(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013634
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】冷却装置、冷却システム、および冷却システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
F28F 9/02 20060101AFI20250117BHJP
F28F 27/02 20060101ALI20250117BHJP
F01P 3/12 20060101ALI20250117BHJP
F01P 3/20 20060101ALI20250117BHJP
F01P 3/18 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
F28F9/02 301Z
F28F27/02 C
F01P3/12
F01P3/20 L
F01P3/18
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024196242
(22)【出願日】2024-11-08
(62)【分割の表示】P 2020011080の分割
【原出願日】2020-01-27
(31)【優先権主張番号】10-2019-0124722
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ソンビン
(57)【要約】
【課題】小型電気自動車などのショートオーバーハング車体構造を持ちながらも、既存の内燃機関車両に搭載された冷却装置のコンデンサとラジエータの構造を変更して1列並列に配置することにより、サイズ縮小および効率の向上を極大化することができるようにした冷却装置、冷却システム、および冷却システムの制御方法を提供する。
【解決手段】本発明の冷却装置は、第1冷却流体と第2冷却流体が内部に流動し、並列に配列された複数の冷却管と、複数の冷却管に第1冷却流体または第2冷却流体が流動するように複数の冷却管に連通しているタンクと、タンク内に位置して第1冷却流体が流動する第1空間と第2冷却流体が流動する第2空間に分離し、タンクに複数の冷却管が配列された方向に直線移動可能に結合された隔膜と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1冷却流体と第2冷却流体が内部に流動し、並列に配列された複数の冷却管と、
前記複数の冷却管に前記第1冷却流体または前記第2冷却流体が流動するように前記複数の冷却管に連通しているタンクと、
前記タンク内に位置して前記第1冷却流体が流動する第1空間と前記第2冷却流体が流動する第2空間に分離し、前記タンクに前記複数の冷却管が配列された方向に直線移動可能に結合された隔膜と、を含む、冷却装置。
【請求項2】
前記複数の冷却管が配列された方向に延び、前記隔膜に螺合されたガイド、および
前記ガイドを回転させることにより前記隔膜を直線移動させるアクチュエータをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記隔膜の外側面と前記タンクの内側面との間に隔膜Oリングが締結され、
前記隔膜と前記ガイドとの間にガイドOリングおよびワッシャが締結されることを特徴とする、請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記隔膜および前記ガイドには、四角ねじまたは鋸歯ねじ形状のねじ山が形成されたことを特徴とする、請求項2に記載の冷却装置。
【請求項5】
請求項1に記載の冷却装置を含む冷却システムであって、
前記第1冷却流体は冷媒であり、前記第1冷却流体が内部に流動するように第1空間と連結され、室内空調用冷却コアが備えられた冷房回路と、
前記第2冷却流体は冷却水であり、前記第2冷却流体が内部に流動するように第2空間と連結され、前記第2冷却流体が電装部品と熱交換できるように連結された冷却回路と、をさらに含む、冷却システム。
【請求項6】
前記冷房回路には、前記タンクから排出された流体から気体を分離する第1気液分離器が備えられ、
第1気液分離器で分離された気体は、前記タンクの前記第1空間へ再び流入することを特徴とする、請求項5に記載の冷却システム。
【請求項7】
前記冷房回路には、前記タンクから排出された流体から前記冷却水を比重差を利用して分離する冷却水分離器が備えられ、
前記冷却水分離器は、分離した前記冷却水が前記冷却回路へ回送されるように前記冷却回路に連結されたことを特徴とする、請求項5に記載の冷却システム。
【請求項8】
前記冷媒は、液体状態で前記冷却水よりも比重が大きく、
前記冷却水分離器には、前記冷却回路に連結されて前記冷却水の吐出される第1冷却水吐出口が前記冷媒の吐出される第1冷媒吐出口よりも重力方向に上方に位置し、
前記第1冷却水吐出口に設けられて前記冷却水の流動を許可または遮断する第1バルブが備えられたことを特徴とする、請求項7に記載の冷却システム。
【請求項9】
前記冷媒は、液体状態で前記冷却水よりも比重が大きく、
