(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025137435
(43)【公開日】2025-09-19
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
   H05K   3/46        20060101AFI20250911BHJP        
【FI】
H05K3/46 T 
H05K3/46 B 
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2025024173
(22)【出願日】2025-02-18
(31)【優先権主張番号】10-2024-0033073
(32)【優先日】2024-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン  エレクトロ-メカニックス  カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山  靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広  信哉
(72)【発明者】
【氏名】李  京虎
(72)【発明者】
【氏名】鄭  景文
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA32
5E316AA38
5E316AA43
5E316CC04
5E316CC06
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC18
5E316CC31
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC38
5E316DD17
5E316DD23
5E316DD24
5E316EE31
5E316FF01
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH11
5E316HH24
(57)【要約】
【課題】ガラス層を含み、ガラス層の割れ特性の問題点を補うことができ、信頼性を向上させることができるプリント回路基板を提供する。
【解決手段】本開示は、ガラス層、ガラス層上に配置される第1絶縁層、第1絶縁層上に配置される第1配線層、及びガラス層の上面の一部、ガラス層の側面の少なくとも一部、及び第1絶縁層の側面の少なくとも一部を覆う第1保護層を含むプリント回路基板に関するものである。
【選択図】
図1
 
【特許請求の範囲】
【請求項1】
  ガラス層と、
  前記ガラス層上に配置される第1絶縁層と、
  前記第1絶縁層上に配置される第1配線層と、
  前記ガラス層の上面の一部、前記ガラス層の側面の少なくとも一部、及び前記第1絶縁層の側面の少なくとも一部を覆う第1保護層と、を含む、プリント回路基板。
【請求項2】
  前記第1保護層は、前記ガラス層の下面の一部を覆う、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
  前記第1絶縁層上に配置されるソルダーレジスト層をさらに含み、
  前記第1保護層は、前記ソルダーレジスト層の側面の少なくとも一部を覆う、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
  前記第1保護層は、前記第1絶縁層と実質的に異なる材料を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
  前記第1絶縁層は、前記ガラス層の上面及び下面にそれぞれ配置され、
  前記第1配線層は、前記ガラス層の上面及び下面にそれぞれ配置される、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
  前記第1絶縁層上に配置される第2絶縁層と、
  前記第2絶縁層上に配置される第2配線層と、さらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
  前記第2配線層の平均ピッチは、前記第1配線層の平均ピッチより小さい、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
  前記第1保護層は、前記第2絶縁層の側面の少なくとも一部を覆う、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
  前記第2絶縁層の幅は、前記第1絶縁層の幅と実質的に同じであり、
  前記第2絶縁層の幅及び前記第1絶縁層の幅は、前記ガラス層の幅よりも小さい、請求項8に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
  前記ガラス層と前記第1保護層との間に配置された一層以上の第2保護層をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
  前記第2保護層は、前記第1絶縁層の側面の少なくとも一部と前記第1保護層との間に延びる、請求項10に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
  前記第2保護層と前記第1保護層との間に配置された一層以上の第3保護層をさらに含む、請求項10に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
  前記第1保護層は、一層以上の保護層を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
  前記第1保護層の熱膨張係数は、前記第1絶縁層の熱膨張係数より大きい、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
  前記第1保護層の熱膨張係数は、前記ガラス層の熱膨張係数よりも大きい、請求項14に記載のプリント回路基板。
【請求項16】
  前記第1保護層と前記第1絶縁層との間に配置され、前記第1保護層と前記ガラス層との間に配置される第2保護層をさらに含み、
  前記第2保護層の熱膨張係数は、前記第1絶縁層の熱膨張係数よりも大きい、請求項14に記載のプリント回路基板。
【請求項17】
  ガラス層と、
  前記ガラス層上に配置される第1絶縁層と、
  前記第1絶縁層上に配置される第1配線層と、を含み、
  前記第1絶縁層の幅は、前記ガラス層の幅より小さい、プリント回路基板。
【請求項18】
  前記ガラス層の上面の一部、前記ガラス層の側面の少なくとも一部、及び前記第1絶縁層の側面の少なくとも一部を覆う第1保護層をさらに含む、請求項17に記載のプリント回路基板。
【請求項19】
  前記第1保護層は、前記ガラス層の下面の一部を覆う、請求項18に記載のプリント回路基板。
【請求項20】
  前記第1絶縁層上に配置されるソルダーレジスト層をさらに含み、
  前記第1保護層は、前記ソルダーレジスト層の側面の少なくとも一部を覆う、請求項18に記載のプリント回路基板。
【請求項21】
  前記第1保護層は、前記第1絶縁層と実質的に異なる材料を含む、請求項18に記載のプリント回路基板。
【請求項22】
  前記第1絶縁層上に配置される第2絶縁層と、
  前記第2絶縁層上に配置される第2配線層と、をさらに含む、請求項17に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
  本開示は、プリント回路基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
  最近、人工知能(Artificial  Intelligence、AI)技術などの発達により、幾何級数的に増加したデータ処理のためのHBM(High  Bandwidth  Memory)などのメモリチップ及びCPU(Central  Processing  Unit)、GPU(Graphics  Processing  Unit)、ASIC(Application  Specific  Integrated  Circuit)、FPGA(Field  Programmable  Gate  Array)などのプロセッサチップなどを含むマルチチップパッケージが用いられている。特に、サーバ製品のCPU、GPUコア数が急激に増加しており、大面積を有する基板に対する需要が増加している。ガラス(glass)材料を用いる場合には、熱的/機械的安定性を有するため、反り(warpage)に対する問題を克服することができるので、ガラス材料を使用しようとする試みが続いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
  本開示の様々な目的の一つは、ガラス層を含むプリント回路基板を提供することである。
【0004】
  本開示の様々な目的のもう一つは、ガラス層の割れ特性の問題点を補うことができるプリント回路基板を提供することである。
【0005】
  本開示の様々な目的のもう一つは、信頼性を向上させることができるプリント回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
  本開示を介して提案する様々な解決手段のうち1つは、ガラス層、ガラス層上に配置される第1絶縁層、第1絶縁層上に配置される第1配線層、及びガラス層の上面の一部、ガラス層の側面の少なくとも一部、及び第1絶縁層の側面の少なくとも一部を覆う第1保護層を含むプリント回路基板を提供することである。
【0007】
  本開示を介して提案する様々な解決手段のうち他の一つは、ガラス層、ガラス層上に配置される第1絶縁層、及び第1絶縁層上に配置される第1配線層を含み、上記第1絶縁層の幅は、上記ガラス層の幅よりも小さいプリント回路基板を提供することである。
【発明の効果】
【0008】
  本開示の様々な効果のうち一効果として、ガラス層を含むプリント回路基板を提供することができる。
【0009】
  本開示の様々な効果のうち他の一効果として、ガラス層の割れ特性の問題点を補うことができるプリント回路基板を提供することができる。
【0010】
  本開示の様々な効果のうち他の一効果として、信頼性を向上させることができるプリント回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
            【
図1】プリント回路基板の一例を概略的に示した断面図である。
 
