(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025139303
(43)【公開日】2025-09-26
(54)【発明の名称】釣り具
(51)【国際特許分類】
A01K 85/01 20060101AFI20250918BHJP
A01K 85/00 20060101ALI20250918BHJP
【FI】
A01K85/01 Z
A01K85/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024038158
(22)【出願日】2024-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川西 慎一
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307AA02
2B307AA05
2B307BA01
2B307BA62
2B307BA70
2B307BB02
2B307BB10
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、簡易な構成で釣り具の状態をより確実にユーザに知らせることができる、該釣り具を提供することである。
【解決手段】釣り具は、弾性を有する本体と、本体に取り付けられ、変形により電気的特性が変化するセンサと、本体に取り付けられる制御回路と、本体に取り付けられ、第1状態と、第1状態とは異なる第2状態と、を有している報知手段と、を備えている。制御回路は、出力信号に基づいて、第1状態と第2状態とを切り替える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性を有する本体と、
前記本体に取り付けられ、変形により電気的特性が変化するセンサと、
前記本体に取り付けられる制御回路と、
前記本体に取り付けられ、第1状態と、前記第1状態とは異なる第2状態と、を有している報知手段と、
を備えており、
前記制御回路は、前記センサの出力信号に基づいて、前記第1状態と前記第2状態とを切り替える、
釣り具。
【請求項2】
前記センサは、平膜状である、
請求項1に記載の釣り具。
【請求項3】
前記センサは、圧電フィルムを含んでおり、
前記圧電フィルムは、少なくとも一軸延伸方向に延伸されているポリ乳酸を有する、
請求項2に記載の釣り具。
【請求項4】
前記制御回路は、前記出力信号に基づいて、前記報知手段の動作モードを変更する、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の釣り具。
【請求項5】
前記出力信号は、ユーザが前記本体を押圧することにより、変化する、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の釣り具。
【請求項6】
前記報知手段は、LEDであり、
前記第1状態は、前記LEDが点灯している状態であり、
前記第2状態は、前記LEDが消灯している状態である、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の釣り具。
【請求項7】
前記報知手段は、互いに発光色が異なる複数のLEDを含んでおり、
前記制御回路は、前記出力信号に基づいて、前記複数のLEDのそれぞれの発光状態を変化させる、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の釣り具。
【請求項8】
前記本体は、密閉された中空部を含んでおり、
前記センサ、前記制御回路及び前記報知手段は、それぞれ、前記中空部に収められている、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の釣り具。
【請求項9】
前記釣り具は、エギである、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の釣り具。
【請求項10】
前記釣り具は、水中ウキである、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の釣り具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣りに用いられる釣り具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、釣りにおいて、エギと称される疑似餌又は水中ウキと称される錘等の釣り具が広く普及している。特許文献1に記載の釣り具は、LEDと、運動センサと、制御回路と、電池と、を備えている。運動センサは、釣り具を引く竿の動き及び釣り針に捕獲対象が掛かって暴れた際の動きを感知する。制御回路は、運動センサの検出信号に応じてLEDの発光状態を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
