IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 電気化学工業株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013588
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】組成物
(51)【国際特許分類】
   C09J 4/02 20060101AFI20250117BHJP
   C09J 109/00 20060101ALI20250117BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20250117BHJP
   C09J 5/00 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
C09J4/02
C09J109/00
C09J11/06
C09J5/00
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024195394
(22)【出願日】2024-11-07
(62)【分割の表示】P 2021574729の分割
【原出願日】2021-01-29
(31)【優先権主張番号】P 2020014139
(32)【優先日】2020-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 佑輔
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 千亜紀
(57)【要約】
【課題】可使時間と密着性の両立。
【解決手段】(1)(メタ)アクリルモノマーと、(2)(メタ)アクリル基を持たずかつ炭素-炭素二重結合構造を10%以上90%以下の割合で有するエラストマーと、(3)有機過酸化物と、(4)コバルトを含む有機化合物とを含有する組成物であり、(2)成分の量が、(1)成分と(2)成分の合計を100質量部として、20質量部以下であり、(4)成分の一分子中の炭素の数が12以上19以下である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)(メタ)アクリルモノマーと、
(2)(メタ)アクリル基を持たず、かつ炭素-炭素二重結合構造を10%以上90%以下の割合で有するエラストマーと、
(3)有機過酸化物と、
(4)コバルトを含む有機化合物と
を含有する組成物であり、
(2)成分の量が、(1)成分と(2)成分の合計を100質量部として、20質量部以下であり、
(4)成分の一分子中の炭素の数が12以上19以下である
ことを特徴とする、組成物。
【請求項2】
(2)成分の炭素-炭素二重結合構造が、ブタジエン構造を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(4)成分が、2-エチルヘキサン酸コバルトを含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
JIS K 6870:2008の定める方法5「発熱反応温度による求め方」により測定したポットライフが100分以上であり、かつJIS K 6850:1999に規定される方法で測定された鉄同士に対する24時間経過後の引張せん断接着強度が10MPa以上かつ破壊状態が凝集破壊となり、JIS K 5600-3-2:1999に規定されるバロチニ法に基づいて硬化物の表面にべとつきがないことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
第一剤に少なくとも(3)有機過酸化物を含有し、かつ第二剤に少なくとも(4)コバルトを含む有機化合物を含有する二剤型である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物を含有してなる接着剤組成物。
【請求項7】
請求項6記載の接着剤組成物を使用して被着体を接着してなる接合体。
【請求項8】
請求項6記載の接着剤組成物を使用して被着体を接着することを含む接着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組成物に関する。本発明は、特にハンドリングタイムが長く、優れた金属密着性を示す硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
常温で硬化する接着剤として、二剤型アクリル系接着剤組成物である第二世代アクリル系接着剤組成物(SGA)が知られている。SGAとしては、有機過酸化物を含む第一剤と、第一剤に含まれる有機過酸化物を分解し、ラジカルを発生させる還元剤を含む第二剤からなり、その第一剤と第二剤の両方に重合性(メタ)アクリルモノマーやエラストマーなどの主成分を含む二液主剤型が一般的である。
【0003】
