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特開2025-13873CFTRポリペプチドを送達するための組成物及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013873
(43)【公開日】2025-01-28
(54)【発明の名称】CFTRポリペプチドを送達するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/763 20150101AFI20250121BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20250121BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20250121BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20250121BHJP
   A61K 9/72 20060101ALI20250121BHJP
   A61K 38/17 20060101ALI20250121BHJP
   C12N 7/01 20060101ALN20250121BHJP
【FI】
A61K35/763
A61P11/00
A61K48/00
A61K9/12
A61K9/72
A61K38/17
A61K35/763 ZNA
C12N7/01 ZNA
C12N7/01
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024182358
(22)【出願日】2024-10-18
(62)【分割の表示】P 2021546328の分割
【原出願日】2020-02-07
(31)【優先権主張番号】62/802,871
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520417056
【氏名又は名称】クリスタル バイオテック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】パリー トレバー
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナン スマ
(72)【発明者】
【氏名】アガーワル プージャ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】嚢胞性線維症等の慢性肺疾患の治療のための組成物およびネブライザーを含むキットを提供する。
【解決手段】(a)組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノムを含むHSV-1であって、組換えHSV-1ゲノムが嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む、HSV-1、及び(b)薬学的に許容される賦形剤を含み、ネブライザーで製剤化されている、薬学的組成物が提供される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノムを含むHSV-1であって、前記組換えHSV-1ゲノムが嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む、HSV-1、及び
(b)薬学的に許容される賦形剤
を含み、
ネブライザーで製剤化されている、
薬学的組成物。
【請求項2】
前記組換えHSV-1ゲノムが、1つ以上のウイルス遺伝子座内に前記CFTRポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
前記CFTRポリペプチドが、配列番号5または配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1または2に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
前記組換えHSV-1ゲノムが、感染細胞タンパク質(ICP)0、ICP4、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41、及びUL55からなる群から選択されるHSV-1遺伝子に不活性化変異を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
前記組換えHSV-1ゲノムが、前記ICP4遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む、請求項4に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
前記CFTRポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドが、プロモーターに作動可能に連結され、かつ組換えHSV-1ゲノムから発現される、請求項1~5のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
前記HSV-1が複製欠損である、請求項1~6のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項8】
前記HSV-1が弱毒化されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
前記HSV-1が噴霧を介してエアロゾル化される、請求項1~8のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項10】
前記エアロゾル化されたHSV-1が、約5ミクロン未満の直径の空気力学的質量中央粒子直径を有する液滴を含む、請求項9に記載の薬学的組成物。
【請求項11】
前記ネブライザーが、ジェットネブライザー、超音波ネブライザー、または振動メッシュネブライザーである、請求項1~10のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項12】
前記ネブライザーを介してエアロゾル化される、請求項11に記載の薬学的組成物。
【請求項13】
前記エアロゾル化された薬学的組成物が、約5ミクロン未満の直径の空気力学的質量中央粒子直径を有する液滴を含む、請求項12に記載の薬学的組成物。
【請求項14】
嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ポリペプチドレベルを強化する、増加させる、増強する、及び/または補充するための医薬の製造における、請求項1~13のいずれか1項に記載の薬学的組成物の使用。
【請求項15】
CFTRポリペプチドレベルを強化する、増加させる、増強する、及び/または補充するための、請求項1~13のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項16】
進行性肺損傷を低減または阻害するための医薬の製造における、請求項1~13のいずれか1項に記載の薬学的組成物の使用。
【請求項17】
進行性肺損傷を低減または阻害するための、請求項1~13のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項18】
前記進行性肺損傷が、嚢胞性線維症または慢性閉塞性肺疾患(COPD)である、請求項17に記載の薬学的組成物。
【請求項19】
嚢胞性線維症の1つ以上の徴候もしくは症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供するための医薬の製造における、請求項1~13のいずれか1項に記載の薬学的組成物の使用。
【請求項20】
嚢胞性線維症の1つ以上の徴候もしくは症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供するための、請求項1~13のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項21】
嚢胞性線維症の前記1つ以上の徴候または症状が、多量の粘液を生じる持続的な咳嗽、気道に蓄積する多量の粘着性粘液、喘鳴、呼吸困難、副鼻腔炎、反復的肺感染症、炎症性鼻腔、気管支拡張症、鼻ポリープ、喀血、気胸、膵炎、再発性肺炎、呼吸不全、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項20に記載の薬学的組成物。
【請求項22】
COPDの1つ以上の徴候もしくは症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供するための医薬の製造における、請求項1~13のいずれか1項に記載の薬学的組成物の使用。
【請求項23】
COPDの1つ以上の徴候もしくは症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供するための、請求項1~13のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項24】
COPDの前記1つ以上の徴候または症状が、息切れ、喘鳴、胸部絞扼感、肺内の過剰な粘液、慢性咳嗽、チアノーゼ、頻繁な呼吸器感染症、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項23に記載の薬学的組成物。
【請求項25】
前記ネブライザーが、ジェットネブライザー、超音波ネブライザー、または振動メッシュネブライザーである、請求項15、17、18、20、21、23、及び24のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項26】
(a)組換えHSV-1ゲノムを含むHSV-1であって、前記組換えHSV-1ゲノムが、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む、HSV-1、及び
(b)薬学的に許容される賦形剤
を含む、薬学的組成物、ならびに
ネブライザー
を含む、キット。
【請求項27】
前記ネブライザーが、ジェットネブライザー、超音波ネブライザー、または振動メッシュネブライザーである、請求項26に記載のキット。
【請求項28】
嚢胞性線維症または慢性閉塞性肺疾患(COPD)に罹患している対象の肺にネブライザーを用いて前記薬学的組成物を投与するための指示をさらに含む、請求項26または27に記載のキット。
【請求項29】
請求項1~13、15、17、18、20、21、及び23~25のいずれか1項に記載の薬学的組成物を含むネブライザー。
【請求項30】
前記薬学的組成物が液体製剤である、請求項29に記載のネブライザー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年2月8日に出願された米国仮出願第62/802,871号の優先権の利益を主張し、その全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
ASCIIテキストファイルでの以下の提出物の内容は、その全体の参照により本明細書に組み込まれる:配列表のコンピュータ可読形式(CRF)(ファイル名:7613420001140SEQLIST.txt、記録日:2020年1月17日、サイズ:44KB)。
【0003】
発明の分野
本開示は、部分的に、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換え核酸、それを含むウイルス、それらの組成物及び製剤、ならびにそれらの使用の方法(例えば、嚢胞性線維症等の慢性肺疾患の1つ以上の徴候もしくは症状の予防的、姑息的、または治療的緩和のための)に関する。
【背景技術】
【0004】
背景
嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)は、肺恒常性に重要であるcAMP活性化塩化物及び重炭酸塩チャネルである。CFTRチャネル機能の低下または喪失は、多くの場合、粘液うっ滞、慢性細菌性感染症、及びそれに伴う進行性肺損傷を促進する慢性炎症応答をもたらす。CFTR発現の減少は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者において観察される肺病理の構成要素であることが示唆されており、CFTR遺伝子における機能喪失変異は、嚢胞性線維症(CF)に関連する悲惨な結果をもたらす。CFTR遺伝子における2,000以上の固有の変異が、説明されている。
【0005】
CFは、身体の臓器の多くを損傷する可能性がある、多量の粘着性粘液の蓄積によって特徴付けられる遺伝性疾患であるが、最も重度な病理学的結果は、肺に関連するものである。CF患者は、気道閉塞、慢性細菌性感染症(及び関連する炎症応答)、気管支拡張症、及び最終的には呼吸不全をもたらす、肺における脱水粘液を提示する。現在、7万人以上が、世界中で嚢胞性線維症と共に生活している。歴史的に、CFを有して生まれた子供は乳児として死亡し、1980年までは、生存期間の中央値は20年未満であった。過去30年間における医療の進歩はCF患者の生活の質及び平均余命の両方を大幅に改善した一方で(2013年時点で米国において40.6年)、CF患者、同様にCOPDのような他の慢性肺疾患に罹患している患者において観察されるCFTR欠乏症の分子的補正を標的とする新規の治療選択肢に対する明確な必要性が存在する。
【0006】
特許出願、特許刊行物、非特許文献、及びNCBI/UniProtKB/Swiss-Prot受入番号を含む本明細書で引用される全ての参考文献は、個々の参考文献が各々参照により組み込まれると明確かつ個別に示されるかのように、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0007】
簡単な概要
これら及び他の必要性を満たすために、ウイルス(例えば、ヘルペスウイルス)における使用のための1つ以上のCFTRポリペプチドをコードする組換え核酸(例えば、組換えヘルペスウイルスゲノム)、CFTR欠乏症の治療を必要とする対象においてCFTR欠乏症を治療するのに、及び/または嚢胞性線維症等の慢性肺疾患の1つ以上の徴候もしくは症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供するのに有用な、薬学的組成物及び製剤、薬剤、及び/または方法が、本明細書に提供される。
【0008】
本発明人らは、本明細書に記載の組換えウイルスが、CF患者に由来する気道上皮細胞を効果的に形質導入し、かつそれらのコードされた外因性ヒトCFTRを首尾よく発現させることができたことを示した(例えば、実施例2を参照のこと)。加えて、本発明人らは、本明細書に記載の組換えウイルスが、形質膜に適切に輸送された全長機能性ヒトCFTRを発現させたことを示した(例えば、実施例2を参照のこと)。さらに、本発明人らは、本明細書に記載の組換えウイルスが、様々な基礎となるCFTR変異を保有する複数のCF患者から採取された生検から調製された臨床的に関連する3D器官型培養物中の疾患表現型を救出したことを示した(例えば、実施例3を参照のこと)。さらに、本発明人らは、組換えHSVベクターが複数の経路を介して免疫能正常な動物の肺に投与され得ることと、さらに、非侵襲的吸入投与経路が、肺においてより低い細胞侵入誘導する一方で、同様のレベルのコードされた導入遺伝子を肺内で発現させたこととを示した(例えば、実施例4を参照のこと)。理論に拘束されることを望むことなく、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または組成物のうちの1つ以上を投与することによって、CFTRポリペプチドレベルの増加、増強、及び/または補充を必要とする対象の1つ以上の細胞においてそれを行うことは、1)個体の1つ以上の臓器(例えば、肺)における粘液蓄積を減少または予防し、2)個体における気道閉塞を減少または予防し、3)個体の肺における慢性細菌性感染症及び/または関連する慢性炎症を減少または予防し、4)個体における気管支拡張症を減少または予防し、5)個体における進行性肺損傷を減少、阻害、または治療し、及び/または6)慢性肺疾患(例えば、嚢胞性線維症、COPD等)の1つ以上の徴候もしくは症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供するであろうことが、考えられる。
【0009】
したがって、本開示のある特定の態様は、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換えヘルペスウイルスゲノムに関する。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、複製可能である。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、複製欠損である。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、1つ以上のウイルス遺伝子座内にCFTRポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム、組換え水痘帯状疱疹ウイルスゲノム、組換えヒトサイトメガロウイルスゲノム、組換えヘルペスウイルス6Aゲノム、組換えヘルペスウイルス6Bゲノム、組換えヘルペスウイルス7ゲノム、組換えカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスゲノム、及びそれらの任意の組み合わせまたは誘導体から選択される。
【0010】
前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、CFTRポリペプチドは、ヒトCFTRポリペプチドである。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、CFTRポリペプチドは、配列番号5または配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、CFTRポリペプチドは、配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、CFTRポリペプチドは、配列番号5のアミノ酸配列を含む。
【0011】
前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムである。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノム、組換え単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)ゲノム、またはそれらの任意の誘導体である。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、組換えHSV-1ゲノムである。
【0012】
前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、不活性化変異は、単純ヘルペスウイルス遺伝子に存在する。いくつかの実施形態では、不活性化変異は、単純ヘルペスウイルス遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルス遺伝子は、感染細胞タンパク質(ICP)0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41、及びUL55から選択される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22遺伝子に不活性化変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27遺伝子に不活性化変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47遺伝子に不活性化変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL55遺伝子に不活性化変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、連結領域に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、連結領域の欠失を含む。
【0013】
前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、1つ以上のウイルス遺伝子座内にCFTRポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4ウイルス遺伝子座の一方または両方内にCFTRポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22ウイルス遺伝子座内にCFTRポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL41ウイルス遺伝子座内にCFTRポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0ウイルス遺伝子座の一方または両方内にCFTRポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27ウイルス遺伝子座内にCFTRポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47ウイルス遺伝子座内にCFTRポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL55ウイルス遺伝子座内にCFTRポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。
【0014】
前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、標的細胞に導入されると、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して減少した細胞毒性を有する。いくつかの実施形態では、標的細胞は、ヒト細胞である。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、標的細胞は、呼吸器の細胞である。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、標的細胞は、気道上皮細胞または粘膜下腺の細胞である。
【0015】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスゲノムのうちのいずれかを含むヘルペスウイルスに関する。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、複製可能である。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、複製欠損である。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、対応する野生型ヘルペスウイルスと比較して減少した細胞毒性を有する。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、標的細胞に導入されると、対応する野生型ヘルペスウイルスと比較して減少した細胞毒性を有する。いくつかの実施形態では、標的細胞は、ヒト細胞である。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、標的細胞は、呼吸器の細胞である。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、標的細胞は、気道上皮細胞または粘膜下腺の細胞である。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス6A、ヘルペスウイルス6B、ヘルペスウイルス7、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス、及びそれらの任意の組み合わせまたは誘導体から選択される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルスである。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、HSV-1、HSV-2、またはそれらの任意の誘導体である。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、HSV-1である。
【0016】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスゲノムのうちのいずれか及び/または本明細書に記載のヘルペスウイルスのうちのいずれかと、薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的組成物に関する。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、局所、経皮、皮下、皮内、経口、鼻腔内、気管内、舌下、口腔、直腸、膣内、吸入、静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、骨内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、局部、及び/または皮膚上投与に好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、経口、鼻腔内、気管内、及び/または吸入投与に好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、吸入投与に好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、非侵襲的吸入投与に好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、乾燥粉末吸入器、加圧式定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、電気流体力学的エアロゾル装置、またはそれらの任意の組み合わせにおける使用に好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、噴霧(振動メッシュネブライザーを使用する)に好適である。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、薬学的組成物は、リン酸緩衝液を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、薬学的組成物は、グリセロールを含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、薬学的組成物は、脂質担体を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、薬学的組成物は、ナノ粒子担体を含む。
【0017】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の組換え核酸、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物のうちのいずれかの薬剤としての使用に関する。
【0018】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の組換え核酸、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物のうちのいずれかの療法における使用に関する。
【0019】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の組換え核酸、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物のうちのいずれかの、CFTR欠乏症及び/または慢性肺疾患(例えば、嚢胞性線維症、COPD等)の1つ以上の徴候または症状を治療するための薬剤の生産あるいは製造における使用に関する。
【0020】
本開示の他の態様は、対象の1つ以上の細胞におけるCFTRポリペプチドレベルを強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する方法であって、対象に、本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスゲノムのうちのいずれか、本明細書に記載のヘルペスウイルスのうちのいずれか、及び/または本明細書に記載の薬学的組成物のうちのいずれかの有効量を投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、1つ以上の細胞は、呼吸器の1つ以上の細胞である。いくつかの実施形態では、1つ以上の細胞は、1つ以上の気道上皮細胞及び/または粘膜下腺の1つ以上の細胞である。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象は、慢性肺疾患に罹患する。いくつかの実施形態では、慢性肺疾患は、嚢胞性線維症または慢性閉塞性肺疾患(COPD)である。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象のゲノムは、CFTR遺伝子に機能喪失変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、対象に、経口で、鼻腔内に、気管内に、舌下に、口腔に、局所に、直腸に、吸入を介して、経皮で、皮下に、皮内に、静脈内に、動脈内に、筋肉内に、心臓内に、骨内に、腹腔内に、経粘膜で、膣内に、硝子体内に、眼窩内に、網膜下に、関節内に、関節周囲に、局部に、及び/または皮膚上に投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、対象に、経口で、鼻腔内に、気管内に、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、対象に吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、対象に非侵襲的吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、乾燥粉末吸入器、加圧式定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置を使用して投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、ネブライザー(例えば、振動メッシュネブライザー)を介して投与される。
【0021】
本開示の他の態様は、進行性肺損傷の減少または阻害を必要とする対象においてそれを行う方法であって、対象に、本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスゲノムのうちのいずれか、本明細書に記載のヘルペスウイルスのうちのいずれか、及び/または本明細書に記載の薬学的組成物のうちのいずれかの有効量を投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、対象は、慢性肺疾患に罹患する。いくつかの実施形態では、慢性肺疾患は、嚢胞性線維症または慢性閉塞性肺疾患(COPD)である。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象のゲノムは、CFTR遺伝子に機能喪失変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、対象に、経口で、鼻腔内に、気管内に、舌下に、口腔に、局所に、直腸に、吸入を介して、経皮で、皮下に、皮内に、静脈内に、動脈内に、筋肉内に、心臓内に、骨内に、腹腔内に、経粘膜で、膣内に、硝子体内に、眼窩内に、網膜下に、関節内に、関節周囲に、局部に、及び/または皮膚上に投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、対象に、経口で、鼻腔内に、気管内に、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、対象に吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、対象に非侵襲的吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、乾燥粉末吸入器、加圧式定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置を使用して投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、ネブライザー(例えば、振動メッシュネブライザー)を介して投与される。
【0022】
本開示の他の態様は、嚢胞性線維症の1つ以上の徴候もしくは症状の予防的、姑息的、または治療的緩和の提供を必要とする対象においてそれを行う方法であって、対象に、本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスゲノムのうちのいずれか、本明細書に記載のヘルペスウイルスのうちのいずれか、及び/または本明細書に記載の薬学的組成物のうちのいずれかの有効量を投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、嚢胞性線維症の1つ以上の徴候または症状は、多量の粘液を生じる持続的な咳嗽、気道に蓄積する多量の粘着性粘液、喘鳴、呼吸困難、副鼻腔炎、反復的肺感染症、炎症性鼻腔、気管支拡張症、鼻ポリープ、喀血、気胸、膵炎、再発性肺炎、呼吸不全、及びそれらの任意の組み合わせから選択される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象のゲノムは、CFTR遺伝子に機能喪失変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、対象に、経口で、鼻腔内に、気管内に、舌下に、口腔に、局所に、直腸に、吸入を介して、経皮で、皮下に、皮内に、静脈内に、動脈内に、筋肉内に、心臓内に、骨内に、腹腔内に、経粘膜で、膣内に、硝子体内に、眼窩内に、網膜下に、関節内に、関節周囲に、局部に、及び/または皮膚上に投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、対象に、経口で、鼻腔内に、気管内に、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、対象に吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、対象に非侵襲的吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、乾燥粉末吸入器、加圧式定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置を使用して投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、ネブライザー(例えば、振動メッシュネブライザー)を介して投与される。
