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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001343
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】自転車用バスケット
(51)【国際特許分類】
   B62J 9/21 20200101AFI20241225BHJP
   B62J 9/23 20200101ALI20241225BHJP
【FI】
B62J9/21
B62J9/23
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100865
(22)【出願日】2023-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000205292
【氏名又は名称】オージーケー技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】森元 善之
(57)【要約】
【課題】自転車の前部および後部の両方に装着可能な汎用性の高い自転車用バスケットを提供する。
【解決手段】バスケット本体2と、自転車のハンドルバーM5にバスケット本体2を係合可能な第1係合部材3と、自転車の後部荷台にバスケット本体2を係合可能な第2係合部材と、自転車のハンドルステムM4にバスケット本体2を固定可能な第1固定部材4と、バスケット本体2に第1係合部材3を固定可能な第2固定部材6と、バスケット本体2に第2係合部材を固定可能な第3固定部材と、バスケット本体2の底部2Bに設けられて、ハンドルステムM4の支持面部P1に面合わせの状態で当接可能なステム受部16と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスケット本体と、
自転車のハンドルバーに前記バスケット本体を係合可能な第1係合部材と、
自転車の後部荷台に前記バスケット本体を係合可能な第2係合部材と、
自転車のハンドルステムに前記バスケット本体を固定可能な第1固定部材と、
前記バスケット本体に前記第1係合部材を固定可能な第2固定部材と、
前記バスケット本体に前記第2係合部材を固定可能な第3固定部材と、
前記バスケット本体の底部に設けられて、前記ハンドルステムの支持面部に面合わせの状態で当接可能なステム受部と、を備えている自転車用バスケット。
【請求項2】
前記バスケット本体は、前記ハンドルバーの周面部に面合わせの状態で当接可能な第1ハンドル受部を有している請求項1に記載の自転車用バスケット。
【請求項3】
前記第1係合部材は、前記周面部に面合わせの状態で当接可能な第2ハンドル受部を有している請求項2に記載の自転車用バスケット。
【請求項4】
前記バスケット本体は、前記第1係合部材の係合部として、前記底部において下方に膨出形成された連結台部を有し、
前記第1係合部材は、前記連結台部に連結されたときに、当該連結台部の周面部に対面して配される突出片を有している請求項1~3のいずれか1項に記載の自転車用バスケット。
【請求項5】
前記第1係合部材は、前記周面部に設けられた被嵌合部に嵌合可能な嵌合部を有している請求項4に記載の自転車用バスケット。
【請求項6】
前記第1固定部材は、前記ステム受部に前記底部の上方から貫設されて、前記支持面部に設けられたネジ孔に螺合接続可能な固定ネジである請求項1に記載の自転車用バスケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車に装着して使用される自転車用バスケットに関する。
【背景技術】
【0002】
自転車に装着して使用される自転車用バスケットとして、自転車の後部荷台に装着して使用される後部用バスケット、および自転車のハンドルに装着される前部用バスケットが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1の後部用バスケット(後部荷かご)は、前かご半体の底板部に複数の取付孔(貫通孔)が設けられており、上記取付孔にネジ等の結合具を挿通させ、自転車の後部荷台に直接、或いは取付金具を介して間接的に結合させて装着する。
【0004】
