差が予め決められた閾値よりも小さい場合に、該第1の患者排尿を1次入力として利用する段階と、
前記第1の患者排尿と前記第2の患者排尿の間の前記差が前記予め決められた閾値よりも小さくない場合に、該第2の患者排尿を前記1次入力として利用する段階と、
を更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のセンサに作動可能に結合された装着構成要素であって、尿を採取するように位置決めされた前記容器を支持するように構成された前記装着構成要素を更に備え、
前記容器の前記重量は、前記装着構成要素を通じて前記第1のセンサに伝達される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
排液弁を含む前記容器を更に備え、
前記容器は、前記装着構成要素によって支持されている間に排液されるように構成される、
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
(i)前記第1のセンサ及び前記第2のセンサを包み込み、かつ(ii)陥入区域を少なくとも部分的に定めるコンソールを更に備え、
前記装着構成要素は、前記陥入区域に位置決めされ、
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサは、前記陥入区域の上方である、
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記患者からの尿を前記容器に向けるように構成された流体ラインと、
受け入れ区域を含むコンソールであって、前記第2のセンサが該受け入れ区域の第1の側で該コンソール内に位置決めされる前記コンソールと、
前記受け入れ区域の第2の側で前記コンソールに取り外し可能に結合された尿カートリッジであって、前記第2のセンサの一部分及び該尿カートリッジの一部分が、前記流体ラインを受け入れるように構成されたスロットを互いに定めるような前記尿カートリッジと、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
受け入れ区域を含むコンソールであって、前記第2のセンサが該受け入れ区域で該コンソール内に位置決めされる前記コンソールと、
前記コンソールに取り外し可能に取り付けられた尿カートリッジであって、前記患者からの尿を前記容器に向けるための経路を定める複数のポートを含む前記尿カートリッジと、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記容器の上流の流れ制御デバイスであって、前記患者からの尿流を該容器に向けるように構成された流体ラインを受け入れるように位置決めされた前記流れ制御デバイスを更に備え、
前記流れ制御デバイスは、前記尿に接触することなく前記尿流を調整するように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
尿カートリッジと該尿カートリッジに結合された流体ラインとを更に備え、
前記尿カートリッジは、前記第1のセンサと前記第2のセンサとを収容するコンソールに取り外し可能に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記第2のセンサを収容するコンソールと、
前記患者からの尿を前記容器に向けるように構成された流体ラインと、
前記流体ラインを受け入れるように構成された複数のポートを含む尿カートリッジであって、該流体ラインの一部分が前記第2のセンサに隣接して位置決めされるように前記コンソールに取り外し可能に取り付けられた前記尿カートリッジと、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記コンソール上の第3のセンサを更に備え、
前記第3のセンサは、前記尿カートリッジが前記コンソールに結合されているか否かを検出するように構成される、
ことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
患者から尿を採取する方法であって、
患者から尿流を受け入れるように構成された容器の重量を含む第1のセンサデータを第1のセンサを通じて測定する段階と、
第1の患者排尿を前記第1のセンサデータを通じて発生させる段階と、
前記容器の前記重量が減少していることを判断する段階と、
前記容器の前記重量が減少していることを判断する段階の後に、第2の患者排尿を含む第2のセンサデータを第2のセンサを通じて測定する段階と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項16】
前記第1の患者排尿と前記第2の患者排尿の間の差が予め決められた閾値よりも小さい場合に該第1の患者排尿を利用する段階と、
前記第1の患者排尿と前記第2の患者排尿の間の前記差が前記予め決められた閾値よりも小さくない場合に該第2の患者排尿を利用する段階と、
を更に備えることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記容器の前記重量が減少していることを判断する段階の前に前記第1の患者排尿を1次入力として利用する段階と、
前記容器の前記重量が減少していることを判断する段階の後に前記第2の患者排尿を前記1次入力として利用する段階と、
を更に備えることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記容器の前記重量が減少していることを判断する段階の後に、該容器の該重量が増加していることを判断する段階と、
前記容器の前記重量が増加していることを判断する段階の後に前記第1の患者排尿を前記1次入力として利用する段階と、
を更に備えることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記容器の前記重量が減少していることを判断する段階は、該容器の該重量が減少していることを前記第1のセンサを通じて検出する段階を備えることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記患者からの尿流を流れ制御アセンブリを通じて前記容器に向ける段階を更に備えることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記患者からの前記尿流を前記容器に向ける段階の前に該容器の存在を前記第1のセンサを通じて検出する段階を更に備えることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記流れ制御アセンブリは、複数のポートと、該ポートを通って前記容器まで延びる流体ラインとを含み、
前記患者からの前記尿流を前記容器に向ける段階は、前記流体ラインを通じて該患者からの該尿流を該容器に向ける段階を備え、
前記第2の患者排尿を測定する段階は、前記流体ラインを通じて前記容器に向けられた前記尿流を測定する段階を備える、
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記第2のセンサは、コンソールに収容され、前記流れ制御アセンブリは、前記患者からの前記尿流を前記容器に向けるように構成された流体ラインを含む尿カートリッジを含み、
前記方法が、
前記患者からの前記尿流を前記容器に向ける段階の前に前記尿カートリッジを前記コンソールに結合する段階、
を更に備える、
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項24】
患者に利尿剤を提供するように構成された第1のポンプと、
前記患者に補水流体を提供するように構成された第2のポンプと、
尿システムと、を備え、
前記尿システムは、
採尿デバイスと、
尿流を前記採尿デバイスに向けるように構成された流れ制御アセンブリと、
容器の重量に基づいて第1のセンサデータを発生するように構成された第1のセンサ及び前記患者から該容器への前記尿流に基づいて第2のセンサデータを発生するように構成された第2のセンサを含む尿測定デバイスと、
を含むことを特徴とする流体療法システム。
【請求項25】
1又は2以上のプロセッサと、
前記1又は2以上のプロセッサによって実行された時に、
前記第1のセンサデータに基づいて第1の患者排尿を判断する段階、及び
前記第2のセンサデータに基づいて第2の患者排尿を判断する段階、
を備える作動をシステムに実行させる命令を有する1又は2以上の非一時的コンピュータ可読媒体と、
を更に備えることを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記作動は、前記患者に提供されることになる前記利尿剤の量を前記第1の患者排尿に基づいて判断する段階を更に備えることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記作動は、
前記採尿デバイスの重量が減少していることを判断する段階と、
前記容器の前記重量が減少していることを判断する段階の後に、前記患者に提供されることになる前記利尿剤の前記量を前記第2の患者排尿に基づいて判断する段階と、
を更に備える、
ことを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記作動は、
前記採尿デバイスの前記重量が減少していることを判断する段階の後に、該採尿デバイスの該重量が増加していることを判断する段階と、
前記容器の前記重量が増加していることを判断する段階の後に、前記患者に提供されることになる前記利尿剤の前記量を前記第1の患者排尿に基づいて判断する段階と、
を更に備える、
ことを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記作動は、
前記第1の患者排尿と前記第2の患者排尿の間の差が予め決められた閾値よりも小さい場合に該第1の患者排尿を1次入力として利用する段階と、
前記第1の患者排尿と前記第2の患者排尿の間の前記差が前記予め決められた閾値よりも小さくない場合に該第2の患者排尿を前記1次入力として利用する段階と、
を更に備える、
ことを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項30】
前記尿測定デバイスは、前記第2のセンサを収容するコンソールを含み、前記流れ制御アセンブリは、
前記患者からの前記尿流を前記採尿デバイスに向けるように構成された流体ラインと、
前記流体ラインを受け入れるように構成され、該流体ラインの一部分が前記第2のセンサに隣接して位置決めされるように前記コンソールに取り外し可能に取り付けられた尿カートリッジと、
を含むことを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、2020年12月4日出願の米国特許出願第17/112,925号に関連し、かつ2021年7月12日出願の米国仮特許出願第63/220,873号及び2021年4月15日出願の米国仮特許出願第63/175,380号に対する優先権を主張するものであり、それらの開示の各々は、それらの全体が引用によって本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明の開示は、一般的に医療デバイスに関連し、特に、採尿のためのシステム及び関連の方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
人間の生理系は、流体摂取と流体排泄の間で自然に平衡を維持しようと模索する。流体摂取速度と流体排泄速度の不均衡は、流体過負荷としても公知の過量の流体を身体に保持させる場合がある。流体過負荷は、急性非代償性心不全(ADHF)、慢性心不全(CHF)、又は不十分な流体しか排泄されない他の状態によって引き起こされる可能性がある。流体過負荷が見られる患者は、息切れ(呼吸困難)、水腫、高血圧、及び他の望ましくない病態に苦しむ場合がある。
【0004】
流体過負荷を治療するために、典型的には、尿生成を誘起する及び/又は増加させ、それによって体内の流体及びナトリウムの量を低減する利尿薬が患者に投与される。安全上の理由から、例えば、患者の腎臓に対して過度のストレスを掛けることを回避するために、排尿速度は、注意深くモニタされる及び/又は制御することができる。異なる患者は、治療に対して別様に応答する場合があり、従って、同じ利尿剤のタイプ及び/又は投与量が有意に異なる排尿速度をもたらす場合がある。しかし、流体過負荷を治療するための従来のシステム及び方法は、患者の排尿を正確にモニタする機能及び/又は排尿の変化に応答する機能を持たない場合がある。これに加えて、従来の治療システム及びデバイスは、高い尿生成速度を受け入れる機能を持たない場合があり、従って、看護師又は他の医療従事者が採尿バッグを治療手順中に複数回空にする及び/又は交換することを必要とする場合がある。従来のシステム及びデバイスはまた、尿流に対するエア・ロック及び/又は中断を受けやすい場合がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の開示の技術の特徴、態様、及び利点は、以下の図面に関連してより良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】本発明の技術の実施形態による流体管理システムの部分概略図である。
図1B】本発明の技術の実施形態による流体管理システムの部分概略図である。
図1C】本発明の技術の実施形態による流体管理システムの部分概略図である。
図1D】本発明の技術の実施形態による流体管理システムの部分概略図である。
図2】本発明の技術の実施形態による患者を治療する方法の流れ図である。
図3】本発明の技術の実施形態による採尿システムの概略図である。
図4A】本発明の技術の実施形態による採尿システムの代表例を示す図である。
図4B】本発明の技術の実施形態による採尿システムの代表例を示す図である。
図4C】本発明の技術の実施形態による採尿システムの代表例を示す図である。
図4D】本発明の技術の実施形態による採尿システムの代表例を示す図である。
図4E】本発明の技術の実施形態による採尿システムの代表例を示す図である。
図4F】本発明の技術の実施形態による採尿システムの代表例を示す図である。
図4G】本発明の技術の実施形態による採尿システムの代表例を示す図である。
図4H】本発明の技術の実施形態による採尿システムの代表例を示す図である。
図4I】本発明の技術の実施形態による採尿システムの代表例を示す図である。
図4J】本発明の技術の実施形態による採尿システムの代表例を示す図である。
図5】本発明の技術の実施形態による患者から尿を採取する方法を示す流れ図である。
図6A】本発明の技術の実施形態による採尿システムの代表例を示す図である。
図6B】本発明の技術の実施形態による採尿システムの代表例を示す図である。
図6C】本発明の技術の実施形態による採尿システムの代表例を示す図である。
図6D】本発明の技術の実施形態による採尿システムの代表例を示す図である。
図6E】本発明の技術の実施形態による採尿システムの代表例を示す図である。
図6F】本発明の技術の実施形態による採尿システムの代表例を示す図である。
図6G】本発明の技術の実施形態による採尿システムの代表例を示す図である。
図6H】本発明の技術の実施形態による採尿システムの代表例を示す図である。
図7】本発明の技術の実施形態による採尿システムの尿カートリッジの例を示す図である。
図8】本発明の技術の実施形態による患者から尿を採取する方法の流れ図である。
図9A】本発明の技術の実施形態による採尿システムでのエア・ロックの例を示す図である。
図9B】本発明の技術の実施形態による採尿システムでのエア・ロックの別の例を示す図である。
図10】本発明の技術の実施形態によるポンピングデバイスを含む採尿システムの概略図である。
図11】本発明の技術の実施形態によるプライミングバルブの斜視図である。
図12】本発明の技術の実施形態による概略採尿システムの例を示す図である。
図13】本発明の技術の実施形態による概略採尿システムの例を示す図である。
図14A】本発明の技術の実施形態による概略採尿システムの例を示す図である。
図14B】本発明の技術の実施形態による概略採尿システムの例を示す図である。
図15A】本発明の技術の実施形態によるプライミングアセンブリの斜視図である。
図15B】本発明の技術の実施形態によるプライミングアセンブリの断面図である。
図15C図15A及び図15Bプライミングアセンブリの一部分の断面図である。
図15D図15A及び図15Bプライミングアセンブリの一部分の断面図である。
【0007】
当業者は、図面に示す特徴が例示を目的とするものであり、異なる及び/又は追加の特徴及びその配置を含む変形が可能であることを理解するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の技術は、患者の排尿を採取及び/又はモニタするためのシステム、並びに関連の方法及びデバイスに関する。一部の実施形態では、採尿システムは、患者からの尿を保持するように構成された第1の容器と第2の容器を含む。システムは、第1及び/又は第2の容器内の尿の量を示すセンサデータを発生するように構成された少なくとも1つのセンサを更に含むことができる。システムは、患者からの尿流をセンサデータに基づいて第1の容器又は第2の容器の中に向けるように構成された流れ制御アセンブリを更に含むことができる。例えば、流れ制御アセンブリは、尿流を第1の容器及び/又は第2の容器の中に選択的に向けるための弁及び/又は他の流体制御要素のセットを含むことができる。流れ制御アセンブリは、容器の一方が満杯又はほぼ満杯であることを検出した場合に、尿流を他方の容器の中に自動的に向け直すことができる。この手法は、患者が大量の尿を生成する医療手順、例えば、流体過負荷に関して利尿剤を投与することによって患者を治療するための手順に関して有利とすることができる。例えば、本発明の技術は、ユーザ(例えば、看護師又は他の医療従事者)が容器を検査する及び/又は空にすることを必要とする回数を低減することができる。本発明の技術は、ユーザが尿容器を取り外して空にすることを容易にし、それによって漏れ又は溢流の可能性を低減することができる。
【0009】
一部の実施形態では、流体療法システム及び/又は採尿システムは、容器と、患者からの尿流を容器に向けるように構成された流れ制御アセンブリと、第1のセンサ及び第2のセンサを含む尿測定デバイス又はシステムとを含む。第1のセンサは、容器の重量に基づいて第1のセンサデータを発生するように構成され、第2のセンサは、患者から容器への尿流に基づいて第2のセンサデータを発生するように構成される。第1及び第2のセンサデータを用いて、それぞれ第1及び第2の患者排尿(例えば、ある期間にわたる平均の尿流速度及び/又は尿体積)を生成することができる。システムは、第1及び第2の患者排尿の各々を患者に提供される利尿剤及び/又は補水流体の量を決定するための1次情報ソースとして利用することができる。例えば、一部の実施形態では、容器の重量が減少していることをシステムが検出し、それによって容器が排液されていることが可能性として示されない限り、第1の患者排尿(例えば、容器の重量変化に基づく)が1次情報ソースとして使用される。容器の重量が減少していることをシステムが検出した時に、第2の患者排尿(容器の流れに基づく)を1次情報ソースとして使用することができる。本明細書に説明するように、この手法は、容器が排液されている時であっても正確で信頼性の高い排尿速度を決定することを可能にする。従って、本発明の技術の実施形態は、限られた中断リスクしか伴わない継続的な流体療法を可能にする。これに加えて又はこれに代えて、本発明の技術の実施形態は、容器を対話的に操作することが許されているが医療機器を作動させることは許されていない医療従事者(例えば、看護補助)がシステムのユーザインタフェースを使用することなく容器を排液することを可能にすることができる。
【0010】
本発明の技術は、採尿システムとの組合せ使用に適するデバイス及び関連の方法を更に提供する。一部の実施形態では、例えば、患者から尿を採取するためのデバイスは、患者の身体に結合するように構成された第1の流体ラインと、尿容器に結合するように構成された第2の流体ラインと、第1の流体ラインと第2の流体ラインとを流体的に結合する中空部材(例えば、可撓性バルブ)とを含む。中空部材は、第1の流体ラインに結合された第1の末端部分と、第2の流体ラインに結合された第2の末端部分と、第1の末端部分と第2の末端部分とを流体的に結合する可撓性本体部分とを有することができる。第1及び第2の末端部分の各々は、患者の身体から尿容器への流体流れを許し、一方で反対方向の流体流れを阻止するそれぞれの逆止弁を含むことができる。一部の実施形態では、可撓性本体部分は、患者の身体から第1又は第2の流体ラインの一方又は両方の中に流体を引き込むように反復的に作動(例えば、圧縮)されるように構成される。可撓性本体部分の作動は、流体ラインに流体(例えば、生理食塩水及び/又は尿)をプライミングすること及び/又は流体ラインから空気を除去すること(例えば、空気を尿容器の中に移動することにより)ができる。従って、デバイスは、患者の身体から尿容器までのほぼ連続的な尿流を維持することができ、流体除去手順及び/又は患者の尿排出の正確なモニタに関して有利とすることができる。同様に、デバイスは、無菌性を維持し、それによって尿路感染症及び/又は他の合併症の可能性を低減しながら尿流をプライミングするための及び/又は流体ラインから障害(例えば、エア・ロック)を除去するための簡単な方式を与えることができる。
【0011】
本明細書に提供する表題は、単に便宜を目的とするものであり、本発明の技術の範囲又は意味を限定又は解釈するように意図したものではない。
【0012】
I.流体管理システム及び方法
本発明の技術は、一般的に、患者の流体レベルを管理するためのシステム、デバイス、及び関連の方法に関する。一部の実施形態では、本明細書に説明するシステム、デバイス、及び方法は、流体過負荷に関して患者を治療するのに使用される。流体過負荷を治療するために、尿生成を誘起する及び/又は増大する利尿薬を患者に投与することができる。例えば、ループ利尿剤は、腎臓内のヘンレループの上行脚に作用する利尿剤であり、ブメタニド(Bumex(登録商標))、エタクリン酸(Edecrin(登録商標))、フロセミド(Lasix(登録商標))、トルセミド(Demadex(登録商標))、チアジド系利尿薬(例えば、クロロチアジド、メトラゾン)、カリウム保持性利尿剤(例えば、アミロリド、スピロノラクトン)、炭酸脱水酵素阻害剤(例えば、アセタゾラミド)、及び浸透圧利尿剤(例えば、マンニトール)を含む。利尿剤は、錠剤として経口投与するか又は静脈内(IV)注射として投与することができる。IV利尿剤は、経口利尿剤がもはや有効ではない時及び/又は吸収することができない時に使用することができる。
【0013】
患者の尿生成に対する利尿剤の短期効果は、特に治療の早期の過程では予想することが困難である場合がある。例えば、1人の患者は、所与の利尿剤用量に関して予想されるものよりもかなり少ない尿しか生成しない場合があり、それに対して同じ用量が投与された別の患者は、非常に大量の尿を生成することができる。低い尿生成は、治療時間を長引かせる及び/又は治療効果を低減する場合があり、それに対して高い尿生成は、低血圧、血液量減少、電解質不均衡(例えば、低カリウム血)、及び/又は重要臓器の損傷の懸念を高める場合がある。高用量の利尿剤は、尿応答に関係なく、聴器毒性につての懸念を高める場合もある。これらの不確実性に起因して、一般的に、医師は、最初に慎重な(例えば、低い)利尿剤投与量を処方し、数時間待った後に投与量を増大するか否かを考察する。医師は、より高い利尿剤投与量を必要とすると決定した場合に、患者の排尿が望ましいレベル及び/又は速度に到達するまで投与量を徐々にかつ区分的に増大することができる。しかし、この手法は、患者が流体過負荷状態に留まる時間を長引かせる場合があり、それによって患者の基礎臨床状態が悪化する可能性がある。例えば、慎重な治療手順は、有意な流体喪失をもたらし、流体過負荷状態を緩和するのに患者の排尿が十分に高くなるまでに数時間又は数日さえも必要とする場合がある。患者は、数日間(例えば、4~5日間)にわたって入院加療を受ける場合があり、それは、高額なコストを要し、負担になる場合がある。これに加えて、長期治療効果は限られる場合があり、従って、患者のうちのほぼ25%が流体過負荷に関して30日以内に再入院する。
【0014】
上記及び他の課題を解消するために、本発明の技術は、患者の流体レベルを管理するためのシステム、並びに関連のデバイス及び方法を提供する。一部の実施形態では、本発明の技術は、(i)流体管理治療の効果、安全性、及び品質を改善すること、(ii)病院及び他の臨床環境でのリソース管理を改善すること、(iii)患者が利尿剤耐性を有するか否かを迅速に評価すること、及び/又は(iv)利尿剤効率(所与の時間にわたって1mgの利尿剤の静脈内注入によって得られる尿及び/又は排泄電解質(例えば、ナトリウム)の量)を改善することができる。本明細書に説明する実施形態は、流体及び/又は電解質(例えば、ナトリウム及び/又は塩化物)の正味除去を改善することができ、流体過負荷状態をより効率的に(例えば、より短い時間フレーム及び/又はより高い正味流体喪失で)治療することができる。
【0015】
図1Aは、本発明の技術の実施形態による排尿をモニタすること及び/又は患者P内への流体注入を制御することを目的とする流体管理システム(「システム100」)の部分概略図である。システム100は、採尿及びモニタシステム110(「尿システム110」)と、自動補水流体注入システム120(「補水システム120」)と、自動利尿剤注入システム130(「利尿剤システム130」)と、コントローラ又は制御システム140(「コントローラ140」)と、ディスプレイ又は入力/出力ユニット150(「ディスプレイ150」)とを含む。コントローラ140は、尿システム110、補水システム120、利尿剤システム130、及び/又はディスプレイ150の各々と作動可能に結合することができる。システム100は、尿システム110、補水システム120、利尿剤システム130、コントローラ140、及び/又はディスプレイ150の全て又は一部分を組み込む、収容する、及び/又は他に支持するコンソール又は構造体105(「コンソール105」)を更に含むことができる。
【0016】
尿システム110は、患者Pから尿を採取する及び/又は患者の排尿(例えば、排尿量及び/又は排尿速度)をモニタするように構成される。尿システム110は、尿を保持するように構成された1又は2以上の採取容器112(「容器112」)、例えば、使い捨て可能バッグ又は他の採取デバイスを含むことができる。容器112は、流体ライン119(例えば、配管ライン)を通して患者Pに流体的に結合することができる。流体ライン119は、患者Pの膀胱に配置された又は他にそれに接続された使い捨て可能カテーテル118(例えば、フォーリーカテーテル、テキサスコンドームカテーテル、ピュアウィックカテーテルのような)に接続可能とすることができる。
【0017】
一部の実施形態では、流体ライン119を通る尿流は、患者の尿生成、重力(例えば、患者Pの膀胱が容器112よりも高い場所に配置される)、及び/又は患者の膀胱と容器112の間のサイフォン効果によって駆動される。他の実施形態では、尿システム110は、流体ライン119を通って容器112の中に入る尿流を起こすために流体ライン119と作動可能に結合されたポンプ(図示せず)を含むことができる。ポンプは、流体をポンピングするのに適切ないずれかのデバイス、例えば、蠕動ポンプとするか又はそれを含むことができる。ポンプを用いて、手順の開始時に患者の身体から尿流を開始することができる。ポンプは、治療手順中に尿流を望ましい流速に維持することができ、連続的に作動し、及び/又は周期的に作動し(例えば、予め決められた期間で)、及び/又はユーザ入力及び/又は検出された問題(例えば、予想外の尿流の中断)に応答して作動することができる。ポンプを用いて、流体ライン119からエア・ロック及び/又は他の障害を取り除くことができる。流体ライン119を流体でプライミングすること、流体ライン119を通して尿をポンピングすること、及び/又はエア・ロックを流体ライン119から取り除くことに適するデバイスの追加の例を下記で図10図11、及び図15A図15Dを参照して更に詳しく説明する。
【0018】
尿システム110は、患者の排尿(例えば、排尿の量及び/又は速度)を検出するように構成された1又は2以上のセンサ114(「センサ114」)を含むことができる。センサ114は、コントローラ140と作動可能に結合することができ、従って、コントローラ140は、センサ114によって生成されたデータに基づいて患者の排尿をモニタ及び/又は計算することができる。排尿は、例えば、尿流(例えば、流体ライン119を通る及び/又は容器112の中に入る)、容器112内の尿の量(例えば、容器112の重量、容器112内の尿のレベルなどに基づく)、及び/又は尿に関する他の性質などに基づく多くの異なる方式で決定することができる。センサ114は、流量センサ、点滴カウンタ、流体重量センサ、流体レベルセンサ、浮子センサ、光センサ、超音波センサ、接触式センサ(例えば、パドルホイールセンサ)、及び/又は排尿の量及び/又は速度を測定するのに適する当業技術で公知の他のセンサのうちの1又は2以上を含むことができる。図1Aの実施形態では、センサ114は、コンソール105に配置される。しかし、他の実施形態では、センサ114の一部又は全ては、ライン119、容器112、及び/又は患者Pの上又は中のようなシステム100内の異なる場所に存在することができる。
【0019】
一部の実施形態では、センサ114は、患者の排尿を検出するのに加えて、尿の1又は2以上の特性を測定するように構成された少なくとも1つのセンサを含むことができる。例えば、センサ114は、尿温、尿導電率、尿酸素飽和度、尿比重、及び/又は尿中の1又は2以上の検体(例えば、クレアチニン、ナトリウム、カリウムのような)の濃度を測定するように構成することができる。そのような特性は、例えば、特定の療法の効果を決定する及び/又は患者Pが重篤状態にあるか否か又はそれに近づいている可能性があると考えられるか否かを決定するのに有利とすることができる。例えば、尿導電率及び/又は尿中電解質(たとえナトリウム)は、患者が流体療法に良好に応答しているか否か又は患者が重篤状態にあり、流体療法を中止しなければならないか否かを示すことができる。一部の実施形態では、尿導電率は(単体で又は尿比重との組合せで)、尿中ナトリウム及び/又は他の尿中電解質の測定の代用として使用され、例えば、より高い尿導電率は、より高い尿中ナトリウム濃度に相関することができ、より低い尿導電率は、より低い尿中ナトリウム濃度に相関する場合がある。別の例として尿温測定を用いて(例えば、流体ライン119を通した熱損失に基づいて)尿流を検出することができる。尿温は、患者の体温の代用として使用することができ、この場合に、尿温は、患者の現在の臨床状態に相関する場合がある。
【0020】
