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特開2025-13745ガスタービンのノズルセグメントのための分離工具及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013745
(43)【公開日】2025-01-28
(54)【発明の名称】ガスタービンのノズルセグメントのための分離工具及び方法
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/00 20060101AFI20250121BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
F02C7/00 D
F01D25/00 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024089441
(22)【出願日】2024-05-31
(31)【優先権主張番号】P.445485
(32)【優先日】2023-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PL
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スカルスキー、ラファル
(72)【発明者】
【氏名】サジダック、ルカシュ
(72)【発明者】
【氏名】コルス、マテウシュ
(72)【発明者】
【氏名】ウォシチェホフスキ、ピョートル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ガスタービンのケーシングからのノズルセグメントの分離工具及び方法を提供する。
【解決手段】本出願は、タービンのケーシング内の一対の隣接するノズルセグメントに対して使用するノズルセグメント分離工具を提供する。ノズルセグメント分離工具は、一対の支持プレート、前記一対の支持プレートに配置された油圧シリンダ、前記油圧シリンダに取り付けられたプッシングバー、前記一対の支持プレートに配置されたノズルキャッチプレート、及び前記ケーシングに挿入されるブロッキングピンを含む。前記ブロッキングピンは、前記ノズルキャッチプレートを、前記一対の隣接するノズルセグメントのうちの第1のノズルセグメントに係合させ、前記プッシングバーの移動をブロックし、前記ノズルキャッチプレートは、前記一対の隣接するノズルセグメントを分離する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービン(40)のケーシング(64)内の一対の隣接するノズルセグメント(66)に対して使用するノズルセグメント分離工具(100)であって、
一対の支持プレート(110)、
前記一対の支持プレート(110)に配置された油圧シリンダ(120)、
前記油圧シリンダ(120)に取り付けられたプッシングバー(130)、
前記一対の支持プレート(110)に配置されたノズルキャッチプレート(140)、及び
前記ケーシング(64)に挿入されるブロッキングピン(330)
を含み、
前記ブロッキングピン(330)は、前記ノズルキャッチプレート(140)を、前記一対の隣接するノズルセグメント(66)のうちの第1のノズルセグメント(66)に係合させ、前記プッシングバー(130)の移動をブロックし、前記ノズルキャッチプレート(140)は、前記一対の隣接するノズルセグメント(66)を分離する、ノズルセグメント分離工具。
【請求項2】
前記一対の支持プレート(110)はステンレス鋼を含む、請求項1に記載のノズルセグメント分離工具(100)。
【請求項3】
前記プッシングバー(130)はステンレス鋼を含む、請求項1に記載のノズルセグメント分離工具(100)。
【請求項4】
前記油圧シリンダ(120)及び前記プッシングバー(130)は、ねじ付きアダプタ(170)を介して接続されている、請求項1に記載のノズルセグメント分離工具(100)。
【請求項5】
前記油圧シリンダ(120)及び前記プッシングバー(130)は、L字形バー(180)を介して接続されている、請求項1に記載のノズルセグメント分離工具(100)。
【請求項6】
前記ノズルキャッチプレート(140)は、一対のキャッチアーム(230)と一対の支持アーム(220)とを含む、請求項1に記載のノズルセグメント分離工具(100)。
【請求項7】
前記一対のキャッチアーム(230)及び前記一対の支持アーム(220)は、前記第1のノズルセグメント(66)用のキャッチ面(240)を形成する、請求項6に記載のノズルセグメント分離工具(100)。
【請求項8】
