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特開2025-13963特定のVMAT2阻害剤を投与するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013963
(43)【公開日】2025-01-28
(54)【発明の名称】特定のVMAT2阻害剤を投与するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20250121BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20250121BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20250121BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20250121BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20250121BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20250121BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20250121BHJP
   A61K 31/4738 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P25/14
A61P25/16
A61P25/18
A61P43/00 111
A61P43/00 121
A61K9/20
A61K9/48
A61K31/4738
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024187589
(22)【出願日】2024-10-24
(62)【分割の表示】P 2021565932の分割
【原出願日】2020-05-08
(31)【優先権主張番号】62/845,599
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】398005054
【氏名又は名称】ニューロクライン バイオサイエンシーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ダオ トゥエット タイ-クアルト
(72)【発明者】
【氏名】バルバラ ショルツ
(72)【発明者】
【氏名】グレース エス. リャン
(72)【発明者】
【氏名】エイリー ダブリュー. ロバーツ
(57)【要約】
【課題】特定のVMAT2阻害剤を投与するための方法の提供。
【解決手段】それを必要とする患者に小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を投与する方法であって、患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する、方法が提供される。ドーパミン作動系の調節不全は、神経学的および精神医学的疾患および障害を含む複数の中枢神経系(CNS)障害に重要である。これらの神経学的および精神医学的疾患および障害として、運動過剰障害ならびに統合失調症および気分障害などの状態が挙げられる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ドーパミン作動系の調節不全は、神経学的および精神医学的疾患および障害を含む複数の中枢神経系(CNS)障害に重要である。これらの神経学的および精神医学的疾患および障害として、運動過剰障害ならびに統合失調症および気分障害などの状態が挙げられる。輸送体タンパク質小胞モノアミン輸送体-2(VMAT2)は、シナプス前ドーパミン放出において重要な役割を果たし、細胞質からの貯蔵および放出のためのシナプス小胞へのモノアミンの取り込みを調節する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
この分野でなされた進歩にもかかわらず、神経学的および精神医学的疾患および障害、ならびに本明細書に記載される他の関連疾患または状態の処置に有用な新規の治療製品に対する必要性が残っている。1つのそのような薬剤は、以下の化学構造:
【化1】
を有するバルベナジンである。
【0003】
VMAT2阻害剤、バルベナジン:4-トルエンスルホネート(1:2)(本明細書で「バルベナジンジトシレート」または「バルベナジンのジトシル酸塩」と称する)の製剤は、FDAが承認したINGREZZA(登録商標)(以下INGREZZAと称する)の薬物ラベルで以前に報告されている。INGREZZAは、遅発性ジスキネジア(TD)を有する成人の処置のために、2017年4月11日に米国で承認された。
【0004】
バルベナジンなどのVMAT2阻害剤またはその薬学的に許容される塩および/もしくは同位体改変体を、パーキンソニズムなどの有害事象を低減させてそれを必要とする患者に投与する方法に対する、重大な満たされていない必要性が存在する。本開示は、以下の開示を参照して明らかなように、これらおよび他の必要性を満たす。
【0005】
それを必要とする患者に小胞モノアミン輸送体(transport)2(VMAT2)阻害剤
を投与する方法であって、
治療有効量のVMAT2阻害剤を患者に投与するステップ、
1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状について患者をモニタリングするステップ、および
患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する場合、低減された量のVMAT2阻害剤を患者に投与するステップ
を含み、
VMAT2阻害剤がテトラベナジンまたはデューテトラベナジン(deutrabenazine)である場合、VMAT2阻害剤がハンチントン病以外の疾患または障害を処置するために投与されている、方法が提供される。
【0006】
また、それを必要とする患者に小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を投与する方法であって、患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しており、方法が、低減された量のVMAT2阻害剤を患者に投与するステップを含み、投与されるVMAT2の低減された量が、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験していない患者に投与される治療有効量未満であり、VMAT2阻害剤がテトラベナジンまたはデューテトラベナジンである場合、VMAT2阻害剤がハンチントン病以外の疾患または障害を処置するために投与されている、方法が提供される。
【0007】
一部の実施形態では、方法は、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候および症状を忍容する患者の能力に基づき、VMAT2阻害剤の投与を中止するステップをさらに含む。
【0008】
また、それを必要とする患者に小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を投与する方法であって、
治療有効量のVMAT2阻害剤を患者に投与するステップ、
1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状について患者をモニタリングするステップ、および
患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する場合、患者へのVMAT2阻害剤の投与を中止するステップ
を含み、
VMAT2阻害剤がテトラベナジンまたはデューテトラベナジンである場合、VMAT2阻害剤がハンチントン病以外の疾患または障害を処置するために投与されている、方法が提供される。
【0009】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジンまたはその薬学的に許容される塩および/もしくは同位体改変体から選択される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジンまたはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジントシル酸塩である。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジントシル酸塩である。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジンのジトシル酸塩である。一部のさらなる実施形態では、バルベナジンのジトシル酸塩は、実質的に結晶性である。
【0010】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、L-バリン,(2R,3R,11bR)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジ(メトキシ-d3)-3-(2-メチルプロピル)-2H-ベンゾ[a]キノリジン-2-イルエステルまたはその薬学的に許容される塩である同位体改変体である。
【0011】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、テトラベナジン(9,10-ジメトキシ-3-イソブチル-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オン)またはその薬学的に許容される塩および/もしくは同位体改変体である。一部の実施形態では、テトラベナジンは、テトラベナジンのRR、SS、RSおよびSR異性体ならびにそれらの混合物から選択される。一部の実施形態では、テトラベナジンは、RRおよびSS異性体の混合物である。
【0012】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤はデューテトラベナジンである。
【0013】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、ジヒドロテトラベナジン(2-ヒドロキシ-3-(2-メチルプロピル)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジメトキシ-ベンゾ(a)キノリジン)またはその薬学的に許容される塩および/もしくは同位体改変体から選択される。一部の実施形態では、ジヒドロテトラベナジンは、ジヒドロテトラベナジンのRRR、SSS、SSRR、RSS、SSR、RRS、RSRおよびSRS異性体ならびにそれらの混合物から選択される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、RRR異性体((+)-α-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール)またはその薬学的に許容される塩および/もしくは同位体改変体である。
【0014】
また、遅発性ジスキネジアなどの運動過剰障害を有する患者を処置する方法であって、
バルベナジンおよびその薬学的に許容される塩から選択される治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を、最大2週間の期間にわたって患者に経口投与するステップ、ならびに
患者が最大2週間の期間中に1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない場合、治療有効用量のVMAT2阻害剤の投与を継続するか、または増加した用量のVMAT2阻害剤の投与を開始するステップ
を含む、方法が提供される。
【0015】
また、遅発性ジスキネジアなどの運動過剰障害を有する患者を処置する方法であって、
バルベナジンおよびその薬学的に許容される塩から選択される治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を、最大2週間の期間にわたって患者に経口投与するステップ、ならびに
患者が最大2週間の期間中に1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する場合、治療有効用量のVMAT2阻害剤の投与を中止するか、または低減した用量のVMAT2阻害剤の投与を開始するステップ
を含む、方法が提供される。
【0016】
一部の実施形態では、方法は、患者が、患者に投与されるVMAT2阻害剤の用量の開始または増加後の最初の2週間以内に1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験していない場合、VMAT2阻害剤による継続した処置のために患者を選択するステップをさらに含む。
【0017】
本発明のこれらおよび他の態様は、以下の詳細な説明を参照することで明らかになる。この目的のために、ある特定の背景情報、手順、化合物および/または組成物をより詳細に記載する種々の参考文献が本明細書に記載され、それぞれそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明では、種々の実施形態の完全な理解をもたらすために、ある特定の具体的な詳細が記載される。しかし、当業者であれば、本発明はこれらの詳細を伴わずに実施されてもよいことを理解する。他の場合では、実施形態の不必要に不明瞭な説明を回避するために、周知の構造は示されもせず、詳述もされない。文脈が別段要求しない限り、本明細書およびそれに続く特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」という語ならびに「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などのその変形は、非制限的かつ包括的な意味、すなわち「含むがこれらに限定されない」と解釈されるべきである。さらに、本明細書に提供される見出しは、簡便性のみを目的とし、特許請求される発明の範囲または意味を説明するものではない。
【0019】
本明細書全体における「一実施形態」または「実施形態」または「一部の実施形態」または「ある特定の実施形態」に対する言及は、実施形態に関連して記載される特定の特色、構造または特徴が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通した様々な箇所での「一実施形態では」または「実施形態では」または「一部の実施形態では」または「ある特定の実施形態では」という語句の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特色、構造または特徴は、1つまたは複数の実施形態で任意の好適な様態で組み合わされてもよい。
【0020】
また、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が別段明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【0021】
本明細書で使用される場合、「バルベナジン」または「バルベナジン遊離塩基」は、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,l-a]イソキノリン-2-イルエステル;またはL-バリン,(2R,3R,11bR)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジメトキシ-3-(2-メチルプロピル)-2H-ベンゾ[a]キノリジン-2-イルエステル、または以下の構造:
【化2】
を有するNBI-98854と称されてもよい。INGREZZAは、化学名L-バリン,(2R,3R,11bR)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジメトキシ-3-(2-メチルプロピル)-2H-ベンゾ[a]キノリジン-2-イルエステル,4-メチルベンゼンスルホネート(1:2)を有する、バルベナジンジトシル酸塩として存在するバルベナジンを含有する。バルベナジンジトシレートは、わずかに水溶性である。その分子式はC38H54N2O10S2であり、その分子量は762.97/mol(ジトシル酸塩)であり、以下の構造:
【化3】
を有する。
【0022】
バルベナジンジトシレートは、非晶質形態および結晶形態I~VIとして存在してもよい。バルベナジン(valbenzine)ジトシレートの非晶質形態および結晶形態I~VIの合成および特徴付けは、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,065,952号に記載されている。
【0023】
本明細書で使用される場合、「テトラベナジン」は、1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,1 O-ジメトキシ-3-(2-メチルプロピル)-2H-ベンゾ(a)キノリジン-2-オンと称されてもよい。化合物は、3および11b炭素原子にキラル中心を有し、したがって理論的には、以下に示される合計4個の異性体形態:
