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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013687
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】吸引制御弁
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/00 20060101AFI20250117BHJP
   A61B 17/22 20060101ALI20250117BHJP
   A61M 39/06 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
A61M1/00 135
A61B17/22
A61M39/06 100
A61M39/06 110
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024198134
(22)【出願日】2024-11-13
(62)【分割の表示】P 2020080062の分割
【原出願日】2020-04-30
(31)【優先権主張番号】16/400,221
(32)【優先日】2019-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515248931
【氏名又は名称】ニューラヴィ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ブレンダン・ケーシー
(72)【発明者】
【氏名】デビッド・ベイル
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ギルバリー
(57)【要約】
【課題】吸引制御のためのシステムを提供すること。
【解決手段】システムは、止血弁と連通している制御弁であって、制御弁が、カテーテルからの吸引される血液の流れを第1の流量に制限するようにサイズ決めされた第1の寸法と、カテーテルからの吸引される血液の流れを第2の流量に制限するようにサイズ決めされた第2の寸法との間で移動可能な開口部を含む圧縮性チューブの区分を含む、制御弁を備え、圧縮要素は、ばね式であるか、又はばね力を用いてトリガに接続されており、それにより、トリガが解放されたときに、圧縮要素が、ばね力の結果として移動して、ハウジング部分の開口部内で拡張し、それによって、トリガを初期位置に向かって移動させ、圧縮性チューブ内の開口部を狭めるように構成されている。
【選択図】図6B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
カテーテルを受容する入口を含む止血弁と、
前記止血弁と連通している制御弁であって、前記制御弁が、前記カテーテルからの吸引される血液の流れを第1の流量に制限するようにサイズ決めされた第1の寸法と、前記カテーテルからの前記吸引される血液の流れを第2の流量に制限するようにサイズ決めされた第2の寸法との間で移動可能な開口部を含む圧縮性チューブの区分を含む、制御弁と、
前記制御弁と連通している制御インターフェース、及び前記制御インターフェースと連通している圧縮要素であって、前記圧縮要素が、前記第1の寸法から前記第2の寸法に前記制御弁の前記開口部を移動させるように移動可能である、制御インターフェース及び圧縮要素と、を備え、
前記圧縮要素は、ばね式であるか、又はばね力を用いてトリガに接続されており、それにより、前記トリガが解放されたときに、前記圧縮要素が、前記ばね力の結果として移動して、ハウジング部分の開口部内で拡張し、それによって、前記トリガを初期位置に向かって移動させ、前記圧縮性チューブ内の前記開口部を狭めるように構成されている、システム。
【請求項2】
前記初期位置では、前記圧縮要素は、前記ハウジング内の前記開口部を通って延在して、前記圧縮性チューブに最大圧縮を提供するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記トリガが前記初期位置から移動すると、前記圧縮要素は、前記ハウジング内の前記開口部の縁と係合し、前記圧縮性チューブから離れるように屈曲するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記圧縮要素は、前記トリガがサイドポートから離れるように握り込まれる結果として、前記初期位置から後退位置に移行するように構成されており、前記後退位置において、前記圧縮要素は前記ハウジング内の前記開口部から外に移動するように屈曲されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記後退位置において、前記圧縮要素が前記圧縮性チューブから離れるように屈曲すると、前記圧縮性チューブ内の前記開口部は、前記制御弁を通る、より多い流量を可能にするように広がるように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記止血弁が第1のサイドポートを更に備え、前記制御弁が、前記第1のサイドポートに近接して配設されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御弁が、前記吸引される血液の流れのための流路を提供するように位置決めされており、前記流路が、前記カテーテルから、前記制御弁を通って、前記第1のサイドポートまで延在している、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記制御弁、前記制御インターフェース、及び前記止血弁が、共通ハウジングに固定されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記制御インターフェースは、ユーザが、片手で前記カテーテルを安定化させながら、前記片手で前記第1の流量又は前記第2の流量のうちの一方を選択することを可能にするように位置決めされている、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御インターフェースが、前記制御インターフェースに加えられた力に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の流量又は前記第2の流量のうちの少なくとも一方を選択するように移動可能である、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記開口部は、前記吸引される血液の流れが前記第1の流量と前記第2の流量との間の連続した流量にわたって制御可能であるように、前記第1の寸法と前記第2の寸法との間の連続した寸法にわたって移動可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記止血弁が、
前記カテーテルの管腔内に配設された内側の細長い部材を通過させるようにサイズ決めされた出口と、
前記出口に近接して配設されたシールと、
第1の位置では前記シールを開放し、第2の位置では前記シールを半開放し、第3の位置では前記シールを閉鎖するように変位可能な係止アクチュエータと、
前記係止アクチュエータの位置の視覚的指標を提供するように移動可能な止血インジケータと、を更に備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記止血インジケータが、前記係止アクチュエータの所定の半開放位置に対応する指標付きインジケータを備え、
前記所定の半開放位置では、前記係止アクチュエータは、約0.432mm~0.533mm(約0.017インチ~0.021インチ)の内径を含む前記内側の細長い部材が、前記係止アクチュエータを通って摺動可能に並進することを可能にするようにサイズ決めされており、
前記所定の半開放位置では、前記係止アクチュエータは、前記内側の細長い部材の周囲から前記止血弁内への空気進入を阻止するようにサイズ決めされている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記制御インターフェースは、ユーザが片手で前記カテーテルを安定化させながら、前記少なくとも2つの位置のうちの1つを前記片手で同時に選択することを可能にするように位置決めされた摺動ボタンを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記制御インターフェースが押しボタンを含み、前記押しボタンは、前記押しボタンに加えられた力の結果として前記少なくとも2つの位置の間で移動可能であり、前記押しボタンは、ユーザが片手で前記カテーテルを安定化させながら、前記少なくとも2つの位置のうちの1つを前記片手で同時に選択することを可能にするように位置決めされている、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
第2のサイドポートと、
前記第2のサイドポートから前記第1のサイドポートまで延在する第2の流路と、を更に備え、
前記制御弁が、前記第2のサイドポート及び前記第1のサイドポートと連通しており、
前記制御弁が、前記第2の流路を通る血流を制御するように移動可能である、請求項6又は7に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、血管内医療処置に関し、より具体的には、血栓除去術中に吸引される血流量を調節することに関する。
【背景技術】
【0002】
血管内医療処置中、患者内の治療部位における血流を遅くするか、又は逆流させることが有益であり得る。例えば、血栓除去術中に、医師は、逆血流をもたらして、ステントリーバーと組み合わせて血塊若しくは血栓の遊離及び回収を支援するために、又は中間若しくはアクセスカテーテル内への直接吸引のために、注射器又は真空ポンプを利用し得る。注射器又は真空ポンプは、中間又はガイドカテーテル(例えば、バルーンガイドカテーテル)の近位端に接続され得、真空は、カテーテルの管腔を通じてカテーテルの遠位先端と連通し得る。注射器及び真空ポンプは、典型的には、中間又はガイドカテーテルの近位端に取り付けられている「回転止血弁」のサイドアームに接続される。「回転」は、カテーテルの近位端にねじ込むことができ、取り付けを容易にするために自由に回転することができるルアー接続を指し、一方で止血特徴部は、バックブリード(back bleed)及び失血を最小限に抑えながら、中間又はガイドカテーテルを通して他のカテーテル及び付属デバイスの導入を容易にする。止血弁は、典型的には、デバイスを導入するために完全に開放され得るか、又はあらゆる失血を防止するために締め付けられ得るガスケットを含有する。ガスケットはまた、中間又はガイドカテーテルの内側に位置決めされたガイドワイヤ又はマイクロカテーテルを把持するためにも締め付けられ得る。既知の止血弁は、典型的には、止血封止された状態で付属デバイス又はカテーテルを受容するための入口通路と、生理食塩水フラッシュ、造影剤などの注射剤を接続するために使用され得るか、又は吸引注射器若しくは真空ポンプが取り付けられ得る、サイドポートと、を含む。
【0003】
既知の止血値はまた、ガイドワイヤ、マイクロカテーテル、中間カテーテル、デバイスシャフト、又はそのような細長い部材が通過し得る通路も含み得る。通路は、失血を最小限に抑え、必要な場合、内側の細長い部材を位置に把持するために、内側の細長い部材の外周を止血封止するためのガスケットを含み得る。
【0004】
血栓除去術中、注射器又は真空ポンプは、血塊において逆血流を生成するために、中間又はガイドカテーテルの管腔を通して吸引力を提供し得る。真空ポンプが使用されるとき、真空ポンプは、典型的には、血塊が回収されているとき、最大に設定されて完全な真空/吸引を適用する。同様に、真空ロック注射器が使用される場合、典型的には、注射器が満杯になるまでできるだけ長い時間、完全真空が最大の逆流量を与えるように適用される。
【0005】
いくつかの処置では、医師は、臨床ケースの特定の態様に適合するように、処置中の吸引速度を変更することを望む場合がある。例えば、血栓除去術中、医師は、最初の血塊遊離に関してはゆっくりと吸引し、次いで、血塊がカテーテルに近づいているときに吸引力を増加させ、次いで、血塊をカテーテル内に引き込むときに吸引力を最大まで更に増加させることを好む場合がある。血塊回収中に吸引を増加させることによって、脈管構造内の陰圧により血管が圧潰する可能性を低下させることができ、注射器で実施されるときには、絶え間なく適用された真空と比較して、注射器の固定容積をより効果的に利用することができる。この技法は、注射器又はポンプの同時操作、血栓除去デバイスの後退、及びカテーテルの安定化を必要とし、これらは、従来のシステムでは極めて困難であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、血栓除去術中の吸引を制御するための改善された方法、デバイス、及びシステムが必要とされている。同様に、吸引流量の制御は、吸引ポンプ又は吸引注射器が使用される他の血管内又は医療処置において潜在的に有益である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の必要性を満たすシステム、デバイス、及び方法を提供することが、本発明の目的である。概して、本発明の目的は、同時に、片手で止血弁及びカテーテルを安定化させ、かつ/又は他方の手で細長い部材を後退させながら、操作されるように好都合に位置決め及び構成されている、スイッチ、ボタン、スライダ、トリガ、グリップ、レバー、回転ホイール、回転弁、ハンドル又は他のインターフェースによって制御可能な吸引制御弁を有する吸引制御デバイスを提供することである。吸引制御デバイスは、止血弁に統合され、ワイヤグリップデバイスに統合され、かつ/又は吸引流路と直列に入口、出口、ホース、ポンプ、若しくは注射器に取り付けられ得る。血管内処置中に血流を吸引するためのシステムは、真空を1つ又は2つ以上のカテーテルに提供及び/又は調節するために、1つ又は2つ以上の吸引制御デバイス、1つ又は2つ以上の止血弁、1つ又は2つ以上のワイヤグリップデバイス、及び/あるいは1つ又は2つ以上の真空源の組み合わせを含み得る。
