(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013747
(43)【公開日】2025-01-28
(54)【発明の名称】複合材構造を解析するため方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G01N 3/32 20060101AFI20250121BHJP
【FI】
G01N3/32 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024090572
(22)【出願日】2024-06-04
(31)【優先権主張番号】18/348,505
(32)【優先日】2023-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ジャスタッソン, ブライアン パトリック
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー, ジョセフ ダニエル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】耐久性と損傷許容性(DaDT)の実証が必要である。
【解決手段】構造構成を取得し、構造構成について関心のある少なくとも1つのメトリックを特定することを含む。くぼみ深さメタモデルは、構造構成、関心のある少なくとも1つのメトリック、及び機械学習アルゴリズムから取得された情報に基づいて開発される。くぼみ深さメタモデルに対する制約を提供し、機械学習アルゴリズムは、複数の複合材構成要素の過去の物理試験データセットに基づいて訓練される。くぼみ深さメタモデルを利用して、構造構成内の閾値くぼみ深さを規定するために、衝撃エネルギーを推定する。くぼみ深さメタモデルからの衝撃エネルギーを利用して、構造構成のコンピュータベースのシミュレーションが実行される。コンピュータベースのシミュレーションから生成された出力データに基づいて、構造構成用の少なくとも1つの設計値が特定される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
損傷許容性について複合材構造を解析する方法(100)であって、
複合材構成要素のための構造構成(38)を取得すること(102)、
前記構造構成(38)について関心のある少なくとも1つのメトリックを特定すること(104)、
前記複合材構成要素の前記構造構成(38)、前記関心のある少なくとも1つのメトリック、及び機械学習アルゴリズムから取得された情報に基づいて、くぼみ深さメタモデルを開発すること(106)であって、前記関心のある少なくとも1つのメトリックは、前記くぼみの深さメタモデルに対する制約を提供し、前記機械学習アルゴリズムは、複数の複合材構成要素(108)の過去の物理試験データセットに基づいて訓練される(110)、くぼみ深さメタモデルを開発すること(106)、
前記構造構成(38)用の前記くぼみ深さメタモデルを利用して、前記構造構成(38)内の閾値くぼみ深さを規定するために、衝撃エネルギーを推定すること(112)、
前記くぼみ深さメタモデルからの前記衝撃エネルギーを利用して、前記構造構成(38)のコンピュータベースのシミュレーションを実行すること(114)、及び
前記コンピュータベースのシミュレーションから生成された出力データに基づいて、前記構造構成(38)用の少なくとも1つの設計値を特定すること(116)を含む、方法(100)。
【請求項2】
前記くぼみ深さメタモデルを開発すること(106)は、前記構造構成(38)と複数の以前に解析された物理的複合材構成要素のうちの対応する1つとの間の材料又は構成の類似性に基づいて、前記複数の以前に解析された物理的複合材構成要素の前記過去の物理試験データセットに、より大きな重みを提供することを含む、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
前記複数の以前に解析された物理的複合材構成要素は、複数の異なるビークルプラットフォームからの複合材構成要素を含む、請求項2に記載の方法(100)。
【請求項4】
前記過去の物理試験データセット(108)は、複数の以前に解析された物理的複合材構成要素についての対応する試験データ出力に関連付けられた複数の試験データ入力を含む、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項5】
前記試験データ入力は、力‐時間履歴、変位‐時間履歴、衝撃エネルギー‐時間履歴、インパクタ構成、くぼみ深さ、材料特性、関連する境界条件、又は複合材レイアップ及び形状を規定する複合材構造構成(38)のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の方法(100)。
【請求項6】
前記材料特性は、モード1歪エネルギー率、モード2歪エネルギー率、層間強度、剛性プライ特性、又はプライ強度特性のうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載の方法(100)。
【請求項7】
前記試験データ出力は、衝撃の結果生じた損傷の種類、前記衝撃から吸収されたエネルギー、又は測定されたくぼみ深さのうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載の方法(100)。
【請求項8】
前記構造構成(38)は、補強部材(38B)に接合された外板(38A)、二次構造に接合された前記外板、又は前記二次構造に接合された補強構造のうちの少なくとも1つを含み、前記二次構造はリブ若しくはスパーのうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項9】
前記関心のある少なくとも1つのメトリックは、動的剛性、エネルギー吸収率、前記構造構成(38)へのエネルギーフラックス、又は初期撓み率を含む、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項10】
