(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013849
(43)【公開日】2025-01-28
(54)【発明の名称】結腸癌に対する抗潰瘍性及び化学的防御効果を有する経口懸濁液及びその調製方法
(51)【国際特許分類】
A61K 35/644 20150101AFI20250121BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20250121BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20250121BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20250121BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20250121BHJP
A61K 31/717 20060101ALI20250121BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250121BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20250121BHJP
A23L 33/24 20160101ALI20250121BHJP
【FI】
A61K35/644
A61K47/38
A61K9/10
A61P1/04
A61P35/00
A61K31/717
A61P43/00 121
A23L33/10
A23L33/24
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024180594
(22)【出願日】2024-10-16
(62)【分割の表示】P 2022547267の分割
【原出願日】2020-12-14
(31)【優先権主張番号】2020-0007
(32)【優先日】2020-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CU
(71)【出願人】
【識別番号】505196864
【氏名又は名称】セントロ ナシオナル デ インヴェスティガシオンズ シエンチフイカス
(71)【出願人】
【識別番号】522308129
【氏名又は名称】エムプレッサ ラボラトリオ ファーマシューチコ リクイドス オラレス メディリップ
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 彩夏
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス カナヴァシオロ,ビクトル ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセント ムリルロ,ロクサナ
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス ザモラ,レイネリオ
(72)【発明者】
【氏名】ベニテッツ グエルラ,ニウルカ
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス レイエス,エデュアルド アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】モリナ キュエバス,ビビアン
(72)【発明者】
【氏名】メンドーサ カスターノ,サラヒ
(72)【発明者】
【氏名】オヤルザバル イエラ,アムバー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】胃潰瘍及び結腸癌の予防及び治療のための経口水性懸濁液からなる新規医薬組成物若しくは栄養補助食品、ならびにそれを調製するための手順を提供する。
【解決手段】新規医薬組成物若しくは栄養補助食品は、ミツバチワックスからの脂肪アルコールの精製抽出物、微結晶性セルロース、及び製薬業界によって受け入れられている賦形剤を含有することを特徴とする。この懸濁液を調製する方法は、脂肪アルコール抽出物(脂肪アルコールの精製抽出物ともいう)を、乳化剤の存在下、>1000rpmで<1. 5マイクロメートルに粒径を減少させるプロセスに供することを特徴とし;前記活性成分と微結晶性セルロースとの、それらが製剤化される割合及び濃度での混合物はこれらの成分を相乗的に作用させ、この組成物に強力な抗潰瘍及び化学的防御効果を付与する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミツバチ(Apis mellifera bee)精製ワックスからの脂肪アルコールの精製抽出物(以下、脂肪アルコール抽出物ともいうであって、先行技術CU22412A1に記載されている高級第一級脂肪族アルコールの天然混合物であり、脂肪アルコールに加えて、少量の成分として脂肪酸のジオール、パラフィン及びカリウム塩を含有する)及び微結晶セルロースを活性成分として含有する水性懸濁液であることを特徴とする、抗潰瘍及び結腸癌に対する化学的防御効果を有する経口懸濁液からなる医薬若しくは栄養補助食品であって、
