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2025-13748タービンブレードのプラットフォームの下側の構造及びポケット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013748
(43)【公開日】2025-01-28
(54)【発明の名称】タービンブレードのプラットフォームの下側の構造及びポケット
(51)【国際特許分類】
   F01D 5/30 20060101AFI20250121BHJP
   F01D 5/14 20060101ALI20250121BHJP
   F02C 7/18 20060101ALI20250121BHJP
   F01D 5/18 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
F01D5/30
F01D5/14
F02C7/18 A
F01D5/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024091549
(22)【出願日】2024-06-05
(31)【優先権主張番号】18/219,179
(32)【優先日】2023-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スナイダー、ザカリー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】コックス、ブランドン リー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】タービンブレードのプラットフォームの下側の構造及びポケットを提供する。
【解決手段】タービンブレードは、シャンクの底部からタービンブレードのプラットフォームの端部まで延在するバットレスを有するシャンクを備えたルート部を含んでいる。バットレスは、所与のシャンクの質量に対して構造健全性を高め、質量を低減することができる。シャンク壁及びプラットフォームの底部により、バットレスは、プラットフォームの下方に、ブレードの冷却回路の一部となり得るポケットを画定する。ポケットは、ルート部の負圧側又は正圧側に備えることができ、ルート部の両側に、互いに流体連通することができる部分又はポケットを含むことができる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービン(111)ブレード(132、300)であって、
先端部(136、316)、本体部(314)、及び基部(312)を含むエアフォイル(152、306)と、
前記エアフォイル(152、306)の基部(312)に接続されたプラットフォーム(134、304)と、
前記プラットフォーム(134、304)からダブテール(144、308)まで延在するシャンク(148、310)であって、前記シャンク(148、310)は、
前方壁及び後方壁(286、342)であって、前記プラットフォーム(134、304)の対応する前方端部及び後方端部の下方に位置し、前記前方端部及び後方端部に接続された、前方壁及び後方壁(286、342)、及び
前記シャンク(148、310)の負圧側及び前記シャンク(148、310)の正圧側の一方において、前記前方壁と前記後方壁との間に配置された第1のバットレス(322、332)であって、前記第1のバットレス(322、332)は、前記シャンク(148、310)の下部から、前記プラットフォーム(134、304)の対応する端部(326、336)まで延在しており、前記第1のバットレス(322、332)の第1の部分は、前記シャンク(148、310)の第1の内壁(324、334)に対して少なくとも30°の角度で方向付けられ、少なくとも前記第1のバットレス(322、332)と前記第1の内壁(324、334)との間に第1のポケット(320、330)を画定する、第1のバットレス(322、332)
を含む、シャンク(148、310)
を含む、タービン(111)ブレード(132、300)。
【請求項2】
前記第1のポケット(320、330)は、更に、前記プラットフォーム(134、304)の底部によって画定される、請求項1に記載のタービン(111)ブレード(132、300)。
【請求項3】
前記第1のポケット(320、330)は、更に、前記前方壁(284、340)及び前記後方壁(286、342)のうちの少なくとも1つによって画定される、請求項1に記載のタービン(111)ブレード(132、300)。
【請求項4】
前記第1のバットレス(322、332)の第2の部分は、前記前方壁(284、340)及び前記後方壁(286、342)のうちの少なくとも一方に対して少なくとも30°の角度で方向付けられている、請求項3に記載のタービン(111)ブレード(132、300)。
【請求項5】
前記第1の内壁(324、334)と前記第1のバットレス(322、332)との間の距離は、前記プラットフォーム(134、304)と前記ダブテール(144、308)との間で変化する、請求項1に記載のタービン(111)ブレード(132、300)。
【請求項6】
前記第1の内壁(324、334)と前記第1のバットレス(322、332)との間の距離は、前記プラットフォーム(134、304)からの距離によって変化する、請求項5に記載のタービン(111)ブレード(132、300)。
【請求項7】
前記シャンク(148、310)の負圧側及び前記シャンク(148、310)の正圧側のうちの他方において、前記前方壁(284、340)と前記後方壁(286、342)との間に配置された第2のバットレス(322、332)を更に含み、前記第2のバットレス(322、332)は、前記シャンク(148、310)の下部から前記プラットフォーム(134、304)の対応する端部(326、336)まで延在し、前記第2のバットレス(322、332)の第1の部分は前記シャンク(148、310)の第2の内壁(324、334)に対して少なくとも30°の角度で方向付けられ、少なくとも前記第2のバットレス(322、332)と前記第2の内壁(324、334)との間に、第2のポケット(320、330)を画定する、請求項1に記載のタービン(111)ブレード(132、300)。
【請求項8】
前記第1のポケット(320、330)は、前記第2のポケット(320、330)と流体(140)連通している、請求項7に記載のタービン(111)ブレード(132、300)。
