(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025139174
(43)【公開日】2025-09-26
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20250918BHJP
【FI】
G03G21/16 120
G03G21/16 133
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024037975
(22)【出願日】2024-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】操 洋二
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA01
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA10
2H171FA19
2H171FA22
2H171FA28
2H171GA11
2H171GA12
2H171HA23
2H171HA33
2H171JA03
2H171JA12
2H171JA23
2H171JA28
2H171KA05
2H171KA22
2H171KA27
2H171QA03
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB32
2H171QC36
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA22
2H171SA26
2H171WA02
2H171WA03
2H171WA11
2H171WA21
(57)【要約】
【課題】複数のユニットを装置本体から引き出し可能な画像形成装置をさらに発展させる技術を提供する。
【解決手段】装置本体と、装置本体に装着される第1ユニットと、装置本体に装着される第2ユニットであって、(1)第1ユニットと一体に装置本体から引き出されることと、(2)第1ユニットが装置本体に収容された状態で、装置本体から引き出されることと、が可能な第2ユニットと、第1ユニットが装置本体に収容された状態で第2ユニットが装置本体から引き出された場合に第1ユニットが装置本体から引き出されることを規制する規制構造と、を有する画像形成装置。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体に装着される第1ユニットと、
前記装置本体に装着される第2ユニットであって、(1)前記第1ユニットと一体に前記装置本体から引き出されることと、(2)前記第1ユニットが前記装置本体に収容された状態で、前記装置本体から引き出されることと、が可能な第2ユニットと、
前記第1ユニットが前記装置本体に収容された状態で前記第2ユニットが前記装置本体から引き出された場合に前記第1ユニットが前記装置本体から引き出されることを規制する規制構造と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1ユニットと前記第2ユニットが前記装置本体から一体に引き出される過程の少なくとも一部において、前記第1ユニットは前記第2ユニットに支持される請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2ユニットは前記第1ユニットの下方に位置する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記装置本体は、
前記第1ユニット及び前記第2ユニットを引き出す際に前記第1ユニット及び前記第2ユニットが通過する開口と、
前記開口を開閉するドアと、
を有し、
前記第1ユニットと前記第2ユニットが前記装置本体から一体に引き出される過程の少なくとも一部において、前記第2ユニットは前記ドアに支持され、かつ、前記第1ユニットは前記ドアに支持された前記第2ユニットに支持される請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記装置本体は、記録材を搬送する搬送部であって、第1位置と第2位置の間で移動可能な搬送部を有し、
前記第1ユニットが前記装置本体から引き出される際に通過する空間を第1空間、
前記第2ユニットが前記装置本体から引き出される際に通過する空間を第2空間として、
前記第1位置において、前記搬送部の少なくとも一部は、前記第1空間及び前記第2空間の少なくともいずれかの内側にあり、
前記第2位置において、前記搬送部は、前記第1空間及び前記第2空間の外側にある請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記搬送部は、前記ドアの開閉に連動して移動可能であり、
前記ドアが閉じるのに伴って前記第1位置に移動し、
前記ドアが開くのに伴って前記第2位置に移動する請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記規制構造は、
係合部と、
前記係合部と係合可能な被係合部と、
を有し、
前記係合部と前記被係合部の係合が解除された状態では、前記第1ユニットが前記装置本体から引き出されることが許容され、
前記係合部と前記被係合部が係合した状態では、前記第1ユニットが前記装置本体から
引き出されることが規制される請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2ユニットが前記装置本体に装着された装着位置にある状態では前記係合部と前記被係合部の係合が解除され、
前記第2ユニットが前記装着位置から所定の距離以上離れた場合に前記係合部と前記被係合部が係合する請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記係合部と前記被係合部の係合が解除された状態で、前記第1ユニットが前記第2ユニットと一体に前記装置本体から引き出されることが許容される請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記規制構造は、
前記装置本体に設けられ、前記被係合部を有する移動部であって、前記被係合部が前記係合部から離れる許容位置と、前記被係合部が前記係合部と係合する規制位置との間で移動可能な移動部を有し、
前記移動部は、
前記第1ユニット及び前記第2ユニットが前記装置本体に装着されている状態では前記許容位置に位置し、
前記第2ユニットが前記装置本体から引き出された状態では前記規制位置に位置し、
前記第1ユニットが前記装置本体に収容された状態で前記第2ユニットが前記装置本体から引き出された場合、前記移動部が前記許容位置から前記規制位置に移動する請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記規制構造は、
前記第2ユニットに設けられる当接部と、
前記移動部に設けられ、前記当接部に当接可能な被当接部と、
前記移動部に対し前記規制位置に移動させる向きの力を作用させる作用部と、
を有し、
前記第2ユニットが前記装置本体から引き出されていない場合、前記第2ユニットの前記当接部が前記移動部の前記被当接部に当接することで、前記移動部は前記作用部の力に抗する向きに前記第2ユニットに押圧されて前記許容位置に位置し、
前記第1ユニットが前記装置本体に収容された状態で前記第2ユニットが前記装置本体から引き出された場合、前記移動部は前記作用部の力によって前記規制位置に移動する請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記規制構造は、
前記第2ユニットに設けられる当接部と、
前記移動部に設けられ、前記当接部に当接可能な被当接部と、
前記移動部に対し前記規制位置に移動させる向きの力を作用させる作用部と、
を有し、
前記移動部が前記許容位置にある場合、
前記被係合部は、前記第1ユニットが前記装置本体から引き出される際に通過する空間である第1空間の外側に位置し、
前記被当接部は、前記第2ユニットの前記当接部に当接し、
前記移動部が前記規制位置にある場合、
前記被係合部は、前記第1空間の内側の位置であって、前記係合部より前記第1ユニットの引き出し方向の位置において、前記係合部に当接し、
前記被当接部は、前記第2ユニットが前記装置本体から引き出される際に通過する空間である第2空間の内側に位置する請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第1ユニットは、前記装置本体に収容された状態では、
前記第2ユニットが前記装置本体に装着されている場合、前記第1ユニットに設けられた前記係合部が前記被係合部から離れる第1収容位置に位置し、
前記第2ユニットが前記装置本体から引き出された場合、前記係合部が前記被係合部と係合する第2収容位置に位置し、
前記第1ユニットが前記装置本体に収容された状態で前記第2ユニットが前記装置本体から引き出された場合、前記第1ユニットが前記第1収容位置から前記第2収容位置に移動する請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項14】
鉛直方向において前記第2収容位置は前記第1収容位置より下方にあり、
前記第1ユニットは、前記装置本体に収容された状態では、
前記第2ユニットが前記装置本体に装着されている場合、前記第2ユニットに支持されて前記第1収容位置にあり、
前記第2ユニットが前記装置本体から引き出された場合、前記装置本体に支持されて前記第2収容位置にあり、
前記第1ユニットが前記装置本体に収容された状態で前記第2ユニットが前記装置本体から引き出された場合、前記第1ユニットが自重により下降して前記第1収容位置から前記第2収容位置へ移動する請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記装置本体は、
記録材を供給する給紙部と、
前記記録材に転写されたトナー像を定着させる定着部と、
を有し、
前記搬送部は、前記給紙部から前記定着部へ前記記録材を搬送する搬送路を含む請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記装置本体は、記録材に転写されたトナー像を定着させる定着部であって、定着動作が可能な使用位置と、前記使用位置から退避した退避位置との間で移動可能な定着部を有し、
前記第1ユニットが前記装置本体から引き出される際に通過する空間を第1空間、
前記第2ユニットが前記装置本体から引き出される際に通過する空間を第2空間として、
前記使用位置において、前記定着部の少なくとも一部は、前記第1空間及び前記第2空間の少なくともいずれかの内側にあり、
前記退避位置において、前記定着部は、前記第1空間及び前記第2空間の外側にある請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記退避位置において、前記定着部の少なくとも一部は、前記装置本体の外側にある請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記第1ユニットは、感光ドラムと、前記感光ドラムの表面にトナー像を形成する現像部と、を有する画像形成ユニットであり、
前記第2ユニットは、前記感光ドラムと当接可能なベルトを有するベルトユニットである請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記第1ユニットは、前記第1ユニットに対し着脱可能なカートリッジを有し、