前記冷却水分離器には、前記冷却回路に連結されて前記冷却水の吐出される第1冷却水吐出口が前記冷媒の吐出される第1冷媒吐出口よりも重力方向に上方に位置し、
前記冷却水分離器の内部で平面方向に延び、上下方向に移動可能に位置し、液体状態の前記冷媒よりも比重が小さく、前記冷却水よりも比重が大きく、上部と下部間の流体移動が可能な貫通孔を有する冷却水分離板が備えられたことを特徴とする、請求項7に記載の冷却システム。
【請求項10】
前記冷却水分離板は、前記冷却水分離器の内部で最大に上昇した状態で前記第1冷却水吐出口を遮断することを特徴とする、請求項9に記載の冷却システム。
【請求項11】
前記冷却回路には、前記タンクから排出された流体から気体を分離する第2気液分離器が備えられたことを特徴とする、請求項5に記載の冷却システム。
【請求項12】
前記第2気液分離器から排出された気体を冷却させた状態で液体状態の前記冷媒を比重差を利用して分離する冷媒分離器が備えられ、
前記冷媒分離器は、分離した前記冷媒が前記冷房回路へ回送されるように前記冷房回路に連結されたことを特徴とする、請求項11に記載の冷却システム。
【請求項13】
前記冷房回路には、前記タンクから排出された流体から前記冷媒を比重差を利用して分離する冷媒分離器が備えられ、前記冷媒分離器は、分離した前記冷媒が前記冷房回路へ回送されるように前記冷房回路に連結され、
前記冷媒は、気体状態で前記冷却水よりも比重が小さく、空気よりも比重が大きく、
前記冷媒分離器には、前記冷房回路に連結されて前記冷媒の吐出される第2冷媒吐出口が前記冷却水の吐出される第2冷却水吐出口よりも重力方向に上方に位置し、
前記冷媒分離器の内部で平面方向に延び、上下方向に移動可能に位置し、気体状態の前記冷媒よりも比重が小さく、空気よりも比重が大きく、上部と下部間の流体移動が可能な貫通孔を有する冷媒分離板が備えられたことを特徴とする、請求項5に記載の冷却システム。
【請求項14】
前記冷却水は、前記第2冷媒吐出口よりも重力方向に下方に位置した所定の高さに維持されるように前記冷媒分離器の内部で流動し、
前記冷媒分離板は、前記所定の高さで前記第2冷媒吐出口を遮断することを特徴とする、請求項13に記載の冷却システム。
【請求項15】
前記冷媒分離板には、内部にガスが貯蔵されたガス注入部が設けられたことを特徴とする、請求項13に記載の冷却システム。
【請求項16】
前記冷媒分離器の内部には、前記タンクから排出された流体の流動方向を制限する流動制限部が備えられたことを特徴とする、請求項13に記載の冷却システム。
【請求項17】
請求項5に記載の冷却システムを制御する方法であって、
現在走行状態に基づいて冷房回路の現在冷房負荷および冷却回路の現在冷却負荷を算出するステップと、
算出した現在冷房負荷と現在冷却負荷との割合を算出するステップと、
算出した現在冷房負荷と現在冷却負荷との割合に基づいて隔膜の移動を制御するステップと、を含む、冷却システムの制御方法。
【請求項18】
隔膜の移動を制御するステップの前に、ナビゲーション情報を用いて所定の時間または所定の距離以後に予想される予想走行状態に基づいて、冷房回路の予想冷房負荷および冷却回路の予想冷却負荷を算出するステップ、および
算出した予想冷房負荷と予想冷却負荷との割合を算出するステップをさらに含み、
隔膜の移動を制御するステップでは、算出した現在冷房負荷と現在冷却負荷との割合および算出した予想冷房負荷と予想冷却負荷との割合の変化に基づいて隔膜の移動を制御することを特徴とする、請求項17に記載の冷却システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器の可変、および冷媒または冷却水の混入防止のための構造と制御方法に関し、より詳細には、小型電気自動車などに使用できる冷房装置に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、従来の内燃機関搭載車両のエンジンルームに相当する車体前方部分にエンジンが搭載されないことにより、オーバーハング(OVERHANG)が相対的に短くなる傾向がある。
【0003】
したがって、前記短くなったオーバーハングに駆動モータ、減速機および冷却装置などを搭載するためには、厚みを低減させるための新しい冷却装置の構造が必要である。
【0004】
特に、冷却系の面で商用車に適用される内燃機関は、摂氏110度レベルの冷却水温を維持して冷却させるが、これに対し、モータの構成部品は、摂氏65度レベルの冷却水温が要求されるので、前記内燃機関で使用される冷却装置に比べて相対的にサイズが小さく、冷却系の性能を円滑に実現することができる。
【0005】
