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特開2025-13509コミュニケーション用色分け文字盤と当該文字盤の選択文字伝達方法
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  • 特開-コミュニケーション用色分け文字盤と当該文字盤の選択文字伝達方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013509
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】コミュニケーション用色分け文字盤と当該文字盤の選択文字伝達方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04842 20220101AFI20250117BHJP
   G09B 21/00 20060101ALI20250117BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
G06F3/04842
G09B21/00 Z
G06F3/01 510
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024194006
(22)【出願日】2024-11-05
(62)【分割の表示】P 2022042993の分割
【原出願日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】P 2021130460
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521351502
【氏名又は名称】鈴木 万葉
(74)【代理人】
【識別番号】100148851
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 和弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 万葉
(57)【要約】
【課題】よりシンプルに簡単かつ簡便に、比較的に短い時間や工程で選択文字の意思伝達が可能となるような、コミュニケーション用色分け文字盤と当該文字盤の選択文字伝達方法を提供できる。
【解決手段】複数の文字類が表示された文字盤上で、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示された文字類背景1210~1260又は/及び文字類囲み枠1410~1460と、グループごとに、個々に色分け表示された文字類と、を備えるコミュニケーション用色分け文字盤1000とする。また、複数の文字類が表示された文字盤上で、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示された文字類囲み枠1410~1460と、グループごとに、文字類毎に個々に色分け表示された文字類背景1210~1260と、を備えるコミュニケーション用色分け文字盤とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の文字類が表示または投影された空間または画面上で、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示された文字類背景又は/及び文字類囲み枠と、
前記色分け表示された文字類背景又は/及び文字類囲み枠の各グループ毎に、個々に色分け表示された文字類と、を表示または投影し、
前記文字類囲み枠は、複数の文字類を第一群として一の色に対応付けて囲む第一群囲み枠と、前記第一群囲み枠を複数束ねたより大きな第二群として一の色に対応付けて囲む第二群囲み枠と、を少なくとも含む
ことを特徴とする電子ディスプレイ装置。
【請求項2】
複数の文字類が表示または投影された空間または画面上で、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示された文字類囲み枠と、
前記色分け表示された文字類囲み枠の各グループ毎に、前記文字類毎に個々に色分け表示された文字類背景と、を表示または投影し、
前記文字類囲み枠は、複数の文字類を第一群として一の色に対応付けて囲む第一群囲み枠と、前記第一群囲み枠を複数束ねたより大きな第二群として一の色に対応付けて囲む第二群囲み枠と、を少なくとも含む
ことを特徴とする電子ディスプレイ装置。
【請求項3】
複数のコミュニケーション記号が表示または投影された空間または画面上で、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示されたコミュニケーション記号背景又は/及びコミュニケーション記号囲み枠と、
前記色分け表示されたコミュニケーション記号背景又は/及びコミュニケーション記号囲み枠の各グループ毎に、個々に色分け表示されたコミュニケーション記号と、を表示または投影し、
前記コミュニケーション記号囲み枠は、複数のコミュニケーション記号を第一群として一の色に対応付けて囲む第一群囲み枠と、前記第一群囲み枠を複数束ねたより大きな第二群として一の色に対応付けて囲む第二群囲み枠と、を少なくとも含む
ことを特徴とする電子ディスプレイ装置。
【請求項4】
複数のコミュニケーション記号が表示または投影された空間または画面上で、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示されたコミュニケーション記号囲み枠と、
前記色分け表示されたコミュニケーション記号囲み枠の各グループ毎に、前記コミュニケーション記号毎に個々に色分け表示されたコミュニケーション記号背景と、を表示または投影し、
前記コミュニケーション記号囲み枠は、複数のコミュニケーション記号を第一群として一の色に対応付けて囲む第一群囲み枠と、前記第一群囲み枠を複数束ねたより大きな第二群として一の色に対応付けて囲む第二群囲み枠と、を少なくとも含む
ことを特徴とする電子ディスプレイ装置。
【請求項5】
複数の文字類が表示または投影された空間または画面上で、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示された文字類背景又は/及び文字類囲み枠と、
前記色分け表示された文字類背景又は/及び文字類囲み枠の各グループ毎に、個々に色分け表示された文字類と、
前記色分けに対応した色を選択するためのみを目的とする色選択領域と、を表示または投影し、
前記色選択領域のそれぞれは、前記文字類の各表示領域よりも大きな占有面積を有し、
前記色選択領域は、前記文字類の表示領域の上または/及び下に配置された色バンドまたは色帯であり、
前記色バンドまたは前記色帯には、色番号またはカラー名が明記されている
ことを特徴とする電子ディスプレイ装置。
【請求項6】
複数のコミュニケーション記号が表示または投影された空間または画面上で、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示されたコミュニケーション記号背景又は/及びコミュニケーション記号囲み枠と、
前記色分け表示されたコミュニケーション記号背景又は/及びコミュニケーション記号囲み枠の各グループ毎に、個々に色分け表示されたコミュニケーション記号と、
前記色分けに対応した色を選択するためのみを目的とする色選択領域と、を表示または投影し、
前記色選択領域のそれぞれは、前記コミュニケーション記号の各表示領域よりも大きな占有面積を有し、
前記色選択領域は、前記コミュニケーション記号の表示領域の、上側または下側または左側または右側の少なくともいずれか、に配置された色バンドまたは色帯であり、
前記色バンドまたは前記色帯には、色番号またはカラー名が明記されている
ことを特徴とする電子ディスプレイ装置。
【請求項7】
複数の文字類が表示または投影された空間または画面上で、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示された文字類囲み枠と、
前記色分け表示された文字類囲み枠の各グループ毎に、前記文字類毎に個々に色分け表示された文字類背景と、
前記色分けに対応した色を選択するためのみを目的とする色選択領域と、を表示または投影し、
前記色選択領域のそれぞれは、前記文字類の各表示領域よりも大きな占有面積を有し、
前記色選択領域は、前記文字類の表示領域の上または/及び下に配置された色バンドまたは色帯であり、
前記色バンドまたは前記色帯には、色番号またはカラー名が明記されている
ことを特徴とする電子ディスプレイ装置。
【請求項8】
複数のコミュニケーション記号が表示または投影された空間または画面上で、少なくと
も2以上にグループ分けして色分け表示されたコミュニケーション記号囲み枠と、
前記色分け表示されたコミュニケーション記号囲み枠の各グループ毎に、前記コミュニケーション記号毎に個々に色分け表示されたコミュニケーション記号背景と、
前記色分けに対応した色を選択するためのみを目的とする色選択領域と、を表示または投影し、
前記色選択領域のそれぞれは、前記コミュニケーション記号の各表示領域よりも大きな占有面積を有し、
前記色選択領域は、前記コミュニケーション記号の表示領域の、上側または下側または左側または右側の少なくともいずれか、に配置された色バンドまたは色帯であり、
前記色バンドまたは前記色帯には、色番号またはカラー名が明記されている
ことを特徴とする電子ディスプレイ装置。
【請求項9】
複数の文字類が表示または投影された空間または画面上で、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示された文字類背景又は/及び文字類囲み枠と、
前記色分け表示された文字類背景又は/及び文字類囲み枠の各グループ毎に、個々に色分け表示された文字類と、
前記色分けに対応した色を選択するためのみを目的とする色選択領域と、を表示または投影させる
ことを特徴とする電子ディスプレイ装置。
【請求項10】
複数の文字類が表示または投影された空間または画面上で、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示された文字類囲み枠と、
前記色分け表示された文字類囲み枠の各グループ毎に、前記文字類毎に個々に色分け表示された文字類背景と、
前記色分けに対応した色を選択するためのみを目的とする色選択領域と、を表示または投影させる
ことを特徴とする電子ディスプレイ装置。
【請求項11】
複数のコミュニケーション記号が表示または投影された空間または画面上で、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示されたコミュニケーション記号背景又は/及びコミュニケーション記号囲み枠と、
前記色分け表示されたコミュニケーション記号背景又は/及びコミュニケーション記号囲み枠の各グループ毎に、個々に色分け表示されたコミュニケーション記号と、
前記色分けに対応した色を選択するためのみを目的とする色選択領域と、を表示または投影させる
ことを特徴とする電子ディスプレイ装置。
【請求項12】
複数のコミュニケーション記号が表示または投影された空間または画面上で、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示されたコミュニケーション記号囲み枠と、
前記色分け表示されたコミュニケーション記号囲み枠の各グループ毎に、前記コミュニケーション記号毎に個々に色分け表示されたコミュニケーション記号背景と、
前記色分けに対応した色を選択するためのみを目的とする色選択領域と、を表示または投影させる
ことを特徴とする電子ディスプレイ装置。
【請求項13】
フォント色と、フォントの背景色と、フォントを囲む色枠と、の少なくとも二つ以上を利用して、空間または画面上に表示または投影されている複数のフォントの中から任意の一つを、少なくとも二回以上の色のみの選択指定の入力を受けることにより、特定する
ことを特徴とする電子ディスプレイ装置。
【請求項14】
複数のコミュニケーション記号を空間または画面上に表示または投影し、
前記コミュニケーション記号は、前記コミュニケーション記号を囲む枠色と、前記コミュニケーション記号の背景色と、前記コミュニケーション記号それ自体の記号色との3態様のうち少なくとも2態様の色分けとされ、
前記2態様の色分けの一方が縦の色配列であり、他方が横の色配列である
ことを特徴とする電子ディスプレイ装置。
【請求項15】
複数のコミュニケーション記号を空間または画面上に表示または投影し、
前記コミュニケーション記号には、各々前記コミュニケーション記号を囲む枠色と、前記コミュニケーション記号の背景色と、前記コミュニケーション記号それ自体の記号色との3態様のうち少なくとも2態様の色分けとされ、各色分けの組み合わせ色態様に対して一つの前記コミュニケーション記号が1対1で対応付けされている
ことを特徴とする電子ディスプレイ装置。
【請求項16】
請求項2に記載の電子ディスプレイ装置における文字類特定方法であって、
前記第二群囲み枠の一の色の入力を検知センサーまたはカメラから入力される段階と、
前記第一群囲み枠の一の色の入力を前記検知センサーまたはカメラから入力される段階と、
前記文字類背景の一の色の入力を前記検知センサーまたはカメラから入力される段階と、を少なくとも有し、
前記検知センサーまたはカメラは、利用者の視線または動作または身体の少なくとも一部の動きを検知する
ことを特徴とする文字類特定方法。
【請求項17】
請求項4に記載の電子ディスプレイ装置におけるコミュニケーション記号特定方法であって、
前記第二群囲み枠の一の色の入力を検知センサーまたはカメラから入力される段階と、
前記第一群囲み枠の一の色の入力を前記検知センサーまたはカメラから入力される段階と、
前記コミュニケーション記号背景の一の色の入力を前記検知センサーまたはカメラから入力される段階と、を少なくとも有し、
前記検知センサーまたはカメラは、利用者の視線または動作または身体の少なくとも一部の動きを検知する