前記現像部は、前記カートリッジに含まれる請求項18に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記第1ユニットは、トナーを収容するトナー収容部を有し前記第1ユニットに対し着脱可能なトナーカートリッジを有する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、複写機、複合機等の画像形成装置には、装置本体の内部から外部へ引き出し可能なトレイに対しカートリッジが着脱可能としたものがある。
【0003】
特許文献1には、カートリッジが着脱可能なトレイと、定着装置とを備えた画像形成装置において、複数の開口を通じて画像形成装置の装置本体の内部から外部にトレイを引き出し可能としたものが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、カートリッジが着脱可能なトレイと、転写ユニットと、定着装置とを備えた画像形成装置において、トレイと転写ユニットのそれぞれを画像形成装置の内部から外部へ引き出し可能としたものが記載されている。特許文献2では、定着装置は画像形成装置の装置本体の一端側に配置され、転写ユニットが装置本体の内部から外部に引き出す際、転写ユニットは装置本体の他端側から一端側に向かう方向に移動する。一方、トレイが装置本体の内部から外部に引き出す際、トレイは装置本体の一端側から他端側に向かう方向に移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-244018号公報
【特許文献2】特開2015-206897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような複数のユニットを装置本体から引き出し可能な画像形成装置をさらに発展させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、装置本体と、
前記装置本体に装着される第1ユニットと、
前記装置本体に装着される第2ユニットであって、(1)前記第1ユニットと一体に前記装置本体から引き出されることと、(2)前記第1ユニットが前記装置本体に収容された状態で、前記装置本体から引き出されることと、が可能な第2ユニットと、
前記第1ユニットが前記装置本体に収容された状態で前記第2ユニットが前記装置本体から引き出された場合に前記第1ユニットが前記装置本体から引き出されることを規制する規制構造と、
を有することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数のユニットを装置本体から引き出し可能な画像形成装置をさらに発展させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例1の画像形成装置の全体構成を説明する図である。
【
図2】実施例1のドアを開いた状態の画像形成装置を示す図である。
【
図3】実施例1の定着装置が移動した状態の画像形成装置を示す図である。
【
図4】実施例1の転写ユニットとトレイユニットが引き出された状態を示す図である。
【
図5】実施例1の転写ユニットが単独で引き出された状態を示す図である。
【
図6】実施例1の転写ユニットとトレイユニットの移動を説明する図である。
【
図7】実施例1の転写ユニットとトレイユニットの移動を説明する図である。
【
図8】実施例1のトレイユニットと転写ユニットの連結機構を説明する図である。
【
図9】実施例1のトレイユニットと転写ユニットの連結機構を説明する図である。
【
図10】実施例1のトレイユニットと転写ユニットの連結機構を説明する図である。
【
図12】実施例1の規制部材について説明する図である。
【
図13(a)】実施例1の規制構造について説明する図である。
【
図13(b)】実施例1の規制構造について説明する図である。
【
図13(c)】実施例1の規制構造について説明する図である。
【
図14】実施例1の規制部材と転写ユニットについて説明する図である。
【
図15】実施例2の転写ユニットが単独で引き出された状態を示す図である。
【
図16】実施例2のトレイガイドとトレイユニットについて説明する図である。
【
図17】実施例2のトレイユニット、転写ユニットについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施例に限定する趣旨のものではない。
【0011】
(実施例1)
(全体構成)
図1を用いて、実施例1の画像形成装置1について説明する。
図1は、実施例1に係る画像形成装置1の全体構成を説明する図である。実施例1において、画像形成装置1は、記録材としてのシートSに画像を形成する、電子写真方式のカラーレーザービームプリンタである。
【0012】
画像形成装置1は、装置本体(筐体)1A、スキャナ(露光装置)2、制御部3、装置本体1Aに対して開閉可能なドア(開閉部材)20を有する。さらに、画像形成装置1は、シート給送部30と、転写ユニット(転写装置)40と、トレイユニット(移動ユニット、支持ユニット)50と、定着装置80とを有する。装置本体1Aとドア20を含む部分を、メインフレーム100と呼ぶこともできる。メインフレーム100は、画像形成装置1の外装部を含む。
【0013】
装置本体1Aは、スキャナ2、制御部3、シート給送部30、転写ユニット40、トレイユニット50、定着装置80を収容する。
【0014】
シート給送部30は、記録材としてのシートSを積載する積載トレイ31、供給ローラ32を有し、記録材を供給する給紙部である。積載トレイ31は、ドア20の方向に引き出して、シートSを補充することが可能である。
【0015】
トレイユニット50は、トレイ(支持部材、ドロワ)51と、カートリッジPY、PM、PC、PKを有する。トレイ51はトレイハンドル52を有する。カートリッジPY、PM、PC、PKは、トレイ51に対して取り外し可能に装着されている。
【0016】
カートリッジPY、PM、PC、PKのそれぞれは、互いに独立してトレイ51に対して着脱可能である。カートリッジPY、PM、PC、PKのそれぞれは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のそれぞれの色のトナー(現像剤)を収容するトナー収容部72を有する。カートリッジPY、PM、PC、PKは、収容するトナーの色が異なること以外は同じ構成である。そのため、カートリッジPY、PM、PC、PKのいずれか一つについて構成及び動作を説明し、その他については説明を省略する場合がある。また、カートリッジPY、PM、PC、PKを区別する必要がないときに、カートリッジPY、PM、PC、PKを、単にカートリッジPと呼ぶ場合もある。トレイユニット50は、複数のカートリッジPと、複数のカートリッジPが取り外し可能に装着されるトレイ51とを有するということができる。
【0017】
実施例1において、トレイユニット50は、複数の感光ドラム(像担持体)61、複数の帯電ローラ62(帯電部材)、複数の現像ローラ(現像剤担持体)71を有する。具体的には、トレイユニット50は、4つの感光ドラム61、4つの帯電ローラ62、4つの現像ローラ71を有する。感光ドラム61の回転軸線方向、現像ローラ71の回転軸線方向、帯電ローラ62の回転軸線方向は、平行である。現像ローラ71は感光ドラム61の表面にトナー像を形成する現像部である。
【0018】
ブラック(K)の画像を形成する部分をブラックステーション(第1ステーション)と呼び、第1ステーションの感光ドラム61を第1感光ドラム、現像ローラ71を第1現像ローラ、帯電ローラ62を第1帯電ローラと呼ぶ。
【0019】
シアン(C)の画像を形成する部分をシアンステーション(第2ステーション)と呼び、第2ステーションの感光ドラム61を第2感光ドラム、現像ローラ71を第2現像ローラ、帯電ローラ62を第2帯電ローラと呼ぶ。
【0020】
マゼンタ(M)の画像を形成する部分をマゼンタステーション(第3ステーション)と呼び、第3ステーションの感光ドラム61を第3感光ドラム、現像ローラ71を第3現像ローラ、帯電ローラ62を第3帯電ローラと呼ぶ。
【0021】
イエロー(Y)の画像を形成する部分をイエローステーション(第4ステーション)と呼び、第4ステーションの感光ドラム61を第4感光ドラム、現像ローラ71を第4現像ローラ、帯電ローラ62を第4帯電ローラと呼ぶ。
【0022】
カートリッジPKはブラックステーションに、カートリッジPCはシアンステーションに、カートリッジPMはマゼンタステーションに、カートリッジPYはイエローステーションに、それぞれ着脱可能である。実施例1では、カートリッジPKを第1カートリッジ、カートリッジPCを第2カートリッジ、カートリッジPMを第3カートリッジ、カートリッジPYを第4カートリッジと呼ぶ。
【0023】
なお、第1、第2、第3、第4といった番号は、説明上便宜的に用いられるものである。
【0024】
感光ドラム61、帯電ローラ62、現像ローラ71は、カートリッジPかトレイ51のいずれかに備えられていればよい。実施例1においては、カートリッジPが感光ドラム61、帯電ローラ62、現像ローラ71を有する。
【0025】
転写ユニット40は、ベルト41、一次転写ローラ42、清掃部43、ベルト41を駆動する駆動ローラ46、テンションローラ(被駆動ローラ)47を有する。転写ユニット
40は、感光ドラム61と当接可能なベルトを有するベルトユニットである。実施例1における画像形成装置1には、ベルト41に転写されたトナー像を検知する光学センサ44が配置されている。実施例1において、ベルト41は感光ドラム61の下方に配置され、ベルト41と感光ドラム61の間に一次転写部が形成されるように、感光ドラム61に当接可能である。また、画像形成装置1は、二次転写部が形成されるようにベルト41に当接する二次転写ローラ45を有する。二次転写部はベルト41と二次転写ローラ45の間に形成される。一次転写ローラ42の回転軸線方向、駆動ローラ46の回転軸線方向、テンションローラ47の回転軸線方向、二次転写ローラ45の回転軸線方向は平行である。二次転写部の手前には、レジストレーションローラ対4が配置されている。
【0026】
定着装置80は、定着部81、フラッパ5を有する。シートSに対する画像形成動作が行われるとき、定着装置80は記録材に転写されたトナー像を定着させる定着動作が可能な使用位置Cs(
図7参照)にある。定着装置80は、使用位置Csにある状態で装置本体1Aの内部(内側)に収納されている。また、定着装置80は、使用位置Csにある状態でシートSを加熱するように構成されている。実施例1において、定着部81は、ヒータを含む加熱部(加熱ローラ)と、加圧部(加圧ローラ)を含む。
【0027】
図1、
図2、
図3、
図4、
図5を用いて、転写ユニット40とトレイユニット50の移動について説明する。
図2は、ドア20を開いた状態の画像形成装置1を示す図である。
図3は定着装置80が移動した状態の画像形成装置1を示す図である。
図4は、転写ユニット40とトレイユニット50が引き出された状態の画像形成装置1を示す図である。
図5は、転写ユニット40が単独で引き出された状態の画像形成装置1を示す図である。
【0028】
