(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013649
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】薬剤供給装置
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
A61J3/00 310E
A61J3/00 310F
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024196859
(22)【出願日】2024-11-11
(62)【分割の表示】P 2020179025の分割
【原出願日】2020-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木谷 昌史
(72)【発明者】
【氏名】森川 泰行
(72)【発明者】
【氏名】奥田 真也
(72)【発明者】
【氏名】和田 弘史
(72)【発明者】
【氏名】藤井 沙樹
(57)【要約】
【課題】薬剤を処方に合わせて分包できるように、薬剤供給装置を簡易に設定可能とする。
【解決手段】複数のカセット100の各々は、一定の寸法範囲にある薬剤を供給可能である。複数の駆動部の各々は、複数のカセット100の各々が装着可能に構成され、装着されたカセット100を駆動する。制御部は、複数の駆動部の各々を制御する。制御部は、供給対象の薬剤の寸法に応じて選択されたカセット100、または、このカセット100が装着される駆動部に、供給対象の薬剤に関する薬剤情報を割り当てる。制御部は、薬剤情報が割り当てられたカセット100、または、薬剤情報が割り当てられた駆動部に装着されたカセット100から、供給対象の薬剤を供給するように、駆動部を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々異なる寸法範囲にある薬剤を供給可能な複数種類のカセットと、
前記複数種類のカセットの各々が装着可能に構成され、装着されたカセットを駆動する、複数の駆動部と、
画面を表示する表示部と、
前記複数の駆動部の各々を制御するとともに、前記表示部を制御する制御部とを備え、
前記複数種類のカセットの各々は、ロータを有し、
前記ロータには、複数の隙間が前記ロータの周方向に並ぶように設けられており、
前記複数種類のカセットの各々は、前記ロータの回転に伴って、前記複数の隙間の各々に1つずつ収容されている薬剤が、排出口に搬送されて1つずつ払い出されるように構成されており、
前記制御部は、処方情報に基づき、供給対象の薬剤の寸法に応じて選択された前記カセット、または、該カセットが装着される前記駆動部に、前記供給対象の薬剤に関する薬剤情報を割り当て、
前記制御部は、前記薬剤情報の割り当てに係る情報を前記表示部に表示させ、
前記制御部は、前記処方情報に基づき、前記薬剤情報が割り当てられた前記カセット、または、前記薬剤情報が割り当てられた前記駆動部に装着された前記カセットから、前記供給対象の薬剤を供給するように、前記駆動部を制御する、薬剤供給装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記供給対象の薬剤の充填必要数を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の薬剤供給装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記供給対象の薬剤の供給数が不足した際に、該供給対象の薬剤の不足数を前記表示部に表示させる、請求項1または請求項2に記載の薬剤供給装置。
【請求項4】
各々異なる寸法範囲にある薬剤を供給可能な複数種類の薬剤供給部と、
画面を表示する表示部と、
前記複数種類の薬剤供給部の各々を制御するとともに、前記表示部を制御する制御部とを備え、
前記複数種類の薬剤供給部の各々は、ロータを有し、
前記ロータには、複数の隙間が前記ロータの周方向に並ぶように設けられており、
前記複数種類の薬剤供給部の各々は、前記ロータの回転に伴って、前記複数の隙間の各々に1つずつ収容されている薬剤が、排出口に搬送されて1つずつ払い出されるように構成されており、
前記制御部は、処方情報に基づき、供給対象の薬剤の寸法に応じて選択された前記薬剤供給部に、前記供給対象の薬剤に関する薬剤情報を割り当て、
前記制御部は、前記薬剤情報の割り当てに係る情報を前記表示部に表示させ、
前記制御部は、前記処方情報に基づき、前記薬剤情報が割り当てられた前記薬剤供給部から、前記供給対象の薬剤を供給するように、前記薬剤供給部を制御する、薬剤供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬品払出装置の構成を開示した先行文献として、国際公開第2014/112221号(特許文献1)がある。特許文献1に記載された薬品払出装置は、複数の薬品カセット、割当手段、及び駆動制御手段を備える。薬品カセットは、任意の種類の錠剤を払出可能である。割当手段は、払出対象の薬品情報が入力された場合に薬品情報を薬品カセットのいずれかに割り当てる。駆動制御手段は、薬品カセットを割当手段により割り当てられた薬品情報に対応して予め設定された駆動条件に従って駆動させ、薬品カセットから薬品を払い出させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薬剤供給装置には、薬剤を処方に合わせて分包できるように、簡易に設定可能であることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1局面に基づく薬剤供給装置は、複数のカセットと、複数の駆動部と、制御部とを備える。複数のカセットの各々は、一定の寸法範囲にある薬剤を供給可能である。複数の駆動部の各々は、複数のカセットの各々が装着可能に構成され、装着されたカセットを駆動する。制御部は、複数の駆動部の各々を制御する。制御部は、供給対象の薬剤の寸法に応じて選択されたカセット、または、このカセットが装着される駆動部に、供給対象の薬剤に関する薬剤情報を割り当てる。制御部は、薬剤情報が割り当てられたカセット、または、薬剤情報が割り当てられた駆動部に装着されたカセットから、供給対象の薬剤を供給するように、駆動部を制御する。
【0006】
本発明の一形態においては、薬剤供給装置は、手まき薬剤供給カセットをさらに備える。制御部は、供給対象の薬剤をカセットおよび手まき薬剤供給カセットのいずれから供給するか選択する選択操作を受け付け可能である。
【0007】
本発明の一形態においては、制御部は、複数の駆動部の全てにおいてカセットが装着不能であるとき、カセットからの供給を選択する選択操作を受け付けない。
【0008】
本発明の一形態においては、制御部は、カセットから供給不能な薬剤について、カセットからの供給を選択する選択操作を受け付けない。
【0009】
本発明の一形態においては、薬剤供給装置は、薬剤情報の割り当てに係る情報を表示可能な表示部をさらに備える。
【0010】
本発明の一形態においては、制御部は、カセットを装着可能な駆動部とカセットを装着不能な駆動部とを識別可能に、表示部に表示させる。
【0011】
本発明の一形態においては、制御部は、カセットから供給可能な薬剤とカセットから供給不能な薬剤とを識別可能に、表示部に表示させる。
【0012】
本発明の一形態においては、制御部は、複数のカセットの使用履歴を表示部に表示させる。
【0013】
本発明の一形態においては、制御部は、供給対象の薬剤を最後に供給したカセットの識別情報を表示部に表示させる。
【0014】
本発明の一形態においては、制御部は、供給対象の薬剤の充填必要数を表示部に表示させる。
【0015】
本発明の一形態においては、制御部は、供給対象の薬剤の供給数が不足した際に、この供給対象の薬剤の不足数を表示部に表示させる。
【0016】
本発明の一形態においては、薬剤供給装置は、供給対象の薬剤の容器に付されている識別コードを読み取る読取部をさらに備える。制御部は、薬剤情報と読取部による読取結果とを照合する。
【0017】
本発明の一形態においては、制御部は、供給対象の薬剤の寸法に応じて選択されたカセットが駆動部に装着されることにより、この駆動部に薬剤情報を割り当てる。
【0018】
本発明の第2局面に基づく薬剤供給装置は、複数の薬剤供給部と、制御部とを備える。複数の薬剤供給部の各々は、一定の寸法範囲にある薬剤を供給可能である。制御部は、供給対象の薬剤の寸法に応じて選択された薬剤供給部に、供給対象の薬剤に関する薬剤情報を割り当てる。制御部は、薬剤情報が割り当てられた薬剤供給部から、供給対象の薬剤を供給するように、薬剤供給部を制御する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、薬剤を処方に合わせて分包できるように、薬剤供給装置を簡易に設定可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置を含む薬剤分包装置の外観を示す正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットにおいて蓋部が開いた状態を示す斜視図である。