【請求項9】
前記第1のポケット(320、330)及び前記第2のポケット(320、330)のうちの少なくとも一方のポケットが、前記タービン(111)ブレード(132、300)の冷却回路と流体(140)連通している、請求項7に記載のタービン(111)ブレード(132、300)。
【請求項10】
ガスタービン(111)システム(100)であって、
高温ガス流路を含むタービン(111)部、及び
前記タービン(111)のロータ(112)から半径方向に沿って前記高温ガス流路に延在し、前記タービン(111)部において円周方向に間隔を空けて配置された複数のタービン(111)ブレード(132、300)であって、各タービン(111)ブレード(132、300)は、
シャンク(148、310)とダブテール(144、308)とを含むルート部(142、300、302)であって、前記ダブテール(144、308)は前記ロータ(112)に取り付けられている、ルート部(142、300、302)と、
前記シャンク(148、310)に接続されたプラットフォーム(134、304)と、
前記プラットフォーム(134、304)によって支持され、前記プラットフォーム(134、304)から半径方向に離れるように延在するエアフォイル(152、306)と
を含み、
前記シャンク(148、310)は、
前方壁及び後方壁(286、342)であって、前記プラットフォーム(134、304)の対応する前方端部及び後方端部の下方に位置し、前記前方端部及び後方端部に接続された、前方壁及び後方壁(286、342)、及び
前記シャンク(148、310)の負圧側及び前記シャンク(148、310)の正圧側の一方において、前記前方壁と前記後方壁との間に配置された第1のバットレス(322、332)であって、前記第1のバットレス(322、332)は、前記シャンク(148、310)の下部から、前記プラットフォーム(134、304)の対応する端部(326、336)まで延在しており、前記第1のバットレス(322、332)の第1の部分は、前記シャンク(148、310)の第1の内壁(324、334)(324)に対して少なくとも30°の角度で方向付けられ、少なくとも前記第1のバットレス(322、332)と前記第1の内壁(324、334)(324)との間に第1のポケット(320、330)(320)を画定する、第1のバットレス(322、332)
を含む、ガスタービン(111)システム(100)。
【請求項11】
前記第1のポケット(320、330)は、更に、前記プラットフォーム(134、304)の底部、前記前方壁(284、340)、及び前記後方壁(286、342)のうちの少なくとも1つによって画定される、請求項10に記載のガスタービン(111)システム(100)。
【請求項12】
前記第1のバットレス(322、332)の第2の部分は、前記前方壁(284、340)及び前記後方壁(286、342)のうちの少なくとも1つに対して少なくとも30°の角度で方向付けられている、請求項11に記載のガスタービン(111)システム(100)。
【請求項13】
前記第1の内壁(324、334)と前記第1のバットレス(322、332)との間の距離は、前記プラットフォーム(134、304)と前記ダブテール(144、308)との間で変化する、請求項10に記載のガスタービン(111)システム(100)。
【請求項14】
前記シャンク(148、310)は、前記シャンク(148、310)の負圧側及び前記シャンク(148、310)の正圧側のうちの他方において、前記前方壁と前記後方壁(286、342)との間に配置された第2のバットレス(322、332)を更に含み、前記第2のバットレス(322、332)は、前記シャンク(148、310)の下部から前記プラットフォーム(134、304)の対応する端部(326、336)まで延在し、前記第2のバットレス(322、332)の第1の部分は前記シャンク(148、310)の第2の内壁(324、334)に対して少なくとも30°の角度で方向付けられ、少なくとも前記第2のバットレス(322、332)と前記第2の内壁(324、334)との間に、第2のポケット(320、330)を画定する、請求項10に記載のガスタービン(111)システム(100)。
【請求項15】
前記第1のポケット(320、330)及び前記第2のポケット(320、330)の少なくとも一方のポケットは、前記タービン(111)ブレード(132、300)の冷却回路と流体(140)連通している、請求項14に記載のガスタービン(111)システム(100)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にガスタービンシステムに関し、より詳細には、質量低減と性能向上を同時に実現するプラットフォームの下側の特徴を含むブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ機械の回転ブレード(特に、タービンの高温ガス経路の回転ブレード)は、多軸形で高負荷の下、極めて高い温で動作する。そのため、このようなブレードは、ブレードが受ける負荷にも耐えることができる高融点の材料から製造しなければならない。このような材料は高価であるため、できるだけ少ない材料で必要な機能を発揮できるブレード設計が求められている。
【発明の概要】
【0003】
以下に述べるすべての態様、例、及び特徴は、技術的に可能なあらゆる方法で組み合わせることができる。
【0004】
本開示は、シャンクの底部からタービンブレードプラットフォームの端部まで延在するバットレスを有するシャンクを有するルート部を含むタービンブレードを提供する。バットレスによって、所与のシャンクの質量に対して構造健全性を高めて、質量を低下することができる。シャンク壁とプラットフォームの底部により、バットレスは、ブレードの冷却回路の一部になり得るポケットをプラットフォームの下に画定する。ポケットは、ルート部の負圧側又は正圧側に設けることができ、ルート部の両側に、互いに流体連通することができる部分又はポケットを含むことができる。
【0005】