【0008】
例示的なシステムは、止血弁、制御弁、及び制御インターフェースを含み得る。止血弁は、カテーテルを受容するための入口を有し得る。制御弁は、止血弁と連通し得、第1の寸法から第2の寸法までサイズ変更可能な開口部を有し得、第1の寸法は、カテーテルからの吸引される血液の流れを第1の流量に制限するように寸法決めされ、第2の寸法は、カテーテルからの吸引される血液の流れを第2の流量に制限するようにサイズ決めされている。制御インターフェースは、制御弁と連通し得、制御インターフェースは、第1の寸法から第2の寸法に制御弁の開口部を移動させるように移動可能であり得る。
【0009】
止血弁は、サイドポートを更に含み得る。制御弁は、サイドポートに近接して位置決めされ得る。制御弁は、吸引される血液の流れのための流路を提供するように位置決めされ得、流路は、カテーテルから、制御弁を通って、サイドポートまで延在している。制御弁及び制御インターフェースは、共通ハウジング内で止血弁と統合され得る。
【0010】
制御インターフェースは、ユーザが、片手でカテーテルを安定化させながら、同じ手で第1の流量又は第2の流量のうちの一方を選択することを可能にするように位置決めされ得る。制御インターフェースは、制御インターフェースに加えられた力に少なくとも部分的に基づいて、第1の流量又は第2の流量のうちの少なくとも一方を選択するように構成されたボタンであり得る。制御弁の開口部は、吸引される血液の流れが第1の流量と第2の流量との間の連続した流量にわたって制御可能であるように、第1の寸法と第2の寸法との間の連続した寸法にわたって移動可能であり得る。制御インターフェースは、連続した寸法にわたって制御弁の開口部を移動させるように連続した位置を通って移動可能であり得る。制御インターフェースは、ばね式であってもよく、デフォルト開放位置若しくはデフォルト閉鎖位置に設定されてもよく、又は完全開放と完全閉鎖との間の任意の暫定位置に設定されるようにラチェット式であってもよい。
【0011】
止血弁は、内側の細長い部材を通過するようにサイズ決めされた出口と、出口付近に配設されたシールと、シールを開放、半開放、又は閉鎖するように変位可能な係止アクチュエータと、係止アクチュエータの位置の視覚的指標を提供するように移動可能な止血インジケータと、を更に含み得る。内側の細長い部材は、カテーテルの管腔内に配設され得る。係止アクチュエータは、第1の位置、第2の位置、及び第3の位置から変位可能であり得、各位置は、それぞれ、シールの開放、半開放、又は閉鎖状態に対応する。止血インジケータは、係止アクチュエータが現在どの位置にあるかを示すように移動可能であり得る。係止アクチュエータが半開放位置にあるとき、内側の細長い部材は、カテーテル内で後退又は移動され得、一方でシールは、吸引中に真空がサイドポートに適用されるときの空気進入を防止するのに十分な封止を提供する。血栓除去術中、内側の細長い部材は、マイクロカテーテルであってもよく、ステントリーバーは、カテーテルが係止アクチュエータのシールを通じた空気漏れを伴わずに完全真空下にあるときに、カテーテル内に血塊を回収するために後退させられ得る。
【0012】
例示的な装置は、遠位ポート、近位ポート、第1のサイドポート、第1の流路、制御弁、及び制御インターフェースを含み得る。遠位ポートは、カテーテルを受容するようにサイズ決めされ得る。近位ポートは、内側の細長い部材の通過を可能にするようにサイズ決めされ得、内側の細長い部材が、カテーテルの管腔内に配設されている。第1の流路は、カテーテルの管腔から第1のサイドポートまで延在し得る。制御弁は、カテーテルの管腔及び第1のサイドポートと連通し得、制御弁は、第1の流路を通る血流を制御するように移動可能であり得る。制御インターフェースは、制御弁と連通し得、制御インターフェースは、少なくとも2つの位置の間で移動可能であり得、少なくとも2つの位置は、第1の流路を通る血流の少なくとも2つの流量に対応する。
【0013】
制御インターフェースは、ユーザが片手でカテーテルも安定化させながら、2つ又は3つ以上の位置のうちの1つを片手で同時に選択することを可能にするように位置決めされた摺動ボタンを有し得る。
【0014】
制御インターフェースは、押しボタンを有し得、押しボタンは、押しボタンを2つ又は3つ以上の位置の間で移動させながら、片手でカテーテルを同時に安定化させるように、力によって押され得る。
【0015】
装置は、第2のサイドポート及び第2の流路を更に含み得る。第2の流路は、第2のサイドポートから第1のサイドポートまで延在し得る。制御弁は、第2のサイドポート及び第1のサイドポートと連通し得、制御弁は、第2の流路を通る血流を制御するように移動可能であり得る。
【0016】
血流を吸引するための例示的な方法は、以下の工程及びその変形の一部又は全部を含み得る。工程は、順不同で列挙される。遠位ポート及びサイドポートを有する止血弁が提供され得る。制御弁及び制御インターフェースを有する吸引制御デバイスが提供され得る。吸引制御デバイスがサイドポートに近接して位置決めされ得る。止血弁及び吸引制御弁が共通ハウジング内に配設され得る。
【0017】
遠位ポート内に位置決めされたカテーテルの管腔からサイドポートまでの流路が提供され得る。吸引制御デバイスの制御弁が流路内に位置決めされ得る。開口部を有する可撓性チューブが流路内に位置決めされ得る。開口部を有するハウジングが提供され得る。可撓性チューブがハウジング内に位置決めされ得る。制御インターフェースと連通する圧縮要素が提供され得る。圧縮要素が可撓性チューブと係合するように位置決めされ得る。圧縮要素がハウジング内の開口部内に位置決めされ得る。圧縮要素が、制御インターフェースを操作することによって可撓性チューブの開口部をサイズ変更するように移動され得る。
【0018】
カテーテルが提供され得、カテーテルが遠位ポート内に位置決めされ得る。真空源が提供され得る。真空が、真空源を用いて流路に提供され得る。制御インターフェースが、流路を通る流量を制御するように操作され得る。制御インターフェースを操作するために、力が制御インターフェースに加えられ得、制御インターフェースが、制御インターフェースに力を加えることによって初期位置から移動され得る。カテーテルが第1の手で安定化されながら、その片手で制御インターフェースを同時に操作することができる。制御インターフェースが解放され得る。制御インターフェースが初期位置に戻され得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の上記及び更なる態様は、添付の図面と併せて以下の説明を参照して更に考察され、様々な図面において、同様の数字は、同様の構造要素及び特徴を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を例示することが重視されている。図は、限定としてではなく単なる例示として、本発明のデバイスの1つ又は2つ以上の実装形態を描写している。
図1】本発明の態様による、止血弁に接続された吸引制御デバイスの例示である。
図2】本発明の態様による、止血弁に統合された摺動インターフェースを有する吸引制御デバイスの例示である。
図3】本発明の態様による、止血弁に統合された押しボタンインターフェースを有する吸引制御デバイスの例示である。
図4】本発明の態様による、2つの止血弁での吸引を調節するように接続された吸引制御デバイスを含むシステムの例示である。
図5】本発明の態様による、ワイヤグリップデバイスに統合された吸引制御デバイスを含むシステムの例示である。
図6A】本発明の態様による、止血弁に統合された、トリガ、係止アクチュエータ、及び止血インジケータを有する吸引制御デバイスの例示である。
図6B】本発明の態様による、止血弁に統合された、トリガ、係止アクチュエータ、及び止血インジケータを有する吸引制御デバイスの例示である。
図6C】本発明の態様による、止血弁に統合された、トリガ、係止アクチュエータ、及び止血インジケータを有する吸引制御デバイスの例示である。
図7A】本発明の態様による、係止アクチュエータの例示である。
図7B】本発明の態様による、止血インジケータの例示である。
図7C】本発明の態様による、止血インジケータの例示である。
図7D】本発明の態様による、止血インジケータの例示である。
図7E】本発明の態様による、止血インジケータの例示である。
図7F】本発明の態様による、止血インジケータの例示である。
図7G】本発明の態様による、止血インジケータの例示である。
図7H】本発明の態様による、止血インジケータの例示である。
図7I】本発明の態様による、止血インジケータの例示である。
図8A】本発明の態様による、止血弁に統合されたトリガ指グリップインターフェースを有する吸引制御デバイスの例示である。
図8B】本発明の態様による、止血弁に統合されたトリガ指グリップインターフェースを有する吸引制御デバイスの例示である。
図8C】本発明の態様による、止血弁に統合されたトリガ指グリップインターフェースを有する吸引制御デバイスの例示である。
図8D】本発明の態様による、止血弁に統合されたトリガ指グリップインターフェースを有する吸引制御デバイスの例示である。
図9A】本発明の態様による、止血弁に統合された2本指グリップインターフェースを有する吸引制御デバイスの例示である。
図9B】本発明の態様による、止血弁に統合された2本指グリップインターフェースを有する吸引制御デバイスの例示である。
図9C】本発明の態様による、止血弁に統合された2本指グリップインターフェースを有する吸引制御デバイスの例示である。
図10A】本発明の態様による、止血弁に統合されたレバーインターフェースを有する吸引制御デバイスの例示である。
図10B】本発明の態様による、止血弁に統合されたレバーインターフェースを有する吸引制御デバイスの例示である。
図10C】本発明の態様による、止血弁に統合されたレバーインターフェースを有する吸引制御デバイスの例示である。
図11A】本発明の態様による、止血弁に統合された親指トリガインターフェースを有する吸引制御デバイスの2つの変形例の例示である。
図11B】本発明の態様による、止血弁に統合された親指トリガインターフェースを有する吸引制御デバイスの2つの変形例の例示である。
図11C】本発明の態様による、止血弁に統合された親指トリガインターフェースを有する吸引制御デバイスの2つの変形例の例示である。
図11D】本発明の態様による、止血弁に統合された親指トリガインターフェースを有する吸引制御デバイスの2つの変形例の例示である。
図11E】本発明の態様による、止血弁に統合された親指トリガインターフェースを有する吸引制御デバイスの2つの変形例の例示である。
図11F】本発明の態様による、止血弁に統合された親指トリガインターフェースを有する吸引制御デバイスの2つの変形例の例示である。
図12】本発明の態様による、止血弁に統合されたサイドグリップインターフェースを有する吸引制御デバイスの例示である。
図13A】本発明の態様による、吸引制御デバイス用の血流インジケータの例示である。
図13B】本発明の態様による、吸引制御デバイス用の血流インジケータの例示である。
図13C】本発明の態様による、吸引制御デバイス用の血流インジケータの例示である。
図13D】本発明の態様による、吸引制御デバイス用の血流インジケータの例示である。
図13E】本発明の態様による、吸引制御デバイス用の血流インジケータの例示である。
図14A】本発明の態様による、止血弁に統合された押しボタンインターフェースによって制御される吸引制御デバイスの例示である。
図14B】本発明の態様による、止血弁に統合された押しボタンインターフェースによって制御される吸引制御デバイスの例示である。
図14C】本発明の態様による、止血弁に統合された押しボタンインターフェースによって制御される吸引制御デバイスの例示である。
図14D】本発明の態様による、止血弁に統合された押しボタンインターフェースによって制御される吸引制御デバイスの例示である。
図15】本発明の態様による、スイッチインターフェースによって制御された吸引制御デバイスの例示である。
図16】本発明の態様による、1つの真空源のみを用いて2つの止血弁での吸引を調節するように構成された、2つの吸引制御デバイスを含むシステムの例示である。
図17】電気的作動インターフェースを有する吸引制御デバイスの例示である。
図18】本発明の態様による、血栓除去術中の吸引を制御するための方法の工程を各々含むフロー図である。
図19】本発明の態様による、血栓除去術中の吸引を制御するための方法の工程を各々含むフロー図である。
図20】本発明の態様による、血栓除去術中の吸引を制御するための方法の工程を各々含むフロー図である。
図21】本発明の態様による、血栓除去術中の吸引を制御するための方法の工程を各々含むフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書に開示される例は、概して、いくつかの従来のシステムと比較して、医師が、血管内処置中に吸引される血液の流量をより容易に変化させることを可能にするために、止血弁と共に使用される吸引制御装置又はデバイスを含み得る。吸引制御デバイスは、吸引される血液の流路内の制御弁と、流路を通る流量を調節するために制御弁を移動させるためのインターフェースとを含み得る。制御弁での流量を制御することは、処置部位での逆血流を制御し得る。例えば、血塊の周囲の逆血流の流量は、吸引制御デバイスを操作することによって血栓除去術中に変化させることができる。
