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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025138048
(43)【公開日】2025-09-25
(54)【発明の名称】マンコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B66B 31/00 20060101AFI20250917BHJP
【FI】
B66B31/00 F
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024036756
(22)【出願日】2024-03-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2025-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 雅昭
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321CA24
3F321EA02
3F321EA08
3F321HA33
(57)【要約】
【課題】 チェーンに対する給油量にバラツキが発生することを抑制することができるマンコンベヤを提供する。
【解決手段】 マンコンベヤは、人が乗るステップと、ステップに接続され、ステップが走行するために回転する環状のチェーンと、チェーンへ給油する給油部と、人を検出する人検出部と、給油部を制御する処理装置と、を備え、処理装置は、人検出部の検出に基づいて人の有無を判定し、有人と判定した場合に、チェーンの走行速度が第1速度である第1速度状態とし、無人と判定した場合に、チェーンの走行速度が前記第1速度よりも遅い第2速度である第2速度状態とし、給油部が単位時間当たりに給油する量は、一定であり、処理装置は、給油タイミングとなった場合に、チェーンの領域ごとに、給油時の走行速度に応じた回数だけ給油するように、給油部を制御する。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が乗るステップと、
前記ステップに接続され、前記ステップが走行するために回転する環状のチェーンと、
前記チェーンへ給油する給油部と、
人を検出する人検出部と、
前記給油部を制御する処理装置と、を備え、
前記処理装置は、前記人検出部の検出に基づいて人の有無を判定し、有人と判定した場合に、前記チェーンの走行速度が第1速度である第1速度状態とし、無人と判定した場合に、前記チェーンの走行速度が前記第1速度よりも遅い第2速度である第2速度状態とし、
前記給油部が単位時間当たりに給油する量は、一定であり、
前記処理装置は、給油タイミングとなった場合に、前記チェーンの領域ごとに、給油時の走行速度に応じた回数だけ給油するように、前記給油部を制御する、マンコンベヤ。
【請求項2】
前記給油部は、前記チェーンへ油を落とすことによって前記チェーンへ給油し、
前記処理装置は、前記給油タイミングとなった場合に、前記第2速度状態であるときに、前記給油部による給油を開始させる、請求項1に記載のマンコンベヤ。
【請求項3】
前記処理装置は、前記給油タイミングとなった後で前記第1速度状態が第1設定時間だけ維持された場合に、前記第1速度状態で前記給油部による給油を開始させる、請求項2に記載のマンコンベヤ。
【請求項4】
前記処理装置は、前記給油部による給油が完了する前に前記第2速度状態から前記第1速度状態へなった場合に、前記給油部による給油を停止させ、
前記処理装置は、前記第1速度状態から前記第2速度状態へ戻った場合に、前記給油部による給油を再開させる一方で、前記第1速度状態が第2設定時間だけ維持された場合に、前記第1速度状態で前記給油部による給油を再開させる、請求項2に記載のマンコンベヤ。
【請求項5】
前記処理装置は、前記第1速度状態で前記給油部による給油を実行させている場合に、前記給油部による給油が完了するまで前記第1速度状態を維持する、請求項1~4の何れか1項に記載のマンコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、マンコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、マンコンベヤは、人が乗るステップと、ステップに接続され、ステップが走行するために回転する環状のチェーンと、チェーンへ給油する給油部と備えている(例えば、特許文献1)。特許文献1に係るマンコンベヤによれば、ステップの走行速度に拘わらず、給油部が単位時間当たりに給油する量は、一定である。
【0003】
これにより、チェーンの走行速度が速い場合には、チェーンの単位長さ当たりの給油量が相対的に少なくなり、チェーンの走行速度が遅い場合には、チェーンの単位長さ当たりの給油量が相対的に多くなる。したがって、チェーンの単位長さ当たりに対する給油量にバラツキが発生することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-305797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、チェーンに対する給油量にバラツキが発生することを抑制することができるマンコンベヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
マンコンベヤは、
人が乗るステップと、
前記ステップに接続され、前記ステップが走行するために回転する環状のチェーンと、
前記チェーンへ給油する給油部と、
人を検出する人検出部と、
前記給油部を制御する処理装置と、を備え、