一方、特許文献1の前部用バスケット(前部荷かご)は、後かご半体の底板部および後壁にそれぞれ取付孔(貫通孔)が設けられており、上記取付孔にネジ等の結合具を挿通させ、自転車の前輪上方に設けられたステー、およびハンドルステムに設けられた取付ブラケットにそれぞれ直接、或いは取付金具を介して間接的に結合させて装着する。
【0005】
また、特許文献1の他の前部用バスケット(前部荷かご)は、後かご半体の底板部に取付孔(貫通孔)が設けられている一方、後かご半体の側壁に規制部材が設けられており、上記取付孔にネジ等の結合具を挿通させ、自転車のハンドルに取付金具を介して結合させると共に、上記規制部材にてハンドルを前後から挟持させて装着する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3061270号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、自転車用バスケットは、子供用座席(子供乗せ)と共に自転車に装着して使用される場合がある。しかしながら、上記従来の自転車用バスケットでは、前部用バスケットと後部用バスケットとで取付構造が異なるため、使用者は、子供用座席の取付位置に合わせてバスケットの種類を選択するか、或いはバスケットの取付位置に合わせて子供用座席の種類を選択する必要があった。また、子供用座席が不要となって自転車から取り外された場合に、その位置にバスケットを付け替えられない問題もある。
【0008】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、自転車の前部および後部の両方に装着可能な汎用性の高い自転車用バスケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の自転車用バスケットは、以下の技術的手段を講じている。
【0010】
本発明は、スケット本体と、自転車のハンドルバーに前記バスケット本体を係合可能な第1係合部材と、自転車の後部荷台に前記バスケット本体を係合可能な第2係合部材と、自転車のハンドルステムに前記バスケット本体を固定可能な第1固定部材と、前記バスケット本体に前記第1係合部材を固定可能な第2固定部材と、前記バスケット本体に前記第2係合部材を固定可能な第3固定部材と、前記バスケット本体の底部に設けられて、前記
ハンドルステムの支持面部に面合わせの状態で当接可能なステム受部と、を備えている。
【0011】
前記バスケット本体は、前記ハンドルバーの周面部に面合わせの状態で当接可能な第1ハンドル受部を有してもよい。
【0012】
前記第1係合部材は、前記周面部に面合わせの状態で当接可能な第2ハンドル受部を有してもよい。
【0013】
前記バスケット本体は、前記第1係合部材の係合部として、前記底部において下方に膨出形成された連結台部を有し、前記第1係合部材は、前記連結台部に連結されたときに、当該連結台部の周面部に対面して配される突出片を有してもよい。
【0014】
前記第1係合部材は、前記周面部に設けられた被嵌合部に嵌合可能な嵌合部を有してもよい。
【0015】
前記第1固定部材は、前記ステム受部に前記底部の上方から貫設されて、前記支持面部に設けられたネジ孔に螺合接続可能な固定ネジであってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の自転車用バスケットによれば、使用形態に合わせて任意に自転車の前部に装着したり自転車の後部に装着したりすることが可能となり、汎用性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態の自転車用バスケットを自転車の前部に装着した状態を示す側方視図である。
図2】実施形態の自転車用バスケットを自転車の後部に装着した状態を示す側方視図である。
図3】実施形態の自転車用バスケットの前部装着時の分解下方斜視図である。
図4】実施形態の自転車用バスケットの後部装着時の分解下方斜視図である。
図5】実施形態の自転車用バスケットの上方斜視図である。
図6】第1係合部材の取付部周辺の分解下方斜視図である。
図7】第1係合部材の取付部周辺の縦断面図である。
図8】第1係合部材の上方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。
【0019】
図1図2に示すように、本実施形態の自転車用バスケット1は、自転車Mの前部および後部の両方に装着可能な前後共用のバスケットである。なお、本実施形態の自転車Mは、前部にハンドルM1を有し、後部に後部荷台M2を有する一般的な自転車、所謂シティサイクルである。
