(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001361
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】毛髪洗浄剤組成物又は頭飾製品用繊維洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/73 20060101AFI20241225BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20241225BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20241225BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20241225BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20241225BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
A61K8/73
A61K8/36
A61K8/46
A61K8/81
A61Q5/02
A61K8/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100894
(22)【出願日】2023-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002620
【氏名又は名称】弁理士法人大谷特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福原 智佳子
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC111
4C083AC122
4C083AC181
4C083AC182
4C083AC231
4C083AC232
4C083AC292
4C083AC302
4C083AC642
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC791
4C083AC792
4C083AD042
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD162
4C083BB04
4C083BB05
4C083BB34
4C083CC38
4C083DD08
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】低温環境下での保存安定性及び泡吐出容器から吐出される泡の質感に優れると共に、毛髪等洗浄時の泡立ちが良好で、毛髪等すすぎ時になめらかさ及び毛髪等乾燥後の指通りの良さを付与できる毛髪洗浄剤組成物又は頭飾製品用繊維洗浄剤組成物、及び該洗浄剤組成物を用いる毛髪洗浄剤又は頭飾製品用繊維洗浄剤を提供する。
【解決手段】次の成分(A)~(D):
(A)2種以上の非サルフェート系アニオン性界面活性剤、
(B)ノニオン性界面活性剤、
(C)カチオン性ポリマー(ただし、ポリクオタニウム-7を除く)、
(D)多価アルコール
を含有し、
成分(C)の含有量が0.20質量%未満であり、
成分(D)の含有量が5質量%以上である、泡吐出容器に充填して用いる毛髪洗浄剤組成物又は頭飾製品用繊維洗浄剤組成物、及び該洗浄剤組成物を泡吐出容器に充填してなる毛髪洗浄剤又は頭飾製品用繊維洗浄剤である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(D):
(A)2種以上の非サルフェート系アニオン性界面活性剤、
(B)ノニオン性界面活性剤、
(C)カチオン性ポリマー(ただし、ポリクオタニウム-7を除く)、
(D)多価アルコール
を含有し、
成分(C)の含有量が0.20質量%未満であり、
成分(D)の含有量が5質量%以上である、泡吐出容器に充填して用いる毛髪洗浄剤組成物又は頭飾製品用繊維洗浄剤組成物。
【請求項2】
前記洗浄剤組成物中の成分(C)の含有量に対する成分(D)の含有量の質量比[(D)/(C)]が25以上である、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
成分(A)が、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、N-アシルアミノ酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、及びN-メチル-N-アシルタウリン塩からなる群から選ばれる2種以上を含む、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
成分(C)が、セルロース骨格を有するカチオン性ポリマー(C1)、及び下記一般式(1-1)で表される構成単位を含むカチオン性ビニル系ポリマー(C2)からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
【化1】
(式(1-1)中、R
11は水素原子又はメチル基であり、R
12~R
14はそれぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基である。Xは-O-又は-NH-であり、nは1以上4以下の数である。)
【請求項5】
前記洗浄剤組成物中の成分(A)の含有量が5質量%以上30質量%以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
【請求項6】
前記洗浄剤組成物中の成分(B)の含有量が0.01質量%以上10質量%以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物を泡吐出容器に充填してなる、毛髪洗浄剤又は頭飾製品用繊維洗浄剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪洗浄剤組成物又は頭飾製品用繊維洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪は生活環境(太陽光による紫外線や熱)、日常のヘアケア行動(洗髪やブラッシングによる摩擦)、化学処理(カラーリング、パーマ等)によりダメージを受けている。さらに、日常のヘアケア行動に時間及び労力がかかるために雑なヘアケア行動を行ったり、必要なステップを省略したりすることによっても毛髪の状態が悪化する傾向がある。したがって、効率的でストレスを感じないヘアケア行動ができる毛髪化粧料が望まれている。
【0003】
従来の毛髪化粧料の中でも毛髪洗浄剤においては、ヘアケア行動のしやすさ、及び、毛髪が絡まりにくく毛髪ダメージを低減できるという観点から、毛髪上での泡立ち、塗布性、すすぎ性等の操作性の向上が求められる。
このような要望に対して、操作性を改善した毛髪洗浄剤や、噴射剤を用いない、ノンガス型の泡吐出容器から吐出して用いる泡状の毛髪洗浄剤が提案されている。特に泡状の毛髪洗浄剤は泡立ちがよく、毛髪に素早く馴染むため塗布性が良好で、すすぎ残しも少ないという特徴がある。またノンガス型の泡吐出容器は、噴射剤を用いるエアゾール容器よりも廃棄時の環境負荷が少なく、金属製容器の腐食防止を考慮しなくてもよいため、内容物の配合の自由度が高い。
【0004】
例えば、特許文献1には、泡の弾力感、すすぎ時のなめらかさ、仕上がりのしっとり感、束感の無さ、ふんわり感に優れたシャンプー組成物を得ることを課題として、α-オレフィンスルホン酸塩、ヤシ油脂肪酸メチルタウリン塩、両性界面活性剤、カチオン性基を有する水溶性高分子2種以上、及びカチオン化グアーガムを含有するシャンプー組成物が開示されている。
特許文献2には、ノンガスタイプの泡吐出容器に充填されている液体洗浄剤組成物において、目詰まりがなく、クリーミーで安定した泡が得られ、低温下においても泡の形成性に優れ、しかもすすぎ時のさっぱり感、タオルドライ後のしっとり感に優れる液体洗浄剤組成物の提供を課題として、高級脂肪酸塩、カルボベタイン型両性界面活性剤及びスルホベタイン型両性界面活性剤から選ばれる1種以上の両性界面活性剤、30℃において固形状のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、及び多価アルコールが泡吐出容器に充填されている液体洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献3には、容器から泡状に吐出される際の目詰まりがなく、クリーミーで安定した泡が得られ、しかも洗浄後のコンディショニング効果にも優れるノンエアゾール型泡吐出容器用毛髪洗浄剤組成物等の提供を課題として、アニオン界面活性剤と、両性界面活性剤と、低級アルコール及び/又は多価アルコールと、カチオン性高分子化合物と、油剤、シリコーン類、タンパク質加水分解物、アミノ酸及びカチオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の仕上がり向上成分とを含有し、粘度が30mPa・s以下であるノンエアゾール型泡吐出容器用毛髪洗浄剤組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-172338号公報
【特許文献2】特開2014-156537号公報
【特許文献3】特開2005-187359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ノンガス型の泡吐出容器を用いて毛髪やウィッグ等の頭飾製品用繊維に適用する際には、毛髪や頭飾製品用繊維に用いられる洗浄剤組成物は泡吐出容器中で空気と混合され、メッシュを通して押し出されることで泡状となり吐出される。しかしながら、-5℃のような低温環境下で保存した洗浄剤組成物を泡吐出容器から吐出すると、吐出不良が発生するという問題がある。この吐出不良は、低温環境下で保存した際に洗浄剤組成物の安定性が低く、該洗浄剤組成物の成分の析出等により、メッシュの目詰まりが発生することに起因することが判明した。そのため、毛髪洗浄剤組成物又は頭飾製品用繊維洗浄剤組成物の低温環境下での保存安定性及び泡吐出容器から吐出される泡の質感の向上が求められている。
一方で、泡状で吐出される毛髪洗浄剤組成物又は頭飾製品用繊維洗浄剤組成物は吐出時の泡質を保つため、配合される界面活性剤の総量に限界がある。それゆえに、毛髪の長い使用者や毛髪の量の多い使用者、更に頭飾製品において頭飾製品用繊維が長い場合や頭飾製品用繊維の量が多い場合には毛髪又は頭飾製品用繊維洗浄時の泡立ち、毛髪又は頭飾製品用繊維すすぎ時のなめらかさといった感触等が十分でない傾向にあり、また、油剤や香料の溶解性を十分に確保することができず、低温環境下で濁りが生じ、低温環境下での保存安定性が低下する傾向もあった。
特許文献1~3の開示技術では、低温環境下での洗浄剤の安定性(非析出性)及び吐出性と、使用感(泡性能、すすぎ性能、乾燥後の指通り性能)との両立には至っておらず、改善が求められている。
【0007】
本発明は、低温環境下での保存安定性及び泡吐出容器から吐出される泡の質感に優れると共に、毛髪又は頭飾製品用繊維洗浄時の泡立ちが良好で、毛髪又は頭飾製品用繊維すすぎ時になめらかさ及び毛髪又は頭飾製品用繊維乾燥後の指通りの良さを付与できる毛髪洗浄剤組成物又は頭飾製品用繊維洗浄剤組成物、及び該洗浄剤組成物を用いる毛髪洗浄剤又は頭飾製品用繊維洗浄剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、2種以上の非サルフェート系アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー(ただし、ポリクオタニウム-7を除く)、及び多価アルコールを含有し、該カチオン性ポリマーの含有量が所定の値未満であり、該多価アルコールの含有量が所定の値以上である、泡吐出容器に充填して用いる毛髪洗浄剤組成物又は頭飾製品用繊維洗浄剤組成物が前記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、次の[1]及び[2]を提供する。
[1]次の成分(A)~(D):
(A)2種以上の非サルフェート系アニオン性界面活性剤、
(B)ノニオン性界面活性剤、
(C)カチオン性ポリマー(ただし、ポリクオタニウム-7を除く)、
(D)多価アルコール
を含有し、
成分(C)の含有量が0.20質量%未満であり、
成分(D)の含有量が5質量%以上である、泡吐出容器に充填して用いる毛髪洗浄剤組成物又は頭飾製品用繊維洗浄剤組成物。
[2]前記[1]に記載の洗浄剤組成物を泡吐出容器に充填してなる、毛髪洗浄剤又は頭飾製品用繊維洗浄剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、低温環境下での保存安定性及び泡吐出容器から吐出される泡の質感に優れると共に、毛髪又は頭飾製品用繊維洗浄時の泡立ちが良好で、毛髪又は頭飾製品用繊維すすぎ時になめらかさ及び毛髪又は頭飾製品用繊維乾燥後の指通りの良さを付与できる毛髪洗浄剤組成物又は頭飾製品用繊維洗浄剤組成物、及び該洗浄剤組成物を用いる毛髪洗浄剤又は頭飾製品用繊維洗浄剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[毛髪洗浄剤組成物又は頭飾製品用繊維洗浄剤組成物]