【0021】
吸引制御デバイスは、従来のシステムと比較してより優れた使い易さを達成するために、様々な場所に位置決めされ得、制御インターフェースの様々な構成を有し得る。例えば、吸引制御デバイスは、止血弁のサイドポートに接続可能である独立型アセンブリであってもよく、吸引制御デバイス及び止血弁は、単一のアセンブリとして統合されてもよく、又は吸引制御デバイスは、ワイヤグリップデバイスなどの二次デバイスと統合されてもよい。制御弁を移動させるためのインターフェースは、2つ又は3つ以上の別個の位置の間で、又は連続した位置にわたって移動し得る。同様に、制御弁は、インターフェースの位置決めに応答して、2つ又は3つ以上の別個の位置の間で、又は連続した位置にわたって移動可能であり得る。制御弁を通る調整された流量は、制御弁の移動によって調整され得る。例えば、インターフェースは、スライダ、押しボタン、スイッチ、ホイール、トリガ、グリップ、レバー、回転弁、ハンドルなどの機械的インターフェースを含み得、インターフェースは、医師が、流量を調節しながら、片手のみでガイドカテーテル又はシースを同時に安定化させることを可能にし、医師の第2の手を、ステントリーバー及びマイクロカテーテルを引き抜くなどの他の活動のために自由なままにする。インターフェースは、より直感的なインターフェースを提供するために、回転弁などの、医師に既に知られている弁と同様に機能するように設計され得る。いくつかの例では、吸引制御デバイスは、特定の波形又は吸引流パターンを提供するようにプログラムされ得る電気アクチュエータを追加的に含み得る。
【0022】
純粋に機械的吸引制御デバイスを有するいくつかの例示的なシステム、及び電気アクチュエータを追加的に含むいくつかの例示的なシステムは、真空をスイッチオン又はオフにして、真空が、カテーテルの突然かつ有意な圧力変化を与えて、困難な血栓の改善された係合及び除去をもたらすのを助けることを可能にするために使用され得る。
【0023】
制御弁は、制御弁を通る血流を調節するための様々な配向を有し得る。制御弁は、吸引制御デバイスインターフェースを操作することによって圧縮され得る圧縮性チューブの区分を含み得る。弁は、操作されていないとき、常時開放の非圧縮状態にあってもよく、インターフェースの操作の結果として流れを制限するために圧縮し得るか、弁は、操作されていないとき、常時閉鎖の圧縮状態にあってもよく、操作の結果として流れを増加させるように膨張し得るか、又は弁は、操作されていないとき、及び操作の結果として異なる保持可能な状態に移動されるとき、その圧縮の最終状態、場合によっては部分的に圧縮された状態を保持してもよい。例えば、ばね式制御弁は、常時開放又は常時閉鎖弁として設計され得、回転弁は、状態保持弁として設計され得る。
【0024】
吸引制御デバイスは、2つの止血弁と共に使用されるように設計され得、第1の止血弁は、ガイドカテーテルのための吸引経路を提供し、第2の止血弁は、中間カテーテルのための吸引経路を提供する。吸引制御デバイスは、第1及び第2の止血弁の両方への接続を介して、ガイドカテーテル及び中間カテーテルを通る真空を同時に調節し得る。この構成の利点は、単一の真空源(例えば、単一のポンプ又は注射器)で、2つの止血弁において吸引力を提供する能力である。第2の吸引制御デバイスは、2つの止血弁及び第1の吸引制御デバイスと共に使用され得、第2の吸引制御デバイスは、第1の吸引制御デバイスを介して単一の真空源に接続され得る。そのように構成されることによって、2つのカテーテルは、異なる真空圧力で単一の真空から吸引力を同時に受容し得る。
【0025】
代替的に、又は追加的に、吸引制御デバイスは、止血弁と共に使用され得る二次デバイスに統合されるように設計されてもよい。例えば、吸引制御デバイスは、ワイヤグリップデバイスに統合され得、医師が片手を使用して吸引速度を制御しながら、血栓除去デバイス及び/又はマイクロカテーテルを同時に後退させることを可能にし、医師の第2の手を、ガイドカテーテルの安定化などの他の活動のために自由なままにする。
【0026】
図1は、吸引制御デバイス120及び止血弁160を含む例示的なシステム100の例示である。図1は、止血弁160のサイドポート166に接続可能であり、真空システムのチューブ112に接続可能である独立型デバイスとしての吸引制御デバイス120を例示する。独立型吸引制御デバイス120の利点は、従来の止血弁160と嵌合するように構成され得ることである。カテーテル102は、止血弁160の入口162によって受容され得、吸引制御デバイス120は、カテーテル102から、止血弁160のサイドポート166を通って、チューブ112を通って真空システムに出る流路内に位置決めされ得る。吸引制御デバイス120は、制御インターフェース又はアクチュエータ140を移動させることによって調整され得る内部弁を有し得る。吸引制御デバイス120は、吸引制御デバイス120を通る血流の速度の視覚的指標を提供するための流量インジケータ152を含み得る。吸引制御デバイス120は、医師が、インターフェース140を用いて流路を通る流量を調整しながら、同時に、ガイドカテーテル102を安定化させ、かつ止血弁160の出口164から、プルワイヤ、血栓除去デバイスのシャフト、又は他の内側の細長い部材108を抜き取ることができるように、位置決めされ得る。
【0027】
図2は、止血弁260と統合された吸引制御デバイス220を含む例示的なシステム200の例示である。統合された吸引制御デバイス220及び止血弁260は、共通ハウジングに統合され得る。統合された装置は、カテーテル202を受容して止血封止するようにルアー接続を有する入口262と、内側の細長い部材208の通過を可能にするようにサイズ決めされ、内側の細長い部材208を止血封止するように調整可能な出口264と、真空システムと接続するように設計されたサイドポート266と、吸引される血流を調節するように制御弁を操作するための制御インターフェース240と、吸引される血流量の指標を提供する視覚的インジケータ252と、を有し得る。制御弁は、カテーテル202の管腔からサイドポート266まで延在する流路内に位置決めされ得、制御弁は、流路を通る、吸引される血流量を調節し得る。制御インターフェース240は、軌道241に沿って移動可能であるスライダボタンとすることができ、制御弁は、スライダ240が軌道241に沿って移動される際にサイズ変更される開口部を有し得、それによって吸引される血流量を調節する。スライダ240は、操作されていないときにデフォルト位置に戻るようにばね式とすることができる。あるいは、スライダ340は、操作されていないときに、直近に移動された位置を維持してもよい。
【0028】
図3は、止血弁360と統合された吸引制御デバイス320を含む例示的なシステム300の例示である。統合された吸引制御デバイス320及び止血弁360は、共通ハウジングに統合され得る。統合された装置は、カテーテル302を受容して止血封止するようにサイズ決めされた入口362と、内側の細長い部材308の通過を可能にし、内側の細長い部材308を止血封止するようにサイズ決めされた出口364と、真空システムと接続するように設計されたサイドポート366と、サイドポート366と連通している吸引制御弁と、吸引される血流を調節するように制御弁を操作するための制御インターフェース340と、を有し得る。制御弁は、カテーテル302の管腔からサイドポート366まで延在する流路内に位置決めされ得、制御弁は、流路を通る、吸引される血流量を調節し得る。制御インターフェース340は、完全に延出した状態から完全に圧縮された状態に移動可能である押しボタンであってもよい。押しボタン340は、完全に延出した状態と完全に圧縮された状態との間の中間状態に保持され得る。制御弁は、押しボタンの状態に応じてサイズ決めされる開口部を有し得、流路を通る流量は、開口部のサイズに基づいて調節され得る。制御弁は、常時開放とすることができ、これは、制御弁の開口部が、押しボタン340が完全に延出しているときの、最大流量を許容するような最大サイズであることを意味し、制御弁の開口部は、押しボタン340が圧縮される際に血流を制限するように収縮する。あるいは、制御弁は、常時閉鎖とすることができ、これは、押しボタン340が完全に延出したときに、制御弁の開口部が、最小流量を可能にするように最小サイズであることを意味し、制御弁の開口部は、押しボタン340が圧縮される際により多くの血流を可能にするように拡張する。
【0029】
図4は、2つの止血弁460、480での吸引を調節するように接続された吸引制御デバイス420を含む例示的なシステム400の例示である。システム400は、単一の真空源414から2つのカテーテル402、404に吸引力を同時に提供し得、吸引制御デバイス420は、両方のカテーテル402、404を通る流量を同時に調節し得る。
【0030】
システム400は、吸引制御デバイス420と統合される第1の止血弁460を含み得る。統合された吸引制御デバイス420及び止血弁460は、共通ハウジングに統合され得る。統合された装置は、ガイドカテーテル402を受容及び止血封止するようにサイズ決めされた入口462と、中間カテーテル404の通過を可能にし、かつ中間カテーテル404を止血封止するようにサイズ決めされた出口464と、真空システムと接続するように設計された第1のサイドポート466と、第2の止血弁480に接続するように設計された第2のサイドポート468と、第1のサイドポート466及び第2のサイドポート468と連通している吸引制御弁と、吸引される血流を調節するように制御弁を操作するための制御インターフェース440と、制御弁を通る、吸引される血流量の指標を提供する視覚的インジケータ452と、を有し得る。
【0031】
システム400は、中間カテーテル404を受容し、かつ中間カテーテル404を止血封止するように位置決めされた入口482と、マイクロカテーテルなどの内側の細長い部材408の通過を可能にし、かつ内側の細長い部材408を止血封止するようにサイズ決めされた出口484と、サイドポート486と、を有する、第2の止血弁480を含み得る。第2の止血弁480のサイドポート486は、チューブ416によって第1の止血弁460の第2サイドポート468に接続され得る。
【0032】
システム400は、各カテーテル402、404に同時に吸引力を提供するための2つの流路を含み得る。2つの流路は、吸引制御デバイス420の制御弁内で合流し、第1の止血弁460の第1のサイドポート466で接続された注射器414又は他の真空源から真空圧を受容し得る。第1の流路は、ガイドカテーテル402の管腔から第1の止血弁460の第1のサイドポート466まで延在し得る。第2の流路は、中間カテーテル404の管腔から、第2の止血弁480のサイドポート486を通って、チューブ416を通って、第1の止血弁460の第2のサイドポート468を通って、吸引制御デバイス420の制御弁を通って、第1の止血弁460の第1のサイドポート466まで延在し得る。第1及び第2の流路が制御弁内で合流するため、制御弁は、第1の流路を通る第1の吸引される血流量、及び第2の流路を通る第2の吸引される血流量を調節し得る。視覚的インジケータ452は、制御弁を通る、吸引される血流量を示し得る。制御弁を通る流量は、第1の流路を通る第1の流量と第2の流路を通る第2の流量との合計であり得る。
【0033】
制御インターフェース440は、軌道441に沿って移動可能であるスライダボタンとすることができ、制御弁は、スライダ440が軌道441に沿って移動される際にサイズ変更される開口部を有し得、それによって第1及び第2の吸引される血流量を調節する。スライダ440は、操作されていないときにデフォルト位置に戻るようにばね式とすることができる。あるいは、スライダ440は、操作されていないときに、直近に移動された位置を維持してもよい。
【0034】
図5は、ワイヤグリップデバイス590に統合された吸引制御デバイス520を含む例示的なシステム500の例示である。システム500は、2つの止血弁560、580を含み得る。止血弁560のうちの少なくとも1つは、吸引制御デバイス520に接続されて、吸引制御デバイスによって真空源から吸引力を受容し得る。吸引制御デバイス520は、医師が、片手でワイヤグリップデバイス590及び吸引制御デバイス520の制御インターフェース540を同時に操作しながら、医師の第2の手がガイドカテーテル502を安定化させるなどの他のタスクを実行するために自由であり得るように、位置決めされ得る。
【0035】
システム500は、止血封止可能な入口562、582、止血封止可能な出口564、584、及びサイドポート566、586を各々有する、第1の止血弁560及び第2の止血弁580を含み得る。止血弁560、580は、当該技術分野で既知の従来型の止血弁、又は本明細書に説明される特徴を組み込んでいる止血弁とすることができる。第1の止血弁560は、ガイドカテーテル502を入口562で受容し、出口564を通して中間カテーテル504を通過させ、サイドポート566でチューブ516に接続し得る。第2の止血弁580は、入口582でマイクロカテーテル504を受容し、出口584を通してステントリーバー508又は他のそのようなシャフト、ガイドワイヤ、若しくは内側の細長い部材を通過させ、例えば、標準的な血栓除去術のように、圧力面一システムに接続可能なサイドポート586を有し得る。
【0036】
統合されたワイヤグリップデバイス590及び吸引制御デバイス520は、共通ハウジングに統合され得る。統合された装置は、内側の細長い部材508を受容及び把持するための入口592と、内側の細長い部材508を通過させるための出口と、第1のサイドポート596と、第2のサイドポート598と、制御弁と、制御弁用の制御インターフェース540と、を有し得る。
【0037】