【
図3】
図2のカセットを矢印III方向から見た平面図である。
【
図4】
図2のカセットを矢印IV方向から見た底面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットにおける薬剤収容部の一部をカットして示す斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットにおけるロータを透視して示す平面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットが含むロータおよび仕切部の位置関係を示す側面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットが含む仕切部の外観を示す斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットが含む仕切部を部分周壁とともに薬剤収容部から取り外した状態を示す斜視図である。
【
図10】
図7のロータおよび駆動軸をX-X線矢印方向から見た断面図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットが含むロータ、キャップ部および駆動軸の構成を示す分解斜視図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットが含むキャップ部の外観を示す斜視図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットにおいて、ロータを駆動軸に対して着脱する状態を示す斜視図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットを清掃開始時に、薬剤収容部から部分周壁とともに仕切部を取り外した後、駆動軸からロータを取り外した状態を示す斜視図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットを清掃終了時に、駆動軸にロータを装着し、薬剤収容部に部分周壁とともに仕切部を取り付けた後、蓋部を閉めた状態を示す側面図である。
【
図16】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置を含む薬剤分包装置の接続系統を示すブロック図である。
【
図17】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置を含む薬剤分包装置の操作手順を示すブロック図である。
【
図18】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える操作パネルに表示される処方画面の初期画面を示す図である。
【
図19】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える操作パネルに表示される選択画面を示す図である。
【
図20】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える操作パネルに表示される充填指示画面を示す図である。
【
図21】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える操作パネルに表示される手まき指示画面を示す図である。
【
図22】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える操作パネルに表示されるカセット使用履歴画面を示す図である。
【
図23】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える操作パネルに、薬剤の供給数が不足した際に表示される充填指示画面を示す図である。
【
図24】事前確認設定をしたときの、読取部によって識別コードが読み取られる前の状態において操作パネルに表示される充填指示画面を示す図である。
【
図25】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える操作パネルに、清掃待ちのカセットが存在する際に表示される充填指示画面を示す図である。
【
図26】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える操作パネルに、不具合が生じたカセット位置が存在する際に表示される充填指示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置について図を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰返さない。なお、以下の説明においては、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置を含む薬剤分包装置について説明する。薬剤供給装置は、薬剤分包装置の一部であり、薬剤分包装置の後述する包装部以外の部分で構成されている。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置を含む薬剤分包装置の外観を示す正面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置を含む薬剤分包装置200は、筐体210と、錠剤供給部220と、包装部260とを備える。薬剤分包装置200は、手まき薬剤供給カセット240と、散剤供給部250と、制御装置300とをさらに備える。錠剤供給部220、手まき薬剤供給カセット240、散剤供給部250および包装部260の各々は、筐体210に収容されている。薬剤供給装置は、筐体210と、錠剤供給部220と、手まき薬剤供給カセット240と、散剤供給部250と、制御装置300とを備える。
【0023】
錠剤供給部220は、カセット100が配置される複数のカセット位置230を有している。複数のカセット位置230は、筐体210においてマトリクス状に配置されている。本実施形態においては、錠剤供給部220は、6つのカセット位置230を有している。6つのカセット位置230の各々にカセット100が1つずつ配置される。したがって、錠剤供給部220には、6個のカセット100が配置可能である。
【0024】
複数のカセット位置230の各々には、カセット100を駆動する駆動部、および、RFID(Radio Frequency Identification)リーダライタが設けられている。
【0025】
手まき薬剤供給カセット240は、マトリクス状に配置された区画室を有し、各区画室に一包分の薬剤が収容される。散剤供給部250は、粉状の散剤を供給する。包装部260は、錠剤供給部220、手まき薬剤供給カセット240および散剤供給部250から供給された供給対象の薬剤を一包分ずつ包装する。制御装置300は、錠剤供給部220、手まき薬剤供給カセット240、散剤供給部250および包装部260の各々を制御する。
【0026】
次に、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤供給部であるカセットについて図を参照して説明する。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットにおいて蓋部が開いた状態を示す斜視図である。
図3は、
図2のカセットを矢印III方向から見た平面図である。
図4は、
図2のカセットを矢印IV方向から見た底面図である。
図5は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットにおける薬剤収容部の一部をカットして示す斜視図である。
図6は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットにおけるロータを透視して示す平面図である。
図5および
図6においては、カセットにおいて蓋部を取り外した状態を図示している。
図6においては、ロータを点線で示している。
【0028】
図2~
図4に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセット100は、薬剤収容部110と、ロータ120と、駆動軸150とを備えている。カセット100は、蓋部130と、仕切部140とをさらに備える。
【0029】