前記コンピュータベースのシミュレーションから生成された出力データは、圧縮荷重、引張荷重、及びせん断荷重のうちの少なくとも1つの下での前記構造構成(38)の損傷を受けた部分の強度の特定を含む、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項11】
前記複合材構成要素は、互いに対して固定された複数の個々の複合材要素(38A、38B)を含む、請求項10に記載の方法(100)。
【請求項12】
前記過去の物理試験データセットは、物理試験データに基づく損傷許容性基準についての計算を含む、請求項11に記載の方法(100)。
【請求項13】
前記機械学習アルゴリズムは、ベイズに基づくアルゴリズム又は物理学に基づくアルゴリズムを含む、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項14】
プログラムされた命令を具現化する非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、方法(100)を実行するために動作可能であり、前記方法は、
複合材構成要素のための構造構成(38)を取得すること(102)、
前記構造構成(38)について関心のある少なくとも1つのメトリックを特定すること(104)、
前記複合材構成要素の前記構造構成(38)、前記関心のある少なくとも1つのメトリック、及び機械学習アルゴリズムから取得された情報に基づいて、くぼみ深さメタモデルを開発すること(106)であって、前記関心のある少なくとも1つのメトリックは、前記くぼみの深さメタモデルに対する制約を提供し、前記機械学習アルゴリズムは、複数の複合材構成要素(108)の過去の物理試験データセットに基づいて訓練される(110)、くぼみ深さメタモデルを開発すること(106)、
前記構造構成(38)用の前記くぼみ深さメタモデルを利用して、前記構造構成(38)内の閾値くぼみ深さを規定するために、衝撃エネルギーを推定すること(112)、
前記くぼみ深さメタモデルからの前記衝撃エネルギーを利用して、前記構造構成(38)のコンピュータベースのシミュレーションを実行すること(114)、及び
前記コンピュータベースのシミュレーションから生成された出力データに基づいて、前記構造構成(38)用の少なくとも1つの設計値を特定すること(116)を含む、コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記過去の物理試験データセット(108)は、複数の以前に解析された物理的複合材構成要素についての対応する試験データ出力に関連付けられた複数の試験データ入力を含み、前記過去の物理試験データセットは、物理試験データに基づく損傷許容性基準についての計算を含む、請求項14に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記試験データ入力は、力‐時間履歴、変位‐時間履歴、衝撃エネルギー‐時間履歴、インパクタ構成、くぼみ深さ、材料特性、関連する境界条件、又は複合材レイアップ及び形状を規定する複合材構造構成(38)のうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記材料特性は、モード1歪エネルギー率、モード2歪エネルギー率、層間強度、剛性プライ特性、又はプライ強度特性のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記試験データ出力は、衝撃の結果生じた損傷の種類、前記衝撃から吸収されたエネルギー、又は測定されたくぼみ深さのうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記関心のある少なくとも1つのメトリックは、動的剛性、エネルギー吸収率、前記構造構成(38)へのエネルギーフラックス、又は初期撓み率を含む、請求項14に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
プログラムされた命令を具現化する非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、方法(100)を実行するために動作可能であり、前記方法は、
複合材構成要素のための構造構成(38)を取得すること(102)、
前記構造構成(38)について関心のある少なくとも1つのメトリックを特定すること(104)、
前記複合材構成要素の前記構造構成(38)、前記関心のある少なくとも1つのメトリック、及び機械学習アルゴリズムから取得された情報に基づいて、くぼみ深さメタモデルを開発すること(106)であって、前記関心のある少なくとも1つのメトリックは、前記くぼみの深さメタモデルに対する制約を提供し、前記機械学習アルゴリズムは、複数の複合材構成要素(108)の過去の物理試験データセットに基づいて訓練され(110)、前記過去の物理試験データセットは、物理試験データに基づく損傷許容性基準についての計算を含む、くぼみ深さメタモデルを開発すること(106)、
前記構造構成(38)用の前記くぼみ深さメタモデルを利用して、前記構造構成(38)内の閾値くぼみ深さを規定するために、衝撃エネルギーを推定すること(112)、
前記くぼみ深さメタモデルからの前記衝撃エネルギーを利用して、前記構造構成(38)のコンピュータベースのシミュレーションを実行すること(114)、及び
前記コンピュータベースのシミュレーションから生成された出力データに基づいて、前記構造構成(38)用の少なくとも1つの設計値を特定すること(116)を含む、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、構造解析の分野に関し、特に、損傷許容設計のために複合材料で作製された構造に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 航空機の認証には、耐久性と損傷許容性(DaDT)の実証が必要である。DaDTとは、損傷/欠陥があっても、繰り返し条件下での損傷拡大に抵抗し、航空機の耐用年数を通じて十分な強度を保持する構造の能力を指す。損傷許容性とは、典型的には、欠陥/損傷がある状態でも十分な強度を保つことができる構造の能力を指し、容易に検出できる場合もあれば、そうでない場合もある。