二液主剤型のSGAの特徴として、第一剤と第二剤を正確に混合しなくても優れた接着性が発現可能であること、及び油面接着が可能であることが挙げられる。そうしたSGAに関しては、特許文献1~5に記載されるような種々の提案がなされてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-160861号公報
【特許文献2】特開2008-156426号公報
【特許文献3】特開2017-206574号公報
【特許文献4】特開2017-075279号公報
【特許文献5】特開平06-080937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし従来技術に係るSGAでは、金属密着性と硬化速度とがトレードオフ(二律背反)になってしまう問題を解決できていなかった。例えば特許文献1では金属とコンクリート、紙、若しくは布などの多孔性材料とを接着できる組成物であって、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、コバルト石鹸、及び含窒素化合物を含むものを開示している。この組成物はコバルトイオンの作用により多孔性材料への接着性は示す。しかし技術発展に伴い現在求められている水準に照らすと、当該従来技術に係る金属接着性はなお向上の余地があると考えられる。
【0006】
また特許文献2には、重合性ビニルモノマーと、硬化剤と、チオ尿素誘導体と、エラストマー成分とを含む接着剤組成物であって、油面接着性を有するものが開示されている。この組成物の接着強度はチオ尿素誘導体の重合反応に依存する。そのため当該従来技術は、現在求められる水準に照らすと可使時間と接着強度の両立になお向上の余地があると考えられる。
【0007】
また特許文献3及び4には、クロロスルホン化ポリエチレン等のエラストマーと、(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体と、有機過酸化物と、ニトリルブタジエンゴムと、アミン系活性化剤と、銅系化合物又は有機金属化合物とを含む二剤型接着剤が開示されている。しかしこの接着剤は、硬化促進剤であるトルイジン等のアミン系活性化剤の作用により接着強度を得ているものであり、そのため貯蔵安定性が悪い問題を解決できない。また、現在求められる水準に照らすと可使時間が十分に長く取れない上、可使時間を長くしようとしても今度は接着強度が落ちてしまう問題もある。
【0008】
特許文献5には、重合性(メタ)アクリルモノマー及び有機過酸化物を主成分とする主剤と、主剤中の有機過酸化物とレドックス触媒系を形成する還元剤を主成分とするプライマーからなる、主剤-プライマー型アクリル系接着剤であって、プライマーがアルデヒドとアミンの縮合物及び可溶性バナジウム化合物を主成分とし、主剤又はプライマーの少なくとも一方に酸性リン化合物、有機カルボン酸及び有機スルホン酸から選ばれた酸性化合物の一種以上を含有するものが開示されている。しかしこの接着剤もまた、現在求められる水準に照らすと可使時間が十分に長く取れない問題が解決できず、かつプライマーを必要とするので使用方法が複雑になる問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決できる本発明に想到した。すなわち本発明は以下の態様を提供できる。
【0010】
態様1.
(1)(メタ)アクリルモノマーと、
(2)(メタ)アクリル基を持たず、かつ炭素-炭素二重結合構造を10%以上90%以下の割合で有するエラストマーと、
(3)有機過酸化物と、
(4)コバルトを含む有機化合物と
を含有する組成物であり、
(2)成分の量が、(1)成分と(2)成分の合計を100質量部として、20質量部以下であり、
(4)成分の一分子中の炭素の数が12以上19以下である
ことを特徴とする、組成物。
【0011】
態様2.
(2)成分の炭素-炭素二重結合構造が、ブタジエン構造を含む態様1に記載の組成物。
【0012】
態様3.
(4)成分が、2-エチルヘキサン酸コバルトを含む、態様1又は2に記載の組成物。
【0013】
態様4.
JIS K 6870:2008の定める方法5「発熱反応温度による求め方」により測定したポットライフが100分以上であり、かつJIS K 6850:1999に規定される方法で測定された鉄同士に対する24時間経過後の引張せん断接着強度が10MPa以上かつ破壊状態が凝集破壊となり、JIS K 5600-3-2:1999に規定されるバロチニ法に基づいて硬化物の表面にべとつきがないことを特徴とする態様1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【0014】
態様5.
第一剤に少なくとも(3)有機過酸化物を含有し、かつ第二剤に少なくとも(4)コバルトを含む有機化合物を含有する二剤型である、態様1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【0015】
態様6.
態様1~5のいずれか1項に記載の組成物を含有してなる接着剤組成物。
【0016】
態様7.
態様6記載の接着剤組成物を使用して被着体を接着してなる接合体。
【0017】
態様8.