【化4】
で存在しうる。市販のテトラベナジンは、RRおよびSS異性体のラセミ混合物である。例えば、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるXENAZINE(テトラベナジン)のUS Prescribing Information, September 13, 2017を参照さ
れたい。
【0024】
本明細書で使用される場合、「デューテトラベナジン」は、(RR,SS)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジ(メトキシd3)-3-(2-メチルプロピル)-2H-べンゾ[a]キノリジン-2-オンと称されてもよい。デューテトラベナジンは、以下の化合物:
【化5】
を含有するラセミ混合物である。例えば、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるAUSTEDO(デューテトラベナジン)のUS Prescribing Information, June 6, 2018を参照されたい。
【0025】
本明細書で使用される場合、「ジヒドロテトラベナジン」は、2-ヒドロキシ-3-(2-メチルプロピル)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジメトキシ-ベンゾ(a)キノリジンと称されてもよい。化合物は3個のキラル中心を有し、したがって理論的には、以下に示される合計8個の異性体形態:
【化6】
で存在しうる。8つの異性体の合成および特徴付けは、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるSun et al. (2011) Eur. J. Med. Chem. 1841-1848によって記載される。
【0026】
本明細書で使用される場合、「同位体改変体」は、そのような化合物を構成する原子の1個または複数で同位体の非天然の割合を含有する化合物を意味する。ある特定の実施形態では、化合物の「同位体改変体」は、これらに限定されないが、水素(H)、重水素(H)、トリチウム(H)、炭素-11(11C)、炭素-12(12C)、炭素-13(13C)、炭素-14(14C)、窒素-13(13N)、窒素-14(14N)、窒素-15(15N)、酸素-14(14O)、酸素-15(15O)、酸素-16(16O)、酸素-17(17O)、酸素-18(18O)、フッ素-17(17F)、フッ素-18(18F)、リン-31(31P)、リン-32(32P)、リン-33(33P)、硫黄-32(32S)、硫黄-33(33S)、硫黄-34(34S)、硫黄-35(35S)、硫黄-36(36S)、塩素-35(35Cl)、塩素-36(36Cl)、塩素-37(37Cl)、臭素-79(79Br)、臭素-81(81Br)、ヨウ素-123(123I)、ヨウ素-125(125I)、ヨウ素-127(127I)、ヨウ素-129(129I)、およびヨウ素-131(131I)を含む1つまたは複数の同位体の非天然の割合を含有する。ある特定の実施形態では、化合物の「同位体改変体」は、安定形態、すなわち非放射性である。ある特定の実施形態では、化合物の「同位体改変体」は、これらに限定されないが、水素(H)、重水素(H)、炭素-12(12C)、炭素-13(13C)、窒素-14(14N)、窒素-15(15N)、酸素-16(16O)、酸素-17(17O)、および酸素-18(18O)を含む1つまたは複数の同位体の非天然の割合を含有する。ある特定の実施形態では、化合物の「同位体改変体」は、不安定な形態、すなわち放射性である。ある特定の実施形態では、化合物の「同位体改変体」は、これらに限定されないが、トリチウム(H)、炭素-11(11C)、炭素-14(14C)、窒素-13(13N)、酸素-14(14O)、および酸素-15(15O)を含む1つまたは複数の同位体の非天然の割合を含有する。本明細書に提供される化合物では、当業者の判断によって実行可能である場合、任意の水素は例としてHであってもよく、または任意の炭素は例として13Cであってもよく、または任意の窒素は例として15Nであってもよく、任意の酸素は例として18Oであってもよいことが理解される。ある特定の実施形態では、化合物の「同位体改変体」は、重水素の非天然の割合を含有する。
【0027】
本明細書に提供される化合物に関して、特定の原子位置が重水素または「D」または「d」を有すると表記される場合、その位置における重水素の存在量は、約0.015%である重水素の天然の存在量より実質的に大きいことが理解される。ある特定の実施形態では、重水素を有すると表記される位置は、典型的に、各表記される重水素の位置に、少なくとも1000(15%重水素取り込み)、少なくとも2000(30%重水素取り込み)、少なくとも3000(45%重水素取り込み)、少なくとも3500(52.5%重水素取り込み)、少なくとも4000(60%重水素取り込み)、少なくとも4500(67.5%重水素取り込み)、少なくとも5000(75%重水素取り込み)、少なくとも5500(82.5%重水素取り込み)、少なくとも6000(90%重水素取り込み)、少なくとも6333.3(95%重水素取り込み)、少なくとも6466.7(97%重水素取り込み)、少なくとも6600(99%重水素取り込み)、または少なくとも6633.3(99.5%重水素取り込み)の最小同位体濃縮係数を有する。本明細書に提供される化合物の同位体濃縮は、質量分析、核磁気共鳴分光法および結晶学を含む、当業者に公知の従来の分析方法を使用して決定されてもよい。
【0028】
本明細書で使用される場合、「約」は、述べられた値の±20%を意味し、より詳細には述べられた値の±10%、±5%、±2%および±1%の値を含む。
【0029】
本明細書で使用される場合、「同時投与する」および「同時投与」およびその変化形は、患者に対する少なくとも2種の薬物の、続く、同時の、または結果として互いに時間的に近接した(例えば、同じ日もしくは週もしくは30日の期間以内、または少なくとも2種の薬物のそれぞれが血漿中で同時に検出できるのに十分に近接した)投与を意味する。同時投与される場合、2種またはそれよりも多くの活性剤は、同じ組成物の一部として同時に製剤化されてもよく、または別個の製剤として投与されてもよい。これは、本明細書で「併用」投与またはその変化形と称される場合もある。
【0030】
本明細書で使用される場合、「投与を調整すること」、「投与を変更すること」、「投薬を調整すること」または「投薬を変更すること」は、すべて等価であり、物質の用量を漸減する、低減するもしくは増加させること、患者への物質の投与を止めること、または物質を異なる活性剤で置換することを意味する。
【0031】
本明細書で使用される場合、「患者に投与すること」は、当技術分野で認識されている導入手段を用いて、患者に組成物または剤形を導入するプロセスを指す。
【0032】
本明細書で使用される場合、「臨床的に安定な」は、患者が健康な、または生じるとしてもわずかな即時の変化が予想される疾患の状態にあることを意味する。例えば、患者が少なくとも1ヶ月にわたって一定の投薬量の薬物治療を受けた場合、患者は臨床的に安定とみなされる。臨床的に安定な患者は、症候性であってもよい。しかし、症状は、種類および重症度の点で一定のレベルにあるべきである。
【0033】
本明細書で使用される場合、「臨床的に有意な」は、被験体を処置する医師が重要であるとみなす、副作用のレベルなどの被験体の臨床的状態の変化を指す。
【0034】
本明細書で使用される場合、「用量」は、患者によって一度に摂取される活性剤の測定される分量を意味する。活性剤がバルベナジン遊離塩基ではないある特定の実施形態では、分量は、バルベナジン遊離塩基の対応する量に対するモル当量である。例えば、多くの場合、薬物は薬学的に許容される塩の形態、例えばバルベナジンジトシレートとして包装され、強度に関する投薬量は、対応する有機塩基であるバルベナジンのモル当量の質量を指す。例として、73mgのバルベナジンジトシレートは、40mgのバルベナジン遊離塩基のモル当量である。
【0035】
本明細書で使用される場合、「投薬レジメン」は、患者によって最初に摂取される活性剤の用量、および活性剤の任意の後続の用量が患者によって摂取される間隔(時間または症候性)、例えば1日1回約20~約160mg、例えば1日1回約20、約40、約60、約80、約100、約120または約160mgを意味する。活性剤の追加の用量は、最初に摂取される用量と異なってもよい。
【0036】
本明細書で使用される場合、薬剤、化合物、薬物、組成物または組合せの「有効量」および「治療有効量」は、非毒性の、忍容可能な、かつ被験体または患者(例えば、ヒト被験体または患者)への投与の際にある程度の所望される治療効果を生じるのに有効な量である。被験体のための正確な治療有効量は、例えば被験体のサイズおよび健康、状態の性質および程度、投与のために選択された治療薬または治療薬の組合せ、ならびに当業者に公知の他の変数に依存してもよい。所与の状況に対する有効量は日常的な実験によって決定され、臨床医の判断の範囲内である。
【0037】
本明細書で使用される場合、「知らせること」は、公開資料に言及するまたはそれを提供すること、例えば、活性剤を公開資料とともに使用者に提供すること、あるいは例えばセミナー、会議でのプレセンテーション、もしくは他の教育的プレセンテーションによって、医薬販売員と医療従事者の間の対話によって、または医療従事者と患者の間の対話によって口頭で情報を提示すること、あるいは理解を目的として使用者に所期の情報を示すことを意味する。
【0038】
本明細書で使用される場合、「表示」は、医薬品もしくは剤形上の、またはそのような医薬品もしくは剤形に付随するすべてのラベル、または他の書面の、印刷された、図形での、電子的な、言語または実演コミュニケーションの手段を意味する。
【0039】
本明細書で使用される場合、「医療従事者」は、安全性、有効性、投薬、投与または薬物動態に関する情報を含む、それらの剤形を含む活性剤に関する情報を必要としうるまたは利用しうる保健医療分野の従事者を意味する。医療従事者の例として、医師、薬剤師、医師助手、看護師、補助者、世話人(家族または保護者を含みうる)、救急医療従事者および獣医が挙げられる。
【0040】
本明細書で使用される場合、「薬物治療ガイド」は、医薬品を安全に使用する方法に関する患者向けの情報を含む、21 CFR 208および他の適用可能な規制に記載される規格に適合する、FDAによって承認された医薬品の患者用表示を意味する。薬物治療ガイドは科学的に正確であり、21 CFR 201.57の下で承認された医薬品の専門的表示に基づき、かつそれと矛盾しないが、文言は、それが対応する承認された表示のセクションと同一である必要はない。薬物治療ガイドは、典型的に、特別なリスク管理情報を伴う医薬品に利用可能である。
【0041】
本明細書で使用される場合、「パーキンソン様徴候もしくは症状」または「パーキンソニズム」は、パーキンソン病で見られるものと同様の、しかしパーキンソン病以外の状態によって引き起こされうる運動機能に関連する神経学的状態または障害の群を指す総称である。パーキンソニズムを評価するために、Simpson-Angus評価尺度(SAS)が利用されてもよい。Simpson et al. (1970) Acta Psychiatry Scand Suppl 212:11-19を参照されたい。この評価尺度は、10項目:歩行、腕落下(arm dropping)、肩懸振(shoulder shaking)、肘硬直、手首硬直、脚被動性(leg pendulousness)、頭落下(head dropping)、眉間叩打(glabella
tap)、振戦および唾液分泌を含む。各項目は0~4の間で評定される。項目を加算し、10で除すことによって合計スコアが得られる。0.3までのスコアが正常範囲内とみなされる。
【0042】
本明細書で使用される場合、「患者」または「個体」または「被験体」は、治療が所望されるヒトを含む哺乳動物を意味し、一般的に治療のレシピエントを指す。
【0043】
本明細書で使用される場合、「患者用添付文書」は、FDAによって承認された表示の一部である、医薬品を安全に使用する方法に関する患者向けの情報を意味する。これは、専門的ではない用語での製品に関する消費者向け情報を提供する、製品の調剤時に患者に配布されうる医薬品の専門的表示の延長であり、例えば利益、リスク、リスクの認識方法、投薬量または投与について記載する場合がある。
【0044】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」は、生物学的または別様に望ましくないものではない材料を指し、すなわち、材料は、望ましくない生物学的効果を生じずに、またはそれが含有される組成物の他の成分のいずれかと有害な様態で相互作用せずに患者に投与される医薬組成物に組み込まれてもよい。「薬学的に許容される」という用語が医薬担体または賦形剤を指すように使用される場合、担体もしくは賦形剤が毒性学的試験および製造試験の必要基準を満たしたこと、または担体もしくは賦形剤が、米国食品医薬品局によって作成された不活性成分ガイド(Inactive Ingredient Guide)に含まれ
ることが示唆される。「薬理学的活性」(または「活性」)誘導体またはアナログにおけるような「薬理学的活性」(または単に「活性」)は、親化合物と同じ種類の薬理学的活性を有し、程度がおよそ同等である誘導体またはアナログを指す。
【0045】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」は、その生物学的特性を保持し、かつ毒性ではないまたは別様に医薬使用に望ましくないものではない、本明細書に提供される化合物の任意の塩を意味する。そのような塩は、当技術分野で周知の種々の有機および無機対イオンに由来してもよい。そのような塩として、これらに限定されないが、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、スルファミン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンチルプロピオン酸、グリコール酸、グルタル酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、ソルビン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ピクリン酸、桂皮酸、マンデル酸、フタル酸、ラウリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、樟脳酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert-ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、安息香酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、キナ酸、ムコン酸および同様の酸などの有機酸または無機酸と形成される酸付加塩;あるいは(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、(a)金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオン、または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化亜鉛、および水酸化バリウムなどの水酸化アルカリ金属もしくは水酸化アルカリ土類金属、アンモニアにより置き換えられているか、あるいは(b)アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、リシン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’-ジベンジルエチレン-ジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、N-メチルグルカミンピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウムなどの脂肪族、脂環式、または芳香族有機アミンなどの有機塩基と配位しているかのいずれかである場合に形成される塩が挙げられる。薬学的に許容される塩は、ほんの例として、かつ限定することなく、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなど、ならびに化合物が塩基性官能基を含有する場合、ハロゲン化水素酸塩(hydrohalide)、例えば塩酸塩および臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、スルファミン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、プロピオン酸塩、ヘキサン酸塩、シクロペンチルプロピオン酸塩、グリコール酸塩、グルタル酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、ソルビン酸塩、アスコルビン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸塩、ピクリン酸塩、桂皮酸塩、マンデル酸塩、フタル酸塩、ラウリン酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、エタンスルホン酸塩、1,2-エタン-二スルホン酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、4-クロロベンゼンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、4-トルエンスルホン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸塩、グルコヘプトン酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、トリメチル酢酸塩、tert-ブチル酢酸塩、ラウリル硫酸塩、グルコン酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、キナ酸塩、ムコン酸塩などの非毒性の有機または無機酸の塩をさらに含む。