システム500は、ガイドカテーテル502から、第1の止血弁560のサイドポート566を通って、チューブ516を通って、統合されたプルワイヤ/吸引制御装置の第2のポート598を通って、吸引制御デバイス520の制御弁を通って、統合されたプルワイヤ/吸引制御装置の第1のポート596までの第1の流路を含み得る。吸引制御デバイス520は、ガイドカテーテル502を通って吸引される血流を調節するために、第1の流路を通る流れを制御し得る。
【0038】
制御インターフェース540は、軌道541に沿って移動可能であるスライダボタンであり得、制御弁は、スライダ540が軌道541に沿って移動される際にサイズ変更される開口部を有し得、それによってガイドカテーテル502を通って吸引される血流量を調節する。スライダ540は、操作されていないときにデフォルト位置に戻るようにばね式とすることができる。あるいは、スライダ540は、操作されていないときに、直近に移動された位置を維持してもよい。
【0039】
図5に例示されるシステム500の例示的な実施態様では、医師は、カテーテル502からマイクロカテーテル504及び血栓除去デバイスシャフト508を引き出しながら、制御インターフェース540を操作することによって吸引を同時に制御し得る。例示的な実施態様では、システムは、第1の止血弁560の出口564が、半開放位置にあり、マイクロカテーテル504が、空気漏れを阻止しながら出口564を通って摺動することを可能にし得、マイクロカテーテル504が第2の止血弁580に対して移動することを阻止するように、マイクロカテーテル504が第2の止血弁580の入口で定位置に係止され得、シャフト508が第2の止血弁580及びマイクロカテーテル504に対して移動することを阻止するように、第2止血弁580の出口584がステントリーバーデバイスシャフト508の周囲に係止され得、シャフト508がグリップデバイス590に対して移動することを阻止するように、ワイヤグリップデバイス590がシャフト508に係止され得るように、構成され得る。そのように構成されることによって、ワイヤグリップデバイス590は、第1の止血弁560に対して近位に移動され、それによって、ステントリーバーシャフト508、第2の止血弁580、及びマイクロカテーテル504を近位に引っ張り、マイクロカテーテル504及びデバイス508をガイドカテーテル502から引き出し得る。医師は、片手を使用して第1の止血弁560を安定化させながら、他方の手を使用して、同時に、ワイヤグリップデバイス590を引っ張り、ワイヤグリップデバイス590上の制御インターフェース540を操作し得る。
【0040】
図6Aは、止血弁660に統合された、トリガ制御インターフェース640を有する吸引制御デバイス620を含む、例示的なシステム600の例示である。図6B及び図6Cは、図6Aに図示された吸引制御デバイス620の断面図であり、図6Bは、初期位置にある制御インターフェース640を例示しており、図6Cは、後退位置にある制御インターフェース640を例示している。図6A及び図6Cをまとめて参照すると、統合された吸引制御デバイス620及び止血弁660は、共通ハウジングに統合され得る。統合された装置は、カテーテル602を受容して止血封止するようにサイズ決めされた入口662と、内側の細長い部材608の通過を可能にし、内側の細長い部材608を止血封止するようにサイズ決めされた出口664と、真空システムと接続するように設計されたサイドポート666と、サイドポート666と連通している吸引制御弁622と、吸引される血流を調節するように制御弁622を操作するためのトリガ制御インターフェース640と、出口664に位置決めされた係止アクチュエータ670と、出口664での止血封止の状態を示すための止血インジケータ672と、を有し得る。
【0041】
制御弁622は、ガイドカテーテル602の管腔603から、ガイドカテーテル602の近位端663を通って、サイドポート666まで延在する流路内に位置決めされ得、制御弁622は、流路を通る、吸引される血流量を調節し得る。制御インターフェース640は、サイドポート666に向かって延在するハウジングの一部分644に沿って移動可能なトリガであり得る。一部分644は、トリガがサイドポート666に最も近いときに、トリガが初期、又は完全に延出した位置にあり、トリガが止血弁660の本体に最も近いときに、トリガが最終、すなわち完全に後退された位置にあるように、トリガ640の移動の長さを画定し得る。トリガ640は、トリガ640が操作されていないときに、初期位置に戻るようにばね式とすることができる。
【0042】
統合された吸引制御/止血弁装置は、片手で把持され得、親指が出口係止アクチュエータ670の近くで装置の本体上に位置決めされ、人差し指が、トリガ640上に位置決めされ、残りの指が、ガイドカテーテル602を安定化させるために装置及びガイドカテーテル602上に位置決めされる。トリガは、人差し指を親指に向かって握り込むことによって、初期位置から後退位置に移動され得る。
【0043】
図6B及び図6Cを参照すると、吸引制御デバイス620は、トリガ640と連通している圧縮要素642によって圧縮又は解放されることに応答して寸法範囲にわたって移動可能である開口部626を有する圧縮性チューブ624を含む制御弁622を含み得る。吸引制御デバイス620は、常時閉鎖デバイスであってもよい。
【0044】
図6Bは、初期位置にある制御インターフェース640を例示する。初期位置では、圧縮要素642は、ハウジング644内の開口部646を通って延在して、圧縮性チューブ624に最大圧縮を提供し得る。トリガ640が、より大きい矢印によって示されるように初期位置から移動すると、圧縮要素642は、ハウジング644内の開口部646の縁と係合し、より小さい矢印によって示されるように圧縮性チューブ624から離れるように屈曲し得る。
【0045】
図6Cは、後退位置にある制御インターフェース640を例示しており、圧縮要素642は、トリガがサイドポート666から離れるように握り込まれる結果として、ハウジング644内の開口部646から外に移動するように屈曲されている。圧縮要素642が圧縮性チューブ624から離れるように屈曲すると、圧縮性チューブ624内の開口部626は、制御弁622を通る、より多い流量を可能にするように広がり得る。
【0046】
圧縮要素642は、ばね式であるか、又はばね力を用いてトリガ640に接続され得、それにより、トリガ640が解放されたときに、圧縮要素642が、ばね力の結果として移動して、ハウジング部分644の開口部646内で拡張し、それによって、トリガ640を初期位置(図6Bに例示される)に向かって移動させ、圧縮性チューブ624内の開口部626を狭める。
【0047】
図7Aは、止血弁の出口764に位置決めされ得る例示的な係止アクチュエータ770及び例示的な止血インジケータ772aの例示である。係止アクチュエータ770は、回転親指ホイールを操作するか、又は押しボタンを押すことによって締め付けられ得る。係止アクチュエータ770は、カテーテル、プルワイヤ、又は止血弁の出口764を通って延在する他の細長い部材上に締め付けられ得るガスケット又は他のシールを含み得る。係止アクチュエータ770は、吸引中に空気進入に対して細長い部材を封止しながら、出口764からの細長い部材の後退を可能にし得る。
【0048】
係止アクチュエータ770は、別個の位置に、又は連続した位置にわたって変位可能であり得る。係止アクチュエータ770は、シールの開放、半開放、及び/又は閉鎖状態から移動可能であり得る。係止アクチュエータ770が半開放位置にあるとき、係止アクチュエータ770を通過する内側の細長い部材は、止血弁の入口に係合されたカテーテルの管腔を通って後退又は移動され得、一方で係止アクチュエータ770のガスケットは、真空が吸引中に止血弁のサイドポートに適用されるときに、空気進入を防止するのに十分な封止を提供する。内側の細長い部材の周囲の空気漏れは、吸引の有効性を低下させ、真空注射器内の利用可能な容積を低減し得るが、内側の細長い部材の周囲の緊密過ぎるガスケットシールは、処置中に内側の細長い部材が容易に及び/又は適切に操作されることを阻害し得る。例示的な止血弁の適用の一例では、血栓除去術中、マイクロカテーテル及びステントリーバーは、ガイドカテーテル内に血塊を回収するために後退され得、一方でガイドカテーテルは、係止アクチュエータ770のガスケットを介した空気漏れなしで完全真空化にある。
【0049】
係止アクチュエータは、それが細長い部材に対して正確に封止して、空気進入を防止しながら、止血弁を通じた細長い部材の後退を依然として容易にする位置を容易かつ迅速に選択するために指標付きであり得る。具体的には、血栓除去用途に関して、係止アクチュエータは、細長い部材が0.021”又は0.017”の内径を有するマイクロカテーテルであるときに空気進入を防止するように設定され得る。
【0050】
止血インジケータは、係止アクチュエータが現在どの位置にあるかを示すように移動可能であり得る。インジケータ772aは、シールの状態を表すように符号化される着色部分を有し得る。インジケータ772aは、完全開放封止操作を示す第1の部分、シーツが空気シールを提供して細長い部材の後退を可能にするように操作可能であることを示す第2の部分、及び係止された閉鎖操作を示す第3の部分の3つの部分で着色され得る。インジケータ772aは、止血弁のハウジングの側面上に位置決めされた1つ又は2つ以上の窓から視認可能であり得、インジケータは、異なるパターン及び/又は色の領域の3つの各領域を有するバンドであり得、それにより、窓を通して視認可能な領域は、インジケータ772aが回転すると変化する。あるいは、インジケータ772aは、止血弁のハウジングの両側上に位置決めされた2つの窓から視認可能であってもよく、インジケータ772aは、互いに反対側に位置決めされた同じ着色領域を有する6つの領域を有するバンドであってもよい。
【0051】
図7B図7Iは、図7Aに例示される係止アクチュエータ770を有する止血インジケータ772aの代わりに使用され得る止血インジケータ772b、772c、772d、772eの例示である。図7B図7Iの止血インジケータ772b、772c、772dは、各々、図7Aに関して説明された完全開放、止血後退、及び係止された操作モードを示すために、3つの区別可能にパターン化及び/又は区別可能に着色された部分を有し得、各インジケータ772b、772c、772dは、バンド上に互いに反対側に位置決めされた同じパターン化及び/又は着色領域を有する6つの領域を有するバンドであり得る。図7B及び図7Cに例示されるように、止血インジケータは、暗色部分、ストライプ部分、及び淡色部分を有し得る。図7D及び図7Eに例示されるように、止血インジケータ772cは、暗色部分と、対角線の一方の半分に暗色、対角線の他方の半分に淡色を有する対角に二分された部分と、淡色部分とを有し得る。図7F及び図7Gに例示されるように、止血インジケータ772dは、3つの単色部分を有し得、各部分が異なる単色を有する。図7H及び図7Iに例示されるように、止血インジケータ772eは、3つの領域を有し得、各領域が区別可能な単色を有する。
【0052】
図8A図8Dは、止血弁860と統合された、トリガ制御インターフェース840を有する吸引制御デバイス820を含む、例示的なシステム800の例示である。図8A及び図8Bは、初期位置にある吸引制御デバイスを例示し、図8Bは、吸引制御デバイス820の構成要素の断面図である。図8C及び図8Dは、後退位置にある吸引制御デバイスを例示し、図8Dは、吸引制御デバイス820の構成要素の断面図である。
【0053】
図8A図8Dをまとめて参照すると、統合された吸引制御デバイス820及び止血弁860は、共通ハウジングに統合され得る。統合された装置は、カテーテル802を受容して止血封止するようにサイズ決めされた入口862と、内側の細長い部材808の通過を可能にし、内側の細長い部材808を止血封止するようにサイズ決めされた出口864と、真空システムと接続するように設計されたサイドポート866と、サイドポート866と連通している吸引制御弁822と、吸引される血流を調節するように制御弁822を操作するためのトリガ制御インターフェース840と、出口864に位置決めされ、止血封止を含む係止アクチュエータ870と、出口864での止血封止の状態を示すための止血インジケータ872と、を有し得る。
【0054】
制御弁822は、ガイドカテーテル802の管腔803からサイドポート866まで延在する流路内に位置決めされ得、制御弁822は、流路を通る、吸引される血流量を調節し得る。トリガ制御インターフェース840は、出口係止アクチュエータ870の近くに位置決めされたジョイント850と、サイドポート866に向かって延在するハウジングの一部分844の周囲に位置決めされた溝付きスリーブ854との間を延在し得る。トリガ840は、ジョイント850で屈曲し得、溝付きスリーブ854は、ハウジングの一部分844に沿って摺動し得る。ハウジング部分844は、トリガが図8A及び図8Bに例示されるようにサイドポート866に向かって屈曲されるときに、トリガが初期、又は完全に延出した位置にあり、トリガが図8C及び図8Dに例示されるように止血弁860の本体に向かって屈曲されるときに、トリガが最終、又は完全に後退された位置にあるように、トリガ840の移動の長さを画定し得る。トリガ840は、トリガ840が操作されていないときに、図8A及び図8Bに例示されるように初期位置に戻るようにばね式とすることができる。
【0055】
統合された吸引制御デバイス/止血弁装置は、片手で把持され得、親指が出口係止アクチュエータ870の近くで親指グリップ848上に位置決めされ、人差し指が、トリガ840上に位置決めされ、残りの指が、ガイドカテーテル802を安定化させるために装置及びガイドカテーテル802上に位置決めされる。トリガ840は、人差し指を親指に向かって握り込むことによって、初期位置から最終位置に移動され得る。