【0020】
具体的には、図1に示すように、ハンドルM1は、所謂アップハンドルであり、フレームM3の前部にハンドルステムM4を介して連結支持されている。ハンドルM1を構成するハンドルバーM5は、ハンドルステムM4の左右上方に延在している(図3参照)。ハンドルステムM4の上面部(支持面部)P1は、略平面状に形成されている。ハンドルステムM4の上面部P1は、自転車Mの走行面Sと略平行になるように配置されている。従って、ハンドルM1にバスケット本体2、子供用座席等の補助具を取り付けたとき、それ
ら補助具は、前輪M6の上方で且つサドルM7の前方に、走行面Sと略水平な姿勢で支持される。
【0021】
図2に示すように、後部荷台M2は、ワイヤフレームを平面状に結合させて形成された枠体であり、フレームM3の後部に連結されている。後部荷台M2の上面部P2もハンドルステムM4の上面部P1と同様、略平面状に形成されており、且つ走行面Sと略平行になるように配置されている。従って、従って、後部荷台M2にバスケット本体2等の補助具を取り付けたとき、それら補助具は、後輪M8の上方で且つサドルM7の後方に、走行面Sと略水平な姿勢で支持される。
【0022】
本実施形態の自転車用バスケット1は、ハンドルM1および後部荷台M2の何れか一方、または両方に装着して使用される。自転車用バスケット1は、ハンドルM1および後部荷台M2の何れに装着される場合も同じ向きに装着される。本実施形態では、自転車Mに装着された状態における自転車Mの前後方向(図1図4の矢視X1,X2方向)を自転車用バスケット1の前後方向、自転車Mの左右方向(図1図2の手前奥側方向、図3図4の矢視Y1,Y2方向)を自転車用バスケット1の左右方向、自転車Mの上下方向(図1図4の矢視Z1,Z2方向)を自転車用バスケット1の上下方向として説明する。
【0023】
図3に示すように、自転車用バスケット1は、バスケット本体2と、ハンドル取付用のブラケット(第1係合部材)3と、第1固定ネジ(第1固定部材)4と、座金5と、第2固定ネジ(第2固定部材)6と、固定ナット7と、を備えている。また、図4に示すように、自転車用バスケット1は、固定プレート(第2係合部材)8と、第3固定ネジ(第3固定部材)9と、を備えている。
【0024】
ブラケット3は、ハンドルバーM5にバスケット本体2を係合させる。固定プレート8は、後部荷台M2にバスケット本体2を係合させる。第1固定ネジ4は、ハンドルステムM4にバスケット本体2を固定させる。第2固定ネジ6は、バスケット本体2にブラケット3を固定させる。第3固定ネジ9は、バスケット本体2に固定プレート8を固定させる。
【0025】
図3に示すブラケット3、第1固定ネジ4、座金5、および第2固定ネジ6は、自転車用バスケット1をハンドルM1に装着する際に使用される前部装着用の取付部材である。一方、図4に示す固定プレート8、および第3固定ネジ9は、自転車用バスケット1を後部荷台M2に装着する際に使用される後部装着用の取付部材である。なお、第3固定ネジ9は、第2固定ネジ6と共用されてもよい。
【0026】
図1図5に示すように、バスケット本体2は、上方に開口する有底箱状の筐体であり、本体外周部(外周部)2Aと、本体底部(底部)2Bと、を有している。
【0027】
本体外周部2Aは、上下方向および周方向に延在する複数のフレームによって網目状に形成されている。本体外周部2Aは、前上部に段差部2Sを有している。段差部2Sは、上縁が本体外周部2Aの後上部の上縁よりも下方に位置する。このように、本体外周部2Aは、前上部が後上部より一段低く形成されている。これにより、自転車用バスケット1を後部荷台M2に装着したときに、サドルM7がバスケット本体2に干渉するのを回避できる。
【0028】
なお、本発明に係る自転車用バスケット1は、本体外周部2Aが網目状に形成されたバスケットにのみ適用されるものではない。即ち、バスケット本体2は、本体外周部2Aが略全周に亘って板状に形成されてもよい。
【0029】
図3図4に示すように、本体底部2Bは、内リブ11と、外リブ12と、支持台部13と、連結台部14と、を有している。また、本体底部2Bには、第1取付孔2Hが複数設けられている。
【0030】
