(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025138567
(43)【公開日】2025-09-25
(54)【発明の名称】分散保存システム、分散保存方法及び分散保存プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/182 20190101AFI20250917BHJP
G06F 16/27 20190101ALI20250917BHJP
H04L 67/104 20220101ALI20250917BHJP
H04L 67/1097 20220101ALI20250917BHJP
【FI】
G06F16/182
G06F16/27
H04L67/104
H04L67/1097
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024227994
(22)【出願日】2024-12-24
(31)【優先権主張番号】P 2024037476
(32)【優先日】2024-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】523220905
【氏名又は名称】Casley Deep Innovations株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】砂川 和雅
(72)【発明者】
【氏名】西形 淳
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175AA01
(57)【要約】
【課題】
分散保存されるデータの保存先を提示する新たな技術を提供すること。
【解決手段】
分散保存システム0は、属性が紐づく複数のピア1、受付部、判定部、提示部、登録部、を備える。受付部は、ユーザ端末を介して、保存するデータ、データの保存を希望する保存先の属性、を受け付ける。判定部は、ピアの属性、受け付けた属性、に基づいて、複数のピアから保存先を判定する。提示部は、判定の結果に基づいて、保存先の候補となるピアを提示する。登録部は、ユーザ端末を介して、提示されたピアの選択を受け付け、選択されたピアにデータを格納する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
P2P通信によってデータを分散保存する分散保存システムであって、
前記分散保存システムは、複数のピア、受付部、判定部、提示部、登録部、を備え、
前記ピアには、当該ピアを所持するユーザの属性と当該ピアに関する属性を含むアカウント属性が紐づき、
前記受付部は、ユーザ端末を介して、保存するデータと、データの保存を希望するユーザがデータの保存を希望する保存先の保存希望アカウント属性と、を受け付け、
前記判定部は、前記保存希望アカウント属性と、前記ピアに紐づくアカウント属性と、を比較し、前記複数のピアから保存先の候補を判定し、
前記提示部は、前記判定の結果に基づいて、保存先の候補となるピアを提示し、
前記登録部は、前記ユーザ端末を介して、前記提示されたピアの選択を受け付け、当該選択されたピアに前記データを格納する、
分散保存システム。
【請求項2】
前記判定部は、前記アカウント属性と、前記保存希望アカウント属性と、前記データの保存を希望するユーザのユーザ端末に関する情報から特定するメタ属性と、を比較し、前記複数のピアから保存先を判定する、
請求項1に記載の分散保存システム。
【請求項3】
複数の属性を含む属性項目には、重みが紐づき、
前記判定部は、前記アカウント属性と、前記保存希望アカウント属性と、前記メタ属性と、前記属性項目に紐づく重みと、に基づいて、前記複数のピアから保存先を判定する、
請求項2に記載の分散保存システム。
【請求項4】
前記分散保存システムは、設定部、を備え、
前記設定部は、前記重みを数値として受け付け、当該数値を前記属性項目に紐づける、
請求項3に記載の分散保存システム。
【請求項5】
前記分散保存システムは、複数のピアで構成される複数のノード、を備え、
前記判定部は、前記ノードに紐づくアカウント属性と、前記保存希望アカウント属性と、に基づいて、前記複数のノードから保存先を判定し、
前記提示部は、前記判定の結果に基づいて、保存先の候補となるノードを提示し、
前記登録部は、前記ユーザ端末を介して、前記提示されたノードの選択を受け付け、当該選択されたノードに前記データを格納する、
請求項1~4の何れかに記載の分散保存システム。
【請求項6】
前記判定部は、前記ピアに紐づくアカウント属性に基づいて、前記選択されたノード中から保存先のピアを判定し、
前記登録部は、前記判定の結果に基づいて、前記ピアに前記データを格納する、
請求項5に記載の分散保存システム。
【請求項7】
前記判定部は、前記メタ属性に基づいて、前記データの保存を希望するユーザの信頼性を判定する、
請求項2~4の何れかに記載の分散保存システム。
【請求項8】
P2P通信によってデータを分散保存する分散保存システムが実行する分散保存方法であって、
前記分散保存システムは、複数のピア、受付部、判定部、提示部、登録部、を備え、
前記ピアには、当該ピアを所持するユーザの属性と当該ピアに関する属性を含むアカウント属性が紐づき、
前記受付部が、ユーザ端末を介して、保存するデータと、データの保存を希望するユーザがデータの保存を希望する保存先の保存希望アカウント属性と、を受け付けるステップと、
前記判定部が、前記保存希望アカウント属性と、前記ピアに紐づくアカウント属性と、を比較し、前記複数のピアから保存先の候補を判定するステップと、
前記提示部が、前記判定の結果に基づいて、保存先の候補となるピアを提示するステップと、
前記登録部が、前記ユーザ端末を介して、前記提示されたピアの選択を受け付け、当該選択されたピアに前記データを格納するステップと、を含む、
分散保存方法。
【請求項9】
P2P通信によってデータを分散保存する分散保存プログラムであって、
コンピュータを、複数のピア、受付部、判定部、提示部、登録部、として機能させ、
前記ピアには、当該ピアを所持するユーザの属性と当該ピアに関する属性を含むアカウント属性が紐づき、
前記受付部は、ユーザ端末を介して、保存するデータと、データの保存を希望するユーザがデータの保存を希望する保存先の保存希望アカウント属性と、を受け付け、
前記判定部は、前記保存希望アカウント属性と、前記ピアに紐づくアカウント属性と、を比較し、前記複数のピアから保存先の候補を判定し、
前記提示部は、前記判定の結果に基づいて、保存先の候補となるピアを提示し、
前記登録部は、前記ユーザ端末を介して、前記提示されたピアの選択を受け付け、当該選択されたピアに前記データを格納する、
分散保存プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散保存システム、分散保存方法及び分散保存プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分散した複数の情報処理装置を用いてデータを保存する技術が存在する。
【0003】
例えば、特許文献1には、将来の処理をより高速化するために、データの保存先として最適な格納場所を決定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
分散した複数の情報処理装置を用いてデータが保存される場合、保存先が非自由主義国家に所在する装置である可能性や、保存先が反社会勢力に所有される装置である可能性がある。よって、ユーザ自らが保存先を選択したいというニーズが存在する。例えば、自由主義国家に属する政府機関は、非自由主義国家に所在する装置への保存を好まない。また、コンプライアンスが厳しい企業は、反社会勢力が所有する装置への保存を好まない。しかしながら特許文献1の技術では、処理を高速化するための最適な保存先にデータを格納することができる一方、ユーザが希望する保存先を提示することはできない。