前記処理装置は、前記人検出部の検出に基づいて人の有無を判定し、有人と判定した場合に、前記チェーンの走行速度が第1速度である第1速度状態とし、無人と判定した場合に、前記チェーンの走行速度が前記第1速度よりも遅い第2速度である第2速度状態とし、
前記給油部が単位時間当たりに給油する量は、一定であり、
前記処理装置は、給油タイミングとなった場合に、前記チェーンの領域ごとに、給油時の走行速度に応じた回数だけ給油するように、前記給油部を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係るマンコンベヤの概要図
図2】同実施形態に係るマンコンベヤの要部図
図3】同実施形態に係るマンコンベヤの要部図
図4】同実施形態に係るマンコンベヤの制御ブロック図
図5】同実施形態に係るマンコンベヤの給油制御フロー図
図6】同実施形態に係る給油位置、速度状態及び給油状態の一例を示すタイムチャート図
図7】同実施形態に係る給油位置、速度状態及び給油状態の他の例を示すタイムチャート図
図8】同実施形態に係る給油位置、速度状態及び給油状態のさらに他例を示すタイムチャート図
図9】同実施形態に係る給油位置、速度状態及び給油状態のさらに他の例を示すタイムチャート図
【発明を実施するための形態】
【0008】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0009】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0010】
以下、マンコンベヤにおける一実施形態について、図1図9を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、マンコンベヤの構成等の理解を助けるために例示するものであり、マンコンベヤの構成を限定するものではない。
【0011】
図1に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、躯体に設置される構造体2と、人(乗客)を搬送する搬送部3と、搬送部3を第1方向D1で挟むように配置される一対(図1においては、一つのみ図示している)の欄干部4と、搬送部3及び欄干部4を駆動させる駆動部5と、装置全体を制御する処理装置6とを備えていてもよい。
【0012】
各図において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向である第1横方向(「幅方向」ともいう)D1であり、第2方向D2は、水平方向と平行な方向であって、且つ、第1横方向D1と直交する第2横方向(「前後方向」ともいう)D2であり、第3方向D3は、第1横方向D1及び第2横方向D2と直交する鉛直方向であって、上下方向D3である。
【0013】
本実施形態に係るマンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
【0014】
図1及び図2に示すように、搬送部3は、人が乗るステップ3aと、ステップ3aに接続され、ステップ3aが走行するために回転する環状のチェーン3bとを備えている。具体的には、搬送部3は、例えば、本実施形態のように、駆動部5に駆動されることによって回転して走行する無端環状のチェーン3bと、チェーン3bに接続されることによってチェーン3bと共に走行し、人が乗る踏面を有する複数のステップ3aとを備えていてもよい。
【0015】
そして、例えば、本実施形態のように、チェーン3bは、第1横方向D1に離れて一対設けられ、複数のステップ3aは、一対のチェーン3b,3bの間に配置されていてもよい。また、ステップ3aは、例えば、本実施形態のように、それぞれのチェーン3bに対して第1横方向D1を軸にして回転可能に接続されていてもよい。
【0016】
マンコンベヤ1は、チェーン3bへ給油する給油部7を備えている。給油部7は、例えば、本実施形態のように、油を貯めるタンク7aと、タンク7a内の油を送るポンプ7bと、油をチェーン3bへ供給する配管部7cと、処理装置6によって、チェーン3bへ給油する状態と給油を停止する状態とに切り替えられる制御弁7dとを備えていてもよい。
【0017】
例えば、本実施形態のように、ポンプ7bは、定量ポンプであり、制御弁7dは、閉状態と開度が一定の開状態とに切り替え可能な切替弁であってもよい。これにより、給油部7が単位時間当たりに給油する量は、一定(同じである場合だけでなく、±10%の差異を有する略同じである場合も含む)となる。
【0018】
そして、給油部7は、チェーン3bへ油を落とすことによって、チェーン3bへ給油している。具体的には、給油部7は、例えば、油を糸状に垂らすことによって、チェーン3bへ給油してもよく、また、例えば、油を滴下することによって、チェーン3bへ給油してもよい。なお、給油部7においては、例えば、ポンプ7bは、タンク7aへ油を送り、油は、自重によって、タンク7aからチェーン3bへ供給される、という構成でもよい。
【0019】
図1へ戻り、駆動部5は、例えば、本実施形態のように、チェーン3bの第2横方向D2の第1端部が巻き掛けられて且つ第1横方向D1を軸にして回転する回転部5aと、チェーン3bの第2横方向D2の第2端部を支持する支持部5bと、回転部5aを回転させる駆動源5cとを備えていてもよい。これにより、ステップ3aは、回転部5aによって反転し、また、支持部5bによって反転する。
【0020】
特に限定されないが、回転部5aは、例えば、スプロケットとしてもよい。また、特に限定されないが、支持部5bは、例えば、チェーン3bを反転するようにガイドするガイド材であってもよく、また、例えば、チェーン3bが巻き掛けられて且つ第1横方向D1を軸にして回転する回転材(例えば、スプロケット)であってもよい。また、特に限定されないが、駆動源5cは、例えば、モータとしてもよい。
