(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013810
(43)【公開日】2025-01-28
(54)【発明の名称】決済システム及び決済方法
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20250121BHJP
【FI】
G07G1/00 311D
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024173211
(22)【出願日】2024-10-02
(62)【分割の表示】P 2020069558の分割
【原出願日】2020-04-08
(31)【優先権主張番号】P 2019180778
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】大西 誠人
(72)【発明者】
【氏名】深瀬 裕之
(72)【発明者】
【氏名】井川 太郎
(57)【要約】
【課題】RFIDタグの読み取り漏れがあった場合でも容易に商品情報の再読み込みが可能で、決済作業の効率低下を抑制できる決済システムを得ること。
【解決手段】商品に添付されたRFIDタグに記録される識別情報を読み取る第1アンテナと、読み取られた前記識別情報に関連した情報を表示する表示器と、決済手段とを有する決済システムであって、さらに、前記RFIDタグに記録された前記識別情報を読み出すためのRFIDリーダ機能または光学的なコード読み取り機能を有する携帯端末を含む決済システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に添付されたRFIDタグに記録される識別情報を読み取る第1アンテナと、読み取られた前記識別情報に関連した情報を表示する表示器と、決済手段とを有する決済システムであって、
さらに、前記RFIDタグに記録された前記識別情報を読み出すためのRFIDリーダ機能または光学的なコード読み取り機能を有する携帯端末を含む決済システム。
【請求項2】
プレスキャン及びポストスキャンの少なくとも一方を行う第2アンテナを備える請求項1に記載の決済システム。
【請求項3】
前記第1アンテナ及び前記第2アンテナのそれぞれの放射特性が異なる請求項2に記載の決済システム。
【請求項4】
読み取った前記識別情報に対応する商品名、及び商品画像を表示する表示器を備える請求項1から3の何れか一項に記載の決済システム。
【請求項5】
前記第1アンテナは、商品の識別情報を周期的に取得し、前記識別情報をメモリに記憶し、少なくとも前記メモリに対するリフレッシュ動作が行われるまで前記識別情報を保持する請求項1から4の何れか一項に記載の決済システム。
【請求項6】
前記識別情報を取得する際、前記第1アンテナの放射特性が切り替えられる請求項5に記載の決済システム。
【請求項7】
読み取った前記識別情報に対応する商品名、及び商品画像を表示する表示器を備え、
前記表示器は、管理者用の第1表示器と、顧客用の第2表示器とを含み、
前記第1アンテナで読み取られた商品情報は、前記第1表示器及び前記第2表示器に表示され、
読み取られた商品に関するエラー情報、警備情報の少なくとも1つは、前記第1表示器のみに表示される請求項1から6の何れか一項に記載の決済システム。
【請求項8】
前記第1アンテナ上にスペーサが配置されている請求項1から7の何れか一項に記載の決済システム。
【請求項9】
商品に添付されたRFIDタグに設定された、商品識別情報をリーダで読み取るステップと、
決済しようとする商品と前記リーダで読み取られた商品を比較するステップと、
前記リーダで読み込みができないときのバックアップ用の読み取り手段として準備された光学的読み取り手段または追加のRFIDリーダを用いて前記リーダで読み取られていなかった決済しようとする商品のRFIDタグまたはコード情報を読み取るステップと、読み取られた前記商品識別情報を用いて決済するステップと、
を決済システムに実行させる決済方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の決済が容易にできる決済システム及び決済方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio-Frequency IDentification)を用いた決済システムが商店において活用され、決済作業の効率化や商店の人手不足対策として脚光を浴びている。しかしながら、RFIDは非接触の無線通信によって読み出されるものなので、RFIDタグが備えるアンテナに対する、商品の配置、電波遮蔽物、電波吸収体、商品の重なりなどの影響により、商品に添付されたRFIDタグを正確に読み取ることができない場合がある。この場合、レジ係が、読み取られなかったRFIDタグの情報を手入力し、或いは読み取られなかったRFIDタグの貼付された商品を再度同一のRFIDリーダにかざすことによって、システムに認識させて決済を行っていた。
【0003】
このような課題を解決するため、従来では、決済が商店の特定の位置(例えばレジ)で行われていたので、レジへの商品を配置するスペースを工夫して商品の読み取り漏れを防いでいた。例えば、引用文献1では、商品をカートに入れ、正しい位置にカートを設置するようにし、また、引用文献2では、RFIDタグの読めない商品などについては、バーコードなどの識別情報を貼付し、レジの商品の読み取り軌跡上にRFIDリーダと光学的なバーコードリーダを配置し、何れかを読み取らせるようにして解決していた。
【0004】
一方、最近ではRFIDを用いた決済システムの小型化による持ち運びの利便性から、催事場などでの利用が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-042062号公報
