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特開2025-139071空調機制御システム、空調機制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025139071
(43)【公開日】2025-09-26
(54)【発明の名称】空調機制御システム、空調機制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/52 20180101AFI20250918BHJP
   F24F 11/58 20180101ALI20250918BHJP
   F24F 11/47 20180101ALI20250918BHJP
   F24F 11/523 20180101ALI20250918BHJP
   F24F 120/10 20180101ALN20250918BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20250918BHJP
   F24F 110/12 20180101ALN20250918BHJP
   F24F 110/20 20180101ALN20250918BHJP
【FI】
F24F11/52
F24F11/58
F24F11/47
F24F11/523
F24F120:10
F24F110:10
F24F110:12
F24F110:20
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024037808
(22)【出願日】2024-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 里菜
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA25
3L260CA03
3L260CA12
3L260CA13
3L260CA32
3L260CB62
3L260FC33
3L260GA12
3L260GA16
3L260GA17
3L260JA18
3L260JA23
(57)【要約】
【課題】利用者の意思に反することなく、熱中症対策を効果的に実現すること。
【解決手段】実施形態にかかる空調機制御システムは、空調機と、空調機にネットワークで接続されるサーバ装置と、サーバ装置とネットワークで接続され、表示部を備える端末装置のコンピュータに実行させるためのプログラムと、を備える空調機制御システムであって、プログラムは、サーバ装置から、暑さに関する情報を受信する通信ステップと、人の存在が検知され、かつ、空調機が停止中または冷房機能以外で運転中の状態で所定時間経過している場合に、暑さに関する情報に基づいて、冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報と、冷房機能を動作させた場合のリスクに関する情報と、を比較したリスク情報を表示部に表示させる表示処理ステップと、をコンピュータに実行させる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機と、前記空調機にネットワークで接続されるサーバ装置と、前記サーバ装置と前記ネットワークで接続され、表示部を備える端末装置のコンピュータに実行させるためのプログラムと、を備える空調機制御システムであって、
前記空調機は、
前記空調機の周囲の人の存在を検知する検知部と、
室内温度を検知する室内温度センサと、
冷房機能を制御する冷房制御部と、
前記検知部により室内の人の存在を検知した場合に、人の存在の旨と、前記室内温度センサで検知した室内温度と、を前記サーバ装置に送信する第1の通信部と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記空調機から、前記人の存在の旨と、前記室内温度と、を受信する第2の通信部と、
前記室内温度に基づいて、暑さに関する情報を取得する取得部と、を備え、
前記第2の通信部は、取得した前記暑さに関する情報を前記端末装置に送信し、
前記プログラムは、
前記サーバ装置から、前記暑さに関する情報を受信する通信ステップと、
前記人の存在が検知され、かつ、前記空調機が停止中または冷房機能以外で運転中の状態で所定時間経過している場合に、前記暑さに関する情報に基づいて、前記冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報と、前記冷房機能を動作させた場合のリスクに関する情報と、を比較したリスク情報を前記表示部に表示させる表示処理ステップと、を前記コンピュータに実行させる、
空調機制御システム。
【請求項2】
前記表示処理ステップは、前記暑さに関する情報に応じて、前記リスク情報の表示内容を変更して前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の空調機制御システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、
前記空調機における前記冷房機能を動作させた場合の電気料金を算出する算出部、をさらに備え、
前記第2の通信部は、さらに、前記電気料金の情報を前記端末装置に送信し、
前記通信ステップは、さらに、前記サーバ装置から、前記電気料金の情報を受信し、
前記表示処理ステップは、前記冷房機能を動作させた場合のリスクに関する情報として前記電気料金の情報と、前記冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報として前記冷房機能を動作させなかった場合にかかる費用の情報と、を比較して前記リスク情報として表示する、
請求項1に記載の空調機制御システム。
【請求項4】
前記プログラムは、
利用者から指示を受付可能な入力処理ステップ、をさらに前記コンピュータに実行させ、
前記表示処理ステップは、前記冷房機能以外の付加機能に関する表示と前記付加機能の指示を行わせるための指示情報と、を前記リスク情報に併せて前記表示部に表示させ、
前記入力処理ステップは、前記指示情報の入力を受け付ける、
請求項1に記載の空調機制御システム。
【請求項5】
前記表示処理ステップは、前記冷房機能の運転中の有無にかかわらず、前記冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報としての前記暑さに関する情報に基づく熱中症に関するリスクに関する情報を、前記リスク情報として前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の空調機制御システム。
【請求項6】
前記空調機は、
外気温を検知する外気温センサ、をさらに備え、
前記第1の通信部は、さらに、前記外気温センサで検知された外気温の情報を、前記サーバ装置に送信し、
前記第2の通信部は、前記空調機から前記外気温の情報を受信し、受信した前記外気温の情報を前記端末装置に送信し、
前記プログラムは、
利用者から指示を受付可能な入力処理ステップ、を前記コンピュータに実行させ、
前記通信ステップは、前記サーバ装置から、前記外気温の情報を受信し、
前記表示処理ステップは、前記冷房機能の実行中に、前記入力処理ステップによって、前記冷房機能の停止指示を受け付けた場合に、前記外気温の情報と前記暑さに関する情報とに基づいて、前記冷房機能を停止した場合のリスクに関する情報を前記リスク情報として前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の空調機制御システム。
【請求項7】
前記表示処理ステップは、前記外気温と前記暑さに関する情報とに基づいて、前記冷房機能を停止した場合のリスクに関する前記リスク情報の内容を変更して前記表示部に表示させる、
請求項6に記載の空調機制御システム。
【請求項8】
前記空調機は、
室内湿度を検知する室内湿度センサ、をさらに備え、
前記第1の通信部は、前記室内湿度センサで検知した室内湿度の情報を、前記サーバ装置に送信し、
前記第2の通信部は、前記空調機から、前記室内温度の情報を受信し、
前記取得部は、前記暑さに関する情報として、前記室内温度と前記室内湿度に基づいて定められる熱中症のリスクの指標である暑さ指数を取得する、
請求項1~7のいずれか一つに記載の空調機制御システム。
【請求項9】
空調機と、前記空調機にネットワークで接続されるサーバ装置と、前記サーバ装置と前記ネットワークで接続され、表示部を備える端末装置と、を備える空調機制御システムであって、
前記空調機の周囲の人の存在を検知する検知部と、
室内温度を検知する室内温度センサと、
冷房機能を制御する冷房制御部と、
前記検知部により室内の人の存在を検知した場合に、前記室内温度に基づいて、暑さに関する情報を取得する取得部と、
前記人の存在を検知し、かつ、前記空調機が停止中または冷房機能以外で運転中の状態で所定時間経過している場合に、前記暑さに関する情報に基づいて、前記冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報と、前記冷房機能を動作させた場合のリスクに関する情報と、を比較したリスク情報を、前記表示部に表示させる表示処理部と、
を備える空調機制御システム。
【請求項10】
空調機と、前記空調機にネットワークで接続されるサーバ装置と、前記サーバ装置と前記ネットワークで接続され、表示部を備える端末装置と、を備える空調機制御システムで実行される空調機制御方法であって、
前記空調機は、
前記空調機の周囲の人の存在を検知する検知部と、
室内温度を検知する室内温度センサと、
冷房機能を制御する冷房制御部と、を備え、
