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特開2025-13869収穫された製品内における作物保護製品残留量の予測
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013869
(43)【公開日】2025-01-28
(54)【発明の名称】収穫された製品内における作物保護製品残留量の予測
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20250121BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024182194
(22)【出願日】2024-10-17
(62)【分割の表示】P 2022503001の分割
【原出願日】2020-08-04
(31)【優先権主張番号】19190498.6
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】516245885
【氏名又は名称】バイエル、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】BAYER AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】カイ、ビルツ
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ、クリスティアン、ベッカー
(72)【発明者】
【氏名】リーヌス、ゲルリッツ
(72)【発明者】
【氏名】ディルク、シェーファー
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン、バイサー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】人間および/または動物による消費を意図した植物またはその一部内における、作物保護製品の残留量を予測する。
【解決手段】入力ユニット11と、制御計算ユニット12と、出力ユニット13と、を含むデバイス10において、制御計算ユニットは、栽培されている作物に関連した情報と、作物の栽培に関連した情報と、作物の栽培において使用されたおよび/または使用が予定されている作物保護製品に関連した情報と、作物保護製品の散布に関連した情報と、を受信および/または確認し、入力情報を使用して、作物の収穫時に、作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における作物保護製品の残留量を計算し、出力ユニットを起動することにより、残留量に関連した情報を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
-入力ユニットと、
-制御計算ユニットと、
-出力ユニットと、
を含み、
前記制御計算ユニットは、前記入力ユニットを起動することにより、以下の入力情報を受信および/または確認するように、すなわち、
-栽培されている作物に関連した情報と、
-前記作物の栽培に関連した情報と、
-前記作物の栽培において使用されたおよび/または使用が予定されている作物保護製品に関連した情報と、
-前記作物保護製品の散布に関連した情報と、
を受信および/または確認するように構成され、
前記制御計算ユニットは、前記入力情報を使用して、好ましくは前記作物の収穫時に、前記作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における前記作物保護製品の残留量を計算するように構成され、
前記制御計算ユニットは、前記出力ユニットを起動することにより、前記残留量に関連した情報を出力するように構成されている、
デバイス。
【請求項2】
前記制御計算ユニットは、
-前記作物またはその一部内における前記作物保護製品の最大残留量を確認するように、
-前記計算された残留量を、前記確認された最大量と比較するように、
-前記出力ユニットを起動することにより、前記計算された残留量が前記最大量を上回っているかまたは下回っているかについての情報を、ならびに/もしくは、その上回っているまたは下回っている程度についての情報を出力するように、
構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記最大量は、前記作物またはその一部内における前記作物保護製品の残留量に関しての、国または地域において公的に承認されている上限値である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記最大量は、前記作物またはその一部内における残留量に関しての、前記作物保護製品に関して取引業者が規定した上限値である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記制御計算ユニットは、
-前記計算された残留量が、前記作物またはその一部内における残留量に関しての、公的に承認されているいかなる上限値をも超えない国および/または地域を特定するように、ならびに/もしくは、前記計算された残留量が、前記作物またはその一部内における残留量に関しての、規定されたいかなる上限値をも超えない取引業者を特定するように、
-前記出力ユニットを起動することにより、どの国および/またはどの地域および/またはどの取引業者が特定されたかに関する情報を出力するように、
構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記入力情報は、以下の情報を含む、すなわち、栽培されている作物の品種、ならびに/もしくは、前記作物が栽培されている国および/または地域、ならびに/もしくは、前記作物保護製品の散布の割合、ならびに/もしくは、前記作物保護製品の散布時点から収穫時点までの期間の長さを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記作物保護製品の前記残留量は、少なくとも以下の入力情報を使用して、すなわち、少なくとも、
-栽培されている作物と、
-前記作物が栽培されている国または地域と、
-使用されたまたは使用が予定されている作物保護製品と、
-使用されたまたは使用が予定されている前記作物保護製品の散布の割合と、
-散布時点から収穫時点までの期間の長さと、
を使用して計算される、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記作物保護製品の前記残留量は、少なくとも以下の入力情報を使用して、すなわち、少なくとも、
-栽培されている作物と、
-使用されたまたは使用が予定されている作物保護製品と、
-使用されたまたは使用が予定されている前記作物保護製品の散布の割合と、
-前記作物保護製品の散布時点での、栽培されている前記作物内に存在するバイオマス量および/または果実質量と、
-散布時点から収穫時点までの期間の長さと、
を使用して計算される、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記作物保護製品の前記残留量は、回帰モデルによって計算される、請求項1~8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記作物保護製品の前記残留量は、情報を使用して前記作物保護製品の前記残留量を予測するために、自己学習アルゴリズムによって経験的データを使用して訓練されたモデルにより計算され、前記情報は、
-栽培されている作物と、
-前記作物が栽培されている国または地域、あるいは、前記作物保護製品の散布時点での、栽培されている前記作物内に存在するバイオマス量および/または果実質量、と、
-使用されたまたは使用が予定されている作物保護製品と、
-使用されたまたは使用が予定されている前記作物保護製品の散布の割合と、
-散布時点から収穫時点までの期間の長さと、
を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記残留量は、公的機関および/または取引業者によって規定された最大量に対する比率として、ユーザに対して表示される、請求項1~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記入力情報は、パラメータ値の形態で受信および/または確認され、前記制御計算ユニットは、
-前記入力ユニットを起動することにより、更なる入力情報を、すなわち、どのパラメータが可変でありどのパラメータが不変であるかを指定するという更なる入力情報を、受信および/または確認するように、
-前記可変パラメータの値を変化させることにより、前記計算された残留量が最小となる前記パラメータ値を確認するように、
-前記出力ユニットを起動することにより、前記計算された残留量が最小となる前記パラメータ値を出力するように、
構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
方法であって、
-コンピュータシステムを使用して、入力情報を、すなわち、
・栽培されている作物に関連した情報と、
・前記作物の栽培に関連した情報と、
・前記作物の栽培に際して使用されたおよび/または使用が予定されている作物保護製品に関連した情報と、
・前記作物保護製品の散布に関連した情報と、
を含む入力情報を受信および/または確認するステップと、
-前記コンピュータシステムを使用して、好ましくは収穫時に、前記作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における前記作物保護製品の残留量を計算するステップと、
-前記コンピュータシステムの出力ユニットを介して、前記残留量に関連した情報を出力するステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
システムであって、
-入力ユニットと、第1制御計算ユニットと、第1送受信ユニットと、出力ユニットと、を含む第1コンピュータシステムと、
-第2制御計算ユニットと、第2送受信ユニットと、を含む第2コンピュータシステムと、
を含み、
前記第1制御計算ユニットは、前記入力ユニットを起動することにより、以下の入力情報を受信および/または確認ように、すなわち、
-栽培されている作物に関連した情報と、
-前記作物の栽培に関連した情報と、
-前記作物の栽培に使用されたおよび/または使用が予定されている作物保護製品に関連した情報と、
-前記作物保護製品の散布に関連した情報と、
を受信および/または確認ように構成され、
前記第1制御計算ユニットは、前記第1送受信ユニットを起動することにより、ネットワークを介して前記入力情報を前記第2コンピュータシステムに対して送信するように構成され、
前記第2制御計算ユニットは、前記第2送受信ユニットを起動することにより、前記ネットワークを介して前記入力情報を受信するように構成され、
前記第2制御計算ユニットは、前記入力情報に基づいて、好ましくは収穫時に、前記作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における前記作物保護製品の残留量を計算するように構成され、
前記第2制御計算ユニットは、前記第2送受信ユニットを起動することにより、前記ネットワークを介して前記残留量を前記第1コンピュータシステムに対して送信するように構成され、
前記第1制御計算ユニットは、前記第1送受信ユニットを起動することにより、前記ネットワークを介して前記残留量を受信するように構成され、
前記第1制御計算ユニットは、前記出力ユニットを起動することにより、前記残留量をユーザに対して出力するように構成されている、
システム。
【請求項15】
データキャリアと、前記データキャリア上に格納されたプログラムコードと、を含むコンピュータプログラム製品であって、
前記プログラムコードは、自身のメモリ内に前記プログラムコードがロードされたコンピュータシステムに、
-以下の入力情報を受信および/または確認するステップ、すなわち、
・栽培されている作物に関連した情報と、
・前記作物の栽培に関連した情報と、
・前記作物の栽培に際して使用されたおよび/または使用が予定されている作物保護製品に関連した情報と、
・前記作物保護製品の散布に関連した情報と、
を受信および/または確認するステップと、
-前記入力情報を使用して、好ましくは収穫時に、前記作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における前記作物保護製品の残留量を計算するステップと、
-前記残留量に関連した情報を出力するステップと、
を実行させる、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間および/または動物による消費を意図した植物またはその一部内における、好ましくは果物および/または野菜内における、作物保護製品の残留量を予測することに関する。本発明は、作物保護製品の残留量を予測するための、方法、デバイス、システム、およびコンピュータプログラム製品を提供する。
【0002】
作物保護製品の残留量とは、作物保護のために機能したすなわち植物の生産時に使用された有効成分の残留量であり、最終製品内において検出可能である。
【0003】