より具体的には、本開示の一態様は、タービンブレードを提供する。このタービンブレードは、先端部、本体部、及び基部を含むエアフォイルと、前記エアフォイルの基部に接続されたプラットフォームと、前記プラットフォームからダブテールまで延在するシャンクであって、前記シャンクは、前方壁及び後方壁であって、前記プラットフォームの対応する前方端部及び後方端部の下方に位置し、前記前方端部及び後方端部に接続された、前方壁及び後方壁、及び前記シャンクの負圧側及び前記シャンクの正圧側の一方において、前記前方壁と前記後方壁との間に配置された第1のバットレスであって、前記第1のバットレスは、前記シャンクの下部から、前記プラットフォームの対応する端部まで延在しており、前記第1のバットレスの第1の部分は、前記シャンクの第1の内壁に対して少なくとも30°の角度で方向付けられ、少なくとも前記第1のバットレスと前記第1の内壁との間に第1のポケットを画定する、第1のバットレスを含む、シャンクを含む。
【0006】
本開示の別の態様は、上記の態様を含み、前記第1のポケットは、更に、前記プラットフォームの底部によって画定される。
【0007】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記第1のポケットは、更に、前記前方壁及び前記後方壁のうちの少なくとも1つによって画定される。
【0008】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記第1のバットレスの第2の部分は、前記前方壁及び前記後方壁のうちの少なくとも一方に対して少なくとも30°の角度で方向付けられている。
【0009】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記第1の内壁と前記第1のバットレスとの間の距離は、前記前方壁と後方壁との間で変化する。
【0010】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記第1の内壁と前記第1のバットレスとの間の距離は、前記プラットフォームからの距離によって変化する。
【0011】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記シャンクの負圧側及び前記シャンクの正圧側のうちの他方において、前記前方壁と前記後方壁との間に配置された第2のバットレスを更に含み、前記第2のバットレスは、前記シャンクの下部から前記プラットフォームの対応する端部まで延在し、前記第2のバットレスの第1の部分は前記シャンクの第2の内壁に対して少なくとも30°の角度で方向付けられ、少なくとも前記第2のバットレスと前記第2の内壁との間に、第2のポケットを画定する。
【0012】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記第1のポケットは、前記第2のポケットと流体連通している。
【0013】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記第1のポケット及び前記第2のポケットのうちの少なくとも一方のポケットが、前記タービンブレードの冷却回路と流体連通している。
【0014】
本開示の一態様は、ガスタービンシステムを提供する。ガスタービンシステムは、高温ガス流路を含むタービン部、及び前記タービンのロータから半径方向に沿って前記高温ガス流路に延在し、前記タービン部において円周方向に間隔を空けて配置された複数のタービンブレードであって、各タービンブレードは、シャンクとダブテールとを含むルート部であって、前記ダブテールは前記ロータに取り付けられている、ルート部と、前記シャンクに接続されたプラットフォームと、前記プラットフォームによって支持され、前記プラットフォームから半径方向に離れるように延在するエアフォイルとを含み、前記シャンクは、前方壁及び後方壁であって、前記プラットフォームの対応する前方端部及び後方端部の下方に位置し、前記前方端部及び後方端部に接続された、前方壁及び後方壁、及び前記シャンクの負圧側及び前記シャンクの正圧側の一方において、前記前方壁と前記後方壁との間に配置された第1のバットレスであって、前記第1のバットレスは、前記シャンクの下部から、前記プラットフォームの対応する端部まで延在しており、前記第1のバットレスの第1の部分は、前記シャンクの第1の内壁に対して少なくとも30°の角度で方向付けられ、少なくとも前記第1のバットレスと前記第1の内壁との間に第1のポケットを画定する、第1のバットレスを含む。
【0015】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記第1のポケットは、更に、前記プラットフォームの底部によって画定される。
【0016】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記第1のポケットは、更に、前記前方壁及び前記後方壁のうちの少なくとも1つによって画定される。
【0017】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記第1のバットレスの第2の部分は、前記前方壁及び前記後方壁のうちの少なくとも一方に対して少なくとも30°の角度で方向付けられている。
【0018】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記第1の内壁と前記第1のバットレスとの間の距離は、前記プラットフォームと前記ダブテールとの間で変化する。
【0019】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記シャンクの第1の内壁と前記第1のバットレスとの間の距離は、前記プラットフォームからの距離によって変化する。
【0020】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記シャンクは、前記シャンクの負圧側及び前記シャンクの正圧側のうちの他方において、前記前方壁と前記後方壁との間に配置された第2のバットレスを更に含み、前記第2のバットレスは、前記シャンクの下部から前記プラットフォームの対応する端部まで延在し、前記第2のバットレスの第1の部分は前記シャンクの第2の内壁に対して少なくとも30°の角度で方向付けられ、少なくとも前記第2のバットレスと前記第2の内壁との間に、第2のポケットを画定する。
【0021】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記第1のポケット及び前記第2のポケットのうちの少なくとも一方のポケットが、前記タービンブレードの冷却回路と流体連通している。
【0022】