態様6記載の接着剤組成物を使用して被着体を接着することを含む接着方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施形態により提供される組成物では、可使時間(ポットライフ又はオープンタイムとも称する)を十分に確保できつつ、しかも密着性も優れ、さらに金属密着性も優れるという効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明するが、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書における「部」や「%」は特に規定しない限り質量基準とする。本明細書における数値範囲は、別段の定めがないかぎりは、上限値及び下限値を含むものとする。本明細書において成分の「使用量」及び「含有量」とは、別段の定めがないかぎりは、組成物全体を基準とした量を意味する。
【0020】
本明細書において「単官能(メタ)アクリレート」とは、1個の(メタ)アクリロイル基(本明細書中では(メタ)アクリル基と表記することもある)を有する(メタ)アクリレートのことを意味する。また「多官能(メタ)アクリレート」とは、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートのことを意味する。
【0021】
本発明の実施形態が提供できる組成物としては、硬化性組成物が好ましい。硬化性組成物(以下、単に「組成物」とも称することもある)には、(1)(メタ)アクリルモノマーと、(2)(メタ)アクリル基を持たず、かつ炭素-炭素二重結合構造を10%以上90%以下の割合で有するエラストマーと、(3)有機過酸化物と、(4)コバルトを含む有機化合物とが含まれる。
【0022】
(1)(メタ)アクリルモノマーは、組成物の他成分を溶解させる機能を有する。(1)成分としては、炭化水素基を有する(メタ)アクリレート及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる一種以上のモノマーであることが好ましい。そうした炭化水素基としては、非置換若しくは置換の炭化水素基であって炭素数が1~32であることが好ましい。当該炭化水素基は、直鎖、分鎖、若しくは脂環式の脂肪族基、芳香族基、又はその組み合わせであってよい。他成分の充分な溶解性を得る観点からは(1)成分が、脂肪族基を有する(メタ)アクリレート又はヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを一種以上含むことが好ましい。
【0023】
(1)成分は、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、又はその混合物であってよい。
【0024】
直鎖又は分鎖の脂肪族基を有し単官能である(1)成分の例としては、アルキル(メタ)アクリレート、並びに、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また単官能(メタ)アクリレートの更なる例として、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、4-ブチルヒドロキシ(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びカプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等も挙げられる。
【0025】
アルキル(メタ)アクリレートとしては、下記式(1)で示される(メタ)アクリレートが好ましい。
式(1)
1-O-R11
(式中、Z1は(メタ)アクリロイル基を示し、R11はアルキル基を示す。)
【0026】
式(1)で示される(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート(2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートを含む)、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、及びエイコデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0027】
11は、アルキル基を示す。R11は、炭素数1~20のアルキル基が好ましく、炭素数1~10のアルキル基がより好ましい。
【0028】
アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基としては、非置換であり、脂環式でなく、芳香族基を有さず、置換基を有しないアルキル基が好ましい。
【0029】