作物保護製品の使用は、多くの国において法的に規制されており、作物保護製品による動物および人間の健康に対する危険性を排除することを目的としている。特定の散布規則(待機時間すなわち最終散布から収穫までの時間間隔、散布量、散布制限値)は、物理的特性を考慮しており、したがって、残留量の発生および程度に影響を与える。
【0004】
ドイツの食品、商品、および飼料コード(食品および飼料コード-LFGB)の§9(1)は、個々の物質に対して定められた特定の上限値を超える作物保護製品を含む場合には、食品の商業的取引を禁止している。
【0005】
従来の食品および動物飼料における作物保護製品に関する残留量の上限値は、指令(EC)No.396/2005の発効により、2008年9月1日以降、すべての欧州加盟国では調和されている。しかしながら、世界的に統一された制限値は存在しない。
【0006】
いくつかの店舗チェーン(取引業者)は、生産者に対して、植物ベースの食品を、作物保護製品の残留量が法的な規定値を下回るようにして(充分に下まわるようにして)生産することを要求している。異なる店舗チェーンからの要求には、多少のばらつきがあり得る。
【0007】
作物保護製品の残留量は、例えば、研究所で測定して定量化することができる。食品および動物飼料を発注するに際して作物保護製品の残留量を決定する多数のサービスプロバイダが存在する。
【0008】
植物ベースの食品および動物飼料の生産者にとって、生産者が所定の作物保護製品を所定の散布プログラムに従って使用した場合に、収穫された製品内にどの程度の量の作物保護製品の残留量が予想されるかに関する情報を得ることは、植物の栽培中であっても有利である。生産者は、その場合、作物保護製品および/または散布プログラムを変更することにより、収穫された製品内の作物保護製品の残留量を、ある程度制御し得ることとなる。その上、そのような生産者にとっては、生産者の製品を購入して最終顧客に対して販売するどの店舗チェーンに対して、どの程度の残留値が受け入れられるかを知ることが、有利である。
【0009】
この目的は、独立請求項の主題によって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項、図面、および本明細書に見出すことができる。
【0010】
本発明はまず、デバイスであって、
-入力ユニットと、
-制御計算ユニットと、
-出力ユニットと、
を含み、
制御計算ユニットは、入力ユニットを起動することにより、以下の入力情報を受信および/または確認するように、すなわち、
-栽培されている作物に関連した情報と、
-作物の栽培に関連した情報と、
-作物の栽培において使用されたおよび/または使用が予定されている作物保護製品に関連した情報と、
-作物保護製品の散布に関連した情報と、
を受信および/または確認するように構成され、
制御計算ユニットは、入力情報を使用して、好ましくは作物の収穫時に、作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における作物保護製品の残留量を計算するように構成され、
制御計算ユニットは、出力ユニットを起動することにより、残留量に関連した情報を出力するように構成されている、
デバイスを提供する。
【0011】
本発明はさらに、方法であって、
-コンピュータシステムを使用して、入力情報を、すなわち、
・栽培されている作物に関連した情報と、
・作物の栽培に関連した情報と、
・作物の栽培に際して使用されたおよび/または使用が予定されている作物保護製品に関連した情報と、
・作物保護製品の散布に関連した情報と、
を含む入力情報を受信および/または確認するステップと、
-コンピュータシステムを使用して、好ましくは収穫時に、作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における作物保護製品の残留量を計算するステップと、
-コンピュータシステムの出力ユニットを介して、残留量に関連した情報を出力するステップと、
を含む方法を提供する。
【0012】
本発明はさらに、システムであって、
-入力ユニットと、第1制御計算ユニットと、第1送受信ユニットと、出力ユニットと、を含む第1コンピュータシステムと、
-第2制御計算ユニットと、第2送受信ユニットと、を含む第2コンピュータシステムと、
を含み、
第1制御計算ユニットは、入力ユニットを起動することにより、以下の入力情報を受信および/または確認ように、すなわち、
・栽培されている作物に関連した情報と、
・作物の栽培に関連した情報と、
・作物の栽培に使用されたおよび/または使用が予定されている作物保護製品に関連した情報と、
・作物保護製品の散布に関連した情報と、
を受信および/または確認ように構成され、
第1制御計算ユニットは、第1送受信ユニットを起動することにより、ネットワークを介して入力情報を第2コンピュータシステムに対して送信するように構成され、
第2制御計算ユニットは、第2送受信ユニットを起動することにより、ネットワークを介して入力情報を受信するように構成され、
第2制御計算ユニットは、入力情報に基づいて、好ましくは収穫時に、作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における作物保護製品の残留量を計算するように構成され、
第2制御計算ユニットは、第2送受信ユニットを起動することにより、ネットワークを介して残留量を第1コンピュータシステムに対して送信するように構成され、
第1制御計算ユニットは、第1送受信ユニットを起動することにより、ネットワークを介して残留量を受信するように構成され、
第1制御計算ユニットは、出力ユニットを起動することにより、残留量をユーザに対して出力するように構成されている、
システムを提供する。
【0013】
本発明はさらに、データキャリアと、データキャリア上に格納されたプログラムコードと、を含むコンピュータプログラム製品であって、プログラムコードは、自身のメモリ内にプログラムコードがロードされたコンピュータシステムに、
-以下の入力情報を受信および/または確認するステップ、すなわち、
・栽培されている作物に関連した情報と、
・作物の栽培に関連した情報と、
・作物の栽培に際して使用されたおよび/または使用が予定されている作物保護製品に関連した情報と、
・作物保護製品の散布に関連した情報と、
を受信および/または確認するステップと、
-入力情報を使用して、好ましくは収穫時に、作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における作物保護製品の残留量を計算するステップと、
-残留量に関連した情報を出力するステップと、
を実行させるコンピュータプログラム製品を提供する。
【0014】
以下においては、本発明について、本発明の主題(方法、デバイス、システム、コンピュータプログラム製品)を区別することなく、より具体的に説明する。むしろ、以下の説明は、それが発生する状況(方法、デバイス、システム、コンピュータプログラム製品)に関係なく、本発明のすべての主題に対して同様に適用されることを意図している。
【0015】
複数のステップが、本明細書または特許請求の範囲内において順番に記載されている場合、これは、必ずしも本発明を記載順に限定することを意味するものではない。むしろ、あるステップが他のステップに基づいて構築されるものでない限り、すなわち、他のステップに基づいて構築されるステップが必然的にその後に実行されることを意味しない限り(ただし、これは個々の事例で明らかになる)、ステップを異なる順序で、または他の場合には、互いに並行して実行し得ることも考えられる。よって、記載された順序は、好ましい実施形態である。
【0016】
本発明は、1つまたは複数のコンピュータシステムを使用して実行される。
【0017】
「コンピュータシステム」とは、プログラム可能な演算規則によってデータを処理する電子データ処理のためのシステムである。このようなシステムは、典型的には、「コンピュータ」すなわち論理演算を実行するためのプロセッサを含むユニットを含み、また、周辺機器も含む。
【0018】
コンピュータ技術では、「周辺機器」とは、コンピュータに対して接続されるとともに、コンピュータの制御のために使用される、および/または入出力デバイスとして使用される、すべてのデバイスを指す。その例は、モニタ(ディスプレイ)、プリンタ、スキャナ、マウス、キーボード、ドライブ、カメラ、マイク、スピーカ、等である。内部ポートおよび拡張カードも、また、コンピュータ技術では周辺機器である。
【0019】
現代のコンピュータシステムは、デスクトップPC、ポータブルPC、ラップトップ、ノートブック、ネットブック、タブレットPC、および、ハンドヘルドと称されるもの(例えば、スマートフォン)、へと分類されることが多く、これらすべての機器を、本発明の実行に際して利用することができる。
【0020】
コンピュータへの入力は、例えば、キーボード、マウス、マイク、ネットワーク接続、外部データメモリ、および/または同種のもの、などの入力手段を介して実現される。「入力」とは、また、仮想メニューまたは仮想リストからのエントリの選択、あるいはチェックボックスおよび同種のものをクリックすること、を意味するものとしても理解される。出力は、通常、画面(モニタ)を介して、プリンタ上において、ラウドスピーカを介して、および/または、データメモリ上への保存によって、実現される。
【0021】
本発明によるデバイスは、そのようなコンピュータシステムの形態で実行することができる。加えて、本発明によるシステムは、この種の2つ以上のコンピュータシステムを含んでもよい。
【0022】
本発明は、好ましくは収穫時に、作物のうちの、人間および動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における作物保護製品の残留量を予測するように機能する。
【0023】
予測は、特定の作物に関して行われる。「作物」という用語は、人間の介入によって有用な植物として具体的に栽培されている植物を意味するものとして理解される。栽培されている作物の一部は、人間および/または動物による消費に適している。好ましい実施形態では、作物は、果実植物または野菜植物である。
【0024】
予測は、作物、作物保護製品、および栽培条件を、(さらに)指定する情報に基づいて、行われる。これらの情報は、また、本明細書では「入力情報」とも称される。「入力情報」という用語は、ここでは、この情報のすべてがユーザによって本発明によるコンピュータシステム内へと入力されることを意味するものとして理解してはならない。むしろ、入力情報の一部は、また、本発明によるコンピュータシステムによって(入力された情報に基づいて)確認されることもあり得る(以下において詳細に説明するように)。この点において、「入力」という用語の本質は、入力情報が作物保護製品の残留量の計算において入力として含まれていることを超えている。
【0025】
また、本明細書では、「指定する」という用語が使用される。物品が「指定」される態様によれば、「指定する」という用語は、「入力する」、「確認する」、「選択する」、「事前に選択する」、「計算する」、および/または「導出する」、という意味合いを有することができる。
【0026】
第1ステップでは、作物が指定される。これは、好ましくは、ユーザが、コンピュータシステム内へと、作物名または作物の品種名または作物/作物品種のコード(例えば、国際栽培植物命名規約、略してICNCP、に従ったコード)を入力することにより、あるいは、リストまたはメニューの中から作物に関連した対応情報を選択することにより、あるいは、作物の絵図(例えば、写真またはグラフィック)から作物を選択することにより、実現される。
【0027】
また、作物に対して、あるいは、作物が内部に存在する容器に対して、あるいは、作物が内部で栽培されているベッドに対して、あるいは、作物が掲載されているカタログに対して、あるいは、作物のためのパッケージに対して、あるいは、作物栽培用種子のためのパッケージに対して、作物に関連した情報を提供する機械可読コードが提供されることも考えられる。そのような場合、作物の仕様は、機械可読コードを適切な読取デバイスで読み取ることと、読取デバイスによって読み取られた作物に関連した情報を、本発明によるコンピュータシステムに対して送信することと、を含んでもよい。そのような機械可読コードは、例えば、光電子的に読み取り可能なコード(例えば、バーコード、2次元コード(例えば、DataMatrixまたはQRコード))、あるいは、半導体メモリ内に電子的に格納されたコード(例えば、RFIDチップ)、であってもよい。
【0028】
また、本発明によるコンピュータプログラム製品が、単一の作物のみを対象としていること、すなわち、単一の作物または作物の品種に関してのみ作物保護製品の残留量を計算/予測し得ること、も考えられる。そのような場合、「作物を指定する」ステップは、ユーザが対応するコンピュータプログラム製品を選択することにより、コンピュータプログラムが、意図された作物内における1つまたは複数の作物保護製品の残留量を計算することを含む。
【0029】