            【
図2】プリント回路基板の他の一例を概略的に示した断面図である。
 
            【
図3】プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示した断面図である。
 
            【
図4】プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示した断面図である。
 
            【
図5】プリント回路基板の製造方法の一例を概略的に示した断面図である。
 
            【
図6】プリント回路基板の製造方法の一例を概略的に示した断面図である。
 
            【
図7】プリント回路基板の製造方法の一例を概略的に示した断面図である。
 
            【
図8】プリント回路基板の製造方法の一例を概略的に示した断面図である。
 
          
【発明を実施するための形態】
【0012】
  以下、添付の図面を参照して本開示について説明する。図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0013】
  <プリント回路基板>
  図1は、プリント回路基板の一例を概略的に示した断面図である。
 
【0014】
  図1を参照すると、一例に係るプリント回路基板は、ガラス層110、ガラス層110上に配置される第1絶縁層111、第1絶縁層111上に配置される第1配線層121、及びガラス層110の上面の一部、ガラス層110の側面の少なくとも一部、及び第1絶縁層111の側面の少なくとも一部を覆う第1保護層150を含むことができる。また、一例に係るプリント回路基板は、第1保護層150の熱膨張係数が第1絶縁層111の熱膨張係数よりも大きくてよい。
 
【0015】
  一例に係るプリント回路基板は、ガラス層110を含むため、基本的に優れた平坦度を有することができ、また、低い熱膨張係数(Coefficient  of  Thermal  Expansion、CTE)等を介して反り(warpage)制御に有利であることができる。特に、一例に係るプリント回路基板は、ガラス層110をコアとして有することができるため、完成したプリント回路基板の反り制御に有利であることはもちろん、他の絶縁層を積層する段階でも反り制御に有利であることができる。また、平坦度をより高くすることができ、したがって微細ピッチを有する高密度の微細回路形成により有利であることができる。また、ガラス層110の誘電特性、例えばDk2.5~11の可変性質を有するガラス(Glass)の特徴を介してプリント回路基板の層数を減少させることができ、デザイン自由度をより増加させることができる。
【0016】
  ガラス層110は、非結晶質固体であるガラス(glass)を含むことができる。ガラスは、例えば、純粋二酸化ケイ素(約100%SiO2)、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸ガラス(alumino-silicate  glass)などを含むことができる。但し、これに限定されず、代案的なガラス材料である、例えば、フルオロガラス、リン酸ガラス、カルコゲンガラスなどもガラス層110の材料として用いられることができる。さらに、特定の物理的特性を有するガラスを形成するためにその他の添加剤をさらに含むこともできる。これらの添加剤は、炭酸カルシウム(例えば、石灰)及び炭酸ナトリウム(例えば、ソーダ)だけでなく、マグネシウム、カルシウム、マンガン、アルミニウム、鉛、ホウ素、鉄、クロム、カリウム、硫黄及びアンチモンと、これらの元素及び他の元素の炭酸塩及び/または酸化物を含むことができる。ガラス層110は、ガラス繊維(Glass  Fiber、Glass  Cloth、Glass  Fabric)などを含む材料、例えばCCL(Copper  Clad  Laminate)、PPG(Prepreg)などとは区別される層であり、例えば板ガラスなどと理解されることができる。
【0017】
  第1絶縁層111は、1つ以上の絶縁層で構成されることができ、有機絶縁物質を含むことができる。有機絶縁物質は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、または樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー及び/またはガラス繊維(Glass  Fiber、Glass  Cloth、Glass  Fabric)を含む材料を含むことができる。例えば、絶縁物質はABF(Ajinomoto  Build-up  Film)、PPG(Prepreg)などの非感光性絶縁材であることができるが、これに限定されるものではなく、それ以外にもその他の高分子材料が用いられることができる。また、絶縁物質は、PID(Photo  Imageable  Dielectric)などの感光性絶縁材であることもできる。また、絶縁物質は、BS(Bonding  Sheet)などの接着シートを含むこともできる。第1絶縁層111は、ガラス層110の上面上及び下面上にそれぞれ配置されることができる。
【0018】
  第1絶縁層111の幅は、ガラス層110の幅より狭くてもよい。一例に係るプリント回路基板は、ガラス層110上に第1絶縁層111を形成し、第1絶縁層111の一部を除去する段階の後、ガラス層110を切断する段階を行った結果であることができる。
【0019】
  プリント回路基板は、生産歩留まりを高めるために、パネル形態またはストリップ単位で基板を製作した後、シンギュレーション(singulation)を介して個別のユニット基板を完成することができる。シンギュレーション(singulation)のためにストリップ基板を切断するとき、熱膨張係数が相対的にさらに大きい第1絶縁層111では、熱膨張係数が相対的にさらに小さいガラス層110よりも膨張または収縮が多く発生する可能性がある。このとき、シンギュレーション段階で冷却を行う場合には、第1絶縁層111がさらに多く収縮してガラス層110との応力差が発生し、ガラス層110の側面には引張応力(tensile  stress)が発生する可能性があり、これはガラス層110の側面で発生するクラック(crack)につながる可能性がある。クラックが発生したプリント回路基板は不良となり得るが、ガラス層110の内外部で発生した微細クラックは、この後、プリント回路基板を用いる時に不良になるおそれがある。
【0020】