ことを特徴とするコミュニケーション記号特定方法。
【請求項18】
請求項7または請求項10に記載の電子ディスプレイ装置における文字類特定方法であって、
前記文字類囲み枠の一の色の入力を検知センサーまたはカメラから入力される段階と、
前記文字類背景の一の色の入力を前記検知センサーまたはカメラから入力される段階と、を少なくとも有し、
前記検知センサーまたはカメラは、利用者の視線または動作または身体の少なくとも一部の動きを検知する
ことを特徴とする文字類特定方法。
【請求項19】
請求項8または請求項12に記載の電子ディスプレイ装置におけるコミュニケーション記号特定方法であって、
前記コミュニケーション記号囲み枠の一の色の入力を検知センサーまたはカメラから入力される段階と、
前記コミュニケーション記号背景の一の色の入力を前記検知センサーまたはカメラから入力される段階と、を少なくとも有し、
前記検知センサーまたはカメラは、利用者の視線または動作または身体の少なくとも一部の動きを検知する
ことを特徴とするコミュニケーション記号特定方法。
【請求項20】
電子ディスプレイ装置におけるフォント特定方法であって、
フォント色と、フォントの背景色と、フォントを囲む色枠と、の少なくとも二つ以上を利用して、空間または画面上に表示されている複数のフォントの中から任意の一つを、少なくとも二回以上の色のみの選択指定の入力を受けることにより、特定する段階を有する
ことを特徴とするフォント特定方法。
【請求項21】
請求項14または請求項15に記載の電子ディスプレイ装置におけるコミュニケーション記号特定方法であって、
前記記号色と、前記背景色と、前記枠色と、の少なくとも二つ以上を利用して、空間または画面上に表示されている複数のフォントの中から任意の一つを、少なくとも二回以上の色のみの選択指定の入力を受けることにより、特定する段階を有する
ことを特徴とするコミュニケーション記号特定方法。
【請求項22】
請求項16または請求項18に記載の文字類特定方法であって、
前記検知センサーまたはカメラは、利用者のアバターの視線または動作、または前記アバターの少なくとも一部の動きを検知する
ことを特徴とする文字類特定方法。
【請求項23】
請求項17または請求項19に記載のコミュニケーション記号特定方法であって、
前記検知センサーまたはカメラは、利用者のアバターの視線または動作、または前記アバターの少なくとも一部の動きを検知する
ことを特徴とするコミュニケーション記号特定方法。
【請求項24】
請求項16または請求項18または請求項22に記載の文字類特定方法であって、
前記入力は、前記検知センサーまたはカメラの検出信号に基づいて、AIにより前記利用者の意図を判断して指示されるものである
ことを特徴とする文字類特定方法。
【請求項25】
請求項17または請求項19または請求項23に記載のコミュニケーション記号特定方法であって、
前記入力は、前記検知センサーまたはカメラの検出信号に基づいて、AIにより前記利用者の意図を判断して指示されるものである
ことを特徴とするコミュニケーション記号特定方法。
【請求項26】
請求項16乃至請求項25のいずれか一項に記載の方法を前記電子ディスプレイ装置に実行させるためのダウンロード可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コミュニケーション用色分け文字盤と当該文字盤の選択文字伝達方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、身体障害者及び/又は高齢者が普段使用している文字盤を利用できる意思伝達装置及び意思伝達方法を提供することを解決課題とする発明が開示されている。具体的には、従来の意思伝達装置は、専用の文字盤を必須としており、そのような専用の文字盤と、身体障害者等が普段使用している文字盤との間では、文字及び/又は記号の種類及び/又は配列が異なることが想定されることから、身体障害者等は、普段慣れている文字入力の動作ではなく、その装置専用の文字盤(普段使用していない文字盤)の構成に合わせた文字入力の動作をしなければならない。この結果、大きなストレスを感じることが記載されている。
【0003】
そして、このようなストレス等を低減するために、特許文献1の発明によれば、複数の被伝達情報を有する文字盤の画像から、前記文字盤の被伝達情報に対応する被伝達情報の領域を設定する被伝達情報領域設定手段と、前記文字盤における位置情報を入力する入力手段と、前記位置情報に対応する被伝達情報領域を判別する判別手段と、前記判別された被伝達情報領域に対応する文字盤における領域を特定する特定手段とを有する意思伝達装置を提案することが記載されている。
【0004】
しかし、例えば日常的に使い慣れた文字盤を使用するものとしても、なお、使用者と介助者との間での“あうんの呼吸”というか、相互の習熟・熟練は必要となるものであって、視線移動と視線固定先の読み取り等に基づく、選択文字の正確な把握・確定は、経験のない初心者にはハードルが高いものである。また、ALS患者等が使用する透明文字盤においても、視線先を読み取るには透明文字盤を動かす必要があり、次の文字を選択読み取りするために、文字盤の片隅から反対側の片隅まで移動させる(すなわち文字盤の対角線すべての長距離移動動作)必要が生じる場合も少なくない。
【0005】
また、指伝話文字盤等を使用する場合には、例えば「わ」を選択したいと思った場合には、「あ」行から始まる順次ソート(このような順次ソートは介助者による音声称呼で行われたり、文字盤への指さしで行われることも多い)において「わ」行に来るまで待たなくてはいけない。そして、やっと「わ」行まで来た時点で初めて“まばたき”等によって、当該文字の選択意思を介助者に表示するものとなるので、選択文字の意思表示に極めて多大な時間を要していたし、介助者による手間工数も多大なものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2019/107465
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】コミュニケーション支援ボード反対言葉- 48個,どうしよう!?AAC[online],2019年07月09日,インターネットURL https://www.doushiyouaac.com/blog/2019/7/9/-48
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の問題点に鑑み為されたものであり、よりシンプルに簡単かつ簡便に、比較的に短い時間や工程で選択文字の意思伝達が可能となるような、コミュニケーション用色分け文字盤と当該文字盤の選択文字伝達方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のコミュニケーション用色分け文字盤は、複数の文字類が表示された文字盤上で、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示された文字類背景又は/及び文字類囲み枠と、グループごとに、個々に色分け表示された文字類と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤は、複数の文字類が表示された文字盤上で、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示された文字類囲み枠と、グループごとに、文字類毎に個々に色分け表示された文字類背景と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤は、好ましくは文字類囲み枠は、複数の文字類を第一群として一の色に対応付けて囲む第一群囲み枠と、第一群囲み枠を複数束ねたより大きな第二群として一の色に対応付けて囲む第二群囲み枠と、を少なくとも備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤は、さらに好ましくは文字類は、アルファベットか平仮名かカタカナか記号か数字かカスタムのいずれか少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤は、さらに好ましくは色分けに対応した色を選択するためのみを目的とする色選択領域を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤は、さらに好ましくは色選択領域のそれぞれは、文字類の各表示領域よりも大きな占有面積を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤は、さらに好ましくは色選択領域は、文字類の表示領域の上または/及び下に配置された色バンドまたは色帯であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤を用いた選択文字伝達方法は、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示された色から任意の色を選択する第一色選択段階と、個々に色分け表示された文字類の色から任意の色を選択する第二色選択段階と、を有し、各段階の色の選択は、選択を希望する文字類に対応するところの色であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤を用いた選択文字伝達方法は、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示された色から任意の色を選択する第一色選択段階と、個々に色分け表示された文字類背景の色から任意の色を選択する第二色選択段階と、を有し、各段階の色の選択は、選択を希望する文字類に対応するところの色であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤を用いた選択文字伝達方法は、好ましくは色の選択が、視線の移動固定先を介助者が読み取り推定する、または文言音声で発声する、または指し示しをする、のいずれか一つ以上による選択であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤を用いた選択文字伝達方法は、さらに好ましくはコミュニケーション用色分け文字盤が、色分けに対応した色を選択するためのみを目的とする色選択領域を備え、視線の移動固定のターゲットまたは指し示しのターゲットは、色選択領域に対するものであることを特徴とする。
【0020】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤を用いた選択文字伝達方法は、さらに好ましくは色選択領域のそれぞれが、文字類の各表示領域よりも大きな占有面積を有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤を用いた選択文字伝達方法は、さらに好ましくは色選択領域が、文字類の表示領域の上または/及び下に配置された色バンドまたは色帯であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
よりシンプルに簡単かつ簡便に、比較的に短い時間や工程で選択文字の意思伝達が可能となるような、コミュニケーション用色分け文字盤と当該文字盤の選択文字伝達方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下の説明における図面は、本発明の例示であるところの実施形態の一例に過ぎず、本発明の技術思想の開示範囲内で公知の技術思想等を踏まえて、ここに明示していない他の態様等を当業者が想到乃至実施できることは明らかである。
図1】第一の実施形態にかかるコミュニケーション用色分け文字盤を説明する図であり、(a)が文字群表示領域の上と下のスペースにそれぞれ色選択領域としての色バンドを備える場合を説明し、(a)が文字群表示領域の上と下のスペースにそれぞれ色選択領域としての色バンドを備える場合を説明し、(b)が色バンドを備えない場合を説明し、(c)が文字群表示領域の上のスペースに色選択領域としての色バンドを備える場合を説明し、図1(d)が文字群表示領域の下のスペースに色選択領域としての色バンド1100を備える場合を説明している。
図2】第二の実施形態にかかるコミュニケーション用色分け文字盤を説明する図である。
図3】本件発明にかかるコミュニケーション用色分け文字盤のバリエーションを説明する図である。
図4】本件発明にかかるコミュニケーション用色分け文字盤のバリエーションを説明する図である。
図5】第三の実施形態にかかるコミュニケーション用色分け文字盤を説明する図である。
図6】第四の実施形態にかかるコミュニケーション用色分け文字盤を説明する図である。
図7】符号を記載していない図1に相当する図である。
図8】符号を記載していない図2に相当する図である。
図9】符号を記載していない図5に相当する図である。
図10】符号を記載していない図6に相当する図である。
図11】背景色を利用せず(すなわち背景色はなし)に、コミュニケーション記号の囲み枠色と、コミュニケーション記号それ自体の色と、でそれぞれ4色分け構成されたコミュニケーションボードの構成例を説明する図であり、(a)が記号配置領域の上下にそれぞれ色選択バー(色帯)が配置されている例を示し、(b)が色選択バー(色帯)を備えない例を説明するものである。
図12】コミュニケーション記号の囲み枠色を利用せず(すなわち囲み枠色はなし)に、コミュニケーション記号の背景色と、コミュニケーション記号それ自体の色と、でそれぞれ4色分け構成されたコミュニケーションボードの構成例を説明する図であり、(a)が記号配置領域の上部に色選択バーが配置されている例を示し、(b)が記号配置領域の下部に色選択バーが配置されている例を説明するものである。
図13】コミュニケーション記号それ自体の色は一定(典型的には黒色)で、コミュニケーション記号囲み枠色(同一囲み枠色を縦配列)と背景色(同一背景を横配列)とで色グループ分けした例であって、(a)が記号配置領域の上下にそれぞれ色選択バー(色帯)が配置されている例を示し、(b)が色選択バー(色帯)を備えない例を説明するものである。