本発明の毛髪洗浄剤組成物又は頭飾製品用繊維洗浄剤組成物は、
次の成分(A)~(D):
(A)2種以上の非サルフェート系アニオン性界面活性剤、
(B)ノニオン性界面活性剤、
(C)カチオン性ポリマー(ただし、ポリクオタニウム-7を除く)、
(D)多価アルコール
を含有し、
成分(C)の含有量が0.20質量%未満であり、
成分(D)の含有量が5質量%以上である、泡吐出容器に充填して用いる。
【0011】
<定義>
本発明において「毛髪」とは、主としてヒトの頭髪を意味するが、ヒトの頭部から切り離された毛髪も包含する。
本発明において「頭飾製品」とは、例えば、ヘアーウィッグ、かつら、ウィービング、ヘアーエクステンション、ブレードヘアー、ヘアーアクセサリー、ドールヘアーを意味する。
本発明において「頭飾製品用繊維」とは、前記頭飾製品に用いられる繊維を意味する。
なお、本明細書において、本発明の毛髪洗浄剤組成物と頭飾製品用繊維洗浄剤組成物とをまとめて「本発明の洗浄剤組成物」又は「洗浄剤組成物」ということがある。また、本発明の毛髪洗浄剤と頭飾製品用繊維洗浄剤とをまとめて「本発明の洗浄剤」又は「洗浄剤」ということがある。
本発明においては、「成分Xを含む」又は「成分Xを含有する」とは、「成分Xを配合してなる」ことをも意味する。
本発明においては、「低温環境下での保存安定性」の指標として-5℃における保存安定性を用いる。-5℃における保存安定性に優れていれば、寒冷地域での使用環境下においてもノンガス型の泡吐出容器に充填して使用する洗浄剤組成物として好適に用いることができる。以下、「低温環境下での保存安定性」を単に「低温安定性」とも称する。
また、本発明において「低温環境下での泡吐出容器から吐出される泡の質感」は、5℃においてノンガス型の泡吐出容器から吐出される泡の質感(泡質)を指標とする。以下、「低温環境下での泡吐出容器から吐出される泡の質感」を「低温環境下での吐出時の泡質」とも称する。
さらに、本発明において「毛髪又は頭飾製品用繊維洗浄時の泡立ち」を「毛髪等洗浄時の泡立ち」とも称し、「毛髪又は頭飾製品用繊維すすぎ時のなめらかさ」を「毛髪等すすぎ時のなめらかさ」とも称し、「毛髪又は頭飾製品用繊維乾燥後の指通りの良さ」を「毛髪等乾燥後の指通りの良さ」とも称する。
【0012】
本発明の洗浄剤組成物が上記構成であることにより本発明の効果を奏する理由については定かではないが、以下のように推察される。
本発明の洗浄剤組成物は、成分(A)として2種以上の非サルフェート系アニオン性界面活性剤、成分(B)としてノニオン性界面活性剤、成分(C)としてカチオン性ポリマー(ただし、ポリクオタニウム-7を除く)、及び成分(D)として多価アルコールを含有する。本発明の洗浄剤組成物が成分(A)、成分(B)及び成分(D)を組み合わせて含有することにより、低温安定性及び低温環境下での吐出時の泡質を向上させつつ、毛髪等洗浄時の泡立ちが良好なものとすることができ、成分(C)の含有量が少量であっても、毛髪等すすぎ時のなめらかさ及び毛髪等乾燥後の指通りを良好なものとすることができると考えられる。
【0013】
本発明の洗浄剤組成物の適用対象は、毛髪又は頭飾製品用繊維である。これらの中でも、毛髪が好ましい。
頭飾製品用繊維としては、天然由来繊維及び合成繊維のいずれでもよいが、天然由来繊維が好ましい。天然由来繊維とは、天然の動植物から採取した繊維(ただし、人毛を除く)、又は、蛋白質、多糖類等を原料として人工的に製造された繊維をいう。これらの中でも、該天然由来繊維は、好ましくは獣毛、又は、ケラチン、コラーゲン、カゼインのほか、大豆、落花生、トウモロコシ、絹等に由来する蛋白質などの蛋白質若しくは多糖類等を原料として人工的に製造された繊維であり、より好ましくはケラチン、コラーゲン、カゼイン、大豆蛋白質、落花生蛋白質、トウモロコシ蛋白質、絹蛋白質(例えば、絹フィブロイン)等を原料とする再生蛋白質繊維であり、更に好ましくはコラーゲンを原料とする再生コラーゲン繊維、絹フィブロインを原料とする再生絹繊維等の再生蛋白質繊維であり、より更に好ましくは再生コラーゲン繊維である。
再生コラーゲン繊維は、公知の技術で製造することができる。再生コラーゲン繊維の組成はコラーゲン100%である必要はなく、品質改良のための天然ポリマー、合成ポリマー、添加剤等が含まれていてもよい。更には、再生コラーゲン繊維は後加工又は後処理されたものであってもよい。再生コラーゲン繊維の形態としてはフィラメントが好ましい。フィラメントは一般にボビン巻きしたものや箱詰めした状態から取り出される。また、再生コラーゲン繊維の製造工程で乾燥工程から出てきたフィラメントを直接利用することもできる。
【0014】
合成繊維としては、合成樹脂を主成分として含む繊維が挙げられる。合成繊維の製造容易性の観点、及び、頭髪に近い風合いを得る観点から、該合成樹脂は、好ましくは熱可塑性樹脂であり、より好ましくはポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、及びモダアクリル樹脂(アクリロニトリルと塩化ビニルとの共重合体)からなる群から選ばれる1種以上である。ここでいう「主成分」とは、合成繊維中の含有量が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上であって、100質量%以下の成分を意味する。
合成繊維は、上記合成樹脂以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に難燃剤、難燃助剤、光又は熱安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、静電防止剤、紫外線吸収剤等の各種成分を含有することができる。
【0015】
<成分(A):2種以上の非サルフェート系アニオン性界面活性剤>
本発明の洗浄剤組成物は、成分(A)として2種以上の非サルフェート系アニオン性界面活性剤を含有する。本発明の洗浄剤組成物が成分(A)を含有することで低温安定性を向上させ、毛髪等洗浄時の泡立ち、及び毛髪等すすぎ時のなめらかさを良好なものとすることができると考えられる。
【0016】
成分(A)としては、例えば、カルボン酸系界面活性剤、スルホン酸系界面活性剤、及びリン酸エステル系界面活性剤からなる群から選ばれる2種以上が挙げられる。
カルボン酸系界面活性剤としては、例えば、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、N-アシルアミノ酸塩が挙げられる。
スルホン酸系界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、内部オレフィンスルホン酸塩、α-スルホ脂肪酸塩、N-メチル-N-アシルタウリン塩、アシルイセチオン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩が挙げられる。
リン酸エステル系界面活性剤としては、例えば、アルキルリン酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸塩が挙げられる。
上記アニオン性界面活性剤が有するアルキル基、アルケニル基等の炭化水素基、又は構成脂肪酸の炭素数は、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、配合安定性、及び入手性の観点から、好ましくは8以上22以下、より好ましくは8以上18以下、更に好ましくは10以上18以下である。
アニオン性界面活性剤のアニオン性基の対イオンとしては、低温安定性、毛髪等時の泡立ちの良さ、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、配合安定性、及び入手性の観点から、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン;カルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;アンモニウムイオン;炭素数2又は3のアルカノール基を1個以上3個以下有するアルカノールアンモニウム(例えば、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム、トリイソプロパノールアンモニウム);アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸由来のカチオンが挙げられる。
【0017】
成分(A)は、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、及び毛髪等すすぎ時のなめらかさの観点から、好ましくはカルボン酸系界面活性剤及びスルホン酸系界面活性剤からなる群から選ばれる2種以上を含み、より好ましくは飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、N-アシルアミノ酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、内部オレフィンスルホン酸塩、α-スルホ脂肪酸塩、N-メチル-N-アシルタウリン塩、アシルイセチオン酸塩、及びアルキルスルホコハク酸塩からなる群から選ばれる2種以上を含み、更に好ましくはアルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、N-アシルアミノ酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、N-メチル-N-アシルタウリン塩、アシルイセチオン酸塩、及びアルキルスルホコハク酸塩からなる群から選ばれる2種以上を含む。
【0018】
アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩としては、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、配合安定性、及び入手性の観点から、下記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩が好ましい。
R1O(CH2CH2O)mCH2COOM (1)
(式(1)中、R1は炭素数10以上18以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミン又は塩基性アミノ酸由来のカチオンを示し、mはエチレンオキシドの平均付加モル数であり、質量平均で0.5以上15以下の数を示す。)
【0019】
式(1)中、R1は、好ましくは炭素数12以上16以下の直鎖のアルキル基である。また、mは、好ましくは1以上6以下である。
式(1)中、Mは、ナトリウムイオン又はアンモニウムイオンが好ましい。
アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩の具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム(ラウレス酢酸ナトリウム)が挙げられる。
ラウレス酢酸ナトリウムの市販品としては、花王(株)製の「カオーアキポ RLM-45NV」、「カオーアキポ RLM-100NV」等が挙げられる。
【0020】
N-アシルアミノ酸塩におけるアミノ酸由来の構造を形成するアミノ酸としては、グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸;グリシン、アラニン、β-アラニン、メチルアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、システイン、プロリン、セリン、トレオニン、サルコシン等の中性アミノ酸が挙げられる。これらのアミノ酸はD体、L体あるいはD体とL体の混合物のいずれでもよいが、L体が好ましい。
N-アシルアミノ酸塩におけるアシル基としては、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、配合安定性、及び入手性の観点から、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖を有する炭素数8以上22以下のアシル基が好ましい。当該アシル基としては、例えば、カプロイル基、カプリロイル基、カプリノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、イソステアロイル基、オレオイル基、リノレオイル基、ココイル基(ヤシ油脂肪酸アシル基)、パーム油脂肪酸アシル基、パーム核油脂肪酸アシル基、牛脂脂肪酸アシル基、直鎖及び分岐合成脂肪酸アシル基が挙げられる。
これらのうち、該アシル基としては、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、配合安定性、及び入手性の観点から、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖を有する炭素数12以上22以下のアシル基がより好ましく、該アシル基の炭素数は、更に好ましくは12以上18以下、より更に好ましくは12以上16以下である。具体的には、該アシル基としては、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、及びココイル基からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ラウロイル基及びココイル基からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。