  一例に係るプリント回路基板は、第1絶縁層111の一部を除去する段階の後、ガラス層110を切断する段階でシンギュレーションを行うため、第1絶縁層111とガラス層110が同時に切断されながら応力が発生することを最小化することができ、このとき、シンギュレーションのための切断位置よりもさらに多く除去して溝を形成することで第1絶縁層111の一部を除去することができる。したがって、ガラス層110を切断する位置よりも第1絶縁層111の一部をさらに多く除去するため、一例に係る第1絶縁層111の幅がガラス層110の幅より狭くてもよい。
【0021】
  一方、第1絶縁層111の幅は、プリント回路基板の積層方向への切断断面を走査顕微鏡等で撮影して測定することができる。第1絶縁層111の幅は、第1絶縁層111の両側面間を横断する水平距離を意味することができ、任意の5個の地点で測定された距離の平均値であることができる。一方、ガラス層110の幅も同じ趣旨で測定されることができ、ガラス層110の両側面間を横断する水平距離で測定されることができる。
【0022】
  第1配線層121は、1つ以上の配線層で構成されることができ、金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されない。第1配線層121は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなど様々な形態を有することができる。第1配線層121は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。または、金属箔(又は銅箔)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。または、金属箔(又は銅箔)、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含むこともでき、必要に応じて両方を全て含むこともできる。第1配線層121は、第1絶縁層111上に配置されることができるが、これに限定されず、ガラス層110の上面上及び/または下面上にも配置されることができる。
【0023】
  第1配線層121は、SAP(Semi  Additive  Process)、MSAP(Modified  Semi  Additive  Process)、TT(Tenting)、またはサブトラクティブ工法のいずれか一つで形成されることもできるが、これに限定されず、プリント回路基板において回路を構成することができる工法であれば制限なく利用可能である。また、第1配線層121は、用途及び設計等に応じて互いに異なる工法で形成されることもできる。
【0024】
  一方、一例に係るプリント回路基板は、第1配線層121を互いに連結するように第1絶縁層111の少なくとも一部を貫通する第1ビア層131をさらに含むことができる。
【0025】
  第1ビア層131は金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されない。第1ビア層131は、それぞれビアホールを満たすフィルドビア(filled  via)を含むことができるが、ビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal  via)を含むこともできる。第1ビア層131は、設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。第1ビア層131は、第1配線層121と同様に、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。または、金属箔(又は銅箔)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含むこともでき、必要に応じて両方を全て含むこともできる。
【0026】
  一方、一例に係るプリント回路基板は、ガラス層110を貫通する貫通ビア130をさらに含むことができる。
【0027】
  貫通ビア130は金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されない。貫通ビア130は、ガラス層110の上面及び下面を貫通することができる。貫通ビア130の上面及び下面は、ガラス層110の上面及び下面とそれぞれ実質的に共面であることができる。貫通ビア130は、1つの金属層で満たされたもので、いわゆるフィルドビア(filled  via)であることができるが、これに限定されず、ビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal  via)であることもできるなど貫通ビア130は様々な構造を有することができる。貫通ビア130は、設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。貫通ビア130は、平面上で略円または楕円形状、多角形形状を有することができるが、これに限定されるものではなく、例えば比表面積増加による密着確保の側面から平面上で様々な形状が一つに合わさった複合的な形状を有することもできる。貫通ビア130の側面は、貫通ビア130の上面及び下面に対して実質的に垂直であることができるが、これに限定されるものではなく、必要に応じて断面上で砂時計形状等を有するようにテーパを有することもできる。
【0028】
  一例に係るプリント回路基板は、第1絶縁層111上に配置されるソルダーレジスト層140をさらに含むことができる。ソルダーレジスト層140は、プリント回路基板の最上側及び最下側に配置されて、外部からプリント回路基板を保護することができる。ソルダーレジスト層140は公知のソルダーレジスト(Solder  Resist)を用いることができ、ソルダーレジスト層140は液状またはフィルムタイプの材料を含むことができるが、これに限定されるものではなく、他の種類の絶縁材が用いられることもでき、熱硬化性樹脂と熱硬化性樹脂に分散した無機フィラーを含むが、ガラス繊維は含まないことがある。絶縁樹脂は感光性絶縁樹脂であることができ、フィラーは無機フィラー及び/または有機フィラーであることができるが、これらに限定されず、必要に応じてそれ以外にその他の高分子材料が用いられることもできる。ソルダーレジスト層140は開口を有することができ、開口を介して第1配線層121の少なくとも一部が露出することができる。開口を介して露出した第1配線層121は、半導体チップなどの素子と連結されることができ、メインボードまたは他のプリント回路基板とも連結されることができる。開口を介して露出する配線層はパッドとして機能するものであり、パッド上には必要に応じて表面処理層がさらに形成されることができる。または、パッド上には金属バンプまたはポストがさらに形成されることもできるか、または必要に応じてパッドはピラー形態で突出する構造を有することもできる。