薬剤収容部110は、周壁111および排出口112を有し、周壁111の内側に薬剤を収容するとともに、排出口112から薬剤を排出する。周壁111の内面は、円筒状である。排出口112は、薬剤収容部110の底面に形成されており、周壁111の径方向内側において周壁111の内面と隣接している。
【0030】
カセット100は、
図4に示すように、薬剤収容部110の底面において、周壁111の中心軸上の位置に円形の開口部113が設けられている。開口部113は、ロータ120を回転駆動する図示しないモータと接続された駆動軸150に挿通される。駆動軸150は、ロータ120と同軸上に位置しつつ周壁111の内側に回転可能に固定されている。すなわち、駆動軸150は、薬剤収容部110に対して回転可能に固定されている。駆動軸150は、軸方向に着脱可能に装着されたロータ120を回転駆動する。ロータ120および駆動軸150の各々は、樹脂で構成されている。
【0031】
図2に示すように、蓋部130は、薬剤収容部110を開閉するように回動可能に設けられている。
【0032】
図2~
図6に示すように、ロータ120は、薬剤収容部110の内部に設けられ、回転することで、薬剤収容部110に収容されている薬剤を排出口112に搬送する。ロータ120は、周壁111の内側において薬剤収容部110の底面上に配置されている。本実施形態においては、ロータ120は、
図3の矢印Aで示すように、ロータ120の周方向の一方側に向かって回転する正転、および、
図3の矢印Bで示すように、ロータ120の周方向の他方側に向かって回転する逆転の両方可能に構成されている。なお、ロータ120は、必ずしも正転および逆転の両方可能である必要はなく、ロータ120の周方向の少なくとも一方に回転可能であればよい。
【0033】
図7は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットが含むロータおよび仕切部の位置関係を示す側面図である。
図8は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットが含む仕切部の外観を示す斜視図である。
図7においては、ロータ120が駆動軸150に装着された状態を図示している。
【0034】
図3および
図5~
図7に示すように、ロータ120は、上側に凸状に傾斜した天面126および天面126と隣接する周面121を有する。天面126には、放射状に複数の溝部127が設けられている。天面126の中央部から円柱状の中央突出部128が突出している。中央突出部128の上端に、キャップ部160が取り付けられている。
【0035】
ロータ120が駆動軸150に装着された状態のキャップ部160と、薬剤収容部110を閉じた状態の蓋部130とは、隙間をあけて互いに対向している。この隙間は、2mm以下であり、好ましくは、1mm以下である。
【0036】
図5および
図7に示すように、周面121の下部には、ロータ120の周方向に互いに隙間125をあけて位置する複数の第1突出部122および複数の第2突出部123が設けられている。複数の第1突出部122および複数の第2突出部123の各々は、ロータ120の径方向から見て、略長方形状の形状を有している。複数の第1突出部122の各々の上面の一部は、仕切部140の下面より高い位置まで突出している。複数の第2突出部123の各々の上面全体は、平坦面である。ロータ120の径方向における複数の第1突出部122および複数の第2突出部123の各々の先端は、周壁111の内面とわずかに間隔をあけて対向している。
【0037】
複数の第1突出部122および複数の第2突出部123の各々は、ロータ120が回転した際に、隙間125に収容された薬剤を押圧して排出口112に搬送可能に形成されている。具体的には、隙間125内に収容された薬剤は、ロータ120の回転に伴って、第1突出部122または第2突出部123に押圧されながらロータ120の周方向に搬送されて排出口112に落下する。
【0038】
周面121には、少なくとも2つの第3突出部124がさらに設けられている。
図5および
図7に示すように、本実施形態においては、複数の第2突出部123の各々の上方に1つずつ第3突出部124が配置されている。少なくとも2つの第3突出部124の各々のロータ120の径方向における先端は、周壁111の内面とわずかに間隔をあけて対向している。
【0039】
図7に示すように、上下方向に並んで位置する第2突出部123と第3突出部124との間には、ロータ120の回転時に仕切部140が通過する通路Gが設けられている。上下方向における、通路Gの幅の寸法は、仕切部140の厚さの寸法よりわずかに大きい。第3突出部124は、ロータ120が回転した際に、仕切部140上に位置する薬剤を押圧して仕切部140上から移動可能に形成されている。また、
図7に示すように、第1突出部122は、ロータ120が回転した際に、第1突出部122の上面の一部が下方から仕切部140を押し上げることにより、仕切部140上に位置する薬剤を仕切部140上から移動可能に形成されている。
【0040】
図3、
図6~
図8に示すように、仕切部140は、排出口112の上方において周壁111に対して着脱可能に設けられている。仕切部140は、周壁111の内面から周面121における複数の第1突出部122および複数の第2突出部123より上方の位置に向けて延設されている。排出口112と連通している隙間125は、仕切部140によって覆われており、上方から薬剤が進入することを防止されている。
【0041】
本実施の形態においては、仕切部140は、可撓性部材で構成されている。具体的には、
図6~
図8に示すように、仕切部140は、円弧状の基材141に対してこの円弧に沿って互いに間隔をあけて複数の可撓性部材が接合されて構成されている。可撓性部材は、たとえば、軟質合成樹脂からなる。本実施形態においては、仕切部140は、ブラシ状に構成されているが、ブラシ状に限られず、板状であってもよい。
【0042】
図9は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットが含む仕切部を部分周壁とともに薬剤収容部から取り外した状態を示す斜視図である。
図9に示すように、基材141は、周壁111の一部を構成する部分周壁111aの孔部に取り付けられている。部分周壁111aは、周壁111の残部に対して着脱可能に接続される。具体的には、部分周壁111aは、スナップフィット構造によって、薬剤収容部110に対して着脱可能に装着されている。
【0043】
本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセット100は、駆動軸150とロータ120とを着脱可能に係合させる着脱機構をさらに備えている。以下、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセット100の着脱機構の構成について説明する。
【0044】
図10は、
図7のロータおよび駆動軸をX-X線矢印方向から見た断面図である。
図11は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットが含むロータ、キャップ部および駆動軸の構成を示す分解斜視図である。
図12は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットが含むキャップ部の外観を示す斜視図である。
図13は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットにおいて、ロータを駆動軸に対して着脱する状態を示す斜視図である。
図10においては、仕切部を図示していない。
【0045】
図10および
図11に示すように、本実施形態においては、着脱機構は、磁石161および磁性体151を含んでいる。磁性体151は、駆動軸150の先端部152に取り付けられている。具体的には、
図11に示すように、駆動軸150の先端部152に、駆動軸150の先端から駆動軸150の軸方向に沿って延在する切欠部152c、および、駆動軸150の軸方向と直交する方向に延在する貫通孔152hが形成されている。
【0046】
図10に示すように、磁性体151は、縦断面視にて、幅広部および幅狭部を含んで略T字状の形状を有しており、幅狭部に貫通孔が形成されている。駆動軸150の先端部152の切欠部152cに磁性体151の幅狭部が挿入され、駆動軸150の先端部152と磁性体151の幅広部とが駆動軸150の軸方向に接した状態において、
図11に示すスプリングピン153を駆動軸150の先端部152の貫通孔152hおよび磁性体151の幅狭部の貫通孔に挿通すことにより、
図10に示すように、磁性体151が駆動軸150の先端部152に取り付けられる。
【0047】