【0021】
欄干部4は、例えば、回転して走行する無端環状の手摺ベルト4aと、手摺ベルト4aを支持する欄干本体部4bと、欄干本体部4bの下部を覆うカバー部4cとを備えていてもよい。なお、例えば、手摺ベルト4aが駆動部5の駆動によって走行し、手摺ベルト4aの走行は、ステップ3a及びチェーン3bの走行と同期してもよい。
【0022】
構造体2は、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2のそれぞれの端部に配置される機械室2a,2aを備えていてもよい。なお、構造体2は、例えば、複数の枠材で構成されるトラス構造又はケタ構造としてもよい。
【0023】
マンコンベヤ1は、例えば、本実施形態のように、機械室2aを上方から覆うように、構造体2に取り付けられる床プレート1aを備えていてもよい。これにより、床プレート1aは、搬送部3に乗り降りするために、搬送部3の第2横方向D2の各端部に配置される乗降部1bを構成している。
【0024】
図3に示すように、マンコンベヤ1は、人を検出する人検出部8を備えている。人検出部8は、例えば、本実施形態のように、乗降部1bに人が存在するか否かを検出する第1人検出部8aと、乗降部1bのうち、第1人検出部8aが検出する領域よりも、乗り降りするステップ3aに近い領域に、人が存在するか否かを検出する第2人検出部8bとを備えていてもよい。
【0025】
特に限定されないが、第1人検出部8aは、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2へ向けて投射される光電センサ(例えば、反射型)とし、欄干部4に配置されていてもよい。また、特に限定されないが、第2人検出部8bは、第1横方向D1へ向けて投射される光電センサ(例えば、透過型)とし、欄干部4に配置されていてもよい。
【0026】
なお、人検出部8の構成は、特に限定されない。人検出部8は、例えば、本実施形態のように、光電センサとしてもよく、また、例えば、上方や側方から撮像するカメラとしてもよく、また、例えば、下方から人の荷重を検出するロードセルとしてもよく、また、例えば、駆動源5cの負荷(例えば、電力値、電流値)を検出するインバータとしてもよい。
【0027】
図4に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、ステップ3a及びチェーン3bの走行速度を検出する速度検出部9と、ステップ3a及びチェーン3bの走行距離を検出する距離検出部10とを備えていてもよい。特に限定されないが、速度検出部9及び距離検出部10は、例えば、回転部5aの回転を検出するセンサ(例えば、近接センサ、エンコーダ)としてもよい。
【0028】
マンコンベヤ1は、例えば、本実施形態のように、各種情報が入力される入力部1cと、各種情報を出力する出力部1dとを備えていてもよい。特に限定されないが、例えば、入力部1cに入力される情報として、運転モード情報(手動運転選択、自動運転選択)、運転指示情報(運転開始指示、運転停止指示)、ステップ走行方向情報(上側搬送選択、下側搬送選択)、ステップ走行速度情報(定格速度運転選択、低速度運転選択)等としてもよい。
【0029】
また、特に限定されないが、入力部1cは、例えば、スイッチ(押しボタンスイッチ、セレクトスイッチ等)、タッチパネル等としてもよい。また、特に限定されないが、出力部1dは、例えば、情報を表示する表示部(例えば、電光掲示板、表示灯)、情報を音で発する発音部(例えば、ブザー、スピーカ)、外部(例えば、中央監視盤等)へ信号を出力する信号出力部等としてもよい。
【0030】
処理装置6は、例えば、本実施形態のように、各部1c,8,9,10から各情報(データ)を取得する取得部11と、各情報を記憶する記憶部12と、各情報を演算する演算部13と、各部を制御する制御部14とを備えていてもよい。そして、処理装置6は、例えば、CPU及びMPU等のプロセッサ(例えば、演算部13、制御部14)、ROM及びRAM等のメモリ(例えば、取得部11、記憶部12)、各種インターフェイス等を備えるコンピュータとしてもよい。
【0031】
これにより、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行し、ソフトウェア及びハードウェアが協働することによって、処理装置6の各部11,12,13,14が実現される。なお、処理装置6は、例えば、ソフト回路で構成されていてもよく、また、例えば、ハード回路で構成されていてもよく、また、例えば、ソフト回路及びハード回路の組み合わせで構成されていてもよい。
【0032】
また、処理装置6は、例えば、一つの装置で構成されていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置で構成されていてもよい。具体的には、処理装置6の各部11,12,13,14は、例えば、一つの装置に備えられていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置に分散して備えられていてもよい。
【0033】
演算部13は、例えば、本実施形態のように、マンコンベヤ1に乗る人の有無を判定する有人判定部13aと、給油部7によるチェーン3bへの給油の是非を判定する給油判定部13bとを備えていてもよい。
【0034】
制御部14は、例えば、本実施形態のように、ステップ3a及びチェーン3bの走行を制御するために、駆動部5を制御する駆動制御部14aと、給油部7によるチェーン3bへの給油を制御するために、給油部7を制御する給油制御部14bと、出力部1dを制御する出力制御部14cとを備えていてもよい。
【0035】