転写ユニット40とトレイユニット50は、装置本体1Aの内部から外部に移動可能である。水平方向Hについて、装置本体1Aは、開口1A1が備えられた第1端部1b1と、第1端部1b1と反対の第2端部1b2を有している。トレイユニット50は、開口1A1を通じて、装置本体1Aの内側の第1内側位置Ci1と、装置本体1Aの外側の第1外側位置Co1に移動可能である。転写ユニット40は、開口1A1を通じて、装置本体1Aの内側の第2内側位置Ci2と、装置本体1Aの外側の第2外側位置Co2に移動可能である。開口1A1は、トレイユニット50が通過する開口と、転写ユニット40が通過する開口を含んでいてもよい。なお、転写ユニット40が第2内側位置Ci2から第2外側位置Co2に移動する際には、少なくともベルト41が移動され、ベルト41の少なくとも一部が、装置本体1Aの外側に向けて、装置本体1Aから突出する。
【0029】
トレイユニット50が第1内側位置Ci1から第1外側位置Co1に移動する方向を、トレイ取り出し方向Dd1と呼び、トレイ取り出し方向Dd1の反対方向を、トレイ取り付け方向Da1と呼ぶ。トレイ取り出し方向Dd1は、第2端部1b2から第1端部1b1に向かう方向ということができる。
【0030】
転写ユニット40が第2内側位置Ci2から第2外側位置Co2に移動する方向を、転写取り出し方向Dd2と呼び、転写取り出し方向Dd2の反対方向を、転写取り付け方向Da2と呼ぶ。転写取り出し方向Dd2において、駆動ローラ46はテンションローラ47の下流側に位置される。転写取り出し方向Dd2は、第2端部1b2から第1端部1b1に向かう方向ということができる。
【0031】
トレイ取り出し方向Dd1、トレイ取り付け方向Da1は、感光ドラム61の回転軸線方向に交差する方向(好ましくは直交方向)である。転写取り出し方向Dd2、転写取り付け方向Da2は、駆動ローラ46の回転軸線方向に交差する方向(好ましくは直交方向)である。駆動ローラ46の回転軸線方向は、感光ドラム61の回転軸線方向と平行である。
【0032】
水平方向Hにおいて、装置本体1Aの一端側(第1端部1b1が配置された側)には、定着装置80が配置される。
【0033】
装置本体1Aに取り付けられたドア20は、閉位置と開位置の間を移動可能である。
図1に示すように、ドア20が閉位置にある状態(ドア20の閉じ状態)では、ドア20は開口1A1を覆う。
図2に示すように、ドア20が開位置にある状態(ドア20の開き状態)では、開口1A1が露出される。
【0034】
図1に示すように、ドア20が閉位置にある状態では、ドア20は装置本体1Aに取り付けられた定着装置80を覆っている。より具体的には、ドア20が閉位置にある状態では、ドア20の上カバー部20bが、定着装置80の上方に位置する。ドア20の上カバー部20bは、外装部の一部としての機能を有する。
【0035】
ドア20は、定着装置80が装置本体1Aに支持された状態で、開位置と閉位置とに移動することができる。言い換えれば、ドア20は、装置本体1Aに支持された定着装置80から離れるように、閉位置から開位置に移動する。したがって、
図2に示すように、ドア20が開位置にある状態では、ドア20は、装置本体1Aに支持された定着装置80から離れている。
【0036】
後述するように、定着装置80は、開口1A1が広く露出されるように、
図2の状態から
図3の状態に移動可能である。ドア20と定着装置80が移動した状態(
図3)で、転写ユニット40とトレイユニット50は、開口1A1を通じて、装置本体1Aの内部から外部に移動可能であり、移動後は
図4の状態になる。
【0037】
トレイユニット50が装置本体1Aの外部に移動された状態(
図4)で、トレイ51からカートリッジPY、PM、PC、PKを取り外すこと、及びトレイ51にカートリッジPY、PM、PC、PKを取り付けることが許容される。これにより、カートリッジPY、PM、PC、PKを、新しいカートリッジPY、PM、PC、PKに交換することができる。実施例1において、カートリッジPは、トレイ51に対して感光ドラム61の回転軸線に交差する方向(好ましくは直交方向)に着脱可能である。
【0038】
カートリッジPY、PM、PC、PKは、トレイ51に対して転写ユニット40から遠ざかる方向に移動することで、トレイ51から取り外される。言い換えれば、カートリッジPY、PM、PC、PKは、トレイ51に対して転写ユニット40とは反対側に向けて移動して、トレイ51から取り外される。実施例1において、転写ユニット40はトレイユニット50の下方に配置されている。したがって、カートリッジPY、PM、PC、PKは、トレイ51に対して上方に移動して、トレイ51から取り外される。
【0039】
さらに、転写ユニット40はトレイユニット50に対して独立して装置本体1Aから取り外し可能であり、新しい転写ユニット40に交換することができる。
【0040】
(画像形成動作)
図1を用いて、画像形成装置1の画像形成動作について説明する。画像形成装置1の制御部3は、外部ホスト装置400から受け取った画像信号に基づいて、シートSへの画像形成動作を開始する。外部ホスト装置400は、例えばパーソナルコンピュータ、イメージリーダ及びファクシミリ等である。
【0041】
シートSへの画像形成が行われるとき、定着装置80は使用位置Csに位置し、トレイユニット50は第1内側位置Ci1に位置し、転写ユニット40は第2内側位置Ci2に
位置し、ドア20は閉位置に位置する。転写ユニット40が第2内側位置Ci2にある状態で、ベルト41は感光ドラム61に当接可能である。このとき、トレイユニット50は転写ユニット40の上方に位置している。
【0042】
帯電ローラ62に帯電電圧が印加され、感光ドラム61が回転する。画像情報に対応したレーザがスキャナ2から感光ドラム61に照射され、帯電ローラ62によって帯電された感光ドラム61の表面が露光される。これにより、感光ドラム61の表面に、画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0043】
現像ローラ71はトナーを担持する。現像ローラ71には現像電圧が印加され、感光ドラム61に形成された静電潜像が現像ローラ71から供給されたトナーによって現像され、感光ドラム61の表面にトナー像が形成される。実施例1において、現像ローラ71は感光ドラム61に当接した状態で静電潜像を現像するが、現像ローラ71と感光ドラム61の間に隙間がある状態で、現像ローラ71が静電潜像を現像してもよい。
【0044】
フルカラー画像が形成されるとき、それぞれの感光ドラム61に、Y、M、C、K各色のトナー像が形成される。
【0045】
なお、実施例1において、トレイユニット50が第1内側位置Ci1にある状態で、現像ローラ71は、感光ドラム61に当接する当接位置と感光ドラム61から離間した離間位置との間を移動可能である。具体的には、装置本体1Aに備えられた切替装置によって、現像ローラ71が当接位置にある状態と、現像ローラ71が離間位置にある状態とが切り替えられる。これにより、画像形成動作が行われない状態では、現像ローラ71を感光ドラム61から離間させておくことができる。
【0046】
また、画像形成装置1は、カートリッジPKに対応する現像ローラ71と感光ドラム61が当接し、カートリッジPY、PM、PCのそれぞれに対応する現像ローラ71と感光ドラム61が離間した状態で、モノカラー印刷を行うことができる。また、画像形成装置1は、カートリッジPY、PM、PC、PKに対応する感光ドラム61とベルト41が当接した状態で、フルカラー印刷を行うことができる。
【0047】
それぞれの感光ドラム61に形成されたトナー像は、一次転写部において、一次転写ローラ42によりベルト41上に転写され、ベルト41と二次転写ローラ45によって形成される二次転写部に向けて搬送される。
【0048】
一方、装置本体1Aには、定着装置80に向かうシートSが通過する搬送路(第1経路、第1搬送路)1cが形成されている。また、ドア20には、定着装置80を通過したシートSが通過する両面搬送路(第2経路、第2搬送路)20aが形成される。ドア20は、閉じ状態において搬送路1cを覆っている。ドア20が開かれることで、搬送路1cと、両面搬送路20aが露出される(
図2)。
【0049】
二次転写ローラ45、レジストレーションローラ対4、搬送路1c、両面搬送路20a等は、記録材を搬送する搬送部を構成する。搬送部の一部である搬送路1c、レジストレーションローラ対4の一方のローラ、両面搬送路20aは、ドア20の開閉に連動して
図1に示す第1位置と
図2に示す第2位置に移動可能である。ドア20が閉じるのに伴って搬送部は第1位置に移動し、ドア20が開くのに伴って搬送部は第2位置に移動する。
図6に示すように、トレイユニット50が装置本体1Aから引き出される際に通過する空間を第1空間K1とし、転写ユニット40が装置本体1Aから引き出される際に通過する空間を第2空間K2とする。このとき、
図6に示すように、第1位置において、搬送部の少なくとも一部は、第1空間K1及び第2空間K2の少なくともいずれかの内側にある。ま
た、
図3に示すように、第2位置において、搬送部は、第1空間K1及び第2空間K2の外側にある。
【0050】
シート給送部30において、積載トレイ31に積載されているシートSから、所定のタイミングで供給ローラ32により1枚のシートSが分離給紙され、搬送路1cを通って二次転写部及び定着装置80に向けて搬送される。
【0051】
二次転写部において、ベルト41からシートSにトナー像が転写される。シートSに転写されなかったトナーは、清掃部43内に設けられたクリーニングブレード(清掃部材)43Aによってベルト41から取り除かれる。
【0052】
二次転写部においてトナー像が転写されたシートSは、定着装置80に向けて搬送される。定着装置80において、シートSは定着部81で加熱・加圧され、トナー像がシートSに定着される。トナー像が定着されたシートSは経路切替部としてのフラッパ5に向けて搬送される。
【0053】
フラッパ5は、定着装置80を通過したシートSを排紙路1dに向けて案内する排紙位置と、反転路1eに向けて案内する反転位置とに移動可能である。
【0054】
シートSの片面に画像が形成される片面印刷が行われる場合、シートSはフラッパ5によって排紙路1dに案内され、装置本体1Aの上部に形成された排出トレイ1fに排出される。
【0055】
一方、シートSの片面及び裏面に画像が印刷される両面印刷が行われる場合、シートSはフラッパ5によって反転路1eに案内される。反転路1eにシートSが案内された後、シートSの搬送方向が反転し、シートSはドア20に形成された両面搬送路20aを通って、二次転写部に向けて搬送される。二次転写部において、シートSの裏面にトナー像が転写された後、シートSは定着装置80を通過し、フラッパ5によって排紙路1dに案内され、装置本体1Aの排出トレイ1fに排出される。
【0056】
(トレイユニットと転写ユニットの取り出しと定着装置の配置)
図1、
図2、
図3、
図4、
図5を用いて、装置本体1Aからのトレイユニット50及び転写ユニット40の取り外しと、定着装置80の配置について説明する。
【0057】
上述したように、画像形成装置1の定着装置80は、水平方向Hで装置本体1Aの一端側に配置されている。また、転写ユニット40とトレイユニット50は、装置本体1Aの一端側から、開口1A1を通じて装置本体1Aの外部に移動する。
【0058】
言い換えれば、水平方向Hについて、定着装置80は第2端部1b2よりも第1端部1b1に近い。つまり、水平方向Hについて、定着装置80と第1端部1b1の距離は、定着装置80と第2端部1b2の距離よりも短い。定着装置80は、水平方向Hにおける装置本体1Aの中央よりも、第1端部1b1に近い位置に配置されており、水平方向Hにおける第1端部1b1と定着装置80の距離は、第1端部1b1と装置本体1Aの中央の距離よりも短いということができる。