【0056】
図8B及び図8Dを参照すると、吸引制御デバイス820は、トリガ840と連通している圧縮要素842によって圧縮又は解放されることに応答して寸法範囲にわたって移動可能である開口部826を有する圧縮性チューブ824を含む制御弁822を含み得る。吸引制御デバイス820は、常時閉鎖デバイスであってもよい。図8Bに例示されるように初期位置では、圧縮要素842は、ハウジング844内の開口部846を通って延在して、圧縮性チューブ824に最大圧縮を提供し得る。矢印によって示されるようにトリガ840が初期位置から移動すると、溝付きスリーブ854は、ハウジング部分844の上を移動し得る。溝付きスリーブ854がサイドポート866から離れるように移動すると、圧縮要素842は、図8Dに例示されるように、溝付きスリーブ854の溝855内に移動し得る。圧縮要素842は、ばね式であってもよく、又は圧縮要素842は、ハウジング844内の開口部846を通って自由に摺動し得、弾性回復が圧縮チューブ824を膨張させて圧縮要素842を押圧する結果として、溝855内に移動される。圧縮要素842が溝855内に移動すると、圧縮チューブ824は、制御弁822を通る、より多い流量を可能にするように膨張し得る。
【0057】
溝855は、溝付きスリーブ854がハウジングの一部分844に沿って移動され、サイドポート866から離れて移動され、図8Bに例示される初期位置から図8Dに例示される後退位置に進行する際、圧縮要素842が、溝付きスリーブ854内に更に漸進的に移動し、圧縮性チューブ824内の開口部826が増大することを可能にし得るように、角度付けされ得る。吸引される血流量は、圧縮性チューブ824内の開口部826のサイズによって制御され得る。したがって、血流量は、トリガ840を初期位置と完全に後退された位置との間の位置に保持することによって、連続した血流量にわたってユーザによって選択され得る。トリガ840は、操作されていないときに初期位置に戻るようにばね式とすることができる。
【0058】
図9A図9Cは、止血弁960と統合された2本指グリップインターフェース940を有する吸引制御デバイス920を含む例示的なシステム900の例示である。図9B及び図9Cは、図9Aに図示される吸引制御デバイス920の構成要素の断面図であり、吸引制御デバイス920は、図9A及び図9Bでは初期位置で例示されており、吸引制御デバイス920は、図9Cでは後退位置で例示されている。
【0059】
図9A図9Cをまとめて参照すると、吸引制御デバイス920及び止血弁960は、共通ハウジングに統合され得る。統合された装置は、カテーテル902を受容して止血封止するようにサイズ決めされた入口962と、内側の細長い部材908の通過を可能にし、内側の細長い部材908を止血封止するようにサイズ決めされた出口964と、真空システムと接続するように設計されたサイドポート966と、サイドポート966と連通している吸引制御弁922と、吸引される血流を調節するように制御弁922を操作するための2本指グリップインターフェース940と、出口964に位置決めされ、止血封止を有する係止アクチュエータ970と、出口964での止血封止の状態を示すための止血インジケータ972と、を有し得る。
【0060】
制御弁922は、ガイドカテーテル902の管腔903からサイドポート966まで延在する流路内に位置決めされ得、制御弁922は、流路を通る、吸引される血流量を調節し得る。制御インターフェース940は、サイドポート966の近くに、統合された装置のハウジングの一部分944を取り囲む溝付きスリーブ954を有し得る。溝付きスリーブ954は、ハウジングの一部分944に沿って摺動し得る。ハウジング部分944は、トリガがサイドポート966に最も近く位置決めされたときに、トリガが初期、又は完全に延出した位置にあり、トリガが止血弁960の本体に最も近いときに、トリガ940が最終、又は完全に後退された位置にあるように、トリガ940の移動の長さを画定し得る。トリガ940は、トリガ940が操作されていないときに、初期位置に戻るようにばね式とすることができる。トリガ940は、溝付きスリーブ954のいずれかの側から延在する2つのアームを有し得る。
【0061】
統合された吸引制御/止血弁装置は、片手で把持され得、親指が出口係止アクチュエータ970の近くで親指グリップ948上に位置決めされ、人差し指が、2本指トリガ940の1つのアーム上に位置決めされ、中指が、2本指トリガ940の別のアーム上に位置決めされ、残りの指が、ガイドカテーテル902を安定化させるために装置及びガイドカテーテル902上に位置決めされる。トリガ940は、人差し指及び中指を親指に向かって握り込むことによって、初期位置から最終位置に移動され得る。
【0062】
図9B及び図9Cを参照すると、吸引制御デバイス920は、圧縮要素942によって圧縮又は解放されることに応答して寸法範囲にわたって移動可能である開口部926を有する圧縮性チューブ924を含む制御弁922を含み得る。圧縮要素942は、溝付きスリーブ954によってトリガ940と連通し得る。吸引制御デバイス920は、常時閉鎖デバイスであってもよい。図9Bに例示されるように初期位置では、圧縮要素942は、ハウジング944内の開口部946を通って延在して、圧縮性チューブ924に最大圧縮を提供し得る。図9Cに矢印によって示されるようにトリガ940が初期位置から移動すると、溝付きスリーブ954は、ハウジングの一部分944の上、かつサイドポート966から離れて移動し得る。溝付きスリーブ954がサイドポート966から離れるように移動すると、圧縮要素942は、溝付きスリーブ954の溝955内に移動し得る。
【0063】
圧縮要素942は、ばね式であってもよく、又は圧縮要素942は、ハウジング944内の開口部946を通って自由に摺動し得、弾性回復が圧縮チューブ924を膨張させて圧縮要素942を押圧する結果として、溝955内に移動される。圧縮要素942が溝955内に移動すると、圧縮チューブ924は、制御弁922を通る、より多い流量を可能にするように膨張し得る。溝955は、溝付きスリーブ954が矢印によって示されるようにハウジングの一部分944に沿って、サイドポート966から離れて移動される際、圧縮要素942が、溝付きスリーブ954内に更に漸進的に移動し、圧縮性チューブ924内の開口部926が増大することを可能にし得るように、角度付けされ得る。吸引される血流量は、圧縮性チューブ924内の開口部926のサイズによって制御され得る。したがって、血流量は、トリガ940を初期位置と完全に後退された位置との間の位置に保持することによって、連続した血流量にわたってユーザによって選択され得る。トリガ940は、操作されていないときに初期位置に戻るようにばね式とすることができる。
【0064】
図10A図10Cは、止血弁1060に統合されたレバーインターフェース1040を有する吸引制御デバイス1020を含む例示的なシステム1000の例示であり、図10Aは、初期位置にあるレバーインターフェース1040を例示し、図10Bは、後退位置にあるレバーインターフェース1040を例示し、図10Cは、図10Bの破断図を例示する。図10A図10Cをまとめて参照すると、吸引制御デバイス1020及び止血弁1060は、共通ハウジングに統合され得る。統合された装置は、カテーテル1002を受容して止血封止するようにサイズ決めされた入口1062と、内側の細長い部材1008の通過を可能にし、内側の細長い部材1008を止血封止するようにサイズ決めされた出口1064と、真空システムと接続するように設計されたサイドポート1066と、サイドポート1066と連通している吸引制御弁1022と、吸引される血流を調節するように制御弁1022を操作するための回転レバーインターフェース1040と、出口1064に位置決めされ、止血封止を有する係止アクチュエータ1070と、出口1064での止血封止の状態を示すための止血インジケータ1072と、を有し得る。
【0065】
制御弁1022は、統合された装置のハウジング内の屈曲ジョイント1050を通って延在するように位置決めされた可撓性チューブ1024を含み得る。屈曲ジョイント1050は、止血弁1060の本体とサイドポート1066との間に位置決めされ得る。ハウジングは、ジョイント1050で屈曲されて、可撓性チューブ1024を屈曲させ得る。可撓性チューブ1024が屈曲すると、チューブ1024内の開口部1026は、サイズ変更され得る。
【0066】
制御弁1022は、ガイドカテーテル1002の管腔1003からサイドポート1066まで延在する流路内に位置決めされ得、制御弁1022は、流路を通る、吸引される血流量を調節し得る。吸引制御デバイス1020のレバー1040の部分は、図10Aに例示される初期、又は完全に延出した位置から、図10Bに例示される完全に後退された位置までジョイント1050で屈曲され得る。吸引制御デバイス1020は、トリガ1040が操作されていないときにレバー1040を初期位置に戻すように位置決めされた、ばね1032を含み得る。
【0067】
統合された吸引制御デバイス/止血弁装置は、片手で把持され得、親指が出口係止アクチュエータ1070の近くで親指グリップ1048上に位置決めされ、人差し指が、レバー1040上に位置決めされ、残りの指が、ガイドカテーテル1002を安定化させるために装置及びガイドカテーテル1002上に位置決めされる。レバー1040は、人差し指を親指に向かって握り込むことによって、初期位置から最終位置に移動され得る。
【0068】
図10A及び10Cを参照すると、可撓性チューブ1024は、レバー1040が移動されるときに屈曲される可撓性チューブ1024に応答して、寸法範囲にわたって移動可能である開口部1026を有し得る。吸引制御デバイス1020は、常時開放デバイスであってもよい。初期位置では、可撓性チューブ1024は、図10Aに例示されるように実質的に直線状であり得る。開口部1026は、可撓性チューブ1024が実質的に幅狭であり、かつレバーが初期位置1040にあるときに、その最大寸法の最も広い開口部であり得る。そのように構成されることによって、初期位置では、吸引制御デバイス1020は、最大血流を可能にし得る。レバー1040が図10Aに矢印によって示される方向に初期位置から移動されると、可撓性チューブ1024の屈曲は、図10Cに例示されるように開口部1026を収縮させ、それによって血流を制限し得る。したがって、血流量は、レバー1040を初期位置と完全に後退された位置との間の位置に保持することによって、連続した血流量にわたってユーザによって選択され得る。レバー1040が解放されると、レバー1040は、ばね1032によって初期位置に戻り得る。
【0069】
図11A図11Fは、止血弁1160と統合された親指トリガ1140を有する吸引制御デバイス1120を含む例示的なシステム1100、1100aの例示である。図11A及び図11Bは、自由に摺動する親指トリガ1140を有するシステムを例示し、一方で図11C図11Fは、1つ又は2つ以上の所定の位置にラチェット係合され、かつラチェットが解放されるまで定位置に保持され得る、親指トリガ1140aを有するシステムを例示する。図11A図11C、及び図11Dは、初期位置にある各それぞれの例示的なシステム1100、1100aの親指トリガ1140、1140aを例示し、図11B図11E、及び図11Fは、圧縮位置にある各それぞれの例示的なシステム1100、1100aの親指トリガ1140、1140aを例示する。図11Dは、図11Cのように位置決めされた圧縮要素1142及び制御弁1122を例示する破断図である。図11Fは、図11Eのように位置決めされた圧縮要素1142及び制御弁1122を例示する破断図である。図11A図11Fをまとめて参照すると、各それぞれの統合された吸引制御デバイス1120、1120a及び止血弁1160は、共通ハウジングに統合され得る。各統合された装置は、カテーテル1102を受容して止血封止するようにサイズ決めされた入口1162と、内側の細長い部材1108の通過を可能にし、内側の細長い部材1108を止血封止するようにサイズ決めされた出口1164と、真空システムと接続するように設計されたサイドポート1166と、サイドポート1166と連通している吸引制御弁1122と、吸引される血流を調節するように制御弁1122を操作するための制御インターフェース1140、1140aと、出口1164に位置決めされた係止アクチュエータ1170と、を有し得る。
【0070】
例示的なシステム1100、1100aに共通の特徴に加えて、図11A及び図11Bに例示される例示的なシステム1100はまた、制御弁1122を通る血流量を示すための吸引血流量インジケータ1152と、出口1164での止血封止の状態を示すための止血インジケータ1172と、を含み、図11C及び図11Fに例示される例示的なシステム1100aは、親指トリガ114を後退位置に保持するために使用され得るラチェット解放レバー1143及びラチェットインターフェース1153と、第2のサイドポート1168と、を含む。
【0071】
図11A及び図11Bに例示される例示的なシステム1100を参照すると、親指トリガ1140は、図11Aに例示される初期位置から、図11Bに例示される圧縮構成に移動し得る。親指トリガ1140は、トリガ1140が操作されていないときに、初期位置に戻るようにばね式であり得る。図11C及び図11Dに例示される例示的なシステム1100aを参照すると、親指トリガ1140aは、図11Cに例示される初期位置から、図11Dに例示される圧縮構成に移動し得る。親指トリガ1140aは、ばね1132による、ばね式であり得る。親指トリガ1140aは、それが完全に又は部分的に後退された位置で保持するようにラチェット係合され得る。ユーザは、図11Dに矢印によって示されるように親指トリガ1140aを更に後退させるために親指トリガ1140aを押すことができ、ユーザは、図11Cに矢印によって示されるようにラチェット解放レバー1143を押すことによって親指トリガ1140aを初期位置に戻し、それによってラチェットインターフェース1153を解放し、ばね1132が親指トリガ1140aを戻すことを可能にすることができる。