前記検知部により室内の人の存在を検知した場合に、前記室内温度に基づいて、暑さに関する情報を取得するステップと、
前記人の存在が検知され、かつ、前記空調機が停止中または冷房機能以外で運転中の状態で所定時間経過している場合に、前記暑さに関する情報に基づいて、前記冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報と、前記冷房機能を動作させた場合のリスクに関する情報と、を比較したリスク情報を、前記表示部に表示させるステップと、
を含む空調機制御方法。
【請求項11】
空調機にネットワークで接続されるサーバ装置と前記ネットワークで接続され、表示部を備える端末装置のコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記サーバ装置から、室内温度に基づく暑さに関する情報を受信する通信ステップと、
人の存在が検知され、かつ、前記空調機が停止中または冷房機能以外で運転中の状態で所定時間経過している場合に、前記暑さに関する情報に基づいて、前記冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報と、前記冷房機能を動作させた場合のリスクに関する情報と、を比較したリスク情報を前記表示部に表示させる表示処理ステップと、を前記コンピュータに実行させる、
プログラム。
【請求項12】
前記表示処理ステップは、前記暑さに関する情報に応じて、前記リスク情報の表示内容を変更して前記表示部に表示させる、
請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記通信ステップは、さらに、前記サーバ装置から、前記空調機における前記冷房機能を動作させた場合の電気料金の情報を受信し、
前記通信ステップは、さらに、前記サーバ装置から、前記電気料金の情報を受信し、
前記表示処理ステップは、前記冷房機能を動作させた場合のリスクに関する情報として前記電気料金の情報と、前記冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報として前記冷房機能を動作させなかった場合にかかる費用の情報と、を比較して前記リスク情報として表示する、
請求項11に記載のプログラム。
【請求項14】
前記プログラムは、
利用者から指示を受付可能な入力処理ステップ、をさらに前記コンピュータに実行させ、
前記表示処理ステップは、前記冷房機能以外の付加機能に関する表示と前記付加機能の指示を行わせるための指示情報と、を前記リスク情報に併せて前記表示部に表示させ、
前記入力処理ステップは、前記指示情報の入力を受け付ける、
請求項11に記載のプログラム。
【請求項15】
前記表示処理ステップは、前記冷房機能の運転中の有無にかかわらず、前記冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報としての前記暑さに関する情報に基づく熱中症に関するリスクに関する情報を、前記リスク情報として前記表示部に表示させる、
請求項11に記載のプログラム。
【請求項16】
前記プログラムは、
利用者から指示を受付可能な入力処理ステップ、を前記コンピュータに実行させ、
前記通信ステップは、前記サーバ装置から、外気温の情報を受信し、
前記表示処理ステップは、前記冷房機能の実行中に、前記入力処理ステップによって、前記冷房機能の停止指示を受け付けた場合に、前記外気温の情報と前記暑さに関する情報とに基づいて、前記冷房機能を停止した場合のリスクに関する情報を前記リスク情報として前記表示部に表示させる、
請求項11に記載のプログラム。
【請求項17】
前記表示処理ステップは、前記外気温と前記暑さに関する情報とに基づいて、前記冷房機能を停止した場合のリスクに関する前記リスク情報の内容を変更して前記表示部に表示させる、
請求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記暑さに関する情報は、前記室内温度と室内湿度に基づいて定められる熱中症のリスクの指標である暑さ指数である、
請求項11~17のいずれか一つに記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空調機制御システム、空調機制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、空調機における熱中症対策として、室内に人がいること、および室内の温度が所定温度を超えたことを空調機が検知した場合に、室内温度を冷やすために強制的に冷房運転を開始する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2017/199282
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来技術のように、室内温度が所定温度を超えた場合に強制的に冷房運転を開始してしまうと、利用者によっては強制的に冷房運転が開始されることによる違和感が生じ、利用者が自身の意思と反した冷房運転を不快に思う可能性がある。
【0005】
また、冷房の強制運転ではなく、利用者に対して運転開始を提案する通知形式とした場合であっても、利用者自身の意思、例えば、自分はまだ大丈夫である、電気代の節約のために消している等で空調機の冷房運転を開始しない可能性もあり、熱中症対策を効果的に実現するには不十分であった。
【0006】
実施形態の課題の一つは、利用者の意思に反することなく、熱中症対策を効果的に実現することができる空調機制御システム、空調機制御方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態にかかる空調機制御システムは、空調機と、前記空調機にネットワークで接続されるサーバ装置と、前記サーバ装置と前記ネットワークで接続され、表示部を備える端末装置のコンピュータに実行させるためのプログラムと、を備える空調機制御システムであって、前記空調機は、前記空調機の周囲の人の存在を検知する検知部と、室内温度を検知する室内温度センサと、冷房機能を制御する冷房制御部と、前記検知部により室内の人の存在を検知した場合に、人の存在の旨と、前記室内温度センサで検知した室内温度と、を前記サーバ装置に送信する第1の通信部と、を備え、前記サーバ装置は、前記空調機から、前記人の存在の旨と、前記室内温度と、を受信する第2の通信部と、前記室内温度に基づいて、暑さに関する情報を取得する取得部と、を備え、前記第2の通信部は、取得した前記暑さに関する情報を前記端末装置に送信し、前記プログラムは、前記サーバ装置から、前記暑さに関する情報を受信する通信ステップと、前記人の存在が検知され、かつ、前記空調機が停止中または冷房機能以外で運転中の状態で所定時間経過している場合に、前記暑さに関する情報に基づいて、前記冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報と、前記冷房機能を動作させた場合のリスクに関する情報と、を比較したリスク情報を前記表示部に表示させる表示処理ステップと、を前記コンピュータに実行させる。
【0008】
実施形態にかかる空調機制御システムにおいて、前記表示処理ステップは、前記暑さに関する情報に応じて、前記リスク情報の表示内容を変更して前記表示部に表示させる。
【0009】
実施形態にかかる空調機制御システムにおいて、前記サーバ装置は、前記空調機における前記冷房機能を動作させた場合の電気料金を算出する算出部、をさらに備え、前記第2の通信部は、さらに、前記電気料金の情報を前記端末装置に送信し、前記通信ステップは、さらに、前記サーバ装置から、前記電気料金の情報を受信し、前記表示処理ステップは、前記冷房機能を動作させた場合のリスクに関する情報として前記電気料金の情報と、前記冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報として前記冷房機能を動作させなかった場合にかかる費用の情報と、を比較して前記リスク情報として表示する。
【0010】
実施形態にかかる空調機制御システムにおいて、前記プログラムは、利用者から指示を受付可能な入力処理ステップ、をさらに前記コンピュータに実行させ、前記表示処理ステップは、前記冷房機能以外の付加機能に関する表示と前記付加機能の指示を行わせるための指示情報と、を前記リスク情報に併せて前記表示部に表示させ、前記入力処理ステップは、前記指示情報の入力を受け付ける。
【0011】
実施形態にかかる空調機制御システムにおいて、前記表示処理ステップは、前記冷房機能の運転中の有無にかかわらず、前記冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報としての前記暑さに関する情報に基づく熱中症に関するリスクに関する情報を、前記リスク情報として前記表示部に表示させる。
【0012】
実施形態にかかる空調機制御システムにおいて、前記空調機は、外気温を検知する外気温センサ、をさらに備え、前記第1の通信部は、さらに、前記外気温センサで検知された外気温の情報を、前記サーバ装置に送信し、前記第2の通信部は、前記空調機から前記外気温の情報を受信し、受信した前記外気温の情報を前記端末装置に送信し、前記プログラムは、利用者から指示を受付可能な入力処理ステップ、を前記コンピュータに実行させ、前記通信ステップは、前記サーバ装置から、前記外気温の情報を受信し、前記表示処理ステップは、前記冷房機能の実行中に、前記入力処理ステップによって、前記冷房機能の停止指示を受け付けた場合に、前記外気温の情報と前記暑さに関する情報とに基づいて、前記冷房機能を停止した場合のリスクに関する情報を前記リスク情報として前記表示部に表示させる。