【0021】
N-アシルアミノ酸塩としては、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、配合安定性、及び入手性の観点から、N-アシルグルタミン酸塩、N-アシルアスパラギン酸塩、N-アシルアラニン塩、N-アシルメチルアラニン塩、及びN-アシルサルコシン塩からなる群から選ばれる1種以上が好ましく挙げられる。また、これらの塩の種類としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アルギニン塩、及びトリエタノールアミン塩からなる群から選ばれる1種以上が好ましく挙げられる。
【0022】
N-アシルアミノ酸塩の具体例としては、N-カプリロイルグルタミン酸塩、N-2-エチルヘキサノイルグルタミン酸塩、N-ラウロイルグルタミン酸塩、N-ミリストイルグルタミン酸塩、N-パルミトイルグルタミン酸塩、N-ステアロイルグルタミン酸塩、N-ココイルグルタミン酸塩、N-パーム油脂肪酸アシルグルタミン酸塩、N-牛脂脂肪酸アシルグルタミン酸塩、N-ラウロイルアスパラギン酸塩、N-ミリストイルアスパラギン酸塩、N-パルミトイルアスパラギン酸塩、N-ステアロイルアスパラギン酸塩、N-ココイルアスパラギン酸塩、N-ココイルアラニン塩、N-ラウロイルメチルアラニン塩、N-ミリストイルメチルアラニン塩、N-ココイルメチルアラニン塩、N-ラウロイルサルコシン塩、N-ミリストイルサルコシン塩、N-ココイルサルコシン塩が挙げられる。これらの塩の種類としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アルギニン塩、トリエタノールアミン塩が挙げられる。
【0023】
これらの中でも、N-アシルアミノ酸塩は、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、配合安定性、及び入手性の観点から、より好ましくはN-アシルグルタミン酸、N-アシルアラニン、N-アシルサルコシンの、ナトリウム塩、カリウム塩、アルギニン塩、及びトリエタノールアミン塩からなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくはN-アシルサルコシンの、ナトリウム塩、カリウム塩、アルギニン塩、及びトリエタノールアミン塩からなる群から選ばれる1種以上であり、より更に好ましくはラウロイルサルコシントリエタノールアミンである。
【0024】
N-アシルアミノ酸塩として、市販のアミノ酸系界面活性剤を用いることもできる。アミノ酸系界面活性剤の市販品としては、例えば味の素(株)製の「アミソフト CS-22B」(N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム)、「アミソフト LS-11」(N-ラウロイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、「アミソフト CS-11(F)」(N-ココイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、「アミソフト MS-11」(N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、「アミソフト MK-11」「アミソフト MK-11(F)」(N-ミリストイル-L-グルタミン酸カリウム)、「アミソフト GS-11P」(N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウムとN-ココイル-L-グルタミン酸ナトリウムの混合物)、「アミソフト HS-11P」(N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム);川研ファインケミカル(株)製の「ソイポン SCE」(ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム)、「ソイポン SLE」(ラウロイルサルコシンナトリウム)、「ソイポン SLTA」(ラウロイルサルコシントリエタノールアミン)、「ソイポン SLP」(ラウロイルサルコシンナトリウム)、「ソイポン M-30」(ミリストイルサルコシンナトリウム)、「アラノン ACE」(ヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム)、「アラノン ALE」(ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム)、「アラノン ALTA」(N-ラウロイル-N-メチル-β-アラニントリエタノールアミン)、「アラノン AME」(ミリストイルメチル-β-アラニンナトリウム)等が挙げられる。
【0025】
α-オレフィンスルホン酸塩の炭素数は、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、配合安定性、及び入手性の観点から、好ましくは8以上22以下、より好ましくは8以上18以下、更に好ましくは10以上18以下である。
α-オレフィンスルホン酸の対イオンは、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、配合安定性、及び入手性の観点から、好ましくはナトリウム、カリウム、及びアンモニウムからなる群から選ばれる1種以上、より好ましくはナトリウムである。
α-オレフィンスルホン酸塩としては、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、配合安定性、及び入手性の観点から、好ましくは炭素数8以上22以下、より好ましくは炭素数8以上18以下、更に好ましくは炭素数10以上18以下のα-オレフィンのスルホン酸ナトリウムが挙げられる。
【0026】
N-メチル-N-アシルタウリン塩におけるアシル基の炭素数は、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、配合安定性、及び入手性の観点から、好ましくは8以上22以下、より好ましくは8以上20以下、更に好ましくは8以上18以下である。
N-メチル-N-アシルタウリン塩の対イオンは、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、配合安定性、及び入手性の観点から、好ましくはナトリウム、カリウム、及びアンモニウムからなる群から選ばれる1種以上、より好ましくはナトリウムである。
N-メチル-N-アシルタウリン塩としては、例えば、好ましくは炭素数8以上22以下、より好ましくは炭素数8以上20以下、更に好ましくは炭素数8以上18以下のアシル基を有するN-メチル-N-アシルタウリン塩が好ましく挙げられる。
N-メチル-N-アシルタウリン塩の好ましい例としては、N-ラウロイル-N-メチルタウリンナトリウム、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、N-ステアロイル-N-メチルタウリンナトリウム、及びN-ヤシ油脂肪酸-N-メチルタウリンナトリウムからなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、より好ましい例としては、N-ヤシ油脂肪酸-N-メチルタウリンナトリウム〔ココイルメチルタウリンNa、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウムとも称される〕が挙げられる。
【0027】
アシルイセチオン酸塩におけるアシル基の炭素数は、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、配合安定性、及び入手性の観点から、好ましくは8以上22以下、より好ましくは8以上20以下、更に好ましくは8以上18以下である。
アシルイセチオン酸塩の対イオンは、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、配合安定性、及び入手性の観点から、好ましくはナトリウム、カリウム、及びアンモニウムからなる群から選ばれる1種以上、より好ましくはナトリウムである。
アシルイセチオン酸塩としては、例えば、好ましくは炭素数8以上22以下、より好ましくは炭素数8以上20以下、更に好ましくは炭素数8以上18以下のアシル基を有するアシルイセチオン酸ナトリウムが好ましく挙げられる。
アシルイセチオン酸塩の好ましい例としては、ヤシ油脂肪酸アシルイセチオン酸ナトリウム〔ココイルイセチオン酸Na〕、及びラウロイルイセチオン酸ナトリウム〔ラウロイルイセチオン酸Na〕からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0028】
アルキルスルホコハク酸塩の炭素数は、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、配合安定性、及び入手性の観点から、好ましくは8以上22以下、より好ましくは10以上22以下、更に好ましくは12以上20以下である。
アルキルスルホコハク酸塩の対イオンは、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、配合安定性、及び入手性の観点から、好ましくはナトリウム、カリウム、及びアンモニウムからなる群から選ばれる1種以上、より好ましくはナトリウムである。
アルキルスルホコハク酸塩としては、例えば、好ましくは炭素数8以上22以下、より好ましくは炭素数10以上22以下、更に好ましくは炭素数12以上20以下のアルキルスルホコハク酸ナトリウムが挙げられる。
アルキルスルホコハク酸塩の好ましい例としては、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム〔スルホコハク酸ジエチルヘキシルNa〕が挙げられる。
【0029】
上記の中でも、成分(A)は、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、配合安定性、及び入手性の観点から、より更に好ましくはアルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、N-アシルアミノ酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、及びN-メチル-N-アシルタウリン塩からなる群から選ばれる2種以上を含み、より更に好ましくはアルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、N-アシルサルコシン塩、α-オレフィンスルホン酸塩、及びN-メチル-N-アシルタウリン塩からなる群から選ばれる2種以上を含む。
【0030】
<成分(B):ノニオン性界面活性剤>
本発明の洗浄剤組成物は、成分(B)として、ノニオン性界面活性剤を含有する。本発明の洗浄剤組成物は成分(B)を含有することにより、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、及び毛髪等すすぎ時のなめらかさを付与することができる。
成分(B)は、1種を単独で又は2種以上を用いることができる。
【0031】
成分(B)としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、アルキルアルカノールアミド、アルキルグリセリルエーテル、高級脂肪酸ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルサッカライドが挙げられる。
【0032】
成分(B)は、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、及び毛髪等すすぎ時のなめらかさの観点から、好ましくはポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、アルキルアルカノールアミド、及びアルキルグリセリルエーテルからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルグルコシド、アルキルアルカノールアミド、及びアルキルグリセリルエーテルからなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくはポリオキシアルキレンアルキルエーテル及びアルキルアルカノールアミドからなる群から選ばれる1種以上である。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルグルコシド、アルキルアルカノールアミド、アルキルグリセリルエーテル、及びアルキルサッカライドにおけるアルキル基、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルにおけるアルケニル基、並びに、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、高級脂肪酸ショ糖エステル、及びポリグリセリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸の炭素数は、好ましくは8以上22以下、より好ましくは8以上20以下、更に好ましくは8以上18以下である。