【0059】
また、上述したように、トレイユニット50が第1内側位置Ci1から第1外側位置Co1に移動するとき、トレイユニット50の移動方向は感光ドラム61の回転軸線に交差する方向である。このときトレイユニット50は、第2端部1b2から遠ざかるように移動する。
【0060】
上述したように、転写ユニット40が第2内側位置Ci2から第2外側位置Co2に移動するとき、転写ユニット40の移動方向は駆動ローラ46の回転軸線に交差する方向である。このとき転写ユニット40は、第2端部1b2から遠ざかるように移動する。
【0061】
上述したように、実施例1のドア20は、閉じ状態で開口1A1を覆うと共に、シートSの搬送路1cの少なくとも一部を覆う。また、ドア20は両面搬送路20aを備える。シートSの詰まり(以下、ジャムと呼ぶ)が起きた場合、画像形成装置1の使用者は、装置本体1Aの一端側からシートSを取り除き、ジャムを解消することができる。具体的には、ドア20を開位置に移動して装置本体1Aの内部にアクセスしてシートSを取り除くことができる。また、定着装置80を通過したシートSの一部が装置本体1Aの外部に露出している場合は、ドア20を開くことなくシートSを装置本体1Aの外部から引っ張って、シートSを取り除くことができる。
【0062】
さらに、画像形成装置1の使用者は、装置本体1Aの一端側から転写ユニット40とトレイユニット50を装置本体1Aの外部に移動して、転写ユニット40やカートリッジPの状態の確認、メンテナンス、交換等の作業を行うことができる。
【0063】
つまり、画像形成装置1は、定着装置80が装置本体1Aの一端側に配置されつつ、装置本体1Aの一端側を通じて転写ユニット40とトレイユニット50を装置本体1Aの内外に移動可能とされている。その結果、使用者は、ジャムの解消や、定着装置80へのアクセス、転写ユニット40とトレイユニット50の操作を一方向から行うことができる。
【0064】
実施例1ではドア20側を画像形成装置1の正面とする。したがって、ジャムの解消や、転写ユニット40とトレイユニット50の操作等の作業を画像形成装置1の正面から行うためのスペースが画像形成装置1の周囲に確保されていればよい。一方で、これらの作業を画像形成装置1の左面、右面、背面、上面から行うためのスペースを確保する必要がない。したがって、画像形成装置1を省スペースで設置することができる。
【0065】
仮に、転写ユニット40又はトレイユニット50が装置本体1Aの他端側から引き出される場合、ジャムの解消と転写ユニット40又はトレイユニット50の引き出しのために、使用者は装置本体1Aの両端側にアクセスする必要がある。また、転写ユニット40とトレイユニット50の一方が装置本体1Aの一端側から引き出され、転写ユニット40とトレイユニット50の他方が他端側から引き出される場合にも、使用者は装置本体1Aの両端側にアクセスする必要がある。そのため、装置本体1Aの正面だけでなく背面から作業するためのスペースが必要となり、画像形成装置1を設置するために必要となる面積が増えてしまう。
【0066】
さらに、実施例1では、シートSの補充を装置本体1Aの一端側から行うことができる。したがって、画像形成装置1の正面からシートSの補充を行うスペースが確保されていればよく、画像形成装置1を省スペースで設置することができる。
【0067】
(定着装置の移動機構)
図1、
図2、
図3、
図4、
図6、
図7を用いて、トレイユニット50、定着装置80の関係について説明する。
図6、
図7は、転写ユニット40とトレイユニット50の移動を説明する図である。
【0068】
トレイユニット50は、シートSに対する画像形成動作が行われる第1内側位置Ci1と、カートリッジPの交換が許容される第1外側位置Co1とに移動する際、所定の空間を通過する。このように、トレイユニット50が第1内側位置Ci1から第1外側位置Co1に移動する際に通過する空間を、第1空間K1(トレイユニット50の移動空間)と
呼ぶ。第1空間K1は、トレイユニット50が第1内側位置Ci1から第1外側位置Co1に移動する際に通過する経路又は軌跡(第1移動経路、第1移動軌跡)と呼ぶこともできる。
【0069】
転写ユニット40は、シートSに対する画像形成動作が行われる第2内側位置Ci2と、第2外側位置Co2とに移動する際、所定の空間を通過する。このように、転写ユニット40が第2内側位置Ci2から第2外側位置Co2に移動する際に通過する空間を、第2空間K2(転写ユニット40の移動空間)と呼ぶ。第2空間K2は、転写ユニット40が第2内側位置Ci2から第2外側位置Co2に移動する際に通過する経路又は軌跡(第2移動経路、第2移動軌跡)と呼ぶこともできる。
【0070】
シートSに対する画像形成動作が行われる際の定着装置80の位置(使用位置Cs)と、第1空間K1、第2空間K2とは、以下のような関係を有する。
【0071】
すなわち、
図6、
図7に示すように、使用位置Csにある定着装置80の少なくとも一部は、第1空間K1と重なっている。言い換えれば、定着装置80が使用位置Csにある状態で、定着装置80の少なくとも一部は、第1空間K1の内側にある。
【0072】
実施例1においては、定着装置80の少なくとも一部は、トレイユニット50が第1内側位置Ci1から第1外側位置Co1に移動する際、カートリッジPが通過する空間と重なっているが、トレイ51が通過する空間と重なるように配置されていてもよい。
【0073】
これにより、使用位置Csにある定着装置80が、第1空間K1の外側に位置する構成と比較して、装置本体1Aを小型化することができる。
【0074】
なお、
図6に示すように、実施例1においては、ドア20が閉じ状態にあるとき、両面搬送路20aの少なくとも一部は、第1空間K1と重なっている。すなわち、ドア20が閉じ状態にあるとき、両面搬送路20aの少なくとも一部は、第1空間K1の内側にある。
【0075】
上述したように、使用位置Csにある定着装置80の少なくとも一部は、第1空間K1の内側にある。したがって、定着装置80が使用位置Csにある状態では、トレイユニット50が第1内側位置Ci1から第1外側位置Co1に移動することが規制される。一方、定着装置80は使用位置Csと、使用位置Csから退避した退避位置Ctとの間で移動可能である。定着装置80が使用位置Csから退避位置Ctに移動した状態では、トレイユニット50が第1内側位置Ci1から第1外側位置Co1に移動することが許容される。トレイユニット50が第1内側位置Ci1から第1外側位置Co1に移動するとき、トレイユニット50は定着装置80の下方を通過する。なお、定着装置80は、使用位置Csと退避位置Ctにおいて、第2空間K2の外側にある。したがって、定着装置80が使用位置Csにある状態及び定着装置80が退避位置Ctにある状態の両方において、転写ユニット40は第2内側位置Ci2から第2外側位置Co2に移動することができる。転写ユニット40が第2内側位置Ci2から第2外側位置Co2に移動するとき、転写ユニット40は定着装置80の下方を通過する。
【0076】
定着装置80は、定着部81を支持する定着枠体80aを有する。定着装置80が使用位置Csから退避する際、定着枠体80aは、定着部81を支持した状態で、装置本体1Aに対して変位する。
【0077】
トレイユニット50を装置本体1Aの外側に引き出す際には、まず、
図2のようにドア20を開位置に移動する。実施例1において、定着装置80が使用位置Csに位置した状
態で、ドア20は開位置と閉位置に移動することができる。そして、ドア20が開位置にある状態で、
図3のように定着装置80を第1空間K1の外側に移動するように、使用位置Csから退避位置Ctに移動させる。
【0078】
実施例1の画像形成装置1においては、定着装置80は、装置本体1Aに取り付けられた状態で、使用位置Csと、使用位置Csから退避した退避位置Ctの間を移動可能である。実施例1において、定着装置80が退避位置Ctにあるとき、定着装置80の全体が第1空間K1の外側に位置する。
【0079】
なお、使用位置Csにおいて、定着装置80の少なくとも一部が第2空間K2の内側にあってもよいし、定着装置80の一部が第1空間K1にありかつ他の一部が第2空間K2の内側にあってもよい。
【0080】
定着装置80は、使用位置Csから持ち上げられて、使用位置Csの上方の退避位置Ctに移動可能である。言い換えれば、退避位置Ctは使用位置Csよりも高い位置である。
図7に示すように、定着装置80が退避位置Ctにあるとき、定着装置80の少なくとも一部は、装置本体1Aの外側に向けて、装置本体1Aから突出した位置にある。さらに、定着装置80が退避位置Ctにあるとき、定着装置80の少なくとも一部の位置は、閉位置にあるドア20の上カバー部20bの位置よりも高い。これにより、鉛直方向Vについて、定着装置80が使用位置Csにあるときの画像形成装置1のサイズを小さく維持しつつ、定着装置80が退避位置Ctに移動することで、トレイユニット50が移動するための空間を確保することができる。なお、定着装置80が退避位置Ctにある状態では、ドア20は閉位置を取ることが制限される。
【0081】
具体的には、画像形成装置1は、装置本体1Aに対して移動可能に連結された連結部材(定着連結部材、定着リンク、アーム)85を有する。定着装置80は、連結部材85を介して装置本体1Aに連結されている。
【0082】
連結部材85は、回転中心85Aを中心に回転可能であり、トレイユニット50を装置本体1Aの外側に引き出す際には、連結部材85は第1空間K1の外側に移動される。連結部材85の一端には定着装置80が回動可能に接続されており、連結部材85の他端は、回転中心85Aを中心に回転可能に装置本体1Aに接続されている。定着装置80は、連結部材85に支持された状態(連結部材85を介して装置本体1Aに連結された状態)で、使用位置Csから退避位置Ctに移動可能、また退避位置Ctから使用位置Csに移動可能である。連結部材85は、装置本体1A及び定着装置80に対して移動可能(揺動可能)に構成されている。つまり、定着装置80が連結部材85を介して装置本体1Aに接続されている。その結果、定着装置80が装置本体1Aに直接接続されている構成と比較して、定着装置80が退避位置Ctと使用位置Csとの間で移動するときの定着装置80の移動量を大きくすることができる。
【0083】
図7に示すように、トレイユニット50が第1内側位置Ci1から第1外側位置Co1に移動する時、トレイユニット50の移動方向Dd1と水平方向Hのなす角は、トレイユニット50の移動方向Dd1と鉛直方向Vのなす角よりも小さい。さらに、定着装置80が使用位置Csから退避位置Ctに移動する時、鉛直方向Vについての定着装置80の移動量は、水平方向Hについての定着装置80の移動量よりも大きい。つまり、定着装置80が使用位置Csから退避位置Ctに移動する時、トレイユニット50の移動方向Dd1と垂直な方向についての定着装置80の移動量は、トレイユニット50の移動方向Dd1と平行な方向についての定着装置80の移動量よりも大きい。
【0084】
さらに、定着装置80が、装置本体1Aに固定されたガイドを介して装置本体1Aに取
り付けられた状態で、使用位置Csと退避位置Ctに移動するものであってもよい。この場合、ガイドの形状は任意である。
【0085】