【特許文献2】特開2005-234867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、RFIDリーダの部位で読み取り漏れを防ぐための構成を追加した従来の解決手段はシステムの大型化を招くので、持ち運び可能な小型システムには適用できない。ここで、RFIDリーダの部位とは、商品に添付されたRFIDタグを読むためのRFIDリーダを含めた読み取りのための場所などを示す。さらに、従来は読み取り漏れが生じると、決済作業においてはレジ係の目視により、読み取れなかった商品を識別し、読み取れなかった商品についてはレジ係がそのJANコードなどの商品識別情報を決済システムに入力することで、決済を行う必要があった。従って、RFIDシステムの利用による商品の迅速な読み込みによる作業効率の向上が妨げられる。そして、決済作業に時間がかかる、あるいは装置の大型化の結果として、催事場等での利用が困難であるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、持ち運び可能な小型のRFIDタグ利用の決済システムであって、RFIDタグの読み取り漏れがあった場合でも容易に商品情報の再読み込みが可能で、決済作業の効率低下を抑制できる決済システムを得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)商品に添付されたRFIDタグに記録される識別情報を読み取る第1アンテナと、読み取られた前記識別情報に関連した情報を表示する表示器と、決済手段とを有する決済システムであって、さらに、前記RFIDタグに記録された前記識別情報を読み出すためのRFIDリーダ機能または光学的なコード読み取り機能を有する携帯端末を含む決済システム。
【0009】
(2)プレスキャン及びポストスキャンの少なくとも一方を行う第2アンテナを含む決済システム。
【0010】
(3)前記第1アンテナ及び前記第2アンテナのそれぞれの放射特性が異なる決済システム。
【0011】
(4)読み取った前記識別情報に対応する商品名、及び商品画像を表示する表示器を備える決済システム。
【0012】
(5)第1アンテナは、商品の識別情報を周期的に取得し、前記識別情報をメモリに記憶し、少なくとも前記メモリに対するリフレッシュ動作が行われるまで前記識別情報を保持する決済システム。
【0013】
(6)識別情報を取得する際、前記第1アンテナの放射特性が切り替えられる決済システム。
【0014】
(7)読み取った前記識別情報に対応する商品名、及び商品画像を表示する表示器を備え、前記表示器は、管理者用の第1表示器と、顧客用の第2表示器とを含み、前記第1アンテナで読み取られた商品情報は、前記第1表示器及び前記第2表示器に表示され、読み取られた商品に関するエラー情報、警備情報の少なくとも1つは、前記第1表示器のみに表示される決済システム。
【0015】
(8)第1アンテナと商品の間に配置されるスペーサを含む決済システム。
【0016】
(9)商品に添付されたRFIDタグに設定された、商品識別情報をリーダで読み取るステップと、決済しようとする商品と前記リーダで読み取られた商品を比較するステップと、前記リーダで読み込みができないときのバックアップ用の読み取り手段として準備された光学的読み取り手段または追加のRFIDリーダを用いて前記リーダで読み取られていなかった決済しようとする商品のRFIDタグまたはコード情報を読み取るステップと、読み取られた前記商品識別情報を用いて決済するステップと、を決済システムに実行させる決済方法。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、持ち運び可能な小型のRFIDタグ利用の決済システムであって、RFIDタグの読み取り漏れがあった場合でも容易に商品情報の再読み込みが可能で、決済作業の効率低下を抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本願発明の実施の形態1に係る決済システムの構成例を示す図
【
図2】本願発明の実施の形態1に係る決済システムの表示器の表示画面の説明図
【
図3】本願発明の実施の形態1に係る決済システムの動作を説明するためのフローチャート
【
図4】決済システムに含まれるメモリに記録される情報を説明するための図
【
図5】読み取り漏れが生じた場合のメモリ内容及び表示内容を説明するための図
【
図6】本願発明の実施の形態2に係る決済システムの構成例を示す図
【
図7】本願発明の実施の形態2に係る決済システムの動作を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す説明では、各図において共通する部分について、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、理解を容易にするため、各図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。
【0020】
図1は本願発明の実施の形態1に係る決済システムの構成例を示す図である。決済システム100は、例えば催事場に設置されるレジ110、ゲート111及びゲート112を備える。
【0021】
レジ110は、デスク106と、デスク106上に配置され、互いに通信可能に接続された第1アンテナであるアンテナ101と、コントローラ102と、レジスタ103(決済手段)と、ハンディコードリーダなどの携帯端末104と、電子マネーリーダ105(決済手段)とを備える。
【0022】
アンテナ101は、商品に添付された、電波式の無線タグであるRFIDタグを読み込むためのリーダであり、商品に添付されたRFIDタグを読み取るのに適したものが適宜選択される。典型的には、アンテナ101は、UHF帯の平面状のアンテナである。アンテナ101は、アンテナ101上の商品が読み取りのために配置された状態で一括或いは個別に読み込み可能な放射特性(又は指向性)を持つように設計された構成及び出力を持つ。またアンテナ101は、商品に添付されたRFIDタグとの通信を、典型的には0.1~10秒のリフレッシュレートで行い、取得した情報をコントローラ102に送信する。