【0033】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、及び毛髪等すすぎ時のなめらかさの観点から、好ましくは炭素数8以上22以下、より好ましくは炭素数8以上20以下、更に好ましくは炭素数8以上18以下のアルキル基を有する、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシプロピレンアルキルエーテルが挙げられる。オキシエチレン基及びオキシプロピレン基の平均付加モル数は、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、及び毛髪等すすぎ時のなめらかさの観点から、好ましくは1以上30以下、より好ましくは3以上20以下、更に好ましくは3以上18以下である。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの具体例としては、花王(株)製の「エマルゲン 103」(ラウレス-3:ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル)、「エマルゲン 108」(ラウレス-6:ポリオキシエチレン(6)ラウリルエーテル)、「エマルゲン 116」(ラウレス-16:ポリオキシエチレン(16)ラウリルエーテル)、「エマルゲン 306」(ステアレス-6:ポリオキシエチレン(6)ステアリルエーテル)、「カオーソフケア GP-1」(ポリオキシプロピレン(3)カプリリルエーテル)が挙げられる。
【0034】
アルキルグルコシドとしては、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、及び毛髪等すすぎ時のなめらかさの観点から、好ましくは炭素数8以上22以下、より好ましくは炭素数8以上20以下、更に好ましくは炭素数8以上18以下のアルキル基を有するアルキルグルコシドが挙げられ、その具体例として花王(株)製の「マイドール10」(デシルグルコシド)、「AG-124」(ラウリルグルコシド)が挙げられる。
【0035】
アルキルアルカノールアミドとしては、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、及び毛髪等すすぎ時のなめらかさの観点から、好ましくは炭素数8以上22以下、より好ましくは炭素数8以上20以下、更に好ましくは炭素数8以上18以下のアシル基を有する脂肪酸アルカノールアミドが挙げられる。脂肪酸アルカノールアミドとしては、脂肪酸モノアルカノールアミド、及び脂肪酸ジアルカノールアミドのいずれでもよい。また、アルキルアルカノールアミドとしては、炭素数2以上3以下のオキシアルキレン基を有するものであってもよい。
アルキルアルカノールアミドの具体例としては、オレイン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシプロピレンヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミドが挙げられる。
アルキルアルカノールアミドの市販品としては、花王(株)製の「アミノーンPK-02S」(パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド)、「アミノーンL-02」(ラウリン酸ジエタノールアミド)、「アミノーンC-11S」(ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド);川研ファインケミカル(株)製の「アミゼット 1PC」(ポリオキシプロピレンヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド(1P.O.))等が挙げられる。
【0036】
アルキルグリセリルエーテルとしては、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、及び毛髪等すすぎ時のなめらかさの観点から、好ましくは炭素数8以上22以下、より好ましくは炭素数8以上20以下、更に好ましくは炭素数8以上18以下のアルキル基を有するアルキルグリセリルエーテルが挙げられ、その具体例として花王(株)製の「ペネトールGE-EH」(エチルヘキシルグリセリルエーテル)、「ペネトールGE-ID」(イソデシルグリセリルエーテル)が挙げられる。
【0037】
上記の中でも、成分(B)としては、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、及び毛髪等すすぎ時のなめらかさの観点から、好ましくは炭素数8以上22以下、より好ましくは炭素数8以上20以下、更に好ましくは炭素数8以上18以下のアルキル基を有し、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基の平均付加モル数が好ましくは1以上30以下、より好ましくは3以上20以下、更に好ましくは3以上18以下の、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシプロピレンアルキルエーテル、並びに、好ましくは炭素数8以上22以下、より好ましくは炭素数8以上20以下、更に好ましくは炭素数8以上18以下のアシル基を有する脂肪酸アルカノールアミドからなる群から選ばれる1種以上がより更に好ましい。
【0038】
<成分(C):カチオン性ポリマー>
本発明の洗浄剤組成物は、成分(C)として、カチオン性ポリマー(ただし、ポリクオタニウム-7を除く)を含有する。本発明の洗浄剤組成物は成分(C)を含有することにより、低温環境下での吐出時の泡質を向上させ、毛髪等すすぎ時のなめらかさ及び毛髪等乾燥後の指通りの良さを付与することができる。
成分(C)は、1種を単独で又は2種以上を用いることができる。
成分(C)であるカチオン性ポリマーは、好ましくはカチオン性基を有し、且つ総電荷として正に帯電しているポリマーである。成分(C)は本発明の効果を阻害しない範囲で、カチオン性基以外に、アニオン性基、ノニオン性基、又は、ベタイン基等の両性基を有していてもよい。
本明細書においてカチオン性基とは、カチオン基、又は、イオン化されてカチオン基になり得る基であり、具体的には、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、第四級アンモニウム基が挙げられる。
本明細書においてアニオン性基とは、アニオン基、又は、イオン化されてアニオン基になり得る基であり、具体的には、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等の酸性基からなる群から選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはカルボキシ基及びスルホン酸基から選ばれる1種以上、より好ましくはカルボキシ基である。アニオン性基の少なくとも一部は中和され、塩の状態になっていてもよい。
【0039】
成分(C)のカチオン電荷密度は、低温環境下での吐出時の泡質の向上、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、及び毛髪等乾燥後の指通りの良さの観点から、好ましくは0.1mmol/g以上、より好ましくは0.2mmol/g以上、更に好ましくは0.3mmol/g以上、より更に好ましくは0.5mmol/g以上であり、そして、好ましくは20mmol/g以下、より好ましくは15mmol/g以下、更に好ましくは12mmol/g以下、より更に好ましくは10mmol/g以下、より更に好ましくは7.0mmol/g以下、より更に好ましくは5.0mmol/g以下である。そして、成分(C)のカチオン電荷密度は、好ましくは0.1mmol/g以上20mmol/g以下、より好ましくは0.2mmol/g以上15mmol/g以下、更に好ましくは0.2mmol/g以上12mmol/g以下、より更に好ましくは0.3mmol/g以上10mmol/g以下、より更に好ましくは0.3mmol/g以上7.0mmol/g以下、より更に好ましくは0.5mmol/g以上5.0mmol/g以下である。
【0040】
成分(C)のカチオン電荷密度は、ポリマー1gあたりに含有されるカチオン性基のモル数である。なお、成分(C)のカチオン性基の少なくとも一部が中和塩になっている場合、上記カチオン性基のモル数には、塩の状態をとっているカチオン性基のモル数も含めるものとする。
また、成分(C)として2種以上のカチオン性ポリマーを用いてもよく、この場合の成分(C)のカチオン電荷密度は、それぞれのカチオン性ポリマーのカチオン電荷密度及び配合量から加重平均を算出することにより求められる。
【0041】
成分(C)としては、ポリクオタニウム-7以外のカチオン性ポリマーであれば特に制限はなく、カチオン化多糖類等の天然ポリマー又はそのカチオン化物、並びに合成ポリマーのいずれも用いることができる。
成分(C)として用いられるカチオン性ポリマーの具体例としては、カチオン化ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム塩重合体、第四級化ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリル酸塩重合体、ジアリル第四級化アンモニウム塩重合体(ただし、ポリクオタニウム-7を除く)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩重合体、ビニルイミダゾリウムトリクロリド/ビニルピロリドン共重合体(ポリクオタニウム-16)、ビニルピロリドン/アルキルアミノ(メタ)アクリレート共重合体、ビニルピロリドン/アルキルアミノ(メタ)アクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、アルキルアクリルアミド/(メタ)アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。なお、本明細書において「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
【0042】
成分(C)は、低温環境下での吐出時の泡質の向上、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、及び毛髪等乾燥後の指通りの良さの観点から、より好ましくはセルロース骨格を有するカチオン性ポリマー(C1)、及び下記一般式(1-1)で表される構成単位を含むカチオン性ビニル系ポリマー(C2)からなる群から選ばれる1種以上である。
【0043】
【化1】
(式(1-1)中、R
11は水素原子又はメチル基であり、R
12~R
14はそれぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基である。Xは-O-又は-NH-であり、nは1以上4以下の数である。)
【0044】
(セルロース骨格を有するカチオン性ポリマー(C1))
本発明において「セルロース骨格を有するカチオン性ポリマー」とは、カチオン性基と、セルロース骨格とを有し、かつ、全体としてカチオン電荷であるポリマーを意味する。
セルロース骨格を有するカチオン性ポリマー(C1)としては、例えば、カチオン化セルロース、カチオン化セルロース誘導体が挙げられ、具体的には、カチオン化セルロース、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化ヒドロキシプロピルセルロース、及びカチオン化カルボキシメチルセルロースからなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、セルロース骨格を有するカチオン性ポリマー(C1)は、低温環境下での吐出時の泡質の向上、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、及び毛髪等乾燥後の指通りの良さの観点から、好ましくはカチオン化ヒドロキシエチルセルロース及びカチオン性ヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる1種以上である。
【0045】
カチオン化ヒドロキシエチルセルロース(以下、「C-HEC」ともいう)としては、下記一般式(2-1)で表されるアンヒドログルコース由来の主鎖を有するものが好ましく挙げられる。
【0046】
【化2】
(式(2-1)中、R
21、R
22及びR
23は、それぞれ独立に下記一般式(2-2)で表される置換基を示す。aはアンヒドログルコースの平均重合度を示し、aは20以上5,000以下である。また、R
21、R
22及びR
23は、同一であっても、異なっていてもよい。また、a個のR
21、a個のR
22、a個のR
23は、それぞれ同一であっても、異なってもよい。)
【0047】
【化3】
(式(2-2)中、Y
1及びY
2は、一方が水素原子であり、他方が下記一般式(2-3)で表されるカチオン性基を示し、EOはエチレンオキシ基を示す。p1は一般式(2-2)中に含まれるカチオン化エチレンオキシ基(-CH(Y