【0023】
本開示の他の態様は、COPDの1つ以上の徴候もしくは症状の予防的、姑息的、または治療的緩和の提供を必要とする対象においてそれを行う方法であって、対象に、本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスゲノムのうちのいずれか、本明細書に記載のヘルペスウイルスのうちのいずれか、及び/または本明細書に記載の薬学的組成物のうちのいずれかの有効量を投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、COPDの1つ以上の徴候または症状は、息切れ、喘鳴、胸部絞扼感、肺内の過剰な粘液、慢性咳嗽、チアノーゼ、頻繁な呼吸器感染症、及びそれらの任意の組み合わせから選択される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象のゲノムは、CFTR遺伝子に機能喪失変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、対象に、経口で、鼻腔内に、気管内に、舌下に、口腔に、局所に、直腸に、吸入を介して、経皮で、皮下に、皮内に、静脈内に、動脈内に、筋肉内に、心臓内に、骨内に、腹腔内に、経粘膜で、膣内に、硝子体内に、眼窩内に、網膜下に、関節内に、関節周囲に、局部に、及び/または皮膚上に投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、対象に、経口で、鼻腔内に、気管内に、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、対象に吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、対象に非侵襲的吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、乾燥粉末吸入器、加圧式定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置を使用して投与される。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物は、ネブライザー(例えば、振動メッシュネブライザー)を介して投与される。
【0024】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物のうちのいずれかと、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、薬剤、または薬学的組成物を投与するための指示とを含む製品あるいはキットに関する。いくつかの実施形態では、製品またはキットは、組換えヘルペスウイルスゲノム、ヘルペスウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物をエアロゾル化するための装置をさらに含む。いくつかの実施形態では、装置は、乾燥粉末吸入器、加圧式定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置である。いくつかの実施形態では、装置は、ネブライザー(例えば、振動メッシュネブライザー)である。
[本発明1001]
嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む、組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1002]
複製可能である、本発明1001の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1003]
複製欠損である、本発明1001の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1004]
1つ以上のウイルス遺伝子座内に前記CFTRポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、本発明1001~1003のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1005]
組換え単純ヘルペスウイルスゲノム、組換え水痘帯状疱疹ウイルスゲノム、組換えヒトサイトメガロウイルスゲノム、組換えヘルペスウイルス6Aゲノム、組換えヘルペスウイルス6Bゲノム、組換えヘルペスウイルス7ゲノム、組換えカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスゲノム、及びそれらの任意の誘導体からなる群から選択される、本発明1001~1004のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1006]
前記CFTRポリペプチドが、ヒトCFTRポリペプチドである、本発明1001~1005のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1007]
前記CFTRポリペプチドが、配列番号5または配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、本発明1001~1006のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1008]
前記CFTRポリペプチドが、配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、本発明1001~1007のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1009]
組換え単純ヘルペスウイルスゲノムである、本発明1001~1008のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1010]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノム、組換え単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)ゲノム、またはそれらの任意の誘導体である、本発明1009の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1011]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、組換えHSV-1ゲノムである、本発明1009または本発明1010の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1012]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、1つ以上の毒性単純ヘルペスウイルス遺伝子の発現を低減させるか、または排除するように操作されている、本発明1009~1011のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1013]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、不活性化変異を含む、本発明1009~1012のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1014]
前記不活性化変異が、単純ヘルペスウイルス遺伝子に存在する、本発明1013の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1015]
前記不活性化変異が、前記単純ヘルペスウイルス遺伝子のコード配列の欠失である、本発明1014の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1016]
前記単純ヘルペスウイルス遺伝子が、感染細胞タンパク質(ICP)0、ICP4、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41、及びUL55からなる群から選択される、本発明1014または本発明1015の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1017]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記ICP4遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む、本発明1016の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1018]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記ICP22遺伝子に不活性化変異を含む、本発明1016または本発明1017の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1019]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記UL41遺伝子に不活性化変異を含む、本発明1016~1018のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1020]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記ICP0遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む、本発明1016~1019のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1021]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記ICP27遺伝子に不活性化変異を含む、本発明1016~1020のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1022]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記ICP47遺伝子に不活性化変異を含む、本発明1016~1021のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1023]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記UL55遺伝子に不活性化変異を含む、本発明1016~1022のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1024]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP4ウイルス遺伝子座の一方または両方内に前記CFTRポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、本発明1009~1023のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1025]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP22ウイルス遺伝子座内に前記CFTRポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、本発明1009~1024のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1026]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、UL41ウイルス遺伝子座内に前記CFTRポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、本発明1009~1025のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1027]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP0ウイルス遺伝子座の一方または両方内に前記CFTRポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、本発明1009~1026のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1028]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP27ウイルス遺伝子座内に前記CFTRポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、本発明1009~1027のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1029]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP47ウイルス遺伝子座内に前記CFTRポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、本発明1009~1028のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1030]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、UL55ウイルス遺伝子座内に前記CFTRポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、本発明1009~1029のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1031]
標的細胞に導入されると、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して減少した細胞毒性を有する、本発明1001~1030のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1032]
前記標的細胞が、ヒト細胞である、本発明1031の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1033]
前記標的細胞が、気道上皮細胞である、本発明1031または本発明1032の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1034]
前記標的細胞が、呼吸器の細胞である、本発明1031または本発明1032の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1035]
本発明1001~1034のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノムを含む、ヘルペスウイルス。
[本発明1036]
複製可能である、本発明1035のヘルペスウイルス。
[本発明1037]
複製欠損である、本発明1035のヘルペスウイルス。
[本発明1038]
対応する野生型ヘルペスウイルスと比較して減少した細胞毒性を有する、本発明1035~1037のいずれか1項のヘルペスウイルス。
[本発明1039]
単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス6A、ヘルペスウイルス6B、ヘルペスウイルス7、及びカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスからなる群から選択される、本発明1035~1038のいずれか1項のヘルペスウイルス。
[本発明1040]
単純ヘルペスウイルスである、本発明1035~1039のいずれか1項のヘルペスウイルス。
[本発明1041]
前記単純ヘルペスウイルスが、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)、またはそれらの任意の誘導体である、本発明1039または本発明1040のヘルペスウイルス。
[本発明1042]
前記単純ヘルペスウイルスが、HSV-1である、本発明1039~1041のいずれか1項のヘルペスウイルス。
[本発明1043]
本発明1001~1034のいずれか1項の組換えヘルペスウイルスゲノムまたは本発明1035~1042のいずれか1項のヘルペスウイルスと、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
[本発明1044]
局所、経皮、皮下、皮内、経口、鼻腔内、気管内、舌下、口腔、直腸、膣内、吸入、静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、骨内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、局部、または皮膚上投与に好適である、本発明1043の薬学的組成物。
[本発明1045]
経口、鼻腔内、気管内、または吸入投与に好適である、本発明1043または本発明1044の薬学的組成物。
[本発明1046]
吸入投与に好適である、本発明1043~1045のいずれか1項の薬学的組成物。
[本発明1047]
非侵襲的吸入投与に好適である、本発明1043~1046のいずれか1項の薬学的組成物。
[本発明1048]
乾燥粉末吸入器、加圧式定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、電気流体力学的エアロゾル装置、またはそれらの任意の組み合わせにおける使用に好適である、本発明1043~1047のいずれか1項の薬学的組成物。
[本発明1049]
ネブライザーにおける使用に好適である、本発明1043~1048のいずれか1項の薬学的組成物。
[本発明1050]
前記ネブライザーが、振動メッシュネブライザーである、本発明1049の薬学的組成物。
[本発明1051]
リン酸緩衝液を含む、本発明1043~1050のいずれか1項の薬学的組成物。
[本発明1052]
グリセロールを含む、本発明1043~1051のいずれか1項の薬学的組成物。
[本発明1053]
脂質担体を含む、本発明1043~1052のいずれか1項の薬学的組成物。
[本発明1054]
ナノ粒子担体を含む、本発明1043~1053のいずれか1項の薬学的組成物。
[本発明1055]
対象の1つ以上の細胞におけるCFTRポリペプチドレベルを強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する方法であって、前記対象に、本発明1035~1042のいずれか1項のヘルペスウイルスまたは本発明1043~1054のいずれか1項の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
[本発明1056]
前記1つ以上の細胞が、呼吸器の1つ以上の細胞である、本発明1055の方法。
[本発明1057]
前記1つ以上の細胞が、1つ以上の気道上皮細胞または粘膜下腺の1つ以上の細胞である、本発明1055または本発明1056の方法。
[本発明1058]
必要とする対象において進行性肺損傷を低減または阻害する方法であって、前記対象に、本発明1035~1042のいずれか1項のヘルペスウイルスまたは本発明1043~1054のいずれか1項の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
[本発明1059]
前記対象が、慢性肺疾患に罹患している、本発明1055~1058のいずれか1項の方法。
[本発明1060]
前記慢性肺疾患が、嚢胞性線維症または慢性閉塞性肺疾患(COPD)である、本発明1059の方法。
[本発明1061]
必要とする対象において、嚢胞性線維症の1つ以上の徴候もしくは症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供する方法であって、前記対象に、本発明1035~1042のいずれか1項のヘルペスウイルスまたは本発明1043~1054のいずれか1項の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
[本発明1062]
嚢胞性線維症の前記1つ以上の徴候または症状が、多量の粘液を生じる持続的な咳嗽、前記気道に蓄積する多量の粘着性粘液、喘鳴、呼吸困難、副鼻腔炎、反復的肺感染症、炎症性鼻腔、気管支拡張症、鼻ポリープ、喀血、気胸、膵炎、再発性肺炎、呼吸不全、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、本発明1061の方法。
[本発明1063]
必要とする対象において、COPDの1つ以上の徴候もしくは症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供する方法であって、前記対象に、本発明1035~1042のいずれか1項のヘルペスウイルスまたは本発明1043~1054のいずれか1項の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
[本発明1064]
COPDの前記1つ以上の徴候または症状が、息切れ、喘鳴、胸部絞扼感、肺内の過剰な粘液、慢性咳嗽、チアノーゼ、頻繁な呼吸器感染症、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、本発明1063の方法。
[本発明1065]
前記対象が、ヒトである、本発明1055~1064のいずれか1項の方法。
[本発明1066]
前記対象のゲノムが、CFTR遺伝子に機能喪失変異を含む、本発明1055~1065のいずれか1項の方法。
[本発明1067]
前記ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物が、前記対象に、経口で、鼻腔内に、気管内に、または吸入を介して投与される、本発明1055~1066のいずれか1項の方法。
[本発明1068]
前記ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物が、前記対象に吸入を介して投与される、本発明1055~1067のいずれか1項の方法。
[本発明1069]
前記ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物が、非侵襲的吸入投与を介して投与される、本発明1055~1068のいずれか1項の方法。
[本発明1070]
前記ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物が、乾燥粉末吸入器、加圧式定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置を使用して投与される、本発明1055~1069のいずれか1項の方法。
[本発明1071]
前記ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物が、ネブライザーを使用して投与される、本発明1055~1070のいずれか1項の方法。
[本発明1072]
前記ネブライザーが、振動メッシュネブライザーである、本発明1071の方法。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1-1】図1Aは、野生型単純ヘルペスウイルスゲノム及び修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。野生型単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。図1Bは、野生型単純ヘルペスウイルスゲノム及び修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。ヒトCFTRポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットがICP4遺伝子座の各々に組み込まれている、ICP4(両方のコピー)のコード配列の欠失を含む修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
図1-2】図1Cは、野生型単純ヘルペスウイルスゲノム及び修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。ヒトCFTRポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットがICP4遺伝子座の各々に組み込まれている、ICP4(両方のコピー)及びUL41のコード配列の欠失を含む修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。図1Dは、野生型単純ヘルペスウイルスゲノム及び修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。CFTRポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットがUL41遺伝子座に組み込まれている、ICP4(両方のコピー)及びUL41のコード配列の欠失を含む修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
図1-3】図1Eは、野生型単純ヘルペスウイルスゲノム及び修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。ヒトCFTRポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットがICP4遺伝子座の各々に組み込まれている、ICP4(両方のコピー)及びICP22のコード配列の欠失を含む修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。図1Fは、野生型単純ヘルペスウイルスゲノム及び修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。CFTRポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットがICP22遺伝子座に組み込まれている、ICP4(両方のコピー)及びICP22のコード配列の欠失を含む修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
図1-4】図1Gは、野生型単純ヘルペスウイルスゲノム及び修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。ヒトCFTRポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットがICP4遺伝子座の各々に組み込まれている、ICP4(両方のコピー)、UL41、及びICP22のコード配列の欠失を含む修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。図1Hは、野生型単純ヘルペスウイルスゲノム及び修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。CFTRポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットがUL41遺伝子座に組み込まれている、ICP4(両方のコピー)、UL41、及びICP22のコード配列の欠失を含む修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
図1-5】図1Iは、野生型単純ヘルペスウイルスゲノム及び修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。CFTRポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットがICP22遺伝子座に組み込まれている、ICP4(両方のコピー)、UL41、及びICP22のコード配列の欠失を含む修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
図2】qRT-PCR分析によって評価される、HSV-CFTRベクターが示された感染多重度(MOI)で感染した嚢胞性線維症(CF)患者由来の初代気道上皮細胞(SAEC)におけるヒトCFTRの発現を示す。モック感染したCF SAECを、陰性対照として使用した。データは、2つの複製物の平均±標準誤差として提示される。
図3】ウエスタンブロット分析によって評価される、HSV-CFTRベクターが示されたMOIで感染したCF患者由来の初代SAECにおけるヒトCFTRタンパク質の発現を示す。モック感染したCF SAECを、陰性対照として使用した。GAPDHを負荷対照として使用した。
図4】モック感染またはHSV-CFTR感染した初代CF患者SAECにおけるヒトCFTRタンパク質発現の代表的な免疫蛍光画像を示す。Aは、HSV-CFTRの増加するMOIに伴う初代CF SAECの感染時のヒトCFTRタンパク質発現の用量依存的増加を示す。Bは、HSV-CFTR感染(MOI 3)またはモック感染(MOI 0)した初代CF SAECにおけるヒトCFTRタンパク質の相対的な細胞局在を示す。DAPI染色を使用して、核を可視化した。
図5】蛍光色素取り込みアッセイによって評価される、HSV-CFTRベクターが示されたMOIで感染したCF患者由来の初代SAECにおけるヒトCFTRタンパク質機能性を示す。モック感染したCF SAECを、陰性対照として使用した。データは、平均±標準誤差として提示される。
図6A】示されたMOIでHSV-CFTRが感染したG542X/G542X嚢胞性線維症患者由来の腸オルガノイド(PDO)の分析を示す。ビヒクル単独またはmCherryコードHSVベクター(mCherry)を陰性対照として使用し、G418を陽性対照として使用した。ビヒクル治療の24時間後、または10のMOIでHSV-CFTRもしくはHSV-mCherryのいずれかを用いた形質導入後のG542X/G542X PDOの代表的な明視野画像を示す。健常個体(野生型)から単離されたビヒクル治療PDOを、含め、比較対象として撮像した。
図6B】示されたMOIでHSV-CFTRが感染したG542X/G542X嚢胞性線維症患者由来の腸オルガノイド(PDO)の分析を示す。ビヒクル単独またはmCherryコードHSVベクター(mCherry)を陰性対照として使用し、G418を陽性対照として使用した。フォルスコリン(Frsk)添加前(t=0)のカルセイン染色オルガノイドの代表的な画像及び平均オルガノイドサイズの定量化を示す。
図6C】示されたMOIでHSV-CFTRが感染したG542X/G542X嚢胞性線維症患者由来の腸オルガノイド(PDO)の分析を示す。ビヒクル単独またはmCherryコードHSVベクター(mCherry)を陰性対照として使用し、G418を陽性対照として使用した。2μMのFrsk添加60分後(t=60)のカルセイン染色オルガノイドの代表的な画像及び平均オルガノイドサイズの定量化を示す。***p<0.001、****p<0.0001。
図7A】示されたMOIでHSV-CFTRが感染したF508del/F508del嚢胞性線維症患者由来の腸オルガノイド(PDO)の分析を示す。ビヒクル単独またはmCherryコードHSVベクター(mCherry)を陰性対照として使用し、Orkambi(登録商標)を陽性対照として使用した。フォルスコリン(Frsk)添加前(t=0)のカルセイン染色オルガノイドの代表的な画像及び平均オルガノイドサイズの定量化を示す。
図7B】示されたMOIでHSV-CFTRが感染したF508del/F508del嚢胞性線維症患者由来の腸オルガノイド(PDO)の分析を示す。ビヒクル単独またはmCherryコードHSVベクター(mCherry)を陰性対照として使用し、Orkambi(登録商標)を陽性対照として使用した。2μMのFrsk添加60分後(t=60)のカルセイン染色オルガノイドの代表的な画像及び平均オルガノイドサイズの定量化を示す。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001。
図8A】示されたMOIでHSV-CFTRが感染したW1282X/W1282X嚢胞性線維症患者由来の腸オルガノイド(PDO)の分析を示す。ビヒクル単独またはmCherryコードHSVベクター(mCherry)を陰性対照として使用した。フォルスコリン(Frsk)添加前(t=0)のカルセイン染色オルガノイドの代表的な画像及び平均オルガノイドサイズの定量化を示す。
図8B】示されたMOIでHSV-CFTRが感染したW1282X/W1282X嚢胞性線維症患者由来の腸オルガノイド(PDO)の分析を示す。ビヒクル単独またはmCherryコードHSVベクター(mCherry)を陰性対照として使用した。2μMのFrsk添加60分後(t=60)のカルセイン染色オルガノイドの代表的な画像及び平均オルガノイドサイズの定量化を示す。*p<0.05、***p<0.001。
図9A】示されたMOIでHSV-CFTRが感染したF508del/F508del嚢胞性線維症患者由来の腸オルガノイド(PDO)の分析を示す。ビヒクル単独またはmCherryコードHSVベクター(mCherry)を陰性対照として使用し、Orkambi(登録商標)を陽性対照として使用した。フォルスコリン(Frsk)添加前(t=0)のカルセイン染色オルガノイドの代表的な画像及び平均オルガノイドサイズの定量化を示す。
図9B】示されたMOIでHSV-CFTRが感染したF508del/F508del嚢胞性線維症患者由来の腸オルガノイド(PDO)の分析を示す。ビヒクル単独またはmCherryコードHSVベクター(mCherry)を陰性対照として使用し、Orkambi(登録商標)を陽性対照として使用した。2μMのFrsk添加60分後(t=60)のカルセイン染色オルガノイドの代表的な画像及び平均オルガノイドサイズの定量化を示す。****p<0.0001。
図10A】mCherryコードHSVベクター(HSV-mCherry)もしくはビヒクル対照(モック)の鼻腔内または気管内投与の48時間後に採取された肺及び気管生検におけるmCherry核酸ならびにタンパク質分析を示す。qRT-PCR分析によって評価される、肺及び気管生検におけるmCherry転写物レベルを示す。データは、HSV-mCherryについて6つの複製物の平均±標準誤差として提示され、データは、ビヒクル対照について4つの複製物の平均±標準誤差として提示される。