【0046】
本明細書で使用される場合、「結晶性」は、構成原子、分子またはイオンが、規則的に整列された繰り返しの三次元パターンで充填された固体を指す。特に、結晶性化合物または塩は、1つまたは複数の結晶形態として生成されてもよい。異なる結晶形態は、粉末X線回折(XRPD)パターンによって区別されてもよい。
【0047】
本明細書で使用される場合、「実質的に結晶性」は、少なくとも特定の重量パーセント結晶性である化合物または塩を指す。一部の実施形態では、化合物または塩は、実質的に結晶性である。結晶形態または実質的に結晶形態の例として、単一の結晶形態または異なる結晶形態の混合物が挙げられる。特定の重量パーセンテージは、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%および99.9%を含む。一部の実施形態では、実質的に結晶性は、少なくとも70%結晶性である化合物または塩を指す。一部の実施形態では、実質的に結晶性は、少なくとも80%結晶性である化合物または塩を指す。一部の実施形態では、実質的に結晶性は、少なくとも85%結晶性である化合物または塩を指す。一部の実施形態では、実質的に結晶性は、少なくとも90%結晶性である化合物または塩を指す。一部の実施形態では、実質的に結晶性は、少なくとも95%結晶性である化合物または塩を指す。一部の実施形態では、実質的に結晶性は、少なくとも98%結晶性である化合物または塩を指す。一部の実施形態では、実質的に結晶性は、少なくとも99%結晶性である化合物または塩を指す。
【0048】
本明細書で使用される場合、「製品」または「医薬品」は、活性剤の剤形と公開資料、および必要に応じて包装を意味する。
【0049】
本明細書で使用される場合、「製品添付文書」は、医薬品の専門的表示(処方情報)、医薬品の患者用添付文書、または医薬品の薬物治療ガイドを意味する。
【0050】
本明細書で使用される場合、「専門的表示」または「処方情報」は、薬物の安全かつ有効な使用に必要とされる本質的な科学的情報の概要、例えば適応症および用法、投薬量および投与、誰が摂取すべきか、有害事象(副作用)、特別な集団(妊婦、小児、老人など)に使用するための指示、患者向け安全性情報などを含む、医薬品の販売を規制する規制機関(例えば、FDAまたはEMEA)によって承認された医薬品の正式な説明を意味する。
【0051】
本明細書で使用される場合、「公開資料」は、印刷、音声、視覚または電子媒体、例えばチラシ、広告、製品添付文書、印刷表示、インターネットウェブサイト、インターネットウェブページ、インターネットポップアップウィンドウ、ラジオまたはテレビ放送、コンパクトディスク、DVD、音声記録もしくは他の記録または電子媒体を含む、情報を提供する媒体を意味する。
【0052】
本明細書で使用される場合、「リスク」は、医療処置から生じる有害反応、傷害または他の望ましくない転帰の確率または可能性を意味する。「許容されるリスク」は、個体または群が忍容性を示す医療処置から生じる害、傷害または疾患のリスクの尺度を意味する。リスクが「許容される」かどうかは、個体または群がリスクをとる代償として得られると知覚する利益、個体または群がリスクの規模に関して与えられるいかなる科学的および他の助言も受け入れるかどうか、ならびに政治的および社会的な数々の他の要因に依存する。有害反応の「許容されるリスク」は、有害反応が、その発生確率が低いもしくはその帰結が非常にわずかなものであるか、または活性剤の恩恵(知覚されるもしくは実際の)が非常に大きいため、社会における個体または群が、有害反応が生じうるリスクをとるまたはその対象となる意思があることを意味する。有害反応の「許容されないリスク」は、社会における個体または群が、有害反応の発生確率、有害反応の帰結、および活性剤の恩恵(知覚されるまたは実際の)を検討し、有害反応が生じうるリスクをとるまたはその対象となる意思がないことを意味する。「リスクにある」は、高レベルのリスクまたは感受性を特徴とする状況または状態にあることを意味する。リスクの評価は、製品の使用に関連するリスクの性質、頻度および重症度を特定し、特徴付けることからなる。
【0053】
本明細書で使用される場合、「安全性」は、患者に関連する要因(例えば、年齢、性別、民族性、人種、標的疾病、腎もしくは肝機能の異常、併存疾病、代謝状態などの遺伝的特徴、または環境)および活性剤に関連する要因(例えば、用量、血漿レベル、曝露の継続時間または併用薬物治療)に関連する有害効果を含む、活性剤の投与に関連する有害事象の発生率または重症度を意味する。
【0054】
本明細書で使用される場合、「処置すること」または「処置」は、障害の進行を遅延させるもしくは停止するための治療的適用、障害の発症を予防するための予防的適用および/または障害の逆転を指す。障害の逆転は、逆転の方法によって障害の進行が完全に停止するだけでなく、細胞挙動が、障害の非存在下で観察される正常な状態にある程度向かうという点で、障害を遅延させるまたは停止する治療的適用とは異なる。
【0055】
本明細書で使用される場合、「VMAT2」は、モノアミン、特にドーパミン、ノルエピネフリン、セロトニンおよびヒスタミンなどの神経伝達物質を、細胞のサイトゾルからシナプス小胞まで輸送するように作用する内在性膜タンパク質であるヒト小胞モノアミン輸送体アイソフォーム2を指す。
【0056】
本明細書で使用される場合、「VMAT2阻害剤」、「VMAT2を阻害する」または「VMAT2の阻害」という用語は、本明細書に開示される化合物のVMAT2の機能を変更する能力を指す。VMAT2阻害剤は、阻害剤とVMAT2の間に可逆的もしくは不可逆的共有結合を形成することにより、または非共有結合した複合体の形成を通してVMAT2の活性を遮断または低減することができる。そのような阻害は、特定の細胞種においてのみ明白である場合もあり、特定の生物学的事象に随伴する場合もある。「VMAT2阻害剤」、「VMAT2を阻害する」または「VMAT2の阻害」という用語はまた、VMAT2と天然の基質との間に複合体が形成する確率を減少させることによってVMAT2の機能を変更することを指す。
【0057】
本明細書で使用される場合、「経験する」は、「発症する」および「発生する」と同じ意味を有する。
【0058】
本明細書で使用される場合、「過敏症」または「過敏反応」は、薬物および/またはその代謝物質による免疫学的感作を指す。一般的に、4種の過敏症が存在する:
I型、IgE媒介性-全身性過敏症(例えば、アナフィラキシーおよび蕁麻疹)ならびに呼吸器過敏症(例えば、喘息)を含む即時型過敏症;
II型、IgGまたはIgM媒介性-抗体媒介性細胞毒性反応、およびIII型、IgG媒介性-多くの場合同時に発生し、かつ一般的に全身性または臓器過敏反応に関連する免疫複合体反応。II型およびIII型免疫異常は、貧血、白血球減少症、血小板減少症、間質性肺炎、血管炎、ループス様反応または糸球体腎炎(glomeronephritis)を含む;ならびに
IV型、Tリンパ球媒介性-最も一般的には遅延型過敏皮膚反応として発生する遅延型過敏応答。
【0059】
それを必要とする患者にバルベナジンならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を投与する方法であって、患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しており、方法が、VMAT2阻害剤の投与を中止するステップを含む、方法が本明細書に提供される。
【0060】
また、それを必要とする患者にバルベナジンならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を投与する方法であって、患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しており、方法が、低減された量のVMAT2阻害剤を投与するステップを含み、低減された量が、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験していない患者に投与される治療有効量未満である、方法が提供される。
【0061】
また、それを必要とする患者にバルベナジンならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を投与する方法であって、治療有効量のVMAT2阻害剤を患者に投与するステップ、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状について患者をモニタリングするステップ、および患者へのVMAT2阻害剤の投与を中止するステップを含む、方法が提供される。
【0062】
また、それを必要とする患者にバルベナジンならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を投与する方法であって、治療有効量のVMAT2阻害剤を患者に投与するステップ、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状について患者をモニタリングするステップ、および低減された量のVMAT2阻害剤を患者に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0063】
また、それを必要とする患者に小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を投与する方法であって、第1の治療有効量のVMAT2阻害剤を患者に投与するステップ、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状について患者をモニタリングするステップ、および患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験している場合、第2の治療有効量のVMAT2阻害剤を患者に投与するステップを含み、VMAT2阻害剤がテトラベナジンまたはデューテトラベナジンである場合、VMAT2阻害剤がハンチントン病以外の疾患または障害を処置するために投与されている、方法が提供される。
【0064】
また、それを必要とする患者に小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を投与する方法であって、治療有効量のVMAT2阻害剤を患者に投与するステップ、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状について患者をモニタリングするステップ、および患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験していない場合、同じ治療有効量または増加した量のVMAT2阻害剤を患者に投与するステップを含み、VMAT2阻害剤がテトラベナジンまたはデューテトラベナジンである場合、VMAT2阻害剤がハンチントン病以外の疾患または障害を処置するために投与されている、方法が提供される。
【0065】
一部の実施形態では、用量は、治療有効量から少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、または少なくとも60%増加される。一部の実施形態では、治療有効量は1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基であり、増加した量は1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、治療有効量は1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基であり、増加した量は1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、治療有効量は1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基であり、増加した量は1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基である。
【0066】
また、それを必要とする患者に小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を投与する方法であって、第1の治療有効量のVMAT2阻害剤を患者に投与するステップ、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状について患者をモニタリングするステップ、および患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験していない場合、第2の治療有効量のVMAT2阻害剤を患者に投与するステップを含み、VMAT2阻害剤がテトラベナジンまたはデューテトラベナジンである場合、VMAT2阻害剤がハンチントン病以外の疾患または障害を処置するために投与されている、方法が提供される。
【0067】
また、神経学的または精神医学的疾患または障害を有する患者を処置する方法であって、治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を患者に投与するステップ、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状について患者をモニタリングするステップ、および患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する場合、患者へのVMAT2阻害剤の量を調整するステップを含み、VMAT2阻害剤がテトラベナジンまたはデューテトラベナジンである場合、VMAT2阻害剤がハンチントン病以外の疾患または障害を処置するために投与されている、方法が提供される。
【0068】
一部の実施形態では、量を調整することは、処置を中止することである。一部の実施形態では、量を調整することは、低減された量を投与することである。
【0069】
また、運動過剰障害を有する患者を処置する方法であって、バルベナジンならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を患者に経口投与するステップ、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状について患者をモニタリングするステップ、ならびに患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する場合、低減された量のVMAT2阻害剤を患者に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0070】
また、運動過剰障害を有する患者を処置する方法であって、バルベナジンならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を患者に経口投与するステップ、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状について患者をモニタリングするステップ、ならびに患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する場合、患者へのVMAT2阻害剤の処置を中止するステップを含む、方法が提供される。
【0071】
また、神経学的または精神医学的疾患または障害を有する患者を処置する方法であって、バルベナジンならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される低減された量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を患者に投与するステップを含み、投与されるVMAT2の低減された量が、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験していない患者に投与される治療有効量未満である、方法が提供される。