ただし、定着装置80を第1空間K1の外側に移動するための方法は、これに限られない。例えば、定着装置80を使用位置Csから退避するように装置本体1Aから取り外し可能として、定着装置80を第1空間K1の外側に移動してもよい。つまり、定着装置80を装置本体1A及びドア20から分離(メインフレーム100から分離)することで、定着装置80を第1空間K1の外側に位置させてもよい。また、定着装置80がドア20に連結されており、ドア20を開くことで、定着装置80を第1空間K1の外側に移動してもよい。
【0086】
(トレイユニットと転写ユニットの関係)
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6、
図7を用いて、トレイユニット50、転写ユニット40の関係について説明する。
【0087】
図3で示すように、定着装置80が第1空間K1の外側に位置された状態で、トレイユニット50は使用者がトレイハンドル52を掴んで、装置本体1Aの外側に向けて移動される。
【0088】
図6、
図7で示すように、シートSに対する画像形成動作が行われる際の転写ユニット40の位置と、第1空間K1とは、以下のような関係を有する。
【0089】
すなわち、シートSに対する画像形成動作が行われる際、転写ユニット40は第2内側位置Ci2にある。
図6、
図7に示すように、第2内側位置Ci2にある転写ユニット40の少なくとも一部は、第1空間K1と重なっている。言い換えれば、転写ユニット40が第2内側位置Ci2にある状態で、転写ユニット40の少なくとも一部は、第1空間K1の内側にある。
【0090】
実施例1においては、転写ユニット40の少なくとも一部は、トレイユニット50が第1内側位置Ci1から第1外側位置Co1に移動する際、トレイ51が通過する空間と重なっているが、カートリッジPが通過する空間と重なるように配置されていてもよい。
【0091】
これにより、第2内側位置Ci2にある転写ユニット40が、第1空間K1の外側に位置する構成と比較して、装置本体1Aを小型化することができる。
【0092】
なお、実施例1における画像形成装置1では、第1空間K1に重なる転写ユニット40の一部とは、清掃部材43Aを収容する清掃部43である。しかし、転写ユニット40の他の部分が第1空間K1に重なっていてもよい。また、実施例1においては第2内側位置Ci2にある転写ユニット40の清掃部材43Aは、第1空間K1と重なっている。
【0093】
トレイユニット50と転写ユニット40は、以下の関係を満たすということができる。トレイユニット50が第1内側位置Ci1にあり、転写ユニット40が第2内側位置Ci2にある状態を考える。この状態で、トレイユニット50が第1内側位置Ci1から第1外側位置Co1に移動する移動方向について、転写ユニット40の一部(清掃部43)はトレイユニット50の下流にある。また、鉛直方向Vについて、トレイユニット50の下流にある転写ユニット40の一部(清掃部43)が配置される領域(範囲)がトレイユニット50が配置される領域(範囲)と少なくとも部分的に重なる。
【0094】
なお、実施例1においては、ドア20が閉じ状態にあるとき、両面搬送路20aの少なくとも一部は、転写ユニット40が第2内側位置Ci2から第2外側位置Co2に移動す
る際に通過する第2空間K2と重なっている。すなわち、ドア20が閉じ状態にあるとき、両面搬送路20aの少なくとも一部は、第2空間K2の内側にある。
【0095】
上述のように、転写ユニット40が第2内側位置Ci2にある状態で、転写ユニット40の少なくとも一部は、第1空間K1の内側にある。そのため、実施例1では、使用者がトレイユニット50を装置本体1Aに対して第1内側位置Ci1から第1外側位置Co1に移動する際に、転写ユニット40も装置本体1Aに対して第2内側位置Ci2から第2外側位置Co2に移動する。つまり、転写ユニット40とトレイユニット50が一体化された状態で、トレイユニットが第1内側位置Ci1から第1外側位置Co1に移動し、転写ユニット40が第2内側位置Ci2から第2外側位置Co2に移動する。
【0096】
トレイユニット50と転写ユニット40を一体的に移動することで、トレイユニット50が第1外側位置Co1に移動する際に、感光ドラム61が露出することを抑制し、感光ドラム61に傷や汚れが付くことを抑制できる。
【0097】
図7に示すように、ドア20が開かれ、トレイユニット50が第1外側位置Co1にあり、転写ユニット40が第2外側位置Co2にある状態では、転写ユニット40がトレイユニット50の下方からトレイユニット50を支持している。さらに、実施例1においては、ドア20が転写ユニット40を支持する。つまり、ドア20に支持された転写ユニット40がトレイユニット50を支持している。この状態は、ドア20が転写ユニット40を介してトレイユニット50を支持しているということもできる。
【0098】
(トレイユニットと転写ユニットの連結機構)
トレイユニット50と転写ユニット40が一体的に移動するための構成について、
図8、
図9、
図10を用いて説明する。
図8、
図9、
図10は、トレイユニット50のトレイ51と転写ユニット40を連結するロック部材(レバー、ストッパ、連結部材)53について説明する図である。
【0099】
実施例1に係る画像形成装置1は、ロック部材53を有する。実施例1において、ロック部材53はトレイユニット50のトレイ51に設けられている。ロック部材53は、転写ロック部53Aを有し、回転中心53Bの周りに回転可能である。
【0100】
トレイ51は転写連結部51Aを備えている。転写ユニット40は、駆動ローラ46、テンションローラ47、一次転写ローラ42を支持する転写フレーム48を備え、転写フレーム48にはトレイ連結溝48Aと、ロック連結部48Bが設けられている。
【0101】
ロック部材53は、回転中心53Bの周りに回転することで、転写ロック部53Aがロック連結部48Bに係合し、転写ユニット40とトレイユニット50が連結される連結位置と、連結位置から退避した解除位置に移動可能である。
【0102】
トレイ連結溝48Aに転写連結部51Aが係合することで、トレイユニット50は、転写ユニット40に対して、トレイ取り出し方向Dd1と、トレイ取り出し方向Dd1に直交する方向に移動することが規制される。一方、転写ユニット40は、トレイユニット50に対して、転写取り付け方向Da2と、転写取り付け方向Da2に直交する方向に移動することが規制される。
【0103】
このような構成が、テンションローラ47の回転軸線方向におけるテンションローラ47の両端部付近、駆動ローラ46の回転軸線方向における駆動ローラ46の両端部付近の合計4か所に設けられている。
【0104】
連結位置にあるロック部材53の転写ロック部53Aがロック連結部48Bに係合すると、トレイユニット50は転写ユニット40に対してトレイ取り付け方向Da1に移動することが規制される。一方、転写ユニット40はトレイユニット50に対して転写取り出し方向Dd2に移動することが規制される。
【0105】
ロック部材53及びロック連結部48Bも、テンションローラ47の回転軸線方向において、転写ユニット40の両端部に設けてもよい。
【0106】
つまり、トレイ連結溝48Aに転写連結部51Aが係合し、連結位置にあるロック部材53がロック連結部48Bと係合した状態では、転写ユニット40とトレイユニット50は互いに対して移動することが規制される。なお、この状態で、転写ユニット40とトレイユニット50の間に遊びがあってもよい。
【0107】
つまり、転写連結部51Aとロック部材53はトレイ側連結装置としての機能を有し、トレイ連結溝48Aとロック連結部48Bは転写側連結装置としての機能を有するということができる。トレイ側連結装置と、転写側連結装置とが連結することにより、トレイユニット50と転写ユニット40が連結され、トレイユニット50と転写ユニット40は一体的に移動する。
【0108】
一方、
図10に示すように、装置本体1Aは、ロック解除部1Bを有している。トレイユニット50が第1内側位置Ci1にあり、転写ユニット40が第2内側位置Ci2にある状態では、ロック部材53はロック解除部1Bと接触し、解除位置にある。この状態では、転写ロック部53Aがロック連結部48Bから離れている。
【0109】
ロック部材53が解除位置にある状態で、トレイユニット50をトレイ取り出し方向Dd1に移動すると、トレイ51に設けられた転写連結部51Aによって転写ユニット40が転写取り出し方向Dd2に向けて押される。その結果、転写ユニット40もトレイユニット50と一体的に転写取り出し方向Dd2に向けて移動される。トレイユニット50がトレイ取り出し方向Dd1に所定距離移動すると、ロック部材53がロック解除部1Bから離れ、連結位置に移動し、ロック連結部48Bに係合する。ロック部材53が連結位置にあり、ロック連結部48Bに係合した状態で、トレイユニット50は第1外側位置Co1に、転写ユニット40は第2外側位置Co2に移動される。
【0110】
ロック部材53がロック連結部48Bに係合した状態で、トレイユニット50をトレイ取り付け方向Da1に移動すると、ロック部材53によって転写ユニット40が転写取り付け方向Da2に向けて押される。その結果、転写ユニット40もトレイユニット50と一体的に転写取り付け方向Da2に向けて移動される。
【0111】
ロック部材53がロック連結部48Bに係合した状態で、転写ユニット40を転写取り付け方向Da2に移動すると、転写ユニット40が転写連結部51Aを押し、トレイユニット50がトレイ取り付け方向Da1に向けて押される。その結果、トレイユニット50も転写ユニット40と一体的にトレイ取り付け方向Da1に向けて移動される。
【0112】
トレイユニット50と転写ユニット40を一体的に装置本体1Aの内側に向けて移動する場合、ロック解除部1Bによってロック部材53が解除位置に移動される。この状態では、トレイユニット50をトレイ取り付け方向Da1に移動させても、転写ユニット40は移動しない。そのため、ドア20を閉じる過程で、二次転写ローラ45が転写ユニット40と接触する力によって、転写ユニット40は転写取り付け方向Da2に向けて押され、装置本体1Aの奥(第2内側位置Ci2)まで押し込まれる。つまり、転写ユニット40が第2内側位置Ci2に移動するように、ドア20は転写ユニット40を押すことがで
きる。また、トレイユニット50が第1内側位置Ci1に移動するように、ドア20はトレイユニット50を押してもよい。
【0113】
一方、ロック部材53が解除位置にあり、トレイユニット50が第1内側位置Ci1にある状態を考える。この状態で、転写ユニット40を転写取り出し方向Dd2に移動すると、転写ユニット40はトレイユニット50から独立して、第2内側位置Ci2から第2外側位置Co2に移動することができる。実施例1における画像形成装置1では、
図5で示すように、トレイユニット50が装置本体1Aの内側(第1内側位置Ci1)に位置した状態で、転写ユニット40を装置本体1Aの外側(第2外側位置Co2)に移動することができる。転写ユニット40は装置本体1Aから取り外し可能であり、新しい転写ユニット40に交換することができる。
【0114】
実施例1では、トレイユニット50が第1内側位置Ci1にある状態では、トレイユニット50は転写ユニット40から独立して装置本体1Aに対して位置決めされる。また、転写ユニット40が第2内側位置Ci2にある状態では、転写ユニット40はトレイユニット50から独立して装置本体1Aに対して位置決めされる。これは、転写ユニット40とトレイユニット50のそれぞれを装置本体1Aに対して精度よく位置決めすることを優先しているためである。そのため、トレイユニット50が第1内側位置Ci1にあり、転写ユニット40が第2内側位置Ci2にある状態では、トレイ連結溝48Aと転写連結部51Aの間には、若干のクリアランスが設けられている。