図10B】mCherryコードHSVベクター(HSV-mCherry)もしくはビヒクル対照(モック)の鼻腔内または気管内投与の48時間後に採取された肺及び気管生検におけるmCherry核酸ならびにタンパク質分析を示す。HSV-mCherryまたはビヒクル対照の鼻腔内投与後の肺生検におけるmCherryタンパク質発現の代表的な免疫蛍光画像を示す。DAPI染色を使用して核を可視化し、サイトケラチン染色を使用して上皮細胞を可視化した。
図10C】mCherryコードHSVベクター(HSV-mCherry)もしくはビヒクル対照(モック)の鼻腔内または気管内投与の48時間後に採取された肺及び気管生検におけるmCherry核酸ならびにタンパク質分析を示す。HSV-mCherryまたはビヒクル対照の気管内投与後の肺生検におけるmCherryタンパク質発現の代表的な免疫蛍光画像を示す。DAPI染色を使用して核を可視化し、サイトケラチン染色を使用して上皮細胞を可視化した。
【発明を実施するための形態】
【0026】
詳細な説明
以下の記述は、例示的な方法及びパラメータ等を説明する。しかしながら、かかる記述が本開示の範囲を限定するようには意図されておらず、代わりに、例示的な実施形態の記述として提供されることを認識されたい。
【0027】
I.一般的な技法
本明細書で記載または参照される技法及び手順は、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 3d edition(2001)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.、Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel,et al.eds.,(2003))、the series Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.):PCR 2:A Practical Approach(M.J.MacPherson,B.D.Hames and G.R.Taylor eds.(1995)),Harlow and Lane,eds.(1988)、Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.,1984)、Methods in Molecular Biology,Humana Press、Cell Biology:A Laboratory Notebook(J.E.Cellis,ed.,1998)Academic Press、Animal Cell Culture(R.I.Freshney),ed.,1987)、Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.Mather and P.E.Roberts,1998)Plenum Press、Cell and Tissue Culture:Laboratory Procedures(A.Doyle,J.B.Griffiths,and D.G.Newell,eds.,1993-8)J.Wiley and Sons、Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.Miller and M.P.Calos,eds.,1987)、PCR:The Polymerase Chain Reaction,(Mullis et al.,eds.,1994)、Short Protocols in Molecular Biology(Wiley and Sons,1999)に記載の広く利用される方法論等の、当業者による従来の方法論を使用して、一般に十分に理解され、一般的に用いられる。
【0028】
II.定義
本開示を詳細に説明する前に、本開示が特定の組成物または生物学的系に限定されず、これらが言うまでもなく変化し得ることを理解されたい。本明細書で使用される専門用語が特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定するようには意図されていないことも理解されたい。
【0029】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容がそうではないと明らかに指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「分子(a molecule)」への言及は、2つ以上のかかる分子の組み合わせを任意に含むといった具合である。
【0030】
本明細書で使用される場合、「及び/または」という用語は、関連する列記される項目のうちの1つ以上のありとあらゆる組み合わせを含み得る。例えば、「a及び/またはb」という用語は、「aのみ」、「bのみ」、「aまたはb」、または「a及びb」を指し得、「a、b、及び/またはc」という用語は、「aのみ」、「bのみ」、「cのみ」、「aまたはb」、「aまたはc」、「bまたはc」、「a、b、またはc」、「a及びb」、「a及びc」、「b及びc」、または「a、b、及びc」を指し得るといった具合である。
【0031】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、当業者に容易に知られているそれぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(かつ説明する)。
【0032】
本開示の態様及び実施形態が、態様及び実施形態を「含む」、「からなる」、及び「から本質的になる」ことを含むことが理解される。
【0033】
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」、「核酸配列」、「核酸」という用語、及びそれらの変形は、ポリマーが、DNA及びRNAに見られるように、塩基対合及び塩基スタッキングを可能にする立体配置で核酸塩基を含むという条件で、ポリデオキシリボヌクレオチド(2-デオキシ-D-リボースを含む)、ポリリボヌクレオチド(D-リボースを含む)、プリンまたはピリミジン塩基のN-グリコシドである任意の他のタイプのポリヌクレオチド、及び非ヌクレオチド骨格を含む他のポリマーに対して包括的であるものとする。したがって、これらの用語には、既知のタイプの核酸配列修飾、例えば、天然に存在するヌクレオチドのうちの1つ以上の類似体での置換、及びヌクレオチド間修飾が含まれる。
【0034】
本明細書で使用される場合、核酸は、それが別の核酸配列と機能的関係に置かれている場合、「作動的に連結されている」または「作動可能に連結されている」。例えば、プロモーターまたはエンハンサーは、コード配列の転写に影響を及ぼす場合、コード配列に作動可能に連結されており、リボソーム結合部位は、翻訳を促進するように位置付けされている場合、コード配列に作動可能に連結されている。一般に、「作動的に連結されている」または「作動可能に連結されている」とは、連結されているDNAまたはRNA配列が近接していることを意味する。
【0035】
本明細書で使用される場合、「ベクター」という用語は、異種核酸の発現または複製のいずれかのためにそれを細胞に導入するために使用される別個の要素を指す。発現ベクターには、かかる核酸の発現をもたらすことができるプロモーター領域等の調節配列と作動的に連結された核酸を発現することができるベクターが含まれる。したがって、発現ベクターは、適切な宿主細胞に導入されたときに核酸の発現をもたらす、プラスミド、ファージ、組換えウイルス、または他のベクター等のDNAまたはRNA構築物を指し得る。適切な発現ベクターは当業者に周知であり、真核細胞で複製可能なもの、及びエピソームのままであるか、または宿主細胞ゲノムに組み込まれるものを含む。
【0036】
本明細書で使用される場合、「オープンリーディングフレーム」または「ORF」とは、タンパク質もしくはポリペプチドをコードするDNAまたはRNAのいずれかの拡散の連続した伸長を指す。典型的には、核酸は、ATGまたはAUG等の翻訳開始シグナルまたは開始コドン及び終止コドンを含む。
【0037】
本明細書で使用される場合、「非翻訳領域」または「UTR」とは、オープンリーディングフレームの5’末端及び/または3’末端における非翻訳核酸を指す。1つ以上のUTRをポリヌクレオチドに含めることにより、転写後制御、mRNA安定性、及び/またはポリヌクレオチドの翻訳に影響が及ぼされ得る。
【0038】
本明細書で使用される場合、「導入遺伝子」という用語は、細胞に導入された後に、RNAに転写され、適切な条件下で翻訳及び/または発現されることができるポリヌクレオチドを指す。いくつかの実施形態では、これは、それが導入された細胞に所望の特性を付与するか、またはさもなければ所望の治療結果または診断結果をもたらす。
【0039】
本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」、「タンパク質」、及び「ペプチド」という用語は、互換的に使用され、2つ以上のアミノ酸のポリマーを指し得る。
【0040】
本明細書で使用される場合、「対象」、「宿主」、または「個体」とは、ヒト、家畜及び農場動物、ならびに動物園、スポーツ、またはペット動物、例えば、イヌ、ウマ、ネコ、ウシ、ならびに研究で使用される動物、例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、及び非ヒト霊長類等を含む、哺乳動物として分類される任意の動物を指す。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。
【0041】
本明細書で使用される場合、「薬学的製剤」または「薬学的組成物」という用語は、活性成分(複数可)の生物学的活性が有効になることを可能にするような形態であり、組成物または製剤が投与される対象に対して許容し難いほどに毒性の追加の成分を含まない調製物を指す。「薬学的に許容される」賦形剤(例えば、ビヒクル、添加物)は、用いられる活性成分(複数可)の有効用量を提供するために対象哺乳動物に適度に投与され得るものである。
【0042】
本明細書で使用される場合、「有効量」とは、特定の障害の1つ以上の症状の測定可能な改善または予防に影響を及ぼすのに必要な少なくとも最低限の量である。「有効量」は、患者の疾患状態、年齢、性別、及び体重等の要因に応じて変化し得る。有効量は、治療の任意の毒性または有害効果を治療上有益な効果が上回る量でもある。予防的使用の場合、有益なまたは所望の結果には、疾患、その合併症、及び疾患の発症中に提示される中間病理学的表現型のリスクの排除または低下、その重症度の軽減、またはその発症の遅延等の結果が含まれる。治療的使用の場合、有益なまたは所望の結果には、疾患に起因する1つ以上の症状の軽減、疾患に罹患している者の生活の質の向上、疾患の症状を治療するために使用される他の薬剤の用量の減少、疾患の進行の遅延、及び/または生存期間の延長等の臨床結果が含まれる。有効量は、1回以上の投与で投与され得る。本開示の目的のために、組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物の有効量は、直接または間接的のいずれかで予防的または治療的治療を達成するのに十分な量である。臨床状況で理解されるように、組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物の有効量は、別の薬物、化合物、または薬学的組成物と併せて達成される場合も達成されない場合もある。したがって、「有効量」は、1つ以上の治療剤を投与する状況で考慮され得、1つ以上の他の薬剤と併せて望ましい結果が達成され得るまたは達成された場合、単一の薬剤が有効量で与えられたとみなされ得る。
【0043】
本明細書で使用される場合、「治療」とは、臨床病理学の過程において治療される個体または細胞の自然経過を変化させるように設計された臨床的介入を指す。治療の望ましい効果には、疾患/障害/欠損症の進行速度の低下、疾患/障害/欠損症状態の改善または緩和、及び寛解または予後の改善が含まれる。例えば、慢性肺疾患(例えば、嚢胞性線維症またはCOPD)に関連する1つ以上の症状が軽減または排除される場合、個体は首尾よく「治療」される。
【0044】
本明細書で使用される場合、疾患/障害/欠損症の「進行を遅延させる」という用語は、疾患/障害/欠損症(例えば、嚢胞性線維症またはCOPD)の発症を引き延ばす、妨げる、遅延させる、遅らせる、安定化する、及び/または延期することを指す。この遅延は、疾患/障害/欠損症及び/または治療される個体の病歴に応じて、様々な長さまたは時間であり得る。当業者には明らかであるように、十分なまたは有意な遅延は、個体が疾患を発症しないという点で、実際には予防を包含し得る。
【0045】
III.組換え核酸
本開示のある特定の態様は、CFTRポリペプチド(例えば、ヒトCFTRポリペプチド)をコードする1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、10以上等)のポリヌクレオチドを含む組換え核酸(例えば、単離された組換え核酸)に関する。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、CFTRポリペプチドをコードする1つのポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、CFTRポリペプチドをコードする2つのポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、CFTRポリペプチドをコードする3つのポリヌクレオチドを含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、組換え核酸は、ベクターである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、ウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、ヘルペスウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、単純ヘルペスウイルスアンプリコンである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、組換えヘルペスウイルスゲノムである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノムである。
【0047】
嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
いくつかの実施形態では、本開示は、CFTR遺伝子(例えば、ヒトCFTR遺伝子)のコード配列を含む1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換え核酸、またはその任意の一部に関する。例えば、ヒトCFTR遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:1080;配列番号1または配列番号3を参照のこと)、チンパンジーCFTR遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:463674を参照のこと)、マウスCFTR遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:12638を参照のこと)、ラットCFTR遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:24255を参照のこと)、イヌCFTR遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:492302を参照のこと)、ウサギCFTR遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:100009471を参照のこと)、ウシCFTR遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:281067を参照のこと)、アカゲザルCFTR遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:574346を参照のこと)等を含む、当該技術分野で既知の任意の好適なCFTR遺伝子(その任意のアイソフォームを含む)が、本開示のポリヌクレオチドによってコードされ得る。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知のCFTR遺伝子(及び/またはそのコード配列)のうちのいずれかの配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。例えば、BLAST(登録商標)blastn suite等の核酸配列アラインメントプログラムを使用することを含む、追加の種由来のCFTR遺伝子ホモログ/オルソログを特定する方法は、当業者に既知である。
【0048】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知のCFTR遺伝子のうちのいずれかのコドン最適化バリアントを含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知のCFTR遺伝子のうちのいずれかのコード配列のコドン最適化バリアントを含む。いくつかの実施形態では、CFTR遺伝子のコドン最適化バリアントの使用は、対応する非コドン最適化野生型配列の異種発現の安定性及び/または収率と比較して、標的細胞(例えば、ヒト気道上皮細胞等の標的ヒト細胞)におけるコードされたCFTRポリペプチドの異種発現(RNA及び/またはタンパク質)の安定性及び/または収率を増加させる。例えば、Fath et al.(PLoS One.2011 Mar 3;6(3):e17596)によって説明される方法を含む、1つ以上の標的細胞(例えば、肺の1つ以上の細胞)における発現のための配列のコドン最適化を行うための当該技術分野で既知の任意の好適な方法が、使用され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、本開示の1つ以上のポリヌクレオチドは、ヒトCFTR遺伝子のコード配列を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号1の配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号1の配列を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号1の配列の5’切断、3’切断、または断片を含む。いくつかの実施形態では、配列番号1の配列の5’切断、3’切断、または断片は、配列番号1の少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、または少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1250、少なくとも1500、少なくとも1750、少なくとも2000、少なくとも2250、少なくとも2500、少なくとも2750、少なくとも3000、少なくとも3250、少なくとも3500、少なくとも3750、少なくとも4000、少なくとも4250個であるが、4443個未満の連続するヌクレオチドを有するポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号1の核酸1~4440の配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号1の核酸1~4440の配列を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号3の配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号3の配列を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号3の配列の5’切断、3’切断、または断片を含む。いくつかの実施形態では、配列番号3の配列の5’切断、3’切断、または断片は、配列番号3の少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、または少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1250、少なくとも1500、少なくとも1750、少なくとも2000、少なくとも2250、少なくとも2500、少なくとも2750、少なくとも3000、少なくとも3250、少なくとも3500、少なくとも3750、少なくとも4000、少なくとも4250個であるが、4260個未満の連続するヌクレオチドを有するポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号3の核酸1~4257の配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号3の核酸1~4257の配列を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ヒトCFTR遺伝子のコドン最適化バリアントのコード配列を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号2の配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号2の配列を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号2の配列の5’切断、3’切断、または断片を含む。いくつかの実施形態では、配列番号2の配列の5’切断、3’切断、または断片は、配列番号2の少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、または少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1250、少なくとも1500、少なくとも1750、少なくとも2000、少なくとも2250、少なくとも2500、少なくとも2750、少なくとも3000、少なくとも3250、少なくとも3500、少なくとも3750、少なくとも4000、少なくとも4250個であるが、4443個未満の連続するヌクレオチドを有するポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号2の核酸1~4440の配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号2の核酸1~4440の配列を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号4の配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号4の配列を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号4の配列の5’切断、3’切断、または断片を含む。いくつかの実施形態では、配列番号4の配列の5’切断、3’切断、または断片は、配列番号4の少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、または少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1250、少なくとも1500、少なくとも1750、少なくとも2000、少なくとも2250、少なくとも2500、少なくとも2750、少なくとも3000、少なくとも3250、少なくとも3500、少なくとも3750、少なくとも4000、少なくとも4250個であるが、4260個未満の連続するヌクレオチドを有するポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号4の核酸1~4257の配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号4の核酸1~4257の配列を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号1~4から選択される核酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号1~4から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号1または配列番号2から選択される核酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号1または配列番号2から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号3または配列番号4から選択される核酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号3または配列番号4から選択される配列を含む。
【0060】
本開示の(例えば、ヒトCFTRポリペプチドをコードする)ポリヌクレオチドは、追加のコード配列及び非コード配列をさらにコードし得る。追加のコード配列及び非コード配列の例には、追加のポリペプチドタグをコードする配列(例えば、融合タンパク質を産生するためにCFTRタンパク質とインフレームでコードされる)、イントロン(例えば、天然、修飾、または異種イントロン)、5’UTR及び/または3’UTR(例えば、天然、修飾、または異種5’UTR及び/または3’UTR)等が挙げられるが、これらに限定されない。好適なポリペプチドタグの例には、精製タグ、例えば、hisタグ、flagタグ、マルトース結合タンパク質及びグルタチオン-S-トランスフェラーゼタグ、検出タグ、例えば、測光的に検出され得るタグ(例えば、緑色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質等)及び検出可能な酵素活性を有するタグ(例えば、アルカリホスファターゼ等)、分泌配列、シグナル配列、リーダー配列、及び/または安定化配列、プロテアーゼ切断部位(例えば、フラン切断部位、TEV切断部位、トロンビン切断部位等)等を含むタグの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、5’UTR及び/または3’UTRは、ポリヌクレオチドの安定性、局在化、及び/または翻訳効率を増加させる。いくつかの実施形態では、5’UTR及び/または3’UTRは、タンパク質発現レベル及び/または持続時間を改善する。いくつかの実施形態では、5’UTR及び/または3’UTRは、オフターゲット発現を遮断し得るまたは減少させ得る(例えば、特定の細胞型(例えば、神経細胞)における発現を、細胞周期の特定の時点で、特定の発達段階で阻害する)エレメント(例えば、1つ以上のmiRNA結合部位等)を含む。いくつかの実施形態では、5’UTR及び/または3’UTRは、特定の細胞型におけるCFTRタンパク質発現を強化し得るエレメント(例えば、1つ以上のmiRNA結合部位等)を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、本開示の(例えば、ヒトCFTRポリペプチドをコードする)ポリヌクレオチドは、1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、10以上等)の調節配列に作動可能に連結されている。「調節配列」という用語は、エンハンサー、インシュレーター、プロモーター、及び他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含み得る。例えば、哺乳類遺伝子(例えば、グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α-フェトタンパク質、インスリン等)由来のエンハンサー配列、真核細胞ウイルス由来のエンハンサー配列(例えば、複製起点の後半側(bp100~270)のSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後半側のポリオーマエンハンサー、アデノウイルスエンハンサー等)、及びそれらの任意の組み合わせを含む、当該技術分野で既知の任意の好適なエンハンサー(複数可)が使用され得る。例えば、ヒトインターフェロンベータ遺伝子(IFNB1)由来の単純ヘルペスウイルス(HSV)クロマチン境界(CTRL/CTCF結合/インシュレーター)エレメントCTRL1及び/またはCTRL2、ニワトリ高感受性部位4インシュレーター(cHS4)、ヒトHNRPA2B1-CBX3ユビキタスクロマチンオープニングエレメント(UCOE)、足場/マトリックス結合領域(S/MAR)、及びそれらの任意の組み合わせを含む、当該技術分野で既知の任意の好適なインシュレーター(複数可)が使用され得る。例えば、ウイルス(例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(アデノウイルス2等)、ウシ乳頭腫ウイルス、鳥肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、シミアンウイルス40(SV40)等)のゲノムから得られるプロモーター、異種哺乳類遺伝子由来のプロモーター(例えば、アクチンプロモーター(例えば、β-アクチンプロモーター)、ユビキチンプロモーター(例えば、ユビキチンC(UbC)プロモーター)、ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)プロモーター、免疫グロブリンプロモーター、熱ショックタンパク質プロモーター等)、天然及び/または相同哺乳類遺伝子由来のプロモーター(例えば、ヒトCFTR遺伝子プロモーター)、合成プロモーター(CAGGプロモーター等)、ならびにそれらの任意の組み合わせを含む、当該技術分野で既知の任意の好適なプロモーター(例えば、哺乳類宿主細胞での転写に好適なプロモーター)は、かかるプロモーターが宿主細胞に適合する条件で、使用され得る。調節配列は、核酸、ならびに組織特異的調節配列及び/または誘導性もしくは抑制性配列の構成的発現を指示する配列を含み得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、1つ以上の異種プロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、1つ以上の異種プロモーターは、構成的プロモーター、組織特異的プロモーター、時間的プロモーター、空間的プロモーター、誘導性プロモーター、及び抑制性プロモーターのうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、1つ以上の異種プロモーターは、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)前初期プロモーター、ヒト伸長因子-1(EF1)プロモーター、ヒトβ-アクチンプロモーター、ヒトUbCプロモーター、ヒトPGKプロモーター、合成CAGGプロモーター、及びそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、本開示の(例えば、ヒトCFTRポリペプチドをコードする)ポリヌクレオチドは、HCMVプロモーターに作動可能に連結されている。
【0063】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、コラーゲンアルファ-1(VII)鎖ポリペプチド(COL7)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、リシルヒドロキシラーゼ3ポリペプチド(LH3)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ケラチンI型細胞骨格17ポリペプチド(KRT17)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、トランスグルタミナーゼ(TGM)ポリペプチド(例えば、ヒトTGM1ポリペプチド等のヒトトランスグルタミナーゼポリペプチド及び/またはヒトTGM5ポリペプチド)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、美容タンパク質(例えば、コラーゲンタンパク質、フィブロネクチン、エラスチン、ルミカン、ビトロネクチン/ビトロネクチン受容体、ラミニン、神経調節物質、フィブリリン、追加の皮膚細胞外マトリックスタンパク質等)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、抗体(例えば、全長抗体、抗体断片等)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、セリンプロテアーゼ阻害剤Kazal型(SPINK)ポリペプチド(例えば、ヒトSPINK5ポリペプチド等のヒトSPINKポリペプチド)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、フィラグリンまたはフィラグリン2ポリペプチド(例えば、ヒトフィラグリンまたはフィラグリン2ポリペプチド)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、コラーゲンアルファ-1(VII)鎖ポリペプチド、リシルヒドロキシラーゼ3ポリペプチド、ケラチンI型細胞骨格17ポリペプチド、及び/またはそれらの任意のキメラポリペプチド(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、コラーゲンアルファ-1(VII)鎖ポリペプチド、リシルヒドロキシラーゼ3ポリペプチド、ケラチンI型細胞骨格17ポリペプチド、トランスグルタミナーゼ(TGM)ポリペプチド、フィラグリンポリペプチド、美容タンパク質、抗体、SPINKポリペプチド、及び/またはそれらの任意のキメラポリペプチド(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。
【0064】
嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ポリペプチド
いくつかの実施形態では、本開示は、CFTRポリペプチド(例えば、ヒトCFTRポリペプチド)またはその任意の一部分をコードする1つ以上のポリヌクレオチドに関する。例えば、ヒトCFTRポリペプチド(例えば、UniProt受入番号P13569;配列番号5または配列番号6を参照のこと)、チンパンジーCFTRポリペプチド(例えば、UniProt受入番号Q2QLE5を参照のこと)、マウスCFTRポリペプチド(例えば、UniProt受入番号P26361を参照のこと)、ラットCFTRポリペプチド(例えば、UniProt受入番号P34158を参照のこと)、ウサギCFTRポリペプチド(例えば、UniProt受入番号Q00554を参照のこと)、アカゲザルCFTRポリペプチド(例えば、UniProt受入番号Q00553を参照のこと)等を含む、当該技術分野で既知の任意の好適なCFTRポリペプチドが、本開示のポリヌクレオチドによってコードされ得る。いくつかの実施形態では、本開示のCFTRポリペプチドは、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知のCFTRポリペプチドのうちのいずれかのアミノ酸配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。例えば、BLAST(登録商標)blastp suiteまたはOrthoDB等のアミノ酸配列アラインメントプログラムの使用を含む、追加の種由来のCFTRポリペプチドホモログ/オルソログを特定する方法は、当業者に既知である。