運動センサは、動きを検知するセンサである。運動センサとして、例えば、加速度センサを採用すると、加速度の変化が小さい場合に、竿の動きを検出できないおそれがある。加速度の変化が小さい場合として、例えば、イカ釣りにおけるエギの着底時が挙げられる。運動センサとして、加速度センサを採用した場合、エギが着底してもLEDが発光せずに、エギが着底したことが釣り人(ユーザ)に伝わらないおそれがある。
【0005】
また、運動センサとして、例えば、振動ジャイロセンサを採用すると、釣り具の素早い動きに追従できないおそれがある。釣り具が素早く動く場合として、例えば、イカによるエギの抱きかかえが挙げられる。イカがエギを抱き、釣り針に引っ掛かった場合、エギがイカにより大きく揺さぶられる。イカによる揺さぶりに伴い、エギは、短い時間に何度も大きく振動する。運動センサとして、振動ジャイロセンサを採用した場合、イカがエギを抱いても、LEDが発光せずに、イカがエギを抱きかかえたことがユーザに伝わらないおそれがある。
【0006】
更に、特許文献1に記載の釣り具において、加速度センサ及び振動ジャイロセンサの両方を採用すると、釣り具が大型化し、構造も複雑になるおそれがある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、簡易な構成で釣り具の状態をより確実にユーザに知らせることができる、該釣り具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態に係る釣り具は、
弾性を有する本体と、
前記本体に取り付けられ、変形により電気的特性が変化するセンサと、
前記本体に取り付けられる制御回路と、
前記本体に取り付けられ、第1状態と、前記第1状態とは異なる第2状態と、を有している報知手段と、
を備えており、
前記制御回路は、前記センサの出力信号に基づいて、前記第1状態と前記第2状態とを切り替える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡易な構成で釣り具の状態をより確実にユーザに知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】
図2(A)は、センサ6の斜視図である。
図2(B)は、センサ6の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、センサ6、回路基板7及び電池8のブロック図である。
【
図4】
図4は、エギ1の使用方法の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、水中ウキ1aの使用方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施形態]
以下に、本発明の第1の実施形態に係るエギ1について、図面を参照しながら説明する。
図1は、エギ1の側面図である。なお、
図1では、センサ6、回路基板7及び電池8間の配線を省略している。
図2(A)は、センサ6の斜視図である。
図2(B)は、センサ6の分解斜視図である。
図3は、センサ6、回路基板7及び電池8のブロック図である。
【0012】
エギは、イカ釣り又はタコ釣りに用いられる疑似餌である。例えば、イカ釣りでは、釣り人(ユーザ)は、釣糸に取り付けたエギ1を水中で揺動させてイカを誘引し、エギ1を掴んだイカを針に引っ掛けて釣り上げる。エギ1は、本発明に係る釣り具の一例である。
【0013】
エギ1は、本体2、アイ3、錘4、笠針5、センサ6、回路基板7及び電池8を備えている。本体2は、弾性を有している。本体2は、ABS樹脂等のプラスチック材料又は木材等により形成されている。本体2の外観は、イカが好んで捕食する生物を模している。
図1に示すように、本実施形態では、本体2の外観は、エビを模している。本体2は、前端部21から後端部22に延びる細長形状を有している。本実施形態では、本体2は、高い透過性を有しており、透明又は半透明である。なお、本体2は、無色であってもよいし、有色であってもよい。また、本体2は、密閉された中空部23を含んでいる。すなわち、本体2の内部には、空隙が形成されている。なお、本体2の外観は、エビを模していなくてもよい。また、本体2は、前端部21から後端部22に延びる細長形状を有していなくてもよい。
【0014】
なお、本明細書では、一例として、方向を以下のように定義する。
図1に示すように、鉛直上方向を上方向DIRUと定義し、鉛直下方向を下方向DIRDと定義する。上方向DIRUに直交する方向であって、前端部21が向く方向を前方向DIRFと定義する。上方向DIRUに直交する方向であって、後端部22が向く方向を後方向DIRBと定義する。水平方向であって、前方向DIRFを向いた場合の左方向を左方向DIRLと定義する。水平方向であって、前方向DIRFを向いた場合の右方向を右方向DIRRと定義する。上方向DIRU、下方向DIRD、前方向DIRF、後方向DIRB、左方向DIRL及び右方向DIRRは、互いに直交している。ただし、本明細書における上方向DIRU、下方向DIRD、前方向DIRF、後方向DIRB、左方向DIRL及び右方向DIRRは、説明の便宜上定義した方向であり、本発明に係る釣り具の構造を限定するものではない。