図11に示すように、互いに組み付けられた状態の駆動軸150の先端部152および磁性体151は、駆動軸150の軸方向から見て、6角形形状を有している。磁性体151は、SUS430などの磁性材料で構成されている。
【0048】
磁石161は、キャップ部160に内蔵されている。具体的には、キャップ部160は、磁石161、支持部162、キャップ163およびスペーサ164を含む。支持部162は、有底筒状の形状を有し、内部に磁石161を収容して支持する。キャップ163は、支持部162と着脱可能に係合する。本実施形態においては、キャップ163と支持部162とは、スナップフィット構造によって互いに係合しているが、ねじ構造によって互いに係合していてもよい。支持部162およびキャップ163の各々は、樹脂で構成されている。スペーサ164は、磁石161とキャップ163との間に挟まれている。スペーサ164は、円柱状の形状を有し、樹脂で形成されている。
【0049】
図10および
図12に示すように、キャップ163が支持部162と係合した状態において、磁石161は、キャップ163と支持部162とによって囲まれた空間内に、スペーサ164とともに固定されている。磁石161は、たとえば、ネオジム磁石で構成されている。
図11に示すように、キャップ部160は、ロータ120の中央突出部128の先端に形成された切欠部129と係合して、中央突出部128の先端に取り付けられる。
【0050】
図13に示すように、キャップ部160が中央突出部128の先端に取り付けられたロータ120は、駆動軸150に対して駆動軸150の軸方向に着脱可能に装着される。
図10に示すように、ロータ120が駆動軸150に対して駆動軸150の軸方向に装着された状態において、磁石161と磁性体151とが駆動軸150の軸方向に隣り合って位置している。本実施形態においては、磁石161と磁性体151との間に、支持部162の底部が位置している。
【0051】
この状態において、磁石161と磁性体151との間に作用する磁力によって、駆動軸150とロータ120とが駆動軸150の軸方向に沿って互いに近づく方向に付勢されている。このように、磁石161および磁性体151を含む着脱機構は、駆動軸150とロータ120とを駆動軸の軸方向に沿って互いに近づく方向に付勢して着脱可能に係合させる。
【0052】
図10に示すように、ロータ120の駆動軸150に挿通される軸孔面に、上記の磁性体151の六角形形状と係合する凹部128cが形成されている。磁性体151を介して駆動軸150の先端部152とロータ120の凹部128cとが駆動軸150の周方向に互いに係合していることにより、ロータ120の駆動軸150に対する駆動軸150の周方向における相対位置が固定されている。
【0053】
以下、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセット100の動作について説明する。
【0054】
薬剤収容部110内に薬剤が投入された状態でロータ120が回転することにより、天面126上に位置する薬剤は、周壁111の内面とロータ120の周面121との間の空間に向かって移動する。複数の溝部127は、ロータ120の回転に伴って天面126上に位置する薬剤を攪拌することにより、上記空間に薬剤を移動させやすくする。
【0055】
上記空間に移動した薬剤のうちの一部の薬剤が、各隙間125に1つずつ収容される。隙間125内に収容された薬剤は、ロータ120の回転に伴って、第1突出部122または第2突出部123に押圧されながらロータ120の周方向に搬送される。排出口112上に位置して排出口112と連通した隙間125に収容されている薬剤は、隙間125内から排出口112に落下して払い出される。
【0056】
このとき、排出口112と連通している隙間125は、仕切部140によって覆われており、上方から薬剤が進入することを防止されている。その結果、一度に1つの薬剤を排出口112から払い出すことができる。その結果、複数のカセット100の各々は、供給対象の薬剤の内の一定の寸法範囲にある薬剤を供給可能である。
【0057】
図14は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットを清掃開始時に、薬剤収容部から部分周壁とともに仕切部を取り外した後、駆動軸からロータを取り外した状態を示す斜視図である。
図13および
図14に示すように、薬剤収容部110内を清掃する際には、薬剤収容部110から部分周壁111aとともに仕切部140を取り外した後、着脱機構の付勢力に抗してロータ120を駆動軸150からスライド移動させて取り外す。
【0058】
図15は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセットを清掃終了時に、駆動軸にロータを装着し、薬剤収容部に部分周壁とともに仕切部を取り付けた後、蓋部を閉めた状態を示す側面図である。
図15に示すように、清掃完了後は、ロータ120の軸孔に駆動軸150を挿入し、着脱機構の付勢力によって駆動軸150にロータ120を装着する。
【0059】
ロータ120が駆動軸150に装着された状態のキャップ部160と、薬剤収容部110を閉じた状態の蓋部130とは、隙間Lをあけて互いに対向している。隙間Lは、2mm以下である。好ましくは、隙間Lは、0.5mm以上1mm以下である。
【0060】
なお、本実施形態においては、駆動軸150の先端部152に磁性体151を取り付け、キャップ部160に磁石161を取り付けたが、駆動軸150の先端部152に磁石161を取り付け、キャップ部160に磁性体151を取り付けてもよい。
【0061】
また、着脱機構は、磁力によって駆動軸150とロータ120とが互いに近づく方向に付勢するものに限られず、たとえば、ボールキャッチなどのように、ばねによって駆動軸150とロータ120とが互いに近づく方向に付勢するものでもよい。
【0062】
本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるカセット100においては、薬剤収容部110は、排出口112を有し、薬剤を収容するとともに、排出口112から薬剤を排出する。ロータ120は、薬剤収容部110の内部に設けられ、回転することで、薬剤収容部110に収容されている薬剤を排出口112に搬送する。駆動軸150は、ロータ120と同軸上に位置しつつ薬剤収容部110に回転可能に固定され、軸方向に着脱可能に装着されたロータ120を回転駆動する。着脱機構は、駆動軸150とロータ120とを駆動軸150の軸方向に沿って互いに近づく方向に付勢して着脱可能に係合させる。
【0063】
これにより、ロータ120を駆動軸150の軸方向に移動させるのみで、駆動軸150に対してロータ120を着脱させることができるため、カセット100の内部を容易に清掃することができる。
【0064】
また、着脱機構によって付勢することにより、ロータ120と駆動軸150とが中途半端に係合することを抑制することができる。さらに、ロータ120の周面121と周壁111との間に薬剤が詰まった際に、ロータ120が浮き上がることを抑制することができる。また、薬剤収容部110を上下逆さまにした状態においても、ロータ120が落下することを抑制することができる。
【0065】
本実施形態においては、着脱機構は、磁石161および磁性体151を含む。磁石161と磁性体151との間に作用する磁力によって、駆動軸150とロータ120とが駆動軸150の軸方向に沿って互いに近づく方向に付勢されている。これにより、着脱機構を簡易な構成にすることができる。
【0066】
本実施形態においては、駆動軸150とロータ120とが駆動軸150の周方向に互いに係合していることにより、ロータ120の駆動軸150に対する駆動軸150の周方向における相対位置が固定されている。これにより、駆動軸150の回転によってロータ120の回転を正確に制御することができる。
【0067】
本実施形態においては、ロータ120は、上側に凸状に傾斜した天面126、および、天面126の中央部から突出した中央突出部128を有する。これにより、中央突出部128を把持してロータ120を着脱することができる。
【0068】
本実施形態においては、周壁111の内面からロータ120の周面121における複数の第1突出部122および複数の第2突出部123より上方の位置に向けて延設された仕切部140が、薬剤収容部110に対して着脱可能に設けられている。これにより、ロータ120を着脱する前に、仕切部140を薬剤収容部110から取り外すことができるため、第1突出部122および第2突出部123の各々と仕切部140とが干渉することを防止することができる。これによって、ロータ120の着脱が容易になるため、カセット100の内部を容易に清掃することができる。
【0069】