図14】コミュニケーション記号それ自体の色は一定(典型的には黒色)で、コミュニケーション記号囲み枠色(同一囲み枠色を横配列)と背景色(同一背景を縦配列)とで色グループ分けした例であって、(a)が記号配置領域の上に色選択バー(色帯)が配置されている例を示し、(b)が記号配置領域の上に色選択バー(色帯)が配置されている例を説明するものである。
図15】2カラー色分けで枠色と背景色とを利用(記号色は一定(例えば黒色))してカスタム表示のみ(カスタム記号は任意)の実施例を説明する図であって、(a)が枠色を同色縦配置とし背景色を同色横配置として上下に色選択バーを設けた例を説明するものであり、(b)が枠色を同色横配置とし背景色を同色縦配置として左右に色選択バーを設けた例を説明するものである。
図16】3カラー色分けで枠色と記号色とを利用(背景色は無し)してカスタム表示のみ(カスタム記号は任意)の実施例を説明する図であって、(a)が枠色を同色縦配置とし記号色を同色横配置として上下に色選択バーを設けた例を説明するものであり、(b)が枠色を同色横配置とし記号色を同色縦配置として下部のみに色選択バーを設けた例を説明するものである。
図17】5カラー色分けで背景色と記号色とを利用(枠色は無し)してカスタム表示のみ(カスタム記号は任意)の実施例を説明する図であって、(a)が背景色を同色縦配置とし記号色を同色横配置として上に色選択バーを設けた例を説明するものであり、(b)が背景色を同色横配置とし記号色を同色縦配置として色選択バーを設けない例を説明するものである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、要介助者がより簡単に文字等を選択できる文字盤を提供できるものである。色で選択できるので視線移動先の推測間違いが少なく、スムースかつ簡便に選択物を介護者に視線等で伝えることが可能である。さらには、文字に比べて視線先のターゲットが大きい(選択色領域の面積を広くできる)ので利用者の視線移動が容易であるとともに、介護者による目線先の推測読み取りも極めて解り易く容易であり、間違いが少なくさらにそのための読み取り時間も短縮できる。
【0025】
このようなコミュニケーション文字盤を用いて指さし利用で特定選択する場合や、色を文言音声で特定選択する場合においても同様の作用・効果は得られる。また、要介護者個々人の状態や特性に応じて、色使いや配色等を最適になるようにアレンジすることが可能である。
【0026】
介護者による視線読み取りは、従来 簡単に誰でも直ぐにできるというものでは無く、長時間の慣れと熟練とコツの習得が必要であり、また、介護者と要介護者との間でくせ・特徴・個性の相互理解や信頼関係などが必要とされていたものであるが、本発明によってそのような高度なハードルを低減するものとなる。
【0027】
(第一の実施形態)
図1は、第一の実施形態にかかるコミュニケーション用色分け文字盤1000を説明する図である。図1(a)が文字群表示領域1200の上と下のスペースにそれぞれ色選択領域としての色バンド1100(1),1100(2)を備える場合を説明し、図1(b)が色バンド1100(1),1100(2)を備えない場合を説明し、図1(c)が文字群表示領域1200の上のスペースに色選択領域としての色バンド1100を備える場合を説明し、図1(d)が文字群表示領域1200の下のスペースに色選択領域としての色バンド1100を備える場合を説明している。
【0028】
図1に示すように、コミュニケーション用色分け文字盤1000は例えば透明な樹脂シート基材に、アルファベットや任意のカスタム文字・記号・数字が表示され、複数の各文字類が略同一占有面積で整然と列記されており、伝達したい文言を例えば一文字ずつ順次選択して文章や単語に形成することで、介助者に意思を伝達するために用いられる。図1においては、文字群表示領域1200に、アルファベットや記号や数字及び複数のカスタム語が表示されている態様を示しているが、平仮名・フランス語・ドイツ語・ロシア語・中国語・アラビア語・ハングル文字等でも良く、表示される文字類は意思伝達に関わる全ての任意の文字等であってよい。
【0029】
図1(a)において、文字群表示領域1200は、紙面左から順に赤色背景1210と青色背景1220と緑色背景1230と黄色背景1240と水色背景1250と紫色背景1260とに背景色が6色に分類されている。図1(a)に示すように、例えば赤色背景1210には、文字類として「Q」「W」「A」「S」「Z」「X」の六文字が含まれており、例えば青色背景1220には、文字類として「E」「R」「D」「F」「C」「V」の六文字が含まれており、他の背景色1230乃至1260においても同様に任意の六文字ずつが含まれている。
【0030】
さらに、図1(a)に示すように、コミュニケーション用色分け文字盤1000の各文字類は、色分けフォントで色分け表示されており、例えば「Q」は赤色フォント1310、「W」は青色フォント1320、「A」は緑色フォント1330、「S」は黄色フォント1340、「Z」は水色フォント1350、「X」は、紫色フォント1360で表示されている。すなわち、例えば要介護者が文字「A」を選択したいと考えた場合には、まず赤色背景1210を伝達するために赤色帯1110を視線または指差等で選択し、次に緑色フォント1330を伝達するために緑色帯1130を視線または指差等で選択する。
【0031】
同様に例えば「E」は赤色フォント1310、「R」は青色フォント1320、「D」は緑色フォント1330、「F」は黄色フォント1340、「C」は水色フォント1350、「V」は、紫色フォント1360で表示されている。すなわち、例えば要介護者が文字「D」を選択したいと考えた場合には、まず青色背景1220を伝達するために青色帯1120を視線または指差等で選択し、次に緑色フォント1330を伝達するために緑色帯1130を視線または指差等で選択する。また、1140は黄色帯であり、1150は水色帯であり、1160は紫色帯である。これらの配色や順序・配列は任意なものとできる。
【0032】
そして、このような色帯1110乃至1160の各占有面積は、文字群表示領域1200に示される各文字類個々それぞれの占有面積よりも好ましくは大きいので、視線や指差の移動や固定が容易・迅速であり、また介助者等によるその読み取りや認識・把握も容易であり、間違いや確認に要する時間手間が低減されて、正確で迅速な意思伝達が可能となる。
【0033】
上記したように、各フォントの色は、背景色が異なる文字間においては重複して同じフォント色が存在しても問題ないが、同一背景色内の文字類間においてはフォント色は重複しないものとする。仮に、これが重複すれば、当該色を意思表示した場合に重複したいずれの文字を伝達したいのかが不明となってしまい、追加の確認選択の手間が生じることとなる。背景色の選定(大概念)からフォント色の選定(小概念)に至るまでの間において、各段階における色選定で重複色は存在しないことが好ましい。但し、重複色であっても濃淡を付けて差別化することで、容易に識別可能な文字盤構成とすることも可能である。
【0034】
図1(b)と図1(c)と図1(d)においても、文字群表示領域1200に示される文字類のフォント色と背景色の配色・配置は図1(a)に示す態様と同様であって、色帯1100の配置有無及び配置位置が異なるのみであるので説明は省略する。なお、図1(b)の態様においては、色帯1100を示さないが色帯1100を例えばコミュニケーション用色分け文字盤1000とは別途個別の透明基材シート等に別体として設けることも可能であるし、色の選別伝達のみで各文字の指定伝達まで可能となる点で、一定の本発明の作用効果を奏するものである。
【0035】
(第二の実施形態)
図2は、第二の実施形態にかかるコミュニケーション用色分け文字盤2000を説明する図である。図2(a)が文字群表示領域2200の上と下のスペースにそれぞれ色選択領域としての色バンド1100(1),1100(2)を備える場合を説明し、図2(b)が色バンド1100(1),1100(2)を備えない場合を説明し、図2(c)が文字群表示領域2200の上のスペースに色選択領域としての色バンド1100を備える場合を説明し、図2(d)が文字群表示領域2200の下のスペースに色選択領域としての色バンド1100を備える場合を説明している。
【0036】
図2に示すように、コミュニケーション用色分け文字盤2000は例えば透明な樹脂シート基材に、アルファベットや任意のカスタム文字・記号・数字が表示され、複数の各文字類が略同一占有面積で整然と列記されていおり、伝達したい文言を例えば一文字ずつ順次選択して文章や単語に形成することで、介助者に意思を伝達するために用いられる。図2においては、文字群表示領域2200に、アルファベットや記号や数字及び複数のカスタム語が表示されている態様を示しているが、平仮名・フランス語・ドイツ語・ロシア語・中国語・アラビア語・ハングル文字等でも良く、表示される文字類は意思伝達に関わる全ての任意の文字等であってよい。
【0037】
図2(a)において、文字群表示領域2200は、紙面左から順に赤色枠1410と青色枠1420と緑色枠1430と黄色枠1440と水色枠1450と紫色枠1460とに各文字枠色が6色に分類されている。説明の都合上、各色枠1410~1460は破線で囲って示しているが、各破線内に位置する各文字類ごとに矩形の色枠が個別に設けられていることは図2に示すとおりである。図2(a)に示すように、例えば赤色枠1410で個別に囲まれるアルファベット文字は、「Q」「W」「A」「S」「Z」「X」の六文字が含まれており、例えば青色枠1420には、文字類として「E」「R」「D」「F」「C」「V」の六文字が含まれており、他の色枠1430乃至1460においても同様に任意の六文字ずつが含まれることができる。
【0038】
さらに、図2(a)に示すように、コミュニケーション用色分け文字盤2000の各文字類は、色分けフォントで色分け表示されており、例えば「Q」は赤色フォント1310、「W」は青色フォント1320、「A」は緑色フォント1330、「S」は黄色フォント1340、「Z」は水色フォント1350、「X」は、紫色フォント1360で表示されている。すなわち、例えば要介護者が文字「A」を選択したいと考えた場合には、まず赤色枠1410を伝達するために赤色帯1110を視線または指差等で選択し、次に緑色フォント1330を伝達するために緑色帯1130を視線または指差等で選択する。
【0039】
同様に例えば「E」は赤色フォント1310、「R」は青色フォント1320、「D」は緑色フォント1330、「F」は黄色フォント1340、「C」は水色フォント1350、「V」は、紫色フォント1360で表示されている。すなわち、例えば要介護者が文字「D」を選択したいと考えた場合には、まず青色枠1420を伝達するために青色帯1120を視線または指差等で選択し、次に緑色フォント1330を伝達するために緑色帯1130を視線または指差等で選択する。また、1140は黄色帯であり、1150は水色帯であり、1160は紫色帯である。これらの配色や順序・配列は任意なものとできる。
【0040】
そして、このような色帯1110乃至1160の各占有面積は、文字群表示領域2200に示される各文字類個々それぞれの占有面積よりも好ましくは大きいので、視線や指差の移動や固定が容易・迅速であり、また介助者等によるその読み取りや認識・把握も容易であり、間違いや確認に要する時間手間が低減されて、正確で迅速な意思伝達が可能となる。
【0041】
上記したように、各フォントの色は、文字枠色が異なる文字間においては重複して同じフォント色が存在しても問題ないが、同一枠色内の文字類間においてはフォント色は重複しないものとする。仮に、これが重複すれば、当該色を意思表示した場合に重複したいずれの文字を伝達したいのかが不明となってしまい、追加の確認選択の手間が生じることとなる。背景色の選定(大概念)からフォント色の選定(小概念)に至るまでの間において、各段階における色選定で重複色は存在しないことが好ましい。
【0042】
図2(b)と図2(c)と図2(d)においても、文字群表示領域2200に示される文字類のフォント色と背景色の配色・配置は図2(a)に示す態様と同様であって、色帯1100の配置有無及び配置位置が異なるのみであるので説明は省略する。なお、図2(b)の態様においては、色帯1100を示さないが色帯1100を例えばコミュニケーション用色分け文字盤2000とは別途個別の透明基材シート等に別体として設けることも可能であるし、色の選別伝達のみで各文字の指定伝達まで可能となる点で、一定の本発明の作用効果を奏するものである。
【0043】
図3乃至図4は、本件発明にかかるコミュニケーション用色分け文字盤のバリエーションを説明する図である。いずれの場合においても、色の指定伝達のみを何段階かに分けて複数回繰り返すのみで、一文字や一文字区画(カスタム等)に到達指定してこれを伝達することが可能となる。色の選定は直感的であって、比較的容易である。さらに、色を指定するために専有面積も比較的大きく設けることが可能であり、迅速で簡単な選択が可能となる。
【0044】
また、図3乃至図4に示すように、各フォント文字類の配置・配列・大きさ・占有面積等は任意であり、また背景カラーと文字カラー(フォント色)とフレームカラー及びフレーム囲みの大きさや範囲(その色の属する文字類のグループ分けの大きさや数)も任意とすることができる。さらに、コミュニケーション用色分け文字盤の基材としては例えば透明フィルム・板や白色フィルム・板その他公知の任意素材・色を使用することができ、大きさもA4やA5等使用者に適した任意の大きさで良い。また、背景カラーと文字カラー(フォント色)とフレーム囲みカラー(文字ごと色分け・行ごと色分け・列ごと色分け・グループごと色分け等々)の3つのうちの任意の一つ以上を、適宜組み合わせて・又は用いて、複数回の色指定で一文字を選択できるように構成することができる。例えば、グループごと色分けフレーム囲みカラーと、列ごと色分け(又は行ごと色分け)フレーム囲みカラーと、文字ごと色分けフレーム囲みカラーと、を用いて3段階の色選択で一文字を選択できるように構成しても良い。