本実施形態に係るマンコンベヤ1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係るマンコンベヤ1の制御方法について説明する。なお、以下の制御方法は、マンコンベヤ1の各制御方法等の理解を助けるために例示するものであり、マンコンベヤ1の各制御方法を限定するものではない。
【0036】
まず、自動運転時のステップ3a及びチェーン3bの速度制御について、説明する。
【0037】
有人判定部13aは、人検出部8の検出に基づいて人の有無を判定する。特に限定されないが、例えば、第1人検出部8aが人を検出した場合に、有人判定部13aは、乗る人が有ると判定し、また、例えば、第2人検出部8bが最後に人を検出した後に、設定時間(例えば、ステップ3aが1/2周の距離を走行する時間+30秒)が経過した場合に、有人判定部13aは、乗る人が無いと判定する、という構成でもよい。
【0038】
そして、有人判定部13aが有人と判定した場合に、駆動制御部14aは、ステップ3a及びチェーン3bの走行速度が第1速度である第1速度状態とする。一方で、有人判定部13aが無人と判定した場合に、駆動制御部14aは、ステップ3a及びチェーン3bの走行速度が第1速度よりも遅い第2速度である第2速度状態とする。
【0039】
なお、第1速度は、一つの速度に限られない。例えば、第1速度は、複数の速度を有し、マンコンベヤ1に乗る人の多さ等に基づいて、変更されてもよい。特に限定されないが、第1速度は、例えば、15m/分以上であってもよく、また、例えば、20m/分以上であってもよく、また、例えば、25m/分以上であってもよい。
【0040】
また、第2速度は、一つの速度に限られない。例えば、第2速度は、複数の速度を有し、時間等に基づいて、変更されてもよい。特に限定されないが、第2速度は、例えば、15m/分未満であってもよく、また、例えば、10m/分以下であってもよく、また、例えば、5m/分以下であってもよい。なお、第2速度は、ゼロ(0m/秒)よりも大きい速度である。即ち、第2速度状態は、ステップ3a及びチェーン3bが停止した状態を含まない。
【0041】
次に、自動運転時の給油部7によるチェーン3bへの給油制御について、図5図9を参照しながら説明する。
【0042】
まず、図5に示すように、給油判定部13bは、給油条件に基づいて、給油部7による給油の是非を判定する(S1)。そして、給油判定部13bが給油のタイミングであると判定した場合に(S1の「Y」)、給油制御が実行される。特に限定されないが、給油条件は、例えば、前回給油後のステップ3a及びチェーン3bの累積走行距離、前回給油後のステップ3a及びチェーン3bの累積走行時間、及び前回給油後の経過時間の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0043】
そして、給油タイミングとなった場合に(S1の「Y」)、第2速度状態であるときに(S2の「Y」)、給油制御部14bは、給油部7による給油を開始させる(S3)。これにより、チェーン3bの走行速度が遅い第2速度状態であるときに、給油部7は、チェーン3bへ油を落とす。したがって、油に与える衝撃が大きくなることを抑制することができるため、例えば、油がチェーン3bから飛散することを抑制することができる。
【0044】
そして、給油部7による給油が完了する前に(S4の「N」)、第2速度状態から第1速度状態へなった場合には(S5の「Y」)、給油制御部14bは、給油部7による給油を停止し(S6)、その後、第1速度状態から第2速度状態へ戻った場合には(S7の「Y」)、給油制御部14bは、給油部7による給油を再開する。これにより、油に与える衝撃が大きくなることを抑制することができる。
【0045】
その後、給油が完了した場合に(S4の「Y」)、給油制御部14bは、給油部7による給油を終了する(S15)。これにより、給油部7によるチェーン3bへの給油が完了する。
【0046】
一方で、給油タイミングとなった後で(S1の「Y」)、第1速度状態が第1設定時間だけ維持された場合には(S2の「N」及びS9の「Y」)、給油制御部14bは、第1速度状態で給油部7による給油を開始する(S10)。これにより、チェーン3bへの給油のタイミングが遅くなり過ぎることを抑制することができる。
【0047】
なお、特に限定されないが、第1設定時間は、例えば、30分としてもよく、また、例えば、60分としてもよい。また、特に限定されないが、第1設定時間は、例えば、ステップ3aが10周する時間としてもよく、また、例えば、ステップ3aが20周する時間としてもよい。
【0048】
また、給油部7による給油が完了する前に(S4の「N」)、第2速度状態から第1速度状態へなった場合に(S5の「Y」)、給油制御部14bは、給油部7による給油を停止するが(S6)、その後、第1速度状態が第2設定時間だけ維持された場合には(S7の「N」及びS11の「Y」)、給油制御部14bは、第1速度状態で給油部7による給油を再開する(S12)。これにより、チェーン3bへの給油のタイミングが遅くなり過ぎることを抑制することができる。
【0049】
なお、特に限定されないが、第2設定時間は、例えば、30分としてもよく、また、例えば、60分としてもよい。また、特に限定されないが、第2設定時間は、例えば、ステップ3aが10周する時間としてもよく、また、例えば、ステップ3aが20周する時間としてもよい。
【0050】
また、第2設定時間は、例えば、第1設定時間よりも短くてもよい。これにより、チェーン3bの領域ごとにおける給油時間の差異を短くすることができる。なお、第2設定時間は、例えば、第1設定時間よりも長くてもよく、また、例えば、第1設定時間と同じでもよい。
【0051】
