(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013750
(43)【公開日】2025-01-28
(54)【発明の名称】高出力電気ダイオード上にオーム接触を形成する方法
(51)【国際特許分類】
H10D 8/01 20250101AFI20250121BHJP
H10D 8/60 20250101ALI20250121BHJP
【FI】
H01L29/86 301P
H01L29/86 301D
H01L29/86 301M
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024097196
(22)【出願日】2024-06-17
(31)【優先権主張番号】18/348,012
(32)【優先日】2023-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】312014443
【氏名又は名称】エスティマイクロエレクトロニクス インターナショナル エヌ.ヴイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ラスクナ,シモーネ
(72)【発明者】
【氏名】バダラ,パオロ
(72)【発明者】
【氏名】ベロッキ,ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】プグリージ,ヴァレリア
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マージPNショットキー(MPS)ダイオードの注入領域に電気的に接続するオーム接触を作成する方法を提供する。
【解決手段】MPSダイオード200は、電気接点(注入ウェル230)を有する半導体ドリフト層224の上面上に第1の金属層(アノード端子226)を堆積させることを含み、第1の金属層は、レーザ光に対して高反射性である。方法は、電気接点と位置合わせされた第1の金属層の部分上に第2の金属層を堆積させることを更に含み、第2の金属層は、レーザ光を吸収するように選択される。方法は、レーザアニーリングプロセスにおいて第1の金属層及び第2の金属層をレーザ光に曝すことを更に含み、第2の金属層がレーザ光によって実質的に温度が上昇させられる。第2の金属層の温度の上昇により、電気接点と第1の金属層との間にオーム接触232が形成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構成要素上にオーム接触を形成する方法であって、
電気接点を含む半導体ドリフト層の上面上に第1の金属層を堆積させることとであって、前記第1の金属層がレーザ光を反射する、第1の金属層を堆積させることと、
前記第1の金属層の部分上に第2の金属層を堆積させることであって、前記第2の金属層が前記電気接点と位置合わせされ、前記第2の金属層が前記レーザ光を吸収する、第2の金属層を堆積させることと、
レーザアニーリングプロセスにおいて前記第1の金属層及び前記第2の金属層を前記レーザ光に曝すことであって、前記第2の金属層が前記レーザ光によって実質的に温度が上昇する、前記第1の金属層及び前記第2の金属層を前記レーザ光に曝すことと、
を含み、
前記温度の上昇により、前記電気接点と前記第1の金属層との間に前記オーム接触が形成される、方法。
【請求項2】
前記半導体構成要素が、マージPNショットキーダイオードである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電気接点が、前記半導体ドリフト層の前記上面の注入ウェルである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の金属層の前記部分が、前記注入ウェルに直接対向する前記第1の金属層の上面上に配置される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の金属層の第1の反射率が、前記第2の金属層の第2の反射率より大きい、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記注入ウェルがp型半導体を含み、前記半導体ドリフト層がn型半導体を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記オーム接触が、前記注入ウェルと電気的コンタクトを形成する、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の金属層を除去することと、
前記オーム接触上に前面金属を堆積させることと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記前面金属が、前記半導体構成要素のアノードである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記オーム接触上及び前記オーム接触のすぐ周囲の半導体構成要素エリアを除くすべてのエリアから前記前面金属を除去することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記前面金属の上及び周囲にパッシベーション層を堆積させることと、
前記パッシベーション層を通して、前記前面金属へのアクセスチャネルをエッチングすることと、を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記半導体ドリフト層及び前記オーム接触の前記上面上に誘電体層を堆積させることと、
前記オーム接触が露出されるように、前記半導体構成要素の前記半導体ドリフト層の前記上面のすぐ上の前記誘電体層を除去することと、
前記オーム接触及び前記誘電体層上に前面金属を堆積させることと、を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記オーム接触の上及びすぐ周囲の半導体構成要素エリアを除くすべてのエリアから前記前面金属を除去することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記前面金属の前記表面上及びすぐ周囲にパッシベーション層を堆積させることと、
前記パッシベーション層を通して、前記前面金属へのアクセスチャネルをエッチングすることと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記パッシベーション層の反対側の前記表面上に後面オーム接触を作成することを更に含み、
後面金属が、前記後面オーム接触と電気的に接触している、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記後面オーム接触が、前記半導体構成要素のカソードである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記半導体ドリフト層が、半導体基板上のエピタキシャル成長のプロセスによって形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記半導体基板と前記半導体ドリフト層との両方がシリコンカーバイドを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の金属層がアルミニウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の金属層がチタンを含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、高出力電気ダイオード上にオーム接触を作成することに関し、より詳細には、マージPNショットキー(MPS)ダイオードの注入領域に電気的に接続するオーム接触を作成することに関する。
【背景技術】
【0002】
MOSFET、ダイオード、ショットキーデバイス、及び他のトランジスタなどの多くの半導体構成要素は、半導体構成要素と金属との間に形成されるコンタクトを必要とする。半導体構成要素の効率を改善するために、オーム接触が最も一般的に形成される。オーム接触は、金属と半導体材料との間の低抵抗の電気的コンタクトの一種を指し、広範囲の電圧及び電流にわたって線形挙動を示す。オーム接触は、金属構成要素と半導体構成要素との間の電流の効率的な伝達を可能にする。
【0003】
オーム接触を利用する1つの特定の用途は、マージPNショットキー(MPS)ダイオードである。出願人は、半導体と金属との間のオーム接触の形成に関連する多くの技術的課題及び困難性を確認した。適用された努力、創意工夫、及び革新を通して、本出願人は、以下に詳細に説明される、高出力電気ダイオード上のオーム接触の形成に関する問題を解決した。
【発明の概要】
【0004】
様々な実施形態が、半導体構成要素、例えば高出力電気ダイオード上にオーム接触を形成する例示的な方法を対象とする。本開示のいくつかの実施形態によれば、例示的な方法が提供される。いくつかの実施形態では、例示的な方法は、電気接点を含む半導体ドリフト層の上面上に第1の金属層を堆積させることであって、第1の金属層がレーザ光を反射することを含む。本方法は、第1の金属層の部分上に第2の金属層を堆積させることであって、第2の金属層が電気接点と位置合わせされ、第2の金属層がレーザ光を吸収することを更に含む。本方法は、レーザアニーリングプロセスにおいて第1の金属層及び第2の金属層をレーザ光に曝すことであって、第2の金属層がレーザ光によって実質的に温度が上昇することを更に含む。いくつかの実施形態では、温度の上昇により、電気接点と第1の金属層との間にオーム接触が形成される。
【0005】
いくつかの実施形態では、半導体構成要素は、マージPNショットキーダイオードである。