【0045】
(第三の実施形態)
図5は、第三の実施形態にかかるコミュニケーション用色分け文字盤3000を説明する図である。図5(a)が文字群表示領域3200の上と下のスペースにそれぞれ色選択領域としての色バンド1100(1),1100(2)を備える場合を説明し、図5(b)が色バンド1100(1),1100(2)を備えない場合を説明し、図5(c)が文字群表示領域3200の上のスペースに色選択領域としての色バンド1100を備える場合を説明し、図5(d)が文字群表示領域3200の下のスペースに色選択領域としての色バンド1100を備える場合を説明している。
【0046】
図5に示すように、コミュニケーション用色分け文字盤3000は例えば透明な樹脂シート板基材に、平仮名や任意のカスタム文字・記号・数字・句読点が表示され、複数の各文字類が略同一占有面積で整然と列記されていおり、伝達したい文言を例えば一文字ずつ順次選択して文章や単語に形成することで、介助者に要介助者の意思を伝達するために用いられる。図5においては、文字群表示領域3200に、平仮名や記号や数字及び複数のカスタム語が表示されている態様を示しているが、アルファベットやフランス語、ドイツ語、ロシア語、中国語、アラビア語、ハングル文字等でも良く、表示される文字類は使用者の意思伝達に関わる全ての任意の文字等の全部または一部であってよい。
【0047】
図5(a)において、文字群表示領域3200の平仮名等は、紙面右から順に赤色大枠1510と青色大枠1520との2色の各色枠内にグループ分け配置されている。図5(a)に示すように、例えば赤色大枠1510に囲まれる文字類は、「あ行」「か行」「さ行」「た行」「な行」の各平仮名文字及び6,7,8,9,0の各数字が含まれており、また例えば青色大枠1520には、文字類として「は行」「ま行」「や行」「ら行」「わ行」の各平仮名文字及び1,2,3,4,5の各数字及び句読点が含まれている。
【0048】
図5(a)において、文字群表示領域3200の赤色大枠1510と青色大枠1520とのそれぞれにおいて、紙面左から順に水色背景1250と黄色背景1240と緑色背景1230と青色背景1220と赤色背景1210とに背景色が5色の縦の列に分類されている。図5(a)に示すように、例えば赤色大枠1510の赤色背景1210には、文字類として「あ」「い」「う」「え」「お」「0」の六文字が含まれており、例えば赤色大枠1510の青色背景1220には、文字類として「か」「き」「く」「け」「こ」「9」の六文字が含まれており、他の背景色においても同様にそれぞれ任意の六文字や句読点が含まれている。
【0049】
より具体的には、図5に示す「あ行」及び「は行」は赤色背景1210とされ、「か行」及び「ま行」は青色背景1220とされ、「さ行」及び「や行」は緑色背景1230とされ、「た行」及び「ら行」は黄色背景1240とされ、「な行」及び「わ行」は水色背景1250とされる。
【0050】
さらに、図5(a)に示すように、コミュニケーション用色分け文字盤3000の各文字類は、色分けフォントで色分け表示されており、例えば「あ」は赤色フォント1310、「い」は青色フォント1320、「う」は緑色フォント1330、「え」は黄色フォント1340、「お」は水色フォント1350、「0」は、紫色フォント1360で表示されている。他の列、例えば「か行」や「さ行」・・、「は行」や「ま行」・・の各フォント色においても同様である。すなわち、例えば要介護者が文字「あ」を選択し伝達したいと考えた場合には、まず赤色大枠1510を伝達するために赤色帯1110を視線または指差等で選択し、次に赤色背景1210を伝達するために赤色帯1110を視線または指差等で選択し、そして赤色フォント1310を伝達するために赤色帯1110を視線または指差等で選択する。
【0051】
同様に例えば「わ」は赤色フォント1310、「を」は青色フォント1320、「ん」は緑色フォント1330、「、」は黄色フォント1340、「。」は水色フォント1350、「1」は、紫色フォント1360で表示されている。すなわち、例えば要介護者が文字「ん」を選択し伝達したいと考えた場合には、まず青色大枠1520を伝達するために青色帯1120を視線または指差等で選択し、次に緑色フォント1330を伝達するために緑色帯1130を視線または指差等で選択する。また、1140は黄色帯であり、1150は水色帯であり、1160は紫色帯である。これらの配色や順序・配列は使用者に適した任意なものとできる。
【0052】
そして、このような色帯1110乃至1160の各占有面積は、文字群表示領域3200に示される各文字類個々それぞれの占有面積よりも好ましくは大きいので、視線や指差の移動や固定が容易・迅速であり、また介助者等によるその読み取りや認識・把握(若しくは推測)も容易であり、間違いや確認に要する時間手間が低減されて、正確で迅速な意思伝達が可能となる。
【0053】
上記したように、各フォントの色は、文字枠色が異なる文字間においては重複して同じフォント色が存在しても問題ないが、同一枠色内の文字類間においてはフォント色は重複しないものとする。仮に、これが重複すれば、当該色を意思表示した場合に重複したいずれの文字を伝達したいのかが不明となってしまい、追加の確認選択の手間が生じることとなる。背景色の選定(大概念)からフォント色の選定(小概念)に至るまでの間において、各段階における色選定で重複色は存在しないことが好ましい。
【0054】
図5(b)と図5(c)と図5(d)においても、文字群表示領域3200に示される文字類のフォント色と背景色の配色・配置及び色大枠は図5(a)に示す態様と同様であって、色帯1100の配置有無及び配置位置が異なるのみであるので説明は省略する。なお、図5(b)の態様においては、色帯1100を示さないが色帯1100を例えばコミュニケーション用色分け文字盤3000とは別途個別の透明基材シート等に別体として設けることも可能であるし、色の選別伝達のみで各文字の指定伝達まで可能となる点で、一定の本発明の作用効果を奏するものである。
【0055】
図5に示す例においては、大枠となる第二群囲み枠の色を指定する大概念色指定段階と、背景色の色を指定する中概念色指定段階と、フォント色の色を指定する小概念色指定段階と、の3段階の色指定伝達を経て一文字を特定することができる。いずれの色指定段階においても、色選択領域に配列された色帯のなかから目的の色を選択指定することができる。
【0056】
(第四の実施形態)
図6は、第四の実施形態にかかるコミュニケーション用色分け文字盤4000を説明する図である。第四の実施形態では第三の実施形態と比較して、各フォント背景色1250,1240,1230,1260,1210に代えて各文字枠1450,1440,1430,1460,1410を用いている点が異なっている。
【0057】
図6(a)が文字群表示領域4200の上と下のスペースにそれぞれ色選択領域としての色バンド1100(1),1100(2)を備える場合を説明し、図6(b)が色バンド1100(1),1100(2)を備えない場合を説明し、図6(c)が文字群表示領域4200の上のスペースに色選択領域としての色バンド1100を備える場合を説明し、図6(d)が文字群表示領域4200の下のスペースに色選択領域としての色バンド1100を備える場合を説明している。
【0058】
図6に示すように、コミュニケーション用色分け文字盤4000は例えば透明な樹脂シート板基材に、平仮名や任意のカスタム文字・記号・数字・句読点が表示され、複数の各文字類が略同一占有面積で整然と列記されており、伝達したい文言を例えば一文字ずつ順次選択して文章や単語に形成することで、介助者に要介助者の意思を伝達するために用いられる。図6においては、文字群表示領域4200に、平仮名や記号や数字及び複数のカスタム語が表示されている態様を示しているが、アルファベットやフランス語、ドイツ語、ロシア語、中国語、アラビア語、ハングル文字等でも良く、表示される文字類は使用者の意思伝達に関わる全ての任意の文字等の全部または一部であってよい。
【0059】
図6(c)において、文字群表示領域4200の平仮名等は、紙面右から順に赤色大枠1510と青色大枠1520との各色枠内にグループ分け配置されている。図6(c)に示すように、例えば赤色大枠1510に囲まれる文字類は、「あ行」「か行」「さ行」「た行」「な行」の各平仮名文字及び6,7,8,9,0の各数字が含まれており、また例えば青色大枠1520には、文字類として「は行」「ま行」「や行」「ら行」「わ行」の各平仮名文字及び1,2,3,4,5の各数字及び句読点が含まれている。
【0060】
図6(c)において、文字群表示領域4200の赤色大枠1510と青色大枠1520とのそれぞれにおいて、紙面左から順に水色枠1450と黄色枠1440と緑色枠1430と青色枠1420と赤色枠1410とに枠色が5色の縦の列毎に分類されて、個別文字毎の囲み枠としている。図6(c)に示すように、例えば赤色大枠1510の赤色枠1410には、文字類として「あ」「い」「う」「え」「お」「0」の六文字が含まれており、例えば赤色大枠1510の青色枠1420には、文字類として「か」「き」「く」「け」「こ」「9」の六文字が含まれており、他の枠色においても同様にそれぞれ任意の六文字や句読点が含まれている。
【0061】
より具体的には、図6に示す「あ行」及び「は行」は赤色枠1410とされ、「か行」及び「ま行」は青色枠1420とされ、「さ行」及び「や行」は緑色枠1430とされ、「た行」及び「ら行」は黄色枠1440とされ、「な行」及び「わ行」は水色枠1450とされる。
【0062】
さらに、図6に示すように、コミュニケーション用色分け文字盤4000の各文字類は、各列毎に、色分けフォントで色分け表示されており、例えば「あ」は赤色フォント1310、「い」は青色フォント1320、「う」は緑色フォント1330、「え」は黄色フォント1340、「お」は水色フォント1350、「0」は、紫色フォント1360で表示されている。他の列、例えば「か行」や「さ行」・・、「は行」や「ま行」・・の各フォント色においても同様である。すなわち、例えば要介護者が文字「あ」を選択し伝達したいと考えた場合には、まず赤色大枠1510を伝達するために赤色帯1110を視線または指差等で選択し、次に赤色枠1410を伝達するために赤色帯1110を視線または指差等で選択し、そして赤色フォント1310を伝達するために赤色帯1110を視線または指差等で選択する。
【0063】
同様に例えば「わ」は赤色フォント1310、「を」は青色フォント1320、「ん」は緑色フォント1330、「、」は黄色フォント1340、「。」は水色フォント1350、「1」は、紫色フォント1360で表示されている。すなわち、例えば要介護者が文字「ん」を選択し伝達したいと考えた場合には、まず青色大枠1520を伝達するために青色帯1120を視線または指差等で選択し、次に水色枠1450を伝達するために水色帯1150を視線または指差等で選択し、そして緑色フォント1330を伝達するために緑色帯1130を視線または指差等で選択する。また、1140は黄色帯であり、1150は水色帯であり、1160は紫色帯である。これらの配色や順序・配列は使用者に適した任意なものとできる。
【0064】
そして、このような色帯1110乃至1160の各占有面積は、文字群表示領域4200に示される各文字類個々それぞれの占有面積よりも好ましくは大きいので、視線や指差の移動や固定が容易・迅速であり、また介助者等によるその読み取りや認識・把握(若しくは推測)も容易であり、間違いや確認に要する時間手間が低減されて、正確で迅速な意思伝達が可能となる。
【0065】
上記したように、各フォントの色は、文字枠色が異なる文字間においては重複して同じフォント色が存在しても問題ないが、同一枠色内の文字類間においてはフォント色は重複しないものとする。仮に、これが重複すれば、当該色を意思表示した場合に重複したいずれの文字を伝達したいのかが不明となってしまい、追加の確認選択の手間が生じることとなる。大枠色の選定(大概念)から文字列毎の枠色の選定(中概念)、そしてフォント色の選定(小概念)に至るまでの間において、各段階におけるそれぞれの色選定で迷いや混乱を生じかねない重複色は存在しないことが好ましい。
【0066】
図6(a)と図6(c)と図6(d)においては、文字群表示領域4200に示される文字類のフォント色と文字列毎の枠色(第一群囲み枠に対応)の配色・配置及び色大枠(第二群囲み枠に対応)は図6(c)に示す態様と同様であって、色帯1100の配置有無及び配置位置が異なるのみであるので説明は省略する。なお、図6(b)の態様においては、色帯1100を示さないが色帯1100を例えばコミュニケーション用色分け文字盤4000とは別途個別の透明基材シート等に別体として設けることも可能であるし、色の選別伝達のみで各文字の指定伝達まで可能となる点で、一定の本発明の作用効果を奏するものである。
【0067】
図6に示す例においては、大枠となる第二群囲み枠の色を指定する大概念色指定段階と、文字列毎の第一群囲み枠の色を指定する中概念色指定段階と、フォント色の色を指定する小概念色指定段階と、の3段階の色指定伝達を経て一文字を特定することができる。いずれの色指定段階においても、色選択領域に配列された色帯のなかから目的の色を選択指定することができる。第一群囲み枠と第二群囲み枠との文字グループ分けやその大きさ・枠形状及び各枠内に配置される文字類数や種類等は、使用者にとってユーザーフレンドリーとなるよう任意に調整・設定するものとできる。
【0068】
本発明のコミュニケーション用色分け文字盤は、複数の文字類が表示された文字盤上で、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示された文字類背景又は/及び文字類囲み枠と、グループごとに、個々に色分け表示された文字類と、を備えることを特徴とする。