作物は、好ましくは、以下のリストから、すなわち、イチゴ、トマト、キュウリ、ピーマン、ラディッシュ、コールラビ、ニンジン、セロリ、フェンネル、パースニップ、エンドウ豆、豆類、アスパラガス、ホウレンソウ、フダンソウ、アーティチョーク、ブラックサルシファイ、バターヘッドレタス、クリスプヘッドレタス、リーフレタス、エンダイブ、チコリ、ナス、カボチャ、メロン、ズッキーニ、ラムズレタス、シュガービート、ルバーブ、白キャベツ、赤キャベツ、ケール、芽キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、ラズベリー、ブラックベリー、エルダーベリー、チェリー、リンゴ、ナシ、ブドウ、プラム、から、選択される。
【0030】
更なるステップでは、作物の栽培に関連した情報(本明細書では、栽培パラメータまたは栽培条件とも称される)が指定される。
【0031】
栽培パラメータは、作物がどこでおよび/またはどのような条件下で栽培されているかを指定し得る。例えば、作物が、屋外で栽培されているのか、フィルムトンネル内で栽培されているのか(例えば、イチゴに関しては通常の慣行であるように)、温室内で栽培されているのか、あるいは同種のもの、を指定することができる。天候の影響(例えば、雨)が実質的に存在しないことにより、温室内で栽培されている植物内における残留量は、屋外で栽培されている事例と比較して、より多くなり得る。
【0032】
人工的な灌漑が行われているかどうかを指定することができ、適切であれば、灌漑量が指定されてもよい。
【0033】
特に温室が関与する場合には、ユーザは、好ましくは、例えば温度(空気、土壌)、湿度(空気、土壌)、空気中の二酸化炭素含有量、などの温室内に存在する条件を、例えば昼/夜の時間経過、最大値、最小値、平均値(例えば、算術平均(平均))、分散、累積温度、累積放射量、および/または同種のもの、などの形態で、指定することができる。
【0034】
上記の条件(温度、湿度、二酸化炭素含有量、放射線量)は、当然のことながら、屋外であるいはフィルムトンネル内で栽培されている作物に対しても、指定することができる。作物の植生期間中の気象条件は、好ましくは、記録される。ここでは、以下に関する値を、すなわち、気温、湿度、気圧、風速、降水の種類、降水量、日射量、および同種のもの、に関する値を、検出することができる。ここでは、例えば、日中の最大値および日中の平均値(例えば、算術平均)を検出することができる。気象条件は、一方では、有効成分の分解特性に影響を与える可能性があり、他方では、作物の成長特性を決定する可能性がある。
【0035】
作物が栽培されている圃場の地理的位置が、好ましくは、指定される。圃場の地理的位置を使用して、例えばデータベースから、栽培期間中に存在した(現在の値)または典型的に存在する(過去の平均値)上記の条件に関する値を読み出すことができる。
【0036】
「圃場」という用語は、農業栽培下にある地表の空間的に区画可能な地域を意味するものとして理解され、そのような圃場には、栄養分が供給されて収穫される作物が植えられる。
【0037】
圃場に関する地理的な位置の指定は、例えば、圃場が位置している国を指定することを含んでもよい。また、圃場が位置している地域が指定されることも考えられる。そのような地域は、例えば、隣接する地域の気候とは異なる所定の気候を有した地域であってもよい。地域は、特定の作物に関する栽培エリアであってもよい(栽培エリアの定義については、例えば、Journal fuer Kulturpflanzen, 61 (7), p. 247-253, 2009, ISSN 0027-7479を参照されたい)。地域は、生物群系であってもよい(同等のドイツ語の用語であるBoden-Klima-Raumの定義については、例えば、Nachrichtenbl. Deut. Pflanzenschutzd., 59(7), p.155-161, 2007, ISSN 0027-7479を参照されたい)。
【0038】
圃場の地理的位置の指定は、また、圃場の内部に位置したあるいは圃場のエッジに位置した少なくとも1つのポイントに関する地理的座標(地理座標)を与えることを、含んでもよい。多くの圃場は、多角形の形状を有している。そのような圃場の場合には、指定は、多角形の頂点の地理座標を与えることを含んでもよい。圃場の地理的な位置の指定に関し、ユーザが、指または入力デバイス(例えば、マウス)によって、本発明によるコンピュータシステムのディスプレイ上における仮想マップ上に、圃場の境界を描くことが考えられる。
【0039】
1つまたは複数の作物の栽培に関連した情報(例えば、典型的な成長条件)が、既にデータ媒体上に記録されていることが考えられる。本発明によるデバイスまたは本発明によるシステムが、作物の指定後に、データ媒体から作物の慣習的な成長条件を読み出すとともに、読み出した値を、残留量の更なる計算の基礎として使用することが考えられる。また、成長条件が、位置を指定することにより設定されることも考えられ、所定の国または地域に関しては、データ媒体上に慣習的な成長条件を保存し得るとともに、それを、更なる計算の基礎とすることができる。また、本発明によるコンピュータプログラム製品が、所定の成長条件下で栽培される単一の作物のみを意図していることも考えられる。そのような場合、「成長条件を指定する」ステップは、ユーザが、対応するコンピュータプログラム製品を選択することを含む。
【0040】
次なるステップでは、指定された作物の成長過程で使用されるすなわち散布される少なくとも1つの作物保護製品が、指定される。
【0041】
「作物保護製品」という用語は、植物または植物製品を有害生物から保護したり、有害生物の影響を防止したり、不要な植物またはその一部を破壊したり、植物の不要な成長を抑制したり、そのような成長を防止したり、および/または、何らかの他の態様で栄養素としての植物の生命過程に影響を与えたり(例えば、成長調整剤)、するように機能する製品を意味するものとして理解される。成長調整剤は、例えば、稈長を短くすることで穀類の安定性を高めたり(稈短化剤、より良好には、節間短化剤)、苗の根の発達を改良したり、園芸において発育を阻害することで植物の高さを低くしたり、あるいは、ジャガイモの発芽を防止したり、するように機能する。成長調整剤は、典型的には、植物ホルモンまたはそれらの合成類似体である。更なる作物保護製品の例は、除草剤、殺菌剤、および、他の農薬(例えば、殺虫剤、殺線虫剤、軟体動物駆除剤、および同種のもの)である。
【0042】
作物保護製品は、典型的には、1つまたは複数の有効成分を含んでいる。「有効成分」とは、生物内で特定の効果を有するとともに特定の反応を引き起こす物質を指す。有効成分は、合成的に調製された(化学的)有効成分であっても、あるいは、生物から得られた(生物的)有効成分であっても、よい。また、組合せも考えられる。作物保護製品は、典型的には、1つまたは複数の有効成分を希釈するための担体を含んでいる。加えて、防腐剤、緩衝剤、染料、および同種のもの、などの添加剤も考えられる。作物保護製品は、固体の形態であっても、液体の形態であっても、あるいは、気体の形態であっても、よい。
【0043】
「有害生物」とは、作物の成長過程で出現し得るとともに、作物を損傷させたり、作物の収穫に悪影響を与えたり、あるいは、作物と天然資源を奪い合ったり、する生物を意味するものとして理解される。そのような有害生物の例は、広葉雑草、雑草、動物の害虫、例えばカブトムシや毛虫やミミズ、真菌、および、病原体(例えば、細菌およびウイルス)、である。ウイルスは、生物学的な観点からは生物ではないが、それにもかかわらず、本明細書における「有害生物」という用語によってカバーされるものとする。
【0044】
「広葉雑草」(複数形:広葉雑草)という用語は、作物や草地やまたは庭園に自然に付随する植生であって、そこで特に栽培されているわけではなく、例えば土壌の潜在的な種子から発育したり風によって運ばれてきたりする植生を意味するものとして理解される。この用語は、実際の意味での広葉植物に限定されるものではなく、草、シダ、コケ、または、木本植物も含んでいる。作物保護の分野では、「雑草」(複数形:雑草)という用語も、また、広葉植物との区別を示すために、頻繁に使用される。本明細書では、特定の広葉雑草または雑草を参照しない限り、「広葉雑草」という用語は、雑草を含む包括的な用語として使用される。
【0045】
「制御」という用語は、1つまたは複数の有害生物による圃場/作物またはその一部への侵入の防止、および/または、1つまたは複数の有害生物の拡散の防止、および/または、存在する有害生物の量の低減、を意味するものとして理解される。
【0046】
作物保護製品の仕様は、2つの理由で重要である、すなわち、第1に、作物の仕様は、また、本発明に従って残留量が予測される物質を指定する。残留量が予測される物質は、典型的には、作物保護製品の有効成分、および/または、生物に対して(同様に)生物学的効果を及ぼす有効成分の分解生成物、である。第2に、分解特性(よって、残留量も)は、有効成分の化学構造と、適切であれば作物保護製品内におけるその配合と、によって、決定的な程度に決定される。多くの有効成分について、分解特性の利用可能なモデルが存在する(例えば、Environ. Sci. Technol. 2019, 53, 5838-5847と、Soulas, G. & Lagacherie, B. Biol Fertil Soils (2001) 33: 551、https://doi.org/10.1007/s003740100363と、Beulke, S. & Brown, C.D. Biol Fertil Soils (2001) 33: 558、https://doi.org/10.1007/s003740100364と、Pagel, Holge, et al., Biogeochemistry, vol. 117, 2014, pp. 185-204、www.jstor.org/stable/24716853と、https://www.epa.gov/pesticide-science-and-assessing-pesticide-risks/guidance-calculate-representative-half-life-valuesと、を参照されたい)。多くの場合、指数的関数的な劣化が存在し、これは、展開された有効成分の量が、時間とともに指数関数的に減少することを意味する。加えて、有効成分の物理化学的特性は、有効成分が植物の流通経路を経由して食用成分内へと輸送される程度を決定する。
【0047】
作物保護製品は、例えば、作物保護製品の製品名に基づいて、あるいは、作物保護製品内に存在する有効成分に関する別の名称または化学式に基づいて、指定することができる。
【0048】
また、作物保護製品が、名称および/または絵図による表現(例えば、製品の写真)を使用したリストから選択されることも考えられる。
【0049】
また、作物保護製品の包装が、作物保護製品に関連した情報を提供する機械可読コードであるとともに適切な読取デバイスによって読み取られ得る機械可読コード、を含むことも考えられる。機械可読コードは、既に上述したように、光電子的に読み取り可能なコード、および/または、半導体メモリに電子的に格納されたコード(例えば、RFIDタグ)、であってもよい。
【0050】
同時にまたは異なる時間に散布される/散布が予定されている複数の作物保護製品が、指定されることが考えられる。
【0051】
また、本発明によるコンピュータプログラム製品が、単一の作物保護製品のみを意図している、すなわち、特定の作物保護製品の残留量に関してのみ計算/予測し得ることも考えられる。そのような場合、「作物保護製品を指定する」ステップは、コンピュータプログラムが意図している作物内におけるその作物保護製品の残留量を計算するために、ユーザが、対応するコンピュータプログラム製品を選択することを含む。
【0052】
好ましくは、本発明によるデバイスおよび本発明によるシステムは、栽培されている作物に関連した情報に基づいて、および/または、圃場の地理的位置に関連した情報に基づいて、および/または、栽培条件に基づいて、少なくとも1つの作物保護製品に関して事前選択を行うように、構成されている。作物保護製品に関連した「事前選択」という用語は、デバイス/システムが、作物保護製品のリストから、指定された作物に関して典型的に使用される作物保護製品を、および/または、指定された作物の場合に発生し得る有害生物の制御に際して典型的に使用される作物保護製品を、および/または、指定された圃場の地理的位置にまたは温室内に存在する条件下で出現し得る有害生物に対して有効な作物保護製品を、選択するとともにユーザに対して表示することを意味する。その場合、ユーザは、事前選択された作物保護製品の中から、残留量の計算を行うべきものを1つ(または複数)選択することができる。また、事前選択が、単一の適切な作物保護製品を見出すことも考えられ、それをユーザに対して表示することができる。
【0053】
圃場に関して指定された地理的位置に応じて、事前選択される作物保護製品のリストが相違してもよい。本発明によるデバイスおよび本発明によるシステムは、好ましくは、それぞれ対応する圃場が位置している国において展開することが公的に承認されている作物保護製品のみを事前選択して表示するように、構成される。公的な承認に関連した対応する情報は、1つまたは複数のデータベース内に格納されてもよい。
【0054】
