(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001394
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241225BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100941
(22)【出願日】2023-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 由香里
(72)【発明者】
【氏名】萩野 誠一
(72)【発明者】
【氏名】須藤 岳
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 翔
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】コンテンツの制作者に対して適切な報酬設定を行うこと。
【解決手段】本発明に係る情報処理装置は、プロンプトに対する回答を生成する生成モデルを用いて複数のコンテンツから集合コンテンツを生成する生成部と、生成部によって生成された集合コンテンツをユーザへ提供する提供部と、提供部によって提供された集合コンテンツの内容と、コンテンツとの関連性を推定する推定部と、推定部によって推定された関連性に応じて、集合コンテンツの参照元となるコンテンツに対する報酬を設定する設定部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロンプトに対する回答を生成する生成モデルを用いて複数のコンテンツから集合コンテンツを生成する生成部と、
前記生成部によって生成された前記集合コンテンツをユーザへ提供する提供部と、
前記提供部によって提供された前記集合コンテンツの内容と、前記コンテンツとの関連性を推定する推定部と、
前記推定部によって推定された前記関連性に応じて、前記集合コンテンツの参照元となる前記コンテンツに対する報酬を設定する設定部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記推定部は、
前記参照元となる前記コンテンツの前記集合コンテンツにおける重要度を推定し、
前記設定部は、
前記重要度に応じて前記報酬を設定すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定部は、
前記コンテンツの参照数に応じて前記報酬を設定すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提供部は、
前記ユーザに応じた前記コンテンツから生成された前記集合コンテンツを提供すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成部は、
前記ユーザから受け付けた質問と対応する前記コンテンツから生成された前記集合コンテンツを生成すること
を特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記提供部は、
複数のセクションからなる前記集合コンテンツを提供し、
前記設定部は、
セクションごとに前記報酬を設定すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提供部は、
前記セクションごとに内容に応じた広告を提供すること
を特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記生成部は、
複数の前記集合コンテンツを生成し、
前記提供部は、
前記集合コンテンツのタイトルをワードクラウドとして提供すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
プロンプトに対する回答を生成する生成モデルを用いて複数のコンテンツから集合コンテンツを生成する生成工程と、
前記生成工程によって生成された前記集合コンテンツをユーザへ提供する提供工程と、
前記提供工程によって提供された前記集合コンテンツの内容と、前記コンテンツとの関連性を推定する推定工程と、
前記推定工程によって推定された前記関連性に応じて、前記集合コンテンツの参照元となる前記コンテンツに対する報酬を設定する設定工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
プロンプトに対する回答を生成する生成モデルを用いて複数のコンテンツから集合コンテンツを生成する生成手順と、
前記生成手順によって生成された前記集合コンテンツをユーザへ提供する提供手順と、
前記提供手順によって提供された前記集合コンテンツの内容と、前記コンテンツとの関連性を推定する推定手順と、