前記一対のキャッチアーム(230)は、前記プッシングバー(130)用の角度の付いた面(250)を含む、請求項6に記載のノズルセグメント分離工具(100)。
【請求項9】
前記一対の支持アーム(220)の各支持アームはスロット(270)を含み、前記スロット(270)の中に、ばねで付勢されたピン(260)が配置されている、請求項6に記載のノズルセグメント分離工具(100)。
【請求項10】
前記ノズルキャッチプレート(140)は、前記ノズルキャッチプレートの中に配置されたスプリングプランジャ(290)を含む、請求項1に記載のノズルセグメント分離工具(100)。
【請求項11】
前記一対の支持プレート(110)に隣接して配置されたシュラウドプレート(300)を更に含む、請求項1に記載のノズルセグメント分離工具(100)。
【請求項12】
前記シュラウドプレート(300)は、複数のシュラウドピン(310)を含む、請求項11に記載のノズルセグメント分離工具(100)。
【請求項13】
前記ブロッキングピン(330)は、前記プッシングバー(130)用の平坦な面(340)を含む、請求項1に記載のノズルセグメント分離工具(100)。
【請求項14】
前記ブロッキングピン(330)はブロッキングナット(350)を含む、請求項1に記載のノズルセグメント分離工具(100)。
【請求項15】
タービン(40)のケーシング(64)内の一対の隣接するノズル(56)を分離する方法であって、
前記一対の隣接するノズル(56)の近くにノズルセグメント分離工具(100)を摺動させること、
前記ケーシング(64)にブロッキングピン(330)を挿入すること、
前記ブロックピン(330)によって、前記ノズルセグメント分離工具(100)のノズルキャッチプレート(140)を、前記一対の隣接するノズル(56)の一方のノズルに接触させること、
前記ブロッキングピン(330)を前記ノズルセグメント分離工具(100)のプッシングバー(130)に係合させること、及び
前記一対の隣接するノズル(56)の一方のノズルを前記ノズルキャッチプレート(140)で引っ張ること
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願及び結果として得られる特許は、一般に、ガスタービンエンジンに関し、より詳細には、タービンのケーシングから修理又は交換のためにノズルを取り外す前準備として隣接するノズルセグメントを分離するための分離工具に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンは、従来、周囲空気を圧縮する圧縮機と、空気の流れと燃料の流れとを混合して高温の燃焼ガスを生成する燃焼器とを含んでいる。タービンは、高温の燃焼ガス流を受け、燃焼ガス流からエネルギーを抽出し、コンプレッサに電力を供給し、外部負荷(発電機など)用の出力電力を生成する。高温ガス経路に配置されたタービンノズル及びタービンブレードなどのタービン構成要素は、高い燃焼温度と圧力を受けるだけでなく、さまざまな種類の動的な力も受ける。そのため、これらの高温ガス経路の構成要素は、効率的かつ安全な性能を確保するために、定期的に交換される及び/又は修理される。
【0003】
高温ガスの構成要素(ノズルなど)の取外しは、困難で時間がかかる場合がある。ノズルの各段は、典型的には、複数のセグメントで形成され、タービン部のケーシングの近くで連続的なリングを形成するように円周方向に端から端まで配置することができる。高温高圧の環境によって、ノズル同士がくっ付いてしまう及び/又はノズルが支持構造体において焼き付きを起こす恐れがある。しかし、タービン部のクリアランスが小さいため、ノズルや他の構成要素にアクセスするスペースをほとんど設けることができず、取り外す前にノズルを分離するために何らかの力を加えるスペースもほとんどない。
【発明の概要】
【0004】
従って、本出願及びその結果として得られる特許は、タービンのケーシング内の一対の隣接するノズルセグメントに対して使用するノズルセグメント分離工具を提供する。ノズルセグメント分離工具は、一対の支持プレート、前記一対の支持プレートに配置された油圧シリンダ、前記油圧シリンダに取り付けられたプッシングバー、前記一対の支持プレートに配置されたノズルキャッチプレート、及び前記ケーシングに挿入されるブロッキングピンを含むことができる。前記ブロッキングピンは、前記ノズルキャッチプレートを、前記一対の隣接するノズルセグメントのうちの第1のノズルセグメントに係合させ、前記プッシングバーの移動をブロックし、前記ノズルキャッチプレートは、前記一対の隣接するノズルセグメントを分離する。
【0005】