【0023】
コントローラ102は、システムを動作させるためのプログラム及びメモリを搭載し、表示器107やタッチパネルなどの入力手段(図示しない)を持つタブレット端末やノートPCである。
【0024】
レジスタ103は現金決済のための現金の出し入れのための現金の入力出力を行うもので、内部に現金を含むことが可能なものであれば何れのものでもよい。レジスタ103は典型的には、レジ係の負担を軽減するために、現金の計数手段、現金の入力・出力手段を持つものである。レジスタ103は、顧客から預かった現金を入金し、システムでおつりを計算し、おつりが出力される自動化されたものが好ましい。ただし、現金決済を行わない場合はシステムから省略してもよい。なお、コントローラ102は、有線又は無線でインターネット等のネットワークに接続され、ネットワーク上の端末とデータ共有或いは制御できるように構成してもよい。
【0025】
携帯端末104は、商品に添付された光学的なコード情報(バーコードや2次元コード等)を読み取り可能な端末装置である。携帯端末104は、光学的な読み取り手段に加えて、RFIDタグを読み取り可能な手段を併せ持ってもよい。ただし、携帯端末104は、システムの仕様によってはRFIDタグリーダの機能だけを持つようにしてもよい。
【0026】
電子マネーリーダ105は、電子決済及びクレジットカード決済のためのカードリーダである。
【0027】
ゲート111及びゲート112は、それぞれが少なくともアンテナ101と同様の機能、すなわち商品に添付されたRFIDタグを読み取るためのアンテナ機能を備え、コントローラ102に接続されている。
【0028】
次に本発明の決済システム100の動作例を
図1及び
図3を用いて説明する。
図3は本願発明の実施の形態1に係る決済システムの動作を説明するためのフローチャートである。例えば、催事場に訪れた顧客が、催事場に展示された商品の中から購入したい商品を選択する。そして、その商品を所持して、すなわち購入したい商品を籠に入れて、或いは手に取って、レジ110に向かう(ステップS301)。
【0029】
なお、
図1に示す符号150の矢印は、商品を選択した顧客の決済時の動線を示したものである。顧客は、レジ110の順番待ちのために、停止線140の手前の順番待ちの列の最後尾に並ぶ。そして、自分の順番が来た場合、ゲート111を通過する。この際、ゲート111に設けられるアンテナ(第2アンテナ)により、顧客が所持する商品に添付されたRFIDタグのプレスキャンが行われ、このプレスキャンで読み取られた商品識別情報がコントローラ102に送信される(ステップS302)。
【0030】
ゲート111を通過した顧客は、レジ110の前側に移動し、アンテナ101上の電界122内に、籠に入れられた商品を籠ごと配置し、或いは、商品の束を配置する。アンテナ101は、アンテナ101上の電界122内に配置された1又は複数の商品のRFIDタグを、所定のリフレッシュレートで一括読み取り、この読み取られたRFIDタグの商品識別情報に紐づけされた商品情報と商品画像が表示器107上に表示される(ステップS303)。ここで、アンテナ101上に顧客が商品束を配置する場合、RFIDタグがアンテナ101に過度に押し付けられたり、アンテナ特性を発揮できないほど近接配置されることがあり、複数のRFIDタグの一部のタグが読み取れない場合がある。そこで、アンテナ101上にスペーサを設けると都合がよい。スペーサは、RFIDタグの押しつけを防ぐ効果を持つ、1cm-3cm程度のスポンジか、ゴムなど電波を遮蔽せず、クッション性、あるいは可とう性をもつ材料が都合がよい。
【0031】
通常、アンテナ101はリフレッシュレート毎に同じ放射条件でアンテナを駆動し、RFIDタグの読み取りを行っているが、アンテナ装置内部に複数のアンテナパターンを設けて、リフレッシュレート毎に使用するアンテナパターンを切り替える、或いは、アンテナの出力を切り替える、又は、電気的に制御可能な電子制御方式アンテナを用いた切り替えを行い、電界122の電波の放射パターンを切り替えると、RFIDタグの重なりなどで読み取れなかったRFIDタグを読み取れるようになる場合があるので都合がよい。また、本実施の形態では、商品を一括読み取りする読み取り方法を示したが、商品を一点ずつアンテナ101上にかざして読み取るようにしてもよい。
【0032】
図2は本願発明の実施の形態1に係る決済システムの表示器の表示画面の説明図である。
図2(a)には、レジ係が利用する表示器107aに表示される画面(レジ係側画面)の一例が示される。
図2(b)には、顧客が利用する表示器107bに表示される画面(顧客側画面)の一例が示される。なお、本実施の形態のレジ110は、レジ110のユーザと顧客とが共用する1つの表示器107を備える構成でもよい。また、レジ110がセルフレジである場合、レジ110は、顧客のみが表示の確認及び操作を行える画面を表示する表示器107を備えるものでもよい。
【0033】
図2(a)の表示器107aの画面には、読み取られた商品情報や関連する値段情報、合計金額情報などが表示される領域203と、決済の操作を行うための操作領域202と、エラー情報や、盗難情報等が表示される領域204とが含まれる。
【0034】
領域203には、読み取られた商品に対する事前に登録された画像、商品名、値段、個数などがリストアップされ、最後に、合計の商品点数と、合計金額が表示されている。領域203には、商品に関する文字情報だけでなく視覚情報を追加してもよい。これにより利用者の確認が容易となる。
【0035】
図2(b)の表示器107bの画面には、読み取られた商品情報や関連する値段情報、合計金額情報などが表示される領域213と、顧客が購入する商品に関連する情報や広告などが表示される領域204とが含まれる。