前述した背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解を増進させるためのものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者に既に知られた従来技術に該当することを認めるものと受け入れられてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特許公開第10-2019-0104739号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、小型電気自動車などのショートオーバーハング(SHORT OVERHANG)車体構造を持ちながらも、既存の内燃機関車両に搭載された冷却装置のコンデンサとラジエータの構造を変更して1列並列に配置することにより、サイズ縮小および効率の向上を極大化することができるようにした冷却装置、冷却システム、および冷却システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明のある観点によれば、第1冷却流体と第2冷却流体が内部に流動し、並列に配列された複数の冷却管と、前記複数の冷却管に前記第1冷却流体または前記第2冷却流体が流動するように前記複数の冷却管に連通しているタンクと、前記タンク内に位置して前記第1冷却流体が流動する第1空間と前記第2冷却流体が流動する第2空間に分離し、前記タンクに前記複数の冷却管が配列された方向に直線移動可能に結合された隔膜と、を含む、冷却装置を提供する。
【0009】
前記複数の冷却管が配列された方向に延び、隔膜に螺合されたガイド、および前記ガイドを回転させることにより前記隔膜を直線移動させるアクチュエータをさらに含んでもよい。
【0010】
前記隔膜の外側面とタンクの内側面との間に隔膜Oリングが締結され、前記隔膜と前記ガイドとの間にガイドOリングおよびワッシャが締結されてもよい。
【0011】
前記隔膜および前記ガイドには、四角ねじまたは鋸歯ねじ形状のねじ山が形成されてもよい。
【0012】
また、本発明の他の観点によれば、前記第1冷却流体は冷媒であり、前記第1冷却流体が内部に流動するように第1空間と連結され、室内空調用冷却コアが備えられた冷房回路と、前記第2冷却流体は冷却水であり、前記第2冷却流体が内部に流動するように第2空間と連結され、前記第2冷却流体が電装部品と熱交換できるように連結された冷却回路と、をさらに含む、冷却システムを提供する。
【0013】
前記冷房回路には、前記タンクから排出された流体から気体を分離する第1気液分離器が備えられ、第1気液分離器で分離された気体は、前記タンクの前記第1空間へ再び流入してもよい。
【0014】
前記冷房回路には、前記タンクから排出された流体から冷却水を比重差を利用して分離する冷却水分離器が備えられ、前記冷却水分離器は、分離した前記冷却水が前記冷却回路へ回送されるように前記冷却回路に連結されてもよい。
【0015】
前記冷媒は液体状態で前記冷却水よりも比重が大きく、前記冷却水分離器には、前記冷却回路に連結されて前記冷却水の吐出される第1冷却水吐出口が前記冷媒の吐出される第1冷媒吐出口よりも重力方向に上方に位置し、前記第1冷却水吐出口に設けられて前記冷却水の流動を許可または遮断する第1バルブが備えられてもよい。
【0016】
前記冷媒は液体状態で前記冷却水よりも比重が大きく、前記冷却水分離器には、前記冷却回路に連結されて前記冷却水の吐出される第1冷却水吐出口が前記冷媒の吐出される第1冷媒吐出口よりも重力方向に上方に位置し、前記冷却水分離器の内部で平面方向に延び、上下方向に移動可能に位置し、液体状態の前記冷媒よりも比重が小さく、前記冷却水よりも比重が大きく、上部と下部間の流体移動が可能な貫通孔を有する冷却水分離板が備えられてもよい。
【0017】
前記冷却水分離板は、前記冷却水分離器の内部で最大に上昇した状態で前記第1冷却水吐出口が遮断されてもよい。
【0018】
前記冷却回路には、前記タンクから排出された流体から気体を分離する第2気液分離器が備えられてもよい。
【0019】
前記第2気液分離器から排出された気体を冷却させた状態で液体状態の冷媒を比重差を利用して分離する冷媒分離器が備えられ、前記冷媒分離器は、分離した前記冷媒が前記冷房回路へ回送されるように前記冷房回路に連結されてもよい。
【0020】
前記冷房回路には、前記タンクから排出された流体から冷媒を比重差を利用して分離する冷媒分離器が備えられ、前記冷媒分離器は、分離した前記冷媒が前記冷房回路へ回送されるように前記冷房回路に連結され、前記冷媒は、気体状態で前記冷却水よりも比重が小さく、空気よりも比重が大きく、前記冷媒分離器には、前記冷房回路に連結されて前記冷媒の吐出される第2冷媒吐出口が前記冷却水の吐出される第2冷却水吐出口よりも重力方向に上方に位置し、前記冷媒分離器の内部で平面方向に延び、上下方向に移動可能に位置し、気体状態の前記冷媒よりも比重が小さく、空気よりも比重が大きく、上部と下部間の流体移動が可能な貫通孔を有する冷媒分離板が備えられてもよい。
【0021】
前記冷却水は、前記第2冷媒吐出口よりも重力方向に下方に位置した所定の高さに維持されるように前記冷媒分離器の内部で流動し、前記冷媒分離板は、前記所定の高さで前記第2冷媒吐出口が遮断されてもよい。
【0022】
前記冷媒分離板には、内部にガスが貯蔵されたガス注入部が設けられてもよい。
【0023】
前記冷媒分離器の内部には、前記タンクから排出された流体の流動方向を制限する流動制限部が備えられてもよい。
【0024】