前記推定手順によって推定された前記関連性に応じて、前記集合コンテンツの参照元となる前記コンテンツに対する報酬を設定する設定手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザ等の投稿者によって投稿されたコンテンツの閲覧数等に応じて、投稿者へ報酬が支払われる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、質問に対する回答を文章として生成する生成モデルがコンテンツを生成することについては考慮されていなかった。そのため、生成モデルが生成したコンテンツをユーザへ提供する場合に、参照元となるコンテンツの制作者に対して適切な報酬設計を行うことが求められる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コンテンツの制作者に対して適切な報酬設定を行うことができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、プロンプトに対する回答を生成する生成モデルを用いて複数のコンテンツから集合コンテンツを生成する生成部と、前記生成部によって生成された前記集合コンテンツをユーザへ提供する提供部と、前記提供部によって提供された前記集合コンテンツの内容と、前記コンテンツとの関連性を推定する推定部と、前記推定部によって推定された前記関連性に応じて、前記集合コンテンツの参照元となる前記コンテンツに対する報酬を設定する設定部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コンテンツの制作者に対して適切な報酬設定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るニュースサイトの報酬体系の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るコンテンツ記憶部に格納される情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るユーザ情報記憶部に格納される情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るニュース画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るワードクラウドの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る広告の掲載例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る広告の掲載例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0010】
[実施形態]
〔1.情報処理〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。なお、実施形態に係る情報処理は、
図1に示す情報処理装置1によって実現される。
【0011】
図1に示す情報処理装置1は、各種コンテンツを配信する情報処理装置である。情報処理装置1は、例えば、ニュースサイトを通じてニュースコンテンツを各ユーザに対して提供する。
【0012】
図1に示すユーザ端末100は、ユーザUが所有する端末装置である。例えば、ユーザUは、ユーザ端末100を操作し、ニュースサイトを通じて、情報処理装置1から配信されるニュースコンテンツを閲覧することができる。なお、
図1では、ユーザ端末100がスマートフォンである場合を例示しているが、ユーザ端末100は、PC(Personal computer)など、その他の機器であってもよい。
【0013】
図1に示す制作者端末200は、ニュースコンテンツ(ニュース記事)の制作者が所有する端末である。制作者は、個人あるいは、新聞社、テレビ等の各種メディアに所属しており、ニュース記事を制作する。
【0014】
ところで、一般的に、ニュースサイトでは、ニュース記事の閲覧数等に応じて、ニュースサイト側から制作者へ報酬が支払われる。一方で、近年では、文章を生成する生成モデル(生成系AI)が普及しつつあり、ニュースサイトにおいても、生成モデルによって生成されたニュース記事が配信されることが予想される。
【0015】
このような場合、生成モデルは、各制作者が制作したニュース記事を参照し、新たなニュース記事を生成することが想定されるが、参照元となるニュース記事の制作者への報酬設定をあわせて整備する必要がある。
【0016】
そこで、本実施形態では、生成モデルで生成したニュース記事の内容と、各制作者によって制作されたニュース記事との関連性に応じて、各制作者に対する報酬を設定することとした。
【0017】
具体的には、
図1に示すように、情報処理装置1は、まず、制作者端末200から制作者によって制作されたコンテンツ(ニュース記事)を取得する(ステップS1)。つづいて、情報処理装置1は、プロンプトに対する回答を生成する生成モデルを用いて複数のコンテンツから集合コンテンツを生成する(ステップS2)。
【0018】
例えば、情報処理装置1は、ユーザUからユーザ端末100を通じて質問を受け付けるとともに、質問に対応するニュース記事を選択したうえで、その回答を、生成モデルを用いて集合コンテンツとして生成する。
図1に示す例では、ユーザUによる質問が「○○について詳しく教えてください」であり、情報処理装置1では、生成モデルを用いてその回答を生成する。
【0019】
例えば、
