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特開2025-139296光学装置、アクセサリ、及びアクセサリの装着方法と取り付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025139296
(43)【公開日】2025-09-26
(54)【発明の名称】光学装置、アクセサリ、及びアクセサリの装着方法と取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   G03B 11/04 20210101AFI20250918BHJP
   G03B 13/02 20210101ALI20250918BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20250918BHJP
【FI】
G03B11/04 D
G03B13/02
G03B17/56 Z
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024038146
(22)【出願日】2024-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】重松 正康
【テーマコード(参考)】
2H018
2H083
2H105
【Fターム(参考)】
2H018AA32
2H083EE02
2H083EE04
2H083EE08
2H105EE21
(57)【要約】
【課題】取り付け易く、ユーザが意図せずに外れにくく、意図的に外す場合は、単純な操作で外しやすいアイカップアクセサリーの固定構造を有する光学装置を提供すること。
【解決手段】光学装置は、接眼枠を備える非弾性部材と、弾性部材を備えると共に、接眼枠に固定されるアイカップと、を有し、アクセサリを着脱可能な光学装置であって、弾性部材は、少なくとも3つの外周側面にアクセサリを固定させるための第1固定手段を備え、接眼枠は、外周側面のうち少なくとも3つの外周側面に対向しない領域にアクセサリを固定するための第2固定手段を備え、アクセサリが光学装置に取り付けられている場合、第1固定手段及び第2固定手段がアクセサリを固定している。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接眼枠を備える非弾性部材と、
弾性部材を備えると共に、前記接眼枠に固定されるアイカップと、を有し、アクセサリを着脱可能な光学装置であって、
前記弾性部材は、少なくとも3つの外周側面に前記アクセサリを固定させるための第1固定手段を備え、
前記接眼枠は、外周側面のうち前記少なくとも3つの外周側面に対向しない領域に前記アクセサリを固定するための第2固定手段を備え、
前記アクセサリが前記光学装置に取り付けられている場合、前記第1固定手段及び第2固定手段が前記アクセサリを固定していることを特徴とする光学装置。
【請求項2】
前記アクセサリは、前記第1固定手段に係合する第1係合手段と、前記第2固定手段に係合する第2係合手段と、を備え、
前記第1係合手段及び第2係合手段は、凸部であり、
前記第1固定手段及び第2固定手段は、溝部であることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
正位置の前記光学装置を背面から見た場合に、前記第1固定手段は前記接眼枠の上側と左右側の位置に設けられ、前記第2固定手段は前記接眼枠の下側の位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学装置。
【請求項4】
前記アクセサリは、前記第1固定手段に係合する第1係合手段と、前記第2固定手段に係合する第2係合手段と、を備え、
前記アクセサリを前記光学装置に装着する場合、前記第1固定手段と前記第1係合手段とを係合した後、前記第2固定手段と前記第2係合手段とを係合することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学装置。
【請求項5】
前記アクセサリは、前記第1固定手段に係合する第1係合手段と、前記第2固定手段に係合する第2係合手段と、を備え、
前記アクセサリを前記光学装置から取り外す場合、前記第1固定手段と前記第1係合手段との係合を解除した後、前記第2固定手段と前記第2係合手段との係合を解除することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学装置。
【請求項6】
接眼枠を備える非弾性部材と、弾性部材を備えると共に、前記接眼枠に固定されるアイカップと、を備える光学装置に着脱可能なアクセサリであって、
