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  • 特開-取付構造及び車両 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025139238
(43)【公開日】2025-09-26
(54)【発明の名称】取付構造及び車両
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/04 20060101AFI20250918BHJP
   B62D 25/08 20060101ALI20250918BHJP
【FI】
B60Q1/04 A
B62D25/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024038058
(22)【出願日】2024-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 正義
(72)【発明者】
【氏名】水城 崇
【テーマコード(参考)】
3D203
3K339
【Fターム(参考)】
3D203AA13
3D203BB33
3D203BB52
3D203CB09
3D203CB12
3D203CB19
3K339AA02
3K339BA14
3K339CA01
3K339DA01
3K339FA05
3K339GA01
3K339GB01
3K339GC02
3K339GC04
(57)【要約】
【課題】組付け性を向上できる取付構造及び車両の提供。
【解決手段】実施形態にかかる取付構造は、第1の部材に設けられ、第1孔及び第2孔を有する第1ブラケットと、前記第1ブラケットの前記第1孔に重なる第3孔を有する、第2ブラケットと、前記第1孔及び前記第3孔に挿通される軸部を有し、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとを締結する第1軸部材と、前記第2孔に挿通される軸部を有し、第2の部材と前記第1ブラケットとを締結する第2軸部材と、を備え、前記第2孔の内面と前記第2軸部材の前記軸部の外面との間に、隙間が形成される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部材に設けられ、第1孔及び第2孔を有する第1ブラケットと、
前記第1ブラケットの前記第1孔に重なる第3孔を有する、第2ブラケットと、
前記第1孔及び前記第3孔に挿通される軸部を有し、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとを締結する第1軸部材と、
前記第2孔に挿通される軸部を有し、第2の部材と前記第1ブラケットとを締結する第2軸部材と、
を備え、
前記第2孔の内面と前記第2軸部材の前記軸部の外面との間に、隙間が形成される、取付構造。
【請求項2】
前記第2軸部材は、前記第1ブラケットの前記第2孔に係止される頭部を、有するボルトであり、
前記第2ブラケットは、前記第3孔が形成される締結プレート部と、前記第2軸部材の頭部に対向配置される押さえプレート部と、を有し、前記締結プレート部と前記押さえプレート部との間に段差を有する、請求項1に記載の取付構造。
【請求項3】
前記第1の部材及び前記第2の部材は、車両のボディを構成するボディパネル部材またその一部である、請求項1に記載の取付構造。
【請求項4】
前記第2ブラケットは、前記押さえプレート部の側部に立設する板状のサポート部材を有し、前記第1ブラケットと前記押さえプレート部の間には隙間がある、請求項2に記載の取付構造。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の取付構造と、
前記第1の部材と、
前記第2の部材と、
ヘッドランプと、
を備え、
前記第1の部材はフロントパネルであり、
前記第2の部材はボディサイドパネルであり、
前記ヘッドランプは、車幅方向中央側において、前記取付構造によって、前記フロントパネルに締結され、車幅方向外側において前記ボディサイドパネルに締結される、車両。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付構造及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