【0006】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、分散保存されるデータの保存先を提示する新たな技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、P2P通信によってデータを分散保存する分散保存システムであって、
前記分散保存システムは、属性が紐づく複数のピア、受付部、判定部、提示部、登録部、を備え、
前記受付部は、ユーザ端末を介して、保存するデータ、データの保存を希望する保存先の属性、を受け付け、
前記判定部は、前記ピアの属性、前記受け付けた属性、に基づいて、前記複数のピアから保存先を判定し、
前記提示部は、前記判定の結果に基づいて、保存先の候補となるピアを提示し、
前記登録部は、前記ユーザ端末を介して、前記提示されたピアの選択を受け付け、当該選択されたピアに前記データを格納する。
【0008】
また、本発明は、P2P通信によってデータを分散保存する分散保存システムが実行する分散保存方法であって、
前記分散保存システムは、属性が紐づく複数のピア、受付部、判定部、提示部、登録部、を備え、
前記受付部が、ユーザ端末を介して、保存するデータ、データの保存を希望する保存先の属性、を受け付けるステップと、
前記判定部が、前記ピアの属性、前記受け付けた属性、に基づいて、前記複数のピアから保存先を判定するステップと、
前記提示部が、前記判定の結果に基づいて、保存先の候補となるピアを提示するステップと、
前記登録部が、前記ユーザ端末を介して、前記提示されたピアの選択を受け付け、当該選択されたピアに前記データを格納するステップと、を含む。
【0009】
また、本発明は、P2P通信によってデータを分散保存する分散保存プログラムであって、
コンピュータを、属性が紐づく複数のピア、受付部、判定部、提示部、登録部、として機能させ、
前記受付部は、ユーザ端末を介して、保存するデータ、データの保存を希望する保存先の属性、を受け付け、
前記判定部は、前記ピアの属性、前記受け付けた属性、に基づいて、前記複数のピアから保存先を判定し、
前記提示部は、前記判定の結果に基づいて、保存先の候補となるピアを提示し、
前記登録部は、前記ユーザ端末を介して、前記提示されたピアの選択を受け付け、当該選択されたピアに前記データを格納する。
【0010】
このような構成にすることで、ユーザが希望する保存先を提示することが可能となり、ユーザの嗜好に合う保存先へデータを格納することができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記判定部は、前記ピアの属性、前記受け付けた属性、前記ユーザ端末に関するユーザ端末属性、に基づいて、前記複数のピアから保存先を判定する。
【0012】
このような構成にすることで、ユーザ端末に関するユーザ端末属性を利用することが可能となり、より適切な保存先を提示することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、複数の属性を含む属性項目には、重みが紐づき、
前記判定部は、前記ピアの属性、前記受け付けた属性、前記ユーザ端末属性、前記属性項目に紐づく重み、に基づいて、前記複数のピアから保存先を判定する。
【0014】
このような構成にすることで、属性項目ごとに異なる重みを紐づけることが可能となり、属性項目ごとの重視度合いに応じたより適切な保存先を提示することができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記分散保存システムは、設定部、を備え、
前記設定部は、前記重みを数値として受け付け、当該数値を前記属性項目に紐づける。
【0016】
このような構成にすることで、社会情勢等に応じた重みを設定することが可能となり、社会情勢等に応じたより適切な保存先を提示することができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記分散保存システムは、複数のピアで構成される複数のノード、を備え、
前記判定部は、前記ノードの属性、前記受け付けた属性、に基づいて、前記複数のノードから保存先を判定し、
前記提示部は、前記判定の結果に基づいて、保存先の候補となるノードを提示し、
前記登録部は、前記ユーザ端末を介して、前記提示されたノードの選択を受け付け、当該選択されたノードに前記データを格納する。
【0018】
このような構成にすることで、共通の属性が紐づく複数のピアをノードとしてまとめて管理することが可能となり、保存先を提示するために必要な時間を減らすことができる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記判定部は、前記ピアの属性に基づいて、前記選択されたノード中から保存先のピアを判定し、
前記登録部は、前記判定の結果に基づいて、前記ピアに前記データを格納する。
【0020】
このような構成にすることで、選択されたノード中のより適切なピアにデータを格納することができる。
【0021】
本発明の好ましい形態では、前記判定部は、前記ピアの属性、前記受け付けた属性、前記ユーザ端末に関するユーザ端末属性、に基づいて、前記データの信頼性を判定する。
【0022】
このような構成にすることで、悪意のあるデータをピアに格納することを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、分散保存されるデータの保存先を提示する新たな技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本実施形態における分散保存システムの構成を示すブロック図。
【
図4】本実施形態における記憶部に格納されたデータ構成の一例。
【
図5】本実施形態における記憶部に格納されたデータ構成の一例。
【
図7】本実施形態における記憶部に格納されたデータ構成の一例。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を用いて、本発明の分散保存システムについて説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、本発明は多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0026】
例えば、本実施形態では分散保存システムの構成、動作等について説明するが、実行される方法(ステップ)、装置、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態におけるプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されても良いし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されても良いし、クライアント端末でその機能を実施するために外部のコンピュータにおいて当該プログラムを起動させても良い(いわゆるクラウドコンピューティング)。
【0027】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含み得る。本実施形態において「情報」とは、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。
【0028】
広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)及びメモリ(Memory)等を適宜組み合わせることによって実現される回路である。即ち、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等を含むものである。
【0029】