図1に示すように、回答となる集合コンテンツは、質問に対応する複数の記事(コンテンツ)を参照して生成されたコンテンツである。すなわち、集合コンテンツは、複数のニュース記事をユーザUによる質問に応じて要約したコンテンツであるとも言える。
【0020】
情報処理装置1は、生成した集合コンテンツをユーザUに対して提供し(ステップS3)、その後、集合コンテンツと、各記事(コンテンツ)との関連性に応じて、各記事に対する報酬を設定する(ステップS4)。例えば、
図1に示すように、情報処理装置1は、集合コンテンツにおける各記事の参照回数に応じて報酬を設定する。
【0021】
より具体的には、情報処理装置1は、複数のセクション(
図1では、P1~P3)からなる集合コンテンツを生成する。そして、情報処理装置1は、セクションごとに各記事が参照された場合を「1」としてセクションそれぞれの参照回数の総和を参照回数としてカウントする。そして、情報処理装置1は、参照回数×単価(ここでは1単価当たり100円)を各記事の報酬として設定する。なお、情報処理装置1は、トピックごとに集合コンテンツを各セクションに分割するようにしてもよい。
【0022】
また、例えば、
図1のセクションP3のように参照元となる記事が一つである場合など、所定の条件を満たす場合には、単価を引き上げて報酬を設定する。例えば、このような場合に、情報処理装置1は、集合コンテンツを生成する際の各記事の重要度に応じて単価を変動させる。これにより、各記事の重要度に応じて適切に報酬を設定することができる。なお、所定の条件は、重要度に限定されず、任意の条件を設定するようにしてもよい。
【0023】
このように、実施形態に係る情報処理装置1は、生成モデルで集合コンテンツを生成する際に、集合コンテンツと各記事との関連性に応じて各記事に対する報酬を設定する。したがって、実施形態に係る情報処理装置1は、適切な報酬設定を行うことができる。
【0024】
次に、
図2を用いて、生成モデルを活用したニュースサイトのビジネスモデルについて説明する。
図2は、実施形態に係るニュースサイトの報酬体系の一例を示す図である。
図2に示すように、媒体社(制作者)は、記事を作成したうえで、ニュースサイトのプラットフォーマへ記事を送信する(ステップS11)。
【0025】
プラットフォーマは、広告主に対してニュース記事の広告枠を提供する(ステップS12)。すなわち、プラットフォーマは、広告主に対して、各ニュース記事に広告を掲載する権利を販売する。
【0026】
つづいて、広告主は、プラットフォーマに対してニュース記事に掲載する広告を送信する(ステップS13)。なお、ステップS12およびステップS13については、プラットフォーマ側で自動的に処理するようにしてもよい。
【0027】
その後、プラットフォーマは、記事を公開し(ステップS14)、ユーザによるアクセス等に応じて、ユーザに対して集合コンテンツを提供する(ステップS15)。ユーザは、集合コンテンツを閲覧すると(ステップS16)、集合コンテンツと記事との関連性に応じて、プラットフォーマから媒体社へ報酬が支払われる(ステップS17)。
【0028】
このように、実施形態に係るシステムでは、広告主に対して広告枠、あるいは、広告の掲載権を販売することにより、広告料を原資として、媒体社へ報酬を支払うことができる。
【0029】
〔2.情報処理装置〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る情報処理装置1の構成例について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置1は、通信部2と、記憶部3と、制御部4とを備える。なお、情報処理装置1は、情報処理装置1を利用する管理者などから各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウスなど)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイなど)を有してもよい。
【0030】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部2は、4G(4th Generation)または5G(5th Generation)などの通信ネットワークと有線または無線で接続され、通信ネットワークを介して、ユーザ端末100、制作者端末200などの各々との間で情報の送受信を行う。
【0031】
記憶部3は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部3は、コンテンツ記憶部31、ユーザ情報記憶部32およびモデル記憶部33を有する。
【0032】
コンテンツ記憶部31は、コンテンツに関する各種情報を記憶する。コンテンツは、ニュースサイトで配信されるニュース記事である。
図4は、実施形態に係るコンテンツ記憶部31に格納される情報の一例を示す図である。
【0033】
図4に示すように、コンテンツ記憶部31は、「コンテンツID」、「制作者」、「コンテンツ」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。「コンテンツID」は、各コンテンツ(ニュース記事)を識別するための識別子である。
【0034】