【0072】
いずれの例示的システム1100、1100aでも、統合された吸引制御/止血弁装置は、親指トリガ1140、1140a上に位置決めされた親指と、統合された装置及びガイドカテーテル1102のハウジング上に位置決めされた他の指とによって片手で把持されて、装置及びガイドカテーテル1102を安定化させ、親指トリガ1140、1140aを圧縮するためのてこを提供し得る。人差し指は、サイドポート1166の近くに位置決めされ得、小指は、ガイドカテーテル1102上に位置決めされ得る。親指トリガ1140、1140aは、図11B又は図11Dに矢印によって示されるように親指を他の指に向かって握り込むことによって、図11A又は図11Cに例示される初期位置から図11B又は図11Dに例示される圧縮位置まで移動され得る。
【0073】
図11A図11Fをまとめて参照すると、いずれのシステム1100、1100aでも、制御弁1122は、ガイドカテーテル1102の管腔1103からサイドポート1166まで延在する流路内に位置決めされ得、制御弁1022は、流路を通る、吸引される血流量を調節し得る。制御弁1122は、止血弁160の入口1162の近くからサイドポート1166の近くまでの間を延在する装置のハウジングの一部分1144を通って延在するように位置決めされた圧縮性チューブ1124を含み得る。ハウジング1144の一部分は、圧縮要素1142が圧縮性チューブ1124を圧縮するために通過し得る開口部1146を有し得る。圧縮要素1142は、親指トリガが圧縮されると、圧縮要素1142が開口部1146内に移動し、圧縮性チューブ1124を押圧し、圧縮性チューブ1124を圧縮するように、親指トリガ1140、1140aに接続され得る。圧縮性チューブ1124が圧縮されると、チューブ1124内の開口部1126は、制御弁1122を通る血流量を低減するために狭められ得る。開口部1126は、圧縮要素1142によって圧縮又は解放されることに応答して、寸法範囲の間で移動され得る。
【0074】
図11A図11Fをまとめて参照すると、いずれのシステム1100、1100aでも、吸引制御デバイス1120は、常時開放デバイスであり得る。初期位置では、圧縮要素1142は、ハウジング部分1144内の開口部1146の外側に位置決めされ得、圧縮性チューブ1124は、非圧縮であり得る。初期位置では、圧縮性チューブ1124内の開口部1126は、最大血流量を可能にするようにサイズ決めされた広い開口部を有する最大寸法を有し得る。親指トリガ1140は、図11A又は図11Cに例示される初期位置から図11B又は図11Dに示される矢印の方向に移動され、圧縮要素1142は、圧縮性チューブ1124を保持するハウジングの一部分1144内の開口部1146を通過し、圧縮性チューブ1124と係合し得る。圧縮要素1142が圧縮性チューブ1124に対して押圧されると、圧縮性チューブ1124内の開口部1126は、圧潰されて、制御弁1122を通る血流を制限し得る。圧縮要素が圧縮性管材1124を解放するか、又は初期位置に向かって移動すると、圧縮性チューブ1124内の開口部1126は、開口したチューブを押圧するチューブ内の弾性回復及び/又は圧縮性チューブ1124の材料の弾性特性の結果として広がり得る。
【0075】
図11A及び図11Bに例示されるシステム1100を参照すると、親指トリガ1140及び圧縮要素1142は、単独成形された構成要素1156に統合され得、構成要素1156は、統合された吸引制御デバイス及び止血弁の共通ハウジングに取り付けられ得る。圧縮要素1142は、親指トリガ1140に対して固定され得、これは、医師が親指トリガ1140を係合させるときに、圧縮要素1142が親指トリガ1140と同じ距離を通って並進されることを意味する。構成要素1156は、ハウジングの第2の部分1158を通過し得る。第2の部分1158は、装置全体に対して構成要素1156を安定化させるようにサイズ決めされ得る。
【0076】
図11C図11Fに例示されるシステム1100aを参照すると、親指トリガ1140a、ラチェット解放レバー1143、ラチェットインターフェース1153の一部を形成するノッチ、及び圧縮要素1142は、単独成形された構成要素1156aに統合され得、構成要素1156aは、統合された吸引制御デバイス及び止血弁の共通ハウジングに取り付けられ得る。図11A及び図11Bと同様、システム1100aの圧縮要素1142は、親指トリガ1140aに対して固定され得、これは、圧縮要素1142が親指トリガ1140aと同じ距離を通って並進されることを意味する。構成要素1156aは、ハウジングの第2の部分1158aを取り囲み得る。第2の部分1158aは、装置全体に対して構成要素1156aを安定化させるようにサイズ決めされ得る。
【0077】
システム1100及び1100aは、多くの点で同様の設計を有するが、各設計の使用は、著しく異なり得る。図11A及び図11Bに例示されるシステム1100について、ユーザは、親指トリガ1140の位置を制御し、それによって、親指トリガを握り込んで保持することによって吸引制御デバイス1120を通る流量を制御し得る。図11A及び図11Bに例示されるシステム1100を用いて流量を選択するために、ユーザは、親指トリガ1140aに力を加えなければならない(弁開口部1126が完全に開放しているときの最大流量を除いて)。図11C図11Fに例示されるシステム1100aについては、ユーザは、親指トリガ1140aを押圧することによって、又はラチェット解放レバー1143を押圧することによってのいずれかで流量を制御することができる。ユーザが、図11C図11Fに例示されるシステム1100aで流量を選択すると、ユーザは、ユーザが流量を調整することを望むまでトリガ1140a及びレバー1143を解放することができる。トリガ1140aの位置は、ラチェットインターフェース1153によって維持され得、ユーザは、トリガ1140aの位置を維持するためにいかなる力も加える必要がない。
【0078】
図12は、止血弁1260に統合された、サイドグリップインターフェース1240を有する吸引制御デバイス1220を含む、例示的なシステム1200の例示である。サイドグリップインターフェース1240は、吸引制御デバイス1220を通る吸引された血液の流量を変化させるように圧縮可能なボタンを含み得る。カテーテル1202は、止血弁1260の入口1262によって受容され得、吸引制御デバイス1220は、カテーテル1202から、止血弁1260のサイドポート1266までの流路内に位置決めされ得る。サイドポート1266は、真空ポンプ又は注射器などの真空システムに接続されるようにサイズ決めされ得る。吸引制御デバイス1220は、サイドグリップ1240を押圧することによって調整され得る開口部を有する内部弁を有し得る。吸引制御デバイス1220は、医師が、サイドグリップ1240を用いて流路を通る流量を調整しながら、同時に、ガイドカテーテル1202を安定化させ、かつ止血弁1260の出口1264から、プルワイヤ又は他の内側の細長い部材を抜き取ることができるように位置決めされ得る。
【0079】
サイドグリップ1240は、最大及び最小血流量間で切り替わる二値スイッチとして圧縮され得る。あるいは、サイドグリップ1240は、連続した流量でクリックされ得、各クリックは、漸進的により多い又は少ない流量を選択し、流量を開始流量に戻すリセットクリックで終了する。あるいは、サイドグリップ1240は、サイドグリップに加えられた力に応答して、連続した流量にわたって流量を調整し得、流量は、力に正比例又は反比例し得る。いずれかの構成でも、吸引制御デバイス1220は、常時開放又は常時閉鎖デバイスとすることができる。
【0080】
図13A図13Eは、吸引制御デバイスを通る血流を示すために使用され得る血流インジケータの例示である。図13A図13Eに例示される血流インジケータは、吸引制御デバイスの制御弁を含む流路内に配置され得る。本明細書に開示されるいくつかの特定の例示的な吸引制御デバイス120、420、1120は、血流インジケータ152、452、1152(図1図4図11A及び図11B参照)を含み、これらの血流インジケータ152、452、1152は、図13A図13Eに例示されるように、又は同様の機能を有する他の設計のように設計され得る。本明細書に開示される他の例もまた、図13A図13Eに例示される、又は同様の機能を有する他の設計などの、血流インジケータを含み得ることが企図される。
【0081】
血流の視覚的指標は、流路内の血液が医師又はユーザによって確認され得るように、血液流路に沿って透明な材料を提供することによって達成され得ることが企図される。図13Aは、流路内に位置決めされ、透明な材料によって収容され得る、ピンホイール流量インジケータを例示する。医師が流路内の血液の存在を確認することに加えて、ピンホイールが、血液流路に沿った透明な材料を通して視認可能であり得る。ピンホイールは、血流量が増加するにつれてより速くスピンし得、医師は、ピンホイールのスピン速度による血流量の視覚的指標を提供され得る。あるいは、血液は、ピンホイールの少なくとも一部分が視認可能であり、その一部分が血流量の視覚的指標として移動する限り、視認可能である必要はない。
【0082】
図13B及び図13Cは、流路内に位置決めされ、透明な材料によって収容され得る、回転フランジ付きバレル流量インジケータを例示する。流量インジケータのフランジの先端は、血液流路に沿った透明な材料を通して視認可能であり得る。バレルは、血流量が増加するにつれてより速く回転し得、医師は、フランジ先端の速度による血流量の視覚的指標を提供され得る。あるいは、血液は、流量インジケータの少なくとも一部分が視認可能であり、それが血流量の視覚的指標として移動する限り、視認可能である必要はない。
【0083】
図13D及び図13Eは、バンドの内周から中心ノードまで延在する角度付きブレードを有する回転ストライプ付きバンドを例示する。ブレードは、血液流路に沿って位置決めされ得、血液が角度付きブレードの上を流れると、インジケータは、血流量によって決定されるスピン速度で周方向に回転し得る。バンドのストライプ付き外周は、医師によって視認可能であり得、バンドのスピン速度は、流量の視覚的指標を提供し得る。バンドは、透明ハウジング内に位置決めされることによって、又は不透明ハウジングの開口部を通して視認可能であるように位置決めされることによって、視認可能とされ得る。
【0084】
図14Aは、押しボタンインターフェース1440によって制御される吸引制御デバイス1420を含む例示的なシステム1400の例示であり、吸引制御デバイス1420は、共通ハウジング内の止血弁1460と統合されている。図14B図14Dは、吸引制御デバイス1420の様々な態様及び構成の例示である。
【0085】
押しボタンインターフェース1440は、吸引制御デバイス1420を通る吸引された血液の流量を変化させるように圧縮可能なボタンを含み得る。カテーテル1402は、止血弁1460の入口1462によって受容され得、吸引制御デバイス1420は、カテーテル1402から、止血弁1460のサイドポート1466までの流路内に位置決めされ得る。サイドポート1466は、真空ポンプ又は注射器などの真空システムに接続されるようにサイズ決めされ得る。吸引制御デバイス1420は、サイドグリップ1440を押圧することによって調整され得る内部弁を有し得る。押しボタンインターフェース1420は、医師が、押しボタン1440を用いて流路を通る流量を調整しながら、同時に、ガイドカテーテル1402を安定化させ、かつ止血弁1460の出口1464から、プルワイヤ又は他の内側の細長い部材を抜き取ることができるように位置決めされ得る。
【0086】
図14Bに例示されるように、吸引制御デバイス1420は、圧縮性チューブ1424、ハウジング1444、ボタン1440、及びばね1432を含み得る。圧縮性チューブ1424は、ボタン1440を押圧するために加えられる力に応答して、連続した寸法にわたってサイズ変更され得る開口部1426を有する弁1422として作用し得る。ハウジング1444は、圧縮性チューブ1424を収容し得る。ボタン1440は、ハウジング1444の開口部1446内に装着され得、1つ又は2つ以上のばね1432によってハウジング1444に取り付けられ得る。吸引制御デバイス1420は、常時開放デバイスであり得、図14Bは、初期の開放位置にある吸引制御デバイス1420を例示し得る。初期位置では、圧縮性チューブ1424は、最大血流を可能にするように開放される開口部1426を有し得る。ボタン1440は、圧縮性チューブ1424を圧縮するために押圧され得る。吸引制御デバイス1420は、ボタン1440が押圧されたときに、圧縮性チューブ1424を押圧して、開口部1426をサイズ変更するように位置決めされた圧縮要素1442を含み得る。ばね1432は、ボタン1440が操作されていないときに吸引制御デバイス1420を初期位置に戻すためのばね力を提供し得る。常時開放構成に関して、流量は、ボタンに加えられる力に反比例し得る。
【0087】
図14Cは、図14Bに関連して説明された吸引制御デバイス1420のばね1432の構成の変形例を例示する。
【0088】
図14Dに例示されるように、吸引制御デバイス1420は、常時閉鎖デバイスであり得る。1つ又は2つ以上のばね1432は、押しボタン1440が操作されていないときに圧縮性チューブ1424を圧縮するためのばね力を提供するように位置決めされ得る。ボタン1440に加えられた力は、圧縮要素1442を移動させて、圧縮性チューブ1424内の開口部1426が広がることを可能にして、血流量を増加させ得る。常時閉鎖構成に関して、流量は、ボタン1440に加えられる力に正比例し得る。