本実施形態において、データの保存先(ストレージ)は、デバイス(装置)、メディア(記憶媒体)を含む。ピアは、保存先である1つのデバイス又はメディアを指し、複数の属性が紐づく。第1ノードは、共通の属性を持つ(共通の属性でくくられる)複数のピアの集合を指す。第1ノードを構成するための(第1ノードとしてくくるために必要な)属性の数はいくつでも良いが、ピアに紐づく属性の数よりは少ない。第2ノードは、共通の属性を持つ複数の第1ノードの集合、又は、共通の属性を持つ複数のピアの集合を指す。第2ノードとしてくくるための属性の数はいくつでも良いが、第1ノードに紐づく属性の数よりは少ない。例えば、ピアに5種類の属性が紐づく場合、第1ノードを3種類の共通の属性を持つピアで構成し、第2ノードを1種類の共通の属性を持つピアで構成することが考えられる。より少ない数の属性でピアをくくっておくことによって、保存先をより短時間で判定することが可能となる。
【0030】
また、ピアにM(M=1、2、・・・)種類の属性が紐づく場合、第1ノードをM-1種類の共通の属性を持つピアで構成、第2ノードをM-2種類の共通の属性を持つピアで構成、・・・、第M―1ノードを1種類の属性を持つピアで構成しても良い。このように共通の属性の種類を1つずつ減らしたノードを構成することによって、ユーザが希望する保存先を効率的に判定することができる。ピアには複数の属性が紐づいているため、1つのピアが複数の第Mノード(M=1、2、・・・)を構成しても良い。さらに、本実施形態において、データは、ピアを経由せず直接ピアに保存されても良い。
【0031】
<システム概要>
図1は、本実施形態における分散保存システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、分散保存システム0は、複数のピア1(1a~1f)、複数の第1ノード2(2a~2f)、複数の第2ノード3(3a、3b)、を備える。複数のピア1は、ネットワークを介してP2P通信可能に構成される。
【0032】
ネットワークは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0033】
本実施形態において、ユーザ端末は複数存在する。本実施形態におけるユーザ端末は、ユーザがデータを保存する際に利用する端末と、データの保存先となる端末と、を含む。例えば、ユーザ端末U1~U100が存在し、あるユーザがユーザ端末U1を利用してデータを保存しようとする場合、データの保存先の候補はユーザ端末U2~U100となる。
【0034】
本実施形態では、ユーザ端末は、データを保存するための端末、及び、データの保存先の端末、の両方の役割として利用されても良い。また、ユーザ端末は、データを保存するための端末、又は、データの保存先の端末、の片方の役割として利用されても良い。
【0035】
ピア1(ユーザがデータを保存する際に利用する端末(ユーザ端末)、データの保存先の端末等)として、汎用のサーバ向けのコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン(スマホ)、タブレット端末、ウェアラブル端末、IoT(Internet of Things)機器等を利用することが可能である。また、後述の機能構成要素を複数のコンピュータに実現させ、分散保存システム0を構成することも可能である。
【0036】
第1ノード2は、共通の属性を持つ複数のピアで構成される。例えば、
図1に示すように、第1ノード2aは4つのピア1a、第1ノード2bは5つのピア1b、第1ノード2cは5つのピア1cで構成される。例えば、A国(自由主義国家)の国籍を持ちAA大学に所属する女性、A国(自由主義国家)の国籍を持ちAAA大学に所属する女性、B国(自由主義国家)の国籍を持ちBB大学に所属する男性、C国(自由主義国家)の国籍を持ちCC大学に所属する男性が所有するデバイスをそれぞれ1aとする場合、自由主義国家かつ大学という属性で第1ノード2aを構成することができる。
【0037】
また、ピア1は異なる複数の第1ノード2を構成していても良い。
図2のように、第1ノード2aを構成する2つのピア1aと第1ノード2bを構成する2つのピア1bが第1ノード2gを構成しても良い。例えば、A国かつ女性という属性で第1ノード2gを構成することが考えられる。
【0038】
第2ノード3は、共通の属性を持つ複数の第1ノード、又は、共通の属性を持つ複数のピアで構成される。例えば、
図1に示すように、第2ノード3aは、3つの第1ノード2a、2b、2cで構成される。例えば、自由主義国家の国籍を持ち大学に所属する者、自由主義国家の国籍を持ち高校に所属する者、自由主義国家の国籍を持ち研究所に所属する者が所有するデバイスで構成される第1ノードをそれぞれ2a、2b、2cとする場合、自由主義国家という属性で第2ノード3aを構成することができる。
【0039】
また、異なる第2ノード3を構成するピア1が第1ノード2を構成しても良い。例えば、
図2のように、第2ノード3aを構成する1つのピア1bと第2ノード3bを構成する1つのピア1eが第1ノード2jを構成しても良い。さらに、第1ノード2は異なる複数の第2ノード3を構成しても良い。例えば、第1ノード2c、2d、2fが第2ノード3cを構成しても良い。
【0040】
<ハードウェア構成>
図3は、ハードウェア構成図である。
図3に示すように、ユーザがデータを保存する際に利用する端末は、制御部91、記憶部92、通信部93、入力部94、及び出力部95を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。ピア1は、
図3のような端末も含む。
【0041】
制御部91は、命令セットを実行可能なCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを有し、本発明に係る分散保存プログラム、OS(Operating System)やその他のアプリケーションを実行することで、分散保存装置(ピア)の動作処理全体を制御する。
【0042】
記憶部92は、命令セットを記憶可能なRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリ、OS及び分散保存プログラム等を記録可能なHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記録媒体であって、更に、制御部91がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。
【0043】
通信部93は、ネットワークとの通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
【0044】
入力部94は、キーボードやタッチパネル等の入力処理が可能な入力デバイスであって、利用者/提供者による操作要求を制御部91に入力する。
【0045】
出力部95は、ディスプレイ等であって、制御部91の処理の結果等を表示する。
【0046】
<機能構成要素>
図3に示すように、ユーザがデータを保存する際に利用する端末は、取得部11、受付部12、判定部13、提示部14、登録部15、設定部16を備える。
【0047】
<データ構成>
図4は、本実施形態における記憶部に格納されたデータ構成の一例である。記憶部は、アカウント属性項目重み情報、アカウント属性数値情報、ファイル属性項目重み情報、ファイル属性数値情報、メタ属性項目重み情報、メタ属性数値情報、ピア情報、属性特徴情報等を格納する。
【0048】
保存先の候補となるピア(端末)には、アカウント属性が紐づく。アカウント属性は、保存先の候補となるピアを所持(所有)するユーザの属性及び/又は保存先の候補となるピアに関する属性(例えば、ストレージ性能、エネルギー効率等)である。保存先の候補となる端末を所持するユーザの属性は、ユーザがアカウント情報を登録する際に入力する情報(例えば、ユーザの国籍、居住国、性別、年齢、所属組織等)が考えられる。
【0049】
アカウント属性項目重み情報は、保存先の候補となるピア(端末)の信頼性や保存の容易性を含む値を算出するための情報であって、