アルキル(メタ)アクリレートの中では、メチル(メタ)アクリレートとオクチル(メタ)アクリレートを併用することが好ましい。メチル(メタ)アクリレートとオクチル(メタ)アクリレートを併用した場合、その組成比は質量比でメチル(メタ)アクリレート:オクチル(メタ)アクリレート=50~99:1~50が好ましく、60~90:10~40がより好ましく、70~80:20~30が最も好ましい。
【0030】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、下記式(2)で示される(メタ)アクリレートが好ましい。
式(2)
2-O-(R12O)p-H
(式中、Z2は(メタ)アクリロイル基を示し、R12はアルキレン基を示し、pは1~10の整数を表す。)
【0031】
式(2)で示される(メタ)アクリレートとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0032】
12は、アルキレン基を示す。R12は、-C24-、-C36-、-CH2CH(CH3)-、-C48-又は-C612-が好ましい。pは1~10の整数が好ましく、1~4の整数がより好ましい。
【0033】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのヒドロキシアルキル基としては、非置換であり、脂環式でなく、芳香族基を有さず、ヒドロキシ基以外の置換基を有しないヒドロキシアルキル基が好ましい。
【0034】
単官能(メタ)アクリレートの中では、アルキル(メタ)アクリレートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを併用することが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを併用した場合、その組成比は質量比でアルキル(メタ)アクリレート:ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート=1~99:1~99が好ましく、50~95:5~50がより好ましく、70~90:10~30が最も好ましい。
【0035】
(1)成分の中では、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートを併用してもよい。単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートを併用した場合、その組成比は質量比で単官能(メタ)アクリレート:多官能(メタ)アクリレート=50~99:1~50が好ましく、70~90:10~30がより好ましく、75~85:15~25が最も好ましい。
【0036】
脂環式の脂肪族基又は芳香族基を有する単官能(メタ)アクリレートとしては例えば、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1-(1-アダマンチル)-1-メチルエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メチルベンジル(メタ)アクリレート、エチルベンジル(メタ)アクリレート、プロピルベンジル(メタ)アクリレート、メトキシベンジル(メタ)アクリレート、クロロベンジル(メタ)アクリレート、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン、及び2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
【0037】
多官能(メタ)アクリレートとしては例えば、直鎖、分鎖、若しくは脂環式の脂肪族基又は芳香族基を有するアルキルジ(メタ)アクリレート、アルキルトリ(メタ)アクリレート、又はアルキルテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましくはビスフェノールA骨格を有するジ(メタ)アクリレートを使用できる。ビスフェノールA骨格を有するジ(メタ)アクリレートとしては、(ポリ)エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの一種以上が使用できる。これらの中では、(ポリ)エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートが好ましい。(ポリ)エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートの中では、下記式(3)に示す化合物が好ましい。式中のm+n(すなわちエトキシ当量)は、1~40が好ましく、3~20がより好ましく、5~15が最も好ましく、10が尚更好ましい。式中のR1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又はCH3基であってよい。
【0038】
【化1】
(m,nは正数)
【0039】
