IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社コーセーの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013701
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】水性組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/44 20060101AFI20250117BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20250117BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20250117BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20250117BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20250117BHJP
   A61K 8/87 20060101ALI20250117BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/49
A61K8/67
A61K8/73
A61K8/86
A61K8/87
A61Q19/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024198639
(22)【出願日】2024-11-13
(62)【分割の表示】P 2022512642の分割
【原出願日】2021-03-31
(31)【優先権主張番号】P 2020062576
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100174001
【弁理士】
【氏名又は名称】結城 仁美
(72)【発明者】
【氏名】佐藤(早▲瀬▼) はるな
(57)【要約】
【課題】凝集抑制効果に優れる組成物を提供する。
【解決手段】(A)(a1)ナイアシンアミド及び(a2)トラネキサム酸又はその誘導体から選ばれる1種又は2種以上の有効成分、(B)セルロース系水溶性多糖類及びアルギン酸又はその塩から選ばれる1種又は2種以上の水溶性多糖類、(C)疎水変性ポリエーテルウレタン0.5質量%以下を含有する水性組成物である。かかる水性組成物において、油剤の含有量は水性組成物中に3質量%以下である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(C);
(A)(a1)ナイアシンアミド及び(a2)トラネキサム酸(又はその誘導体)から選ばれる1種又は2種以上の有効成分
(B)水溶性多糖類
(C)疎水変性ポリエーテルウレタン 0.5質量%以下
を含有する水性組成物であって、
前記成分(B)がセルロース系水溶性多糖類及びアルギン酸又はその塩から選ばれる1種又は2種以上の水溶性多糖類であり、
前記水性組成物における油剤の含有量は前記水性組成物中に3質量%以下である、
水性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚は、加齢やストレスなどの内的要因や、紫外線や空気の乾燥などの外的要因により、シワやたるみ、しみやそばかすといった色素沈着等を生じる。中でもシワ、たるみなどの形態的変化や、色素沈着などの視覚的変化は、外観の印象を大きく左右するため、改善を望む人が多く、様々な製品が提供されている。それらシワ、たるみ、色素沈着を予防・改善するために多くの有効成分が提案されている。その中でも、シワ、たるみの有効成分であるナイアシンアミドは、安全性が高く、皮膚老化防止効果を有することが知られている。また、色素沈着を改善又は抑制する美白剤としては、トラネキサム酸を用いることが提案されている。
【0003】
しかしながら、ナイアシンアミドやトラネキサム酸は、結晶性が非常に高く、化粧料、皮膚外用剤等の製剤や組成物に配合した際の結晶析出が問題となる。
これに対し、シロキクラゲ多糖体、コンドロイチン硫酸ナトリウムおよびプロテオグリカンからなる群から選ばれる1種または2種以上の水溶性多糖類、多価アルコール及び1価の低級アルコールを配合することによって、ナイアシンアミドの結晶析出を抑制する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、及びアルギン酸塩より選択される2種以上の水溶性高分子を配合することによって、トラネキサム酸の結晶析出を抑制する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-131547号公報
【特許文献2】特開2018-177763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、ナイアシンアミドと水溶性多糖類との組合せによる凝集物の発生に関して言及されていなかった。