「制作者」は、対応するコンテンツIDによって識別されるコンテンツの制作者である。なお、制作者は、個人であっても、制作者が所属する企業(新聞社等)であってもよい。
【0035】
「コンテンツ」は、対応するコンテンツIDによって識別されるコンテンツに関するデータである。例えば、コンテンツは、タイトル、サムネイル画像、コンテンツ本体(ニュース記事)を含む。また、コンテンツは、閲覧回数、いいねの数、コンテンツに対する専門家やユーザによるコメント等を含むようにしてもよい。
【0036】
図3の説明に戻り、ユーザ情報記憶部32について説明する。ユーザ情報記憶部32は、ユーザに関する各種情報を記憶する。
図5は、実施形態に係るユーザ情報記憶部32に格納される情報の一例を示す図である。
【0037】
図5に示すように、ユーザ情報記憶部32は、「ユーザID」、「登録情報」、「閲覧履歴」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。「ユーザID」は、各ユーザを識別するための識別子である。
【0038】
「登録情報」は、対応するユーザIDによって識別されるユーザがニュースサイトに登録している情報である。例えば、登録情報は、氏名、年齢、住所、職業等のデモグラフィック属性に関する情報や、趣味等のサイコグラフィック属性に関する情報を含む。
【0039】
「閲覧履歴」は、対応するユーザIDによって識別されるユーザのニュースサイトにおける閲覧履歴である。閲覧履歴には、閲覧したニュース記事や閲覧日時に関する情報が時系列に格納される。
【0040】
図3の説明に戻り、モデル記憶部33について説明する。モデル記憶部33は、生成モデルを記憶する。生成モデルは、ニュースサイトに掲載されるニュース記事の内容等を要約した集合コンテンツを生成する。例えば、生成モデルは、GPT(Generative Pre-trained Transformer)やBERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)などといった自然言語処理を行う言語モデルである。
【0041】
次に、制御部4について説明する。制御部4は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部4は、例えば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。
【0042】
図3に示すように、制御部4は、取得部41と、生成部42と、提供部43と、推定部44と、設定部45とを備え、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部4の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部4が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0043】
取得部41は、制作者端末200を通じて、制作者からコンテンツ(ニュース記事)を取得する。取得部41は、取得したコンテンツをコンテンツ記憶部31に登録する。また、取得部41は、例えば、広告主から広告に関する情報を取得し、記憶部3に記憶する。
【0044】
生成部42は、プロンプトに対する回答を生成する生成モデルを用いて複数のコンテンツから集合コンテンツを生成する。生成部42は、ユーザがニュースサイトにアクセスした場合に、ユーザによるニュースサイトへのアクセスタイミングで、各ニュース記事に基づいて生成する。
【0045】
例えば、生成部42は、各ユーザの興味関心に対応するテーマや注目度の高いニュース記事をコンテンツ記憶部31からピックアップし、これらを生成モデルに入力することで、集合コンテンツおよび集合コンテンツのタイトルを生成する。例えば、集合コンテンツは、各テーマに対応する複数のニュース記事を要約したコンテンツである。この際、生成部42は、ニュース記事に加え、ユーザに関する情報をあわせて生成モデルに入力する。
【0046】
ユーザに関する情報は、デモグラフィック属性およびサイコグラフィック属性を含む。すなわち、生成部42は、ユーザの興味等に応じて、各ニュース記事を要約した集合コンテンツを生成するように、生成モデルにプロンプトとして入力する。
【0047】
また、生成部42は、ユーザから質問を受け付けて、質問をプロンプトとして生成モデルに入力することで、その回答を、集合コンテンツとして生成する。また、生成部42は、集合コンテンツの生成を終えると、集合コンテンツに対するユーザの想定質問を生成する。
【0048】
例えば、生成部42は、集合コンテンツの生成を終えた生成モデルに対し、ユーザの情報を入力し、ユーザによって想定される質問を生成するように指示する。なお、想定質問は、他のユーザによる質問と、集合コンテンツとの関係性を学習した学習モデルを用いて生成するようにしてもよい。
【0049】
提供部43は、生成部42によって生成された集合コンテンツをユーザへ提供する。例えば、生成部42は、集合コンテンツを含むニュース画面に関する情報を生成し、ユーザ端末100に対して提供する。
【0050】