本出願及びその結果として得られる特許は、更に、タービンのケーシング内の一対の隣接するノズルを分離する方法を提供する。本方法は、前記一対の隣接するノズルの近くにノズルセグメント分離工具を摺動させるステップ、前記ケーシングにブロッキングピンを挿入するステップ、前記ブロックピンによって、前記ノズルセグメント分離工具のノズルキャッチプレートを、前記一対の隣接するノズルの一方のノズルに接触させるステップ、前記ブロッキングピンを前記ノズルセグメント分離工具のプッシングバーに係合させるステップ、及び前記一対の隣接するノズルの一方のノズルを前記ノズルキャッチプレートで引っ張るステップを含む。
【0006】
本出願及びその結果として得られる特許は、更に、タービンのケーシング内で一対の隣接するノズルセグメントに対して使用するノズルセグメント分離工具を提供することができる。ノズルセグメント分離工具は、一対の支持プレートと、一対の支持プレートに配置された油圧シリンダと、油圧シリンダに取り付けられたプッシングバーと、一対の支持プレートに配置された、ばねで付勢されたノズルキャッチプレートと、ケーシングに挿入されたブロッキングピンとを含むことができる。ブロッキングピンは、前記ばねで付勢されたノズルキャッチプレートを、一対の隣接するノズルセグメントのうちの第1のノズルセグメントに係合させ、前記プッシングバー(130)の移動をブロックし、前記ばねで付勢されたノズルキャッチプレート(140)は、前記油圧シリンダによって印加される力によって、前記一対の隣接するノズルセグメント(66)を分離する。
【0007】
本出願及びその結果として得られる特許のこれらの特徴及び改善点並びに他の特徴及び改善点は、いくつかの図面及び特許請求の範囲と併せて、以下の発明を実施するための形態を読むことにより、当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】圧縮機、燃焼器、タービン、及び外部負荷を含むガスタービンエンジンの概略図である。
図2】タービンのケーシング内に配置された複数の段の概略図である。
図3】本明細書で説明するノズルセグメント分離工具の斜視図である。
図4図3のノズルセグメント分離工具の部分断面図である。
図5図3のノズルセグメント分離工具のノズルキャッチプレートの平面図である。
図6】ノズルセグメント分離工具の図5のノズルキャッチプレートの部分断面図である。
図7図3のノズルセグメント分離工具のシュラウドプレートの正面平面図である。
図8図3のノズルセグメント分離工具とともに使用するブロッキングピンの側面平面図である。
図9】ノズルセグメント分離工具がノズルのセグメントの近くに位置決めされている状態を示す斜視図である。
図10】ノズルセグメント分離工具のノズルキャッチプレートの使用状態を示す部分平面図である。
図11】ノズルセグメント分離工具のノズルキャッチプレートとブロッキングピンの使用状態を示す他の部分平面図である。
図12】ノズルのセグメントの近くの所定の位置にあるノズルセグメント分離工具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで図面を参照すると、いくつかの図において同様の数字は同様の要素を表し、図1は、本明細書で使用することができるガスタービンエンジン10の概略図を示す。ガスタービンエンジン10は、圧縮機15を含むことができる。圧縮機15は、流入する空気流20を圧縮する。圧縮機15は、圧縮された空気流20をいくつかの燃焼器缶25に送る。燃焼器缶25は、圧縮された空気流20を加圧された燃料流30と混合し、混合物に点火して高温の燃焼ガス流35を生成する。単一の燃焼器缶25のみが示されているが、ガスタービンエンジン10は、円周方向のアレイなどのように配置された任意の数の燃焼器缶25を含むことができる。あるいは、燃焼器25は環状燃焼器とすることができる。燃焼ガス35の流れは、順にタービン40に送られる。燃焼ガス35の流れによって、タービン40が駆動され、機械的な仕事が発生する。タービン40で発生した機械的な仕事によって、ロータシャフト45を介してコンプレッサ15及び外部負荷50(発電機など)が駆動する。
【0010】
ガスタービンエンジン10は、天然ガス、様々な種類の合成ガス、液体燃料、及び/又は他の種類の燃料及びその混合物を使用することができる。ガスタービンエンジン10は、ニューヨーク州シェネクタディのゼネラル・エレクトリック社が提供する幾つかの異なるガスタービンエンジン(7シリーズ又は9シリーズのヘビーデューティガスタービンエンジンなどが含まれるが、これらに限定されることはない)のうちのいずれかのエンジンとすることができる。ガスタービンエンジン10は、単純サイクル発電システム、複合サイクル発電システム、又は他の種類の発電システムの一部とすることができる。ガスタービンエンジン10は、別の構成を有することができ、他の種類の構成要素を使用することができる。本明細書では、他の種類のガスタービンエンジンを使用することもできる。複数のガスタービンエンジン、他の種類のタービン、及び他の種類の発電装置も、本明細書において一緒に使用することができる。