また、特許文献2の技術においても、トラネキサム酸と水溶性多糖類との組合せによる凝集物の発生に関して言及されていなかった。
前述したように、ナイアシンアミド及び/又はトラネキサム酸と水溶性多糖類を組み合わせることによる、凝集物の発生や経時での凝集物の増加に関しては考慮されていなかった。
【0006】
そこで本発明は、ナイアシンアミド及びトラネキサム酸又はその誘導体から選ばれる1種又は2種以上の有効成分及び水溶性多糖類を含有する水性組成物において、疎水性ポリエーテルウレタンを共に用いることで、ナイアシンアミド及び/又はトラネキサム酸と水溶性多糖類による凝集が緩和され、凝集抑制効果に優れる組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる実情に鑑み、本発明者は鋭意検討した結果、ナイアシンアミド及びトラネキサム酸又はその誘導体から選ばれる1種又は2種以上の有効成分、水溶性多糖類及び疎水性ポリエーテルウレタンを用いた水性組成物において、上記の課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、ナイアシンアミド及びトラネキサム酸又はその誘導体から選ばれる1種又は2種以上の有効成分と水溶性多糖類を組み合わせることによる凝集物の発生及び経時での凝集物の増加を抑制するため、次の成分(A)~(C)を含有することを特徴とする水性組成物である。
[1]
次の成分(A)~(C);
(A)(a1)ナイアシンアミド及び(a2)トラネキサム酸又はその誘導体から選ばれる1種又は2種以上の有効成分
(B)水溶性多糖類
(C)疎水変性ポリエーテルウレタン
を含有する水性組成物である。
[2]
前記(A)成分の含有量が前記水性組成物中に1~10質量%である、[1]に記載の水性組成物である。
[3]
前記(B)成分が、セルロース系水溶性多糖類及びアルギン酸又はその塩から選ばれる1種又は2種以上の水溶性多糖類である、[1]又は[2]に記載の水性組成物である。
[4]
前記(A)成分として、(a1)ナイアシンアミド及び(a2)トラネキサム酸又はその誘導体を2種併用する、[1]~[3]のいずれか一つに記載の水性組成物である。
[5]
前記成分(A)~(C)の含有質量比[(A)+(B)]/(C)が1を超え、110以下である、[1]~[4]のいずれか一つに記載の水性組成物である。
[6]
[1]~[5]のいずれか一つに記載の水性組成物を含む、皮膚外用剤又は化粧料である。
[7]
[1]~[5]のいずれか一つに記載の水性組成物を含む、凝集抑制剤である。
[8]
前記(C)成分を用いて、前記(A)成分と前記(B)成分との混合物における凝集物の発生を抑制する方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の水性組成物は、ナイアシンアミド及びトラネキサム酸又はその誘導体から選択される有効成分と水溶性多糖類による凝集物の発生を抑制することができる。さらに、本発明の水性組成物は、塗布時のまろやかさ及びべたつきのなさに優れ、良好な使用感を与えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。本明細書において、範囲を示す「X~Y」は、XおよびYを含み、「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(25℃)/相対湿度40%RHの条件で行う。
【0011】
(成分(A):(a1)ナイアシンアミド及び(a2)トラネキサム酸又はその誘導体から選ばれる1種又は2種以上の有効成分)
【0012】
本発明に用いられる成分(a1)ナイアシンアミドは、ニコチン酸(ビタミンB3/ナイアシン)のアミド化合物である。ナイアシンアミドは水溶性ビタミンで、ビタミンB群の一つである公知の物質であり、天然物(米ぬかなど)から抽出されたり、あるいは公知の方法によって合成することができる。具体的には、第17改正日本薬局方に収載されているものを用いることが出来る。
【0013】
本発明に用いられる成分(a2)トラネキサム酸は、トランス-4-(アミノメチル)シクロヘキサン-1-カルボン酸、で示されるアミノ酸の一種であり、前述のように皮膚に対し美白効果や抗炎症効果を有する成分として知られているほか、止血剤としても用いられることがある。本発明では、トラネキサム酸に代えて、又は、これとともに、トラネキサム酸の誘導体を使用することが可能である。