また、本発明の別の観点によれば、現在走行状態に基づいて冷房回路の現在冷房負荷および冷却回路の現在冷却負荷を算出するステップと、算出した現在冷房負荷と現在冷却負荷との割合を算出するステップと、算出した現在冷房負荷と現在冷却負荷との割合に基づいて隔膜の移動を制御するステップと、を含む、冷却システムの制御方法を提供する。
【0025】
隔膜の移動を制御するステップの前に、ナビゲーション情報を用いて所定の時間または所定の距離以後に予想される予想走行状態に基づいて、冷房回路の予想冷房負荷および冷却回路の予想冷却負荷を算出するステップ、および算出した予想冷房負荷と予想冷却負荷との割合を算出するステップをさらに含み、隔膜の移動を制御するステップでは、算出した現在冷房負荷と現在冷却負荷との割合および算出した予想冷房負荷と予想冷却負荷との割合の変化に基づいて隔膜の移動を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、小型電気自動車などのショートオーバーハング車体構造を持ちながらも、既存の内燃機関車両に搭載された冷却装置のコンデンサとラジエータの構造を変更して1列並列に配置することにより、サイズ縮小および効率の向上を極大化することができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図2】
図1の隔膜に結合される部品の一部を示す図である。
【
図3】
図1の隔膜に結合される部品を示す図である。
【
図10】本発明に係る冷却システムの作動方法を示すフローチャートである。
【
図11】冷房負荷と冷却負荷との割合を示すグラフである。
【
図12】
図11の傾きによる冷房システムの調節を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1を参照すると、本発明の冷却装置の実施形態は、第1冷却流体と第2冷却流体が内部に流動し、並列に配列された複数の冷却管1と、前記複数の冷却管1に前記第1冷却流体または前記第2冷却流体が流動するように前記複数の冷却管1に連通しているタンク3と、前記タンク3の内部に位置して前記第1冷却流体が流動する第1空間36と前記第2冷却流体が流動する第2空間38に分離し、前記タンク3に前記複数の冷却管1が配列された方向に直線移動可能に結合された隔膜9と、を含んで構成される。
【0029】
本発明の冷却装置の構造の前記冷却管1は、第1冷却流体と第2冷却流体が内部に流動するもので、複数個備えられており、一部には第1冷却流体が流動し、残りの一部には第2冷却流体が流動することができる。
【0030】
また、複数の冷却管1は、並列に並んで配置でき、特に1列並列に配置でき、共用される1つの冷却ファンを共有することができる。
【0031】
これにより、1列並列配置で通気抵抗を減少させることにより、熱交換器のファンモータの容量およびサイズが縮小でき、同じ容量のファンモータの使用時に風量および放熱量を増大することができる。
【0032】
第1冷却流体の流れるコンデンサと第2冷却流体の流れるラジエータが1列並列に配置されて結合された熱交換器が設けられ、一つの冷却ファンは、前記コンデンサと前記ラジエータが共用する。
【0033】
また、前記コンデンサと前記ラジエータは、同じ前記冷却管1を用いて前記第1冷却流体および前記第2冷却流体が流れるものであり、前記冷却管1の上側と下側に同じ前記タンク3を備えることにより、前記上側タンク3から流入する前記第1冷却流体と前記第2冷却流体が流動することができるのである。
【0034】
特に、冷却管1は、上下方向に延びることができ、前記タンク3は、上側および下側にそれぞれ位置してもよく、上側または下側にのみ位置してもよい。
【0035】
前記タンク3の内部に前記隔膜9を備えることで、前記第1冷却流体と前記第2冷却流体を分離して混ざらないようにし、前記隔膜9の可変に応じて、第1空間36および第2空間38に連通する前記冷却管1の数を決定することができる。
【0036】
つまり、前記隔膜9の中央部にホールを設け、該ホールにガイド13を結合し、前記ガイド13の中心軸を通過して延びるシャフト21をさらに備え、前記ガイド13を回転させて隔膜9を直線移動させることができるように前記ガイド13のヘッドにアクチュエータ11を備えることにより、前記アクチュエータ11の回転によって前記ガイド13が回転して直線運動によって前記隔膜が可変するのである。
【0037】
また、前記ガイド13が回転しながら揺れたり離脱したりしないように、前記シャフト21の両端を固定することができるシャフトホルダ23をさらに備えてもよい。
【0038】
より詳細には、前記ガイド13は、四角ねじまたは鋸歯ねじの形状に形成され、前記隔膜9のホールも、前記ガイド13によって結合できるようにナット形式の四角ねじまたは鋸歯ねじの形状に形成され得る。
【0039】
図2に示すように、前記タンク3の内部で前記ガイド13の回転力によって前記隔膜9が可変することにより、前記第1冷却流体と前記第2冷却流体とが互いに混ざることを防ぐために、前記隔膜9の外側面、すなわち、前記タンク3と接する面に溝を設け、この溝に隔膜Oリング17を締結し、前記隔膜9と前記ガイド13との間にも一対のガイドOリング15とワッシャ19をさらに備えて締結する。
【0040】