トラック等の車両において、車体フレームや、車両の外郭を構成するボディパネルに、各種部品が取付けられる。例えばヘッドランプなどの部品は、ブラケットを介してボディパネルを構成するパネル部材に締結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2015-536860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような車両において、部品が複数の異なる部材に組付けられることがあり、例えばボディパネルを構成するフロントパネル及びサイドパネルに、ヘッドランプが複数の締結部によって取付けられる。例えばヘッドランプの外周に配置される複数の締結部のうち、一部はサイドパネルに締結され、他の一部がフロントパネルに取付けられる。
【0005】
このような取付構造では、複数の締結部の位置のばらつきが大きくなるため、ばらつきを吸収して組付け性を向上できる取付構造が求められる。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、組付け性を向上できる取付構造及び車両の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態にかかる取付構造は、第1の部材に設けられ、第1孔及び第2孔を有する第1ブラケットと、前記第1ブラケットの前記第1孔に重なる第3孔を有する、第2ブラケットと、前記第1孔及び前記第3孔に挿通される軸部を有し、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとを締結する第1軸部材と、前記第2孔に挿通される軸部を有し、第2の部材と前記第1ブラケットとを締結する第2軸部材と、を備え、前記第2孔の内面と前記第2軸部材の前記軸部の外面との間に、隙間が形成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、組付け性を向上できる取付構造及び車両の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る車両の一部の構成を示す斜視図である。
図2】同実施形態にかかるブラケットの正面図である。
図3】同実施形態にかかるブラケットの背面図である。
図4】同実施形態にかかる取付部の正面図である。
図5】同実施形態にかかる取付部の斜視図である。
図6】同実施形態にかかる取付部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態に係る取付構造及び車両について、図1乃至図6を参照して説明する。図1は一実施形態に係る車両の一部の構成を示す斜視図である。図2及び図3はブラケットをそれぞれ正面側及び背面側から見た図である。図4乃至図6はそれぞれ取付部の正面図、斜視図、及び断面図である。
【0011】
図中X、Y、Zは互いに直交する3方向をそれぞれ示す。車両1の幅方向をX、前後方向をY、高さ方向(上下方向)をZとして、一例を示す。なお、各図において説明のため、適宜構成を拡大、縮小または省略して示している。
【0012】
車両1は例えばトラックであり、車体フレーム、車両のボディの外郭を構成する複数のボディパネル部材、及び車体フレームに搭載されるエンジン等の各種の車載機器を備える。
【0013】
図1に示すように、車両1はフロント部10を有する。例えば車両1のフロント部10は、車両1の前面部を構成する第1の部材としてのフロントパネル11と、車両1の側面部を構成する第2の部材としてのボディサイドパネル12と、車幅方向両端部にそれぞれ配置されたヘッドランプ13と、を備える。
例えば、フロントパネル11は車両の前後方向と交差して配置され、車幅方向及び上下方向に沿って延びる板状のパネル部材であり、ボディパネル部材の一例である。例えばフロントパネル11は、ベース孔112aが形成された板状のブラケットベース112を備える。可動取付部20は、第1ブラケット21と、第2ブラケット22と、第1軸部材23と、第2軸部材24と、を備え、ヘッドランプ13は可動取付部20によってフロントパネル11のブラケットベース112に取り付けられる。ブラケットベース112はフロントパネル11の一部を構成し、本実施形態において、フロントパネル11の、ブラケットベース112に、可動取付部20の第1ブラケット21が、締結される。ベース孔112aはブラケットベース112を厚さ方向に貫通する貫通孔である。
【0014】
また、ボディサイドパネル12は、ボディパネル部材の一例であり、車両1の車幅方向外側の両端部に設けられる。ボディサイドパネル12の正面部の所定箇所には、ヘッドランプ13の取付片135,136が締結される複数の締結孔12aが形成される。
【0015】