トラネキサム酸の誘導体には、トラネキサム酸の二量体(例えば、塩酸トランス-4-(トランスアミノメチルシクロへキサンカルボニル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸)、トラネキサム酸とハイドロキノンのエステル体(例えば、トランス-4-アミノメチルシクロへキサンカルボン酸4’-ヒドロキシフェニルエステル)、トラネキサム酸とゲンチシン酸のエステル体(例えば、2-(トランス-4-アミノメチルシクロへキサンカルボニルオキシ)-5-ヒドロキシ安息香酸およびその塩)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トランス-4-アミノメチルシクロへキサンカルボン酸メチルアミドおよびその塩、トランス-4-(P-メトキシビンゾイル)アミノメチルシクロへキサンカルボン酸およびその塩、トランス-4-グアニジノアミノメチルシクロへキサンカルボン酸およびその塩)、トラネキサム酸のアルキルエステルおよびその塩が含まれる。具体的には、トラネキサム酸ラウリルエステル、トラネキサム酸ミリスチルエステル、トラネキサム酸セチルエステル及びトラネキサム酸ステアリルエステル等が挙げられる。また、誘導体としては塩の形態をとることも可能であり、種類としては塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩、臭素酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩;シュウ酸塩、乳酸塩、クエン酸塩などの有機酸塩;炭酸塩などが挙げられる。本発明においては、色素沈着を改善又は抑制する美白剤として、トラネキサム酸が好ましい。これらのうち1種又は2種以上を使用することができる。
【0014】
本発明における成分(A)の含有量は、特に限定されるものではないが、有効成分の作用及びべたつきのなさ等の観点から、水性組成物中に1質量%(以下、単に「質量%」を「%」と略す)以上であることが好ましく、2%以上であることがより好ましく、5%以上であることがさらにより好ましい。また、成分(A)の含有量は、塗布時のべたつき等の使用感の関連から、10%以下であることが好ましく、8%以下であることがより好ましく、7%以下であることがさらにより好ましい。
【0015】
本発明において、(a1)ナイアシンアミドと(a2)トラネキサム酸又はその誘導体は、1種又は2種以上を選択することができるが、有効成分としての作用等に優れるという観点から、2種併用することがより好ましい。成分(a1)及び(a2)を2種併用する場合、それぞれの含有量において、好ましい範囲が存在する。本発明において、成分(a1)ナイアシンアミドの含有量は、水性組成物中に1%以上であることが好ましく、2%以上であることがより好ましく、3%以上であることがさらにより好ましい。また、10%未満が好ましく、7%以下であることがより好ましく、べたつきのなさ等の使用感の観点から、5%以下であることがさらにより好ましい。また、成分(a2)トラネキサム酸の含有量は、水性組成物中に1%以上であることが好ましく、1.5%以上であることがより好ましく、2%以上であることがさらにより好ましい。また、10%未満であることが好ましく、4%以下であることがより好ましく、べたつきのなさ等の使用感の観点から、3%以下であることがさらにより好ましい。
【0016】
(成分(B):水溶性多糖類)
水溶性多糖類は、化粧料、医薬部外品、医薬品等に通常用いられるものであれば、特に限定されないが、水で膨潤させることで、弾力のあるゲルを形成する多糖類が好ましい。例えば、寒天、カラギーナン、ペクチン、ジェランガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、キサンタンガム、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒアルロン酸、アルギン酸等やそれらの塩類を例示することができる。なお、これら水溶性多糖類は、単独又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明において、水溶性多糖類として、ジェランガム、キサンタンガム等の微生物由来の多糖類を用いるよりも、ペクチン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、セルロース等の植物由来の多糖類、寒天、カラギーナン、アルギン酸等の海藻由来の多糖類、又は合成の多糖類を用いた方が、凝集抑制効果が得られやすい場合がある。また、特に、水溶性多糖類のうち、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸等のムコ多糖類、ジェランガム、キサンタンガム等の微生物由来の増粘多糖類、並びにジェランガム、キサンタンガム等の構造単位中に2個のグルコース及び1個のグルクロン酸を含む多糖類は、成分(A)との組合せにおける凝集物の発生の程度が低いことから、相対的に凝集抑制効果が得られにくい可能性がある。なお、本発明においてムコ多糖類は、ウロン酸とアミノ糖との二糖単位の繰り返し構造を有する直鎖状の多糖を指す。
【0017】