【0006】
いくつかの実施形態では、電気接点は、半導体ドリフト層の上面の注入ウェルである。
【0007】
いくつかの実施形態では、第2の金属層の部分は、注入ウェルに直接対向する第1の金属層の上面上に配置される。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1の金属層の第1の反射率は、第2の金属層の第2の反射率より大きい。
【0009】
いくつかの実施形態では、注入ウェルはp型半導体を含み、半導体ドリフト層はn型半導体を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、オーム接触は、注入ウェルと電気的コンタクトを形成する。
【0011】
いくつかの実施形態では、本方法は、第2の金属層を除去することと、オーム接触上に前面金属を堆積させることと、を更に含む場合がある。
【0012】
いくつかの実施形態では、前面金属は、半導体構成要素のアノードである。
【0013】
いくつかの実施形態では、本方法は、オーム接触上及びオーム接触のすぐ周囲の半導体構成要素エリアを除くすべてのエリアから前面金属を除去することを更に含む場合がある。
【0014】
いくつかの実施形態では、本方法は、前面金属の上及び周囲にパッシベーション層を堆積させることと、パッシベーション層を通して、前面金属へのアクセスチャネルをエッチングすることと、を更に含む場合がある。
【0015】
いくつかの実施形態では、本方法は、半導体ドリフト層の上面上及びオーム接触に誘電体層を堆積させることと、オーム接触が露出されるように、半導体構成要素の半導体ドリフト層の上面のすぐ上の誘電体層を除去することと、オーム接触及び誘電体層上に前面金属を堆積させることと、を更に含む場合がある。
【0016】
いくつかの実施形態では、本方法は、オーム接触上及びオーム接触のすぐ周囲の半導体構成要素エリアを除くすべてのエリアから前面金属を除去することを更に含む場合がある。
【0017】
いくつかの実施形態では、本方法は、前面金属の表面上及びすぐ周囲にパッシベーション層を堆積させることと、パッシベーション層を通して、前面金属へのアクセスチャネルをエッチングすることと、を更に含む場合がある。
【0018】
いくつかの実施形態では、本方法は、パッシベーション層の反対側の表面上に後面オーム接触を作成することを更に含む場合があり、後面金属が、後面オーム接触と電気的に接触している。
【0019】
いくつかの実施形態では、後面オーム接触は、半導体構成要素のカソードである。
【0020】
いくつかの実施形態では、半導体ドリフト層は、半導体基板上のエピタキシャル成長のプロセスによって形成される。
【0021】
いくつかの実施形態では、半導体基板と半導体ドリフト層との両方がシリコンカーバイドを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1の金属層はアルミニウムを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、第2の金属層はチタンを含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
次に、添付図面を参照する。図に示される構成要素は、本明細書に記載される特定の実施形態において存在している場合も、存在しない場合もある。いくつかの実施形態は、本開示の例示的な実施形態による、図に示されるものよりも少ない(又は多い)構成要素を含んでもよい。
【
図1A】半導体構成要素上にオーム接触を作成するための例示的な従来のプロセスを示す図である。
【
図1B】半導体構成要素上にオーム接触を作成するための例示的な従来のプロセスを示す図である。
【
図1C】半導体構成要素上にオーム接触を作成するための例示的な従来のプロセスを示す図である。
【
図1D】半導体構成要素上にオーム接触を作成するための例示的な従来のプロセスを示す図である。
【
図1E】半導体構成要素上にオーム接触を作成するための例示的な従来のプロセスを示す図である。
【
図1F】半導体構成要素上にオーム接触を作成するための例示的な従来のプロセスを示す図である。
【
図1G】半導体構成要素上にオーム接触を作成するための例示的な従来のプロセスを示す図である。
【
図2】本開示の1つ又は複数の実施形態による例示的なマージPNショットキー(MPS)ダイオードの断面図である。
【
図3】本開示の1つ又は複数の実施形態による、電気ダイオード上にオーム接触を形成するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図4】本開示の1つ又は複数の実施形態による、フィールドプレートエッジ終端を有する電気ダイオード上にオーム接触を形成するための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
【
図5A】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5B】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5C】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5D】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5E】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5F】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5G】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5H】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5I】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5J】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5K】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5L】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5M】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5N】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5O】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5P】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5Q】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5R】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5S】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5T】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図5U】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を備えたMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図6】本開示の1つ又は複数の実施形態による、フィールドプレートエッジ終端を有していない電気ダイオード上にオーム接触を形成するための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
【
図7A】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を有していないMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図7B】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を有していないMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図7C】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を有していないMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図7D】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を有していないMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図7E】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を有していないMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図7F】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を有していないMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図7G】