【0036】
領域213には、領域203と同様に、読み取られた商品に対する事前に登録された画像、商品名、値段、個数などがリストアップされ、最後に、合計の商品点数と、合計金額が表示されている。
【0037】
ここで、領域203及び領域213には、アンテナ101からの最新の読み取り情報に対する商品情報だけを表示してもよいが、例えば、読み取られた情報を記憶しておき、検出された商品をすべて、その顧客に対して表示する、或いは、プレスキャンで読み取った商品情報と組み合わせて、その顧客に対して表示するようにしてもよい。読み取られた情報は、典型的にはレジ係による操作領域202での入力手段による読み取り開始指示、或いは、レジ前に人が存在することなどを焦電センサ等で検出した時点、以降の読み取り情報である。
【0038】
なお、最新の読み取ったRFIDタグに対応する商品以外は、例えば表示器107aでは異なる色で表示するようにして、レジ係の商品識別を容易にするようにしてもよい。
【0039】
次に、レジ係は、画面上に表示された商品と実際に顧客が購入を希望する商品とを視覚を通じて比較する。そして、実際に顧客が希望しない商品が含まれる場合、レジ係は、操作領域202に設けられる入力手段(ボタン画面など)により、商品情報を削除する。
【0040】
一方、顧客が購入を希望するにも関わらず商品読み取りが行われなかった商品が存在する場合、レジ係は、その商品そのものを手に取り、携帯端末104に、その商品のバーコード、或いは、2次元コード情報を読み取らせて、商品情報をシステムに認識させる(ステップS304(漏れスキャン))。レジ係は、読み取れなかった商品が複数あった場合、この操作を繰り返す。この光学的な読み取り手段の読み取りの例として上記のコード情報の読み取りを示したが、携帯端末104は、JANコードなどの他の表記された情報を読み取れるように構成してもよい。なお、携帯端末104を用いても読み取れなかった場合、操作領域202から商品情報を入力できるように構成してもよい。
【0041】
本実施の形態では携帯端末104が光学的なコード読み取り手段のみを備えているものとして説明したが、商品に添付された商品識別情報が読み取りできない理由は、アンテナが破損していること、RFIDタグの近傍に電波の遮蔽物や吸収体が存在すること、などが想定される。後者の場合、RFIDリーダを含む携帯端末104を利用すると、その向き、位置、出力などを変えることによって、RFIDリーダに付属する不図示のアンテナの放射特性を、アンテナ101よりも自由に変化させることができるので、アンテナ101で読み取りができないRFIDタグの商品識別情報を読み取ることができる可能性がある。
【0042】
そこで、携帯端末104に、光学的なコードの読み取り手段を備えると共に、RFID読み取り機能を備えることによって、コード情報を、レジ係が視覚を通じて探す工程を削減でき、会計作業の効率を向上させることができる。なお、携帯端末104は、光学的にコード情報読み取り手段とRFID読み取り機能の両者を備えるものが最も好ましいが、RFIDが破損する頻度は多くないため、携帯端末104にRFIDの読み取り機能のみ設けた場合でも、会計作業の効率の向上を図ることができる。
【0043】
以上の作業によってコントローラ102に正確な商品情報が登録されると、レジ係は、操作領域202の会計ボタン(図示しない)をタッチする。この操作によって、登録商品の更新作業が停止され、決済の手続きに移る。
【0044】
決済手続きは、決済システム100において、許容される支払い方法に対応するボタンが操作領域202に表示されているため、対応するボタンをタッチ操作して、支払い方法が選択されることにより、実行される(ステップS305)。許容される支払い方法は、現金決済、クレジットカード決済、電子マネー決済などである。
【0045】
例えば、顧客が電子マネー決済を選択する場合には、操作領域202に表示される、電子マネー決済に対応するボタンがタッチされ、その後、顧客が電子マネーリーダ105に、対応する電子マネーを読み込ませる。これにより、電子マネーによる決済が行われる。
【0046】
プレスキャン、レジ110でのスキャン、ポストスキャンでは、アンテナによって形成される電界パターンを異ならせると、商品の重なりによって読めなかったRFIDタグが読めるようになる場合があり好ましい。特に、籠に収容された複数の商品は、重なった状態で保持されているため、このような商品のRFIDタグを、プレスキャンとレジ110でスキャンする場合、アンテナによって形成される電界パターンを異ならせることで、電界パターンが変わるため、特に効果が大きい。特に、プレスキャンとレジ110でのスキャンでは、顧客は例えばかごに入れた同じような重なり状態で商品を保持した状態でスキャンが行われるので、かごに対応するアンテナの電界の方向性が異なるなど電界パターンが変えられるといずれかで重なったRFIDタグでも読み出せるなど効果が大きい。
【0047】
次に、決済手続きが終了すると、顧客は催事場を後にして帰路につく。本実施の形態では、催事場の出口のゲート112にもアンテナが設けられているため、顧客は、そのアンテナによって形成された電界123を通過することとなる。この時に、アンテナによって読み取られた商品情報は、ゲート112と通信回線を介して接続されたコントローラ102に送信される。そして、商品識別情報が既に決済されたものかどうかが判定され(ステップS306(ポストスキャン))、もし、決済されたものではないとの判定がされた場合は、警告表示が表示器107になされる。また、この判定結果は警備担当者にも通知され、万引きや決済漏れを防止することができる。
【0048】
次にメモリの動作を