【0003】
[0003] 損傷許容構造設計を実証するための現在のアプローチは、予め規定された距離からの目視検査によって特定されなければならない損傷を示す試験品を利用する、主として主観的な構造試験プロセスに依存している。目視検査には固有の不確実性があるため、許容可能な初期損傷状態を定量化し、損傷許容性を実証するために、閾値くぼみ深さが採用されることがある。金属ベースの構造は従来の有限要素解析で解析できるが、複合材構造は複雑なため、デジタルモデルでは複合材構造内のくぼみ深さや下層の損傷範囲を予測する能力が制限される。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 損傷許容性について複合材構造を解析する方法が、本明細書で開示される。該方法は、複合材構成要素のための構造構成を取得し、構造構成について関心のある少なくとも1つのメトリックを特定することを含む。くぼみ深さメタモデルが、複合材構成要素の構造構成、関心のある少なくとも1つのメトリック、及び機械学習アルゴリズムから取得された情報に基づいて開発される。関心のある少なくとも1つのメトリックは、くぼみ深さメタモデルに対する制約を提供し、機械学習アルゴリズムは、複数の複合材構成要素の過去の物理試験データセットに基づいて訓練される。構造構成用のくぼみ深さメタモデルを利用して、構造構成内の閾値くぼみ深さを規定するために、衝撃エネルギーを推定する。くぼみ深さメタモデルからの衝撃エネルギーを利用して、構造構成のコンピュータベースのシミュレーションが実行される。コンピュータベースのシミュレーションから生成された出力データに基づいて、構造構成用の少なくとも1つの設計値が特定される。
【0005】
[0005] 該方法の1以上の実施形態では、くぼみ深さメタモデルを開発することが、構造構成と以前に解析された物理的複合材構成要素のうちの対応する1つとの間の材料又は構成の類似性に基づいて、複数の以前に解析された物理的複合材構成要素の過去の物理試験データセットに、より大きな重みを提供することを含む。
【0006】
[0006] 該方法の1以上の実施形態では、複数の以前に解析された物理的複合材構成要素が、複数の異なるビークルプラットフォームからの複合材構成要素を含む。
【0007】
[0007] 該方法の1以上の実施形態では、過去の物理試験データセットが、複数の以前に解析された物理的複合材構成要素についての対応する試験データ出力に関連付けられた複数の試験データ入力を含む。
【0008】
[0008] 該方法の1以上の実施形態では、試験データ入力が、力‐時間履歴、変位‐時間履歴、衝撃エネルギー‐時間履歴、インパクタ構成、くぼみ深さ、材料特性、関連する境界条件、又は複合材レイアップ及び形状を規定する複合材構造構成のうちの少なくとも1つを含む。
【0009】
[0009] 該方法の1以上の実施形態では、材料特性が、モード1歪エネルギー率、モード2歪エネルギー率、層間強度、剛性プライ特性、又はプライ強度特性のうちの少なくとも1つを含む。
【0010】
[0010] 該方法の1以上の実施形態では、試験データ出力が、衝撃の結果生じた損傷の種類、衝撃から吸収されたエネルギー、又は測定されたくぼみ深さのうちの少なくとも1つを含む。
【0011】
[0011] 該方法の1以上の実施形態では、構造構成が、補強部材に接合された外板、二次構造に接合された外板、又は二次構造に接合された補強構造のうちの少なくとも1つを含み、二次構造はリブ若しくはスパーのうちの少なくとも一方を含む。
【0012】
[0012] 該方法の1以上の実施形態では、関心のある少なくとも1つのメトリックが、動的剛性、エネルギー吸収率、構造構成へのエネルギーフラックス、又は初期撓み率を含む。
【0013】
[0013] 該方法の1以上の実施形態では、コンピュータベースのシミュレーションから生成された出力データが、圧縮荷重、引張荷重、及びせん断荷重のうちの少なくとも1つの下での構造構成の損傷を受けた部分の強度の特定を含む。
【0014】
[0014] 該方法の1以上の実施形態では、複合材構成要素が、互いに対して固定された複数の個々の複合材要素を含む。
【0015】
[0015] 該方法の1以上の実施形態では、過去の物理試験データセットが、物理試験データに基づく損傷許容性基準についての計算を含む。
【0016】
[0016] 該方法の1以上の実施形態では、機械学習アルゴリズムが、ベイズに基づくアルゴリズム又は物理学に基づくアルゴリズムを含む。
【0017】
[0017] プログラムされた命令を具現化する非一過性のコンピュータ可読媒体であって、該命令は、プロセッサによって実行されると、方法を実行するために動作可能である、コンピュータ可読媒体が開示される。該方法は、複合材構成要素のための構造構成を取得し、構造構成について関心のある少なくとも1つのメトリックを特定することを含む。くぼみ深さのメタモデルは、複合材構成要素の構造構成、関心のある少なくとも1つのメトリック、及び機械学習アルゴリズムから取得された情報に基づいて開発される。関心のある少なくとも1つのメトリックは、くぼみ深さメタモデルに対する制約を提供し、機械学習アルゴリズムは、複数の複合材構成要素の過去の物理試験データセットに基づいて訓練される。構造構成用のくぼみ深さメタモデルを利用して、構造構成内の閾値くぼみ深さを規定するために、衝撃エネルギーを推定する。くぼみ深さメタモデルからの衝撃エネルギーを利用する構造構成で、コンピュータベースのシミュレーションが実行される。コンピュータベースのシミュレーションから生成された出力データに基づいて、構造構成用の少なくとも1つの設計値が特定される。