【0015】
アイ3は、本体2の前端部21から前方向DIRFに突出するように、本体2に固定されている。アイ3は、リング状である。アイ3は、ステンレス鋼等の金属材料により形成されている。アイ3には、竿のリールから供給される釣糸が接続される。例えば、釣糸は、当該釣糸の端部に取り付けられた金具を介して、アイ3に接続される。
【0016】
錘4は、本体2の前下部において、本体2から下方向DIRDに突出するように、本体2に着脱可能なように取り付けられている。錘4は、鉛等の金属材料により形成されている。錘4が本体2の前下部に設けられていることにより、エギ1の重心は、本体2の前下部に位置している。
【0017】
笠針5は、本体2の後端部22に固定されている。笠針5は、放射状に配置された複数の針51を含んでいる。複数の針51のそれぞれの先端は、前方向DIRFを向いている。
【0018】
センサ6、回路基板7及び電池8は、それぞれ、本体2の中空部23に収められている。より詳細には、センサ6、回路基板7及び電池8は、それぞれ、本体2の内周面に取り付けられている。なお、センサ6、回路基板7及び電池8が、それぞれ、高い防水性能を有する場合、センサ6、回路基板7及び電池8のそれぞれは、本体2の中空部23に収められていなくてもよい。この場合、本体2の内部には、空隙が形成されていなくてもよい。また、回路基板7が本体2の中空部23に収められていない場合、本体2は、透過性を有していなくてもよい。また、センサ6、回路基板7及び電池8のそれぞれが高い防水性能を有することにより、本体2の中空部23が、密閉されていなくてもよい。すなわち、センサ6、回路基板7及び電池8のそれぞれは、本体2の外周面に取り付けられていてもよい。また、センサ6、回路基板7及び電池8のそれぞれは、本体2の内周面に接していなくてもよい。
【0019】
センサ6は、可撓性を有している。また、センサ6は、平膜状である。センサ6は、本体2の内周面の前部に取り付けられている。
図2(A)に示すように、センサ6は、圧電フィルム6a、第1電極6b及び第2電極6cを有している。
【0020】
圧電フィルム6aは、可撓性を有している。また、圧電フィルム6aは、平膜状である。
図2(B)に示すように、圧電フィルム6aは、下方向DIRDに沿ってこの順に並ぶ上主面US6a及び下主面DS6aを有している。下主面DS6aは、上主面US6aと対向している。上主面US6a及び下主面DS6aは、それぞれ、左右方向に延びる前辺及び後辺、並びに、前後方向に延びる左辺及び右辺を有する矩形状である。なお、本発明に係る圧電フィルムの形状及び配置は、圧電フィルム6aの形状及び配置に限られない。
【0021】
圧電フィルム6aは、変形により、分極し、上主面US6aと下主面DS6aとの間に電位差を発生する。すなわち、センサ6は、変形により、電気的特性が変化する。上主面US6aと下主面DS6aとの間に発生する電位差は、圧電フィルム6aの変形量に応じる。
【0022】
圧電フィルム6aは、例えば、キラル高分子から形成されるフィルムである。キラル高分子は、例えば、L型ポリ乳酸(PLLA)及びD型ポリ乳酸(PDLA)等のポリ乳酸(PLA)である。PLAは、主鎖が螺旋構造を有する。PLAは、一軸延伸されて分子が配向することにより、圧電性を有する。圧電フィルム6aは、d14の圧電定数を有している。また、PLAは、非焦電性であるため、温度が変化しても分極に変化が生じない。従って、温度が変化しても、上主面US6aと下主面DS6aとの間に発生する電位差は、変化しない。
【0023】
PLAは、少なくとも一軸延伸方向ODに延伸されている。PLAの一軸延伸方向ODは、左右方向及び前後方向のそれぞれに対して45度の角度を形成している。なお、45度は、45度±10度程度の範囲内であればよい。圧電フィルム6aは、左右方向に沿って伸張又は圧縮されることにより、上主面US6aと下主面DS6aとの間に電位差を発生する。同様に、圧電フィルム6aは、前後方向に沿って伸張又は圧縮されることにより、上主面US6aと下主面DS6aとの間に電位差を発生する。本実施形態では、上主面US6aと下主面DS6aとの間に発生する電位差の大きさは、圧電フィルム6aの変形量の微分値に比例する。なお、PLAの一軸延伸方向ODは、左右方向又は前後方向に対して0度の角度を形成していてもよい。この場合の0度は、0度±10度程度の範囲内であればよい。
【0024】
第1電極6bは、可撓性及び導電性を有している。第1電極6bの材料は、例えば、銅である。第1電極6bは、平膜状である。第1電極6bは、下主面DS6aに設けられている。本実施形態では、第1電極6bは、下主面DS6aの全体を覆っている。第1電極6bは、圧電フィルム6aが発生する電位差を電荷Qとして出力するための信号電極として機能する。電荷Qは、本発明に係る出力信号に対応する。なお、第1電極6bの形状及び配置は、本実施形態に示す形状及び配置に限られない。また、本発明に係る出力信号は、電荷Qに限らず、電圧又は電流等であってもよい。
【0025】