任意的に、センサ114は、採尿手順のステータス、例えば、採尿が正常に進行しているか否か、尿流に中断があるか否か、尿システム110内に閉塞又は漏液があるか否かなどをモニタするように構成された少なくとも1つのセンサを含むことができる。例えば、センサ114は、尿システム110内(例えば、流体ライン119、カテーテル118、及び/又は容器112又はその近く)に漏液が存在するか否かを検出するように構成された漏液センサを含むことができる。漏液は、尿流速度変化、圧力変化、湿気の存在、又はいずれかの他の適切なパラメータに基づいて検出することができる。一部の実施形態では、コントローラ140は、漏液センサ及び/又は他のセンサ114からのデータを解析して低い排尿速度と尿システム110内の漏液とを区別するように構成される。
【0021】
別の例として、センサ114は、流体ライン119内の流体圧を測定するように構成された圧力センサを含むことができる。コントローラ140は、圧力測定値を用いて尿流のステータスをモニタし、任意的にいずれかの中断(例えば、減少、突然の停止)又は採尿に関連付けられた他の問題があるか否かを検出することができる。一部の実施形態では、コントローラ140は、圧力測定値を解析して中断が低尿流(例えば、患者の膀胱が空又はほぼ空である)、流体ライン119内のエア・ロック又は他の障害、尿システム110内の漏液、及び/又は流体ライン119及び/又はカテーテル118のキンクのいずれに起因するかを決定する。コントローラ140は、手動関与が有利であるか又は必要とされている場合にユーザに警告することができる(例えば、障害を取り除くこと、漏れを修復すること、流体ライン119からキンクを除去することなどを行うように)。尿システム110がポンプを含む実施形態では、コントローラ140は、自動的にポンプを作動させる及び/又は流体ライン119から障害を取り除くためにポンピング速度を増大させることができる。
【0022】
補水システム120は、生理食塩水(例えば、事前混合された生理食塩水溶液)、乳酸リンゲル液、及び/又は患者P内への注入に適するいずれかの他の液体溶液のような補水流体を含む少なくとも1つの補水流体ソース122(「流体ソース122」、バッグ、瓶、リザーバのような)を含むことができる。補水流体は、例えば、患者の状態及び/又は他の治療要件に依存して等張性、高張性、又は低張性とすることができる。任意的に、治療手順中の患者の状態及び/又は予想又は計測の電解質損失に基づいて補水流体の組成(例えば、ナトリウム、塩化物、カリウム、重炭酸塩のような)を変更することができる。
【0023】
流体ソース122は、第1の流体ライン129a及び第2の流体ライン129bのような少なくとも1つの流体ライン(例えば、IVライン又は他の配管)を通して患者Pに接続することができる。流体ソース122は、補水流体の注入を作動する及び/又はモニタするための1又は2以上の補水流体構成要素124、例えば、補水流体ポンプ126及び/又は少なくとも1つの補水流体センサ128(「流体センサ128」)に第1及び第2の流体ライン129a~129bを通して作動可能に結合することができる。図示の実施形態では、流体ソース122は、第1の流体ライン129aを通して補水流体ポンプ126に流体的に結合され、補水流体ポンプ126は、第2の流体ライン129bを通して患者Pの中に補水流体をポンピングすることができる。補水流体ポンプ126は、蠕動ポンプ又は患者の身体の中に流体を注入する(例えば、IVルート又は別のルートを通して)のに適する他のポンプとするか又はそれを含むことができる。
【0024】
流体センサ128は、流体ソース122から患者Pに向けて流れる補水流体の量及び/又は速度を決定するように構成することができ、流量センサ、圧力センサ、及び/又はポンプ126からの流体排出を決定するように構成された他のセンサを含むことができる。これに代えて又は組合せで、流体センサ128は、ポンプ126のポンピング速度(例えば、1分当たりのポンプ126の回転数)を測定することによって補水注入速度をモニタすることができる。本明細書の他の箇所で議論するように、コントローラ140は、補水システム120と作動可能に結合することができ、流体センサ128からセンサデータを受信して補水流体注入速度を決定することができる。コントローラ140は、患者Pに供給される補水流体の量及び/又は速度を制御するようにポンプ126のポンピング速度を制御することができる。
【0025】
任意的に、流体ソース122内の補水流体の量は、例えば、重量、体積、流体レベル、流速などに基づいてモニタすることができる。そのような実施形態では、流体ソース122は、流体センサ128とは別個の追加のセンサ(図示せず)、例えば、流体レベルモニタ、浮子センサ、重量センサ、光センサ、点滴カウンタ、又は流れ測定センサなどと作動可能に結合することができる。追加のセンサは、患者Pに供給されている補水流体の量及び/又は速度を決定及び/又は検証するための独立した測定データソースを与えることができ、このデータソースは、測定の精度を改善するのに有利とすることができる。
【0026】
一部の実施形態では、補水システム120は、流体ソース122の存在を検出するように構成された少なくとも1つのセンサ、例えば、場所センサ、光センサ、重量センサなどを含む。補水システム120は、センサデータを用いて流体ソース122が存在するか又は不在であるかを自動的に決定し、それによって例えばシステム100が流体療法の治療を開始する準備が整っているか否かを評価することができる。任意的に、センサデータを用いて、治療手順中に、例えば、空又はほぼ空の流体ソース122を新しい流体ソース122に切り換えるためにユーザが流体ソース122を取り外そうとうとするか否かを検出することができる。そのような実施形態では、システム100は、流体ソース122を交換し終わるまで補水流体の注入を自動的に一時停止することができる。従って、ユーザは、システム100に通知するか又は手順を手動で一時停止することなく流体ソース122を切り換えることができる。
【0027】
利尿剤システム130は、利尿剤を患者Pに自動的に供給するように構成することができる。利尿剤システム130は、各々を流体溶液(例えば、生理食塩水と利尿剤又は他の薬剤との混合物)の一部とすることができるブメタニド(Bumex(登録商標))、エタクリン酸(Edecrin(登録商標))、フロセミド(Lasix(登録商標))、トルセミド(Demadex(登録商標))、及び/又は当業技術で公知の他の利尿剤のような利尿剤を含む利尿剤ソース134(例えば、シリンジ、バッグ、リザーバのような)を含むことができる。一部の実施形態では、利尿剤の識別名及び/又は濃度は、ユーザ入力(例えば、ディスプレイ150を用いた)により、利尿剤ソース134又は他の利尿剤容器のバーコードを走査することにより、及び/又はいずれかの他の適切な技術によってコントローラ140によって受信することができる。
【0028】
利尿剤ソース134は、流体ライン139(例えば、IVライン又は他の配管)を通して患者Pに接続することができる。利尿剤ソース134は、流体ライン139を通じた利尿剤送出を作動する及び/又はモニタするための1又は2以上の利尿剤構成要素136と作動可能に結合することができる。例えば、利尿剤構成要素136は、流体ライン139を通して患者Pに向けて利尿剤をポンピングするように構成された利尿剤ポンプを含むことができる。利尿剤ポンプは、蠕動ポンプ、シリンジポンプ、計量ポンプ、又は利尿剤を患者Pに複数の投与速度で送出するのに適する他のデバイスを含むことができる。利尿剤ポンプは、利尿剤をあらゆる適切な送出プロファイルに従って、例えば、制御式連続速度で及び/又は流体ライン139を通して規則的な間隔で送出される制御式ボーラスで送出することができる。利尿剤送出プロファイルの追加の詳細を下記で図2に関して提供する。
【0029】
一部の実施形態では、利尿剤ポンプは、機械的な注射器又はプランジャを含み、これらは、コントローラ140が患者Pに利尿剤を移送する注射器の移動を引き起こすようにコントローラ140と作動可能に結合される。シリンジポンプは、患者Pへの利尿剤の送出を制御するために注射器を機械的に駆動するアクチュエータを含む又はそれに結合することができる。例えば、アクチュエータは、注射器を駆動するためにネジを回転させるためのナットのような機械的アクチュエータとするか又はそれを含むことができる。シリンジポンプは、注射器の位置を検出するためのセンサを含む又はそれと作動可能に結合することができる。これに代えて又は組合せで、利尿剤ポンプは、他のタイプのポンプ及び/又はアクチュエータを含むことができる。例えば、利尿剤ポンプは、モータ、それと作動可能に接続されたギヤボックス、このモータの回転を測定するためのセンサ(例えば、回転速度計又は光学符号器)、及び/又はモータの作動を制御し、患者Pに送出される利尿剤の量をモニタするように構成されたマイクロコントローラを含むことができる。別の例として利尿剤ポンプは、液体を利尿剤ソース134から患者Pに向けてライン139を通して前進させるように構成された電気モータ、例えば、回転モータ、リニアモータ、及び/又は一連の電気作動ソレノイドを含むことができる。
【0030】
一部の実施形態では、利尿剤構成要素136は、患者Pに向けて流れる利尿剤の量及び/又は速度を決定するように構成された1又は2以上の利尿剤センサを含む。1又は2以上の利尿剤センサは、例えば、流量センサ、重量センサ、及び/又は利尿剤ソース134から送出される利尿剤の量及び/又は速度を決定するように構成された他のセンサタイプを含むことができる。任意的に、利尿剤センサは、利尿剤ポンプからの排出に基づいて、例えば、ポンピング速度(例えば、1分当たりの利尿剤ポンプの回転数、プランジャ位置のような)をモニタすることによって利尿剤送出を測定することができる。利尿剤構成要素136は、例えば、正確な利尿剤注入を保証するために及び/又は注入ステータスをモニタするためにフィードバック信号をコントローラ140に供給するための気泡検出器、圧力センサ、溢血センサ(例えば、ivWatchデバイス)、及び/又は他の埋め込み電子機器のような追加の機能構成要素を含むことができる。
【0031】
コントローラ140は、補水流体及び/又は利尿剤の注入を自動的に制御して(例えば、患者の排尿に少なくとも部分的に基づいて)患者Pの安全で有効な利尿を容易にするように構成される。コントローラ140は、1又は2以上のプロセッサと、プログラム可能命令を格納するように構成された有形の非一時的メモリとを含むことができる。コントローラ140は、尿システム110、補水システム120、及び/又は利尿剤システム130と作動可能に結合され、これらのシステムの様々な構成要素からデータ(例えば、センサデータ)を受信すること及びこれらの構成要素にデータ(例えば、制御信号)を送信することができる。例えば、コントローラ140は、尿システム110から(例えば、センサ114から)センサデータを受信して患者の排尿を決定及び/又はモニタすることができる。排尿に基づいて、コントローラ140は、患者Pに投与するのに適切な利尿剤投与の量及び/又は速度を決定することができ、それに従って利尿剤システム130に利尿剤を送出させることができる。例えば、コントローラ140は、望ましい利尿剤送出プロファイルを生成するための利尿剤ポンプのポンピング速度を決定することができる。同様に、コントローラ140は、患者Pに対して適切な補水流体注入速度を決定することができ(例えば、排尿及び/又は利尿剤投与速度に基づいて)、補水システム120に適切な量及び/又は速度の補水流体を送出させることができる。例えば、コントローラ140は、補水流体ポンプ126が望ましい補水流体注入速度を達成するためのポンピング速度を決定することができる。コントローラ140は、例えば、医師によって処方された及び/又はコントローラ140によって管理される適切な治療計画プロトコルに基づいて利尿剤投与速度及び/又は補水流体注入速度を調整することができる。
【0032】
手順中に、コントローラ140は、尿システム110、補水システム120、及び/又は利尿剤システム130の様々なセンサからセンサデータを受信して排尿、補水流体注入速度、及び/又は利尿剤投与速度をそれぞれモニタすることができる。コントローラ140は、患者のステータス及び/又はシステム100の作動ステータスをモニタするように構成された追加のセンサ、例えば、流体圧センサ、血圧センサ、及び気泡検出器などからセンサデータを受信することができる。例えば、コントローラ140は、患者Pの中に埋め込まれた、取り付けられた、又は他に関連付けられた少なくとも1つのセンサと作動可能に結合することができる。センサは、圧力レベル(例えば、肺動脈圧、左房圧)、生体電気測定値(例えば、生体インピーダンスベクトル解析値(BIVA))、ヘモグロビン測定値(例えば、非侵襲的ヘモグロビン測定値)、尿酸素飽和度レベル、尿組成(例えば、クレアチン、ナトリウム、カリウム、塩化物のような)、尿温、体温(例えば、膀胱温)、及び経口流体摂取量などという患者パラメータのうちのいずれかに関するデータを供給することができる。コントローラ140は、本明細書に説明するセンサのうちのいずれかからのデータを用いて、治療経過(例えば、治療が完了したか否か)、患者のステータス(例えば、患者が治療に対して良好に応答しているか又は不十分にしか応答していないか)、及び/又は潜在的な安全上の懸念(例えば、利尿が過度に活発であるか否か、患者が副作用を見せているか否か)をモニタすることができる。コントローラ140は、センサデータに基づいて補水流体注入速度及び/又は利尿剤投与速度を調節することができる。更に、センサデータは、流体療法の効果を確認又は検証するためのフィードバックをコントローラ140に供給することができる。
【0033】
コントローラ140は、この療法をモニタ及び/又は制御するために、システム100に対する設定値、ユーザ入力、望ましい治療計画(例えば、プログラムされた利尿剤及び/又は補水流体の経時的流体送出プロファイル)を示すデータ、及び/又はコントローラ140によって収集又は算定された他のデータのような他のデータを使用することができる。一部の実施形態では、コントローラ140によって使用されるデータは、患者Pに送出される利尿剤投与量、排尿の体積又は速度、患者Pの中に注入される補水流体の量、利尿剤の注入中の様々な時点での患者Pの体重又は体重変化、患者の腎機能のインジケータ(例えば、推定糸球体濾過速度(eGFR))、及び/又は患者Pがシステム100によって治療された時間のような患者Pに関する現在及び/又は過去のデータを含む。
【0034】
ディスプレイ150(例えば、タッチ画面、モニタのような)は、ユーザから入力を受け入れ、出力をユーザに対して表示するように構成されたユーザインタフェースを含むことができる。一部の実施形態では、ディスプレイ150は、コントローラ140と作動可能に結合され、従って、ディスプレイ150を用いて排尿、補水流体注入、及び/又は利尿剤投与量に関するパラメータのような治療パラメータを示すユーザ入力を受信することができる。治療パラメータは、例えば、望ましい流体均衡レベル(例えば、正、負、又は中立の流体均衡)、ターゲット流体除去体積(例えば、除去される流体の最小及び/又は最大の量)、望ましい排尿レベル(例えば、全排尿量、最高、最低、及び/又は平均のターゲット排尿速度)、治療所要時間(例えば、治療手順の最長及び/又は最も短い所要時間、入力均衡レベル及び/又は排尿レベルの計画所要時間)、補水流体のタイプ、補水流体注入速度(例えば、最高、最低、及び/又は平均の注入速度)、補水流体注入プロファイル(例えば、補水流体注入の量及び/又は速度が経時的にどのように変えられるかを示す関数)、補水流体注入に関する時間制限(例えば、補水流体注入に関する最長及び/又は最も短い期間)、利尿剤のタイプ、利尿剤投与量(例えば、最大及び/又は最小の投与量)、利尿剤投与速度(例えば、最高、最低、及び/又は平均の投与速度)、利尿剤投与プロファイル(例えば、利尿剤の投与量及び/又は投与速度が経時的にどのように変えられるかを示す関数)、利尿剤送出に関する時間制限(例えば、利尿剤送出に関する最長及び/又は最も短い期間)、手順中に患者によって受信する他の流体(例えば、摂取流体体積、利尿剤及び/又は補水流体以外の他の医薬剤からの流体体積)、及び/又はこれらの適切な組合せを含むことができる。ディスプレイ150では他の患者関連入力を受信することができ、これらの入力は、例えば、患者の性別、体重(例えば、「ドライ」ウエイト)、年齢、民族性、臨床状態(例えば、腎機能パラメータ、血清塩化物濃度のような電解質濃度)、治療歴(例えば、過去の流体除去手順の結果)、診断(例えば、ADHF、CHF)、薬品(例えば、患者に利尿剤耐性の有無)、食事因子(例えば、患者が高塩分食又は低塩分食のいずれかを摂取しているか、経口流体摂取量)などを含むことができる。
【0035】
これに代えて又は組合せで、ディスプレイ150を通じたユーザ入力は、テーブル及び/又は他のデータソースから治療パラメータ(例えば、最大利尿剤投与量、最大連続利尿剤投与量、及び最低所望尿速)を検索取得するようにコントローラ140に促すことができる。データソースは、システム100内(例えば、コントローラ140に関連付けられたメモリ内)に格納することができ、及び/又は別個のデバイス(例えば、リモートコンピュータデバイス)に格納することができる。一部の実施形態では、コントローラ140は、リモートのデータベース及び/又はサーバから通信ネットワーク(例えば、有線ネットワーク、無線ネットワーク、クラウドベースのネットワーク、インターネット、及び/又はそのあらゆる組合せ)を通してデータを検索取得する。そのような実施形態では、コントローラ140は、通信ネットワーク上でデータを送受信するように構成された通信デバイス及び/又はインタフェースと作動可能に結合することができる。
【0036】
コントローラ140は、精査及び/又はフィードバックの目的でディスプレイ150を通して治療パラメータをユーザに対して出力することができる。例えば、ディスプレイ150は、利尿剤投与速度に関する推奨案(例えば、初期、最高、及び/又は最低の投与速度)、補水流体注入速度に関する推奨案(例えば、初期、最高、及び/又は最低の注入速度)、排尿速度に関する推奨案(例えば、最高及び/又は最低の排出速度)、及び治療所要時間に関する推奨案(例えば、利尿剤及び/又は補水流体の注入に関する最長期間、最長全治療所要時間)等々のような患者Pに関する推奨治療パラメータを示すことができる。別の例として、ディスプレイ150は、1又は2以上の予め決められた治療プログラムを出力することができ、従って、ユーザは、特定の患者Pに対して適切なプログラムを選択することができる。任意的に、ユーザは、表示された治療パラメータのうちのいずれかを必要に応じて修正することができる。
【0037】
治療手順中に、コントローラ140は、手順ステータスに関する情報をディスプレイ150を通してユーザに対して出力することができる。例えば、コントローラ140は、排尿(例えば、現在の排尿速度及び/又は排尿量、経時的な排尿速度及び/又は排尿量、それまでの全排尿量)、補水流体注入(例えば、現在の注入速度及び/又は注入量、経時的な注入速度及び/又は注入量、それまでに注入された補水流体の量)、利尿剤送出(例えば、現在の投与速度及び/又は投与量、経時的な投与速度及び/又は投与量、それまでに送出された全利尿剤の量)、流体残余(例えば、現在の流体残余、経時的な流体残余、それまでの正味流体除去)、システムステータス(例えば、流体ソース122内に残っている補水流体の量、利尿剤ソース134内に残っている利尿剤の量、容器112内に残っている貯留容量)、治療時間(例えば、治療開始時間、予想及び/又は計画された治療終了時間、それまでの全治療所要時間)、通知(例えば、警告、警報、エラーメッセージ)のうちのいずれかに関する情報を表示することができる。ユーザは、表示された情報を精査し、適切な場合に治療手順を調節、一時停止、及び/又は停止するようにコントローラ140に命令する入力を与えることができる。
【0038】
一部の実施形態では、システム100は、例えば、採尿容量を使い果たすこと、補水流体を使い果たすこと、及び/又は利尿剤を使い果たすことに起因する治療の中断を低減するか又は最小にするために、尿システム110、補水システム120、及び/又は利尿剤システム130に冗長性を含む。例えば、システム100は、予め決められた場所(例えば、コンソール105又はシステム100の別の部分上又は内)に格納することができる冗長構成要素(例えば、容器112、流体ソース122、及び/又は利尿剤ソース134)を含むことができる。コントローラ140は、冗長構成要素の存在を検出するように構成することができ、これらの構成要素の間で自動的又は半自動的に切り換えることができ、従って、治療手順は、途切れなく又は実質的に途切れなく続くことができる。これに代えて又は組合せで、システム100は、採尿容量、補水流体レベル、及び/又は利尿剤レベルに関するユーザ警告のタイミングを冗長構成要素の利用可能性に基づいて調節することができる。例えば、冗長構成要素が利用可能な場合に、システム100は、冗長構成要素を使用する段階に自動的に切り換えることができ、又はユーザが別の場所から交換品を探し出さなければならないのではなくシステム100にローカルに予め格納された冗長構成要素を用いてこの切り換えを迅速に実施することができるので、より後の時点(例えば、容器112が満杯になると考えられる時、流体ソース122が空になると考えられる時、及び/又は利尿剤ソース134が空になると考えられる時に時間的に近い)に警告を発することができる。
【0039】
流体療法での中断の欠如は、例えば、患者の流体過負荷状態を可能な限り迅速に安全に緩和することによって流体療法の効果を保証することを助けることができる。一部の実施形態では、利尿剤送出及び/又は補水流体注入の短い中断であっても、患者の排尿に有意に影響を及ぼす(例えば、排尿速度を降下させる)場合があり、それによって治療効果が妨げられ、治療時間が長引く場合がある。本明細書に説明する治療手順の一部の実施形態では、利尿剤及び/又は補水流体の予備供給に関して上述した懸念は、例えば、長期間にわたって利用される比較的大量の利尿剤及び/又は補水流体に起因して本発明の技術に独特のものである場合がある。すなわち、従来のシステム及び方法が、比較的少量の利尿剤及び/又は補水流体しか投与されないことで単一利尿剤ソース及び/又は単一補水流体ソースしか利用しない場合があるのに対して、本発明の技術は、治療の継続性を保証するために複数の利尿剤ソース及び/又は補水流体ソースからの利益を受けることができる。同様に、本発明の技術の治療手順は、従来の手順と比較して大きい排尿体積及び/又は高い排尿速度を患者Pに引き起こすことができ、従って、手順中にユーザが容器112を空にする及び/又は交換する回数を低減するのに複数の容器112を有利とすることができる。
【0040】
例えば、一部の実施形態では、尿システム110は、容器112が満杯であることに起因して流体療法を停止又は中断する必要はないことを保証するために2又は3以上の冗長容器112を含む。そのような実施形態では、尿システム110は、コントローラ140と作動可能に結合されて患者Pからの尿を容器112のうちの1又は2以上に選択的に向けるように構成された流れ制御アセンブリ116(例えば、弁及び/又は他の流れ制御構成要素)を含むことができる。流れ制御アセンブリ116は、患者Pから受け入れた尿を最初に第1の容器112に向けることができる。流れ制御アセンブリ116は、第1の容器が満杯又はほぼ満杯であることを検出又は決定すると(例えば、センサ114からのセンサデータに基づいて)、患者Pから受け入れた尿を第2の容器112に向け直すことができる。尿が第2の容器112に誘導されている間に、ユーザは、第1の容器112を空にする又は第1の容器112を空の容器112と交換することができる。流れ制御アセンブリ116及び/又はコントローラ140は、第1の容器が満杯であり、交換するか又は空にする必要があることを示す警告をユーザに対して発することができる。この処理は、容器112が満杯であること及び/又は尿システム110が排尿を受け入れることができないことに起因して流体管理療法が不用意に中断されることがないように繰り返すことができる。一部の実施形態では、本明細書に説明する治療手順は、比較的大量及び/又は高速(例えば、従来療法と比較して)の排尿をもたらし、従って、治療の中断を最小にするために複数の尿容器の間の自動切り換えが有利である。尿システム110及び複数の容器112、並びにそれに関わるデバイス及び方法の追加の詳細を下記で図3図11を参照して説明する。
【0041】
別の例として、補水システム120は、例えば、補水流体注入が診療を通して中断なく続くことができることを保証するために、及び/又は補水流体注入を中断させることなく補水流体ソース122を切り換えるための追加の時間窓を設けるために、複数の冗長補水流体ソース122を含むことができる。そのような実施形態では、補水システム120は、コントローラ140と作動可能に結合されて補水流体ソースを第1の流体ソース122から第2の流体ソース122に切り換えるように構成された補水制御アセンブリ(例えば、図示していない弁及び/又は他の流れ制御構成要素)を含むことができる。そのような実施形態では、補水制御アセンブリは、補水流体を最初に第1の流体ソース122から患者Pに送出することができる。補水制御アセンブリは、第1の流体ソース122が空又はほぼ空であるか否かを例えば流体センサ128及び/又は補水システム120に関連付けられた他のセンサからのデータに基づいてモニタすることができる。補水制御アセンブリは、第1の流体ソース122が空又はほぼ空である(例えば、補水流体の残量が予め決められた閾値よりも小さい)ことを検出又は決定すると、補水流体を第2のソース122から送出する段階に切り換えることができる。この切換処理は、流体ソース122が空であること及び/又は補水システム120が補水流体を提供することができないことに起因して流体療法が不用意に中断されることがないように繰り返すことができる。
【0042】
補水流体ソース122を切り換える処理は、自動、半自動、又は手動で実施することができる。一部の実施形態では、第1の流体ソース122と第2の流体ソース122の間の半自動又は手動の切り換えは、補水システム120が補水流体をユーザの確認なく自動的に注入しないことを保証するのに有利とすることができる。そのような実施形態では、補水制御アセンブリ及び/又はコントローラ140は、補水流体を第1の流体ソース122から第2の流体ソース122に切り換えるべきことを確かめる質問をユーザに問う警告を出力することができる。第2の流体ソース122に切り換える時に、コントローラ140は、第1の流体ソース122が空であり、交換する必要があることを示す警告をユーザに対して発することができる。任意的に、補水制御アセンブリ及び/又はコントローラ140は、補水システム120が指定体積の追加補水流体を自動的に注入することをユーザが可能にする事前承認手順を実施することができる。当該体積が患者Pに送出され終わると、更に別の自動補水流体注入の前にユーザが再承認を与えることが必要である場合がある。
【0043】
一部の実施形態では、補水システム120の異なる流体ソース122は、各々同じタイプの補水流体を提供する。しかし、他の実施形態では、流体ソース122の一部又は全ては、異なるタイプの補水流体を提供することができる。補水流体は、張度、組成、電解質含有量などに関して互いに異なることができる。利尿に対する患者の応答に依存して、補水システム120は、患者Pに複数の異なる補水流体を順次又は同時に送出することができる。例えば、患者Pが電解質の不均衡(例えば、正のナトリウム均衡)を有することを患者の排尿が示した場合に、補水システム120は、この不均衡を考慮すると考えられる補水流体(例えば、より低いナトリウム含有量を有する補水流体)を送出する段階に切り換えることができる。この切り換えは、上述した技術及び/又はデバイスのうちのいずれかを用いて実施することができる。すなわち、患者Pに送出される特定の1又は複数の流体は、患者の特定の臨床状態及び/又は治療に対する応答に適応させることができる。
【0044】
更に別の例では、利尿剤システム130は、例えば、利尿剤送出が診療を通して中断なく続くことができることを保証するために、及び/又は利尿剤送出を中断させることなく利尿剤ソース134を切り換えるための追加の時間窓を設けるために、複数の冗長利尿剤ソース134を含むことができる。例えば、第1の利尿剤ソース134(例えば、第1のシリンジ又は容器)が使い果たされた場合に、第2の利尿剤ソース134(例えば、第2のシリンジ又は容器)によって利尿剤を提供し続けることができる(例えば、実質的な中断なく)。第2の利尿剤ソース134は、コンソール105に接続することができ、かつ第2の利尿剤ソース134の存在を検出するように構成されたセンサ(例えば、場所センサ、光センサ、重量センサのような)と作動可能に結合することができる。すなわち、利尿剤システム130は、第1の利尿剤ソース134が空又はほぼ空であり、第2の利尿剤ソース134が存在する場合に、第2の利尿剤ソース134に切り換えることができる。
【0045】
一部の実施形態では、利尿剤システム130は、各々が独自の利尿剤ソース134を含む2つの独立した利尿剤ポンプを含む。例えば、利尿剤システム130は、各々が独自の利尿剤充填シリンジに流体的に結合されたシリンジポンプを含むことができる。一部の場合に、そのようなシリンジは、薬剤師又は他の医療従事者しか充填することができず、従って、ユーザが容易に交換する(例えば、数時間未満で)ことはできない。第1の利尿剤ソース134が空又はほぼ空である(例えば、予め決められた閾値よりも小さい)ことを利尿剤システム130及び/又はコントローラ140が検出すると、利尿剤供給を第2の利尿剤ソース134に切り換える(例えば、自動又は手動で)ことができる。一部の実施形態では、利尿剤システム130は、予備シリンジポンプが使用に向けて利用可能であるか否かを検出するように構成された1又は2以上のセンサを含むことができる。切換処理は、第1のシリンジに流体的に結合された第1のシリンジポンプを停止する段階と、第2のシリンジに流体的に結合された第2のシリンジポンプを始動する段階とを含むことができる。他の実施形態では、利尿剤システム130は、利尿剤ソース134に接続された単一利尿剤ポンプ(例えば、シリンジポンプ)を含む。そのような実施形態では、第1の利尿剤ソース134と第2の利尿剤ソース134の間のケース切り換えは、利尿剤制御アセンブリ(例えば、弁及び/又は他の流れ制御構成要素)を用いて利尿剤ポンプを第1の利尿剤ソース134から利尿剤を送出する段階から第2の利尿剤ソース134から利尿剤を送出する段階に切り換える段階を含むことができる。この切換処理は、利尿剤ソース134が空であること及び/又は利尿剤システム130が利尿剤を提供することができないことに起因して流体療法が不用意に中断されないように繰り返すことができる。
【0046】