【0011】
図2は、タービン40の部分断面図である。タービン40は幾つかの段52を含んでいる。一般的には、各段52は、ノズル56の静止列54と、タービンブレード60の回転列58とを含んでいる。この例では、3つの段52が示されており、第1の段、第2の段、及び第3の段が示されている。各列58のタービンブレード60は、ロータディスク62の周囲に円周方向に間隔をあけて配置され、ロータディスク62から半径方向外側に延在している。各ロータディスク62はロータシャフト45に結合されている。タービンケーシング64は、ノズル56に対して円周方向に延在している。ノズル56はそれぞれタービンケーシング64に結合されており、各ノズル56はタービンケーシング64からロータシャフト45に向かって半径方向内側に延在している。具体的には、以下により詳細に説明するように、ノズル56は、幾つかのセグメント66に配置することができ、幾つかのシュラウド70の幾つかのシュラウド溝68によってタービンケーシング64に取り付けることができる。高温燃焼ガス経路72は、タービンケーシング64と各ロータディスク62との間に画定することができる。
【0012】
図3は、本明細書に記載されるノズルセグメント分離工具100の一例を示す。ノズルセグメント分離工具100は、一対の支持プレート110を含むことができる。支持プレート110は、十分に剛性の材料(ステンレス鋼など)から作ることができる。支持プレート110には、油圧シリンダ120、プッシングバー130、ノズルキャッチプレート140、及び以下でより詳細に説明されるような接続要素を配置することができる。
【0013】
油圧シリンダ120は、従来設計のものとすることができる。具体的には、液圧シリンダ120は、油圧作動油ポート150と内部ピストン160とを含んでいる。油圧シリンダ120は、シングルストロークでもよいし、ダブルストロークでもよい。例示的な油圧シリンダは、ウィスコンシン州ミルウォーキーのENERPAC社から販売されている容量5トンの油圧シリンダである。本明細書では、他の種類の油圧シリンダ、他の種類の容量、及び他の種類のプッシュ機構又はプル機構を使用することができる。
【0014】
プッシングバー130は、支持プレート110内で油圧シリンダ120からノズルキャッチプレート140の下まで延在することができる。プッシングバー130は細長い形状を有することができ、支持プレート110内に或る角度で配置することができる。プッシングバー130は、十分に剛性の材料(ステンレス鋼など)で作ることができる。図4に示すように、プッシングバー130は、ピストン160に取り付けられたねじ付きアダプタ170と、プッシングバー130にボルト止めされたL字形バー180とを介して、油圧シリンダ120に接合することができる。具体的には、ねじ付きアダプタ170及びL字形バー180は、第1のボルト190によって結合することができる。また、プッシングバー130及びL字形バー180は、一対の第2のボルト200によって結合することができる。また、プッシングバー130及びL字形棒180は、単一の要素として形成してもよい。他の種類の接続手段を用いてもよい。また、プッシングバー130とL字形バー180との間にスペーサ210などを用いてもよい。本明細書では、他の構成要素及び他の構成を用いてもよい。
【0015】
ノズルキャッチプレート140は、支持プレート110の他端に配置することができる。図5及び図6に示されているように、ノズルキャッチプレート140は、一対の支持アーム220及び一対のキャッチアーム230を有することができる。支持アーム220及びキャッチアーム230は、全体でL字形のキャッチ面240を形成する。キャッチアーム230の底部は、プッシングバー130に向かって上方に角度が付けられた斜めの面250を有することができる。ノズルキャッチプレート140は、支持アーム220のスロット270内に配置された一対のピン260を介して支持プレート110に接合することができる。各スロット270は、ピン260と接触するように配置されたばね280を有することができる。ばね280は、支持プレート110内でノズルキャッチプレート140を下方に押す役割を果たす。ノズルキャッチプレート140の相対的な移動を制限するためにバネプランジャ290を使用することもできる。スプリングプランジャ290を取り外すことにより、異なる構成を有する異なる段で使用するために、ノズルキャッチプレート140を交換することもできる。本明細書では、他の構成要素及び他の構成を使用することもできる。