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を有していないMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図7H】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を有していないMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図7I】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を有していないMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図7J】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を有していないMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図7K】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を有していないMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図7L】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を有していないMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図7M】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を有していないMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図7N】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を有していないMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図7O】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を有していないMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図7P】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を有していないMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図7Q】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を有していないMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【
図7R】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って形成された1つ又は複数のオーム接触を有するフィールドプレートエッジ終端を有していないMPSダイオードを製造するための例示的なプロセスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
例示的な実施形態は、本開示の発明のすべてではないがいくつかの実施形態が示されている添付の図面を参照して以下でより十分に説明される。しかしながら、本開示の実施形態は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。全体を通して、同様の番号は同様の要素を指す。
【0026】
本明細書で使用される場合、「前部」、「後部」、「背後」、「上部」、「垂直」、「水平」、「上方」、「下方」、「上」、「下」などの用語は、任意のグローバル基準座標系を使用する電気ダイオードのローカル基準座標系に対する特定の構成要素又は構成要素の部分の相対位置を説明するために、以下に提供される例において説明目的で使用される。
【0027】
いくつかの例では、デカルト(三軸)基準系が提供される。別段の記載がない限り、概して、正のy方向は、「上(up)」、「上方(above)」、又は「上部(on top)」に対応する。逆に、負のy方向は、「下(down)」、「下方(below)」、「下(under)」、又は「真下(beneath)」に対応する。
【0028】
様々な例示的な実施形態は、電気構成要素上にオーム接触を形成することに関連する技術的問題に対処する。本開示が関係する分野の当業者によって理解されるように、オーム接触が電気構成要素上に形成され得る多数の例示的なシナリオが存在する。
【0029】
例えば、MOSFET、パワーダイオード、ショットキーダイオード、及び他のトランジスタなどの多くの半導体構成要素は、半導体構成要素と金属との間にコンタクトを形成する必要がある。構成要素の効率を改善するために、オーム接触が最も一般的に形成される。オーム接触は、金属と半導体材料との間の低抵抗の電気的コンタクトの一種を指し、広範囲の電圧及び電流にわたって線形挙動を示す。オーム接触は、金属構成要素と半導体構成要素との間の電流の効率的な伝達を可能にする。
【0030】
オーム接触を利用する1つの特定の用途は、マージPNショットキー(MPS)ダイオードである。MPSダイオードは、ショットキーデバイスドリフト層に注入された1つ又は複数の分離された注入領域(又はドープウェル)を含む。一般に、注入領域は、MPSダイオードのドリフト層(例えば、n型)とは異なる導電型(例えば、p型)である。注入領域は、ショットキーダイオード内に散在するPN型接合をもたらす。その結果、ショットキーダイオードとPN接合ダイオードとの両方の利点を有するダイオードが得られる。利点のいくつかは、より低い漏れ電流、高電力での改善されたサージ電流能力、及び高周波数での改善された性能を含み得る。改善された性能のために、前面コンタクト金属とMPSダイオードのドープウェルの各々との接合部にオーム接触が形成され得る。これらのオーム接触の配置及び効率は、半導体構成要素の全体的な効率において重要な役割を果たす。
【0031】
ここで
図1A~
図1Gを参照すると、オーム接触を作成するための例示的な従来のプロセス100が示されている。
図1Aに示すように、例示的な従来のプロセス100は、半導体構成要素116のドリフト層102の上面上に誘電体106を配置することを含み、ドリフト層102は、電気的接続が行われ得る複数の電気接点104(例えば、MPSダイオードのドープウェル)を含む。
【0032】
図1Bに示すように、マスク108は、誘電体106の上面上に配置され、下にある半導体構成要素116の電気接点104と位置合わせされる。マスク108を位置合わせすることにより、
図1Cに示すように、半導体構成要素116の電気接点104の真上の誘電体106を除去することができる。
【0033】
図1Dに示されるように、誘電体の薄層がドリフト層102の露出部分及び半導体構成要素116を画定する電気接点104を覆う一方で、誘電体106のより厚い層が周囲の表面を覆うように、誘電体106材料の追加の層が半導体構成要素116の表面上に配置される。
【0034】
図1Eに示すように、マスク110は、誘電体106の表面上に堆積され、マスク110の開口部は、誘電体106層の下にある電気接点104と位置合わせされる。マスク110は、電気接点104が露出されるように誘電体106がエッチングされることを可能にする。
【0035】
図1Fに示すように、マスク110が除去され、コンタクト金属112(例えば、ニッケル)が誘電体106の表面全体に堆積され、アニーリングプロセスが実行されてオーム接触が形成される。アニーリングプロセスは、一般に、半導体構成要素116を1000℃以上のアニーリング温度に加熱することを含む。コンタクト金属112と電気接点104との間の反応を可能にするために、半導体構成要素116を高いアニーリング温度に加熱することが必要である。半導体構成要素116をアニーリング温度まで加熱することは、ドープされたシリコン電気接点104と電気接点104におけるコンタクト金属112との間のシリサイドの形成を促進し得る。しかしながら、高いアニーリング温度は、コンタクト金属112を半導体構成要素116の他の部分と反応させ、コンタクト金属112の除去を困難にし、半導体構成要素116の下にある層を損傷さえする可能性がある。
【0036】
図1Gに示されるように、コンタクト金属112は、電気接点104の真上を除くあらゆる場所で半導体構成要素116から除去される。
図1Gに更に示されるように、シリサイドの形成は、電気接点104の各々と電気的に接触するオーム接触114をもたらす。半導体構成要素116の表面からのコンタクト金属112の除去は、特に複雑であり得る。更に、コンタクト金属112の除去は、半導体構成要素116の下にある層に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0037】
図1A~
図1Gに示される従来のプロセス100は、いくつかの欠点を有し得る。例えば、オーム接触の形成は、1000℃以上のアニーリング温度を必要とする。そのような高温は、半導体構成要素の下にある構造に損傷を与える可能性がある。加えて、電気接点と反応し、シリサイドの成長を促進するために使用される金属層(例えば、ニッケル)は、電気接点と直接接触していないあらゆる場所から除去されなければならない。金属層を除去するためのプロセスは複雑であり得る。更に、これらの反応は、電気接点の限界を超えて、半導体構成要素の他のエリアへと拡大する可能性がある。半導体構成要素内へのオーム接触の拡大は、半導体構成要素の性能に悪影響を及ぼす可能性がある。オーム接触のこの拡大は、半導体構成要素の特徴のサイズが縮小し続けるにつれて、更に問題となる。