本開示の一態様はタービンブレードを提供する。タービンブレードは、先端部、本体部、及び基部を含むエアフォイル、前記エアフォイルの基部に接続されたプラットフォーム、シャンクとダブテールとを含むルート部を含み、前記シャンクは前記プラットフォームから前記ダブテールまで延在し、前記シャンクは、更に、前記プラットフォームのそれぞれの端部の下方に位置し、前記プラットフォームのそれぞれの端部に接続された、前方壁及び後方壁と、前記シャンクのそれぞれの負圧側及び正圧側にある第1の内壁及び第2の内壁とを含み、前記プラットフォームと平行な面における前記シャンクの断面プロファイルは、前記第1の内壁及び前記第2の内壁を含む内側部分を含み、前記シャンクは、更に、前記シャンクの負圧側及び正圧側に、それぞれ、第1のバットレス及び第2のバットレスを含み、前記第1のバットレス及び前記第2のバットレスの各バットレスは、それぞれの第1の内壁及び第2の内壁から離れた前記シャンクの下部から、前記プラットフォームの対応する端部まで延在し、少なくとも前記第1のバットレス及び前記第2のバットレスは、それぞれの第1の内壁及び第2の内壁並びに前記プラットフォームの底部と協働して、前記プラットフォームの下方にそれぞれの第1のポケット及び第2のポケットを画定する。
【0023】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記第1のバットレス及び前記第2のバットレスの各バットレスの第1の部分は、それぞれ、前記第1の内壁及び前記第2の内壁に対して少なくとも30°の角度で方向付けされる。
【0024】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記第1のポケット及び前記第2のポケットのうちの少なくとも一方のポケットは、前記タービンブレードの冷却回路と流体連通している。
【0025】
本開示に記載されている2つ以上の態様(本概要に記載されているものを含む)を組み合わせて、本明細書に具体的に記載されていない実施態様を構成することができる。
【0026】
一つ又は複数の実施態様の詳細は、添付の図面及び以下の発明を実施するための形態に記載されている。他の特徴、目的、及び利点は、発明を実施するための形態及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本開示のこれらの特徴及び他の特徴は、本開示の様々な実施形態を示す図面と併せて、本開示の様々な態様の以下の発明を実施するための形態から、更に容易に理解される。
図1】ガスタービンシステムの形態の例示的なターボ機械の概略図を示す。
図2図1のガスタービンシステムと共に使用することができる例示的なタービンアセンブリの断面図を示す。
図3】本開示の実施形態を採用することができるタイプのタービン回転ブレードの斜視図を示す。
図4】本開示の実施形態による、ブレードの負圧側に形成されたポケットを示す例示的なブレードの部分側面断面図を示す。
図5】本開示の実施形態による、ブレードの正圧側に形成されたポケットを示す図示の部分断面側面図を示す。
図6】本開示の実施形態による、図4及び図5の線A-Aから見た断面図を示す。
図7】本開示の実施形態による、図4及び図5の線B-Bから見た断面図を示す。
図8】本開示の実施形態による、図4及び図5の線C-Cから見た断面図を示す。
図9】本開示の実施形態による、図4及び図5の線D-Dから見た断面図を示す。
図10】本開示の実施形態による、図7と同様のポケットを示すとともに冷却回路の要素を含む例示的なブレードの部分断面斜視図を示す。
図11】本開示の他の実施形態による、図10と類似した例示的なブレードであって、冷却回路の要素を含むブレードの部分拡大断面斜視図を示す。
図12】本開示の更に他の実施形態による、図10と類似した例示的なブレードであって、冷却回路の要素を含むブレードの部分拡大断面斜視図を示す。
【0028】
本開示の図面は必ずしも同一の縮尺で拡大、縮小されているわけではないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様のみを示すことを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものとみなされるべきではない。図面において、同様の番号は、図面を通して同様の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
先ず初めに、本開示の主題を明確に説明するためには、構造及び熱管理の特徴をプラットフォームの下に備えたタービンブレードの例示的な用途において関連する機械構成要素を参照し説明する際に、特定の用語を選択することが必要になる。この説明をする場合、可能な限り、一般的な業界用語が、その業界で受け入れられている意味と一致する態様で使用され、採用される。特に明記しない限り、上記の用語は、本出願の文脈及び特許請求の範囲と一致する広い解釈が与えられるべきである。当業者は、多くの場合、特定の構成要素がいくつかの異なる用語又は重複する用語を使用して言及される場合があることを理解することができる。本明細書において単一の部品として記載されているものは、別の文脈では、複数の構成要素を含むことがあり、また、複数の構成要素を構成するものとして言及されることがある。あるいは、本明細書において複数の構成要素を含むものとして説明されているものは、他の箇所では単一の部品として言及されることがある。
【0030】
更に、本明細書では、いくつかの記述用語が規則的に使用される場合があり、発明を実施するための形態の始めにこれらの用語を定義しておくことが有益である。これらの用語及びその定義は、特に断りのない限り、以下の通りである。本明細書において、「下流(の)」及び「上流(の)」という用語は、流体の流れ(ターボ機械を流れる作動流体、又は、例えば、燃焼器を流れる空気若しくはターボ機械の複数の構成要素システムのうちの1つのシステムを流れる冷却剤の流れなど)に対して相対的な方向を示す用語である。「下流(の)」という用語は流体が流れる方向に対応し、「上流(の)」という用語は、その流れとは反対方向を表す。「前方の」及び「後部の」という用語は、特に断りがない限り方向を表し、「前方の(forward、fore)」は、ターボ機械の前部又は圧縮機端部を表し、「後方の(aftward、aft)」は、ターボ機械の後部又はタービン端部を表す。
【0031】