【0029】
  一例に係るプリント回路基板は、ガラス層110の上面の一部、ガラス層110の側面の少なくとも一部、及び第1絶縁層111の側面の少なくとも一部を覆う第1保護層150を含むことができる。すなわち、第1保護層150は、プリント回路基板の外側面に配置されることができる。これは、一例に係るプリント回路基板の製造段階において、パネル単位又はストリップ単位の基板をシンギュレーションした後、各ユニット基板の側面に第1保護層150を形成した結果であることができる。第1保護層150は、プリント回路基板の側面に液状コーティングまたは噴射などの方法で形成されることができ、プリント回路基板の一側面をそれぞれ液状材料にディッピング(dipping)して第1保護層150を形成することもできる。第1保護層150は、ガラス層110の側面の少なくとも一部、ガラス層110の上面、及び第1絶縁層111の側面に延びて一体に形成されることができる。このとき、第1保護層150はガラス層110の上面の少なくとも一部を覆うことにのみ限定されず、第1保護層150はガラス層110の下面の少なくとも一部を覆うこともできる。また、第1保護層150は、ソルダーレジスト層140の側面の少なくとも一部を覆うことができる。これは、ソルダーレジスト層140を形成した後、ストリップ単位の基板をシンギュレーションした結果であることができる。一方、これに必ずしも限定されるものではなく、シンギュレーション段階後に第1保護層を形成した後、ソルダーレジスト層140を形成する場合には、第1保護層150上にソルダーレジスト層140が形成されることもできる。
【0030】
  このとき、第1保護層150の外側は実質的に平坦であることができ、この場合、一例に係るプリント回路基板の外側面は実質的に平坦であることができる。なお、これに必ずしも限定されるものではなく、第1保護層150の外側は、第1絶縁層111の側面及びガラス層110の側面の形状に沿ってコンフォーマルに形成されることもできる。
【0031】
  また、一例に係るプリント回路基板の第1保護層150は、第1絶縁層111より大きい熱膨張係数を有することができ、第1保護層150はガラス層110より大きい熱膨張係数を有することができる。第1保護層150が第1絶縁層111よりも大きい熱膨張係数を有することができるため、一例に係るプリント回路基板は、ガラス層110で発生するクラックが成長することを予防することができる。また、ユニット基板にシンギュレーションする段階でガラス層110の外側面に発生したクラック内部に第1保護層150が一部浸透してクラックを低減する役割を果たすこともでき、ガラス層110に圧縮残留応力が作られることができるため、二重にクラックを予防することができる機能を果たすことができる。また、プリント回路基板の最外側が第1保護層150からなることができるため、外部からの衝撃がガラス層110に直接加わることを防止することができ、外部からの衝撃でガラス層110が割れることを防止することができ、第1絶縁層111の側面に加わる外部からの衝撃やソルダーレジスト層140の側面に加わる衝撃から第1絶縁層111及びソルダーレジスト層140も保護することができる。
【0032】
  第1保護層150は絶縁材料を含むことができ、有機絶縁物質を含むことができる。第1保護層150はアンダーフィル(underfill)材料を用いることができ、公知のアンダーフィル用材料を用いることができる。また、有機絶縁物質は、場合によってはソルダーレジストとして用いられる材料を用いることもできる。有機絶縁物質は、熱硬化性樹脂と熱硬化性樹脂に分散された無機フィラーを含むが、ガラス繊維は含まないことがある。絶縁樹脂は感光性絶縁樹脂であることができるが、エポキシのような樹脂であることもでき、フィラーは無機フィラー及び/または有機フィラーであることができるが、これに限定されるものではなく、必要に応じてそれ以外にその他の高分子材料が用いられることもできる。一方、これに限定されるものではなく、第1保護層150は高い熱膨張係数を有し、プリント回路基板の側面に形成されてプリント回路基板の損傷を保護することができるものであれば材料の種類は制限なく選択することができる。すなわち、第1保護層150は、第1絶縁層111及びガラス層110のそれぞれの熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数を有する絶縁物質を含むものであれば制限なく用いることができる。
【0033】
  このとき、第1保護層150は、第1絶縁層111と実質的に異なる材料を含むことができる。第1絶縁層111はプリント回路基板の第1配線層121間を絶縁させる層間絶縁に用いられる絶縁物質であるのに対し、第1保護層150は層間絶縁を目的とするものではなく、ガラス層110及び第1絶縁層111を保護することを目的として、第1保護層150は、第1絶縁層111と実質的に異なる材料を含むことができる。
【0034】
  一方、絶縁材料を液体状態でコーティングした後、硬化させる方法で第1保護層150が形成されることができるが、これに必ずしも限定されない。このとき、コーティングの方法は、噴射またはディッピングなどのプリント回路基板の外側に第1保護層150を形成する方法であれば制限なく用いることができ、コーティングにより形成されるものに必ずしも限定されるものではない。
【0035】
  一方、第1保護層150は、一層以上の保護層を含むことができる。
図1には、第1保護層150が一層であると示したが、これに限定されず、第1保護層150は複数の第1保護層150から構成されることができる。第1保護層150が複数の第1保護層150で構成される場合には、複数の第1保護層150のそれぞれは、互いに実質的に同一の絶縁材料を含むことができるが、これに必ずしも限定されるものではなく、互いに異なる絶縁材料を含むこともできる。一方、第1保護層150が複数の保護層を含む場合には、一つの第1保護層150が形成された後に他の第1保護層150が形成される段階を介して複数の第1保護層150が形成されることができる。この場合には、それぞれの第1保護層150間の境界を確認することができるが、これに必ずしも限定されるものではなく、複数の第1保護層150間には境界が不明確であることもできる。このとき、複数の第1保護層150間の境界面は、プリント回路基板の切断断面を走査顕微鏡で観察することが確認できる。
 