成分が以下の比率:
1-2% 脂肪アルコール抽出物と、
1-2% 微結晶セルロースと、
2-4% 乳化剤と、
0.1-0.6% 保存剤と、
20-30% 保湿剤と、
1-6% 甘味剤と、
0.1-1% 懸濁化剤と、
0.01-0.05% 香味剤と
50~70% 精製水と、
であること、
前記脂肪アルコール抽出物の粒径が、1.5マイクロメートル未満であることを特徴とする、
医薬若しくは栄養補助食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口水性懸濁液からなる新規な医薬組成物、並びにその製造方法に関する。本懸濁液は、胃粘膜に対する抗潰瘍作用及び結腸癌に対する化学防御作用を有し、(Apis mellifera)ミツバチの精製ワックス(単に、ワックス若しくはミツバチワックスともいう)からの脂肪アルコールを含む精製抽出物(以下、脂肪アルコールの抽出物若しくは脂肪アルコール抽出物という)を活性成分として含有することを特徴とし、その粒径は、技術的手法により<1.5μmに縮小されている。
【0002】
精製されたワックスの抽出物は、脂肪アルコールに加えて、少量の成分として脂肪酸のジオール、パラフィン及びカリウム塩を含有する。
【0003】
この新規組成物は、又、脂肪アルコールの抽出物の粒径を減少させる工程において使用される1つ以上の乳化剤、ならびに保湿剤、甘味剤、懸濁化剤、保存剤、香味剤及び水を含む、製薬産業によって受け入れられている一連の賦形剤を含有しうる。
【背景技術】
【0004】
胃潰瘍は、粘膜層、時には胃の筋層まで広がる傷害であり、その周囲に急性及び慢性の炎症を伴う空洞を形成し、これは、その主要な合併症の1つ、消化管出血の主な原因である (Valley 2002, Sadic 2009)。
【0005】
他の合併症としては、穿孔、穿通、及び閉塞が挙げられ、これらは全て、患者の生活の質の著しい障害をもたらす(Sung 2010)。
【0006】
潰瘍は、攻撃的因子(酸分泌、ペプシン、ヘリコバクター・ピロリ、非ステロイド性抗炎症薬)と防御因子(粘液及び重炭酸塩分泌、血液微小循環、プロスタグランジン、成長因子)との間の不均衡、すなわちヘリコバクター・ピロリ感染と、非ステロイド性抗炎症薬の継続的使用が主な原因である(Ramakrishnan 2007)。
【0007】
H. pylori除菌療法の現在の進歩にもかかわらず、消化性潰瘍合併症による死亡率は安定したままである。
【0008】
臨床診療において、胃潰瘍の治療のために最も一般的に使用される薬物はプロトンポンプ阻害剤及びH2受容体アンタゴニストであるが、これらは悪心、便秘、女性化乳房及びインポテンス等の様々な有害作用を有する(Forgerini 2018)。
【0009】
これらの影響は、それらの使用を制限し、抗潰瘍剤として有効であり、より高い安全性プロファイルを有する新規医薬組成物の探索及び使用を正当化する。
【0010】
抗潰瘍物質の可能性を研究するために最も広く使用されている薬理学的モデルは、評価される物質が、その抗潰瘍効果を発揮する可能性のある異なる機構をカバーする方法として、アルカリ性物質、エタノールによる、又は幽門結紮による、潰瘍の誘発である。
【0011】
一方、癌は現在の主要な死因の1つであり、世界中で毎年800万人を超える死亡を伴っており、結腸癌は、増加傾向にある、世界中の、特に、より少ない財源の国々において、5つの主要な死因の1つである(Torre 2015、Chatenoud 2014)。
【0012】
この疾患の高い発生率、ならびにその治療方法は、一般的に外科的であり、続いて化学療法であるという事実を考慮すると、消化管における潰瘍性プロセス(潰瘍性大腸炎、クローン病及びその他)等、この種の癌を有するか又はその危険因子を有する患者の予防及び治療に使用することができる化学的防御医薬組成物の探索及び使用が正当化される。
【0013】
この疾患に対する潜在的な化学的防御物質の研究のために最も広く使用されている薬理学的モデルは、癌誘導剤の使用に基づくものである。