【0038】
本明細書で説明される様々な例示的な実施形態は、MPSダイオードなどの半導体構成要素へのオーム接触を作成するために様々な技法を利用する。例えば、いくつかの実施形態では、第1の金属は、1つ又は複数の電気接点を有する半導体構成要素の表面上に堆積される。第1の金属は、レーザから放出された光を反射する第1の金属の能力に基づいて選択することができる。一般に、第1の金属がより反射性であればあるほど、第1の金属は、レーザ光が当たったときに加熱されることが少なくなる。
【0039】
第2の金属もまた、第1の金属の表面上に堆積され得る。いくつかの実施形態において、第2の金属は、オーム接触のための所望の位置に基づいてパターニングされてもよい。例えば、第2の金属は、下にある電気接点と位置合わせされた位置に配置することができる。第2の金属は、第2の金属の吸収特性に基づいて選択することができる。一般に、第2の金属が吸収するレーザからの光が多いほど、第2の金属は熱くなる。オーム接触のための所望の位置においてのみ第2の金属を戦略的にパターニングすることによって、第2の金属、及び下にある第1の金属の部分は、オーム接触のための所望の位置においてのみ温度が著しく上昇する。局所的な温度上昇は、第2の金属と、第1の金属と、下にある半導体接触点との間の反応を促進し、接触点においてシリサイドを形成し、下にある電気接点へのオーム接触を生成することができる。
【0040】
本明細書に記載の例示的な実施形態及びいくつかの例の結果として、特にMPSダイオード上のオーム接触形成の複雑さを大幅に低減することができる。加えて、本明細書で説明される例示的な実施形態は、所望の電気接点の外側のオーム接触の拡大を制限することができる。オーム接触の拡大を制限することは、より高性能の半導体構成要素をもたらし得る。加えて、オーム接触の拡大を制限することは、より小さいサイズでより小さい距離だけ分離された電気接点を有する半導体構成要素上にオーム接触が形成されることを可能にし得る。
【0041】
ここで
図2を参照すると、例示的なマージPNショットキー(MPS)ダイオード200が提供されている。
図2に示すように、例示的なMPSダイオード200は、上面220aと、この上面220aとは反対側の下面220bとを有する基板220を含む。
図2に更に示されるように、例示的なMPSダイオード200は、基板220の上面220a上に半導体ドリフト層224を含み、半導体ドリフト層224は、基板220とは反対側の上面224aを更に含む。
図2のMPSダイオード200は、半導体ドリフト層224の上面224a上に配置されたアノード端子226を更に含み、アノード端子226は、半導体ドリフト層224の上面224aと共にショットキーダイオード234を形成する。
図2に更に示すように、MPSダイオード200は、半導体ドリフト層224の上面224aとアノード端子226との接合部に複数の接合障壁要素228を含む。各接合障壁要素228は、半導体ドリフト層224の上面224aに注入された注入ウェル230と、アノード端子226と注入ウェル230との間の電気的接続を形成するオーム接触232とを備える。図示されたMPSダイオード200は、半導体ドリフト層224の反対側に、基板220の下面220bに隣接するカソード端子222を更に含む。
【0042】
図2に示すように、例示的なMPSダイオード200は、基板220を含む。基板(例えば、ウェハ)220は、半導体構成要素(例えば、MPSダイオード200)のベース層として機能する任意の半導体材料であってもよい。基板220は、シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、窒化ガリウム、シリコンカーバイド(SiC)、又は他の同様の半導体材料を含むことができる。基板220は、追加の半導体材料のエピタキシャル成長のためのベース層として機能することができる。エピタキシャル成長を利用して、半導体ドリフト層224などの追加の結晶層を基板220上に成長させることができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、基板220は、SiCを含むことができる。SiCは、高出力用途において多くの利点を提供することができる。例えば、SiCベースの半導体構成要素は、熱をより効率的に放散し、より高い周波数に対してより耐性があり、低い逆漏れ電流及び電力損失を有し、広い温度範囲にわたってより安定であり、より低い電磁放射を有し、他の関連する利点を提供することができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、基板220は、特定の導電型を有する半導体を生成するために、第1のドーパント型によってドープされてもよい。ドーパントは、半導体の導電率を変更するために半導体に意図的に添加される任意の不純物であってもよい。余分な価電子を有するドーパントを基板220に加えることにより、n型ドーピングを有する半導体又はnドープ半導体が生成される。余分な価電子を有するドーパントは、リン、ヒ素、アンチモンなどを含むことができる。価電子が不足している基板220にドーパントを添加すると、p型ドーピングを有する半導体又はpドープ半導体が生成される。価電子不足のドーパントは、ホウ素、アルミニウム、ガリウムなどを含むことができる。
図2に示すように、例示的なMPSダイオード200の基板220は、n型半導体基板220である。
【0045】
いくつかの実施形態では、基板220は、あるドーピング濃度を含むことができる。ドーピング濃度は、真性半導体原子の数に対する半導体基板220構造に導入される不純物の数を指すことができる。高いドーピング濃度とは、真性半導体原子の数に対してより多くの不純物が半導体基板220に導入されることを意味する。いくつかの実施形態では、基板220のドーピング濃度は、半導体ドリフト層224のドーピング濃度よりも高くてもよい。
【0046】
図2に更に示すように、例示的なMPSダイオード200は、半導体ドリフト層224を含む。半導体ドリフト層224は、多数キャリアのドリフトの結果としてアノード端子226からカソード端子222への電流の流れを可能にするように構成された任意の半導体材料であってもよい。半導体ドリフト層224は、MPSダイオード200のバリア電圧を超えたときに、アノード端子226からカソード端子222への電流の流れを可能にする。更に、半導体ドリフト層は、逆方向、例えば、カソード端子222からアノード端子への電流の流れを阻止又は制限する。
図2に示すように、半導体ドリフト層224は、基板220と同じドーパント型、例えば、n型半導体である。
図2に更に示すように、半導体ドリフト層224は、基板220とは異なるドーピング濃度を有することができる。例えば、半導体ドリフト層224は、基板220よりも低いドーピング濃度を有することができる。
【0047】
図2に更に示すように、例示的なMPSダイオード200は、アノード端子226を含む。アノード端子226は、電流がMPSダイオード200に入る際に通るか、又は同等に、電子がMPSダイオード200から出る際に通る、任意の導電性材料(例えば、前面金属)であってもよい。いくつかの実施形態では、アノード端子226は、モリブデン、白金、クロム、タングステン、ニッケル、又は他の同様の導電性材料などの金属又は金属の組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、アノード端子226は、接合障壁要素228の上に配置されてもよく、外部電源からMPSダイオード200の注入ウェル230への導電経路を提供してもよい。
【0048】
図2に示すように、アノード端子226は、半導体ドリフト層224の上面224aへの金属コンタクトを提供することができる。アノード端子226に接触する半導体ドリフト層224の部分は、ショットキーダイオード234を形成することができる。ショットキーダイオード234は、半導体と金属との接合によって形成される任意の半導体ダイオードであってもよい。一般に、ショットキーダイオード234は、順方向電圧が低く、スイッチング動作が非常に速い。したがって、ショットキーダイオード234は、高電圧で過熱する可能性が低く、より高い効率で電流を伝達することができ、高周波数で良好に動作することができる。
【0049】
図2に更に示すように、例示的なMPSダイオード200は、カソード端子222を更に含む。カソード端子222は、電流がMPSダイオード200を出る際に通るか、又は同等に、電子がMPSダイオード200に入る際に通る、任意の導電性材料(例えば、後面金属)であってもよい。いくつかの実施形態では、カソード端子222は、モリブデン、白金、クロム、タングステン、ニッケル、又は他の同様の導電性材料などの金属又は金属の組合せを含むことができる。いくつかの実施形態において、カソード端子222は、基板220の下に、基板の下面220bに隣接して配置されてもよい。
【0050】
図2に更に示されるように、MPSダイオード200は接合障壁要素228を含む。接合障壁要素228は、接合障壁要素228と半導体ドリフト層224との間にPN接合が形成されるように変更又はドープされた半導体ドリフト層224の上面224aの任意の部分であってもよい。いくつかの実施形態では、接合障壁要素228は、注入ウェル230(例えば、電気接点)を含んでもよい。注入ウェル230は、半導体ドリフト層224と反対の導電型を有するドーピング剤でドープされた、半導体ドリフト層224の上面224aの領域を含むことができる。