【0072】
また、運動過剰障害を有する患者を処置する方法であって、バルベナジンおよびその薬学的に許容される塩から選択される治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を患者に経口投与するステップ、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状について患者をモニタリングするステップ、ならびに患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する場合、低減された量のVMAT2阻害剤を患者に投与するか、または患者へのVMAT2阻害剤の処置を中止するステップを含む、方法が提供される。
【0073】
また、遅発性ジスキネジアなどの運動過剰障害を有する患者を処置する方法であって、
バルベナジンおよびその薬学的に許容される塩から選択される治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を、最大2週間の期間にわたって患者に経口投与するステップ、ならびに
患者が最大2週間の期間中に1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない場合、同じ治療有効用量のVMAT2阻害剤の投与を継続するか、または増加した用量のVMAT2阻害剤の投与を開始するステップ
を含む、方法が提供される。
【0074】
一部の実施形態では、用量は、治療有効量から少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、または少なくとも60%増加される。一部の実施形態では、治療有効量は1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基であり、増加した量は1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、治療有効量は1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基であり、増加した量は1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、治療有効量は1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基であり、増加した量は1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基である。
【0075】
また、遅発性ジスキネジアなどの運動過剰障害を有する患者を処置する方法であって、
バルベナジンおよびその薬学的に許容される塩から選択される治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を、最大2週間の期間にわたって患者に経口投与するステップ、ならびに
患者が最大2週間の期間中に1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する場合、低減された量のVMAT2阻害剤を患者に投与するステップ
を含む、方法が提供される。
【0076】
また、遅発性ジスキネジアなどの運動過剰障害を有する患者を処置する方法であって、
バルベナジンおよびその薬学的に許容される塩から選択される治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を、最大2週間の期間にわたって患者に経口投与するステップ、ならびに
患者が最大2週間の期間中に1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する場合、VMAT2阻害剤の投与を中止するステップ
を含む、方法が提供される。
【0077】
また、患者における疾患または障害を処置するための医薬の調製における小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤の使用であって、医薬が治療有効量のVMAT2阻害剤を含み、患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状についてモニタリングされ、患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する場合、患者に投与されるVMAT2阻害剤の量が低減されるか、またはVMAT2阻害剤の投与が中止され、VMAT2阻害剤がテトラベナジンまたはデューテトラベナジンである場合、疾患または障害がハンチントン病ではない、使用が提供される。
【0078】
また、患者における疾患または障害を処置するための医薬の調製における、バルベナジンならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤の使用であって、医薬が治療有効量のVMAT2阻害剤を含み、患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状についてモニタリングされ、患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する場合、患者に投与されるVMAT2阻害剤の量が低減されるか、またはVMAT2阻害剤の投与が中止される、使用が提供される。
【0079】
また、患者における疾患または障害を処置するための医薬の調製における、バルベナジンならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤の使用であって、医薬が治療有効量のVMAT2阻害剤を含み、患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状についてモニタリングされ、患者が最大2週間の期間中に1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない場合、同じ治療有効用量のVMAT2阻害剤の投与を継続するか、または増加した用量のVMAT2阻害剤の投与を開始する、使用が提供される。
【0080】
また、患者における疾患または障害を処置するための医薬の調製における、バルベナジンならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤の使用であって、医薬が治療有効量のVMAT2阻害剤を含み、患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状についてモニタリングされ、患者が最大2週間の期間中に1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する場合、VMAT2阻害剤の投与を中止する、使用が提供される。
【0081】
また、患者における疾患または障害を処置するための医薬の調製における、バルベナジンならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤の使用であって、医薬が治療有効量のVMAT2阻害剤を含み、患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状についてモニタリングされ、患者が最大2週間の期間中に1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する場合、低減された量のVMAT2阻害剤を投与する、使用が提供される。
【0082】
一部の実施形態では、患者は成人である。
【0083】
一部の実施形態では、方法または使用は、低減された量または用量のVMAT2阻害剤が投与された後に、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を忍容する患者の能力に基づき、VMAT2阻害剤の投与を中止するステップをさらに含む。一部の実施形態では、投与は、少なくとも1週間、例えば1、2、3または4週間などの第1の期間にわたって中止され、その後投与は低減された用量で継続される。
【0084】
一部の実施形態では、方法または使用は、患者へのVMAT2阻害剤の投与が、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状をもたらす場合があることを患者または医療従事者に知らせるステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、患者へのVMAT2阻害剤の投与が、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状のリスクの増加をもたらす場合があることを患者または医療従事者に知らせるステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法または使用は、患者へのVMAT2阻害剤の投与が、既存のパーキンソニズムまたはパーキンソン様徴候もしくは症状の悪化をもたらす場合があることを患者または医療従事者に知らせるステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法または使用は、任意の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を医療従事者に報告するよう患者に知らせるステップをさらに含む。
【0085】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、既存のパーキンソニズムを有する患者に投与されない。一部の実施形態では、方法または使用は、患者が、VMAT2阻害剤による処置の開始前に既存のパーキンソニズムを有するかどうかを決定するステップをさらに含む。
【0086】
一部の実施形態では、方法または使用は、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験している患者に、パーキンソン病を処置するために使用される1種または複数の薬物治療を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、薬物治療は、ドーパミン前駆体との組合せのドーパミン脱炭酸酵素阻害剤、例えばドーパミン前駆体レボドパとの組合せのドーパミン脱炭酸酵素阻害剤カルビドパまたはベンセラジドである。一部の実施形態では、薬物治療は、エンタカポン、トルカポンまたはオピカポンなどのカテコール-o-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤である。一部の実施形態では、薬物治療は、COMT阻害剤とのさらなる組合せのドーパミン前駆体との組合せのドーパミン脱炭酸酵素阻害剤である。一部の実施形態では、薬物治療は、プラミペキソール、ロピニロール、アポモルフィン、ブロモクリプチンまたはロチゴチンなどのドーパミンアゴニストである。一部の実施形態では、薬物治療は、セレギリン、ラサギリンまたはサフィナミドなどのモノアミン酸化酵素B阻害剤である。一部の実施形態では、薬物治療はアマンタジンである。一部の実施形態では、薬物治療はトリヘキシフェニジルまたはベンズトロピンなどの抗コリン薬である。一部の実施形態では、薬物治療は、レボドパ、カルビドパおよびオピカポンから選択される。一部の実施形態では、薬物治療は、レボドパ、カルビドパおよびエンタカポンから選択される。一部の実施形態では、薬物治療は、カルビドパおよびオピカポンとの組合せのレボドパである。一部の実施形態では、薬物治療は、リバスチグミン、カリプラジンおよびパリペリドンから選択される。
【0087】
一部の実施形態では、治療有効量のVMAT2阻害剤の投与前に、患者は<0.3のSimpson-Angus評価尺度スコアを有した。一部の実施形態では、治療有効量のVMAT2阻害剤の投与後に、患者は>1のSimpson-Angus評価尺度スコアの変化を有した。
【0088】
一部の実施形態では、投与前に、患者は、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する増加したリスクにある。
【0089】
一部の実施形態では、臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する増加したリスクにある患者は、1種または複数の抗精神病剤、抗うつ薬、抗てんかん薬、またはパーキンソニズムを引き起こす可能性があることが公知の他の薬物を同時投与されている患者である。一部の実施形態では、患者は、アムロジピン、アトロピン、ベンズトロピン、クロナゼパム、クロザピン、フルオキセチン、ガバペンチン、Lamictal、リシノプリル、リチウム、ルラシドン、オランザピン、オキシコドン、パリペリドン、プレガバリン、プラゾシン、クエチアピン、チオチキセン、チザニジン、バルプロ酸およびバルプロ酸塩から選択される1種または複数の薬物を同時投与されている。一部の実施形態では、1種または複数の他の薬物を同時投与されている患者は、臨床的に安定である。
【0090】
一部の実施形態では、臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する増加したリスクにある患者は、1種または複数の抗精神病剤を同時投与されている患者である。一部の実施形態では、抗精神病薬は、定型抗精神病薬である。一部の実施形態では、定型抗精神病薬は、フルフェナジン、ハロペリドール、ロキサピン、モリンドン、ペルフェナジン、ピモジド、スルピリド、チオリダジンまたはトリフルオペラジンである。一部の実施形態では、抗精神病薬は、非定型抗精神病薬である。一部の実施形態では、非定型抗精神病薬は、アリピプラゾール、アセナピン、クロザピン、イロペリドン、オランザピン、パリペリドン、クエチアピン、リスペリドンまたはジプラシドンである。一部の実施形態では、非定型抗精神病薬はクロザピンである。
【0091】
一部の実施形態では、臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する増加したリスクにある患者は、既存のパーキンソニズムを有する患者である。一部の実施形態では、臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する増加したリスクにある患者は、既存のパーキンソン病(特発性パーキンソン病とも称される)を有する患者である。一部の実施形態では、臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する増加したリスクにある患者は、大脳皮質基底核変性症、レビー小体型認知症、薬物誘発性パーキンソニズム、本態性振戦、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、および血管性パーキンソニズムから選択される既存の状態を有する患者である。一部の実施形態では、臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する増加したリスクにある患者は、既存の歩行障害を有する患者である。一部の実施形態では、既存の状態を有する患者は、臨床的に安定である。
【0092】
一部の実施形態では、治療有効量のVMAT2阻害剤の投与前に、患者は≧0.3のSimpson-Angus評価尺度スコアを有した。一部の実施形態では、治療有効量のVMAT2阻害剤の投与後に、患者は>1のSimpson-Angus評価尺度スコアの変化を有した。
【0093】
一部の実施形態では、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状は、移動の困難または筋肉を自発的に動かす能力の喪失、振戦、歩行異常および流涎から選択される。一部の実施形態では、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状は、無動、重度の振戦、歩行異常(引きずり(shuffling)、加速歩行)およ
び流涎から選択される。一部の実施形態では、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状は、転倒、歩行異常、振戦、流涎および運動低下から選択される。一部の実施形態では、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状は、揺れ(shaking)、身体硬直、移動または歩行困難および平衡維持困難(trouble keeping balance)から選択される。
【0094】
一部の実施形態では、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状は、患者に投与されるVMAT2阻害剤の用量の開始または増加後最初の2週間以内に発生する。
【0095】