(1)(メタ)アクリルモノマーの中では、可使時間確保の観点からは、単官能(メタ)アクリレートが好ましい。単官能(メタ)アクリレートの割合は、(1)成分100質量部中、50質量部以上が好ましく、70質量部以上がより好ましく、80質量部以上が最も好ましく、90質量部以上が更に好ましく、100質量部が尚更好ましい。
【0040】
(1)(メタ)アクリルモノマーの中では、密着性の観点からは、多官能(メタ)アクリレートが好ましい。多官能(メタ)アクリレートの割合は、(1)成分100質量部中、50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、20質量部以下が最も好ましい。多官能(メタ)アクリレートの割合は、(1)成分100質量部中、1質量部以上が好ましい。
【0041】
(1)成分の使用量は、(1)成分と(2)成分の合計を100質量部としたときに、80質量部以上100質量部未満が好ましく、80質量部以上99質量部以下がより好ましい。(1)成分が80質量部未満であると、組成物の粘度が高くなりすぎて均一に製造できない問題が発生する。また(2)成分が含まれないと、引張剪断強度を充分に得られない問題がある。
【0042】
(2)(メタ)アクリル基を持たず、かつ炭素-炭素二重結合構造を10%以上90%以下の割合で有するエラストマーは、組成物に引張剪断強度を付与する役割を担う。なお本明細書において「エラストマー」とは、常温でゴム状弾性を有する高分子物質のことを指し、重合性モノマーに溶解又は分散できるものが好ましい。
【0043】
(2)成分の炭素-炭素二重結合構造の割合は、10%以上であれば硬化性を向上でき、90%以下であれば引張剪断強度及び硬化性を向上でき、充分な金属密着性が得られる。炭素-炭素二重結合構造の割合が90%超であると、系中に発生するラジカルがその二重結合の酸化に消費されてしまい、空気と接触する組成物の硬化表面や、被着体との界面などにおいて、硬化不良が起きてしまうと考えられる。より好ましくは、(2)成分の炭素-炭素二重結合構造の割合は20%以上80%以下、更に好ましくは30%以上80%以下であってよい。(2)成分の炭素-炭素二重結合構造は、ブタジエン構造を含むのが好ましい。
【0044】
(2)成分の炭素-炭素二重結合構造の割合は周知の技術で求められ、例えばフーリエ変換赤外分光光度法(FT-IR)や、滴定によるヨウ素価算出法により求めてよい。
【0045】
(2)成分は(メタ)アクリル基を持たないことにより、優れた硬化性が得られる。これは、重合反応の際に(2)成分が(メタ)アクリルモノマーと相分離を起こし海島構造を形成するため、(メタ)アクリルモノマー同士の反応が抑制されないからである。
【0046】
(2)成分としては、ブタジエン重合体、スチレン-ブタジエンゴム(SBR、以下ハイスチレンゴムということもある)、ニトリルゴム(NBR)等の各種合成ゴム、天然ゴム、各種熱可塑性エラストマー等が挙げられる。(2)成分は、好ましくはブタジエン構造を10%以上90%以下の割合で有するNBRを含有できる。これらのエラストマー成分は相溶性に問題がなければ、一種以上を使用してもよい。(2)成分の中では、ニトリルゴム(NBR)が好ましい。
【0047】
(2)成分の使用量は、(1)成分と(2)成分の合計を100質量部としたときに、20質量部以下である。(2)成分が20質量部超であると、組成物の粘度が高くなりすぎて均一に製造できない問題が発生する。
【0048】
(3)有機過酸化物(パーオキサイド又はペルオキシドとも称する)は、反応性に優れる熱ラジカル重合開始剤としての役割を担う。(3)成分としては、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。これらのうち、反応性の点で、クメンハイドロパーオキサイドが好ましい。
【0049】
(3)成分の使用量は、(1)成分と(2)成分の合計を100質量部としたとき、0.1~20質量部が好ましく、0.5~15質量部がより好ましい。(3)成分が0.1質量部以上であれば硬化速度を適切に速くでき、20質量部以下であれば貯蔵安定性を向上できる。
【0050】
(4)コバルトを含む有機化合物は、還元剤として機能する。本発明者は、(4)成分の一分子中の炭素の数を12以上19以下とすることにより、配位子の立体障害を少なくできつつ、配位子を過度に嵩高くしないことで、中心金属であるコバルト元素に配位子が強固に結合できることを見出した。こうすることで、コバルトの酸化還元反応速度を適度に制限でき、有機過酸化物を効率的に分解できる顕著な効果が得られる。
【0051】
さらに上述した効果は、コバルトを中心金属として使うときだけに得られる効果であると考えられる。他の還元剤(例えばニッケル、マンガン、又はバナジウムを中心金属とする還元剤)であると、たとえ炭素数が上記範囲であっても、上記の効果は得られない。これはコバルトが、3d電子軌道に不対共有電子対を持つ第一遷移金属の中で最も電気陰性度が高いからである。