前記弾性部材の少なくとも3つの外周側面に設けられた第1固定手段に係合する第1係合手段と、
前記接眼枠の外周側面のうち前記少なくとも3つの外周側面に対向しない領域に設けられた第2固定手段に係合する第2係合手段と、を有することを特徴とするアクセサリ。
【請求項7】
前記第1固定手段及び第2固定手段は、溝部であり、
前記第1係合手段及び第2係合手段は、凸部であることを特徴とする請求項6に記載のアクセサリ。
【請求項8】
前記第1係合手段は、前記アイカップの外周3方向に対し連続した形状を有することを特徴とする請求項7に記載のアクセサリ。
【請求項9】
前記アクセサリが取り付けられた状態で正位置の前記光学装置を背面から見た場合に、前記第1固定手段と前記第1係合手段とは前記接眼枠の上側と左右側の位置に設けられ、
前記第1係合手段の左右部の長さは、前記第1固定手段の左右部の長さの半分以下であることを特徴とする請求項6又は7に記載のアクセサリ。
【請求項10】
前記アクセサリが取り付けられた状態で正位置の前記光学装置を背面から見た場合に、前記第1係合手段は前記接眼枠の上側と左右側の位置に設けられ、
前記第1係合手段の左右部の下端には傾斜部が形成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載のアクセサリ。
【請求項11】
前記アクセサリが前記光学装置に取り付けられている場合において、前記第1係合手段の係り量は、前記第2係合手段の係り量よりも長いことを特徴とする請求項6又は7に記載のアクセサリ。
【請求項12】
接眼枠を備える非弾性部材と、弾性部材を備えると共に、前記接眼枠に固定されるアイカップと、を備える光学装置に着脱可能であると共に、前記弾性部材の少なくとも3つの外周側面に設けられた第1固定手段に係合する第1係合手段と、前記接眼枠の外周側面のうち前記少なくとも3つの外周側面に対向しない領域に設けられた第2固定手段に係合する第2係合手段と、を有するアクセサリの装着方法であって、
前記第1固定手段と前記第1係合手段とを係合するステップと、
前記第2固定手段と前記第2係合手段とを係合するステップと、を有することを特徴とするアクセサリの装着方法。
【請求項13】
接眼枠を備える非弾性部材と、弾性部材を備えると共に、前記接眼枠に固定されるアイカップと、を備える光学装置に着脱可能であると共に、前記弾性部材の少なくとも3つの外周側面に設けられた第1固定手段に係合する第1係合手段と、前記接眼枠の外周側面のうち前記少なくとも3つの外周側面に対向しない領域に設けられた第2固定手段に係合する第2係合手段と、を有するアクセサリの取り外し方法であって、
前記第1固定手段と前記第1係合手段との係合を解除するステップと、
前記第2固定手段と前記第2係合手段との係合を解除するステップと、を有することを特徴とするアクセサリの取り外し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学装置、アクセサリ、及びアクセサリの装着方法と取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、接眼部とユーザ(使用者)の隙間から光が入らないようにするためのアイカップが固定されたデジタルカメラ等の光学装置が知られている。特許文献1には、大型の鍔部を有する弾性変形可能なアイカップアクセサリーを、アイカップの鍔部に引き伸ばしてくわえ込むように弾接した状態で姿勢を保持して装着する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-228509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、アイカップが全周鍔のある形状を有し、鍔全周を弾性部品でくわえ込むようにアイカップアクセサリーを固定するため、アイカップアクセサリーの着脱が困難である。また、弾性部品同士で固定しているため、不用意に外れやすい。
【0005】
本発明は、取り付け易く、ユーザが意図せずに外れにくく、意図的に外す場合は、単純な操作で外しやすいアイカップアクセサリーの固定構造を有する光学装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としての光学装置は、接眼枠を備える非弾性部材と、弾性部材を備えると共に、接眼枠に固定されるアイカップと、を有し、アクセサリを着脱可能な光学装置であって、弾性部材は、少なくとも3つの外周側面にアクセサリを固定させるための第1固定手段を備え、接眼枠は、外周側面のうち少なくとも3つの外周側面に対向しない領域にアクセサリを固定するための第2固定手段を備え、アクセサリが光学装置に取り付けられている場合、第1固定手段及び第2固定手段がアクセサリを固定していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、取り付け易く、ユーザが意図せずに外れにくく、意図的に外す場合は、単純な操作で外しやすいアイカップアクセサリーの固定構造を有する光学装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る光学装置の一例であるデジタルカメラの外観斜視図である。