本実施形態においては、蓋部130は、薬剤収容部110を開閉するように回動可能に設けられている。キャップ部160は、中央突出部128の上端に取り付けられている。ロータ120が駆動軸150に装着された状態のキャップ部160と、薬剤収容部110を閉じた状態の蓋部130とは、隙間Lをあけて互いに対向している。隙間Lは、2mm以下である。これにより、駆動軸150に対してロータ120が完全に装着されていない場合、蓋部130とキャップ部160とが干渉して、蓋部130が閉まらなくなる。したがって、蓋部130が閉まっていることを確認することにより、駆動軸150に対してロータ120が完全に装着されていることを容易に判別することが可能である。
【0070】
複数のカセット100の各々には、RFIDタグが付されている。RFIDタグは、カセット番号などのカセット識別情報を記憶している。
【0071】
図16は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置を含む薬剤分包装置の接続系統を示すブロック図である。
図16に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置を含む薬剤分包装置200は、制御部270を有している。制御部270は、錠剤供給部220、手まき薬剤供給カセット240、散剤供給部250および包装部260の各々と電気的に接続されている。制御部270は、後述する制御装置300の制御部340と電気的に接続されている。制御部270は、記憶部271を有している。
【0072】
制御部270は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random access memory)、ROM(Read Only Memory)およびEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などを有する。制御部270は、ASIC(application specific integrated circuit)またはDSP(digital signal processor)などの集積回路であってもよい。記憶部271は、各種のデータを記憶するハードディスク装置またはSSD(Solid State Drive)などである。
【0073】
複数のカセット位置230の各々には、カセット100を駆動する駆動部231、および、RFIDリーダライタ232が設けられている。駆動部231は、カセット100の駆動軸150を駆動する駆動モータを含む。駆動モータは、制御部270によって駆動制御される。このように、複数の駆動部231の各々は、複数のカセット100の各々が装着可能に構成され、装着されたカセット100を駆動する。RFIDリーダライタ232は、駆動部231に装着されたカセット100に付されているRFIDタグからの情報を読み出す。RFIDリーダライタ232によって読み出された情報は、制御部270に入力される。
【0074】
制御部270は、後述するように、複数のカセット100が装着される複数の駆動部231の中から選択された駆動部231に、供給対象の薬剤に関する薬剤情報を割り当てる。制御部270は、複数のカセット100のうちの1つのカセット100が複数の駆動部231のうちの1つの駆動部231に装着されることにより、この1つの駆動部231に供給対象の薬剤情報を割り当てる。具体的には、制御部270は、RFIDリーダライタ232によってカセット100の装着が検出された駆動部231に、供給対象の薬剤情報を割り当てる。
【0075】
制御部270は、薬剤情報が割り当てられた駆動部231に装着されたカセット100から、薬剤情報に対応した駆動条件で供給対象の薬剤を供給するように、駆動部231を制御する。このように、制御部270は、複数の駆動部231の各々を制御する。
【0076】
手まき薬剤供給カセット240は、制御部270によって作動制御される。散剤供給部250は、制御部270によって作動制御される。包装部260は、制御部270によって作動制御される。
【0077】
制御装置300は、操作部310と、表示部320と、読取部330と、制御部340とを有している。制御部340は、操作部310、表示部320および読取部330の各々と電気的に接続されている。制御部340は、記憶部341を有している。
【0078】
制御部340は、CPU、RAM、ROMおよびEEPROMなどを有する。制御部340は、ASICまたはDSPなどの集積回路であってもよい。記憶部341は、各種のデータを記憶するハードディスク装置またはSSDなどである。
【0079】
操作部310は、ユーザー操作を受け付けるキーボード、マウスおよびタッチパネルなどである。操作部310で受け付けられた操作は、制御部340に入力される。
【0080】
表示部320は、液晶モニタなどである。表示部320は、制御部340からの信号に基づいて画面を表示する。表示部320は、薬剤情報の割り当てに係る情報を表示可能である。本実施形態においては、表示部320は、操作部310と一体になった操作パネルである。
【0081】
読取部330は、薬剤の容器に付されている識別コードを読み取る。容器としては、瓶または箱などが挙げられる。識別コードは、バーコードまたはQR(Quick Response)コードなどである。読取部330によって読み出された情報は、制御部340に入力される。
【0082】
以下、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える表示部320の表示および操作手順について説明する。
【0083】
図17は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置を含む薬剤分包装置の操作手順を示すブロック図である。
図18は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える操作パネルに表示される処方画面の初期画面を示す図である。
図17および
図18に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える表示部320の処方画面P1には、処方情報表示欄T1と、動作表示欄T2と、分包数表示欄T3と、表示開始入力欄T4と、分包開始入力欄T5と、操作停止入力欄T6とが表示される。
【0084】
処方情報表示欄T1には、一処方における処方情報が表示される。動作表示欄T2には、薬剤分包装置200の動作状態が表示される。分包数表示欄T3には、分包数が表示される。表示開始入力欄T4は、手まき薬剤の一覧表を表示させるための操作入力部である。なお、表示部320の画面に表示される手まき薬剤には、手まき薬剤供給カセット240から供給される薬剤のみではなく、カセット100から供給される薬剤も含まれる。
【0085】
分包開始入力欄T5は、薬剤分包装置200の分包動作を開始させるための操作入力部である。操作停止入力欄T6は、薬剤分包装置200の分包動作を停止させるための操作入力部である。
【0086】
図18に示すように、本実施形態に係る薬剤供給装置が備える表示部320の処方画面P1においては、今回の処方分、次回の処方分および次々回の処方分の、合計3回分の処方情報を表示可能である。これらの処方情報は、操作部310から入力されるたびに
図16に示す記憶部341に記憶されており、記憶部341から随時読み込まれて表示部320の処方画面P1に表示される。
【0087】
表示部320に処方情報および分包情報が入力されることにより、表示部320の処方画面P1において、処方情報表示欄T1に患者名および用法などが含まれる処方情報が表示され、動作表示欄T2の表示が待機中から分包中に切り替えられ、分包数表示欄T3に分包数が表示される。
【0088】
図19は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える操作パネルに表示される選択画面を示す図である。
図17に示すように、
図18に示す処方画面P1の表示開始入力欄T4に操作入力されると、
図16に示す制御部340によって、
図19に示すように表示部320に選択画面P2が表示される。選択画面P2は、供給対象の薬剤をカセット100および手まき薬剤供給カセット240のいずれから供給するか選択するための画面である。
【0089】
図19に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える表示部320の選択画面P2においては、処方情報表示欄T11と、手まき薬剤一覧表表示欄T12と、錠数表示欄T13と、選択領域表示欄T14と、カセット位置表示欄T15と、特定薬剤表示欄T16と、カセット履歴表示欄T17と、割当薬剤情報表示欄T18と、第1切替操作入力欄T19aと、第2切替操作入力欄T19bと、第3切替操作入力欄T19cとが表示される。