【0013】
実施形態にかかる空調機制御システムにおいて、前記表示処理ステップは、前記外気温と前記暑さに関する情報とに基づいて、前記冷房機能を停止した場合のリスクに関する前記リスク情報の内容を変更して前記表示部に表示させる。
【0014】
実施形態にかかる空調機制御システムにおいて、前記空調機は、室内湿度を検知する室内湿度センサ、をさらに備え、前記第1の通信部は、前記室内湿度センサで検知した室内湿度の情報を、前記サーバ装置に送信し、前記第2の通信部は、前記空調機から、前記室内温度の情報を受信し、前記取得部は、前記暑さに関する情報として、前記室内温度と前記室内湿度に基づいて定められる熱中症のリスクの指標である暑さ指数を取得する。
【0015】
実施形態にかかる空調機制御システムは、空調機と、前記空調機にネットワークで接続されるサーバ装置と、前記サーバ装置と前記ネットワークで接続され、表示部を備える端末装置と、を備える空調機制御システムであって、前記空調機の周囲の人の存在を検知する検知部と、室内温度を検知する室内温度センサと、冷房機能を制御する冷房制御部と、前記検知部により室内の人の存在を検知した場合に、前記室内温度に基づいて、暑さに関する情報を取得する取得部と、前記人の存在を検知し、かつ、前記空調機が停止中または冷房機能以外で運転中の状態で所定時間経過している場合に、前記暑さに関する情報に基づいて、前記冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報と、前記冷房機能を動作させた場合のリスクに関する情報と、を比較したリスク情報を、前記表示部に表示させる表示処理部と、を備える。
【0016】
実施形態にかかる空調機制御方法は、空調機と、前記空調機にネットワークで接続されるサーバ装置と、前記サーバ装置と前記ネットワークで接続され、表示部を備える端末装置と、を備える空調機制御システムで実行される空調機制御方法であって、前記空調機は、前記空調機の周囲の人の存在を検知する検知部と、室内温度を検知する室内温度センサと、冷房機能を制御する冷房制御部と、を備え、前記検知部により室内の人の存在を検知した場合に、前記室内温度に基づいて、暑さに関する情報を取得するステップと、前記人の存在が検知され、かつ、前記空調機が停止中または冷房機能以外で運転中の状態で所定時間経過している場合に、前記暑さに関する情報に基づいて、前記冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報と、前記冷房機能を動作させた場合のリスクに関する情報と、を比較したリスク情報を、前記表示部に表示させるステップと、を含む。
【0017】
実施形態にかかるプログラムは、空調機にネットワークで接続されるサーバ装置と前記ネットワークで接続され、表示部を備える端末装置のコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記サーバ装置から、室内温度に基づく暑さに関する情報を受信する通信ステップと、人の存在が検知され、かつ、前記空調機が停止中または冷房機能以外で運転中の状態で所定時間経過している場合に、前記暑さに関する情報に基づいて、前記冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報と、前記冷房機能を動作させた場合のリスクに関する情報と、を比較したリスク情報を前記表示部に表示させる表示処理ステップと、を前記コンピュータに実行させる。
【0018】
実施形態にかかるプログラムにおいて、前記表示処理ステップは、前記暑さに関する情報に応じて、前記リスク情報の表示内容を変更して前記表示部に表示させる。
【0019】
実施形態にかかるプログラムにおいて、前記通信ステップは、さらに、前記サーバ装置から、前記空調機における前記冷房機能を動作させた場合の電気料金の情報を受信し、前記通信ステップは、さらに、前記サーバ装置から、前記電気料金の情報を受信し、前記表示処理ステップは、前記冷房機能を動作させた場合のリスクに関する情報として前記電気料金の情報と、前記冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報として前記冷房機能を動作させなかった場合にかかる費用の情報と、を比較して前記リスク情報として表示する。
【0020】
実施形態にかかるプログラムにおいて、前記プログラムは、利用者から指示を受付可能な入力処理ステップ、をさらに前記コンピュータに実行させ、前記表示処理ステップは、前記冷房機能以外の付加機能に関する表示と前記付加機能の指示を行わせるための指示情報と、を前記リスク情報に併せて前記表示部に表示させ、前記入力処理ステップは、前記指示情報の入力を受け付ける。
【0021】
実施形態にかかるプログラムにおいて、前記表示処理ステップは、前記冷房機能の運転中の有無にかかわらず、前記冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報としての前記暑さに関する情報に基づく熱中症に関するリスクに関する情報を、前記リスク情報として前記表示部に表示させる。
【0022】
実施形態にかかるプログラムにおいて、前記プログラムは、利用者から指示を受付可能な入力処理ステップ、を前記コンピュータに実行させ、前記通信ステップは、前記サーバ装置から、外気温の情報を受信し、前記表示処理ステップは、前記冷房機能の実行中に、前記入力処理ステップによって、前記冷房機能の停止指示を受け付けた場合に、前記外気温の情報と前記暑さに関する情報とに基づいて、前記冷房機能を停止した場合のリスクに関する情報を前記リスク情報として前記表示部に表示させる。
【0023】
実施形態にかかるプログラムにおいて、前記表示処理ステップは、前記外気温と前記暑さに関する情報とに基づいて、前記冷房機能を停止した場合のリスクに関する前記リスク情報の内容を変更して前記表示部に表示させる。
【0024】
実施形態にかかるプログラムにおいて、前記暑さに関する情報は、前記室内温度と室内湿度に基づいて定められる熱中症のリスクの指標である暑さ指数である。
【0025】
以上の空調機制御システム、空調機制御方法およびプログラムによれば、利用者の意思に反することなく、熱中症対策を効果的に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、第1の実施形態にかかる空調機制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、第1の実施形態にかかるエアコンの機能的構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態にかかるサーバ装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、第1の実施形態において、暑さ指数の目安の一例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態において、暑さ指数と、注意すべき生活活動の目安と、注意事項との一例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態にかかる端末装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態におけるアプリホーム画面の一例を示す図である。
図8図8は、第1の実施形態にかかるエアコン制御処理の流れの一例を示すシーケンス図です。
図9図9は、第1の実施形態にかかる表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、第1の実施形態において熱中症のリスクが警戒の場合の警告画面の一例を示す図である。
図11図11は、第1の実施形態において熱中症のリスクが厳重警戒の場合の警告画面の一例を示す図である。
図12図12は、第1の実施形態において熱中症のリスクが厳重警戒の場合の警告画面に付加機能の実行の指示ボタンを表示した画面の一例を示す図である。
図13図13は、第1の実施形態において熱中症のリスクが危険の状態である場合の警告画面の一例を示す図である。
図14図14は、第1の実施形態において熱中症のリスクが危険の場合の警告画面に付加機能の実行の指示ボタンを表示した画面の一例を示す図である。
図15図15は、変形例1におけるリスク情報としての表示画面の一例を示す図である。
図16図16は、第2の実施形態にかかるエアコン制御処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図17図17は、第2の実施形態にかかる表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図18図18は、第2の実施形態にかかるポップアップ画面1の一例を示す図である。
図19図19は、第2の実施形態にかかるポップアップ画面2の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、実施形態について説明する。本明細書において、実施形態にかかる構成要素および当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素およびその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0028】
(第1の実施形態)
<エアコン制御システム>