ヘッドランプ13は、LED等の発光素子を有する発光部131と、発光部131からの光を透過するレンズ部132aを有するとともに発光部131の正面側に配置されるレンズカバー部材132と、を備える。レンズカバー部材132は、その外周縁に、複数の取付片133~136を有する。複数の取付片133~136は、例えば矩形の平板状に構成される。複数の取付片133~136は、車両1のフロント部10において、車幅方向及び上下方向に沿って延びる平板状に構成され、それぞれ厚さ方向に貫通する貫通孔である取付孔133a,134a,135a,136aを有する。複数の取付片133~136は、レンズ部132aを有するレンズカバー部材132の一部であってもよく、あるいはレンズ部132aと別体に形成されたブラケット部材であってもよい。
【0016】
例えば可動取付部20や固定取付部30において、第1軸部材23や第2軸部材24の軸部231,241は同じ方向を向き、例えば車両1の前後方向に沿って配置される。また、互いに重ねて締結される複数の板状部、すなわち複数の取付片133~136第1ブラケット21の孔21a,21b周辺の板状部分、あるいは第2ブラケット22の第3孔22a、の周辺の板状部分は、それぞれ、厚さ方向が第1軸部材23や第2軸部材24の軸方向に沿う姿勢に配置される。例えば可動取付部20及び固定取付部30は、軸部材23,24や締結部材Bの軸方向が車両1の前後方向(図中Y方向)に沿う姿勢で配される。
【0017】
ヘッドランプ13は、車幅方向の中央側の2箇所の取付片133,134が、可動取付部20、20を介して、フロントパネル11に接続される。一例として本実施形態では、フロントパネル11に締結されるブラケットベース112に、可動取付部20を介して、2つの取付片133、134が締結される。
【0018】
一方本実施形態において、ヘッドランプ13の車幅方向外側の2箇所の取付片135、136は、位置調整機構を備えない固定取付部30によって、ボディサイドパネル12側に締結される。すなわち、ヘッドランプ13は、一方側と他方側とがそれぞれ異なる部材に締結され、少なくとも1つの取付部が位置調整機構を有する可動取付部20によって締結される。
【0019】
図2乃至図6に示すように、可動取付部20(取付構造)は、第1ブラケット21と、第2ブラケット22と、第1軸部材23と、第2軸部材24と、を備える。なお、本実施形態において、2箇所の可動取付部20は、第1ブラケット21を共有している。このため、1つの第1ブラケット21に、第2ブラケット22、第1軸部材23,第2軸部材24、がそれぞれ2つずつ、配置され、2つの可動取付部20を構成している。
【0020】
第1ブラケット21は、例えば金属材料により形成される板状である。例えば第1ブラケット21は、車両1の幅方向及び上下方向に延びる平板状の取付板部211と、取付板部211の下端部から背面側に曲成された返し片212と、を備える。第1ブラケット21は、フロントパネル11に設けられるブラケットベース112に、少なくとも一部の領域が、対向配置される。
【0021】
第1ブラケット21は、第2ブラケット22に締結される第1孔21a、例えば取付対象であるヘッドランプ13の取付片133,134に締結される第2孔21b、及びブラケットベース112に締結される締結孔21cを有する。本実施形態において、第1ブラケット21において2箇所に、第2ブラケット22が締結されるため、第1孔21aや第2孔21bは、2箇所ずつ、形成される。
【0022】
第1孔21aは、第2ブラケット22の第3孔22aと重なる位置に配置される。すなわち第1孔21aは、取付板部211において2箇所に形成される。第1孔21aは、第1ブラケット21を厚さ方向に貫通する貫通孔であり、例えば後述する第1軸部材23の外形に対応する円形状に形成される。第1孔21aと第3孔22aに挿入される軸部231を有する第1軸部材23により、第1ブラケット21が第2ブラケット22に対して締結される。
【0023】
また、第1ブラケット21の、第2ブラケット22の縁部に対応する所定箇所には、複数の規制突起213が設けられる。規制突起213は、第1ブラケット21から、第2ブラケット22が配置される背面側に突出し、例えば第2ブラケット22の締結プレート部221の側部に対応する位置に配置され、締結プレート部221の取付位置を規制する。例えば規制突起213は、第1ブラケット21に取付けられるボスや、第1ブラケット21に締結される締結部材などによって構成される。
【0024】
第2孔21bは、第1ブラケット21を厚さ方向に貫通する貫通孔である。本実施形態において、第1ブラケット21に形成される2つの第2孔21bは、それぞれ、例えば取付対象であるヘッドランプ13の取付片133,134に、対向配置される。第2孔21bは、例えば後述する第2軸部材24の外形よりも大きい円形状に形成される。
【0025】