【0090】
処方情報表示欄T11には、一処方における処方情報が表示される。手まき薬剤一覧表表示欄T12には、供給対象の薬剤情報の一覧表が表示される。
【0091】
錠数表示欄T13には、一処方における各薬剤の必要数が表示される。
図19に示すように、選択画面P2に、供給対象の薬剤情報ごとに、一処方における薬剤の必要数が表示される。なお、選択画面P2において、手まき薬剤一覧表表示欄T12に表示される供給対象の薬剤情報の一覧表は、錠数表示欄T13に表示される一処方における薬剤の必要数の大小順に並べ替え可能である。
【0092】
選択領域表示欄T14には、手まき薬剤供給カセット240およびカセット100のいずれか一方を選択する2つの選択領域が表示される。制御部340は、供給対象の薬剤をカセット100および手まき薬剤供給カセット240のいずれから供給するか選択する選択操作を受け付け可能である。
【0093】
カセット位置表示欄T15には、カセット100が配置されたカセット位置230の番号が表示される。
【0094】
特定薬剤表示欄T16には、手まき薬剤供給カセット240によってのみ供給可能な特定薬剤であることを識別するための識別情報が表示される。特定薬剤の場合は、カセット100を用いて薬剤を供給することができない。ここで、特定薬剤とは、たとえば、半分に分割された薬剤、または、特定形状を有する薬剤である。なお、薬剤の分割形態は、半分に分割された場合に限られず、3個以上に分割されていてもよい。特定形状とは、たとえば、球形などの転がりやすい形状である。
【0095】
図19に示すように、手まき薬剤一覧表のNo.4の薬剤M3が分割された薬剤である場合、特定薬剤表示欄T16に、特定薬剤であることを識別するための識別情報として分割のマークが表示される。この場合、手まき薬剤一覧表のNo.4の薬剤M3に対応する選択領域表示欄T14において、手まき薬剤供給カセット240に対応する選択領域R1が特定選択領域となり、特定選択領域以外の選択領域R2については、選択不可であることを示す識別色BMで表示さるとともに制御部340が選択操作を受け付けなくなる。
【0096】
仮に、手まき薬剤一覧表のNo.4の薬剤M3が特定形状を有する薬剤である場合、特定薬剤表示欄T16に、不可のマークが表示される。この場合も、手まき薬剤一覧表のNo.4の薬剤M3に対応する選択領域表示欄T14において、手まき薬剤供給カセット240に対応する選択領域R1が特定選択領域となり、特定選択領域以外の選択領域R2については、選択不可であることを示す識別色BMで表示さるとともに制御部340が選択操作を受け付けなくなる。
【0097】
上記のように、制御部340は、カセット100から供給可能な薬剤とカセット100から供給不能な薬剤とを識別可能に、表示部320に表示させる。また、制御部340は、カセット100から供給不能な薬剤について、カセット100からの供給を選択する選択操作を受け付けない。
【0098】
また、制御部340は、複数の駆動部231の全てにおいてカセット100が装着不能であるとき、選択画面P2においてカセット100からの供給を選択する選択操作を受け付けない。
【0099】
本実施形態においては、特定薬剤表示欄T16は、錠数表示欄T13の内側に位置している。ただし、特定薬剤表示欄T16の位置は、錠数表示欄T13の内側に限られない。
【0100】
上記のように、選択画面P2において、供給対象の薬剤情報ごとに、手まき薬剤供給カセット240によってのみ供給可能な特定薬剤であるか否か識別可能に表示される。制御部340は、カセット100から供給可能な薬剤とカセット100から供給不能な薬剤とを識別可能に、表示部320に表示させる。
【0101】
カセット履歴表示欄T17には、供給対象の薬剤の一覧の各々の薬剤を最後に供給した複数のカセット100の識別情報が表示される。このように、制御部340は、複数のカセット100の使用履歴を表示部320に表示させる。複数のカセット100の使用履歴は、記憶部271または記憶部341に記憶されている。供給対象の薬剤の一覧の各々の薬剤の中で、カセット100によって供給された履歴が存在する薬剤について、カセット履歴表示欄T17に、最後に供給したカセット100の識別情報が表示される。このように、制御部340は、供給対象の薬剤を最後に供給したカセット100の識別情報を表示部320に表示させる。
【0102】
割当薬剤情報表示欄T18は、
図1に示す、複数の駆動部231が位置するカセット位置230に対応して表示される。割当薬剤情報表示欄T18には、制御部270によって複数の駆動部231の各々に割り当てられた供給対象の薬剤情報が表示される。
【0103】
第1切替操作入力欄T19aは、選択画面P2を閉じるための操作入力部である。第2切替操作入力欄T19bは、表示部320に手まき指示画面P4を表示させるための操作入力部である。第3切替操作入力欄T19cは、供給対象の薬剤の全ての分包準備が完了したことを確認するための操作入力部である。
【0104】
図17に示すように、
図19に示す選択画面P2の第1切替操作入力欄T19aまたは第3切替操作入力欄T19cに操作入力されると、
図16に示す制御部340によって、表示部320に処方画面P1が表示される。
図19に示す選択画面P2の第2切替操作入力欄T19bに操作入力されると、
図16に示す制御部340によって、表示部320に手まき指示画面P4が表示される。
【0105】
図17に示すように、表示部320は、選択画面P2において選択領域R2の選択操作が受け付けられて供給対象の薬剤の一覧の中の1種の薬剤についてカセット100からの供給が選択されると、複数の駆動部231のうちのいずれかの駆動部231に装着されるカセット100に上記1種の薬剤を充填するための充填指示画面P3を表示する。
【0106】
図20は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える操作パネルに表示される充填指示画面を示す図である。充填指示画面P3は、6つのカセット位置230の中のいずれかの駆動部231に装着されるカセット100に、どの薬剤をいくつ充填すべきかについて指示する画面である。
【0107】
図20に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える表示部320の充填指示画面P3においては、処方情報表示欄T21と、充填薬剤情報表示欄T22と、複数の選択領域T28と、第1切替操作入力欄T29aとが表示される。
【0108】
処方情報表示欄T21には、一処方における処方情報が表示される。充填薬剤情報表示欄T22には、充填すべき供給対象の薬剤情報および当該薬剤の充填必要数の各々が表示される。このように、制御部340は、供給対象の薬剤の充填必要数を表示部320に表示させる。
【0109】
複数の選択領域T28は、複数のカセット位置230に対応している。具体的には、
図1に示す複数のカセット位置230の配置に対応して、6つの選択領域T28が表示される。複数の選択領域T28において、すでに薬剤情報が割り当てられた駆動部231が位置するカセット位置230に対応する選択領域T28には、割り当てられた薬剤情報が表示される。複数の選択領域T28において、薬剤情報が未割当の駆動部231が位置するカセット位置230に対応する選択領域T28には、識別マークT25が表示される。このように、制御部340は、カセット100を装着可能な駆動部231と、カセット100を装着不能な駆動部231とを識別可能に、複数の選択領域T28を表示部320に表示させる。
【0110】
第1切替操作入力欄T29aは、充填指示画面P3を閉じるための操作入力部である。
図17に示すように、
図20に示す充填指示画面P3の第1切替操作入力欄T29aに操作入力されると、
図16に示す制御部340によって、表示部320に選択画面P2が表示される。
【0111】
充填指示画面P3の表示にしたがって、識別マークT25が表示されているいずれかの選択領域T28に対応するカセット位置230の駆動部231にカセット100が装着されると、制御部270は、RFIDリーダライタ232によってカセット100の装着が検出された駆動部231に、供給対象の薬剤情報を割り当てる。制御部340は、制御部270から供給対象の薬剤情報を割り当てられた駆動部231の情報を受けて、表示部320の選択画面P2において、当該カセット位置230に対応する割当薬剤情報表示欄T18に薬剤情報を表示させる。
【0112】
手まき指示画面P4は、手まき薬剤供給カセット240の複数の区画室の中のいずれの区画室に、薬剤をいくつ手まきすべきかについて指示する画面である。制御部340は、処方情報および分包情報に応じて、複数の区画室に対応する複数の区画領域RDが表示される手まき指示画面P4を表示部320に表示させる。