図4(a)のように、アカウント属性項目に重みが紐づく情報である。ユーザがアカウント情報(ACC)を登録する際に取得部11が取得する情報がピアに紐づく属性になり、その情報(属性)の項目がアカウント属性項目である。アカウント属性項目は、ユーザの国籍N、移住(居住)国I、性別S、年齢A、所属組織O、ストレージ性能(ネットワーク性能)P等であって、ピアに紐づく属性の項目である。
【0050】
取得部11は、ユーザのアカウント情報の登録をもとにアカウント属性項目に関する情報を属性として取得する。ストレージ性能(ネットワーク性能)Pは提供するリソース(ストレージ容量)の大きさであって、取得部11は、ストレージ性能(ネットワーク性能)Pをデバイス情報とアプリの設定情報から取得する。取得部11は、ストレージ性能をデータサイズ・I/O、ネットワーク性能をレイテンシ等から取得する。また、取得部11は、PCのエネルギー効率をCPUの種類等から取得する。
【0051】
また、管理者等がアカウント属性項目ごとに重みを設定することができる。重みを自由に設定することができるため、重視するアカウント属性項目を変更することが可能となり、社会情勢等に応じて重視するアカウント属性項目を調整できる。
【0052】
アカウント属性数値情報は、保存先の候補となるピア(端末)の信頼性や保存の容易性を含む値を算出するための情報であって、
図4(b)のように、ピアに紐づく属性とその属性の数値がアカウント属性項目に紐づく情報である。アカウント属性項目は複数の属性を含む。例えば、アカウント属性項目が国籍の場合、A国、B国、・・・等の国籍として考えられる国を含む。判定部13は、ピアに紐づく属性と、
図4(a)及び(b)のようなテーブルと、に基づいて、ACC値を算出する。
【0053】
さらに、
図4(b)のように、それぞれの属性に対して、同一又は異なった数値が紐づく。この数値は、その属性に対する信頼性を表すことが考えられる。また、管理者等がピアに紐づく属性の数値を設定することができる。属性の数値を自由に設定することができるため、それぞれの属性に対して異なる数値を設定することができる。
【0054】
ユーザがデータを保存する際、データの保存を希望するユーザがデータの保存を希望する保存先の保存希望アカウント属性を入力しても良い。具体的には、ユーザは、ピアに紐づくアカウント属性に対応する属性を入力して保存先の属性を希望する。例えば、ユーザは、日本に居住する人が所持する端末にデータを保存したい場合、保存希望アカウント属性として居住国「日本」を入力する。また、保存希望アカウント属性は、保存するデータに関する情報も含んでも良い。
【0055】
ファイル属性(保存希望アカウント属性とも呼ぶ。)項目重み情報は、ユーザが希望するデータの保存先の判定のための数値を算出するための情報であって、
図4(c)のように、ファイル属性項目に重みが紐づく情報である。ユーザがデータ(ファイル(FIL))を保存する際に任意で入力する情報(属性)の項目がファイル属性項目である。
【0056】
ユーザがデータを保存する際に任意で入力する情報(保存希望アカウント属性)は、ユーザがデータの保存を希望する保存先の属性(例えば、保存先の候補となる端末を所持するユーザが帰属(居住、移住)する国や所属組織等に関するピアに紐づく属性等)及び/又はそのデータ(ファイル)自体の情報(例えば、ファイルの種類等)である。ファイル属性項目は、保存先の候補となる端末(ピア)を所持するユーザの国籍n、端末を所持するユーザの帰属国i、保存するファイルのファイル種類f、端末を所持するユーザの性別s、端末を所持するユーザの年齢a、端末を所持するユーザの所属(利用)組織o、タグt等であって、ユーザが希望する保存先の属性の項目やユーザが保存するデータに関する属性の項目である。
【0057】
また、管理者等がファイル属性項目ごとに重みを設定することができる。重みを自由に設定することができるため、重視するファイル属性項目を変更することが可能となり、社会情勢等に応じて重視するファイル属性項目を調整できる。ファイル属性項目ごとの重みは、アカウント属性ごとの重みと同じであっても異なっていても良い。
【0058】
ファイル属性数値情報は、
図4(d)のように、ユーザが希望するデータの保存先の判定のための数値を算出するための情報であって、ユーザが希望する保存先の属性(例えば、保存先の端末(ピア)を所持するユーザの属性、保存先の端末(ピア)に関する属性等)とその属性の数値がファイル属性項目に紐づく情報である。ファイル属性項目は複数の属性を含む。例えば、ファイル属性項目が帰属国の場合、A国、B国、・・・等に居住するユーザが所持するピア(端末)は、その国に帰属(所在)することが考えられる。ファイル属性の数値は、アカウント属性の数値と同じであっても異なっていても良い。
【0059】
さらに、
図4(d)のように、それぞれの属性に対して、同一又は異なった数値が紐づく。この数値は、その属性に対する信頼性等を表すことが考えられる。また、管理者等が属性の数値を設定することができる。属性の数値を自由に設定することができるため、それぞれの属性に対して異なる数値を設定することができる。判定部13は、データの保存を希望するユーザから受け付けた情報(属性等)と、
図4(c)及び(d)のようなテーブルと、に基づいて、FIL値を算出する。
【0060】
メタ属性は、データの保存を希望するユーザの端末に関する情報から特定する属性である。例えば、ユーザがデータを保存する際、データを保存するための端末のGPS情報等から国を特定してメタ属性とする。
【0061】
メタ属性項目重み情報は、データの保存を希望するユーザの信頼性を算出するための情報であって、
図4(e)のように、メタ属性項目に重みが紐づく情報である。ユーザ端末(データの保存を希望するユーザの端末)に関するメタ(MET)情報(属性)の項目がメタ属性項目である。メタ属性項目は、ユーザ端末のIPアドレスip及び/又はユーザ端末のGPS情報gpから特定する端末が所在する国に関する情報、端末に保存されるファイルのファイル形式ffに関する情報、ユーザ端末のIMEI(International Mobile Equipment Identity(識別番号))imから特定する端末の原産国に関する情報等であって、ユーザ端末に関するメタ情報から特定するユーザ端末属性(メタ属性とも呼ぶ。)の項目である。メタ属性がPCのストレージ性能やエネルギー効率を含んでも良い。
【0062】
この他にも、特定のIPアドレス、GPS情報、IMEIをブラックリストやホワイトリストとして記憶部に格納しておいても良い。このようにすることで、特定のIPアドレス等が紐づく端末からのデータの保存を防ぐことができる。この他にも、ブラックリストとして特定の数値を記憶部に格納し、判定部13が、IPアドレスから特定した国に紐づく数値と比較してその数値の国のユーザからのデータの保存を防いでも良い。また、特定の閾値を記憶部に格納し、判定部13が、IPアドレスから特定した国に紐づく数値と比較してその閾値以下の数値の国のユーザからのデータの保存を防いでも良い。
【0063】
また、管理者等がメタ属性項目ごとに重みを設定することができる。重みを自由に設定することができるため、重視するメタ属性項目を変更することが可能となり、社会情勢等に応じて重視するメタ属性項目を調整できる。
【0064】
さらに、メタ属性項目は、AIによる加減aiを含んでいても良い。この数値は、AI(Artificial Intelligence)が算出したユーザ端末への信頼性を表すものであることが考えられる。この数値は、ユーザ端末のipアドレスやユーザ端末のGPS情報等から特定するメタ属性(ユーザ端末属性)と、過去に収集された情報等と、を用いて算出されることが考えられる。
【0065】
メタ属性数値情報は、データの保存を希望するユーザの信頼性を算出するための情報であって、
図4(f)のように、メタ属性(ユーザ端末属性)とその属性の数値がメタ属性項目に紐づく情報である。メタ属性項目は複数の属性を含む。例えば、メタ属性項目がIPアドレスの場合、A国、B国、・・・等のIPアドレスを管轄することが考えられる国を含む。IPアドレスやGPS情報を用いることによって、そのユーザ端末が所在する国(メタ属性(ユーザ端末属性))等が得られる。判定部13は、データの保存を希望するユーザの端末の情報から特定する情報(属性等)と、