図1は、第1の実施形態にかかるエアコン制御システムの構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態にかかるエアコン制御システム1は、サーバ装置40と、端末装置30と、複数のエアコンディショナー(以後、エアコンとも称する)10-1~10-N(Nは、自然数)と、を主に備えている。以後、エアコン10-1~10-Nの総称としてエアコン10を用いる。
【0029】
エアコン10-1~10-Nおよび端末装置30は、家庭内に設けられたルータ等を介してネットワークに接続される。また、エアコン10-1~10-Nおよび端末装置30は、当該ネットワークで、サーバ装置40と接続される。ネットワークは、インターネット、一般電話回線、および携帯電話回線等で構成される。
【0030】
ここで、エアコン10-1~10-Nは、空調機の一例であり、種類、台数はこれらに限定されるものではない。
【0031】
端末装置30は、例えば、スマートフォンやタブレット装置等の携帯端末やパーソナルコンピュータであり、サーバ装置40を介して、エアコン10に関する情報を表示し、また遠隔操作する。なお、エアコン10は、その他の専用のコントローラー(所謂、リモコン)によっても操作される。また、この専用のコントローラーを端末装置30として機能させても良い。例えば、専用のコントローラーで、エアコン10を直接操作しても良く、後述するようにネットワークを介して遠隔操作しても良い。
【0032】
端末装置30には、エアコン10を遠隔操作するためのアプリケーションプログラム(以下、「アプリケーション」とも称する)がインストールされている。ユーザ(利用者とも称する)は、端末装置30のアプリケーションを起動して、エアコン10を遠隔操作する。アプリケーションは、ネットワーク経由でサーバ装置40を介して、エアコン10と通信する。アプリケーションの詳細については後述する。
【0033】
サーバ装置40は、エアコン10を管理する装置であり、エアコン10を遠隔操作するために、端末装置30とエアコン10との通信を中継する。サーバ装置40は、エアコン10が設置された家庭の外部に配置される。
【0034】
<エアコンの詳細>
まず、本実施形態にかかるエアコン10の詳細について説明する。
図2は、第1の実施形態にかかるエアコン10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
本実施形態にかかるエアコン10は、図2に示すように、人感センサ101と、外気温センサ102と、室内湿度センサ103と、室内温度センサ104と、冷房制御部105と、無線通信部106と、空調制御部108と、を主に備えている。
【0036】
人感センサ101は、エアコン10の周囲の人の存在を検知するセンサであり、例えば、赤外センサ等が該当する。人感センサ101は、検知部の一例である。
外気温センサ102は、エアコン10が設置された部屋の外の温度、すなわち外気温を検知するセンサであり、例えば、温度計等が該当する。室内温度センサ104は、エアコン10が設置されている部屋の室内温度を検知するセンサであり、例えば、温度計等が該当する。室内湿度センサ103は、エアコン10が設置されている部屋の室内湿度を検知するセンサであり、例えば、湿度計等が該当する。
【0037】
冷房制御部105は、エアコン10に対する利用者の直接の操作や、サーバ装置40からの指示により、冷房機能を制御する。
空調制御部108は、エアコン10の全体を制御する。
【0038】
無線通信部106は、サーバ装置40との間での情報の無線通信を制御する。無線通信としては、例えば、ルータを介したWi-Fi等による通信等があげられるが、これに限定されるものではない。
【0039】
本実施形態では、無線通信部106は、人感センサ101により室内の人の存在を検知した場合に、人の存在の旨と、室内温度センサ104で検知した室内温度と、室内湿度センサ103で検知した室内湿度と、をサーバ装置40に送信する。
【0040】
エアコン10は、上述の各種センサの他、不図示のCPU(Central Processing Unit)やメモリ等の記憶装置を備えたハードウェア構成となっている。記憶装置に保存されたプログラムをCPUが読み出して実行することにより、上述の冷房制御部105、空調制御部108、無線通信部106の各機能が実行されるようになっている。
【0041】
<サーバ装置の詳細>
次に、本実施形態にかかるサーバ装置40の詳細について説明する。
図3は、第1の実施形態にかかるサーバ装置40の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0042】
図3に示すように、本実施形態のサーバ装置40は、通信部401と、制御部402と、電気料金算出部403と、暑さ指数取得部404と、記憶部410と、を主に備えている。
【0043】
記憶部410は、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solited State Drive)等の記憶媒体である。本実施形態の記憶部410には、エアコン10の動作状態等を管理する管理データベース411(以下、「管理DB411」と称する。)が記憶されている。
【0044】
管理DB411には、エアコン10を識別するための機器IDと、エアコン10を制御するためのエアコン10の制御を行うためのアプリケーション301(後述)がインストールされた端末装置30を識別するためのURL等の端末装置IDとが対応付けられて登録されている。利用者が端末装置30にアプリケーション301をインストールし、利用者がアプリケーション30から制御対象のエアコン10を指定すると、アプリケーション30は、当該指定されたエアコン10の機器IDをサーバ装置40に送信する。
【0045】
サーバ装置40は、アプリケーション301から制御対象のエアコン10の機器IDを受信すると、受信した機器IDと、アクセスしてきたアプリケーション301がインストールされている端末装置30のURL等の端末装置IDとを、管理DB411に対応付けて(すなわち、紐付けて)登録する。これにより、サーバ装置40は、管理DB411を参照することで、エアコン10ごとに制御するアプリケーション301の端末装置30を特定することが可能となる。
【0046】
制御部402は、エアコン10の各種制御を行う。具体的には、制御部402は、端末装置30のアプリケーションからのエアコン10に対する制御指示を受け取り、エアコン10に対する制御を行う。
【0047】
通信部401は、エアコン10および端末装置30との通信を制御する。すなわち、制御部402が端末装置30からの要求や指示を受信したり、端末装置30へ情報を送信したりする場合には、通信部401を介して行う、また、制御部402がエアコン10から情報を受信したり、エアコン10に対して制御指示等を行ったりする場合には、通信部401を介して行う。
【0048】
本実施形態では、通信部401は、エアコン10から室内温度、室内湿度、外気温、人を検知した旨、稼働状況等を受信し、後述する暑さ指数と、後述する電気料金の情報と、を、管理DB411において人の存在が検知されたエアコン10の機器IDに紐付けられた端末装置IDの端末装置30に送信する。
【0049】
暑さ指数取得部404は、通信部401がエアコン10から受信した室内温度に基づいて、暑さに関する情報を取得する。より具体的には、暑さ指数取得部404は、エアコン10から受信した室内温度と室内湿度とに基づいて暑さ指数を取得する。
【0050】
ここで、暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)とは、室内温度と室内湿度とに基づいて定められる熱中症のリスクを示す指標である。
【0051】
図4は、第1の実施形態において、暑さ指数の目安の一例を示す図である。
図5は、第1の実施形態において、暑さ指数と、注意すべき生活活動の目安と、注意事項との一例を示す図である。図4に示す表は、医療法人社団桜春会 平沢クリニック「室内の熱中症と暑さ指数(WBGT)」(https://www.hmc.or.jp/news/wbgt.html)から引用したものである。図5に示す表は、環境省「熱中症予防情報サイト」(https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php)から引用したものである。
【0052】
本実施形態の暑さ指数取得部404は、図4に示す表を参考にして室内温度、室内湿度から暑さ指数を決定している。また、後述する暑さ指数により表示するリスク表示の画面の選定も、図5に示す表に基づいて予め定められている。
【0053】
図3に戻り、電気料金算出部403は、エアコン10における冷房機能を動作させた場合の電気料金を算出する。電気料金算出部403は、例えば、エアコン10から可動履歴を取得しておく。そして、電気料金算出部403は、冷房運転時の単位時間当たりの消費電力から1ヶ月の使用電力量を予測し、予測した1ヶ月の使用電力量に単位消費電力当たりの電気料金を乗算して、1ヶ月の電気料金を算出する。
【0054】
<端末装置の詳細>
次に、本実施形態にかかる端末装置30の詳細について説明する。
図6は、第1の実施形態にかかる端末装置30の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0055】
図6に示すように、本実施形態にかかる端末装置30は、表示装置302と、入力装置303と、通信装置304と、記憶装置305と、アプリケーション301と、を主に備えている。
【0056】
表示装置302は、例えば、液晶や有機EL等の表示デバイスである。入力装置303は、表示装置302に重畳されたタッチパネル(非接触型のものも含む)やハードキー等の入力デバイスである。表示装置302は、各種の画面を表示する。当該画面中のアイコン等に対する操作は、例えば、入力装置303(タッチパネル)に対するユーザのタッチ操作である。表示装置302は、表示部の一例である。