前記冷却装置を含む冷却システムとして、前記第1冷却流体が冷媒29であり、前記第1冷却流体が内部に流動するように第1空間36と連結され、室内空調用冷却コア43が備えられた冷房回路89と、前記第2冷却流体が冷却水27であり、前記第2冷却流体が内部に流動するように第2空間38と連結され、前記冷却水27が電装部品57と熱交換できるように連結された冷却回路91と、をさらに含む、冷却システムが備えられる。
【0041】
図4に示すように、前記冷房回路89には第1気液分離器35、膨張弁41、冷却コア43およびコンプレッサ47が備えられ、流体がそれぞれの部品を順次循環して再び前記タンク3の流入口5に入り、前記冷却回路91も、流体が第2気液分離器49と電装部品57を順次循環して前記タンク3の流入口5に入る。
【0042】
つまり、前記冷却回路91と前記冷房回路89を経て前記タンク3に流入する流体は冷媒29、気体冷媒31、空気33および冷却水27であり、前記タンク3に流入した流体は前記隔膜9の移動によって混合されて排出される。
【0043】
冷房回路89内に流れる流体の流動を考察すると、前記冷房回路89の前記第1気液分離器35に混合されて流入した気体冷媒31、冷媒29および冷却水27から前記気体冷媒31を1次的に分離して、第1空間36を介して再び前記タンク3の流入口5に排出する。さらに、前記第1気液分離器35から排出される前記冷媒29と前記冷却水27を比重差を利用して分離する冷却水分離器37が備えられ、分離した冷却水27が冷却回路91に回送されるように冷却回路91に連結される。
【0044】
ここでの気体冷媒31は、前記空気33を含んでいてもよい。
【0045】
前記冷却水27と前記冷媒29を分離する前記冷却水分離器37の第一の実施形態では、前記冷媒29は液体状態で前記冷却水27よりも比重が大きいので、前記冷媒29上に前記冷却水27が分離され、分離された前記冷却水27の吐出される第1冷却水吐出口65を前記冷媒29の吐出される第1冷媒吐出口63よりも重力方向に上方に位置するようにして、それぞれの流体がそれぞれ異なる吐出口を介して排出できるように形成される。
【0046】
また、第1冷却水吐出口65に対して冷却水27の流動を許可または遮断することができ且つ前記冷媒29の流入を防ぐことができる第1バルブ39が、第1冷却水吐出口65と冷却水分離器37との間に備えられてもよい。
【0047】
前記冷却水27と前記冷媒29を分離する前記冷却水分離器37の第二の実施形態では、前記冷却水分離器37には、冷却回路91に連結されて冷却水27の吐出される第1冷却水吐出口65が冷媒29の吐出される第1冷媒吐出口63よりも重力方向に上方に位置し、前記冷却水分離器37の内部に冷却水分離板59を備えることにより、前記冷媒29と前記冷却水27を分離することができるようにする。
【0048】
つまり、前記冷却水分離板59の比重は冷却水<冷却水分離板<冷媒の関係を形成するように構成される。前記冷却水分離板59の形状は、前記冷却水分離器37の内部で平面方向に延び、上部と下部間の流体移動ができるように貫通孔69が複数設けられる。
【0049】
また、前記冷却水分離板59は、前記冷媒29によって上下方向に移動できるように位置し、分離された前記冷却水27が第1冷却水吐出口65を介して排出されるとき、前記冷却水27が混入して排出されないように、前記冷却水分離器37の内部を包み込む形状を含んで構成することにより、前記第一の実施形態の第1バルブ39を備えなくてもよいが、必要に応じて備えられることもある。
【0050】
前記冷却水27と前記冷媒29を分離する前記冷却水分離器37の第三の実施形態では、
図5に示すように、前記冷却水分離器37には、冷却回路91に連結されて前記冷却水27の吐出される第1冷却水吐出口65が冷媒29の吐出される第1冷媒吐出口63よりも重力方向に上方に位置し、さらに詳細には、第1冷却水吐出口65は第1冷媒吐出口63と互いに交差する方向に前記冷却水分離器37の上側に垂直に設けられる。
【0051】
また、前記冷却水分離器37の内部に第二の実施形態と同様の前記冷却水分離板59を備え、前記冷却水分離板59は、前記冷媒29により前記冷却水分離器37の内部で最大に上昇した状態で第1冷却水吐出口65に挿入されて前記冷媒29の流入を遮断することができるようにコック67をさらに含む。
【0052】
すなわち、前記冷却水分離板59が冷却水分離器37の内部で最大に上昇した状態で、前記コック67が前記第1冷却水吐出口65に挿入されて遮断されるが、一定量の混入を防止するために、前記コック67に溝が設けられ、この溝にコックOリング71が結合される。
【0053】
したがって、前記冷却水分離器37の実施形態によって、前記第1冷却水吐出口65、第1冷媒吐出口63の位置と前記冷却水分離板59の使用有無は、必要に応じて変わり得る。
【0054】
前記冷却水分離器37を介して分離された前記冷却水は、前記タンク3の吐出口7に連結されて前記冷却回路91と連結され、分離された前記冷媒29は、前記膨張弁41、前記冷却コア43および前記コンプレッサ47を順次経て前記タンク3の流入口5に流入する。
【0055】