【0014】
後者の中で、最も有効で使用されるもの1つは、1,2-ジメチルヒドラジンである。この発癌物質の代謝は、誘導の数時間以内に結腸細胞に対して細胞毒性物質を生成し始める(Corpet 2003, Reddy 2004)。
【0015】
胃潰瘍及び結腸癌は、生活の質に影響を及ぼし、それを患う人々の死亡を引き起こす可能性があり、世界的に重要な健康問題を構成すること、ならびに既存の従来の療法が、その臨床的使用を制限する様々な有害作用に関連し、及びこれらの疾患の発生を治癒又は予防することを、必ずしも意図しないという事実から、両方の医学的状態のための有効な治療剤を探索することが必要である。
【0016】
新しい安全で効果的な抗潰瘍及び抗癌治療戦略の必要性は、今日的問題である。
本発明の組成物の調製において使用される精製ワックスの精製抽出物、ならびにその製造方法は以前に特許を受けており、前記抽出物は抗炎症活性を有する胃潰瘍及び十二指腸潰瘍の治療のための高級第一級脂肪族アルコールの天然混合物として権利化されており、その最も適切な投与形態は錠剤、丸剤又はカプセル剤(CU 22412 A1:参考ファミリー US6235795B1 及び US6465526B1)の形態、すなわち、完成した固体形態であった。
【0017】
上記に従い、脂肪アルコールの50mgの用量に標準化されたこの活性成分を有する錠剤は、機能性食品又は代替医薬品としてキューバ及び他の国で栄養補助食品として登録された。
【0018】
しかしながら、この製剤は、以下のようないくつかの欠点を有する;
大量の賦形剤及び高い製造コストをもたらす大きなサイズ(655mg);その賦形剤の2つ(クロスカルメロースナトリウム及びポリビニルピロリドン)の使用の異なる国における拒絶反応の増加;及びそれが含有する脂肪アルコールの非常に低いバイオアベイラビリティ(<10%)。
【0019】
前記錠剤の抗潰瘍剤としての薬理学的効力は、本発明の懸濁液によって達成される効力よりもはるかに低いことに留意すべきである。
【0020】
本発明の脂肪アルコールの抽出物が特定の乳化剤の存在下で、攪拌による温度変化によって剪断又は沈殿の技術的プロセスに供され、その粒径を減少させ、その後、微結晶性セルロースと、ある割合及び特定の濃度で混合された水性懸濁液中に製剤化される場合、その薬理学的有効性は相乗的に増強され、これは、従来技術からは、予測できないものであった。
【0021】
本発明の水性懸濁液の目的は、錠剤形態の脂肪アルコールの抽出物及び微結晶性セルロースの両方の抗潰瘍効果を著しく上回り、これらの2つの物質のいずれについても以前に報告されていなかった結腸癌に対する強力な化学的防御効果を有していることであり、これは実施例において確認することができる。
【0022】
一方、微結晶性セルロース(αセルロース由来)は、主に、化粧品、洗剤のためのクリーム及び固体懸濁液の製造において、ならびに食品における安定剤として使用されている(Nsor-Atindana、2017年)。
【0023】
製薬業界では、圧縮及び充填剤として錠剤及びカプセル剤の調製に使用されるが、その胆汁酸封鎖能も報告されており(Paniagua 1999)、12%用量で抗潰瘍効果を有する懸濁液中の活性成分として使用されている(Barzaga 2004)。
【0024】
前記12%懸濁液について報告された薬理学的効果は、実施例3に見られるように、微結晶性セルロースのはるかに低い用量である(≦2%)本発明に係る懸濁液で達成されたものよりも、はるかに低いことに留意すべきである。
【0025】
これは微結晶性セルロースが、特定の割合及び濃度でワックス(ミツバチワックス)からの脂肪アルコールの精製抽出物と混合されるときに生じる相乗効果の結果であり、これはその抗潰瘍効果を増強し、組成物を、従来の製剤では見られなかった結腸癌に対して強力な化学的防御効果を獲得させるものであり、これは従来技術からは導くことはできなかった。
【0026】
製薬産業における精製ワックス(精製ミツバチワックス)及び微結晶セルロースの使用は、これまで、その製剤が活性成分の制御放出を可能にする固形薬剤の製剤(Kallai 2010; Reiner, 2018)、又は坐剤もしくは他の製剤における不活性充填-賦形剤(Lee, 2018)としての2つの使用〔精製ワックス(精製ミツバチワックス)及び微結晶セルロース〕に限定されてきた。
【0027】