【0057】
通信装置304は、無線LANや、4G(例えば、LTE(Long Term Evolution)等)、5Gの各規格に従って無線通信を行うインタフェイスである。
【0058】
記憶装置305は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の記憶媒体である。
【0059】
アプリケーション301は、図6に示すように、通信処理部3011と、入力処理部3012と、表示処理部3013と、制御部3014と、を主に備えている。アプリケーション301は、記憶装置305に記憶される。アプリケーション301は、プログラムの一例である。
【0060】
制御部3014は、アプリケーション301の各種制御および各種の演算を行う。
通信処理部3011は、通信装置304による通信を制御する。また、通信処理部3011は、入力処理部3012でユーザからエアコン10に対する制御指示を受け付けた場合、受け付けた制御指示をサーバ装置40に送信する。また、通信処理部3011は、サーバ装置40から種々の情報(データ)を受信する。
【0061】
本実施形態の通信処理部3011は、サーバ装置40から、暑さ指数、外気温の情報、電気料金の情報を受信する。さらに、通信処理部3011は、エアコン10が設置された部屋の室内温度や室内湿度を受信してもよい。
【0062】
表示処理部3013は、表示装置302に対する各種情報の表示を制御する。
アプリケーション301は起動されると、表示処理部3013が、まずアプリホーム画面を表示装置302に表示させる。ここで、アプリホーム画面は、アプリケーションの基本画面の一例である。
【0063】
図7は、実施形態におけるアプリホーム画面の一例を示す図である。図7の例では、アプリホーム画面501に、複数の操作画面アイコン503と、電気料金画面アイコン504とが表示されている。なお、操作画面アイコン503と、電気料金画面アイコン504とが同一画面ではなく別々の画面に表示されても良い。例えば、操作画面アイコン503を最初の画面に表示し、スワイプした別画面に電気料金画面アイコン504を表示させても良い。
【0064】
操作画面アイコン503は、エアコン10ごとに設けられ、対応するエアコン10の機器IDと関連付けされている。操作画面アイコン503は、エアコン10に対する制御指示を行うための不図示の操作画面を表示するためのものである。図7の例では、操作画面アイコン503に、エアコン10の設置場所(「リビング」や「子供部屋」)が表示されている。
【0065】
電気料金画面アイコン504は、エアコン10の使用電気料金を表示する不図示の画面を表示させるためのものである。
【0066】
このように、表示処理部3013は、操作画面アイコン503と、電気料金画面アイコン504と、を表示したアプリホーム画面501を、表示装置302に表示させる。これらの操作画面アイコン503および電気料金画面アイコン504が操作された場合の処理については省略する。
【0067】
図6に戻り、本実施形態の表示処理部3013は、人の存在が検知され、かつ、エアコン10が停止中または冷房機能以外で運転中の状態で所定時間経過している場合に、暑さに関する情報としての暑さ指数に基づいて、リスク情報を表示装置302に表示させる。
【0068】
ここで、表示処理部3013は、通信処理部3012が、サーバ装置40から暑さ指数を受信している場合に、エアコン10の周囲に人が検知されたものと判断する。
【0069】
また、冷房機能以外で運転中の状態とは、例えば、除湿運転や暖房運転等があげられる。利用者が例えば、高齢者の場合に、冷房運転とすべきところ、操作ミスにより暖房運転を指示してしまう場合があることを考慮したものである。
【0070】
また、所定時間経過しているとは、例えば、表示装置302に前回のポップアップ表示画面が表示されてから所定時間経過した場合等があげられる。ただし、これに限定されるものではない。
【0071】
また、リスク情報は、冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報と、冷房機能を動作させた場合のリスクに関する情報と、を比較した情報である。冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報とは、例えば、冷房機能を動作させなかったことにより利用者が熱中症にかかった場合にかかる費用、熱中症の死亡者等があげられるがこれらに限定されるものではない。また、冷房機能を動作させた場合のリスクに関する情報とは、例えば、冷房機能を動作させた場合の1ヶ月の電気料金や、少ない数の熱中症の死亡者等があげられるがこれらに限定されるものではない。
【0072】
すなわち、表示処理部3013は、冷房機能を動作させた場合のリスクに関する情報として、例えば、冷房機能を動作させた場合に一ヶ月の電気料金の情報と、冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報として、冷房機能を動作させなかった場合にかかる費用、例えば、熱中症になった場合の医療費等の情報と、を比較してリスク情報として表示装置302に表示する。
【0073】
表示処理部3013は、暑さ指数に応じて、リスク情報の表示内容、すなわち、冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報と、冷房機能を動作させた場合のリスクに関する情報を変更して表示装置302に表示させる。
【0074】
また、表示処理部3013は、冷房機能以外の付加機能に関する表示と付加機能の指示を行わせるための指示情報と、をリスク情報に併せて表示装置302に表示させる。ここで、付加機能とは、冷房機能を実行する際に付加して実行可能な機能であり、例えば、節電冷房、レーダー風あて、無風感機能等があげられる。ただし、これらに限定されるものではない。
リスク情報の具体的な表示例の詳細は、後述する。
【0075】
入力処理部3012は、入力装置303からのユーザの入力を受け付ける。本実施形態では、入力処理部3012は、例えば、各種画面から、付加機能オンのボタンのタッチ入力を利用者から受け付ける。
【0076】
<エアコン制御処理>
次に、以上のように構成された本実施形態にかかるエアコン制御システム1によるエアコン制御処理について説明する。
図8は、第1の実施形態にかかるエアコン制御処理の流れの一例を示すシーケンス図です。
【0077】
エアコン10では、室内温度センサ104により室内温度を、室内湿度センサ103により室内湿度を、外気温センサ102により外気温を、それぞれ計測する(S11)。そして、エアコン10の無線通信部106は、計測した室内温度、室内湿度、外気温をサーバ装置40に送信する(S12)。サーバ装置40では、通信部401が、エアコン10から、室内温度、室内湿度、外気温を受信する。
【0078】
次に、エアコン10では、人感センサ101がエアコン10の周囲の人を検知したものとする(S13)。すると、エアコン10の無線通信部106は、人を検知した旨をサーバ装置40に送信する(S14)。サーバ装置40では、通信部401が人を検知した旨を受信する。
【0079】
サーバ装置40では、通信部401が、エアコン10から、室内温度と、室内湿度と、外気温と、人を検知した旨とを、受信すると、暑さ指数取得部404が暑さ指数を取得する(S15)。
【0080】
ここで、暑さ指数取得部404は、室内温度と室内湿度から、図4で示した表を参照することにより、暑さ指数を求める。なお、外部のサーバ等のクラウドに、室内温度と室内湿度とともに暑さ指数を要求することで、暑さ指数を取得するように暑さ指数取得部404を構成してもよい。
【0081】
次に、サーバ装置40では、電気料金算出部403が、冷房機能を動作させた場合における1ヶ月の電気料金を算出する(S16)。そして、通信部401は、取得した暑さ指数と、算出した電気料金の情報とを、管理DB411において人の存在が検知されたエアコン10の機器IDに紐付けられた端末装置IDの端末装置30に送信する(S17)。
【0082】
端末装置30のアプリケーション301では、通信処理部3011が、サーバ装置40から、暑さ指数と電気料金の情報とを受信すると、表示処理部3013が表示処理を実行する(S18)。
【0083】
ここで、S18の表示処理の詳細について説明する。
図9は、第1の実施形態にかかる表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0084】
表示処理部3013は、まず、i)人の存在が検知され(すなわち、サーバ装置40から暑さ指数を受信しており)、かつ、ii)エアコン10がオフまたは冷房機能以外の運転モードで運転されており、かつ、iii)最後のポップアップ表示から所定時間としての30分経過している、の3つの条件を具備しているが否かを判断する(S31)。これら3つの条件をいずれかを見たさない場合には(S31:No)、表示処理部3013は、3つの条件を具備するまで待機する。
【0085】
3つの条件を具備した場合には(S31:Yes)、表示処理部3013は、サーバ装置40から受信した暑さ指数の値が、25以上かつ28未満の警戒の状態であるか否かを判断する(S32)。暑さ指数の値が、25以上かつ28未満の警戒の状態である場合には(S32:Yes)、表示処理部3013は、警告画面を表示装置302に表示させる(S33)。そして、処理は呼出し元に戻る。
【0086】