1)-CH(Y
2)-O-)の数を、q1は一般式(2-2)中に含まれるエチレンオキシ基(-EO-)の数を示し、それぞれ0又は正の整数である。ただし、R
21、R
22及びR
23におけるすべてのp1及びq1が同時に0となることはない。p1及びq1のどちらもが0でない場合、カチオン化エチレンオキシ基とエチレンオキシ基の付加順序は問わず、更にp1及び/又はq1が2以上である場合は、ブロック結合又はランダム結合のいずれであってもよい。)
【0048】
【化4】
(式(2-3)中、R
24、R
25及びR
26は、それぞれ独立に炭素数1以上18以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、Z
-はアニオンを示す。)
【0049】
一般式(2-3)において、R24、R25及びR26としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-テトラデシル基、n-ヘキサデシル基、及びn-オクタデシル基からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。また、カチオン化ヒドロキシエチルセルロースの分子内に存在する全てのR26のうち少なくとも1つは炭素数8以上18以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であってもよい。
R24及びR25は、好ましくはメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-オクチル基、n-デシル基、及びn-ドデシル基からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはメチル基である。
R26は、好ましくはメチル基、n-オクチル基、n-デシル基、及びn-ドデシル基からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはメチル基及びn-ドデシル基からなる群から選ばれる1種以上である。
一般式(2-3)において、Z-は、アンモニウムカチオンの対イオンであるアニオンを示す。Z-はアニオンであれば特に限定されない。その具体例としてはアルキル硫酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、アルキル炭酸イオン、ハロゲン化物イオンが挙げられる。これらの中でも、製造容易性の観点から、ハロゲン化物イオンが好ましい。ハロゲン化物イオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンが挙げられるが、化学的安定性の観点から、好ましくは塩化物イオン又は臭化物イオンであり、より好ましくは塩化物イオンである。
【0050】
C-HECのカチオン化エチレンオキシ基の置換度は、製造容易性の観点から、好ましくは0.01以上であり、そして、好ましくは3.0以下である。
本明細書における「カチオン化エチレンオキシ基の置換度」とは、セルロース主鎖を構成するアンヒドログルコース単位(以下「AGU」ともいう)1モルあたりのC-HPCの分子中に存在するカチオン化エチレンオキシ基の平均モル数をいう。カチオン化エチレンオキシ基の置換度は、具体的には国際公開第2011/059063号に記載のカチオン化エチレンオキシ基の置換度の測定方法と同様の方法により測定される。
【0051】
C-HECにおいて、エチレンオキシ基の置換度は、製造容易性の観点から、好ましくは0.5以上であり、そして、好ましくは4.0以下である。
本明細書における「エチレンオキシ基の置換度」とは、セルロース主鎖を構成するAGU1モルあたりのC-HEC分子中に存在するエチレンオキシ基の平均モル数をいう。エチレンオキシ基の置換度は、国際公開第2011/059063号に記載のプロピレンオキシ基の置換度の測定方法に準じて測定することができる。
【0052】
このようなC-HECとしては、ヒドロキシエチルセルロースにトリメチルアンモニウム置換エポキシド及びラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドを付加反応させて得られる第四級アンモニウム基含有セルロース誘導体(ポリクオタニウム-67)が挙げられる。その具体例としては、ダウケミカル社製の「ソフトキャット SL-100」、「ソフトキャット SL-5」、「ソフトキャット SL-30」、「ソフトキャット SL-60」が挙げられる。
また、ポリクオタニウム-67以外のC-HECの具体例としては、ヒドロキシエチルセルロースに塩化グリシジルトリメチルアンモニウムを付加して得られる第四級アンモニウム基含有セルロース誘導体(ポリクオタニウム-10)、ヒドロキシエチルセルロースに塩化グリシジルラウリルジメチルアンモニウムを付加重合して得られる第四級アンモニウム基含有セルロース誘導体(ポリクオタニウム-24)、ヒドロキシエチルセルロースにヤシ油アルキルジメチルアンモニウム置換エポキシドを付加反応させて得られる第四級アンモニウム基含有セルロース誘導体(ポリクオタニウム-72)、花王(株)製「カチセロ L-150」が挙げられる。
【0053】
カチオン化ヒドロキシプロピルセルロース(以下、「C-HPC」ともいう)としては、下記一般式(2-4)で表されるアンヒドログルコース由来の主鎖を有するものが好ましく挙げられる。
【0054】
【化5】
(式(2-4)中、R
27、R
28及びR
29は、それぞれ独立に下記一般式(2-5)で表される置換基を示す。bはアンヒドログルコースの平均重合度を示し、bは20以上5,000以下である。また、R
27、R
28及びR
29は、同一であっても、異なっていてもよい。また、b個のR
27、b個のR
28、b個のR
29は、それぞれ同一であっても、異なってもよい。)
【0055】
【化6】
(式(2-5)中、Y
3及びY
4は、一方が水素原子であり、他方が下記一般式(2-6)で表されるカチオン性基を示し、POはプロピレンオキシ基を示す。p2は一般式(2-5)中に含まれるカチオン化エチレンオキシ基(-CH(Y
3)-CH(Y
4)-O-)の数を、q2は一般式(2-5)中に含まれるプロピレンオキシ基(-PO-)の数を示し、それぞれ0又は正の整数である。ただし、R
27、R
28及びR
29におけるすべてのp2及びq2が同時に0となることはない。p2及びq2のどちらもが0でない場合、カチオン化エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基の付加順序は問わず、更にp2及び/又はq2が2以上である場合は、ブロック結合又はランダム結合のいずれであってもよい。)
【0056】
【化7】
(式(2-6)中、R
30、R
31及びR
32は、それぞれ独立に炭素数1以上3以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、Z
-はアニオンを示す。)
【0057】
一般式(2-4)における平均重合度bは、好ましくは20以上、より好ましくは50以上、更に好ましくは100以上である。また、製造容易性の観点から、一般式(2-4)における平均重合度bは、好ましくは5,000以下、より好ましくは3,000以下、更に好ましくは2,000以下である。
本明細書における「平均重合度」とは、銅-アンモニア法により測定される粘度平均重合度をいい、具体的には国際公開第2011/059063号に記載の方法により算出される。
【0058】
p2は一般式(2-5)中に含まれるカチオン化エチレンオキシ基(-CH(Y3)-CH(Y4)-O-)の数を示し、0又は正の整数である。製造容易性の観点から、p2は、好ましくは0以上3以下の整数であり、より好ましくは0以上2以下の整数であり、更に好ましくは0又は1である。
q2は一般式(2-5)中に含まれるプロピレンオキシ基(-PO-)の数を示し、0又は正の整数である。製造容易性の観点から、q2は、好ましくは0以上4以下の整数であり、より好ましくは0以上2以下の整数であり、更に好ましくは0又は1である。
C-HPC分子内に複数の一般式(2-5)で表される置換基が存在する場合、該置換基間においてp2、q2の値はそれぞれ異なっていてよい。
【0059】
p2とq2の合計は、製造容易性の観点から、好ましくは1以上5以下の整数であり、より好ましくは1以上4以下の整数であり、更に好ましくは1以上3以下の整数であり、より更に好ましくは1又は2である。
p2及びq2のどちらもが0でない場合、カチオン化エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基の付加順序は問わないが、製造容易性の観点から、一般式(2-5)に記載した順序であることが好ましい。
p2及びq2のどちらもが0でなく、かつp2及び/又はq2が2以上である場合は、ブロック結合又はランダム結合のいずれであってもよいが、製造容易性の観点から、ブロック結合であることが好ましい。
b個のR27、b個のR28、b個のR29において、少なくとも1つは、一般式(2-5)のp2が0ではなく、また、少なくとも1つは、一般式(2-5)のq2が0ではない。
【0060】
一般式(2-5)において、R27、R28及びR29は、それぞれ独立に炭素数1以上3以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基及びイソプロピル基が挙げられる。これらの中でも、好ましくはメチル基又はエチル基であり、より好ましくはメチル基である。
一般式(2-6)において、Z-は、アンモニウムカチオンの対イオンであるアニオンを示す。Z-はアニオンであれば特に限定されない。その具体例としてはアルキル硫酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、アルキル炭酸イオン、及びハロゲン化物イオンが挙げられる。これらの中では、製造容易性の観点から、ハロゲン化物イオンが好ましい。ハロゲン化物イオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンが挙げられるが、化学的安定性の観点から、好ましくは塩化物イオン又は臭化物イオンであり、より好ましくは塩化物イオンである。
【0061】
C-HPCのカチオン化エチレンオキシ基の置換度は、製造容易性の観点から、好ましくは0.01以上であり、そして、好ましくは2.9以下である。
本明細書における「カチオン化エチレンオキシ基の置換度」とは、セルロース主鎖を構成するアンヒドログルコース単位(AGU)1モルあたりのC-HPCの分子中に存在するカチオン化エチレンオキシ基の平均モル数をいう。カチオン化エチレンオキシ基の置換度は、具体的には国際公開第2011/059063号に記載の方法により測定される。
【0062】
C-HPCのプロピレンオキシ基の置換度は、製造容易性の観点から、好ましくは0.1以上であり、そして、好ましくは4.0以下である。
本明細書における「プロピレンオキシ基の置換度」とは、セルロース主鎖を構成するAGU1モルあたりのC-HPC分子中に存在するプロピレンオキシ基の平均モル数をいう。プロピレンオキシ基の置換度は、具体的には国際公開第2011/059063号に記載の方法により測定される。
【0063】
以上のとおり、セルロース骨格を有するカチオン性ポリマー(C1)は、低温環境下での吐出時の泡質の向上、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、及び毛髪等乾燥後の指通りの良さの観点から、好ましくはヒドロキシエチルセルロースにトリメチルアンモニウム置換エポキシド及びラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドを付加反応させて得られる第四級アンモニウム基含有セルロース誘導体(ポリクオタニウム-67)、ヒドロキシエチルセルロースに塩化グリシジルトリメチルアンモニウムを付加して得られる第四級アンモニウム基含有セルロース誘導体(ポリクオタニウム-10)、ヒドロキシエチルセルロースに塩化グリシジルラウリルジメチルアンモニウムを付加重合して得られる第四級アンモニウム基含有セルロース誘導体(ポリクオタニウム-24)、ヒドロキシエチルセルロースにヤシ油アルキルジメチルアンモニウム置換エポキシドを付加反応させて得られる第四級アンモニウム基含有セルロース誘導体(ポリクオタニウム-72)、及び花王(株)製「カチセロ L-150」からなる群から選ばれる1種以上が挙げられ、より好ましくはポリクオタニウム-67及びポリクオタニウム-10からなる群から選ばれる1種以上である。
【0064】
(カチオン性ビニル系ポリマー(C2))
カチオン性ビニル系ポリマー(C2)は、低温環境下での吐出時の泡質の向上、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、及び毛髪等乾燥後の指通りの良さの観点から、下記一般式(1-1)で表される構成単位を含む。
【0065】
【化8】
(式(1-1)中、R
11は水素原子又はメチル基であり、R
12~R
14はそれぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基である。Xは-O-又は-NH-であり、nは1以上4以下の数である。)