更なるステップでは、作物保護製品の散布は、好ましくは、散布パラメータを使用して(詳細に)指定される。散布パラメータは、処理のタイプ、散布の割合、および、作物保護製品が指定された量で散布される(散布が予定されている)少なくとも1つの時点または少なくとも1つの期間、を含む。作物の植生期間において処理が早期に実行されるほど、残留量は、典型的には、少なくなる。
【0055】
ここでは、作物保護製品が、植生期間にわたって、繰り返し的に(異なる時点で、あるいは、異なる期間に)散布されることが考えられる。複数回にわたって散布する場合、散布回数と、散布どうしの間の時間間隔と、を指定することができる。複数回にわたって散布する場合には、散布の割合は、同じでも、あるいは、異なっても、よい。また、処理の性質、および/または、使用する作物保護製品は、それぞれの事例で相違してもよい。主要な重要性を有する要因は、作物保護製品の最後の散布から収穫までの期間であり、一般に、作物保護製品の残留量は、時間の経過とともに分解される、すなわち、散布時点からの時間が長いほど、残留量は少なくなる。
【0056】
処理のタイプの指定では、例えば、処理が、種子のものであるか、あるいは所定の発達ステージの植物のものであるかを、規定することができる。収穫された材料に対して直接的に処理することは、通常、例えば、播種前における種子に対する処理と比較して、より多量の残留量をもたらす。加えて、植物のどの部分が処理されるか(例えば、葉、果実、および/または根)、あるいは、土壌処理が行われるかどうかを、規定することができる。
【0057】
「散布の割合」とは、有害生物の制御に必要な作物保護製品の量であり、典型的には、単位面積あたり(圃場への展開時)、単位空間あたり(例えば、温室内)、あるいは、種子の単位量あたり(例えば、種子ドレッシングの場合)、で報告される。量は、重量(例えば、kg)の形態で、あるいは、体積(例えば、l)の形態で、報告することができる。量は、作物保護製品の合計量に基づくものであっても、あるいは、作物保護製品内に存在する有効成分に基づくものであっても、よい。また、領域に展開される有効成分の量が多いほど、収穫された材料内における/そのような材料上における残留量が多くなる傾向がある。
【0058】
作物保護製品の希釈のために水が使用される場合には、また、使用される水の量を指定することもできる。
【0059】
散布パラメータは、本発明によるデバイスまたは本発明によるシステム内へと、ユーザが入力することができる。加えて、散布パラメータは、作物に関して、圃場の地理的位置に関して、成長条件に関して、および/または作物保護製品に関して、既に入力された情報を使用して、本発明によるデバイスまたは本発明によるシステムによって、全体的または部分的に確認され得る。
【0060】
例えば、作物保護製品に関して、作物保護製品の製造業者または販売業者によって、作物保護製品を、いつどのくらいの量で散布すべきかについての情報が提供されていることが考えられる。この情報は、本発明によるデバイス/本発明によるシステムがアクセスし得る内部データ媒体または外部データ媒体内に格納されてもよい。よって、デバイス/システムは、作物保護製品を、いつどのような量で散布すべきかについて利用可能な情報に基づいて、提案を生成するように構成されてもよい。
【0061】
作物保護製品が散布される時点/期間は、例えば、(また)作物の発達ステージによって案内されてもよい。植物の発達ステージは、例えば、BBCHコードと称されるものの形態で規定されてもよい。公式には、BBCHという略語は、Biologische Bundesanstalt, Bundessortenamt and CHemische Industrie[ドイツ連邦農林生物学研究所、ドイツ連邦植物品種庁、化学工業]を表している。単子葉植物および双子葉植物の成長の生物季節的ステージを統一的にコード化するための拡張BBCHスケールは、ドイツ連邦農林生物学研究所(BBA)、ドイツ連邦植物品種庁(BSA)、農業産業協会(IVA)[農薬産業協会]、および、エアフルトのグロスベーレン所在の野菜観賞用作物研究所、が共同で開発したものである。ユーザが、デバイス/システム内へと、栽培している作物に関する(拡張)BBCHコードを入力することが考えられる。加えて、デバイス/システムがBBCHコード自体を計算するように構成されていることが考えられる。例えば、ユーザが、デバイス/システム内へと、作物の植え付け時点/播種時点を入力し、デバイス/システムが、植え付け時点/播種時点を使用してBBCHコードを計算することが考えられる。
【0062】
本発明によるデバイス/システムが、植物成長モデルを使用して、作物の成長ステージを計算するように構成されることが考えられる。そのような植物成長モデルは、例えば、内在的(遺伝的)要因および外在的(環境的)要因に依存する植物成長を記述する数学的モデルであってもよい。植物成長モデルの作成に関する概要は、例えば、以下の書籍に記載されている、すなわち、i)「Mathematische Modellbildung und Simulation」[数学的モデルの形成およびシミュレーション] by Marco Guenther and Kai Velten, published by Wiley-VCH Verlag in October 2014 (ISBN: 978-3-527-41217-4)、および、ii)「Working with Dynamic Crop Models」 by Daniel Wallach, David Makowski, James W. Jones and Francois Brun, published in 2014 in Academic Press (Elsevier), USA、に記載されている。
【0063】
植物成長モデルは、多数の作物について存在する。植物成長モデルは、典型的には、規定された期間における作物の成長をシミュレートする。また、植物の個々の器官におけるエネルギおよび物質の流れをシミュレートする単一の植物に基づくモデルを使用することも考えられる。混合モデルを、追加的に使用可能である。
【0064】
作物の成長は、植物の遺伝的特徴によってだけでなく、主に、植物の寿命にわたって存在する局所的な気象条件(入射太陽放射の量およびスペクトル分布、温度プロファイル、降水量、風の入力)、土壌の状態、および栄養供給、によっても、決定される。
【0065】
既に(過去に)実施された栽培手段、および、発生した有害生物の侵入も、また、作物の成長に影響を与え得るものであり、成長モデルにおいて考慮することができる。
【0066】
植物成長モデルは、一般に、動的プロセスベースモデルと称されるものである(「Working with Dynamic Crop Models」 by Daniel Wallach, David Makowski, James W. Jones and Francois Brun, published in 2014 in Academic Press (Elsevier), USAを参照されたい)けれども、また、全体的にまたは部分的に、ルールベース、または統計的、またはデータアシスト/経験的、でもあり得る。モデルは、一般に、ポイントモデルと称されるものである。ここでのモデルは、一般に、出力が入力の3次元表現を反映するように較正される。入力が、空間内のあるポイントで確認された場合には、あるいは、入力が、空間のあるポイントに関して補間または推定された場合には、一般に、モデルの出力は、隣接する圃場全体に適用可能であると想定される。圃場レベルに対して較正されたいわゆるポイントモデルを、更なる一般的なより大きなスケールへと散布することが、公知である(例えば、H. Hoffmann et al.: Impact of spatial soil and climate input data aggregation on regional yield simulations. PLoS ONE 11(4): e0151782. doi:10.1371/journal.pone.0151782を参照されたい)。このいわゆるポイントモデルを圃場内の複数のポイントに散布することで、ここでの部分的に領域を特定したモデリングが可能となる。しかしながら、ここでは、例えば地下水収支などの、空間依存性が無視されている。しかしながら、空間/時間に明示的なモデリングを行うシステムも、また、存在する。これらは、空間依存性を考慮する。
【0067】
動的な、プロセスベースの植物成長モデルの例は、とりわけ、Apsim、Lintul、Epic、Hermes、Monica、STICS、である。モデルの比較、および、モデルに関連した対応する文献は、例えば、以下の刊行物に、すなわち、H. Hoffmann et al.: Impact of spatial soil and climate input data aggregation on regional yield simulations. PLoS ONE 11(4): e0151782. doi:10.1371/journal.pone.0151782に、および、この刊行物内で引用された文献に、見出すことができる。
【0068】
植物成長のモデリングは、以下のパラメータを、すなわち、
(a)天候:とりわけ、毎日の降水量の合計、放射線量の合計、毎日の最低気温および最高気温、地面に近い温度、土壌温度、風速と、
(b)土壌:とりわけ、土壌のタイプ、土壌のテクスチャ、土壌の特性、圃場容量、永久湿潤点、有機炭素、無機窒素含有量、宿主密度、van Genuchtenパラメータと、
(c)作物:とりわけ、種、品種、種固有のパラメータ、例えば特定の葉面積指数、温度の合計値、最大根の深さと、
(d)栽培手段:とりわけ、種子、播種日、播種密度、播種深さ、肥料、肥料の量、施肥日の回数、施肥日、土壌改良、収穫残留量、輪作、前年の同一作物の圃場からの距離、灌漑と、
を含んでもよい。
【0069】
植物成長モデルを使用して、また、任意の時点で存在するバイオマスの量を、および/または、葉面積のサイズを、および/または、果実の量(果実質量)を、および/または、存在する新芽の数を、および/または同種のものを、計算することもできる。バイオマス量が多い植物および/または葉面積が大きい植物は、バイオマス量が少ない植物および/または葉面積が小さい植物と比較して、多量の作物保護製品を必要とすることが考えられる。作物保護製品の散布時に存在するバイオマスの量が、特に果実の形態でのバイオマスの量が、残留量に影響を与えることが考えられる。したがって、本発明の好ましい実施形態では、栽培されている作物に関しての、任意の時点で(特に、作物保護製品の散布時点で)存在するバイオマスの量が、残留量の計算内に含まれる。
【0070】
また、リモートセンシングデータを使用して、存在するバイオマスの量を確認および/または予測することもできる、ならびに/もしくは、植物の成長モデルを最適化することもできる。「リモートセンシングデータ」とは、例えば人工衛星によって、地表から遠隔的に得られたデジタル情報である。また、リモートセンシングデータを記録するために、航空機(無人機(ドローン)または有人機)を使用することも考えられる。リモートセンサは、地表の地域に関するデジタル画像を生成し、そこに存在する植生および/またはそこに存在する環境条件に関する情報を、得ることができる(例えば、M. S. Moran et al.: Opportunities and Limitations for Image-Based Remote Sensing in Precision Crop Management, Remote Sensing of Environment (1997) 61: 319-346を参照されたい)。これらセンサからのデータは、プロバイダによって利用可能とされたインターフェースを介して供給され、様々な処理ステージにある光学的なおよび電磁的な(例えば、合成開口レーダSAR)データセットを含んでもよい。
【0071】
また、作物の成長ステージをおよび/または利用可能なバイオマスを決定するために、圃場内でセンサを使用することもできる。センサは、圃場内において静止した位置にあってもよいけれども、また、圃場内を移動する農業機械および/またはロボットに対して適切なセンサを装備することも考えられる。
【0072】
作物保護製品が散布される時点/期間は、有害生物の発生および/または拡散のステージによって案内されてもよい。有害生物の発生および/または拡散については、予測モデルも、また、利用可能である(例えば、国際公開第2017/222722(A1)号パンフレット、国際公開第2018/058821(A1)号パンフレット、米国特許出願公開第20020016676号明細書、米国特許出願公開第20180018414(A1)号明細書、国際公開第2018/099220(A1)号パンフレット、を参照されたい)。このようなモデルを使用することにより、有害生物が作物内へと侵入するリスクが高い時点を予測することができる。作物保護製品による有害生物の制御は、好ましくは、侵入に関して(計算された)リスクが特に大きい(例えば、所定のしきい値を超えた)時に行われる。有害生物の侵入を予測するためのモデルは、また、典型的には、気象データおよび過去のデータも使用する。
【0073】