【0036】
  一方、
図1では、ガラス層110を基準にプリント回路基板の構成が対称であるものと示したが、これは便宜による表現であり、これに必ずしも限定されるものではない。例えば、ガラス層110の上側に位置する第1絶縁層111の数は、ガラス層110の下側に位置する第1絶縁層111の数と異なることができ、ガラス層110の上面及び下面に配置される第1配線層121は互いに異なることができ、ガラス層110の上面又は下面のうち一つの面には第1配線層121が配置されないなど非対称構造を有することもできる。
 
【0037】
  一方、一例に係るプリント回路基板は、
図1に示された構成に限定されるものではなく、これ以外にもプリント回路基板の一般的な構成をさらに含むことができ、一部省略されることもできる。すなわち、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば利用できる構成をさらに含むことができる。
 
【0038】
  図2は、プリント回路基板の他の一例を概略的に示した断面図である。
 
【0039】
  他の一例に係るプリント回路基板は、第1絶縁層111上に配置される第2絶縁層112、及び第2絶縁層112上に配置される第2配線層122をさらに含み、第2配線層122の平均ピッチは、第1配線層121の平均ピッチより小さくてもよい。
【0040】
  他の一例に係るプリント回路基板は、ガラス層110の上側に積層される絶縁層構造と下側に積層される絶縁層の層数が対称にならず、非対称構造を有することができる。ガラス層110の上側及び下側が互いに対称にならなくても、ガラス層110を介して剛性(stiffness)を確保することができるため、プリント回路基板は反りから保護されることができる。これに限定されず、第1絶縁層111と第2絶縁層112の絶縁材料が互いに異なる組成を有しても、プリント回路基板が反りから保護されることができる。
【0041】
  第2絶縁層112は、1つ以上の絶縁層で構成されることができ、有機絶縁物質を含むことができる。有機絶縁物質は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、または樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー及び/またはガラス繊維(Glass  Fiber、Glass  Cloth、Glass  Fabric)を含む材料を含むことができる。例えば、絶縁物質はABF(Ajinomoto  Build-up  Film)、PPG(Prepreg)などの非感光性絶縁材であることができるが、これに限定されるものではなく、それ以外にもその他の高分子材料が用いられることができる。また、絶縁物質は、PID(Photo  Imageable  Dielectric)などの感光性絶縁材であることもできる。また、絶縁物質は、BS(Bonding  Sheet)などの接着シートを含むこともできる。第2絶縁層112は第1絶縁層111上に配置されることができるが、これに必ずしも限定されるものではなく、ガラス層110上に直接積層されて第2絶縁層112がガラス層110に接する構造を有することもできる。
【0042】
  第1絶縁層111と第2絶縁層112は互いに異なる絶縁材料を含むことができる。第1絶縁層111と第2絶縁層112が互いに異なる絶縁材料を含むことができるということは、上述した絶縁物質の材料群において互いに異なる種類の絶縁物質を含むことはもちろん、互いに同じ種類の絶縁物質に該当しても、第1絶縁層111の絶縁物質の組成物の種類や組成比が第2絶縁層112の絶縁物質の組成物の種類や組成比と一部異なるものを含むこともできる。例えば、第1絶縁層111及び第2絶縁層112は、それぞれABF(Ajinomoto  Build-up  Film)を含むことができるが、第1絶縁層111に含有される組成物と第2絶縁層112に含有される組成物が一部異なるものを含むこともできる。すなわち、第1絶縁層111と第2絶縁層112がそれぞれフィラー(filler)を含むが、それぞれのフィラーが異なることができるため、第1絶縁層111と第2絶縁層112が互いに異なる絶縁材料を含むことができる。または、第2絶縁層112に含まれたフィラーが第1絶縁層111に含まれたフィラーよりもさらに微細な構造を有することができる。このとき、フィラーは無機フィラーであることができるが、これに必ずしも限定されるものではない。第2絶縁層112に含まれるフィラーが第1絶縁層111に含まれるフィラーよりもさらに微細であることは、第2絶縁層112に含まれるフィラーの直径または体積等の大きさが第1絶縁層111に含まれるフィラーの直径または体積などの大きさより小さいことを意味することができる。第2絶縁層112は、第1絶縁層111の無機フィラーよりもさらに微細なフィラーを含むことができる。そのため、第2絶縁層112は、第1絶縁層111よりも微細パターン加工により有利であることができ、第2絶縁層112上に配置される第2配線層122が第1配線層121より微細な配線を含むことができる。
【0043】
  第1絶縁層111と第2絶縁層112に含まれるフィラーが互いに異なるということは、プリント回路基板の垂直断面図を分析して確認することができる。プリント回路基板の研磨または切断断面を基準に走査顕微鏡または光学顕微鏡を介して各フィラーを比較することができ、必要な場合、垂直断面を染色してフィラーをより容易に確認することもできる。フィラーの直径は、上述のようにプリント回路基板の研磨または切断断面を基準に走査顕微鏡または光学顕微鏡を用いて測定することができ、平均数値は任意の5個の地点で測定した値の平均値と比較することができる。
【0044】
  第2配線層122は、1つ以上の配線層で構成されることができ、金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されない。第2配線層122は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなど様々な形態を有することができる。第2配線層122は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。または、金属箔(又は銅箔)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。または、金属箔(又は銅箔)、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含むこともでき、必要に応じて両方を全て含むこともできる。第2配線層122は、第2絶縁層112上に配置されることができるが、これに限定されず、ガラス層110の上面上及び/または下面上に直接配置されることもできる。
【0045】
  第2配線層121は、SAP(Semi  Additive  Process)、MSAP(Modified  Semi  Additive  Process)、TT(Tenting)、またはサブトラクティブ工法のいずれか一つで形成されることもできるが、これに限定されず、プリント回路基板で回路を構成することができる工法であれば制限なく利用可能である。また、これに限定されず、第2配線層121は、用途及び設計等に応じて互いに異なる工法で形成されることもできる。
【0046】
  第2配線層122の平均ピッチは、第1配線層121の平均ピッチより小さくてもよい。すなわち、第2配線層122の配線パターン間の平均距離が第1配線層121の配線パターン間の平均距離よりも近いことができ、第2配線層122の配線密度が第1配線層121の配線密度より大きいことを意味することができる。
【0047】
  第2配線層122の平均ピッチは、プリント回路基板の切断断面を走査顕微鏡で撮影して測定することができ、平均ピッチは任意の5個の地点で測定した配線間のピッチの平均値であることができる。平均層間絶縁距離もプリント回路基板の切断断面を走査顕微鏡で撮影して測定することができ、層間平均絶縁距離は任意の5個の地点で測定した上下に隣接する配線層間の絶縁距離の平均値であることができる。
【0048】
  すなわち、第2配線層122に含まれた配線は、第1配線層121に含まれた配線よりL/S(Line/Space)がさらに小さい高密度の微細配線であることができる。制限されない一例として、第2配線層122に含まれた配線は、ライン/スペースが約2/2μm程度であることができるが、これに限定されない。第2配線層122の配線密度が高いことによって、半導体チップなどの電子部品を相互連結する際に効果的であることができる。すなわち、第2配線層122は、半導体チップなどを実装して、半導体チップなどの再配線層(Redistribution  layer)として活用されることもできる。
【0049】
  一般的に微細な配線を有する配線層を含むプリント回路基板は、基板の非対称による反りが発生する場合が多い。しかし、他の一例に係るプリント回路基板は剛性に優れたガラス層110を含むため、微細配線を有する配線層が基板の一側のみに実現しても非対称による反りの発生を予防することができる。
【0050】
  一方、他の一例に係るプリント回路基板は、第2配線層122を互いに連結するように第2絶縁層112の少なくとも一部を貫通する第2ビア層132をさらに含むことができる。第2ビア層132は金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されない。第2ビア層132は、それぞれビアホールを満たすフィルドビア(filled  via)を含むことができるが、ビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal  via)を含むこともできる。第2ビア層132は、設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。第2ビア層132は、第2配線層122と同様に、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。または、金属箔(又は銅箔)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含むこともでき、必要に応じて両方を全て含むこともできる。
【0051】
  第2絶縁層112の幅はガラス層110の幅より狭いことができ、第2絶縁層112の幅は第1絶縁層111の幅と実質的に同一であることができる。これは、他の一例に係るプリント回路基板の製造方法のうち、第1絶縁層111の一部を除去する段階で第2絶縁層112の一部を除去する段階を行い、この後、ガラス層110を切断する段階を行った結果であることができる。第1絶縁層111及び第2絶縁層112はそれぞれ有機絶縁物質を含むため、第1絶縁層111の一部を除去する段階で第2絶縁層112の一部を除去する段階を実行することができる。
【0052】
  第1保護層150は、第2絶縁層112の側面の少なくとも一部を覆うことができる。これは、ガラス層110を切断してユニット単位の基板にシンギュレーションした後に第1保護層150を形成した結果であることができ、第1保護層150はガラス層110の側面の少なくとも一部、ガラス層110の上下面の一部、第1絶縁層111の側面の少なくとも一部を覆うことができ、第2絶縁層112の側面の少なくとも一部を覆うように延びることができる。
【0053】
  他の一例に係るプリント回路基板では、第2絶縁層112上にソルダーレジスト層140が配置されることができる。第1保護層150がソルダーレジスト層140の側面の少なくとも一部を覆うことができることは、一例に係るプリント回路基板と同じである。
【0054】
  図2の他の一例に係るプリント回路基板において、第2絶縁層112、第2配線層122に関する内容以外の説明は、一例に係るプリント回路基板の説明と同様に適用されることができるため、重複する説明は省略する。
 