本発明において、成分(B)は、塗布時のまろやかさ及びべたつきのなさ等の使用感の観点から、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース系水溶性多糖類、及びアルギン酸又はその塩が好ましく、その中でも、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースがより好ましく、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースがさらにより好ましい。
【0018】
前記セルロース系水溶性多糖類としては、例えば、CMCダイセル(ダイセル化学社製)、メトローズ90SH-15000(信越化学社製)等が市販されている。アルギン酸又はその塩としては、例えば、スノーアルギンM(富士化学工業社製)等が市販されている。
【0019】
本発明に用いられる成分(B)の含有量は、塗布時のまろやかさ等の使用感の観点から、水性組成物中に0.1%以上であることが好ましく、0.2%以上であることがより好ましく、0.25%以上であることがさらにより好ましい。また、べたつきのなさ等の使用感の観点から、1%以下であることが好ましく、0.7%以下であることがより好ましく、0.5%以下であることがさらにより好ましい。
【0020】
(成分(C):疎水変性ポリエーテルウレタン)
疎水変性ポリエーテルウレタンは、親水基部を骨格とし、末端に疎水性部分をもつ両親媒性コポリマーであり、水性媒体中でコポリマーの疎水性部分同士が会合し増粘作用を示す会合性増粘剤である。成分(a)は下記一般式(1)で表わされる。
─{(O─R─OCONH─R[─NHCOO─(R─O)─R・・・(1)
【0021】
上記式(1)中、R、RおよびRは、互いに同一でも異なっても良い炭化水素基を表し、Rはウレタン結合を有していても良い炭化水素基を表し、Rは直鎖、分岐鎖または2級の炭化水素基を表し、mは2以上の数であり、hは1以上の数であり、kおよびnは独立に0~1000の範囲の数である。R、RおよびRの炭素数は2~4、Rの炭素数は1~30、Rの炭素数は8~36であることが好適である。またmは好ましくは2、hは好ましくは1であり、kは1~500が好ましく、100~300がより好ましい。またnは1~200が好ましく、10~100がより好ましい。
【0022】
上記一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンは、例えばR-[(O-R-OH]で表される1種または2種以上のポリエーテルポリオールと、R-(NCO)h+1で表される1種または2種以上のポリイソシアネートと、HO-(R-O)-Rで表される1種または2種以上のポリエーテルモノアルコールとを反応させることにより得ることができる。
【0023】
この場合、一般式(1)中のR~Rは、用いるR-[(O-R-OH]、R-(NCO)h+1、HO-(R-O)-Rにより決定される。3者の仕込み比は、特に限定されないが、ポリエーテルポリオールおよびポリエーテルモノアルコール由来の水酸基と、ポリイソシアネート由来のイソシアネート基の比が、NCO/OH=0.8:1~1.4:1であることが好ましい。
【0024】
その中でも、本発明においては、成分(A)と成分(B)による凝集の抑制効果の観点から、ポリエチレングリコールの両末端をデシルテトラデシルアルコールで修飾した構造を有し、平均重量分子量が約5万程度(GPC法)のものが好ましい。このような疎水変性ポリエーテルウレタンの市販品として、例えば、PEG-240/デシルテトラデセス-20/ヘキサメチレンジイソシアネートコポリマーである「アデカノールGT-700」(ADEKA(株)製)等が挙げられる。
【0025】
本発明に用いられる成分(C)の含有量は、塗布時のまろやかさがありつつも凝集抑制効果が担保されるという観点から、水性組成物中に0.1%以上であることが好ましく、く、0.2%以上であることがより好ましく、0.5%以上がさらにより好ましい。また、成分(C)の含有量としては、塗布時のまろやかさ、べたつきのなさ等の使用性及び凝集抑制効果に優れるという観点から、2%以下であることが好ましく、1.5%以下であることがより好ましく、1%以上であることがさらにより好ましい。
【0026】
成分(A)~(C)の含有質量比[(A)+(B)]/(C)は、特に制限されるものではないが、1を越え、3以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましく、10以上であることがさらにより好ましく、凝集抑制効果等の観点から、12以上、15以上であることが特に好ましい。また、含有質量比[(A)+(B)]/(C)は、凝集抑制効果を担保しつつ、べたつきのなさ及び塗布時のまろやかさが好適に発揮されやすいことから、110以下であることが好ましく、80以下であることがより好ましく、50以下であることがさらにより好ましく、35以下、24以下であることが特に好ましい。
【0027】