図4を参照しながら詳述する。なお、プレスキャンやポストスキャン用のアンテナである第2アンテナを持たない構成の場合は対応するメモリを必要としないことは言うまでもない。当該メモリは、例えば、コントローラ102が備える記憶手段である。なお、ネットワークに接続されるサーバなどで処理を行い、その処理結果をコントローラ102に表示させてもよい。第2アンテナを持たない構成は、例えば、プレスキャンやポストスキャンをするアンテナを持たないシステム、例えばレジで読み込むアンテナのみで決済するシステムである。
【0049】
図4は決済システムに含まれるメモリに記録される情報を説明するための図である。
【0050】
図4(a)には、ゲート111のアンテナでプレスキャンされた商品識別情報を一時的に記憶するメモリに記録される内容が示され、
図4(a)の内容は、顧客が電界121を通過した際に読み取られたデータに対応する。
図4(a)の表の左欄がRAMの物理アドレス、
図4(a)の右欄が読み取られたRFIDの商品識別番号を示す。
図4(b1)~
図4(b3)、
図4(bm)、
図4(c)の表も同様である。
【0051】
図4(b1)~
図4(b3)には、レジ110のアンテナ101の電界122内に配置された商品を1秒ごとに連続的に読み取って得られた出力情報が示される。
【0052】
図4(bm)には、プレスキャン情報及び、レジ11のアンテナ101から出力された情報を一時的に記憶するメモリに記録される内容が示される。
【0053】
図4(c)には、ポストスキャン用のアンテナ(ゲート112のアンテナ)(第2アンテナ)でスキャンされた商品識別情報を一時的に記憶するメモリに記録される内容が示される。
【0054】
図4(d)には、RFIDタグごとに固有の番号である商品識別番号(例えば、100101、100102、100210など)と、商品の情報(例えば、青シャツS、青シャツM、赤シャツSなど)との対応関係を記憶するメモリの内容が示される。なお、メモリの書式や、商品識別情報の書式、商品の情報の書式は、説明用のもので適宜修正可能なことは言うまでもない。
【0055】
顧客がプレスキャン用のゲート111のアンテナを通過した際、決済システム100は、図示しない焦電センサ等を用いて顧客の通過を検出し、ゲート111のアンテナでのスキャンを行い、読み取られた出力情報をコントローラ102に送信し、情報を一時的に記憶するメモリに記憶する。ここで、プレスキャンでは、「100101」、「100102」、「100333」の3つの商品識別情報を読み取ったものとする。
【0056】
次に、顧客は、選択した商品を手持ちで、又は、籠に入れて、アンテナ101上の電界122にその商品をかざす。アンテナ101は、所定の間隔、例えば0.5秒~10秒間(リフレッシュレート)で走査を行う。本実施の形態では、1秒ごとにアンテナ101での走査が行われる。なお、リフレッシュレートは、適宜設定されるが、0.5秒~2秒程度がレジの作業の観点から都合がよい。
【0057】
図4(b1)、
図4(b2)、
図4(b3)のそれぞれには、1秒ごとに読み取られたデータが示されている。
【0058】
アンテナ101上に商品が置かれたことを、図示しないセンサが検出することで、読み取りが開始される。なお、読み取りの開始は、操作領域202に表示されるスキャン開始ボタンが押されたときでもよい。
【0059】
図4(b1)は、1回目の読み取りデータを示し、「100101」、「100102」の2つの商品識別情報が読み取られたことを示す。
【0060】
図4(b2)は、2回目の読み取りデータを示し、「100101」、「100210」、「100102」の3つの商品識別情報が読み取られたことを示す。
【0061】
図4(b3)は、3回目の読み取りデータを示し、「100101」、「100102」の2つの商品識別情報が読み取られたことを示す。
【0062】
これらの読み取りデータは、情報を一時的に記憶可能なメモリにおいて、
図4(bm)に示すように記憶される。すなわち、当該メモリには、プレスキャンで送信されてきた商品識別情報のデータ(
図4(a))、アンテナ101でスキャンされた商品識別情報のデータ(
図4(b1)~
図4(b3))が全て記憶されている。
【0063】
そして、
図4(d)の商品識別番号と商品名のテーブルに従って、読み取られた商品識別情報を商品名のリストに変換して、表示器107にこのリストを表示する。
【0064】
この際、同じ商品が複数あるものについては商品名と複数の対応した個数で表示するものとし、重複表示を防ぐ。本実施の形態では、商品識別情報だけでなく検出の頻度も記憶されている。ここで、頻度はHighとLowが設定されており、この頻度の閾値は適宜決定されるものであるが、スキャン回数に対して、1/2以上の回数のスキャンで読みだされたものはHigh、1/2未満の回数のスキャンで読みだされたものはLowとされている。Lowのものは誤検出の可能性があるため、レジ係の端末上で、商品名の欄で色を変えるなど、認識可能な表示にすることによって、レジ係が誤検出を識別し難くなる。Lowと判断される原因としては、商品の近くに電波吸収体が配置されていること、RFIDタグが商品間に挟まれて読み取りがしにくくなっていること、アンテナ101の電界122から離れた位置にRFIDタグが置かれていること、プレスキャンの時には動作していたが、会計時のスキャンの際にはRFIDタグが破損していたこと、などが挙げられる。
【0065】
催事場によっては、レジ110に複数の決済システム100が設置され、アンテナ101が近接して配置されたり、顧客が商品を隣のアンテナ101の電界内に間違って挿入してしまい、隣のコントローラ102で商品識別番号が読み取られてしまうことがある。この際でも誤検出で読み取られた場合、当然検出頻度は低くなり、Lowとされるので、レジ係は誤検出を認識しやすい。さらに、このような誤検出を避けるためには、複数の決済システム100が相互に通信可能に接続され、他の決済システムでHighと認識されているもの、或いは、決済のなされたものは、その他の決済システム以外の決済システムのリストやメモリからその商品識別番号を削除するようにすると誤検出を効率的に避けることができる。