本発明によるデバイスおよび本発明によるシステムは、利用可能な情報(入力情報、入力情報から導出された情報、ならびに/もしくは、入力情報を使用して1つまたは複数のデータ媒体から読み出された情報)に基づいて、好ましくは収穫時に、作物またはその一部内におけるならびに/もしくは作物またはその一部上における作物保護製品の少なくとも1つの残留量を計算するように、構成される。収穫後に(例えば、貯蔵中に、洗浄および/または同種のものの結果として)残留量がなおも大幅に減少している場合には、残留量を、収穫時とは異なる時点に関して、および/または、特定の処理(例えば、洗浄、電磁放射に対しての曝露、熱処理または低温処理、ならびに/もしくは、同種のもの)後の状態に関して、計算することが(計算することも)できる。
【0074】
少なくとも1つの残留量は、例えば、作物の一部内における作物保護製品の分布に関連して、および作物保護製品の分解に関連して、経験的に確認されたデータに基づいて計算することができる。
【0075】
特に好ましい実施形態では、作物保護製品に関する少なくとも1つの残留量は、経験的データに基づいて、回帰モデルを使用して、計算される。回帰モデルは、入力情報(例えば、圃場の地理的位置、作物、作物保護製品、および散布パラメータ)と、少なくとも1つの出力値(好ましくは収穫時点での、作物保護製品の残留量)と、の間の相関関係を記述する。
【0076】
回帰モデルは、機械学習によって作成することができる。監視された学習によってそのようなモデルを作成することが優先される。これには、入力データに基づいて少なくとも1つの出力データに関する予測を行うように回帰モデルを訓練することが含まれる。モデルの訓練および検証は、経験的データを使用して行うことができる。これは、多数の作物、成長条件、作物保護製品、および散布条件に関して、例えば収穫時に生じる作物保護製品の残留量について経験的な決定が行われることを意味する。次に、これら経験的に得られたデータを使用することにより、対応する回帰モデルを作成することができる。
【0077】
このような経験的データの研究では、多数の作物および作物保護製品に関して、少数の入力情報を使用して作物保護製品の残留量を予測し得ることが判明した。これには、(例えば回帰モデルのための、入力情報として)少なくとも以下の情報が、すなわち、作物、成長条件または成長条件と相関するパラメータ、作物保護製品、作物保護製品の散布割合、ならびに、作物保護製品の散布から収穫時点までの期間が、必要である。成長条件と相関するパラメータの一例は、散布時に存在するバイオマスの量であり、これは、上述したように、センサによって経験的に確認することができる、および/または、植物成長モデルを使用した計算によって計算することができる、および/または、ユーザによって指定することができる(例えば、検査後に)。特に好ましい実施形態では、残留量は、以下の情報に基づいて(これは、また、対応する回帰モデルの訓練にも使用される)、すなわち、栽培されている作物、ならびに/もしくは、作物が栽培されている地域、もしくは、作物保護製品の散布時点において栽培されている作物内に存在するバイオマス量および/または果実質量(あるいは、相関するパラメータ、例えば、植物または果実の直径)、使用されたまたは使用が予定されている作物保護製品、使用されたまたは使用が予定されている作物保護製品の散布割合、ならびに、散布時点から収穫時点までの期間の長さ、に基づいて、予測される。上記の入力情報だけでなく、成長時の気象条件に関連した以下の更なる入力情報の1つまたは複数が計算に含まれると、すなわち、日射量(例えば、日照時間の形態で)、湿度、および/または温度、の1つまたは複数が計算に含まれると、特に有利である。
【0078】
回帰モデルの作成に関する詳細は、従来技術に記載されている(例えば、Norman Matloff: Statistical Regression and Classification - From Linear Models to Machine Learning, Texts in Statistical Science, CRC Press 2017, ISBN 978-1-4987-1091-6、および、Pratap Dangeti, Statistics for Machine Learning, Packt Publishing 2017, ISBN 978-1-78829-575-8、を参照されたい)。
【0079】
回帰モデルは、好ましくは、非線形回帰モデルである(例えば、Christian Ritz, Jens Carl Streibig: Nonlinear Regression with R, Springer Science & Business Media, 2008, ISBN 9780387096162、R. Russell Rhinehart: Nonlinear Regression Modeling for Engineering Applications: Modeling, Model Validation, and Enabling Design of Experiments, Wiley-ASME Press Series, John Wiley & Sons, 2016, ISBN 9781118597965、および、Hossein Riazoshams et al.: Robust Nonlinear Regression: with Applications using R, John Wiley & Sons, 2018, ISBN 9781118738061、を参照されたい)。
【0080】
好ましい実施形態では、残留量は、以下の入力情報に基づいて、すなわち、
-栽培されている作物と、
-使用された作物保護製品と、
-作物保護製品の散布回数および散布量と、
-最後の散布から収穫時点までの期間と、
-各散布日の平均気温および/または土壌温度と、
-各散布日の平均空気湿度と、
-各散布日の累積放射エネルギ(日射または人工照明)と、
-各散布日における栽培作物の平均直径および/または平均高さと、
に基づいて、非線形回帰モデルを使用して計算される。
【0081】
確認された残留量は、ユーザに対して出力することができる。出力は、例えば、本発明によるデバイス/システムの、モニタ(画面)および/またはプリンタ上における、テキストおよび/または数字および/またはグラフィックスの形態をとる。
【0082】
好ましい実施形態では、確認された残留量は、最大量と比較される、あるいは、複数の最大量と比較される。少なくとも1つの最大量は、例えば、作物内における、それぞれ対応する作物保護製品の残留量に関しての、法的に承認された上限値である。
【0083】
少なくとも1つの最大量は、また、作物内における、それぞれ対応する作物保護製品の残留量に関しての、取引業者が要求する上限値であってもよい。本発明の文脈における「取引業者」とは、生産者から作物または作物の一部を購入するとともに、それらを(例えば、最終顧客(消費者)に対して)販売する自然人または法人である。
【0084】
少なくとも1つの最大量は、また、ユーザによって規定された量であってもよい。
【0085】
少なくとも1つの最大量は、本発明によるデバイスおよび本発明によるシステムによってアクセス可能な1つまたは複数のデータ媒体内に格納されてもよい。
【0086】
好ましい実施形態では、確認された残留量が1つまたは複数の最大量を上回っている程度または下回っている程度が、ユーザに対して表示される。ユーザが、国または地域を指定し、確認された残留量が、その指定された国または地域で承認された上限値を上回っているかまたは下回っているかが、ならびに/もしくは、その上回っているまたは下回っている程度が、ユーザに対して表示されることが考えられる。ユーザが、複数の国/地域を指定し得ることも考えられる。ユーザが、取引業者を指定し、確認された残留量が、その指定された取引業者によって承認された上限値を上回っているかまたは下回っているかが、ならびに/もしくは、その上回っているまたは下回っている程度が、ユーザに対して表示されることが考えられる。ユーザが、複数の取引業者を指定し得ることも考えられる。
【0087】
好ましい実施形態では、確認された作物保護製品の残留量は、パーセント図の形態で、および/または、パーセント図のグラフ表示の形態で、報告され、パーセント図は、計算された最大残留量の割合を示す、好ましくは法的にまたは公的に許可された最大残留量の割合を示す、ならびに/もしくは、取引業者によって規定された最大残留量の割合を示す。好ましい実施形態では、ユーザは、1つまたは複数の国/地域を選択することができ、その国/地域で規定されている最大残留量に対しての、計算された残留量のサイズが表示される。好ましい実施形態では、ユーザは、1つまたは複数の取引業者を選択することができ、取引業者によって規定されている最大残留量に対しての、計算された残留量のサイズが表示される。
【0088】
好ましい実施形態では、計算された残留量は、公的機関によって規定された最大残留量制限値/レベル(MRL)に基づいている。最大残留量制限値とは、最大の許容可能な残留濃度のことである。EUでは、例えば、欧州医薬品庁(EMA)が、最大残留量レベルを推奨する責任を負っており、その推奨の下で、欧州委員会によって食品安全のための法的に有効な基準とされる。
【0089】
最大残留量レベルは、通常、適正農業規範(GAP)に従って収穫物が処理され、適切な収穫前間隔または適切な期間が経過したフィールド試験を(10の大きさのオーダーで)繰り返すことによって確認される。多くの農薬では、残留量の上限値は、検出限界(LOD)である。LODではなく、定量限界(LOQ)が、頻繁に使用される。経験則では、LOQ値は、LOD値の約2倍である。EU規格のいずれの付属書にも含まれていない物質に関しては、通常適用される標準的な最大残留量レベルは、0.01mg/kgである(例えば、https://ec.europa.eu/food/plant/pesticides/max_residue_levels_enを参照されたい)。MRL値の代わりにあるいはMRL値と同様に、計算された残留量は、また、例えばARfDおよび/またはADIおよび/またはTDIなどの、他の慣習的なパラメータに関連して表現することもできる。急性参照用量(ARfD)とは、健康への重大なリスクなしに、消費者が短期間で通常は食事中にまたは1日で摂取し得る食品内のまたは飲料水内の物質量の推定値である。一日摂取許容量(ADI)とは、生涯にわたって毎日摂取した場合に医学的に問題がないと考えられる物質の用量を指す。不要な不純物の場合には、これは、耐容一日摂取量(TDI)と称される。
【0090】
好ましい実施形態では、本発明によるデバイス/システムは、所定の時点であるいは所定の事象が発生した場合に、残留量の計算が、栽培条件の変化を考慮して、および/または作物保護製品の変化を考慮して、および/または散布パラメータの変化を考慮して、更新されるように構成される。例えば、残留量の最初の計算は、作物が栽培されているそれぞれ対応する国または地域の典型的な気候に基づくものであってもよい。その後、植生期間中に、計算は、実際の気象条件に応じて調整される。同様に、計算は、実際に実施された作物保護製品の散布に基づいて、更新することができる。加えて、センサデータ(例えば、リモートセンシングデータおよび/またはフィールドデータ)に基づいて更新を行うことができ、センサデータは、例えば、作物の発達状態に関しての、および/または、予想される収穫量に関しての、情報を与えることができる。
【0091】
好ましい実施形態では、本発明によるデバイス/システムは、ユーザが、指定された作物保護製品を変更し得るように、および/または、散布パラメータを変更し得るように、その後、作物保護製品の残留量が再計算されて表示されるように、構成される。これは、ユーザが計画立案することを、可能とする。ユーザは、作物保護製品の変更がおよび/または散布パラメータの変更が残留量に対してどのように影響するかを、評価することができる。
【0092】
好ましい実施形態では、本発明によるデバイス/システムは、残留量の最適化のためのユーザ入力に応答して、残留量が最小となるように作物保護製品および/または散布パラメータを変更するように、構成される。このような最適化の場合には、ユーザがどのパラメータを可変とし、かつどのパラメータを不変とするかを決定し得る場合が、あり得る。その場合、デバイス/システムは、最小の残留量へと到達するまで可変パラメータを変更し、そして、変更されたパラメータと、計算された(最小の)残留量と、をユーザに対して出力する。数学的最適化の方法は、このトピックに関する多数の教科書に見出すことができる(例えば、Peter Gritzmann: Grundlagen der Mathematischen Optimierung[数学的最適化の基礎]、Springer Spektrum 2013, ISBN: 978-3-528-07290-2を参照されたい)。
【0093】
本発明の更なる好ましい実施形態は、以下である。
1.方法であって、
-作物を指定するステップと、
-作物の栽培のための栽培パラメータを指定するステップと、
-作物保護製品を指定するステップと、
-作物保護製品の散布のための散布パラメータを指定するステップと、
-収穫時に、作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における作物保護製品の残留量を計算するステップと、
-ユーザに対して残留量を表示するステップと、
を含む方法。
【0094】
2.