図6は、実施形態に係るニュース画面の一例を示す図である。例えば、ユーザがニュースサイトへアクセスすると、ニュース画面が表示される。
図6に示すように、ニュース画面は、ニュース欄A1、質問タブ欄A2および質問入力欄A3を含む。
【0051】
ニュース欄A1には、各ニュース記事のタイトルおよび要約が掲載される。ユーザは、気になるニュースを選択することで、対応するニュース記事を閲覧することができる。質問タブ欄A2は、ニュース欄A1に表示されるニュースに関して予め想定される質問のタブ等が表示される。
【0052】
例えば、ニュース画面では、質問タブを通じてユーザから質問を受け付けることができる。また、質問入力欄A3は、ユーザが質問をテキストで入力する欄である。ユーザが質問をテキスト、あるいは、音声で質問入力欄A3に入力することで、ニュース画面では、ユーザから質問を受け付けることができる。
【0053】
生成部42は、ニュース画面を通じてユーザから受け付けた質問をプロンプトとして、さらに、集合コンテンツを生成することになる。例えば、この場合、提供部43は、ユーザによる質問に対してチャット形式で集合コンテンツを提供し、さらに、質問タブ欄A2に想定質問を表示する。
【0054】
つまり、想定質問を表示することによって、ユーザによる質問を促すことができるので、ユーザがコンテンツをより深く理解するためのファシリテーターとして機能することができる。
【0055】
また、提供部43が提供するニュース画面は、
図6の例に限定されず、ニュース記事のタイトルをワードクラウドとして表示した画面であってもよい。
図7は、実施形態に係るワードクラウドの一例を示す図である。
【0056】
図7に示すように、ワードクラウドには、各ニュース記事のタイトルがそれぞれの表態様で表示される。また、タイトルの右上には、それぞれ対応するニュース記事の媒体社名が表示される。
【0057】
例えば、この場合、提供部43は、ユーザの興味関心や各ニュース記事の注目度(例えば、PV数等)に応じて、ユーザへ提供するニュース記事をピックアップし、そのタイトルをワードクラウドとしてユーザへ提供する。
【0058】
例えば、この場合、ニュースサイトでは、後述するように、ワードクラウドの表示態様を媒体社へ販売することで媒体社からニュース記事の掲載料を受け取ることができる。具体的には、ワードクラウド上において、タイトルの大きさや色、位置に応じて異なる掲載料が変動する。例えば、ワードクラウド上で、タイトルが大きく、目立つ色であるほど、高い掲載料となる。
【0059】
このように、ニュースサイトでは、ニュース記事の掲載料を徴収することで、例えば、掲載料を収益源とした健全な運営を行うことができる。なお、ここでは、ニュース記事のタイトルをワードクラウド上に表示する場合について説明したが、集合コンテンツのタイトルをワードクラウド上に表示するようにしてもよい。例えば、
図6のニュース欄A1に表示される集合コンテンツのタイトルを、ワードクラウドで表示するようにしてもよい。
【0060】
また、提供部43は、ユーザに対して、生成部42によって生成された集合コンテンツを提供する。提供部43は、集合コンテンツの提供に際して広告を選択する。
【0061】
例えば、提供部43は、ユーザの質問に含まれるクエリに対応する広告、あるいは、集合コンテンツに含まれるクエリに対応する広告を、集合コンテンツとともに提供する広告として選択する。
【0062】
この際、提供部43は、クエリに加えて、提供先となるユーザの属性を考慮して、広告として選択する。ユーザの属性は、デモグラフィック属性やサイコグラフィック属性を含む。
【0063】
また、提供部43は、広告を選択するにあたり、集合コンテンツの元記事に基づいて排他制御を実行する。より詳しくは、提供部43は、例えば、元記事が交通事故である場合、車に関する広告やアルコール飲料に関する広告を選択対象から除外して広告を選択する。
【0064】
例えば、提供部43は、集合コンテンツのセクションごとに1つの広告を選択する。この場合、提供部43は、セクションごとの内容に応じた広告を選択する。
【0065】
例えば、あるスポーツ選手に関する集合コンテンツにおいて、競技に関するセクションではスポーツ用品やプロテインに関する広告を選択し、食事等に関するセクションでは、プロテインなどの食事に関する広告を提供するようにしてもよい。
【0066】
ここで、
図8および
図9を用いて、集合コンテンツにおける広告の掲載例について説明する。
図8および
図9は、実施形態に係る広告の掲載例を示す図である。
図8に示すように、集合コンテンツの各セクションP1~P3それぞれに対応する広告AD1~AD3が選択されたとする。
【0067】
この場合、広告枠Acの表示位置を固定した状態で、画面のスクロールに応じて、広告枠Acに表示する広告を切り替える。すなわち、ユーザにセクションP1が読まれている場合には、セクションP1の内容に応じた広告AD1が表示され、ユーザにセクションP2が読まれている場合には、セクションP2の内容に応じた広告AD2が表示される。
【0068】
つまり、この場合、各セクションの内容に応じて、広告枠Acに表示される広告が動的に切り替わるので、各広告の訴求性を高めることができる。なお、例えば、