【0069】
例えば、「あ」「い」「う」・・の平仮名が表示された文字盤の各文字の文字背景を「あ」行と「か行」と「さ行」・・と、各行ごとに異なるものとしておくことができる。また、このような文字背景の色分けグループと共にまたはそれに代えて、文字毎または文字のグループ毎に色枠を設けて色で識別できるようにすることができる。そして、各文字についても例えば「あ」行の各文字「あ」「い」「う」・・と文字毎にフォント色を与えておくことで、色で文字の最終指定までが可能となる。
【0070】
換言すれば、全て色で文字指定まで至るように、大分類→小分類または大分類→中分類→小分類と2段階または3段階で色を指定することで最終的に一文字を選別して指定できるようにする。色の発声が不可能な要介助者でも利用できるように、例えば上記色分けに対応する色帯や色バーを文字群の上または下またはその両方に、各文字より大きな領域で設けることも可能である。好ましくは、大分類に含まれる文字類数が最も多く、中分類・小分類となるに従って、含まれる文字類数が少なくなっていくように構成するものとする。また、好ましくは、大分類に該当する領域の文字盤占有面積が最も大きく、中分類・小分類となるに従って、それぞれ該当する領域の文字盤占有面積が小さくなっていくように構成するものとする。
【0071】
一般に、平仮名文字数は全46文字あることが知られており数字や句読点をも含めると少なくとも60文字以上にも達するものであり、これら60文字以上が文字盤に表記されていると、一文字あたりの表示面積は極めて小さい。このため、その小さい面積を指示したり視線固定することが困難である場合も少なくない。しかし、2段階または3段階の色指定により各文字を選択指定できれば、より簡易に選択文字の意思表示が可能となり、間違いも少なく時間の節約にも繋がる。
【0072】
具体的には、全60文字のうち「あ」行を含む前半30文字を赤枠で囲み、「は」行を含む後半30文字を青枠で囲んだ文字盤とする(大分類)。さらにその内側、「あ」行全体を赤枠で囲み、「か」行全体を青枠で囲む文字盤とする(中分類)。さらに、文字「あ」は赤フォントで、文字「い」は青フォントで、文字「う」は緑フォントで・・と色分けフォントとする(小分類)。これにより、まず大分類として「赤」の意思表示(すなわち前半30文字の指定)をして、次に中分類として「赤」の意思表示(すなわち「あ」行の指定)をして、最後に小分類として「赤」の意思表示(すなわち「あ」の指定)をすれば、短時間で間違えることなく「あ」の選択意思を示すことが可能となる。
【0073】
大分類から小分類に至る各段階における指定は、色の種別であり例えばせいぜい全6色もあれば充分である。このため、当該6色を選択するために色帯や色選択バー等を60文字の周辺部等設けておけばよく、その選択領域面積も6色分なので個々広い占有面積とすることができる。さらには、色帯や色選択バーは当該60文字の文字盤とは別途個別に準備するものとしても良い。いずれにしても一色あたりの表示占有面積は一文字の表示占有面積よりも極めて大きくできるので、選択がより容易かつ正確・迅速に行えるものとなる。
【0074】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤は、複数の文字類が表示された文字盤上で、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示された文字類囲み枠と、グループごとに、文字類毎に個々に色分け表示された文字類背景と、を備えることを特徴とする。
【0075】
例えば、「A」「B」「C」・・のアルファベットが表示されたキーボード文字盤の各文字の文字背景を文字配置に基づいてブロック分けして「Q」と「W」と「A」と「S」と「Z」と「X」を1ブロックとして赤色囲み枠とするなど、各ブロックごとに囲み枠色を異なるものとしておくことができる。また好ましくは、このような文字類囲み枠の色分けグループ(大分類)と共に、より小さな文字の他のグループ毎(中分類)に色枠を設けてさらに色で識別できるようにすることができる。そして、各文字についても例えば「Q」と「W」と「A」と「S」と「Z」と「X」と文字毎に背景色を個別に与えておく(小分類)ことで、色で文字の最終指定までが可能となる。
【0076】
換言すれば、全て色で文字個別指定まで至るように、大分類→小分類の2段階または大分類→中分類→小分類の3段階で色を選定することで最終的に文字盤上の一文字を選定して指定できるようにする。色の発声が不可能な要介助者でも利用できるように、例えば上記色分けに対応する色帯や色バーを文字群の上または下またはその両方または左右の空きスペース等に、各文字より大きな領域で設けることも可能である。より具体的には、赤色帯の配置占有面積は、「A」の英文字一文字の占有面積よりも、かなり大きく配置することが可能である。
【0077】
一般に、英文字数は全26文字あることが知られており数字・記号や句読点をも含めると少なくとも40文字以上にも達するものであり、これら40文字以上が文字盤に表記されていると、一文字あたりの表示面積は極めて小さい。このため、その小さい面積を指示したり視線固定することが困難である場合も少なくない。しかし、2段階または3段階の色指定により各文字を選択指定できれば、より簡易に選択文字の意思表示が可能となり、間違いも少なく時間の節約にも繋がる。このような選定に用いられる色の種類は、任意ではあるものの典型的には6種類もあれば充分に足りる。
【0078】
具体的には、全40文字以上のキーボード表示文字盤うち「E」「R」「D」「F」「C」「V」を一つのブロックとして青枠で囲んだ文字盤とする(大分類)。さらに、文字「E」は赤色背景で、文字「R」は青色背景で、文字「D」は緑色背景で・・と色分け背景とする(小分類)。これにより、まず大分類として「青」の意思表示(すなわち青枠ブロックの指定)をして、次に小分類として「赤」の意思表示(すなわち赤色背景「E」の指定)をすれば、短時間で間違えることなく「E」の選択意思を示すことが可能となる。
【0079】
大分類から小分類に至る各段階における指定は、色の種別であり例えばせいぜい全6色もあれば充分である。このため、当該6色を選択するために色帯や色選択バー等を40文字の周辺部等設けておけばよく、その選択領域面積も6色分なので個々広い占有面積とすることができる。さらには、色帯や色選択バーは当該40文字の文字盤とは別途個別に準備するものとしても良い。いずれにしても一色あたりの表示占有面積は一文字の表示占有面積よりも極めて大きくできるので、選択がより容易かつ正確・迅速に行えるものとなる。
【0080】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤は、好ましくは文字類囲み枠が、複数の文字類を第一群として一の色に対応付けて囲む第一群囲み枠と、第一群囲み枠を複数束ねたより大きな第二群として一の色に対応付けて囲む第二群囲み枠と、を少なくとも備えることを特徴とする。
【0081】
すなわち文字囲み枠は、より小さなグループを第一群として一の色で囲む第一群囲み枠とし、より大きなグループを第二群として一の色で囲む第二群囲み枠とし、二段階の囲み枠とすることができる。具体的には例えば、50音表示の文字盤において、「あ」行・「か」行・「さ」行・「た」行・「な」行を一つのブロックとしてこれら五つの行全体を赤枠で囲んだ文字盤とする(大分類であり典型的には第二群囲み枠に相当)。
【0082】
さらに当該大分類のブロックの中で当該赤枠の内側において、さらに「あ」行の各文字は赤色で囲み、「か」行の各文字は青枠で囲み、「さ」行の各文字は緑枠で囲み、「た」行の各文字は黄枠で囲み、「な」行の各文字は水色枠で囲み、と二重の色分け枠とする(中分類)。さらに好ましくは、文字個別のフォント色または背景色を設定しておくことも可能である。このように母集団の大きさを変えて複数段階の色枠設定としておくことで、識別に使用する色種類の数を低減することができるので、利用者に見やすい色で識別し易い色のみを使用することも可能となり、より容易な選択意思表示が可能となる。
【0083】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤は、さらに好ましくは文字類は、アルファベットか平仮名かカタカナか記号か数字かカスタムのいずれか少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする。
【0084】
コミュニケーション用色分け文字盤に表示する文字類は、従来よく用いられている文字や数字(“数字”または“Number”と表記して表示階層を下げても良い)、カスタム文言(お手洗い・お風呂・お腹すいた・洗浄して・吸引して等々の任意の文言)を用いることが可能である。この場合でも、本発明の文字盤を利用すれば、いずれの文字類を選択するかにあたり、色指定のみで個別指定できるものとなる。
【0085】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤は、さらに好ましくは色分けに対応した色を選択するためのみを目的とする色選択領域を備えることを特徴とする。
【0086】
コミュニケーション用色分け文字盤に表記されている文字類の上部空きスペース、下部空きスペース、上下空きスペース、左右空きスペース等に、色選択のための視線や指差等をするための色を表記する領域を設けることができる。このような色選択領域は、例えば6色の各色に対応した色帯等で表記することができ、文字類の総数に比べて圧倒的に色数が少ないことから、各色に割り当てられる表記面積(占有面積)を大きく設けることが可能となる。
【0087】
このため、利用者は色の選択意思伝達にあたり、そのより大きな専有面積の色を指定して伝達すれば良いので指定し易くなるとともに、受け手側においてもより確実に正確にかつ容易に指定色を把握することができるものとなる。このような色帯等を表記した色指定専用の色帯盤を透明樹脂盤等として文字盤とは別途に準備しておくこともできる。
【0088】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤は、さらに好ましくは色選択領域のそれぞれは、文字類の各表示領域よりも大きな占有面積を有することを特徴とする。
【0089】
色の種類数は任意ではあるが、例えば6色であるとした場合には、6つの色表示が可能な領域が存在すれば充分である。文字類を表示している上下の空きスペース等を利用すれば、一色あたりの表示面積をかなり大きく確保することが可能であり、色選択がより容易になり正確で迅速な色の選択意思伝達が可能となる。
【0090】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤は、さらに好ましくは色選択領域は、文字類の表示領域の上または/及び下に配置された色バンドまたは色帯であることを特徴とする。
【0091】
色帯により相当の占有面積を有することとなるので、視線移動固定や指し示しがよりやり易く間違いや混乱を招来する懸念を低減できる。色帯は、文字類の表示領域の上または下または上下それぞれに配置されるものとできるし、文字類の表示領域の左右の空きスペースに配置しても良い。
【0092】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤を用いた選択文字伝達方法は、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示された色から任意の色を選択する第一色選択段階と、個々に色分け表示された文字類の色から任意の色を選択する第二色選択段階と、を有し、各段階の色の選択は、選択を希望する文字類に対応するところの色であることを特徴とする。
【0093】
第一色選択段階においてより大きなグループを指定することができ、第二色選択段階においてより小さなグループまたは文字類個々を個別に選択指定することが可能となる。利用者にとっても、介護者にとっても、相互のやりとりが“色のみ”となり伝達したい文言の長さや複雑さに関わりなく極めて単純化されることから、伝達ミスが低減されて簡単な伝達となるので結果的には伝達速度も向上するものとなる。また、その色も実施例で示すように6色程度にまで低減できるので、好みの色でかつ識別し易い任意の色のみを利用するものとできる。
【0094】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤を用いた選択文字伝達方法は、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示された色から任意の色を選択する第一色選択段階と、個々に色分け表示された文字類背景の色から任意の色を選択する第二色選択段階と、を有し、各段階の色の選択は、選択を希望する文字類に対応するところの色であることを特徴とする。
【0095】
この場合においても、第一色選択段階においてより大きなグループを指定することができ、第二色選択段階においてより小さなグループまたは文字類個々を個別に選択指定することが可能となる。そして同様に利用者にとっても、介護者にとっても、相互のやりとりが“色のみ”となり伝達したい文言の長さや複雑さに関わりなく極めて単純化されることから、伝達ミスが低減されて簡単な伝達となるので結果的には伝達速度も向上するものとなる。また、その色も実施例で示すように6色程度にまで低減できるので、好みの色でかつ識別し易い任意の色のみを利用するものとできる。
【0096】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤を用いた選択文字伝達方法は、好ましくは色の選択が、視線の移動固定先を介助者が読み取り推定する、または文言音声で発声する、または指し示しをする、のいずれか一つ以上による選択であることを特徴とする。
【0097】