【0115】
トレイユニット50が第1内側位置Ci1にあり、転写ユニット40が第2内側位置Ci2にある状態で、トレイユニット50と転写ユニット40が互いに位置決めできるように、トレイ連結溝48Aと転写連結部51Aの間のクリアランスをなくしてもよい。この場合は、転写ユニット40とトレイユニット50を互いに対して精度よく位置決めすることができる。
【0116】
(トレイユニットと転写ユニットの移動)
図1、
図6、
図7で示すように、トレイユニット50と転写ユニット40は、装置本体1Aに装着されている状態では、水平方向Hに対して傾いている。
【0117】
より具体的には、トレイユニット50が第1内側位置Ci1にある状態では、第1端部1b1に近い感光ドラム61の回転軸線は、第1端部1b1から遠い感光ドラム61の回転軸線よりも、鉛直方向Vで上方に位置する。
【0118】
つまり、トレイユニット50が第1内側位置Ci1にある状態で、第2感光ドラム(カートリッジPCの感光ドラム61)は第1感光ドラム(カートリッジPKの感光ドラム61)よりも第1端部1b1に近い。かつ第2感光ドラムの回転軸線は、第1感光ドラムの回転軸線よりも鉛直方向Vで上方に位置する。同様に、第3感光ドラム(カートリッジPMの感光ドラム61)は第2感光ドラムよりも第1端部1b1に近く、かつ第3感光ドラムの回転軸線は、第2感光ドラムの回転軸線よりも鉛直方向Vで上方に位置する。第4感光ドラム(カートリッジPYの感光ドラム61)は第3感光ドラムよりも第1端部1b1に近く、かつ第4感光ドラムの回転軸線は、第3感光ドラムの回転軸線よりも鉛直方向Vで上方に位置する。
【0119】
ここで、各感光ドラム61の中心を結ぶ直線を直線LDとする。実施例1においては、トレイユニット50が第1内側位置Ci1にあるときは、直線LDは、第1端部1b1から遠い側から、第1端部1b1に近い側に向けて、水平方向Hに対して上方に傾斜している。
【0120】
さらに、第1感光ドラム、第2感光ドラム、第3感光ドラム、第4感光ドラムに当接するベルト41の当接面は、第1端部1b1から遠い側から、第1端部1b1に近い側に向けて、上方に傾斜する。
【0121】
トレイユニット50が第1内側位置Ci1から第1外側位置Co1に移動する時、トレイユニット50は水平方向Hに対して傾斜した方向(実施例1においては、水平方向Hに対して上方に傾斜した方向)に移動する。つまりトレイユニット50が第1内側位置Ci1から第1外側位置Co1に移動する時、トレイユニット50は斜め上方に向けて移動する。
【0122】
トレイユニット50が第1内側位置Ci1から第1外側位置Co1に移動する時、トレイユニット50の移動方向は、斜め上方から、下方に向けて変化する。トレイユニット50の移動方向は、水平方向Hと平行な方向、又は水平方向Hに対して斜め下方を含んでいてもよい。
【0123】
直線LDと水平方向Hのなす角は、トレイユニット50が第1内側位置Ci1にあるときよりもトレイユニット50が第1外側位置Co1にあるときのほうが小さい。実施例1において、トレイユニット50が第1外側位置Co1にあるとき、直線LDと水平方向Hは平行であるが、直線LDが水平方向Hに対して、下方又は上方に傾斜していてもよい。
【0124】
同様に、転写ユニット40が第2内側位置Ci2から第2外側位置Co2に移動する時、転写ユニット40の移動方向は、斜め上方から、下方に向けて変化する。転写ユニット40の移動方向は、水平方向Hと平行な方向、又は水平方向Hに対して斜め下方を含んでいてもよい。
【0125】
ベルト41の当接面と水平方向Hのなす角は、転写ユニット40が第2内側位置Ci2にあるときよりも転写ユニット40が第2外側位置Co2にあるときのほうが小さい。実施例1において、転写ユニット40が第2外側位置Co2にあるとき、ベルト41の当接面と水平方向Hは平行であるが、ベルト41の当接面が水平方向Hに対して、下方又は上方に傾斜していてもよい。
【0126】
トレイユニット50を第1外側位置Co1から第1内側位置Ci1に移動する場合、トレイユニット50は、水平方向Hに移動した後に、途中から斜め下方に移動する。転写ユニット40を第2外側位置Co2から第2内側位置Ci2に移動する場合、転写ユニット40は、水平方向Hに移動した後に、途中から斜め下方に移動する。この構成によれば、トレイユニット50及び転写ユニット40を装置本体1Aに挿入する際、トレイユニット50及び転写ユニット40の自重を利用することができる。
【0127】
(トレイユニットの規制構造)
図12、
図13(a)~
図13(c)、
図14を用いて、本発明の実施例1における規制構造90について説明する。規制構造90は、トレイユニット50が装置本体1Aに収容された状態で転写ユニット40が装置本体1Aから引き出された場合に、トレイユニット50が装置本体1Aから引き出されることを規制する。上述したように、トレイユニット50は転写ユニット40を介してドア20に支持されるため、トレイユニット50単独で第1外側位置Co1に引き出されると支持ができずに不具合が生じる。つまり、転写ユニット40が第2外側位置Co2にあるとき、又は、第2外側位置Co2への移動途中にあるとき、トレイユニット50は第1外側位置Co1に移動できないことが望ましい。所望の条件でトレイユニット50の移動を規制する規制構造90は
図5において破線で示している。
図12、13、14は規制構造90の詳細を示す図である。
図12は規制構造90の斜視図、
図13(c)は規制構造90を横から見た図(感光ドラム61の回転軸線方
向から見た図)である。
図13(a)、
図13(b)は
図13(c)のAA断面図であり、
図14は
図13(c)のBB断面図である。
【0128】
上述のように、トレイユニット50は装置本体1Aに装着される第1ユニットである。転写ユニット40は装置本体1Aに装着される第2ユニットであって、トレイユニット50と一体に装置本体1Aから引き出されることと、トレイユニット50が装置本体1Aに収容された状態で装置本体1Aから引き出されることと、が可能である。
【0129】
トレイユニット50と転写ユニット40が装置本体1Aから一体に引き出される過程の少なくとも一部において、トレイユニット50は転写ユニット40に支持される。転写ユニット40はトレイユニット50の下方に位置するため、トレイユニット50は下方から転写ユニット40によって支持される。装置本体1Aは、トレイユニット50及び転写ユニット40を引き出す際にトレイユニット50及び転写ユニット40が通過する開口1A1と、開口1A1を開閉するドア20とを有する。トレイユニット50と転写ユニット40が装置本体1Aから一体に引き出される過程の少なくとも一部において、転写ユニット40はドア20に支持され、かつ、トレイユニット50は転写ユニット40に支持される。つまり、トレイユニット50はドア20に支持された転写ユニット40に支持される。
【0130】
このように、実施例1では、複数のユニットを装置本体から引き出し可能な画像形成装置において、複数のユニットを一体に引き出す過程の少なくとも一部において、一方のユニットが他方のユニットを支持する構成としている。これにより、複数のユニットの各々を装置本体に設けた支持部材で支持する構成と比較して装置本体の支持部材の構成を簡略化することができる。一方、上述のように、このような構成では、一方のユニットが装置本体から引き出された状態で他方のユニットを装置本体から引き出す操作をした場合に、当該他方のユニットを支持するものが存在しない状態が生じる。実施例1の場合、転写ユニット40が装置本体1Aから引き出された状態でトレイユニット50を装置本体1Aから引き出すと、トレイユニット50が何によっても支持されないタイミングがある。そうすると、トレイユニット50を引き出す操作をするユーザにとって負担になったり、トレイユニット50を落としてしまったりといった問題が生じる可能性がある。
【0131】
そこで実施例1では、トレイユニット50が装置本体1Aに収容された状態で転写ユニット40が装置本体1Aから引き出された場合にトレイユニット50が装置本体1Aから引き出されることを規制する規制構造90を設けた。
【0132】
規制構造90は、係合部と、係合部と係合可能な被係合部と、を有する。
【0133】
転写ユニット40が装置本体1Aに装着された装着位置(第2内側位置Ci2)にある状態では、係合部と被係合部の係合が解除され、トレイユニット50が装置本体1Aから引き出されることが許容される。このとき、トレイユニット50が転写ユニット40と一体に装置本体1Aから引き出されることが許容される。
【0134】
転写ユニット40が装着位置(第2内側位置Ci2)から所定の距離以上離れた場合に係合部と被係合部が係合し、トレイユニット50が装置本体1Aから引き出されることが規制される。
【0135】
実施例1では、規制構造90は、トレイユニット50に設けられた係合部であるトレイロック部50aと、装置本体1Aに設けられた被係合部であるトレイ規制部91cと、が係合するように構成される。
【0136】
メインフレーム100は、規制部材91を有する。より具体的には、規制部材91は装
置本体1Aに備えられる。被係合部であるトレイ規制部91cは、規制部材91に設けられる。規制部材91は、軸部91jと、軸部91jに設けられる腕部91bと、を有する。メインフレーム100の装置本体1Aに取り付けられた保持部材92は、軸部91jを回転可能に支持する軸受け92aと、腕部91bの上下方向の位置決めを行う位置決め部92bと、を有する。規制部材91は、
図13(a)に示すようにトレイ規制部91cがトレイロック部50aから離れる許容位置と、
図13(b)に示すようにトレイ規制部91cがトレイロック部50aと係合する規制位置と、の間で回転により移動可能な移動部である。
【0137】
規制構造90は、規制部材91に対し規制位置に移動させる向き(
図12で矢印で示す向き、
図13(a)、
図13(b)で時計回りの向き)の力を作用させる作用部(付勢部)であるばね93を有する。トレイ規制部91cは規制部材91の上部に設けられ、トレイユニット50のトレイロック部50aと突き当たることでトレイユニット50の移動を規制する。
【0138】
また、規制構造90は、転写ユニット40に設けられる当接部である転写側面40aと、規制部材91に設けられ転写側面40aに当接可能な被当接部である転写突起91dと、を有する。転写突起91dは規制部材91の下部に設けられる。メインフレーム100の装置本体1Aには、トレイ規制部91cと転写突起91dが通る穴部100aが設けられる。
【0139】
図13(a)に示すように、転写ユニット40が装置本体1Aから引き出されていない場合(第2内側位置Ci2にある場合)、転写ユニット40の転写側面40aが規制部材91の転写突起91dに当接する。これは、
図13(b)に示すように、転写ユニット40が引き出された場合、転写突起91dは、転写ユニット40が装置本体1Aから引き出される際に通過する空間である第2空間K2の内側に位置するように構成されているからである。なお、転写ユニット40が引き出された場合とは、転写ユニット40が第2内側位置Ci2から所定の距離以上離れた場合である。
【0140】