【0065】
いくつかの実施形態では、本開示のCFTRポリペプチドは、ヒトCFTRポリペプチドである。
【0066】
いくつかの実施形態では、ヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号5の配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号5のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0067】
いくつかの実施形態では、ヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号5のアミノ酸配列のN末端切断、C末端切断、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断、C末端切断、または断片は、配列番号5の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも550、少なくとも600、少なくとも650、少なくとも700、少なくとも750、少なくとも800、少なくとも850、少なくとも900、少なくとも950、少なくとも1000、少なくとも1100、少なくとも1200、少なくとも1300、少なくとも1400個であるが、1480個未満の連続するアミノ酸を含み得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、ヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号6の配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号6のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0069】
いくつかの実施形態では、ヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号6のアミノ酸配列のN末端切断、C末端切断、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断、C末端切断、または断片は、配列番号6の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも550、少なくとも600、少なくとも650、少なくとも700、少なくとも750、少なくとも800、少なくとも850、少なくとも900、少なくとも950、少なくとも1000、少なくとも1100、少なくとも1200、少なくとも1300、少なくとも1400個であるが、1419個未満の連続するアミノ酸を含み得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、CFTRポリペプチドをコードする本開示のポリヌクレオチドは、配列番号5または配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、CFTRポリペプチドをコードする本開示のポリヌクレオチドは、配列番号5または配列番号6のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0071】
いくつかの実施形態では、CFTRポリペプチド(例えば、ヒトCFTRポリペプチド)をコードする本開示のポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが対象の1つ以上の標的細胞(例えば、対象の気道及び/または肺の1つ以上の細胞)に送達されると、CFTRポリペプチドを発現する。いくつかの実施形態では、CFTRポリペプチド(例えば、ヒトCFTRポリペプチド)の発現は、(例えば、CFTRポリペプチドの発現前と比較して)対象の1つ以上の標的細胞におけるCFTRポリペプチドのレベル、機能、及び/または活性を強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する。いくつかの実施形態では、CFTRポリペプチド(例えば、ヒトCFTRポリペプチド)の発現は、(例えば、CFTRポリペプチドの発現前と比較して)対象の1つ以上の細胞による、及び/または対象の1つ以上の臓器(例えば、肺)における粘液分泌を減少させる。いくつかの実施形態では、CFTRポリペプチド(例えば、ヒトCFTRポリペプチド)の発現は、(例えば、CFTRポリペプチドの発現前と比較して)対象の1つ以上の臓器(例えば、肺)における粘液蓄積を減少させる及び/または阻害する。いくつかの実施形態では、CFTRポリペプチド(例えば、ヒトCFTRポリペプチド)の発現は、(例えば、CFTRポリペプチドの発現前と比較して)対象における気道閉塞を低減する、予防する、または治療する。いくつかの実施形態では、CFTRポリペプチド(例えば、ヒトCFTRポリペプチド)の発現は、(例えば、CFTRポリペプチドの発現前と比較して)対象の肺における慢性細菌性感染症及び/または関連する慢性炎症を低減する、予防する、または治療する。いくつかの実施形態では、CFTRポリペプチド(例えば、ヒトCFTRポリペプチド)の発現は、(例えば、CFTRポリペプチドの発現前と比較して)対象における気管支拡張症を減少する、阻害する、予防する、または治療する。いくつかの実施形態では、CFTRポリペプチド(例えば、ヒトCFTRポリペプチド)の発現は、(例えば、CFTRポリペプチドの発現前と比較して)対象における進行性肺損傷を減少させる、阻害する、予防する、または治療する。いくつかの実施形態では、CFTRポリペプチド(例えば、ヒトCFTRポリペプチド)の発現は、(例えば、CFTRポリペプチドの発現前と比較して)対象における慢性肺疾患(例えば、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺障害)の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供する。いくつかの実施形態では、CFTRポリペプチド(例えば、ヒトCFTRポリペプチド)の発現は、(例えば、CFTRポリペプチドの発現前と比較して)対象における嚢胞性線維症の1つ以上の徴候もしくは症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供する。
【0072】
組換え核酸
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載のポリヌクレオチドのうちのいずれか1つ以上を含む組換え核酸に関する。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、ベクター(例えば、発現ベクター、ディスプレイベクター等)である。いくつかの実施形態では、ベクターは、DNAベクターまたはRNAベクターである。一般に、ポリヌクレオチドを維持する、増殖させる、及び/または発現して、対象において1つ以上のポリペプチドを産生するのに好適なベクターが使用され得る。好適なベクターの例には、例えば、プラスミド、コスミド、エピソーム、トランスポゾン、及びウイルスベクター(例えば、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、シンドビスウイルスベクター、麻疹ベクター、ヘルペスウイルスベクター、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター等)が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、ベクターは、ヘルペスウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、ベクターは、宿主細胞内で自己複製することができる。いくつかの実施形態では、ベクターは、宿主細胞内で自己複製することができない。いくつかの実施形態では、ベクターは、宿主DNAに組み込むことができる。いくつかの実施形態では、ベクターは、宿主DNAに組み込むことができない(例えば、エピソーム性である)。例えば、化学合成または核酸の単離されたセグメントの人為的操作(例えば、遺伝子操作技法)等による、目的とする1つ以上のポリヌクレオチドを含むベクターを作製する方法は、当業者に周知である。
【0073】
いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、単純ヘルペスウイルス(HSV)アンプリコンである。構造的特徴を含むヘルペスウイルスアンプリコン及びそれを作製する方法は、当業者に一般に既知である(例えば、de Silva S.and Bowers W.“Herpes Virus Amplicon Vectors”.Viruses 2009,1,594-629を参照のこと)。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスアンプリコンは、HSV-1アンプリコンである。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスアンプリコンは、HSV-1ハイブリッドアンプリコンである。HSV-1ハイブリッドアンプリコンの例には、HSV/AAVハイブリッドアンプリコン、HSV/EBVハイブリッドアンプリコン、HSV/EBV/RVハイブリッドアンプリコン、及び/またはHSV/スリーピングビューティーハイブリッドアンプリコンが挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アンプリコンは、HSV/AAVハイブリッドアンプリコンである。いくつかの実施形態では、アンプリコンは、HSV/スリーピングビューティーハイブリッドアンプリコンである。
【0074】
いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、組換えヘルペスウイルスゲノムである。例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム、組換え水痘帯状疱疹ウイルスゲノム、組換えヒトサイトメガロウイルスゲノム、組換えヘルペスウイルス6Aゲノム、組換えヘルペスウイルス6Bゲノム、組換えヘルペスウイルス7ゲノム、組換えカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスゲノム、及びそれらの任意の組み合わせまたは誘導体を含む、組換えヘルペスウイルスゲノムは、当該技術分野で既知のDNAウイルスのヘルペスウイルス科ファミリーの任意のメンバー由来の組換えゲノムであり得る。本明細書で使用される場合、「不活性化変異」とは、(例えば、不活性化変異を欠く対応する配列と比較して)低下した、検出不能な、または排除された量及び/または機能を有する遺伝子またはレギュロン産物(RNAまたはタンパク質)をもたらす任意の変異を指し得る。不活性化変異の例には、欠失、挿入、点変異、ならびに所与の遺伝子もしくはレギュロンの転写制御配列(プロモーター、エンハンサー、インシュレーター等)及び/またはコード配列の再編成が挙げられ得るが、これらに限定されない。例えば、qPCR、ノーザンブロット、RNAseq、ウエスタンブロット、ELISA等を含む、当該技術分野で既知の遺伝子またはレギュロン産物の量を測定する任意の好適な方法が使用され得る。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上等)の不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の不活性化変異は、1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上等)のヘルペスウイルス遺伝子に存在する。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、(例えば、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して)弱毒化されている。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、複製可能である。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、複製欠損である。
【0075】
いくつかの実施形態では、組換え核酸は、組換え単純ヘルペスウイルス(HSV)ゲノムである。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノム、組換え単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)ゲノム、またはそれらの任意の誘導体である。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上等)の不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の不活性化変異は、1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上等)の単純ヘルペスウイルス遺伝子に存在する。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、(例えば、対応する野生型単純ヘルペスウイルスゲノムと比較して)弱毒化されている。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、複製可能である。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、複製欠損である。
【0076】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、組換えHSV-1ゲノムである。いくつかの実施形態では、組換えHSV-1ゲノムは、例えば、株17、Ty25、R62、S25、Ku86、S23、R11、Ty148、Ku47、H166syn、1319-2005、F-13、M-12、90237、F-17、KOS、3083-2008、F12g、L2、CD38、H193、M-15、India 2011、0116209、F-11I、66-207、2762、369-2007、3355、MacIntyre、McKrae、7862、7-hse、HF10、1394,2005、270-2007、OD4、SC16、M-19、4J1037、5J1060、J1060、KOS79、132-1988、160-1982、H166、2158-2007、RE、78326、F18g、F11、172-2010、H129、F、E4、CJ994、F14g、E03、E22、E10、E06、E11、E25、E23、E35、E15、E07、E12、E14、E08、E19、E13、ATCC 2011等を含む、当該技術分野で既知の任意のHSV-1株由来であり得る(例えば、Bowen et al.J Virol.2019 Apr 3;93(8)を参照のこと)。いくつかの実施形態では、組換えHSV-1ゲノムは、KOS株由来である。いくつかの実施形態では、組換えHSV-1ゲノムは、McKrae株由来ではない。いくつかの実施形態では、組換えHSV-1ゲノムは、弱毒化されている。いくつかの実施形態では、組換えHSV-1ゲノムは、複製可能である。いくつかの実施形態では、組換えHSV-1ゲノムは、複製欠損である。いくつかの実施形態では、組換えHSV-1ゲノムは、1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上等)の不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の不活性化変異は、1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上等)のHSV-1遺伝子に存在する。
【0077】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、感染細胞タンパク質(ICP)0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41、及び/またはUL55単純ヘルペスウイルス遺伝子のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、または8つ全てに不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルス遺伝子に不活性化変異を含まない(例えば、それを発現することができる)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27単純ヘルペスウイルス遺伝子に不活性化変異を含まない(例えば、それを発現することができる)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47単純ヘルペスウイルス遺伝子に不活性化変異を含まない(例えば、それを発現することができる)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP27、及び/またはICP47単純ヘルペスウイルス遺伝子に不活性化変異を含まない(例えば、それを発現することができる)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、連結領域に不活性化変異を含まない。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP34.5(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルス遺伝子及び/またはICP47単純ヘルペスウイルス遺伝子に不活性化変異を含まない(例えば、免疫刺激ウイルスの産生を回避するために)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP34.5単純ヘルペスウイルス遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含まない。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47単純ヘルペスウイルス遺伝子に不活性化変異を含まない。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP34.5(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルス遺伝子及びICP47単純ヘルペスウイルス遺伝子に不活性化変異を含まない。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、腫瘍溶解性ではない。
【0078】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、UL41、及び/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP22遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP22遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP22遺伝子に不活性化変異を含み、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP22遺伝子に不活性化変異を含み、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、不活性化変異は、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、及び/またはUL41遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27、ICP47、及び/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、UL41、及び/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP22遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP22遺伝子に不活性化変異を含み、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、不活性化変異は、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、及び/またはUL41遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP27、ICP47、及び/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22遺伝子に不活性化変異を含み、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP27、ICP47、UL41、及び/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22遺伝子に不活性化変異を含み、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、不活性化変異は、ICP22及び/またはUL41遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP27、ICP47、及び/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27遺伝子に不活性化変異を含み、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP47、UL41、及び/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、不活性化変異は、ICP27遺伝子のコード配列の欠失である。
【0082】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47遺伝子に不活性化変異を含み、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、UL41、及び/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、不活性化変異は、ICP47遺伝子のコード配列の欠失である。
【0083】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL41遺伝子に不活性化変異を含み、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、及び/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、不活性化変異は、UL41遺伝子のコード配列の欠失である。
【0084】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL55遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL55遺伝子に不活性化変異を含み、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、及び/またはUL41遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、不活性化変異は、UL55遺伝子のコード配列の欠失である。
【0085】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、内部リピートロング(IR)領域及び内部リピートショート(IR)領域を含む内部リピート(ジョイント)領域に不活性化変異(例えば、その欠失)を含む。いくつかの実施形態では、ジョイント領域の不活性化(例えば、欠失)は、ICP4遺伝子及びICP0遺伝子の各々1つのコピーを排除する。いくつかの実施形態では、ジョイント領域の不活性化(例えば、欠失)は、ICP22遺伝子及びICP47遺伝子のプロモーターをさらに不活性化する(例えば、欠失させる)。所望の場合、これらの遺伝子の一方または両方の発現は、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムへの前初期プロモーターの挿入によって回復し得る(例えば、Hill et al.(1995).Nature 375(6530):411-415、Goldsmith et al.(1998).J Exp Med 187(3):341-348を参照のこと)。理論に拘束されることを望むことなく、ジョイント領域の不活性化(例えば、欠失)が、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムの安定性に寄与し得る、及び/または組換え単純ヘルペスウイルスゲノムがより多くの及び/またはより大きい導入遺伝子を収容することを可能にすると考えられる。
【0086】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、及びICP27遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP27、及びUL55遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、及びUL55遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP27、及び/またはUL55遺伝子における不活性化変異は、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP27、及び/またはUL55遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの実施形態では、ICP22遺伝子及びICP47遺伝子における不活性化変異は、ICP22遺伝子及びICP47遺伝子のプロモーター領域の欠失である(例えば、ICP22コード配列及びICP47コード配列はインタクトであるが、転写的に活性ではない)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP27、及びUL55遺伝子のコード配列の欠失、ならびにICP22遺伝子及びICP47遺伝子のプロモーター領域の欠失を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)及び/またはUL41遺伝子に不活性化変異をさらに含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方または両方のコピー)及びICP4(一方または両方のコピー)遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、及びICP22遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、及びICP27遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、及びUL55遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、及び/またはUL55遺伝子における不活性化変異は、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、及び/またはUL55遺伝子のコード配列の欠失を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47遺伝子及び/またはUL41遺伝子に不活性化変異をさらに含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、1、2、3、4、5、6、7、またはそれ以上のウイルス遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む。好適なウイルス遺伝子座の例には、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、tk、UL41、及び/またはUL55単純ヘルペスウイルス遺伝子座が挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP4遺伝子座の一方または両方内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP4遺伝子座の一方または両方にヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを担持する組換えウイルス)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP22遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP22遺伝子座にヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを担持する組換えウイルス)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスUL41遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、UL41遺伝子座にヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを担持する組換えウイルス)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP0遺伝子座の一方または両方内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP0遺伝子座の一方または両方にヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを担持する組換えウイルス)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP27遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP27遺伝子座にヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを担持する組換えウイルス)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP47遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP47遺伝子座にヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを担持する組換えウイルス)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP4遺伝子座の一方または両方内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含み、ウイルスICP22遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP4遺伝子座の一方または両方にヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチド及びICP22遺伝子座にヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを担持する組換えウイルス)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP4遺伝子座の一方または両方内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含み、ウイルスUL41遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP4遺伝子座の一方または両方にヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチド及びUL41遺伝子座にヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを担持する組換えウイルス)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP22遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含み、ウイルスUL41遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP22遺伝子座にヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、及びUL41遺伝子座にヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを担持する組換えウイルス)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP4遺伝子座の一方または両方内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含み、ウイルスICP22遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含み、ウイルスUL41遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP4遺伝子座の一方または両方にヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ICP22遺伝子座にヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、及びUL41遺伝子座にヒトCFTRポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを担持する組換えウイルス等)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP4遺伝子座の一方または両方内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを、ウイルスICP22遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを、ウイルスUL41遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを、ウイルスICP0遺伝子座の一方または両方内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを、ウイルスICP27遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを、及び/またはICP47遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム)は、HSV ICP0遺伝子の一方または両方のコピー、HSV ICP4遺伝子、HSV ICP22遺伝子、HSV UL41遺伝子、HSV ICP27遺伝子、HSV ICP47遺伝子等の一方または両方のコピー等の1つ以上のヘルペスウイルス遺伝子(例えば、1つ以上の毒性ヘルペスウイルス遺伝子)の発現を減少させるまたは排除するように操作されている。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム)は、(例えば、標的細胞に導入されると)対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して組換えゲノムの細胞毒性を減少させるように操作されている。いくつかの実施形態では、標的細胞は、ヒト細胞(初代細胞またはそれらに由来する細胞株)である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、粘膜細胞である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、呼吸器の細胞(初代細胞またはそれらに由来する細胞株)である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、気道上皮細胞(初代細胞またはそれらに由来する細胞株)である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、肺の細胞(初代細胞またはそれらに由来する細胞株)である。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムの細胞毒性は、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%減少する(例えば、標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムに対する組換えΔICP4(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルスゲノムの相対的細胞毒性の測定、標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムに対する組換えΔICP4(一方または両方のコピー)/ΔICP22単純ヘルペスウイルスゲノムの相対的細胞毒性の測定等)。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムの細胞毒性は、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、少なくとも約100倍、少なくとも約250倍、少なくとも約500倍、少なくとも約750倍、少なくとも約1000倍、またはそれ以上減少する(例えば、標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムに対する組換えΔICP4(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルスゲノムの相対的細胞毒性の測定、標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムに対する組換えΔICP4(一方または両方のコピー)/ΔICP22単純ヘルペスウイルスゲノムの相対的細胞毒性の測定等)。例えば、生体色素(ホルマザン色素)、プロテアーゼバイオマーカー、MTTアッセイ(またはXTT、MTS、水溶性テトラゾリウム塩等の関連テトラゾリウム塩を使用するアッセイ)の使用、ATP含有量の測定等を含む、細胞毒性を測定する方法は、当業者に既知である。