従来 コミュニケーション用文字盤を用いた選択文字伝達方法として良く知られているのは、視線の移動固定先を介助者が読み取り推定する、または文言音声で発声する、または指し示しをする、のいずれかのタイプである。本発明においては、前述の3タイプのいずれの場合においても適用可能であり、作用効果をそれぞれに得られるものとなる。もちろん、本発明の技術思想にかかる射程範囲内において、他の方法やタイプに対して適用し利用し、またはアレンジして活用することは当業者が適宜成し得るものとなる。
【0098】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤を用いた選択文字伝達方法は、さらに好ましくはコミュニケーション用色分け文字盤が、色分けに対応した色を選択するためのみを目的とする色選択領域を備え、視線の移動固定のターゲットまたは指し示しのターゲットは、色選択領域に対するものであることを特徴とする。
【0099】
色選択領域には例えば6色の色を相応の専有面積を備えて、例えば色帯や色バンド等の表示形式で配置するものとできる。利用者にとって識別のし易い見やすい色のみを選択して配置して利用することも可能となる。文字類とともにこれと同様に色選択領域を設けることも可能ではあるが、好ましくは文字類の配置領域の上下左右周辺部に離間してより見やすく大きく色選択領域を表示することが好ましい。色のみで文字類個々を選択できるものであることから、色選択領域を利用して選択される色が極めて重要である。
【0100】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤を用いた選択文字伝達方法は、さらに好ましくは色選択領域のそれぞれが、文字類の各表示領域よりも大きな占有面積を有することを特徴とする。
【0101】
数十文字にも係る文字盤において、個々の各文字が表示されるために占有できる面積は大きな制約を受ける。視線の移動固定や指し示しに対して決して充分な占有面積とは言えない。一方、文字類の周辺部位等の空き空間に表示可能な色識別領域は、例えば6色程度の表示とすることも可能であり、一色あたりの表示占有面積を比較的大きく設けることも可能となる。これにより、選択意思の伝達ミスを低減できてよりスムースな意思表示が可能となる。
【0102】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤を用いた選択文字伝達方法は、さらに好ましくは色選択領域が、文字類の表示領域の上または/及び下に配置された色バンドまたは色帯であることを特徴とする。
【0103】
色選択領域の典型例としては、実施形態でも説明しているように個々の文字類の表示占有面積よりも大きな色帯や色バンドとすることが好ましい。このような、色帯や色バンドは、一枚のコミュニケーション用色分け文字盤に文字類とともにその周辺部に設けても良いし、文字盤とは別途個別の透明盤等に設けることもできる。すなわちこの場合には、コミュニケーション用文字盤が、文字表示用盤と色選択用盤との2枚で1セットとして用いられることができる。
【0104】
(4カラー色分けでカスタム表示のみの実施例)
この実施例においては、例えばひら仮名やカタカナ、英語、漢字、日本語等の各種文字を習得していない人であっても、意思を第三者に伝達することが可能なコミュニケーションボードについて例示して説明する。すなわち、ここで説明するカスタムは、既に説明してきているように、図案、ロゴマーク、記号、マーク、絵、モチーフ、画像、映像、3次元立体画像、3次元立体映像、絵文字、単語、文章、ホログラム等のいずれか一つ以上を含むものとでき、利用者の思想または感情・欲求・意図・指示等の心の内面を、表現するかまたは第三者に伝達するためのものとすることができる。
【0105】
言語や身体の特に身振り手振りを用いた意思伝達やコミュニケーションに障害を有する人にとっては、このようなコミュニケーションボードの利用が外界との意思疎通の唯一無二の手段であることも考えられる。また、言語の異なる者同士においては、一般健常者であっても言語的障壁があるために、スムースな意思疎通が困難となることも少なくない。このような場合であって、各種マークや図案等によって、意思疎通を図ることも可能となる。コミュニケーションボードの形状や構造等は任意のものを採用できる。
【0106】
例えば板状の紙製やプラスチック樹脂製のコミュニケーションボードとして構成しても良く、電気的・電子的表示パネルやフラットパネルとして液晶パネルや有機ELディスプレイ等としても良く、3次元立体形状を投影・提示できるようなホログラム表示パネル構成とすることもできる。3次元投影とした場合には、直接の接触が無くてもボタンの押下や選択が可能となる、いわゆるエア選択ボタン(非接触空間タッチや仮想空間タッチ)等の構成を採用してもよいし、AI(人工知能)を用いて利用者の意図を確からしい確度で忖度したりその目線やわずかな動作から意図を推測したりする構成としても良い。また、いわゆるアバターを利用して当該アバターに任意の動作や指示や意思伝達をさせる手法を採用しても良い。身体の動作等に制約を伴う利用者にとって、とりわけアバターを使用した意思伝達は適用の効果が極めて大きい。また、コミュニケーションボードを電子・電気的な態様とした場合には例えば無線通信部やAI処理部や情報処理部(データ処理部)や記憶部や表示制御部等を備えるものとしても良い。また、AI処理部や情報処理部や記憶部等をコミュニケーションボード本体とは別途の構成とし、無線通信部によるデータ通信を介して表示データ情報等の受信を行い表示するものとしても良い。無線通信に代えて有線通信としても良い。
【0107】
AIは、利用者の目線の動きや手の動き等及びそれまでの蓄積データや現在の利用者の状態等に基づいて、その時点における利用者が意思表示をしようとしている最も可能性の高い選択肢を優先的に選択したり、選択し易い箇所に表示して提示したりするものとしても良い。これを実現するにあたり、コミュニケーションボードは利用者の目線や動作を検知するカメラまたは/及びセンサーと、カメラまたは/及びセンサーから取得したデータ等を解析処理する人工知能(AI)と、その処理結果をフレキシブルに2次元または3次元で表示できる表示機能を備えるものとしても良い。
【0108】
コミュニケーションボードに表示されるコミュニケーション記号に対する色分けは、コミュニケーション記号それ自体の色(典型的にはフォント色)、コミュニケーション記号の背景色、コミュニケーション記号の囲み枠の色、3態様のなかから任意の態様をチョイスして採用することで、色の指定のみで、特定の目的のコミュニケーション記号を選択して意思伝達することが可能となる。そして、色は例えば赤色と青色と緑色と紫色との計4色を利用しても良い。各色のグループ分けやカテゴリーは縦並びでも横並びでも任意でも良い。コミュニケーション記号は、例えばシャワーのマークやトイレのマーク、食事(レストランまたはナイフ&フォーク)のマーク等としても良い。また、コミュニケーション記号の囲み枠の色は、各コミュニケーション記号毎一つずつの枠色としても良く、複数個のコミュニケーション記号をグループとしてこのグループに対するグループ枠への枠色を設定しても良い。
【0109】
(追加実施例にかかる図面の説明)
図11は、背景色を利用せず(すなわち背景色はなし)に、コミュニケーション記号の囲み枠色と、コミュニケーション記号それ自体の色と、でそれぞれ4色分け構成されたコミュニケーションボードの構成例を説明する図であり、図11(a)が記号配置領域の上下にそれぞれ色選択バー(色帯)が配置されている例を示し、図11(b)が色選択バー(色帯)を備えない例を説明するものである。本コミュニケーションボードに用いる色数は本来は任意であって何色をいくつ用いても自由に構成可能である。また、既に説明しているように、図中に記載された「カスタム」との文言は、図案やロゴ等の任意のコミュニケーション記号をそこに記載乃至表示等して提示することを意味している。
【0110】
図11(a)に示すように、赤色選択バー11110と青色選択バー11120がコミュニケーション記号表示領域の上方に横並びに示され、緑色選択バー11130と紫色選択バー11160がコミュニケーション記号表示領域の下方に横並びに示される。また、赤色枠11410は、最も左に位置する縦列の上から順に赤色記号11310(カスタム1)と青色記号11320(カスタム5)と緑色記号11330(カスタム9)と紫色記号11360(カスタム13)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。
【0111】
また、青色枠11420は、左から2番目に位置する縦列の上から順に赤色記号11310(カスタム2)と青色記号11320(カスタム6)と緑色記号11330(カスタム10)と紫色記号11360(カスタム14)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。さらに、緑色枠11430は、左から3番目に位置する縦列の上から順に赤色記号11310(カスタム3)と青色記号11320(カスタム7)と緑色記号11330(カスタム11)と紫色記号11360(カスタム15)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。そして、紫色枠11460は、最も右端に位置する縦列の上から順に赤色記号11310(カスタム4)と青色記号11320(カスタム8)と緑色記号11330(カスタム12)と紫色記号11360(カスタム16)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。すなわち、図11(a)に示す例では、同色の囲み枠が縦に4個配列され、同色のコミュニケーション記号が横に4個配列される構成としている。利用者は、例えば最初に枠色として青色選択バー11120を選択することで、青色枠11420のカスタム2,6,10,14のいずれかのコミュニケーション記号を選択する意思を有していることを絞り込み、次に緑色選択バー11130を選択することで、緑色記号11330であるカスタム10を選択することができる。
【0112】
また、図11(b)においては、赤色枠11410は、最も左に位置する縦列の上から順に赤色記号11310(カスタム1)と青色記号11320(カスタム5)と緑色記号11330(カスタム9)と紫色記号11360(カスタム13)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。この例の場合には、色選択バーのスペース領域が必要とされないので、各コミュニケーション記号の占有面積を広くすることが可能である。
【0113】
また、図11(b)においては、青色枠11420は、左から2番目に位置する縦列の上から順に赤色記号11310(カスタム2)と青色記号11320(カスタム6)と緑色記号11330(カスタム10)と紫色記号11360(カスタム14)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。さらに、緑色枠11430は、左から3番目に位置する縦列の上から順に赤色記号11310(カスタム3)と青色記号11320(カスタム7)と緑色記号11330(カスタム11)と紫色記号11360(カスタム15)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。そして、紫色枠11460は、最も右端に位置する縦列の上から順に赤色記号11310(カスタム4)と青色記号11320(カスタム8)と緑色記号11330(カスタム12)と紫色記号11360(カスタム16)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。すなわち、図11(b)に示す例では、同色の囲み枠が縦に4個配列され、同色のコミュニケーション記号が横に4個配列される構成としている。利用者は、例えば最初に枠色として青色枠11420(または青色)を選択することで、青色枠11420のカスタム2,6,10,14のいずれかのコミュニケーション記号を選択する意思を有していることを絞り込み、次に緑色記号11330(または緑色)を選択することで、緑色記号11330であるカスタム10を選択することができる。このような色の配色や配列は利用者が使いやすいように、任意に自由に設計して良い。
【0114】
図12は、コミュニケーション記号の囲み枠色を利用せず(すなわち囲み枠色はなし)に、コミュニケーション記号の背景色と、コミュニケーション記号それ自体の色と、でそれぞれ4色分け構成されたコミュニケーションボードの構成例を説明する図であり、図12(a)が記号配置領域の上部に色選択バーが配置されている例を示し、図12(b)が記号配置領域の下部に色選択バーが配置されている例を説明するものである。
【0115】
図12(a)に示すように、赤色選択バー11110と青色選択バー11120と緑色選択バー11130と紫色選択バー11160が左から順に、コミュニケーション記号表示領域の上方に横並びに示される。また、赤色背景11210は、最も上に位置する横行の左から順に赤色記号11310(カスタム1)と青色記号11320(カスタム2)と緑色記号11330(カスタム3)と紫色記号11360(カスタム4)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ背景色として設定表示される。
【0116】