図2】リアカバーの外観斜視図である。
図3】アイカップの外観斜視図である。
図4】アイカップが固定された状態のリアカバーを示す図である。
図5】アイカップが固定された状態のリアカバーの外観斜視図である。
図6】アイカップアクセサリーの外観斜視図である。
図7】アイカップアクセサリーが固定された状態のアイカップを示す図である。
図8】アイカップアクセサリーをアイカップに取り付ける際の動作の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る光学装置の一例であるデジタルカメラ100の外観斜視図である。図1(A)はデジタルカメラ100を前面から見た場合の外観斜視図であり、図1(B)はデジタルカメラ100を背面から見た場合の外観斜視図である。デジタルカメラ100は、レインカバー、マグニファイヤ、及びアングルファインダー等の後述するアイカップアクセサリー(アクセサリ)700が接眼部に着脱可能に構成される。なお、光学装置には、携帯電話機、ゲーム機、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、時計型や眼鏡型の情報端末、及びヘッドマウントディスプレイ等の電子機器を含むものとする。また、単眼鏡、双眼鏡、及び測距計等の接眼部を有する製品も含むものとする。
【0011】
ユーザ(撮影者)は、覗き込み型のファインダーの接眼部16を介して内部のEVFモジュール(不図示)に表示された映像を視認することができる。デジタルカメラ100のリアカバー(非弾性部材)800には、アイカップ802が取り付けられている。アイカップ802は、接眼枠801とユーザの隙間から接眼ファインダー内に光が入らないようにするために、ユーザの目に接触する部分が、軟質素材等で作られている。
<アイカップの構成>
図2は、アイカップ802が取り外された状態のリアカバー800を背面から見た場合の外観斜視図である。リアカバー800には、接眼枠801が一体的に形成されている。接眼枠801の上側には、アイカップ802を固定するための溝部900が設けられている。接眼枠801の左右部の下側には、アイカップ802をリアカバー800に固定するためのビス穴901が設けられている。
【0012】
図3は、アイカップ802の外観斜視図である。図3(A)はアイカップ802を背面から見た場合の外観斜視図であり、図3(B)はアイカップ802を前面から見た場合の外観斜視図である。アイカップ802は、硬質で、非弾性素材であるモールドのフレーム803と軟質で、弾性変形可能な弾性部材804とが一体的に成形されることで構成されている。フレーム803には、接眼枠801の溝部900に係合する凸部805と、リアカバー800に設けられたビス穴901を通してねじで固定するためのねじ穴806が2か所設けられている。
【0013】
なお、本実施形態では、弾性部材804はエラストマーがアウトサートされている構成であるが、軟質な弾性素材であれば、エラストマーに限らず、シリコーンラバーや他のゴム素材でもよい。また、弾性部材804の硬度はアイカップアクセサリー700の固定力を上げるため、デュロメーター硬さA70度程度であることが好ましい。
【0014】
図4は、アイカップ802が固定された状態のリアカバー800を示す図である。図4(A)は、アイカップ802が固定された状態のリアカバー800の背面図であり、図4(B)は図4(A)のX-X線断面図である。図4(B)に示されるように、溝部900と凸部805が係合し、ねじ807によりアイカップ802はリアカバー800に固定される。
【0015】
図5は、アイカップ802が固定された状態のリアカバー800の外観斜視図である。弾性部材804の少なくとも3つの側面(外周側面)には、アイカップアクセサリー700を固定するための溝部(第1固定手段)808が設けられている。また、接眼枠801の側面のうち溝部808が設けられる弾性部材804の少なくとも3つの側面に対向しない領域には、アイカップアクセサリー700を固定するための溝部(第2固定手段)809が設けられている。本実施形態では、溝部808は弾性部材804の上部と左右部の3つの側面に設けられ、溝部809は接眼枠801の下部の側面に設けられている。すなわち、本実施形態では、正位置(横位置)の光学装置を背面から見た場合に、溝部808は接眼枠801の上側と左右側の位置に設けられ、溝部809は接眼枠801の下側の位置に設けられている。