冷却回路91内に流れる流体の流動を考察すると、前記冷却回路91を経て前記第2気液分離器49に流入する前記気体冷媒31、前記空気33および冷却水27から前記冷却水27を分離して電装部品57へ排出し、前記第2気液分離器49から排出された前記気体冷媒31と空気は熱交換器45によって液体状態の前記冷媒29に変換される。さらに、前記空気33と前記冷媒29を分離する冷媒分離器51が備えられる。
【0056】
前記空気33と前記冷媒29を分離する前記冷媒分離器51の第一の実施形態は、前記冷媒分離器51の内部では前記空気と前記冷媒29との比重の違いにより前記冷媒29の上側に前記空気が分離され、前記空気を排出するために、前記冷媒分離器51の上側に圧力キャップ53がさらに備えられる。
【0057】
また、前記冷媒分離器51は、前記冷媒29が冷房回路89へ回送されるように第2冷媒吐出口75が備えられ、第2冷媒吐出口75に対して冷媒29の流動を許可または遮断する第2バルブ55が備えられる。
【0058】
前記第2冷媒吐出口75に設置される第2バルブ55は、必要に応じて備えられてもよい。
【0059】
また、前記冷媒分離器51の第二の実施形態は、前記第2気液分離器49を備えず、前記気体冷媒31と前記空気33および冷却水27を分離することができる前記冷媒分離器51を備えることにより、直ちに流入できるようにする。
【0060】
図8に示すように、前記冷媒分離器51の内部に流入した前記気体冷媒31と前記空気33を分離するために冷媒分離板79が備えられ、前記冷媒分離板79の比重は、空気<冷媒分離板<気体冷媒の関係を形成するように構成される。前記冷媒分離板79の形状は、前記冷媒分離器51の内部で平面方向に延び、上部と下部間の流体移動ができるように貫通孔83が複数設けられる。
【0061】
よって、前記冷媒分離器51によって分離された前記気体冷媒31が冷房回路89へ回送されるように、第2冷媒吐出口75と前記冷却水27の吐出される第2冷却水吐出口77が備えられ、前記第2冷媒吐出口75は前記第2冷却水吐出口77よりも重力方向に上方に離隔して位置するようにする。
【0062】
前記冷媒分離器51の内部に流入する前記気体冷媒31が前記冷却水27と混ざらず、前記第2冷却水吐出口77に流入しないように前記気体冷媒31の流動方向を上側に制限する流動制限部85を備える。
【0063】
また、前記冷媒分離板79は、前記気体冷媒31によって上下方向に移動できるように位置し、前記冷媒分離器51の内部を包み込む形状を含めて形成することにより、分離された気体冷媒31が第2冷媒吐出口75へ排出されるとき、前記空気が混入して排出されないようにし、前記気体冷媒31が適量排出されると、前記冷媒分離板が下降しながら前記第2冷媒吐出口を塞いで前記空気33が排出されないようにする。
【0064】
すなわち、前記冷媒分離器51内の前記冷却水27は、前記第2冷媒吐出口よりも重力方向に下方に位置した所定の高さ87に保たれるように前記冷媒分離器51の内部で流動し、前記気体冷媒31が完全に排出されると、前記冷媒分離板79が前記所定の高さ87で空気が流入しないように前記第2冷媒吐出口75を遮断する。
【0065】
図9を参照すると、前記空気と前記気体冷媒31との間に備えられる前記冷媒分離板79は、比重を合わせるために、内部にガスが貯留されたガス注入部81をさらに備えて結合することができる。
【0066】
また、前記冷媒分離板79によって分離された前記空気33を排出するために、前記冷媒分離器51の上側に圧力キャップ53をさらに備える。
【0067】
したがって、第二の実施形態の前記冷媒分離器51によって分離された前記冷却水27は、電装部品57を通過して前記タンクの流入部5に連結され、分離された気体冷媒31は、上述したように前記冷房回路89へ回送されるが、前記冷却コア43と前記コンプレッサ47との間に連結されて排出される。
【0068】
本発明の冷却システムを制御する方法として、
図10乃至
図12を参照すると、現在走行状態に基づいて、前記冷房回路89の現在冷房負荷と前記冷却回路91の現在冷却負荷を算出するステップ(S40)と、算出した現在冷房負荷と現在冷却負荷との割合を算出するステップ(S50)と、算出した現在冷房負荷と現在冷却負荷との割合に基づいて前記隔膜9の移動を制御するステップ(S60)と、を含んで構成される。
【0069】
すなわち、前記冷却負荷と前記冷房負荷との割合を算出し、前記アクチュエータ11に接続された回路によって前記隔膜を可変させてそれぞれ優先にする負荷を制御する。
【0070】
したがって、前記隔膜9の移動を制御するステップ(S60)の前に、ナビゲーション情報を用いて所定の時間または所定の距離以後に予想される予想走行状態に基づいて、冷房回路89の予想冷房負荷および冷却回路91の予想冷却負荷を算出するステップ(S23)、および算出した予想冷房負荷と予想冷却負荷との割合を算出するステップ(S24)をさらに含む。
【0071】
つまり、顧客がナビゲーションに目的地を入力(S10)せずに走行する場合、現在状態でエネルギーの使用を計算し且つ冷却システムを制御(S30)し始め、このときの現在走行状態を優先にすることにより、現在冷房負荷の割合(a)および現在冷却負荷の割合(b)を計算(S40)して、現在それぞれの割合に合わせて前記コンデンサと前記ラジエータの割合(D)を判断(S50)する。