図4(e)及び(f)のようなテーブルと、に基づいて、MET値を算出する。
【0066】
さらに、
図4(f)のように、それぞれの属性に対して、同一又は異なった数値が紐づく。この数値は、その属性に対する信頼性を表すことが考えられる。また、管理者等が属性の数値を設定することができる。属性の数値を自由に設定することができるため、それぞれの属性に対して異なる数値を設定することができる。
【0067】
ピア情報は、
図5(a)のように、ピアIDとそのピアに紐づく属性(アカウント属性)を含み、ピアIDによって管理される。取得部11は、ユーザがアカウント情報を登録する際にユーザの国籍N、移住国I、性別S、年齢A、所属組織O、ストレージ性能(ネットワーク性能)P等の情報を取得し、ピアの属性としてピアIDに紐づけて記憶部に格納する。
【0068】
属性特徴情報は、
図5(b)のように、アカウント属性項目に属性と特徴属性が紐づく情報である。特徴属性は、その属性が有する特徴の属性である。例えば、属性が国である場合、その国の特徴属性として、自由主義国家であるか非自由主義国家であるか等が考えられる。また、属性が組織である場合、その組織の特徴属性として、その組織が反社会勢力であるか否か、環境保護に積極的に取り組んでいるか否か、非人道的行為を助長しているか否か等が考えられる。
【0069】
<ピアへの属性の紐づけ>
図6は、本実施形態における処理のフローチャートである。まず、ステップS601において、取得部11は、ユーザが登録するアカウント情報をピアの属性として取得し、
図5(a)のように、記憶部に格納する。
【0070】
具体的には、取得部11は、データの保存先として端末(ピア)を提供するユーザがアカウントを登録する際に入力する情報(アカウント情報)を取得し、そのアカウント情報をピアの属性としてピアに紐づけて記憶部に格納する。
【0071】
<データの受付>
ステップS602において、受付部12は、ユーザ端末を介して、保存するデータ、データの保存を希望する属性を受け付ける。受付部12は、データの保存を希望する属性として、複数の属性を受け付けても良い。
【0072】
具体的には、受付部12は、データの保存を希望するユーザが入力するデータに関する情報、データの保存を希望する属性(ピアに紐づくアカウント属性)を含む保存希望アカウント属性等を受け付ける。ユーザによっては、自身が保存するデータを特定の者(ユーザ)が所持するピア(端末)に保存したくない可能性がある。また、ユーザによっては、自身が保存するデータを特定の者(ユーザ)が所持するピア(端末)に保存したい可能性がある。例えば、受付部12がユーザ端末を介して、ユーザがデータの保存先を希望する属性を受け付けることによって、受け付けた属性(保存希望アカウント属性)が紐づくピアを保存先の候補として提示することができる。
【0073】
この他にも、ユーザによっては、自身が保存するデータの保存先を早急に決定したい可能性がある。ピアに紐づいている可能性が高い属性(例えば、人口が多い属性等)を指定(入力)することによって、早急に保存先を決定できる可能性がある。この場合、データの保存を希望するユーザは、ユーザ端末を介して、希望する保存先の属性として、端末を所持する可能性が高いユーザの属性を入力することが考えられる。
【0074】
また、取得部11は、ユーザ端末に関するメタ情報(メタ属性(ユーザ端末属性))を取得しても良い。取得部11は、ユーザがデータを保存するタイミング等において、ユーザ端末のIPアドレスip及び/又はユーザ端末のGPS情報gpを取得し、取得した情報から国に関する情報を特定しても良い。このようにすることで、どのようなユーザがデータを保存しようとしているか、どのような国に所在する端末からデータを保存しようとしているか、等をIPアドレス/又はGPS情報に基づいて判定することができる。
【0075】
<保存先の判定>
ステップS603において、判定部13は、ピアの属性(ピアに紐づくアカウント属性)、(S602において)受け付けた(データの保存を希望する保存先の)属性(保存希望アカウント属性)に基づいて、複数のピアから保存先を判定する。具体的には、判定部13は、データの保存先の候補となるピアに紐づくアカウント属性と、データの保存を希望するユーザがデータの保存を希望する保存先の属性を含む保存希望アカウント属性(ファイル属性)と、に基づいて、データの保存先の候補となる複数のピアから保存先の候補を判定する。
【0076】
判定部13は、受け付けた保存希望アカウント属性と、データの保存先の候補となるピアに紐づくアカウント属性と、を比較し、データの保存先の候補となるピアから保存先の候補を判定する。判定部13は、受付部12がユーザから受け付けたデータの保存を希望する保存先の保存希望アカウント属性に基づいて、ピアに紐づく属性を参照し、データの保存を希望するユーザから受け付けた属性(保存希望アカウント属性)が紐づくピアを保存先の候補として判定する。
【0077】
例えば、データの保存を希望する保存先の属性(保存先のピア(端末)を所持するユーザの属性)として、受付部12が居住国「A国」及び所属組織「A大学」を受け付けた場合、判定部13は、端末を所持するユーザの属性(ピアに紐づくアカウント属性)として帰属(居住)国「A国」及び所属組織「A大学」が紐づくピアを保存先として判定する。このようにすることで、データの保存を希望するユーザは、保存先の端末を所持するユーザの属性に基づいて、データの保存先を決定することができる。
【0078】
判定部13は、ピアの属性(ピアに紐づくアカウント属性)、受け付けた属性(保存希望アカウント属性)、データの保存を希望するユーザのユーザ端末に関する情報から特定するメタ属性(ユーザ端末属性)、に基づいて、複数のピアから保存先を判定しても良い。例えば、属性:A国の特徴属性として「E国と対立中」が紐づく場合を考える。この場合、受付部12がデータの保存を希望する保存先の属性として居住国「A国」を受け付け、取得部11がメタ属性(ユーザ端末属性)としてGPS情報からデータの保存を希望するユーザの端末が「E国」にあることを取得した場合、判定部13は、A国とE国が対立中という特徴属性を用いて、E国の者がA国に所在するピアに悪意のあるデータの格納をしようとしていると判断し、A国を保存先にできないと判定することが考えられる。
【0079】
判定部13は、管理者等が設定した属性に紐づく数値及び/又は重み(例えば、予め設定されたテーブル等)に基づいて、保存先を判定しても良い。判定部13は、ピアの属性(ピアに紐づくアカウント属性)、受け付けた属性(保存希望アカウント属性)、属性項目に紐づく重み、に基づいて、複数のピアから保存先を判定しても良い。具体的には、ピアの属性(ピアに紐づくアカウント属性)及びアカウント属性項目に紐づく重みに基づいて算出したACC値と、受け付けた属性(保存希望アカウント属性)及びファイル属性(保存希望アカウント属性)項目に紐づく重みに基づいて算出したFIL値と、を比較して保存先を判定する。
【0080】
属性に紐づく数値は、管理者等が独自に設定した数値であっても良いし、ある指標をもとに規格化された数値であっても良い。
【0081】
属性に紐づく重み(寄与率)は、管理者等が独自に設定できる。管理者等は、社会情勢等に応じて、重みを設定しても良い。例えば、管理者等は、半導体が高騰すればストレージ性能の重みを高くし、国家間の情勢が主立ってくれば居住国の重みを高くする。また、判定部13は、予め学習された学習モデルを用いて、どのような項目が重要かを判定しても良い。さらに、判定部13は、予め学習された学習モデルを用いて、どのような重みが適正かを決定しても良い。
【0082】