利尿剤ソース134を切り換える処理は、自動、半自動、又は手動で実施することができる。一部の実施形態では、第1の利尿剤ソース134と第2の利尿剤ソース134の間の手動又は半自動の切り換えは、利尿剤システム130が大量の利尿剤をユーザの確認なく自動的に注入しないことを保証するのに有利とすることができる。そのような実施形態では、コントローラ140は、利尿剤を第1の利尿剤ソース134から第2の利尿剤ソース134に切り換えるべきことを確かめる質問をユーザに問う警告を出力することができる。第2の利尿剤ソース134に切り換える時に、コントローラ140は、第1の利尿剤ソース134が空であり、交換する必要があることを示す警告をユーザに対して発することができる。任意的に、コントローラ140は、第1の利尿剤ソース134が空になる時点及び/又は時間範囲を予想する(例えば、利尿剤投与速度に基づいて)ことができ、第1の利尿剤ソース134が使い達成される前にユーザが交換のための利尿剤ソース134を注文するか又は他に与えることができるように通知を出力することができる。更に、利尿剤制御アセンブリ及び/又はコントローラ140は、利尿剤システム130が指定の追加投与量の利尿剤を自動的に送出することをユーザが可能にする事前承認手順を実施することができる。当該投与量が患者Pに送出され終わると、更に別の自動利尿剤送出の前にユーザが再承認を与えることが必要である場合がある。
【0047】
一部の実施形態では、利尿剤システム130の異なる利尿剤ソース134は、各々同じタイプの利尿剤を提供することができる。しかし、他の実施形態では、利尿剤ソース134の一部又は全ては、異なるタイプの利尿剤を提供することができる。利尿剤に対する患者の応答に依存して、利尿剤システム130は、患者Pに複数の異なる利尿剤を順次又は同時に送出することができる。例えば、利尿剤システム130は、患者Pに最初に利尿剤ソース134から第1の利尿剤を送出することができる。患者Pが第1の利尿剤に対して不十分にしか応答しない(例えば、排尿速度が増大しないか又は非常に緩慢にしか増大しない)場合に、利尿剤システム130は、第2の利尿剤ソース134から第2の異なる利尿剤を送出する段階に切り換えることができる。利尿剤システム130は、第2の利尿剤と同時に第1の利尿剤を送出し続けることができ、又は第2の利尿剤が送出される時に第1の利尿剤の送出を中止することができる。この切り換えは、上述した技術及び/又はデバイスのうちのいずれかを用いて実施することができる。別の例として、患者Pが単一利尿剤に良好に応答しない場合に、利尿剤システム130は、患者Pに複数の利尿剤を同時に投与することができる。適切な排尿速度を誘起するために異なる利尿剤の比を必要に応じて変更することができる。しかし、他の実施形態では、追加の利尿剤を自動的に投与するのではなく、利尿剤システム130は、ユーザが患者Pに異なる利尿剤を手動で投与することを推奨する通知、及び/又は患者の安全に関して有利とすることができる異なる利尿剤の投与をユーザが承認することを要求する通知を出力することができる。
【0048】
図1Aに示すシステム100は、例えば、追加の構成要素及び/又はより少数の構成要素を含むいくつかの構成を有することができる。一例として、図1Bは、本発明の技術の実施形態による排尿をモニタするための及び/又は患者P内への流体注入を制御するための別の流体管理システム160の部分概略図である。図1Bに示すように、システム160は、コンソール165(例えば、コンソール105、図1A)と、排液弁113を有する容器112、カテーテル118、流体ライン119、及びコントローラ140を含む(先に図1Aを参照して上述したように)システム100と同じ特徴部のうちの多くとを含むことができる。システム160は、流れ制御デバイス138(例えば、ピンチ弁)と、尿生成をモニタするための複数のセンサとを更に含むことができ、これらのセンサのうちの一部は冗長センサとすることができる。流れ制御デバイス138は、コントローラ140と作動可能に結合され、患者から容器112への流れを制御するように構成することができる。一部の実施形態では、流れ制御デバイス138は、流体ライン119を外部から締め付けることによって流れを制御するピンチ弁を含む。図1Bに示すように、流れ制御デバイス138は、第1のセンサ114aの上流に存在する。しかし、他の実施形態では、流れ制御デバイス138は、第1のセンサ114aの下流に存在することができる。
【0049】
センサは、(i)流体ライン119及びカテーテル118に結合(例えば、流体的に結合)されて患者Pからの尿流速を測定するように構成された第1のセンサ114a(例えば、流量センサ、熱流センサ(例えば、Sensirion SLF3x液流センサ)、機械的外輪型流量センサ、超音波流量センサのような)と、(ii)容器112に結合されて容器112の重量を測定するように構成された第2のセンサ114b(例えば、重量センサ)とを含むことができる。第1及び第2のセンサ114a~114bは、コントローラ140と作動可能に結合することができる。第1のセンサ114aが超音波流量センサを含む実施形態では、超音波流量センサは、流体ライン119の外部に位置決めすることができ、従って、流体ライン119内の流体に接触しない。
【0050】
本明細書の他の箇所に開示するように、患者からの尿生成に関する信号をシステムが用いて、例えば、どれほどの量の利尿剤及び/又は補水流体を投与されるかを決定することができる(例えば、利尿剤及び/又は補水流体の自動制御投与)。従って、正確で信頼性の高い排尿信号を取得することを有利とすることができる。そのような実施形態では、第1又は第2のセンサ114a~114bからの信号を第1又は第2のセンサ114a~114bの他方からの信号と比較して測定の精度を保証することができる。信号は、定期的な間隔(例えば、1秒置き、30秒置き、1分置き、2分置き、5分置き、10分置きのような)に取得することができ、これらの信号を用いて区分的に平均流速を引き起こすことができ、又は所与の期間にわたる全尿体積を算定することができる。例えば、第1及び第2のセンサ114a~114bから得られる信号に基づいて、例えば、直前の1分に関して平均流速又は患者排尿速度を決定し、連続的に更新することができる。
【0051】
一部の実施形態では、第2のセンサ114bからの信号を1次の情報ソース又は入力として使用することができ、第1のセンサ114aからの信号を予備又は2次の信号ソースとして使用することができる。これに代えて、第1のセンサ114aからの信号を1次情報ソースとして使用することができ、第2のセンサ114bからの信号を2次信号ソースとして使用することができる。1次情報ソースは、それとしての働きをしている現在のセンサが故障した又は利用可能ではないか、又は他の予め決められた条件が満足された場合に(例えば、その場合にのみ)、第のセンサ114aと第2のセンサ114bとの間で切り換えることができる。例えば、一部の実施形態では、(i)容器112の重量が予め決められた閾値よりも大きくなく、容器112がほぼ満杯であり、排液することを必要とすることのない限り及び/又はそうなるまで、(ii)容器112の重量が減少しており、容器112が排液されている可能性が高いことを示し、従って、正確な尿流測定値を引き起こす第2のセンサ114bの機能を下げることのない限り又はそうなるまで、(iii)容器112の重量が予想よりも低い速度で増大しており、又は重量が減少しており、容器112が排液されていることを示し、従って、正確な尿流測定値を引き起こす第2のセンサ114の機能を下げることのない限り及び/又はそうなるまで、及び/又は(iv)第のセンサ114aの信号と第2のセンサ114bの信号の間に差が存在し、容器112が排液されている及び/又は信号の一方が正確でないことを示すことのない限り及び/又はそうなるまで、第2のセンサ114bからの信号を1次情報ソースとして使用することができる。これらの条件のうちの1又は2以上が満足される場合に、システム160又はコントローラ140は、(i)センサの一方を他方よりも支配的に選択するように構成すること、及び/又は(ii)両方のセンサからの信号を解析して他の作動条件(例えば、直近に得られた排尿速度、平均排尿速度、利尿剤投与量、補水注入量のような)に基づいて最も信頼性の高い信号を選択することができる。
【0052】
1次情報ソースとして使用されるセンサが停止される実施形態では、別の条件が満足されるまでこのセンサを再起動しない場合がある。例えば、第2のセンサ114bからの信号が、例えば、容器112の重量の減少に起因して1次情報ソースであることで除外された場合に、第2のセンサ114bからの信号は、予め決められた条件(例えば、容器112の重量の増加)が発生するまで又はこの予め決められた条件の後のある時間(例えば、30秒、1分、2分のような)が経過するまで1次情報ソースとして再関与することができない。事前指定期間の後に予め決められた条件(例えば、容器の重量の増加)が満足されなかった場合に、予想外の条件に遭遇したことをユーザに対して示す警告、例えば、排液弁113が閉鎖されていなかった又は尿が漏れていることの示唆を生成することができる。
【0053】
一部の実施形態では、第1のセンサ114aと第2のセンサ114bとの間で決定された差は、システム内の潜在的な障害(例えば、不良センサ)を識別し、システム160に流体療法の全て又は一部を停止させ、及び/又はそのような差が存在することをユーザに警告することができる。一部の実施形態では、第1又は第2のセンサ114a~114bのいずれが及び/又はどれほど長くオフラインにあるか又は不正確であると決定されたかに依存して、システム160又はコントローラ140は、患者に施される療法の他のフェーズを修正することができる。例えば、患者に提供される利尿剤及び/又は補水流体の量を維持するか又は低減することができる。一部の実施形態では、センサ114a~114bのいずれかの故障が検出された場合、又は第1のセンサ114aの読取値と第2のセンサ114bの読取値の間に大きい差がある場合に、療法の開始の前に警告を発して非機能状態でのシステムの使用を防止することができる。
【0054】
一部の実施形態では、第1のセンサ114a(すなわち、流量センサ)は除外され、患者からの排尿流を供給するのに第2のセンサ114b(すなわち、重量センサ)に依存する。そのような実施形態では、第2のセンサ114bから得られたセンサデータを利用してある期間にわたる平均尿流速度が、例えば、容器112の重量の変化率に基づいて決定される。更に、そのような実施形態では、容器112の重量が減少している又は予想速度で増加しておらず、それによって容器112が排液されていることを示すことができることをシステム160が第2のセンサ114bを通して決定した時に、システムは、予め決められた期間(例えば、1分、2分、5分のような)にわたって第2のセンサ114bからの信号を無視し、その後に、再度この信号に頼って排尿流を供給することができる。この予め決められた期間中に、患者に提供される利尿剤及び/又は補水流体を維持すること及び/又は低減することができる。
【0055】
有利なことに、システム160及び本発明の技術の他の実施形態は、容器112が交換される時及び/又は空にされる時であっても作動状態に留まり、療法を提供することができる。例えば、第1のセンサ114aは容器112の上流にあり、容器の重量に依存しない流量センサとすることができるので、容器が交換されている及び/又は空にされている時に患者の排尿をモニタすることができる。従って、容器112の重量を測定するように構成されたセンサのみを有し、従って、容器が交換されている及び/又は空にされている時に正確な排尿測定を提供することができない他の実施形態とは異なり、本発明の技術の実施形態は、システム160が療法を不断に施し続けることを可能にする。これに加えて又はこれに代えて、本発明の技術の実施形態は、禁止されている場合がある及び/又は不用意に患者の流体療法を中断させる結果を招く可能性がある容器112の排液(例えば、容器112の排液弁113を通じた)を医療従事者が(i)容器112を交換する又はシステムから容器112を取り外すことを強いられることなく、かつ(ii)システムのインタフェースを用いて行うことを可能にする。
【0056】
図1Cは、本発明の技術の実施形態による排尿をモニタするための及び/又は患者P内への流体注入を制御するための別の流体管理システム170の部分概略図である。システム170は、コンソール175(例えば、コンソール105、図1A)と、システム100及び/又はシステム160と同じ特徴のうちの多くとを含むことができる。図1Cに示すように、システム170は、容器112へのアクセスを可能にするアクセスドア176と、カテーテル118及び容器112に結合(例えば、流体的に結合)されてこれらの間に配置されたドア起動式弁178(例えば、ピンチ弁)とを更に含むことができる。ドア176及び弁178は、コントローラ140が、ドア176及び弁178の各々が開通状態又は閉鎖状態のいずれにあるかを決定し、ドア176の位置に基づいて弁178を作動することができるようにコントローラと作動可能に結合することができる。これに加えて又はこれに代えて、弁178は、ドア176の移動によって機械的に作動することができる。例えば、ドア176を開くことによって弁178を機械的に閉鎖させることができ、ドア176を閉じることによって弁178を開通させることができる。
【0057】
作動時に、弁178は、(i)ドア176が開いている又は閉じていないと決定された時に、例えば、コントローラ140が作動して閉鎖させ、(ii)ドア176が閉じている又は開いていない時に、例えば、コントローラ140が作動して開通させることができる。従って、容器112を空にするか又は交換するためにドア176が開かれている時に、尿がシステム170から流出することを防止するために弁178をコントローラが閉鎖させることができ、この間に尿は患者の膀胱内に蓄積する。容器112が空になり又は新しい空の容器112と交換されてドア176が閉じられると、コントローラ140が弁178を開通させて新しい容器112内への流入を可能にすることができる。そのような時点で、ドア176が開いていた及び/又は弁178が閉鎖されていた間に排泄された尿の体積は、第2のセンサ114b及び/又は第1のセンサ114aによって測定することができると考えられる。
【0058】
図1Dは、本発明の技術の実施形態による排尿をモニタするための及び/又は患者P内への流体注入を制御するための別の流体管理システム180の部分概略図である。システム180は、コンソール185(例えば、コンソール105、図1A)と、システム100、システム160、及び/又はシステム170と同じ特徴のうちの多くとを含むことができる。図1Dに示すように、システム180は、カテーテル118及び容器112に流体的に結合されてこれらの間に配置されたリザーバ182を更に含むことができる。リザーバ182は、膨張可能リザーバとし、及び/又は患者Pから供給されるある体積の流体を貯留するように構成することができる。図1Dに示すように、リザーバ182は、第1のセンサ114aと弁178の間に位置決めすることができる。
【0059】
作動時に、容器112を空にするか又は交換するためにドア176が開かれた時に、弁178は、閉鎖位置に作動され、患者からの尿はリザーバ182内に蓄積し始める。上述のように、弁178は、コントローラ140によって作動する及び/又はドア176の開閉によって機械的に作動することができる。有利なことに、リザーバ182は第1のセンサ114aの下流に配置されるので、システム180は、オンラインに留まることができ、容器112が交換されるまで及び/又は弁178が開通されるまで流体療法(例えば、利尿剤及び/又は補水流体の注入)を一時停止又は中止する必要はない。容器112が空になるか又は交換されると、容器112への流れが続行することができ、リザーバ182を排液することができる。
【0060】
一部の実施形態では、システム180は、上述したものと同じか又は類似の機能を与える他の構成を含むことができる。例えば、一部の実施形態では、アクセスドア176は除外され、弁178は、第2のセンサ114bからの信号に基づいて作動される。例えば、そのような実施形態では、第2のセンサ114bによって予め決められた閾値よりも小さい重量が検出された場合に弁178は閉鎖され、第2のセンサ114bによって予め決められた閾値の又はそれよりも大きい重量が検出された場合に弁178は開通される。これに代えて、システムは、例えば、ユーザが容器112を空にするためにこの区域の中に到達したことを検出し、相応に弁178を閉鎖させるための光センサ又は近接センサを含むことができる。
【0061】
図1A図1Dに示すシステム100、160、170、180は、いくつかの構成を有することができる。例えば、システム100の様々な構成要素の場所を変更することができ、例えば、尿システム110、補水システム120、及び/又は利尿剤システム130は、コンソール105内の様々な場所に存在することができる。別の例として、尿システム110、補水システム120、又は利尿剤システム130のいずれか1つを別個のシステム又はデバイス(例えば、別個のコンソール)の一部とすることができるか又は完全に除外することができる。例えば、一部の実施形態では、尿システム110が、患者の排尿をモニタすることを目的とし、カテーテル118及び/又は採尿を必要としない機構、例えば、患者の膀胱体積を測定する超音波センサと交換される。超音波センサは、患者の身体に結合されるパッチ又は類似のデバイスとして実施することができる。コントローラ140は、超音波センサデータを処理して膀胱体積の変化を検出することができ、この膀胱体積に基づいて対応する排尿の量及び/又は速度を決定することができる。超音波センサのような非侵襲的尿モニタ機構の使用は、本明細書に説明する治療手順を外来患者環境を用いて実施することを可能にすることができ、尿流又は尿体積の連続測定を妨害することなくいずれの時点でも尿バッグを空にすることを可能にすると考えられる。
【0062】
別の例として、一部の実施形態では、補水システム120は除外され、従って、利尿は、補水流体注入を伴わずに実施されるか、又は補水流体は手動で注入される。補水流体注入を有する利尿剤は、低血清塩化物濃度を有する患者(例えば、低塩分食を摂っている患者)に対してより有利とすることができ、それに対して高血清塩化物濃度を有する患者(例えば、高塩分食を摂っている患者)は、補水流体注入を殆ど又は全く伴わない利尿剤に耐えることができる。任意的に、補水流体注入速度は、患者の血清塩化物濃度に少なくとも部分的に基づいて変更することができ、例えば、患者の血清塩化物濃度が高い(例えば、105mmol/Lよりも高いか又はそれに等しい)場合に少なめの量及び/又はより低い速度の補水流体注入を使用することができる。
【0063】
更に別の例では、利尿剤システム130を除外することができ、従って、利尿は実施されないか又は手動で実施される。そのような実施形態では、システム100は、補水システム120によって自動流体交換を提供することができ、及び/又は尿システム110によって患者の排尿を自動的にモニタすることができるが、利尿剤は、医療従事者によって当業者に公知の技術に従って手動で投与されると考えられる。
【0064】
任意的に、システム100、160、170、180は、利尿剤及び補水流体以外の他の薬品及び/又は薬剤(例えば、心不全薬)を投与する機能、排尿以外の他の患者パラメータ(例えば、血圧、体重、心拍数、血液酸素飽和度、呼吸数、体温)をモニタする機能、及び/又は患者Pに対して流体除去手順と同時又は順番に他のタイプの医療手順(例えば、透析、限外濾過)を実施する機能のうちのいずれかを実施するように構成されたシステム又はデバイスのような追加のシステム又はデバイスを含む又はそれとの組合せに使用することができる。
【0065】
図2は、本発明の技術の実施形態による患者を治療する方法200の流れ図である。一部の実施形態では、方法200は、患者から流体を除去して負の流体残余(正味流体喪失)を引き起こすことによって患者を流体過負荷に関して治療するのに使用される。方法200(及び本明細書に説明する他の方法)は、1又は2以上の段階、ブロック、フェーズ、行為、部分、又は作動などを含む。方法200は、図1Aのシステム100のような本明細書に説明するシステム及びデバイスのいずれかの実施形態によって実施することができる。一部の実施形態では、方法200のステージの一部又は全ては、1又は2以上のプロセッサと、それによって実行された時にシステム又はデバイスに本明細書に説明するステージのうちの1又は2以上を実施させる命令を格納するメモリとを含むシステム又はデバイスによって実施される。例えば、方法200は、図1Aのシステム100のコントローラ140によって実施することができる。任意的に、方法200のステージの一部又は全ては、人間の関与を殆ど又は全く伴わずに自動的又は半自動的に実行することができる。
【0066】
方法200は、ステージ202で患者からの排尿速度を取得することで始まることができる。排尿速度は、患者に接続された尿モニタ及び/又は採尿システム、例えば、図1Aの尿システム110から取得することができる。システムは、1又は2以上のセンサ(例えば、図1Aのセンサ114)からのデータのような受信入力データに基づいて排尿速度を決定することができる。上述のように、センサは、流速、重量(例えば、図1Aの容器112の)、体積、流体レベル、及び/又はいずれかの他の適切なパラメータに基づいて排尿速度を測定するように構成することができる。排尿速度は、センサに作動可能に結合されたコントローラ(例えば、図1Aのコントローラ140)によって受信入力に基づいて算定することができる。排尿速度は、現在の速度又は予め決められた期間(例えば、直前の5分又は10分)にわたって測定された速度の平均速度とすることができる。排尿速度は、連続的又は反復的(例えば、30秒置き、1分置き、2分置きのような)に更新することができる。一部の実施形態では、方法200を通して連続的又は実質的に連続的な排尿モニタを提供するために、ステージ202の処理は、方法200の他のステージ(例えば、ステージ204、206、及び/又は208)の一部又は全てと同時に実施される。
【0067】
ステージ204では、方法200は、利尿剤をある投与速度で患者に供給する段階で継続する。利尿剤は、フロセミド、ブメタニド、エタクリン酸、トルセミド、その組合せ、及び/又は当業技術で公知の他の利尿剤とするか又はこれらを含むことができる。一部の実施形態では、利尿剤は、それと混合された生理食塩水又は他の補水流体を含む溶液の一部として送出される。利尿剤は、患者に接続された利尿剤システム、例えば、図1Aの利尿剤システム130によって自動的又は半自動的に供給することができる。利尿剤システムは、計画及び/又は事前プログラムされた治療手順に従って利尿剤送出を引き起こすためにコントローラ(例えば、図1Aのコントローラ140)と作動可能に結合することができる。
【0068】
一部の実施形態では、治療手順は、複数のフェーズを含み、各フェーズは、利尿剤に関する異なる送出プロファイルに関する。そのような実施形態では、ステージ204は、患者を治療するのに適する利尿剤投与速度を決定する初期フェーズ(「投与量決定フェーズ」としても公知)の一部として実施することができる。投与量決定フェーズでは、利尿剤は初期投与速度で注射され、次に、患者の排尿速度の増大を誘起するために投与速度を徐々に増大させることができる。利尿剤投与速度は、連続関数、段階関数、又はその組合せのような望ましい関数又は送出プロファイルに従って増大させることができる。この関数は、多項式関数及び/又はいずれかの他の適切な立ち上がり関数又は立ち上がりプロファイルに従って線形的、指数関数的に投与速度を反復的に増大させる段階を含む。一部の実施形態では、利尿剤は、その後の投与速度が、直近の投与速度よりも大きい予め決められた百分率(例えば、少なくとも5%、10%、15%、25%のような)であるような方式で送出される。予め決められた百分率は、例えば、望ましい流体療法及び/又は患者要件に依存して経時的に増大又は低減することができる。任意的に、利尿剤は、利尿剤投与速度又は利尿剤全量をある期間の範囲(例えば、10分、15分、20分、又は10~20分の範囲)で2倍にする方式で供給することができる。しかし、他の実施形態では、投与量決定フェーズは、利尿剤投与速度が増大しない及び/又は実質的に一定に保持される1又は2以上の期間を含むことができる。投与量決定フェーズは、患者の排尿が望ましい閾値速度に達するか又はそれよりも大きい時点まで、及び/又は予め決められた期間が経過する時点まで続行することができ、これらの時点で利尿剤投与速度を下記でステージ208に説明するように調節することができる。
【0069】
ステージ206では、方法200は、補水流体をある補水速度で患者に供給する段階を任意的に含むことができる。補水流体は、生理食塩水及び/又はナトリウムを有する他の流体を含むことができ、患者に接続された補水流体システム、例えば、図1Aの補水システム120によって自動的又は半自動的に供給することができる。補水流体は、ステージ204で利尿剤を提供する前、最中、及び/又は供給した後(例えば、投与量決定フェーズの前、最中、及び/又は後)に供給することができる。電解質(例えば、ナトリウム及び/又は塩化物)を含有する補水流体の静脈内注入は、利尿効率を高めることができ、流体療法の目標は正味流体除去であることで反直観的である。補水流体は、利点内でも取りわけ、血管内枯渇を低減するか又は抑制すること、心拍出量の低下を低減するか又は抑制すること、及び/又は腎灌流を低減するか又は抑制することができる。
【0070】
一部の実施形態では、補水流体は、患者からの正味流体喪失を推進させるために、対応する排尿速度に少なくとも部分的に基づいて患者に提供される。例えば、補水速度は、排尿速度よりも低くすることができる。一部の実施形態では、補水速度は、排尿速度の所与の範囲(例えば、0ml/hrから1000ml/hrまで)にわたって排尿速度のある百分率(例えば、排尿速度の90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、又は10%)である。任意的に、この百分率は、この範囲のある一定の部分にわたって(例えば、低血圧の可能性を低減するためにこの範囲の下端部にわたって)高くし、及び/又はこの範囲の他の部分にわたって(例えば、正味流体喪失を増大するためにこの範囲の上端にわたって)低くすることができる。別の例として、補水速度は、患者による初期排尿量(例えば、少なくとも初期の150ml、200ml、又は250ml)にわたって、及び/又は初期期間(例えば、最初の1時間、2時間、又は3時間)にわたって、及び/又は患者の排尿速度が予め決められた閾値に達するまで排尿速度に実質的に一致する(例えば、排尿速度の100%である)ことができる。その後に、補水速度を排尿速度未満に調節することができる。更に別の例では、補水速度は、排尿速度が1又は2以上の異なる閾値よりも大きいか又は下回るかに基づいて決定することができ、この場合に、排尿速度と補水流体速度の間の差は、排尿速度が増大する時に拡大する。そのような実施形態では、排尿速度と補水流体速度の間の差は、排尿速度が増大する時に増大することができ(この場合に、尿速は補水流体速度よりも高い)、従って、患者からの正味流体喪失は、排尿速度が増大する時に増大することができる。
【0071】
ステージ208では、方法200は、利尿剤の投与速度又は補水流体の補水速度の少なくとも一方を調節し、それによって患者からの流体喪失を引き起こす段階を含むことができる。例えば、(i)利尿剤投与速度を調節することができ、(ii)補水速度を調節することができ、又は(iii)利尿剤投与速度と補水速度とを両方とも調節することができる。一部の実施形態では、利尿剤投与速度は、治療手順の投与量決定フェーズが完了した後に調節される。ステージ204では上記で議論したように、投与量決定フェーズは、(i)初期利尿剤投与から予め決められた時間量が経過した時、及び/又は(ii)排尿速度が予め決められた閾値速度よりも高いか又はそれに等しいか又はそうなった時に終了することができる。次に、治療手順は、正味流体喪失を引き起こすのに望ましい排出速度又はそれよりも大きい速度に患者の排尿速度を維持するように構成された投与速度まで利尿剤投与速度を調節するフェーズ(「連続送出フェーズ」又は「流体低減フェーズ」としても公知)に切り換わることができる。
【0072】
調節された利尿剤投与速度は、流体低減フェーズに対する初期投与速度とすることができ、多くの異なる方式で決定することができる。例えば、調節された利尿剤投与速度は、投与量決定フェーズの結果に基づくとすることができる。調節された利尿剤投与速度は、投与量決定フェーズの終了時の利尿剤投与速度(例えば、患者の排尿がターゲット閾値に達するか又はそれよりも大きい時の投与速度)よりも低く又はそれに等しくすることができる。利尿剤投与速度を低減することにより、排尿速度の増大率を低減する(例えば、患者の排尿を一定又は実質的に一定の速度に近づける)ことができるが、排尿速度自体を実際に低減することなく低減することができる。これに加えて又はこれに代えて、利尿剤投与速度の低下は、患者の排尿速度を予め決められた速度及び/又は予め決められた範囲(例えば、予め決められた速度から5%、10%、又は20%を超えない変化)内に維持することができる。
【0073】
一部の実施形態では、調節された利尿剤投与速度は、現在の投与速度(例えば、投与量決定フェーズの終了時の投与速度)の予め決められた百分率又は予め決められた分率又は蓄積利尿剤投与量(例えば、投与量決定フェーズ中に送出された蓄積量)の予め決められた百分率である。例えば、調節された投与速度は、当該時点で患者に送出される全利尿剤量の値の予め決められた百分率(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、又は10~30%の範囲)とすることができる。例えば、全送出量が100mgであり、予め決められた百分率が25%である場合に、調節された投与速度を25mg/hrとすることができる。一部の実施形態では、調節された利尿剤投与速度を算定するのに使用される百分率は、注入されている特定の利尿剤の薬物動態学的特性に基づいている。例えば、この百分率は、フロセミドでは、50mgのフロセミドが60分以内に注入される場合に調節された利尿剤投与速度を10mg/hrとすることができるように20%とすることができる。
【0074】
一部の実施形態では、ステージ208は、流体低減フェーズが完了するまで、例えば、予め決められた期間が経過するまで及び/又はターゲット正味流体喪失体積に到達するまで利尿剤を調節された利尿剤投与速度で送出する段階を含む。流体低減フェーズ中に、利尿剤投与速度は、一定又は実質的に(最初に決定された調節された利尿剤投与速度から5%、10%、又は20%を超えない変化で)一定とすることができる。しかし、他の実施形態では、ステージ208は、治療手順中に利尿剤投与速度に追加の調節を加える(例えば、利尿剤投与速度を増大及び/又は低減する)段階を含むことができる。これらの調節は、排尿速度が過度に高いか否かのような予め決められた条件セットのうちの1又は2以上が満足されるか否かに基づくとすることができる。この条件セットは、(i)平均尿速がある期間にわたって予め決められた速度よりも高いこと、(ii)尿速の平均変化率が予め決められた変化率よりも大きいこと、及び/又は(iii)利尿剤投与速度が予め決められた投与速度よりも高いことを含むことができる。これらの条件のうちの一部(例えば、2つ)又は全てが満足される場合に、利尿剤投与速度を低減する(例えば、予め決められた量又は予め決められた百分率だけ)ことができ、本明細書ではこの低下を「下方滴定」とも呼ぶ。