【0055】
  図3は、プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示した断面図である。
 
【0056】
  さらに他の一例に係るプリント回路基板は、ガラス層110と第1保護層150との間に配置された第2保護層160をさらに含むことができる。第2保護層160は、ガラス層110の側面の少なくとも一部、ガラス層110の上下面の一部、第1絶縁層111の側面の少なくとも一部に接することができる。すなわち、第2保護層160は、ガラス層110と第1保護層との間に配置されて、第1絶縁層111の側面と第1保護層150との間に配置されるように延びることができる。第2保護層160の熱膨張係数は、第1絶縁層111の熱膨張係数より大きいことができ、ガラス層110の熱膨張係数よりも大きいことができる。
【0057】
  第2保護層160は絶縁材料を含むことができ、有機絶縁物質を含むことができる。第2保護層160は、第1保護層150とプリント回路基板の積層体との間の密着力を向上させるための手段として機能することができる。制限されない一例として、第2保護層160はエポキシなどの樹脂を含むこともでき、フィラーは無機フィラー及び/または有機フィラーであることができるが、これらに限定されず、必要に応じてそれ以外にその他の高分子材料が用いられることもできる。または、第2保護層160はボンディングシート(bonding  sheet)を含むか、カップリング剤(coupling  agent)を含むなど、ガラス層110と密着力を確保したり、積層が完了して硬化した第1絶縁層111の側面と密着力を確保するための材料であれば制限なく用いることができる。
【0058】
  一方、第2保護層160の絶縁材料はこれに限定されるものではなく、第2保護層160は第1保護層150の絶縁材料群の中から1つの材料を含むこともできる。すなわち、第2保護層160はアンダーフィル(underfill)材料を用いることができ、公知のアンダーフィル用材料を用いることができる。また、有機絶縁物質は、場合によってはソルダーレジストとして用いられる材料を用いることもできることは、一例に係るプリント回路基板の説明で上述した通りであり、重複する内容は省略する。
【0059】
  第2保護層160は、第1保護層150を形成する段階とは異なる段階で形成されることができるため、第1保護層150と第2保護層160の境界はプリント回路基板の切断断面を走査顕微鏡で観察することができる。しかし、これに限定されるものではなく、第2保護層160を形成し次第、第1保護層150を形成する場合であれば、第1保護層150と第2保護層160との間の境界は明確ではないこともある。第2保護層160を形成する方法は、第1保護層150を形成する方法と同じ工法で行われることができるが、これに必ずしも限定されるものではなく、第2保護層160の材料に応じて様々な方法で第2保護層160を形成することができる。
【0060】
  このとき、第2保護層160は、一層以上の保護層を含むことができる。
図3には、第2保護層160が1層であると示したが、これに限定されず、第2保護層160は複数の第2保護層160で構成されることができる。第2保護層160が複数の第2保護層160で構成される場合には、複数の第2保護層160のそれぞれは互いに実質的に同一の絶縁材料を含むことができるが、これに必ずしも限定されるものではなく、互いに異なる絶縁材料を含むこともできる。一方、第2保護層160が複数の保護層を含む場合には、一つの第2保護層160が形成された後に他の第2保護層160が形成される段階を介して複数の第2保護層160が形成されることができる。この場合には、各第2保護層160間の境界を確認することができるが、これに必ずしも限定されるものではなく、複数の第2保護層160間は境界が不明確であることもある。このとき、複数の第2保護層160間の境界面は、プリント回路基板の切断断面を走査顕微鏡で観察することで確認できる。
 