一部の実施形態では、方法は、患者が、患者に投与されるVMAT2阻害剤の用量の開始または増加後最初の2週間以内に1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験していない場合、VMAT2阻害剤による継続した処置のために患者を選択するステップをさらに含む。
【0096】
一部の実施形態では、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状は、VMAT2阻害剤の投与の最初の2週間以内に発生する。一部の実施形態では、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状は、患者に投与されるVMAT2阻害剤の量の増加の最初の2週間以内に発生する。
【0097】
一部の実施形態では、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状のうちの少なくとも1つの重症度は、VMAT2阻害剤の投与を中止した後に低減される。一部の実施形態では、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状のうちの少なくとも1つは、VMAT2阻害剤の投与を中止した後に消散する。さらなる実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジンジトシレートである。
【0098】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジンならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジンまたはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジン塩である。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジントシル酸塩である。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジンのジトシル酸塩である。一部の実施形態では、バルベナジンのジトシル酸塩は非晶質である。
【0099】
一部の実施形態では、バルベナジンのジトシル酸塩は実質的に非晶質である。一部の実施形態では、バルベナジンのジトシル酸塩は実質的に結晶性である。一部の実施形態では、バルベナジンの結晶性ジトシル酸塩は、6.3、17.9および19.7°±0.2°の2シータ角にX線回折ピークを含むXRPD回折パターンを有する。一部の実施形態では、バルベナジンの結晶性ジトシル酸塩は、6.3および17.9°±0.2°の2シータ角にX線回折ピークを含むXRPD回折パターンを有する。一部の実施形態では、バルベナジンの結晶性ジトシル酸塩は、6.3°±0.2°の2シータ角にX線回折ピークを含むXRPD回折パターンを有する。一部の実施形態では、結晶形態Iは、約240℃の開始温度および約243℃にピークを有する吸熱事象を含むDSCサーモグラムを有する。
【0100】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、ジヒドロテトラベナジン(2-ヒドロキシ-3-(2-メチルプロピル)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジメトキシ-ベンゾ(a)キノリジン)ならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される。一部の実施形態では、ジヒドロテトラベナジンは、ジヒドロテトラベナジンのRRR、SSS、SSRR、RSS、SSR、RRS、RSRおよびSRS異性体ならびにそれらの混合物から選択される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、RRR異性体((+)-α-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール)またはその薬学的に許容される塩および/もしくは同位体改変体である。
【0101】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は経口投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、錠剤またはカプセルの形態で投与される。
【0102】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、食物とともにまたは伴わずに投与される。
【0103】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約20mg~約160mgの間、約20mg~約150mgの間、20mg~約140mgの間、約20mg~約130mgの間、約20mg~120mgの間、約30mg~120mgの間または約40mg~約120mgの間に等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約20mg~約100mgの間に等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約20mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約40mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約50mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約60mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約70mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約80mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約100mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約120mgに等しい量で投与される。
【0104】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約20mg~約160mgの間、約20mg~約150mgの間、20mg~約140mgの間、約20mg~約130mgの間、約20mg~120mgの間、約30mg~120mgの間または約40mg~約120mgの間に等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約20mg~約100mgの間に等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約20mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約40mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約50mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約60mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約70mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約80mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約100mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約120mgに等しい量で投与される。
【0105】
一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約20mg~約160mgの間、約20mg~約150mgの間、20mg~約140mgの間、約20mg~約130mgの間、約20mg~120mgの間、約20mg~110mgの間、約20mg~100mgの間、約30mg~120mgの間または約40mg~約120mgの間のバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約20mg~約100mgの間のバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約20mg~約120mgの間のバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約20mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約50mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約70mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約100mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約120mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。
【0106】
一部の実施形態では、治療有効量は、約20mg~約160mgの間、約20mg~約150mgの間、20mg~約140mgの間、約20mg~約130mgの間、約20mg~120mgの間、約20mg~110mgの間、約20mg~100mgの間、約30mg~120mgの間または約40mg~約120mgの間のバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約20mg~約100mgの間のバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約20mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約40mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約50mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約70mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1回約80mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約100mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約120mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。
【0107】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される治療有効量の少なくとも約10%だけ低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、治療有効量の少なくとも約20%だけ低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、治療有効量の少なくとも約30%だけ低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、治療有効量の少なくとも約40%だけ低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、治療有効量の少なくとも約50%だけ低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、治療有効量の少なくとも約60%だけ低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、治療有効量の少なくとも約70%だけ低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、治療有効量の少なくとも約80%だけ低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、治療有効量の少なくとも約90%だけ低減される。
【0108】
ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量より10~90%少ない。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量より20~80%少ない。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量より30~70%少ない。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量より40~60%少ない。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量より約50%少ない。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量は、1日あたり約20mg~約120mgの間である。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量は、1日1回約40mg、約60mgまたは80mgである。
【0109】
ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、1日あたり約10mg~約80mgの間、約10mg~約70mgの間、約10mg~約60mgの間、約10mg~約50mgの間、約10mg~約40mgの間、約10mg~約30mgの間、約20mg~約80mgの間、約20mg~約70mgの間、約20mg~約60mgの間、約20mg~約50mgの間、約20mg~約40mgの間、約20mg~約30mgの間、約30mg~約80mgの間、約30mg~約70mgの間、約30mg~約60mgの間、約30mg~約50mgの間、約30mg~約40mgの間のバルベナジンである。さらなる実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回投与される。
【0110】
ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量または用量は、1日あたり約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、または約60mgのバルベナジンである。一部の実施形態では、低減された量は、1日あたり約40mgのバルベナジンである。一部の実施形態では、低減された量は、1日あたり約60mgのバルベナジンである。さらなる実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回投与される。
【0111】
例えば、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量が1日あたり約40mgである場合、個体は、1日あたり約36、35、32、30、28、25、24、20、16、12、8または4mgの低減された投薬量を受けてもよい。同様に、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量が1日あたり約60mgである場合、個体は、1日あたり約56、50、48、45、40、32、30、24、16または8の低減された投薬量を受けてもよい。同様に、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量が1日あたり約80mgである場合、個体は、1日あたり約72、64、60、56、50、48、45、40、32、30、24、20、16または8の低減された投薬量を受けてもよい。さらなる実施形態では、VMAT2阻害剤は1日1回投与される。
【0112】
例えば、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約40mgである場合、個体は、1日あたり約4~36mg、1日あたり約8~32mg、1日あたり約12~28mg、1日あたり約16~24mg、またはある特定の実施形態では、1日あたり約20mgの低減された投薬量を受けてもよい。VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約80mgである一部の実施形態では、個体は、1日あたり約8~72mg、1日あたり約16~64mg、1日あたり約24~56mg、1日あたり約32~48mg、またはある特定の実施形態では、1日あたり約24mgの低減された投薬量を受けてもよい。さらなる実施形態では、VMAT2阻害剤は1日1回投与される。
【0113】
VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約40mgである一部の実施形態では、個体は、1日あたり約5~35mg、1日あたり約10~30mg、1日あたり約15~30mg、1日あたり約15~25mg、またはある特定の実施形態では、1日あたり約20mg、もしくは1日あたり約30mgの低減された投薬量を受けてもよい。VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約40mgである一部の実施形態では、個体は、1日おきに約40mgの同じ投薬量、1日おきに約5~35mg、1日おきに約10~30mg、1日おきに約15~30mg、1日おきに約15~25mg、またはある特定の実施形態では、1日おきに約20mg、もしくは1日おきに約30mgの低減された投薬量を受けてもよい。
【0114】
VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約60mgである一部の実施形態では、個体は、1日あたり約5~75mg、1日あたり約10~70mg、1日あたり約15~65mg、1日あたり約20~60mg、1日あたり約25~55mg、1日あたり約30~50mg、またはある特定の実施形態では、1日あたり約40mgの低減された投薬量を受けてもよい。VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約60mgである一部の実施形態では、個体は、1日おきに約60mgの同じ投薬量、1日おきに約5~75mg、1日おきに約10~70mg、1日おきに約15~65mg、1日おきに約20~60mg、1日おきに約25~55mg、1日おきに約30~50mg、またはある特定の実施形態では、1日おきに約40mgの低減された投薬量を受けてもよい。
【0115】
VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約80mgである一部の実施形態では、個体は、1日あたり約5~75mg、1日あたり約10~70mg、1日あたり約15~65mg、1日あたり約20~60mg、1日あたり約25~55mg、1日あたり約30~50mg、またはある特定の実施形態では、1日あたり約40mgの低減された投薬量を受けてもよい。VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約80mgである一部の実施形態では、個体は、1日おきに約80mgの同じ投薬量、1日おきに約5~75mg、1日おきに約10~70mg、1日おきに約15~65mg、1日おきに約20~60mg、1日おきに約25~55mg、1日おきに約30~50mg、またはある特定の実施形態では、1日おきに約40mgの低減された投薬量を受けてもよい。
【0116】
VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約80mgである一部の実施形態では、個体は、1日あたり約10~75mg、1日あたり約20~70mg、1日あたり約30~65mg、1日あたり約40~65mg、1日あたり約45~45mg、またはある特定の実施形態では、1日あたり約60mgの低減された投薬量を受けてもよい。VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約80mgである一部の実施形態では、個体は、1日おきに約80mgの同じ投薬量、1日おきに約10~75mg、1日おきに約20~70mg、1日おきに約30~65mg、1日おきに約40~65mg、1日おきに約45~45mg、またはある特定の実施形態では、1日おきに約60mgの低減された投薬量を受けてもよい。
【0117】
患者がVMAT2阻害剤の第1の治療有効量の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない一部の実施形態では、患者は第2の治療有効量を受けてもよく、第2の治療有効量は、第1の治療有効量と比較して同じまたはより高い量であってもよい。一部のさらなる実施形態では、第1の治療有効量は約30~100mgの間の量であり、第2の治療有効量は約40mg~約120mgの間の量である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は、1日あたり約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mgおよび約100mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第2の治療有効量は、1日あたり約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mgおよび約120mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約40mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約40mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約40mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約60mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約40mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約80mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約60mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約60mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約60mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約80mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約80mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約80mgのバルベナジン遊離塩基である。
【0118】
患者がVMAT2阻害剤の第1の治療有効量の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する一部の実施形態では、患者は第2の治療有効量を受けてもよく、第2の治療有効量は、第1の治療有効量における量未満である。一部のさらなる実施形態では、第1の治療有効量は約30~100mgの間の量であり、第2の治療有効量は約40mg~約120mgの間の量である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は、1日あたり約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mgおよび約100mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第2の治療有効量は、1日あたり約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mgまたは約60mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約40mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約30mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約60mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約40mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約80mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約40mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約80mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約60mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約60mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約30mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約60mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約20mgのバルベナジン遊離塩基である。
【0119】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、12時間の期間にわたって血漿1mLあたり約15ng~約60ngの間の(+)-α-DHTBZの最大血漿中濃度(Cmax)、およびおよそCmaxの約少なくとも33%~50%の間の最低血漿中濃度(Cmin)を達成するのに十分な量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、(i)約8時間~約24時間の期間にわたって血漿1mLあたり約15ng~約60ngの(+)-α-DHTBZの治療濃度範囲、および(ii)血漿1mLあたり少なくとも15ngの(+)-α-DHTBZの閾値濃度を達成するのに十分な量で投与される。
【0120】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、第1の期間にわたって第1の量で投与され、その後量は第2の量に増加される。一部の実施形態では、第1の期間は1週間である。一部の実施形態では、第1の期間は2週間、3週間または4週間など、1週間より長い。一部の実施形態では、第1の期間は、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月またはそれよりも長い。一部の実施形態では、第1の量は、1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第1の量は、1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第2の量は、1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第2の量は、1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。
【0121】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、第1の期間にわたって第1の量で投与され、その後量は第2の量に減少される。一部の実施形態では、第1の期間は1週間である。一部の実施形態では、第1の期間は2週間、3週間または4週間など、1週間より長い。一部の実施形態では、第1の期間は、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月またはそれよりも長い。一部の実施形態では、第1の量は、1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第1の量は、1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第2の量は、1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第2の量は、1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第1の量は、1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しく、第2の量は1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第1の量は、1日1回約80gのバルベナジン遊離塩基に等しく、第2の量は1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第1の量は1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基に等しく、第2の量は1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。
【0122】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、第1の期間にわたって第1の量で投与され、VMAT阻害剤の投与は中止される。一部の実施形態では、第1の期間は1週間である。一部の実施形態では、第1の期間は2週間、3週間または4週間など、1週間より長い。一部の実施形態では、第1の期間は、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月またはそれよりも長い。一部の実施形態では、第1の量は、1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第1の量は、1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第1の量は、1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。
【0123】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、神経学的または精神医学的疾患または障害を処置するために患者に投与される。一部の実施形態では、神経学的または精神医学的疾患または障害は、運動過剰障害、気分障害、双極性障害、統合失調症、統合失調感情障害、気分障害における躁病、気分障害におけるうつ、処置抵抗性強迫性障害、レッシュ・ナイハン症候群に関連する神経学的機能障害、アルツハイマー病に関連する激越、脆弱X症候群もしくは脆弱X関連振戦・失調症候群、自閉症スペクトラム障害、レット症候群または舞踏病有棘赤血球増加症である。
【0124】
一部の実施形態では、神経学的または精神医学的疾患または障害は、運動過剰障害である。一部の実施形態では、運動過剰障害は遅発性ジスキネジアである。一部の実施形態では、運動過剰障害はチック症である。一部の実施形態では、チック症はトゥレット症候群である。一部の実施形態では、運動過剰障害はハンチントン病である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、舞踏病様運動、全身性ジストニア、局所性ジストニアおよびミオクローヌス運動である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、ハンチントン病に関連する舞踏病である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、失調症、舞踏病、ジストニア、ハンチントン病、ミオクローヌス、不穏下肢症候群または振戦である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、ハンチントン病以外の疾患または障害である。一部の実施形態では、運動過剰障害はハンチントン病以外の疾患または障害であり、VMAT2阻害剤はデューテトラベナジンまたはテトラベナジンである。
【0125】
一部の実施形態では、神経学的または精神医学的疾患または障害は、知的発達障害(intellectual and developmental disability)(IDD)を有する患者における運動過剰障害である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、知的発達障害(IDD)を有する患者における遅発性ジスキネジアである。一部の実施形態では、運動過剰障害は、知的発達障害(IDD)を有する患者におけるチック症である。一部の実施形態では、チック症は、知的発達障害(IDD)を有する患者におけるトゥレット症候群である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、知的発達障害(IDD)を有する患者におけるハンチントン病である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、知的発達障害(IDD)を有する患者における舞踏病様運動、全身性ジストニア、局所性ジストニアおよびミオクローヌス運動である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、知的発達障害(IDD)を有する患者におけるハンチントン病に関連する舞踏病である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、知的発達障害(IDD)を有する患者における失調症、舞踏病、ジストニア、ハンチントン病、ミオクローヌス、不穏下肢症候群または振戦である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、知的発達障害(IDD)を有する患者におけるハンチントン病以外の疾患または障害である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、知的発達障害(IDD)を有する患者におけるハンチントン病以外の疾患または障害であり、VMAT2阻害剤は、デューテトラベナジンまたはテトラベナジンである。