判定部13は、例えば、式(1)によってACC値、式(2)によってFIL値を算出する。判定部13は、ACC値とFIL値の相対的な関係(相対値)によって保存先を判定する。具体的には、FIL値がACC値の合理的な範囲内又は特定の閾値以上である場合、判定部13は、そのACC値のピアを良好又は最適な保存先と判定する。例えば、FIL値がACC値の6割以上ACC値未満の場合、判定部13は、そのACC値のピアを良好な保存先と判定する。また、FIL値がACC値以上の場合、判定部13は、そのACC値のピアを最適な保存先と判定しても良い。合理的な範囲や特定の閾値は、管理者等が独自に設定することができる。
【0083】
【0084】
判定部13は、ピアの属性(ピアに紐づくアカウント属性)、受け付けた属性(保存希望アカウント属性)、メタ属性(ユーザ端末属性)、属性項目に紐づく重み、に基づいて、複数のピアから保存先を判定しても良い。具体的には、ACC値と、FIL値と、メタ属性(ユーザ端末属性)項目に紐づく重みに基づいて算出したMET値と、を比較して保存先を判定する。
【0085】
判定部13は、例えば、式(3)によってMET値を算出し、更に、FIL値とMET値の合計値を算出する。判定部13は、ACC値と、合計値の相対的な関係(相対値)によって保存先を判定する。具体的には、合計値がACC値の合理的な範囲内である場合、判定部13は、そのACC値のピアを良好又は最適な保存先と判定する。例えば、合計値がACC値の6割以上ACC値未満の場合、判定部13は、そのACC値のピアを良好な保存先と判定する。また、合計値がACC値以上の場合、判定部13は、そのACC値のピアを最適な保存先と判定しても良い。
【0086】
【0087】
判定部13は、データの保存を希望するユーザから受け付けた情報(属性等)と、保存先の候補となるピアに紐づく情報(属性等)と、データの保存を希望するユーザの端末に関する情報(属性等)と、
図4(a)~(f)のような管理者等が独自に設定したテーブル(数値、重み、閾値等)と、に基づいて、数値(少なくともACC値、FIL値、MET値の何れか)を算出し、データの保存先を判定する。
【0088】
ACC値が高いほど信頼性の高い保存先とすることができる。管理者がアカウント属性項目の重み及び属性の数値を設定することによってACC値を調整することができる。これによって、社会情勢等に応じた信頼性の高い保存先のACC値が高くなるように調整することができる。また、数値の高さは相対的になることが考えられる。例えば、100個のピアで構成されるノードのACC値の平均値が100の場合、そのノード中にあるACC値が20のピアは信頼性が低いと言える。他方、100個のピアで構成されるノードのACC値の平均値が10の場合、そのノード中にあるACC値が20のピアは信頼性が高いと言える。
【0089】
FIL値が高いほど信頼性の高い保存先を希望していることになる。管理者がファイル属性項目の重み及び属性の数値を設定することによってFIL値を調整することができる。
【0090】
MET値が高いほどデータの保存を希望するユーザの信頼性が高く、保存するデータの信頼性が高くなるようなメタ属性項目の重み及び属性の数値を設定しても良い。
【0091】
MET値が高いほど保存するデータの信頼性が高いことになる。管理者がメタ属性項目の重み及び属性の数値を設定することによってMET値を調整することができる。これによって、社会情勢等に応じた信頼性の高いユーザのデータのMET値が高くなるように調整することができる。例えば、悪意のあるデータを保存する可能性がある国(過去に国家ぐるみでサイバー攻撃を行っていた国等)の属性の数値を0以下(マイナス)に設定しておくことが考えられる。これによってMET値が低くなり、FIL値とMET値の合計値も低くなるため、ACC値が高い保存先に保存することを防ぐことができる。
【0092】
判定部13は、保存先の候補となるピアへのデータの集中度を判定しても良い。ユーザが希望する保存先にデータを格納することができるため、保存先として人気の(データが集中する)ピアが発生する可能性が高い。ユーザが、人気のピアに格納したデータを入手しようとする場合、アクセスが悪くなる(入手しづらくなる)ことが考えられる。そこで判定部13は、ピアへのアクセスが悪くなることを防ぐため、多くのデータが集中している(人気の)ピアを保存先として判定しないことが考えられる。具体的には、記憶部が、過去にデータが保存された履歴情報を格納し、判定部13は、その履歴情報に基づいて、データの集中度を判定する。
【0093】
また、判定部13は、式(4)を満たすようなACC値のピアを保存先として判定しても良い。式(4)を満たすようなACC値のピアが存在しない場合、判定部13は、ACC値が最も高いピアを保存先として判定する。また、式(4)を満たすようなACC値のピアが存在しない場合、判定部13は、保存先が存在しないと判定しても良い。管理者等は、δ1及び/又は及びδ2の値を適宜設定しても良い。例えば、管理者等は、社会情勢等に応じて適宜設定しても良い。
【0094】
【0095】
保存先のピアを所持するユーザの属性に応じて保存先のピアの信頼性や保存の容易さは異なる。ACC値が高いほど保存先としての端末(ピア)の信頼性が高く、更に、保存が容易になるような数値や重みをアカウント属性に紐づけて設定しても良い。
【0096】
例えば、経済的に豊かな国ほどセキュリティに関する費用をかけている可能性が高く、信頼性も高いと考えられる。また、人口が多い属性ほど端末を所持している人口が多いため、その属性が紐づくピアへの保存が容易だと考えられる。よって、判定部13は、ユーザに関する属性(アカウント属性)に基づいて、保存先の信頼性や保存の容易さを考慮した保存先を判定することができる。
【0097】
MET値が高いほどデータの保存を希望するユーザの信頼性(保存するデータの安全性)が高くなるような数値や重みをメタ属性に紐づけて設定しても良い。信頼性の低いユーザが保存するデータにはウイルス等が仕込まれている可能性があり、信頼性の低いユーザが保存するデータと同じ保存先にデータを保存するのはウイルスに感染するリスクが伴う。よって、信頼性の高いユーザのみがデータを保存するピアは、保存先としての信頼性も高いと考えられる。
【0098】
この他にも、属性に紐づく数値の範囲が0~1に規格化されていても良い。アカウント属性、保存希望アカウント属性(ファイル属性)、メタ属性、に紐づく値の範囲は0~1に規格化されていても良い。また、アカウント属性、保存希望アカウント属性、メタ属性、の何れかの属性のみに紐づく数値の範囲が規格化されていても良い。規格化の指標や数値の範囲は、限定されない。
【0099】
また、アカウント属性、保存希望アカウント属性、メタ属性、に対応する同一の属性の数値は、同じであっても異なっていても良い。
【0100】
図7は、本実施形態における記憶部に格納されたデータ構成の一例である。
図7(a)~(c)のように、記憶部が、規格化された数値を格納していても良い。判定部13は、記憶部が格納する規格化された数値に基づいて、ACC値と、FIL値と、MET値と、を算出しても良い。
【0101】
また、
図7(d)のように、記憶部が、数値を規格化するための規格化ルールを格納し、判定部13が、記憶部が格納するGDPや人口等の統計データと、記憶部が格納する規格化ルールと、に基づいて、数値を算出しても良い。
【0102】
具体的には、属性に紐づく数値の上限と下限を設定し、指標(例えば、お金や人口等)を決定する。そして、指標を用いて項目におけるある属性を(上限又は下限の数値の)基準にし、その他の属性に対して指標に基づいて比例計算をして数値を決定することが考えられる。
【0103】
例えば、先進国の方が民主主義化されている可能性が高く、良好な保存先である可能性が高い。よって、先進国であることを判断するために、お金を指標に規格化することが考えられる。
【0104】