【0113】
図21は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える操作パネルに表示される手まき指示画面を示す図である。
図21に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える表示部320の手まき指示画面P4においては、処方情報表示欄T31と、分包数表示欄T32と、手まき薬剤一覧表表示欄T33と、錠数表示欄T34と、区画領域表示欄T35と、第1切替操作入力欄T39aと、第3切替操作入力欄T39bとが表示される。
【0114】
処方情報表示欄T31には、一処方における処方情報が表示される。分包数表示欄T32には、一処方における分包数が表示される。手まき薬剤一覧表表示欄T33には、手まき薬剤供給カセット240から供給される手まき薬剤の一覧表が表示される。手まき薬剤一覧表表示欄T33においては、手まき薬剤の一覧表から薬剤を選択することができる。手まき薬剤一覧表表示欄T33において、現在選択されている薬剤が識別色DMで表示される。
【0115】
錠数表示欄T34には、一処方における手まき薬剤の各々の必要数が表示される。錠数表示欄T34において、現在選択されている薬剤の錠数が識別色DMで表示される。
【0116】
区画領域表示欄T35には、複数の区画室に対応する複数の区画領域RDが表示される。区画領域RDは、区画室の配列と同じ配列で表示される。処方情報および分包情報から、たとえば、毎食後の用法において、薬剤M2については、
図21に示すように、区画領域表示欄T35において、複数の区画領域RDの中で1番~21番の区画領域RDの各々が、手まき対象であることを示す識別色DMで表示されるとともに、各服用時点における薬剤M2の必要数である1が表示される。
【0117】
第1切替操作入力欄T39aは、手まき指示画面P4を閉じるための操作入力部である。第3切替操作入力欄T39bは、供給対象の薬剤の全ての分包準備が完了したことを確認するための操作入力部である。
【0118】
図17に示すように、
図21に示す手まき指示画面P4の第1切替操作入力欄T39aに操作入力されると、
図16に示す制御部340によって、表示部320に選択画面P2が表示される。
図21に示す手まき指示画面P4の第3切替操作入力欄T39bに操作入力されると、
図16に示す制御部340によって、表示部320に処方画面P1が表示される。
【0119】
図17に示すように、
図18に示す処方画面P1の分包開始入力欄T5に操作入力されると、
図16に示す制御部340によって、
図16に示す制御部270に分包指示が出され、薬剤分包装置200の分包動作が開始される。
【0120】
図18に示す処方画面P1の操作停止入力欄T6に操作入力されると、
図16に示す制御部340によって、
図16に示す制御部270に停止指示が出され、薬剤分包装置200の分包動作が停止される。
【0121】
表示部320は、複数のカセット100の使用履歴を表示する。制御部340は、記憶部271または記憶部341に記憶されている複数のカセット100の使用履歴に基づいて、表示部320に複数のカセット100の使用履歴を表示させる。
【0122】
図22は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える操作パネルに表示されるカセット使用履歴画面を示す図である。
図22に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える表示部320のカセット使用履歴画面P5においては、検索条件表示欄T41と、調剤日時表示欄T42と、カセット識別情報表示欄T43と、カセット位置表示欄T44と、薬剤情報表示欄T45と、患者表示欄T46と、第1切替操作入力欄T47と、第2切替操作入力欄T48と、第3切替操作入力欄T49とが表示される。
【0123】
検索条件表示欄T41には、検索対象となる、調剤日時の期間、カセット識別情報およびカセット位置230の番号の各々が表示される。調剤日時表示欄T42には、カセット100が使用された調剤日時が表示される。カセット識別情報表示欄T43には、使用されたカセット100の識別情報が表示される。カセット位置表示欄T44には、使用されたカセット100が配置されたカセット位置230の番号が表示される。薬剤情報表示欄T45には、使用されたカセット100が供給した薬剤情報が表示される。患者表示欄T46には、使用されたカセット100が供給した薬剤を処方された患者の氏名が表示される。
【0124】
第1切替操作入力欄T47は、検索開始するための操作入力部である。第2切替操作入力欄T48は、カセット使用履歴画面P5の初期画面に戻るための操作入力部である。第3切替操作入力欄T49は、カセット使用履歴画面P5を閉じるための操作入力部である。
【0125】
表示部320は、薬剤の供給数が不足した際に、充填指示画面P3に、薬剤の不足数を表示する。
【0126】
図23は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える操作パネルに、薬剤の供給数が不足した際に表示される充填指示画面を示す図である。
図23に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える表示部320の充填指示画面P3においては、薬剤の供給数が不足した際に、充填対象カセット位置表示欄T23が表示され、充填対象のカセット位置230に対応する選択領域T28に識別マークT25が表示される。さらに、充填薬剤情報表示欄T22に、薬剤の不足数が表示される。このように、制御部340は、供給対象の薬剤の供給数が不足した際に、この供給対象の薬剤の不足数を表示部320に表示させる。
【0127】
なお、カセット100に薬剤が充填される前に、その薬剤が供給対象の薬剤であるか否かを判断するように、事前確認設定をしてもよい。この事前確認設定をした場合、その薬剤の容器などに付されている識別コードが、
図16に示す読取部330によって読み取られる。記憶部341には、識別コードと薬剤情報とが対応付けされたマスターが記憶されている。制御部340は、読取部330によって読み取られた識別コードに紐付けられた薬剤情報と、供給対象の薬剤情報とを照合する。
【0128】
図24は、事前確認設定をしたときの、読取部によって識別コードが読み取られる前の状態において操作パネルに表示される充填指示画面を示す図である。
図24に示すように、読取部330によって識別コードが読み取られる前の状態において表示部320に表示される充填指示画面P3には、識別コードを読取部330によって読み取ることを促す注意表示欄T27が表示される。また、充填指示画面P3には、第1切替操作入力欄T29aと、第2切替操作入力欄T29bと、第3切替操作入力欄T29cとが表示される。
【0129】
第1切替操作入力欄T29aは、充填指示画面P3を閉じるための操作入力部である。第2切替操作入力欄T29bは、事前確認をスキップさせるための操作入力部である。第3切替操作入力欄T29cは、記憶部341に記憶されている、識別コードと薬剤情報とが対応付けされたマスターを更新するための操作入力部である。
【0130】
事前確認設定がされた充填指示画面P3においては、読取部330によって読み取られた識別コードに紐付けられた薬剤情報と、供給対象の薬剤情報とが一致しない場合、第1切替操作入力欄T29aを操作入力して選択画面P2に戻っても、選択画面P2において第3切替操作入力欄T19cを操作入力することができない。
【0131】
このように、制御部340は、充填指示画面P3において、識別コードに対応付けされた薬剤情報と供給対象の薬剤の薬剤情報とを照合するために、読取部330によって識別コードを読み取ることを促す注意表示を表示部320に表示させる。
【0132】
薬剤分包装置200の一処方における薬剤の分包動作が完了すると、一処方における必要数の薬剤の供給を終えたカセット100は清掃待ち状態となるとともに、当該カセット100が装着された駆動部231は供給対象の薬剤情報が割り当てられた状態で維持される。具体的には、駆動部231に割り当てられた供給対象の薬剤情報が、記憶部341に記憶された状態で維持される。
【0133】
図25は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える操作パネルに、清掃待ちのカセットが存在する際に表示される充填指示画面を示す図である。
図25に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える表示部320の充填指示画面P3においては、清掃待ちのカセット100が存在する際に、当該カセット100が装着されているカセット位置230に対応する選択領域T28を識別色BMで表示する。