【0126】
一部の実施形態では、知的発達障害(IDD)は、知的障害および発達障害を含む。一部の実施形態では、知的発達障害(IDD)は知的障害である。一部の実施形態では、知的発達障害(IDD)は発達障害である。一部の実施形態では、知的発達障害(IDD)は、冒されている身体の部分または系によって特徴付けられる。さらなる実施形態では、身体の部分または系は、神経系、感覚系、代謝および変性系(degenerative
system)から選択される。
【0127】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、以下から選択される疾患または障害を処置するために患者に投与される:
脊髄小脳失調症17型(SCA17)/HDL4、失調症、脊髄性筋萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、家族性筋萎縮性側索硬化症、先天性球脊髄性筋萎縮症、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、遺伝性運動ニューロン疾患および遺伝性痙性対麻痺などの失調症または脊髄性筋萎縮症、
良性遺伝性舞踏病、舞踏病、ミトコンドリア病/ミトコンドリアの原因に関連する舞踏病、ウィルソン病に関連する舞踏病、妊娠舞踏病、舞踏病有棘赤血球増加症、薬物誘発性舞踏病、片側バリズム、リウマチ性/シデナム舞踏病および甲状腺毒性舞踏病(thyrotoxic chorea)/甲状腺機能亢進性舞踏病(hyperthyroid chorea)などの舞踏病、
アンジェルマン症候群、先天性神経学的障害、エカルディ症候群、神経線維腫症、先天性顔面神経形成不全、メビウスII症候群、コケイン症候群、シェーグレン・ラルソン症候群、ローレンス・ムーン・バルデー・ビードル症候群、脆弱X症候群およびプラダー・ウィリー症候群などの先天性形成異常、変形または異常、
エイズ関連認知症、アルツハイマー病、先天性神経変性、レビー小体型認知症、微小梗塞による認知症(micro-infarct dementia)、初老期認知症、老年認知症および血管性認知症などの認知症、
舌痛症/口内焼灼感症候群および顎関節障害などの口腔、唾液腺および顎の疾患、
咽頭ジスキネジア、ジスキネジア、ジスキネジア(新生児)、ジスキネジア(食道)、レボドパ誘発性ジスキネジア、発作性運動誘発性ジスキネジア(paroxysmal kinesigenic dyskinesia)、発作性非運動誘発性ジスキネジア(paroxysmal nonkinesigneic dyskinesia)および呼吸器ジスキネジアなどのジスキネジア、
眼瞼痙攣、口舌症候群(buccoglossal syndrome)、薬物誘発性急性ジストニア、ジストニア、早期発症原発性ジストニア、遺伝性捻転ジストニア(genetic torsion dystonia)、手ジストニア(hand dystonia)/書痙、特発性非家族性ジストニア、特発性口腔顔面ジストニア/メージュ病、喉頭ジストニア、顎口腔ジストニア(oromandibular dystonia)および痙性斜頸/頸部ジストニアなどのジストニア、
ウィルソン病、糖尿病、肥満、シンドロームXおよびレッシュ・ナイハン症候群などの内分泌、栄養および代謝疾患、
バルチックミオクロニーてんかん、良性家族性新生児痙攣、てんかん、先天性てんかん、ラフォラミオクロニーてんかん、乳児重症ミオクロニーてんかんおよび痙攣などのてんかん、
過食性障害、窃盗癖、衝動制御障害、抜毛癖、間欠性爆発性障害、病的賭博および放火癖などの習慣および衝動の障害、
ハンチントン病、ハンチントン病類縁症候群1~3型、ハンチントン舞踏病およびX連鎖マクラウド神経有棘赤血球症候群(X-linked McLeod Neurocanthocytosis syndrome)などのハンチントン病または関連障害、
統合失調症、精神病、躁病、双極性障害、うつおよび気分障害などの気分または精神病性障害、
不器用(fumbling)、運動低下、運動低下(新生児)、運動障害、兎の口症候群(rabbit syndrome)、痙縮、アップダウン現象(up and down phenomenon)、喘息、がん、先天性眼振、家族性片麻痺性片頭痛、胎児運動障害および関節リウマチなどの他の疾患または障害、
社交不安障害、パニック障害、全般性不安障害、強迫性障害、外傷後ストレス障害および心因性運動障害などの神経症、ストレス関連および身体表現性障害、
パントテン酸キナーゼ関連神経変性症、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、失読症、基底核変性症(basal ganglion degeneration)および神経フェリチン症などの基底核の他の変性疾患、
デミバリズム(demiballismus)、錐体外路障害、本態性振戦、ゲニオスパスム(geniospasm)、過剰驚愕症、アカシジア、バリズム/片側バリズム、ミオクローヌスおよび不穏下肢症候群/Willis-Ekbom症候群などの他の錐体外路および運動障害、
睡眠関連歯ぎしり、異常不随意運動障害、他人の足症候群(alien limb syndrome)、アルツハイマー病(激越)、不器用(clumsiness)、間代性片側顔面痙攣(clonic hemifacial spasm)、嗅神経無形成(olfactory nerve agenesis)、先天性脳神経麻痺、運動失調症候群、家族性周期性四肢麻痺、先天性不全片麻痺、微細運動遅延(fine motor
delay)、微細運動技能機能障害(fine motor skill dysfunction)、粗大運動遅延(gross motor delay)、多発性硬化症、先天性弛緩性麻痺、先天性ホルネル症候群、小児の交代性片麻痺、運動発達遅延、脳性麻痺、アテトーシス様脳性麻痺、不自然な姿勢(posturing)、偽性麻痺、精神運動亢進(psychomotor hyperactivity)、運動緩徐、共同運動、無動、ライリー・デイ症候群およびアテトーシスなどの他の神経系または運動機能、
パーキンソニズム、薬物誘発性パーキンソニズム、小書症およびパーキンソン病などのパーキンソン病/パーキンソニズム、
堕落および主観的無能力を含む堕落、
注意欠陥多動障害、注意欠陥障害、多動、多動(新生児)、反抗挑戦性障害、一時的チック症(provisional tic disorder)、持続性(慢性)運動または音声チック症(vocal tic disorder)、常同運動症、常同症およびトゥレット症候群などの小児期発症行動および情動障害、
自閉症スペクトラム障害、レット症候群、アスペルガー症候群、広汎性発達障害NOSおよび失読症などの広汎性発達障害、ならびに
嗜癖障害、アルコール症、コカイン依存症、非合法薬物乱用、メタンフェタミン乱用、メタンフェタミン嗜癖/依存症、メタンフェタミン使用障害、モルヒネ乱用、モルヒネアナログ乱用、ニコチン依存症、多剤乱用および処方薬乱用などの物質乱用または依存症。
【0128】
一部の実施形態では、患者は、22q11.2欠失症候群を有すると決定されている。一部の実施形態では、患者は、22q11.2欠失症候群を有するために、精神医学的障害を発症しやすい。一部の実施形態では、患者は、COMTハプロ不全を有すると決定されている。一部の実施形態では、患者は、COMTハプロ不全を有するために、精神医学的障害を発症しやすい。
【0129】
一部の実施形態では、患者は、口蓋心顔面症候群(VCFS)を有すると決定されている。一部の実施形態では、口蓋心顔面症候群を有する患者は、3Mb欠失を有する。一部の実施形態では、3Mb欠失は、COMTおよびTBX1の欠失を含む。一部の実施形態では、口蓋心顔面症候群を有する患者は、1.5Mb欠失を有する。一部の実施形態では、1.5Mb欠失は、TBX1およびCOMTの欠失を含む。
【0130】
一部の実施形態では、方法または使用は、1種または複数の曝露に関連する有害反応について患者をモニタリングするステップをさらに含む。一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、過敏反応から選択される。一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、皮膚反応を伴うまたは伴わない過敏反応から選択される。一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、皮膚反応を伴う過敏反応から選択される。一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、皮膚反応を伴わない過敏反応から選択される。一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、アレルギー性皮膚炎、血管浮腫、そう痒症および蕁麻疹から選択される。
【0131】
一部の実施形態では、過敏症はI型過敏症である。一部の実施形態では、過敏症はIV型過敏症である。
【0132】
一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、蕁麻疹、そう痒、アレルギー性皮膚炎および血管浮腫から選択される。一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、蕁麻疹、アレルギー性皮膚炎および血管浮腫から選択される。一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、過敏反応および発疹である。一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は発疹である。一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、発疹、蕁麻疹および血管浮腫と一致する反応から選択される。
【0133】
一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、血管浮腫と一致する反応から選択される。一部の実施形態では、血管浮腫と一致する1種または複数の曝露に関連する有害反応は、顔面、唇および口の腫脹、ならびに呼吸困難から選択される。
【0134】
一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応の増加したリスクにあるそれを必要とする患者は、アレルギーの病歴を有する。一部の実施形態では、患者は、1種もしくは複数の薬物、例えばペニシリンもしくはパロキセチンに対する;1種もしくは複数種の食物、例えば卵、乳汁、ピーナッツ、木の実、魚、甲殻類、コムギもしくはダイズに対する;および/またはネコに対するアレルギーの病歴を有する。一部の実施形態では、患者はじんま疹(hives)の病歴を有する。
【0135】
一部の実施形態では、方法または使用は、1種または複数の曝露に関連する有害反応を経験している患者に、ステロイドおよび抗ヒスタミン薬から選択される1種または複数の薬物治療を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、ステロイドは、プレドニゾンなどの全身性グルココルチコイドである。一部の実施形態では、ステロイドはヒドロコルチゾンクリームである。一部の実施形態では、抗ヒスタミン薬はジフェンヒドラミンである。
【0136】
一部の実施形態では、患者はジゴキシンも投与されており、方法は、患者に治療有効量のVMAT2阻害剤を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、ジゴキシンの用量は低減される。
【0137】
一部の実施形態では、患者はジゴキシンも投与されており、方法は、患者に治療有効量のVMAT2阻害剤を投与するステップ、続いて患者がジゴキシンによる処置を開始することを決定するステップ、および患者への治療有効量のVMAT2阻害剤の投与を継続するステップをさらに含む。一部の実施形態では、ジゴキシンの用量は低減される。
【0138】
一部の実施形態では、患者はジゴキシンも投与されており、方法は、患者に治療有効量のVMAT2阻害剤を投与するステップをさらに含み、投与は、ジゴキシン単独を投与される患者のジゴキシンの平均Cmaxより約1.5~2.5倍高いジゴキシンの平均Cmax、および/またはジゴキシン単独を投与される患者のジゴキシンの平均AUC0-∞より約1~約2倍高いジゴキシンの平均AUC0-∞を生じる。
【0139】
一部の実施形態では、患者は、シトクロムP450 2D6(CYP2D6)の低代謝群である。ある特定の実施形態では、患者は、CYP2D6低代謝群遺伝子型を有する。ある特定の実施形態では、CYP2D6低代謝群遺伝子型は、CYP2D6G1846A遺伝子型またはCYP2D6C100T遺伝子型から選択される。ある特定の実施形態では、CYP2D6低代謝群遺伝子型は、CYP2D6G1846A(AA)遺伝子型またはCYP2D6G1846A(AG)遺伝子型のうちの1種である。ある特定の実施形態では、CYP2D6低代謝群遺伝子型は、CYP2D6G1846A(AA)遺伝子型である。ある特定の実施形態では、CYP2D6低代謝群遺伝子型は、CYP2D6C100T(TT)遺伝子型またはCYP2D6C100T(CT)遺伝子型のうちの1種である。ある特定の実施形態では、CYP2D6低代謝群遺伝子型は、CYP2D6C100T(TT)遺伝子型である。一部の実施形態では、CYP2D6低代謝群遺伝子型を有する患者は、1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基の量を投与される。
【0140】
一部の実施形態では、CYP2D6の低代謝群である患者への投与は、(+)-α-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールの曝露の増加をもたらす。一部の実施形態では、CYP2D6の低代謝群である患者への投与は、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状のリスクの増加をもたらす。一部の実施形態では、CYP2D6の低代謝群である患者への投与は、患者のQT間隔延長をもたらす。ある特定の実施形態では、治療有効量は、CYP2D6低代謝群ではない患者に投与される量未満である。ある特定の実施形態では、治療有効量は、CYP2D6低代謝群ではない患者に投与される量と同じ量である。
【0141】
また、1種または複数の薬学的に許容される担体または賦形剤との組合せの、活性医薬成分としてのVMAT2阻害剤を含む医薬組成物が本明細書に提供される。
【0142】
また、疾患または障害を有する患者を処置するための、バルベナジン、(+)-α-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール、ならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される治療有効量のVMAT2阻害剤を含む組成物であって、患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状についてモニタリングされている、組成物が本明細書に提供される。
【0143】
一部の実施形態では、患者は成人である。
【0144】
一部の実施形態では、組成物は、低減された量または用量のVMAT2阻害剤が投与された後に、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を忍容する患者の能力に基づいて組成物の投与を中止するステップをさらに含む。一部の実施形態では、投与は、少なくとも1週間、例えば1、2、3または4週間などの第1の期間にわたって中止され、その後投与はVMAT2阻害剤の低減された用量で、組成物を用いて継続される。
【0145】
一部の実施形態では、組成物は、患者へのVMAT2阻害剤の投与が、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状をもたらす場合があることを患者または医療従事者に知らせるステップをさらに含む。一部の実施形態では、組成物は、患者へのVMAT2阻害剤の投与が、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状のリスクの増加をもたらす場合があることを患者または医療従事者に知らせるステップをさらに含む。一部の実施形態では、組成物は、患者へのVMAT2阻害剤の投与が、既存のパーキンソニズムまたはパーキンソン様徴候もしくは症状の悪化をもたらす場合があることを患者または医療従事者に知らせるステップをさらに含む。一部の実施形態では、組成物は、任意の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を医療従事者に報告するよう患者に知らせるステップをさらに含む。