2つの物質が、相乗的に作用し、強力な抗潰瘍及び化学的防御効果を組成物に提供するという、水性懸濁液中の、ワックス(精製ミツバチワックス) からの脂肪アルコールの抽出物及び微結晶性セルロースの併用については、本発明の前には報告されていない。
【0028】
錠剤(CU 22412 A1)の形態で2つの物質を使用する場合、実施例に見られるように、本発明に記載される水性懸濁液で観察される効果は、達成されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】CU22412A1公報 ファミリー US6235795B1 及び US6465526B1)
【非特許文献】
【0030】
【非特許文献1】Revista Cubana De Farmacia, 2004, Vol.38, No.2
【発明の概要】
【0031】
本発明の医薬組成物を得るための手順は、以下によって特徴づけられる:
A) 乳化剤として使用される物質、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油性若しくはポリソルベート(2~4%)と、ミツバチワックスから抽出された脂肪アルコールの抽出物(1~2%)とを混合すること;
B) 抽出物の粒径を<1. 5マイクロメートルに減少させるための技術的プロセスに供すること、これは>1000rpm及び>80℃で>1分間、粒子を剪断することができる均質化装置を用いて行う、又は前記調製された混合物を>1000rpm及び>80℃で>1分間処理後、同じ撹拌速度で温度を<60℃に下げることによって行う;
C) 攪拌しながら、以下をいれ込む:第2の活性成分として微結晶性セルロース(1~2%)、防腐剤としてのメチル及びプロピルパラベン(methyl and propyl parabens)(0.1~0.6%)、保湿剤としてグリセリン(20~30%)、甘味剤としてソルビトール又はサッカリンナトリウム(1~6%)), 懸濁化剤としてのカルボキシメチルセルロース(0.1~1%)、香味剤としての精油(0.01~0.05%)及び精製水(50~70%)。
【0032】
この方法の結果、得られるものは、活性成分(脂肪アルコールの抽出物及び微結晶性セルロース)が相乗的に作用し、強力な抗潰瘍及び化学的防御効果を与える、経口使用のための水性懸濁液であることを特徴とする新規医薬組成物である。
【0033】
この新規医薬組成物は、消化管に対するその保護的性質、及び結腸癌に対するその化学的保護効果を考慮して、潰瘍性プロセス及び他の関連状態を予防又は治療することを可能にする。
【0034】
前記活性成分が、この医薬組成物中に存在する割合は、それが含有する活性成分の相乗作用の結果をもって所望の薬理学的効果をえることを保証する特定の濃度及び割合であり、最終組成物中の活性成分及び賦形剤の両方の含有量を特定化・標準化するために実施されるいくつかの検討の結果である。
【0035】
本発明の組成物の強力な薬理学的効果は、本発明の組成物中に個々に存在する用量よりも高い用量によって、両方の活性成分を、別々に投与する場合での、効果よりもはるかに高い。このことは、本願の実施態様において確認でき、先行知見から損なわれることのない、本発明の組成物の相乗効果の発生が実証された。
【0036】
この組成物の他の既存の組成物に対する利点は、その抗潰瘍効果が、50mgのワックス(ミツバチワックス)脂肪アルコールを含む現在(医療で使用される)登録されている錠剤のそれよりも優れており、又、その効果が、以前に報告された12%微結晶性セルロース懸濁液のそれよりも優れていることであり、言い換えれば、本組成物は、活性成分のより低い用量でさえも、両方の以前の製剤のそれよりもはるかに高い抗潰瘍効果を有する。
【0037】
一方、本組成物は、実施例6に見られるように、大腸癌に対して効果的な化学的防御効果を有し、両方の活性成分を別々に類似の懸濁液中で調製したものよりも有意にその効果が高いことが示された。
【0038】
この効果は、ミツバチワックスの精製抽出物又は微結晶性セルロースについて、以前には観察されておらず、これは本発明の懸濁液による、対象における両方の物質(活性成分)の相乗作用の結果である。
さらに、この懸濁液の工業的製造は、50mgの脂肪アルコールを含む錠剤の製造よりも安価であり、現在の製薬産業での使用に制限のある賦形剤を含有しない。
【0039】
本発明は、工業的用途を有し、組成物は、新規であり、懸濁液自体及びその製造方法の両方が、進歩性を有すると思料される。というのも、2つの異なる抗潰瘍活性成分の混合物が、特定の割合及び濃度で、そのどちらも発癌過程での化学的保護効果について開示されていないという先行技術の状態において、胃潰瘍に対する薬理学的利益及び結腸癌に対する化学的保護効果における相乗効果を示したことは、当技術分野の現状からは到底想定できないのであるから、進歩性があると思料される。