中心軸に対して異なる半径方向位置に配置された部品の説明を必要とされることが多い。「軸の」という用語は、軸(例えば、ターボ機械の軸)(図3の「X」方向の矢印によって示される軸)に対して平行な動き又は位置を表す。「半径方向の」という用語は、軸(例えば、ターボ機械の軸)(図3の「Z」方向の矢印によって示される軸)に対して垂直な動き又は位置を表す。第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸の近くに存在している場合、本明細書では、第1の構成要素は、第2の構成要素の「半径方向内側に」又は「内側に」あると記載される。一方、第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸から遠くに存在する場合、本明細書では、第1の構成要素は第2の構成要素の「半径方向外側に」又は「外側に」あると記載することができる。「軸の」という用語は、軸に対して平行な動き又は位置を表す。最後に、「円周の」という用語は、軸の周りの動き又は位置、例えば、ターボ機械の軸(図3の「Y」方向の矢印によって示される軸)に対して広がるケーシングの円周方向内面を表す。上記のように、このような用語は、タービン機械の軸に関して適用することができ、また、構成要素のスケールでは、タービン機械の個々の構成要素(例えば、回転ブレード)の中心軸に関して適用できることが理解される。
【0032】
更に、本明細書では、以下に説明するように、いくつかの記述用語が規則的に使用される場合がある。「第1」、「第2」、及び「第3」という用語は、ある構成要素を別の構成要素と区別するために交換可能に使用することができ、個々の構成要素の位置及び重要度を意味することを意図するものではない。
【0033】
明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明することを目的としており、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書において、「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「この(the)」という単数形は、文脈が明らかに複数形を含むことを示していない限り、複数形を含むことを意図している。「含む、有する、備える(comprises)」及び/又は「含んでいる、有している、備えている(comprising)」という用語は、本明細書で使用される場合、言及された特徴、整数、工程、動作、要素、及び/又は構成要素が存在していることを述べているが、他の1又は複数の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在及び追加を排除しないことが更に理解される。「任意選択の」又は「任意選択で」は、その後に記述される事象又は状況が発生してもよいし発生しなくてもよいこと、又はその後に記述される構成要素又は要素が存在してもよいし存在しなくてもよいこと、及びその記述が、その事象が発生する又はその構成要素が存在する例と、その事象が発生しない又はその構成要素が存在しない例とを含むことを意味する。
【0034】
ある要素又は層が、別の要素又は層「に存在している」、「に係合されている」、「に接続されている」、「に結合されている」、又は「に取り付けられている」ものとして言及されている場合、ある要素又は層は、他の要素又は層に、直接的に接触してもよいし、直接的に係合される、接続される、結合される、又は取り付けられてもよいし、介在する要素又は層が存在していてもよい。対照的に、ある要素が、別の要素又は層「に直接的に存在している」、「に直接的に係合されている」、「に直接的に接続されている」、又は「に直接的に結合されている」ものとして言及されている場合、介在する要素又は層は存在していない。要素間の関係を説明するために使用される他の言葉は、同様のやり方で解釈されるべきである(例えば、「間に」と「直接的に間に」、「隣接する」と「直接的に隣接する」など)。本明細書において、「及び/又は」という用語は、列挙された関連する複数の項目のうちの1つ以上の項目のあらゆる組み合わせを含む。本明細書において、「結合する」及び「取り付ける」の動詞形は、互換可能に使用することができる。
【0035】
図1は、例示的なターボ機械の概略図である。この例では、ターボ機械100は、燃焼部又はガスタービンシステムの形態である。ターボ機械100は、圧縮機102と燃焼器104とを含んでいる。燃焼器104は、燃焼領域106と燃料ノズルアセンブリ108とを含んでいる。また、ターボ機械100は、タービンアセンブリ110(例えば、膨張タービン)と、圧縮機/タービンに共通のシャフト112(ロータ112と呼ばれることもある)とを含んでいる。一実施形態では、ターボ機械100は、サウスカロライナ州グリーンビルのゼネラル・エレクトリック社から市販されている7HA.03エンジンである。本開示は、特定のGTシステムに限定されることはなく、他のエンジン(例えば、ゼネラル・エレクトリック社の他のHA、F、B、LM、GT、TM及びEクラスのエンジンモデル、並びに他社のエンジンモデルを含む)に適用することができる。本開示は、特定のタービン又はターボ機械に限定されず、例えば、蒸気タービン、ジェットエンジン、圧縮機、ターボファンなどに適用することができる。更に、本開示は、特定のターボ機械に限定されるものではなく、高温ガス経路にさらされ、冷却及び応力緩和を必要とするあらゆる形態の構成要素に適用することができる。
【0036】
動作においては、空気が圧縮機102を流れ、圧縮空気が燃焼器104に供給される。具体的には、圧縮空気は、燃焼器104に統合された燃料ノズルアセンブリ108に供給される。アセンブリ108は、燃焼領域106と流体連通している。燃料ノズルアセンブリ108は燃料源(図示せず)にも流体連通しており、燃料及び空気を燃焼領域106に供給する。燃焼器104は、燃料に点火して燃焼させ、高温のガス流を生成する。燃焼器104はタービンアセンブリ110と流体連通しており、タービンアセンブリ110内で、ガス流の熱エネルギーが機械的な回転エネルギーに変換される。タービンアセンブリ110はタービン111を含んでおり、タービン111は、ロータ112に回転可能に結合し、ロータ112を駆動する。圧縮機102もロータ112に回転可能に結合されている。図示の実施形態では、複数の燃焼器104と複数の燃料ノズルアセンブリ108がある。
【0037】