これにより規制部材91はばね93の力に抗する向きに転写ユニット40によって押圧され、許容位置に位置する。規制部材91が許容位置にある場合、トレイ規制部91cは、トレイユニット50が装置本体1Aから引き出される際に通過する第1空間K1(
図13(a)で破線で示す)の外側に位置する。そのため、トレイユニット50は装着位置からの移動を規制されることなく第1内側位置Ci1と第1外側位置Co1の間を移動できる。
【0141】
図13(b)に示すように、トレイユニット50が装置本体1Aに収容された状態で転写ユニット40が装置本体1Aから引き出された場合、転写ユニット40の転写側面40aが移動し、規制部材91の転写突起91dと当接しない状態になる。これにより、規制部材91はばね93の力によって
図13(b)で時計回りに回転し、フレーム突き当て部91hがメインフレーム100に突き当たる位置まで移動する。このとき、転写突起91dは、転写ユニット40が装置本体1Aから引き出される際に通過する空間である第2空間K2の内側に位置する。また、トレイ規制部91cは、第1空間K1の内側の位置にある。より具体的には、トレイ規制部91cは、トレイユニット50の引き出し方向(トレイ取り出し方向)Dd1で、トレイロック部50aの下流に位置する。この状態で、トレイユニット50がトレイ取り出し方向Dd1に移動すると、トレイロック部50aとトレイ規制部91cが当接する。そのため、トレイユニット50はトレイ取り出し方向Dd1に移動できなくなる。このとき、
図13(b)に示すように、規制部材91の回転軸線の方向に見て、トレイ規制部91cの方が、規制部材91の回転軸線よりもトレイユニット50に近い。このため、トレイ規制部91cがトレイロック部50aから力を受けた場合
に、トレイ規制部91cがトレイロック部50aから外れることが抑制される。
【0142】
このように、規制部材91は、トレイユニット50及び転写ユニット40が装置本体1Aに装着されている状態では許容位置に位置し、転写ユニット40が装置本体1Aから引き出された状態では規制位置に位置する。そして、トレイユニット50が装置本体1Aに収容された状態で転写ユニット40が装置本体1Aから引き出された場合、規制部材91は許容位置から規制位置に移動する。本実施例では、規制部材91はばね93の力によって許容位置から規制位置に移動するが、規制部材91が自重によって許容位置から規制位置に移動するように、規制部材91を配置してもよい。
【0143】
規制部材91が規制位置にあるときにトレイユニット50を引き出そうとする操作がユーザによって行われる等により、トレイ規制部91cがトレイロック部50aからトレイ取り出し方向Dd1の力を受ける場合がある。この力を規制部材91や保持部材92のみで受けると、規制部材91や保持部材92に負荷がかかる。
【0144】
実施例1では、
図13(b)に示すように、トレイ規制部91cのトレイロック部50aと当接する面91iとトレイ取り出し方向Dd1に関して反対側にある反対面91eは、穴部100aのトレイ取り出し方向Dd1に関する端部100bに突き当たる。
【0145】
また、
図13(c)に示すように、トレイ規制部91cの面91iと突き当たるトレイロック部50aの突き当て面50cは、傾斜面により構成される。この傾斜面は、面91iと突き当て面50cが当接した状態でトレイユニット50にトレイ取り出し方向Dd1の力が作用したときに、トレイユニット50を下方(矢印Fで示す方向)へ押し下げる力が作用するように構成される。
【0146】
以上の構成により、トレイユニット50にトレイ取り出し方向Dd1の力が作用したときに、トレイ規制部91cの上面91fが、メインフレーム100の穴部100aの端部100cに突き当たる。端部100cは、トレイ取り出し方向Dd1及び感光ドラム61の回転軸線方向に垂直の方向に関する端部であり、上方の端部である。したがって、トレイユニット50を引き出そうとする力をメインフレーム100で受けられるため、規制部材91や保持部材92にかかる負荷を軽減することができ、変形や破損が生じることを抑制できる。これにより、トレイユニット50の移動の規制がより確実なものとなる。
【0147】
図14に示すように、トレイユニット50が第1外側位置Co1から第1内側位置Ci1に移動する際は、転写側面40aの先端が転写突起91dにつながる斜面91gに当接し、規制部材91が反時計回りに回転して退避する。よって、規制部材91がトレイユニット50の装着方向の移動に対して障害となることはない。また、転写ユニット40を第2外側位置Co2から第2内側位置Ci2に移動する際にも、転写側面40aの先端が斜面91gに当接し、規制部材91が回転して退避する。よって、規制部材91が転写ユニット40の装着方向の移動に対して障害となることはない。
【0148】
以上説明したように、実施例1によれば、トレイユニット50が装置本体1Aに収容された状態で転写ユニット40が装置本体1Aから引き出された場合に、トレイユニット50が装置本体1Aから引き出されることが規制される。すなわち、転写ユニット40が第2外側位置Co2にある場合、又は、第2外側位置Co2への移動途中にある場合(第2内側位置Ci2から所定の距離以上離れた場合)、トレイユニット50は第1外側位置Co1に移動できなくなる。トレイユニット50と転写ユニット40が一体に装置本体1Aから引き出される過程の少なくとも一部においてトレイユニット50が転写ユニット40に支持される画像形成装置において、トレイユニット50が単独で引き出されることによる問題を回避できる。
【0149】
なお、実施例1では、規制部材91が回転移動により規制位置と許容位置に移動可能である例を示したが、直線的な移動により規制位置と許容位置に移動可能とすることもできる。例えば、
図13(a)、
図13(b)において、メインフレーム100に垂直の方向に移動可能に規制部材91を支持するように保持部材92を構成する。そして、メインフレーム100に垂直の方向かつ転写ユニット40に近づく方向の力を規制部材91に対して作用させるばねをメインフレーム100に設けてもよい。転写ユニット40が第2内側位置Ci2にある場合には、規制部材91がばねの力に抗して転写ユニット40によって押し込まれて、トレイ規制部91cが第1空間K1の外側のトレイロック部50aと係合しない位置に移動する。これにより、トレイユニット50の引き出しが許容される。また、転写ユニット40が第2内側位置Ci2から所定の距離以上離れた場合には、ばねの力によって規制部材91が第2空間K2の内側に移動し、トレイ規制部91cが第1空間K1の内側のトレイロック部50aと係合する位置に移動する。これにより、トレイユニット50の引き出しが規制される。
【0150】
(変形例)
上述したように、感光ドラム61、帯電ローラ62、現像ローラ71は、カートリッジPかトレイ51のいずれかに備えられていればよい。これについて、
図11を用いて説明する。
図11(a)~
図11(d)は、変形例に係るトレイユニット50を示す図である。
【0151】
例えば、
図11(a)に示すように、トレイ51が感光ドラム61、帯電ローラ62を有し、カートリッジPが現像ローラ71を有していてもよい。
【0152】
図11(b)に示すように、カートリッジPが、感光ドラム61、帯電ローラ62を有するドラムカートリッジP1と、現像ローラ71を有する現像カートリッジP2を含んでいてもよい。つまり、カートリッジPが、ドラムカートリッジP1と現像カートリッジP2とに分離可能であってもよい。この場合、ドラムカートリッジP1と現像カートリッジP2は、互いに独立してトレイ51に着脱可能であることが好ましい。
【0153】
また、
図11(c)に示すように、カートリッジPが、感光ドラム61、帯電ローラ62、現像ローラ71を有するプロセスカートリッジPRと、プロセスカートリッジPRに補給するためのトナーを有するトナーカートリッジPTを含んでいてもよい。つまり、カートリッジPが、プロセスカートリッジPRとトナーカートリッジPTに分離可能であってもよい。
【0154】
また、
図11(d)に示すように、カートリッジPがドラムカートリッジP1と現像カートリッジP2とトナーカートリッジPTを含んでいてもよい。ドラムカートリッジP1は、感光ドラム61、帯電ローラ62を有する。現像カートリッジP2は、現像ローラ71を有する。トナーカートリッジPTは、現像カートリッジP2に補給するためのトナーを有する。つまり、カートリッジPが、ドラムカートリッジP1と、現像カートリッジP2と、トナーカートリッジPTに分離可能であってもよい。
【0155】
実施例1では、トレイユニット50は、感光ドラム61、帯電ローラ62、現像ローラ71を有するカートリッジPを着脱可能に有する画像形成ユニットであるが、トレイユニット50の構成はこれに限られない。例えば、トレイユニット50は、トナーを収容するトナー収容部を有するトナーカートリッジを着脱可能に有していてもよい。
【0156】
(実施例2)
図15、
図16、
図17を用いて、本発明の実施例2について説明する。実施例2は、
トレイユニット50が装置本体1Aに収容された状態で転写ユニット40が装置本体1Aから引き出された場合にトレイユニット50が装置本体1Aから引き出されることを規制する規制構造が実施例1と異なる。実施例2の規制構造900は、
図15において破線で示す部分に設けられており、
図16、
図17はその詳細を示す図である。
【0157】
実施例2では、トレイユニット50は、装置本体1Aに収容された状態では、
図16(a)に示す第1収容位置と、
図16(b)に示す第2収容位置と、の間で移動可能である。
【0158】
装置本体1Aに転写ユニット40が装着されている場合、トレイユニット50は転写ユニット40に支持されて第1収容位置に位置する。このとき、転写ユニット40は装置本体1Aに設けられたトレイガイド94に支持される。よって、トレイユニット50は、転写ユニット40を介して装置本体1Aによって支持されるということができる。
【0159】
装置本体1Aに転写ユニット40が装着されている場合、鉛直方向でトレイユニット50は転写ユニット40の上方に位置する。よって、トレイユニット50が転写ユニット40によって支持される状態では、
図17に示すように、転写連結部51Aは、トレイ連結溝48Aを構成する下方腕部48A1と上方腕部48A2のうちの下方腕部48A1に乗る。したがって、転写連結部51Aの下面51A1と、下方腕部48A1の上面48A3とが接触する。
【0160】
装置本体1Aから転写ユニット40が引き出された場合、トレイユニット50は装置本体1Aに設けられたトレイガイド94に支持されて第2収容位置に位置する。よって、トレイユニット50は装置本体1Aによって支持されるということができる。装置本体1Aから転写ユニット40が引き出された場合とは、転写ユニット40が第2外側位置Co2にある場合、又は、第2外側位置Co2への移動途中にある場合である。第2外側位置Co2への移動途中にある場合とは、装着位置である第2内側位置Ci2から所定の距離以上離れた場合である。
【0161】
トレイユニット50が装置本体1Aに収容された状態で転写ユニット40が装置本体1Aから引き出された場合、トレイユニット50が第1収容位置から第2収容位置へ移動する。実施例2では、鉛直方向において第2収容位置は第1収容位置より下方にある。したがって、トレイユニット50が装置本体1Aに収容された状態で転写ユニット40が装置本体1Aから引き出された場合、トレイユニット50が自重により下降して第1収容位置から第2収容位置へ移動する。