本発明の水性組成物の25℃における粘度は、特に制限されるものではないが、塗布時のまろやかさや凝集抑制効果等の観点から、50mPa・s以上であることが好ましく、100mPa・s以上であることがより好ましい。さらに、塗布時のまろやかさやべたつきのなさ等の使用感、及び凝集抑制効果の観点から、20,000mPa・s以下であることが好ましく、10,000mPa・s以下であることがより好ましく、5,000mPa・s以下であることがさらにより好ましい。ここで、本発明における粘度は、25℃の恒温槽に24時間放置したものを、単一円筒回転式粘度計(芝浦システム社製)を用いて、ローターを1分間に60回転の速さで1分間回転させた際の測定値を読み取り、それぞれの乗数を乗じた値を意味する。
【0028】
本発明の水性組成物には、上記成分の他に、本発明の効果を妨げない範囲で通常の化粧料等に含有される任意成分、すなわち、水、油剤、粉体、成分(B)以外の水溶性高分子、皮膜形成剤、界面活性剤、低級アルコール、多価アルコール、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、樹脂、着色剤、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、香料、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、ビタミン、アミノ酸、美容成分等を含有することができる。なお、本発明の水性組成物においては、凝集抑制効果がより好適に発揮されることから、組成物中の水性成分の割合が90%以上のものが好適である。
【0029】
ここで、水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、ソルビトール、マルチトール、グルコースなどの糖アルコール類、エタノール等の低級アルコール類、ポリオキシアルキレングリセリンエーテル、ポリオキシアルキレンジグリセリンエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド等の保湿成分等が挙げられる。水としては、化粧料等に一般に用いられるものであれば、特に制限されないが、例えば、精製水、温泉水、イオン交換水、深層水、水道水、或いは植物の水蒸気蒸留水等が挙げられ、必要に応じて1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
【0030】
油剤は、化粧料等に一般に用いられるものであれば、特に制限されないが、例えば、高級アルコール、炭化水素油、エステル油、ワックス類、シリコーン油等が挙げられる。本発明においては、本発明における油剤の含有量は、特に限定されないが、水性成分中に3%以下が好ましく、1%以下がより好ましい。この範囲であると、塗布時のまろやかさ及びべたつきのなさ等に優れる水性組成物が得られる。
【0031】
また、本発明の第一実施形態の水性組成物は、最終形態の化粧料又は皮膚外用剤としてそのまま用いてもよいし、当該水性組成物を他の成分として混合して化粧料又は皮膚外用剤としてもよい。すなわち、第二実施形態は、第一実施形態の水性組成物を含む、化粧料又は皮膚外用剤である。第二実施形態の化粧料又は皮膚外用剤は、水性組成物の効果である、塗布時のまろやかさやべたつきのなさ、凝集抑制効果といった効果が発揮されやすい。
【0032】
本発明の水性組成物を配合した化粧料又は皮膚外用剤の剤型としては、特に限定されるものではないが、水性、可溶化型、水中油型、水中油中水型、多層型等が挙げられ、水性、可溶化型及び水中油型であることが好適である。
【0033】
また、本発明の水性組成物を配合した化粧料又は皮膚外用剤の性状としては、液状、ジェル状、クリーム状、ムース状等の種々の形態にて実施することが可能であり、中でも液状とすることが本発明の効果を得る上で好ましい。ここで、液状とは、25℃で流動性を有する状態であることを意味する。具体的には、25℃において、ブルックフィールド型回転粘度計を用いて測定された粘度が、20,000mPa・s以下、好ましくは10,000mPa・s以下、より好ましくは5,000mPa・s以下であることを指す。
【0034】
本発明の水性組成物は、化粧料の用途として利用することが可能である。例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液、マッサージ化粧料、パック化粧料、ハンドクリーム、ボディローション、ボディクリーム、メーキャップ化粧料、化粧用下地化粧料、目元用クリーム、日焼け止め、ヘアクリーム、ヘアワックス等として好適であり、効果を実感できるという点では、スキンケア化粧料が好ましく、その使用方法は、手や指、コットンで使用する方法、不織布等に含浸させて使用する方法、直接噴霧して使用する方法等が挙げられる。
【0035】
また、本発明の水性組成物は、皮膚外用剤の用途としても利用することが可能である。例えば、外用液剤、外用ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、リニメント剤、ローション剤、ハップ剤、硬膏剤、噴霧剤、エアゾール剤等が挙げられる。またその使用方法は、前記した化粧料と同様に挙げることができる。