【0075】
一部の実施形態では、下方滴定は、上述の条件のうちの全て又は大部分が満足された場合にのみ実施され、それによって利尿剤投与速度を不要に低減することを回避し、従って、排尿速度が高いままに留まり、治療手順の不要な中断を回避することができる。例えば、他の方法は、尿速が僅かでも過度に高い時に流体療法を中断させて利尿剤投与速度を低減する(例えば、ゼロmg/hrまで)場合があるのに対して、本明細書に説明する処理は、排尿速度が高く、それと共に増大し続ける時にしか投与速度を(例えば、非ゼロ又はゼロの投与速度まで)低減しない場合がある。言い換えれば、本明細書処理は、尿速が一時的に高い(例えば、予め決められた速度よりも大きい)が、下方に向う時に利尿剤投与速度が不要に低下することを防止することができる。この方法は、過剰利尿、過度の流体喪失、及び/又は電解質喪失を防止又は抑制し、更に、追加の利尿剤への患者の不要な露出を制限することができる。これに加えて、利尿剤を完全に停止するのではなく、利尿剤投与速度を下方滴定することができるので、流体療法は、手順を完全に再開する必要なく続行する(より低い排尿速度にも関わらず)ことができる。
【0076】
別の例として、ステージ208での利尿剤投与速度の追加の調節は、利尿剤投与速度を増大させる段階を含むことができ、この増大を本明細書では「再立ち上げ」又は「上方滴定」とも呼ぶ。一部の実施形態では、再立ち上げは、条件セットに基づいて決定される排尿速度が過度に低い場合に実施される。条件セットは、(i)平均尿速が予め決められた期間にわたって予め決められた閾値速度よりも小さいこと、及び/又は(ii)予め決められた量よりも大きい量の負債が予め決められた期間にわたって蓄積することを含むことができる。「負債」は、プロット図上で排尿速度と設定速度(例えば、325ml/hr)の間の面積として定めることができ、どの程度の排尿速度がどれほど長く設定速度を下回ったかを表すことができる。これらの条件の一部又は全てが満足された場合に、再立ち上げは、(i)予め決められた時間量が経過するまで、及び/又は(ii)排尿速度が予め決められた閾値速度よりも高く又はそれに等しくなるまで利尿剤投与速度を漸進的に増大させることによって実施することができる。再立ち上げ処理は、ステージ204では上述の投与量決定処理と同一又はほぼ同様とすることができる。
【0077】
再立ち上げ処理は、自動、半自動、又は手動で実施することができる。一部の実施形態では、再立ち上げは、例えば調整及び/又は安全上の理由からユーザ承認を必要とする半自動処理又は手動処理である。そのような実施形態では、システムは、再立ち上げが開始されることを確認するようにユーザに命令する通知をユーザに対して出力する(例えば、図1Aディスプレイ150を通して)ことができる。任意的に、システムは、それがある一定の条件下で再立ち上げを自動的に実行する(例えば、最大利尿剤量及び/又は最高利尿剤投与速度などに関して予め決められた排尿体積及び/又は排尿速度に到達するまでの特定の期間内で)ことをユーザが可能にすることができる事前承認手順を実施することができる。この方法は、限られた状況下で自動再立ち上げを可能にすることができ、これは、治療手順中の人間の関与の量を低減し、患者の現在の状態に対処するためのシステムの応答性を改善することができる。事前承認条件が経過すると、ユーザは、追加の自動再立ち上げが許可されるまで再承認を与える必要がある場合がある。
【0078】
一部の実施形態では、ステージ208は、採尿システム内で検出された閉塞(例えば、流体ライン内のエア・ロック、キンクのような)に応答して利尿剤投与速度を調節する段階を更に含む。例えば、エア・ロックは、流体システムの中に閉じ込められたガス(例えば、空気)に起因する流体流れのいずれかの部分的又は完全な障害である場合がある。エア・ロックが発生する可能性があるステータスの例を下記で図6A及び図6Bに関して更に詳しく説明する。本明細書の他の箇所で説明するように、エア・ロックは、排尿速度の不自然な降下を引き起こす場合があり、この降下は、利尿剤投与速度の決定に影響を及ぼす(例えば、過度に高い利尿剤投与速度を引き起こす)場合がある。一部の実施形態では、エア・ロックの存在は、排尿が殆ど又は全くない(エア・ロックが尿流を閉塞させることに起因して)期間に排尿の突然の大きいボーラスが続く(エア・ロックを取り除く流体ライン内の蓄積圧に起因して)ことに基づいて検出される。エア・ロックが存在していた又はしていることをシステムが検出した時に、システムは、エア・ロック又は他の閉塞が発生しなかった場合に使用されるはずであった投与速度まで利尿剤投与速度を調節することによって補償を行うことができる。適切な投与速度は、過去データ(例えば、エア・ロックが発生する前の利尿剤投与速度、エア・ロックが発生する前の患者の排尿速度から算定された利尿剤投与速度のような)に基づいて決定することができる。
【0079】
これに代えて又は組合せで、ステージ208は、例えば、患者からの正味流体喪失を推進させるために患者の排尿速度を増大又は低減することによって補水速度を調節する段階を含むことができる。例えば、上述のように、最初に補水速度は、初期条件セット(例えば、予め決められた期間、初期排尿量、及び/又は初期排尿速度)に関して患者の排尿速度に対応することができる。初期条件が経過すると、補水速度を排尿速度よりも低い速度(例えば、排尿速度のある百分率)に維持することができ、従って、患者は、流体低減フェーズ中に正味流体喪失を見せる。補水速度は、患者の排尿速度の百分率又は分率、排尿速度がいくつかの異なる閾値よりも大きいか又は下回るかに基づく(例えば、排尿速度と補水速度の間の差は、排尿速度が増大する時に増大する)こと、及び/又はいずれかの他の適切な方法のような様々な方式で決定することができる。
【0080】
任意的に、利尿剤投与速度及び/又は補水速度は、患者の排尿速度以外の因子に基づいて調節することができる。例えば、利尿剤投与速度及び/又は補水速度は、患者の低血圧状態にすることを回避するように患者の血圧に基づいて調節することができる。一部の実施形態では、患者の血圧レベルが過度に低い(例えば、閾値又は閾範囲よりも小さい)場合に、システムは、利尿剤投与速度を増大させることを回避することができ、及び/又は予め決められた期間にわたって利尿剤投与速度を低減することができる。これに代えて又は組合せで、システムは、低血圧レベルが検出された場合に予め決められた期間にわたって補水速度を増大させる(例えば、最高許容補水速度まで、及び/又は望ましい流体交換プロファイル(例えば、患者の排尿速度への100%一致)を与えるように)ことができる。システムは、患者の血圧レベルが低いことを示す警告を出力することができ、従って、ユーザは、患者のステータスを検査することができる。任意的に、システムは、血圧レベルと排尿速度の両方を考慮に入れることができ、例えば、システムは、警告を発することができ、及び/又は患者の血圧が低く、患者の排尿速度が降下した場合に利尿剤投与速度及び/又は補水速度を調節することができる。この方法は、患者の安全及び治療手順の制御を改善することができる。
【0081】
一部の実施形態では、方法200のステージの一部又は全ては、流体過負荷状態に関して患者を治療するための医療手順の一部として実施される。方法200は、流体過負荷を治療するための1次の単独療法として使用することができ、又は他の療法との組合せに使用する(例えば、再入院加療の可能性を低減するための1次療法後の療法として)ことができる。方法200は、入院患者環境又は外来患者環境のようなあらゆる適切な環境を用いて実施することができる。方法200が外来患者療法として実施される実施形態では、方法200の全所要時間を低減する(例えば、10時間、5時間、4時間、3時間、2時間、又は1時間以下まで)ことができる。
【0082】
図2に示す方法200は、多くの異なる方式で修正することができる。例えば、ステージ204又は206のような方法200のステージのうちのいずれかを除外することができる。一部の実施形態では、ステージ204が除外され、従って、方法200は、補水流体注入を制御するが、利尿剤送出を制御せず、又はいずれの利尿剤送出も全く含まない。同様に、ステージ206を除外することができ、従って、方法200は、利尿剤送出を制御するが、補水流体注入を制御せず、又はいずれの補水流体注入も全く含まない。別の例として、方法200のステージ200の一部又は全ては、異なる順序で実施する及び/又は繰り返す(例えば、202、204、206、及び/又は208のうちのいずれか)ことができる。更に別の例では、方法200は、図2には示していない追加のステージ(例えば、追加の薬品の送出を引き起こす段階、排尿速度以外のパラメータを取得する段階のような)を含むことができる。
【0083】
本発明の技術は、流体過負荷を治療すること及び/又は患者の流体レベルを管理することに関して多くの利点を与えることができる。例えば、本発明の技術の実施形態が患者の流体体積を従来の治療システム及び治療法よりも迅速かつ安全に一貫して低減することが示されている。例えば、従来の方法は、一般的に、4~5Lの正味流体体積を除去するのに少なくとも5日を要する場合があるが、本発明の技術の実施形態は、4~5リットルの正味流体体積を24時間以内で除去することが示されている。これに加えて、本発明の技術の実施形態は、患者からの高ナトリウム尿を通して十分な量の塩分を除去することも示されている。この塩分除去は、退院後に患者が流体を再蓄積させる可能性を低減することができ、それによって再入院率の低下を引き起こすことができる。更に、本発明の技術の実施形態は、治療手順中に排尿、補水流体注入、及び/又は利尿剤送出を自動的かつ連続的にモニタして患者の安全上の懸念(例えば、過剰利尿及び/又は低血圧)を軽減することができる。
【0084】
本発明の技術の実施形態は、(i)正味流体体積除去を最適化すること、(ii)医師が治療の早期に従来の治療と比較して高い利尿剤投与量及び/又は投与速度を使用することを可能にすることによって望ましい正味流体除去を引き起こすのに必要とされる時間を短縮すること、(iii)過剰利尿、脱水、及び/又は血管内枯渇のような有害事象のリスクを回避するか又は低減すること、(iv)患者が利尿剤耐性を有するか否かを迅速に評価すること、(v)治療データ記録を提供することのうちのいずれかのような様々な利点をもたらすことができる。本発明の技術の実施形態は、少なくとも225ml/hrの平均正味流体除去速度(例えば、平均排尿速度から平均補水流体注入速度を差し引いたもの)を取得することができ、それによって1日当たり2Lの流体の経口導入又はIV注入導入に基づいて1日当たり3.4Lの正味流体体積除去が施される。ナトリウムを置換しながらのこの流体除去速度は、全在院期間を短縮すること及び/又はうっ血解除の改善を可能にすることができる。
【0085】
II.採尿システム及び関連のデバイス及び方法
図3図8及び関連の説明は、図1Aの流体管理システム100及び/又は図2の方法200との併用に適する採尿システム及び関連のデバイス及び方法の様々な例を提供している。図3図8の実施形態の特徴のうちのいずれも、互いに組み合わせること及び/又は本発明の技術の他の実施形態のうちのいずれかの中に組み込むことができる。例えば、図3図8の実施形態のうちのいずれも、図1Aの尿システム110と組み合わせること、及び/又はそこに組み込むことができる。
【0086】
A.複数の採尿容器を使用するシステム、デバイス、及び方法
図3図4Jは、本発明の技術の実施形態に従って構成された採尿システムの様々な例を例示している。具体的に、図3は、採尿システムの構成要素の概観を提示しており、図4A図4Jは、採尿システムの代表例を提供する。図3図4Jの実施形態の特徴のうちのいずれも、互いに組み合わせること、及び/又は本明細書に説明する他のシステム及びデバイスのうちのいずれか(例えば、図1Aのシステム100)と組み合わせることができる。
【0087】
図3は、本発明の技術の実施形態に従って構成された採尿システム300の概略図である。システム300は、医療手順中に患者から尿を採取するのに使用することができ、この場合に、患者が大きい全体積の尿(例えば、24時間以内に少なくとも2L、5L、10L、15L、又は20Lの尿)を排出されること、及び/又は高い排尿速度(例えば、少なくとも0.5L/hr、1L/hr、1.5L/hr、2L/hr、又は2.5L/hr)を見せることが予想される。しかし、他の実施形態では、システム300は、患者から尿を採取する段階、及び/又は患者の排尿をモニタする段階を含むいずれかの手順で使用することができる。
【0088】
システム300は、複数の採尿容器と作動可能に結合された流れ制御アセンブリ302を含む。図示の実施形態では、例えば、システム300は、尿又は他の体液を受け入れるための第1の採取容器304aと第2の採取容器304bとを含む。しかし、他の実施形態では、システム300は、3、4、5、又は6以上の容器304a~304bのような異なる個数の容器304a~304bを含むことができる。容器304a~304bは、患者からの尿を保持するのに適する可撓性又は剛性のいずれかの容器、例えば、バッグ、瓶、缶、バイアルなどとすることができる。容器304a~304bの各々は、少なくとも0.5L、1L、1.5L、2L、又は5Lの内体積を有することができる。
【0089】
流れ制御アセンブリ302は、患者からの尿を容器304a~304bのうちの1又は2以上の中に向けるように構成される。図3に示すように、システム300は、患者の身体にカテーテル(例えば、フォーリーカテーテル、テキサスコンドームカテーテル、ピュアウィックカテーテルのような)を通して結合することができる取込流体ライン306を通して患者から尿を受け入れる。取込流体ライン306は、各々が容器304a~304bのうちの1つに接続する複数の流体ライン(例えば、第1の流体ライン308a及び第2の流体ライン308b)に接続することができる。図示の実施形態では、例えば、第1の流体ライン308aは、第1の容器304aを取込流体ライン306に接続し、第2の流体ライン308bは、第2の容器304bを取込流体ライン306に接続する。他の実施形態では、システム300は、使用される容器304a~304bの個数に依存して異なる個数の流体ラインを含むことができる。
【0090】
一部の実施形態では、流れ制御アセンブリ302は、患者からの第1及び第2の容器304a~304bへの流体流れをそれぞれ制御するように構成された第1のサブアセンブリ310a及び第2のサブアセンブリ310bを含む。第1のサブアセンブリ310aは、第1の容器304b及び/又は第1の流体ライン308aと作動可能に結合することができ、第2のサブアセンブリ310bは、第2の容器304b及び/又は第2の流体ライン308bと作動可能に結合することができる。サブアセンブリ310a~310bの各々は、それぞれの容器304a~304bへの排尿を制御及び/又はモニタするための様々な構成要素、例えば、下記で更に詳しく説明する1又は2以上のセンサ、弁、及び/又は保持器を含むことができる。流れ制御アセンブリ302は、サブアセンブリ310a~310bの作動を制御するためにこれらのサブアセンブリと作動可能に結合されたコントローラ312(例えば、マイクロプロセッサ)を更に含むことができる。コントローラ312は、サブアセンブリ310a~310bからデータを受信して処理し、制御信号をサブアセンブリ310a~310bに送信すること、及び/又はデータを別個のデバイス(例えば、スマート電話のようなユーザデバイス、図1Aのコントローラ140のような)に送信することができる。コントローラ312の作動の追加の詳細を以下に提供する。
【0091】
センサ(例えば、第1のセンサ314a及び第2のセンサ314b)は、対応する容器304a~304b内の尿の量及び/又はこれらの容器への尿流の速度を測定するように構成されたいずれかのデバイスとするか又はそれを含むことができる。例えば、センサ314a~314bは、重量センサ、流量センサ、流体レベルセンサ、浮子センサ、光センサ、点滴カウンタ、などを含むことができる。センサ314a~314bは、容器304a~304b、流体ライン308a~308b、及び/又はシステム300のいずれかの他の適切な部分内に含めるか又はそれに結合することができる。コントローラ312は、センサ314a~314bによって生成されたセンサデータを受信して処理し、各容器304a~304b内の尿の量及び/又は各容器304a~304bへの尿流の速度を算定することができる。これらの算定に基づいて、コントローラ312は、各容器304a~304bのステータス(例えば、満杯、部分的に満杯、空)を評価し、容器304a~304bが尿を保持するのに利用可能であるか、空にする必要があるかなどを決定することができる。
【0092】
弁(例えば、第1の弁316a及び第2の弁316b)は、それぞれの容器304への流体流れを制御するように構成されたいずれかのデバイス、例えば、ピンチ弁、ボール弁、バタフライ弁、ダイヤフラム弁、及び逆止弁などとするか又はそれを含むことができる。各弁316a~316bは、流体流れを可能にする開通構成と流体流れを阻止する閉鎖構成との間で弁316a~316bを作動するアクチュエータ(例えば、図3には示していないサーボモータ)に結合することができる。対応する弁316a~316bが開通状態又は閉鎖状態のいずれにあるかを制御するために、アクチュエータにコントローラ312を作動可能に結合することができる。従って、弁316a~316bを選択的に開閉することにより、コントローラ312は、患者からの尿流を特定の容器304a~304bに向けること、及び/又は尿が特定の容器304a~304bに流入することを阻止することができる。
【0093】
保持器(例えば、第1の保持器318a及び第2の保持器318b)は、対応する容器304a~304bを流れ制御アセンブリ302に固定するように構成されたいずれかのデバイス、例えば、ラッチ、ファスナなどとするか又はそれを含むことができる。保持器318a~318bは、容器304a~304bが手順中に不用意に外れるか又は離脱することを防止し、従って、溢流又は漏れの可能性を低減することができる。各保持器318a~318bは、アンロック構成とロック構成との間で保持器318a~318bを作動するアクチュエータ(図3には示していない)に結合することができる。例えば、対応する保持器318a~318bがロック状態又はアンロック状態のいずれにあるかを制御するために、アクチュエータにコントローラ312を作動可能に結合することができる。コントローラ312は、各保持器318a~318bの状態を対応する弁316a~316bと協働させることができる。例えば、第1の弁316aが開通状態にあり、従って、尿が第1の容器304aの中に流れ込んでいる場合に、コントローラ312は、第1の保持器318aをロックすることができ、従って、第1の容器304aを取り外すことができない。別の例として、第2の弁316bが閉鎖状態にあり、従って、尿が第2の容器304bの中に流れ込んでいない場合に、コントローラ312は、第2の保持器318bをアンロックして第2の容器304bの取り外しを可能にすることができる(例えば、第2の容器304bを空にするために)。これに代えて又は組合せで、第1及び第2の保持器318a~318bは、ユーザが手動で作動することができる(例えば、光、音、メッセージなどによる通知又は警報に応答して)。しかし、他の実施形態では、第1及び第2の保持器318a~318bは任意的であり、除外することができる。
【0094】
図3のシステム300は、多くの異なる方式を含むことができる。例えば、図示の実施形態は、2つの別個のサブアセンブリ310a~310bを示すが、他の実施形態では、サブアセンブリ310a~310bを単一構成要素に組み合わせることができる。これに加えて、図3は、単一コントローラ312を示すが、他の実施形態では、コントローラ312は、複数の個別コントローラ(例えば、サブアセンブリ310毎に1つのコントローラ)として実施することができる。任意的に、コントローラ312は、部分的又は完全に流れ制御アセンブリ302の外側に位置付ける(例えば、より大きい患者流体管理システムに対するコンソールの一部として)ことができる。例えば、コントローラ312は、図1Aのシステム100のコントローラ140とすることができる。図3に示す様々な構成要素の場所を必要に応じて変更することができる。例えば、センサ314a~314bは、容器304a~304bのうちのいずれかの中又は上、流体ライン308a~308bのうちのいずれかの中又は上、又はシステム300内のいずれかの他の適切な場所に存在することができる。これに加えて、システム300は、様々な個数の容器304a~304b、サブアセンブリ310a~310b、センサ314a~314b、弁316a~316b、及び/又は保持器318a~318bを含むことができる。
【0095】
図4A図4Jは、本発明の技術の実施形態に従って構成された採尿システム400の各々の例を例示している。より具体的には、図4Aは、システム400の斜視図であり、図4B図4Jは、システム400の流れ制御アセンブリ402の様々な図である。
【0096】
最初に図4Aを参照すると、システム400は、第1の容器404aと第2の容器404bとに作動可能に結合された流れ制御アセンブリ402を含む。流れ制御アセンブリ402は、下記でより詳細に説明するように患者から容器404a~404b内への尿流をモニタ及び/又は制御することができる。システム400は、図1Aを参照して上述した流体レベルをモニタ及び/又は管理するための構成要素のうちのいずれかのような追加の機能構成要素を含むことができる。図示の実施形態では、例えば、システム400は、流れ制御アセンブリ402と、流体(例えば、生理食塩水溶液)を流体ソース408から送出するための補水システムと、利尿剤ソース410から利尿剤を送出するための利尿剤システムと、コンピュータ又はコントローラ412(概略的にしか示していない)とを含むコンソール406、及びユーザ入力/出力デバイス(例えば、タッチ画面又はディスプレイ414)として構成される。図4Aに示すように、容器404a~404bは、コンソール406の下側部分に及び/又は床の比較的の近くに存在することができる。この配置は、患者に接続された流体ライン内に強めのサイフォン真空を発生させることができ、この強めのサイフォン減圧は、膀胱内の流体溜まりを低減することにより、及び/又は患者が移動する時に大きいボーラスの尿を回避することにより、及び/又は流体ライン内の小さい気泡を取り除くことでエア・ロックの可能性を低減することによって採尿を改善することができる。しかし、他の実施形態では、コンソール406の構成要素は、別様に位置決めすることができるか又は除外することができる。
【0097】
図4Bは、容器404a~404bと併せた流れ制御アセンブリ402の斜視図である。流れ制御アセンブリ402は、容器404a~404bをコンソール406(図4A)に接続するように構成されたフレーム420を含むことができる。容器404a~404bは、各々を可撓性バッグ、剛性瓶、又は尿を保持するのに適するいずれかの他の構造体とすることができる(例えば、図3を参照して上述したように)。図示の実施形態では、フレーム420は、第1のサブアセンブリ424a及び第2のサブアセンブリ424bを受け入れるための開口部422を有するほぼ矩形の支持構造体として構成される。第1のサブアセンブリ424aは、第1の流体ライン426aを通って第1の容器404aの中に入る尿流を制御するために第1の容器404aに結合することができ、第2のサブアセンブリ424bは、第2の流体ライン426bを通って第2の容器404bの中に入る尿流を制御するために第2の容器404bに結合することができる。第1及び第2の流体ライン426a~426bは、接続金具(例えば、Y字接続金具)、マニホルド、又は他の適切なコネクタを通して取込流体ライン(図示せず)に流体的に結合することができる。サブアセンブリ424a~424bは、図3を参照して先に議論したようにそれぞれの容器404a~404b内への尿流をモニタ及び/又は制御するためのセンサ、弁、保持器などを含むことができる。
【0098】
図4C図4Jは、個々の容器404及び流れ制御アセンブリ402のサブアセンブリ424の様々な図である。容器404の特徴のうちのいずれも、図4A及び図4Bの第1の容器404a及び/又は第2の容器404b内に組み込むことができ、サブアセンブリ424の特徴のうちのいずれも、図4A及び図4Bの第1及び/又は第2のサブアセンブリ424a~424b内に組み込むことができる。
【0099】
最初に、サブアセンブリ424と共に容器404の斜視図である図4Cを参照すると、サブアセンブリ424は、容器404を流れ制御アセンブリ402の残余に接続するように構成される。サブアセンブリ424は、流体ライン426を通って容器404の中に入る流体流れをモニタ及び/又は制御することができる。図4Cに示すように、サブアセンブリ424は、上側セクション428と下側セクション430を含むことができる。上下のセクション428、430をほぼ矩形の形状を有するものとして示すが、他の実施形態では、上及び/又は下のセクション428、430は、異なる形状(例えば、正方形、楕円形のような)を有することができる。上側セクション428は、流れ制御アセンブリ402のフレーム420(図4B)に取り付けるための装着プレートとすることができ、それに対して下側セクション430は、容器404を受け入れて支持するためのネスト又はレセプタクルとすることができる。下側セクション430は、容器404のあらゆる適切な部分、例えば、容器404の上側部分上のキャップ432に接続することができる。図示の実施形態では、キャップ432はインタフェースカートリッジ434に結合され、インタフェースカートリッジ434は、サブアセンブリ424の下側セクション430内の開口436内に嵌合する。
【0100】
図4Dは、容器404に取り付けられたインタフェースカートリッジ434の左斜視図であり、図4Eは、インタフェースカートリッジ434及び容器404の右分解斜視図である。最初に図4Dを参照すると、インタフェースカートリッジ434は、容器404の上端に接続された又はそれと一体形成された剛性構造体とすることができるキャップ432を通して容器404に取り外し可能に結合されるように構成される。任意的に、キャップ432は、人間工学的な特徴部(例えば、質感、リッジのような)を有するハンドル438を含むことができ、従って、ユーザは、ハンドル438を把持して容器404を挿入する、取り外す、及び/又は他に操作することができる。
【0101】
次に、図4Eを参照すると、キャップ432は、容器404内への流体流れを可能にする開口部440を含む。インタフェースカートリッジ434は、キャップ432内の開口部440の中に少なくとも部分的に嵌合して流体密密封を提供することができる。図示の実施形態では、開口部440は細長形状を有し、インタフェースカートリッジ434は、開口部440に嵌合する対応する細長底面セクション442を含む。キャップ432及び/又はインタフェースカートリッジ434は、締り嵌め、スナップ留め、ラッチ、ファスナ、及び磁気要素などのようなあらゆる適切な技術によって互いに固定することができる。キャップ432とインタフェースカートリッジ434の間の結合は、ユーザがキャップ432のハンドル438を引っ張ることによってキャップ432及び容器404をインタフェースカートリッジ434から分離することができるように一時的な解除可能接続とすることができる。キャップ432は、下記で図4G図4Jに関して詳細に説明するように、キャップ432及び容器404をサブアセンブリ424に固定するように構成された少なくとも1つのスロット又は凹部444を更に含むことができる。
【0102】
インタフェースカートリッジ434は、流体ライン426を容器404に流体的に結合することができる。図示の実施形態では、インタフェースカートリッジ434は、流体ライン426の近位部分448を受け入れるレセプタクル446を含む。レセプタクル446は、インタフェースカートリッジ434の上面450上に位置付けられた中空構造体又はハウジングとすることができる。流体が流体ライン426の近位部分448から容器404の中に流入することを可能にするために、インタフェースカートリッジ434は、レセプタクル446から細長底面セクション442を通って延びるチャネル又は孔447(図4Jに示す)を含むことができる。従って、インタフェースカートリッジ434がキャップ432(図4Dに示す)の上に組み込まれた時に、流体ライン426内の流体は、インタフェースカートリッジ434のチャネル447を通って容器404の開口部440の中に流れ込むことができる。
【0103】
再度図4Dを参照すると、一部の実施形態では、レセプタクル446は、流体ライン426の近位部分448のセクション454を露出させる窓452(例えば、開口、切欠き部のような)を含む。流体ライン426の露出セクション454は、サブアセンブリ424(図4C)内の対応する弁とインタフェースし、下記で図4G図4Jを参照して詳細に説明するように容器404の中に入る流体流れを制御することができる。
【0104】
図4Fは、サブアセンブリ424の上面斜視図であり、図4G図4Iは、サブアセンブリ424の底面斜視図であり、図4Jは、キャップ432及びインタフェースカートリッジ434に接続されたサブアセンブリ424の底面斜視図である。最初に図4Fを参照すると、サブアセンブリ424の下側セクション430は、インタフェースカートリッジ434の少なくとも一部分を受け入れるための開口436を有する前面456を含むことができる。開口436の形状は、インタフェースカートリッジ434の形状と相補的なものとすることができる。例えば、図4Fでは、開口436は、インタフェースカートリッジ434のレセプタクル446及び/又は流体ライン426を含むように構成された上側部分458と、インタフェースカートリッジ434の上面450及び底面セクション442の少なくとも一部を含むように構成された下側部分460とを含む。図4Gに示すように、開口436は、下側セクション430の底面464内のキャビティ462に接続することができる。キャビティ462は、インタフェースカートリッジ434の形状と類似の細長形状を有することができ、従って、インタフェースカートリッジ434は、キャビティ462の中に少なくとも部分的に嵌合することができる。
【0105】
次に図4Jを参照すると、サブアセンブリ424の下側セクション430は、インタフェースカートリッジ434及びキャップ432に係合して容器404をサブアセンブリ424に固定することができる(簡略化の目的で図4Jからは容器404を除外している)。容器404をサブアセンブリ424に接続するために、ユーザは、インタフェースカートリッジ434が開口436を通ってキャビティ462の中に少なくとも部分的に進入するようにインタフェースカートリッジ434及びキャップ432を下側セクション430の底面464に沿って(例えば、方向D1に沿って)摺動させることができる。
【0106】