【0089】
図15は、止血弁1560と統合された吸引制御デバイス1520を含む例示的なシステム1500の例示である。統合された吸引制御デバイス1520及び止血弁1560は、共通ハウジングに統合され得る。統合された装置は、カテーテル1502を受容して止血封止するようにサイズ決めされた入口1562と、内側の細長い部材の通過を可能にし、内側の細長い部材を止血封止するようにサイズ決めされた出口1564と、真空システムと接続するように設計されたサイドポート1566と、サイドポート1566と連通している吸引制御弁と、吸引される血流を調節するように制御弁を操作するためのスイッチインターフェース1540と、を有し得る。制御弁は、カテーテル1502の管腔からサイドポート1566まで延在する流路内に位置決めされ得、制御弁は、流路を通る、吸引される血流量を調節し得る。スイッチインターフェース1540は、装置のハウジングに接続されたジョイント1550を中心に回転可能なレバーを含み得る。制御弁は、スイッチインターフェース1540のレバーがジョイント1550を中心に回転するにつれてサイズ変更される開口部を有し得、それによって、吸引される血流量を調節する。スイッチインターフェース1540のレバーは、操作されていないときにデフォルト位置に戻るようにばね式とすることができる。あるいは、スイッチインターフェース1540は、操作されていないときに、直近に移動された位置を維持してもよい。
【0090】
図16は、単一の真空源を有する2つの止血弁1660、1680で2つのカテーテル1602、1604を通る吸引を調節するように構成された2つの吸引制御デバイス1620、1621を含む例示的なシステム1600の例示である。システム1600は、単一の真空源から2つのカテーテル1602、1604に同時に吸引力を提供し得る。吸引制御デバイス1620、1621は、カテーテル1602、1604の各々に提供される同時の吸引力が他方と異なるように、制御を提供し得る。
【0091】
システム1600は、ガイドカテーテル1602を受容して止血封止するようにサイズ決めされた入口1662と、中間カテーテル1604の通過を可能にして中間カテーテル1604を止血封止するサイズの出口1664と、第1のサイドポート1666と、第2のサイドポート1668と、を有する第1の止血弁1660を含み得る。システムは、ガイドカテーテル1602の管腔から第1の止血弁1660の第1のサイドポート1666までの流路を通る血流を調節するように位置決めされた第1の吸引制御デバイス1620を含み得る。第1の吸引制御デバイス1620は、第1の止血弁1660と共に共通ハウジングに統合され得る。第1のサイドポート1666は、真空源に接続され得る。第2のサイドポート1668は、チューブ1616に接続され得る。第1の止血弁1660は、中間カテーテル1604を係合及び封止するための出口係止アクチュエータ1670を含み得る。
【0092】
システム1600は、中間カテーテル1604を受容し、かつ中間カテーテル1604を止血封止するように位置決めされた入口1682と、血栓除去デバイスのプルワイヤ又はシャフトなどの内側の細長い部材1608の通過を可能にし、かつ内側の細長い部材1608を止血封止するようにサイズ決めされた出口1684と、第3のサイドポート1686と、を有する、第2の止血弁1680を含み得る。システムは、中間カテーテル1604の管腔から第3のサイドポート1686までの流路を通る血流を調節するように位置決めされた第2の吸引制御デバイス1621を含み得る。第2の吸引制御デバイス1621は、第3のサイドポート1686に接続可能な独立型構成要素であり得る。あるいは、第2の吸引制御デバイス1621は、第2の止血弁1680と統合されてもよい。第3のサイドポート1686は、第2の吸引制御デバイス1621に接続されるようにサイズ決めされ得、第2の吸引制御デバイス1621は、チューブ1616に接続され得る。
【0093】
システム1600は、各カテーテル1602、1604に同時に吸引力を提供するための2つの流路を含み得る。2つの流路は、第1の吸引制御デバイス1620の制御弁内で合流し、第1の止血弁1660の第1のサイドポート1666で接続された真空源から真空圧を受容し得る。第1の流路は、ガイドカテーテル1602の管腔から第1の止血弁1660の第1のサイドポート1666まで延在し得る。第2の流路は、中間カテーテル1604の管腔から、第2の止血弁1680のサイドポート1686(第3のサイドポート)を通って、第2の吸引制御デバイス1621の第2の制御弁を通って、チューブ1616を通って、第1の止血弁1660の第2のサイドポート1668を通って、第1の吸引制御デバイス1620の制御弁を通って、第1の止血弁1660の第1のサイドポート1666まで延在し得る。第1及び第2の流路が第1の吸引制御デバイス1620の第1の制御弁内で合流するため、制御弁は、第1の流路を通る第1の吸引される血流量、及び第2の流路を通る第2の吸引される血流量を調節し得る。第2の吸引制御デバイス1621は、各流路に適用される真空圧が異なるように、第1の流路と比較して第2の流路内の吸引力を低減するように操作され得る。
【0094】
この設定は、中間カテーテル1604がガイドカテーテル又はシース1602と共に使用されるとき、血栓除去術で特に有利であり得る。吸引制御1621を有する第2の止血弁1660は、中間カテーテル1604に接続され得、延長チューブ1616が、ガイドカテーテル又はシース1602に接続された第1の止血弁1660に吸引流を接続し得る。吸引制御弁1666に接続された単一の真空源は、吸引制御弁が後退される際に、ガイドカテーテル1602及び中間カテーテル1604を通る逆流を容易にし得、中間カテーテル1604の先端がガイドカテーテル1602の先端に入る際に血塊塞栓を防止するために特に有益である。これはまた、ステントリーバーが中間カテーテル1604及びガイドカテーテル1602と共に使用される場合、特に、ステントリーバーが中間カテーテル1604内に部分的に回収され、ステントリーバー及び中間カテーテル1604が、EPIC技術中などに単一のユニットとして回収されるときに、非常に有益であり得る。これを容易にするために、真空延長チューブ1616は、中間カテーテルよりも長い長さを有し得、取り扱いを容易にするためにコイル状又は延伸可能であり得る。いくつかの血栓除去術では、第1の止血弁1660は、標準的な止血弁であってもよく、追加の吸引制御1620を含む必要はない。
【0095】
第1の吸引制御デバイス1620及び第2の吸引デバイス1621は、本明細書に開示される例及び原理に従って設計され得、図16に例示されるように特別に設計される必要はない。
【0096】
図17は、電気アクチュエータを含む吸引制御デバイス1720を含む例示的なシステム1700の例示である。例示されるように、吸引制御デバイス1720は、止血弁1760に統合され得る。統合された吸引制御デバイス1720及び止血弁1760は、共通ハウジングに統合され得る。統合された装置は、カテーテル1702を受容して止血封止するようにサイズ決めされた入口1762と、内側の細長い部材1708の通過を可能にし、内側の細長い部材1708を止血封止するようにサイズ決めされた出口1764と、真空システムと接続するように設計されたサイドポート1766と、サイドポート1766と連通している吸引制御弁と、吸引される血流を調節するように制御弁を操作するための制御インターフェース1740と、を有し得る。制御弁は、カテーテル1702の管腔からサイドポート1766まで延在する流路内に位置決めされ得、制御弁は、流路を通る、吸引される血流量を調節し得る。例示されていないが、図1に例示されるような外部吸引制御デバイス120が、電気的インターフェースを含み得ることが企図される。
【0097】
制御弁は、モータなどの電気的に作動される機構に応じてサイズ決めされる開口部を有し得る。電気アクチュエータは、医師がインターフェース1740を介して選択することができる、一式の流量及び/又は弁開口部位置の所定の順序を有するようにプログラムされ得る。電気アクチュエータが作動されると、制御弁の開口部は、選択されたプログラムに基づいてサイズ決めされ得る。
【0098】
いくつかの例では、プログラムは、特定の波形又は流れパターンを含み得る。いくつかの用途では、カテーテルが血塊を完全に吸引できる可能性を増加させるために、又は血塊が高いフィブリン含有量を有して完全に吸引することができない場合、真空度を脈動又は変化させることが有利であり得、脈動する真空は、カテーテルが血塊上の改善された把持を得ることを可能にし得る。これは、吸引制御弁が、バルーンガイドカテーテル、ガイドシース、血栓除去術に使用される中間又は他のカテーテルと共に使用されるときに有益であり得る。
【0099】
制御インターフェース1740は、電気アクチュエータのプログラムを選択し、電気アクチュエータを作動させてプログラムを実行するための機構を含み得る。インターフェース1740は、機械的に制御された吸引制御弁に関連して説明されたような、スライダ、押しボタン、スイッチ、ホイール、トリガ、グリップ、レバー、回転弁、ハンドル、及び/又は他の機構などの、電気アクチュエータを作動させるために医師によって操作され得る機械的入力を含む。追加的に、又は代替的に、インターフェース1740は、タッチスクリーン、タッチパッド、複数の押しボタン、テキスト及び/若しくはビデオディスプレイ、又は他のタイプの電気デバイスユーザインターフェースを含んでもよい。
【0100】
図18図20は、血栓除去術中の吸引を制御するための方法の工程を各々含むフロー図である。図21は、血塊回収処置のための方法の工程を含むフロー図である。方法の工程は、本明細書に説明される例示的なシステム、デバイス、及び/又は装置のいずれかによって、又は当業者に既知である手段によって実施され得る。1つ又は2つ以上の方法1800、1900、2000、2100からの方法の工程は、組み合わせられてもよい。
【0101】
図18に概説される方法1800を参照すると、工程1808では、遠位ポート及びサイドポートを有する止血弁が提供され得る。工程1816では、制御弁及び制御インターフェースを有する吸引制御デバイスが提供され得る。工程1824では、吸引制御デバイスがサイドポートに近接して位置決めされ得る。工程1832では、止血弁及び制御弁が共通ハウジング内に配設され得る。工程1840では、カテーテルが提供され得る。工程1848では、カテーテルが止血弁の遠位ポート内に位置決めされ得る。工程1856では、真空源が提供され得る。工程1864では、真空源がサイドポートに取り付けられ得る。工程1872では、カテーテルの管腔からサイドポートまで延在する流路が提供され得る。工程1880では、制御インターフェースが流路を通る流量を制御するように操作され得る。工程1888では、カテーテルが安定化され得、制御インターフェースが片手で同時に操作され得る。
【0102】
図19に概説される方法1900を参照すると、工程1910では、吸引制御デバイスの制御弁が流路内に位置決めされ得る。工程1920では、開口部を有する可撓性チューブが流路内に位置決めされ得る。工程1930では、開口部を有するハウジングが提供され得る。工程1940では、可撓性チューブがハウジング内に位置決めされ得る。工程1950では、制御インターフェースと連通する圧縮要素が提供され得る。工程1960では、圧縮要素が可撓性チューブと係合するように位置決めされ得る。工程1970では、圧縮要素がハウジング内の開口部内に位置決めされ得る。工程1980では、圧縮要素が、制御インターフェースを操作することによって可撓性チューブの開口部をサイズ変更するように移動され得る。
【0103】
図20に概説される方法2000を参照すると、工程2010では、制御インターフェースが、制御インターフェースに力を加えることによって初期位置から移動され得る。工程2020では、制御インターフェースが解放され得る。工程2030では、制御インターフェースが初期位置に戻され得る。
【0104】
図21に概説される方法2100を参照すると、工程のいくつか又は全ては、本明細書に例示される例示的なシステム100、200、300、400、500、600、800、900、1000、1100、1100a、1200、1400、1500、1600、1700、その変形、並びにバルーンガイドカテーテル、マイクロカテーテル、及び神経血管系から血塊を除去する血塊回収デバイスと共に同等の機能を有するシステムを使用して医師によって実施され得る。
【0105】
工程2102では、バルーンガイドカテーテルが患者内に位置決めされ得る。バルーンガイドカテーテルは、例えば、患者内にガイドワイヤを最初に位置決めすることと、適宜ガイドワイヤ及び拡張器又はアクセスカテーテルを介して患者内にバルーンガイドカテーテルを押すことと、ガイドワイヤ及びアクセスカテーテルを除去することと、によって、既知の処置を通して位置決めされ得る。バルーンガイドカテーテルは、その遠位端の近くに、近位の血流を阻止するために血栓除去中に膨張され得る、膨張可能なバルーンを有し得る。バルーンガイドカテーテルは、必要に応じて1つ又は2つ以上のカテーテル及び/又は他のデバイスを受容するための管腔を有し得る。バルーンガイドカテーテルの遠位端は、内頸動脈又は血塊の近位側で血塊の近くに位置決めされ得る。
【0106】
工程2104では、バルーンガイドカテーテルが止血弁の入口に取り付けられ得る。止血弁は、本明細書に説明及び例示される例示的な止血弁、その変形、又は同等の機能を有する止血弁のうちの1つであり得る。
【0107】