【0016】
支持プレート110の他端には、油圧シリンダ120に隣接するように、シュラウドプレート300を配置することができる。図7に示すように、シュラウドプレート300は、その両側に一対のシュラウドピン310を有することができる。シュラウドピン310は、タービンシュラウド70内のシュラウド溝68に挿入されるような大きさに作られ、位置が定められている。シュラウドプレート300及びシュラウドピン310は、ノズルセグメント分離工具100がノズル56のセグメント66に隣接するときにノズルセグメント分離工具100を安定させる役割を果たす。図3に戻ると、支持プレート110に位置決めパイプ320が溶接されていてもよい。位置決めパイプ320を使用して、ノズル56のセグメント66に対してノズルセグメント分離工具100を位置決めし、移動させることができる。本明細書では、他の構成要素及び他の構成を使用してもよい。
【0017】
ノズルセグメント分離工具100は、ブロッキングピン330と共に使用することができる。図8に示すように、ブロッキングピン330は、プッシングバー130に適合する大きさに形成された平坦な面340を有することができる。ブロッキングピン330は、ブロッキングナット350を介してタービンケーシング64に対して位置決めすることができる。異なるサイズ及び異なる形状のブロッキングピン330を異なる段で使用してもよい。本明細書では、他の構成要素及び他の構成を使用してもよい。
【0018】
図9図12に示されているように、使用時には、ノズルセグメント分離工具100は、シュラウドプレート300及びシュラウドピン310によってタービンシュラウド70のシュラウド溝68内に挿入することができる。同様に、ブロッキングピン330をタービンケーシング64に挿入し、ロックナット350で所定位置に固定することができる。ノズルセグメント分離工具100がノズル56の下又はノズル56の近くに配置されると、キャッチ面240がノズル56を越えて移動するまで、ノズルキャッチプレート140の斜めの面250がブロッキングピン330に対して移動する。ノズルセグメント分離工具100は、プッシングバー130がブロッキングピン330の平坦な面340に接触するまで移動し続ける。
【0019】
したがって、ノズルセグメント分離工具100は、ノズルキャッチプレート140のキャッチ面240がノズル56に接触し、プッシングバー130がブロッキングピン330の平坦な面340に接触した状態で位置決めすることができる。プッシングバー130がブロックされると、油圧シリンダ120が作動して、支持プレート110とノズルキャッチプレート140を矢印360の方向に引っ張ることができる。この引っ張り動作によって、ノズル56及び/又はノズルセグメント66が分離する。いったん分離すると、ノズル56は通常の方法で取り外すことができる。
【0020】
前述したことは、本出願及び結果として得られる特許の特定の実施形態にのみ関するものであることは明らかである。当業者は、特許請求の範囲及びその均等物によって画定される本発明の全体的な趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書において多数の変更及び修正を行うことができる。
【0021】
本発明のさらなる態様は、以下の実施形態によって提供される。
[実施形態1]
タービンのケーシング内の一対の隣接するノズルセグメントに対して使用するノズルセグメント分離工具であって、一対の支持プレート、前記一対の支持プレートに配置された油圧シリンダ、前記油圧シリンダに取り付けられたプッシングバー、前記一対の支持プレートに配置されたノズルキャッチプレート、及び前記ケーシングに挿入されるブロッキングピンを含み、前記ブロッキングピンは、前記ノズルキャッチプレートを、前記一対の隣接するノズルセグメントのうちの第1のノズルセグメントに係合させ、前記プッシングバーの移動をブロックし、前記ノズルキャッチプレートは、前記一対の隣接するノズルセグメントを分離する、ノズルセグメント分離工具。
[実施形態2]
前記一対の支持プレートはステンレス鋼を含む、実施形態1に記載のノズルセグメント分離工具。
[実施形態3]
前記プッシングバーはステンレス鋼を含む、実施形態1又は2に記載のノズルセグメント分離工具。
[実施形態4]
前記油圧シリンダ及び前記プッシングバーは、ねじ付きアダプタを介して接続されている、実施形態1~3のうちのいずれかの実施形態に記載のノズルセグメント分離工具。
[実施形態5]