【0066】
次にレジ係は、操作領域202の走査終了ボタン(図示しない)をタッチして、RFIDタグのスキャン動作を停止させる。これにより、表示器107a画面には上記リストが表示される。そして、この表示された商品情報において不要なものが入っていた場合はその画面上で不要な商品を選択し、削除の操作を操作領域202の削除処理ボタン(図示しない)をタッチして行う。
【0067】
次に、レジ係はこのリストを参照し、リストアップされていないが、顧客が購入を希望する商品(いわゆる「読み取り漏れ」)を、コントローラ102に入力する。この入力モードは、携帯端末104の操作開始を検知して自動で入るようにしても、操作領域202の操作で入るようにしてもよい。この読み取り漏れ商品の判断は、表示器107に表示された商品(特に画像)と実際の商品とを、レジ係が比較することによって行われる。入力モードは、リストアップされていない商品を入力できる状態にさせることである。
【0068】
なお、金属探知機やラピスキャン製X線検査装置のような装置を利用して、RFIDタグの個数を認識させ、リストアップされた商品の数とRFIDタグの個数とを比較し、その一致や不一致を画面上に報知させ、不一致の場合はその差の個数をさらに報知させてもよい。
【0069】
図5は読み取り漏れが生じた場合のメモリ内容及び表示内容を説明するための図である。
図5(a1)は、不要な商品等を削除したメモリの状態を示している。
図5(a2)は、内部に含まれる、商品識別情報と商品の変換テーブル(
図4(d))に従って変換した表示画面の内容を示している。なお、ここではLowと出ていたものに上述のように色を付ける代わりに太字及び下線をつけて示してある。
【0070】
図5(b1)は、携帯端末104において、RFIDタグの一括読み取りで読み取り漏れが起こった商品のRFIDタグの識別情報又はバーコードを、読み込ませた結果のメモリ内容を示している。また、
図5(b2)は、内部に含まれる、商品識別情報と商品の変換テーブルに従って変換した表示画面の内容を示している。なお、ここではLowと出ていたものについては、すでにレジ係によって正否の判断がされた後のため、報知をしていない。ここでは携帯端末104で読み取られた商品識別番号「100511」がメモリに追加され、表示器107の表示内容にも対応するネックレスが追加で表示されている。
【0071】
催事場のイベントによっては、事前に、参加者が決済情報などの個人情報をイベントのシステムに登録することができる。例えば、インターネット上での個人情報の事前登録や、催事場入り口での個人情報の登録である。そして、この個人情報に決済情報が含まれる場合、レジで決済の手続きを行うことが省略できる。これは、例えば、事前に決済手段等の登録されたRFIDタグやバーコードなどを参加証に付加し、その情報を決済時にアンテナで読み取らせることで、決済システム100は、読み取った決済方法を用いて自動的に決済処理することができる。この技術を前述の実施の形態の構成に適用し、例えばアンテナや携帯端末104で情報を読み取らせて決済させることができる。
【0072】
しかしながら、決済情報などの個人情報を、事前に登録した参加者が一律にこのようなレジに並ぶような手順を行うとなると煩雑であるので、出口で自動的に読み取られる構成があると利便性が上がる。この実施の形態を
図6を参照して説明する。
【0073】
図6は本願発明の実施の形態2に係る決済システムの構成例を示す図である。実施の形態2に係る決済システム100は、アンテナを内包するゲート611、ゲート621、及びゲート631を備える。
図6には、内包されるアンテナによって形成される、電界612、電界622、及び電界632が示されている。
【0074】
商品を保持した顧客は、例えば、ゲート611、ゲート621、及びゲート631の順で、連続して通過する。ゲート611、ゲート621、及びゲート631のそれぞれのアンテナは、放射特性が異なる。例えば、ゲート611では、ゲート611の中央部で電界強度が強く、ゲート621では、ゲート621の全体に電界強度が均一であり、ゲート631では、ゲート631の上部側寄りの領域と下部側寄りの領域の電界強度が強い。
【0075】
このように放射特性が異なる複数のゲートを通過することで、一つのアンテナでは読み取れなかったRFIDタグがもれなく読み取れる。また、最後のゲートの後に、顧客が自身で購入した商品を確認できるように、例えば、ゲート631の近くにタブレット端末を配置し、その画面上に、読み取られた商品をリスト表示することで、顧客が商品情報及び決済情報等を修正できるようにしてもよい。
【0076】
図7は本願発明の実施の形態2に係る決済システムの動作を説明するためのフローチャートである。
図7には、RFIDタグの作成からイベントの終了までの処理内容が示される。
【0077】
RFIDタグがタグメーカーで製造され(ステップS701)、製造されたRFIDタグに商品識別情報、及び、イベントの情報が記憶される(ステップS702)。さらに、RFIDタグの表面に商品識別情報、及び、イベントの情報を記載した光学的コードシンボル(QRコード(登録商標)やバーコード)が印字される、このRFIDタグが商品ごとに貼付される(ステップS703)。この際、抜き打ちでRFIDタグをリーダで読み取り、商品とタグの対応が間違っていないか確認するとよい。さらに、画像で確認できるようにすると効率が良い。
【0078】
次に、RFIDタグが貼付けられた商品は、イベント会場に送付され、所定の位置に展示される。そして、イベントに参加する顧客は、展示される商品の中から、購入を希望する商品を手に取る。そして、購入する商品を持って、或いは、籠に入れてレジ110へ向かう。レジ110では、商品識別情報、及び、イベントの情報を記憶したRFIDタグの情報をリーダで読み取る(ステップS704)、なんらかの事情でRFIDタグの読み込みに失敗した場合にバックアップとして準備された光学的読み取り部で、商品識別情報、及び、イベントの情報を記載した光学的コードシンボルを読み取る、すなわちバックアップスキャンを行う(ステップS705)。