【0036】
本発明の水性組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、常法により調製される。例えば、上記成分(A)~(C)及び必要に応じて上記任意成分を水に溶解又は分散させ、水系組成物又は水中油型エマルションにすることにより製造することができ、例えば、ホモミキサーや高圧乳化機を用いて製造することができる。
【0037】
本発明は、成分(C)を用いて、成分(A)と成分(B)との混合物における凝集物の発生を抑制する方法として構成することもできる。
ここで、本発明の方法では、成分(A)~(C)が共存した状態で混合する手順、成分(A)と成分(B)との混合物に成分(C)を添加する手順、及び成分(C)に成分(A)と成分(B)との混合物を添加する手順、並びに成分(C)と成分(A)及び成分(B)のうち一方とを混合し、次いで成分(A)及び成分(B)のうちの残りの他方を添加する手順等、いずれの方法でも実施することが可能である。本発明においては、凝集物の発生を抑制する意味で、成分(A)と成分(B)との混合物に成分(C)を添加する手順や成分(C)に成分(A)と成分(B)との混合物を添加する手順、成分(C)と成分(B)とを混合し、次いで成分(A)を添加する手順を用いることが好ましい。
また、本発明の方法は、具体的には、成分(B)の全部、成分(C)の全部、任意成分の全部又は一部を70~80℃で均一に溶解混合し、30~40℃まで冷却して、第一の混合物を調製し、また別途、成分(A)の全部のみ、又は成分(A)の全部と任意成分の残部とを、室温(25℃)で均一に溶解混合して、第二の混合物を調製し、その後、第二の混合物に第一の混合物を室温(25℃)で添加して混合することによって実施してよい。
【実施例0038】
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行われる。
実施例1~19及び比較例1~5:水性組成物(美容液)
表1~3に示す水性組成物を調製し、塗布時のまろやかさ、べたつきのなさ、凝集抑制効果について下記の方法により評価した。結果も併せて表1~3に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】

(注1)アデカノールGT-700(ADEKA社製)
(注2)CMCダイセル1170(ダイセル化学社製)
(注3)メトローズ90SH-15000(信越化学社製)
(注4)スノーアルギンM(富士化学工業社製)
【0042】
(製造方法)
A.成分(3)~(7)及び(8)の一部を70℃で均一に溶解混合し、40℃まで冷却する。
B.成分(1)、(2)、(8)~(11)を室温で均一に溶解混合する。
C.BにAを添加混合し、水性組成物を得た。
【0043】
(評価方法1)イ:塗布時のまろやかさ
塗布時のまろやかさについては、化粧品評価専門パネル20名による使用テストを行い、各試料1.5gを顔全体に塗布してもらい、パネル各人がサンプルをなじませる際のまろやかさに関して、下記絶対評価にて5段階に評価し評点をつけ、各試料のパネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記3段階判定基準により判定した。○以上であれば、実用上許容できる。
絶対評価基準
(評点):(評価)
5:非常に感じる
4:やや感じる
3:普通
2:あまり感じない
1:感じない
3段階判定基準
(判定):(評点の平均点)
◎ :4点以上 :非常に良好
○ :3点以上4点未満:良好
△ :3点未満 :不良
【0044】
(評価方法2)ロ:べたつきのなさ
べたつきのなさについては、化粧品評価専門パネル20名による使用テストを行い、各試料1.5gを顔全体になじませた後、パネル各人が直後のべたつきに関して、下記絶対評価にて5段階に評価し評点をつけ、各試料のパネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。〇以上であれば、実用上許容できる。
絶対評価基準
(評点):(評価)
5:べたつきを感じない
4:べたつきをあまり感じない
3:普通
2:べたつきをやや感じる
1:べたつきを非常に感じる
4段階判定基準
(判定):(評点の平均点)
◎ :4点以上 :非常に良好
○ :3点以上4点未満:良好
△ :2点以上3点未満:やや不良
× :2点未満 :不良
【0045】
(評価方法3)ハ:凝集抑制効果
凝集抑制効果については、各試料を40mL容量の透明ガラス容器にそれぞれ封入し、50℃の恒温槽にそれぞれ2週間保存した後、目視観察により、以下の評価基準に従って3段階に判定を行った。〇以上であれば、実用上許容できる。
3段階判定基準
(判定):(評価)
◎:まったく凝集物がみられない
○:一部に、凝集物がみられる、又は凝集物が増加していない
×:全体に、凝集物がみられる、又は凝集物が増加している
【0046】
表1~3の結果から明らかな如く、本発明の実施例1~19の水性組成物は、比較例1~5の水性組成物に比べ、塗布時のまろやかさ、べたつきのなさ、凝集抑制効果にも優れたものであった。