第2電極6cは、可撓性及び導電性を有している。第2電極6cの材料は、例えば、銅である。第2電極6cは、平膜状である。第2電極6cは、上主面US6aに設けられている。本実施形態では、第2電極6cは、上主面US6aの全体を覆っている。第2電極6cは、グランド電位に接続されることにより、基準電極及びシールド導体として機能する。本実施形態では、第2電極6cの上主面が、接着部材(図示せず)により、本体2の内周面に固定されている。なお、第1電極6bの下主面が、接着部材(図示せず)により、本体2の内周面に固定されていてもよい。また、第2電極6cの形状及び配置は、本実施形態に示す形状及び配置に限られない。
【0026】
図3に示すように、回路基板7は、チャージアンプ7a、制御回路7b、メモリ7c及びLED7dを有している。LED7dは、本発明に係る報知手段の一例である。LED7dは、点灯している状態である第1状態と、消灯している状態である第2状態と、を有している。すなわち、第2状態は、第1状態と異なっている。なお、LED7dが消灯している状態が、本発明に係る第1状態に対応し、LED7dが点灯している状態が、本発明に係る第2状態に対応してもよい。
【0027】
本実施形態では、LED7dは、3つのLEDを有している。以下、3つのLEDのそれぞれをLED7d1,LED7d2,LED7d3と称す。なお、LED7dは、1つ、2つ又は4つ以上のLEDを有していてもよい。
【0028】
チャージアンプ7aは、第1電極6bと電気的に接続されている。チャージアンプ7aは、第1電極6bが出力した電荷Qを電圧信号に変換し、当該電圧信号を増幅する。チャージアンプ7aは、増幅された電圧信号SigVを出力する。
【0029】
制御回路7bは、チャージアンプ7aと電気的に接続されている。制御回路7bは、例えば、MPU(Micro Processing Unit)である。制御回路7bには、チャージアンプ7aが出力した電圧信号SigVが入力される。制御回路7bは、電圧信号SigVに基づいて、制御信号SigC1~C3を出力し、LED7dの点灯及び消灯を制御する処理のプログラムをメモリ7cから読み出す。メモリ7cは、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有している。制御回路7bは、ROMに記憶されたプログラムをRAMに読み出す。これにより、制御回路7bは、電圧信号SigVに基づいて、制御信号SigC1~C3を出力し、LED7dの点灯及び消灯を制御する処理を行う。
【0030】
LED7dは、制御信号SigC1~C3に基づいて、点灯又は消灯する。言い換えると、制御回路7bは、センサ6が出力する電荷Qに基づいて、LED7dが点灯している状態(第1状態)とLED7dが消灯している状態(第2状態)とを切り替える。
【0031】
LED7d1,LED7d2,LED7d3は、互いに発光色が異なる複数のLEDである。本実施形態では、LED7d1は、制御信号SigC1に基づいて、青色に発光又は消灯するダイオードである。LED7d2は、制御信号SigC2に基づいて、緑色に発光又は消灯するダイオードである。LED7d3は、制御信号SigC3に基づいて、赤色に発光又は消灯するダイオードである。なお、LED7d1~62d3の発光色は、これらに限られない。
【0032】
電池8は、チャージアンプ7a、制御回路7b及びメモリ7cに電力を供給する。電池8は、例えば、リチウムイオン電池である。なお、電池8は、リチウムイオン電池に限られない。
【0033】
以下に、エギ1の使用方法の一例について、図面を参照しながら説明する。以下では、海でのイカ釣りの場面を想定するが、エギ1の使用場面は、海でのイカ釣りに限られるものではない。すなわち、本発明に係る釣り具の使用場面は、海釣りに限らず、川釣りであってもよい。また、捕獲対象がイカでなくてもよい。
図4は、エギ1の使用方法の一例を示すフローチャートである。
【0034】
メモリ7cには、あらかじめ、所定の閾値TH1,TH2,TH3,TH4,TH5及び所定の時間TI1,TI2,TI3,TFP1,TFP2,TFP3が入力されている。なお、本実施形態では、閾値TH4,TH5は、閾値TH1,TH2,TH3よりも大きい。また、時間TFP3は、時間TFP1と異なる。
【0035】
ユーザは、釣糸にエギ1を取り付ける前、又は、釣糸にエギ1を取り付けてからエギ1を海中に投げ入れるまでの間に、制御回路7bを起動する(
図4:ステップS1)。具体的には、ユーザは、本体2の上面US2をダブルタップする。ユーザが本体2に力を加えた場合、本体2の変形に伴い、圧電フィルム6aが変形する。従って、ユーザが本体2を押圧することにより、センサ6が出力する電荷Qは、変化する。センサ6が出力する電荷Qの変化に伴い、電圧信号SigVが時間TI1内に複数回、閾値TH1以上TH2以下となった場合に、制御回路7bが起動し、制御回路7bは、LED7d1を点灯させた後、LED7d1を消灯する。本体2の変形に伴い、本体2が発光することにより、ユーザは、制御回路7bが起動したことを確認できる。
【0036】
制御回路7bが起動した後、ユーザは、本体2の発光色を選択する(