図2に示すように、半導体ドリフト層224は、n型ドープ半導体であり、注入ウェル230は、p型ドープ半導体である。いくつかの実施形態では、注入ウェル230は、周囲の半導体ドリフト層224よりも高い濃度のドーピングでドープされてもよい。
【0051】
図2に更に示すように、接合障壁要素228は、アノード端子226と接合障壁要素228の注入ウェル230との間にオーム接触232を含む。オーム接触232は、低い接触抵抗及び線形電流-電圧(I-V)挙動を有する、金属と半導体との間の任意の電気的コンタクトであってもよい。オーム接触232は、アノード端子226及び注入ウェル230の表面でアニーリングプロセスを実行することによって形成され得る。アニーリングは、接合において半導体(例えば、注入ウェル230)と金属(例えば、アノード端子226)との間に合金を形成するシリサイドを生成することができ、これは障壁高さを低下させ得る。
【0052】
ここで
図3を参照すると、半導体構成要素(例えば、半導体構成要素116、MPSダイオード200)上にオーム接触(例えば、オーム接触114、232)を形成するための例示的なプロセス300が提供されている。ブロック302において、第1の金属層が、電気接点(例えば、注入ウェル230)を含む半導体ドリフト層(例えば、半導体ドリフト層224)の上面上に堆積され、第1の金属層は、第2の金属層の反射率特性と比較して、レーザアニーリングプロセスで使用されるレーザ光に対して高い反射率(例えば、第1の反射率)特性及び低い吸収を示す。
【0053】
本明細書で説明されるように、第1の金属層は、下にある半導体構成要素の半導体ドリフト層とオーム接触を形成するように構成された任意の導電性材料を含む。また、第1の金属層は、レーザアニーリングプロセスにおいて第1の金属層に向けられるレーザ光に対して高反射性となるように構成されている。
【0054】
例えば、
図5A~
図5U及び
図7A~
図7Rに示す実施形態に示すように、第1の金属層はアルミニウムを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の金属層は、シリコンドープアルミニウム、ケイ化アルミニウム、又は他の同様の化合物などのアルミニウム化合物を含むことができる。アルミニウムは、特に紫外(UV)レーザなどのレーザ光に関して高反射性の材料である。レーザ光を反射することによって、第1の金属層の温度は、それほど高反射性ではない材料と比較して、それほど実質的に上昇しない。
【0055】
いくつかの実施形態では、第1の金属層は、物理気相堆積、化学気相堆積、蒸着、スパッタリング堆積、又は別の同様のプロセスを使用して、半導体構成要素の表面上に堆積されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の金属層は、MPSダイオード内の注入ウェルなどの電気接点、及び例えば半導体ドリフト層における露出シリコンの他の部分を含む、半導体構成要素の表面全体を覆うことができる。第1の金属層は、アニーリング又は加熱プロセスを通して、下にある高ドープ電気接点とオーム接触を形成してもよい。そのようなプロセスでは、第1の金属層と電気接点との間の反応が誘発されてもよく、例えば、シリサイドの形成が、アニーリング又は加熱プロセスを通して誘発されてもよい。
【0056】
第1の金属層の温度が、露出されたシリコンの他の部分、例えば半導体ドリフト層で上昇する場合、第1の金属層と下にある半導体構成要素との間で望ましくない反応が生じる可能性がある。したがって、本明細書の実施形態を参照して説明するように、第1の金属層と露出したシリコンの他の部分との間の反応を回避することが望ましい。
【0057】
ブロック304において、第2の金属層が第1の金属層の部分上に堆積され、第2の金属層は電気接点と位置合わせされ、第2の金属層はレーザ光を吸収する。第2の金属層は、レーザ光、特にアニーリングにおいて一般的に使用されるレーザ光に曝露されたときの高い吸収特性又は低い反射率(例えば、第2の反射率)に部分的に基づいて選択される。レーザ光を吸収する第2の金属層は、第1の金属層のようなより反射性の材料と比較して、より実質的に温度が上昇する。
図5A~
図5U及び
図7A~
図7Rの例示的な実施形態ではチタンとして示されているが、第2の金属層は、第2の金属層と直接接触する部分において第1の金属層の局所的な加熱を可能にすることができる、第1の金属層よりも高い吸収率を有する任意の材料を含むことができる。
【0058】
いくつかの実施形態において、第2の金属層は、第1の金属層の部分上に堆積されてもよい。例えば、第2の金属層は、1つ又は複数の電気接点と位置合わせされ得る。半導体構成要素は、オーム接触を介して電気的コンタクトを受けるように構成された、注入ウェルなどの電気接点を備えることができる。第1の金属層の下にある電気接点と位置合わせされた第2の金属層の部分は、レーザアニーリングプロセス中に第1の金属層と電気接点との間にオーム接触が形成されることを可能にすることができる。
【0059】
ブロック306において、第1の金属層及び第2の金属層は、レーザアニーリングプロセスにおいてレーザ光に曝露され、第2の金属層は、レーザ光により温度が上昇し、温度の上昇により、電気接点と第1の金属層との間にオーム接触が形成される。第2の金属層の部分が第1の金属層の下にある電気接点と位置合わせされるように、第2の金属層の部分を第1の金属層上に位置決めすることによって、第2の金属層は、レーザアニーリングプロセス中にオーム接触が電気接点に局在化されることを可能にし得る。(第1の金属層と、第2の金属層によって覆われた第1の金属層の部分とを含む)半導体構成要素の表面が、レーザアニーリングプロセス中にレーザ光に曝露される場合、第2の金属層の部分は、レーザ光を吸収し、温度が上昇する。第2の金属層の温度の上昇は、第2の金属層と下にある電気接点との間の第1の金属層の部分も温度を上昇させ、下にある電気接点との反応を可能にする。オーム接触が、第2の金属層と、第1の金属層と、下にある電気接点との間に形成される。
【0060】
第1の金属層の反射特性に起因して、第2の金属層と接触していない第1の金属層の部分は、第2の金属層と接触している第1の金属層の部分ほど著しく温度が上昇しない。したがって、第1の金属層は、その下にある半導体ドリフト層の露出部分と反応せず、その結果、オーム接触は、第2の金属層の下にある第1の金属層の部分に限定される。
【0061】
ここで
図4を参照すると、本開示の1つ又は複数の実施形態によるフィールドプレートエッジ終端構造を利用するパワーダイオードを製造するための例示的なプロセス400が提供されている。ブロック402において、第1の金属層が除去される。いくつかの実施形態では、
図3に関連して説明したように、第2の金属層の部分と、下にある第1の金属層と、下にある電気接点との間にオーム接触を形成することができる。第1の金属層は、ウェットエッチング、ドライエッチング、又は半導体上の金属層を除去するための別の同様のプロセスによって除去され得る。いくつかの実施形態において、オーム接触は、マスキングプロセスを用いて保護されてもよい。いくつかの実施形態では、オーム接触が残り、一方で第1の金属層の他の部分が除去されるように、エッチングプロセスが利用されてもよい。
【0062】
ブロック404において、半導体ドリフト層及びオーム接触の上面上に誘電体層が堆積される。誘電体層は、半導体構成要素の部分を電気的に絶縁するように構成された任意の絶縁材料であってもよい。誘電体層は、熱酸化、堆積、又は別の同様のプロセスによって半導体構成要素上に形成することができる。いくつかの実施形態では、誘電体層は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、又は別の同様の絶縁体を含むことができる。いくつかの実施形態では、誘電体は、半導体構成要素の表面全体に堆積又は成長させることができる。
【0063】
ブロック406において、半導体構成要素の半導体ドリフト層の上面のすぐ上の誘電体層が除去され、その結果、オーム接触が露出される。いくつかの実施形態では、半導体構成要素は、アノード端子によって電気的コンタクトが形成され、電流の伝送が生じ得る伝送領域を備えてもよい。例えば、MPSダイオード(例えば、MPSダイオード200)において、伝送領域は、接合障壁要素(例えば、接合障壁要素228)と、1つ又は複数のショットキーダイオード(例えば、ショットキーダイオード234)を形成するアノード端子(例えば、アノード端子226)と半導体ドリフト層(例えば、半導体ドリフト層224)との間の接触領域とを含んでもよい。堆積又は成長した誘電体層は、半導体構成要素の伝送領域が露出されるように除去されてもよい。いくつかの実施形態において、誘電体層は、マスキング及びエッチング又は他の同様のプロセスによって除去されてもよい。
【0064】
ブロック408において、前面金属がオーム接触及び誘電体層上に堆積される。
図2に関連して説明したように、前面金属(例えば、アノード端子226)は、電流が半導体構成要素に入る際に通るか、又は同等に電子が半導体構成要素から出る際に通る任意の導電性材料であってもよい。いくつかの実施形態では、前面金属は、モリブデン、白金、クロム、タングステン、チタン、ニッケルなどの複数の層の金属の組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、前面金属は、物理気相堆積、化学気相堆積、蒸着、スパッタリング堆積、又は別の同様のプロセスを使用して半導体構成要素の表面にわたって堆積させることができる。前面金属は、伝送領域の表面を覆い、露出した半導体ドリフト層及びオーム接触と電気的に接触する。