【0016】
図6は、アイカップ802に取り付けるアイカップアクセサリー700の外観斜視図である。図6(A)はアイカップアクセサリー700を背面から見た場合の外観斜視図であり、図6(B)はアイカップアクセサリー700を背面から見た場合の外観斜視図である。
【0017】
アイカップアクセサリー700は、非弾性部材である、固定部材701,702を備える。固定部材701は、アイカップ802の上部と左右部の側面に設けられた溝部808に係合するように、上部と左右部の3辺(外周3方向)で連続して形成された凸部(第1係合手段)703を含む。凸部703の左右部の下方(下端)には、溝部808に挿入するための傾斜部704が設けられている。固定部材702の下部には、接眼枠801の下部の側面に設けられた溝部809に係合する凸部(第2係合手段)705が設けられている。凸部705が溝部809に係合するときの係り量は、凸部703が溝部808に係合するときの係り量よりも短くなっている。これにより、アイカップアクセサリー700を容易に装着することができる。本実施形態では、溝部808と凸部703の係り量は2mm~4mm程度であり、溝部809と凸部705の係り量は0.5mm~1mm程度である。
【0018】
固定部材701,702の外周には、固定部材701とユーザの隙間からファインダー内に光が入らないようにするために、弾性部材である鍔部706が回転可能に取り付けられている。固定部材701,702の外形を円形にすることで、アイカップ802の外形が円形でなくても、鍔部706を360度回転させることが可能である。これにより、右目又は左目でファインダーを覗く場合や、デジタルカメラ100を縦位置で構える場合等で、顔の向きに合うようにアイカップアクセサリー700の取り付け角度を変更することが可能である。
【0019】
以下、図7を参照して、アイカップ802にアイカップアクセサリー700を固定する方法について説明する。図7は、アイカップアクセサリー700が固定された状態のアイカップ802を示す図である。図7(A)は、アイカップアクセサリー700が固定された状態のアイカップ802の背面図である。図7(B)は、図7(A)のG-G線断面図である。図7(C)は、図7(A)のF-F線断面図である。図7(D)は、アイカップアクセサリー700が固定された状態のアイカップ802の上面図である。図7(E)は、図7(D)のE-E線断面図である。
【0020】
アイカップ802の弾性部材804に設けられた溝部808にアイカップアクセサリー700の凸部703が係合し、非弾性部材であるリアカバー800に設けられた溝部809にアイカップアクセサリー700の凸部705が係合する。これにより、アイカップアクセサリー700がアイカップ802に固定される。
【0021】
図7(E)に示されるように、凸部703の上辺と左右辺の3辺が連続しているため、アイカップアクセサリー700をアイカップ802から外す場合、アイカップ802の鍔部808aをファインダーの光軸に直交する3方向同時に弾性変形させる必要がある。そのため、3辺の接続部808cの圧縮変形の抵抗が高く、アイカップアクセサリー700が外れにくい。3辺が連続していない(繋がっていない)場合、それぞれの辺で鍔部808aが変形する際の接続部808cの圧縮変形の抵抗が低く、反発力が小さくなるため、アイカップアクセサリー700が簡単にアイカップ802から外れてしまう。
【0022】
また、図7(E)に示されるように、アイカップアクセサリー700の凸部703のうち左右部の上下方向(Y方向)の長さY1は、アイカップ802の溝部808のうち左右部の上下方向の長さY2の半分以下の長さになっている。更に、図6(A)に示されるように、凸部703の左右部の下方には、溝部808に挿入するための傾斜部704が設けられているため、アイカップ802にアイカップアクセサリー700を装着する際に、凸部703が溝部808に挿入しやすくなる。
【0023】
また、アイカップアクセサリー700の固定部材702の下部に設けられた凸部705の凸量が凸部703の凸量よりも小さくなっている。これにより、弾性部材804に設けられた溝部808と係合する箇所は外れにくく、かつ、非弾性部材であるリアカバー800に設けられた溝部809と係合する箇所は取り付け易い。