【0066】
式(1-1)におけるR11は、好ましくはメチル基であり、R12~R14は、それぞれ独立に、好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基、より好ましくはメチル基又はエチル基、更に好ましくはメチル基である。
式(1-1)におけるXは、好ましくは-O-であり、nは、好ましくは1以上3以下、より好ましくは2以上3以下である。
【0067】
式(1-1)で表される構成単位としては、メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム塩に由来する構成単位、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩に由来する構成単位、及び、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩に由来する構成単位からなる群から選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム塩に由来する構成単位、及び、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩に由来する構成単位からなる群から選ばれる1種以上である。
【0068】
カチオン性ビニル系ポリマー(C2)は、前記一般式(1-1)で表される構成単位以外の、他の構成単位を含む共重合体であってもよい。かかる他の構成単位としては、ビニルピロリドン等のビニルモノマー;(メタ)アクリロイルエチルジメチルベタイン等の両性モノマー;(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;N,N-ジメチルアクリルアミド等のアクリルアミド類などに由来する構成単位が挙げられる。また、カチオン性ビニル系ポリマー(C2)は、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール等により架橋されたクロスポリマーであってもよい。
なお、本明細書において「(メタ)アクリロイル」とは、「アクリロイル」又は「メタクリロイル」を意味する。
【0069】
カチオン性ビニル系ポリマー(C2)は、好ましくはメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム塩重合体、第四級化ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリル酸塩重合体、及びメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩重合体からなる群から選ばれる1種以上である。
【0070】
メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム塩重合体としては、例えば、塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム重合体(ポリクオタニウム-37)、メタクリロイルエチルジメチルベタイン/塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム/メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体(ポリクオタニウム-49)、メタクリロイルエチルジメチルベタイン/塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム/メタクリル酸2-ヒドロキシエチル共重合体(ポリクオタニウム-48)が挙げられる。
【0071】
第四級化ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリル酸塩重合体としては、例えば、ビニルピロリドン/N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩共重合体(ポリクオタニウム-11)、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩/N,N-ジメチルアクリルアミド/ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体(ポリクオタニウム-52)が挙げられる。
【0072】
メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩重合体としては、例えば、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム重合体、ビニルピロリドン/塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム共重合体、アクリル酸/アクリル酸メチル/塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム共重合体(ポリクオタニウム-47)、アクリル酸/アクリルアミド/塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム共重合体(ポリクオタニウム-53)が挙げられる。
【0073】
カチオン性ビニル系ポリマー(C2)を構成する全構成単位中の前記一般式(1-1)で表される構成単位の含有量は、低温環境下での吐出時の泡質の向上、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、及び毛髪等乾燥後の指通りの良さの観点から、好ましくは8モル%以上100モル%以下である。
【0074】
また、カチオン性ビニル系ポリマー(C2)は、架橋構造を有するポリマーであることが好ましい。ここでいう架橋構造とは、主たる構造であるポリマー鎖が、ポリマー鎖内又はポリマー鎖間で連結してなる三次元の網目構造を意味する。該架橋構造の形成方法は特に制限されず、例えば、重縮合やラジカル重合のように重合と同時に架橋する方法や、ポリマー鎖を後から架橋する方法により形成されたものが挙げられる。
【0075】
カチオン性ビニル系ポリマー(C2)として、市販品を用いることもできる。その具体例としては、BASFジャパン(株)製の「Cosmedia Ultragel 300」(ポリクオタニウム-37、カチオン電荷密度:4.81mmol/g)、花王(株)製の「ソフケア KG-101W-E」(ポリクオタニウム-52、カチオン電荷密度:0.83mmol/g)、「ソフケア KG-301W」(ポリクオタニウム-52、カチオン電荷密度:1.84mmol/g)が挙げられる。なお、これらはいずれも架橋構造を有するカチオン性ポリマーである。
【0076】
<成分(D):多価アルコール>
本発明の洗浄剤組成物は、成分(D)として多価アルコールを含有する。本発明の洗浄剤組成物は成分(D)を含有することにより、低温環境下での吐出時の泡質を向上させ、毛髪等すすぎ時のなめらかさ及び毛髪等乾燥後の指通りの良さを付与することができる。
成分(D)としては、例えば、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリアルキレングリコールが挙げられる。
ポリアルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコールの重合体、プロピレングリコールの重合体、ブチレングリコールの重合体、エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体、エチレングリコールとブチレングリコールとの共重合体、プロピレングリコールとブチレングリコールとの共重合体、エチレングリコールとプロピレングリコールとブチレングリコールとの共重合体が挙げられ、前記共重合体の付加形式は、ランダムであってもブロックであってもよい。
ポリアルキレングリコールの平均分子量は、好ましくは300以上、より好ましくは400以上、更に好ましくは600以上であり、そして、好ましくは1,000以下、より好ましくは800以下である。
これらの中でも、成分(D)は、好ましくは1,3-ブチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、平均分子量が300以上1,000以下のポリアルキレングリコールからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはグリセリン、ジプロピレングリコール、平均分子量が300以上1,000以下のポリアルキレングリコールからなる群から選ばれる1種以上、更に好ましくはグリセリン、ジプロピレングリコール、平均分子量が300以上800以下のポリアルキレングリコールからなる群から選ばれる1種以上である。
【0077】
<水性媒体>
本発明の洗浄剤組成物は、通常、成分(D)以外の水性媒体を含有する。水性媒体としては、水、成分(D)以外の水溶性有機溶剤が挙げられる。成分(D)以外の水溶性有機溶剤としては、エタノール、イソプロピルアルコール等の1価アルコールが挙げられる。これらの中でも、水性媒体として水を含むことが好ましい。
本発明の洗浄剤組成物中の水性媒体の含有量は、泡質の向上、及び泡の吐出性の観点から、好ましくは60~90質量%、より好ましくは65~80質量%である。
【0078】
<その他の成分>
本発明の洗浄剤組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で。成分(A)~(D)以外のその他の成分を適宜含有してもよい。当該成分としては、例えば、毛髪洗浄剤に通常配合される成分である、酸化防止剤、油剤、ポリマー、抗フケ剤、ビタミン剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、キレート剤、保湿剤、セラミド類、香料、紫外線吸収剤、pH調整剤が挙げられる。
【0079】
(両性界面活性剤)
本発明の洗浄剤組成物は、両性界面活性剤を更に含有してもよい。
両性界面活性剤としては、例えば、ベタイン型界面活性剤、アミンオキサイド型界面活性剤が挙げられる。これらの中でも、低温安定性、低温環境下での吐出時の泡質の向上、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、及び毛髪等すすぎ時のなめらかさの観点から、ベタイン型界面活性剤が好ましい。
両性界面活性剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
【0080】
ベタイン型界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン等のカルボキシベタイン型;アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型;イミダゾリン系ベタイン型;ホスホベタイン型が挙げられる。
【0081】
アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインとしては、好ましくは炭素数8以上22以下、より好ましくは炭素数10以上20以下のアルキル基を有するものが挙げられ、具体例としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタインが挙げられる。
脂肪酸アミドプロピルベタインとしては、好ましくは炭素数8以上18以下、より好ましくは炭素数10以上16以下のアシル基を有するものが挙げられる。具体例としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン〔ラウラミドプロピルベタイン〕、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン〔コカミドプロピルベタイン〕が挙げられる。
【0082】
アルキルスルホベタインとしては、好ましくは炭素数8以上22以下、より好ましくは炭素数10以上18以下のアルキル基を有するアルキルスルホベタインが挙げられる。アルキルスルホベタインの具体例としては、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルジメチルスルホプロピルベタイン、ミリスチルジメチルスルホエチルベタイン、ミリスチルジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホエチルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタインが挙げられる。
【0083】
アルキルヒドロキシスルホベタインとしては、好ましくは炭素数8以上22以下、より好ましくは炭素数10以上18以下のアルキル基、及び、少なくとも1つのヒドロキシ基を有するアルキルヒドロキシスルホベタインが挙げられる。アルキルヒドロキシスルホベタインの具体例としては、ラウリルジメチルスルホ(ヒドロキシエチル)ベタイン、ラウリルジメチルスルホ(ヒドロキシプロピル)ベタイン〔ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタインとも称される〕、ミリスチルジメチルスルホ(ヒドロキシエチル)ベタイン、ミリスチルジメチルスルホ(ヒドロキシプロピル)ベタイン、ステアリルジメチルスルホ(ヒドロキシプロピル)ベタイン、ビス-(2-ヒドロキシ-エチル)スルホエチルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシ-エチル)スルホプロピルベタインが挙げられる。