【0018】
[0018] 1以上の実施形態では、過去の物理試験データセットが、複数の以前に解析された物理的複合材構成要素についての対応する試験データ出力に関連付けられた複数の試験データ入力を含み、過去の物理試験データセットは、物理試験データに基づく損傷許容性基準についての計算を含む。
【0019】
[0019] 1以上の実施形態では、試験データ入力が、力‐時間履歴、変位‐時間履歴、衝撃エネルギー‐時間履歴、インパクタ構成、くぼみ深さ、材料特性、関連する境界条件、又は複合材レイアップ及び形状を規定する複合材構造構成のうちの少なくとも1つを含む。
【0020】
[0020] 1以上の実施形態では、材料特性が、モード1歪エネルギー率、モード2歪エネルギー率、層間強度、剛性プライ特性、又はプライ強度特性のうちの少なくとも1つを含む。
【0021】
[0021] 1以上の実施形態では、試験データ出力が、衝撃の結果生じた損傷の種類、衝撃から吸収されたエネルギー、又は測定されたくぼみ深さのうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
[0022] 1以上の実施形態では、関心のある少なくとも1つのメトリックが、動的剛性、エネルギー吸収率、構造構成へのエネルギーフラックス、又は初期撓み率を含む。
【0023】
[0023] プログラムされた命令を具現化する非一過性のコンピュータ可読媒体であって、該命令は、プロセッサによって実行されると、方法を実行するために動作可能である、コンピュータ可読媒体が開示される。該方法は、複合材構成要素のための構造構成を取得し、構造構成について関心のある少なくとも1つのメトリックを特定することを含む。くぼみ深さメタモデルは、複合材構成要素の構造構成、関心のある少なくとも1つのメトリック、及び機械学習アルゴリズムから取得された情報に基づいて開発される。関心のある少なくとも1つのメトリックは、くぼみ深さメタモデルに対する制約を提供し、機械学習アルゴリズムは、複数の複合材構成要素の過去の物理試験データセットに基づいて訓練され、過去の物理試験データセットは、物理試験データに基づく損傷許容性基準についての計算を含む。構造構成用のくぼみ深さメタモデルを利用して、構造構成内の閾値くぼみ深さを規定するために、衝撃エネルギーを推定する。くぼみ深さメタモデルからの衝撃エネルギーを利用する構造構成で、コンピュータベースのシミュレーションが実行される。コンピュータベースのシミュレーションから生成された出力データに基づいて、構造構成用の少なくとも1つの設計値が特定される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】[0024] 例示的なコンピュータシステムを示す。
【
図2】[0025] 損傷許容性について複合材構造を解析する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[0026] ここで、本開示の幾つかの実施形態を、例示としてのみ、添付図面を参照して説明する。全ての図面において、同じ参照番号は同じ要素又は同じ種類の要素を表す。
【0026】
[0027] これらの図面及び以下の説明により、本開示の特定の例示的な複数の実施形態を示す。当業者は、本開示の原理を具現化し、本開示の範囲に含まれる様々な配置を、(本明細書で明示的に説明も図示もされていなくとも)考案することができるだろう。更に、本明細書に記載のいかなる例も、本開示の原理の理解に役立てるためのものであり、具体的に列挙された例及び条件に限定されるものではないと解釈すべきである。この結果、本開示を限定するものは、下記の特定の実施形態又は実施例ではなく、特許請求の範囲及びその均等物である。
【0027】
[0028]
図1は、例示的な単純化のための単一のコンピュータモジュールとしての例示的なコンピュータシステム30を示す。コンピュータシステム30は、非一過性のコンピュータ可読ストレージ媒体34、すなわち、アプリケーションに十分なメモリ、及び、非限定的に、高速クロック、タイマー、入力/出力回路、バッファー回路などの、関連付けられたハードウェア及びソフトウェアを有する、1以上の処理ノードとして物理的に具現化され得る。非一過性のコンピュータ可読ストレージ媒体34は、十分なリードオンリーメモリ、例えば、磁気又は光学メモリを含み得る。以下で説明される方法を具現化するコンピュータ可読コード又は命令は、コンピュータシステム30の動作中に実行され得る。その目的で、コンピュータシステム30は、1以上のプロセッサ32、例えば、論理回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、中央処理装置、マイクロプロセッサ、及び/又は、本明細書で説明されるプログラムされた機能を提供するために必要な他の不可欠なハードウェアを包含し得る。
【0028】
[0029] ディスプレイスクリーン36は、複合材構成要素の構造構成38を表示するために、以下で説明されるような本開示を実施するユーザ用のグラフィカルインターフェースを容易にするために、コンピュータ可読媒体34及び(1以上の)プロセッサ32に接続され得るか、又はそれらと通信し得る。一実施例では、複合材構成要素のための構造構成38が、デジタルドメイン内で複合材構成要素を表現する三次元コンピュータ支援設計(CAD)を含む。図示された一実施例では、構造構成38が、複合材外板、構成された構造(例えば、補強材、リブ、スパー、フレーム)、又はジョイント(例えば、接合された、共接合された、締結された)などの、第1の複合材要素38Aを含む。第1の複合材要素38Aはまた、複合材リブ又はスパーなどの複合材要素にも取り付けられ得る。構造構成38はまた、エーカー数、ジョイント、部品、サブコンポーネント、構成要素、及びアセンブリも含み得る。
【0029】