【0162】
トレイユニット50が装置本体1Aに収容された状態で転写ユニット40が第2内側位置Ci2から第2外側位置Co2に移動する場合、又はその逆方向に移動する場合、転写ユニット40の下面はトレイガイド94に支持されながら移動する。トレイユニット50が転写ユニット40と一体に装置本体1Aから引き出される場合も同様に、転写ユニット40の下面はトレイガイド94に支持されながら移動する。この場合、トレイユニット50は転写ユニット40に支持された状態で転写ユニット40と一体に第1内側位置Ci1から第1外側位置Co1に、又はその逆方向に移動する。
【0163】
トレイユニット50の第2端部1b2に近い側の下面には係合部である凸部50bが設けられている。トレイガイド94における、トレイユニット50が第1収容位置にある状態でトレイユニット50の凸部50bに対向する位置には、被係合部である凹部94aが設けられている。
【0164】
トレイユニット50が第1収容位置にある場合、
図16(a)に示すように、係合部で
ある凸部50bは被係合部である凹部94aから離れ、凸部50bと凹部94aの係合は解除される。凸部50bと凹部94aの係合が解除された状態では、トレイユニット50が装置本体1Aから引き出されることが許容される。
【0165】
トレイユニット50が第2収容位置にある場合、
図16(b)に示すように、凸部50bが凹部94aと係合する。凸部50bと凹部94aが係合した状態では、トレイユニット50が装置本体1Aから引き出されることが規制される。
【0166】
転写ユニット40が装置本体1Aに装着された装着位置である第2内側位置Ci2にある状態では、トレイユニット50は第1収容位置にあり、凸部50bと凹部94aの係合が解除される。凸部50bと凹部94aの係合が解除された状態で、トレイユニット50が転写ユニット40と一体に装置本体1Aから引き出されることが許容される。
【0167】
転写ユニット40が装置本体1Aから引き出された場合、トレイユニット50は第2収容位置に移動し、凸部50bと凹部94aが係合する。これにより、トレイユニット50が装置本体1Aに収容された状態で転写ユニット40が装置本体1Aから引き出された場合、トレイユニット50が装置本体1Aから引き出されることが規制される。
【0168】
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
装置本体と、
前記装置本体に装着される第1ユニットと、
前記装置本体に装着される第2ユニットであって、(1)前記第1ユニットと一体に前記装置本体から引き出されることと、(2)前記第1ユニットが前記装置本体に収容された状態で、前記装置本体から引き出されることと、が可能な第2ユニットと、
前記第1ユニットが前記装置本体に収容された状態で前記第2ユニットが前記装置本体から引き出された場合に前記第1ユニットが前記装置本体から引き出されることを規制する規制構造と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
(構成2)
前記第1ユニットと前記第2ユニットが前記装置本体から一体に引き出される過程の少なくとも一部において、前記第1ユニットは前記第2ユニットに支持される構成1に記載の画像形成装置。
(構成3)
前記第2ユニットは前記第1ユニットの下方に位置する構成1又は2に記載の画像形成装置。
(構成4)
前記装置本体は、
前記第1ユニット及び前記第2ユニットを引き出す際に前記第1ユニット及び前記第2ユニットが通過する開口と、
前記開口を開閉するドアと、
を有し、
前記第1ユニットと前記第2ユニットが前記装置本体から一体に引き出される過程の少なくとも一部において、前記第2ユニットは前記ドアに支持され、かつ、前記第1ユニットは前記ドアに支持された前記第2ユニットに支持される構成1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成5)
前記装置本体は、記録材を搬送する搬送部であって、第1位置と第2位置の間で移動可能な搬送部を有し、
前記第1ユニットが前記装置本体から引き出される際に通過する空間を第1空間、
前記第2ユニットが前記装置本体から引き出される際に通過する空間を第2空間として、
前記第1位置において、前記搬送部の少なくとも一部は、前記第1空間及び前記第2空間の少なくともいずれかの内側にあり、
前記第2位置において、前記搬送部は、前記第1空間及び前記第2空間の外側にある構成4に記載の画像形成装置。
(構成6)
前記搬送部は、前記ドアの開閉に連動して移動可能であり、
前記ドアが閉じるのに伴って前記第1位置に移動し、
前記ドアが開くのに伴って前記第2位置に移動する構成5に記載の画像形成装置。
(構成7)
前記規制構造は、
係合部と、
前記係合部と係合可能な被係合部と、
を有し、
前記係合部と前記被係合部の係合が解除された状態では、前記第1ユニットが前記装置本体から引き出されることが許容され、
前記係合部と前記被係合部が係合した状態では、前記第1ユニットが前記装置本体から引き出されることが規制される構成1~6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成8)
前記第2ユニットが前記装置本体に装着された装着位置にある状態では前記係合部と前記被係合部の係合が解除され、
前記第2ユニットが前記装着位置から所定の距離以上離れた場合に前記係合部と前記被係合部が係合する構成7に記載の画像形成装置。
(構成9)
前記係合部と前記被係合部の係合が解除された状態で、前記第1ユニットが前記第2ユニットと一体に前記装置本体から引き出されることが許容される構成8に記載の画像形成装置。
(構成10)
前記規制構造は、
前記装置本体に設けられ、前記被係合部を有する移動部であって、前記被係合部が前記係合部から離れる許容位置と、前記被係合部が前記係合部と係合する規制位置との間で移動可能な移動部を有し、
前記移動部は、
前記第1ユニット及び前記第2ユニットが前記装置本体に装着されている状態では前記許容位置に位置し、
前記第2ユニットが前記装置本体から引き出された状態では前記規制位置に位置し、
前記第1ユニットが前記装置本体に収容された状態で前記第2ユニットが前記装置本体から引き出された場合、前記移動部が前記許容位置から前記規制位置に移動する構成7~9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成11)
前記規制構造は、
前記第2ユニットに設けられる当接部と、
前記移動部に設けられ、前記当接部に当接可能な被当接部と、
前記移動部に対し前記規制位置に移動させる向きの力を作用させる作用部と、
を有し、
前記第2ユニットが前記装置本体から引き出されていない場合、前記第2ユニットの前記当接部が前記移動部の前記被当接部に当接することで、前記移動部は前記作用部の力に抗する向きに前記第2ユニットに押圧されて前記許容位置に位置し、
前記第1ユニットが前記装置本体に収容された状態で前記第2ユニットが前記装置本体
から引き出された場合、前記移動部は前記作用部の力によって前記規制位置に移動する構成10に記載の画像形成装置。
(構成12)
前記規制構造は、
前記第2ユニットに設けられる当接部と、
前記移動部に設けられ、前記当接部に当接可能な被当接部と、
前記移動部に対し前記規制位置に移動させる向きの力を作用させる作用部と、
を有し、
前記移動部が前記許容位置にある場合、
前記被係合部は、前記第1ユニットが前記装置本体から引き出される際に通過する空間である第1空間の外側に位置し、
前記被当接部は、前記第2ユニットの前記当接部に当接し、
前記移動部が前記規制位置にある場合、
前記被係合部は、前記第1空間の内側の位置であって、前記係合部より前記第1ユニットの引き出し方向の位置において、前記係合部に当接し、
前記被当接部は、前記第2ユニットが前記装置本体から引き出される際に通過する空間である第2空間の内側に位置する構成10に記載の画像形成装置。
(構成13)
前記第1ユニットは、前記装置本体に収容された状態では、
前記第2ユニットが前記装置本体に装着されている場合、前記第1ユニットに設けられた前記係合部が前記被係合部から離れる第1収容位置に位置し、
前記第2ユニットが前記装置本体から引き出された場合、前記係合部が前記被係合部と係合する第2収容位置に位置し、
前記第1ユニットが前記装置本体に収容された状態で前記第2ユニットが前記装置本体から引き出された場合、前記第1ユニットが前記第1収容位置から前記第2収容位置に移動する構成7~9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成14)
鉛直方向において前記第2収容位置は前記第1収容位置より下方にあり、
前記第1ユニットは、前記装置本体に収容された状態では、
前記第2ユニットが前記装置本体に装着されている場合、前記第2ユニットに支持されて前記第1収容位置にあり、
前記第2ユニットが前記装置本体から引き出された場合、前記装置本体に支持されて前記第2収容位置にあり、
前記第1ユニットが前記装置本体に収容された状態で前記第2ユニットが前記装置本体から引き出された場合、前記第1ユニットが自重により下降して前記第1収容位置から前記第2収容位置へ移動する構成13に記載の画像形成装置。
(構成15)
前記装置本体は、
記録材を供給する給紙部と、
前記記録材に転写されたトナー像を定着させる定着部と、
を有し、
前記搬送部は、前記給紙部から前記定着部へ前記記録材を搬送する搬送路を含む構成5又は6に記載の画像形成装置。
(構成16)
前記装置本体は、記録材に転写されたトナー像を定着させる定着部であって、定着動作が可能な使用位置と、前記使用位置から退避した退避位置との間で移動可能な定着部を有し、
前記第1ユニットが前記装置本体から引き出される際に通過する空間を第1空間、
前記第2ユニットが前記装置本体から引き出される際に通過する空間を第2空間として、
前記使用位置において、前記定着部の少なくとも一部は、前記第1空間及び前記第2空間の少なくともいずれかの内側にあり、
前記退避位置において、前記定着部は、前記第1空間及び前記第2空間の外側にある構成1~15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成17)
前記退避位置において、前記定着部の少なくとも一部は、前記装置本体の外側にある構成16に記載の画像形成装置。
(構成18)
前記第1ユニットは、感光ドラムと、前記感光ドラムの表面にトナー像を形成する現像部と、を有する画像形成ユニットであり、
前記第2ユニットは、前記感光ドラムと当接可能なベルトを有するベルトユニットである構成1~17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成19)
前記第1ユニットは、前記第1ユニットに対し着脱可能なカートリッジを有し、
前記現像部は、前記カートリッジに含まれる構成18に記載の画像形成装置。
(構成20)
前記第1ユニットは、トナーを収容するトナー収容部を有し前記第1ユニットに対し着脱可能なトナーカートリッジを有する構成1~19のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【符号の説明】
【0169】
1:画像形成装置、1A:装置本体、40:転写ユニット、50:トレイユニット、50a:トレイロック部、90:規制構造、91c:トレイ規制部