【0084】
イミダゾリン系ベタイン型両性界面活性剤としては、N-アシルアミノエチル-N-2-ヒドロキシエチルアミノカルボン酸塩が挙げられ、例えば、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミン〔ココアンホ酢酸Na、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインとも称される〕、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシエチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミン〔ココアンホプロピオン酸Na〕、N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム〔ラウロアンホ酢酸Na〕が挙げられる。
ホスホベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルヒドロキシホスホベタインが挙げられる。
【0085】
上記の中でも、両性界面活性剤としては、低温安定性、低温環境下での吐出時の泡質の向上、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、及び毛髪等すすぎ時のなめらかさの観点から、より好ましくはカルボキシベタイン型、スルホベタイン型、及びイミダゾリン系ベタイン型からなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、及びN-アシルアミノエチル-N-2-ヒドロキシエチルアミノカルボン酸塩からなる群から選ばれる1種以上であり、より更に好ましくはラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホ(ヒドロキシプロピル)ベタイン、及び2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインからなる群から選ばれる1種以上である。
【0086】
<含有量>
本発明の洗浄剤組成物は、低温環境下での保存安定性及び泡吐出容器から吐出される泡の質感に優れると共に、毛髪等洗浄時の泡立ちが良好で、毛髪等すすぎ時になめらかさ及び毛髪等乾燥後の指通りの良さを付与できる洗浄剤組成物とする観点から、各成分の含有量は以下の範囲であることが好ましい。
【0087】
本発明の洗浄剤組成物中の成分(A)の含有量は、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、及び毛髪等すすぎ時のなめらかさの観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは13質量%以上であり、そして、低温環境下での吐出時の泡質の向上の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、より更に好ましくは18質量%以下である。より具体的には、本発明の洗浄剤組成物中の成分(A)の含有量は、好ましくは5~30質量%、より好ましくは8~25質量%、更に好ましくは10~20質量%、より更に好ましくは13~18質量%である。
【0088】
成分(A)がアルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、N-アシルサルコシン塩、α-オレフィンスルホン酸塩、及びN-メチル-N-アシルタウリン塩からなる群から選ばれる2種以上を含む場合、本発明の洗浄剤組成物中のアルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、N-アシルサルコシン塩、α-オレフィンスルホン酸塩、及びN-メチル-N-アシルタウリン塩からなる群から選ばれる2種以上の合計含有量は、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪等すすぎ時のなめらかさの観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは13質量%以上であり、そして、低温環境下での吐出時の泡質の向上の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、より更に好ましくは18質量%以下である。より具体的には、本発明の洗浄剤組成物中のアルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、N-アシルサルコシン塩、α-オレフィンスルホン酸塩、及びN-メチル-N-アシルタウリン塩からなる群から選ばれる2種以上の合計含有量は、好ましくは5~30質量%、より好ましくは8~25質量%、更に好ましくは10~20質量%、より更に好ましくは13~18質量%である。
【0089】
本発明の洗浄剤組成物中の成分(B)の含有量は、低温安定性、毛髪等洗浄時の泡立ちの良さ、及び毛髪等すすぎ時のなめらかさの観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは0.5質量%以上であり、そして、低温環境下での吐出時の泡質の向上の観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下である。より具体的には、本発明の洗浄剤組成物中の成分(B)の含有量は、好ましくは0.01~10質量%、より好ましくは0.05~7質量%、更に好ましくは0.1~5質量%、より更に好ましくは0.5~3質量%である。
【0090】
本発明の洗浄剤組成物中の成分(C)の含有量は、低温環境下での吐出時の泡質の向上、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、及び毛髪等乾燥後の指通りの良さの観点から、0質量%超であり、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.02質量%以上であり、そして、低温環境下での吐出時の泡質の向上の観点から、0.20質量%未満であり、好ましくは0.18質量%以下、より好ましくは0.15質量%以下、更に好ましくは0.13質量%以下である。より具体的には、本発明の洗浄剤組成物中の成分(C)の含有量は、好ましくは0.001~0.18質量%、より好ましくは0.01~0.18質量%、更に好ましくは0.02~0.15質量%、より更に好ましくは0.02~0.13質量%である。
【0091】
本発明の洗浄剤組成物中の成分(D)の含有量は、低温環境下での吐出時の泡質の向上、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、及び毛髪等乾燥後の指通りの良さの観点から、5質量%以上であり、好ましくは7質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、そして、前記と同様の観点から、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは18質量%以下、より更に好ましくは15質量%以下である。より具体的には、本発明の洗浄剤組成物中の成分(D)の含有量は、好ましくは5~25質量%、より好ましくは5~20質量%、更に好ましくは5~18質量%、より更に好ましくは7~15質量%、より更に好ましくは10~15質量%である。
【0092】
本発明の洗浄剤組成物中の成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び(D)の合計含有量は、低温安定性、低温環境下での吐出時の泡質の向上、毛髪等洗浄時の泡立ち、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、及び毛髪等乾燥後の指通りの良さの観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは13質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、前記と同様の観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは32質量%以下である。より具体的には、本発明の洗浄剤組成物中の成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び成分(D)の合計含有量は、好ましくは10~40質量%、より好ましくは13~35質量%、更に好ましくは15~32質量%である。
【0093】
本発明の洗浄剤組成物中の成分(A)の含有量に対する成分(B)の含有量の質量比[(B)/(A)]は、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、及び毛髪等乾燥後の指通りの良さの観点から、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.03以上、より更に好ましくは0.05以上であり、そして、低温環境下での吐出時の泡質の向上の観点から、好ましくは0.50以下、より好ましくは0.40以下、更に好ましくは0.20以下、より更に好ましくは0.15以下である。より具体的には、前記質量比[(B)/(A)]は、好ましくは0.005~0.50、より好ましくは0.01~0.40、更に好ましくは0.03~0.20、より更に好ましくは0.05~0.15である。
【0094】
本発明の洗浄剤組成物中の成分(A)の含有量に対する成分(C)の含有量の質量比[(C)/(A)]は、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、及び毛髪等乾燥後の指通りの良さの観点から、好ましくは0.0005以上、より好ましくは0.001以上、更に好ましくは0.003以上であり、そして、低温環境下での吐出時の泡質の向上の観点から、好ましくは0.10以下、より好ましくは0.05以下、更に好ましくは0.03以下、より更に好ましくは0.01以下である。より具体的には、前記質量比[(C)/(A)]は、好ましくは0.0005~0.10、より好ましくは0.001~0.05、更に好ましくは0.003~0.03、より更に好ましくは0.003~0.01である。
【0095】
本発明の洗浄剤組成物中の成分(A)の含有量に対する成分(D)の含有量の質量比[(D)/(A)]は、低温環境下での吐出時の泡質の向上、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、及び毛髪等乾燥後の指通りの良さの観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは0.7以上であり、そして、前記と同様の観点から、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.0以下である。より具体的には、前記質量比[(D)/(A)]は、好ましくは0.1~3.0、より好ましくは0.2~2.0、更に好ましくは0.3~1.0、より更に好ましくは0.7~1.0である。
【0096】
本発明の洗浄剤組成物中の成分(C)の含有量に対する成分(D)の含有量の質量比[(D)/(C)]は、低温環境下での吐出時の泡質の向上、毛髪等すすぎ時のなめらかさ、及び毛髪等乾燥後の指通りの良さの観点から、好ましくは25以上、より好ましくは50以上、更に好ましくは70以上、より更に好ましくは100以上、より更に好ましくは150以上であり、そして、前記と同様の観点から、好ましくは600以下、より好ましくは500以下、更に好ましくは400以下、より更に好ましくは300以下、より更に好ましくは250以下である。より具体的には、前記質量比[(D)/(C)]は、好ましくは25~600、より好ましくは50~500、更に好ましくは70~400、より更に好ましくは70~300、より更に好ましくは70~250、より更に好ましくは100~250、より更に好ましくは150~250である。
【0097】
(毛髪洗浄剤組成物又は頭飾製品用繊維洗浄剤組成物の製造方法)
毛髪洗浄剤組成物又は頭飾製品用繊維洗浄剤組成物の製造方法は特に限定されない。例えば、成分(A)~(D)、及び必要に応じて用いられるその他の成分を実施例に記載の方法で配合し、公知の撹拌装置等を用いて混合することにより製造できる。
【0098】
[毛髪洗浄剤又は頭飾製品用繊維洗浄剤]
本発明の洗浄剤組成物は、泡吐出容器に充填してなる毛髪洗浄剤又は頭飾製品用繊維洗浄剤として用いることが好ましい。本発明の効果の有効性の観点から、泡吐出容器としてはノンガス型の泡吐出容器が好ましい。
ノンガス型の泡吐出容器としては、充填された洗浄剤組成物が該吐出容器内で空気と混合され、泡として吐出できるものであればいずれのものでも用いることができる。例えば、ポンプヘッドを押すことで、空気室のシリンダーと洗浄剤組成物のシリンダーが加圧されて、空気と洗浄剤組成物とが混合されて泡状となって吐出するポンプフォーマー容器や、押圧変形可能な容器の胴体部分を押すことで、容器が変形して吐出するスクイズフォーマー容器が挙げられる。