図2は、図1のガスタービンシステムと共に使用することができるターボ機械100(図1)の例示的なタービンアセンブリ110の断面図を示す。図示されているように、タービンアセンブリ110のタービン111は、3つのタービン段を含み、各タービン段は、ターボ機械100(図1)の静止ケーシング122に結合されたノズル126の列120と、軸方向に隣接する回転ブレード132の列124とを含む。ノズル126(ベーンとも呼ばれる)は、半径方向外側のプラットフォーム128及び半径方向内側のプラットフォーム130によってタービンアセンブリ110に保持することができる。タービンアセンブリ110のブレードの各段124は回転ブレード132を含んでおり、回転ブレード132は、ロータ112に結合され、ロータと共に回転する。回転ブレード132は、ロータ112に結合された(ブレードのルート部における)半径方向内側プラットフォーム134と、(ブレードの先端部における)半径方向外側先端部136とを含むことができる。シュラウド138は、ノズル126と回転ブレード132の隣接する段を分離することができる。一部のタービンアセンブリ110では、4つのタービン段を使用することができる。
【0038】
作動流体140(ガスタービンの例では燃焼ガスなど)は、高温ガス経路(以下、単に「HGP」)と呼ばれる場所を流れてタービン111を通過する。HGPは、タービン111の高温にさらされる領域とすることができる。タービン111又は他の機械のHGPにさらされる部品は、「HGP構成要素」と呼ばれる。タービン111では、ノズル126、ブレード132、及びシュラウド138が例示的なHGP構成要素である。例示的なタービン111では、ブレード132が本開示の教示による利益を得ることができる。
【0039】
図3は、本開示の実施形態が採用される種類のタービン回転ブレード132の斜視図を示す。タービン回転ブレード132はルート部142を含んでおり、ルート部142によって回転ブレード132がロータ112(図2)に取り付けられる。ルート部142は、ロータ112(図2)のロータホイール146(図2)の周囲に設けられた対応するダブテールスロットに取り付けられるように構成されたダブテール144を含むことができる。ルート部142は、ダブテール144とプラットフォーム134との間にシャンク148を更に含むことができる。プラットフォーム134は、エアフォイル152とルート部142との接合部に配置され、タービンアセンブリ110(図2)のHGPの内側境界の一部を画定する。エアフォイル152は、作動流体の流れを遮断し、ロータホイールの回転を引き起こす、回転ブレード132のアクティブな構成要素であることが理解される。回転ブレード132のエアフォイル152は、凹状の正圧側(PS)外壁154と、円周方向又は横方向において反対側に位置する凸状の負圧側(SS)外壁156とを含み、これら外壁154及び156は、互いに反対側に位置する前縁158及び後縁160の間を軸方向に延在することが分かる。また、側壁154及び156は、プラットフォーム134から半径方向外側先端部136まで半径方向に延在している。先端部136は、既知の又は将来的に開発される任意の先端部(例えば、先端シュラウドを有する又は有していない先端部)を含むことができる。
【0040】
冷却回路は、例えば、回転ブレード132のエアフォイル152、プラットフォーム134又は他の部分内で使用することができる。例えば、冷却通路(符号は付されていない)を、スラッシュ面135に開口部を有するプラットフォーム134に形成することができる。シールレール280は、シャンク148の前方壁284及び後方壁286から延在しており、前方壁284及び後方壁286は、プラットフォーム134の対応する端部から延在し、その端部に接続されている。シャンクの前方壁284は、プラットフォーム134の前方端部及びエアフォイル152の前縁158に対して半径方向内側に位置する。後方壁286は、プラットフォーム134の後方端部及びエアフォイル152の後縁160に対して半径方向内側に位置する。
【0041】
従来の技術を使用するよりも加えられる質量を少なくして必要な強度が得られるターボ機械用の回転ブレードを提供するために、実施形態は、ブレードのシャンクの側面の下部からブレードのプラットフォームの端部まで広がるように形成された壁を含んでいる。この壁は、断面で見たときに建築物のバットレスに似ていることから、本明細書では、「バットレス」と呼ばれる。バットレスは、シャンクの負圧側と正圧側の一方又は両方に形成することができ、新規のバットレス、既存のシャンク内壁、及びプラットフォームによって、それぞれの側にポケットが画定される。シャンクの後方壁及び前方壁もポケットを画定することができる。得られたポケットは、有利なことに、冷却回路などに使用することができる一方、バットレスは、材料の追加と、それに関係する質量を少なくして、構造的及び熱的な性能を向上させることができる。
【0042】
図4は、ブレード300(タービンブレードなど)の負圧側の部分側面断面図を示し、図5は、ブレード300の正圧側の部分側面断面図である。したがって、図4及び図5は、ブレード300の反対側を示している。図4及び図5に示すビューラインA-A、B-B、C-C、及びD-Dは、それぞれ、図6図9に示すブレード300の切断面を示すために使用される。
【0043】
次に図4図9を参照すると、ブレード300は、ルート部302、プラットフォーム304、及びエアフォイル306を含むことができる。ルート部300は、ダブテール308と、ダブテール308とプラットフォーム304との間に広がるシャンク310とを含むことができる。プラットフォーム304は、エアフォイル306の基部312に接続され、エアフォイル306を支持することができる。エアフォイル306の本体部314は、エアフォイル306の先端部316に向かって延在している。図6図8の下部及び図9に見られるように、1つ又は複数のポケット320、330は、以下に説明されるように、ルート部302及びプラットフォーム304の壁によって部分的に画定することができる。ブレード132を参照して上述したように、エアフォイル306の本体部314は、凹状の正圧側354及び凸状の負圧側356を有している。更に、ブレード300は、図4及び図5に示されているように、後方端部及び前方端部又は後方側及び前方側を有する。便宜上、要素は、正圧側又は正圧端部、負圧側又は負圧端部、後方端部又は後方側、及び前方端部又は前方側に接触している、又は正圧側又は正圧端部、負圧側又は負圧端部、後方端部又は後方側、及び前方端部又は前方側を有するものと見なされる。