-指定された作物またはその一部内における指定された作物保護製品の最大残留量を確認するステップと、
-計算された残留量を、確認された最大量と比較するステップと、
-計算された残留量が最大量を上回っている程度を、ユーザに対して表示するステップと、
をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0095】
3.最大量は、指定された作物またはその一部内における指定された作物保護製品の残留量に関しての、国または地域において公的に承認されている上限値である、実施形態2に記載の方法。
【0096】
4.最大量は、指定された作物保護製品またはその一部における残留量に関しての、作物保護製品に関して取引業者が規定した上限値である、実施形態2に記載の方法。
【0097】
5.
-計算された残留量が、指定された作物またはその一部内における残留量に関して法的に承認されたいかなる上限値をも超えない国/地域を表示するステップ、および/または、
-計算された残留量が、指定された作物またはその一部内における残留量に関して規定されたいかなる上限値をも超えない取引業者を表示するステップ、
をさらに含む、実施形態1~4のいずれかに記載の方法。
【0098】
6.作物が、栽培されている作物の品種を規定することによって指定され、栽培パラメータが、作物が栽培されている国または地域を規定することによって指定され、散布パラメータが、散布される(散布が予定されている)作物保護製品の散布割合を規定することによって、および、散布時点から収穫時点までの期間の長さを規定することによって指定される、実施形態1~5のいずれかに記載の方法。
【0099】
7.作物保護製品の残留量は、少なくとも以下の入力情報を使用して、すなわち、少なくとも、
-栽培されている作物と、
-作物が栽培されている国または地域と、
-使用されたまたは使用が予定されている作物保護製品と、
-使用されたまたは使用が予定されている作物保護製品の散布の割合と、
-散布時点から収穫時点までの期間の長さと、
を使用して計算される、実施形態1~6のいずれかに記載の方法。
【0100】
8.作物保護製品の残留量は、少なくとも以下の入力情報を使用して、すなわち、少なくとも、
-栽培されている作物と、
-使用されたまたは使用が予定されている作物保護製品と、
-使用されたまたは使用が予定されている作物保護製品の散布の割合と、
-作物保護製品の散布時点での、栽培されている作物内に存在するバイオマス量および/または果実質量と、
-散布時点から収穫時点までの期間の長さと、
を使用して計算される、実施形態1~6のいずれかに記載の方法。
【0101】
9.作物保護製品の残留量は、回帰モデルを使用して計算される、実施形態1~8のいずれかに記載の方法。
【0102】
10.作物保護製品の残留量は、情報を使用して作物保護製品の残留量を予測するために、経験的データによって訓練された自己学習アルゴリズムを使用して計算され、情報は、
-栽培されている作物と、
-作物が栽培されている国または地域、あるいは、作物保護製品の散布時点での、栽培されている作物内に存在するバイオマス量および/または果実質量、と、
-使用されたまたは使用が予定されている作物保護製品と、
-使用されたまたは使用が予定されている作物保護製品の散布の割合と、
-散布時点から収穫時点までの期間の長さと、
を含む、実施形態1~9のいずれかに記載の方法。
【0103】
11.残留量は、公的機関および/または取引業者によって規定された最大量に対する比率として、ユーザに対して表示される、実施形態1~10のいずれかに記載の方法。
【0104】
12.
-栽培されている作物に関連した変数、および/または栽培パラメータに関連した変数、および/または作物保護製品に関連した変数、および/または散布パラメータに関する変数が、可変であるかおよび/または不変であるかを、指定するステップと、
-自動化された態様で可変変数を変化させることにより、作物保護製品の残留量が最小値へと到達する可変変数の値を確認するステップと、
-作物保護製品の残留量が最小値へと到達する可変変数の値を表示するとともに、最小値をユーザに対して表示するステップと、
をさらに含む、実施形態1~11のいずれかに記載の方法。
【0105】
13.デバイスであって、
-入力ユニットと、
-制御計算ユニットと、
-出力ユニットと、
を含み、
制御計算ユニットは、入力ユニットを起動することにより、以下の情報を受信および/または確認するように、すなわち、
-栽培されている作物と、
-作物の栽培に関連した栽培パラメータと、
-使用された(使用が予定されている)作物保護製品と、
-作物保護製品の散布に関連した散布パラメータと、
を受信および/または確認するように構成され、
制御計算ユニットは、収穫時に、作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における作物保護製品の残留量を計算するように構成され、
制御計算ユニットは、出力ユニットを起動することにより、残留量をユーザに対して出力するように構成されている、
デバイス。
【0106】
14.システムであって、
-入力ユニットと、第1制御計算ユニットと、第1送受信ユニットと、出力ユニットと、を含む第1コンピュータシステムと、
-第2制御計算ユニットと、第2送受信ユニットと、を含む第2コンピュータシステムと、
を含み、
第1制御計算ユニットは、入力ユニットを起動することにより、以下の入力情報を受信および/または確認ように、すなわち、
-栽培されている作物と、
-作物の栽培に関連した栽培パラメータと、
-使用された(使用が予定されている)作物保護製品と、
-作物保護製品の散布に関連した散布パラメータと、
を受信および/または確認ように構成され、
第1制御計算ユニットは、第1送受信ユニットを起動することにより、ネットワークを介して入力情報を第2コンピュータシステムに対して送信するように構成され、
第2制御計算ユニットは、第2送受信ユニットを起動することにより、ネットワークを介して入力情報を受信するように構成され、
第2制御計算ユニットは、入力情報に基づいて、収穫時に、作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における作物保護製品の残留量を計算するように構成され、
第2制御計算ユニットは、第2送受信ユニットを起動することにより、ネットワークを介して残留量を第1コンピュータシステムに対して送信するように構成され、
第1制御計算ユニットは、第1送受信ユニットを起動することにより、ネットワークを介して残留量を受信するように構成され、
第1制御計算ユニットは、出力ユニットを起動することにより、残留量をユーザに対して出力するように構成されている、
システム。
【0107】
15.データキャリアと、データキャリア上に格納されたプログラムコードと、を含むコンピュータプログラム製品であって、プログラムコードは、自身のメモリ内にプログラムコードがロードされたコンピュータシステムに、
-以下の入力情報を受信および/または確認するステップ、すなわち、
・栽培されている作物と、
・作物の栽培に関連した栽培パラメータと、
・使用された(使用が予定されている)作物保護製品と、
・作物保護製品の散布に関連した散布パラメータと、
を受信および/または確認するステップと、
-収穫時に、作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における作物保護製品の残留量を計算するステップと、
-残留量をユーザに対して表示するステップと、
を実行させる、コンピュータプログラム製品。
【0108】
本発明について、図面を参照して以下においてより具体的に説明するけれども、図面に図示した特徴点にも、また、それら特徴点どうしの組合せにも、本発明を限定することを望むものではない。
【0109】
図1は、例示として概略的な形態で、本発明によるデバイスの一実施形態を示している。デバイス(10)は、入力ユニット(11)と、制御計算ユニット(12)と、出力ユニット(13)と、を含む。ユーザは、入力ユニット(11)を使用することにより、入力情報および制御コマンドを、デバイス内へと入力することができる。出力ユニット(13)は、ユーザに対して情報を出力することができ、好ましくは、モニタ上に表示する。制御計算ユニット(12)は、主に、デバイス(10)の構成要素を制御することにより、入出力された情報を処理するように、そして、計算および論理演算を実行するように、機能する。
【0110】
制御計算ユニット(12)は、
-入力ユニット(11)を起動することにより、以下の情報を受信するように、すなわち、
・栽培されている作物と、
・作物の栽培に関連した栽培パラメータと、
・使用された(使用が予定されている)作物保護製品と、
・作物保護製品の散布に関連した散布パラメータと、
に関連した情報を受信するように、
-受信した情報を使用することにより、好ましくは収穫時に、作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における作物保護製品の残留量を計算するように、
-ユーザに対して残留量を出力するように出力ユニット(13)を促すように、
構成される。
【0111】
図2は、例示として概略的な形態で、本発明によるデバイスの更なる実施形態を示している。図1に関連して説明した、入力ユニット(11)、制御計算ユニット(12)、および出力ユニット(13)に加えて、デバイス(10)は、例えばネットワークを介して、データ媒体(30)に対して接続されている。データ媒体(30)には、例えば、作物(例えば、好ましい栽培条件)、作物保護製品(例えば、好ましい散布パラメータ)、国または地域の気候、国または地域の天候、国または地域における有害生物の蔓延、および同種のもの、に関連した情報を格納することができる。制御計算ユニット(12)は、データ媒体(30)上に格納された情報に対してアクセスするように、さらに、作物保護製品の残留量の計算のためにその情報を使用するように、構成されてもよい。加えて、制御計算ユニット(12)は、データ媒体(30)上に情報を格納するように構成されてもよい。データ媒体(30)が複数のデータ媒体を含むことも考えられる。
【0112】
図3は、例示として概略的な形態で、本発明によるシステムの一実施形態を示している。システム(S)は、第1コンピュータシステム(10)と、第2コンピュータシステム(20)と、を含む。第1コンピュータシステム(10)は、好ましくは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはタブレットコンピュータの形態、あるいは、スマートフォンの形態、とされる。第2コンピュータシステム(20)は、好ましくは、サーバの形態とされる。第1コンピュータシステム(10)は、ユーザによって操作される。第1コンピュータシステム(10)は、ユーザとシステム(S)との間の通信インターフェースとして機能する。第2コンピュータシステム(20)は、本発明によるデバイスの制御計算ユニットによって実行されるいくつかの機能を引き受けるように機能する。機能を第2コンピュータシステムへと移動させる理由は、以下であってもよい。
-計算には、高い計算能力が要求されるという理由であり、それら計算は、対応した計算能力を有したサーバへと転送される。
-計算は、常に、最新バージョンのモデルと最新データとに基づいて行われるべきであるという理由であり、これら最新バージョンのモデルと最新データとは、サーバによって提供される。
【0113】
典型的には、異なるユーザによって操作される多数の第1コンピュータシステムと、1つまたは複数のネットワークを介してそれら多数の第1コンピュータシステムのためにリソース(計算能力、データ、モデル)を提供する単一の第2コンピュータシステムまたは(第1コンピュータシステムの数と比較して)少数の第2コンピュータシステムと、が存在する。
【0114】
第1コンピュータシステム(10)は、入力ユニット(11)と、第1制御計算ユニット(12)と、出力ユニット(13)と、第1送受信ユニット(14)と、を含む。第2コンピュータシステム(20)は、第2制御計算ユニット(22)と、第2送受信ユニット(24)と、を含む。第1コンピュータシステム(10)および第2コンピュータシステム(20)は、第1コンピュータシステム(10)の第1送受信ユニット(14)と、第2コンピュータシステム(20)の第2送受信ユニット(24)と、の間のネットワーク(点線によって表されている)を介して、情報を交換することができる。ネットワークは、例えば、GSM規格、GPRS規格、2G規格、3G規格、LTE規格、4G規格、5G規格、あるいは別の規格に基づくものなどの、モバイルネットワークを含んでもよい。
【0115】
第1制御計算ユニット(12)は、入力ユニット(11)を介してユーザから以下の入力情報を受信するように、すなわち、