図10は、第1の実施形態において熱中症のリスクが警戒の場合の警告画面の一例を示す図である。警告画面は、冷房機能を動作させない場合のリスクに関する情報として、図10に示すように、熱中症のリスクの旨と、冷房機能の動作の推奨を示している。
【0087】
図9に戻り、暑さ指数の値が25以上かつ28未満の警戒の状態でない場合には(S32:No)、表示処理部3013は、暑さ指数の値が、28以上かつ31未満の厳重の状態であるか否かを判断する(S34)。暑さ指数の値が、28以上かつ31未満の厳重警戒の状態である場合には(S34:Yes)、表示処理部3013は、冷房機能を動作させた場合の費用(すなわち、電気料金)と冷房機能を動作させなかった場合の費用(すなわち、熱中症になった場合の医療費)を比較してリスク情報として表示装置302に表示させる(S35)。
【0088】
図11は、第1の実施形態において熱中症のリスクが厳重警戒の場合の警告画面の一例を示す図である。熱中症のリスクが厳重警戒の場合には、図11に示すように、冷房機能を動作させた場合の電気料金と冷房機能を動作させなかった場合において熱中症になった場合に病院にかかったときの医療費を比較して表示している。
【0089】
そして、表示処理部3013は、表示装置302に付加機能を実行させるための指示ボタンを表示させる(S38)。
【0090】
図12は、第1の実施形態において熱中症のリスクが厳重警戒の場合の警告画面に付加機能の実行の指示ボタンを表示した画面の一例を示す図である。図12に示すように、厳重警戒の場合の警告画面には、節電冷房、レーダー風あて、無風感の各機能を実行するための指示ボタン1401がタッチ入力可能に表示されている。
【0091】
そして、入力処理部3012は、当該画面からボタンのタッチ入力を受け付けたか否かを判断する(S39)。ボタンのタッチ入力を受け付けなかった場合には(S39:No)、処理は呼出し元に戻る。一方、ボタンのタッチ入力を受け付けた場合には(S39:Yes)、制御部3014は、通信処理部3011を介して、付加機能オンの指示、すなわち、付加機能のオンの指示を、サーバ装置40に送信する(S40)。そして、処理は呼出し元に戻る。
【0092】
S34で、暑さ指数の値が、28以上かつ31未満の厳重の状態でない場合には(S34:No)、表示処理部3013は、暑さ指数の値が、31以上の危険の状態であるか否かを判断する(S36)。暑さ指数の値が、31以上の危険の状態でない場合には(S36:No)、暑さ指数により熱中症の可能性は低いので、処理はS31へ戻る。
【0093】
一方、暑さ指数の値が、31以上の危険の状態である場合には(S36:Yes)、表示処理部3013は、冷房機能を動作させた場合のリスクと冷房機能を動作させなかった場合のリスクとを比較してリスク情報として表示装置302に表示させる(S37)。
【0094】
図13は、第1の実施形態において熱中症のリスクが危険の状態である場合の警告画面の一例を示す図である。熱中症のリスクが危険の状態の場合には、図13に示すように、冷房機能を動作させた場合の熱中症死亡者数と冷房機能を動作させなかった場合の熱中症死亡者数とを比較して表示している。
【0095】
そして、表示処理部3013は、表示装置302に付加機能を実行させるための指示ボタンを表示させ(S38)、上述したように、付加機能の指示の入力が有る場合には(S39:Yes)、付加機能のオンの指示をサーバ装置40に送信する(S40)。そして、処理は呼出し元に戻る。
【0096】
図14は、第1の実施形態において熱中症のリスクが危険の場合の警告画面に付加機能の実行の指示ボタンを表示した画面の一例を示す図である。図14に示すように、危険の場合の警告画面には、節電冷房、レーダー風あて、無風感の各機能を実行するための指示ボタン1401がタッチ入力可能に表示されている。
【0097】
図9に戻り、付加機能の指示の入力が有る場合には(S39:Yes)、処理は呼出し元に戻る。
【0098】
図8に戻り、表示処理が終了したら、図7で付加機能の指示の入力が有る場合には(S39:Yes)、付加機能のオン指示をサーバ装置40に送信する(S40、S19)。
サーバ装置40では、通信部401が、端末装置30のアプリケーション301から、付加機能のオン指示を受信すると、受信した付加機能のオン指示をエアコン10に送信する(S20)。
【0099】
エアコン10では、無線通信部106は、サーバ装置40から付加機能のオン指示を受信すると、指示された付加機能を実行する(S21)。
【0100】
このように本実施形態にかかるエアコン制御システム1では、エアコン10は、エアコン10の周囲の人の存在を検知する人感センサ101と、室内温度を検知する室内温度センサ104と、室内湿度を検知する室内湿度センサ103と、冷房機能を制御する冷房制御部105と、人感センサ101により室内の人の存在を検知した場合に、人の存在の旨と、室内温度センサ104で検知した室内温度と、室内湿度センサ103で検知した室内湿度と、を、サーバ装置40に送信する無線通信部106と、を備える。サーバ装置40は、エアコン10から、人の存在の旨と、室内温度と、室内湿度と、を受信する通信部401と、室内温度と室内湿度とに基づいて、暑さに関する情報としての暑さ指数を取得する暑さ指数取得部404と、を備え、通信部401は、取得した暑さ指数と、を端末装置30に送信する。端末装置30のアプリケーション301は、サーバ装置から暑さ指数、を受信する通信処理部3011と、人の存在が検知され、かつ、エアコン10が停止中または冷房機能以外で運転中の状態で所定時間経過している場合に、暑さ指数に基づいて、冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報と、冷房機能を動作させた場合のリスクに関する情報と、を比較したリスク情報を表示装置302に表示させる表示処理部3013と、を備える。
【0101】
このため、本実施形態によれば、熱中症対策のために冷房運転を開始することが、有益であることを利用者に納得してもらい、冷房運転を行うことができる。従って、本実施形態によれば、利用者の意思に反することなく、熱中症対策を効果的に実現することができる。
【0102】
また、本実施形態にかかるエアコン制御システム1では、アプリケーション301の表示処理部3013は、暑さ指数に応じて、リスク情報の表示内容を変更して表示装置302に表示させる。このため、本実施形態によれば、暑さ指数に応じた熱中症のリスクの大小に応じてリスク情報の表示内容を変更できる。従って、本実施形態によれば、利用者の意思に反することなく、熱中症のリスクの度合いに応じた熱中症対策をより効果的に実現することができる。
【0103】
また、本実施形態にかかるエアコン制御システム1では、サーバ装置40は、エアコン10における冷房機能を動作させた場合の電気料金を算出する電気料金算出部403、をさらに備え、通信部401は、さらに、電気料金の情報を端末装置30に送信する。アプリケーション301の通信処理部3011は、さらに、サーバ装置40から、電気料金の情報を受信し、表示処理部3013は、冷房機能を動作させた場合のリスクに関する情報として電気料金の情報と、冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報として冷房機能を動作させなかった場合にかかる費用の情報と、を比較してリスク情報として表示する。
【0104】
このため、本実施形態によれば、冷房機能を動作させた場合のリスクが冷房機能を動作させなかった場合のリスクより小さいことを利用者に納得させることができる。従って、本実施形態によれば、利用者の意思に反することなく、熱中症対策をより効果的に実現することができる。
【0105】
また、本実施形態にかかるエアコン制御システム1では、アプリケーション301は、利用者から指示を受付可能な入力処理部3012、をさらに備え、表示処理部3013は、冷房機能以外の付加機能に関する表示と付加機能の指示を行わせるための指示情報と、をリスク情報に併せて表示装置302に表示させる。入力処理部3012は、指示情報の入力を受け付ける。
【0106】
このため、本実施形態によれば、利用者に冷房機能の動作の必要性を納得させた上で、さらに冷房機能以外の付加機能を容易に指示させることができる。従って、本実施形態によれば、利用者の意思に反することなく、熱中症対策をより効果的に実現することができる。
【0107】
また、本実施形態にかかるエアコン制御システム1では、暑さに関する情報は、室内温度と室内湿度に基づいて定められる熱中症のリスクの指標である暑さ指数である。このため、本実施形態によれば、熱中症のリスクの指標を用いることで、利用者の意思に反することなく、熱中症対策をより効果的に実現することができる。
【0108】
(変形例1)
上記実施形態では、冷房機能の停止中に、暑さ指数に応じてリスク表示の内容を変更して表示装置302に表示していたが、さらに、冷房機能の停止中、運転中に拘わらず、リスク表示を表示装置302に表示するように表示処理部3013を構成してもよい。
【0109】
この場合、サーバ装置40は外気温の情報を端末装置30に送信し、端末装置30のアプリケーション301の通信処理部3011で外気温の情報を受信する。また、サーバ装置40は、定期的に、エアコン10から室内温度、室内湿度を受信して暑さ指数を求め、暑さ指数、室内温度、室内湿度を端末装置30に送信している。
【0110】
そして、表示処理部3013は、冷房機能の運転中の有無にかかわらず、外気温の情報と、冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報としての暑さ指数に基づく熱中症に関するリスクに関する情報とを、リスク情報として表示装置302に表示する。