【0047】
これに対して、成分(A)又は成分(B)を含有しない比較例1及び2では、凝集物は認められなかった。また、成分(C)を含有しない比較例3~5においては、成分(A)と成分(B)による凝集物が認められ、さらにべたつきのなさも満足のいくものが得られなかった。
【0048】
実施例20:化粧水
(成分) (質量%)
(1)ナイアシンアミド(成分(a1)) 4
(2)トラネキサム酸(成分(a2)) 3
(3)リン酸一水素ナトリウム 0.02
(4)リン酸二水素ナトリウム 0.02
(5)ピロ亜硫酸ナトリウム 0.003
(6)精製水 20
(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(8)エデト酸二ナトリウム 0.05
(9)香料 0.2
(10)エタノール 10
(11)フェノキシエタノール 0.2
(12)イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
注5 0.1
(13)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラ
デシルエーテル 注6 0.1
(14)1,3-ブチレングリコール 10
(15)グリセリン 5
(16)ジプロピレングリコール 5
(17)ジグリセリン 0.5
(18)精製水 残量
(19)(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)
コポリマー(成分(C)) 注1 0.5
(20)カルボキシメチルセルロースナトリウム(成分(B))
注2 0.5
(注5)EMALEX RWIS-150(日本エマルジョン社製)
(注6)NILLOL PEN-4620(日本サーファクタント工業社製)
【0049】
(製造方法)
A:成分(1)~(8)を室温で均一に溶解混合する。
B:成分(9)~(13)を室温で均一に溶解混合する。
C:成分(14)~(20)を70℃で均一に溶解混合する。
D:40℃まで冷却したCにAを添加混合する。
E:DにBを添加混合することで化粧水を得た
以上のように得られた実施例20の化粧水は、塗布時のまろやかさ、べたつきのなさ、凝集抑制効果の全てにおいて優れるものであった。
なお、成分(A)~(C)含有質量比[(A)+(B)]/(C)は、15であった。
【0050】
実施例21:水中油型乳液
(成分) (質量%)
(1)1,3-ブチレングリコール 5
(2)グリセリン 5
(3)精製水 残量
(4)モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40E.O.)
0.5
(5)セスキオレイン酸ソルビタン 0.1
(6)水素添加大豆リン脂質 注7 0.2
(7)コレステロール 注8 0.1
(8)トリ(カプリル酸/カプリル酸)グリセリル 1
(9)α-オレフィンオリゴマー 1
(10)マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 注9 0.5
(11)ワセリン 0.5
(12)ジメチルポリシロキサン(10CS) 0.5
(13)セトステアリルアルコール 1
(14)ベヘニルアルコール 0.5
(15)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(16)カルボキシビニルポリマー 0.2
(17)(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)
コポリマー(成分(C)) 注1 0.2
(18)ヒドロキシプロピルメチルセルロース(成分(B))
注3 0.5
(19)(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)
コポリマー 注10 0.5
(20)水酸化ナトリウム 0.04
(21)ナイアシンアミド(成分(a1)) 5
(22)トラネキサム酸(成分(a2)) 4
(23)リン酸一水素ナトリウム 0.02
(24)リン酸二水素ナトリウム 0.02
(25)ピロ亜硫酸ナトリウム 0.003
(26)精製水 10
(27)エタノール 5
(28)香料 0.1
(29)フェノキシエタノール 0.2
(注7)PRESOME CS2-101(日本精化社製)
(注8)海麗マリンコレステロール(日本水産社製)
(注9)PLANDOOL-MAS(日本精化社製)
(注10)SIMULGEL EG QD(SEPPIC社製)
【0051】
(製造方法)
A:成分(1)~(3)を75℃で均一に溶解混合する。
B:成分(4)~(14)を75℃で均一に溶解混合する。
C:AにBを添加し70℃で乳化する。
D:Eに成分(15)~(29)を添加混合した後、40℃まで冷却することで水中油型乳液を得た。
以上のように得られた実施例21の水中油型乳液は、塗布時のまろやかさ、べたつきのなさ、凝集抑制効果の全てにおいて優れるものであった。