また、青色背景11220は、上から2番目に位置する横行の左から順に赤色記号11310(カスタム5)と青色記号11320(カスタム6)と緑色記号11330(カスタム7)と紫色記号11360(カスタム8)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ背景色として設定表示される。さらに、緑色背景11230は、上から3番目に位置する横行の左から順に赤色記号11310(カスタム9)と青色記号11320(カスタム10)と緑色記号11330(カスタム11)と紫色記号11360(カスタム12)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ背景色として設定表示される。そして、紫色背景11260は、最も下端に位置する横行の左から順に赤色記号11310(カスタム13)と青色記号11320(カスタム14)と緑色記号11330(カスタム15)と紫色記号11360(カスタム16)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ背景色として設定表示される。すなわち、図12(a)に示す例では、同色の背景色が横に4個配列され、同色のコミュニケーション記号が縦に4個配列される構成としている。利用者は、例えば最初に背景色として青色選択バー11120を選択することで、青色背景色11220のカスタム5,6,7,8のいずれかのコミュニケーション記号を選択する意思を有していることを絞り込み、次に緑色選択バー11130を選択することで、緑色記号11330であるカスタム7を選択することができる。
【0117】
また、図12(b)においては、各色選択バー11110,11120,11130,11160がコミュニケーション記号の配置領域の下方に配置されていることを除いて、図12(a)で説明した内容と同一であるので説明の重複を避けるため、ここでは説明を省略する。
【0118】
図13は、コミュニケーション記号それ自体の色は一定(典型的には黒色)で、コミュニケーション記号囲み枠色(同一囲み枠色を縦配列)と背景色(同一背景を横配列)とで色グループ分けした例であって、図13(a)が記号配置領域の上下にそれぞれ色選択バー(色帯)が配置されている例を示し、図13(b)が色選択バー(色帯)を備えない例を説明するものである。
【0119】
図13(a)に示すように、赤色選択バー11110と青色選択バー11120がコミュニケーション記号表示領域の上方に横並びに示され、緑色選択バー11130と紫色選択バー11160がコミュニケーション記号表示領域の下方に横並びに示される。また、赤色枠11410は、最も左に位置する縦列の上から順に赤色背景11210(カスタム1)と青色背景11220(カスタム5)と緑色背景11230(カスタム9)と紫色背景11260(カスタム13)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。なお、図13ではコミュニケーション記号の色は一定の任意色(例えば色無しの黒色または白色)で表示されることができる。
【0120】
また、青色枠11420は、左から2番目に位置する縦列の上から順に赤色背景11210(カスタム2)と青色背景11220(カスタム6)と緑色背景11230(カスタム10)と紫色背景11260(カスタム14)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。さらに、緑色枠11430は、左から3番目に位置する縦列の上から順に赤色背景11210(カスタム3)と青色背景11220(カスタム7)と緑色背景11230(カスタム11)と紫色背景11260(カスタム15)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。そして、紫色枠11460は、最も右端に位置する縦列の上から順に赤色背景11210(カスタム4)と青色背景11220(カスタム8)と緑色背景11230(カスタム12)と紫色背景11260(カスタム16)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。すなわち、図13(a)に示す例では、同色の囲み枠が縦に4個配列され、同色の記号背景が横に4個配列される構成としている。利用者は、例えば最初に枠色として青色選択バー11120を選択することで、青色枠11420のカスタム2,6,10,14のいずれかのコミュニケーション記号を選択する意思を有していることを絞り込み、次に緑色選択バー11130を選択することで、緑色背景11230であるカスタム10を選択することができる。
【0121】
また、図13(b)においては、赤色枠11410は、最も左に位置する縦列の上から順に赤色背景11210(カスタム1)と青色背景11220(カスタム5)と緑色背景11230(カスタム9)と紫色背景11260(カスタム13)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。この例の場合には、色選択バーのスペース領域が必要とされないので、各コミュニケーション記号の占有面積を比較的広くすることが可能である。
【0122】
また、図13(b)においては、青色枠11420は、左から2番目に位置する縦列の上から順に赤色背景11210(カスタム2)と青色背景11220(カスタム6)と緑色背景11230(カスタム10)と紫色背景11260(カスタム14)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。さらに、緑色枠11430は、左から3番目に位置する縦列の上から順に赤色背景11210(カスタム3)と青色背景11220(カスタム7)と緑色背景11230(カスタム11)と紫色背景11260(カスタム15)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。そして、紫色枠11460は、最も右端に位置する縦列の上から順に赤色背景11210(カスタム4)と青色背景11220(カスタム8)と緑色背景11230(カスタム12)と紫色背景11260(カスタム16)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。すなわち、図13(b)に示す例では、同色の囲み枠が縦に4個配列され、同色の背景が横に4個配列される構成としている。利用者は、例えば最初に枠色として青色枠11420(または青色)を選択することで、青色枠11420のカスタム2,6,10,14のいずれかのコミュニケーション記号を選択する意思を有していることを絞り込み、次に緑色背景11230(または緑色)を選択することで、緑色背景11230であるカスタム10を選択することができる。このような色の配色や配列及びコミュニケーション記号の数は利用者が使いやすいように、任意に自由に設計して良い。
【0123】
図14は、コミュニケーション記号それ自体の色は一定(典型的には黒色)で、コミュニケーション記号囲み枠色(同一囲み枠色を横配列)と背景色(同一背景を縦配列)とで色グループ分けした例であって、図14(a)が記号配置領域の上に色選択バー(色帯)が配置されている例を示し、図14(b)が記号配置領域の上に色選択バー(色帯)が配置されている例を説明するものである。
【0124】
図14(a)に示すように、赤色選択バー11110と青色選択バー11120と緑色選択バー11130と紫色選択バー11160がコミュニケーション記号表示領域の上方に横並びに示される。また、赤色枠11410は、最も上に位置する横行の左から順に赤色背景11210(カスタム1)と青色背景11220(カスタム2)と緑色背景11230(カスタム3)と紫色背景11260(カスタム4)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。なお、図14ではコミュニケーション記号が一定の任意色(例えば色無しの黒色または白色)で表示されることができる。
【0125】
また、青色枠11420は、上から2番目に位置する横行の左から順に赤色背景11210(カスタム5)と青色背景11220(カスタム6)と緑色背景11230(カスタム7)と紫色背景11260(カスタム8)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。さらに、緑色枠11430は、上から3番目に位置する横行の左から順に赤色背景11210(カスタム9)と青色背景11220(カスタム10)と緑色背景11230(カスタム11)と紫色背景11260(カスタム12)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。そして、紫色枠11460は、最も下端に位置する横行の左から順に赤色背景11210(カスタム13)と青色背景11220(カスタム14)と緑色背景11230(カスタム15)と紫色背景11260(カスタム16)との4個のコミュニケーション記号に対して、それぞれ囲み枠として表示される。すなわち、図14(a)に示す例では、同色の囲み枠が横に4個配列され、同色の記号背景が縦に4個配列される構成としている。利用者は、例えば最初に枠色として青色選択バー11120を選択することで、青色枠11420のカスタム5,6,7,8のいずれかのコミュニケーション記号を選択する意思を有していることを絞り込み、次に緑色選択バー11130を選択することで、緑色背景11230であるカスタム7を選択することができる。
【0126】
また、図14(b)においては、赤色選択バー11110と青色選択バー11120と緑色選択バー11130と紫色選択バー11160がコミュニケーション記号表示領域の下方に横並びに示されることを除いて、図14(a)において説明した内容と同一であるので、重複を避けるためにここでは説明を省略する。
【0127】
本発明のコミュニケーションボードは、複数のコミュニケーション記号が表示されたコミュニケーションボード上で、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示されたコミュニケーション記号背景又は/及びコミュニケーション記号囲み枠と、グループごとに、個々に色分け表示されたコミュニケーション記号と、を備えることを特徴とする。例えば、コミュニケーション記号背景を計4色とし、総計16個のコミュニケーション記号のうちの4個ずつ各背景色にグループ分けし、さらに各背景色毎のコミュニケーション記号4個を互いに異なる4色にそれぞれ表示するものとできる。
【0128】
これにより、利用者は最初に“赤”を選択して赤色グループを指定(この中には先の例では4個のコミュニケーション記号が含まれる)し、次に当該赤色にグループ分けされた4色のコミュニケーション記号からさらに“青”を指定して青色のコミュニケーション記号一つを選択することができる。すなわち、4色の中から1色を選択する工程を2回繰り返すことにより、容易に意図する一つのコミュニケーション記号を選択することが可能となる。
【0129】
また、本発明のコミュニケーションボードは、複数のコミュニケーション記号が表示されたコミュニケーションボード上で、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示されたコミュニケーション記号囲み枠と、グループごとに、コミュニケーション記号毎に個々に色分け表示されたコミュニケーション記号背景と、を備えることを特徴とする。例えば、コミュニケーション記号背景を計4色とし、総計16個のコミュニケーション記号のうちの4個ずつ各背景色にグループ分けし、さらに各背景色毎のコミュニケーション記号4個を互いに異なる4色にそれぞれ囲み枠色分けするものとできる。囲み枠と背景とはいずれが外側でいずれが内側であっても任意であるが、囲み枠を外側とするほうがよりユーザフレンドリーである点で好ましい。
【0130】
これにより、利用者は最初に“赤”の囲み枠色を選択して赤色囲み枠グループを指定(この中には先の例では4個のコミュニケーション記号が含まれる)し、次に当該赤色囲み枠にグループ分けされた4色のコミュニケーション記号からさらに“青”を指定して青色背景とされたコミュニケーション記号一つを選択することができる。すなわち、4色の中から1色を選択する工程を2回繰り返すことにより、容易に意図する一つのコミュニケーション記号を選択することが可能となる。
【0131】
また、本発明のコミュニケーションボードは、好ましくはコミュニケーション記号が、グループごとに個々に色分け表示されることを特徴とする。コミュニケーション記号それ自体を色分けせずに例えば黒一色のみで表示することも可能ではあるが、コミュニケーション記号それ自体が色分け表示可能である場合には、これを色分けすることで最後の色選択がより確実に行えるものとなるので好ましい。
【0132】
また、本発明のコミュニケーションボードは、さらに好ましくはコミュニケーション記号が、利用者の思想または感情・欲求・意図・指示等の心の内面を、表現するかまたは第三者に伝達するためのものであることを特徴とする。すなわち、コミュニケーション記号は、いわゆる文字や言語等に限られるものではなく、意思の表現や伝達や周囲とのコミュニケーションや意思疎通等に制約がある利用者が、自らの意思や気持ちや指示・思想や感情等を周囲に伝達したり指示したり共感したり表現できる、図案やロゴマーク・絵文字や記号や立体表示や標識・看板等の任意のものを適用することができる。人間活動においては、ありとあらゆる場面においてコミュニケーションを伴うものであることから、種々の場面において意思疎通に資するものをコミュニケーション記号として採用し適用し得るものである。
【0133】
また、本発明のコミュニケーションボードは、さらに好ましくはコミュニケーション記号が、図案、ロゴマーク、記号、マーク、絵、モチーフ、画像、映像、3次元画像、3次元映像、絵文字、単語、文章のいずれか一つを含むことを特徴とする。ここに示しているのはコミュニケーション記号の典型例であるから、これに限定されるものではない。
【0134】
また、本発明のコミュニケーションボードは、さらに好ましくはコミュニケーション記号囲み枠は、複数のコミュニケーション記号を第一群として一の色に対応付けて囲む第一群囲み枠と、第一群囲み枠を複数束ねたより大きな第二群として一の色に対応付けて囲む第二群囲み枠と、を少なくとも備えることを特徴とする。いわゆる二段構成の囲み枠を備える構成について開示するものである。例えば、全16個のコミュニケーション記号を4個ずつまとめてそれぞれ赤色囲み枠、青色囲み枠、緑色囲み枠、紫色囲み枠にグループ分けする。そして、各色グループ内の4個のコミュニケーション記号を1個ずつ個別にそれぞれ赤色囲み枠、青色囲み枠、緑色囲み枠、紫色囲み枠とすることもできる。これにより、4色の囲み枠中から1色を選択する工程を2回繰り返すことにより、容易に意図する一つのコミュニケーション記号を選択することが可能となる。