【0065】
ブロック410において、前面金属は、オーム接触上及びそのすぐ周囲の電気ダイオードエリアを除くすべての領域から除去される。いくつかの実施形態において、前面金属は、前面金属が半導体構成要素の上面、例えば、露出した半導体ドリフト層及びオーム接触との電気的コンタクトを提供するように残る。更に、前面金属は、誘電体層の一部と重なり合ってもよい。
【0066】
ブロック412において、パッシベーション層が、表面上及び前面金属のすぐ周囲に堆積される。パッシベーション層は、半導体構成要素を被覆し、腐食、化学反応性、及び電気的コンタクトから半導体を保護するように構成された任意の材料を含むことができる。パッシベーション層は、熱酸化又は他の同様のプロセスによって形成することができる。いくつかの実施形態では、パッシベーション層は、半導体構成要素の表面全体を覆うことができる。
【0067】
ブロック414において、パッシベーション層を貫通して前面金属までアクセスチャネルがエッチングされる。アクセスチャネルは、マスク及びウェット又はドライエッチングプロセスを利用してエッチングすることができる。アクセスチャネルは、パッシベーション層の外側から導電性前面金属へのアクセスを可能にする任意の経路、回廊、ワイヤ、又は開口部であってもよい。
【0068】
ここで
図5A~
図5Uを参照すると、例示的なMPSダイオード上にオーム接触を形成するための例示的なプロセス500が示されている。
図5A~
図5Uの示された例示的なプロセス500は、フィールドプレートエッジ終端構造を形成するためのプロセスを更に含む。
図5Aにおいて、半導体構成要素568の半導体ドリフト層524(例えば、半導体ドリフト層224)の表面に、1つ又は複数の重度にドープされた領域(例えば、注入ウェル530)が形成される。
図5Aに示すように、重度にドープされた領域は注入ウェル530を形成する。
図1に関連して説明したように、注入ウェル530は、半導体ドリフト層224のn型ドーピングとは反対のp型ドーピングでドープされた半導体ドリフト層524の上面524aの領域を含むことができる。更に、いくつかの実施形態では、注入ウェル530は、周囲の半導体ドリフト層524よりも高い濃度でドープされてもよい。半導体ドリフト層524は、基板520上にエピタキシャル成長プロセスによって形成することができる。基板520は、半導体ドリフト層524と同様にn型半導体からなる。いくつかの実施形態では、基板520は、半導体ドリフト層524よりも高い濃度でドープされ得る。いくつかの実施形態では、基板520と半導体ドリフト層524との両方がシリコンカーバイドを含んでもよい。シリコンカーバイドは、高出力及び/又は高周波デバイスにおいて特に有益であり得る。
【0069】
注入ウェル530は、
図5Aに示すように、イオン注入552のプロセスによって形成することができる。注入ウェル530は、注入ウェル530以外のイオンの注入を阻止するマスク550と、半導体構成要素568の周辺を形成するガードリングとによって画定される。注入ウェル530は、半導体ドリフト層524と共にPN接合型ダイオードを形成する。MPSダイオードにおいて、注入ウェル530は、高電力下でダイオードにかかる応力の一部を緩和することができる。注入ウェル530は、電力が高いときにダイオードを通る電流の一部を運ぶことができる。注入ウェル530がない場合、純粋なショットキーダイオードは、過大応力を受け、熱暴走に入る可能性がある。したがって、注入ウェル530は、MPSダイオードがショットキーダイオードとPNダイオードとの両方の利点の一部を得ることを可能にする。
【0070】
次に
図5Bを参照すると、マスク550が半導体ドリフト層524の上面524aから除去される。
【0071】
図5Cに示されるように、半導体構成要素568は、半導体ドリフト層524内の注入ウェル530内のドーパントを活性化するために、アニーリングプロセスを受ける。アニーリングプロセスは、半導体構成要素568を高温に曝すことと、半導体構成要素568をゆっくりと冷却させることとを含み得る。そのようなアニーリングプロセスは、注入されたイオンを半導体ドリフト層524構造の格子サイトに固定し得る。いくつかの実施形態では、イオン注入による損傷は、このプロセス中に修復することができる。
【0072】
図5Dに示されるように、アルミニウム層(例えば、第1の金属層)554が半導体構成要素568上に堆積される。アルミニウム層554は、物理気相堆積、化学気相堆積、蒸着、スパッタリング堆積、又は他の同様のプロセスなどのプロセスによって、半導体ドリフト層524の上面524a上に堆積され得る。本明細書で説明するように、アルミニウムはレーザ光を反射するので、第1の金属層としてアルミニウムを選択することができる。したがって、アニーリングプロセスにおいてレーザ光に曝されたときに、アルミニウム層554に対する温度の著しい上昇はない。アルミニウムの反射性により、下にある構成要素は、レーザアニーリングプロセス中に保護される。加えて、アルミニウムは、オーム接触(例えば、
図5Iに示されるようなオーム接触532)を生成するために、下層の注入ウェル530と反応させられてもよい。
【0073】
図5Eに示すように、チタン層556がアルミニウム層554の上面554a上に堆積される。チタン層556は、物理気相堆積、化学気相堆積、蒸着、スパッタリング堆積、又は他の同様のプロセスなどのプロセスによって、アルミニウム層554の上面554a上に堆積され得る。本明細書で説明するように、チタンは、チタンのレーザ光の吸収に少なくとも部分的に基づいて第2の金属層として選択することができる。レーザ光源に曝露されたときのレーザ光のチタンによる吸収のために、チタン層556は、レーザ光源に曝露されたときに温度が上昇する。
【0074】
図5Fに示すように、チタン層556の上面556a上にマスク558が堆積される。マスク558は、チタン層556を除去するために利用されるエッチング又は別のプロセス中に除去されることから、マスク558の下のチタン層556の部分を保護する。
図5Fに示されるように、マスク558は、アルミニウム層554の下にある注入ウェル530と位置合わせされる。
【0075】
図5Gに示すように、半導体構成要素568のチタン層556は、チタン層556がマスク558によって保護されている場所を除いて、半導体構成要素568の表面から除去される。
【0076】
図5Hに示されるように、マスク558は半導体構成要素568から除去され、アルミニウム層554の表面上のマスク558によって保護されたチタン層556の部分のみを残す。
図5hに示すように、チタン層556の残りの部分は、アルミニウム層554の下の半導体ドリフト層524内に注入された注入ウェル530と位置合わせされる。
【0077】
図5Iに示されるように、レーザ562は、レーザアニーリングプロセスにおいて、半導体構成要素568の表面全体にレーザ光564を向ける。レーザアニーリングプロセスを利用して、レーザ光564を吸収するように構成された半導体構成要素568の部分(例えば、チタン層556の部分)を加熱することができる。チタン層556によって吸収されるがアルミニウム層554によって反射される波長を有するレーザ光564を生成することによって、チタン層556の残りの部分及びチタン層556と接触している、下にあるアルミニウム層554の部分で温度が上昇する。しかしながら、チタン層556と接していないアルミニウム層554の部分は、レーザ光564を反射し、実質的に温度が上昇しない。いくつかの実施形態では、紫外線(UV)レーザ光564を放出するレーザ562が、レーザアニーリングプロセスを実行するために利用される。そのような実施形態では、UVレーザ光564の波長は、290ナノメートル~370ナノメートルであってもよい。好ましくは300ナノメートル~360ナノメートルであり、より好ましくは、310ナノメートル~350ナノメートルである。いくつかの実施形態では、チタン層556は、波長が370ナノメートルを超えて移動するにつれて、レーザ光564を次第に反射し始め得る。反射率の増加は、より少ないレーザ光564がチタン層556によって吸収され、チタン層564がオーム接触532の形成を容易にするのに十分な温度に達しないことを意味し得る。
【0078】
チタン層556及び下にあるアルミニウム層554の部分の温度の上昇は、チタン層556、アルミニウム層554、及び注入ウェル530の間で反応が起こることを可能にする。この反応により、チタン層556のチタンと、アルミニウム層554のアルミニウムと、半導体ドリフト層524の注入ウェル530との間にオーム接触532が形成される。このようなチタン/アルミニウムオーム接触は、p型又はn型注入領域のための最もよく知られたオーム接触の1つである。温度の上昇はチタン層556の部分の位置に基づいて局所化されるので、実質的に温度が上昇しないアルミニウム層554の部分は、下にある半導体と反応しない。
【0079】
図5Jに示されるように、アルミニウム層554は、半導体構成要素568の表面から除去され、チタン層556及び下にあるアルミニウム層554によって形成されたオーム接触532を、注入ウェル530の上にそのまま残す。
【0080】
図5Kに示すように、誘電体層566は、オーム接触532を含む半導体ドリフト層524の上面524a上に、熱酸化、堆積、又は他の同様のプロセスによって形成される。
【0081】
図5Lに示すように、オーム接触532を含む半導体構成要素568の真上の誘電体層566の部分が露出するように、マスク558が誘電体層566の上に配置される。