【0090】
いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム)は、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して、標的細胞の組換えゲノムへの曝露後の標的細胞増殖に対するその影響を低減するように操作されている。いくつかの実施形態では、標的細胞は、ヒト細胞(初代細胞またはそれらに由来する細胞株)である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、粘膜細胞である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、呼吸器の細胞(初代細胞またはそれらに由来する細胞株)である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、気道上皮細胞(初代細胞またはそれらに由来する細胞株)である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、肺の細胞(初代細胞またはそれらに由来する細胞株)である。いくつかの実施形態では、組換えゲノムへの曝露後の標的細胞増殖は、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の標的細胞増殖と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%速い(例えば、標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の細胞増殖に対する組換えΔICP4(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の相対的細胞増殖の測定、標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムに対する組換えΔICP4(一方または両方のコピー)/ΔICP22単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の相対的細胞増殖の測定等)。いくつかの実施形態では、組換えゲノムへの曝露後の標的細胞増殖は、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の標的細胞増殖と比較して、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、少なくとも約100倍、少なくとも約250倍、少なくとも約500倍、少なくとも約750倍、または少なくとも約1000倍速い(例えば、標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の細胞増殖に対する組換えΔICP4(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の相対的細胞増殖の測定、標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムに対する組換えΔICP4(一方または両方のコピー)/ΔICP22単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の相対的細胞増殖の測定等)。例えば、Ki67細胞増殖アッセイ、BrdU細胞増殖アッセイ等の使用を含む、細胞増殖を測定する方法は、当業者に既知である。
【0091】
ベクター(例えば、ヘルペスウイルスベクター)は、宿主細胞におけるポリヌクレオチドの発現に好適な形態で本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含み得る。ベクターは、(例えば、上述のように)発現されるポリヌクレオチドに作動的に連結された1つ以上の調節配列を含み得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム)は、組換え核酸に任意の配向で挿入された本明細書に記載のポリヌクレオチドのうちの1つ以上を含む。組換え核酸が本明細書に記載の2つ以上(例えば、2つ以上、3つ以上等)のポリヌクレオチドを含む場合、これらのポリヌクレオチドは、同じ配向でまたは互いに反対の配向で挿入され得る。理論に拘束されることを望むことなく、2つのポリヌクレオチド(例えば、2つの導入遺伝子)をアンチセンス配向で組換え核酸(例えば、ベクター)に組み込むことにより、リードスルーを回避し、各ポリヌクレオチドの適切な発現を確実にする助けとなり得る。
【0093】
IV.ウイルス
本開示のある特定の態様は、本明細書に記載のポリヌクレオチド及び/または組換え核酸のうちのいずれかを含むウイルスに関する。いくつかの実施形態では、ウイルスは、対象(例えば、ヒト)の1つ以上の標的細胞に感染することができる。いくつかの実施形態では、ウイルスは、ポリヌクレオチド及び/または組換え核酸を対象(例えば、ヒト)の1つ以上の標的細胞に送達するのに好適である。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、ヒト細胞である。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、CFTR欠乏症を有する1つ以上の細胞(例えば、天然CFTR遺伝子におけるゲノム変異を含む1つ以上の細胞)である。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、1つ以上の粘膜細胞である。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、1つ以上の気道上皮細胞である。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、呼吸器の1つ以上の細胞(例えば、気道上皮細胞(例えば、杯細胞、繊毛細胞、クララ細胞、神経内分泌細胞、基底細胞、中層細胞または傍基底細胞、漿液細胞、刷毛細胞、オンコサイト、非繊毛円柱細胞、及び/または化生細胞)、肺胞細胞(1型肺細胞、2型肺細胞、及び/または立方非繊毛細胞等)、気管支における唾液腺細胞(漿液細胞、粘膜細胞、及び/または導管細胞等)等)である。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、肺の1つ以上の細胞である。
【0094】
例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、センダイウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、及び/またはそれらの任意のハイブリッドもしくは誘導体ウイルスを含む、当該技術分野で既知の任意の好適なウイルスが使用され得る。いくつかの実施形態では、ウイルスは、弱毒化されている。いくつかの実施形態では、ウイルスは、複製可能である。いくつかの実施形態では、ウイルスは、複製欠損である。いくつかの実施形態では、ウイルスは、対応する修飾されていない野生型ウイルスの組織向性と比較してその組織向性を改変するように修飾されている。いくつかの実施形態では、ウイルスは、対応する野生型ウイルスと比較して減少した細胞毒性(例えば、標的細胞における)を有する。組換え核酸を含むウイルスを産生する方法は、当業者に周知である。
【0095】
いくつかの実施形態では、ウイルスは、例えば、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス6A、ヘルペスウイルス6B、ヘルペスウイルス7、及びカポジ肉腫関連ヘルペスウイルス等を含む、DNAウイルスのヘルペスウイルス科ファミリーのメンバーである。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、弱毒化されている。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、複製欠損である。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、複製可能である。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、1つ以上のヘルペスウイルス遺伝子(例えば、1つ以上の毒性ヘルペスウイルス遺伝子)の発現を減少させるまたは排除するように操作されている。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、対応する野生型ヘルペスウイルスと比較して減少した細胞毒性を有する。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、腫瘍溶解性ではない。
【0096】
いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルスである。組換え核酸を含む単純ヘルペスウイルスは、例えば、WO2015/009952、WO2017/176336、WO2019/200163、WO2019/210219、及び/またはWO2020/006486に開示されるプロセスによって産生され得る。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、弱毒化されている。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、複製欠損である。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、複製可能である。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、1つ以上の単純ヘルペスウイルス遺伝子(例えば、1つ以上の毒性単純ヘルペスウイルス遺伝子)の発現を減少させるまたは排除するように操作されている。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、対応する野生型単純ヘルペスウイルスと比較して減少した細胞毒性を有する。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、腫瘍溶解性ではない。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、HSV-1ウイルス、HSV-2、またはそれらの任意の誘導体である。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、HSV-1ウイルスである。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、HSV-1である。いくつかの実施形態では、HSV-1は、弱毒化されている。いくつかの実施形態では、HSV-1は、複製欠損である。いくつかの実施形態では、HSV-1は、複製可能である。いくつかの実施形態では、HSV-1は、1つ以上のHSV-1遺伝子(例えば、1つ以上の毒性HSV-1遺伝子)の発現を減少させるまたは排除するように操作されている。いくつかの実施形態では、HSV-1は、対応する野生型HSV-1と比較して減少した細胞毒性を有する。いくつかの実施形態では、HSV-1は、腫瘍溶解性ではない。
【0097】
いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、修飾されていない野生型単純ヘルペスウイルスの組織向性と比較してその組織向性を改変するように修飾されている。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、修飾されたエンベロープを含む。いくつかの実施形態では、修飾されたエンベロープは、1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上等)の変異単純ヘルペスウイルス糖タンパク質を含む。単純ヘルペスウイルス糖タンパク質の例には、糖タンパク質gB、gC、gD、gH、及びgLが挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、修飾されたエンベロープは、野生型単純ヘルペスウイルスと比較して単純ヘルペスウイルス組織向性を改変する。
【0098】
いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞(例えば、呼吸器の1つ以上の細胞)に対する本開示のウイルス(例えば、ヘルペスウイルス)の形質導入効率(インビトロ及び/またはインビボ)は、少なくとも約25%である。例えば、1つ以上の標的細胞に対するウイルスの形質導入効率は、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、またはそれ以上であり得る。いくつかの実施形態では、ウイルスは、単純ヘルペスウイルスであり、1つ以上の標的細胞(例えば、呼吸器の1つ以上の細胞)に対するウイルスの形質導入効率は、約85%~約100%である。いくつかの実施形態では、ウイルスは、単純ヘルペスウイルスであり、1つ以上の標的細胞(例えば、呼吸器の1つ以上の細胞)に対するウイルスの形質導入効率は、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%である。例えば、qPCR分析、ディープシーケンシング、ウエスタンブロッティング、蛍光定量分析(蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)、蛍光レポーター遺伝子発現、免疫蛍光、FACS等)等を含む、ウイルス形質導入効率をインビトロまたはインビボで測定する方法は、当業者に周知である。
【0099】
V.薬学的組成物及び製剤
本開示のある特定の態様は、本明細書に記載の組換え核酸(例えば、組換えヘルペスウイルスゲノム)及び/またはウイルス(例えば、組換えゲノムを含むヘルペスウイルス)のうちのいずれか(組換え単純ヘルペスウイルスゲノムを含む単純ヘルペスウイルス等)と、薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む、薬学的組成物ならびに製剤に関する。
【0100】
いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、本明細書に記載のウイルス(例えば、ヘルペスウイルス)のうちのいずれか1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、約10~約1012プラーク形成単位(PFU)/mLのウイルスを含む。例えば、薬学的組成物または製剤は、約10~約1012、約10~約1012、約10~約1012、約10~約1012、約10~約1012、約10~約1012、約1010~約1012、約1011~約1012、約10~約1011、約10~約1011、約10~約1011、約10~約1011、約10~約1011、約10~約1011、約1010~約1011、約10~約1010、約10~約1010、約10~約1010、約10~約1010、約10~約1010、約10~約1010、約10~約10、約10~約10、約10~約10、約10~約10、約10~約10、約10~約10、約10~約10、約10~約108、約10~約10、約10~約10、約10~約10、約10~約10、約10~約10、約10~約10、または約10~約10PFU/mLのウイルスを含み得る。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、約10、約10、約10、約10、約10、約10、約1010、約1011、または約1012PFU/mLのウイルスを含む。
【0101】
薬学的組成物及び製剤は、所望の純度を有する活性成分(複数可)(組換え核酸及び/またはウイルス等)を1つ以上の薬学的に許容される担体または賦形剤と混合することによって調製され得る。薬学的に許容される担体または賦形剤は、一般に、用いられる投薬量及び濃度でレシピエントに対して非毒性であり、緩衝液(リン酸、クエン酸、酢酸、及び他の有機酸等)、抗酸化剤(アスコルビン酸及びメチオニン等)、保存料(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、フェノール、ブチルアルコールまたはベンジルアルコール、アルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノール、及びm-クレゾール等)、アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリジン等)、低分子量(約10残基未満)ポリペプチド、タンパク質(血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン等)、ポリオール(グリセロール等、例えば、10%のグリセロールを含む製剤)、親水性ポリマー(ポリビニルピロリドン等)、単糖、二糖、及び他の炭水化物(グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む)、キレート剤(EDTA等)、糖(スクロース、マンニトール、トレハロース、またはソルビトール等)、塩形成対イオン(ナトリウム等)、金属錯体(Zn-タンパク質錯体等)、及び/または非イオン性界面活性剤(ポリエチレングリコール(PEG)等)を含み得る。薬学的に許容される担体の詳細な考察は、REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES(Mack Pub.Co.,N.J.1991)で入手可能である。
【0102】
いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、1つ以上の脂質(例えば、カチオン性脂質)担体を含む。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、1つ以上のナノ粒子担体を含む。ナノ粒子は、迅速放出または制御放出のためのカプセル化された薬物(合成小分子、タンパク質、ペプチド、細胞、ウイルス、及び核酸ベースの生物学的治療薬等)を運ぶことができるサブミクロン(約1000nm未満)のサイズの薬物送達ビヒクルである。様々な分子(例えば、タンパク質、ペプチド、組換え核酸等)は、当該技術分野で周知のプロセスを使用してナノ粒子中に効率的にカプセル化され得る。いくつかの実施形態では、ナノ粒子中に「カプセル化」された分子とは、ナノ粒子中に含まれているか、ナノ粒子の表面に付着している及び/またはそれと会合しているか、またはそれらの任意の組み合わせである分子(ウイルス等)を指し得る。本明細書に記載の組成物または製剤に使用するためのナノ粒子は、例えば、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、PLGA、PLA、PGA、及びそれらの任意の組み合わせを含むナノ粒子を含む、当該技術分野で既知の任意のタイプの生体適合性ナノ粒子であり得る(例えば、Vauthier et al.Adv Drug Del Rev.(2003)55:519-48、US2007/0148074、US2007/0092575、US2006/0246139、US5753234、US7081483、及びWO2006/052285を参照のこと)。
【0103】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体あるいは賦形剤は、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、皮膚、経口、鼻腔内、気管内、舌下、口腔、局所、経皮、皮内、腹腔内、眼窩内、硝子体内、網膜下、経粘膜、関節内、埋め込みによる、吸入による、髄腔内、脳室内、及び/または鼻腔内投与を含む、当該技術分野で既知の任意の投与経路に適合され得るか、あるいはそれらに好適であり得る。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体あるいは賦形剤は、経口、鼻腔内、気管内、及び/または吸入投与に適合されるか、あるいはそれらに好適である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体または賦形剤は、吸入投与に適合されるか、またはそれに好適である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体または賦形剤は、非侵襲的吸入投与に適合されるか、またはそれに好適である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体または賦形剤は、噴霧(振動メッシュネブライザーを使用する)に適合されるか、またはそれに好適である。
【0104】
いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、皮膚、経口、鼻腔内、気管内、舌下、口腔、局所、経皮、皮内、腹腔内、眼窩内、硝子体内、網膜下、経粘膜、関節内、埋め込みによる、吸入による、髄腔内、脳室内、もしくは鼻腔内投与を含む、当該技術分野で既知の任意の投与経路に適合され得るか、またはそれらに好適であり得る。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、経口、鼻腔内、気管内、もしくは吸入投与に適合されるか、またはそれに好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、吸入投与に適合されるか、またはそれに好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、非侵襲的吸入投与に適合されるか、またはそれに好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、噴霧(振動メッシュネブライザーを使用する)に適合されるか、またはそれに好適である。
【0105】
いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、1つ以上の追加の成分をさらに含む。追加の成分の例には、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、充填剤(例えば、ラクトース及び他の糖、微結晶性セルロース、ペクチン、ゼラチン、硫酸カルシウム、エチルセルロース、ポリアクリレート、またはリン酸水素カルシウム等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸、金属ステアリン酸塩、水素化植物油、トウモロコシデンプン、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、崩壊剤(例えば、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム等)、湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等)、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミラーゼ、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、甘味料、香味料、香料、着色剤、保湿剤、日焼け防止剤、抗菌剤、ポリヌクレオチドを安定化するか、またはそれらの分解を阻止することができる薬剤等が挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、リン酸緩衝液を含む。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、グリセロールを(例えば、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%等)含む。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、リン酸緩衝液及びグリセロールを含む。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、約15%未満、約14%未満、約13%未満、約12%未満、約11%未満、約10%未満、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、または約0.1%未満のグリセロールを含む。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤はグリセロールを含まない。
【0106】
インビボ投与のために使用される薬学的組成物及び製剤は、一般に、滅菌である。滅菌は、例えば、滅菌濾過膜を通す濾過によって、容易に達成され得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、CFTRポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを対象の1つ以上の細胞(例えば、1つ以上のCFTR欠損細胞、CFTR遺伝子変異を有する1つ以上の細胞、呼吸器の1つ以上の細胞等)に送達するために使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、CFTRポリペプチドの発現から利益を得るであろう疾患または状態(例えば、CFTR欠乏症に関連する疾患、及び/またはCFTR遺伝子変異に関連する疾患)の治療に使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、慢性肺疾患(例えば、嚢胞性線維症、COPD等)の予防または治療に使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、嚢胞性線維症の予防または治療に使用され得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、CFTRポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを対象の1つ以上の細胞(例えば、1つ以上のCFTR欠損細胞、CFTR遺伝子変異を有する1つ以上の細胞、呼吸器の1つ以上の細胞等)に送達するのに有用な薬剤の調製に使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、CFTRポリペプチドの発現から利益を得るであろう疾患または状態(例えば、CFTR欠乏症に関連する疾患、及び/またはCFTR遺伝子変異に関連する疾患)の予防または治療に有用な薬剤の調製に使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、慢性肺疾患(例えば、嚢胞性線維症、COPD等)の予防または治療に有用な薬剤の調製に使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、嚢胞性線維症の予防または治療に有用な薬剤の調製に使用され得る。
【0109】
VI.方法
本開示のある特定の態様は、対象の1つ以上の細胞におけるCFTRポリペプチドレベルを強化する、増加させる、増強する、及び/または補充することに関し、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性CFTR遺伝子(一方または両方のコピー)に変異(例えば、機能喪失変異)を含む。いくつかの実施形態では、対象は、慢性肺疾患、例えば、嚢胞性線維症、COPD等に罹患する。いくつかの実施形態では、対象は、嚢胞性線維症に罹患する。
【0110】
いくつかの実施形態では、対象への組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤の投与は、対象における1つ以上の対応する未処理細胞における内因性CFTRレベルと比較して、対象の1つ以上の接触細胞または処理細胞におけるCFTRレベル(転写物またはタンパク質レベル)を少なくとも約2倍増加させる。例えば、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤の投与は、対象における1つ以上の対応する未処理細胞における内因性CFTRレベルと比較して、対象の1つ以上の接触細胞または処理細胞におけるCFTRレベル(転写物またはタンパク質レベル)を少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、少なくとも約100倍、少なくとも約250倍、少なくとも約500倍、少なくとも約750倍、少なくとも約1000倍、またはそれ以上増加させ得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の接触細胞または処理細胞は、呼吸器の1つ以上の細胞(例えば、気道上皮の1つ以上の細胞、及び/または粘膜下腺の1つ以上の細胞)である。例えば、qPCR、ウエスタンブロット、質量分析等を含む、試料から転写物またはタンパク質レベルを測定する方法は、当業者に周知である。
【0111】
本開示の他の態様は、細胞ナトリウムレベルの低下を必要とする対象において細胞ナトリウムレベルを低下させる方法であって、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性CFTR遺伝子(一方または両方のコピー)に変異(例えば、機能喪失変異)を含む。いくつかの実施形態では、対象は、慢性肺疾患、例えば、嚢胞性線維症、COPD等に罹患する。いくつかの実施形態では、対象は、嚢胞性線維症に罹患する。
【0112】
いくつかの実施形態では、対象への組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤の投与は、対象における1つ以上の対応する未処理細胞における細胞内ナトリウムレベルと比較して、1つ以上の接触細胞または処理細胞における細胞内ナトリウムレベルを少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、またはそれ以上減少させる。細胞内ナトリウムレベルを測定する方法は、当業者に一般に既知である。
【0113】
本開示の他の態様は、少なくとも1つの呼吸気量の測定の改善を必要とする対象においてそれを行う方法であって、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性CFTR遺伝子(一方または両方のコピー)に変異(例えば、機能喪失変異)を含む。いくつかの実施形態では、対象は、慢性肺疾患、例えば、嚢胞性線維症、COPD等に罹患する。