【0135】
また、本発明のコミュニケーションボードは、さらに好ましくは色分けに対応した色を選択するためのみを目的とする色選択領域を備えることを特徴とする。色を選択する場合に、例えば目線の移動で選択先を決定する場合には、判別が困難となる場合も想定されるが、コミュニケーション記号が配置されている領域の上下左右のいずれか一つまたは複数箇所に、例えば色選択用の色バーを表示しておくことにより、選択ミスや判別ミスが低減されることが期待できる。
【0136】
また、本発明のコミュニケーションボードは、さらに好ましくは色選択領域のそれぞれが、コミュニケーション記号の各表示領域よりも大きな占有面積を有することを特徴とする。これにより、色選択の誤りが低減されるとともに、より簡単で確実な色選択が可能となる。
【0137】
また、本発明のコミュニケーションボードは、さらに好ましくは色選択領域が、文字類の表示領域の上または/及び下に配置された色バンドまたは色帯であることを特徴とする。上か下またはその両方への配置は、A4横置き等のコミュニケーションボードの形状や取り扱い上の容易さをさらに推進することが期待できる。
【0138】
また、本発明のコミュニケーションボードは、さらに好ましくは色分けは4色であって、それぞれ互いに異なって識別される合計4カラーが利用されることを特徴とする。文字や言語を習得していない、または習得していても異なる言語や文字を使用している利用者であっても、4色のなかから任意の対応する1色を選択することにより、意図する記号を選択することができるので好ましい。
【0139】
また、本発明の意思伝達方法は、上述のコミュニケーションボードを用いた意思伝達方法であって、少なくとも2以上にグループ分けして色分け表示されたコミュニケーション記号背景又は/及びコミュニケーション記号囲み枠色から任意の色を選択する第一色選択段階と、個々に色分け表示されたコミュニケーション記号の色から任意の色を選択する第二色選択段階と、を有し、各段階の色の選択は、選択をしようとするコミュニケーション記号に対応するところの色であることを特徴とする。これにより、より容易でユーザフレンドリーで確実な意思表示が可能となる。
【0140】
また、本発明の意思伝達方法は、上述のコミュニケーションボードを用いた意思伝達方法であって、色分け表示された囲み枠色から任意の色を選択する第一色選択段階と、色分け表示された背景色から任意の色を選択する第二色選択段階と、を有し、各段階の色の選択は、選択をしようとするコミュニケーション記号に対応するところの色であることを特徴とする。これにより、より容易でユーザフレンドリーで確実な意思表示が可能となる。
【0141】
また、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤は、好ましくは色分けされた各グループが縦並びであるか、または横並びであることを特徴とする。すなわち、色分け表示された文字類等が各色ごとに横一列または縦一列に整然と表記されることができる。見た目もスッキリと美しく、煩雑さが払拭されてクリアで明快は文字盤が実現される。
【0142】
また、本発明のコミュニケーションボードは、好ましくは色分けされた各グループが縦並びであるか、または横並びであることを特徴とする。すなわち、色分け表示されたコミュニケーション記号が各色ごとに横一列または縦一列に整然と表記されることができる。見た目もスッキリと美しく、煩雑さが払拭されてクリアで明快は文字盤が実現される。
【0143】
また、本発明のコミュニケーションボードは、複数のコミュニケーション記号が表示されたコミュニケーションボードにおいて、コミュニケーション記号は、コミュニケーション記号を囲む枠色と、コミュニケーション記号の背景色と、コミュニケーション記号それ自体の記号色との3態様のうち少なくとも2態様の色分けとされ、2態様の色分けの一方が縦の色配列であり、他方が横の色配列であることを特徴とする。
【0144】
典型的には、2態様の色分けとした場合には、枠色(同色縦配置)及び背景色(同色横配置)と、枠色(同色横配置)及び背景色(同色縦配置)と、枠色(同色縦配置)及び文字色(同色横配置)と、枠色(同色横配置)及び文字色(同色縦配置)と、背景色(同色縦配置)及び文字色(同色横配置)と、背景色(同色横配置)及び文字色(同色縦配置)と、の組み合わせとすることができる。そして、それぞれに態様において色選択バー(色帯)を設けるか否か及び設ける場合に、記号配置領域の上側に設けるか、下側に設けるかまたはその両方に設けるか、左側に設けるか右側に設けるかまたはその両方に設けるか等の任意のバリエーション対応が考え得る。
【0145】
(2カラー色分けでカスタム表示のみの実施例)
図15は、2カラー色分けで枠色と背景色とを利用(記号色は無し)してカスタム表示のみ(カスタム記号は任意)の実施例を説明する図であって、(a)が枠色を同色縦配置とし背景色を同色横配置として上下に色選択バーを設けた例を説明するものであり、(b)が枠色を同色横配置とし背景色を同色縦配置として左右に色選択バーを設けた例を説明するものである。
【0146】
図15(a)において、赤色選択バー11110は上部に配置され青色選択バー11120は下部に配置されており、カスタム1とカスタム3とは赤色枠11410とされ、カスタム2とカスタム4とは青色枠11420とされ、さらにカスタム1とカスタム2が赤色背景11210でありカスタム3とカスタム4とが青色背景11220である。カスタム記号の選択方法やその順序は既に説明している内容と同様であるためここでは説明を省略する。
【0147】
また、図15(b)において、赤色選択バー11110は左部に配置され青色選択バー11120は右部に配置されており、カスタム1とカスタム2とは赤色枠11410とされ、カスタム3とカスタム4とは青色枠11420とされ、さらにカスタム1とカスタム3が赤色背景11210でありカスタム2とカスタム4とが青色背景11220である。カスタム記号の選択方法やその順序は既に説明している内容と同様であるためここでは説明を省略する。すなわち、カスタム記号に対して1対1で枠色と背景色との組み合わせセットが割り当てられており、図15の例では、枠色と背景色との組み合わせセットを一つ決定すれば、それに対応するカスタム記号がただ一つだけ選択できるものとなっている。
【0148】
(3カラー色分けでカスタム表示のみの実施例)
図16は、3カラー色分けで枠色と記号色とを利用(背景色は無し)してカスタム表示のみ(カスタム記号は任意)の実施例を説明する図であって、(a)が枠色を同色縦配置とし記号色を同色横配置として上下に色選択バーを設けた例を説明するものであり、(b)が枠色を同色横配置とし記号色を同色縦配置として下部のみに色選択バーを設けた例を説明するものである。
【0149】
図16(a)において、赤色選択バー11110と青色選択バー11120とは上部に配置され緑色選択バー11130は下部に配置されており、カスタム1とカスタム4とカスタム7とは赤色枠11410とされ、カスタム2とカスタム5とカスタム8とは青色枠11420とされ、カスタム3とカスタム6とカスタム9とは緑色枠11430とされ、さらにカスタム1とカスタム2とカスタム3が赤色記号11310でありカスタム4とカスタム5とカスタム6とが青色記号11320でありカスタム7とカスタム8とカスタム9とが緑色記号11330である。カスタム記号の選択方法やその選択順序は既に説明している内容と同様であるためここでは説明を省略する。選択順序に関しては、外側からカスタム記号に近い配置へと順に内側へ選択していくことが好ましいと思われるがこれに限定されるものではない。
【0150】
また、図16(b)において、赤色選択バー11110と青色選択バー11120と緑色選択バー11130は下部に配置されており、カスタム1とカスタム2とカスタム3とは赤色枠11410とされ、カスタム4とカスタム5とカスタム6とは青色枠11420とされ、カスタム7とカスタム8とカスタム9とは緑色枠11430とされ、さらにカスタム1とカスタム4とカスタム7が赤色記号11310でありカスタム2とカスタム5とカスタム8とが青色記号11320でありカスタム3とカスタム6とカスタム9とが緑色記号11330である。カスタム記号の選択方法やその選択順序は既に説明している内容と同様であるためここでは説明を省略する。選択順序に関しては、外側からカスタム記号に近い配置へと順に内側へ選択していくことが、間違いが少なくなって好ましいと思われるがこれに限定されるものではない。カスタム記号に対して1対1で枠色と記号色との組み合わせセットが割り当てられており、図16の例では、枠色と記号色との組み合わせ色セットを一つ決定すれば、それに対応するカスタム記号がただ一つだけ選択できるものとなっている。
【0151】
(5カラー色分けでカスタム表示のみの実施例)
図17は、5カラー色分けで背景色と記号色とを利用(枠色は無し)してカスタム表示のみ(カスタム記号は任意)の実施例を説明する図であって、(a)が背景色を同色縦配置とし記号色を同色横配置として上に色選択バーを設けた例を説明するものであり、(b)が背景色を同色横配置とし記号色を同色縦配置として色選択バーを設けない例を説明するものである。
【0152】
図17(a)において、赤色選択バー11110と青色選択バー11120と緑色選択バー11130と黄色選択バー11140と紫色選択バー11160とは上部に配置されており、カスタム1乃至カスタム5は赤色記号11310とされ、カスタム6乃至カスタム10は青色記号11320とされ、カスタム11乃至カスタム15は緑色記号11330とされ、カスタム16乃至カスタム20は黄色記号11340とされ、カスタム21乃至カスタム25は紫色記号11360とされる。そして、カスタム1とカスタム6とカスタム11カスタム16とカスタム21とが赤色背景11210であり、カスタム2とカスタム7とカスタム12とカスタム17とカスタム22とが青色背景11220であり、カスタム3とカスタム8とカスタム13とカスタム18とカスタム23とが緑色背景11230であり、カスタム4とカスタム9とカスタム14とカスタム19とカスタム24とが黄色背景11240であり、カスタム5とカスタム10とカスタム15とカスタム20とカスタム25とが紫色背景11260である。カスタム記号の選択方法やその選択順序は既に説明している内容と同様であるためここでは説明を省略する。選択順序に関しては、外側からカスタム記号に近い配置へと順に内側へ選択していくことが、混乱を防止して整然とスムースに選択する上では好ましいと思われるがこれに限定されるものではない。
【0153】
また、図17(b)において、色選択バーは配置されておらず、カスタム1乃至カスタム5は赤色背景11210とされ、カスタム6乃至カスタム10は青色背景11220とされ、カスタム11乃至カスタム15は緑色背景11230とされ、カスタム16乃至カスタム20は黄色背景11240とされ、カスタム21乃至カスタム25は紫色背景11260とされる。そして、カスタム1とカスタム6とカスタム11カスタム16とカスタム21とが赤色記号11310であり、カスタム2とカスタム7とカスタム12とカスタム17とカスタム22とが青色記号11320であり、カスタム3とカスタム8とカスタム13とカスタム18とカスタム23とが緑色記号11330であり、カスタム4とカスタム9とカスタム14とカスタム19とカスタム24とが黄色記号11340であり、カスタム5とカスタム10とカスタム15とカスタム20とカスタム25とが紫色記号11360である。カスタム記号の選択方法やその選択順序は既に説明している内容と同様であるためここでは説明を省略する。選択順序に関しては、外側からカスタム記号に近い配置へと順に内側へ選択していくことが、間違いが少なくなって好ましいと思われるがこれに限定されるものではない。カスタム記号に対して1対1で背景色と記号色との組み合わせセットが割り当てられており、図17の例では、背景色と記号色との組み合わせ色セットを一つ決定すれば、それに対応するカスタム記号がただ一つだけ選択できるものとなっている。
【0154】
上述の説明によるコミュニケーション用色分け文字盤・コミュニケーションボード等は、実施形態での説明に限定されるものではなく、本発明の目的及び開示内容の範囲内かつ記載事項から当業者に導出され得る自明な範囲内で適宜その構成や構造・素材・方法を変更したり、アレンジすることができるものである。なお、本発明のコミュニケーション用色分け文字盤の全体外観デザインを説明するために、符号を記載していない図1図2図5図6に相当する各図を図7乃至図10にそれぞれ示している。各図の(a)乃至(d)として示す図は、それぞれ一枚のクリアボード等に文字盤として構成表示することができる。
【産業上の利用可能性】
【0155】
本発明は、特にALS患者や要介護者が介護者等との間で意思疎通のために用いるツールとしてのコミュニケーション用色分け文字盤とそれを用いた選択文字伝達方法等に適用可能である。
【符号の説明】
【0156】
1000・・コミュニケーション用色分け文字盤、1100・・色帯、1200・・文字群表示領域、1110・・赤色帯、1120・・青色帯、1130・・緑色帯、1140・・黄色帯、1150・・水色帯、1160・・紫色帯、1210・・赤色背景、1220・・青色背景、1230・・緑色背景、1240・・黄色背景、1250・・水色背景、1260・・紫色背景、1310・・赤色フォント、1320・・青色フォント、1330・・緑色フォント、1340・・黄色フォント、1350・・水色フォント、1360・・紫色フォント、1410・・赤色枠、1420・・青色枠、1430・・緑色枠、1440・・黄色枠、1450・・水色枠、1460・・紫色枠、1510・・赤色大枠、1520・・青色大枠。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17