【0072】
したがって、現在の割合(D)に合わせて冷却システムの制御を行う(S60)ことにより、前記冷房負荷が高くなったときに前記冷媒の流れる前記冷却管の数を増やして冷房を優先的に行い、前記冷却負荷が高くなったときに前記冷却水の流れる前記冷却管の数を高めて優先的に行う。
【0073】
車両の現在走行中に冷却システムの安定化速度があるので、即刻的に対応するには無理があり、これを補完するためには、車両のナビゲーションに目的地を入力(S10)することにより、ナビゲーション情報を用いてエネルギー使用の予測および先行冷却システムの制御を行う(S21)ことができるようにする。
【0074】
つまり、目的地に到着(S20)する前まで数分後の予想冷房負荷の割合(a’)および予想冷却負荷の割合(b’)を計算(S23)して、現在冷房負荷の割合(a)および現在冷却負荷の割合(b)の計算(S22)との比例関係式を用いて座標の傾き(C)を分かることができる(S24)。
【0075】
図12に示すように、前記傾きCの角度に応じて、現在の基準で数分後の未来を360度予測することが可能であり、予測された未来に対応する冷却/冷房/同等、冷房優先、および冷却優先のいずれかと判断して、該当する角度に合わせて先行冷却システムの制御を行う(S25)。
【0076】
したがって、顧客の未来状態を予測し、前記冷却負荷および前記冷房負荷のエネルギー使用量を予測することができるようにする。
【0077】
また、顧客がナビゲーションの選択された移動経路を把握する上で道路の傾きと外気温度、予想車速、走行可能最高速度、交通量および制限速度などの各セルの考慮因子を用いて数分後の前記冷房負荷と冷却負荷を事前に予測計算し、システムの安定性を考慮して事前にそれぞれの割合を決定して前記隔膜9を可変させる。
【0078】
また、もし万が一突然の予期せぬ事態の発生時に予測計算を終了し、予測差と異なる場合には現在状態に補正するが、目標の温度、現在の室内温度、現在の車両搭乗人員、車両の重量、燃料量およびアクセルペダルの開度量などの各セルの考慮因子を用いて現在状態に補正する。
【0079】
ここで、前記冷房負荷は、人数、日射量、外気温度および室内目標温度などのセンシングを受けて計算し、前記冷却負荷は、車速やアクセルペダルの開度量、登坂および外気温などのセンシングを受けて計算する。
【0080】
本発明の前記隔膜9を可変させて前記冷却管の数を決定することができる制御ステップでは、算出した現在冷房負荷と現在冷却負荷との割合(D)および算出した予想冷房負荷と予想冷却負荷との割合の変化(C)に基づいて、前記隔膜9の移動を制御する。
【0081】
したがって、車両のナビゲーション目的地情報を用いて、未来のエネルギー使用量を予測し、先制的に対応することにより、車両の最適な状態の維持および燃費/電費の向上に貢献して効率を極大化することができる。
【0082】
本発明は、特定の実施形態について図示および説明をしたが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想を逸脱することなく、本発明に多様な改良および変形を加え得るのは、当業分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【符号の説明】
【0083】
1 冷却管
3 タンク
5 タンクの流入部
7 タンクの吐出部
9 隔膜
11 アクチュエータ
13 ガイド
15 ガイドOリング
17 隔膜Oリング
19 ワッシャ
21 シャフト
23 シャフトホルダ
27 冷却水
29 冷媒
31 気体冷媒
33 空気
35 第1気液分離器
36 第1空間
37 冷却水分離器
38 第2空間
39 第1バルブ
41 膨張弁
43 冷却コア
45 熱交換器
47 コンプレッサ
49 第2気液分離器
51 冷媒分離器
53 圧力キャップ
55 第2バルブ
57 電装部品
59 冷却水分離板
61 流入口
63 第1冷媒吐出口
65 第1冷却水吐出口
67 コック
69 貫通孔
71 コックOリング
73 流入口
75 第2冷媒吐出口
77 第2冷却水吐出口
79 冷媒分離板
81 ガス注入部
83 貫通孔
85 流動制限部
87 所定の高さ
89 冷房回路
91 冷却回路
a 現在冷房負荷の割合
b 現在冷却負荷の割合
a’ 予想冷房負荷の割合
b’ 予想冷却負荷の割合
【手続補正書】
【提出日】2024-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1冷却流体と第2冷却流体が内部に流動し、並列に配列された複数の冷却管と、
前記複数の冷却管に前記第1冷却流体または前記第2冷却流体が流動するように前記複数の冷却管に連通しているタンクと、
前記タンク内に位置して前記第1冷却流体が流動する第1空間と前記第2冷却流体が流動する第2空間に分離し、前記タンクに前記複数の冷却管が配列された方向に直線移動可能に結合された隔膜と、
前記第1冷却流体は冷媒であり、前記第1冷却流体が内部に流動するように第1空間と連結され、室内空調用冷却コアが備えられた冷房回路と、