そして、第1速度状態で給油部7による給油が実行された場合に(S10及びS12)、駆動制御部14aは、給油部7による給油が完了するまで、第1速度状態を維持する(S13及びS14の「N」)。その後、給油が完了した場合に(S14の「Y」)、給油制御部14bは、給油部7による給油を終了する(S15)。これにより、給油部7によるチェーン3bへの給油が完了する。
【0052】
ところで、給油制御部14bは、給油タイミングとなった場合に、チェーン3bの領域ごとに、給油時の走行速度に応じた回数だけ給油するように、給油部7を制御している。具体的には、チェーン3bに対する給油量にバラツキが発生することを抑制するために、給油部7は、給油時の走行速度が速い領域ほど、給油の回数を多くしている。
【0053】
特に限定されないが、例えば、第1速度が30m/分であり、且つ、第2速度が10m/分である場合には、図6図9に示すように、第1速度状態で給油した領域は、1回だけ給油され、第2速度状態で給油した領域は、3回だけ給油される。即ち、給油の回数は、給油時の走行速度に反比例している。
【0054】
以下、図6図9に係る給油制御のタイムチャートについて説明する。なお、図6図9においては、給油位置が1周目のチェーン3bの第1位置P1であるときに、給油タイミングとなった場合(図5のS1の「Y」)としている。
【0055】
まず、図6の給油制御のタイムチャートについて説明する。
【0056】
図6に示すように、給油タイミングとなった場合に(図5のS1の「Y」)、第1速度状態であるため(図5のS2の「N」)、給油部7は、給油を開始しない。そして、1周目において、給油位置がチェーン3bの第2位置P2であるときに、第2速度状態となったため(図5のS2の「Y」)、給油部7は、給油を開始する(図5のS3)。
【0057】
その後、第2速度状態が維持されたため、2周目において、給油位置がチェーン3bの第2位置P2となったときに、給油が完了し(図5のS4の「Y」)、給油部7は、給油を終了する(図5のS15)。したがって、図6においては、チェーン3bの全域は、第2速度状態で1回だけ給油されている。
【0058】
次に、図7の給油制御のタイムチャートについて説明する。
【0059】
図7に示すように、給油タイミングとなった場合に(図5のS1の「Y」)、第1速度状態であるため(図5のS2の「N」)、給油部7は、給油を開始しない。そして、1周目において、給油位置がチェーン3bの第2位置P2であるときに、第2速度状態となったため(図5のS2の「Y」)、給油部7は、給油を開始する(図5のS3)。
【0060】
その後、1周目において、給油位置がチェーン3bの第3位置P3であるときに、第2速度状態から第1速度状態へなったため(図5のS5の「Y」)、給油部7は、給油を停止する(図5のS6)。その後、N周目において、給油位置がチェーン3bの第4位置P4であるときに、第1速度状態から第2速度状態へ戻ったため(図5のS7の「Y」)、給油部7は、給油を再開する(図5のS8)。
【0061】
その後、第2速度状態が維持されたため、N周目においては、給油位置がチェーン3bの第4位置P4から第1位置P1まで、給油部7が給油を実行し、そして、N+1周目においては、給油位置がチェーン3bの第1位置P1から第2位置P2まで及び第3位置P3から第4位置P4まで、給油部7が給油を実行する。これにより、給油が完了し(図5のS4の「Y」)、給油部7は、給油を終了する(図5のS15)。したがって、図7においては、チェーン3bの全域は、第2速度状態で1回だけ給油されている。
【0062】
次に、図8の給油制御のタイムチャートについて説明する。
【0063】
図8に示すように、給油タイミングとなった場合に(図5のS1の「Y」)、第1速度状態であるため(図5のS2の「N」)、給油部7は、給油を開始しない。そして、N周目において、給油位置がチェーン3bの第4位置P4に位置したときに、第1速度状態が第1設定時間だけ維持されたため(図5のS2の「N」及びS9の「Y」)、給油部7は、第1速度状態で給油を開始する(図5のS10)。
【0064】
その後、第1速度状態が維持されるため(図5のS13及びS14の「N」)、N周目においては、給油位置がチェーン3bの第4位置P4から第1位置P1まで、給油部7が給油を実行し、そして、N+1周目及びN+2周目においては、給油部7がチェーン3bの全領域に給油を実行し、N+3周目においては、給油位置がチェーン3bの第1位置P1から第4位置P4まで、給油部7が給油を実行する。
【0065】
これにより、給油が完了し(図5のS14の「Y」)、給油部7は、給油を終了する(図5のS15)。したがって、図8においては、チェーン3bの全域は、第1速度状態で3回だけ給油されている。なお、図8においては、給油部7による給油が完了するまで、第1速度状態が維持されているため、給油を迅速に完了させることができている。
【0066】
次に、図9の給油制御のタイムチャートについて説明する。
【0067】
図9に示すように、給油タイミングとなった場合に(図5のS1の「Y」)、第1速度状態であるため(図5のS2の「N」)、給油部7は、給油を開始しない。そして、1周目において、給油位置がチェーン3bの第2位置P2であるときに、第2速度状態となったため(図5のS2の「Y」)、給油部7は、給油を開始する(図5のS3)。
【0068】
その後、1周目において、給油位置がチェーン3bの第3位置P3であるときに、第2速度状態から第1速度状態へなったため(図5のS5の「Y」)、給油部7は、給油を停止する(S6)。その後、N周目において、給油位置がチェーン3bの第4位置P4に位置したときに、第1速度状態が第2設定時間だけ維持されたため(図5のS7の「N」及びS11の「Y」)、給油部7は、第1速度状態で給油を再開する(図5のS12)。