例えば、それぞれの国のGDP(Gros Domestic Product)を指標に国籍、居住国、等の国に関する数値を規格化する。GDPが世界1位の国の数値を1として、その他の国のGDPを用いて比例計算をしてその他の国の数値とする。ある年のGDP世界1位のアメリカ(27兆9665億5300万ドル)を1として、18兆5600億1300万ドルの中国を0.664、4兆7008億7500万ドルのドイツを0.168、4兆2861億8700万ドルの日本を0.153、とすることが考えられる。
【0105】
また、例えば、組織(例えば、企業、大学等)の予算額を指標にそれぞれの所属組織の数値を規格化することができる。予算額が最大の組織の数値を1として、その他の組織の予算額を用いて比例計算をしてその他の組織の数値とする。
【0106】
また、例えば、ストレージ性能の数値を算出するためにストレージレートと空きストレージ容量を用いることが考えられる。端末を所持するユーザの居住国のストレージレートとその居住国の空きストレージ容量の平均を用いて、その国の空きストレージ価格の平均値を算出し、空きストレージ価格の平均値を1として、保存先の候補となる端末(ピア)の空きストレージ価格を用いて比例計算をしてその端末のストレージ性能の数値とする。
【0107】
また、例えば、標準的なPCのエネルギー効率を1として、端末のエネルギー効率を用いて比例計算をしてその端末のエネルギー効率の数値とする。記憶部がCPUの種類に応じてエネルギー効率を格納することによって、取得部11が保存先の候補となる端末(ピア)のCPUの種類を取得してエネルギー効率の数値を算出することができる。
【0108】
また、人口の多いユーザに対応する属性がピアに紐づいている可能性が高く、早急に保存先を決定するために人口の多いユーザに対応する属性の数値を高く設定することも考えられる。よって、人口を指標に規格化することも考えられる。
【0109】
例えば、端末(ピア)を所持するユーザの居住国の総人口を1として、性別に関する数値を規格化する。ある年の日本の総人口が1億2692万5843人であって、男性の人口が6211万764人、女性の人口が6481万5079人の場合、男性の数値を0.489、女性の数値を0.511、とする。
【0110】
また、例えば、端末(ピア)を所持するユーザの年齢に関する数値を規格化するために、そのユーザの居住国の統計データを用いる。そのユーザの居住国の年齢ごとの人口を用いて、例えば、最も人口の多い年齢を1として、比例計算をしてその他の年齢の数値を規格化する。日本における人口を5歳ごとに区切ると、45~49歳の人口が956万人で最も多いので数値を1として、70~74歳の人口が886万人であるので数値を0.927、20~24歳の人口が589万人であるので数値を0.616、25~29歳の人口が607万人であるので数値を0.635、とする。
【0111】
したがって、例えば、日本に居住する47歳男性の端末にはACC値として、0.153(居住国「日本」)、0.489(性別「男性」)、1(年齢「45~49歳」)が加算される。
【0112】
さらに、ピア(保存先)に紐づく属性はいくつであっても良く、判定部13は、式(5)によってACC値を算出することができる。ACC値をACC(x)として、l(エル)を属性の数とする。さらに、p^k(x)は、アカウント属性であって、例えば、p^1(x)を国籍、p^2(x)を居住国、・・・、とする。また、α_kは、アカウント属性に対応する重み(寄与率)である。
【0113】
【0114】
また、保存先の候補となるピアに関する属性(アカウント属性)同士が相関をもつ場合、式(6)のように、その相関を反映させたACC値を定義しても良い。例えば、日本国籍のユーザは日本に共住している可能性が高いため、式(6)では、p^1(x)の国籍とp^2(x)の居住国に相関がある。
【0115】
【0116】
また、式(5)や式(6)と同様に、FIL値やMET値を算出しても良い。
【0117】
<保存先の候補の提示(レコメンド)>
ステップS604において、提示部14は、判定の結果に基づいて、保存先の候補となるピアを提示する。提示部14は、複数のピアを提示しても良い。また、ユーザが、データの保存を希望する保存先の属性として複数の属性を指定した場合、該当するピアが1つ又は存在しない可能性もある。提示部14は、該当するピアが1つしかない場合は1つを提示し、ピアが存在しない場合はその旨を提示する。さらに、提示部14は、悪意があると判定されたデータに対して、希望する属性のピアへ保存できない旨を提示しても良い。
【0118】
<データの登録>
ステップS605において、登録部15は、ユーザ端末を介して、提示(レコメンド)されたピアの選択を受け付け、選択されたピアにデータを格納する。提示されたピアを選択することによって、ユーザは自身の選好に合わせて保存先を選択することが可能となり、希望の保存先にデータを格納することができる。
【0119】
<保存先の第1ノードの判定>
受付部12は、データの保存を希望する保存先の特徴属性を受け付ける。例えば、受付部12が特徴属性として国籍「自由主義国家」及び所属組織「大学」を受け付ける。
【0120】
判定部13は、第1ノードの属性(ノードに紐づくアカウント属性)、受け付けた属性(保存希望アカウント属性)、に基づいて、複数の第1ノードから保存先を判定する。受付部12が特徴属性として国籍「自由主義国家」及び所属組織「大学」を受け付けた場合、自由主義国家及び大学が紐づく第1ノードを保存先として判定する。第1ノードは共通の属性が紐づく複数のピアで構成されているため、多くの属性が紐づいていない。よって、保存先として第1ノードを判定する方が、判定部13は、ピアを判定する場合と比較して短時間で判定できる。短時間で保存先を探したい場合、ユーザは、保存先として第1ノードを探す方が好ましい。保存先を第1ノードとする場合、例えば、自由主義国家の特定のグループ(大学等)を保存先として探すことができる。
【0121】
判定部13は、ピアの属性に基づいて、選択された第1ノード中から保存先のピアを判定しても良い。例えば、判定部13は、選択された第1ノード中でACC値が最も高いピアを保存先として判定することが考えられる。
【0122】
提示部14は、判定の結果に基づいて、保存先の候補となる第1ノードを提示する。提示部14は、複数の第1ノードを提示しても良い。
【0123】
登録部15は、ユーザ端末を介して、提示(レコメンド)された第1ノードの選択を受け付け、選択された第1ノードを構成するピアに前記データを格納する。提示された第1ノードを選択することによって、ユーザは自身の選好に合わせて保存先を選択し、データを格納することができる。
【0124】
<保存先の第2ノードの判定>
受付部12は、データの保存を希望する保存先の特徴属性を受け付ける。例えば、受付部12が特徴属性として国籍「自由主義国家」を受け付ける。
【0125】
判定部13は、第2ノードの属性(ノードに紐づくアカウント属性)、受け付けた属性(保存希望アカウント属性)、に基づいて、複数の第2ノードから保存先を判定する。受付部12が特徴属性として国籍「自由主義国家」を受け付けた場合、自由主義国家が紐づく第2ノードを保存先として判定する。第2ノードは共通の属性が紐づく複数の第1ノードで構成されているため、多くの属性が紐づいていない。よって、保存先として第2ノードを判定する方が、判定部13は、第1ノード又はピアを判定する場合と比較して短時間で判定できる。より短時間で保存先を探したい場合、ユーザは、保存先として第2ノードを探す方が好ましい。例えば、自由主義国家に所属する組織であればどこの保存先でも良い場合、保存先として第2ノードを探すことが考えられる。
【0126】
判定部13は、ピアの属性に基づいて、選択された第2ノード中から保存先のピアを判定しても良い。例えば、判定部13は、選択された第2ノード中でACC値が最も高いピアを保存先として判定することが考えられる。
【0127】
提示部14は、判定の結果に基づいて、保存先の候補となる第2ノードを提示する。提示部14は、複数の第2ノードを提示しても良い。
【0128】