【0052】
(4)成分の例としては、オクチル酸コバルト(別名「ビス(2-エチルヘキサン酸)コバルト(II)」又は「2-エチルヘキサン酸コバルト」、一分子中の炭素数は16)、サルコミン(別名「N,N'-エチレンビス(サリチリデンイミナト)コバルト(II)」、一分子中の炭素数は16)、トリス(2,4-ペンタンジオナト)コバルト(III)(別名「アセチルアセトンコバルト(III)」、一分子中の炭素数は15)、シクロペンタジエニル(ジメチルフマラート)(トリエチルホスファイト)コバルト(I)(一分子中の炭素数は17)などが挙げられるが、これに限定はされない。
【0053】
(4)成分の量は、(1)成分と(2)成分の合計を100質量部としたとき、0.1~20質量部が好ましく、0.5~15質量部がより好ましく、1~5質量部が更に好ましい。(4)成分の量がこの範囲であれば、コバルトの酸化還元反応速度を適度に制限できる。更に好ましくは、(3)成分と(4)成分の量を等しくできる。
【0054】
或る実施形態においては、組成物は二剤型であってよく、その第一剤には少なくとも(3)成分を含有し、かつ第二剤に少なくとも(4)成分を含有することがより好ましい。
【0055】
或る実施形態に係る組成物はさらに、アシッドホスホキシアルキル(メタ)アクリレートのモノマー又はポリマーを含んでもよく、その量は(1)成分と(2)成分の合計を100質量部としたとき、0.1~5質量部が好ましく、1~3質量部がより好ましい。そうしたアシッドホスホキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、下記式(4)を有する化合物のモノマー又はポリマーが好ましい。
【0056】
【化2】
式中、Aは(複数存在する場合はそれぞれ独立に)水素原子、アルキル基(好ましくはC1~C6アルキル基、より好ましくはメチル基)、又はアルキルハロ基(好ましくはC1~C6アルキルハロ基、より好ましくはクロロC1~C6アルキル基、更に好ましくはクロロメチル基)である。nは1~6の整数である。kは1又は2の整数である。R1は水素原子又はCH3基であってよい。
【0057】
或る実施形態に係る組成物はさらに、本発明の組成物は空気に接している部分の硬化を迅速にするためにパラフィン類を含んでもよく、その量は、硬化性と密着性の点で、(1)成分と(2)成分の合計を100質量部としたとき、0.01~5質量部が好ましく、0.1~2質量部がより好ましい。そうしたパラフィン類としては、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバろう、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう、セレシン及びカンデリラろう等が挙げられる。これらの中では、パラフィンが好ましい。パラフィン類の融点は40~100℃が好ましい。
【0058】
或る実施形態に係る組成物はさらに、貯蔵安定性向上のために重合禁止剤を含んでもよく、その量は、貯蔵安定性と密着性の点で、(1)成分と(2)成分の合計を100質量部としたとき、0.001~3質量部が好ましく、0.01~1質量部がより好ましい。そうした重合禁止剤としては、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、2,2-メチレン-ビス(4-メチル-6-ターシャリーブチルフェノール)、カテコール、ハイドロキノンモノメチルエーテル(メトキノン)、モノターシャリーブチルハイドロキノン、2,5-ジターシャリーブチルハイドロキノン、p-ベンゾキノン、2,5-ジフェニル-p-ベンゾキノン、2,5-ジターシャリーブチル-p-ベンゾキノン、ピクリン酸、クエン酸、フェノチアジン、ターシャリーブチルカテコール、2-ブチル-4-ヒドロキシアニソール又は2,6-ジターシャリーブチル-p-クレゾール等が挙げられる。
【0059】
或る実施形態では、上記の組成物を含有してなる接着剤組成物を提供できる。或る実施形態では、当該接着剤組成物により、被着体を接着してなる接合体も、またその接着方法も提供できる。被着体が金属の場合、優れた密着性を示す。金属が鉄やアルミニウムの場合、より優れた密着性を示す。
【0060】
好ましい実施形態における本組成物は、JIS K 6870:2008の定める方法5「発熱反応温度による求め方」により測定したポットライフ(ゲル化時間)が100分以上であるのが好ましく、200分以上であるのがより好ましく、500分以上であるのが更に好ましい。ポットライフの測定にあたっては、組成物が未硬化でないことが好ましい。ポットライフは1000分以下が好ましく、800分以下がより好ましい。
【0061】