工程2106では、マイクロカテーテル及び血塊回収器デバイスが処置のために位置決めされ得る。マイクロカテーテルは、マイクロカテーテルの遠位部分が血塊を通過し、マイクロカテーテルの長さの大部分がバルーンガイドカテーテルを通過し、マイクロカテーテルが止血弁の入口を通過し、マイクロカテーテルの近位端が止血弁内に位置決めされるように、位置決めされ得る。マイクロカテーテルが位置決めされている間、止血弁の入口にある弁は、完全に開放され得る。血塊回収デバイスは、マイクロカテーテルが標準的な介入技術を使用して血塊にわたって位置決めされた後、マイクロカテーテルを通して導入され得る。血塊内で広がるように構成されている血塊回収器の一部分は、血塊内に位置決めされたマイクロカテーテルの一部分内に位置決めされ得る。止血弁の入口の弁は、血塊回収デバイスがマイクロカテーテル内に供給されている間、マイクロカテーテルに係止され得る。
【0108】
工程2108では、血塊回収器が展開され得る。血塊回収器を展開するために、マイクロカテーテルは、マイクロカテーテルの遠位端が血塊の近位側にある間、血塊回収器が血塊内のその位置を維持するように、後退され得る。このようにして、血塊回収器は、外被が外され得、外被が外されると、血塊内で広がり得る。マイクロカテーテルが後退されている間、止血弁の入口の弁は、失血を最小限に抑えるためにマイクロカテーテルの周囲の中間位置に係止され得る。
【0109】
工程2110では、止血弁のサイドポートで吸引制御弁が閉鎖され得る。吸引制御弁は、止血弁に統合され得るか、又は本明細書の例に説明及び例示されるサイドポート、その変形、又は同等の機能を有する吸引制御弁に取り付けられ得る。
【0110】
工程2112では、真空がサイドポートに生成され得る。真空は、真空ポンプ又は他の手段を接続することによって、サイドポートにルアーロック注射器を取り付け、そのプランジャを後退させることによって生成され得る。閉鎖された吸引制御弁は、サイドポートを通る流れを防止し得る。
【0111】
いくつかの処置では、工程2102、2104、2106、又は2108のうちのいずれかの前又は工程2108の後に、工程2110及び工程2112に説明されるように吸引制御弁を閉鎖し、真空を生成することが有利であり得る。医師は、自身の選好に基づいてシステムをより容易に取り扱う順番を選択することができる。いずれの場合も、吸引制御弁は、好ましくは、早期吸引を防止するために、サイドポートに真空が適用される前に閉鎖される。
【0112】
工程2114では、吸引制御弁が低流量位置に開放され得る。吸引制御弁は、本明細書の例に説明及び例示される制御インターフェース、アクチュエータ、トリガ、スライダ、レバー、又は他のインターフェース、それらの変形、及び同等の機能を有する吸引制御弁を操作することによって開放され得る。吸引弁が開放される前に、バルーンガイドカテーテル上のバルーンが膨張されて、患者の血管内の血流を閉塞し得る。
【0113】
吸引制御弁が開放されているとき、血液は、患者の血管内からバルーンガイドカテーテル内に流れることができ、カテーテル内に血栓を自由に引き込むことができる。代替的に、又は追加的に、バルーンガイドカテーテルは、工程2116で血栓を完全に除去及び回収するために、血塊回収デバイスの有効性を改善する逆血流を提供するために血管を閉塞するように構成され得る。
【0114】
工程2118では、血塊回収デバイスが部分的に後退された後(例えば、内頸動脈終端を過ぎて)、吸引制御デバイスは、注射器、ポンプ、又は他の真空源内への中程度の流量まで流量を増加させるように操作され得る。
【0115】
工程2021では、血塊回収デバイスが更に後退された後(例えば、血塊回収デバイスが、バルーンガイドカテーテルの遠位端の近くにあるとき)、吸引制御デバイスは、高流量を可能にするように操作され得る。
【0116】
工程2122では、吸引制御デバイスが最高流量を可能にするように設定されている間、血塊回収デバイスは、バルーンガイドカテーテル内に後退され得る。工程2118~2122では、マイクロカテーテルは、血塊回収デバイスと一緒に後退され得る。
【0117】
中間カテーテル又は遠位アクセスカテーテルが、追加の血塊回収デバイスを使用せずに血塊を吸引するために使用される処置、例えば、直接吸引第1パス技術(A Direct Aspiration First Pass Technique、ADAPT)では、本明細書に説明される例示的な弁システムが、真空ポンプ又は注射器を介してカテーテルに適用される真空を制御又は調節するために使用され得る。吸引制御弁は、医師に、カテーテルの制御を維持しながら、かつポンプの設定を変更するために患者の側から離れることなく、人間工学に基づいた簡単な手段で吸引流量の制御を与えるために使用され得る。
【0118】
本明細書に含まれる記述は、本発明の実施形態の例であり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。本明細書に説明されるように、本発明は、吸引制御デバイスを別の他の処置デバイスと統合することと、吸引制御デバイスを別の従来型の処置デバイスに取り付けることと、1つ又は2つ以上の流路を通る流量を制御するために1つ又は2つ以上の吸引制御デバイスを利用することと、制御弁の様々な構成を使用することと、制御インターフェースの様々な構成を使用することと、説明される機能を達成するために構成要素の様々な組み合わせを利用することと、説明される機能を達成するために代替材料を利用することと、様々な例からの構成要素を組み合わせることと、様々な例からの構成要素を既知の構成要素と組み合わせることと、などを含む、血流を吸引するためのシステム及びデバイスの多くの変形及び変更を企図する。本発明は、既知の制御弁、制御インターフェース、インジケータなどを含む既知の構成要素部品による本明細書に例示される構成要素部品の置換を企図する。これらの変更は、本発明が関連する当業者には明らかであり、以下の特許請求の範囲内であることが意図される。
【0119】
〔実施の態様〕
(1) システムであって、
カテーテルを受容する入口を含む止血弁と、
前記止血弁と連通している制御弁であって、前記制御弁が、前記カテーテルからの吸引される血液の流れを第1の流量に制限するようにサイズ決めされた第1の寸法と、前記カテーテルからの前記吸引される血液の流れを第2の流量に制限するようにサイズ決めされた第2の寸法との間で移動可能な開口部を含む、制御弁と、
前記制御弁と連通している制御インターフェースであって、前記制御インターフェースが、前記第1の寸法から前記第2の寸法に前記制御弁の前記開口部を移動させるように移動可能である、制御インターフェースと、を備える、システム。
(2) 止血弁がサイドポートを更に備え、前記制御弁が、前記サイドポートに近接して配設されている、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記制御弁が、前記吸引される血液の流れのための流路を提供するように位置決めされており、前記流路が、前記カテーテルから、前記制御弁を通って、前記サイドポートまで延在している、実施態様2に記載のシステム。
(4) 前記制御弁、前記制御インターフェース、及び前記止血弁が、共通ハウジングに固定されている、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記制御インターフェースは、ユーザが、片手で前記カテーテルを安定化させながら、前記片手で前記第1の流量又は前記第2の流量のうちの一方を選択することを可能にするように位置決めされている、実施態様1に記載のシステム。
【0120】
(6) 前記制御インターフェースが、前記制御インターフェースに加えられた力に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の流量又は前記第2の流量のうちの少なくとも一方を選択するように移動可能である、実施態様1に記載のシステム。
(7) 前記開口部は、前記吸引される血液の流れが前記第1の流量と前記第2の流量との間の連続した流量にわたって制御可能であるように、前記第1の寸法と前記第2の寸法との間の連続した寸法にわたって移動可能である、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記止血弁が、
前記カテーテルの管腔内に配設された内側の細長い部材を通過させるようにサイズ決めされた出口と、
前記出口に近接して配設されたシールと、
第1の位置では前記シールを開放し、第2の位置では前記シールを半開放し、第3の位置では前記シールを閉鎖するように変位可能な係止アクチュエータと、
前記係止アクチュエータの前記位置の視覚的指標を提供するように移動可能な止血インジケータと、を更に備える、実施態様1に記載のシステム。
(9) 前記止血インジケータが、前記係止アクチュエータの所定の半開放位置に対応する指標付きインジケータを備え、
前記所定の半開放位置では、前記係止アクチュエータは、約0.432mm~0.533mm(約0.017インチ~0.021インチ)の内径を含む前記内側の細長い部材が、前記係止アクチュエータを通って摺動可能に並進することを可能にするようにサイズ決めされており、
前記所定の半開放位置では、前記係止アクチュエータは、前記内側の細長い部材の周囲から前記止血弁内への空気進入を阻止するようにサイズ決めされている、実施態様8に記載のシステム。
(10) 装置であって、
カテーテルを受容するようにサイズ決めされた遠位ポートと、
内側の細長い部材の通過を可能にするようにサイズ決めされた近位ポートであって、前記内側の細長い部材が、前記カテーテルの管腔内に配設されている、近位ポートと、
第1のサイドポートと、
前記カテーテルの前記管腔から前記第1のサイドポートまで延在する第1の流路と、
前記カテーテルの前記管腔及び前記第1のサイドポートと連通している制御弁であって、前記制御弁が、前記第1の流路を通る血流を制御するように移動可能である、制御弁と、
前記制御弁と連通している制御インターフェースであって、前記制御インターフェースが、少なくとも2つの位置を含み、前記少なくとも2つの位置が、前記第1の流路を通る前記血流の少なくとも2つの流量に対応する、制御インターフェースと、を備える、装置。
【0121】
(11) 前記制御インターフェースは、ユーザが片手で前記カテーテルを安定化させながら、前記少なくとも2つの位置のうちの1つを前記片手で同時に選択することを可能にするように位置決めされた摺動ボタンを含む、実施態様10に記載の装置。
(12) 前記制御インターフェースが押しボタンを含み、前記押しボタンは、前記押しボタンに加えられた力の結果として前記少なくとも2つの位置の間で移動可能であり、前記押しボタンは、ユーザが片手で前記カテーテルを安定化させながら、前記少なくとも2つの位置のうちの1つを前記片手で同時に選択することを可能にするように位置決めされている、実施態様10に記載の装置。
(13) 第2のサイドポートと、
前記第2のサイドポートから前記第1のサイドポートまで延在する第2の流路と、を更に備え、
前記制御弁が、前記第2のサイドポート及び前記第1のサイドポートと連通しており、
前記制御弁が、前記第2の流路を通る前記血流を制御するように移動可能である、実施態様10に記載の装置。
(14) 血流を吸引するための方法であって、
遠位ポート及びサイドポートを備える止血弁を提供することと、
制御弁及び制御インターフェースを備える吸引制御デバイスを提供することと、
前記吸引制御デバイスを前記サイドポートに近接して位置決めすることと、
カテーテルを提供することと、
前記カテーテルを前記止血弁の前記遠位ポート内に位置決めすることと、
真空源を提供することと、
前記カテーテルの管腔から前記サイドポートまでの流路を提供することと、
前記吸引制御デバイスの前記制御弁を前記流路内に位置決めすることと、
前記真空源を用いて前記流路に真空を提供することと、
前記制御インターフェースを操作して、前記流路を通る流量を制御することと、を含む、方法。
(15) 前記カテーテルを第1の手で安定化させながら、前記制御インターフェースを片手で同時に操作することを更に含む、実施態様14に記載の方法。
【0122】
(16) 前記止血弁及び前記吸引制御デバイスを共通ハウジング内に配設することを更に含む、実施態様14に記載の方法。
(17) 可撓性チューブを前記流路内に位置決めすることであって、前記可撓性チューブは、開口部を含む、位置決めすることと、
前記制御インターフェースと連通する圧縮要素を提供することと、
前記可撓性チューブと係合するように前記圧縮要素を位置決めすることと、
前記制御インターフェースを操作することによって、前記圧縮要素を移動させて、前記可撓性チューブの前記開口部をサイズ変更することと、を更に含む、実施態様14に記載の方法。
(18) 開口部を含むハウジングを提供することと、
前記可撓性チューブを前記ハウジング内に位置決めすることと、
前記圧縮要素を前記ハウジング内の前記開口部内に位置決めすることと、を更に含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記制御インターフェースを操作して、前記流路を通る流量を制御することが、
前記制御インターフェースに力を加えることによって、前記制御インターフェースを初期位置から移動させることを含む、実施態様14に記載の方法。
(20) 前記制御インターフェースを解放することと、
前記制御インターフェースを前記初期位置に戻すことと、を更に含む、実施態様19に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14A
図14B
図14C
図14D
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【外国語明細書】