下側セクション430は、容器404(下側セクション430に接続された)が存在するか否かを検出するように構成された少なくとも1つのセンサをこれに加えて含むことができる。センサは、機械的センサ(例えば、スイッチ)、光センサ、容器404、キャップ432、及び/又はインタフェースカートリッジ434上のタグからの信号を検出するように構成されたセンサ(例えば、RFIDリーダ)、又はその適切な組合せのうちのいずれかとするか又はそれを含むことができる。図示の実施形態では、例えば、下側セクション430は、インタフェースカートリッジ434の存在を検出するように構成された第1のセンサ466と、キャップ432(容器404の存在に対する代理物としての働きをすることができる)の存在を検出するように構成された第2のセンサ468とを含む。第1のセンサ466は、インタフェースカートリッジ434がキャビティ462内にある(例えば、キャビティ462の中に完全に挿入された)時に作動される(例えば、押下される)第1の機械的センサ(例えば、第1のマイクロスイッチ)とすることができる。同様に、第2のセンサ468は、キャップ432が下側セクション430の底面464に隣接するように又はその近くに配置された時に作動される(例えば、押下される)第2の機械的センサ(例えば、第2のマイクロスイッチ)とすることができる。第1のセンサ466と第2のセンサ468は、独立に作動することができ、従って、流れ制御アセンブリ402は、インタフェースカートリッジ434、容器404、又はその両方がサブアセンブリ424から取り外されたか否かを決定することができる。第1及び第2のセンサ466、468の各々は、インタフェースカートリッジ434及びキャップ432がキャビティ462と適正に係合した時にしかセンサ466、468が作動されないように開口436から遠い方のキャビティ462の端部又はその近くに存在することができる。他の実施形態では、第1及び/又は第2のセンサ466、468は、下側セクション430の上の異なる場所(例えば、キャビティ462に対する異なる場所)に存在することができ、又は下側セクション430ではなく上側セクション428の上に位置付けることができ、又は完全に除外することができる。
【0107】
再度図4Fを参照すると、サブアセンブリ424は、容器404内の流体の量及び/又は容器404の中に入る流体流れの速度をモニタするように構成された少なくとも1つのセンサを更に含むことができる。センサは、図3を参照して上記で議論したセンサのうちのいずれか、例えば、重量センサ、流量センサ、流体レベルセンサ、浮子センサ、光センサ、又は点滴カウンタなどとするか又はそれを含むことができる。図示の実施形態では、例えば、上側セクション428は、容器404が下側セクション430に結合されている時の容器404の重量を測定するように構成された重量センサ470(例えば、荷重計)を含む。下側セクション430は、上側セクション428に摺動可能接続によって接続することができ、従って、下側セクション430は、上側セクション428に対して上方及び/又は下方に(例えば、垂直軸D2に沿って)並進することができる。図4Fに示すように、下側セクション430は、上側セクション428内の対応する孔474の中に摺動可能に嵌合する1又は2以上のピン472(破線に示す)を含むことができる。従って、容器404が下側セクション430に取り付けられた時に、容器404の重量が下側セクション430を下向きに変位させることができる。重量センサ470は、下側セクション430の下向きの変位が重量センサ470に対して力を印加し、重量センサ470がこの印加力に応答して容器404の重量を示すセンサ信号を出力することができるように下側セクション430に結合することができる。
【0108】
上側セクション428と下側セクション430の間の嵌合は、容器404及び/又はインタフェースカートリッジ434の取り外し及び挿入を容易にするほど十分に密にされ、同時に正確な重量測定を提供するほど十分に緩くされる。例えば、容器404内の流体分布が偏心している場合に、上側セクション428と下側セクション430の間の過度に密な嵌合は、ピン472に対する不均等な荷重及び/又は抗力を引き起こす場合があり、これらは、重量センサ470が生成する測定値と干渉する場合がある。従って、サブアセンブリ424は、上側セクション428と下側セクション430の間の嵌合を変更することができる調節機構を任意的に含むことができる。一部の実施形態では、容器404及び/又はインタフェースカートリッジ432がサブアセンブリ424から取り外されている時及び/又は挿入されている時に、調節機構は、取り外し及び/又は挿入を容易にするために上側セクション428と下側セクション430の間の嵌合を密にする。容器404及び/又はインタフェースカートリッジ432がサブアセンブリ424に接続されると、調節機構は、下側セクション430が重量センサ470からピン472との接触が殆ど又は全くない状態で自由に吊り下がるように上側セクション428と下側セクション430の間の嵌合を緩めることができる。任意的に、調節機構は、上下のセクション428、430が緩く係合している間に容器404及び/又はインタフェースカートリッジ432をサブアセンブリ424に自動的にロックすることができる。調節機構は、アクチュエータ、ラッチのようなあらゆる適切な組合せを含むことができ、ユーザが手動で、コントローラが自動的に、又はこれらのいずれかの適切な組合せで作動することができる。
【0109】
再度図4Gを参照すると、サブアセンブリ424は、容器404への流体流れを制御するための少なくとも1つの弁を更に含む。弁は、上記で図3を参照して議論した実施形態のうちのいずれか、例えば、ピンチ弁、ボール弁、バタフライ弁、ダイヤフラム弁、逆止弁などとするか又はそれを含むことができる。図4G実施形態では、下側セクション430は、ピンチ弁としての働きをする細長アーム478を有するカムユニット476を含む。カムユニット476は、キャビティ462の近く及び/又はそれに接続されたアクセススロット480の近くにあり、カムユニット476の回転が、アクセススロット480を通過し、従って、キャビティ462の中及び/又は外に細長アーム478を移動するように位置付けることができる。例えば、カムユニット476は、時計方向に(例えば、方向D3に沿って)回転して細長アーム478をキャビティ462の中に移動することができ、反時計方向に(例えば、方向D4に沿って)回転して細長アーム478をキャビティ462の外に移動することができる。サブアセンブリ424は、カムユニット476と作動可能に結合されてカムユニット476の回転を作動するアクチュエータ482(例えば、サーボモータ、図4F)を更に含むことができる。アクチュエータ482は、上側セクション428、下側セクション430、又はサブアセンブリ424内のいずれかの他の適切な場所に存在することができる。
【0110】
一部の実施形態では、カムユニット476は、複数の異なる位置の間で回転して容器404の中に入る流体流れを制御するように構成される。例えば、カムユニット476は、容器404の中に入る流体流れを可能にする第1の位置と、容器404の中に入る流体流れを阻止する第2の位置との間で回転することができる。カムユニット476が第2の位置にある(例えば、図4Gに示すように)時に、細長アーム478はキャビティ462の中に延び、インタフェースカートリッジ434(図4D及び図4E)によって担持された流体ライン426の露出セクション454に係合(例えば、押圧)し、それによって容器404の中に入る流体流れを閉塞することができる。それとは逆に、カムユニット476が第1の位置にある(例えば、図4Hに示すように)時に、細長アーム478(図4Hでは隠れている)をキャビティ462から離間させることができ、それによって細長アーム478は流体ライン426の露出セクション454から切断し、流体が障害なく又は実質的に障害なく容器404の中に流れ込むことを可能にする。
【0111】
任意的に、サブアセンブリ424は、容器404の一部分(例えば、キャップ432)に係合して容器404をサブアセンブリ424に固定するように構成された少なくとも1つの保持器(例えば、ラッチ、ファスナのような)を更に含む。例えば、カムユニット476は、保持器としての働きをする突起484を含むことができる。突起484は、容器404の一部分に嵌合して容器404がサブアセンブリ424から外れることを防止することができる。図示の実施形態では、例えば、突起484は、キャップ432内のスロット444の幾何学形状と類似の幾何学形状(例えば、サイズ、形状)を有する。従って、インタフェースカートリッジ434及びキャップ432がサブアセンブリ424の底面セクション430に接続された(例えば、図4Jに示すように)時に、突起484は、スロット444の中に少なくとも部分的に嵌合してキャップ432(従って、容器404)をサブアセンブリ424にラッチすることができる。
【0112】
一部の実施形態では、保持器(例えば、突起484)は、流体が容器404の中に流れ込んでいる時に容器404をサブアセンブリ424から取り外すことができないように弁(例えば、細長アーム478)と協働する及び/又は作動可能に結合される。図示の実施形態では、突起484と細長アーム478は、両方共にカムユニット476に接続されるので、カムユニット476は、突起484と細長アーム478の両方の位置を制御する。突起484は、細長アーム478が流体ライン426に係合しようとする時に容器404から切断されるように、更に細長アーム478が流体ライン426から切断される時に容器404に係合するように細長アーム478から回転的にオフセットすることができる。例えば、カムユニット476が第2の位置にある(例えば、図4Gに示すように)時に、突起484をキャビティ462から離間させることができ、更にキャップ432のスロット444から切断させることができる。カムユニット476が第1の位置にある(例えば、図4Hに示すように)時に、突起484は、キャビティ462の中又はその近くに存在することができ、更にスロット444の中に少なくとも部分的に嵌合し、それによってキャップ432(従って、容器404)をサブアセンブリ424にロックすることができる。しかし、他の実施形態では、サブアセンブリ424は、弁と独立に作動する保持器(例えば、カムユニット476上に位置付けられない及び/又はそれに結合されない保持器)を含むことができる。
【0113】
再度図4Dを参照すると、インタフェースカートリッジ434は、容器404をインタフェースカートリッジ434とは独立にサブアセンブリ424から取り外すことができるようにインタフェースカートリッジ434をサブアセンブリ424にロックするための第2の保持器を任意的に含むことができる。図示の実施形態では、例えば、第2の保持器は、インタフェースカートリッジ434の上面450から延びるラッチ486(例えば、ランプ、突起のような)として構成される。インタフェースカートリッジ434がサブアセンブリ424の開口436の中に挿入された時に、ラッチ486は、開口436の近くにある対応するノッチ又は凹部488(図4G)に係合することができる。ラッチ486とノッチ488の間の接触は、カートリッジ434がサブアセンブリ424から外れることを防止することができる。従って、ユーザがインタフェースカートリッジ434を取り外すことなく容器404を取り外そうと望む(例えば、治療手順中に容器404を空にする及び/又は交換するために)時などに、インタフェースカートリッジ434は、サブアセンブリ424に固定されたままに留まることができ(例えば、下側セクション430のキャビティ462内で)、一方でキャップ432をインタフェースカートリッジ434から分離することができる。従って、ユーザは、患者に接続された流体ライン426を殆ど又は全く不通にすることなく容器404をサブアセンブリ424から取り外すことができ、それによって感染及び/又は汚染の可能性を低減することができる。任意的に、インタフェースカートリッジ434は、容器404が再接続されるまで流体ライン426の無菌性を維持するために流体ライン426の露出端部を一時的に密封する(例えば、チャネル447(図4J)を覆うことにより)可動フラップ、シール、障壁などを含むことができる。
【0114】
次に、図4Iを参照すると、一部の実施形態では、カムユニット476は、インタフェースカートリッジ434と容器404の両方をサブアセンブリ424から取り外すことができる第3の位置に回転可能である。例えば、図4Iに示すように、カムユニット476は、第3の位置にある時に、突起484及び細長アーム478(図4Iでは隠れている)がキャビティ462から離間し、キャップ432及び流体ライン426からそれぞれ切断されるように向けることができる。カムユニット476は、ユーザが最初にインタフェースカートリッジ434及び容器404をサブアセンブリ424に接続する(例えば、設定手順中に)時に第3の位置に位置決めすることができる。カムユニット476は、ユーザがインタフェースカートリッジ434及び容器404をサブアセンブリ424から取り外そうとする(例えば、治療手順が終了した後に)時にも第3の位置に存在することができる。
【0115】
再度図4C及び図4Dを互いに参照すると、インタフェースカートリッジ434をサブアセンブリ424から取り外すために、ユーザは、インタフェースカートリッジ434上のトリガ490を押下することができる。トリガ490は、インタフェースカートリッジ434がサブアセンブリ424に結合された時に開口436の外側に配置されたままに留まる細長レバーとすることができる。ユーザがトリガ490を押下した時に、ラッチ486がサブアセンブリ424のノッチ488(図4F)から切断され、それによってインタフェースカートリッジ434が摺動して開口436から出ることを可能にするように、トリガ490は、ラッチ486に隣接するか又は他に接続することができる。
【0116】
容器404及び/又はインタフェースカートリッジ434を固定するための機構は、多くの異なる方式を含むことができる。他の実施形態では、例えば、容器404は、サブアセンブリ424にロックされるのに加えて又はその代わりに、インタフェースカートリッジ434にロックすることができる。この方法は、インタフェースカートリッジ434が治療手順毎に一度だけ取り外される(例えば、手順が完了した後)ステータスに使用することができる。容器404をインタフェースカートリッジ434にロックすることにより、容器404が全く尿を受け入れていない(従って、カムユニット476によってサブアセンブリ424にロックされていない)時に容器404が不用意に離脱状態になる可能性を低減することができる。これは、例えば、治療中に患者が動き回ることを可能にするなどの目的でコンソール406が移動される場合に有利とすることができる。そのような実施形態では、インタフェースカートリッジ434をロック及びアンロックするための保持器は、トリガ490ではなくサブアセンブリ424(又はコンソール406の他の構成要素)によって制御することができる。代わりに、トリガ490は、容器404が流体を受け入れていない(例えば、カムユニット476が容器404をサブアセンブリ424にロックしていない)時に容器404をインタフェースカートリッジ434から外すのに使用することができる。これに代えて、サブアセンブリ424は、容器404をカートリッジ434にロックすること及びそこからアンロックすることを目的とし、コンソール406上のボタンを解除すること、タッチ画面414を通して指令を入力することができ、又はいずれかの他の適切な技術によって作動することができる別個の電磁ラッチ又は他の保持器を含むことができる。
【0117】
任意的に、サブアセンブリ424は、ステータス通知を出力するように構成された少なくとも1つの通知デバイスを含む又はそれと作動可能に結合することができる。これらの通知は、容器404が存在するステータス、容器404が存在しないステータス、容器404が空であるステータス、容器404が部分的に満杯であるステータス、容器404が完全に満杯であるステータス、容器404内の流体の量が閾値よりも多いか又はそれに等しいステータス、容器404内の流体の量が閾値よりも少ないか又はそれに等しいステータス、容器404が現在ロック状態にあるステータス、容器404が現在アンロック状態にあるステータス、インタフェースカートリッジ434が現在ロック状態にあるステータス、インタフェースカートリッジ434が現在アンロック状態にあるステータス、システムエラーが存在するステータス、及び類似のステータスのうちのいずれかをユーザに通知することができる。
【0118】
再度図4Fを参照すると、通知デバイスは、インジケータライト492(例えば、LEDライト)のセットを含むことができる。図4Fは、サブアセンブリ424の上側セクション428の上に位置付けられた2つのインジケータライト492を示すが、他の実施形態では、インジケータライト492の一部又は全ては、サブアセンブリ424の異なる部分(例えば、下側セクション430)、流れ制御アセンブリ402の異なる部分、及び/又はシステム400の異なる部分の上に位置付けることができる。各インジケータライト492は、サブアセンブリ424及び/又は容器404のステータスを示すために点灯すること、消灯すること、点滅させること、色を変化させることなどができる。これに代えて又は組合せで、通知デバイスは、音又はメッセージのような他のタイプの通知を出力するように構成することができる。通知メッセージは、図4Aのタッチ画面414上に表示することができ、及び/又は別個のデバイス(例えば、ユーザのモバイルデバイス、ポケットベル、コンピュータのような)に送信することができる。
【0119】
サブアセンブリ424は、本明細書に説明する様々な機能構成要素(例えば、場所センサ466、468、重量センサ470、カムユニット476、アクチュエータ482、及び/又はインジケータライト492)を制御するように構成されたコントローラ(例えば、図示していないマイクロプロセッサ)を含む又はそれと作動可能に結合することができる。例えば、コントローラは、場所センサ466、468からのセンサデータを受信して処理し、インタフェースカートリッジ434及び容器404がそれぞれサブアセンブリ424に結合されているか否かを検出することができる。コントローラは、重量センサ470からのセンサデータを受信して処理し、容器404内の流体の量を測定することができる。任意的に、アクチュエータ482及び/又はカムユニット476は、位置センサ(例えば、電位差計)を含むことができ、コントローラは、位置センサからのデータを用いてアクチュエータ482及び/又はカムユニット476の現在の状態(例えば、カムユニット476が第1、第2、又は第3の位置のいずれにあるか)を決定することができる。
【0120】
受信センサデータに基づいて、コントローラは、カムユニット476の位置を調節して容器404への流体流れを制御することができる。例えば、コントローラは、容器404が満杯を超えた(例えば、容器404内の流体の量が閾値レベルを上回った)と決定した場合に、カムユニット476を第2の位置に作動することができ、従って、細長アーム478が、容器404の中に入る流体流れを遮断する。それとは逆に、コントローラは、容器404が依然として利用可能な空間を有する(例えば、容器404内の流体の量が閾値レベルを下回っている)と決定した場合に、カムユニット476を第1の位置に維持することができ、従って、流体は、容器404の中に流入し続けることができる。コントローラは、サブアセンブリ424の現在のステータスを反映するようにインジケータライト492のステータスを調節することができる。
【0121】
再度図4Bを参照すると、一部の実施形態では、各サブアセンブリ424a~424bは、それぞれの個々のコントローラを含む。そのような実施形態では、各コントローラは、対応するサブアセンブリ424a~424b内のあらゆる適切な場所(例えば、上側セクション428又は下側セクション430内)に存在することができる。しかし、他の実施形態では、両方のサブアセンブリ424a~424bが、単一コントローラと作動可能に結合される。そのような実施形態では、コントローラは、流れ制御アセンブリ402内のあらゆる適切な場所に存在する(例えば、フレーム420上に装着されるか又は他にそれに結合する)ことができる。これに代えて、コントローラは、図4Aのシステム400のコンソール406の中などで流れ制御アセンブリ402から離間させることができる。任意的に、コントローラは、図4Aのシステム400のコントローラ412と同じとすることができる。
【0122】
図5は、本発明の技術の実施形態による患者から尿を採取する方法500を示す流れ図である。方法500は、図3のシステム300又は図4A図4Jのシステム400のような本明細書に説明するシステム及びデバイスのいずれかの実施形態によって実施することができる。一部の実施形態では、方法500のステージの一部又は全ては、1又は2以上のプロセッサと、それによって実行された時にシステム又はデバイスに本明細書に説明するステージのうちの1又は2以上を実施させる命令を格納するメモリとを含むシステム又はデバイスによって実施される。例えば、方法500は、コントローラ(例えば、図3のコントローラ312又は図4A図4Jのコントローラ412)を含む又はそれと作動可能に結合された流れ制御アセンブリ(例えば、図3の流れ制御アセンブリ302又は図4A図4Jの流れ制御アセンブリ402)によって実施することができる。任意的に、方法500のステージの一部又は全ては、適切なシステム又はデバイスが人間の関与を殆ど又は全く伴わずに自動的又は半自動的に実行することができる。
【0123】
方法500は、ステージ505で第1の容器が存在するか否かを検出することで始まる。第1の容器は、患者からの尿を保持するのに適するいずれかの容器(図4A図4Jのシステム400の第1の容器404a)とすることができる。一部の実施形態では、ステージ505は、第1の容器が存在する及び/又はシステムに適正に接続されているか否かをセンサデータに基づいて決定する段階を含む。センサデータは、第1の容器の存在(例えば、場所、近接度)を検出するのに適する少なくとも1つのセンサ、例えば、場所センサ(例えば、システム400のセンサ466及び/又は468)、光センサ、及びRFIDセンサなどが生成することができる。センサは、第1の容器に関する流れ制御アセンブリ、例えば、システム400の流れ制御アセンブリ402の一部とする及び/又はそれと作動可能に結合することができる。一部の実施形態では、センサは、第1の容器に関する個々のサブアセンブリ、例えば、システム400の第1のサブアセンブリ424の一部である及び/又はそれと作動可能に結合される。
【0124】
任意的に、ステージ505は、少なくとも1つの第2の容器(例えば、図4A図4Jのシステム400の第2の容器404b)が存在するか否かを検出する段階を含むことができる。追加の容器を検出するための技術は、第1の容器を検出するための技術と同一又はほぼ同様とすることができる。これに加えて、ステージ505は、容器に接続された1又は2以上の流体ラインをプライミングする段階のような作動に向けてシステムを準備するための追加の処理を含むことができる。流体ラインをプライミングするためのデバイス及び技術の例を下記で図7及び図8に関してより詳細に説明する。
【0125】
ステージ510では、方法500は、尿流を第1の容器の中に向ける段階で継続する。ステージ510は、第1の容器と作動可能に結合された第1の弁を作動する段階を含むことができ、従って、尿及び/又は他の流体は、第1の容器の中に流れ込むことができる。例えば、患者からの尿を受け入れるための第1の流体ラインに第1の容器及び第1の弁を接続することができ、第1の弁を開通構成に作動させて流体が第1の流体ラインを貫流することを可能にすることができる。一部の実施形態では、ステージ510は、第1の容器を第1の保持器とロックする段階を更に含み、従って、第1の容器は、流れ制御アセンブリから取り外すことができない。これは、作動中に第1の容器を不用意に取り外すことによって引き起こされる溢流又は漏れを有利に防止することができる。第1の弁及び第1の保持器は、上記で図3図4Jを参照して説明した実施形態のうちのいずれかとするか又はそれを含むことができる。
【0126】
任意的に、ステージ510は、流体が第2の容器に流入することを防止するために、第2の容器と作動可能に結合された第2の弁を作動することなどによって第2の容器の中に入る尿流を抑制する段階を含むことができる。例えば、患者からの尿を受け入れるための第2の流体ラインに第2の容器及び第2の弁を接続することができ、第2の弁を閉鎖構成に作動させて流体が第2の流体ラインを貫流することを防止することができる。そのような実施形態では、ステージ510は、第2の容器を第2の保持器からアンロックする段階を更に含むことができ、従って、第2の容器を流れ制御アセンブリから取り外すことができる。第2の弁及び第2の保持器は、上記で図3図4Jを参照して説明した実施形態のうちのいずれかとするか又はそれを含むことができる。
【0127】
ステージ520では、方法500は、第1の容器内の尿の量を測定する段階を含む。尿量は、重量、体積、流体レベル、及び/又はいずれかの他の適切なパラメータに基づいて定量することができる。これに代えて又は組合せで、ステージ520は、第1の容器内への尿流速度を測定する段階を含むことができる。尿の量及び/又は流速は、本明細書で図3図4Jを参照して説明したセンサのうちのいずれかのようなあらゆる適切なセンサからのセンサデータに基づいて決定することができる。一部の実施形態では、尿の量及び/又は流速は、1秒置き、5秒置き、10秒置き、30秒置き、1分置き、2分置き、5分置き、10分置きに、又はいずれかの他の適切な期間で測定される。
【0128】
ステージ530では、方法500は、第1の容器内の尿の量が閾値を超えたか否かをステージ520からの測定値に基づいて決定する段階で継続する。閾値は、第1の容器が部分的に満杯又は完全に満杯であることを示す値又は範囲とすることができる。閾値は、第1の容器が少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又は100%満杯である時の第1の容器のパラメータ(例えば、体積、重量、流体レベルのような)に対応することができる。例えば、閾値は、第1の容器の最大重量(例えば、完全に満杯時の第1の容器の重量)の50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又は100%に対応する重量値とすることができる。別の例として、閾値は、第1の容器が保持することができる流体の最大体積の50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又は100%に対応する体積値とすることができる。任意的に、閾値は、尿流速度に基づいて変えることができ、例えば、尿流速度が高い場合は閾値は低く、尿流速度が低い場合は高い。
【0129】
尿の量が閾値よりも低いか又はそれに等しい場合に、方法500は、ステージ510に戻って第1の容器内への尿流を継続することができる。尿量が閾値を超えた場合に、方法500は、ステージ540に進んで第2の容器が利用可能であるか否かを決定することができる。例えば、ステージ540は、先にステージ505に関して説明した技術のうちのいずれかを用いて第2の容器が存在するか否かを検出する段階を含むことができる。これに加えて、ステージ540は、第2の容器内の尿の量を測定し、上記でステージ520に関して説明した少なくとも1つのセンサからのセンサデータに基づいて第2の容器が尿を保持する空間を有するか否かを決定する段階を含むことができる。例えば、第2の容器は、その内部の尿の量が、ある閾値(例えば、第2の容器が少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又は100%満杯である時の第2の容器の体積、重量、及び/又は流体レベルに対応する閾値)よりも少ないか又はそれに等しい場合に「利用可能」であると見なすことができる。そのような実施形態では、第2の容器に対する閾値は、第1の容器に対する閾値と同じとすることができ、又は異なる閾値(例えば、高め又はより低い閾値)とすることができる。別の例として、第2の容器は、その内部の尿の量が第1の容器内の尿の量よりも少ない場合に利用可能と見なすことができる。更に別の例では、第2の容器は、それが第1の容器ほど満杯ではない場合に利用可能と見なすことができる。
【0130】
ステージ540で第2の容器が利用可能である場合に、方法500は、ステージ550に進行し、尿流を第2の容器の中に向けることができる。ステージ550は、第2の弁を作動させて第2の流体ラインを開通させ、流体が第2の容器に流入することを可能にする段階を含むことができる。任意的に、ステージ550は、第2の容器を第2の保持器とロックする段階を含むことができ、従って、第2の容器は、流れ制御アセンブリから取り外すことができない。次に、方法500は、それがこの時点で第1の容器ではなく第2の容器内の尿の量をモニタする段階を含むことを除いて、上述したものと同じくステージ510に戻ることができる。
【0131】
一部の実施形態では、ステージ550は、第1の弁を作動させて第1の流体ラインを閉鎖させ、流体が第1の容器に流入することを防止することなどによって尿流を第1の容器以外の場所に向ける段階を更に含む。第1の容器は、第1の保持器を作動することによって流れアセンブリからアンロックし、それによってユーザが第1の容器を取り外すこと、空にすること、及び/又は交換することを可能にすることができる。ステージ550は、同時に又は引き続き第1の容器を空にされること及び/又は交換されることをユーザに警告する(例えば、光、音、メッセージ、及び/又は他の通知により)段階を含むことができる。
【0132】
ステージ540で第2の容器が利用不能である(例えば、存在しないか又は過度に満杯である)場合に、方法500は、代わりにステージ560に進行し、第1の容器が満杯又はほぼ満杯であること、及びユーザが第2の容器をシステムの中に挿入するか(第2の容器が存在しない場合)又は第2の容器を空にする(第2の容器は存在するが過度に満杯である場合)かのいずれかを行うべきであることをユーザに警告する通知を出力することができる。通知は、本明細書に説明する実施形態のうちのいずれか、例えば、光、音、ユーザインタフェース上に表示されるメッセージ、ユーザデバイスに送信されるメッセージ、又はその適切な組合せを含む。次に、方法500は、ステージ510に戻り、第2の容器が利用可能になるまで尿流を第1の容器の中に向ける段階を進めることができる。
【0133】
一部の実施形態では、方法500のステージの一部又は全ては、患者に対する医療手順の一部として実施される。医療手順は、患者の排尿をモニタする段階を含むいずれかの診断計画又は治療計画とするか又はそれを含むことができる。例えば、医療手順は、流体過負荷状態(例えば、先に図1A及び図2に関して説明した)に関して患者を治療する段階を含むことができる。方法500は、継続的又は実質的に継続的な排尿のモニタ及び/又は採取を提供するために医療手順中に複数回実施することができる。従って、方法500は、医療手順中に医療従事者が容器のステータスを検査しなければならない回数及び/又は容器を空にしなければならない回数を有利に低減することができる。
【0134】