内リブ11は、前後方向および左右方向に複数延設されている。外リブ12は、内リブ11の形成域外周を囲うように環状に延設されている。外リブ12には、切欠部15が設けられている。切欠部15は、上下方向に偏平な略半長円形の切欠であり、外リブ12の左右の外リブ側部12Sにそれぞれ設けられている。切欠部15は、連結台部14の左右側方位置に設けられている。切欠部15は、外リブ側部12Sに隣接して延設された内リブ11にも同様に設けられている。これにより、自転車用バスケット1をハンドルM1に装着したときに、ハンドルバーM5が外リブ12に干渉するのを回避できる。
【0031】
図3図6に示すように、支持台部13は、本体底部2Bにおいてその下方へ略矩形台状に膨出形成されている。支持台部13は、外リブ12の内側における左右間の中央位置に設けられている。支持台部13は、外リブ12の内側における前後間の中央よりもやや前寄りの位置に設けられている。
【0032】
支持台部13の下面部(ステム受部)16は、平面状に形成されており、自転車用バスケット1をハンドルM1に装着させたとき、ハンドルステムM4の上面部P1に面合わせの状態で当接支持される。換言すると、自転車用バスケット1をハンドルM1に装着させたとき、ハンドルステムM4は、上面部P1を支持台部13の下面部16に面合わせの状態で当接させる。これにより、バスケット本体2は、ハンドルステムM4に下方から支持される。
【0033】
支持台部13は、第2取付孔17を有している。第2取付孔17は、円形の貫通孔であり、バスケット本体2の内側から支持台部13の下面部16に亘って上下方向に延設されている。第2取付孔17は、支持台部13における左右間の中央部に設けられている。
【0034】
なお、図5に示すように、ハンドルステムM4の上面部P1には、ネジ孔E1が設けられており、自転車用バスケット1を図1のようにハンドルM1に装着させる場合、第1固定ネジ4をバスケット本体2の内側から第2取付孔17を通してハンドルステムM4のネジ孔E1に螺合接続させる。これにより、バスケット本体2は、支持台部13の下面部16をハンドルステムM4の上面部P1に面接触させた状態で、ハンドルステムM4に支持固定される。
【0035】
またその際、座金5は、第1固定ネジ4と本体底部2Bとの間に介装される。図3に示すように、座金5は、貫通孔5Hを有する略長方形状の板体であり、第1固定ネジ4に環装された状態で、本体底部2Bの上面部(バスケット本体2の内側底面部)に設けられた凹没部2Dに埋設される。これにより、座金5は、回り止め状態で第1固定ネジ4と本体底部2Bとの間に介装され、支持台部13の下面部16とハンドルステムM4の上面部P1とをより強固に面接触させる。
【0036】
図3図6に示すように、連結台部14は、本体底部2Bにおいてその下方へ略矩形台状に膨出形成されており、第1係合部材3の連結部となる。連結台部14は、外リブ12の内側において、支持台部13の左右外側に一対並んで設けられている。
【0037】
図6図7に示すように、連結台部14は、第3取付孔18と、第1ハンドル受部19と、嵌合溝(被嵌合部)20と、を有している。
【0038】
第3取付孔18は、円形の貫通孔であり、バスケット本体2の内側から連結台部14の
下面部21に亘って上下方向に延設されている(図7図8参照)。第3取付孔18は、連結台部14における前後間の中央よりも前寄りの位置および後寄りの位置にそれぞれ設けられている。
【0039】
なお、自転車用バスケット1を図1のようにハンドルM1に装着させる場合、第2固定ネジ6をバスケット本体2の内側から第3取付孔18を通して固定ナット7に螺合接続させる(図4参照)。このとき、固定ナット7は、ブラケット3のナット保持部23に下方から収容される。これにより、バスケット本体2は、本体底部2Bとブラケット3とでハンドルバーM5を上下から挟み付けた状態で、ハンドルM1に支持固定される。
【0040】
第1ハンドル受部19は、連結台部14の下面部21における前後間の中央位置、即ち、2つの第3取付孔18の間に設けられている。第1ハンドル受部19は、円弧状に凹没形成されており、連結台部14の下面部21における左右の端縁相互間に亘って形成されている。従って、自転車用バスケット1をハンドルM1に装着させたとき、第1ハンドル受部19は、ハンドルバーM5の周面部P3の上略半面に面合わせの状態で当接支持される(図7参照)。換言すると、ハンドルバーM5は、周面部P3が連結台部14の第1ハンドル受部19に面合わせの状態で当接される。これにより、バスケット本体2は、ハンドルバーM5に下方から支持される。
【0041】