【0024】
デジタルカメラ100に、不図示の首掛け用のストラップがつけられている場合、接眼枠801の下側で、アイカップアクセサリーとデジタルカメラ100の間(図7(B)のN部)にストラップが入り込む可能性がある。このとき、アイカップアクセサリー700は、デジタルカメラ100から外れてしまうことが想定される。本実施形態では、下部は非弾性部材である、溝部809と凸部705が係合しているため、ストラップが引っかかった際もアイカップアクセサリー700がデジタルカメラ100から外れることを抑制することができる。
【0025】
なお、固定部材701,702にデジタルカメラ100を覆う形状の防水シートを固定すれば、デジタルカメラ100のレインカバーを接眼部に固定して使用することが可能である。また、アイカップアクセサリー700は、本実施形態で説明したものに限らず、例えば、固定部材701,702に光学ユニットを取り付けてマグニファイヤやアングルファインダーとしてもよい。
<アイカップアクセサリー700の取り付け方法(装着方法)>
図8は、アイカップアクセサリー700を、デジタルカメラ100に固定されたアイカップ802に取り付ける際の動作の説明図である。図8(A)は、アイカップ802にアイカップアクセサリー700を取り付け開始した状態を示している。図8(B)は、アイカップ802にアイカップアクセサリー700を取り付け完了した状態を示している。
【0026】
ユーザは、まず、アイカップアクセサリー700をX軸が回転軸となるようにデジタルカメラ100側に傾け、左右部の傾斜部704をアイカップ802の溝部808に上から差し込むように挿入する。その状態で、凸部703をY方向下にスライドし、溝部808の奥の突き当て部808b(図7(B))に突き当たった所で、矢印Rの方向へ押し込む。これにより、アイカップアクセサリー700の下側の凸部705がリアカバー800の下側の溝部809に係合し、取り付けが完了する。その際、溝突き当て部808bがY方向へ弾性変形することで、凸部705が係合するためのストローク(係り量)が確保される。
【0027】
上述したように、アイカップアクセサリー700を溝部808に上から挿入し、Y方向へスライドして、突き当たった所で矢印R方向へ押すことで、簡単にアイカップアクセサリー700をデジタルカメラ100に固定することができる。
<アイカップアクセサリー700取り外し方法>
次に、アイカップアクセサリー700をアイカップ802から取り外す動作について説明する。
【0028】
図8(B)の状態において、アイカップアクセサリー700の上部700aをZ方向手前側に引くことで、アイカップ802の鍔部808aが手前に弾性変形する。これにより、アイカップ802の溝部808からアイカップアクセサリー700の凸部703が外れる(溝部808と凸部703との係合が解除される)。凸部705は、係り量が小さいので、凸部703が溝部808から外れるのとほぼ同時に溝部809から外れる(溝部809と凸部705との係合が解除される)。このように、アイカップアクセサリー700を簡単な動作でアイカップ802から取り外すことができる。
【0029】
以上説明したように、本実施形態では、使用頻度の高い通常のアイカップ802がデジタルカメラ100に固定されている場合でも、アイカップアクセサリー700をアイカップ802に容易に取り付けることができる。また、弾性部の係合(凸部703と溝部808の係合)は係り量が長いことで外れにくい。また、ストラップが引っかかって外れやすい下部の係合(凸部705と溝部809の係合)は、非弾性部材同士で係合しているため、ユーザが意図せずに外れにくい。更に、意図的に外す場合は、アイカップアクセサリー700の上部700aを手前に引っ張る単純な操作でアイカップアクセサリー700をアイカップ802から取り外すことができる。
【0030】
本実施形態の開示は、以下の構成及び方法を含む。
(構成1)
接眼枠を備える非弾性部材と、
弾性部材を備えると共に、前記接眼枠に固定されるアイカップと、を有し、アクセサリを着脱可能な光学装置であって、
前記弾性部材は、少なくとも3つの外周側面に前記アクセサリを固定させるための第1固定手段を備え、
前記接眼枠は、外周側面のうち前記少なくとも3つの外周側面に対向しない領域に前記アクセサリを固定するための第2固定手段を備え、
前記アクセサリが前記光学装置に取り付けられている場合、前記第1固定手段及び第2固定手段が前記アクセサリを固定していることを特徴とする光学装置。
(構成2)
前記アクセサリは、前記第1固定手段に係合する第1係合手段と、前記第2固定手段に係合する第2係合手段と、を備え、