一部の実施形態では、医療手順は、半自動又は全自動の流体管理システム(例えば、図1Aのシステム100)によって実施され、方法500は、このシステムに含まれるか又は他にそれと作動可能に結合された流れ制御アセンブリ(例えば、図3の流れ制御アセンブリ302又は図4A図4Jの流れ制御アセンブリ402)によって実施される。そのような実施形態では、システムの作動と流れ制御アセンブリの作動とを協働させることができる。例えば、一方又は両方の容器が存在し、使用に向けて準備が整っている(例えば、ステージ505で上述したように)ことを流れ制御アセンブリが検出すると、流れ制御アセンブリは、医療手順(例えば、利尿剤及び/又は補水流体を患者の中に注入して排尿を誘起すること)を始めることができることを示す信号をシステムに送信することができる。別の例として、医療手順が終了すると(例えば、患者が望ましい量の正味流体喪失を見せる、及び/又は予め決められた期間が経過する、及び/又は患者が採尿システムから切断される)、システムは、流れ制御アセンブリに信号を送ることができ、流れ制御アセンブリは、両方の容器への流体流れを自動的に遮断し、任意的に取り外しに向けて両方の容器をアンロックすることができる。
【0135】
方法500を2つの容器に関して説明したが、他の実施形態では、方法500は、異なる個数の容器(例えば、3、4、5、又は6以上の容器)を含むように修正することができる。そのような実施形態では、方法500は、一度に1つの容器の中に尿流を向ける段階と、前の容器が満杯になった時に次の容器に切り換える段階とを含むことができる。これに代えて、方法500は、尿流を複数の容器の中に同時に向ける段階と、その後に、各容器が満杯になった時に各容器への流れを個々に遮断する段階とを含むことができる。
【0136】
図6A図6Fは、本発明の技術の実施形態に従って構成された別の採尿システム600(「システム600」)の代表例を例示している。より具体的には、図6Aは、システム600の斜視図であり、図6B図6Fは、システム600の尿システム602の様々な図である。システム600は、本明細書に説明する実施形態(例えば、図1A図1Dのシステム100、160、170、180、図3のシステム300、及び/又は図4A図4Jのシステム400)のうちの1又は2以上と構造及び/又は機能がほぼ同様又は同一の少なくとも一部の態様、例えば、図1Aを参照して上述した流体レベルをモニタ及び/又は管理するための構成要素のうちの1又は2以上を含むことができる。これに加えて又はこれに代えて、図6A図6Fの実施形態の特徴のうちのいずれも、互いに及び/又は本明細書に説明する他のシステム及びデバイス(例えば、図1Aのシステム100及び/又は図3のシステム300)のうちのいずれかと組み合わせることができる。
【0137】
図6Aを参照すると、システム600は、採尿及びモニタシステム602(「尿システム602」)と、自動補水流体注入システム604(「補水システム604」)と、自動利尿剤注入システム606(「利尿剤システム606」)と、コントローラ又は制御システム608(「コントローラ608」)と、ディスプレイ又は入力/出力ユニット610(「ディスプレイ610」)とを含む。コントローラ608は、尿システム602、補水システム604、利尿剤システム606、及び/又はディスプレイ610の各々と作動可能に結合することができる。システム600は、尿システム602、補水システム604、利尿剤システム606、コントローラ608、及び/又はディスプレイ610の全て又は一部分を組み込む、含む、及び/又は他に支持するコンソール又は構造体605(「コンソール605」)を更に含むことができる。上述した実施形態と同様に、尿システム602は、患者からの尿を採取してモニタし、同時に尿システム602から得られたデータに部分的に基づいて自動補水流体注入システム604が流体を患者に自動的に送出し、及び/又は自動利尿剤注入システム606が利尿剤を患者に自動的に送出する。例えば、本明細書に説明するように、患者に提供される利尿剤及び/又は補水流体の量は、尿システム602によって測定された患者からの排尿に基づいている。
【0138】
図6B及び図6Cは、尿システム602の斜視図である。尿システム602は、尿カートリッジ620(図6B)と尿流アセンブリ630とを含むことができる。尿カートリッジ620と尿流アセンブリとを互いに流れ制御アセンブリと呼ぶ場合がある。尿流アセンブリ630は、容器装着構成要素632(「装着構成要素632」)を含むことができる。図示の実施形態では、装着構成要素632は、容器(例えば、容器112、図1B図1D)が吊り下がるか又はそれを支持することができる結合器(例えば、フック)を含む。装着構成要素632は、第1の無加圧位置と、装着構成要素632がある重量の容器を支持している時の第2の加圧位置との間で移動可能である。従って、第1の位置ではなく第2の位置にある時に、装着構成要素632は、その上の容器の存在を示すことができる。第2の位置にある時に、装着構成要素632は、例えば、患者の排尿速度をモニタ及び/又は決定するように1又は2以上のセンサを起動することによって尿流アセンブリ630の構成要素に関与することができる。図6B及び図6Cに示すように、尿カートリッジ620及び/又は尿流アセンブリ630は、コンソール605によって部分的に定められたチャンバ又は陥入区域607の中に少なくとも部分的に位置決めすることができる。例えば、装着構成要素632及びそこから吊り下がる容器(図示せず)は、容器及び/又は装着構成要素632を物理的に妨害する可能性を制限するようにドアの背後に存在することができる陥入区域607に存在することができる。
【0139】
尿カートリッジ620は、システム602に分離可能に結合することができる。例えば、尿システム602は、尿カートリッジ620を受け入れるように構成された1又は2以上の受け入れ特徴部609(参照番号609a及び609bに示す)を含むことができる。図示の実施形態では、尿システム602は、一緒に尿カートリッジ620を尿システム602に結合することができるピボット式受け入れ特徴部609aとスロット受け入れ特徴部609bとを含む。例示目的で尿カートリッジ620を除外した図6Bに示すように、ピボット式受け入れ特徴部609aは、尿カートリッジ620がスロット受け入れ特徴部609bに向けて及び/又は少なくとも部分的にその中に入るように、ピボット回転することができるように尿カートリッジ620にピボット回転して係合することができる。本明細書の他の箇所で説明する(例えば、図6D図6Fを参照して)ように、尿カートリッジ620は、尿を患者から容器に向けるように構成された配管を含むことができ、尿カートリッジ620は、システム602に結合された時に、尿流アセンブリ630のフェーズに対して配管を位置決めし及び向け、尿流測定を可能にし、排尿(例えば、平均排尿速度)を供給することができる。一部の実施形態では、配管は、尿カートリッジ620が受け入れ特徴部609でコンソール605に取り付けられる前に尿カートリッジ620に結合(例えば、接着)される。
【0140】
図6Dは、図6Cでのライン6D-6Dに沿って取った尿システム602の部分概略断面斜視図である。図6Dに示すように、患者Pからの流体F(例えば、尿)は、1又は2以上の流体ラインを通って(流体ライン119、図1B図1D)尿システム602の一部分を貫流し、容器612(例えば、容器112、図1B図1D)の中に流れ込むことができる。尿流アセンブリ630は、尿システム602を通る流体Fの流れを測定及び/又は決定するように作動可能な1又は2以上の流体センサを含むことができる。図6Dに示すように、尿流アセンブリ630は、第1の流体センサ634(例えば、第2のセンサ114b、図1B)と第2の流体センサ636(例えば、第1のセンサ114a、図1B)とを含む。第1のセンサ634は、荷重計を含み、装着構成要素632に結合されている時の容器612の重量を含む第1のセンサデータを測定又は生成する(例えば、連続的に)ように構成することができる。第1のセンサデータ(例えば、容器612の重量及び/又はその変化)を用いて、第1の患者排尿(例えば、平均体積流量)を生成することができる。第2のセンサ636は、流量センサを含み、流体ラインを通る流体Fの流れを含む第2のセンサデータを測定又は生成する(例えば、連続的に)ように構成することができる。第2のセンサデータを用いて、第2の患者排尿(例えば、平均体積流量)を生成することができる。
【0141】
尿システム602は、1又は2以上の流れ制御デバイス638(例えば、図1Bの流れ制御デバイス138)を更に含むことができる。流れ制御デバイス638は、流体ラインのうちの1又は2以上をプライミングする時などにシステム602を通る流体流れを完全に又は少なくとも部分的に調整するように構成されたピンチクランプ又はピンチ弁を含むことができる。流れ制御デバイス638は、容器612の重量が減少していることをシステム602が決定した場合に第1のセンサ634からの第1のセンサデータに基づいて又はユーザ入力によって流れを制御するのに使用することができる。そのような実施形態では、流れ制御デバイス638は、第2のセンサ636が無効又は非作動状態にあり、第1のセンサ634のみが作動状態にある場合にしか流れを制御することができない。流れ制御デバイス638が閉鎖され、容器612への流れがない間は、患者排尿は測定されない。しかし、そのような実施形態では、排尿の速度及び/又は体積は、流れがなかった時間と流れが再開した時に得られる流れの測定値とに基づいて算定又は推定することができる。流れ制御デバイス638は、流体に接触することなく流体ラインを外部から締め付けることによって流体流れを調整することができる。これに代えて、流れ制御デバイス638は、流体との接触していることによって流体流れを調整することができるゲート、針、又は他のタイプの弁とすることができる。流体ラインのプライミングに関しては、例えば、図9A図14Bを参照して本明細書で詳細に議論する。図示の実施形態では、流れ制御デバイス638は、流量センサ636の上流に配置される。他の実施形態では、流れ制御デバイス638は、流量センサ636の下流に位置決めすることができ、及び/又はいずれかの他の適切な位置を有することができる。
【0142】
図6E及び図6Fは、尿システム602の部分概略断面側面図であり、図6Eは、尿カートリッジ620の上側部分622aがコンソール605に係合している場所を示しており、図6Fは、尿カートリッジ620の上側部分622a及び下側部分622bがコンソール605に係合している場所を示している。図6Hを参照してより詳細に説明するように、下側部分622bは、例えば、コンソール605の対応する特徴部の中にスナップ係合することによってコンソール605に固定的に取り付けることができる。例示目的で図6E及び図6Fからは流体ライン(例えば、図6G及び図6Hの流体ライン619)を除外しているが、本明細書に説明するように、流体ライン619は、それが第2のセンサ636に隣接するように配置されるように尿カートリッジ620及び流れ制御デバイス638の一部分を通って延びることができる。
【0143】
図6E及び図6Fに示すように、システム602は、1又は2以上の検出センサ635を更に含むことができる。一部の実施形態では、1又は2以上のセンサ635は、赤外線ビームを放出する放出器とビームを受信するように配置された受信機とを含む光遮断センサである。尿カートリッジ620がコンソール605に適正に結合されると、ビームは遮断されて受信機によって受信されない。従って、システム602又はコントローラは、尿カートリッジ620が存在する及び/又は適正に配置されていることを示し、従って、流体ラインが第2のセンサ636に対して適正に配置されていることを示す信号を生成することができる。図6D及び図6Eに示すように、1又は2以上のセンサ635は、第2のセンサ636に隣接する(例えば、下方で)ように配置されるが、他の実施形態では、1又は2以上のセンサ635は、コンソール605又はシステム602上の他の箇所に位置決めすることができる。一部の実施形態では、1又は2以上のセンサ635は、第1の位置と、尿カートリッジ620の存在及び/又は正しい位置決めを示す第2の位置との間で移動可能な機械的スイッチとすることができる。
【0144】
図6Gは、尿カートリッジ620及び尿流アセンブリ630の斜視図である。尿カートリッジ620は、流体ライン619(例えば、流体ライン119、図1B図1D)を受け入れるように構成することができる。流体ライン619は、カテーテル(例えば、カテーテル118、図1B)を通して患者P(図6D)を容器612(図6D)と流体的に結合することができる。図6Gに示すように、流量センサ636は、流体ライン619を受け入れるスロット又はチャネル640(「スロット640」)を少なくとも部分的に定める溝637(例えば、U字形溝)を含むことができる。更に、スロット640は、反対側で尿カートリッジ620の一部分によって定められる。尿カートリッジ620がシステム602及び/又はコンソール605に結合される(図6B及び図6C)と、尿カートリッジ620及び流量センサ636は、流体ライン619をスロット640の中に位置決めし及び/又は向けて正確で信頼性の高い流れ測定を保証することができる。図示の実施形態では、例えば、尿カートリッジ620は、流体ライン601を流量センサ636に対して押圧及び/又は保持するように構成することができ、これは、流量センサ636によって測定される排尿の精度を改善することができる。
【0145】
図6Gに示すように、流れ制御デバイス638は、流体ライン619を受け入れるように構成されたスロット又は溝639を含むことができる。スロット639は、尿カートリッジ620がコンソール605に結合される(図6E)又はシステム602の残余に結合される前に流体ライン619を尿カートリッジ620に結合することを可能にすることができる。流体ライン619は、上述したようにコンソール605に取り外し可能に取り付けることができる尿カートリッジ620の部分(図6B及び図6C)に結合(例えば、接着)することができる。この結合を行う上で、例えば、流量センサ636によるより正確な流れ測定を保証するために、尿カートリッジ620をコンソール605に結合する前にスロット640内の流体ライン619の位置及び向きを設定することができる(例えば、ユーザ又は医療従事者が係わらずに)。これに加えて又はこれに代えて、この設定を行う上で、尿カートリッジから容器612(図6D)まで延びる流体ライン619の長さを同じく流量センサ636によるより正確な流れ測定を保証することができる適正長さに設定することができる。言い換えれば、流体ライン619がスロット640の中に適正に設定されない場合、又は尿カートリッジ620から容器612まで延びる流体ライン619の長さが不適正である(例えば、過度に短い)場合に、流量センサ636による流れ測定をそれほど正確でない及び/又は測定間でそれほど一貫性のないものにする場合がある。例えば、尿カートリッジ620から容器612まで延びる流体ライン619が過度に短い場合に、容器612が尿カートリッジに対して追加の圧力を印加する及び/又は尿カートリッジを物理的に離脱させる場合があり、それによって流量センサ636による流れ測定が影響を受ける場合がある。更に、尿カートリッジ620から容器612まで延びる流体ライン619が過度に短い場合に、容器612が配管619によって引っ張られる場合があり、それによって第1のセンサ634の容器612の重量読取値が変更されて容器612内への流体流れの速度又は体積の不正確な測定を招く場合がある。
【0146】
尿システム602の作動は、図1B流体管理システム160のような本明細書に説明する他のシステムの作動とほぼ同様とすることができる。流体Fがシステム602を貫流して容器612の中に流入すると、容器612の重量が増加する。従って、重量センサ634は、容器612の重量を測定することによって容器612内の流体Fの蓄積量を測定し、この量から患者からの排尿速度を生成することができる。容器612が満杯であるか又は予め決められた閾値よりも大きいいずれかの時点では、流体Fを容器612から(例えば、図1Bの排液弁113を通して)排出又は他に除去することができる。容器612が排液されている時に、容器612の重量が減少することが予想されるか、又は排液中に容器612が依然として流体Fを採取しているので予想よりも低速で増加する。これに加えて又はこれに代えて、容器612を別の容器と交換することができる。
【0147】
重量センサ634は、容器612が交換さている時及び/又は空にされている時にそれほど正確な排尿測定値を与えない場合がある。しかし、これらの時間中に、容器612の重量及び/又は存在とは独立に作動することができる流量センサ636が患者の排尿を測定し続けることができ、従って、システム600(図6A)は、容器612が交換されている間及び/又は空にされている間に療法を施し続けることができる。一部の実施形態では、例えば、尿システム602は、容器612を交換すること及び/又は空にすることに関連付けられた容器612の重量の減少を検出し、相応に流量センサ636を用いて患者の排尿を測定する段階に切り換えることができる。尿システム602は、容器612内への流体採取に関連付けられた重量の増加又は容器612の交換を検出した時に重量センサ634を使用する段階に戻ることができる。これに加えて又はこれに代えて、尿システム602は、容器612が空にされる及び/又は交換される前、最中、及び/又はされた後の患者の排尿を測定するために重量センサ634と流量センサ636の両方を使用することができ、及び/又は精度を保証するために図1Bを参照して上記で詳細に説明されているように両方のセンサ634、636の測定値を比較することができる。一部の実施形態では、重量センサ632又は流量センサ636の一方を除外することができる。
【0148】
図6Hは、尿カートリッジ620の斜視図である。尿カートリッジ620は、第1の末端部分又は上端部分622aと、その反対にある第2の末端部分又は下端部分622bとを有する本体622を含むことができる。第1の末端部分622aは、第1の尿システム結合特徴部624a(「第1の結合特徴部624a」)を含むことができ、第2の末端部分622bは、第2の尿システム結合特徴部624b(「第2の結合特徴部624b」)を含むことができる。第1の結合特徴部624a及び第2の結合特徴部624bは、流量センサ636に対する流体ライン619の厳密な配置(図6G)を保証することができる。図示の実施形態では、第1の結合特徴部624aは、ピボット回転してピボット式受け入れ特徴部609a(図6B及び図6C)によって受け入れることができ、第2の結合特徴部624bは、コンソール605(図6B及び図6C)内の対応する形状の凹部(図示せず)の中に挿入することができる。第2の結合特徴部624bは、朝顔形の拡大端部又は他の形状を有するタブを含むことができる。例えば、図7に示すような一部の実施形態では、尿カートリッジ620は、複数の垂直整合タブ又はいずれかの他の適切な構成を有する結合特徴部624bを含むことができる。
【0149】
再度図6Hを参照すると、尿カートリッジ620は、流体ライン619が挿入される1又は2以上のポート又は開口626a~626c(互いに「ポート626」と呼ぶ)を更に含むことができる。言い換えれば、ポート626は、流体Fが患者から容器に流れるための経路を定める。尿カートリッジ620は、スロット640(図6D及び図6G)を少なくとも部分的に定める感知領域629と、流体ラインを尿流アセンブリ630に係合させるか又はそれと当接させるように構成された流体ライン係合特徴部628(「係合特徴部628」)とを含むことができる。上述のように(例えば、図6Gを参照して)、尿カートリッジ620は、正確で一貫した流れ測定を保証するように流体ライン619をスロット640の中に部分的に位置決めする及び/又は向けることができる。図示の実施形態では、係合特徴部628は、本体622から延びる突起又はタブを含み、感知領域629での流体ライン619の曲がり又は望ましくない向きを制限する。一部の実施形態では、係合特徴部628は、異なる構成及び構造を有することができ、及び/又は開口626bと626cの間に位置決めすることができる。
【0150】
図8は、本発明の技術の実施形態による患者から尿を採取する方法800を示す流れ図である。方法800は、図1Bのシステム160又は図6A図7のシステム600のような本明細書に説明するシステム及びデバイスの実施形態によって実行することができる。一部の実施形態では、方法800のステージの一部又は全ては、1又は2以上のプロセッサと、それによって実行された時にシステム又はデバイスに本明細書に説明するステージのうちの1又は2以上を実施させる命令を格納するメモリとを含むシステム又はデバイスによって実施される。例えば、方法800は、コントローラ(例えば、図6Aコントローラ608)を含む又はそれと作動可能に結合された尿システム(例えば、図6A図6Gのシステム602)によって実施することができる。任意的に、方法800のステージの一部又は全ては、適切なシステム又はデバイスが人間の関与を殆ど又は全く伴うことなく自動的又は半自動的に実行することができる。方法800の少なくとも一部のステージは、図2の方法200及び/又は図5の方法500の1又は2以上のステージとほぼ同様又は同一とすることができる。
【0151】
方法800は、ステージ810で容器(例えば、図1Bの容器112又は図6Dの容器612)の重量を含む第1のセンサデータを第1のセンサ(例えば、図1Bの第2のセンサ114b又は図6D図6Gの重量センサ634)によって測定する段階で始まる。第1のセンサによる測定は、特定の間隔(例えば、1秒置き、10秒置き、30秒置き、1分置きのような)で継続的に行うことができる。一部の実施形態では、方法800は、容器の重量を測定する前に容器の存在を検出する(例えば、第1のセンサにより)段階を含むことができる。一部の実施形態では、方法800は、流れ制御アセンブリを通じて患者からの尿を容器に向ける段階を更に含むことができる。流れ制御アセンブリは、システム602(図6A図6G)又はその態様、例えば、流体ライン619、尿カートリッジ620、流れ制御デバイス638に対応することができる。
【0152】
方法800は、ステージ820で第1の患者排尿を第1のセンサを通じて生成する段階を更に含む。第1の患者排尿は、直前の30秒、1分、2分、又はそれよりも多い間隔にわたる平均尿流速度(例えば、体積流量)とすることができ、反復ベースで更新することができる。第1の患者排尿は、容器の重量変化に基づくとすることができる。本明細書に説明した(例えば、図1B及び図6A図6Hを参照して)ように、第1の患者排尿は、患者に療法を送出するのに使用される1次の入力又は情報ソースとして使用することができる。例えば、第1の患者排尿を用いて、患者に送出される利尿剤及び/又は補水流体の量を少なくとも部分的に決定することができる。
【0153】
方法800は、容器の重量が減少していることを決定するステージ830を更に含む。本明細書に説明したように(例えば、図1B及び図6A図6Hを参照して)、容器は、患者に流体的に結合されたままで及び/又は対応するシステム又はコンソールから取り外されることなく排液弁(例えば、排液弁113、図1B)を通して排液することができる。そのような実施形態では、容器を排液する段階は、容器の重量を低減するか又は排液中に容器612が変わらずに流体を採取しているので、予想よりも低い速度で増大する場合がある。容器の減少する重量又は低速の増加率により、例えば、患者に送出される利尿剤及び/又は補水流体の量を決定するための1次情報ソースとして第1の排尿を使用する段階を中止することができる。一部の実施形態では、減少する容器重量又は低速の増加率により、患者に送出される利尿剤及び/又は補水流体の現在量を維持するか又は低減することができる。
【0154】
方法800は、第2の患者排尿を含む第2のセンサデータを第2のセンサ(例えば、図1Bの第1のセンサ114a又は図6D図6Gの流量センサ636)によって測定する段階を更に含む。第2のセンサによる測定は、特定の間隔(例えば、1秒置き、10秒置き、30秒置き、1分置きのような)で継続的に行うことができる。第2の患者排尿は、直前の30秒、1分、2分、又はそれよりも多い間隔にわたる平均尿流速度(例えば、体積流量)とすることができ、反復ベースで更新することができる。
【0155】
第2のセンサデータを測定する段階は、容器の重量が減少していると決定する段階の前、最中、及びした後を含む全時間にわたって行うことができる。本明細書に説明した(例えば、図1B及び図6A図6Hを参照して)ように、一部の実施形態では、第1のセンサデータを通じて決定された第1の患者排尿を患者に療法を送出するのに使用される1次の入力又は情報ソースとして使用することができるが、時には、例えば、容器が排液されている時に不正確である場合がある。そのような実施形態では、第2のセンサデータを通じて決定された第2の患者排尿を1次情報ソースとして利用することができる。これに加えて又はこれに代えて、第1の患者排尿と第2の患者排尿の間の差が予め決められた閾値(例えば、5%、10%、20%、又は30%の差)にあるか又はそれよりも大きい場合に、第2の患者排尿を使用することができる。第2の患者排尿は、別の条件が満足されるまで又は事象発生まで1次情報ソースとして留まることができる。そのような条件又は事象は、容器がもはや排液されていないことを示すことができる容器重量の増加を決定する段階を含むことができ、又は容器の重量が増加していると決定する段階の後の経過時間(例えば、10秒、30秒、又は1分)を含むことができる。
【0156】
一部の実施形態では、方法800のステージの一部又は全ては、患者に対する医療手順の一部として実施される。例えば、医療手順は、流体過負荷状態(例えば、先に図1A及び図2に関して説明した)に関して患者を治療する段階を含むことができる。方法800は、継続的又は実質的に継続的な排尿のモニタ及び/又は採取を提供するために医療手順中に複数回実施することができる。従って、方法800は、医療手順中に医療従事者が容器のステータスを検査しなければならない回数及び/又は容器を空にしなければならない回数を有利に低減することができる。
【0157】
一部の実施形態では、医療手順は、半自動又は全自動の流体管理システム(例えば、図1Aのシステム100)によって実施され、方法800は、このシステムに含まれるか又は他にそれと作動可能に結合された採尿及びモニタシステム(例えば、図6A図6Gのシステム602)によって実施される。そのような実施形態では、このシステム及び尿システムの作動を協働させることができる。例えば、容器が存在し、使用に向けて準備が整っていることを尿システムが検出すると(例えば、ステージ810で上述したように)、尿システムは、医療手順(例えば、利尿剤及び/又は補水流体を患者の中に注入して排尿を誘起すること)を始めることができることを示す信号をシステムに送信することができる。別の例として、システムは、尿が容器から排出されていることを尿システムが検出する(ステージ850)と、尿システムに第2のセンサに切り換えさせるための信号を尿システムに送ることができる(ステージ860)。追加の例として、医療手順が終了する(例えば、患者が望ましい量の正味流体喪失を見せる、及び/又は予め決められた期間が経過する、及び/又は患者が採尿システムから切断される)と、システムは、尿システムに信号を送ることができ、尿システムは、容器への流体流れを自動的に遮断することができる。
【0158】
方法800を1つの容器及び2つのセンサに関して説明したが、他の実施形態では、方法800は、異なる個数の容器(例えば、2、3、4、5、又は6以上の容器)及び/又はセンサ(例えば、3、4、5、又は6以上のセンサ)に対応するように修正することができる。そのような実施形態では、方法800は、一度に1つの容器の中に尿流を向ける段階と、前の容器が満杯になった時に次の容器に切り換える段階とを含むことができる。これに代えて、方法800は、尿流を複数の容器の中に同時に向ける段階と、その後に、各容器が満杯になった時に各容器への流れを個々に遮断する段階とを含むことができる。これら及び他の実施形態では、方法800は、尿が容器から流出していることが検出された時に1又は2以上の個々のセンサを選択的に作動及び/又は停止させる段階を含むことができる。
【0159】
B.プライミングのための及び/又は障害を取り除くためのデバイス
一部の実施形態では、本明細書に説明する採尿システム及びデバイスは、患者からの尿を受け入れる際に比較的小さい流体ラインを使用する。例えば、本明細書に説明する流体ラインのいずれも、0.5インチ、0.375インチ、0.25インチ、0.125インチ、又は0.1インチよりも小さいか又はそれに等しい内径を有することができる。より小さい流体ラインは、患者の身体から尿容器への尿の連続的又は実質的に連続的な流体円柱又は体積(例えば、膀胱と容器の間に間隙、気泡などを殆ど又は全く含まない尿の流体円柱又は体積)を維持するのに有利とすることができる。この方法は、容器での重量及び/又は体積の変化が患者の実際の尿生成に緊密に追従することを保証することによって排尿モニタの精度を改善することができる。
【0160】
しかし、より小さい流体ラインは、尿流を阻害又は他に不通にするエア・ロック及び/又は他の閉塞を受け易い場合がある。エア・ロックは、採尿手順の前及び/又は最中に流れラインの中に空気が導入される場合にも発生する場合がある。例えば、最初に、患者の身体に接続される前の流体ラインを生理食塩水又は別の流体でプライミングすることができる。流体ラインを患者の身体に接続する(例えば、カテーテルを通して)時にユーザが流体ラインを締結しない場合に、生理食塩水が容器の中に早まって流れ込み、それによって流体ラインの中に空気を導入する場合がある。別の例として、患者の身体の中に接続される時にカテーテルが流体でプライミングされない場合に、カテーテルの管腔内の空気が流体ラインに流入する場合がある。流体ラインでの空気の存在は、患者の身体から容器内への尿流を部分的又は全面的に阻害するエア・ロックを招く場合がある。阻害された尿流は、患者の実際の排尿速度を正確には反映しない計測排尿速度の降下を招く場合がある。これに加えて、障害が取り除かれた時に、患者の膀胱及び/又は流体ライン内に溜まっていた尿は、大きいボーラスで放出され、それによって不自然に高い計測排尿速度がもたらされる場合がある。これらのシナリオは、本明細書に説明する本発明の技術の処理に従って排尿をモニタする段階及び/又は流体レベルを管理する段階を妨害する場合がある。
【0161】
図9Aは、従来の採尿システム900内のエア・ロックの例を例示している。システム900は、患者の身体(図示せず)に接続されたカテーテル902(例えば、フォーリーカテーテル)に結合される。システム900は、カテーテル902に結合された流体ライン904と、それに結合された容器906(例えば、バッグ)とを含む。図示の実施形態では、患者からの尿908は、カテーテル902内及び流体ライン904の一部分に存在する(図9Aにハッチングに示す)。流体ライン904は、カテーテル902と容器906の間に高位領域912を含み、この領域は、それを超えて尿908を押すほど十分な内圧が流体ライン904の中に存在するまでそれよりも先への尿流を阻止するので、流体ライン904の残余は空気910で満たされている。尿908が高位領域912を通過すると、この領域は、患者の身体から流体引き出し続けるサイフォンを発生させる。