泡吐出容器の洗浄剤組成物の吐出流路には、泡質を調整する観点から、メッシュ等の多孔質膜フィルターが設けられていることが好ましい。
ノンガス型の泡吐出容器の具体例として、(株)吉野工業所製、大和製罐(株)製のフォーマー容器が挙げられる。また、特開平7-315463号公報、特開平8-230961号公報、特開2005-193972号公報等に記載された泡吐出容器を使用することもできる。
【実施例0099】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。
【0100】
実施例1~21、比較例1~11(毛髪洗浄剤組成物の調製及び評価)
表1~2に示す配合組成に従って各例の毛髪洗浄剤組成物を調製し、該毛髪洗浄剤組成物、又は該毛髪洗浄剤組成物を後述する泡吐出容器に充填した毛髪洗浄剤として、以下に示す方法で評価を行った。結果を表1~2に示す。
なお、表に示す各成分の配合量(質量%)は、いずれも有効成分量である。
【0101】
<調製直後の外観>
各例の調製直後の毛髪洗浄剤組成物の外観の状態を目視にて観察し、各専門パネラー3名にて以下の3段階の評価基準で評価し、3名の専門パネラーの平均値の小数点以下第2位を四捨五入した値を評価スコアとして以下の基準で評価した。
〔評価基準〕
3:透明である。
2:半透明である。
1:白濁、又は、析出、分離もしくは沈殿が認められる。
〔評価スコア基準〕
A:評価スコアが2.5以上である。
B:評価スコアが1.5以上2.4以下である。
C:評価スコアが1.4以下である。
【0102】
<低温安定性(-5℃での外観)>
各例の毛髪洗浄剤組成物を、110mLガラス瓶に約100mL充填後、密閉し、-5℃の定温恒温室にて3日間静置した。外観の状態を目視にて観察し、各専門パネラー3名にて以下の3段階の評価基準で評価し、3名の専門パネラーの平均値の小数点以下第2位を四捨五入した値を評価スコアとして以下の基準で評価した。
〔評価基準〕
3:透明である。
2:半透明である。
1:白濁、又は、析出、分離もしくは沈殿が認められる。
〔評価スコア基準〕
A:評価スコアが2.5以上である。
B:評価スコアが1.5以上2.4以下である。
C:評価スコアが1.4以下である。
【0103】
<5℃での吐出時の泡質>
各例の毛髪洗浄剤組成物を、ポンプヘッドを押すことで泡を吐出する泡吐出容器(ポンプフォーマー、(株)吉野工業所製、泡吐出流路に設けた多孔質膜フィルターのメッシュサイズ;#200、メッシュ枚数;2枚、1プッシュあたりの液吐出量;約1g、1プッシュあたりの空気吐出量(泡吐出量);約13cm3、容器の容積;約300mL)に約100mL充填後、密閉し、5℃の定温恒温室にて24時間以上静置した。その後、該容器を水平な台上に置き、ポンプヘッドを鉛直に最後まで押し下げて泡を吐出する操作を行った。該操作により吐出した4プッシュ分の泡の状態を、各専門パネラー3名にて以下の3段階の基準で目視評価し、3名の専門パネラーの平均値の小数点以下第2位を四捨五入した値を評価スコアとして以下の基準で評価した。
〔評価基準〕
3:泡のキメが揃っている。
2:概ね泡のキメが揃っている。
1:泡のキメが揃っていない。
〔評価スコア基準〕
A:評価スコアが2.5以上である。
B:評価スコアが1.5以上2.4以下である。
C:評価スコアが1.4以下である。
【0104】
<吐出後5℃で2週間放置後の泡質>
各例の毛髪洗浄剤組成物を、ポンプヘッドを押すことで泡を吐出する泡吐出容器(ポンプフォーマー、(株)吉野工業所製、泡吐出流路に設けた多孔質膜フィルターのメッシュサイズ;#200、メッシュ枚数;2枚、1プッシュあたりの液吐出量;約1g、1プッシュあたりの空気吐出量(泡吐出量);約13cm3、容器の容積;約300mL)に約100mL充填後、密閉し、4プッシュ吐出後、5℃の定温恒温室にて2週間静置した。その後、該容器を水平な台上に置き、ポンプヘッドを鉛直に最後まで押し下げて泡を吐出する操作を行った。該操作により吐出した4プッシュ分の泡の状態を、各専門パネラー3名にて以下の3段階の基準で目視評価し、3名の専門パネラーの平均値の小数点以下第2位を四捨五入した値を評価スコアとして以下の基準で評価した。
〔評価基準〕
3:泡のキメが揃っている。
2:概ね泡のキメが揃っている。
1:泡のキメが揃っていない。
〔評価スコア基準〕
A:評価スコアが2.5以上である。
B:評価スコアが1.5以上2.4以下である。
C:評価スコアが1.4以下である。
【0105】
<洗浄時の泡立ち>
長さ30cm、幅6cm、重さ25gの日本人女性毛髪束を40℃の温水で充分にすすいだ後、各例の毛髪洗浄剤組成物1.0gを前記泡吐出容器より吐出して毛髪に均一に塗布し、約30秒間、毛髪同士を軽く擦り合せるように泡立てた。その際の泡立ちの良さを、専門パネラー3名にて以下の5段階基準で官能評価した。スコア3以上を合格とした。
なお、表1~2に示した評価の数値は3名の専門パネラーの平均値である。
〔評価基準〕
5:泡立ちが良い。
4:やや泡立ちが良い。
3:どちらともいえない。
2:やや泡立ちが悪い。
1:泡立ちが悪い。
【0106】
<すすぎ時のなめらかさ>
長さ30cm、幅6cm、重さ25gの日本人女性毛髪束を40℃の温水で充分にすすいだ後、各例の毛髪洗浄剤組成物1.0gを前記泡吐出容器より吐出して毛髪に均一に塗布し、約30秒間、毛髪同士を軽く擦り合せるように泡立てた。その後、40℃の温水ですすぎながら、すすぎ時の毛髪のなめらかさを、専門パネラー3名にて以下の5段階基準で官能評価した。スコア3以上を合格とした。
なお、表1~2に示した評価の数値は3名の専門パネラーの平均値である。
〔評価基準〕
5:きしみが少なく、滑らかな感触である。
4:ややきしみが少ない。
3:どちらともいえない。
2:ややきしみが強い。
1:きしみが強く、滑らかでない感触である。
【0107】
<乾燥後の指通り>
長さ30cm、幅6cm、重さ25gの日本人女性毛髪束を40℃の温水で充分にすすいだ後、各例の毛髪洗浄剤組成物1.0gを前記泡吐出容器より吐出して毛髪に均一に塗布し、約30秒間、毛髪同士を軽く擦り合せるように泡立てた。その後、40℃の温水ですすぎ、タオルドライ後、完全に乾くまでドライヤーで乾燥し、その際の乾燥後の指通りを専門パネラー3名にて、以下の5段階基準で官能評価した。スコア3以上を合格とした。
なお、表1~2に示した評価の数値は3名の専門パネラーの平均値である。
〔評価基準〕
5:指通りが良い。
4:やや指通りが良い。
3:どちらともいえない。
2:あまり指通りが良くない。
1:指通りが良くない。
【0108】
【0109】
【0110】
表中に記載の成分は下記である。
*1:ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、日油(株)製「ダイヤポン K-SF」
*2:ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、川研ファインケミカル(株)製「ソイポン SLTA」
*3:テトラデセンスルホン酸ナトリウム、AK Chemtech社製「ASCO AOS-35(M)」
*4:ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム、花王(株)製「カオーアキポ RLM-100NV」
*5:ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム、川研ファインケミカル(株)製「アラノン ALE」
*6:N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム、味の素(株)製「アミソフト CS-22B」
*7:ポリオキシエチレン(1)アルキル(C10-16)エーテル硫酸アンモニウム、花王(株)製「エマール 125A」
*8:ポリオキシエチレン(16)ラウリルエーテル、花王(株)製「エマルゲン 116」
*9:ポリオキシエチレン(6)ステアリルエーテル、花王(株)製「エマルゲン 306」
*10:ダウケミカル社製「ソフトキャット SL-30」
*11:花王(株)製「ソフケア KG-101W-E」
*12:花王(株)製「カチセロ M-80」
*13:ルブリゾール社製「マーコート550」
*14:ジプロピレングリコール、(株)ADEKA製「DPG-RF」
*15:花王(株)製「化粧品用濃グリセリンA」
【0111】
表1より、本実施例の毛髪洗浄剤組成物は、低温安定性、低温環境下での吐出時の泡質、毛髪洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪すすぎ時のなめらかさ、及び毛髪乾燥後の指通りの良さのいずれにおいても優れることがわかる。これに対し、表2に示すように、成分(A)として2種以上の非サルフェート系アニオン性界面活性剤を含まない比較例1~5、成分(B)を含まない比較例6、成分(C)を含まない比較例7及び9、成分(D)を含まない比較例8、成分(C)の含有量が0.20質量%以上である比較例10、並びに、成分(D)の含有量が5.0質量%未満である比較例11の毛髪洗浄剤組成物は、低温安定性、低温環境下での吐出時の泡質、毛髪洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪すすぎ時のなめらかさ、及び毛髪乾燥後の指通りの良さのいずれかが劣る結果となった。
【0112】
以下に、本発明の毛髪洗浄剤組成物の処方例を示す。
処方例1
(質量%)
ココイルメチルタウリンNa(*1) 7.0
ラウロイルサルコシンTEA(*2) 1.0
オレフィン(C14-16)スルホン酸Na(*3) 6.0
ラウレス-11カルボン酸Na(*4) 2.0
ラウレス-16(*5) 1.0
ステアレス-6(*6) 1.0
ラウレス-3(*7) 0.1
PPG-2コカミド(*8) 0.3
ココアンホ酢酸Na(*9) 1.0
シリコーンクオタニウム-22(*10) 0.05
水添ポリイソブテン(*11) 0.3
ポリクオタニウム-67(*12) 0.03
ポリクオタニウム-52(*13) 0.03
DPG(*14) 7.0
グリセリン(*15) 5.5
PEG-12(*16) 0.5
PPG-7(*17) 0.5
乳酸(*18) 5質量%水分散液のpHが5になる量
リンゴ酸(*19) 0.8
コハク酸(*20) 1.5
精製水 残 量
合計 100.0
【0113】
本処方例の毛髪洗浄剤組成物は、低温安定性、低温環境下での吐出時の泡質、毛髪洗浄時の泡立ちの良さ、毛髪すすぎ時のなめらかさ、及び毛髪乾燥後の指通りの良さのいずれにおいても優れていた。
【0114】
なお、処方例に記載の成分は下記である。
(*1)ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、日油(株)製「ダイヤポン K-SF」
(*2)ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、川研ファインケミカル(株)製「ソイポン SLTA」
(*3)テトラデセンスルホン酸ナトリウム、AK Chemtech社製「ASCO AOS-35(M)」
(*4)ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム、花王(株)製「カオーアキポ RLM-100NV」
(*5)ポリオキシエチレン(16)ラウリルエーテル、花王(株)製「エマルゲン 116」
(*6)ポリオキシエチレン(6)ステアリルエーテル、花王(株)製「エマルゲン 306」
(*7)ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル、花王(株)製「エマルゲン 103」
(*8)ポリオキシプロピレンヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド(1P.O.)、川研ファインケミカル(株)製「アミゼット 1PC」
(*9)2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、花王(株)製「アンヒトール 20Y-B」
(*10)Evonik社製「ABIL ME 45 MB」
(*11)日油(株)製「パールリーム 3」
(*12)ダウケミカル社製「ソフトキャット SL-30」
(*13)花王(株)製「ソフケア KG-101W-E」
(*14)ジプロピレングリコール、(株)ADEKA製「DPG-RF」
(*15)花王(株)製「化粧品用濃グリセリンA」
(*16)三洋化成工業(株)製、「PEG-600(-G)」
(*17)(株)ADEKA製「アデカカーポール DL-30」
(*18)(株)武蔵野化学研究所製、「ムサシノ乳酸90」
(*19)扶桑化学工業(株)製、「液体リンゴ酸50%」
(*20)(株)日本触媒 製、「コハク酸」
本発明によれば、低温環境下での保存安定性及び泡吐出容器から吐出される泡の質感に優れると共に、毛髪等洗浄時の泡立ちが良好で、毛髪等すすぎ時になめらかさ及び毛髪等乾燥後の指通りの良さを付与できる毛髪洗浄剤組成物又は頭飾製品用繊維洗浄剤組成物、及び該洗浄剤組成物を用いる毛髪洗浄剤又は頭飾製品用繊維洗浄剤を提供することができる。