[0030] 複合材構造の複雑さのために、デジタルドメイン内の複合材構成要素のための構造構成内のくぼみ深さを正確に予測することは困難であった。というのも、くぼみ深さは、多くの相互に関連する考慮事項によって影響を受けるからである。複合材構成要素内のくぼみ深さに影響を与える1つの考慮事項は、境界条件を含む。
【0030】
[0031] 複合材構成要素内のくぼみ深さに影響を与えるもう一つの考慮事項は、構成効果、例えば、エネルギー吸収又は荷重経路を含む。構成効果では、より大きな構造物は、前述されたジョイント、構成されたアタッチメントなどにより、より従順な応答を有する傾向があり、その結果、くぼみ深さを実現するためにより大きなエネルギーが必要とされる。この理由で、典型的にはサイズ決定のために使用される平坦なクーポンレベルにおいて観察される閾値衝撃エネルギーは、要素レベルにおける構成されたパネルで観察される閾値衝撃エネルギーによりもはるかに低い。これは、構成されたパネルが試験のために使用されるクーポンレベル要素よりも大きなくぼみ耐性を有することにつながり得る。パネルは、クーポンレベル要素試験から予測されるよりも大きなくぼみ耐性を示すので、パネルは、必要とされるよりも強くなり得る。これにより、構成要素が重くなる可能性がある。
【0031】
[0032] 複合材構成要素内のくぼみ深さに影響を与える更なる1つの考慮事項は、複合材構成要素内の材料のレイアップ又は厚さを含む。これは、複合材構成要素を解析する複雑さを増す。というのも、くぼみ深さは、レイアップにわたり一定ではなく、又は厚さが均等ではないからである。また、複合材構造の幾つかの用途は、スタックアップ内に金属構成要素を含む。したがって、構造構成の部分は、複合材‐アルミニウム‐複合材、複合材‐Ti‐複合材、及び全スタック内の複合材の金属との他の配列を含み得る。
【0032】
[0033] 複合材構成要素内のくぼみ深さに影響を与える更なる別の1つの考慮事項は、複合材料の材料特性を含む。最新の強靭化された複合材は、マトリクス内に混合された強靭化剤に依存する。1つの一般的な強靭化剤は、熱可塑性プラスチックを含む。これらの材料は、衝撃を受けると弾性非線形性と損傷の両方を経験するので、これらを含む複合材構成要素のくぼみ深さの予測に寄与する応答を分離することは困難である。
【0033】
[0034] 複合材構成要素内のくぼみ深さに影響を与えるまた更なる別の1つの考慮事項は、複合材レイアップでのプライ間の中間層/界面を含む。この界面は、ナノ強化や接着剤などを使用する、プライ対プライ、複合材レイアップ対複合材レイアップ、又は他の複合材対リブ、スパー、フレーム、又はストリンガであり得る。
【0034】
[0035] ナノ強化/接着剤/などの幾つかの形態を使用する、プライ対プライ、若しくは複合材レイアップ対複合材レイアップ、又は他の複合材対リブ/スパー/フレーム/ストリンガの界面を修正することにより、損傷許容設計を改善するために、業界全体でかなりの研究が行われてきた(そして、依然として行われているかもしれない)。これは、インナーモールドライン(IML)やアウターモールドライン(OML)のシミュレーションに影響を与え、更には積層体のエーカー数にも影響を与え得る。
【0035】
[0036] 複合材構造の複雑さに関する上述の考慮事項により、例示的な試験実務は、閾値くぼみ深さを生成する閾値衝撃エネルギーを特定するために、物理的スクリーニングクーポンを開発しようとしている。このアプローチは、複数の異なる衝撃エネルギーを試験して、各衝撃位置についての閾値衝撃エネルギーに収束させることを含む。このアプローチを使用して、閾値衝撃エネルギーを特定し、次いで、損傷許容性が実証されているクーポン、要素、又はサブコンポーネントに適用する。損傷許容性を実証するためのツールは存在するが、業界は、変更が生じるたびに各構成について影響調査試験を実施しなければならないという必要性によって制限を受ける。このアプローチは、結果として、損傷許容性について複合材構成要素を構築し、試験するための多大なコストをもたらす。
【0036】
[0037] 本開示の1つの特徴は、物理的ハードウェアを構築して試験することなしに、複合材構造の損傷許容性を特定するための解析的アプローチを提供することである。この解析的アプローチは、機械学習(ML)アルゴリズムを通じて過去の物理試験データセットから情報を得て、複合材構成要素の構造構成38のくぼみ深さをシミュレートするための衝撃エネルギーを推定する、くぼみ深さメタモデルを利用する。本開示のアプローチは、物理的な調査パネルの試験に関連付けられた開発コストを削減し、デジタルドメイン内の複合材構成要素の構造構成をはるかに速い時間枠で評価することによって、設計空間の拡大を可能にする。例えば、本明細書で開示されたアプローチは、試験時間を数カ月から数日又は数時間にさえ短縮し得る。
【0037】
[0038]
図2は、損傷許容性について複合材構成要素の構造構成38を解析する例示的な方法100を示す。方法100は、複合材構成要素の構造構成38を受け取ること(ブロック102)を含む。一実施例では、構造構成38が、単一の剛性レベルを有する複合材構成要素を規定し、三次元デジタルドメイン内で表現される。
【0038】
[0039] 構造構成38は、構造構成38を形成する少なくとも1つの複合材料と、別の複合材要素に対して接合された少なくとも1つの複合材要素とを特定し得る。例えば、構造構成38は、剛性部材に接合された外板、二次的構造に接合された外板、又はリブ若しくはスパーのうちの少なくとも一方を含む二次的構造に接合された補強構造のうちの少なくとも1つなどの、複合材要素を含み得る。構造構成38内で表される複合材要素は、構造構成38内で互いに対して結合され、接合され、固定され、又は取り付けられ得る。
【0039】