【0040】
本発明は得られた組成物が、消化管に対するその有益な予防効果のために栄養補助食品として使用することができ、又、潰瘍及び癌の治療のための医薬としても使用することができることから、食品及び製薬産業に寄与する。
【実施例0041】
50 L容量(R1)の補助ステンレス鋼容器中に、12 Lの精製水を添加し、1kgの微結晶性セルロースを、少しずつ、間隔をおいて、撹拌しながら投入した。均質なペーストが得られるまで、それを60rpmで30分間撹拌した。5kgの70%ソルビトール及び24kgのグリセリンを撹拌しながら添加し、撹拌を10分間続けて混合物1(M1)を得た。
一方、300 L容量のステンレス製反応器では、60 Lの水を90℃に加熱し、補助容器(R2)に10Lを分離し、1200rpmで攪拌しながら3kgのポリソルベート80を混入し、1200rpmで5分間攪拌した。1.2kgの脂肪族アルコールの精製抽出物(脂肪アルコールの抽出物ともいう)を少しずつ、間隔をもって加え、攪拌を10分間維持して混合物2(M2)を得た後、攪拌を維持しながら30±2℃に下げた。
別の容器において、0.18kgのメチルパラベン及び0.02kgのプロピルパラベンを、60rpmで撹拌しながら1.5リットルのエタノールに溶解した。0.2kgのカルボキシメチルセルロースナトリウムA/Vを湿らせ(were moistened)、0.03kgの香味剤を加え、5分間撹拌して混合物3(M3)を得た。
別の5L補助容器中で、1kgのグリセリンを0.5Lのエタノールと混合し、60rpmで5分間撹拌して混合物4(M4)を得た。
混合物M2が得られた反応器中に、M1が投入され、R2で分離された水の最小量で残渣をドラッグ(drag:掻き出す、ともいう)し、60rpmで10分間撹拌した。この時間の後、M3を投入し、残渣をM4でドラッグした。その後、懸濁液の残りを、R2中にある温水でドラッグし、10分間撹拌した。次いで、撹拌を停止し、混合物を10時間静置した。この時間の後、残りのアルコールを懸濁液の表面に振りかけ(was sprinkled)、水でマークに合わせて100リットルの懸濁液を完成させた。これを1200rpmで5分間撹拌し、懸濁液を濾過し、品質管理のために試料を採取した。最終調製物を、プラスチックスクリューキャップで覆われたアンバーガラス瓶に詰め、瓶を室温で保管した。
50 L容量(R1)の補助ステンレス鋼容器において、12 Lの精製水を添加し、1kgの微結晶性セルロースを、間隔をおいて、40rpmで撹拌しながら、少しずつ投入した。均質なペーストが得られるまで、それを30分間撹拌した。攪拌しながら70%ソルビトール5kg及びグリセリン24kgを加え、40rpmで10分間攪拌して混合物1(M1)を得た。
一方、ポリトロン型ホモジナイザーシステムを備えた300 L容量のステンレス鋼製反応器では、60 Lの水を90℃に加熱し、10Lを補助容器(R2)に分離し、攪拌しながら投入した。9000rpmで、3kgのクレモファーRH 40を5分間撹拌した。1.2kgの脂肪アルコールの精製抽出物を少しずつ、間隔をもって加え、攪拌を10分間維持して混合物2(M2)を得た後、攪拌を維持しながら30±2 ℃に下げた。
別の容器において、0.18kgのメチルパラベン及び0.02kgのプロピルパラベンを、40rpmで撹拌しながら1.5リットルのエタノールに溶解した。0.3kgのカルボキシメチルセルロースナトリウムA/Vを湿らせ(were moistened)、0.03kgの香味剤を加え、5分間撹拌して混合物3(M3)を得た。別の5L補助容器中で、1kgのグリセリンを0.5Lのエタノールと混合し、5分間撹拌して混合物4(M4)を得た。
混合物M2が得られた反応器中に、M1が投入され、R2で分離された水の最小量で残渣をドラッグし、40rpmで10分間撹拌した。この時間の後、M3を組み込み、残渣をM4でドラッグした。続いて、懸濁液の残りを、R2中にある温水でドラッグし、1000rpmで10分間撹拌した。次いで、撹拌を停止し、混合物を12時間静置した。この時間の後、残りのアルコールを懸濁液の表面に振りかけ(was sprinkled)、水でマークに合わせて100リットルの懸濁液を完成させた。これを1000rpmで5分間撹拌し、懸濁液を濾過し、品質管理のために試料を採取した。最終調製物を、プラスチックスクリューキャップで覆われたアンバーガラス瓶に詰め、瓶を室温で保管した。