図6に示すように、嵌合溝20は、連結台部14の前後の周面部22における左右間の中央部に設けられている。嵌合溝20は、連結台部14の下面部21から周面部22に沿って上方に延設されており、連結台部14にブラケット3を取り付けたときに、ブラケット3に設けられた嵌合突起26が嵌合される(図7参照)。
【0042】
第1取付孔2Hは、円形または楕円形の貫通孔であり、バスケット本体2の内側から本体底部2Bの下面に亘って上下方向に延設されている。第1取付孔2Hは、固定プレート8に設けられたネジ孔8Hと重なり合うよう、本体底部2Bの前後方向および左右方向に複数並んで設けられている。
【0043】
なお、自転車用バスケット1を図2のように後部荷台M2に装着させる場合、第3固定ネジ9をバスケット本体2の内側から第1取付孔2Hを通して固定プレート8のネジ孔8Hに螺合接続させる(図4参照)。このとき、固定プレート8は、後部荷台M2の下方に配置される。これにより、バスケット本体2は、本体底部2Bと固定プレート8とで後部荷台M2を上下から挟み付けた状態で、後部荷台M2に支持固定される。
【0044】
図7図8に示すように、ブラケット3は、ナット保持部23と、第2ハンドル受部24と、突出片25と、嵌合突起(嵌合部)26と、を有している。
【0045】
ナット保持部23は、固定ナット7を埋没状態で収容可能な大きさの略矩形状の凹没部であり、ブラケット3の下面部27における前後位置に一対離間して設けられている。ナット保持部23には、ネジ挿通孔28と、爪片29と、が設けられている。
【0046】
ネジ挿通孔28は、円形の貫通孔であり、ナット保持部23の中心を通ってブラケット3の上下方向に延設されている。爪片29は、ナット保持部23の前後の内壁にてそれぞれ内向き(ナット保持部23の中心方向)に突設されており、固定ナット7がナット保持部23に挿入されたときに、固定ナット7を下方から掛合保持する。即ち、固定ナット7がブラケット3から脱落するのを阻止する。
【0047】
第2ハンドル受部24は、ブラケット3の上面部30における前後間の中央位置、即ち、2つのネジ挿通孔28の間に設けられている。第2ハンドル受部24は、円弧状に凹没
形成されており、ブラケット3の上面部30における左右の端縁相互間に亘って形成されている。従って、自転車用バスケット1をハンドルM1に装着させたとき、第2ハンドル受部24は、ハンドルバーM5の周面部P3の下略半面に面合わせの状態で当接支持される(図7参照)。換言すると、ハンドルバーM5は、周面部P3がブラケット3の第2ハンドル受部24に面合わせの状態で当接される。これにより、バスケット本体2は、ハンドルバーM5に対して強固に支持される。
【0048】
突出片25は、ブラケット3の上面部30の前後の両端縁に沿ってそれぞれ起立形成されている。突出片25は、連結台部14の前後方向の寸法よりも離間して配置されており、ブラケット3を連結台部14に装着させたとき、連結台部14の前後の周面部22にそれぞれ前後方向から掛合する。これにより、ブラケット3の前後方向への移動が阻止される。また、突出片25は、ブラケット3を連結台部14に連結させるときに、連結台部14に対してブラケット3を正しい方向へ案内する作用も奏する。
【0049】
図8に示すように、嵌合突起26は、突出片25の内側面(ブラケット3の前後間中央側の面)31における左右間の中央部に設けられている。嵌合突起26は、突出片25の基端部から先端部に亘って上下方向に延設されており、連結台部14にブラケット3を取り付けたときに、連結台部14に設けられた嵌合溝20に沿って嵌挿される。これにより、ブラケット3の左右方向への移動が阻止される。また、嵌合突起26および嵌合溝20は、突出片25と同様、第1係合部材3を連結台部14に連結させるときに、連結台部14に対してブラケット3を正しい方向へ案内する作用も奏する。
【0050】
なお、本実施形態の自転車用バスケット1では、連結台部14に嵌合溝20が設けられる一方、突出片25に嵌合突起26が設けられているが、連結台部14に嵌合突起26が設けられる一方、突出片25に嵌合溝20が設けられてもよい。このような構成とすることで、上記実施形態と同様、ブラケット3の左右方向への移動が阻止される。
【0051】