【0162】
図9Bは、採尿システム900内のエア・ロックの別の例を例示している。図9Bでは、流体ライン904は、カテーテル902と容器906の間にループ914を含む。ループ914の底部にある体積の尿908が捕捉され、ループの残余は空気910で満たされる。これは、空気910及び捕捉尿908をループ914から押し出すほど十分な内圧が流体ライン904の中に存在するまで、尿908は、容器906の中に流れ込むことができない。必要とされる圧力は、患者に不快感を引き起こす、及び/又はカテーテル902の周りから尿を漏らす場合がある。
【0163】
上記及び/又は他の課題を解消するために、本明細書に説明する採尿システムは、流体ラインからエア・ロックを取り除くために、及び/又は流体ラインを流体(例えば、尿又は生理食塩水)でプライミングするためのデバイス(本明細書では「ポンピングデバイス」又は「プライミングデバイス」とも呼ぶ)を含むことができる。一部の実施形態では、ポンピングデバイスは、流体ラインに取り付けられる別個の構成要素ではなく、流体ラインと直列に配置される。この方法は、ポンピングデバイスを流体ライン及び/又は他の採尿構成要素(例えば、カテーテル、容器のような)と共に滅菌することができることで感染リスクを低減することができる。
【0164】
図10は、本発明の技術の実施形態に従って構成されたポンピングデバイス1002を含む採尿システム1000の概略図である。システム1000は、患者の身体(図示せず)に接続することができるカテーテル1004(例えば、フォーリーカテーテル)に結合されるように構成される。システム1000は、容器1006(例えば、バッグ)と、カテーテル1004をポンピングデバイス1002に流体的に結合する第1の流体ライン1008aと、ポンピングデバイス1002を容器1008に流体的に結合する第2の流体ライン1006bとを含む。ポンピングデバイス1002は、第1及び第2の流体ライン1008a、1008bと直列に配置され、カテーテル1004と容器1006の間である。一部の実施形態では、ポンピングデバイス1002は、カテーテル1004よりも容器1006に向けて近い場所に位置付けられ、これは、ポンピングデバイス1002が患者の衣服及び/又は身体に引っ掛かり、カテーテル1004を切断する恐れ及び/又は患者の不快感を引き起こす力をカテーテル1004に印加することができる可能性を低減することができる。例えば、ポンピングデバイス1002と容器1006の間の第2の流体ライン1008bの長さは、100cm、50cm、40cm、30cm、20cm、10cm、又は5cmよりも短く又はそれに等しくすることができる。
【0165】
ポンピングデバイス1002は、流体流れ(例えば、尿、生理食塩水、空気のような)に適する管腔を含む中空の構造体又は部材とすることができる。図示の実施形態では、ポンピングデバイス1002は、第1の流体ライン1008aに接続された第1の末端部分1010aと、第2の流体ライン1008bに接続された第2の末端部分1010bと、第1の末端部分1010aと第2の末端部分1010bの間である可撓性本体部分1012とを含む。可撓性本体部分1012は、弾性材料(例えば、ポリマー材料及び/又はエラストマー材料)で製造された変形可能なバルブ、バルーン、チャンバなどとすることができる。可撓性本体部分1012は、弛緩構成及び/又は無負荷構成と負荷構成との間で作動可能とすることができる。一部の実施形態では、可撓性本体部分1012は、流体を第1の流体ライン1008aからポンピングデバイス1002を通して第2の流体ライン1008bの中に徐々にポンピングするために複数回作動される。例えば、可撓性本体部分1012は、ユーザが手動で圧縮する(例えば、手で押し潰す)、アクチュエータ1013(例えば、サーボモータ又は他の電気機械デバイス)が圧縮するか又はその適切な組合せによって圧縮することができる。
【0166】
一部の実施形態では、ポンピングデバイス1002は、例えば、図10に方向D5で示すように第1の流体ライン1008aから第1の末端部分1010aの中に、更に第2の末端部分1010bから第2の流体ライン1008bの中への単一方向の流体流れを許すように構成される。ポンピングデバイス1002は、例えば、第2の流体ライン1008bから第2の末端部分1010bの中に、及び/又は第1の末端部分1010aから第1の流体ライン1008aの中への反対方向の流体流れを抑制することができる。この一方向流れは、患者の身体に向う流体の逆流を低減し又は防止し、患者を感染症から保護することができる。
【0167】
例えば、図10実施形態では、ポンピングデバイス1002の第1の末端部分1010aは、第1の(例えば、近位)弁1014aを含み、ポンピングデバイス1002の第2の末端部分1010bは、第2の弁1014bを含む。第1の弁1014aは、第1の流体ライン1008aから可撓性本体部分1012内への流体流れを許し、一方で可撓性本体部分1012から第1の流体ライン1008a内への流体流れを抑制することができる。同様に、第2の弁1014bは、可撓性本体部分1012から第2の流体ライン1008b内への流体流れを許すことができ、第2の流体ライン1008bから可撓性本体部分1012内への流体流れを抑制することができる。第1及び第2の弁1014a~1014bの各々は、逆止弁又は他の一方向流れ機構とするか又はそれを含むことができる。逆止弁の例は、ボール逆止弁(例えば、ボールケージ逆止弁)、スイング逆止弁、ダイヤフラム逆止弁、リフト逆止弁、及びダックビル逆止弁などを含むがこれらに限定されない。一部の実施形態では、第1及び第2の弁1014a~1014bは、「亀裂圧」(順流方向に弁を開通させるための圧力)を殆ど又は全く持たず、従って、尿及び/又は他の流体は、ポンピングデバイス1002が作動されていない時にポンピングデバイス1002を方向D5に沿って自由に貫流することができる。これは、弁を開通させるのに不十分な流体圧に起因する膀胱での流体蓄積に関連付けられた問題を回避することができる。
【0168】
可撓性本体部分1012が圧縮されると、可撓性本体部分1012内の圧力が増大し、それによって第1の弁1014aを閉鎖させて第2の弁1014bを開通させることができる。従って、流体(例えば、空気、尿、生理食塩水のような)を可撓性本体部分1012から第2の流体ライン1008bの中に及び/又は第2の流体ライン1008bから容器1006の中に順方向に押すことができる。図示の実施形態では、第2の末端部分1010bは第1の末端部分1010aよりも高いので、可撓性本体部分1012内のいずれの空気も最上部まで上昇し、従って、可撓性本体部分1012が圧縮された時に最初に追い出すことができる。可撓性本体部分1012が解除されると、可撓性本体部分1012の弾性が、可撓性本体部分1012をその弛緩構成に向けて復帰させ、それによって可撓性本体部分1012内の圧力を低減することができる。圧力降下は、第2の弁1014bを閉鎖させて第1の弁1014aを開通させることができる。この圧力降下は、流体を第1の流体ライン1008aから上方に第1の末端部分1010aを通して可撓性本体部分1012の中に引き込む真空を発生させることができる。一部の実施形態では、患者の身体の外部にある空気は、作動処理を通して第1及び第2の流体ライン1008a~1008b、ポンピングデバイス1002、容器1006、及び/又はカテーテル1004の中に殆ど又は全く引き込まれず、従って、システム1000は、閉鎖状態に留まり、感染症のリスクを低減する。
【0169】
本明細書に説明する作動処理は、容器1006に向けて第1及び第2の流体ライン1008a~1008bを通して流体を徐々にポンピングするために複数回繰り返すことができる。例えば、作動処理は、医療手順の開始時に尿を患者の膀胱から容器1006の中に引き込むことによってシステム1000をプライミングし、それによって患者の身体から容器1006までの尿の連続的な円柱又は体積を発生させるために実施することができる。尿の連続的な円柱は、患者の身体から尿を能動的に引き出すサイフォンを発生させ、それによって膀胱内のいずれの無駄な体積も低減するか又は排除することができる。サイフォンは、患者の体内で尿が生成される時点から尿が容器1006に到達する時点までの遅延が殆ど又は全くないことを保証することができ、それによって本明細書に説明する尿モニタ技術の精度を改善することができる。任意的に、可撓性本体部分1012が押し潰された後に患者の膀胱が空又は実質的に空である場合に、可撓性本体部分1012は、その柔順な性質に起因して圧縮構成に留まることができる。これは、患者の膀胱に対する持続的な真空を低減するか又は最小にすることができ、それによってカテーテル入口が膀胱壁に吸い付くことに起因する吸引外傷の可能性を低減することができる。
【0170】
別の例として、作動処理は、医療手順中に第1及び/又は第2の流体ライン1008a~1008bからエア・ロック及び/又は他の障害を取り除くために実施することができる。一部の実施形態では、ポンピングデバイス1002の反復的に作動は、捕捉空気を第1及び/又は第2の流体ライン1008a~1008bから容器1006の中に押すことができる。上述したプライミング処理と同様に、反復的に作動は、患者の膀胱から第1及び/又は第2の流体ライン1008a~1008bを通して尿を引き出してシステム1000の全体を貫く尿の連続的な円柱を発生させることができる。
【0171】
更に別の例では、ポンピングデバイス1002を用いてシステム1000内の潜在的な問題を診断することができる。例えば、可撓性本体部分1012が押し潰されるが、自動的に再膨張せず、尿で満たされない場合に、(1)患者の体内又は体外にある1又は2以上の構成要素(例えば、カテーテル1004、第1の流体ライン1008a、第2の流体ライン1008b)がキンクしている状況、(2)カテーテル1004が膀胱壁に接しているか又は他に膀胱から流体を引き出すことができない状況、(3)カテーテル1004、第1の流体ライン1008a、及び/又は第2の流体ライン1008b内に目詰まりが存在する状況、及び/又は(4)患者の膀胱が空である状況のうちの1又は2以上を示すことができる。
【0172】
一部の実施形態では、システム1000を流体でプライミングするために及び/又はシステム1000からエア・ロックを取り除くために、ユーザ(例えば、看護師又は他の医療従事者)は、ポンピングデバイス1002を手動で作動する。しかし、他の実施形態では、作動は、ポンピングデバイス1002に結合されたアクチュエータ1013が自動的又は半自動的に実行することができる。アクチュエータ1013は、コントローラ1015(例えば、図1Aのシステム100のコントローラ140)及び/又は採尿システム(例えば、図3のシステム300、図4A図4Jのシステム400、及び/又は図6A図6Gのシステム600)と作動可能に結合することができる。例えば、医療手順(例えば、流体過負荷を治療するための手順)に対する設定処理中に、コントローラ1015は、第1及び第2の流体ライン1008a~1008bを流体でプライミングするためにポンピングデバイス1002を作動するようにアクチュエータ1013を作動させることができる。プライミングは、第1及び第2の流体ライン1008a~1008bがカテーテル1004を通して患者の身体に接続されたことを示すユーザ入力のような適切な信号に応答して実行することができる。別の例として、医療手順中に、コントローラ1015は、エア・ロック又は他の障害が存在するか否かを検出することができ(例えば、予想外の排尿速度降下を示すセンサデータ及び/又は他の適切なインジケータに基づいて)、エア・ロックを取り除き終わるまで(例えば、尿排出が再開したことを示すセンサデータに基づいて)ポンピングデバイス1002を作動させることができる。更に、コントローラ1015は、手順中に第1及び第2の流体ライン1008a~1008bを通る尿流を維持するようにポンピングデバイス1002を作動させることができる。
【0173】
図11は、本発明の技術の実施形態に従って構成されたプライミングバルブ1102の斜視図である。プライミングバルブ1102は、図10システム1000内でポンピングデバイス1002としての働きをすることができる。図11に示すように、プライミングバルブ1102は、第1の逆止弁(図示せず)を含む第1の末端部分1110aと、第2の逆止弁(図示せず)を含む第2の末端部分1110bと、第1の末端部分1110aと第2の末端部分1110bの間に可撓性本体部分1112とを含む。可撓性本体部分1112は、手及び/又はアクチュエータによって押し潰すのに適する丸形形状を有することができる。任意的に、可撓性本体部分1112は、その内部の流体の量をユーザが視認することを可能にするために透明又は半透明とすることができる。一部の実施形態では、プライミングバルブ1102のサイズは十分に大きく、従って、プライミングバルブ1102は、比較的少ない回数の圧縮(例えば、10回、5回、4回、3回、又は2回よりも少ない圧縮)であるが、プライミングバルブ1102を圧縮するのに過剰な量の力を必要とするほどには大きくない圧縮で流体をポンピングすることができる。例えば、プライミングバルブ1102の内部体積は、10mlから50mlの範囲、又は20mlから30mlの範囲にあるとすることができる。
【0174】
再度図10を参照すると、これに代えて又はこれに加えて、システム1000は、第1及び第2の流体ライン1008a~1008bをプライミングするために及び/又はエア・ロックを取り除くために、他のタイプのポンピングデバイス、例えば、蠕動ポンプ及びシリンジポンプなどを使用することができる。例えば、他の実施形態では、T字形接続金具を第1の流体ライン1008aと第2の流体ライン1008bの間にT字形接続金具の各端部と対応する流体ラインとの間に逆止弁がある状態で設置することができると考えられる。逆止弁は、患者の身体から容器1006への流体流れを許し、一方で反対方向の流体流れを制限するように向けることができる(例えば、第1及び第2の弁1014a~1014bと同じく)。シリンジ機構は、T字形接続金具の第3の脚に接続することができる。シリンジ機構は、膀胱から第1の流体ライン1008a及び/又はシリンジ本体の中に流体を引き込む真空を発生させるために後退させることができる。次に、シリンジ機構を押し込んで流体をシリンジ本体及び/又は第2の流体ライン1008bから容器1006の中に押し込むことができる。この処理は、エア・ロックを取り除くために及び/又は適正な流れに向けて尿円柱を発生させるために繰り返すことができる。任意的に、次に、シリンジ機構をT字形接続金具から切り離すことができ、T字形接続金具の第3の脚を止め栓又は他の密封要素で閉塞させることができる。これに代えて、第3の脚は、シリンジ機構が取り外された時に自動的に密封される無針ルアーコネクタ又は他の要素を含むことができる。
【0175】
一部の実施形態では、製造業者から供給されるカテーテルは尿排出ライン及び容器に事前接続されており、それによってカテーテルに関連付けられた配管システム全体のプライミングがより困難になる場合がある。本発明の技術の一部の実施形態は、そのようなシステムをプライミングするためのシステム、デバイス、及び方法を含む。図12は、例えば、本発明の技術の実施形態による概略採尿システム1200を示している。図12に示すように、システム1200は、流体ライン129を通して流体ソース122に(図1Aを参照して上述)、更に流体ライン119を通してカテーテル118に(図1Aを参照して上述)流体的に結合されるように構成されたデバイス1205(例えば、カートリッジ)を含むことができる。デバイス1205は、(i)結合器1210(例えば、T字接続金具)と、(ii)結合器1210の第1の入口に流体的に結合された第1の供給ライン1220であって、結合器1210とカテーテル118の間に配置されてカテーテル118からの流体を調整するように構成された弁1222を含む上記第1の供給ライン1220と、(iii)結合器1210の第2の入口に流体的に結合された第2の供給ライン1230であって、流体ソース122に流体的に結合されるように構成されたポート1232(例えば、ルアーコネクタ又は無針ルアーコネクタ)を含み、任意的に、ポート1232と結合器1210の間に配置された弁1234(例えば、逆止弁)を含む上記第2の供給ライン1230とを含むことができる。ポート1232は、流体ライン129及び/又は流体ソース122から切断された時に、第2の供給ライン1230からのいずれの流体流出も防止するように構成することができる。弁1234は、流体ライン129及び/又は流体ソース122へのいずれの流体逆流も防止するように構成することができる。デバイス1205は、結合器1210の出口に流体的に結合された出口ライン1240を更に含むことができる。出口ライン1240は、弁1246及びその下流にある第1の容器1250に流体的に結合された第1の端部と、弁1248及びその下流にある第2の容器1252に流体的に結合された第2の端部とを有するコネクタ1242を含むことができる。システム1200及び/又はデバイス1205は、少なくとも弁1222、1246、1248と作動可能に結合され、従って、デバイス1205を通る流体流れを調整するように構成されたコントローラ1260を更に含むことができる。コントローラ1260は、本明細書の他の箇所で説明するコントローラ140と同じか又は同様とすることができる。
【0176】
システム1200は、デバイス1205を流体ソース122からの流体(例えば、生理食塩水)でプライミングし、それによってシステム1200から空気を除去するのに使用することができる。そうすることにより、システム1200は、患者の身体から容器1250、1252までの尿の連続的又は実質的に連続的な流体円柱又は体積(例えば、膀胱と容器の間に間隙、気泡などが殆ど又は全く含まない流体円柱又は体積)を維持する。上述のように、この方法は、容器1250、1252での重量及び/又は体積の変化が患者の実際の尿生成に緊密に追従することを保証することによって排尿モニタの精度を改善することができる。これに加えて、カテーテル118が患者に接続されると、プライミングによって生成される流体円柱が膀胱内に真空又は負圧(例えば、0.5psiよりも低いか又はそれに等しい)を引き起こすことができる。この真空又は負圧は、膀胱からの尿の除去を改善すること及び/又は追加の尿生成を刺激することができる。
【0177】
作動時に、流体ソース122からの流体をデバイス905に注入して第1の供給ライン1220、第2の供給ライン1230、及び出口ライン1240内の空気を除去することができる。例えば、システム1200をプライミングする1つの方法は、弁1222、1246、1248を閉鎖させる段階と、流体ソース122を結合器910に流体ライン129、ポート932、及び弁1234を通して流体的に結合する段階とを含むことができる。次に、弁1246、1248、及び1250を個々に開閉してこれらの弁を通る流体流れを許し、空気をパージすることができる。例えば、流体ソースからポート1232及び弁1234を通して流体を注入した後に、(i)弁1246を開通させ、次に、コネクタ1242と容器1250の間のラインが流体で満たされた後に弁1246を閉鎖させることができ、(ii)弁1248を開通させ、次に、コネクタ1242と容器1252の間のラインが流体で満たされた後に弁1248を閉鎖させることができ、(iii)弁1222を開通させて流体を結合器1210から弁1222及び流体ライン119を通してカテーテル118に流し、次に、弁1222とカテーテル118の間のラインが流体で満たされた後に弁1222を閉鎖させることができる。上述した方法は、ユーザが手動で又はコントローラ1260が自動的に実行することができる。プライミングが完了すると、カテーテル118を患者の中に挿入することができる。有利なことに、カテーテル118を患者に接続する前にシステム1200をプライミングすることにより、本発明の技術の実施形態は、本明細書に説明する方式でシステムをプライミングしない又はすることができないシステムと比較してカテーテル関連尿路感染症(CAUTI)の可能性を低減することができる。
【0178】
図13は、本発明の技術の実施形態による概略採尿システム1300の別の例を例示している。システム1300は、デバイス1205と同じ特徴及び機能のうちの多くを有するが、複数の容器ではなく単一容器のみを含むデバイス1305を含む。図13に示すように、デバイス1205は、結合器1210の出口に流体的に結合された出口ライン1340を含み、この場合に、出口ライン1240は、弁1342と、その下流にある容器1344とを含む。システム1300のプライミングは、本明細書に説明したシステム1000をプライミングする方法と実質的に同じである。
【0179】
上述のように、製造業者から供給される一部のカテーテルは、尿排出ライン及び容器に事前接続されていない。そのようなカテーテルに対しては、使用に向けてそのようなカテーテル及び関連のデバイスを与えるのに図12及び図13で説明したものと異なる代わりのシステム、デバイス、及び方法を使用することができる。図14A及び図14Bは、例えば、本発明の技術の実施形態による概略採尿システム1400を示している。図14Aに示すように、システム1400は、流体ソース122及びポート1232(先に図12及び図13で説明した)、並びにポート1232に結合されてその下流にあるアダプタ1402(例えば、出口ルアー接続金具を含むアダプタ)と、アダプタ1402に結合されてその下流にあるコネクタ1404と、コネクタ1404に結合されてその下流にある出口ライン1240(先に図12及び図13説明した)とを含むことができる。出口ライン1240は、弁1246及びその下流にある第1の容器1250に流体的に結合された第1の端部と、弁1248及びその下流にある第2の容器1252に流体的に結合された第2の端部とを有するコネクタ1242を含むことができる。一部の実施形態では、出口ライン1240は、単一容器のみを含む場合がある。
【0180】
作動時に、システム1400は、流体ソース122からポート1232、アダプタ1402、コネクタ1404、及び出口ライン1240を通して流体を注入することによってプライミングすることができる。上述のように、弁1246、1248は、流体が対応するラインを満たすまで個々に開閉することができる。システム1400がプライミングされ、弁1246、1248が閉鎖されると、流体ソース122をコネクタ1404から切り離すことができる。次に、図14Bを参照すると、カテーテル118は、コネクタ1404に結合され、次に、使用に向けて患者の中に挿入することができる。
【0181】
図15A及び図15Bは、それぞれ、本発明の技術の実施形態に従って構成された別のポンピング及び/又はプライミングのアセンブリ1500(「アセンブリ1500」)の斜視図及び断面図である。アセンブリ1500は、第1の末端部分1502aと、それと反対の第2の末端部分1502bとを有する細長アダプタ本体1502を含むことができる。本体1502は、少なくとも部分的にプライミング部分1504の中に閉じ込められたプライミング要素1506を含むことができる。図示の実施形態では、プライミング部分1504は円筒形形状を有し、本体1502の長手軸線に対してほぼ垂直な方向に本体1502から半径方向外向きに延びる。他の実施形態では、プライミング部分1504は、いずれかの他の形状及び/又は構成を有することができる。例えば、アセンブリ1500を通して流体流れを駆動してアセンブリ1500及び/又はそれに接続された1又は2以上の構成要素をプライミングするために、プライミング要素1506は全体的に可撓性を有し、プライミング部分1054内で湾曲又は屈曲するように構成することができる。一部の実施形態では、プライミング要素1506は、ニューヨーク州ロンコンコマに本社を置くQosina Corp.によって市販されているX5008疎水性空気フィルタ又はいずれかの他の適切な空気フィルタのような空気フィルタを含むことができる。
【0182】
本体1502は、1又は2以上の構成要素を受け入れるように構成することができる。図示の実施形態では、例えば、本体1502の第1の末端部分1502aは、第1のライン結合構成要素1510(「第1の構成要素1510」)と第2のライン結合構成要素1520(「第2の構成要素1520」)とを受け入れるように構成される。第1の構成要素1510は、流体ライン(例えば、図1A流体ライン119)又は流体管理システムの別の適切な部分を結合するように構成された接続金具1514を含むことができる。第2の構成要素1520は、フォーリーカテーテル(例えば、図1Bフォーリーカテーテル118)に結合するように構成されたポート1524を含むことができる。本体1502、第1の構成要素1510、及び第2の構成要素1520の各々は、中空とし、アセンブリ1500を通って延びる全体的な管腔1508を定めることができる。一部の実施形態では、第1の構成要素1510は、Qosina Corp.によって市販されている61764鉤状接続金具又はいずれかの他の適切な鉤状接続金具のような鉤状接続金具を含む。一部の実施形態では、第2の構成要素1520は、デンマークに本拠を置くCarmo A/Sによって製造されている09-875-7104サンプルポートコネクタ又はいずれかの他の適切なフォーリーカテーテルアダプタのようなフォーリーカテーテルアダプタを含む。
【0183】
図15C及び図15Dは、本発明の技術の実施形態によるプライミング部分1504の拡大断面図である。図15Cを参照すると、一部の実施形態では、プライミング要素1506は、プライミング部分1504の中に圧入することができる。図15Dを参照すると、一部の実施形態では、プライミング部分1504は、環状リップ又はリム1505を含むことができ、プライミング要素1506は、リム1505の下に位置決めすることができる。
【0184】
図15A図15Dを互いに参照すると、アセンブリ1500のプライミングは、本明細書に説明したシステム1000をプライミングする方法と実質的に同じである。例えば、プライミング要素1506は、アセンブリ1500に結合された流体管理システムの1又は2以上の流体ライン及び/又は他の構成要素から空気を除去するために半径方向内向きの方向に繰り返し押下することができる。
【0185】
本明細書に説明するポンピングデバイス及び/又はプライミングデバイスのうちのいずれも、本明細書に説明する他のシステム及びデバイスのうちのいずれかの中に組み込むことができる。例えば、図10ポンピングデバイス1002は、患者からの尿を受け入れるいずれかの流体ライン、例えば、図1Aの流体ライン119及び図4A図4Jの流体ライン426a及び/又は426bなどの中に組み込むことができる。同様に、流体ラインをプライミングするための及び/又は流体ラインから障害を取り除くための本明細書に説明する処理は、本発明の技術の治療手順のうちのいずれかの前及び/又は最中に実行することができる。
【0186】
III.結論
本発明の技術を例えば下記で説明する様々な態様に従って例示する。本発明の技術の態様の様々な例は、便宜上番号を振った実施例(1、2、3のような)として説明する。これらの実施例は、本発明の技術を限定するわけではない。従属する実施例のうちのいずれも、あらゆる組合せで組み合わせてそれぞれの独立する実施例の中に組み込むことができることに注意されたい。
【0187】
実施例
1.第1の容器と、第2の容器と、第1及び第2の容器内の尿の量を示すセンサデータを発生するように構成された少なくとも1つのセンサと、患者からの尿流を第1の容器又は第2の容器の中にセンサデータに基づいて向けるように構成された流れ制御アセンブリとを備える患者からの尿を採取するためのシステム。
2.少なくとも1つのセンサが、重量センサ、流量センサ、又は流体レベルセンサのうちの1又は2以上を備える実施例1のシステム。
3.センサデータが、第1の容器内の第1の尿量を示す第1のセンサデータと、第2の容器内の第2の尿量を示す第1のセンサデータとを備える実施例1又は実施例2のシステム。
4.流れ制御アセンブリが、第1の尿量が閾値を超えたことを第1のセンサデータが示した時に尿流を第1の容器から離れて第2の容器の中に向けるように構成される実施例3のシステム。
5.第2の容器の存在を検出するように構成された少なくとも1つの第2のセンサを更に備え、流れ制御アセンブリが、第1の尿量が閾値よりも大きく、第2の容器が存在する時に尿流を第2の容器の中に向けるように構成される実施例4のシステム。
6.第1の尿量が閾値を超えた時に通知を出力するように構成された通知デバイスを更に含む実施例4又は実施例5のシステム。
7.通知が、光、音、のシステムのユーザインタフェース上に表示されるメッセージ、又は別個のデバイスに送信されるメッセージの1又は2以上を含む実施例6のシステム。
8.流れ制御アセンブリが、第1の容器に結合された第1の弁と、第2の容器に結合された第2の弁と、第1及び第2の弁を作動させて第1及び第2の容器内への流体流れをそれぞれ制御するように構成された少なくとも1つのアクチュエータとを含む実施例1から7のいずれか1つのシステム。
9.第1及び第2の弁の各々が、回転可能カムユニットを備える実施例8のシステム。
10.第1の容器を流れ制御アセンブリに固定するように構成された第1の保持器と、第2の容器を流れ制御アセンブリに固定するように構成された第2の保持器とを更に備える実施例1から9のいずれか1つのシステム。
11.流れ制御アセンブリが、尿流が第1の容器の中に向けられている時に第1の保持器をロックし、第2の保持器をアンロックし、尿流が第2の容器の中に向けられている時に第2の保持器をロックし、第1の保持器をアンロックするように構成される実施例10のシステム。
12.流れ制御アセンブリが、患者の身体上又は内でカテーテルに結合される実施例1から11のいずれか1つのシステム。
13.流れ制御アセンブリを通じて患者からの尿流を第1の容器の中に向ける段階と、第1の容器内の尿量を少なくとも1つのセンサを用いて測定する段階と、第1の容器内の尿量が閾値を超えたことを少なくとも1つのセンサを用いて検出する段階と、尿流を第1の容器ではなく第2の容器に向けるように流れ制御アセンブリを作動する段階とを備える患者から尿を採取する方法。
14.第2の容器内の尿量を少なくとも1つの第2のセンサを用いて測定する段階を更に備える実施例13の方法。
15.尿流が、(1)第1の容器内の尿量が閾値よりも大きく、かつ(2)第2の容器内の尿量が閾値よりも小さい時に第1の容器から離れて第2の容器の中に向けられる実施例14の方法。
16.第1の容器内の尿量が閾値よりも小さいことを少なくとも1つのセンサを用いて検出する段階と、第2の容器内の尿量が閾値を超えたことを少なくとも1つの第2のセンサを用いて検出する段階と、尿流を第2の容器から離れて第1の容器の中に向けるように流れ制御アセンブリを作動する段階とを更に備える実施例15の方法。
17.第2の容器が存在するか否かを少なくとも1つの第3のセンサを用いて検出する段階を更に備える実施例13から16のいずれか1つの方法。
18.尿流が、(1)第1の容器内の尿量が閾値よりも大きく、かつ(2)第2の容器が存在する時に第1の容器から離れて第2の容器の中に向けられる実施例17の方法。