[0040] 次いで、方法100は、ブロック104において、構造構成38について関心のある少なくとも1つのメトリックを特定する。関心のある少なくとも1つのメトリックは、動的剛性、エネルギー吸収率、複合材構成要素へのエネルギーフラックス、又は初期撓み率を含み得る。一実施例では、関心のある少なくとも1つのメトリックは、評価のためにコンピュータシステム30のユーザによって選択され得る。代替的に、コンピュータシステム30は、評価のために関心のある少なくとも1つのメトリックを予め選択し得る。
【0040】
[0041] 次いで、方法100は、構造構成(ブロック102)、関心のある少なくとも1つのメトリック(ブロック104)、及び機械学習アルゴリズムから取得された情報(ブロック110)に基づいて、くぼみ深さメタモデル(ブロック106)を開発し得る。関心のある少なくとも1つのメトリック(ブロック104)は、ブロック106におけるくぼみ深さメタモデルの開発のための制約を提供する。
【0041】
[0042] ブロック106におけるくぼみ深さメタモデルの開発用の情報を提供するための、ブロック110における機械学習アルゴリズムでは、機械学習アルゴリズムが訓練される。機械学習アルゴリズムは、入力訓練データセットとして、ブロック108からの過去の物理試験データセットに基づいて事前に訓練され得る。物理試験データに加えて、ブロック108からの過去の物理試験データセットは、物理試験データに基づく損傷許容性基準についての計算を含む。この計算は、コンピュータシステム30によってブロック108において実行され得るか、又は、この計算は、方法100がブロック108において過去の物理試験データセットを取得する前に実行され得る。損傷許容性基準は、手計算などの計算(理論)、設計曲線(理論的、半経験的、経験的)、又は構造構成に影響を与える関連付けられた設計基準/ガイドライン(例えば、安全マージン)のうちの少なくとも1つに基づき得る。
【0042】
[0043] 代替的に、機械学習アルゴリズムは、ブロック102からの特定の構造構成についてのくぼみ深さメタモデルの開発に関連して、ブロック108からの過去の物理試験データセットで訓練され得る。一実施例では、ブロック110からの機械学習アルゴリズムが、ベイズに基づくアルゴリズムである。しかし、物理学に基づいた機械学習アルゴリズムなどの、他の種類の機械学習アルゴリズムも使用され得る。
【0043】
[0044] 複合材構成要素の過去の物理試験データセット(ブロック108)は、材料特性が異なる複合材構成要素の多くの異なる構成を含む。一実施例では、ブロック108で取得された過去の物理試験データセットが、航空機プラットフォーム、陸上車両プラットフォーム、又は他の大部分を占める複合材プラットフォームなどの、複数の製品アセンブリの開発から生成され、構造構成38の評価のために特別に生成されたものではない。過去の物理試験データセットはまた、様々な複雑さと材料構造を持つ複合材構成要素を用いて数年の期間にわたり収集されたデータも含み得る。
【0044】
[0045] 過去の物理試験データセット(ブロック108)は、複合材構成要素の異なる構成について実行された物理試験の各々についての対応する一組の物理試験データの出力データに関連付けられた一組の物理試験入力データを含み得る。一組の物理試験入力データは、力‐時間履歴、変位‐時間履歴、衝撃エネルギー‐時間履歴、インパクタ構成、くぼみ深さ、材料特性、関連する境界条件、関連する環境条件(例えば、熱及び湿気)、又は複合材のレイアップ及び形状を含む複合材構造構成のうちの少なくとも1つを含み得る。物理試験入力データからの材料特性は、モード1歪エネルギー率、モード2歪エネルギー率、層間強度、剛性プライ特性、又はプライ強度特性のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0045】
[0046] 一組の物理試験出力データは、入力データとして記録された物理試験中の衝撃に起因する損傷の種類、物理試験中の衝撃から吸収されたエネルギー、又は物理試験に起因する複合材構成要素内のくぼみ深さのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0046】
[0047] 一実施例では、ブロック108からの過去の物理試験データセットが、複合材構成要素アセンブリの3つの主たるカテゴリーに分割され得る。各カテゴリーは、上記で特定された物理試験入力データと物理試験出力データを含む。過去の物理試験データセット(ブロック108)からの複合材構成要素の第1の又は最も広範なカテゴリーは、材料特性評価に関する物理試験データを含む。この種類の物理試験データは、材料のスクリーニングと選択、材料仕様の開発、又は許容可能な開発に関する情報を含み得る。物理試験データの第2の又は中間の種類は、設計値開発に関する物理試験データを含む。この種類の物理試験データは、サブコンポーネント試験及び構造要素試験に関する情報を含み得る。複合材構成要素の複雑さに関する物理試験データの第3の又は最も高度な種類は、解析評価を伴う物理試験データを含む。この種類の物理試験データは、フルスケール試験及び構成要素試験に関する情報を含み得る。
【0047】
[0048] ブロック106におけるくぼみ深さメタモデルの開発中、複合材構成要素の構造構成38と過去の物理試験からの複数の複合材構成要素のうちの対応する1つとの間の材料又は構成のうちの少なくとも一方のより大きな類似性を有する複数の複合材構成要素の過去の物理試験データセットに、より大きな重みが提供され得る。機械学習アルゴリズムは、過去の物理試験データセット基づいて事前に訓練され得るか、又はくぼみ深さメタモデルの開発に関連して訓練され得る。また、機械学習アルゴリズムは、コンピュータシステム30で、又はコンピュータシステム30よりも大きなコンピューティング能力を有するリモートコンピュータシステム40で訓練され得る。また、過去の物理試験データセットは、削除(remove)コンピュータシステム40に記憶され得るか、又はコンピュータシステム30のコンピュータ可読媒体34内に記憶され得る。
【0048】