-栽培されている作物と、
-作物の栽培に関連した栽培パラメータと、
-使用された(使用が予定されている)作物保護製品と、
-作物保護製品の散布に関連した散布パラメータと、
を受信するように構成される。
【0116】
第1制御計算ユニット(12)は、第1送受信ユニット(14)を起動することにより、ネットワークを介して第2コンピュータシステム(20)に対して入力情報を送信するように、構成される。
【0117】
第2制御計算ユニット(22)は、第2送受信ユニット(24)を起動することにより、ネットワークを介して入力情報を受信するように、構成される。
【0118】
第2制御計算ユニット(22)は、入力情報に基づいて、好ましくは収穫時に、作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における作物保護製品の残留量を計算するように、構成される。
【0119】
第2制御計算ユニット(22)は、第2送受信ユニット(24)を起動することにより、ネットワークを介して第1コンピュータシステム(10)に対して残留量を送信するように、構成される。
【0120】
第1制御計算ユニット(12)は、第1送受信ユニット(14)を起動することにより、ネットワークを介して残留量を受信するように、構成される。
【0121】
第1制御計算ユニット(12)は、出力ユニット(13)を起動することにより、ユーザに対して残留量を出力するように、構成される。
【0122】
本発明によるシステム(S)は、1つのデータ媒体または複数のデータ媒体を含んでもよい。このようなデータ媒体は、作物(例えば、好ましい栽培条件)、作物保護製品(例えば、好ましい散布パラメータ)、国または地域の気候、国または地域の天候、国または地域における有害生物の蔓延、および同種のもの、に関連した情報を格納することができる。このようなデータ媒体は、第1コンピュータシステム(10)または第2コンピュータシステム(20)の構成要素、ならびに/もしくは、ネットワークを介して第1コンピュータシステム(10)および/または第2コンピュータシステム(20)に対して接続され得る別個のユニット、であってもよい。
【0123】
図4は、例示として概略的な形態で、本発明による方法の一実施形態を、フロー図流れ図の形態で示している。方法(100)は、
(110)作物を指定するステップと、
(120)作物の栽培のための栽培パラメータを指定するステップと、
(130)作物保護製品を指定するステップと、
(140)作物保護製品の散布のための散布パラメータを指定するステップと、
(150)好ましくは収穫時に、作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における作物保護製品の残留量を計算するステップと、
(160)ユーザに対して残留量を表示するステップと、
を含む。
【0124】
図5は、例示として概略的な形態で、本発明によるコンピュータプログラム製品がインストールされたコンピュータシステムによって実行されるステップを、フロー図の形態で示している。ステップ(200)は、
(210)以下の情報を受信すること、すなわち、
・栽培されている作物と、
・作物の栽培に関連した栽培パラメータと、
・使用された(使用が予定されている)作物保護製品と、
・作物保護製品の散布に関連した散布パラメータと、
を受信することと、
(220)好ましくは収穫時に、作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における作物保護製品の残留量を計算することと、
(230)ユーザに対して残留量を表示することと、
を含む。
【0125】
図6は、例示として概略的な形態で、コンピュータプログラム製品の好ましい実施形態がインストールされているコンピュータシステムによって実行されるステップを、フロー図の形態で示している。ステップ(300)は、
(310)ユーザから、以下の入力情報を受信すること、すなわち、
・栽培されている作物と、
・作物の栽培に関連した栽培パラメータと、
・使用された(使用が予定されている)作物保護製品と、
・作物保護製品の散布に関連した散布パラメータと、を受信することと、
(320)第2コンピュータシステムに対して入力情報を送信することと、
(330)第2コンピュータシステムから、好ましくは収穫時に、作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における作物保護製品の残留量を計算することと、
(340)ユーザに対して残留量を表示することと、
を含む。
【0126】
図7図20は、例示として、本発明によるデバイスまたは本発明によるシステムの画面上での、本発明によるコンピュータプログラム製品の表示を示している。
【0127】
図7は、例示として、ユーザが自分のユーザ名およびパスワードを使用してログインし得る入力マスクを示している。
【0128】
ユーザがログインした時には、ユーザは、作物が栽培されている圃場あるいは栽培が予定されている圃場を、指定するように要求され得る。図8は、本発明によるコンピュータプログラム製品における、まだどの圃場も指定されていないことを示す表示を示している(「まだどの圃場も作成されていません」)。+記号の仮想ボタンをクリックすることにより、ユーザは、新しい圃場を指定するためのプロセスを開始することができる。このプロセスは、図9図13において画像の形態で図示されている。
【0129】
図9は、新しい圃場を指定するためのプロセスに関する第1表示を示している。入力箇所(「場所を探す」)内に、地名(例えば、国、場所、および/または道路)を入力することができる。背景には、地表の詳細が、航空写真であるいは地図の形態で、表示される。地名を入力すると、その地名を含む地表の詳細が表示される。スマートフォンでの使用で知られている指の動きによって、ユーザは、詳細の移動、詳細の拡大(ズームアウト)、または、詳細の縮小(ズームイン)、を行うことができる。
【0130】
加えて、仮想ボタン(「ドロップポイント」)によって、圃場内のポイントを、あるいは圃場のエッジ上のポイントを、指定することができる。仮想ボタンの操作時には、そのようなポイントが、対象の中央に配置される。これは、図10に示されている。図10は、圃場内の最初のポイントがここでは指定されている点を除いては、図9と同じ表示を示している。
【0131】
指定されたポイントから進んで、ユーザは、次に、圃場の更なるポイントを配置(固定)することができる。ポイントどうしは、直線によって互いに結合される。これは、図11および図12に示されている。
【0132】
コンピュータプログラムは、指定された圃場に関するサイズを自動的に計算するように構成されている。図13は、指定された圃場と、圃場に関して計算されたサイズ(「0.453ヘクタール」)と、を示している。ユーザは、圃場に名前を付けることができ(「圃場名」)、本事例では、「圃場D」と名付けられている。
【0133】
図14は、本発明によるコンピュータプログラムの更なる表示を示している。「圃場A」、「圃場B」、「圃場C」、「圃場D」と名付けられた4つの圃場が設定されていることが示されている。ユーザは、作物保護製品の残留量を予測したい圃場を選択することができる。+記号の仮想ボタンは、更なる圃場を指定し得る(コンピュータプログラム内で設定され得る)ことを示している。
【0134】
図15は、本発明によるコンピュータプログラムの更なる表示を示している。コンピュータプログラムは、作物の栽培および作物保護製品の散布に関して、これまで何の情報も指定されていないことを、ユーザに対して知らせている(「作物計画がありません」)。仮想ボタン(「作物計画を作成する」)の操作により、ユーザは、対応する情報を指定するためのプロセスを開始することができる。このプロセスは、図16では、画像の形態で図示されている。
【0135】
図16は、作物に関する栽培計画を作成するための表示(「作物計画の詳細」)を示している。この表示は、一連をなす複数の入力箇所を含む。ある入力箇所では、ユーザは、それぞれの栽培計画に対して、名前(「作物計画名」)を付けることができる。本事例では、ユーザが入力した名前は、「計画A」であった。更なる入力箇所では、ユーザは、作物(「作物」)を指定することができる。本事例では、これは、リスト内への入力の選択によって達成される。本事例では、ユーザは、作物として、イチゴを選択している。更なる入力箇所では、ユーザは、作物の品種(「品種」)を指定することができる。本事例では、ユーザは、作物の品種として、フォーチュナを選択した。更なる入力箇所では、ユーザは、栽培期間の開始日(「シーズン開始日」)を指定することができる。これは、日付を入力することによって、および/または、仮想カレンダー内で日付を選択することによって、行うことができる。本事例では、ユーザは、栽培期間の開始日として、2019年8月17日を指定している。更なる入力箇所では、ユーザは、栽培期間の終了日(「シーズン終了日」)を指定することができる。これは、日付を入力することによって、および/または、仮想カレンダー内で日付を選択することによって、行うことができる。本事例では、ユーザは、栽培期間の終了日として、2020年3月30日を指定している。
【0136】
図17は、本発明によるコンピュータプログラムの更なる表示を示している。図17は、計画Aと名付けられた栽培計画を概観的に示している。この栽培計画は、フォーチュナという品種のイチゴ作物に関するものである。「圃場D」と名付けられた圃場が指定されており、この圃場で、作物が栽培されている(栽培が予定されている)。コンピュータプログラムが、作物保護製品の残留量を計算(予測)し得るようになる前に、1つまたは複数の市場と、少なくとも1つの作物保護製品に関する散布プログラム(「散布計画」)と、を指定する必要がある。それぞれの仮想ボタンを操作することにより、ユーザは、市場を指定するためのプロセス(「市場を選択する」)を、あるいは、少なくとも1つの作物保護製品に関する散布プログラムを指定するためのプロセス(「散布計画を生成する」)を、開始することができる。
【0137】
市場を指定するためのプロセスは、図18では、画像の形態で示されている。少なくとも1つの作物保護製品に関する散布プログラムを指定するためのプロセスは、図19では、画像の形態で示されている。
【0138】
「市場」という表現は、取引業者(あるいは、店舗チェーン)と国との組合せを表している。図18は、国別に並べられた市場の概要を示している(「国別の市場」)。本事例では、店舗チェーンは、3つの国に関してリストアップされている、すなわち、ドイツの場合は、店舗チェーンは、アルディ、シュワルツ-リドル、および、ロスマン、であり、ポーランドの場合は、店舗チェーンは、リドル、および、フレッシュマーケット、であり、スペインの場合は、店舗チェーンは、メルカドーナ、リドル、および、アルディ、である。ユーザは、クリックすることにより、1つまたは複数の店舗チェーンを選択することができる。本事例では、ユーザは、以下の組合せを選択した、すなわち、ドイツ:アルディ、ドイツ:シュワルツ-リドル、ポーランド:フレッシュマーケット、スペイン:メルカドーナ、を選択した。仮想ボタンを操作することにより、ユーザは、更なる市場を作成することができる(「カスタム市場を作成する」)。
【0139】
図19は、少なくとも1つの作物保護製品に関する散布プログラムを指定するための、多数の入力箇所を有した表示を示している。第1入力箇所を使用することにより、製品名を入力して、作物保護製品を指定することができる。本事例では、製品名「ルナ」が入力されている。更なる入力箇所では、ユーザは、作物保護製品の散布日を、入力および/または選択することができる。本事例では、ユーザは、日付として、2019年11月17日を指定している。更なる入力箇所では、ユーザは、散布方法を入力することができる。本事例では、ユーザは、散布方法として、葉面散布(「葉面散布」)を入力している。更なる2つの入力箇所では、ユーザは、投入する作物保護剤の量(「製品の割合」、「UOM(=測定の単位)」)を入力することができる。本事例では、ユーザは、0.75l/haの量を入力している。更なる入力箇所では、ユーザは、投入する水の量を入力することができる(「水の割合(L/ha)」)。本事例では、ユーザは、15l/haの量を入力している。更なる入力箇所では、ユーザは、BBCHコードの形態で、作物の(作物保護製品の投入時の)発達状態(「成長ステージ(BBCH)」)を入力することができる。本事例では、ユーザは、BBCHコード1(「ステージ1」)を入力している。
【0140】