【0114】
いくつかの実施形態では、対象への組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤の投与は、治療前の対象において測定された少なくとも1つの参照呼吸気量と比較して、少なくとも1つの呼吸気量の測定を少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、またはそれ以上改善する。測定され得る好適な呼吸気量の例には、例えば、総肺活量(TLC)、最大膨張時の肺における体積;一回換気量(TV)、静かな呼吸中に肺内外に移動した空気の量;残気量(RV)、最大呼気後に肺に残っている空気の量;予備呼気量(ERV)、強制呼吸中に吐き出され得る(一回換気量を上回る)最大量;予備吸気量(ERV)、吸気終末位置から吸気され得る空気の最大量;吸気容量(IC)、IRVとTVとの合計;吸気肺活量(IVC)、最大呼気量の点から吸入された空気の最大量;肺活量(VC)、最も深い吸気後に吐き出された空気の量;機能的残気量(FRC)、呼気終末位置での肺における量;努力性肺活量(FVC)、最大努力性呼気努力からの肺活量の決定;努力性呼気量(時間)(FEV)、最初のt秒間における努力性条件下で呼気された量;努力性吸気流(FIF)、努力性吸気曲線の特定の測定;ピーク呼気フロー(PEF)、ピークフローメーターで測定された最大努力性呼気フロー;最大換気量(MVV)、繰り返し最大努力中の特定の期間に呼気された空気の量等が挙げられる。呼吸気量を測定する方法は、当業者に一般に既知である。
【0115】
本開示の他の態様は、肺における慢性細菌性感染症の減少または予防を必要とする対象においてそれを行う方法であって、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性CFTR遺伝子(一方または両方のコピー)に変異(例えば、機能喪失変異)を含む。いくつかの実施形態では、対象は、慢性肺疾患、例えば、嚢胞性線維症、COPD等に罹患する。いくつかの実施形態では、対象は、嚢胞性線維症に罹患する。例えば、血液検査または培養、酸素測定法、動脈血ガス測定、気管支鏡検査、経気管粘液培養、肺生検、胸腔穿刺、コンピュータ断層撮影スキャン等を行うことによることを含む、肺における細菌性感染症を監視する方法は、それらの改善を含み、当業者に既知である。
【0116】
本開示の他の態様は、肺の慢性細菌性感染症の減少、予防、または治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性CFTR遺伝子(一方または両方のコピー)に変異(例えば、機能喪失変異)を含む。いくつかの実施形態では、対象は、慢性肺疾患、例えば、嚢胞性線維症、COPD等に罹患する。いくつかの実施形態では、対象は、嚢胞性線維症に罹患する。例えば、呼気された一酸化窒素を測定すること、痰及び血液における好酸球の百分率を決定すること等によることを含む、肺炎症を測定する方法は、それらの改善を含み、当業者に周知である。
【0117】
本開示の他の態様は、進行性肺損傷の減少、阻害、または治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性CFTR遺伝子(一方または両方のコピー)に変異(例えば、機能喪失変異)を含む。いくつかの実施形態では、対象は、慢性肺疾患、例えば、嚢胞性線維症、COPD等に罹患する。いくつかの実施形態では、対象は、嚢胞性線維症に罹患する。例えば、Saetta et al.(Am Rev Respir Dis.1985 May;131(5):764-9)によって説明された方法によることを含む、肺損傷を測定する方法は、当業者に周知である。
【0118】
本開示の他の態様は、嚢胞性線維症の1つ以上の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的緩和の提供を必要とする対象においてそれを行う方法であって、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性CFTR遺伝子(一方または両方のコピー)に変異(例えば、機能喪失変異)を含む。
【0119】
嚢胞性線維症の徴候及び症状には、多量の粘液を生じる持続的な咳嗽、気道に蓄積する多量の粘着性粘液、喘鳴、呼吸困難、副鼻腔炎、反復的肺感染症、炎症性鼻腔、気管支拡張症、鼻ポリープ、喀血、気胸、膵炎、再発性肺炎、呼吸不全、及びそれらの任意の組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0120】
本開示の他の態様は、COPDの1つ以上の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的緩和の提供を必要とする対象においてそれを行う方法であって、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかの有効量を投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、喫煙者または前喫煙者である。
【0121】
COPDの徴候及び症状には、息切れ、喘鳴、胸部絞扼感、肺内の過剰な粘液、慢性咳嗽、チアノーゼ、頻繁な呼吸器感染症、及びそれらの任意の組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0122】
本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、経口、鼻腔内、気管内、舌下、口腔、局所、直腸、吸入を介して、経皮、皮下、皮内、静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、骨内、腹腔内、経粘膜、膣内、硝子体内、眼窩内、網膜下、関節内、関節周囲、局部、皮膚上、またはそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の好適な方法または経路によって投与され得る。したがって、本開示は、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを個体(例えば、嚢胞性線維症等の慢性肺疾患を有するか、またはそれを発症するリスクにある個体)に送達する方法を包含する。
【0123】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、経口、鼻腔内、気管内、吸入を介して投与される。経口、鼻腔内、気管内、及び/または吸入投与経路を介して薬物を肺に送達する方法は、当業者に一般に既知である(例えば、Gardenhire et al.A Guide to Aerosol Delivery Devices for Respiratory Therapists,4th Edition,American Association for Respiratory care,2017、Patil et al.Pulmonary Drug Delivery Strategies:A Concise,Systematic Review,Lung India.2012.29(1):44-9、Marx et al.Intranasal Drug Administration-An Attractive Delivery Route for Some Drugs,2015)。
【0124】
いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、エアロゾル化した製剤の吸入によって肺に送達される。吸入は、対象の鼻及び/または口を通して生じ得る。組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤を肺に送達するための例示的な装置には、乾燥粉末吸入器、加圧式定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー(例えば、ジェットネブライザー、超音波ネブライザー、振動メッシュネブライザー)、衝突ジェット、押出ジェット、表面波マイクロ流体噴霧、キャピラリーエアロゾル生成、電気流体力学的エアロゾル装置等が含まれ得るが、これらに限定されない(例えば、Carvalho and McConville.The function and performance of aqueous devices for inhalation therapy.(2016)Journal of Pharmacy and Pharmacologyを参照のこと)。
【0125】
液体製剤は、例えば、加圧式定量吸入器(pMDI)を使用して対象の肺に投与され得る。pMDIは、一般に、少なくとも2つの構成要素:液体製剤が1つ以上の推進剤と組み合わせて圧力下で保持されるキャニスターと、キャニスターを保持及び作動させるために使用されるレセプタクルとを含む。キャニスターは、単回用量または複数回用量の製剤を含み得る。キャニスターは、キャニスターの内容物が排出され得るバルブ、典型的には、計量バルブを含み得る。エアロゾル化した薬物は、キャニスターに力を加えてそれをレセプタクルに押し込み、それによってバルブを開き、薬物粒子をレセプタクル出口を通してバルブから搬送させることによって、pMDIから分配される。キャニスターから排出されると、液体製剤は噴霧され、エアロゾルを形成する。pMDIは、典型的には、1つ以上の推進剤を使用してキャニスターの内容物を加圧し、液体製剤をレセプタクル出口から推進させ、エアロゾルを形成する。任意の好適な推進剤が利用され得、例えば、圧縮ガスまたは液化ガスを含む、多様な形態をとり得る。
【0126】
液体製剤は、例えば、ネブライザーを使用して、対象の肺に投与され得る。ネブライザーは、液体製剤をミストまたは小さな液滴の雲状物に変換する液体エアロゾル発生器であり、多くの場合、約5ミクロン未満の直径の空気力学的質量中央粒子直径を有し、下部呼吸器に吸入され得る。液滴は、エアロゾル雲状物が吸入されると、鼻、上気道、及び/または深部肺に活性剤(複数可)を運ぶ。空気式(ジェット)ネブライザー、電気機械式ネブライザー(例えば、超音波ネブライザー、振動メッシュネブライザー等)等を含むが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意のタイプのネブライザーは、製剤を患者に投与するために使用され得る。空気式(ジェット)ネブライザーは、加圧ガス供給を液体製剤の噴霧のための駆動力として使用する。圧縮ガスは、ノズルまたはジェットを通して送達されて、周囲の液体製剤を取り込み薄膜またはフィラメント中にそれを剪断する低圧領域を作り出す。膜またはフィラメントは、不安定であり、吸気呼吸に流れる圧縮ガスによって運搬される小さな液滴へと分かれる。液滴プルームに挿入されたバッフルは、より大きな液滴を選別して除き、バルク液溜めにそれらを戻す。電気機械式ネブライザーは、液体製剤を噴霧するために電気的に生成された機械的な力を使用する。電気機械式駆動力は、例えば、液体製剤を超音波周波数で振動させることによって、または薄膜における小さな孔にバルク液体を強制的に通すことによって適用され得る。力は、薄い液体膜またはフィラメント流を生成し、これは小さな液滴に分かれて、吸気流に閉じ込められ得るゆっくりと動くエアロゾル流を形成する。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、振動メッシュネブライザーである。振動メッシュネブライザーの例には、例えば、Phillips InnoSpire、Aerogen Solo、PARI eFlow等が挙げられる。
【0127】
液体製剤は、例えば、電気流体力学(EHD)エアロゾル装置を使用して、対象の肺に投与され得る。EHDエアロゾル装置は、液体薬剤溶液または懸濁液をエアロゾル化するために電気エネルギーを使用する。
【0128】
乾燥粉末製剤は、例えば、乾燥粉末吸入器(DPI)を使用して、対象の肺に投与され得る。DPIは、典型的には、ガスの破裂等の機構を使用して、容器内側に乾燥粉末の雲状物を作り出し、次いで、対象によって吸入され得る。DPIでは、投与される用量は非加圧乾燥粉末の形態で保管され、吸入器の作動時に、粉末の粒子は対象によって吸入される。いくつかの場合では、圧縮ガスは、pMDIと同様に、粉末を分配するために使用され得る。いくつかの場合では、DPIは、呼吸作動され得る(エアロゾルが吸気に正確に応答して作り出される)。典型的には、乾燥粉末吸入器は、咳嗽の誘発を避けるために、吸入あたり数十ミリグラム未満の用量を投与する。DPIの例には、例えば、Turbohaler(登録商標)吸入器(AstraZeneca)、Clickhaler(登録商標)吸入器(Innovata)、Diskus(登録商標)吸入器(Glaxo)、EasyHaler(登録商標)(Orion)、Exubera(登録商標)吸入器(Pfizer)等が挙げられる。
【0129】
いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象に1回投与される。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象に少なくとも2回(例えば、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも10回等)投与される。いくつかの実施形態では、投与間(例えば、第1の投与と第2の投与との間、第2の投与と第3の投与との間等)で、少なくとも1時間(例えば、少なくとも約1時間、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、少なくとも約18時間、少なくとも約1日間、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、少なくとも約7日間、少なくとも約15日間、少なくとも約20日間、少なくとも約30日間、少なくとも約40日間、少なくとも約50日間、少なくとも約60日間、少なくとも約70日間、少なくとも約80日間、少なくとも約90日間、少なくとも約100日間、少なくとも約120日間等)が経過している。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象に、1日あたり1回、2回、3回、4回、5回、またはそれ以上投与される。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象に、1か月あたり1回、2回、3回、4回、5回、またはそれ以上投与される。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象に、1年あたり1回、2回、3回、4回、5回、またはそれ以上投与される。
【0130】
VII.宿主細胞
本開示のある特定の態様は、本明細書に記載の組換え核酸のうちのいずれかを含む1つ以上の宿主細胞に関する。例えば、真正細菌を含む原核細胞、例えば、グラム陰性またはグラム陽性生物、例えば、Escherichia(例えば、E.coli)、Enterobacter、Erminia、Klebsiella、Proteus、Salmonella(例えば、S.typhimurium)、Serratia(例えば、S.marcescans)、及びShigella等のEnterobacteriaceae、ならびにB.subtilis及びB.licheniformis等のBacilli、真菌細胞(例えば、S.cerevisiae)、昆虫細胞(例えば、S2細胞等)、及び哺乳類細胞(例えば、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7、ATCC CRL 1651)、ヒト胚腎臓株(懸濁培養液中での増殖のためにサブクローニングされた293または293細胞)、ベビーハムスター腎細胞(BHK、ATCC CCL 10)、マウスセルトリ細胞(TM4)、サル腎細胞(CV1 ATCC CCL 70)、アフリカミドリザル腎細胞(VERO-76、ATCC CRL-1587)、ヒト子宮頸癌細胞(HELA、ATCC CCL 2)、イヌ腎細胞(MDCK、ATCC CCL 34)、バッファローラット肝細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442)、ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75)、ヒト肝細胞(Hep G2、HB 8065)、マウス乳房腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51)、TRI細胞、MRC5細胞、FS4細胞、ヒトヘパトーマ(Hep G2)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(例えば、DHFR’CHO細胞)、ならびにNS0及びSp2/0等の骨髄腫細胞株)を含む、当該技術分野で既知の任意の好適な宿主細胞(原核細胞または真核細胞)が使用され得る。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、ヒトまたは非ヒト霊長類細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、細胞株由来の細胞である。好適な宿主細胞または細胞株の例には、293、HeLa、SH-Sy5y、Hep G2、CACO-2、A549、L929、3T3、K562、CHO-K1、MDCK、HUVEC、Vero、N20、COS-7、PSN1、VCaP、CHO細胞等が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0131】
いくつかの実施形態では、組換え核酸は、単純ヘルペスウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、単純ヘルペスウイルスアンプリコンである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、HSV-1アンプリコンまたはHSV-1ハイブリッドアンプリコンである。いくつかの実施形態では、ヘルパーウイルスを含む宿主細胞は、本明細書に記載のHSV-1アンプリコンまたはHSV-1ハイブリッドアンプリコンと接触し、本明細書に記載の1つ以上の組換え核酸を含むウイルスの産生をもたらす。いくつかの実施形態では、ウイルスは、接触した宿主細胞の上清から収集される。ヘルパーウイルスを含む宿主細胞をHSV-1アンプリコンまたはHSV-1ハイブリッドアンプリコンと接触させることによってウイルスを生成する方法は、当該技術分野で既知である。
【0132】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、補完宿主細胞である。いくつかの実施形態では、補完宿主細胞は、本明細書に記載のウイルスベクターのうちのいずれかにおいて不活性化される1つ以上の遺伝子を発現する。いくつかの実施形態では、補完宿主細胞は、本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム)と接触する。いくつかの実施形態では、補完宿主細胞を組換えヘルペスウイルスゲノムと接触させることにより、本明細書に記載の1つ以上の組換え核酸を含むヘルペスウイルスの産生がもたらされる。いくつかの実施形態では、ウイルスは、接触した宿主細胞の上清から収集される。補完宿主細胞を組換え単純ヘルペスウイルスと接触させることによってウイルスを生成する方法は、一般に、WO2015/009952、WO2017/176336、WO2019/200163、WO2019/210219、及び/またはWO2020/006486において説明されている。
【0133】
VIII.製品またはキット
本開示のある特定の態様は、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを含む製品またはキットに関する。いくつかの実施形態では、製品またはキットは、(例えば、ホモ接合CFTR機能喪失変異を有する対象における)CFTR欠乏症を治療するための、及び/または慢性肺疾患(嚢胞性線維症またはCOPD等)の1つ以上の徴候もしくは症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供するための、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤を投与するための指示を含む添付文書を含む。いくつかの実施形態では、製品またはキットは、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤を投与するための装置をさらに含む。いくつかの実施形態では、装置は、ネブライザー(例えば、振動メッシュネブライザー)である。
【0134】
組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤に好適な容器には、例えば、ボトル、バイアル、バッグ、チューブ、及びシリンジが含まれ得る。容器は、ガラス、プラスチック(ポリ塩化ビニルもしくはポリオレフィン等)、または金属合金(ステンレス鋼もしくはハステロイ等)等の様々な材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、容器は、容器上にラベルを含むか、または容器に関連するラベルを含み、ラベルは、使用に関する指示を示す。製品またはキットは、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、吸入器、ネブライザー、鼻腔内投与装置、添付文書等を含む、商業的観点及び使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含み得る。
【0135】
本明細書は、当業者が本開示を実施することを可能にするのに十分であると考えられる。本明細書に示され、かつ記載される修正に加えて、本開示の様々な修正は、前述の記述から当業者に明らかになり、添付の特許請求の範囲内に入るであろう。
【実施例0136】
本開示は、以下の実施例を参照することにより、より完全に理解されるであろう。しかしながら、それが本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。本明細書に記載の実施例及び実施形態が例証のみを目的としており、それに照らして様々な修正または変更が当業者に提案され、本出願の趣旨及び範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれることを理解されたい。
【0137】
実施例1:ヒトCFTRタンパク質をコードする修飾された単純ヘルペスウイルスベクター
標的哺乳類細胞(肺の細胞等)においてCFTRポリペプチドを発現することができる修飾された単純ヘルペスウイルスベクターを作製するために、単純ヘルペスウイルスゲノム(図1A)を、最初に1つ以上の単純ヘルペスウイルス遺伝子を不活性化するように修飾する。かかる修飾は、哺乳類細胞におけるゲノムの毒性を減少させ得る。次に、これらの修飾/弱毒化された組換えウイルス構築物のバリアントを、それらが所望のCFTRポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを担持するように生成する。これらのバリアントには、1)各ICP4遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下のヒトCFTRポリペプチド(例えば、配列番号5)のコード配列(例えば、配列番号2)を含む発現カセットを含む組換えΔICP4修飾HSV-1ゲノム(図1B)、2)各ICP4遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下のヒトCFTRポリペプチドのコード配列を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔUL41修飾HSV-1ゲノム(図1C)、3)UL41遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下のヒトCFTRポリペプチドのコード配列を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔUL41修飾HSV-1ゲノム(図1D)、4)各ICP4遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下のヒトCFTRポリペプチドのコード配列を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔICP22修飾HSV-1ゲノム(図1E)、5)ICP22遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下のヒトCFTRポリペプチドのコード配列を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔICP22修飾HSV-1ゲノム(図1F)、6)各ICP4遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下のヒトCFTRポリペプチドのコード配列を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔUL41/ΔICP22修飾HSV-1ゲノム(図1G)、7)UL41遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下のヒトCFTRポリペプチドのコード配列を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔUL41/ΔICP22修飾HSV-1ゲノム(図1H)、8)ICP22遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下のヒトCFTRポリペプチドのコード配列を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔUL41/ΔICP22修飾HSV-1ゲノム(図1I)が含まれる。
【0138】
これらの修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムベクターを、1つ以上のヘルペスウイルス遺伝子を発現するように修飾された操作された細胞にトランスフェクトする。これらの操作された細胞は、修飾されたゲノムを内部にパッケージングした複製欠損単純ヘルペスウイルスを細胞培養物の上清に分泌する。その後、上清を収集し、濃縮し、5μmフィルターに通して滅菌濾過する。
【0139】
実施例2:2D培養物におけるヒトCFTRをコードするHSV-1ベクターの構築及びインビトロ特徴付け
嚢胞性線維症の原因となる遺伝的欠陥の発見後、初期の肺遺伝子療法臨床試験は、1990年代初頭に行われた。組換えアデノウイルスは、CFTR送達のために試験された初期ベクターのうちの1つであったが、アデノベースのウイルスは、主に、アピカル肺表面上のウイルス受容体の不足及び反復的ウイルス送達に対する宿主免疫応答の重症度に起因して、これらの試験に失敗した。CF患者に投与された他のウイルス遺伝子療法ベクターは、アデノ随伴ウイルスに基づいていた(多数のAAV血清型がCF臨床現場において試験されている)。AAVベースの遺伝子療法ベクターの大規模な反復投与研究は、投薬された患者においてCF肺機能の改善における失望的な結果を提供した。アデノウイルスとほぼ同様に、組換えAAVベクターは、アピカル肺表面に効率的に感染せず、コードされたカーゴのサイズの物理的限定に起因して、AAVベクターは、全長ヒトCFTRを効率的に送達しない。20年超の集中的な努力にもかかわらず、ウイルスベースの遺伝子療法は、CF(または任意の他の閉塞性肺疾患)を有する患者を助けるにはまだ至っていない。
【0140】
現在、US Cystic Fibrosis Foundationによると、CFにおけるウイルス遺伝子療法の進行中の臨床試験は存在せず、ただ2つのウイルスベースの遺伝子療法ベクターが、前臨床開発中である(これらの両方が、上記のように、CF患者における複数の臨床試験に既に失敗しているベクターであるAAVに基づく)。代わりに、焦点は、ウイルスベースのベクターから、CFTR送達の非ウイルス方法(例えば、リポソームと複合体化されたDNAプラスミドまたはmRNA)に移行している。残念ながら、これらの非ウイルスベクターは、生成物の不安定性及び/またはリポソーム製剤の非効率的な送達/トランスフェクションによって直面する重大なハードルに少なくとも部分的に起因して、限定された成功を収めたにすぎない。ウイルス及び非ウイルス遺伝子ベクターを試験する470人超の患者に関与する25を超える臨床試験は、主に標的細胞への非効率的な遺伝子導入及び反復的曝露後の宿主免疫媒介性クリアランスに起因して、臨床的利益を示すことに失敗している。
【0141】
この目的のために、全長ヒトCFTR(HSV-CFTR)をコードする組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ベクターが、CF患者の治療のための新規の遺伝子療法として開発された。理論に拘束されることを望むことなく、HSVベースのアプローチは、全長ヒトCFTRをコードする能力、標的細胞形質導入の高効率(HSVが極性化上皮細胞のアピカル膜に優先的に感染する)、ウイルスの安定性、及び創傷皮膚の高度炎症性環境の文脈におけるHSV-CFTRと同じウイルス骨格を用いる生成物の反復的投与の確立された臨床安全性を含む、CFに対する他の遺伝子療法ベクターによって経験されるハードルのうちの多くを克服することが、考えられる(ClinicalTrials.gov識別子:NCT03536143)。以下の実施例は、この新規のHSVベースの遺伝子療法ベクターが、嚢胞性線維症患者由来の小気道上皮細胞(SAEC)において機能的全長ヒトCFTRを用量依存的に発現することができたことを示す実験を説明する。
【0142】
上記実施例1において説明されるように、HSV-CFTRを構築した。2D培養物中で増殖した初代CF患者SAECを、未感染のまま(モック)、または0.3、1、または3の感染多重度(MOI)でHSV-CFTRに感染させた。ヒトCFTR発現を、定量的逆転写PCR(qRT-PCR)によって採取された細胞において感染の48時間後に評価した。コドン最適化CFTR転写物は、0.3まで低いMOIで感染した初代CF SAECにおいて検出され、3.0のMOIまで導入遺伝子発現の用量依存的増加を示すように見えた(図2)。モック感染対照試料では、外因性CFTR RNAはほとんど観察されず、HSVコードされたヒト導入遺伝子に対するアッセイの特異性を実証した。
【0143】
HSV-CFTR感染した初代CF SAECにおけるCFTRタンパク質発現を、ウエスタンブロット分析を介して評価した。GAPDHを、試料の一貫した負荷を確実にするための対照として使用した。CF患者SAECは、HSV-CFTRに感染すると、モック感染した対照細胞と比較して、ヒトCFTRを過剰発現した(図3)。興味深いことに、モック感染した細胞における内因性CFTRタンパク質は、150kDaよりわずかに大きな単一のバンドとして解析された一方で(全長ヒトCFTRの予測サイズは168kDaである)、HSV-CFTR形質導入した細胞において発現された外因性CFTRタンパク質は、顕著に大きなサイズの二重線として現れた。ヒトCFTRは、以下のグリコシル化状態に応じて3つの異なる形態で存在することが知られている:(1)ノングリコシル化、(2)コアグリコシル化、及び(3)完全に成熟した、複合体グリコシル化(Scanlin,2001,Respir Res,2(5),pp.276-9)。モック感染CF患者細胞における単一の低分子量バンドの出現は、内因性(変異体)タンパク質が非グリコシル化形態でのみ存在することを示唆し、小胞体(ER)を通して細胞表面に適切に輸送されない未成熟タンパク質バリアントを示す。完全に対照的に、HSV-CFTR感染細胞におけるCFTRの2つのより大きな形態の出現は、ヒト導入遺伝子の広範な翻訳後修飾を明らかにし、恐らくCFTRのコアグリコシル化及び複合体グリコシル化バリアントを表し、ERを通した外因性タンパク質の適切な成熟及び輸送を示唆した。
【0144】
次に、CFTRタンパク質発現及び相対的局在を、免疫蛍光法によって調べた。初代CF患者SAECを指示されたMOIでHSV-CFTRと共に48時間形質導入し、ヒトCFTRの免疫蛍光染色を行った。これらの疾患細胞における内因性変異体CFTRタンパク質のベースラインレベル及び細胞局在を示すために、モック感染した対照試料を、添加した。対照細胞の文脈において分析された場合、免疫蛍光データは、形質導入されたSAECが、CFTRタンパク質発現のHSV-CFTR用量依存的増加を示したことを実証した(図4A)。モック感染対HSV-CFTR感染したCF患者SAECにおいて発現されたCFTRの相対的な細胞局在を比較した場合(図4B)、未感染細胞において発現されたCFTRは、核周辺領域に移動させられたように見えた(ERにおける捕捉及びターンオーバーを示唆する)が、一方で、CFTRは、細胞質全体に、かつHSV-CFTR形質導入細胞の細胞表面に見られた(ERにおける適切な成熟及びERにおける輸送を示す)。このデータは、野生型のHSV-CFTR発現したCFTRが完全にグリコシル化されるが、一方で、内因性の変異体CFTRが非グリコシル化されたことを示唆するウエスタンブロットデータと一致した(図3)。
【0145】
最後に、感染したCF患者SAECにおけるHSV-CFTR発現したヒトCFTRの機能性を、2D CF患者上皮細胞培養におけるウイルス媒介性CFTR回復の機能的エンドポイントとして以前に検証されたジヒドロローダミン6G(dR6G)蛍光色素取り込みアッセイを使用して確認した(Wersto,1996,Proc Natl Acad Sci USA,93(3),pp.1167-72)。簡潔に述べると、HSV-CFTRまたはモック感染した初代CF患者SAECを、dR6G含有細胞培養培地で15分間インキュベートし、PBSで4回洗浄し、RIPA緩衝液中に溶解させ、プレートリーダー上の各試料について526nm励起/555nm発光蛍光を、読み取った。dR6G自体は、非蛍光性であるが、細胞取り込み及び細胞内脱水素酵素への曝露時に蛍光化合物ローダミン6Gに変換され、機能的CFTRの存在に依存するプロセスである(Wersto,1996,Proc Natl Acad Sci USA,93(3),pp.1167-72)。BCAアッセイを各細胞溶解物に対して行って、総タンパク質含有量を定量化し、総タンパク質1μgあたりの相対蛍光を各試料について計算した(図5)。初代CF患者SAECのHSV-CFTR感染は、モック感染対照と比較して、dR6G取り込みの穏やかな用量依存的増加を引き起こし、HSV-CFTRがこれらの疾患初代上皮細胞におけるCFTR機能を回復させることができることを示した。