登録部15は、ユーザ端末を介して、提示(レコメンド)された第2ノードの選択を受け付け、選択された第2ノードを構成するピアにデータを格納する。提示された第2ノードを選択することによって、ユーザは自身の選好に合わせて保存先を選択し、データを格納することができる。
【0129】
<重み、数値の設定>
設定部16は、重みを数値として受け付け、その数値を属性項目(アカウント属性項目、ファイル属性項目、メタ属性項目等)に紐づける。また、設定部16は、属性の数値を受け付け、その数値を属性(例えば、国籍「A国」、移住国「B国」、性別「女性」、年齢「40代」、所属組織「C大学」等)に紐づける。具体的には、設定部16は、管理者等が所有する端末を介して属性項目の重み及び属性の数値を受け付ける。
【0130】
<保存先を提示(レコメンド)しない格納>
受付部12は、ユーザ端末を介して、保存先の提示(レコメンド)をするか否かの選択を受け付けても良い。受付部12が、ユーザ端末を介して保存先の提示をしないことを受け付けた場合、ステップS604における保存先の候補を提示する処理を行わない。
【0131】
保存先の候補を提示する処理がない場合、登録部15は、判定部13が判定した結果に基づいて、データを保存先に格納する。例えば、登録部15は、候補となる保存先のピアからランダムに選択して格納することが考えられる。また、登録部15は、属性に基づいて複数のピアから保存先を判定し、判定した複数のピアの中でACC値の最も高いピアへデータを格納しても良い。この他にも、登録部15は、属性に基づいて複数のピアから格納先を判定し、判定した複数のピアの中でデータの集中度が最も低いピアへデータを格納しても良い。
【0132】
以上のように、本発明の構成によれば、分散保存されるデータの保存先を提示する新たな技術を提供することができる。
【符号の説明】
【0133】
0 分散保存システム
1(1a~1f) ピア
11 取得部
12 受付部
13 判定部
14 提示部
15 登録部
16 設定部
2(2a~2j) 第1ノード
3(3a、3b) 第2ノード
【手続補正書】
【提出日】2025-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
P2P通信によってデータを分散保存する分散保存システムであって、
前記分散保存システムは、データの保存先となる複数のピア、データを保存するために利用するユーザ端末、を備え、
前記ユーザ端末は、受付部、判定部、提示部、登録部、を備え、
前記ピアには、当該ピアを所持するユーザの属性と当該ピアに関する属性を含むアカウント属性が紐づき、
前記アカウント属性は国に関する属性を含み、当該国に関する属性に数値が紐づき、
前記国に関する属性の数値は、特定の属性の数値を基準にしてGDPに基づいて決定した数値を含み、
前記国に関する属性に紐づく数値は、前記基準とする特定の属性に紐づく数値を1とし、当該基準とする特定の属性以外の属性に対してGDPに基づいて比例計算をして決定した数値であって、
前記受付部は、保存するデータと、データの保存を希望するユーザがデータの保存を希望する保存先の保存希望アカウント属性と、を受け付け、
前記判定部は、前記アカウント属性に紐づく数値と所定の関数によって算出する値に基づいて、前記保存希望アカウント属性と、前記ピアに紐づくアカウント属性と、を比較し、前記複数のピアから保存先の候補を判定し、
前記提示部は、前記判定の結果に基づいて、保存先の候補となるピアを提示し、
前記登録部は、前記提示されたピアの選択を受け付け、当該選択されたピアに前記データを格納する、
分散保存システム。
【請求項2】
前記アカウント属性に紐づく数値は、それぞれの属性の特定の数値を1、又は、それぞれの属性の平均値を1とする比例計算によって得られる、
請求項1に記載の分散保存システム。
【請求項3】
前記判定部は、下記数式によって算出する前記アカウント属性同士の傾向を反映させた値に基づいて、前記保存希望アカウント属性と、前記ピアに紐づくアカウント属性と、を比較し、前記複数のピアから保存先の候補を判定する、
請求項1又は2に記載の分散保存システム。
【請求項4】
前記判定部は、前記アカウント属性と、前記保存希望アカウント属性と、前記データの保存を希望するユーザの端末に関する情報から特定するメタ属性と、を比較し、前記複数のピアから保存先を判定する、
請求項3に記載の分散保存システム。
【請求項5】
複数の属性を含む属性項目には、重みが紐づき、
前記判定部は、前記アカウント属性と、前記保存希望アカウント属性と、前記メタ属性と、前記属性項目に紐づく重みと、に基づいて、前記複数のピアから保存先を判定する、
請求項4に記載の分散保存システム。
【請求項6】
前記分散保存システムは、設定部、を備え、
前記設定部は、前記重みを数値として受け付け、当該数値を前記属性項目に紐づける、
請求項5に記載の分散保存システム。
【請求項7】
前記分散保存システムは、複数のピアで構成される複数のノード、を備え、
前記判定部は、前記ノードに紐づくアカウント属性と、前記保存希望アカウント属性と、に基づいて、前記複数のノードから保存先を判定し、
前記提示部は、前記判定の結果に基づいて、保存先の候補となるノードを提示し、
前記登録部は、前記ユーザ端末を介して、前記提示されたノードの選択を受け付け、当該選択されたノードに前記データを格納する、
請求項6に記載の分散保存システム。
【請求項8】
P2P通信によってデータを分散保存する分散保存システムが実行する分散保存方法であって、
前記分散保存システムは、データの保存先となる複数のピア、データを保存するために利用するユーザ端末、を備え、
前記ユーザ端末は、受付部、判定部、提示部、登録部、を備え、
前記ピアには、当該ピアを所持するユーザの属性と当該ピアに関する属性を含むアカウント属性が紐づき、
前記アカウント属性は国に関する属性を含み、当該国に関する属性に数値が紐づき、
前記国に関する属性の数値は、特定の属性の数値を基準にしてGDPに基づいて決定した数値を含み、
前記国に関する属性に紐づく数値は、前記基準とする特定の属性に紐づく数値を1とし、当該基準とする特定の属性以外の属性に対してGDPに基づいて比例計算をして決定した数値であって、
前記受付部が、保存するデータと、データの保存を希望するユーザがデータの保存を希望する保存先の保存希望アカウント属性と、を受け付けるステップと、
前記判定部が、前記アカウント属性に紐づく数値と所定の関数によって算出する値に基づいて、前記保存希望アカウント属性と、前記ピアに紐づくアカウント属性と、を比較し、前記複数のピアから保存先の候補を判定するステップと、
前記提示部が、前記判定の結果に基づいて、保存先の候補となるピアを提示するステップと、
前記登録部が、前記提示されたピアの選択を受け付け、当該選択されたピアに前記データを格納するステップと、を含む、
分散保存方法。
【請求項9】
P2P通信によってデータを分散保存する分散保存プログラムであって、
コンピュータを、受付部、判定部、提示部、登録部、として機能させ、
ピアには、当該ピアを所持するユーザの属性と当該ピアに関する属性を含むアカウント属性が紐づき、
前記アカウント属性は国に関する属性を含み、当該国に関する属性に数値が紐づき、
前記国に関する属性の数値は、特定の属性の数値を基準にしてGDPに基づいて決定した数値を含み、
前記国に関する属性に紐づく数値は、前記基準とする特定の属性に紐づく数値を1とし、当該基準とする特定の属性以外の属性に対してGDPに基づいて比例計算をして決定した数値であって、
前記受付部は、保存するデータと、データの保存を希望するユーザがデータの保存を希望する保存先の保存希望アカウント属性と、を受け付け、
前記判定部は、前記アカウント属性に紐づく数値と所定の関数によって算出する値に基づいて、前記保存希望アカウント属性と、前記ピアに紐づくアカウント属性と、を比較し、前記複数のピアから保存先の候補を判定し、
前記提示部は、前記判定の結果に基づいて、保存先の候補となるピアを提示し、
前記登録部は、前記提示されたピアの選択を受け付け、当該選択されたピアに前記データを格納する、
分散保存プログラム。