締結孔21cは、第1ブラケット21を厚方向に貫通する貫通孔である。例えば上端部に2つ設けられる。締結孔21cは例えばボルト等の締結部材Bによってフロントパネル11側に締結される。具体的には締結孔21cにおいて、第1ブラケット21がフロントパネル11側の部材であるブラケットベース112に形成されたベース孔112aに、締結される。
【0026】
第2ブラケット22は、例えば金属材料により形成される板状部材である。第2ブラケット22は、第1ブラケット21の取付板部211の背面側に対向配置され、第1ブラケット21に締結される。
【0027】
第2ブラケット22は、中央に段差22bを有する矩形状の板状に構成される。第2ブラケット22は、第3孔22aが形成される締結プレート部221と、第2孔21bに配される第2軸部材24の頭部242の一方側に対向配置される押さえプレート部222と、サポートプレート223(サポート部材)と、を有する。
【0028】
締結プレート部221は、矩形の平板状に構成される。締結プレート部221には、第1ブラケット21の1孔21aに重なる位置に設けられる貫通孔である第3孔22aを有する。第3孔22aと、第1孔21aに第1軸部材23が締結される。
【0029】
一方、押さえプレート部222は、矩形の平板状に構成され、第2軸部材24の頭部242に対向配置されることで、第2軸部材24の軸方向の移動を規制する押さえ部材である。押さえプレート部222は、締結プレート部221に第2軸部材24の頭部242の厚さ程度の寸法の段差22bを介して接続されており、段差22bによって、押さえプレート部222と第1ブラケット21の背面との間に所定の隙間G3が形成される。
【0030】
サポートプレート223は、押さえプレート部222の、両側部にそれぞれ立設される板状の部材であり、例えば押さえプレート部222の側面に溶接される。一対のサポートプレート223は、第1ブラケット21の背面に固定され、押さえプレート部222を第1ブラケット21の背面側に支持する支持部材である。
【0031】
第1軸部材23は、例えばボルトであり、雄ねじ部を有するとともに第1孔21a及び第3孔22aに挿通される軸部231と、第1孔21a及び第3孔22aよりも大きい頭部232と、を備える。第1軸部材23は、第1ブラケット21と第2ブラケット22とを締結する。第1軸部材23の軸部231の先端部には、雌ねじ部を有するナット25が装着される。なお第2軸部材24の頭部232と第2ブラケット22の間にワッシャなどの座金が介装されていてもよい。
【0032】
第2軸部材24は、例えばボルトであり、雄ねじ部を有する軸部241と、頭部242と、を備える。
軸部241は、第2孔21b及び取付片133の取付孔133a,あるいは取付片134の取付孔134aに挿入され、第2軸部材24は、互いに重ねて配置される第1ブラケット21と取付片133,あるいは取付片134とを、接続する。
【0033】
第2軸部材24の軸部241の外径は、第2孔21bの内径よりも小さく、第2孔21bの内面と、第2軸部材24の軸部241外面との間に、隙間G1が形成される。また、軸部241の外径は、取付孔133a,134aの内径よりも小さく、取付孔133a,134aの内面と、第2軸部材24の軸部241外面との間に隙間G2が形成されている。なお、本実施形態においてG1はG2よりも大きく構成されている。したがって、第2軸部材24は、第1ブラケット21や、取付片133,134に対して、隙間G1やG2の分、移動可能に、締結される。軸部241の先端部には、雌ねじ部を有するナット26が螺合され、装着される。
【0034】
例えば頭部242は、第2孔21bや取付孔133a,134aよりも大きい矩形の板状に構成される。なお、第2軸部材24の頭部242と第1ブラケット21の間にワッシャなどの座金が介装されていてもよい。頭部242は、第1ブラケット21の背面と、押さえプレート部222との間の隙間G3に配置される。頭部242は、押さえプレート部222によって、軸方向の移動が規制され、第1ブラケット21の第2孔21bの周りに係止される。
【0035】
以上のように構成された可動取付部20の組付け工程について説明する。まず、前工程として、フロントパネル11側には、ブラケットベース112を締結しておく。一方、前工程として、図3に示すように第2ブラケット22の押さえプレート部222の側部に、サポートプレート223を溶接する。そして、第2軸部材24の軸部241を第2孔21bに挿入した状態で、第1ブラケット21に、第2ブラケット22を重ね、第1軸部材23により締結する。以上により、図3に示すように、第2軸部材24が第2ブラケット22に移動可能に保持される。このとき、第1ブラケット21の第2孔21bから、第2軸部材24の軸部241が、突出した状態で保持されるとともに、第2軸部材24は第1ブラケット21に対して軸方向と交差する面内において、移動可能な状態となる。