【0044】
次に図6図9を参照する。ポケット320、330は、シャンク310の少なくともバットレス322、332とシャンク310の内壁324、334とによって画定することができる。実施形態におけるバットレス322、332は、シャンク310の下部からプラットフォーム304の対応する端部326、336まで延在し、シャンク310及びルート部302の全体的な構造健全性を更に高めることができる。バットレス322、332の存在により、設計基準を満たしつつ質量が低減されたシャンク310を使用することができる。更に、ポケット320、330は、プラットフォーム304の底部と、シャンク310の前方壁340及び/又は後方壁342によって更に画定することができる。実施形態では、ポケット320、330は、説明されるように、ブレードの冷却回路の一部とすることができる、及び/又はブレードの冷却回路と流体連通することができる。
【0045】
図6図8に特に見られるように、第1のポケット320は、ルート部302の負圧側に位置することができ、シャンク310の少なくとも負圧側又は第1のバットレス322と、シャンク310の負圧側又は第1の内壁324とによって画定することができる。例えば、負圧側又は第1のバットレス322は、シャンク310の下部から、負圧側又は第1の内壁324を離れながら、プラットフォーム304の負圧側の対応する端部326まで延在することができる。負圧側又は第1のバットレス322は、ダブテール308に隣接するシャンク310に結合する第1の部分を含むことができる。第1のバットレス322の少なくとも第1の部分は、第1の内壁324に対して少なくとも30°の角度αを形成することができる。更に、図9に特に見られるように、第1のバットレス322の少なくとも第2の部分(プラットフォーム304の近くの部分)は、シャンク310の前方壁340及び後方壁342のうちの一方又は両方に対して少なくとも30°の角度γ、γ′を形成することができる。
【0046】
代替的に、又は第1のポケット320に加えて、第2のポケット330は、ルート部302の正圧側に形成することができ、少なくとも正圧側又は第2のバットレス332とシャンク310の正圧側又は第2の内壁334とによって画定することができる。例えば、正圧側又は第2のバットレス332は、シャンク310の下部から、正圧側又は第2の内壁334を離れながら、プラットフォーム304の正圧側の対応する端部336まで延在することができる。第2のバットレス332の正圧側は、ダブテール308に隣接するシャンク310に結合する第1の部分を含むことができる。第2のバットレス332の少なくとも第1の部分は、第2の内壁334に対して少なくとも30°の角度βを形成することができる。更に、図9に特に見られるように、第2のバットレス332の少なくとも第2の部分(プラットフォーム304の近くの部分)は、シャンク310の前方壁340及び後方壁342のうちの一方又は両方に対して少なくとも30°の角度δ、δ′を形成することができる。
【0047】
図に示す例は、「第1の」ポケット及び「第2の」ポケットと呼ばれる2つのポケットを含むが、実施形態は、適している場合及び/又は必要な場合には、1つのポケットのみを使用することができることを理解すべきである。実施形態において、第1のポケット320は、第2のポケット330と流体連通することができる。更に、1つのポケットは、第1及び第2のポケット320、330のうちの一方のポケットとすることができるが、一部の実施形態では、第1のポケット320を、ルート部の負圧側の第1のポケット部分とすることができ、第2のポケット330を、ルート部の正圧側の第2のポケット部分とすることができ、第1のポケット部分を、第2のポケット部分と流体連通させることができるので、第1のポケット320及び第2のポケット330として示されているものは、ブレード300のルート部302のプラットフォーム304の下に単一のポケットを効果的に形成することができる。
【0048】
図4図9にも見られるように、シャンク310は、サイズ、位置、及び形状が様々な態様で変化する。例えば、図9に示すように、プラットフォーム304に平行な面におけるシャンク310の断面プロファイルは、第1の内壁324及び第2の内壁334によって画定された中実部分を示すことができ、第1及び第2の内壁324、334と第1及び第2のバットレス322、332との間には、第1及び第2のポケット320、330が存在している。図9に特に見られるが、図6図8によっても示唆されるように、シャンク310の内側の中実部分は、シャンク310の面積に応じて(すなわち、プラットフォーム304とダブテール308との間で)変化する。更に、シャンク310の断面プロファイルは、プラットフォーム304からの距離に応じて変化し、プラットフォーム304から離れるほど幅が狭くなる傾向がある。
【0049】
図10は、ブレード300の部分断面斜視図を示し、この図は、図7と同様の例証的なブレードの開口領域を図示し、1つ又は複数の冷却回路の要素が含まれている。図10において、ブレード300の冷却回路は、エアフォイル通路313と流体連通するルート通路311を含むことができる。更に、プラットフォーム304は蛇行冷却通路305を含むことができる。蛇行冷却通路305は、ルート通路311及びエアフォイル通路313を含む冷却回路と流体連通することができる、又は別の冷却回路の一部とすることができる。図10は、このような冷却回路を含むブレード300の第1のポケット320及び第2のポケット330を示しているが、ここでは第1のポケット320及び第2のポケット330は冷却回路と流体連通していない。
【0050】
図11は、ブレード300の冷却回路と第2のポケット330との間に流体連通を実現する非限定的な例を示す。より具体的には、プラットフォーム導管331は、エアフォイル通路313からプレナム333まで延在することができ、プレナム333は、第2のポケット330に流体連通している。第2のポケット330は、エアフォイル通路313及びプレナム333から流入する冷却剤を受け取り、冷却剤を、(例えば、第2のポケット330からプラットフォーム304の表面の冷却孔337まで延在する通路345(破線矢印で表される)を通じて)プラットフォーム304の表面の冷却孔337に分配することができる。
【0051】