前記第1係合手段及び第2係合手段は、凸部であり、
前記第1固定手段及び第2固定手段は、溝部であることを特徴とする構成1に記載の光学装置。
(構成3)
正位置の前記光学装置を背面から見た場合に、前記第1固定手段は前記接眼枠の上側と左右側の位置に設けられ、前記第2固定手段は前記接眼枠の下側の位置に設けられていることを特徴とする構成1又は2に記載の光学装置。
(構成4)
前記アクセサリは、前記第1固定手段に係合する第1係合手段と、前記第2固定手段に係合する第2係合手段と、を備え、
前記アクセサリを前記光学装置に装着する場合、前記第1固定手段と前記第1係合手段とを係合した後、前記第2固定手段と前記第2係合手段とを係合することを特徴とする構成1乃至3の何れか一つの構成に記載の光学装置。
(構成5)
前記アクセサリは、前記第1固定手段に係合する第1係合手段と、前記第2固定手段に係合する第2係合手段と、を備え、
前記アクセサリを前記光学装置から取り外す場合、前記第1固定手段と前記第1係合手段との係合を解除した後、前記第2固定手段と前記第2係合手段との係合を解除することを特徴とする構成1乃至4の何れか一つの構成に記載の光学装置。
(構成6)
接眼枠を備える非弾性部材と、弾性部材を備えると共に、前記接眼枠に固定されるアイカップと、を備える光学装置に着脱可能なアクセサリであって、
前記弾性部材の少なくとも3つの外周側面に設けられた第1固定手段に係合する第1係合手段と、
前記接眼枠の外周側面のうち前記少なくとも3つの外周側面に対向しない領域に設けられた第2固定手段に係合する第2係合手段と、を有することを特徴とするアクセサリ。
(構成7)
前記第1固定手段及び第2固定手段は、溝部であり、
前記第1係合手段及び第2係合手段は、凸部であることを特徴とする構成6に記載のアクセサリ。
(構成8)
前記第1係合手段は、前記アイカップの外周3方向に対し連続した形状を有することを特徴とする構成7に記載のアクセサリ。
(構成9)
前記アクセサリが取り付けられた状態で正位置の光学装置を背面から見た場合に、前記第1固定手段と前記第1係合手段とは前記接眼枠の上側と左右側の位置に設けられ、
前記第1係合手段の左右部の長さは、前記第1固定手段の左右部の長さの半分以下であることを特徴とする構成6乃至8の何れか一つの構成に記載のアクセサリ。
(構成10)
前記アクセサリが取り付けられた状態で正位置の前記光学装置を背面から見た場合に、前記第1係合手段は前記接眼枠の上側と左右側の位置に設けられ、
前記第1係合手段の左右部の下端には傾斜部が形成されていることを特徴とする構成6乃至9の何れか一つの構成に記載のアクセサリ。
(構成11)
前記アクセサリが前記光学装置に取り付けられている場合において、前記第1係合手段の係り量は、前記第2係合手段の係り量よりも長いことを特徴とする構成6乃至10の何れか一つの構成に記載のアクセサリ。
(方法1)
接眼枠を備える非弾性部材と、弾性部材を備えると共に、前記接眼枠に固定されるアイカップと、を備える光学装置に着脱可能であると共に、前記弾性部材の少なくとも3つの外周側面に設けられた第1固定手段に係合する第1係合手段と、前記接眼枠の外周側面のうち前記少なくとも3つの外周側面に対向しない領域に設けられた第2固定手段に係合する第2係合手段と、を有するアクセサリの装着方法であって、
前記第1固定手段と前記第1係合手段とを係合するステップと、
前記第2固定手段と前記第2係合手段とを係合するステップと、を有することを特徴とするアクセサリの装着方法。
(方法2)
接眼枠を備える非弾性部材と、弾性部材を備えると共に、前記接眼枠に固定されるアイカップと、を備える光学装置に着脱可能であると共に、前記弾性部材の少なくとも3つの外周側面に設けられた第1固定手段に係合する第1係合手段と、前記接眼枠の外周側面のうち前記少なくとも3つの外周側面に対向しない領域に設けられた第2固定手段に係合する第2係合手段と、を有するアクセサリの取り外し方法であって、
前記第1固定手段と前記第1係合手段との係合を解除するステップと、
前記第2固定手段と前記第2係合手段との係合を解除するステップと、を有することを特徴とする構成1又は2に記載の光学装置。
【0031】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0032】
100 デジタルカメラ(光学装置)
700 アイカップアクセサリー(アクセサリ)
800 リアカバー(非弾性部材)
801 接眼枠
802 アイカップ
804 弾性部材
808 溝部(第1固定手段)
809 溝部(第2固定手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8