【0146】
実施例3:CF患者由来オルガノイドを使用する3D器官型培養物におけるインビトロHSV-CFTR用量範囲及び薬理学
CFTR遺伝子における変異は、CFTR機能不全をもたらす一次メカニズムによって6つのクラスのうちの1つに分類される。合成及びプロセシングに影響を及ぼす変異は、ほとんどないタンパク質が細胞表面に到達するため、より重度の疾患をもたらし、管腔輸送を妨げないが、CFTR媒介性アニオン流出を減少させる変異は、多くの場合、アピカル膜でのいくらかの残存CFTR機能の保持に起因する重篤ではない症状をもたらす(Foundation,2019,2018 Annual Data Report,Bethesda:Cystic Fibrosis Foundation)。CFTR変異は、タンパク質合成及び機能の特徴的な段階に影響を及ぼすため、最近の薬物開発努力は、タンパク質の欠陥の特定の供給源を標的とする小分子モジュレーター療法に焦点を当てている。例えば、CFTRタンパク質「ポテンシエーター」として下位分類されたイバカフトル(ivacaftor)は、膜CFTRの塩化物分泌を増強する(特定のクラスIII及びIV CFTRゲーティング及びコンダクタンス変異を有する人物に臨床的利益を提供する)が、一方で、CFTRタンパク質「コレクター」として下位分類されたエレクサカフトル(elexacaftor)は、そうでなければ小胞体の品質制御経路によって分解されるであろうCFTRの適切な折り畳み及び細胞プロセシングを促進する(特定のクラスII CFTR輸送変異を有する人物に臨床的利益を提供する)ことによって作用する(Clancy,2019,Am J Respir Crit Care Med,186(7),pp.593-7)。これらのモジュレーター療法のうちの4つの最近のFDA承認はこれらの薬物に応答する特定の変異を有するCF患者にとって恩恵となっているが、これらのモジュレーターはCF集団のサブセットのみを治療する。特に、効果的な薬物介入の必要性は、クラスI変異(全世界のCF症例の約10%を占める)を有する患者であり、フレームシフト、スプライシング、及び重度に減少または欠如したCFTR発現をもたらすナンセンス変異を包含し、これらの患者はCFの最も厳しく最も致命的な形態に罹患する(Wilschanski,2012,Front Pharmacol,20(3),pp.1-3)。
【0147】
適切なCF動物モデルの欠如に起因して、CF患者肺外移植材料に由来する空気液界面分化した気管支上皮細胞における有効性研究は、異種2D細胞系における概念実証実験後のいくらかの薬剤開発努力のために使用されている(Neuberger,2011,Methods Mol Biol,741(1),pp.39-54)(Randell,2011,Methods Mol Biol,742(1),pp.285-310)。しかしながら、肺外移植組織の限定された利用可能性、及び末期疾患を有しないCF患者から気管支細胞を得るために必要な侵襲的手順は、CFを治療するための新規の治療薬を試験するための、CFTR変異体患者から採取された「容易なアクセス」組織に由来する3D器官型系の開発をもたらしている。フォルスコリン誘発性腫脹(FIS)アッセイを使用する1つのかかる技術は、CF患者由来腸オルガノイド(PDO)を用いて、CFTRタンパク質機能を、単独で、または薬学的介入に応答して研究し(Dekkers,2013,Nat Med,19(7),pp.939-45)、CF薬物開発における画期的なものであることが証明されている。フォルスコリンに曝露すると、オルガノイドは、それらの環状AMP含有量を急速に増加させ、その結果、CFTRチャネルの開口をもたらす。健常個体から採取した生検に由来するオルガノイドは、CFTRによって媒介されるオルガノイド内腔へのイオン及び水の輸送の結果として腫脹し、一方で、CFTR変異体患者生検に由来するオルガノイド(またはCFTRタンパク質機能の特定の薬理学的阻害に曝露された野生型オルガノイド)は、腫脹容量を減少または完全に阻害している(Boj,2017,J Vis Exp,120(1),p.e55159)。CF PDOの使用は、新規の治療薬による治療時のCFTRタンパク質機能の定量的測定(オルガノイド腫脹の検出を介して)を可能にし、この3D器官型系からの陽性結果は、治療されたCF患者における肺応答の変化及び汗塩化物濃度の両方を含む臨床的利益と直接的に相関することが示されている(Berkers,2019,Cell Rep,26(7),pp.1701-1708)。
【0148】
以下の実施例は、上記実施例2で特徴付けられた組換えHSV-1ベクターHSV-CFTRが、基礎となるCFTR変異に関係なく、CF PDOの嚢胞性表現型を救出することができることを示す実験を説明する。
【0149】
機能的CFTR発現を回復させるHSV-CFTRの能力を、4つの異なるCF患者に由来する腸オルガノイドを使用して、臨床的に関連する3D器官型培養物において試験した。(1)F508del CFTR変異(クラスII変異)についてホモ接合の女性患者、(2)F508del変異についてもホモ接合の男性患者、(3)G542XナンセンスCFTR変異についてホモ接合の女性患者(クラスI変異)、及び(4)W1282XナンセンスCFTR変異についてホモ接合の女性患者(クラスI変異)。形質導入されたオルガノイドにおけるCFTR活性を評価するために、オルガノイドの形態及びサイズを感染の24時間または48時間後に評価し、FISアッセイを前述のように実施した(Boj,2017,J Vis Exp,120(1),p.e55159)。CFオルガノイドの効率的な感染のために、オルガノイドを、小さな断片に剪断し、指示されたMOIでHSV-CFTRと共に溶液中で1時間インキュベートし、分析のための96ウェルの透明な底板に播種した。FISアッセイを、以下でより詳細に説明されるように、播種の24時間後または48時間後に実施した。
【0150】
まず、G542X/G542X PDOを、10、20、及び40のMOIで感染させて、オルガノイド腫脹及び細胞生存率の両方に対するベクターの影響を評価した。健常患者に由来する腸オルガノイドを、比較対象として並列にプレーティングした。驚くべきことに、HSV-CFTR形質導入したオルガノイドは、感染の24時間後に野生型PDOを模倣する内腔形成及び明確な嚢胞形態を示し、フォルスコリンの添加前に操作されたベクターによる疾患表現型の完全な機能的補正を示唆した(図6A)。mCherry発現HSVベクターを陰性対照として使用して、HSV-CFTR治療した試料において観察されるPDO形態の改変がウイルス感染に対する非特異的応答に起因しないことを示した。次に、FISアッセイを、感染の48時間後に行った。フォルスコリンの添加及びその後のCFTRの活性化の前であるt=0では、HSV-CFTR形質導入したオルガノイドは、感染の24時間後での観察と一致して、ビヒクル治療またはmCherry感染したオルガノイドと比較して、顕著に拡大した内腔面積を既に有していた(図6B)。興味深いことに、オルガノイド腫脹の中程度の増加のみが、HSV-CFTR形質導入したオルガノイドにおけるフォルスコリンの添加の60分後(t=60)に観察され、これは、恐らくこれらのオルガノイドが、フォルスコリン曝露の前にそれらの最大腫脹ポテンシャルに近づいていることに起因する(図6C)。G542X/G542X変異は、ナンセンス変異の翻訳的読み取りを可能にするアミノグリコシドジェネチシン(G418)への曝露によって(少なくとも部分的に)補正され得、G418は、陽性対照としてこのアッセイに含まれた。G542X/G542X PDOは、t=60でG418の存在下で腫脹した一方で、これらの陽性対照試料中の平均オルガノイドサイズは、HSV-CFTR曝露されたPDOのものよりも顕著に小さかった(図6B及び6C)。G542X/G542X PDOにおけるベクターの軽度から中程度の毒性は、HSV-CFTRを20または40のMOIで使用した場合に感染の48時間後に観察され、20以上のMOIでの毒性は、10のMOIで感染した試料と比較して、恐らくこれらのオルガノイドにおいて観察された腫脹のための減少した能力の原因である。しかしながら、高MOIでの細胞毒性効果が観察されたにもかかわらず、治療されたオルガノイドは、陽性小分子対照を依然として上回った。
【0151】
HSV-CFTRが24時間以内に全ての試験されたMOIで疾患オルガノイドを野生型形態(大きな嚢胞性内腔)に補正し、より高いHSV-CFTR用量が腫脹アッセイにおいてオルガノイドに悪影響を及ぼすように見えたため、3つの残りの嚢胞性線維症PDOを、より低いHSV-CFTR用量(1、5、及び10のMOI)で試験し、感染の24時間後にFISアッセイを介して分析した。まず、HSV-CFTRを、CFTRのF508del変異についてホモ接合である患者に由来するPDOにおいて試験した。F508delは、嚢胞性線維症患者において最も一般的な変異であり、この対立遺伝子の少なくとも1つのコピーは、世界中のCF患者のおよそ85%に見られ、F508delは、CFTR機能喪失変異の約70%を占める(Maiuri,2015,Ann Transl Med,3(Supple 1),p.S24)。試験したF508delオルガノイド培養物の大部分は、試験した最低用量(1のMOI)でも、HSV-CFTRでの感染の24時間後に嚢胞性(野生型)形態を示した。HSV-CFTRで治療されたF508delオルガノイドの平均サイズは、フォルスコリン添加前のビヒクル対照またはmCherry感染したオルガノイドと比較して顕著に増加した(図7A)。平均オルガノイドサイズの顕著な変化は、HSV-CFTR形質導入した試料中のフォルスコリン添加後に検出されず、これらのオルガノイドは、すでにそれらの最大膨張容量、すなわち、「前膨張」にあるか、またはそれに近いと考えられている(図7B)。重要なことに、F508delオルガノイドにおけるCFTR欠陥の機能的補正は、フォルスコリン治療前のHSV-CFTR治療されたオルガノイドと、フォルスコリン治療の60分後の陽性対照Orkambi(登録商標)曝露されたオルガノイドとの間で同様であるように見られた(図7A図7B)。Orkambi(登録商標)は、F508del変異についてホモ接合である2歳以上のCF患者の治療にFDA承認されているルマカフトル(lumacaftor)/イバカフトルの併用療法である。ベクターに起因する明らかな細胞毒性は、試験されたMOIのうちのいずれにおいても、観察されなかった。
【0152】
次に、第2のナンセンスCFTR変異(W1282X)についてホモ接合の患者に由来するオルガノイドをHSV-CFTRに感染させ、オルガノイドサイズをフォルスコリン添加前後に定量化した。上記図6に提示されたデータと一致して、HSV-CFTRは、フォルスコリン添加前のW1282X/W1282XナンセンスCFTR PDOにおいて、感染の24時間後に野生型嚢胞性表現型を効率的に回復させ、平均オルガノイドサイズを増加させた(図8A)。また、1まで低いMOIでのHSV-CFTRは、フォルスコリン添加前後の両方の疾患形態を補正するように見えた(図8A及び8B)。G418もこれらの実験に含まれたが、W1282X/W1282X PDOは、この読み取りアミノグリコシドに応答しないように見られたため、陽性対照をこの実験に含めることはできなかった(全てのナンセンスCFTR変異に対して有効な療法は、現在存在しないため)。このデータは、HSV-CFTRがG418応答性及びG418非応答性CFTRヌル患者試料の両方でCFTR機能を回復できることを示唆した。
【0153】
最後に、第2のF508delホモ接合患者からのオルガノイドを、試験した。HSV-CFTRに感染したPDOは、ビヒクル治療されたオルガノイドと比較して、わずかに増加した平均サイズを有したが、この差異は、統計学的に有意でなかった(図9A及び9B)。
【0154】
これらの研究からのデータは、HSV-CFTRを用いた腸CFオルガノイドの形質導入が、1~40の範囲のMOIでの感染の24時間以内に、コンパクトな出芽CF表現型から野生型特徴を示す十分定義された内腔を含む嚢胞性オルガノイド表現型への、オルガノイド形態の顕著な改変をもたらすことを明らかにした。この「前腫脹」野生型表現型を、複数の陰性対照と比較して、フォルスコリンの添加前の総オルガノイドサイズ及び結果として生じるCFTRの活性化を測定することによって定量的に実証した。HSV-CFTR形質導入したオルガノイドの「前腫脹」性質に起因して、さらなる腫脹を刺激するフォルスコリンの能力は、限定された。低用量のHSV-CFTRに曝露されたCFオルガノイドにおける補正された嚢胞性形態の観察は、少数の細胞において発現された高レベルの外因性野生型CFTRが疾患補正を確立するのに十分であることを示唆し、この治療モダリティの「優位な」効果を示した。1つのF508delオルガノイドは、他の調べられたCFオルガノイド培養物と比較して、野生型表現型のわずかに効率的でない回復を示したが、嚢胞性形態は、5以上のMOIでHSV-CFTRに感染した全てのCFオルガノイドにおいて観察された。様々なCF腸オルガノイド培養物の間で観察される差異は、感染時のそれらの増殖または分化状態のわずかな変化に起因する可能性が最も高く、したがって、CFTR遺伝子型自体がHSV-CFTR形質導入または機能的CFTR発現の効率に有意義に寄与した可能性は、低い。換言すると、HSV-CFTRは、この臨床的に翻訳可能な3D器官型系における基礎となるCFTR変異に関係なく、CF疾患表現型を補正した。
【0155】
まとめると、これらの実施例において提供されるデータは、HSV-CFTRが関連する気道上皮に見事に感染し、機能的ヒトCFTRを効率的に産生し、顕著な毒性なしに複数のCFTR欠陥を分子的に補正したことを示す。理論に拘束されることを望むことなく、これらの研究が、全長機能的ヒトCFTRを送達するための弱毒化したHSVベースの遺伝子療法ベクターの実験的検証の最初の事例を表し、CFの治療のための新規で広範囲に適用可能な遺伝子療法としてのHSV-CFTRの適用を支持することが、考えられる。
【0156】
実施例4:吸入されたHSVベースのベクターの概念実証インビボ投与
以下の実施例は、ウイルスの鼻腔内または気管内投与後に、免疫能正常な動物の気管及び/または肺にHSVベースのベクターを投与することの実現可能性を調べる概念実証インビボ研究を説明する。
【0157】
この実施例において実施された全ての手順は、該当する動物福祉法に準拠しており、現地のInstitutional Animal Care and Use Committee(IACUC)によって承認された。10匹の5~6週齢のC57BL/6マウスを研究に使用し、そのうちの5匹は、気管内投与によってHSV-mCherry(上述)またはビヒクル対照のいずれかを受け、そのうちの5匹は、鼻腔内投与によってHSV-mCherryまたはビヒクル対照を受けた。実験手順の前に、動物をテラゾール/デクスドミトールの混合物の腹腔内注射で鎮静させ、眼科用軟膏を眼に塗布して角膜の乾燥を防止した。
【0158】
気管内投与のために、各マウスの首を電気カミソリを使用して剃り、脱毛クリームを塗布して残りの毛皮を全て除去した。次いで、手術領域を70%エタノール浸漬スワブで2回洗浄し、麻酔したマウスを角度のついた拘束スタンド上に配置した。首における小さな切開を手術用ハサミを使用して行い、気管輪を可視化し気管輪にアクセスするために、胸腺、広頸筋、及び前気管筋を邪魔にならないように移動した。4.9375×10プラーク形成単位(PFU)のHSV-mCherryの25μLの気管内注射を3匹の動物に投与し、一方で、ビヒクル対照の25μLの気管内注射を2匹の動物に投与し、各マウスをその呼吸が徐々に正常に戻るまで吊り下げ位置に保持した。切開部位を、個々に結びつけた単純な縫合糸で閉じた。
【0159】
鼻腔内投与のために、マウスを、上述のように麻酔し、角度のついた拘束スタンド上に配置した。3匹のマウスに、25μL(鼻孔あたり12.5μL)で製剤化された4.9375x10 PFUのウイルスを、各々鼻腔内接種した。製剤放出の速度を調節して、マウスが、呼吸の吸気段階中に気泡を形成することなく接種物を吸入できるようにした。2匹のマウスに、同じ手順を使用して25μLのビヒクル対照を投与した。投与後、動物を、呼吸が正常に戻るまで吊り下げ位置に保持した。
【0160】
全ての動物を、麻酔から回復させ、犠死の時まで水及び食物を自由に与えた。投与の48時間後、マウスを安楽死させ、気管支肺胞洗浄(BAL)を滅菌生理食塩水を使用して左右の肺において行った。BAL液を、収集し、遠心分離し、細胞ペレットを集めた。次に、気管の上部を、採取し、核酸定量化のために液体窒素中で急速凍結した。肺(左葉、右上葉、右中葉、及び右下葉及び大静脈後葉)を、個々に採取し、核酸分析のために液体窒素中で急速凍結するか、または免疫蛍光分析のために4%中性緩衝ホルマリン中で灌流し、パラフィンに包埋した。
【0161】
パラフィン包埋肺組織の免疫蛍光染色のために、Alexa Fluor(登録商標)488コンジュゲート汎サイトケラチン抗体を使用して、上皮細胞を検出し(Invitrogenカタログ番号53-9003-82)、ウサギ抗mCherry一次抗体(Abcamカタログ番号ab213511)及びAlexa Fluor(登録商標)594コンジュゲート二次抗体(Abcamカタログ番号ab150080)を使用して感染した細胞を検出した。組織試料をDAPIを含有するマウント培地にマウントして、核を可視化した。
【0162】
HSV-mCherryの鼻腔内対気管内投与は、形質導入された動物の肺組織において検出されている同様のレベルのmCherry転写物をもたらした(図10A)。興味深いことに、導入遺伝子転写物は鼻腔内曝露されたマウスの気管内においてほとんど特定されなかった一方で、頑健なmCherry転写は気管内曝露されたマウスの気管において検出され、導入遺伝子発現における統計学的に有意な差異は、これらの侵襲的に治療された動物の肺と気管との間では観察されなかった。加えて、BAL液の1mLあたりのより大きな平均総細胞計数が、気管内投与された動物において観察され(それぞれ、気管内及び鼻腔内投与について、646,667細胞/mL及び393,333細胞/mL)、HSVベースのベクターの気管内投与後の肺への炎症性細胞のより大きな流入を示唆した。肺上皮組織における導入遺伝子タンパク質発現は、HSV-mCherryを投薬された鼻腔内曝露(図10B)及び気管内曝露(図10C)された動物の両方において観察されたが、対応するビヒクル対照において観察されなかった。
【0163】
まとめると、このデータは、操作されたHSVベクターが複数の投与経路を介して免疫能正常な動物の肺に投与され得ることと、さらに、非侵襲的吸入投与経路が、より直接的な侵襲的投与経路として肺における同様のレベルの導入遺伝子発現を可能にすると同時に、より少ない(炎症性の)細胞侵入を誘導することとを示す。
【0164】
実施例5:HSV-CFTRの噴霧
以下の実施例は、野生型及びCFTR欠損した免疫能正常なマウスの気道へのHSV-CFTRのための非侵襲的、ネブライザーベースの送達経路を調べる研究を説明する。
【0165】
以下の16匹のマウスが、研究に使用される:12匹の免疫能正常なC57BL/6動物、及び4匹の免疫能正常な腸管補正CFTR欠損動物。表1は、研究の要約を提供する。4匹の野生型動物は、鼻腔内滴下を介してHSV-CFTRを投与され、一方で、残りの動物は、噴霧を介して(例えば、振動メッシュネブライザーを用いる)HSV-CFTR(またはビヒクル対照)を投与される。投薬の48時間後、動物が安楽死され、BAL液が収集され、呼吸器及び肺に沿った組織試料、すなわち、上部気管及び下部気管、左右の気管支、左肺、及び右肺(個々に、上部、中部、下部、及び大静脈後葉)が採取される。群あたり2匹の動物からの組織は、液体窒素中で急速凍結され、核酸分析のために処理される。ベクターゲノム/50ngの総DNAは、qPCR分析を介して各組織において定量化され、ヒトCFTR転写物/50ngの総RNAは、qRT-PCR分析を介して各組織において定量化される。群あたり残りの2匹の動物からの組織は、灌流され、免疫蛍光/免疫組織化学のためにパラフィンに包埋される。BAL液は、肺への免疫細胞浸潤を調べるために処理される。
(表1)研究デザイン
【0166】
配列情報
SEQUENCE LISTING
<110> Krystal Biotech, Inc.
<120> COMPOSITIONS AND METHODS FOR DELIVERING CFTR POLYPEPTIDES
<150> US 62/802,871
<151> 2019-02-08
<160> 6
<170> FastSEQ for Windows Version 4.0

<210> 1
<211> 4443
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 1
atgcagaggt cgcctctgga aaaggccagc gttgtctcca aacttttttt cagctggacc 60
agaccaattt tgaggaaagg atacagacag cgcctggaat tgtcagacat ataccaaatc 120
ccttctgttg attctgctga caatctatct gaaaaattgg aaagagaatg ggatagagag 180
ctggcttcaa agaaaaatcc taaactcatt aatgcccttc ggcgatgttt tttctggaga 240
tttatgttct atggaatctt tttatattta ggggaagtca ccaaagcagt acagcctctc 300
ttactgggaa gaatcatagc ttcctatgac ccggataaca aggaggaacg ctctatcgcg 360
atttatctag gcataggctt atgccttctc tttattgtga ggacactgct cctacaccca 420
gccatttttg gccttcatca cattggaatg cagatgagaa tagctatgtt tagtttgatt 480
tataagaaga ctttaaagct gtcaagccgt gttctagata aaataagtat tggacaactt 540
gttagtctcc tttccaacaa cctgaacaaa tttgatgaag gacttgcatt ggcacatttc 600
gtgtggatcg ctcctttgca agtggcactc ctcatggggc taatctggga gttgttacag 660
gcgtctgcct tctgtggact tggtttcctg atagtccttg ccctttttca ggctgggcta 720
gggagaatga tgatgaagta cagagatcag agagctggga agatcagtga aagacttgtg 780
attacctcag aaatgattga aaatatccaa tctgttaagg catactgctg ggaagaagca 840
atggaaaaaa tgattgaaaa cttaagacaa acagaactga aactgactcg gaaggcagcc 900
tatgtgagat acttcaatag ctcagccttc ttcttctcag ggttctttgt ggtgttttta 960
tctgtgcttc cctatgcact aatcaaagga atcatcctcc ggaaaatatt caccaccatc 1020
tcattctgca ttgttctgcg catggcggtc actcggcaat ttccctgggc tgtacaaaca 1080
tggtatgact ctcttggagc aataaacaaa atacaggatt tcttacaaaa gcaagaatat 1140
aagacattgg aatataactt aacgactaca gaagtagtga tggagaatgt aacagccttc 1200
tgggaggagg gatttgggga attatttgag aaagcaaaac aaaacaataa caatagaaaa 1260
acttctaatg gtgatgacag cctcttcttc agtaatttct cacttcttgg tactcctgtc 1320
ctgaaagata ttaatttcaa gatagaaaga ggacagttgt tggcggttgc tggatccact 1380
ggagcaggca agacttcact tctaatggtg attatgggag aactggagcc ttcagagggt 1440
aaaattaagc acagtggaag aatttcattc tgttctcagt tttcctggat tatgcctggc 1500
accattaaag aaaatatcat ctttggtgtt tcctatgatg aatatagata cagaagcgtc 1560
atcaaagcat gccaactaga agaggacatc tccaagtttg cagagaaaga caatatagtt 1620
cttggagaag gtggaatcac actgagtgga ggtcaacgag caagaatttc tttagcaaga 1680
gcagtataca aagatgctga tttgtattta ttagactctc cttttggata cctagatgtt 1740
ttaacagaaa aagaaatatt tgaaagctgt gtctgtaaac tgatggctaa caaaactagg 1800
attttggtca cttctaaaat ggaacattta aagaaagctg acaaaatatt aattttgcat 1860
gaaggtagca gctattttta tgggacattt tcagaactcc aaaatctaca gccagacttt 1920
agctcaaaac tcatgggatg tgattctttc gaccaattta gtgcagaaag aagaaattca 1980
atcctaactg agaccttaca ccgtttctca ttagaaggag atgctcctgt ctcctggaca 2040
gaaacaaaaa aacaatcttt taaacagact ggagagtttg gggaaaaaag gaagaattct 2100
attctcaatc caatcaactc tatacgaaaa ttttccattg tgcaaaagac tcccttacaa 2160
atgaatggca tcgaagagga ttctgatgag cctttagaga gaaggctgtc cttagtacca 2220
gattctgagc agggagaggc gatactgcct cgcatcagcg tgatcagcac tggccccacg 2280
cttcaggcac gaaggaggca gtctgtcctg aacctgatga cacactcagt taaccaaggt 2340
cagaacattc accgaaagac aacagcatcc acacgaaaag tgtcactggc ccctcaggca 2400
aacttgactg aactggatat atattcaaga aggttatctc aagaaactgg cttggaaata 2460
agtgaagaaa ttaacgaaga agacttaaag gagtgctttt ttgatgatat ggagagcata 2520
ccagcagtga ctacatggaa cacatacctt cgatatatta ctgtccacaa gagcttaatt 2580
tttgtgctaa tttggtgctt agtaattttt ctggcagagg tggctgcttc tttggttgtg 2640
ctgtggctcc ttggaaacac tcctcttcaa gacaaaggga atagtactca tagtagaaat 2700
aacagctatg cagtgattat caccagcacc agttcgtatt atgtgtttta catttacgtg 2760
ggagtagccg acactttgct tgctatggga ttcttcagag gtctaccact ggtgcatact 2820
ctaatcacag tgtcgaaaat tttacaccac aaaatgttac attctgttct tcaagcacct 2880
atgtcaaccc tcaacacgtt gaaagcaggt gggattctta atagattctc caaagatata 2940
gcaattttgg atgaccttct gcctcttacc atatttgact tcatccagtt gttattaatt 3000
gtgattggag ctatagcagt tgtcgcagtt ttacaaccct acatctttgt tgcaacagtg 3060
ccagtgatag tggcttttat tatgttgaga gcatatttcc tccaaacctc acagcaactc 3120
aaacaactgg aatctgaagg caggagtcca attttcactc atcttgttac aagcttaaaa 3180
ggactatgga cacttcgtgc cttcggacgg cagccttact ttgaaactct gttccacaaa 3240
gctctgaatt tacatactgc caactggttc ttgtacctgt caacactgcg ctggttccaa 3300
atgagaatag aaatgatttt tgtcatcttc ttcattgctg ttaccttcat ttccatttta 3360
acaacaggag aaggagaagg aagagttggt attatcctga ctttagccat gaatatcatg 3420
agtacattgc agtgggctgt aaactccagc atagatgtgg atagcttgat gcgatctgtg 3480
agccgagtct ttaagttcat tgacatgcca acagaaggta aacctaccaa gtcaaccaaa 3540
ccatacaaga atggccaact ctcgaaagtt atgattattg agaattcaca cgtgaagaaa 3600
gatgacatct ggccctcagg gggccaaatg actgtcaaag atctcacagc aaaatacaca 3660
gaaggtggaa atgccatatt agagaacatt tccttctcaa taagtcctgg ccagagggtg 3720
ggcctcttgg gaagaactgg atcagggaag agtactttgt tatcagcttt tttgagacta 3780
ctgaacactg aaggagaaat ccagatcgat ggtgtgtctt gggattcaat aactttgcaa 3840
cagtggagga aagcctttgg agtgatacca cagaaagtat ttattttttc tggaacattt 3900
agaaaaaact tggatcccta tgaacagtgg agtgatcaag aaatatggaa agttgcagat 3960
gaggttgggc tcagatctgt gatagaacag tttcctggga agcttgactt tgtccttgtg 4020
gatgggggct gtgtcctaag ccatggccac aagcagttga tgtgcttggc tagatctgtt 4080
ctcagtaagg cgaagatctt gctgcttgat gaacccagtg ctcatttgga tccagtaaca 4140
taccaaataa ttagaagaac tctaaaacaa gcatttgctg attgcacagt aattctctgt 4200
gaacacagga tagaagcaat gctggaatgc caacaatttt tggtcataga agagaacaaa 4260
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Ile Gly Gln Leu Val Ser Leu Leu Ser Asn Asn Leu Asn Lys Phe Asp
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Glu Gly Leu Ala Leu Ala His Phe Val Trp Ile Ala Pro Leu Gln Val
195 200 205
Ala Leu Leu Met Gly Leu Ile Trp Glu Leu Leu Gln Ala Ser Ala Phe
210 215 220
Cys Gly Leu Gly Phe Leu Ile Val Leu Ala Leu Phe Gln Ala Gly Leu
225 230 235 240
Gly Arg Met Met Met Lys Tyr Arg Asp Gln Arg Ala Gly Lys Ile Ser
245 250 255
Glu Arg Leu Val Ile Thr Ser Glu Met Ile Glu Asn Ile Gln Ser Val
260 265 270
Lys Ala Tyr Cys Trp Glu Glu Ala Met Glu Lys Met Ile Glu Asn Leu
275 280 285
Arg Gln Thr Glu Leu Lys Leu Thr Arg Lys Ala Ala Tyr Val Arg Tyr
290 295 300
Phe Asn Ser Ser Ala Phe Phe Phe Ser Gly Phe Phe Val Val Phe Leu
305 310 315 320
Ser Val Leu Pro Tyr Ala Leu Ile Lys Gly Ile Ile Leu Arg Lys Ile
325 330 335
Phe Thr Thr Ile Ser Phe Cys Ile Val Leu Arg Met Ala Val Thr Arg
340 345 350
Gln Phe Pro Trp Ala Val Gln Thr Trp Tyr Asp Ser Leu Gly Ala Ile
355 360 365
Asn Lys Ile Gln Asp Phe Leu Gln Lys Gln Glu Tyr Lys Thr Leu Glu
370 375 380
Tyr Asn Leu Thr Thr Thr Glu Val Val Met Glu Asn Val Thr Ala Phe
385 390 395 400
Trp Glu Glu Gly Phe Gly Glu Leu Phe Glu Lys Ala Lys Gln Asn Asn
405 410 415