図8において、ユーザが広告枠Acに表示された広告AD2に興味を持ったとする。この場合、提供部43は、ユーザによる操作に基づき、広告AD2を広告枠Acにピン止め(固定表示)する機能や、ドラッグやフリックによる操作にによって広告AD2を画面上に保持する機能、あるいは、ユーザが後から広告AD2を見返せるように広告AD2をストレージ領域にストックするような機能をあわせて提供するようにしてもよい。
【0069】
また、
図9に示すように、集合コンテンツの任意のセクションに広告枠Acを設けるようにしてもよい。例えば、この場合、提供部43は、選択した広告を含む集合コンテンツの生成を生成部42へ依頼することにしてもよい。例えば、この場合、生成部42は、集合コンテンツおよび広告対象を含むプロンプトを生成モデルへ入力し、広告対象を含む集合コンテンツを生成する。
【0070】
例えば、
図9に示すように、セクションP1およびセクションP2が集合コンテンツであり、セクションP2に続く領域が広告枠Acとなり、広告対象に関する記事(テキスト)が掲載される。なお、
図9において広告枠Acに掲載する広告は、テキストに限定されず、広告画像であってもよい。
【0071】
このように、提供部43は、集合コンテンツに応じた広告を含む集合コンテンツを提供することにより、ニュースサイトの運営側は広告主から広告料を徴収することができる。なお、提供部43は、例えば、検索サイトへ誘導する集合コンテンツを提供するようにしてもよい。
【0072】
この場合、提供部43は、集合コンテンツに含まれるクエリを表示した集合コンテンツを提供する。例えば、この場合、ユーザがクエリを選択すると、検索サイトを通じて、クエリに対応するサイトが表示される。この場合、例えば、検索サイトでは、いわゆるリスティング広告等を表示することにより収益を得ることができる。
【0073】
また、提供部43は、各参照元へのハイパーリンクを含む集合コンテンツを提供し、例えば、参照元が有料記事である場合に、当該有料記事へユーザを誘導するようにしてもよい。例えば、この場合、有料記事の売上の一部が、ニュースサイト側へ支払われるようにしてもよい。
【0074】
推定部44は、提供部43によって提供された集合コンテンツの内容と、コンテンツとの関連性を推定する。推定部44は、集合コンテンツの内容と、参照元となる各ニュース記事との関連性を推定する。
【0075】
具体的には、推定部44は、集合コンテンツを各セクションに分割し、セクションごとに関連性があるニュース記事を推定する。例えば、ここでの関連性とは、参照元となったか否かである。
【0076】
この際、推定部44は、各ニュース記事の重要度を推定するようにしてもよい。例えば、ここでの重要度は、集合コンテンツを生成するうえで、各ニュース記事の代替が可能であったか否かに関する指標である。
【0077】
例えば、推定部44は、他のニュース記事で代替可能である場合、すなわち、類似する内容のニュース記事が多い場合に、重要度が低いと推定し、類似する内容のニュース記事少ない場合、重要度が高いと判定する。
【0078】
設定部45は、推定部44によって推定された関連性に応じて、集合コンテンツの参照元となるコンテンツに対する報酬を設定する。具体的には、集合コンテンツでは、セクションごとに予め料金が設定されており、かかる料金を各セクションの参照元となるコンテンツに振り分ける。
【0079】
すなわち、この場合、設定部45は、1つのセクションにおいて参照元が少ないほど、高い報酬を設定する。なお、かかる料金は、ユーザの属性等に応じて動的に変更するようにしてもよい。
【0080】
また、設定部45は、各ニュース記事の集合コンテンツへの参照数に応じて報酬を設定する。すなわち、設定部45は、ユーザの質問に対して、より多くの回答に寄与したニュース記事ほど報酬を高く設定する。この場合、設定部45は、集合コンテンツへの参照回数が多いほど、高い報酬を設定することになる。なお、ユーザの質問は、想定質問であってもよく、ユーザが入力した質問であってもよい。
【0081】
設定部45が報酬を設定すると、ニュースサイトの運営者から各媒体社へ報酬の支払いが行われる。
【0082】
また、設定部45は、各ニュース記事のニュースサイトへの掲載料を設定する。例えば、設定部45は、
図7に示したワードクラウドにおいて、文字の大きさや、色、配置に応じて掲載料を設定する。例えば、設定部45は、ワードクラウドにおいて、文字が大きく、目立つ色ほど、高い掲載料を設定する。
【0083】
そして、この場合、各ニュース記事への報酬と掲載料を相殺したうえで、相殺後の報酬がニュースサイトの運営者から各媒体社へ支払われる。
【0084】
〔3.処理フロー〕
次に、
図10を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理手順について説明する。
図10は、実施形態に係る設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0085】
図10に示すように、情報処理装置1は、媒体社(制作者)からコンテンツ(ニュース記事)を取得する(ステップS101)。つづいて、情報処理装置1は、集合コンテンツを生成する(ステップS102)。なお、情報処理装置1は、ユーザによるニュースサイトのアクセス時に集合コンテンツを生成するようにしてもよく、ユーザからの質問を受け付けたうえで集合コンテンツを生成するようにしてもよい。