【0079】
バックアップスキャンによって、顧客が選択した商品と、システムで認識した商品が一致していることを確認したうえで、読み取り手段(アンテナと携帯端末)が読み取って得た商品識別情報、及び、イベントの情報により決済する(ステップS706)。そして、顧客は購入した商品を所持したまま会場を後にする。この際、出口のゲートを通過することでポストスキャンが行われる(ステップS707)。この出口のゲートの通過の際に未会計の商品の通過を検知すると、決済システム100は警報を発する(ステップS708)。
【0080】
各レジのコントローラは、ネットワークで接続され、催事場担当のセンターでは商品の在庫状況を監視し、所定数よりも在庫数が少なくなった場合は、商品補充の手配をする。また、所定の数量以上売れた場合や、タイムセールスなどの特殊な事情が生じた場合は、RFIDタグの商品識別情報に対応した商品の決済の際に値引き等を行う。
【0081】
以上に説明したように、本実施の形態に係る決済システム100によれば、商品に添付されたRFIDタグに記録される識別情報を読み取る第1アンテナと、表示器と、決済手段とを有する決済システムであって、さらに、RFID読み取り機能または光学的なコード読み取り機能を有する携帯端末を含むシステムにより、RFIDの読み取り漏れがあった場合でも、読み取り漏れした商品情報を容易にシステムに認識可能とすることができる。
【0082】
本発明に係る第1の態様は、識別情報を読み取る第1アンテナと、前記第1アンテナで読み取れなかった商品情報を読み取るための携帯端末と、を備える決済システムを提供する。第1の態様では、読み取れない商品があってもRFIDリーダまたは/および光学的リーダを含む携帯端末によって商品の識別情報を読み出すことによって、読み取れなかった商品情報を容易にシステムに認識させることができる。そして、RFID読み取り漏れを防ぐための構成を、商品に添付されたRFIDタグを読むための第1アンテナに組み込む必要がないので、システムの大型化を防止できる。これにより、持ち運び可能な小型のRFIDタグ利用の決済システムを実現可能となり、催事場での利用など汎用性を向上できる。
【0083】
このように、本実施形態に係る決済システム100は、RFIDを用いた決済システムにおける商品のRFIDタグの読み取れ漏れをバックアップ読取用の携帯端末104によってシステムに認識させることで、最小の部品点数で、システムの可搬性を損なわずに、読み取り漏れを解消することが可能となる。
【0084】
本発明に係る第2の態様は、前記携帯端末が、識別情報を読み取り、又は光学的なコードを読み取る。第2の態様では、識別情報やコード情報を人が視覚を通じて探す工程を削減でき、会計時の作業効率を向上させることができる。
【0085】
本発明に係る第3の態様は、プレスキャン及びポストスキャンの少なくとも一方を行う第2アンテナを提供する。第3の態様では、プレスキャン及びポストスキャンの少なくとも一方を行うことができるため、第1アンテナによる読み取り漏れがサポートされ、決済作業の効率がより一層向上する。
【0086】
本発明に係る第4の態様は、前記第1アンテナ及び前記第2アンテナのそれぞれの放射特性が異なる。
【0087】
第4の態様では、放射特性が異なる複数のアンテナを組み合わせることにより、一つのアンテナでは読み取れなかった情報がもれなく読み取れ、決済作業の効率がより一層向上する。本発明に係る第5の態様は、読み取った前記識別情報に対応する商品名、及び商品画像を表示する表示器を備える。
【0088】
第5の態様では、表示器に表示される商品名、及び商品画像によりレジ係り又は利用者の確認が容易となり、商品の誤検出を避けることができる。本発明に係る第6の態様は、前記第1アンテナは、商品の識別情報を周期的に取得し、前記識別情報をメモリに記憶し、少なくとも前記メモリに対するリフレッシュ動作が行われるまで前記識別情報を保持する。
【0089】
本発明に係る第7の態様は、前記識別情報を取得する際、前記第1アンテナの放射特性が切り替えられる。第7の態様では、商品識別情報が第1アンテナで読み取り難い状態になっている場合でも、商品識別情報を読み取り性能が向上する。
【0090】
本発明に係る第8の態様は、読み取った前記識別情報に対応する商品名、及び商品画像を表示する表示器を備え、前記表示器は、管理者用の第1表示器と、顧客用の第2表示器とを含み、前記第1アンテナで読み取られた商品情報は、前記第1表示器及び前記第2表示器に表示され、読み取られた商品に関するエラー情報、警備情報の少なくとも1つは、前記第1表示器のみに表示される。
【0091】
第8の態様では、商品情報が管理者と顧客で共に認識されつつ、不正がある場合には顧客に気づかれない態で管理者が把握できるため、万引きや会計漏れを防止できる。
【0092】
本発明に係る第9の態様は、RFIDタグ又は前記RFIDタグに印字された光学的コードシンボルに設定された、商品識別情報及びイベントの情報をリーダで読み取るステップと、前記リーダで読み込みができないときのバックアップとして準備された光学的読み取り手段を用いて読み取られた前記商品識別情報及び前記イベントの情報を用いて決済するステップと、を決済システムに実行させる決済方法である。
【0093】
第9の態様では、読み込みに失敗した場合でも光学的読み取り手段でバックアップスキャンが可能なため、商品の検出精度が向上する。
【0094】
以上の実施の形態に示した構成は、本開示の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明の搬送可能で信頼性の高いRFIDを利用した決済システムによって、催事場等の一時的な販売等の決済用途に適用できる。