図5Lに示すように、マスク558は、p型ドープガードリングと位置合わせされ、半導体構成要素568の周辺範囲を示す。
【0082】
図5Mに示されるように、誘電体層566は、オーム接触532を含む半導体構成要素568の真上で除去される。
図5Mに示されるように、誘電体層566は、p型ドープガードリングによって示されるように、半導体構成要素568の外側の半導体の部分の上に残る。誘電体層566の少なくとも一部は、半導体構成要素568の外側範囲においてガードリングに重なる。半導体構成要素568のエッジにおける誘電体層566は、
図5Oに示すように、前面金属526と共にフィールドプレートエッジ終端構造を少なくとも部分的に形成する。
【0083】
図5Nに示すように、マスク558は、誘電体層566の表面から除去される。
【0084】
図5Oに示されるように、前面金属526(例えば、アノード端子226)が、半導体構成要素568の表面上に堆積される。
図2に関連して説明したように、前面金属526は、電流が半導体構成要素568に入る際に通るか、又は同等に電子が半導体構成要素568から出る際に通る任意の導電性材料であってもよい。いくつかの実施形態では、前面金属526は、モリブデン、白金、クロム、タングステン、ニッケル、又は他の同様の導電性材料などの金属又は金属の組合せを含むことができる。
図5Oに示すように、前面金属526は、オーム接触532の上に配置され、外部電源から半導体構成要素568の注入ウェル530への導電経路を提供する。前面金属526は更に、前面金属526と半導体ドリフト層524との間にショットキー接合570を生成する。
【0085】
図5Pに示すように、前面金属526の表面上にマスク560が堆積される。マスク560は、半導体構成要素568に対する前面金属の外形寸法を規定する。
図5Pに示されるように、マスク560は、前面金属526の下の誘電体層566の少なくとも一部に重なる。
【0086】
図5Qに示されるように、マスク560によって保護されていない前面金属526の部分は、誘電体層566の表面から除去される。
図5Qに更に示されるように、マスク560は、前面金属526の表面から除去される。図示のように、前面金属526は、誘電体層566と少なくとも部分的に重なり合う。前面金属526は、半導体構成要素568の周縁部を画定する誘電体層566と共に、フィールドプレートエッジ終端構造を形成する。いくつかの実施形態では、フィールドプレートエッジ終端構造は、高抵抗領域を生成し、半導体構成要素568のエッジ付近の電界集中を低減することができる。半導体構成要素568のエッジ付近の電界集中を低減することは、半導体構成要素568の部分上の応力を低減し得る。
【0087】
図5Rに示されるように、パッシベーション層576が、前面金属526及び露出された誘電体層566の部分を含む半導体構成要素568の表面にわたって堆積される。
【0088】
図4に関連して説明したように、パッシベーション層576は、腐食、化学反応性、及び電気的コンタクトから半導体構成要素568を保護するために、半導体構成要素568をコーティングするように構成された任意の材料を含むことができる。パッシベーション層576は、熱酸化又は別の同様のプロセスによって形成することができる。
【0089】
図5Sに示すように、マスク578がパッシベーション層576の表面上に配置される。マスク578は、パッシベーション層576を通って前面金属526の表面に至る経路を画定するように、前面金属526の表面と位置合わせされる。
【0090】
図5Tに示されるように、アクセスチャネル572が、パッシベーション層576を貫通して前面金属526までエッチングされる。アクセスチャネル572は、パッシベーション層576を通る開口部を提供し、パッシベーション層576の外側から導電性前面金属526へのアクセスを可能にする。
【0091】
図5Uに示すように、マスク578は、パッシベーション層576の表面から除去される。
図5Uに更に示すように、後面オーム接触574は、基板520の下面上に形成される。加えて、後面金属522(例えば、カソード端子222)は、後面オーム接触574の表面上に配置される。
【0092】
結果として得られる半導体構成要素568は、
図5Uに示すように、フィールドプレートエッジ終端を有するMPSダイオードである。
【0093】
ここで
図6を参照すると、本開示の1つ又は複数の実施形態による、フィールドプレートエッジ終端構造を有さないパワーダイオードを製造するための例示的なプロセス600が提供される。ブロック602において、第1の金属層が除去される。
図4のブロック402に関連して説明したように、オーム接触は、第2の金属層の部分と、下にある第1の金属層と、下にある電気接点との間に形成され得る。第1の金属層は、ウェットエッチング、ドライエッチング、又は半導体上の金属層を除去するための別の同様のプロセスによって除去され得る。
【0094】
ブロック604において、前面金属がオーム接触上に堆積される。
図2に関連して説明したように、前面金属(例えば、アノード端子226)は、電流が半導体構成要素に入る際に通るか、又は同等に電子が半導体構成要素から出る際に通る任意の導電性材料であってもよい。いくつかの実施形態では、前面金属は、モリブデン、白金、クロム、タングステン、ニッケル、チタンなどの複数の層の金属の組合せを含むことができる。プロセス600に更に示すように、前面金属は、半導体の表面全体に堆積される。前面金属は、物理気相堆積、化学気相堆積、蒸着、スパッタリング堆積、又は別の同様のプロセスを使用して堆積され得る。前面金属は、伝送領域の表面を覆い、露出した半導体ドリフト層及びオーム接触、並びに半導体構成要素の外側の他の半導体領域と電気的コンタクトを形成する。
【0095】
ブロック606において、オーム接触上及びそのすぐ周囲の半導体構成要素エリアを除くすべてのエリアから前面金属が除去される。いくつかの実施形態において、前面金属は、前面金属が半導体構成要素の上面、例えば、露出した半導体ドリフト層及びオーム接触との電気的コンタクトを提供するように残る。しかしながら、前面金属は、半導体構成要素の範囲を超えて除去される。
【0096】
ブロック608において、パッシベーション層が前面金属上及びその周囲に堆積される。パッシベーション層は、半導体構成要素を被覆し、腐食、化学反応性、及び電気的コンタクトから半導体を保護するように構成された任意の材料を含むことができる。パッシベーション層は、熱酸化又は他の同様のプロセスによって形成することができる。いくつかの実施形態では、パッシベーション層は、半導体構成要素の表面全体を覆うことができる。
【0097】
ブロック610において、パッシベーション層を貫通して前面金属までアクセスチャネルがエッチングされる。アクセスチャネルは、マスク及びウェット又はドライエッチングプロセスを利用してエッチングすることができる。アクセスチャネルは、パッシベーション層の外側から導電性前面金属へのアクセスを可能にする任意の経路、回廊、ワイヤ、又は開口部であってもよい。
【0098】
ここで
図7A~
図7Rを参照すると、例示的なMPSダイオード上にオーム接触を形成するための例示的なプロセス700が示されている。
図7A~
図7Rの示された例示的なプロセス700は、フィールドプレートエッジ終端構造を形成することなくMPSダイオードを作成するプロセスを示す。
図7Aにおいて、半導体構成要素768の半導体ドリフト層724(例えば、半導体ドリフト層224、524)の表面に、1つ又は複数の重度にドープされた領域(例えば、注入ウェル730)が形成される。
図7Aに示すように、重度にドープされた領域は注入ウェル730を形成する。
図1に関連して説明したように、注入ウェル730は、半導体ドリフト層724のn型ドーピングとは反対のp型ドーピングでドープされた半導体ドリフト層724の上面724aの領域を含むことができる。更に、いくつかの実施形態では、注入ウェル730は、周囲の半導体ドリフト層724よりも高い濃度でドープされてもよい。半導体ドリフト層724は、基板720上にエピタキシャル成長プロセスによって形成することができる。基板720は、半導体ドリフト層724と同様にn型半導体からなる。いくつかの実施形態では、基板720は、半導体ドリフト層724よりも高い濃度でドープされ得る。いくつかの実施形態では、基板720と半導体ドリフト層724との両方がシリコンカーバイドを含んでもよい。シリコンカーバイドは、高出力及び/又は高周波デバイスにおいて特に有益であり得る。
【0099】
注入ウェル730は、
図7Aに示すように、イオン注入752のプロセスによって形成することができる。注入ウェル730は、注入ウェル730以外のイオンの注入を阻止するマスク750と、半導体構成要素768の周辺を形成するガードリングとによって画定される。注入ウェル730は、半導体ドリフト層724と共にPN接合型ダイオードを形成する。MPSダイオードにおいて、注入ウェル730は、高電力下でダイオードにかかる応力の一部を緩和することができる。注入ウェル730は、電力が高いときにダイオードを通る電流の一部を運ぶことができる。注入ウェル730がない場合、純粋なショットキーダイオードは、過大応力を受け、熱暴走に入る可能性がある。したがって、注入ウェル730は、MPSダイオードがショットキーダイオードとPNダイオードとの両方の利点の一部を得ることを可能にする。
【0100】
次に
図7Bを参照すると、マスク750が半導体ドリフト層724の上面724aから除去される。
【0101】