別の非限定的な例が図12で見ることができ、この例では、例えば、プラットフォーム304を衝突冷却するため、及び/又は第2のポケット330から冷却孔337に冷却剤を分配することを助けるために、プラットフォーム・チャンバ335を含めることができる。例えば、中間壁339を、プラットフォーム304の底面341から間隔をあけて第2のポケット330内に形成し、プラットフォーム・チャンバ335を画定することができる。第2のポケット330に供給された冷却剤(例えば、ルート通路311又はエアフォイル通路313に結合された図示されていない通路によって供給された冷却剤)はインピンジメント孔347を流れてプラットフォーム・チャンバ335に流入し、プラットフォーム304の底面341に衝突してプラットフォーム304をインピンジメント冷却することができる。次いで、冷却剤は、プラットフォーム304の底面341からプラットフォーム304の上面まで延在する冷却孔337を通じてプラットフォーム・チャンバ335から流出することができ、プラットフォーム304を更に冷却する。中間壁339を強化するために、支持部材343(ピンなど)は、中間壁339とプラットフォーム304の底面341との間に延在することができる。図11及び図12に示された例は、第2のポケット330をブレード300の冷却回路の一部として示している、及び/又は、第2のポケット330を、ブレード300の冷却回路と流体連通するものとして示しているが、実施形態において必要であれば及び/又は適切であれば、第2のポケット330に対して行われる接続に代えて、又は第2のポケット330に対して行われる接続に加えて、第1のポケット320に同様の接続を行ってもよいことを理解されたい。
【0052】
実施形態は、例えば、ガスタービンシステム(図1及び図2に示すターボ機械100など)に、例えば、ブレード300を備えることを含むことができる。したがって、実施形態は、タービンアセンブリ110が高温ガス流路HGP(図2)を含むガスタービンシステム100を含むことができる。図2を参照すると、タービンアセンブリ110の円周方向に間隔を空けて配置される複数の回転ブレード132(ブレード300など)は、タービンアセンブリ110のタービン111のロータ112から半径方向に沿って高温ガス流路HGPに延在することができる。各ブレード300は、図4図12を参照して上述した特徴、及び本明細書に記載された上記の特徴を含むことができる。
【0053】
本開示の実施形態は、様々な技術的利点及び商業的利点を提供し、その利点の例は本明細書に説明されている。特に、上述のようにブレードのルート部の負圧側及び正圧側のうちの一方又は両方にバットレスを形成することによって、先行技術を使用するよりもブレードに加える質量を低減しながら、ブレードの構造健全性を強化することができる。バットレスは、ブレードのプラットフォームの下に1つ又は複数のポケットを画定することができ、ポケットは、ブレードの冷却回路に有利に使用することができる、又は、ポケットを有用に使用することができればブレードが採用されるターボ機械(ガスタービンシステムなど)の性能を向上させることができる他のシステムにおいて有利に使用することができる。
【0054】
本明細書及び特許請求の範囲を通じて使用される近似を表す文言は、関連する基本的機能に変化をもたらすことなく、差し支えない程度に変動し得る任意の量的表現を修飾するために適用することができる。したがって、1つの用語又は複数の用語(「およそ」、「約」、及び「十分に」など)によって修飾された値は、指定された厳密な値に限定されるものではない。少なくとも一部の例では、近似を表す文言は、値を測定するための機器の精度に対応する場合がある。ここに記載されたこと並びに本明細書及び特許請求の範囲の全体に渡って、範囲の限定を組み合わせること及び/又は置き換えることが可能である。文脈又は文言が特に指示しない限り、このような範囲は識別され、それに包含される全ての部分範囲を含む。範囲の特定の値に適用される「約」又は「およそ」は、当該範囲の両端の値に適用され、値を測定する機器の精度に特に依存しない限り、言及された値の+/-10%を示すことができる。
【0055】
特許請求の範囲におけるミーンズプラスファンクション又はステッププラスファンクションの要素すべての、対応する構造、材料、動作、及び均等物は、具体的に請求された他の請求要素と組み合わせてその機能を実施するための、一切の構造、材料、又は動作を包含することを意図している。本開示の記載は、例示及び説明の目的で提示されており、可能な全てのものが含まれていることを意図するものではなく、開示された形態で本開示に限定することを意図するものでもない。当業者には、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく多くの修正及び変形が明らかである。本開示の原理及びこのような技術の実際の用途を最適に説明し、他の当業者が本開示を理解し、考えられる特定の使用に適するような本開示の実施形態の様々な修正の可能性を理解することができるように、本実施形態が選択され、かつ記載された。
【符号の説明】
【0056】
100 ターボ機械
102 圧縮機
104 燃焼器
106 燃焼領域
108 燃料ノズルアセンブリ
110 タービンアセンブリ
111 タービン
112 シャフト
120 列
122 静止ケーシング
126 ノズル
128 プラットフォーム
130 プラットフォーム
132 ブレード
134 プラットフォーム
135 スラッシュ面
136 先端部
138 シュラウド
140 作動流体
142 ルート部
144 ダブテール
146 ロータホイール
148 シャンク
152 エアフォイル
158 前縁
160 後縁
280 シールレール
284 前方壁
286 後方壁
300 ブレード
302 ルート部
304 プラットフォーム
305 蛇行冷却通路
306 エアフォイル
308 ダブテール
310 シャンク
311 ルート通路
312 基部
313 エアフォイル通路
314 本体部
316 先端部
320 ポケット
320 第1のポケット
322 第1のバットレス
324 第1の内壁
326 端部
330 第2のポケット
331 プラットフォーム導管
332 第2のバットレス
333 プレナム
334 第2の内壁
335 プラットフォーム・チャンバ
336 端部
337 冷却孔
339 中間壁
340 前方壁
341 底面
342 後方壁
343 支持部材
345 通路
347 インピンジメント孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】