[0049] 次いで、方法100は、ブロック106からの構造構成38について開発されたくぼみ深さメタモデルを利用して、構造構成内の閾値くぼみ深さを規定するために必要とされる衝撃エネルギーを推定する(ブロック112)。一実施例では、閾値くぼみ深さが、構造構成38の表面内の0.01インチのくぼみ深さに相当する。別の一実施例では、閾値くぼみ深さが、構造構成38内の0.02インチのくぼみ深さに相当する。
【0049】
[0050] 複合材構成要素の構造構成内の閾値くぼみ深さを規定するために必要とされる衝撃エネルギーを用いて、方法100は、ブロック112からの推定された衝撃エネルギーを利用して、構造構成38によるコンピュータベースのシミュレーション(ブロック114)を実行し得る。コンピュータベースのシミュレーションは、圧縮荷重、引張荷重、又はせん断荷重のうちの少なくとも1つの下での構造構成の損傷を受けた部分の強度の特定を含む、出力データを生成する。コンピュータベースのシミュレーションは、低速度衝撃(LVI)シミュレーション、高速度衝撃(HVI)シミュレーション、アウターモールドライン(OML)、インナーモールドライン(IML)、又は構造構成に対する別の種類の衝撃シミュレーションを含み得る。
【0050】
[0051] また、コンピュータベースのシミュレーションは、過去の物理試験データセットからブロック108において取得された情報と同様な一組の入力データと一組の出力データを含む。ブロック114からの結果は、機械学習アルゴリズム用のより大きな訓練データセットを提供するために、シミュレーションの精度が上がるにつれて、機械学習モデルを改善するために、ブロック110に再帰的に戻され得る。
【0051】
[0052] 次いで、方法100は、シミュレーションからの情報を使用して、構造構成38用の設計値を特定することができる。ブロック116における設計値の特定により、複雑さの程度が異なる複合材構成要素に対して物理試験を実行するのとは対照的に、デジタルエンジニアリングによる大幅な節約が可能になる。
【0052】
[0053] 以下の条項は、
図2の損傷許容性について複合材構造を解析する例示的な方法100のためのシステム及び方法の例示的な構成を提供する。
【0053】
[0054] 条項1.
損傷許容性について複合材構造を解析する方法であって、複合材構成要素のための構造構成を取得すること、前記構造構成について関心のある少なくとも1つのメトリックを特定すること、前記複合材構成要素の前記構造構成、前記関心のある少なくとも1つのメトリック、及び機械学習アルゴリズムから取得された情報に基づいて、くぼみ深さメタモデルを開発することであって、前記関心のある少なくとも1つのメトリックは、前記くぼみ深さメタモデルに対する制約を提供し、前記機械学習アルゴリズムは、複数の複合材構成要素の過去の物理試験データセットに基づいて訓練される、くぼみ深さメタモデルを開発すること、前記構造構成用の前記くぼみ深さメタモデルを利用して、前記構造構成内の閾値くぼみ深さを規定するために、衝撃エネルギーを推定すること、前記くぼみ深さメタモデルからの前記衝撃エネルギーを利用して、前記構造構成のコンピュータベースのシミュレーションを実行すること、及び、前記コンピュータベースのシミュレーションから生成された出力データに基づいて、前記構造構成用の少なくとも1つの設計値を特定することを含む、方法。
【0054】
[0055] 条項2.
前記くぼみ深さメタモデルを開発することは、前記構造構成と以前に解析された物理的複合材構成要素のうちの対応する1つとの間の材料又は構成の類似性に基づいて、複数の前記以前に解析された物理的複合材構成要素の前記過去の物理試験データセットに、より大きな重みを提供することを含む、条項1に記載の方法。
【0055】
[0056] 条項3.
複数の以前に解析された物理的複合材構成要素は、複数の異なるビークルプラットフォームからの複合材構成要素を含む、条項1又は2に記載の方法。
【0056】
[0057] 条項4.
前記過去の物理試験データセットは、複数の以前に解析された物理的複合材構成要素についての対応する試験データ出力に関連付けられた複数の試験データ入力を含む、条項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【0057】
[0058] 条項5.
試験データ入力は、力‐時間履歴、変位‐時間履歴、衝撃エネルギー‐時間履歴、インパクタ構成、くぼみ深さ、材料特性、関連する境界条件、又は複合材レイアップ及び形状を規定する複合材構造構成のうちの少なくとも1つを含む、条項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【0058】
[0059] 条項6.
材料特性は、モード1歪エネルギー率、モード2歪エネルギー率、層間強度、剛性プライ特性、又はプライ強度特性のうちの少なくとも1つを含む、条項4又は5に記載の方法。
【0059】
[0060] 条項7.
試験データ出力は、衝撃の結果生じた損傷の種類、前記衝撃から吸収されたエネルギー、又は測定されたくぼみ深さのうちの少なくとも1つを含む、条項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【0060】
[0061] 条項8.
前記構造構成は、補強部材に接合された外板、二次構造に接合された前記外板、又は前記二次構造に接合された補強構造のうちの少なくとも1つを含み、前記二次構造はリブ若しくはスパーのうちの少なくとも一方を含む、条項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【0061】
[0062] 条項9.
前記関心のある少なくとも1つのメトリックは、動的剛性、エネルギー吸収率、前記構造構成へのエネルギーフラックス、又は初期撓み率を含む、条項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【0062】
[0063] 条項10.