好ましい実施形態における本組成物は、JIS K 6850:1999に規定される方法で測定された鉄同士に対する24時間経過後の引張せん断接着強度が10MPa以上であるのが好ましく、15MPa以上であるのがより好ましく、20MPa以上であるのが最も好ましい。JIS K 6850:1999に規定される方法で測定されたアルミニウム同士に対する24時間経過後の引張せん断接着強度が10MPa以上であるのが好ましく、11MPa以上であるのがより好ましく、12MPa以上であるのが最も好ましい。一般に強い接着強さが得られるのは凝集破壊が起きる場合なので、破壊状態が凝集破壊となることが好ましい。更に好ましくは、当該引張せん断接着強度が10MPa以上であってかつ破壊状態が凝集破壊となってよい。なお本明細書においては、接着面積全体を基準として凝集破壊した割合が80%以上であった場合に破壊状態が凝集破壊であると判定し、80%未満であった場合には破壊状態が界面破壊若しくは表面破壊と判定するものとする。
【0062】
或る実施形態においては、優れた性能を有する条件として、以下のすべてを満たすことがとりわけ好ましい。
・JIS K 6870:2008の定める方法5により測定するポットライフが100分以上であること。
・JIS K 6850:1999に規定される方法で測定された鉄同士に対する24時間経過後の引張せん断接着強度が10MPa以上でありかつ破壊状態が凝集破壊となること。
・JIS K 6850:1999に規定される方法で測定されたアルミニウム同士に対する24時間経過後の引張せん断接着強度が10MPa以上でありかつ破壊状態が凝集破壊となること。
・JIS K 5600-3-2:1999に規定されるバロチニ法に基づいて、常温で24時間養生した後にベトつきがないこと。
【0063】
なお本明細書において「常温」とは、JIS Z 8703:1983に定める範囲すなわち5~35℃のことをいう。
【実施例0064】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。下記材料を使用して下記表に示す配合を以って、硬化性組成物をそれぞれ調製した。表中の成分量は質量部で示している。特記しない限り、23℃、50%Rh(相対湿度)環境下で行った。
【0065】
<使用材料>
(メタ)アクリレートモノマーは次に示す市販品をそのまま用いた。
メチルメタクリレート:アクリエステルM(三菱ケミカルホールディングス製)
2-ヒドロキシエチルメタクリレート:HEMA(日本触媒製)
2-エチルヘキシルメタクリレート:ライトエステルEH(共栄社化学製)
エトキシ10モル変性ビスフェノールAジメタクリレート:M-2101(Miwon Specialty Chemical Co.,Ltd製、式(3)中、R1及びR2がCH3基であり、m+n=10であるものに相当。)
【0066】
エラストマーは次に示す市販品をそのまま用いた(Bd%はブタジエン量)。
アクリロニトリルブタジエンゴム:JSR N220SH (Bd% = 58.5%) (JSR製)
アクリロニトリルブタジエンゴム:JSR N250S (Bd% = 80.5%) (JSR製)
ハイスチレンゴム:JSR 0061 (Bd% = 34%) (JSR製)
メタクリル変性アクリロニトリルブタジエンゴム:DN612P (Bd%=73%)(ZEON製)
ポリブタジエン変性ジメタクリレート:TE-2000 (日本曹達製)
ポリブタジエン:LBR-305 (クラレ製)
クロロスルホン化ポリエチレン:TS-340 (東ソー製)
【0067】
有機過酸化物はクメンヒドロペルオキシド:パークミルH-80(日油製)をそのまま用いた。
【0068】
その他に以下に示す原材料をそのまま用いた。
2-ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェート:JPA-514(城北化学製、式(4)中、R1がCH3基であり、Aが水素原子であり、nが1であり、kが1、2であるものに相当。)
パラフィンワックス:Paraffin Wax-145(日本精鑞製、融点63℃)
ハイドロキノン(精工化学製)
メトキノン:MQ(川口化学工業製)
オクチル酸コバルト:CO-12E(東京ファインケミカル製)
バナジルアセチルアセトナート(新興化学工業製)
オクチル酸ニッケル:ニッカオクチックスニッケル(日本化学産業製)
オクチル酸マンガン:ニッカオクチックスマンガン(日本化学産業製)
アセチルアセトンコバルト(II)(東京化成工業製)
ナフテン酸コバルト(東京化成工業製)
エチレンチオ尿素(東京化成工業製)
【0069】
<配合>
上記の各原材料を下表の通り計量し、ステンレス製1Lフラスコに添加した。ここにステンレス製攪拌羽を入れ、スリーワンモーターを用いて200rpm×24時間攪拌し、均一な粘稠液を得た。
【0070】
<評価>
上記の通り得られたサンプルは、以下の測定方法に基づいて評価を行った。なお、全ての評価を行う際はA剤:B剤=1:1(質量比)で均一になるまで素早く混合してから用いた。
【0071】