図20は、予測の結果を有した表示を示している。結果は、「フォーチュナ」という品種のイチゴ作物に関して、予測されたものである。結果は、「製品A」として指定された作物保護製品の0.5l/haが2つの時点(2019年5月10日および2019年7月10日)のそれぞれで20l/haの水とともに散布されるという散布プログラム(「計画A」、「散布計画」)に基づいている。2019年5月10日では、作物は、BBCHコード2(「ステージ2」)を有した発達ステージである/であった、また、2019年7月10日では、作物は、BBCHコード3(「ステージ3」)を有した発達ステージである/であった。
【0141】
「製品A」として指定された作物保護製品は、2つの有効成分(フルオピラム、トリフロキシストロビン)を含む。予測を行うように指定された日付は、2019年11月12日である(「2019年11月12日における残留量の予測」)。計算(予測)されたフルオピラムの残留量は、0.82mg/kgである。計算(予測)されたトリフロキシストロビンの残留量は、0.82mg/kgである。いずれの残留量も、MRL値(フルオピラムに関しては、0.67mg/kg、トリフロキシストロビンに関しては、0.5mg/kg)を超えている。
【0142】
図21は、3つの作物保護製品(フルオピラム、スピノサド(A+D)、および、トリフロキシストロビン)に関して、測定された残留量(y軸(縦軸)「測定された残留量レベル[mg/kg]」)と、本発明に従って計算された(予測された)残留量(x軸(横軸)「予測された残留量レベル[mg/kg]」)と、の比較を、グラフの形態で示している。グラフ上における各測定ポイントは、測定された残留量と、本発明に従って計算された残留量と、を表している。測定値および計算値は、様々な条件下で栽培されたイチゴに関して確認された。予測は、以下の入力パラメータを有した、すなわち、
-使用した作物保護製品と、
-作物保護製品の散布回数および散布量と、
-最後の散布から収穫時点までの期間と、
-それぞれの散布日における平均気温と、
-それぞれの散布日における平均空気湿度と、
-それぞれの散布日における累積放射エネルギ(日射または人工照明)と、
-それぞれの散布日における作物(イチゴ)の平均直径および平均高さと、
を有した非線形回帰モデルを使用して行われた。
【0143】
図21では、予測された残留量と測定された残留量との間に、明確な相関関係が見られる。作物保護製品に関する最大レベルは、グラフ中において水平線として示されている。フルオピラムおよびトリフロキシストロビンに関する最大量は、示されたグラフでは超えていないものの、スピノサド(A+D)に関する最大量は、いくつかの事例で超えている。
【図面の簡単な説明】
【0144】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2024-10-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
-入力ユニットと、
-制御計算ユニットと、
-出力ユニットと、
を含み、
前記制御計算ユニットは、前記入力ユニットを起動することにより、以下の入力情報を受信および/または確認するように、すなわち、
-栽培されている作物に関連した情報と、
-前記作物の栽培に関連した情報と、
-前記作物の栽培において使用されたおよび/または使用が予定されている作物保護製品に関連した情報と、
-前記作物保護製品の散布に関連した情報と、
を受信および/または確認するように構成され、
前記制御計算ユニットは、前記入力情報を使用して、前記作物の収穫時に、前記作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における前記作物保護製品の残留量を計算するように構成され、
前記制御計算ユニットは、前記出力ユニットを起動することにより、前記残留量に関連した情報を出力するように構成されている、
デバイス。
【請求項2】
前記制御計算ユニットは、
-前記作物またはその一部内における前記作物保護製品の最大残留量を確認するように、
-前記計算された残留量を、前記確認された最大量と比較するように、
-前記出力ユニットを起動することにより、前記計算された残留量が前記最大量を上回っているかまたは下回っているかについての情報を、ならびに/もしくは、その上回っているまたは下回っている程度についての情報を出力するように、
構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記最大量は、前記作物またはその一部内における前記作物保護製品の残留量に関しての、国または地域において公的に承認されている上限値である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記制御計算ユニットは、
-前記計算された残留量が、前記作物またはその一部内における残留量に関しての、公的に承認されているいかなる上限値をも超えない国および/または地域を特定するように、ならびに/もしくは、前記計算された残留量が、前記作物またはその一部内における残留量に関しての、規定されたいかなる上限値をも超えない取引業者を特定するように、
-前記出力ユニットを起動することにより、どの国および/またはどの地域および/またはどの取引業者が特定されたかに関する情報を出力するように、
構成されている、請求項1~のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記作物保護製品の前記残留量は、少なくとも以下の入力情報を使用して、すなわち、少なくとも、
-栽培されている作物と、
-使用されたまたは使用が予定されている作物保護製品と、
-使用されたまたは使用が予定されている前記作物保護製品の散布の割合と、
-前記作物保護製品の散布時点での、栽培されている前記作物内に存在するバイオマス量および/または果実質量と、
-散布時点から収穫時点までの期間の長さと、
を使用して計算される、請求項1~のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記作物保護製品の前記残留量は、情報を使用して前記作物保護製品の前記残留量を予測するために、自己学習アルゴリズムによって経験的データを使用して訓練されたモデルにより計算され、前記情報は、
-栽培されている作物と、
-前記作物が栽培されている国または地域、あるいは、前記作物保護製品の散布時点での、栽培されている前記作物内に存在するバイオマス量および/または果実質量、と、
-使用されたまたは使用が予定されている作物保護製品と、
-使用されたまたは使用が予定されている前記作物保護製品の散布の割合と、
-散布時点から収穫時点までの期間の長さと、
を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記入力情報は、パラメータ値の形態で受信および/または確認され、前記制御計算ユニットは、
-前記入力ユニットを起動することにより、更なる入力情報を、すなわち、どのパラメータが可変でありどのパラメータが不変であるかを指定するという更なる入力情報を、受信および/または確認するように、
-前記可変パラメータの値を変化させることにより、前記計算された残留量が最小となる前記パラメータ値を確認するように、
-前記出力ユニットを起動することにより、前記計算された残留量が最小となる前記パラメータ値を出力するように、
構成されている、請求項1~のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
方法であって、
-コンピュータシステムを使用して、入力情報を、すなわち、
・栽培されている作物に関連した情報と、
・前記作物の栽培に関連した情報と、
・前記作物の栽培に際して使用されたおよび/または使用が予定されている作物保護製品に関連した情報と、
・前記作物保護製品の散布に関連した情報と、
を含む入力情報を受信および/または確認するステップと、
-前記コンピュータシステムを使用して、収穫時に、前記作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における前記作物保護製品の残留量を計算するステップと、
-前記コンピュータシステムの出力ユニットを介して、前記残留量に関連した情報を出力するステップと、
を含む、方法。
【請求項9】
データキャリアと、前記データキャリア上に格納されたプログラムコードと、を含むコンピュータプログラム製品であって、
前記プログラムコードは、自身のメモリ内に前記プログラムコードがロードされたコンピュータシステムに、
-以下の入力情報を受信および/または確認するステップ、すなわち、
・栽培されている作物に関連した情報と、
・前記作物の栽培に関連した情報と、
・前記作物の栽培に際して使用されたおよび/または使用が予定されている作物保護製品に関連した情報と、
・前記作物保護製品の散布に関連した情報と、
を受信および/または確認するステップと、
-前記入力情報を使用して、収穫時に、前記作物のうちの、人間および/または動物による消費を意図した部分内におけるおよび/またはそのような部分上における前記作物保護製品の残留量を計算するステップと、
-前記残留量に関連した情報を出力するステップと、
を実行させる、コンピュータプログラム製品。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0144
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0144】
図1】例示として概略的な形態で、本発明によるデバイスの一実施形態を示している。
図2】例示として概略的な形態で、本発明によるデバイスの更なる実施形態を示している。
図3】例示として概略的な形態で、本発明によるシステムの一実施形態を示している。
図4】例示として概略的な形態で、本発明による方法の一実施形態を、フロー図流れ図の形態で示している。
図5】例示として概略的な形態で、本発明によるコンピュータプログラム製品がインストールされたコンピュータシステムによって実行されるステップを、フロー図の形態で示している。
図6】例示として概略的な形態で、コンピュータプログラム製品の好ましい実施形態がインストールされているコンピュータシステムによって実行されるステップを、フロー図の形態で示している。
図7】例示として、本発明によるデバイスまたは本発明によるシステムの画面上での、本発明によるコンピュータプログラム製品の表示を示している(1/14)。
図8】例示として、本発明によるデバイスまたは本発明によるシステムの画面上での、本発明によるコンピュータプログラム製品の表示を示している(2/14)。
図9】例示として、本発明によるデバイスまたは本発明によるシステムの画面上での、本発明によるコンピュータプログラム製品の表示を示している(3/14)。
図10】例示として、本発明によるデバイスまたは本発明によるシステムの画面上での、本発明によるコンピュータプログラム製品の表示を示している(4/14)。
図11】例示として、本発明によるデバイスまたは本発明によるシステムの画面上での、本発明によるコンピュータプログラム製品の表示を示している(5/14)。
図12】例示として、本発明によるデバイスまたは本発明によるシステムの画面上での、本発明によるコンピュータプログラム製品の表示を示している(6/14)。
図13】例示として、本発明によるデバイスまたは本発明によるシステムの画面上での、本発明によるコンピュータプログラム製品の表示を示している(7/14)。
図14】例示として、本発明によるデバイスまたは本発明によるシステムの画面上での、本発明によるコンピュータプログラム製品の表示を示している(8/14)。
図15】例示として、本発明によるデバイスまたは本発明によるシステムの画面上での、本発明によるコンピュータプログラム製品の表示を示している(9/14)。
図16】例示として、本発明によるデバイスまたは本発明によるシステムの画面上での、本発明によるコンピュータプログラム製品の表示を示している(10/14)。
図17】例示として、本発明によるデバイスまたは本発明によるシステムの画面上での、本発明によるコンピュータプログラム製品の表示を示している(11/14)。
図18】例示として、本発明によるデバイスまたは本発明によるシステムの画面上での、本発明によるコンピュータプログラム製品の表示を示している(12/14)。
図19】例示として、本発明によるデバイスまたは本発明によるシステムの画面上での、本発明によるコンピュータプログラム製品の表示を示している(13/14)。
図20】例示として、本発明によるデバイスまたは本発明によるシステムの画面上での、本発明によるコンピュータプログラム製品の表示を示している(14/14)。
図21図21は、3つの作物保護製品(フルオピラム、スピノサド(A+D)、および、トリフロキシストロビン)に関して、測定された残留量(y軸(縦軸)「測定された残留量レベル[mg/kg]」)と、本発明に従って計算された(予測された)残留量(x軸(横軸)「予測された残留量レベル[mg/kg]」)と、の比較を、グラフの形態で示している。