【0069】
その後、第1速度状態が維持されるため(図5のS13及びS14の「N」)、N周目においては、給油位置がチェーン3bの第4位置P4から第1位置P1まで、給油部7が給油を実行し、そして、N+1周目及びN+2周目においては、給油位置がチェーン3bの第1位置P1から第2位置P2まで及び第3位置P3から第1位置P1まで、給油部7が給油を実行し、そして、N+3周目においては、給油位置がチェーン3bの第1位置P1から第2位置P2まで及び第3位置P3から第4位置P4まで、給油部7が給油を実行する。
【0070】
これにより、給油が完了し(図5のS14の「Y」)、給油部7は、給油を終了する(図5のS15)。したがって、図9においては、チェーン3bの第2位置P2から第3位置P3までは、第2速度状態で1回だけ給油され、チェーン3bの第1位置P1から第2位置P2まで及び第3位置P3から第1位置P1までは、第1速度状態で3回だけ給油されている。なお、図9においては、給油部7による給油が完了するまで、第1速度状態が維持されているため、給油を迅速に完了させることができている。
【0071】
このように、給油タイミングとなった場合に、給油部7は、チェーン3bの領域ごとに、給油時の走行速度に応じた回数だけ給油している。これにより、チェーン3bの走行速度に拘わらず、単位時間当たりのチェーン3bへの給油量が一定であっても、チェーン3bに対する給油量にバラツキが発生することを抑制することができる。
【0072】
なお、特に限定されないが、記憶部12は、例えば、チェーン3bの領域ごとに、給油時の走行速度及び給油回数を記憶していてもよい。また、特に限定されないが、チェーン3bの給油位置は、例えば、距離検出部10の検出に基づいて、演算部13に演算されていてもよい。また、特に限定されないが、チェーン3bの走行速度は、例えば、速度検出部9の検出に基づいて、演算部13に演算されていてもよく、また、例えば、駆動源5cのインバータへの指示に基づいて、演算部13に判定されていてもよい。
【0073】
[1]
以上より、マンコンベヤ1は、本実施形態のように、
人が乗るステップ3aと、
前記ステップ3aに接続され、前記ステップ3aが走行するために回転する環状のチェーン3bと、
前記チェーン3bへ給油する給油部7と、
人を検出する人検出部8と、
前記給油部7を制御する処理装置6と、を備え、
前記処理装置6は、前記人検出部8の検出に基づいて人の有無を判定し、有人と判定した場合に、前記チェーン3bの走行速度が第1速度である第1速度状態とし、無人と判定した場合に、前記チェーン3bの走行速度が前記第1速度よりも遅い第2速度である第2速度状態とし、
前記給油部7が単位時間当たりに給油する量は、一定であり、
前記処理装置6は、給油タイミングとなった場合に、前記チェーン3bの領域ごとに、給油時の走行速度に応じた回数だけ給油するように、前記給油部7を制御する、
という構成が好ましい。
【0074】
斯かる構成によれば、給油タイミングとなった場合に、給油部7は、チェーン3bの領域ごとに、給油時の走行速度に応じた回数だけ給油する。これにより、単位時間当たりのチェーン3bへの給油量が一定であっても、チェーン3bに対する給油量にバラツキが発生することを抑制することができる。
【0075】
[2]
また、上記[1]のマンコンベヤ1においては、本実施形態のように、
前記給油部7は、前記チェーン3bへ油を落とすことによって前記チェーン3bへ給油し、
前記処理装置6は、前記給油タイミングとなった場合に(S1の「Y」)、前記第2速度状態であるときに(S2の「Y」)、前記給油部7による給油を開始させる(S3)、
という構成が好ましい。
【0076】
斯かる構成によれば、給油部7が、第2速度状態であるときにチェーン3bへ給油するため、チェーン3bの走行速度が遅いときに、給油部7は、チェーン3bへ油を落とす。これにより、油に与える衝撃が大きくなることを抑制することができる。
【0077】
[3]
また、上記[2]のマンコンベヤ1においては、本実施形態のように、
前記処理装置6は、前記給油タイミングとなった後で前記第1速度状態が第1設定時間だけ維持された場合に(S1の「Y」、S2の「N」及びS9の「Y」)、前記第1速度状態で前記給油部7による給油を開始させる(S10)、
という構成が好ましい。
【0078】
斯かる構成によれば、給油タイミングとなった後で第1速度状態が第1設定時間だけ維持された場合に、給油部7は、第1速度状態で給油を開始する。これにより、チェーン3bへの給油のタイミングが遅くなり過ぎることを抑制することができる。
【0079】
[4]
また、上記[2]又は[3]のマンコンベヤ1においては、本実施形態のように、
前記処理装置6は、前記給油部7による給油が完了する前に前記第2速度状態から前記第1速度状態へなった場合に(S4の「N」及びS5の「Y」)、前記給油部7による給油を停止させ(S6)、
前記処理装置6は、前記第1速度状態から前記第2速度状態へ戻った場合に(S7の「Y」)、前記給油部7による給油を再開させる一方で(S8)、前記第1速度状態が第2設定時間だけ維持された場合に(S7の「N」及びS11の「Y」)、前記第1速度状態で前記給油部7による給油を再開させる(S12)、
という構成が好ましい。
【0080】
斯かる構成によれば、給油が完了する前に第2速度状態から第1速度状態へなった場合に、給油部7は、給油を停止し、その後、第1速度状態から第2速度状態へ戻った場合に、給油部7は、給油を再開する。これにより、油に与える衝撃が大きくなることを抑制することができる。
【0081】