図4:ステップS2)。具体的には、ユーザは、制御回路7bが起動した後に、制御回路7bの起動時と同様に、本体2の上面US2をダブルタップする。制御回路7bは、センサ6が出力する電荷Qの変化に伴い、電圧信号SigVが時間TI1内に複数回、閾値TH1以上TH2以下となった場合に、LED7d1を消灯し、LED7d2を点灯させた後、LED7d2を消灯する。これにより、本体2の発光色が青色から緑色に変化する。次に、ユーザは、本体2の上面US2をダブルタップする。制御回路7bは、センサ6が出力する電荷Qの変化に伴い、電圧信号SigVが時間TI1内に複数回、閾値TH1以上TH2以下となった場合に、LED7d2を消灯し、LED7d3を点灯させた後、LED7d2を消灯する。これにより、本体2の発光色が緑色から赤色に変化する。更に、ユーザは、本体2の上面US2をダブルタップする。制御回路7bは、センサ6が出力する電荷Qの変化に伴い、電圧信号SigVが時間TI1内に複数回、閾値TH1以上TH2以下となった場合に、LED7d3を消灯し、LED7d1を点灯させた後、LED7d1を消灯する。これにより、本体2の発光色が赤色から青色に変化し、本体2の発光色が青色に戻る。すなわち、制御回路7bは、センサ6が出力する電荷Qに基づいて、点灯するLEDを変化させる。ユーザは、状況に応じて、本体2の発光色を選択することができる。
【0037】
次に、ユーザは、釣糸にエギ1を取り付けた後に、エギ1を海中に投げ入れる。海中に投げ入れられたエギ1は、しばらく経過した後に、海底に到達(着底)する(
図4:ステップS3)。エギ1の重心が本体2の前下部に位置していることにより、本体2の前部が本体2の後部よりも先に着底する。エギ1が着底した時、本体2の前部が変形し、本体2の前部の変形に伴い、圧電フィルム6aが変形する。制御回路7bは、センサ6が出力する電荷Qの変化に伴い、電圧信号SigVが閾値TH3以上となった場合に、第1動作モードを実行する。第1動作モードでは、制御回路7bは、LED7d1を時間TFP1だけ点灯させる。本体2の時間TFP1の点灯により、エギ1が着底したこと、及び、エギ1の位置をユーザに知らせる。
【0038】
次に、ユーザは、しゃくり動作を行う(
図4:ステップS4)。具体的には、ユーザは、竿を大きく煽って、エギ1を海中で高く跳ね上げる。これにより、イカの視線をエギ1に注目させる。しゃくり動作に伴い、本体2は、大きく変形する。本体2の変形に伴い、圧電フィルム6aが大きく変形する。制御回路7bは、センサ6が出力する電荷Qの変化に伴い、電圧信号SigVが閾値TH4以上となった場合に、LED7d1を時間TFP2だけ点灯させる。本体2の時間TFP2の点灯により、イカの視線をエギ1に注目させる。
【0039】
イカがエギ1を抱きかかえ、笠針5に引っ掛かった場合、エギ1は、イカにより大きく揺さぶられる(
図4:ステップS5)。イカによる揺さぶりに伴い、本体2は、短い時間に何度も大きく変形する。制御回路7bは、センサ6が出力する電荷Qの変化に伴い、電圧信号SigVが時間TI3内に複数回、閾値TH5以上となった場合に、第2動作モードを実行する。第2動作モードでは、制御回路7bは、LED7d1を時間TFP3だけ点灯させる。すなわち、制御回路7bは、センサ6が出力する電荷Qに基づいて、LED7dの動作モードを変更する。本体2の時間TFP3の点灯により、イカがエギ1を抱いたこと、及び、エギ1の位置をユーザに知らせる。その後、ユーザは、イカを釣り上げる(
図4:ステップS6)。
【0040】
なお、ステップS2において本体2の発光色が変更された場合は、ステップS3~S5のそれぞれにおいて、変更後の発光色に対応するLEDを点灯させる。
【0041】
エギ1によれば、簡易な構成でエギ1の状態をより確実にユーザに知らせることができる。より詳細には、変形により、電気的特性が変化するセンサ6が、弾性を有する本体2に取り付けられている。エギ1の着底、しゃくり動作及びイカによるエギ1の抱きかかえにより、本体2が変形する。本体2の変形に伴い、センサ6が変形し、センサ6の電気的特性が変化する。これにより、センサ6が出力する電荷Qが、変化する。制御回路7bは、センサ6が出力する電荷Qに基づいて、LED7dが点灯している状態(第1状態)とLED7dが消灯している状態(第2状態)とを切り替える。LED7dが点灯している状態とLED7dが消灯している状態とが切り替わったことにより、ユーザは、エギ1の着底又はイカによるエギ1の抱きかかえを認識することができる。すなわち、エギ1によれば、エギ1の状態をユーザに知らせることができる。
【0042】
また、エギ1によれば、エギ1の着底時等の加速度の変化が小さい場合においても、本体2が変形し、本体2の変形に伴い、センサ6が変形し、センサ6の電気的特性が変化するため、エギ1の着底をより確実に検知し、ユーザに知らせることができる。
【0043】