なお、成分(A)~(C)含有質量比[(A)+(B)]/(C)は、47.5であった。
【0052】
実施例22:美容液(水中油型)
(成分) (%)
(1)1,3-ブチレングリコール 5
(2)ジプロピレングリコール 5
(3)精製水 残量
(4)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン
(20E.O.) 0.1
(5)モノステアリン酸ポリエチレングリコール
(55E.O.) 0.25
(6)水素レシチン 注11 0.1
(7)メドウフォーム油 1
(8)流動パラフィン 2
(9)セトステアリルアルコール 0.5
(10)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(11)(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))
クロスポリマー 注12 0.02
(12)(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)
コポリマー(成分(C)) 注1 0.5
(13)アルギン酸Na(成分(B)) 注4 0.5
(14)水酸化ナトリウム 0.01
(15)ナイアシンアミド(成分(a1)) 4
(16)トラネキサム酸(成分(a2)) 3
(17)リン酸一水素ナトリウム 0.02
(18)リン酸二水素ナトリウム 0.02
(19)ピロ亜硫酸ナトリウム 0.003
(20)精製水 10
(21)エタノール 5
(22)香料 0.1
(23)フェノキシエタノール 0.2
(注11)レシノールS-10(日光ケミカルズ社製)
(注12)CARBOPOL 1382(LUBRIZOL ADVENCED MATERIALS社製)
【0053】
(製造方法)
A:成分(1)~(3)を75℃で均一に溶解混合する。
B:成分(4)~(9)を75℃で均一に溶解混合する。
C:前記Aに前記Bを添加し70℃で乳化する。
D:前記Cに成分(10)~(23)を添加混合した後、40℃まで冷却することで水中油型美容液を得た。
以上のようにして得られた実施例22の美容液(水中油型)は、塗布時のまろやかさ、べたつきのなさ、凝集抑制効果の全てにおいて優れるものであった。
なお、成分(A)~(C)含有質量比[(A)+(B)]/(C)は、15であった。
【0054】
実施例23:日焼け止め料(水中油型)
(成分) (%)
(1)1,3-ブチレングリコール 5
(2)グリセリン 5
(3)精製水 残量
(4)ベヘントリモニウムクロリド 0.1
(5)水添レシチン 注11 0.5
(6)コレステロール 注8 0.6
(7)フィトステロール 0.1
(8)ジメチコジエチルベンザルマロネート 1.2
(9)4-tert-ブチル-4´-メトキシ-ジベンゾイルメタン

(10)パラメトキシケイ皮酸2-エチルへキシル 7
(11)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル
2.5
(12)ステアリン酸硬化ヒマシ油 注14 1
(13)ジカプリン酸プロピレングリコール 5
(14)オレイン酸エチル 0.3
(15)(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10-30))
コポリマー 注13 0.4
(16)(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)
コポリマー(成分(C)) 注1 0.1
(17)ヒドロキシエチルセルロース(成分(B)) 注15
0.5
(18)キサンタンガム 0.1
(19)トリエタノールアミン 0.4
(20)ナイアシンアミド(成分(a1)) 5
(21)トラネキサム酸(成分(a2)) 4
(22)リン酸一水素ナトリウム 0.02
(23)リン酸二水素ナトリウム 0.02
(24)ピロ亜硫酸ナトリウム 0.003
(25)精製水 10
(26)エタノール 5
(27)酸化亜鉛 2
(28)香料 0.1
(29)フェノキシエタノール 0.2
(注13)ペミュレンTR-2(NOVEON社製)
(注14)キャストライドMS(ナショナル美松社製)
(注15)NATROSOL250 HHR(ASHLAND SPECIALTY INGREDIENTS社製)
【0055】
(製造方法)
A:成分(1)~(3)を75℃で均一に溶解混合する。
B:成分(4)~(14)を75℃で均一に溶解混合する。
C:前記Aに前記Bを添加し70℃で乳化する。
D:前記Cに成分(15)~(29)を添加混合した後、40℃まで冷却することで日焼け止め料(水中油型)を得た。
以上のようにして得られた実施例23の日焼け止め料(水中油型)は、塗布時のまろやかさ、べたつきのなさ、凝集抑制効果の全てにおいて優れるものであった。
なお、成分(A)~(C)含有質量比[(A)+(B)]/(C)は、95であった。