前記第2冷却流体は冷却水であり、前記第2冷却流体が内部に流動するように第2空間と連結され、前記第2冷却流体が電装部品と熱交換できるように連結された冷却回路と、
前記冷房回路に備えられ、前記タンクから排出された流体から前記冷却水を比重差を利用して分離する冷却水分離器と、を含み、
前記冷却水分離器は、分離した前記冷却水が前記冷却回路へ回送されるように前記冷却回路に連結されたことを特徴とする、冷却システム。
【請求項2】
前記冷房回路には、前記タンクから排出された流体から気体を分離する第1気液分離器が備えられ、
第1気液分離器で分離された気体は、前記タンクの前記第1空間へ再び流入することを特徴とする、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項3】
前記冷媒は、液体状態で前記冷却水よりも比重が大きく、
前記冷却水分離器には、前記冷却回路に連結されて前記冷却水の吐出される第1冷却水吐出口が前記冷媒の吐出される第1冷媒吐出口よりも重力方向に上方に位置し、
前記第1冷却水吐出口に設けられて前記冷却水の流動を許可または遮断する第1バルブが備えられたことを特徴とする、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項4】
前記冷媒は、液体状態で前記冷却水よりも比重が大きく、
前記冷却水分離器には、前記冷却回路に連結されて前記冷却水の吐出される第1冷却水吐出口が前記冷媒の吐出される第1冷媒吐出口よりも重力方向に上方に位置し、
前記冷却水分離器の内部で平面方向に延び、上下方向に移動可能に位置し、液体状態の前記冷媒よりも比重が小さく、前記冷却水よりも比重が大きく、上部と下部間の流体移動が可能な貫通孔を有する冷却水分離板が備えられたことを特徴とする、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項5】
前記冷却水分離板は、前記冷却水分離器の内部で最大に上昇した状態で前記第1冷却水吐出口を遮断することを特徴とする、請求項4に記載の冷却システム。
【請求項6】
前記冷却回路には、前記タンクから排出された流体から気体を分離する第2気液分離器が備えられたことを特徴とする、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項7】
前記第2気液分離器から排出された気体を冷却させた状態で液体状態の前記冷媒を比重差を利用して分離する冷媒分離器が備えられ、
前記冷媒分離器は、分離した前記冷媒が前記冷房回路へ回送されるように前記冷房回路に連結されたことを特徴とする、請求項6に記載の冷却システム。
【請求項8】
前記冷房回路には、前記タンクから排出された流体から前記冷媒を比重差を利用して分離する冷媒分離器が備えられ、前記冷媒分離器は、分離した前記冷媒が前記冷房回路へ回送されるように前記冷房回路に連結され、
前記冷媒は、気体状態で前記冷却水よりも比重が小さく、空気よりも比重が大きく、
前記冷媒分離器には、前記冷房回路に連結されて前記冷媒の吐出される第2冷媒吐出口が前記冷却水の吐出される第2冷却水吐出口よりも重力方向に上方に位置し、
前記冷媒分離器の内部で平面方向に延び、上下方向に移動可能に位置し、気体状態の前記冷媒よりも比重が小さく、空気よりも比重が大きく、上部と下部間の流体移動が可能な貫通孔を有する冷媒分離板が備えられたことを特徴とする、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項9】
前記冷却水は、前記第2冷媒吐出口よりも重力方向に下方に位置した所定の高さに維持されるように前記冷媒分離器の内部で流動し、
前記冷媒分離板は、前記所定の高さで前記第2冷媒吐出口を遮断することを特徴とする、請求項8に記載の冷却システム。
【請求項10】
前記冷媒分離板には、内部にガスが貯蔵されたガス注入部が設けられたことを特徴とする、請求項8に記載の冷却システム。
【請求項11】
前記冷媒分離器の内部には、前記タンクから排出された流体の流動方向を制限する流動制限部が備えられたことを特徴とする、請求項8に記載の冷却システム。
【請求項12】
請求項1に記載の冷却システムを制御する方法であって、
現在走行状態に基づいて冷房回路の現在冷房負荷および冷却回路の現在冷却負荷を算出するステップと、
算出した現在冷房負荷と現在冷却負荷との割合を算出するステップと、
算出した現在冷房負荷と現在冷却負荷との割合に基づいて隔膜の移動を制御するステップと、を含む、冷却システムの制御方法。
【請求項13】
隔膜の移動を制御するステップの前に、ナビゲーション情報を用いて所定の時間または所定の距離以後に予想される予想走行状態に基づいて、冷房回路の予想冷房負荷および冷却回路の予想冷却負荷を算出するステップ、および
算出した予想冷房負荷と予想冷却負荷との割合を算出するステップをさらに含み、
隔膜の移動を制御するステップでは、算出した現在冷房負荷と現在冷却負荷との割合および算出した予想冷房負荷と予想冷却負荷との割合の変化に基づいて隔膜の移動を制御することを特徴とする、請求項12に記載の冷却システムの制御方法。