また、エギ1によれば、イカによるエギ1の抱きかかえ時等、エギ1が素早く動く場合であっても、本体2が変形し、本体2の変形に伴い、センサ6が変形し、センサ6の電気的特性が変化するため、エギ1の着底をより確実に検知することができる。更に、センサ6を平膜状に形成することもでき、簡易な構成で済む。従って、エギ1によれば、簡易な構成でエギ1の状態をより確実に検知し、ユーザに知らせることができる。
【0044】
また、センサ6は、平膜状である。これにより、本体2が曲面を有していてもセンサ6を取り付けることができる。従って、エギ1によれば、本体2の形状の自由度を向上させることができる。
【0045】
また、センサ6は、圧電フィルム6aを含んでいる。圧電フィルム6aは、少なくとも一軸延伸方向ODに延伸されているポリ乳酸を有している。ポリ乳酸は、非焦電性であるため、温度が変化しても分極に変化が生じない。従って、水中のように、地上と温度が異なる環境であっても、センサ6は、変形により、地上と変わることなく、安定して、分極し、上主面US6aと下主面DS6aとの間に電位差を発生する。その結果、エギ1によれば、エギ1の状態をより確実に検知し、ユーザに知らせることができる。
【0046】
また、制御回路7bは、エギ1の着底時(電圧信号SigVが閾値TH3以上となった場合)に、LED7d1を時間TFP1だけ点灯させる第1動作モードを実行し、イカによるエギ1の抱きかかえ時(電圧信号SigVが時間TI3内に複数回、閾値TH5以上となった場合)に、LED7d1を時間TFP3だけ点灯させる第2動作モードを実行する。すなわち、制御回路7bは、センサ6が出力する電荷Qに基づいて、LED7dの動作モードを変更する。本実施形態では、第1動作モードにおけるLED7d1の点灯時間と第2動作モードにおけるLED7d1の点灯時間とが、異なる。これにより、エギ1は、エギ1の着底時に、エギ1が着底したこと、及び、エギ1の位置をユーザに知らせ、イカによるエギ1の抱きかかえ時に、ユーザにイカがエギ1を抱いたこと、及び、エギ1の位置をユーザに知らせる。従って、ユーザは、エギ1の着底と、イカによるエギ1の抱きかかえと、を区別して認識することができる。
【0047】
なお、制御回路7bは、第1動作モードにおいて、LED7d1を点滅させ、第2動作モードにおいて、LED7d1を点灯させてもよいし、第1動作モードにおいて、LED7d1を点灯させ、第2動作モードにおいて、LED7d1を点滅させてもよい。また、制御回路7bは、第1動作モード及び第2動作モードの両方において、LED7d1を点滅させてもよく、第1動作モードにおけるLED7d1の点滅時間と第2動作モードにおけるLED7d1の点滅時間とを、異なるようにしてもよい。
【0048】
なお、エギ1の着底によるセンサ6の変形は略1回のみであるが、イカの抱きかかえによるセンサ6の変形は、断続的に変化する。従って、例えば、ステップS3において電圧信号SigVが閾値TH3以上となった場合に、LED7d1を点灯させ、ステップS5において電圧信号SigVが閾値TH5以上となった場合に、LED7d1を点灯させるようにしてもよい。ステップS3においてはLED7d1が一瞬点灯し(第1動作モード)、ステップS5においてはLED7d1が点滅又は点灯し続ける(第2動作モード)。この場合においても、エギ1は、エギ1の着底と、イカによるエギ1の抱きかかえと、を区別して、ユーザに知らせることができる。
【0049】
なお、ステップS3~S5のそれぞれにおける発光色を互いに異なるようにしてもよい。例えば、ステップS3においてLED7d1を点灯させ、ステップS4においてLED7d2を点灯させ、ステップS5においてLED7d3を点灯させるようにしてもよい。この場合、エギ1の着底時には本体2が青色に発光し(第1動作モード)、しゃくり動作時には本体2が緑色に発光し、イカによるエギ1の抱きかかえ時には本体2が赤色に発光する(第2動作モード)。従って、この場合においても、エギ1は、エギ1の着底と、イカによるエギ1の抱きかかえと、を区別して、ユーザに知らせることができる。
【0050】
また、ユーザが本体2を押圧することにより、センサ6が出力する電荷Qが、変化する。これにより、センサ6をタッチセンサとして機能させることができる。従って、本体2に電源ボタン又は発光色選択ボタン等のハードスイッチを設けずに済む。従って、エギ1をより簡易な構成にすることができる。また、エギ1の耐久性を向上させることができる。
【0051】
また、報知手段がLEDであることにより、エギ1の状態(エギ1の位置、エギ1の着底の有無又はイカによるエギ1の抱きかかえ等)をより確実にユーザに知らせることができる。また、しゃくり動作時に、イカの視線をエギ1により注目させることができる。
【0052】
また、LED7dは、互いに発光色が異なるLED7d1,LED7d2,LED7d3を含んでおり、制御回路7bは、センサ6が出力する電荷Qに基づいて、点灯するLEDを変化させる。これにより、ユーザは、エギ1を交換せずとも、エギ1の発光色を変更することができる。従って、エギ1によれば、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0053】