【符号の説明】
【0096】
11 :レジ
100 :決済システム
101 :アンテナ(第1アンテナ)
102 :コントローラ
103 :レジスタ(決済手段)
104 :携帯端末
105 :電子マネーリーダ(決済手段)
107 :表示器
107a :表示器
107b :表示器
【手続補正書】
【提出日】2024-10-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に添付されたRFIDタグに記録される識別情報を読み取る第1アンテナと、読み取られた前記識別情報に関連した情報を表示する表示器と、決済手段とを有する決済システムであって、
さらに、前記RFIDタグに記録された前記識別情報を読み出すためのRFIDリーダ機能または光学的なコード読み取り機能を有する携帯端末と、
前記第1アンテナによる前記RFIDタグを読み取り可能な領域よりも前記商品の搬送方向の上流側に設置され、前記RFIDタグのプレスキャンを行う第2アンテナと、
を含み、
前記表示器は、前記第2アンテナのプレスキャンにより取得された前記識別情報に関連した情報と、前記第1アンテナにより読み取られた前記識別情報に関連した情報と、を表示する、
決済システム。
【請求項2】
ポストスキャンを行うポストスキャン用アンテナを備える請求項1に記載の決済システム。
【請求項3】
前記第1アンテナ、前記第2アンテナ、及び前記ポストスキャン用アンテナのそれぞれの放射特性が異なる請求項2に記載の決済システム。
【請求項4】
読み取った前記識別情報に対応する商品名、及び商品画像を表示する表示器を備える請求項1から3の何れか一項に記載の決済システム。
【請求項5】
前記第1アンテナは、商品の識別情報を周期的に取得し、前記識別情報をメモリに記憶し、少なくとも前記メモリに対するリフレッシュ動作が行われるまで前記識別情報を保持する請求項1から4の何れか一項に記載の決済システム。
【請求項6】
前記識別情報を取得する際、前記第1アンテナの放射特性が切り替えられる請求項5に記載の決済システム。
【請求項7】
読み取った前記識別情報に対応する商品名、及び商品画像を表示する表示器を備え、
前記表示器は、管理者用の第1表示器と、顧客用の第2表示器とを含み、
前記第1アンテナで読み取られた商品情報は、前記第1表示器及び前記第2表示器に表示され、
読み取られた商品に関するエラー情報、警備情報の少なくとも1つは、前記第1表示器のみに表示される請求項1から6の何れか一項に記載の決済システム。
【請求項8】
前記第1アンテナ上にスペーサが配置されている請求項1から7の何れか一項に記載の決済システム。
【請求項9】
決済を行う場所よりも商品の搬送方向の上流側に設置されるプレスキャン用アンテナによって、前記商品に貼付されたRFIDタグのプレスキャンを行うステップと、
前記商品に添付された前記RFIDタグに設定された、商品識別情報をリーダで読み取るステップと、
前記プレスキャン用アンテナのプレスキャンにより取得された前記商品識別情報に関連した情報と、前記リーダにより読み取られた前記商品識別情報に関連した情報と、を表示器に表示するステップと、
前記表示器に表示される前記情報に基づき、前記リーダで読み込みができないときのバックアップ用の読み取り手段として準備された光学的読み取り手段または追加のRFIDリーダを用いて前記リーダで読み取られていなかった決済しようとする商品のRFIDタグまたはコード情報を読み取るステップと、読み取られた前記商品識別情報を用いて決済するステップと、
を決済システムに実行させる決済方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
(1)商品に添付されたRFIDタグに記録される識別情報を読み取る第1アンテナと、読み取られた前記識別情報に関連した情報を表示する表示器と、決済手段とを有する決済システムであって、さらに、前記RFIDタグに記録された前記識別情報を読み出すためのRFIDリーダ機能または光学的なコード読み取り機能を有する携帯端末と、前記第1アンテナによる前記RFIDタグを読み取り可能な領域よりも前記商品の搬送方向の上流側に設置され、前記RFIDタグのプレスキャンを行う第2アンテナと、を含み、前記表示器は、前記第2アンテナのプレスキャンにより取得された前記識別情報に関連した情報と、前記第1アンテナにより読み取られた前記識別情報に関連した情報と、を表示する、決済システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
(2)ポストスキャンを行うポストスキャン用アンテナを備える決済システム。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
(3)前記第1アンテナ、前記第2アンテナ、及び前記ポストスキャン用アンテナのそれぞれの放射特性が異なる決済システム。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
(9)決済を行う場所よりも商品の搬送方向の上流側に設置されるプレスキャン用アンテナによって、前記商品に貼付されたRFIDタグのプレスキャンを行うステップと、前記商品に添付された前記RFIDタグに設定された、商品識別情報をリーダで読み取るステップと、前記プレスキャン用アンテナのプレスキャンにより取得された前記識別情報に関連した情報と、前記リーダにより読み取られた前記識別情報に関連した情報と、を表示器に表示するステップと、前記表示器に表示される前記情報に基づき、前記リーダで読み込みができないときのバックアップ用の読み取り手段として準備された光学的読み取り手段または追加のRFIDリーダを用いて前記リーダで読み取られていなかった決済しようとする商品のRFIDタグまたはコード情報を読み取るステップと、読み取られた前記商品識別情報を用いて決済するステップと、を決済システムに実行させる決済方法。