【0134】
制御部340は、清掃待ち状態となっている駆動部231に割り当てられた薬剤情報とは異なる他の薬剤情報を複数の駆動部231に割り当てる際には、充填指示画面P3において清掃待ち状態となっているカセット位置230に対応する選択領域T28に、識別マークT25を表示させない。
【0135】
なお、本実施形態においては、清掃待ち状態となっているカセット100において、前回供給した薬剤と同一の薬剤を供給する場合には、清掃待ち状態のまま薬剤を供給することが可能である。この場合は、
図19に示す選択画面P2において、カセット履歴表示欄T17に示されているカセット100が清掃待ち状態となっている場合に、当該カセット100に前回と同一の薬剤を供給することになる。
【0136】
また、カセット位置230に設けられている駆動部231またはRFIDリーダライタ232に不具合が生じた際には、当該カセット位置230が記憶部341に記憶される。
【0137】
図26は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える操作パネルに、不具合が生じたカセット位置が存在する際に表示される充填指示画面を示す図である。
図26に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える表示部320の充填指示画面P3においては、駆動部231またはRFIDリーダライタ232に不具合が生じたカセット位置230が存在する際に、当該カセット位置230に対応する選択領域T28を識別色RMで表示する。
【0138】
制御部340は、充填指示画面P3において不具合が生じたカセット位置230に対応する選択領域T28に、識別マークT25を表示させない。
【0139】
上記のように、制御部340は、カセット100を装着可能な駆動部231と、カセット100を装着不能な駆動部231とを識別可能に、複数の選択領域T28を表示部320に表示させる。
【0140】
本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置においては、複数のカセット100の各々は、一定の寸法範囲にある薬剤を供給可能である。複数の駆動部231の各々は、複数のカセット100の各々が装着可能に構成され、装着されたカセット100を駆動する。制御部は、複数の駆動部231の各々を制御する。制御部は、供給対象の薬剤の寸法に応じて選択されたカセット100、または、このカセット100が装着される駆動部231に、供給対象の薬剤に関する薬剤情報を割り当てる。制御部は、薬剤情報が割り当てられたカセット100、または、薬剤情報が割り当てられた駆動部231に装着されたカセット100から、供給対象の薬剤を供給するように、駆動部231を制御する。
【0141】
これにより、薬剤供給装置の操作者が、一定の寸法範囲にある薬剤を処方に合わせて分包できるように、薬剤供給装置を簡易に設定可能である。
【0142】
本発明の一形態に係る薬剤供給装置においては、制御部は、供給対象の薬剤をカセット100および手まき薬剤供給カセット240のいずれから供給するか選択する選択操作を受け付け可能である。これにより、供給対象の薬剤のうちのいずれの薬剤をカセット100から供給すべきか容易に判断することができる。
【0143】
本発明の一形態に係る薬剤供給装置においては、制御部は、複数の駆動部231の全てにおいてカセット100が装着不能であるとき、カセット100からの供給を選択する選択操作を受け付けない。これにより、誤った選択操作の受け付けを抑制できる。
【0144】
本発明の一形態に係る薬剤供給装置においては、制御部は、カセット100から供給不能な薬剤について、カセット100からの供給を選択する選択操作を受け付けない。これにより、誤った選択操作の受け付けを抑制できる。
【0145】
本発明の一形態に係る薬剤供給装置は、薬剤情報の割り当てに係る情報を表示可能な表示部320をさらに備える。これにより、いずれの駆動部231またはカセット100に薬剤情報を割当可能か容易に判断することができる。
【0146】
本発明の一形態に係る薬剤供給装置においては、制御部は、カセット100を装着可能な駆動部231とカセット100を装着不能な駆動部231とを識別可能に、表示部320に表示させる。これにより、カセット100が装着不能な駆動部231に装着されることを抑制できる。
【0147】
本発明の一形態に係る薬剤供給装置においては、制御部は、カセット100から供給可能な薬剤とカセット100から供給不能な薬剤とを識別可能に、表示部320に表示させる。これにより、誤った薬剤がカセット100に充填されることを抑制できる。
【0148】
本発明の一形態に係る薬剤供給装置においては、制御部は、複数のカセット100の使用履歴を表示部320に表示させる。これにより、カセット100の清掃の必要性などを判断することが可能となる。
【0149】
本発明の一形態に係る薬剤供給装置においては、制御部は、供給対象の薬剤を最後に供給したカセット100の識別情報を表示部320に表示させる。これにより、カセット100を清掃することなく薬剤情報を割当可能な駆動部231またはカセット100を判断することが可能となる。
【0150】
本発明の一形態に係る薬剤供給装置においては、制御部は、供給対象の薬剤の充填必要数を表示部320に表示させる。これにより、薬剤供給装置の操作者が、充填必要数を容易に把握することができる。
【0151】
本発明の一形態に係る薬剤供給装置においては、制御部は、供給対象の薬剤の供給数が不足した際に、この供給対象の薬剤の不足数を表示部320に表示させる。これにより、薬剤供給装置の操作者が、不足数を容易に把握することができる。
【0152】
本発明の一形態に係る薬剤供給装置においては、制御部は、薬剤情報と読取部330による読取結果とを照合する。これにより、誤った薬剤がカセット100に充填されることを抑制できる。
【0153】
本発明の一形態に係る薬剤供給装置においては、制御部は、供給対象の薬剤の寸法に応じて選択されたカセット100が駆動部231に装着されることにより、この駆動部231に薬剤情報を割り当てる。これにより、薬剤供給装置の操作者が、操作部310を用いて供給対象の薬剤情報を割り当てる手間を省くことができる。
【0154】
本実施の形態においては、カセット100が装着される駆動部231に供給対象の薬剤に関する薬剤情報を割り当てる場合を例に挙げて説明したが、駆動部231に装着されているカセット100に対して供給対象の薬剤に関する薬剤情報を割り当ててもよい。この場合も、上記で説明した薬剤供給装置の各種の機能による作用効果が奏される。
【0155】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0156】
100 カセット、110 薬剤収容部、111 周壁、111a 部分周壁、112 排出口、113 開口部、120 ロータ、121 周面、122 第1突出部、123 第2突出部、124 第3突出部、125,L 隙間、126 天面、127 溝部、128 中央突出部、128c 凹部、129,152c 切欠部、130 蓋部、140 仕切部、141 基材、150 駆動軸、151 磁性体、152 先端部、152h 貫通孔、153 スプリングピン、160 キャップ部、161 磁石、162 支持部、163 キャップ、164 スペーサ、200 薬剤分包装置、210 筐体、220 錠剤供給部、230 カセット位置、231 駆動部、232 リーダライタ、240 手まき薬剤供給カセット、250 散剤供給部、260 包装部、270,340 制御部、271,341 記憶部、300 制御装置、310 操作部、320 表示部、330 読取部、G 通路、P1 処方画面、P2 選択画面、P3 充填指示画面、P4 手まき指示画面、P5 カセット使用履歴画面、R1,R2,T28 選択領域、RD 区画領域、T1,T11,T21,T31 処方情報表示欄、T2 動作表示欄、T3,T32 分包数表示欄、T4 表示開始入力欄、T5 分包開始入力欄、T6 操作停止入力欄、T12,T33 手まき薬剤一覧表表示欄、T13,T34 錠数表示欄、T14 選択領域表示欄、T15,T44 カセット位置表示欄、T16 特定薬剤表示欄、T17 カセット履歴表示欄、T18 割当薬剤情報表示欄、T19a,T29a,T39a,T47 第1切替操作入力欄、T19b,T29b,T48 第2切替操作入力欄、T19c,T29c,T39b,T49 第3切替操作入力欄、T22 充填薬剤情報表示欄、T23 充填対象カセット位置表示欄、T25 識別マーク、T27 注意表示欄、T35 区画領域表示欄、T41 検索条件表示欄、T42 調剤日時表示欄、T43 カセット識別情報表示欄、T45 薬剤情報表示欄、T46 患者表示欄。