なお、制御回路7bは、センサ6が出力する電荷Qに基づいて、必ずしも、点灯するLEDを変化させなくてもよい。制御回路7bは、センサ6が出力する電荷Qに基づいて、LED7d1,LED7d2,LED7d3の発光状態を変化させるようにしてもよい。例えば、制御回路7bは、センサ6が出力する電荷Qに基づいて、LED7d1,LED7d2,LED7d3の全てを点灯させ、LED7d1,LED7d2,LED7d3のうちの少なくともいずれかの輝度を変化させるようにしてもよい。
【0054】
また、センサ6、制御回路7b及びLED7dは、それぞれ、本体2の密閉された中空部23に収められている。従って、センサ6、制御回路7b及びLED7dが高い防水性能を有していなくてもよい。また、本体2の外観を損なわずに済む。
【0055】
なお、ステップS1においてLED7d1を消灯せずに点灯したままにしておき、ステップS3~S5のそれぞれにおいてLED7d1を消灯又は点滅させてもよい。
【0056】
[第1の変形例]
以下に、本発明の第1の変形例に係る水中ウキ1aについて、図面を参照しながら説明する。
図5は、水中ウキ1aの側面図である。なお、
図5では、センサ6、回路基板7及び電池8間の配線を省略している。また、水中ウキ1aについては、エギ1と異なる部分のみ説明し、後は省略する。
【0057】
図5に示すように、本変形例では、水中ウキ1aが本体2、センサ6、回路基板7及び電池8を備えている。水中ウキ1aは、本発明に係る釣り具の一例である。
【0058】
水中ウキ1aは、チヌ(クロダイ)釣り又はグレ(メジナ)釣り等に用いられる。水中ウキ1aは、所定の重量を有する錘である。ユーザは、釣糸9の途中部に取り付けた水中ウキ1aを海中に投げ入れる。これにより、水中ウキ1aは、所定の重量を有しているため、所定の深さまで自然に沈み、当該深さ付近を漂う。その結果、ユーザは、釣糸9の先端に取り付けた疑似餌又は生餌を所望の位置に沈めることができる。
【0059】
本体2は、釣糸通し孔2aを有する卵形状を有している。また、本体2は、上本体部24及び下本体部25を含んでいる。釣糸通し孔2aは、上方向DIRUから下方向DIRDに向かって、上本体部24及び下本体部25を貫通している。水中ウキ1aの使用時には、釣糸9を釣糸通し孔2aに通し、水中ウキ止め糸10を釣糸9に結び付けることにより、水中ウキ1aの不必要な移動を阻害する。なお、本体2は、釣糸通し孔2aを有する卵形状に限らず、例えば、釣糸通し孔2aを有する球形状、又は、釣糸通し孔2aを有する楕円体状等を有していてもよい。
【0060】
上本体部24は、弾性を有している。上本体部24は、ABS樹脂等のプラスチック材料等により形成されている。本変形例においては、上本体部24が、高い透過性を有しており、透明又は半透明である。なお、上本体部24は、無色であってもよいし、有色であってもよい。また、上本体部24は、密閉された中空部23を含んでいる。すなわち、上本体部24の内部には、釣糸通し孔2aとは異なる空隙が形成されている。本変形例においても、センサ6、回路基板7及び電池8は、それぞれ、本体2の中空部23に収められている。
【0061】
下本体部25は、鉛又は金属若しくは合金等の高比重材料により形成されている。これにより、水中ウキ1aの比重を水よりも大きくし、水中ウキ1aを海中に沈ませることができる。なお、必ずしも、下本体部25の全体が高比重材料により形成されている必要はなく、下本体部25の一部分が高比重材料により形成されていてもよい。
【0062】
以下に、水中ウキ1aの使用方法の一例について、図面を参照しながら説明する。
図6は、水中ウキ1aの使用方法の一例を示すフローチャートである。なお、
図6におけるステップS1,S2は、
図4におけるステップS1,S2と同じであるため、説明を省略する。
【0063】
ユーザは、釣糸9に水中ウキ1aを取り付けた後に、水中ウキ1aを海中に投げ入れる(
図6:ステップS31)。しばらくすると、水中ウキ1aは、所定の深さまで沈み、当該深さ付近を漂う。捕獲対象が疑似餌又は生餌をくわえると、上本体部24が変形し、上本体部24の変形に伴い、圧電フィルム6aが変形する。制御回路7bは、電圧信号SigVが閾値TH3以上となった場合に、LED7d1を点灯させる。上本体部24の点灯により、ユーザに捕獲対象が疑似餌又は生餌に食いついたことを知らせることができる。
【0064】
水中ウキ1aにおいても、簡易な構成で水中ウキ1aの状態をより確実にユーザに知らせることができる。
【0065】
[その他の実施形態]
本発明に係る釣り具は、エギ1及び水中ウキ1aに限らず、その要旨の範囲において変更可能である。また、エギ1及び水中ウキ1aの構造を任意に組み合わせてもよい。
【0066】
本発明に係る釣り具は、エギ又は水中ウキに限らず、ルアー等の疑似餌又はガン玉等と称される錘等であってもよい。
【0067】
本発明に係るセンサは、センサ6に限らず、変形により電気的特性が変化するセンサであればよい。変形により電気的特性が変化するセンサは、例えば、ひずみゲージである。ひずみゲージは、変形により電気抵抗値が変化する。すなわち、ひずみゲージは、変形により電気的特性が変化する。