一方で、給油が完了する前に第2速度状態から第1速度状態へなった場合に、給油部7は、給油を停止し、その後、第1速度状態が第2設定時間だけ維持された場合に、給油部7は、第1速度状態で給油を再開する。これにより、チェーン3bへの給油のタイミングが遅くなり過ぎることを抑制することができる。
【0082】
[5]
また、上記[1]~[4]の何れか1つのマンコンベヤ1においては、本実施形態のように、
前記処理装置6は、前記第1速度状態で前記給油部7による給油を実行させている場合に(S10及びS12)、前記給油部7による給油が完了するまで前記第1速度状態を維持する(S13及びS14の「N」)、
という構成が好ましい。
【0083】
斯かる構成によれば、給油部7が第1速度状態で給油を実行している場合に、給油が完了するまで、第1速度状態が維持される。これにより、給油を迅速に完了させることができる。
【0084】
なお、マンコンベヤ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0085】
(A)上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第2速度状態で給油された領域の給油回数は、1回である、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第2速度状態で給油された領域の給油回数は、複数回である、という構成でもよい。
【0086】
(B)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第1速度(30m/分)は、第2速度(10m/分)の整数倍数である、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第1速度は、第2速度の整数倍数ではない、という構成でもよい。
【0087】
特に限定されないが、例えば、第1速度が25m/分であり、第2速度が10m/分であり、第2速度状態で給油された領域の給油回数は、2回であり、第1速度状態で給油された領域の給油回数は、5回である、という構成でもよい。斯かる構成によれば、給油の回数は、給油時の走行速度に完全に反比例している。
【0088】
また、特に限定されないが、例えば、第1速度が25m/分であり、第2速度が10m/分であり、第2速度状態で給油された領域の給油回数は、1回であり、第1速度状態で給油された領域の給油回数は、2回又は3回である、という構成でもよい。即ち、給油の回数は、給油時の走行速度に完全に反比例していなくてもよい。要するに、チェーン3bに対する給油量にバラツキが発生することを抑制するために、給油時の走行速度が速い領域ほど、給油の回数が多くなっていればよい。
【0089】
(C)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、処理装置6は、給油タイミングとなった場合に(S1の「Y」)、第2速度状態であるときに(S2の「Y」)、給油部7による給油を開始させる(S3)、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、処理装置6は、給油タイミングとなった場合に、チェーン3bの走行速度に拘わらず(例えば、第1速度状態であっても)、給油部7による給油を開始させる、という構成でもよい。
【0090】
(D)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、給油部7は、チェーン3bへ油を落とすことによってチェーン3bへ給油する、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0091】
例えば、給油部7が含浸材へ給油し、チェーン3bが含浸材に接することによって、給油部7がチェーン3bへ給油する、という構成でもよい。また、例えば、給油部7が油を貯留する貯留部に給油し、チェーン3bが貯留部の油の中を通過することによって、給油部7がチェーン3bへ給油する、という構成でもよい。
【0092】
(E)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、処理装置6は、給油タイミングとなった後で第1速度状態が第1設定時間だけ維持された場合に(S1の「Y」、S2の「N」及びS9の「Y」)、第1速度状態で給油部7による給油を開始させる(S10)、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、処理装置6は、給油タイミングとなった後で第1速度状態の維持時間に拘わらず第2速度状態になるまで、給油部7による給油を停止させる、という構成でもよい。
【0093】
(F)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、処理装置6は、第2速度状態で給油を開始し(S2の「Y」及びS3)、給油部7による給油が完了する前に第2速度状態から第1速度状態へなった場合に(S4の「N」及びS5の「Y」)、給油部7による給油を停止させる(S6)、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、処理装置6は、第2速度状態で給油を開始し、給油部7による給油が完了する前に第2速度状態から第1速度状態へなった場合でも、給油部7による給油を実行し続ける、という構成でもよい。
【0094】
(G)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、処理装置6は、第2速度状態で給油を開始し(S2の「Y」及びS3)、給油部7による給油が完了する前に第2速度状態から第1速度状態へなった場合に(S4の「N」及びS5の「Y」)、給油部7による給油を停止させ(S6)、その後、第1速度状態が第2設定時間だけ維持された場合に(S7の「N」及びS11の「Y」)、第1速度状態で給油部7による給油を再開させる(S12)、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0095】