このように、本実施形態の自転車用バスケット1は、バスケット本体2と、自転車MのハンドルバーM5にバスケット本体2を係合可能な第1係合部材3と、自転車Mの後部荷台M2にバスケット本体2を係合可能な第2係合部材8と、自転車MのハンドルステムM4にバスケット本体2を固定可能な第1固定部材4と、バスケット本体2に第1係合部材3を固定可能な第2固定部材6と、バスケット本体2に第2係合部材8を固定可能な第3固定部材9と、バスケット本体2の底部2Bに設けられて、ハンドルステムM4の支持面部P1に面合わせの状態で当接可能なステム受部16と、を備えている。
【0052】
この構成によれば、バスケット本体2の底部2Bに設けられたステム受部16をハンドルステムM4の支持面部P1に当接させた状態で、第1固定部材4によってバスケット本体2をハンドルステムM4に固定させると共に、第1係合部材3によってバスケット本体2をハンドルバーM5に係合させ、且つ第2固定部材6によって第1係合部材3をバスケット本体2に固定させることで、自転車Mの前部(ハンドルステムM4およびハンドルバーM5)に対してバスケット本体2を安定して装着できる。一方、第2係合部材8によってバスケット本体2を後部荷台M2に係合させ、且つ第3固定部材9によって第2係合部材8をバスケット本体2に固定させることで、自転車Mの後部(後部荷台M2)に対してもバスケット本体2を安定して装着できる。よって、汎用性が向上する。
【0053】
しかも、このものでは、前部用バスケットおよび後部用バスケットの両方を別々に生産する必要がないから、生産性も向上する。また、上記両バスケットを販売店舗等において別々に展示、保管、管理する手間も省ける。
【0054】
また、バスケット本体2は、ハンドルバーM5の周面部P3に面合わせの状態で当接可
能な第1ハンドル受部19を有している。
【0055】
この構成によれば、ハンドルステムM4の支持面部P1およびハンドルバーM5の周面部P3に対してバスケット本体2を面で支持させることができるから、自転車Mの前部に対してバスケット本体2をより安定した姿勢で装着できる。よって、汎用性が一層向上する。
【0056】
また、第1係合部材3は、周面部P3に面合わせの状態で当接可能な第2ハンドル受部24を有している。
【0057】
この構成によれば、第1係合部材3にてバスケット本体2を面で係合保持させることができるから、自転車Mの前部に対してバスケット本体2をより安定した姿勢で装着できる。よって、汎用性が一層向上する。
【0058】
また、バスケット本体2は、第1係合部材3の連結部として、底部2Bにおいて下方に膨出形成された連結台部14を有し、第1係合部材3は、連結台部14に連結されたときに、連結台部14の周面部22に対面して配される突出片25を有している。
【0059】
この構成によれば、突出片25によって連結台部14に対する第1係合部材3の移動が阻止されるから、自転車Mの前部に対してバスケット本体2をより安定して装着できる。また、突出片25は、第1係合部材3を連結台部14に連結させるときに、連結台部14に対して第1係合部材3を正しい方向へ案内する作用も奏するから、装着時の作業性も向上する。
【0060】
また、第1係合部材3は、周面部22に設けられた被嵌合部20に嵌合可能な嵌合部26を有している。
【0061】
この構成によれば、嵌合部26および被嵌合部20によって連結台部14に対する第1係合部材3の移動が阻止されるから、自転車Mの前部に対してバスケット本体2をより安定して装着できる。
【0062】
また、第1固定部材4は、ステム受部16に底部2Bの上方から貫設されて、支持面部P1に設けられたネジ孔E1に螺合接続可能な固定ネジである。
【0063】
この構成によれば、ハンドルステムM4に対してバスケット本体2強固に固定させることができるから、自転車Mの前部に対してバスケット本体2をより安定した姿勢で装着できる。
【符号の説明】
【0064】
1 自転車用バスケット
2 バスケット本体
2A 本体外周部
2B 本体底部(底部)
3 ブラケット(第1係合部材)
4 第1固定ネジ(第1固定部材)
6 第2固定ネジ(第2固定部材)
8 固定プレート(第2係合部材)
9 第3固定ネジ(第3固定部材)
14 連結台部
16 ステム受部
19 第1ハンドル受部
20 嵌合溝(被嵌合部)
24 第2ハンドル受部
25 突出片
26 嵌合突起(嵌合部)
E1 ネジ孔
M 自転車
M2 後部荷台
M4 ハンドルステム
M5 ハンドルバー
P1 支持面部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8