【0111】
図15は、変形例1におけるリスク情報としての表示画面の一例を示す図である。図15(a)は、冷房機能が停止中に表示装置302に表示される画面の一例を示し、図15(b)は、冷房機能の運転中に表示装置302に表示される画面の一例を示している。いずれの画面も、熱中症のリスク(安全、警戒、厳重警戒、危険)と、冷房機能を運転中か停止中かの表示、室内温度、室内湿度、外気温の表示を行っている。図15(c)は、熱中症のリスク(安全、警戒、厳重警戒、危険)と、暑さ指数との関係を示した図であり、例えば、図15(a)や(b)の画面をスワイプ操作させることで、表示処理部3013が表示装置302に表示させる。
【0112】
このように変形例1では、アプリケーション301の表示処理部3013は、冷房機能の運転中の有無にかかわらず、外気温の情報と、冷房機能を動作させなかった場合のリスクに関する情報としての暑さ指数に基づく熱中症に関するリスクに関する情報とを、リスク情報として表示装置302に表示する。このため、本実施形態によれば、常にリスク情報を利用者に把握させることができる。従って、本実施形態によれば、熱中症対策をより効果的に実現することができる。
【0113】
なお、上記変形例1では、表示処理部3013は、リスクに関する情報とともに外気温の情報も表示しているが、冷房機能の運転中の有無にかかわらず、リスクに関する情報を表示すればよく、外気温の情報を表示しなくてもよい。
【0114】
(第2の実施形態)
第1の実施形態および変形例1では、冷房機能の停止中あるいは運転中に、暑さ指数に応じてリスク表示の内容を変更して表示装置302に表示していたが、この第2の実施形態では、冷房機能の運転中に利用者が停止ボタンを指示した際に、外気温や暑さ指数に応じてリスク情報としての警告画面を表示装置302に表示する。
【0115】
本実施形態にかかるエアコン制御システム1の構成、エアコン10の構成、サーバ装置40の構成、端末装置30の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0116】
ただし、本実施形態にかかる端末装置30のアプリケーション301において、表示処理部3013は、第1の実施形態と同様の機能に加え、以下の機能を有する。
すなわち、表示処理部3013は、冷房機能の実行中に、入力処理部3012によって、冷房機能の停止指示を受け付けた場合に、外気温の情報と暑さに関する情報としての暑さ指数に基づいて、冷房機能を停止した場合のリスクに関する情報をリスク情報として表示装置302に表示させる。また、表示処理部3013は、外気温の情報と暑さ指数とに基づいて、冷房機能を停止した場合のリスクに関するリスク情報の内容を変更して表示装置302に表示させる。リスク情報の詳細については後述する。
【0117】
次に、以上のように構成された本実施形態にかかるエアコン制御システム1によるエアコン制御処理について説明する。
図16は、第2の実施形態にかかるエアコン制御処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0118】
まず、エアコン10は、冷房機能を実行中であるとする(S51)。
そして、冷房機能の実行中に、端末装置30のアプリケーション301において、入力処理部3012が、利用者による停止ボタンのタッチ入力を受け付けたとする(S52)。すると、通信処理部3011は、サーバ装置40に暑さ指数の要求を送信する(S53)。
【0119】
暑さ指数の要求を受信したサーバ装置40では、通信部401が、エアコン10に対して、室内温度、室内湿度、外気温の要求を送信する(S54)。
【0120】
エアコン10は、室内温度、室内湿度、外気温の要求を受信すると、室内温度センサ104により室内温度、室内湿度センサ103により室内湿度、外気温センサ102により外気温の計測を行う(S55)。そして、無線通信部106は、室内温度、室内湿度、外気温をサーバ装置40に送信する(S56)。
【0121】
サーバ装置40では、通信部401がエアコン10から室内温度、室内湿度、外気温を受信すると、暑さ指数取得部404が暑さ指数を取得する(S57)。そして。通信部401は、受信した外気温の情報と取得した暑さ指数とを端末装置30に送信する(S58)。
【0122】
端末装置30では、アプリケーション301の通信処理部3011が、サーバ装置40から外気温の情報と暑さ指数とを取得すると、表示処理部3013は、表示処理を実行する(S59)。
【0123】
ここで、S59の表示処理について説明する。
図17は、第2の実施形態にかかる表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0124】
表示処理部3013は、サーバ装置40から受信した暑さ指数の値が、25未満の安全な状態であるか否かを判断する(S71)。暑さ指数の値が、25未満の安全な状態である場合には(S71:Yes)、表示処理部3013は、サーバ装置40から受信した外気温が30℃以上であるか否かを判断する(S72)。そして、外気温が30℃以上である場合には(S72:Yes)、表示処理部3013は、熱中症のリスクは低いが外気温が高いと判断し、ポップアップ画面1を表示装置302に表示させる(S73)。
【0125】
図18は、第2の実施形態にかかるポップアップ画面1の一例を示す図である。ポップアップ画面1は、図18に示すように、熱中症のリスクは低いが外気温が高い場合に、外気温が高いため冷房を停止すると、部屋の温度が上昇する可能性がある旨のリスク表示と冷房の停止を行うか否かを確認する画面である。そして、このポップアップ画面1には、冷房機能の停止を実行するボタン1801bと、冷房の停止をキャンセルするためのボタン1801aが表示される。
【0126】
一方、S71で、暑さ指数の値が、25以上である場合(S71:No)、またはS72で外気温が30℃未満の場合(S72:No)、表示処理部3013は、まだ部屋が冷え切ってない可能性があると判断し、ポップアップ画面2を表示装置302に表示させる(S72)。
【0127】
図19は、第2の実施形態にかかるポップアップ画面2の一例を示す図である。ポップアップ画面2は、図19に示すように、まだ部屋が冷え切ってない旨のリスク表示を行い、冷房の停止を行うか否かを確認する画面である。そして、このポップアップ画面2にも、冷房機能の停止を実行するボタン1801bと、冷房の停止をキャンセルするためのボタン1801aが表示される。
【0128】
図17に戻り、入力処理部3012は、ポップアップ画面1またはポップアップ画面2から停止ボタンの押下(タッチ入力)を受け付けた否かを判断する(S75)。停止ボタンの押下(タッチ入力)を受け付けなかった場合には(S75:No)、処理は呼出し元に復帰する。
【0129】
一方、入力処理部3012が停止ボタンの押下(タッチ入力)を受け付けた場合には(S75:Yes)。通信処理部3011は、サーバ装置40に冷房停止指示を送信する(S76)。そして、処理は呼出し元に戻る。
【0130】
図16に戻り、表示処理が終了し、S76での冷房停止指示の送信が行われる(S60)。サーバ装置40では、アプリケーション301から冷房停止指示を受信すると、通信部401が冷房停止指示をエアコン10に送信する(S61)。
【0131】
エアコン10では、無線通信部106が冷房停止指示を受信すると、冷房制御部105が冷房運転を停止する(S62)。
【0132】
このように本実施形態にかかるエアコン制御システム1では、エアコン10は、外気温を検知する外気温センサ102、をさらに備え、無線通信部106は、さらに、外気温センサ102で検知された外気温の情報を、サーバ装置40に送信する。サーバ装置40の通信部401は、エアコン10から外気温の情報を受信し、受信した外気温の情報を端末装置30に送信する。アプリケーション301は、利用者から指示を受付可能な入力処理部3012をさらに備え、通信処理部3011は、サーバ装置40から、外気温の情報を受信し、表示処理部3013は、冷房機能の実行中に、入力処理部3012によって、冷房機能の停止指示を受け付けた場合に、外気温の情報と暑さ指数とに基づいて、冷房機能を停止した場合のリスクに関する情報をリスク情報として表示装置302に表示させる。
【0133】
このため本実施形態では、冷房機能を停止する段階においても、冷房機能を停止した場合のリスクを利用者に納得させることができる。従って、本実施形態によれば、利用者の意思に反することなく、熱中症対策をより効果的に実現することができる。
【0134】
また、本実施形態にかかるエアコン制御システム1では、アプリケーション301の表示処理部3013は、外気温と暑さ指数とに基づいて、冷房機能を停止した場合のリスクに関するリスク情報の内容を変更して表示装置302に表示させる。このため、本実施形態よれば、暑さ指数に応じた熱中症のリスクの大小に応じて冷房機能を停止した場合のリスク情報の表示内容を変更できる。従って、本実施形態によれば、利用者の意思に反することなく、熱中症のリスクの度合いに応じた熱中症対策をより効果的に実現することができる。
【0135】
(変形例2)
上記第2の実施形態では、利用者から冷房機能の停止ボタンの押下を受け付けてから、サーバ装置40に暑さ指数の要求を行っていたが、これに限定されるものではない。例えば、サーバ装置40は、エアコン10から定期的に室内温度と室内湿度を受信して、暑さ指数を求め。暑さ指数を求めるごとに端末装置30に送信し、アプリケーション301は、定期的に受信する暑さ指数により図17で示した表示処理を実行するように構成してもよい。この変形例2によれば、定期的に暑さ指数を取得できるので、処理の簡略化と処理速度の向上を図ることができる。