例えば、処理装置6は、第2速度状態で給油を開始し、給油部7による給油が完了する前に第2速度状態から第1速度状態へなった場合に、給油部7による給油を停止させ、その後、第1速度状態の維持時間に拘わらず第2速度状態になるまで、給油部7による給油を停止させる、という構成でもよい。
【0096】
(H)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、処理装置6は、第1速度状態で給油部7による給油を実行させている場合に(S10及びS12)、給油部7による給油が完了するまで第1速度状態を維持する(S13及びS14の「N」)、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、処理装置6は、第1速度状態で給油部7による給油を実行させている場合に、給油部7による給油が完了する前に、人検出部8の検出に基づいて、第1速度状態から第2速度状態へ切り替え可能である、という構成でもよい。
【0097】
(I)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、チェーン3bの速度制御は、第1速度状態及び第2速度状態の何れかに切り替えられる、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、チェーン3bの速度制御は、第1速度状態、第2速度状態及び停止状態の何れかに切り替えられる、という構成でもよい。なお、停止状態におけるチェーン3bの速度は、ゼロ(0m/秒)である。
【0098】
(J)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示した方法及び装置における動作、手順、ステップ、及び段階等の各工程の実行順序は、前の工程の結果物を後の工程で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0099】
1…マンコンベヤ、1a…床プレート、1b…乗降部、1c…入力部、1d…出力部、2…構造体、2a…機械室、3…搬送部、3a…ステップ、3b…チェーン、4…欄干部、4a…手摺ベルト、4b…欄干本体部、4c…カバー部、5…駆動部、5a…回転部、5b…支持部、5c…駆動源、6…処理装置、7…給油部、7a…タンク、7b…ポンプ、7c…配管部、7d…制御弁、8…人検出部、8a…第1人検出部、8b…第2人検出部、9…速度検出部、10…距離検出部、11…取得部、12…記憶部、13…演算部、13a…有人判定部、13b…給油判定部、14…制御部、14a…駆動制御部、14b…給油制御部、14c…出力制御部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が乗るステップと、
前記ステップに接続され、前記ステップが走行するために回転する環状のチェーンと、
前記チェーンへ給油する給油部と、
人を検出する人検出部と、
前記給油部を制御する処理装置と、を備え、
前記処理装置は、前記人検出部の検出に基づいて人の有無を判定し、有人と判定した場合に、前記チェーンの走行速度が第1速度である第1速度状態とし、無人と判定した場合に、前記チェーンの走行速度が前記第1速度よりも遅い第2速度である第2速度状態とし、
前記給油部が単位時間当たりに給油する量は、一定であり、
前記処理装置は、給油タイミングとなった場合に、前記チェーンの走行速度に拘わらず給油を開始し且つ前記チェーンの領域ごとに給油時の走行速度に応じた回数だけ給油するように、前記給油部を制御する、マンコンベヤ。
【請求項2】
人が乗るステップと、
前記ステップに接続され、前記ステップが走行するために回転する環状のチェーンと、
前記チェーンへ給油する給油部と、
人を検出する人検出部と、
前記給油部を制御する処理装置と、を備え、
前記処理装置は、前記人検出部の検出に基づいて人の有無を判定し、有人と判定した場合に、前記チェーンの走行速度が第1速度である第1速度状態とし、無人と判定した場合に、前記チェーンの走行速度が前記第1速度よりも遅い第2速度である第2速度状態とし、
前記給油部が単位時間当たりに給油する量は、一定であり、
前記処理装置は、給油タイミングとなった場合に、前記チェーンの領域ごとに、給油時の走行速度に応じた回数だけ給油するように、前記給油部を制御する、マンコンベヤであって、
前記給油部は、前記チェーンへ油を落とすことによって前記チェーンへ給油し、
前記処理装置は、前記給油タイミングとなった場合に、前記第2速度状態であるときに、前記給油部による給油を開始させる、マンコンベヤ。
【請求項3】
前記処理装置は、前記給油タイミングとなった後で前記第1速度状態が第1設定時間だけ維持された場合に、前記第1速度状態で前記給油部による給油を開始させる、請求項2に記載のマンコンベヤ。
【請求項4】
前記処理装置は、前記給油部による給油が完了する前に前記第2速度状態から前記第1速度状態へなった場合に、前記給油部による給油を停止させ、
前記処理装置は、前記第1速度状態から前記第2速度状態へ戻った場合に、前記給油部による給油を再開させる一方で、前記第1速度状態が第2設定時間だけ維持された場合に、前記第1速度状態で前記給油部による給油を再開させる、請求項2に記載のマンコンベヤ。
【請求項5】
前記処理装置は、前記第1速度状態で前記給油部による給油を実行させている場合に、前記給油部による給油が完了するまで前記第1速度状態を維持する、請求項1~4の何れか1項に記載のマンコンベヤ。