ポットライフ:JIS K 6870:2008の定める方法5により測定し、結果を下表へ記した。なお、単位はminとした。
【0072】
鉄に対する接着性(1日引張せん断強度(23℃、鉄/鉄)):JIS K 6850:1999に規定される方法で鉄(SPCC-SD、株式会社テストピース製)同士に対する24時間経過後の引張せん断接着強度を万能試験機Instron model 4467(Instron製)を用いて測定し、結果を下表へ記した。なお、単位はMPaとした。
【0073】
アルミニウムに対する接着性(1日引張せん断強度(23℃、Al/Al)):JIS K 6850:1999に規定される方法でアルミニウム(AL5052、株式会社テストピース製)同士に対する24時間経過後の引張せん断接着強度を、万能試験機Instron model 4467(Instron製)を用いて測定し、結果を下表へ記した。なお、単位はMPaとした。
【0074】
硬化性:次に示す方法で常温での硬化性を評価した。鉄(SPCC-SD、株式会社テストピース製)の上に100g/m2となるように混合後のサンプルを塗布し、23℃、50%Rh環境下で24時間静置養生した。養生後、得られた塗膜の表面乾燥性をJIS K 5600-3-2:1999に規定されるバロチニ法により評価し、硬化性を判断した。塗膜が表面乾燥である状態を、ベトつきがないと評価し、硬化性が十分である、即ち〇と判断した。バロチニを軽く刷毛ではいてもバロチニを除去できない場合を、ベトつきがあると評価し、硬化性が不十分である、即ち×と判断した。サンプルが硬化しておらず、液状のままであった場合についても同様に硬化性が不十分であると判断した。
【0075】
なお、以下の全ての条件を満足する場合には下表の判定の欄に〇を、以下の条件のうち1つ以上を満足しない場合には下表の「判定」の欄に×を記載した。
・JIS K 6870:2008の定める方法5により測定するポットライフが100分以上であったこと。
・JIS K 6850:1999に規定される方法で測定された鉄同士に対する24時間経過後の引張せん断接着強度が10MPa以上でありかつ破壊状態が凝集破壊となったこと。
・JIS K 6850:1999に規定される方法で測定されたアルミニウム同士に対する24時間経過後の引張せん断接着強度が10MPa以上でありかつ破壊状態が凝集破壊となったこと。
・JIS K 5600-3-2:1999に規定されるバロチニ法に基づいて、常温で24時間養生した後にベトつきがなかったこと。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【手続補正書】
【提出日】2024-11-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)(メタ)アクリルモノマーと、
(2)(メタ)アクリル基を持たず、かつブタジエン構造を10質量%以上90質量%以下の割合で有するエラストマーと、
(3)有機過酸化物と、
(4)コバルトを含む有機化合物と
を含有する組成物であり、
(1)成分が、メチル(メタ)アクリレート及びオクチル(メタ)アクリレートを、質量比にして50~99:1~50の範囲で含み、
(2)成分の量が、(1)成分と(2)成分の合計を100質量部として、10質量部以上25質量部以下であり、
(4)成分の一分子中の炭素の数が12以上19以下である
ことを特徴とする、金属接着用の接着剤組成物。
【請求項2】
(2)成分が、ブタジエン構造を20質量%以上80.5質量%以下の割合で含む請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
(4)成分が、2-エチルヘキサン酸コバルトを含む、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
JIS K 6870:2008の定める方法5「発熱反応温度による求め方」により測定したポットライフが111分以上966分以下であことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
【請求項5】
JIS K 5600-3-2:1999に規定されるバロチニ法に基づいて硬化物の表面にべとつきがないことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
【請求項6】
第一剤に少なくとも(3)有機過酸化物を含有し、かつ第二剤に少なくとも(4)コバルトを含む有機化合物を含有する二剤型である、請求項1~5のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の接着剤組成物を使用して被着体を接着してなる接合体。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載の接着剤組成物を使用して被着体を接着することを含む接着方法。