【0136】
(変形例3)
上記実施形態および変形例では、暑さ指数の取得、および電気料金の算出をいずれもサーバ装置40で実行していたが、これに限定されるものではない。例えば、端末装置30側でで、室内温度と室内湿度をサーバ装置40から受信して暑さ指数を求めたり、エアコン10の電気料金を算出するように、アプリケーション301を構成してもよい。この変形例4によれば、サーバ装置40側の処理を簡略化することができる。
【0137】
(変形例4)
上記実施形態および変形例では、室内温度と室内湿度に基づいて暑さ指数を求め、暑さ指数に応じて、リスク情報を表示していたが、これに限定されるものではない。例えば、室内温度のみに基づいて、暑さ指数以外の暑さに関する情報を用い、リスク情報を表示装置302に表示するように表示処理部3013を構成してもよい。この変形例4によれば、暑さに関する情報として使用できる情報を広汎に選択することができ、熱中症対策をより広汎に効果的に実現することができる。
【0138】
(変形例5)
また、例えば、サーバ装置40を、天気情報を提供するクラウドにアクセスして天気予報を受信し、受信した天気予報における今後の天気の予想や気温の上昇予想等を暑さに関する情報として用いることができる。そして、暑さ指数とともに、あるいは暑さ指数に代えて、今後の天気の予想や今後の気温の上昇等に基づいてリスク情報を表示装置302に表示させるように表示処理部3013を構成してもよい。このため、変形例5によれば、天気に関する情報を利用することで、熱中症対策をより効果的に実現することができる。
【0139】
(変形例6)
また、上記実施形態及び変形例では、現在の外気温の情報を、エアコン10の外気温センサ102で検知して取得しているが、これに限定されるものではない。例えば、サーバ装置40を、天気情報を提供するクラウドにアクセスして現在の場所における現在の外気温を受信するように構成することもできる。この場合には、エアコン10に外気温センサ102を設ける必要がなくなるため、エアコン10の装置構成の複雑化を回避することができる。
【0140】
(変形例7)
端末装置30と、エアコン10の利用者を見守る第三者である見守り者の携帯端末等をネットワークで接続可能とし、リスク表示の警告画面の表示回数をカウントしておき、警告画面が所定時間内に連続して表示装置302に表示された場合には、見守り者の携帯端末に、通知を送信するように通信処理部3011や表示処理部3013を構成することもできる。
【0141】
利用者が高齢者の場合には、操作ミスにより何度に警告画面が表示されることもあり、このような場合に、見守り者に通知することで、利用者の熱中症のリスクをより低減させることができる。
【0142】
(変形例8)
上記実施の形態及び変形例では、エアコン10の周囲の人の存在をエアコン10の人感センサ101で検知していたが、これに限定されるものではない。例えば、端末装置30にGPS機能を設け、当該端末装置10が、自身にインストールされたアプリケーション301が制御対象とするエアコン10の近傍に移動したものとする。この場合、当該制御対象のエアコン10側で、端末装置10のGPS情報から端末装置10がエアコン10の位置から所定範囲内に入ったと認識した場合に、周囲の人の存在を検知したと判断する位置判断部を有するようにエアコン10を構成することができる。この場合には、別途、人感センサ101を設けずとも人の存在を検知することができるので、エアコン10の装置構成が複雑化することを防止することができる。この場合における位置判断部は、検知部の一例である。
【0143】
(変形例9)
上記実施形態および変形例では、アプリケーション301は、サーバ装置40から暑さ指数を受信した場合に、エアコン10の周囲に人が存在すると判断していたが、これに限定されるものではない。例えば、サーバ装置40から、人の存在の検知の旨を受信して判断するようにアプリケーション301を構成してもよい。
【0144】
(変形例10)
上記実施形態では、サーバ装置40を単一の装置として構成しているが、これに限定されるものではない。例えば、サーバ装置40の機能部(通信部401、制御部402、電気料金算出部403、暑さ指数取得部404、記憶部410)または各部の機能を複数の装置で分散させて構成しても良い。この場合においても、端末装置30のアプリケーション301を利用するユーザは、上述の実施形態および変形例で説明した作用効果をすべて享受することができる。
【0145】
また、サーバ装置40を日本国以外の海外に設けるように構成した場合、あるいは、サーバ装置40を複数の装置に分散して構成し、機能部(通信部401、制御部402、電気料金算出部403、暑さ指数取得部404、記憶部410)の一部または各部の一部の機能を有する装置を海外に設けるように構成した場合においても、日本国内における端末装置30のアプリケーション301を利用するユーザは、上述の実施形態および変形例で説明した作用効果をすべて享受することができる。
【0146】
上記実施形態および変形例のサーバ装置40、端末装置30は、CPUなどの制御装置と、ROMやRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0147】
上記実施形態および変形例の端末装置30で実行されるアプリケーション301は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USBメモリ、SDカード等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供するように構成してもよい。
【0148】
また、上記実施形態および変形例の端末装置30で実行されるアプリケーション301を、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0149】
上記実施形態および変形例の端末装置30で実行されるアプリケーション301は、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供される。また、上記実施形態および変形例の端末装置30で実行されるアプリケーション301をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0150】
上記実施形態および変形例の端末装置30で実行されるアプリケーション301は、上述した各部(通信処理部3011、入力処理部3012、表示処理部3013、制御部3014)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から家電機器制御プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、通信処理部3011、入力処理部3012、表示処理部3013、制御部3014が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0151】
上記実施形態および変形例のサーバ装置40で実行されるエアコン制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0152】
また、上記実施形態および変形例のサーバ装置40で実行されるエアコン制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上記実施形態および変形例のサーバ装置40で実行されるエアコン制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0153】
また、上記実施形態および変形例のサーバ装置40で実行されるエアコン制御プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0154】
上記実施形態および変形例のサーバ装置40で実行されるエアコン制御プログラムは、上述した各部(通信部401、制御部402、電気料金算出部403、暑さ指数取得部404)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から家電機器制御プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ通信部401、制御部402、電気料金算出部403、暑さ指数取得部404が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0155】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0156】
1 エアコン制御システム
10 エアコン
30 端末装置
40 サーバ装置
101 人感センサ
102 外気温センサ
103 室内湿度センサ
104 室内温度センサ
105 冷房制御部
106 無線通信部
108 空調制御部
401 通信部
402 制御部
403 電気料金算出部
404 暑さ指数取得部
410 記憶部
411 管理データベース(管理DB)
301 アプリケーション
302 表示装置
303 入力装置
304 通信装置
305 記憶装置
3011 通信処理部
3012 入力処理部
3013 表示処理部
3014 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
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図17
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図19