前記コンピュータベースのシミュレーションから生成された出力データは、圧縮荷重、引張荷重、及びせん断荷重のうちの少なくとも1つの下での前記構造構成の損傷を受けた部分の強度の特定を含む、条項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【0063】
[0064] 条項11.
前記複合材構成要素は、互いに対して固定された複数の個々の複合材要素を含む、条項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【0064】
[0065] 条項12.
前記過去の物理試験データセットは、物理試験データに基づく損傷許容性基準についての計算を含む、条項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【0065】
[0066] 条項13.
前記機械学習アルゴリズムは、ベイズに基づくアルゴリズム又は物理学に基づくアルゴリズムを含む、条項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【0066】
[0067] 条項14.
プログラムされた命令を具現化する非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、方法を実行するために動作可能であり、前記方法は、複合材構成要素のための構造構成を取得すること、前記構造構成について関心のある少なくとも1つのメトリックを特定すること、前記複合材構成要素の前記構造構成、前記関心のある少なくとも1つのメトリック、及び機械学習アルゴリズムから取得された情報に基づいて、くぼみ深さメタモデルを開発することであって、前記関心のある少なくとも1つのメトリックは、前記くぼみ深さメタモデルに対する制約を提供し、前記機械学習アルゴリズムは、複数の複合材構成要素の過去の物理試験データセットに基づいて訓練される、くぼみ深さメタモデルを開発すること、前記構造構成用の前記くぼみ深さメタモデルを利用して、前記構造構成内の閾値くぼみ深さを規定するために、衝撃エネルギーを推定すること、前記くぼみ深さメタモデルからの前記衝撃エネルギーを利用して、前記構造構成のコンピュータベースのシミュレーションを実行すること、及び、前記コンピュータベースのシミュレーションから生成された出力データに基づいて、前記構造構成用の少なくとも1つの設計値を特定することを含む、コンピュータ可読媒体。
【0067】
[0068] 条項15.
前記過去の物理試験データセットは、複数の以前に解析された物理的複合材構成要素についての対応する試験データ出力に関連付けられた複数の試験データ入力を含み、前記過去の物理試験データセットは、物理試験データに基づく損傷許容性基準についての計算を含む、条項14に記載のコンピュータ可読媒体。
【0068】
[0069] 条項16.
試験データ入力は、力‐時間履歴、変位‐時間履歴、衝撃エネルギー‐時間履歴、インパクタ構成、くぼみ深さ、材料特性、関連する境界条件、又は複合材レイアップ及び形状を規定する複合材構造構成のうちの少なくとも1つを含む、条項14又は15に記載のコンピュータ可読媒体。
【0069】
[0070] 条項17.
材料特性は、モード1歪エネルギー率、モード2歪エネルギー率、層間強度、剛性プライ特性、又はプライ強度特性のうちの少なくとも1つを含む、条項14から16のいずれか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
【0070】
[0071] 条項18.試験データ出力は、衝撃の結果生じた損傷の種類、前記衝撃から吸収されたエネルギー、又は測定されたくぼみ深さのうちの少なくとも1つを含む、条項14から17のいずれか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
【0071】
[0072] 条項19.
前記関心のある少なくとも1つのメトリックは、動的剛性、エネルギー吸収率、前記構造構成へのエネルギーフラックス、又は初期撓み率を含む、条項14から18のいずれか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
【0072】
[0073] 条項20.
プログラムされた命令を具現化する非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、方法を実行するために動作可能であり、前記方法は、複合材構成要素のための構造構成を取得すること、前記構造構成について関心のある少なくとも1つのメトリックを特定すること、前記複合材構成要素の前記構造構成、前記関心のある少なくとも1つのメトリック、及び機械学習アルゴリズムから取得された情報に基づいて、くぼみ深さメタモデルを開発することであって、前記関心のある少なくとも1つのメトリックは、前記くぼみ深さメタモデルに対する制約を提供し、前記機械学習アルゴリズムは、複数の複合材構成要素の過去の物理試験データセットに基づいて訓練され、前記過去の物理試験データセットは、物理試験データに基づく損傷許容性基準についての計算を含む、くぼみ深さメタモデルを開発すること、前記構造構成用の前記くぼみ深さメタモデルを利用して、前記構造構成内の閾値くぼみ深さを規定するために、衝撃エネルギーを推定すること、前記くぼみ深さメタモデルからの前記衝撃エネルギーを利用して、前記構造構成のコンピュータベースのシミュレーションを実行すること、及び、前記コンピュータベースのシミュレーションから生成された出力データに基づいて、前記構造構成用の少なくとも1つの設計値を特定することを含む、コンピュータ可読媒体。
【0073】
[0074] 様々な実施形態が説明されてきたが、この説明は限定的ではなく例示的であることが意図されている。更に多くの実施形態及び実施態様が、複数の本実施形態の範囲内に入ることが可能であることは、当業者にとって明らかであろう。任意の実施形態の任意の特徴は、特に制限されない限り、任意の他の実施形態内の任意の他の特徴又は要素と組み合わされて使用されてよく、又はそれらの代わりに使用されてよい。したがって、複数の本実施形態は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物を考慮すること以外で限定されるものではない。また、添付の特許請求の範囲に記載された範囲内において、様々な修正や変更を加えることができる。
【外国語明細書】