19.尿流が第1の容器の中に向けられている時に第1の容器を流れ制御アセンブリにロックする段階と、尿流が第2の容器の中に向けられている時に第1の容器を流れ制御アセンブリからアンロックする段階とを更に備える実施例13から18のいずれか1つの方法。
20.第1の容器内の尿量が閾値を超えたことを示す通知を出力する段階を更に備える実施例13から19のいずれか1つの方法。
21.第1又は第2の容器の一方又は両方が存在するか否かを少なくとも1つの第4のセンサを用いて検出する段階と、患者に対する医療手順を始めることができることを示す第1の信号を出力する段階とを更に備える実施例13から20のいずれか1つの方法。
22.医療手順が、流体過負荷状態に関して患者を治療する段階を備える実施例21の方法。
23.医療手順が、患者の排尿をモニタする段階を備える実施例21又は実施例22の方法。
24.医療手順が終了したことを示す第2の信号を受信する段階と、第1又は第2の容器の一方又は両方を流れ制御アセンブリからアンロックする段階とを更に備える実施例21から23のいずれか1つの方法。
25.患者の身体に結合するように構成された第1の流体ラインと、尿容器に結合するように構成された第2の流体ラインと、第1の流体ラインに結合され、第1の逆止弁を備える第1の末端部分、第2の流体ラインに結合され、第2の逆止弁を備える第2の末端部分、及び患者の身体から尿容器への流体流れを可能にするために第1の末端部分と第2の末端部分とを流体的に結合する可撓性本体部分を含む中空部材とを備える患者からの尿を採取するためのデバイス。
26.第1の逆止弁が、中空部材から第1の流体ラインへの流体流れを抑制するように構成され、第2の逆止弁が、第2の流体ラインから中空部材内への流体流れを抑制するように構成される実施例25デバイス。
27.可撓性本体部分が、弛緩構成と圧縮構成との間で作動可能である実施例25又は実施例26デバイス。
28.可撓性本体部分が、第1又は第2の流体ラインの一方又は両方から容器の中に空気を移動するために反復的に作動されるように構成される実施例27デバイス。
29.可撓性本体部分が、患者の身体から第1又は第2の流体ラインの一方又は両方の中に流体を引き込むために反復的に作動されるように構成される実施例27又は実施例28デバイス。
30.可撓性本体部分が、手動で作動されるように構成される実施例27から29のいずれか1つのデバイス。
31.可撓性本体部分が、自動機構によって作動されるように構成される実施例27から30のいずれか1つのデバイス。
32.使用時に第2の末端部分が第1の末端部分の上方にある状態で中空部材が向けられる実施例25から31のいずれか1つのデバイス。
33.第1又は第2の流体ラインの一方又は両方が、1/8インチよりも小さいか又はそれに等しい内径を有する実施例25から32のいずれか1つのデバイス。
34.第1の流体ラインを患者の身体に結合するように構成されたカテーテルを更に備える実施例25から33のいずれか1つのデバイス。
35.患者の身体と尿容器の間でポンピングデバイスに流体的に結合された少なくとも1つ流体ラインを通じて尿容器を患者の身体に接続する段階と、流体を尿容器に向けて少なくとも1つの流体ラインを通じて移動するようにポンピングデバイスの可撓性本体部分を作動する段階と、尿容器から出て行く流体流れをポンピングデバイスの少なくとも1つの弁によって抑制する段階とを備える患者から尿を採取する方法。
36.作動段階が、可撓性本体部分を1回又は2回以上圧縮する段階を含む実施例35の方法。
37.少なくとも1つの流体ライン内のエア・ロックを検出する段階を更に含み、作動段階が、エア・ロックを取り除くために実施される実施例35又は実施例36の方法。
38.作動段階が、尿を患者の身体から少なくとも1つの流体ラインの中に引き込むために実施される実施例35から37のいずれか1つの方法。
39.作動段階が、医療手順中に流体過負荷に関して患者を治療するために実施される実施例35から38のいずれか1つの方法。
40.少なくとも1つの弁が、少なくとも1つの逆止弁を含む実施例35から39のいずれか1つの方法。
41.少なくとも1つの流体ラインが、患者の身体に接続された第1の流体ラインと、尿容器に接続された第2の流体ラインとを含み、ポンピングデバイスが、第1の流体ラインを第2の流体ラインに流体的に結合する実施例35から40のいずれか1つの方法。
42.第1の入口、第2の入口、及び出口を含む結合器と、結合器の第1の入口に結合され、更に流体ソースに流体的に結合されるように構成された第1のラインと、結合器の第2の入口に結合され、第1の弁を含み、カテーテル又は患者に流体的に結合されるように構成された第2のラインと、結合器の出口に結合され、第2の弁と、その下流にある容器とを備える第3のラインとを備えるの患者からの尿を採取するように構成されたシステム。
43.第1のラインが、流体ソースに流体的に結合されるように構成されたポートと、それと結合器の間である逆止弁とを含む実施例42のシステム。
44.ポートが、無針ルアーコネクタである実施例43のシステム。
45.第1の弁及び第2の弁と作動可能に結合され、これらの弁を調整するように構成されたコントローラを更に備える実施例42から44のいずれか1つのシステム。
46.生理食塩水を備える流体ソースを更に備える実施例42から45のいずれか1つのシステム。
47.フォーリーカテーテルであるカテーテルを更に備える実施例42から46のいずれか1つのシステム。
48.容器が、第1の容器であり、第3のラインが、第2の弁及び第1の容器に流体的に結合された第1の端部と、第3の弁及びその下流にある第2の容器に流体的に結合された第2の端部とを有するコネクタを更に含む実施例42から47のいずれか1つのシステム。
49.実施例42から47のいずれか1つのシステムを与える段階と、流体を流体ソースから1の弁を調整することによって第1の弁を通して注入する段階と、流体を流体ソースから容器に第2の弁を調整することによって注入する段階とを備える患者からの尿を採取するように構成されたシステムをプライミングする方法。
50.実施例48のシステムを与える段階と、流体を流体ソースから1の弁を調整することによって第1の弁を通して注入する段階と、流体を流体ソースから第1の容器に第2の弁を調整することによって注入する段階と、流体を流体ソースから第2の容器に第3の弁を調整することによって注入する段階とを備える患者からの尿を採取するように構成されたシステムをプライミングする方法。
51.尿を採取するように構成された容器と、容器の重量を取得するように構成された第1のセンサと、容器に流体的に結合され、患者からの尿を受け入れるように構成された供給ラインと、供給ライン内の尿の流速を取得するように構成された第2のセンサと、第1のセンサ及び第2のセンサに作動可能に結合されたコントローラとを備える患者からの尿を採取するためのシステム。
52.コントローラと作動可能に結合され、供給ライン上で第2のセンサと容器の間に配置された弁を更に備え、コントローラが、容器の重量が予め決められた閾値よりも小さい場合に弁を作動させて閉鎖するように構成される実施例51のシステム。
53.供給ライン上で第2のセンサと弁の間に配置されたリザーバを更に備える実施例52のシステム。
54.本明細書の実施例のいずれか1つのシステムと、本明細書の実施例のいずれか1つのデバイスとを備える患者治療システム。
55.尿を採取するように構成された容器と、容器内の尿量を示す第1のセンサデータを発生するように構成された第1のセンサと、容器内の尿量を示す第2のセンサデータを発生するように構成された第2のセンサと、1又は2以上のプロセッサと、1又は2以上のプロセッサによって実行された時に、システムに、第1のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて患者の排尿を決定させ、容器から尿が抜き取られる時を検出させ、かつ少なくとも尿が容器から抜き取られる間に第2のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて患者の排尿を決定させる命令を有する1又は2以上の非一時的コンピュータ可読媒体とを備える患者からの尿を採取するためのシステム。
56.第1のセンサが、重量センサを含み、第2のセンサが、流量センサを含む実施例55のシステム。
57.第1のセンサデータが、容器の重量を含み、第2のセンサデータが、尿流速度を含む実施例55から56のいずれか1つのシステム。
58.第1のセンサに作動可能に結合され、容器を解除可能に保持するように構成された容器装着構成要素を更に備える実施例55から57のいずれか1つのシステム。
59.容器装着構成要素が、容器が第1のセンサと作動可能に係合している間に容器を懸架させるように構成されたフックを含む実施例58のシステム。
60.容器から尿が抜き取られる時を検出するための命令が、容器の重量の減少に少なくとも部分的に基づいて容器から尿が抜き取られる時を検出するための命令を含む実施例57から59のいずれか1つのシステム。
61.命令が、容器から尿が抜き取られなくなった時を検出するための命令を更に含む実施例60のシステム。
62.容器から尿が抜き取られなくなった時を検出するための命令が、容器の重量の増加に少なくとも部分的に基づいて容器から尿が抜き取られなくなった時を検出するための命令を含む実施例61のシステム。
63.患者と容器とを流体的に結合する尿供給ラインと、尿供給ラインの少なくとも一部分を第2のセンサと作動可能に係合させるように構成された尿カートリッジと更に備える実施例55から62のいずれか1つのシステム。
64.尿カートリッジが、尿供給ラインの少なくとも部分を受け入れるように構成された1又は2以上の開口を含む実施例63のシステム。
65.尿カートリッジが、尿供給ラインの部分を第1のセンサ又は第2のセンサの少なくとも一方に向けて係合させるように構成されたタブを含む実施例63又は実施例64のシステム。
66.流れ制御アセンブリを通じて患者からの尿流を容器の中に向ける段階と、容器内の尿量を第1のセンサを用いて測定する段階と、容器から尿が抜き取られることを第1のセンサを用いて検出する段階と、少なくとも尿が排出されている時に患者の排尿を第2のセンサを用いて測定する段階とを備える患者から尿を採取する方法。
67.第1のセンサは重量センサを含み、容器内の尿量を測定する段階が、重量センサを用いて容器の重量を測定する段階を含む実施例66の方法。
68.第2のセンサが、流量センサを含み、患者の排尿を測定する段階が、第2のセンサを用いて尿流速度を測定する段階を含む実施例66から67のいずれか1つの方法。
69.容器から尿が抜き取られる時を検出する段階が、容器の重量の減少に少なくとも部分的に基づいて容器から尿が抜き取られる時を検出する段階を含む実施例66から68のいずれか1つの方法。
70.容器から尿が抜き取られなくなった時を検出する段階を更に備える実施例66から69のいずれか1つの方法。
71.容器から尿が抜き取られなくなった時を検出する段階が、第1のセンサに少なくとも部分的に基づいて容器から尿が抜き取られなくなった時を検出する段階を含む実施例70の方法。
72.容器から尿が抜き取られなくなった時を検出する段階が、容器の重量の増加に少なくとも部分的に基づいて容器から尿が抜き取られなくなった時を検出する段階を含む実施例70から71のいずれか1つの方法。
73.患者からの尿を採取するように位置決めされた容器の重量に基づいて第1のセンサデータを発生するように構成された第1のセンサと、患者から容器への尿流に基づいて第2のセンサデータを発生するように構成された第2のセンサと、1又は2以上のプロセッサと、1又は2以上のプロセッサによって実行された時に、第1のセンサデータに基づいて第1の患者排尿を決定する段階、及び第2のセンサデータに基づいて第2の患者排尿を決定する段階を備える作動をシステムに実行させる命令を有する1又は2以上の非一時的コンピュータ可読媒体とを備える採尿システム。
74.作動が、容器の重量が減少していることを第1のセンサデータを通じて決定する段階と、容器の重量が減少していると決定する段階の後に第2の患者排尿を1次入力として利用する段階とを更に備え、第1の患者排尿及び第2の患者排尿が、ある期間にわたる平均体積流量である実施例73のシステム。
75.作動が、容器の重量が減少していると決定する段階の前に、第1の患者排尿を1次入力として利用する段階を更に備える実施例74のシステム。
76.作動が、容器の重量が減少していると決定する段階の後に容器の重量が増加していると決定する段階と、容器の重量が増加していると決定する段階の後に第1の患者排尿を1次入力として利用する段階とを更に備える実施例74のシステム。
77.作動が、第1の患者排尿と第2の患者排尿の間の差が予め決められた閾値よりも小さい場合に第1の患者排尿を1次入力として利用する段階と、第1の患者排尿と第2の患者排尿の間の差が予め決められた閾値よりも小さくない場合に第2の患者排尿を1次入力として利用する段階とを更に備える実施例73から76のいずれか1つのシステム。
78.第1のセンサに作動可能に結合された装着構成要素であって、尿を採取するように位置決めされた容器を支持するように構成された上記装着構成要素を更に含み、容器の重量が、装着構成要素を通じて第1のセンサに伝達される実施例73から77のいずれか1つのシステム。
79.排液弁を含む容器を更に備え、容器が、装着構成要素によって支持されている間に排液されるように構成される実施例78のシステム。
80.(i)第1のセンサ及び第2のセンサを包み込み、かつ(ii)陥入区域を少なくとも部分的に定めるコンソールを更に備え、装着構成要素が、陥入区域に位置決めされ、第1のセンサ及び第2のセンサが、陥入区域の上方にある実施例78のシステム。
81.(i)受け入れ区域及び(ii)受け入れ区域に配置された第2のセンサを含むコンソールと、尿流アセンブリであって、第2のセンサの一部分と尿流アセンブリの一部分とが一緒に患者からの尿を容器に向けるように構成された配管を受け入れるように構成されたスロットを定めるように受け入れ区域でコンソールに取り外し可能に結合された上記尿流アセンブリとを更に備える実施例73から80のいずれか1つのシステム。
82.(i)受け入れ区域及び(ii)受け入れ区域に配置された第2のセンサを含むコンソールと、コンソールに取り外し可能に取り付けられ、患者からの尿を容器に向けるための配管経路を定める複数のポートを備える尿流アセンブリとを更に備える実施例73から81のいずれか1つのシステム。
83.容器の上流にあるピンチ弁であって、患者からの尿流を容器に向けるように構成された配管を受け入れるように位置決めされ、尿に接触することなく尿流を調整するように構成された上記ピンチ弁を更に備える実施例73から82のいずれか1つのシステム。
84.患者から尿流を受け入れるように構成された容器の重量を備える第1のセンサデータを第1のセンサを通じて測定する段階と、第1のセンサデータを通じて第1の患者排尿を発生させる段階と、容器の重量が減少していると決定する段階と、容器の重量が減少していると決定する段階の後に、第2の患者排尿を備える第2のセンサデータを第2のセンサを通じて測定する段階とを備える患者から尿を採取する方法。
85.第1の患者排尿と第2の患者排尿の間の差が予め決められた閾値よりも小さい場合に第1の患者排尿を利用する段階と、第1の患者排尿と第2の患者排尿の間の差が予め決められた閾値よりも小さくない場合に第2の患者排尿を利用する段階とを更に備える実施例84の方法。
86.容器の重量が減少していると決定する段階の前に第1の患者排尿を1次入力として利用する段階と、容器の重量が減少していると決定する段階の後に第2の患者排尿を1次入力として利用する段階とを更に備える実施例84から85のいずれか1つの方法。
87.容器の重量が減少していると決定する段階の後に容器の重量が増加していると決定する段階と、容器の重量が増加していると決定する段階の後に第1の患者排尿を1次入力として利用する段階とを更に備える実施例86の方法。
88.容器の重量が減少していると決定する段階が、容器の重量が減少していることを第1のセンサを通じて検出する段階を備える実施例84から87のいずれか1つの方法。
89.
流れ制御アセンブリを通じて患者からの尿を容器に向ける段階を更に備える実施例84から88のいずれか1つの方法。
90.患者からの尿を容器に向ける段階の前に容器の存在を第1のセンサを通じて検出する段階を更に備える実施例89の方法。
91.流れ制御アセンブリが、複数のポートと、ポートを通って容器まで延びる配管とを含み、患者からの尿を容器に向ける段階が、患者からの尿流を容器に向けて配管を通して向ける段階を備え、第2の患者排尿を測定する段階が、配管を通して容器に向けられた尿流を測定する段階を備える実施例89の方法。
92.患者に利尿剤を提供するように構成された第1のポンプと、患者に補水流体を提供するように構成された第2のポンプと、採尿デバイス、患者からの尿流を採尿デバイスに向けるように構成された流れ制御アセンブリ、及び容器の重量に基づいて第1のセンサデータを発生するように構成された第1のセンサ及び患者から容器への尿流に基づいて第2のセンサデータを発生するように構成された第2のセンサを含む尿測定デバイスを含む尿システムとを備える流体療法システム。
93.1又は2以上のプロセッサと、1又は2以上のプロセッサによって実行された時に、第1のセンサデータに基づいて第1の患者排尿を決定する段階、及び第2のセンサデータに基づいて第2の患者排尿を決定する段階を備える作動をシステムに実行させる命令を有する1又は2以上の非一時的コンピュータ可読媒体とを更に備える実施例92のシステム。
94.作動が、患者に提供される利尿剤の量を第1の患者排尿に基づいて決定する段階を更に備える実施例93のシステム。
95.作動が、採尿デバイスの重量が減少していると決定する段階と、容器の重量が減少していると決定する段階の後に、患者に提供される利尿剤の量を第2の患者排尿に基づいて決定する段階とを更に備える実施例94のシステム。
96.作動が、採尿デバイスの重量が減少していると決定する段階の後に、採尿デバイスの重量が増加していると決定する段階と、容器の重量が増加していると決定する段階の後に、患者に提供される利尿剤の量を第1の患者排尿に基づいて決定する段階とを更に備える実施例95のシステム。
97.作動が、第1の患者排尿と第2の患者排尿の間の差が予め決められた閾値よりも小さい場合に第1の患者排尿を1次入力として利用する段階と、第1の患者排尿と第2の患者排尿の間の差が予め決められた閾値よりも小さくない場合に第2の患者排尿を1次入力として利用する段階とを更に備える実施例92から97のいずれか1つのシステム。
【0188】
上述した実施形態の詳細に本発明の技術の基礎を構成する原理から逸脱することなく変更を加えることができることは当業者には明らかであろう。一部の場合に、本発明の技術の実施形態の説明を不要に不明瞭にすることを回避するために、公知の構造及び機能に関して詳細には示さなかった又は説明しなかった。本明細書では方法のステージを特定の順序で提供することができるが、代替実施形態は、これらのステージを異なる順序で実施することができる。同様に、特定の実施形態の関連で開示する本発明の技術のある一定の態様を他の実施形態では組み合わせるか又は排除することができる。更に、本発明の技術のある一定の実施形態に関連付けられた利点をこれらの実施形態の関連で開示する場合もあったが、他の実施形態は、そのような利点を示すことができ、全ての実施形態が必ずしもそのような利点又は本発明の技術内に収まる本明細書に開示する他の利点を示す必要はない。従って、本発明の開示及び関連の技術は、本明細書で明示的に示さない又は説明しない他の実施形態を包含することができ、本発明は、特許請求の範囲によって限定される場合を除いて限定されない。
【0189】
本発明の開示を通して関連が他に明確に示さない限り単数形「a」、「an」、及び「the」は、複数の指示物を含む。本明細書での「一実施形態」、「実施形態」、「一部の実施形態」、又は類似の語句への参照は、当該実施形態に関して説明する特定の特徴、構造、作動、又は特性を本発明の技術の少なくとも1つの実施形態内に含めることができることを意味する。従って、本明細書でのそのような語句又は語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を参照しているとは限らない。更に、様々な特定の特徴、構造、作動、又は特性を1又は2以上の実施形態であらゆる適切な方式で組み合わせることができる。
【0190】
他に示さない限り、本明細書及び特許請求で使用する体積、流速、及び他の数値を表す全ての数字は、全ての事例で「約」という用語によって修飾されるものと理解しなければならない。従って、反意を示さない限り、本明細書及び特許請求の範囲に示す数値パラメータは、本発明の技術によって取得することを追求する望ましい性質に依存して変化する可能性がある近似値である。「約」という用語は、使用する時に陳述する値の±10%の範囲の値を意味する。最低限でも、特許請求の範囲に対する均等論の適用を限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、公開する有効桁数を踏まえ、通常の四捨五入技術を適用することによって解釈しなければならない。これに加えて、本明細書に開示する全ての範囲は、当該範囲に含まれるあらゆる全ての部分範囲を包含することを理解しなければならない。例えば、「1から10まで」の範囲は、1という最小値と10という最大値の間である(かつこれらの値を含む)あらゆる全ての部分範囲、従って、1に等しいか又はそれよりも大きい最小値と10に等しいか又はそれよりも小さい最大値とを有するあらゆる全ての部分範囲、例えば、5.5から10までを含む。
【0191】
上記に示した本発明の開示は、いずれかの請求項が当該請求項で明示的に列挙するものよりも多い特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈すべきではない。代わりに、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の態様は、いずれか1つの上述の開示実施形態の全ての特徴よりも少ないものの組合せに存する。従って、「発明を実施するための形態」に続く特許請求の範囲は、「発明を実施するための形態」内に明示的に組み込まれており、各請求項は、別個の実施形態として独立に成り立つ。本発明の開示は、独立請求項とその従属請求項との全ての組み替えを含む。
【0192】
付記
(付記1)
採尿システムであって、
患者から尿を採取するように位置決めされた容器の重量に基づいて第1のセンサデータを発生するように構成された第1のセンサと、
前記容器への尿流に基づいて第2のセンサデータを発生するように構成された第2のセンサと、
1又は2以上のプロセッサと、
前記1又は2以上のプロセッサによって実行された時に、
前記第1のセンサデータに基づいて第1の患者排尿を判断する段階、
前記第2のセンサデータに基づいて第2の患者排尿を判断する段階、
前記容器の前記重量の変化率を前記第1のセンサデータを通じて判断する段階、及び
前記変化率が予め決められた閾値率よりも低いか否かを判断した後に前記第2の患者排尿を1次入力として指定する段階、
を備える作動をシステムに実行させる命令を有する1又は2以上の非一時的コンピュータ可読媒体と、
を備えることを特徴とするシステム。
(付記2)
前記作動は、前記変化率が前記予め決められた閾値率よりも低いか否かを判断する前に前記第1の患者排尿を前記1次入力として指定する段階を更に備えることを特徴とする付記1に記載のシステム。
(付記3)
前記作動は、
前記変化率が前記予め決められた閾値率よりも低いか否かを判断した後に、前記容器の前記重量が増加しているか否か及び/又は該変化率が該予め決められた閾値率よりも高いか又はそれに等しいか否かを判断する段階と、
前記容器の前記重量が増加しているか否か及び/又は前記変化率が前記予め決められた閾値率よりも高いか又はそれに等しいか否かを判断した後に、前記第1の患者排尿を前記1次入力として指定する段階と、
を更に備える、
ことを特徴とする付記1に記載のシステム。
(付記4)
前記第1のセンサに作動可能に結合された装着構成要素であって、尿を採取するように位置決めされた前記容器を支持するように構成された前記装着構成要素を更に備え、
前記容器の前記重量は、前記装着構成要素を通じて前記第1のセンサに伝達される、
ことを特徴とする付記1に記載のシステム。
(付記5)
前記容器は、排液弁を含み、
前記容器は、前記装着構成要素によって支持されている間に排液されるように構成される、
ことを特徴とする付記4に記載のシステム。
(付記6)
(i)前記第1のセンサ及び前記第2のセンサを包み込み、かつ(ii)陥入区域を少なくとも部分的に定めるコンソールを更に備え、
前記装着構成要素は、前記陥入区域に位置決めされ、
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサは、前記陥入区域の上方である、
ことを特徴とする付記4に記載のシステム。
(付記7)
採尿システムであって、
患者から採尿するように位置決めされた容器の重量に基づいて第1のセンサデータを発生するように構成された第1のセンサと、
前記患者からの尿を前記容器に向けるように構成された流体ラインと、
前記容器への前記流体ラインを通じた尿流に基づいて第2のセンサデータを発生するように構成された第2のセンサと、
受け入れ区域を含むコンソールであって、前記第2のセンサが該受け入れ区域の第1の側で該コンソール内に位置決めされる前記コンソールと、
前記流体ラインを受け入れるように構成された尿カートリッジであって、該尿カートリッジが、前記受け入れ区域の第2の側で前記コンソールに取り外し可能に結合され、該尿カートリッジが該コンソールに結合された時に、前記第2のセンサの一部分及び該尿カートリッジの一部分が、該流体ラインを直接受け入れるスロットを互いに定める前記尿カートリッジと、
1又は2以上のプロセッサと、
前記1又は2以上のプロセッサによって実行された時に、
前記第1のセンサデータに基づいて第1の患者排尿を判断する段階、及び
前記第2のセンサデータに基づいて第2の患者排尿を判断する段階、
を備える作動をシステムに実行させる命令を有する1又は2以上の非一時的コンピュータ可読媒体と、
を備えることを特徴とするシステム。
(付記8)
受け入れ区域を含むコンソールであって、前記第2のセンサが該受け入れ区域で該コンソール内に位置決めされる前記コンソールと、
前記コンソールに取り外し可能に取り付けられた尿カートリッジであって、前記患者からの尿を前記容器に向けるための経路を定める複数のポートを含む前記尿カートリッジと、
を更に備えることを特徴とする付記1に記載のシステム。
(付記9)
前記容器の上流の流れ制御デバイスであって、前記患者からの尿流を該容器に向けるように構成された流体ラインを受け入れるように位置決めされた前記流れ制御デバイスを更に備え、
前記流れ制御デバイスは、前記尿に接触することなく前記尿流を調整するように構成される、
ことを特徴とする付記1に記載のシステム。
(付記10)
尿カートリッジと該尿カートリッジに結合された流体ラインとを更に備え、
前記尿カートリッジは、前記第1のセンサと前記第2のセンサとを収容するコンソールに取り外し可能に取り付けられる、
ことを特徴とする付記1に記載のシステム。
(付記11)
前記第2のセンサを収容するコンソールと、
前記患者からの尿を前記容器に向けるように構成された流体ラインと、
前記流体ラインを受け入れるように構成された複数のポートを含む尿カートリッジであって、該流体ラインの一部分が前記第2のセンサに隣接して位置決めされるように前記コンソールに取り外し可能に取り付けられた前記尿カートリッジと、
を更に備えることを特徴とする付記1に記載のシステム。
(付記12)
前記コンソール上の第3のセンサを更に備え、
前記第3のセンサは、前記尿カートリッジが前記コンソールに結合されているか否かを検出するように構成される、
ことを特徴とする付記11に記載のシステム。
(付記13)
患者から尿を採取する方法であって、
患者から尿流を受け入れるように構成された容器の重量を含む第1のセンサデータを第1のセンサを通じて測定する段階と、
第1の患者排尿を前記第1のセンサデータを通じて発生させる段階と、
前記第1の患者排尿を1次入力として指定する段階と、
前記容器の前記重量の変化率を前記第1のセンサデータを通じて判断する段階と、
第2の患者排尿を含む第2のセンサデータを第2のセンサを通じて測定する段階と、
予め決められた閾値よりも大きい前記容器の前記重量、予め決められた閾値率よりも低い、前記容器の前記重量の前記変化率、又は、予め決められた相違閾値よりも高い、前記第1のセンサデータ及び前記第2のセンサデータの間の相違、のうちの1又は2以上に基づいて、前記第2の患者排尿を前記1次入力として指定する段階と、
を備えることを特徴とする方法。
(付記14)
前記患者からの尿流を流れ制御アセンブリを通じて前記容器に向ける段階を更に備えることを特徴とする付記13に記載の方法。
(付記15)
前記患者からの前記尿流を前記容器に向ける段階の前に該容器の存在を前記第1のセンサを通じて検出する段階を更に備えることを特徴とする付記14に記載の方法。
(付記16)
前記流れ制御アセンブリは、複数のポートと、該ポートを通って前記容器まで延びる流体ラインとを含み、
前記患者からの前記尿流を前記容器に向ける段階は、前記流体ラインを通じて該患者からの該尿流を該容器に向ける段階を備え、
前記第2の患者排尿を測定する段階は、前記流体ラインを通じて前記容器に向けられた前記尿流を測定する段階を備える、
ことを特徴とする付記14に記載の方法。
(付記17)
前記第2のセンサは、コンソールに収容され、前記流れ制御アセンブリは、前記患者からの前記尿流を前記容器に向けるように構成された流体ラインを含む尿カートリッジを含み、
前記方法が、
前記患者からの前記尿流を前記容器に向ける段階の前に前記尿カートリッジを前記コンソールに結合する段階、
を更に備える、
ことを特徴とする付記14に記載の方法。
(付記18)
前記スロットを通って延びる前記流体ラインの一部分が垂直に向けられることを特徴とする付記7に記載のシステム。
(付記19)
前記尿カートリッジは、係合特徴部を更に備え、
前記尿カートリッジが前記コンソールに結合された時に、前記係合特徴部は、前記受け入れ区域の前記第2の側にあり、かつ該尿カートリッジから前記流体ラインに向けて延びる、
ことを特徴とする付記7に記載のシステム。
(付記20)
前記尿カートリッジは、係合特徴部を更に備え、
前記尿カートリッジが前記コンソールに結合された時に、前記係合特徴部は、前記流体ラインと接触する、
ことを特徴とする付記7に記載のシステム。
(付記21)
前記第2の側は、前記第1の側の反対であることを特徴とする付記7に記載のシステム。
(付記22)
前記予め決められた閾値率は、ゼロよりも低い値であることを特徴とする付記1に記載のシステム。
【符号の説明】
【0193】
600 採尿システム
602 尿システム
604 自動補水流体注入システム
606 自動利尿剤注入システム
608 コントローラ
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図15D