【0068】
本発明に係る圧電フィルムは、キラル高分子から形成されるフィルムに限らず、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の有機材料、又は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の無機材料から形成されるフィルム等であってもよい。
【0069】
本発明に係る第1状態及び第2状態は、それぞれ、LED7dが点灯している状態又はLED7dが消灯している状態に限られない。例えば、LED7dが第1色に点灯している状態を第1状態とし、LED7dが第1色とは異なる第2色に点灯している状態を第2状態としてもよい。また、例えば、制御回路7bは、センサ6が出力する電荷Qに基づいて、PWM(Pulse Width Modulation)制御により、LED7dの輝度を変化させるようにしてもよい。この場合、第1動作モードにおけるLED7dのデューティ比と第2動作モードにおけるLED7dのデューティ比とを異なるようにしてもよい。例えば、第1動作モードにおけるLED7dのデューティ比を第2動作モードにおけるLED7dのデューティ比よりも高くすることにより、第1動作モードにおけるLED7dの輝度を第2動作モードにおけるLED7dの輝度よりも高くすることができる。一方で、第1動作モードにおけるLED7dのデューティ比を第2動作モードにおけるLED7dのデューティ比よりも低くすることにより、第1動作モードにおけるLED7dの輝度を第2動作モードにおけるLED7dの輝度よりも低くすることができる。
【0070】
本発明に係る報知手段は、例えば、ブザー等の発音手段であってもよい。光に限らず、音も空気中及び水中を伝搬する。従って、ステップS3~S5のそれぞれにおいて、ブザーを鳴らすようにしても、簡易な構成で釣り具の状態をより確実にユーザに知らせることができる。また、捕獲対象の視線を釣り具に注目させ、捕獲対象をおびき寄せることができる。
【0071】
本発明に係る報知手段が発音手段の場合、当該発音手段は、音を発している状態である第1状態と、音を発していない状態である第2状態と、を有している。制御回路7bは、センサ6が出力する電荷Qに基づいて、発音手段が音を発している状態(第1状態)と、発音手段が音を発していない状態(第2状態)とを切り替える。なお、発音手段が音を発していない状態が、本発明に係る第1状態に対応し、発音手段が音を発している状態が、本発明に係る第2状態に対応してもよい。
【0072】
本発明に係る報知手段が発音手段の場合、本発明に係る第1状態及び第2状態は、それぞれ、発音手段が音を発している状態又は発音手段が音を発していない状態に限られない。例えば、発音手段が音を発している状態を第1状態とし、発音手段が第1状態とは異なる音を発している状態を第2状態としてもよい。
【0073】
本発明に係る報知手段は、例えば、バイブレータ等の振動手段であってもよい。バイブレータは、バイブレータが振動することにより、水を振動させ、水の波動が伝搬する。従って、ステップS3~S5のそれぞれにおいて、バイブレータを振動させるようにしても、簡易な構成で釣り具の状態をより確実にユーザに知らせることができる。また、捕獲対象の視線を釣り具に注目させ、捕獲対象をおびき寄せることができる。
【0074】
本発明に係る報知手段が振動手段の場合、当該振動手段は、振動している状態である第1状態と、振動していない状態である第2状態と、を有している。制御回路7bは、センサ6が出力する電荷Qに基づいて、振動手段が振動している状態(第1状態)と振動手段が振動していない状態(第2状態)とを切り替える。なお、振動手段が振動していない状態が、本発明に係る第1状態に対応し、振動手段が振動している状態が、本発明に係る第2状態に対応してもよい。
【0075】
本発明に係る報知手段が振動手段の場合、本発明に係る第1状態及び第2状態は、それぞれ、振動手段が振動している状態又は振動手段が振動していない状態に限られない。例えば、振動手段が振動している状態を第1状態とし、振動手段が第1状態とは異なるように振動している状態を第2状態としてもよい。例えば、第2状態における振動の振幅又は振動周波数が、第1状態における振動の振幅又は振動周波数と異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1:エギ
1a:水中ウキ
2:本体
2a:釣糸通し孔
3:アイ
4:錘
5:笠針
6:センサ
6a:圧電フィルム
6b:第1電極
6c:第2電極
7:回路基板
7a:チャージアンプ
7b:制御回路
7c:メモリ
7d,7d1~7d3:LED
8:電池
9:釣糸
10:水中ウキ止め糸
21:前端部
22:後端部
23:中空部
24:上本体部
25:下本体部
51:針
DIRB:後方向
DIRD:下方向
DIRF:前方向
DIRL:左方向
DIRR:右方向
DIRU:上方向
DS6a:下主面
Q:電荷
SigC1~SigC3:制御信号
SigV:電圧信号
TH1~TH5:閾値
US2:上面
US6a:上主面