【0061】
  なお、
図3のさらに他の一例に係るプリント回路基板において第2保護層160の有無に関する内容以外の説明は、一例に係るプリント回路基板及び他の一例に係るプリント回路基板の説明と同様に適用されることができるため、重複する説明は省略する。
 
【0062】
  図4は、プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示した断面図である。
 
【0063】
  さらに他の一例に係るプリント回路基板は、第2保護層160と第1保護層150との間に配置される第3保護層170をさらに含むことができる。第3保護層170は、第2保護層160上に配置されて、第2保護層160の境界に沿ってコンフォーマル(conformal)に配置されることができる。第3保護層170は、第1絶縁層111よりも大きい熱膨張係数を有することができ、第3保護層170はガラス層110よりも大きい熱膨張係数を有することができる。第3保護層170は、第1保護層150及び/または第2保護層160と同様に、ガラス層110で発生するクラックが成長することを予防することができる。また、第2保護層160と第1保護層150との間の密着力を高めることもできる。
【0064】
  第3保護層170は絶縁材料を含むことができ、有機絶縁物質を含むことができる。第3保護層170はアンダーフィル(underfill)材料を用いることができ、公知のアンダーフィル用材料を用いることができる。また、有機絶縁物質は、場合によってはソルダーレジストとして用いられる材料を用いることもできる。有機絶縁物質は、熱硬化性樹脂と熱硬化性樹脂に分散された無機フィラーを含むが、ガラス繊維は含まないことができる。絶縁樹脂は感光性絶縁樹脂であることができるが、エポキシなどの樹脂であることもでき、フィラーは無機フィラー及び/または有機フィラーであることができるが、これに限定されるものではなく、必要に応じてそれ以外にその他の高分子材料が用いられることもできる。一方、これに限定されるものではなく、第3保護層170は高い熱膨張係数を有し、プリント回路基板の側面に形成されてプリント回路基板の損傷を保護することができるものであれば材料の種類は制限なく選択することができる。すなわち、第3保護層170は、第1絶縁層111及びガラス層110のそれぞれの熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数を有する絶縁物質を含むものであれば制限なく用いることができる。一方、第3保護層170は、第1保護層150と実質的に同一の絶縁物質を含むことができるが、これに必ずしも限定されず、互いに異なる種類の絶縁物質を含むこともできる。第3保護層170が第1保護層150と実質的に同じ絶縁物質を含む場合には、第3保護層170は第1保護層150と実質的に同じ熱膨張係数を有することができるが、これに必ずしも限定されるものではなく、第3保護層170は、第1保護層150よりも小さい熱膨張係数を有することもできる。第3保護層170の熱膨張係数が第1絶縁層111の熱膨張係数より大きく、第1保護層150の熱膨張係数より小さい場合には、第3保護層170は第1絶縁層111と第1保護層150との間に中間体として提供されることができる。すなわち、第3保護層170が第1絶縁層111及び第1保護層150のそれぞれの熱膨張の程度を緩和させる役割を果たすことができる。
【0065】
  一方、絶縁材料を液体状態でコーティングした後、硬化させる方法で第3保護層170が形成されることができるが、これに必ずしも限定されるものではない。このとき、コーティングの方法は、噴射またはディッピングなどのプリント回路基板の外側に第3保護層170を形成する方法があれば制限なく用いることができ、コーティングによって形成されるものに必ずしも限定されるものではない。さらに他の一例に係るプリント回路基板は、第3保護層170が形成された後に第1保護層150が形成されるものとして示したが、これに必ずしも限定されるものではなく、第1保護層150及び第3保護層170の間は境界が不明確であることもできる。一方、
図4では、第2保護層160上に第3保護層170が形成されるものと示したが、これに必ずしも限定されるものではなく、第2保護層160は必要により省略されることもできる。
 
【0066】
  一方、
図4のさらに他の一例に係るプリント回路基板において、第3保護層170の有無に関する内容以外の説明は、一例に係るプリント回路基板、他の一例に係るプリント回路基板及びさらに他の一例に係るプリント回路基板の説明と同様に適用されることができるため、重複する説明は省略する。
 
【0067】
  <プリント回路基板の製造方法>
  図5~
図8は、プリント回路基板の製造方法の一例を概略的に示した断面図である。
 
【0068】
  一例に係るプリント回路基板の製造方法は、大面積のストリップ基板をパネル単位で形成した後、各ユニット基板にシンギュレーションする段階を含むことができる。シンギュレーション段階の後、ガラス層110の側面及び第1絶縁層111の側面に第1保護層150を形成する段階を含むことができる。
【0069】
  図5を参照すると、ガラス層110、第1絶縁層111、第1配線層121、ソルダーレジスト層140を形成する段階を含む。すなわち、各ユニット基板を含むパネル単位のストリップ基板を形成する段階を含むことができる。このとき、各構成を形成する段階は、公知のプリント回路基板のビルドアップ構造を形成する方法で形成することができる。
 