図7Cに示されるように、半導体構成要素768は、半導体ドリフト層724内に注入ウェル730を固定するためにアニーリングプロセスを受ける。アニーリングプロセスは、半導体構成要素768を高温に曝すことと、半導体構成要素768をゆっくりと冷却させることとを含み得る。そのようなアニーリングプロセスは、注入されたイオンを半導体ドリフト層724の構造内に固定することができる。
【0102】
図7Dに示されるように、アルミニウム層(例えば、第1の金属層)754が半導体構成要素768上に堆積される。アルミニウム層754は、物理気相堆積、化学気相堆積、蒸着、スパッタリング堆積、又は他の同様のプロセスなどのプロセスによって、半導体ドリフト層724の上面724a上に堆積され得る。本明細書で説明するように、アルミニウムはレーザ光を反射するので、第1の金属層としてアルミニウムを選択することができる。したがって、アニーリングプロセスにおいてレーザ光に曝されたときに、アルミニウム層754に対する温度の著しい上昇はない。アルミニウムの反射性により、下にある構成要素は、レーザアニーリングプロセス中に保護される。加えて、アルミニウムは、オーム接触(例えば、
図7Iに示されるようなオーム接触732)を生成するために、下層の注入ウェル730と反応させられてもよい。
【0103】
図7Eに示すように、チタン層756がアルミニウム層754の上面754a上に堆積される。チタン層756は、物理気相堆積、化学気相堆積、蒸着、スパッタリング堆積、又は他の同様のプロセスなどのプロセスによって、アルミニウム層754の上面754a上に堆積され得る。本明細書で説明するように、チタンは、チタンのレーザ光の吸収に少なくとも部分的に基づいて第2の金属層として選択することができる。レーザ光源に曝露されたときのレーザ光のチタンによる吸収のために、チタン層756は、レーザ光源に曝露されたときに温度が上昇する。
【0104】
図7Fに示すように、チタン層756の上面756a上にマスク758が堆積される。マスク758は、チタン層756を除去するために利用されるエッチング又は別のプロセス中に除去されることから、マスク758の下のチタン層756の部分を保護する。
図7Fに示されるように、マスク758は、アルミニウム層754の下にある注入ウェル730と位置合わせされる。
【0105】
図7Gに示すように、半導体構成要素768のチタン層756は、チタン層756がマスク758によって保護されている場所を除いて、半導体構成要素768の表面から除去される。
【0106】
図7Hに示されるように、マスク758は半導体構成要素768から除去され、アルミニウム層754の表面上のマスク758によって保護されたチタン層756の部分のみを残す。
図7Hに示すように、チタン層756の残りの部分は、アルミニウム層754の下の半導体ドリフト層724内に注入された注入ウェル730と位置合わせされる。
【0107】
図7Iに示されるように、レーザ762は、レーザアニーリングプロセスにおいて、半導体構成要素768の表面全体にレーザ光764を向ける。レーザアニーリングプロセスを利用して、レーザ光764を吸収するように構成された半導体構成要素768の部分(例えば、チタン層756の部分)を加熱することができる。チタン層756によって吸収されるがアルミニウム層754によって反射される波長を有するレーザ光764を生成することによって、チタン層756の残りの部分及びチタン層756と接触している、下にあるアルミニウム層754の部分で温度が上昇する。しかしながら、チタン層756と接していないアルミニウム層754の部分は、レーザ光764を反射し、実質的に温度が上昇しない。
【0108】
チタン層756及びアルミニウム層754の下にある部分の温度の上昇は、チタン層756、アルミニウム層754、及び注入ウェル730の間で反応が起こることを可能にする。この反応により、チタン層756のチタンと、アルミニウム層754のアルミニウムと、半導体ドリフト層724の注入ウェル730との間にオーム接触732が形成される。このようなチタン/アルミニウムオーム接触は、p型又はn型注入領域のための最もよく知られたオーム接触の1つである。温度の上昇はチタン層756の部分の位置に基づいて局所化されるので、実質的に温度が上昇しないアルミニウム層754の部分は、下にある半導体と反応しない。
【0109】
図7Jに示されるように、アルミニウム層754は、半導体構成要素768の表面から除去され、チタン層756及び下にあるアルミニウム層754によって形成されたオーム接触732を、注入ウェル730の上にそのまま残す。
【0110】
図7Kに示されるように、前面金属726(例えば、アノード端子226)が、半導体構成要素768の表面上に堆積される。
図2に関連して説明したように、前面金属726は、電流が半導体構成要素568に入る際に通るか、又は同等に電子が半導体構成要素768から出る際に通る任意の導電性材料であってもよい。いくつかの実施形態では、前面金属726は、モリブデン、白金、クロム、タングステン、ニッケル、又は他の同様の導電性材料などの金属又は金属の組合せを含むことができる。
図7Kに示すように、前面金属726は、オーム接触732の上に配置され、外部電源から半導体構成要素768の注入ウェル730への導電経路を提供する。前面金属726は更に、前面金属726と半導体ドリフト層724との間にショットキーダイオード770を形成する。
【0111】
図7Lに示すように、前面金属726の表面上にマスク760が堆積される。マスク760は、半導体構成要素768に対する前面金属の外形寸法を規定する。
図7Lに示されるように、マスク760は、前面金属726の下で半導体構成要素768の周囲を確立するガードリングの少なくとも一部に重なる。
【0112】
図7Mに示されるように、マスク760によって保護されていない前面金属726の部分は、半導体構成要素768の表面から除去される。
図7Mに更に示すように、前面金属726は、半導体構成要素768の周縁部を画定するガードリングと少なくとも部分的に重なる。前面金属726は、前面金属726と半導体ドリフト層724の露出部分との間にショットキーダイオード770のコンタクトを提供する。前面金属726は更に、注入ウェル730と半導体ドリフト層724との間のPN接合ダイオードへの電気的接続を提供する。
【0113】
図7Nに示すように、マスク760は、前面金属726の表面から除去される。
【0114】
図7Oに示されるように、パッシベーション層776は、前面金属726及び半導体ドリフト層724の露出部分並びに任意の他の露出表面を含む、半導体構成要素768の表面にわたって堆積される。
図4に関連して説明したように、パッシベーション層776は、腐食、化学反応性、及び電気的コンタクトから半導体構成要素768を保護するために、半導体構成要素768をコーティングするように構成された任意の材料を含むことができる。パッシベーション層776は、熱酸化又は別の同様のプロセスによって形成することができる。
【0115】
図7Pに示すように、マスク778がパッシベーション層776の表面上に配置される。マスク778は、パッシベーション層776を通って前面金属726の表面に至る経路を画定するように、前面金属726の表面と位置合わせされる。
【0116】
図7Qに示されるように、アクセスチャネル772が、パッシベーション層776を貫通して前面金属726までエッチングされる。アクセスチャネル772は、パッシベーション層776を通る開口部を提供し、パッシベーション層776の外側から導電性前面金属726へのアクセスを可能にする。
【0117】
図7Rに示すように、マスク778は、パッシベーション層776の表面から除去される。
図7Rに更に示すように、後面オーム接触774は、基板720の下面上に形成される。加えて、後面金属722(例えば、カソード端子222)は、後面オーム接触774の表面上に配置される。
【0118】
結果として得られる半導体構成要素768は、
図7Rに示すように、フィールドプレートエッジ終端を有していないMPSダイオードである。
【0119】
この詳細な説明は、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、添付の特許請求の範囲は、様々な修正及び改良に従って、説明された実施形態とは異なる本発明の他の実施形態をカバーする。例えば、当業者は、そのような原理が、オーム接触の正確な配置から利益を得る任意の半導体デバイスに適用され得ることを認識し得る。例えば、マージPNショットキーダイオード又はオーム接触を利用する他のPNダイオードを利用する任意の半導体デバイスである。
【0120】
添付の特許請求の範囲内では、特定の用語「のための手段(means for)」又は「のためのステップ(step for)」が所与の請求項内で使用されない限り、請求項が35 U.S.C.112、パラグラフ6の下で解釈されることは意図されていない。
【0121】
「含む(comprises)」、「含む(includes)」、及び「有する(having)」などのより広い用語の使用は、「からなる(consisting of)」、「から本質的になる(consisting essentially of)」、及び「から実質的に構成される(comprised substantially of)」などのより狭い用語のサポートを提供すると理解されるべきである。実施形態の任意の要素に関する用語「任意選択的に(optionally)」、「してもよい(may)」、「してもよい(might)」、「場合によっては(possibly)」などの使用は、要素が必要とされないこと、又は代替的に要素が必要とされることを意味し、両方の代替形態が実施形態(複数可)の範囲内にある。また、実施例への言及は、単に例示目的で提供されており、排他的であることを意図していない。
【外国語明細書】