【0086】
つづいて、情報処理装置1は、生成した集合コンテンツをユーザへ提供する(ステップS103)。つづいて、情報処理装置1は、集合コンテンツと各コンテンツの関連性を推定する(ステップS104)。
【0087】
そして、情報処理装置1は、推定した関連性に応じて報酬を設定し(ステップS105)、処理を終了する。
【0088】
〔4.変形例〕
上述した実施形態では、コンテンツがニュース記事である場合について説明したが、これに限定されるものではない。コンテンツは、動画や音声を含んでいてもよい。また、上述した実施形態では、ニュースサイトで集合コンテンツを配信する場合について説明したが、これに限定されるものではない。各種SNSや動画サイト等を通じて集合コンテンツを配信するようにしてもよい。
【0089】
〔5.効果〕
実施形態に係る情報処理装置1は、プロンプトに対する回答を生成する生成モデルを用いて複数のコンテンツから集合コンテンツを生成する生成部42と、生成部42によって生成された集合コンテンツをユーザへ提供する提供部43と、提供部43によって提供された集合コンテンツの内容と、コンテンツとの関連性を推定する推定部44と、推定部44によって推定された関連性に応じて、集合コンテンツの参照元となるコンテンツに対する報酬を設定する設定部45とを備える。
【0090】
また、推定部44は、参照元となるコンテンツの集合コンテンツにおける重要度を推定し、設定部45は、重要度に応じて報酬を設定する。また、設定部45は、コンテンツの参照回数に応じて報酬を設定する。
【0091】
また、提供部43は、ユーザに応じたコンテンツから生成された集合コンテンツを提供する。また、生成部42は、ユーザから受け付けた質問と対応するコンテンツから生成された集合コンテンツを生成する。
【0092】
また、提供部43は、複数のセクションからなる集合コンテンツを提供し、設定部45は、セクションごとに報酬を設定する。また、提供部43は、セクションごとに内容に応じた広告を提供する。また、生成部42は、複数の集合コンテンツを生成し、提供部43は、集合コンテンツのタイトルをワードクラウドとして提供する。
【0093】
上述した各処理のいずれかもしくは組合せにより、本願に係る情報処理装置は、コンテンツの制作者に対して適切な報酬設定を行うことができる。
【0094】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば
図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図11は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0095】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0096】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワーク(通信ネットワーク)Nを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0097】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置(
図11では、出力装置および入力装置を総称して「入出力装置」と記載する)を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0098】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0099】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部4の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0100】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0101】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0102】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0103】
例えば、上述した情報処理装置は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0104】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0105】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0106】
1 情報処理装置
2 通信部
3 記憶部
4 制御部
31 コンテンツ記憶部
32 ユーザ情報記憶部
33 モデル記憶部
41 取得部
42 生成部
43 提供部
44 推定部
45 設定部
100 ユーザ端末
200 制作者端末
U ユーザ