【0036】
そして、フロントパネル11側のブラケットベース112に形成されたベース孔112aに、第1ブラケット21の締結孔21cを重ねて配置し、ボルト等の締結部材Bにより、第1ブラケット21をブラケットベース112に締結する。
【0037】
以上により、フロントパネル11側のブラケットベース112に第1ブラケット21が締結され、第1ブラケット21の第2孔21bから、車両前方に向けて第2軸部材24の軸部241が突出して保持された仮保持状態となる。
【0038】
そして、車両1の組付け工程において、ヘッドランプ13のレンズカバー部材132をフロントパネル11及びボディサイドパネル12に対して車両1前側の正面側から被せて装着する。このとき、まず、4つの取付片133~136のうち、2つの取付片135,136は、ボディサイドパネル12に形成された締結孔12aに対向配置させ、他の2つの取付片133,134は、仮保持された第1ブラケット21から突出される第2軸部材24が取付孔133a,134aに挿入されるように位置決めする。
【0039】
そして、まず取付孔135a,136aをボディサイドパネル12側に形成された締結孔12aに重ねて位置決めし、締結部材Bによって取付片135,136をボディサイドパネル12に締結する。その後、第1ブラケット21に重ねた取付片133,134の前側からナット26を締付ける。
【0040】
以上により、固定取付部30を介して、ヘッドランプ13のレンズカバー部材132の車幅方向外側の側部の取付片135,136が、ボディサイドパネル12に保持されるとともに、可動取付部20を介して取付片133,134がフロントパネル11に締結される。
【0041】
本実施形態にかかる車両1によれば、第1ブラケットと第2ブラケットを締結し、第1ブラケット21の第2孔21bよりも小さい軸部241を有する第2軸部材24を移動可能に保持させることができるため、組付け時の寸法ばらつきを吸収でき、組付け性を向上できる。すなわち、一方側がフロントパネル11側に組付けられ、他方側がボディサイドパネル12側に組付ける場合には、複数の締結部の位置にばらつきが生じることがあるが、設計の条件によっては、取付対象となる部品側で締結部の位置を調整することができない場合もある。本実施形態によれば、第1ブラケット21と第2ブラケット22を締結し、第1ブラケット21に対して第1ブラケット21の第2孔21bよりも小さい軸部241を有する第2軸部材24を移動可能に保持させることで、寸法ばらつきを吸収できる。
また、本実施形態においては、第2ブラケット22を用いて第1ブラケット21に、第2軸部材24を移動可能に仮保持させることができるため、車両1の前面部の正面側からヘッドランプ13のレンズカバー部材132を被せてナット26を装着することができ、作業性が良い。
【0042】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば複数の締結部の配置や数、各部材の具体的な形状は上記に限られるものではなく、適宜変更して実施することができる。また、例えば第1の部材及び第2の部材は、それぞれフロントパネル11とボディサイドパネル12である例を示したがこれに限られるものではなく、他の部材であってもよい。
【0043】
以上、本発明に係る一実施形態について詳述したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。本発明には、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0044】
1…車両、10…フロント部、11…フロントパネル、12…ボディサイドパネル、12a…締結孔、13…ヘッドランプ、20…可動取付部、21…ブラケット、21a…第1孔、21b…第2孔、21c…締結孔、22…ブラケット、22a…第3孔、22b…段差、23…第1軸部材、231…軸部、232…頭部、24…軸部材、241…軸部、242…頭部、25…ナット、26…ナット、30…固定取付部、112…ブラケットベース、112a…ベース孔、131…発光部、132…レンズカバー部材、132a…レンズ部、133~136…取付片、133a~136a…取付孔、211…取付板部、212…返し片、213…規制突起、221…締結プレート部、222…押さえプレート部、223…サポートプレート、232…頭部、242…頭部、G1…隙間、G2…隙間、G3…隙間。

図1
図2
図3
図4
図5
図6