【0070】
  図6を参照すると、第1絶縁層111の一部を除去する段階を含むことができる。これは、シンギュレーション段階に先立ち、ガラス層110を切断する前に第1絶縁層111の一部を先に除去することである。ユニット基板にシンギュレーションするための切断線付近の第1絶縁層111の一部が除去されることができる。第1絶縁層111の一部を除去する段階は、レーザ(laser)を利用する方法で行われることができるが、これに限定されない。制限されない一例として、レーザアブレーション(laser  ablation)で実施されることができる。しかし、第1絶縁層111の一部を除去する方法は、これに限定されるものではなく、その他にも機械的、化学的方法を用いることができるなど当該分野の技術者が用いることができる方法であれば、制限されずに用いることができる。第1絶縁層111の一部を除去した結果、ガラス層110の上面の一部と下面の一部が外部に露出して切断基準が外部に露出することができる。
 
【0071】
  図7を参照すると、ガラス層110を切断して単位基板にダイシング(dicing)する段階を含むことができる。外部に露出したガラス層110の上面の一部と下面の一部に沿ってダイシングを行うことができ、機械的加工または化学的方法で行われることができる。制限されない一例として、ソーイング(sawing)工程やレーザ(laser)加工工程を用いることもでき、エッチング(etching)などの方法を用いることもでき、これらの方法を混用して用いることもできる。しかし、ガラス層110を加工してダイシングする方法はこれに限定されるものではなく、当該分野の技術者が用いることができる方法であれば制限されずに用いることができる。このとき、第1絶縁層111の一部を除去する段階後にガラス層110をダイシングする段階が行われるため、第1絶縁層111の幅がガラス層110の幅より狭くてもよく、第1絶縁層111の側面がガラス層110の側面と共面でなくてもよく、ガラス層110の側面が第1絶縁層111の側面よりも突出してもよい。
 
【0072】
  図8を参照すると、ガラス層110の側面に第1保護層150を形成する段階を含むことができる。より具体的には、ガラス層110の側面の少なくとも一部、ガラス層110の上下面の一部、及び第1絶縁層111の側面の少なくとも一部上に第1保護層150が形成されることができる。第1保護層150を形成する方法は、絶縁材料を液体状態でコーティングした後、硬化させる方法で行われることができるが、これに必ずしも限定されるものではない。このとき、コーティングの方法は、噴射またはディッピングなどのプリント回路基板の外側に第1保護層150を形成する方法であれば制限なく用いることができる。ユニット基板にシンギュレーションされた後、各ユニット基板の側面に第1保護層150を形成することで、ユニット基板の側面は実質的に平坦な面を有することができる。
 
【0073】
  一方、図面に表現された内容に限定されず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば用いることができる構成を形成する方法をさらに含むこともできる。その他にも、他の一例に係るプリント回路基板の製造方法及びさらに他の一例に係るプリント回路基板の製造方法も当該技術分野で通常の知識を有する者であれば利用可能な構成を形成する方法で行われることができ、これは、他の一例に係るプリント回路基板及びさらに他の一例に係るプリント回路基板の内容で上述した通りである。
【0074】
  本開示において、覆うという表現及びカバーするという表現は、全体的に覆う場合だけでなく、少なくとも一部を覆う場合を含むことができ、また直接覆う場合だけでなく間接的に覆う場合も含むことができる。また、満たすという表現は、完全に満たす場合だけでなく、大略的に満たす場合を含むことができ、例えば、一部空隙やボイドなどが存在する場合を含むことができる。
【0075】
  本開示において、実質的には製造工程上で発生する工程誤差や位置偏差、測定時の誤差などを含んで判断することができる。例えば、実質的に垂直であるということは、完全に垂直な場合だけでなく、大略的に垂直な場合も含むことができる。また、実質的に共面であるということは、完全に同一平面に存在する場合だけでなく、大略的に同一平面に存在する場合も含むことができる。
【0076】
  本開示において、同じ絶縁材料は、完全に同じ絶縁材料である場合だけでなく、同じタイプの絶縁材料を含むことを意味することができる。したがって、絶縁材料の組成は実質的に同じであるが、これらの具体的な組成比は少しずつ異なる場合がある。本開示において、異なる絶縁材料は、同じ絶縁材料に該当しないことを意味することができる。
【0077】
  本開示において、断面上での意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、または対象物を垂直に切断したときの断面形状、または対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味することができる。また、平面上での意味は、対象物を水平に切断したときの平面形状、または対象物をトップビューまたはボトムビューで見たときの平面形状を意味することができる。
【0078】
  本開示において、下側、下部、下面などは、便宜上図面の断面を基準に下方向を意味するものとして用い、上側、上部、上面などはその逆方向に用いた。但し、これは説明の便宜上の方向を定義したものであって、特許請求の範囲の権利範囲がこの方向に対する記載によって特に限定されるものではなく、上下の概念はいつでも変更することができる。
【0079】
  本開示において、連結されるという意味は、直接連結された場合だけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結された場合を含む概念である。また、電気的に連結されるという意味は、物理的に連結された場合と、連結されていない場合を全て含む概念である。さらに、第1、第2などの表現は、ある構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるものであって、当該構成要素の順序及び/または重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、同様に第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0080】
  本開示で用いられた一例という表現は、互いに同一の実施例を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一例は、他の一例の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一例に関連した説明であると理解することができる。
【0081】
  本開示で用いられた用語は、単に一例を説明するために用いられたものであり、本開示を限定する意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0082】
  110  ガラス層
  111  第1絶縁層                    
  112  第2絶縁層
  121  第1配線層                    
  122  第2配線層
  130  貫通ビア
  131  第1ビア層                    
  132  第2ビア層
  140  ソルダーレジスト層
  150  第1保護層
  160  第2保護層
  170  第3保護層