Asn Asn Arg Lys Thr Ser Asn Gly Asp Asp Ser Leu Phe Phe Ser Asn
420 425 430
Phe Ser Leu Leu Gly Thr Pro Val Leu Lys Asp Ile Asn Phe Lys Ile
435 440 445
Glu Arg Gly Gln Leu Leu Ala Val Ala Gly Ser Thr Gly Ala Gly Lys
450 455 460
Thr Ser Leu Leu Met Val Ile Met Gly Glu Leu Glu Pro Ser Glu Gly
465 470 475 480
Lys Ile Lys His Ser Gly Arg Ile Ser Phe Cys Ser Gln Phe Ser Trp
485 490 495
Ile Met Pro Gly Thr Ile Lys Glu Asn Ile Ile Phe Gly Val Ser Tyr
500 505 510
Asp Glu Tyr Arg Tyr Arg Ser Val Ile Lys Ala Cys Gln Leu Glu Glu
515 520 525
Asp Ile Ser Lys Phe Ala Glu Lys Asp Asn Ile Val Leu Gly Glu Gly
530 535 540
Gly Ile Thr Leu Ser Gly Gly Gln Arg Ala Arg Ile Ser Leu Ala Arg
545 550 555 560
Ala Val Tyr Lys Asp Ala Asp Leu Tyr Leu Leu Asp Ser Pro Phe Gly
565 570 575
Tyr Leu Asp Val Leu Thr Glu Lys Glu Ile Phe Glu Ser Cys Val Cys
580 585 590
Lys Leu Met Ala Asn Lys Thr Arg Ile Leu Val Thr Ser Lys Met Glu
595 600 605
His Leu Lys Lys Ala Asp Lys Ile Leu Ile Leu His Glu Gly Ser Ser
610 615 620
Tyr Phe Tyr Gly Thr Phe Ser Glu Leu Gln Asn Leu Gln Pro Asp Phe
625 630 635 640
Ser Ser Lys Leu Met Gly Cys Asp Ser Phe Asp Gln Phe Ser Ala Glu
645 650 655
Arg Arg Asn Ser Ile Leu Thr Glu Thr Leu His Arg Phe Ser Leu Glu
660 665 670
Gly Asp Ala Pro Val Ser Trp Thr Glu Thr Lys Lys Gln Ser Phe Lys
675 680 685
Gln Thr Gly Glu Phe Gly Glu Lys Arg Lys Asn Ser Ile Leu Asn Pro
690 695 700
Ile Asn Ser Ile Arg Lys Phe Ser Ile Val Gln Lys Thr Pro Leu Gln
705 710 715 720
Met Asn Gly Ile Glu Glu Asp Ser Asp Glu Pro Leu Glu Arg Arg Leu
725 730 735
Ser Leu Val Pro Asp Ser Glu Gln Gly Glu Ala Ile Leu Pro Arg Ile
740 745 750
Ser Val Ile Ser Thr Gly Pro Thr Leu Gln Ala Arg Arg Arg Gln Ser
755 760 765
Val Leu Asn Leu Met Thr His Ser Val Asn Gln Gly Gln Asn Ile His
770 775 780
Arg Lys Thr Thr Ala Ser Thr Arg Lys Val Ser Leu Ala Pro Gln Ala
785 790 795 800
Asn Leu Thr Glu Leu Asp Ile Tyr Ser Arg Arg Leu Ser Gln Glu Thr
805 810 815
Gly Leu Glu Ile Ser Glu Glu Ile Asn Glu Glu Asp Leu Lys Glu Cys
820 825 830
Phe Phe Asp Asp Met Glu Ser Ile Pro Ala Val Thr Thr Trp Asn Thr
835 840 845
Tyr Leu Arg Tyr Ile Thr Val His Lys Ser Leu Ile Phe Val Leu Ile
850 855 860
Trp Cys Leu Val Ile Phe Leu Ala Glu Val Ala Ala Ser Leu Val Val
865 870 875 880
Leu Trp Leu Leu Gly Asn Thr Pro Leu Gln Asp Lys Gly Asn Ser Thr
885 890 895
His Ser Arg Asn Asn Ser Tyr Ala Val Ile Ile Thr Ser Thr Ser Ser
900 905 910
Tyr Tyr Val Phe Tyr Ile Tyr Val Gly Val Ala Asp Thr Leu Leu Ala
915 920 925
Met Gly Phe Phe Arg Gly Leu Pro Leu Val His Thr Leu Ile Thr Val
930 935 940
Ser Lys Ile Leu His His Lys Met Leu His Ser Val Leu Gln Ala Pro
945 950 955 960
Met Ser Thr Leu Asn Thr Leu Lys Ala Gly Gly Ile Leu Asn Arg Phe
965 970 975
Ser Lys Asp Ile Ala Ile Leu Asp Asp Leu Leu Pro Leu Thr Ile Phe
980 985 990
Asp Phe Ile Gln Leu Leu Leu Ile Val Ile Gly Ala Ile Ala Val Val
995 1000 1005
Ala Val Leu Gln Pro Tyr Ile Phe Val Ala Thr Val Pro Val Ile Val
1010 1015 1020
Ala Phe Ile Met Leu Arg Ala Tyr Phe Leu Gln Thr Ser Gln Gln Leu
1025 1030 1035 1040
Lys Gln Leu Glu Ser Glu Gly Arg Ser Pro Ile Phe Thr His Leu Val
1045 1050 1055
Thr Ser Leu Lys Gly Leu Trp Thr Leu Arg Ala Phe Gly Arg Gln Pro
1060 1065 1070
Tyr Phe Glu Thr Leu Phe His Lys Ala Leu Asn Leu His Thr Ala Asn
1075 1080 1085
Trp Phe Leu Tyr Leu Ser Thr Leu Arg Trp Phe Gln Met Arg Ile Glu
1090 1095 1100
Met Ile Phe Val Ile Phe Phe Ile Ala Val Thr Phe Ile Ser Ile Leu
1105 1110 1115 1120
Thr Thr Gly Glu Gly Glu Gly Arg Val Gly Ile Ile Leu Thr Leu Ala
1125 1130 1135
Met Asn Ile Met Ser Thr Leu Gln Trp Ala Val Asn Ser Ser Ile Asp
1140 1145 1150
Val Asp Ser Leu Met Arg Ser Val Ser Arg Val Phe Lys Phe Ile Asp
1155 1160 1165
Met Pro Thr Glu Gly Lys Pro Thr Lys Ser Thr Lys Pro Tyr Lys Asn
1170 1175 1180
Gly Gln Leu Ser Lys Val Met Ile Ile Glu Asn Ser His Val Lys Lys
1185 1190 1195 1200
Asp Asp Ile Trp Pro Ser Gly Gly Gln Met Thr Val Lys Asp Leu Thr
1205 1210 1215
Ala Lys Tyr Thr Glu Gly Gly Asn Ala Ile Leu Glu Asn Ile Ser Phe
1220 1225 1230
Ser Ile Ser Pro Gly Gln Arg Val Gly Leu Leu Gly Arg Thr Gly Ser
1235 1240 1245
Gly Lys Ser Thr Leu Leu Ser Ala Phe Leu Arg Leu Leu Asn Thr Glu
1250 1255 1260
Gly Glu Ile Gln Ile Asp Gly Val Ser Trp Asp Ser Ile Thr Leu Gln
1265 1270 1275 1280
Gln Trp Arg Lys Ala Phe Gly Val Ile Pro Gln Lys Val Phe Ile Phe
1285 1290 1295
Ser Gly Thr Phe Arg Lys Asn Leu Asp Pro Tyr Glu Gln Trp Ser Asp
1300 1305 1310
Gln Glu Ile Trp Lys Val Ala Asp Glu Val Gly Leu Arg Ser Val Ile
1315 1320 1325
Glu Gln Phe Pro Gly Lys Leu Asp Phe Val Leu Val Asp Gly Gly Cys
1330 1335 1340
Val Leu Ser His Gly His Lys Gln Leu Met Cys Leu Ala Arg Ser Val
1345 1350 1355 1360
Leu Ser Lys Ala Lys Ile Leu Leu Leu Asp Glu Pro Ser Ala His Leu
1365 1370 1375
Asp Pro Val Thr Tyr Gln Ile Ile Arg Arg Thr Leu Lys Gln Ala Phe
1380 1385 1390
Ala Asp Cys Thr Val Ile Leu Cys Glu His Arg Ile Glu Ala Met Leu
1395 1400 1405
Glu Cys Gln Gln Phe Leu Val Ile Glu Glu Asn Lys Val Arg Gln Tyr
1410 1415 1420
Asp Ser Ile Gln Lys Leu Leu Asn Glu Arg Ser Leu Phe Arg Gln Ala
1425 1430 1435 1440
Ile Ser Pro Ser Asp Arg Val Lys Leu Phe Pro His Arg Asn Ser Ser
1445 1450 1455
Lys Cys Lys Ser Lys Pro Gln Ile Ala Ala Leu Lys Glu Glu Thr Glu
1460 1465 1470
Glu Glu Val Gln Asp Thr Arg Leu
1475 1480

<210> 6
<211> 1419
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 6
Met Gln Arg Ser Pro Leu Glu Lys Ala Ser Val Val Ser Lys Leu Phe
1 5 10 15
Phe Ser Trp Thr Arg Pro Ile Leu Arg Lys Gly Tyr Arg Gln Arg Leu
20 25 30
Glu Leu Ser Asp Ile Tyr Gln Ile Pro Ser Val Asp Ser Ala Asp Asn
35 40 45
Leu Ser Glu Lys Leu Glu Arg Glu Trp Asp Arg Glu Leu Ala Ser Lys
50 55 60
Lys Asn Pro Lys Leu Ile Asn Ala Leu Arg Arg Cys Phe Phe Trp Arg
65 70 75 80
Phe Met Phe Tyr Gly Ile Phe Leu Tyr Leu Gly Glu Val Thr Lys Ala
85 90 95
Val Gln Pro Leu Leu Leu Gly Arg Ile Ile Ala Ser Tyr Asp Pro Asp
100 105 110
Asn Lys Glu Glu Arg Ser Ile Ala Ile Tyr Leu Gly Ile Gly Leu Cys
115 120 125
Leu Leu Phe Ile Val Arg Thr Leu Leu Leu His Pro Ala Ile Phe Gly
130 135 140
Leu His His Ile Gly Met Gln Met Arg Ile Ala Met Phe Ser Leu Ile
145 150 155 160
Tyr Lys Lys Thr Leu Lys Leu Ser Ser Arg Val Leu Asp Lys Ile Ser
165 170 175
Ile Gly Gln Leu Val Ser Leu Leu Ser Asn Asn Leu Asn Lys Phe Asp
180 185 190
Glu Gly Leu Ala Leu Ala His Phe Val Trp Ile Ala Pro Leu Gln Val
195 200 205
Ala Leu Leu Met Gly Leu Ile Trp Glu Leu Leu Gln Ala Ser Ala Phe
210 215 220
Cys Gly Leu Gly Phe Leu Ile Val Leu Ala Leu Phe Gln Ala Gly Leu
225 230 235 240
Gly Arg Met Met Met Lys Tyr Arg Asp Gln Arg Ala Gly Lys Ile Ser
245 250 255
Glu Arg Leu Val Ile Thr Ser Glu Met Ile Glu Asn Ile Gln Ser Val
260 265 270
Lys Ala Tyr Cys Trp Glu Glu Ala Met Glu Lys Met Ile Glu Asn Leu
275 280 285
Arg Gln Thr Glu Leu Lys Leu Thr Arg Lys Ala Ala Tyr Val Arg Tyr
290 295 300
Phe Asn Ser Ser Ala Phe Phe Phe Ser Gly Phe Phe Val Val Phe Leu
305 310 315 320
Ser Val Leu Pro Tyr Ala Leu Ile Lys Gly Ile Ile Leu Arg Lys Ile
325 330 335
Phe Thr Thr Ile Ser Phe Cys Ile Val Leu Arg Met Ala Val Thr Arg
340 345 350
Gln Phe Pro Trp Ala Val Gln Thr Trp Tyr Asp Ser Leu Gly Ala Ile
355 360 365
Asn Lys Ile Gln Asp Phe Leu Gln Lys Gln Glu Tyr Lys Thr Leu Glu
370 375 380
Tyr Asn Leu Thr Thr Thr Glu Val Val Met Glu Asn Val Thr Ala Phe
385 390 395 400
Trp Glu Glu Thr Ser Leu Leu Met Val Ile Met Gly Glu Leu Glu Pro
405 410 415
Ser Glu Gly Lys Ile Lys His Ser Gly Arg Ile Ser Phe Cys Ser Gln
420 425 430
Phe Ser Trp Ile Met Pro Gly Thr Ile Lys Glu Asn Ile Ile Phe Gly
435 440 445
Val Ser Tyr Asp Glu Tyr Arg Tyr Arg Ser Val Ile Lys Ala Cys Gln
450 455 460
Leu Glu Glu Asp Ile Ser Lys Phe Ala Glu Lys Asp Asn Ile Val Leu
465 470 475 480
Gly Glu Gly Gly Ile Thr Leu Ser Gly Gly Gln Arg Ala Arg Ile Ser
485 490 495
Leu Ala Arg Ala Val Tyr Lys Asp Ala Asp Leu Tyr Leu Leu Asp Ser
500 505 510
Pro Phe Gly Tyr Leu Asp Val Leu Thr Glu Lys Glu Ile Phe Glu Ser
515 520 525
Cys Val Cys Lys Leu Met Ala Asn Lys Thr Arg Ile Leu Val Thr Ser
530 535 540
Lys Met Glu His Leu Lys Lys Ala Asp Lys Ile Leu Ile Leu His Glu
545 550 555 560
Gly Ser Ser Tyr Phe Tyr Gly Thr Phe Ser Glu Leu Gln Asn Leu Gln
565 570 575
Pro Asp Phe Ser Ser Lys Leu Met Gly Cys Asp Ser Phe Asp Gln Phe
580 585 590
Ser Ala Glu Arg Arg Asn Ser Ile Leu Thr Glu Thr Leu His Arg Phe
595 600 605
Ser Leu Glu Gly Asp Ala Pro Val Ser Trp Thr Glu Thr Lys Lys Gln
610 615 620
Ser Phe Lys Gln Thr Gly Glu Phe Gly Glu Lys Arg Lys Asn Ser Ile
625 630 635 640
Leu Asn Pro Ile Asn Ser Ile Arg Lys Phe Ser Ile Val Gln Lys Thr
645 650 655
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660 665 670
Arg Arg Leu Ser Leu Val Pro Asp Ser Glu Gln Gly Glu Ala Ile Leu
675 680 685
Pro Arg Ile Ser Val Ile Ser Thr Gly Pro Thr Leu Gln Ala Arg Arg
690 695 700
Arg Gln Ser Val Leu Asn Leu Met Thr His Ser Val Asn Gln Gly Gln
705 710 715 720
Asn Ile His Arg Lys Thr Thr Ala Ser Thr Arg Lys Val Ser Leu Ala
725 730 735
Pro Gln Ala Asn Leu Thr Glu Leu Asp Ile Tyr Ser Arg Arg Leu Ser
740 745 750
Gln Glu Thr Gly Leu Glu Ile Ser Glu Glu Ile Asn Glu Glu Asp Leu
755 760 765
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770 775 780
Trp Asn Thr Tyr Leu Arg Tyr Ile Thr Val His Lys Ser Leu Ile Phe
785 790 795 800
Val Leu Ile Trp Cys Leu Val Ile Phe Leu Ala Glu Val Ala Ala Ser
805 810 815
Leu Val Val Leu Trp Leu Leu Gly Asn Thr Pro Leu Gln Asp Lys Gly
820 825 830
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835 840 845
Thr Ser Ser Tyr Tyr Val Phe Tyr Ile Tyr Val Gly Val Ala Asp Thr
850 855 860
Leu Leu Ala Met Gly Phe Phe Arg Gly Leu Pro Leu Val His Thr Leu
865 870 875 880
Ile Thr Val Ser Lys Ile Leu His His Lys Met Leu His Ser Val Leu
885 890 895
Gln Ala Pro Met Ser Thr Leu Asn Thr Leu Lys Ala Gly Gly Ile Leu
900 905 910
Asn Arg Phe Ser Lys Asp Ile Ala Ile Leu Asp Asp Leu Leu Pro Leu
915 920 925
Thr Ile Phe Asp Phe Ile Gln Leu Leu Leu Ile Val Ile Gly Ala Ile
930 935 940
Ala Val Val Ala Val Leu Gln Pro Tyr Ile Phe Val Ala Thr Val Pro
945 950 955 960
Val Ile Val Ala Phe Ile Met Leu Arg Ala Tyr Phe Leu Gln Thr Ser
965 970 975
Gln Gln Leu Lys Gln Leu Glu Ser Glu Gly Arg Ser Pro Ile Phe Thr
980 985 990
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995 1000 1005
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1010 1015 1020
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1025 1030 1035 1040
Arg Ile Glu Met Ile Phe Val Ile Phe Phe Ile Ala Val Thr Phe Ile
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Ser Ile Leu Thr Thr Gly Glu Gly Glu Gly Arg Val Gly Ile Ile Leu
1060 1065 1070
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1075 1080 1085
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1090 1095 1100
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Tyr Lys Asn Gly Gln Leu Ser Lys Val Met Ile Ile Glu Asn Ser His
1125 1130 1135
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1140 1145 1150
Asp Leu Thr Ala Lys Tyr Thr Glu Gly Gly Asn Ala Ile Leu Glu Asn
1155 1160 1165
Ile Ser Phe Ser Ile Ser Pro Gly Gln Arg Val Gly Leu Leu Gly Arg
1170 1175 1180
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Asn Thr Glu Gly Glu Ile Gln Ile Asp Gly Val Ser Trp Asp Ser Ile
1205 1210 1215
Thr Leu Gln Gln Trp Arg Lys Ala Phe Gly Val Ile Pro Gln Lys Val
1220 1225 1230
Phe Ile Phe Ser Gly Thr Phe Arg Lys Asn Leu Asp Pro Tyr Glu Gln
1235 1240 1245
Trp Ser Asp Gln Glu Ile Trp Lys Val Ala Asp Glu Val Gly Leu Arg
1250 1255 1260
Ser Val Ile Glu Gln Phe Pro Gly Lys Leu Asp Phe Val Leu Val Asp
1265 1270 1275 1280
Gly Gly Cys Val Leu Ser His Gly His Lys Gln Leu Met Cys Leu Ala
1285 1290 1295
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Arg Gln Tyr Asp Ser Ile Gln Lys Leu Leu Asn Glu Arg Ser Leu Phe
1365 1370 1375
Arg Gln Ala Ile Ser Pro Ser Asp Arg Val Lys Leu Phe Pro His Arg
1380 1385 1390
Asn Ser Ser Lys Cys Lys Ser Lys Pro Gln Ile Ala Ala Leu Lys Glu
1395 1400 1405
Glu Thr Glu Glu Glu Val Gln Asp Thr Arg Leu
1410 1415
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図1-4】
図1-5】
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
【配列表】
2025013873000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2024-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノムを含むHSV-1であって、前記組換えHSV-1ゲノムが嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む、HSV-1、及び
(b)薬学的に許容される賦形剤
を含み、
前記CFTRポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドが、組換えHSV-1ゲノムから発現されて、進行性肺損傷を低減または阻害し、かつ
ネブライザーを使用して対象に投与される
対象における進行性肺損傷を低減または阻害するための薬学的組成物。
【請求項2】
前記組換えHSV-1ゲノムが、1つ以上のウイルス遺伝子座内に前記CFTRポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
前記CFTRポリペプチドが、配列番号5または配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1または2に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
前記組換えHSV-1ゲノムが、感染細胞タンパク質(ICP)0、ICP4、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41、及びUL55からなる群から選択されるHSV-1遺伝子に不活性化変異を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
前記組換えHSV-1ゲノムが、前記ICP4遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む、請求項4に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
前記CFTRポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドが、プロモーターに作動可能に連結される、請求項1~5のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
前記HSV-1が複製欠損である、請求項1~6のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項8】
前記HSV-1が弱毒化されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
前記ネブライザーが、ジェットネブライザー、超音波ネブライザー、または振動メッシュネブライザーである、請求項1~のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項10】
前記ネブライザーを使用してエアロゾル化される、請求項に記載の薬学的組成物。
【請求項11】
前記エアロゾル化された薬学的組成物が、約5ミクロン未満の直径の空気力学的質量中央粒子直径を有する液滴を含む、請求項10に記載の薬学的組成物。
【請求項12】
前記進行性肺損傷が、嚢胞性線維症または慢性閉塞性肺疾患(COPD)である、請求項1~11のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項13】
進行性肺損傷を低減または阻害するための医薬の製造における、組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノムを含むHSV-1の使用であって、
前記医薬が、ネブライザーを使用した投与用であり、
前記組換えHSV-1ゲノムが、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含み、かつ
前記CFTRポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドが、組換えHSV-1ゲノムから発現される、
前記使用。
【請求項14】
嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ポリペプチドレベルを強化する、増加させる、増強する、及び/または補充するための医薬の製造における、組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノムを含むHSV-1の使用であって、
前記医薬が、ネブライザーを使用した投与用であり、
前記組換えHSV-1ゲノムが、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含み、かつ
前記CFTRポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドが、組換えHSV-1ゲノムから発現される、
前記使用
【請求項15】
CFTRポリペプチドレベルを強化する、増加させる、増強する、及び/または補充するための、請求項1~12のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項16】
嚢胞性線維症の1つ以上の徴候もしくは症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供するための医薬の製造における、組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノムを含むHSV-1の使用であって、
前記医薬が、ネブライザーを使用した投与用であり、
前記組換えHSV-1ゲノムが、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含み、かつ
前記CFTRポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドが、組換えHSV-1ゲノムから発現される、
前記使用
【請求項17】
嚢胞性線維症の1つ以上の徴候もしくは症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供するための、請求項1~12のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項18】
嚢胞性線維症の前記1つ以上の徴候または症状が、多量の粘液を生じる持続的な咳嗽、気道に蓄積する多量の粘着性粘液、喘鳴、呼吸困難、副鼻腔炎、反復的肺感染症、炎症性鼻腔、気管支拡張症、鼻ポリープ、喀血、気胸、膵炎、再発性肺炎、呼吸不全、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項17に記載の薬学的組成物。
【請求項19】
COPDの1つ以上の徴候もしくは症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供するための医薬の製造における、組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノムを含むHSV-1の使用であって、
前記医薬が、ネブライザーを使用した投与用であり、
前記組換えHSV-1ゲノムが、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含み、かつ
前記CFTRポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドが、組換えHSV-1ゲノムから発現される、
前記使用
【請求項20】
COPDの1つ以上の徴候もしくは症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供するための、請求項1~12のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項21】
COPDの前記1つ以上の徴候または症状が、息切れ、喘鳴、胸部絞扼感、肺内の過剰な粘液、慢性咳嗽、チアノーゼ、頻繁な呼吸器感染症、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項20に記載の薬学的組成物。