前記油圧シリンダ及び前記プッシングバーは、L字形バーを介して接続されている、実施形態1~4のうちのいずれかの実施形態に記載のノズルセグメント分離工具。
[実施形態6]
前記ノズルキャッチプレートは、一対のキャッチアームと一対の支持アームとを含む、実施形態1~5のうちのいずれかの実施形態に記載のノズルセグメント分離工具。
[実施形態7]
前記一対のキャッチアーム及び前記一対の支持アームは、前記第1のノズルセグメント用のキャッチ面を形成する、実施形態1~6のうちのいずれかの実施形態に記載のノズルセグメント分離工具。
[実施形態8]
前記一対のキャッチアームは、前記プッシングバー用の角度の付いた面を含む、実施形態1~7のうちのいずれかの実施形態に記載のノズルセグメント分離工具。
[実施形態9]
前記一対の支持アームの各支持アームはスロットを含み、前記スロットの中に、ばねで付勢されたピンが配置されている、実施形態1~8のうちのいずれかの実施形態に記載のノズルセグメント分離工具。
[実施形態10]
前記ノズルキャッチプレートは、前記ノズルキャッチプレートの中に配置されたスプリングプランジャを含む、実施形態1~9のうちのいずれかの実施形態に記載のノズルセグメント分離工具。
[実施形態11]
前記一対の支持プレートに隣接して配置されたシュラウドプレートを更に含む、実施形態1~10のうちのいずれかの実施形態に記載のノズルセグメント分離工具。
[実施形態12]
前記シュラウドプレートは、複数のシュラウドピンを含む、実施形態1~11のうちのいずれかの実施形態に記載のノズルセグメント分離工具。
[実施形態13]
前記ブロッキングピンは、前記プッシングバー用の平坦な面を含む、実施形態1~12のうちのいずれかの実施形態に記載のノズルセグメント分離工具。
[実施形態14]
前記ブロッキングピンはブロッキングナットを含む、実施形態1~13のうちのいずれかの実施形態に記載のノズルセグメント分離工具。
[実施形態15]
タービンのケーシング内の一対の隣接するノズルを分離する方法であって、前記一対の隣接するノズルの近くにノズルセグメント分離工具を摺動させること、前記ケーシングにブロッキングピンを挿入すること、前記ブロックピンによって、前記ノズルセグメント分離工具のノズルキャッチプレートを、前記一対の隣接するノズルの一方のノズルに接触させること、前記ブロッキングピンを前記ノズルセグメント分離工具のプッシングバーに係合させること、及び前記一対の隣接するノズルの一方のノズルを前記ノズルキャッチプレートで引っ張ることを含む、方法。
[実施形態16]
タービンのケーシング内の一対の隣接するノズルセグメントに対して使用するノズルセグメント分離工具であって、一対の支持プレートと、前記一対の支持プレートに配置された油圧シリンダと、前記油圧シリンダに取り付けられたプッシングバーと、前記一対の支持プレートに配置された、ばねで付勢されたノズルキャッチプレートと、前記ケーシングに挿入されるブロッキングピンとを含み、前記ブロッキングピンは、ばねで付勢されたノズルキャッチプレートを、前記一対の隣接するノズルセグメントのうちの第1のノズルセグメントに係合させ、前記プッシングバーの移動をブロックし、ばねで付勢されたノズルキャッチプレートは、前記油圧シリンダによって前記一対の隣接するノズルセグメントを分離する、ノズルセグメント分離工具。
[実施形態17]
前記一対の支持プレート及び前記押え棒はステンレス鋼を含む、実施形態16に記載のノズルセグメント分離工具。
[実施形態18]
ばねで付勢されたノズルキャッチプレートは、一対のキャッチアームと一対の支持アームとを含む、実施形態16又は17に記載のノズルセグメント分離工具。
[実施形態19]
前記一対のキャッチアーム及び前記一対の支持アームは、前記ノズル用のキャッチ面を含む、実施形態16~18のうちのいずれかの実施形態に記載のノズルセグメント分離工具。
[実施形態20]
前記ブロッキングピンは、前記プッシングバー用の平坦な面を含む、実施形態16~19のうちのいずれかの実施形態に記載のノズルセグメント分離工具。
【符号の説明】
【0022】
40 タービン
56 ノズル
64 ケーシング
66 ノズルセグメント
100 ノズルセグメント分離工具
110 一対の支持プレート
120 油圧シリンダ
130 プッシングバー
140 ノズルキャッチプレート
180 L字形バー
220 支持アーム
230 キャッチアーム
240 キャッチ面
250 角度が付けられた面
270 スロット
290 スプリングプランジャ
300 シュラウドプレート
310 シュラウドピン
330 ブロッキングピン
350 ブロッキングナット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】