【0146】
一部の実施形態では、組成物は、既存のパーキンソニズムを有する患者に投与されない。一部の実施形態では、組成物は、患者が、VMAT2阻害剤による処置の開始前に既存のパーキンソニズムを有するかどうかを決定するステップをさらに含む。
【0147】
一部の実施形態では、組成物は、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験している患者に、パーキンソン病を処置するために使用される1種または複数の薬物治療を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、薬物治療は、ドーパミン前駆体との組合せのドーパミン脱炭酸酵素阻害剤、例えばドーパミン前駆体レボドパとの組合せのドーパミン脱炭酸酵素阻害剤カルビドパまたはベンセラジドである。一部の実施形態では、薬物治療は、エンタカポン、トルカポンまたはオピカポンなどのカテコール-o-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤である。一部の実施形態では、薬物治療は、COMT阻害剤とのさらなる組合せのドーパミン前駆体との組合せのドーパミン脱炭酸酵素阻害剤である。一部の実施形態では、薬物治療は、プラミペキソール、ロピニロール、アポモルフィン、ブロモクリプチンまたはロチゴチンなどのドーパミンアゴニストである。一部の実施形態では、薬物治療は、セレギリン、ラサギリンまたはサフィナミドなどのモノアミン酸化酵素B阻害剤である。一部の実施形態では、薬物治療はアマンタジンである。一部の実施形態では、薬物治療はトリヘキシフェニジルまたはベンズトロピンなどの抗コリン薬である。一部の実施形態では、薬物治療は、レボドパ、カルビドパおよびオピカポンから選択される。一部の実施形態では、薬物治療は、レボドパ、カルビドパおよびエンタカポンから選択される。一部の実施形態では、薬物治療は、カルビドパおよびオピカポンとの組合せのレボドパである。一部の実施形態では、薬物治療は、リバスチグミン、カリプラジンおよびパリペリドンから選択される。
【0148】
一部の実施形態では、治療有効量のVMAT2阻害剤の投与前に、患者は<0.3のSimpson-Angus評価尺度スコアを有した。一部の実施形態では、治療有効量のVMAT2阻害剤の投与後に、患者は>1のSimpson-Angus評価尺度スコアの変化を有した。
【0149】
一部の実施形態では、投与前に、患者は、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する増加したリスクにある。
【0150】
一部の実施形態では、臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する増加したリスクにある患者は、1種または複数の抗精神病剤、抗うつ薬、抗てんかん薬、またはパーキンソニズムを引き起こす可能性があることが公知の他の薬物を同時投与されている患者である。一部の実施形態では、患者は、アムロジピン、アトロピン、ベンズトロピン、クロナゼパム、クロザピン、フルオキセチン、ガバペンチン、Lamictal、リシノプリル、リチウム、ルラシドン、オランザピン、オキシコドン、パリペリドン、プレガバリン、プラゾシン、クエチアピン、チオチキセン、チザニジン、バルプロ酸およびバルプロ酸塩から選択される1種または複数の薬物を同時投与されている。一部の実施形態では、1種または複数の他の薬物を同時投与されている患者は、臨床的に安定である。
【0151】
一部の実施形態では、臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する増加したリスクにある患者は、1種または複数の抗精神病剤を同時投与されている患者である。一部の実施形態では、抗精神病薬は、定型抗精神病薬である。一部の実施形態では、定型抗精神病薬は、フルフェナジン、ハロペリドール、ロキサピン、モリンドン、ペルフェナジン、ピモジド、スルピリド、チオリダジンまたはトリフルオペラジンである。一部の実施形態では、抗精神病薬は、非定型抗精神病薬である。一部の実施形態では、非定型抗精神病薬は、アリピプラゾール、アセナピン、クロザピン、イロペリドン、オランザピン、パリペリドン、クエチアピン、リスペリドンまたはジプラシドンである。一部の実施形態では、非定型抗精神病薬はクロザピンである。
【0152】
一部の実施形態では、臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する増加したリスクにある患者は、既存のパーキンソニズムを有する患者である。一部の実施形態では、臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する増加したリスクにある患者は、既存のパーキンソン病(特発性パーキンソン病とも称される)を有する患者である。一部の実施形態では、臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する増加したリスクにある患者は、大脳皮質基底核変性症、レビー小体型認知症、薬物誘発性パーキンソニズム、本態性振戦、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、および血管性パーキンソニズムから選択される既存の状態を有する患者である。一部の実施形態では、臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する増加したリスクにある患者は、既存の歩行障害を有する患者である。一部の実施形態では、既存の状態を有する患者は、臨床的に安定である。
【0153】
一部の実施形態では、治療有効量のVMAT2阻害剤の投与前に、患者は≧0.3のSimpson-Angus評価尺度スコアを有した。一部の実施形態では、治療有効量のVMAT2阻害剤の投与後に、患者は>1のSimpson-Angus評価尺度スコアの変化を有した。
【0154】
一部の実施形態では、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状は、移動の困難または筋肉を自発的に動かす能力の喪失、振戦、歩行異常および流涎から選択される。一部の実施形態では、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状は、無動、重度の振戦、歩行異常(引きずり、加速歩行)および流涎から選択される。一部の実施形態では、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状は、転倒、歩行異常、振戦、流涎および運動低下から選択される。一部の実施形態では、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状は、揺れ、身体硬直、移動または歩行困難および平衡維持困難から選択される。
【0155】
一部の実施形態では、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状は、患者に投与されるVMAT2阻害剤の用量の開始または増加後最初の2週間以内に発生する。
【0156】
一部の実施形態では、組成物は、患者が、患者に投与されるVMAT2阻害剤の用量の開始または増加後最初の2週間以内に1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験していない場合、VMAT2阻害剤による継続した処置のために患者を選択するステップをさらに含む。
【0157】
一部の実施形態では、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状は、VMAT2阻害剤の投与の最初の2週間以内に発生する。一部の実施形態では、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状は、患者に投与されるVMAT2阻害剤の量の増加の最初の2週間以内に発生する。
【0158】
一部の実施形態では、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状のうちの少なくとも1つの重症度は、VMAT2阻害剤の投与を中止した後に低減される。一部の実施形態では、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状のうちの少なくとも1つは、VMAT2阻害剤の投与を中止した後に消散する。さらなる実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジンジトシレートである。
【0159】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジンならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジンまたはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジン塩である。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジントシル酸塩である。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジンのジトシル酸塩である。一部の実施形態では、バルベナジンのジトシル酸塩は非晶質である。
【0160】
一部の実施形態では、バルベナジンのジトシル酸塩は実質的に非晶質である。一部の実施形態では、バルベナジンのジトシル酸塩は実質的に結晶性である。一部の実施形態では、バルベナジンの結晶性ジトシル酸塩は、6.3、17.9および19.7°±0.2°の2シータ角にX線回折ピークを含むXRPD回折パターンを有する。一部の実施形態では、バルベナジンの結晶性ジトシル酸塩は、6.3および17.9°±0.2°の2シータ角にX線回折ピークを含むXRPD回折パターンを有する。一部の実施形態では、バルベナジンの結晶性ジトシル酸塩は、6.3°±0.2°の2シータ角にX線回折ピークを含むXRPD回折パターンを有する。一部の実施形態では、結晶形態Iは、約240℃の開始温度および約243℃にピークを有する吸熱事象を含むDSCサーモグラムを有する。
【0161】
一部の実施形態では、組成物は経口投与される。一部の実施形態では、組成物は、錠剤またはカプセルの形態で投与される。
【0162】
一部の実施形態では、組成物は、食物とともにまたは伴わずに投与される。
【0163】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約20mg~約160mgの間、約20mg~約150mgの間、20mg~約140mgの間、約20mg~約130mgの間、約20mg~120mgの間、約30mg~120mgの間または約40mg~約120mgの間に等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約20mg~約100mgの間に等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約20mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約40mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約50mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約60mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約70mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約80mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約100mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回約120mgに等しい量で投与される。
【0164】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約20mg~約160mgの間、約20mg~約150mgの間、20mg~約140mgの間、約20mg~約130mgの間、約20mg~120mgの間、約30mg~120mgの間または約40mg~約120mgの間に等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約20mg~約100mgの間に等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約20mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約40mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約50mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約60mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約70mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約80mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約100mgに等しい量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約120mgに等しい量で投与される。
【0165】
一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約20mg~約160mgの間、約20mg~約150mgの間、20mg~約140mgの間、約20mg~約130mgの間、約20mg~120mgの間、約30mg~120mgの間または約40mg~約120mgの間のバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約20mg~約100mgの間のバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約20mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約50mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約70mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約100mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、1日1回約120mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。
【0166】
一部の実施形態では、治療有効量は、約20mg~約160mgの間、約20mg~約150mgの間、20mg~約140mgの間、約20mg~約130mgの間、約20mg~120mgの間、約30mg~120mgの間または約40mg~約120mgの間のバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約20mg~約100mgの間のバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約20mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約40mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約50mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約70mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約80mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約100mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約120mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である。
【0167】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される治療有効量の少なくとも約10%だけ低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、治療有効量の少なくとも約20%だけ低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、治療有効量の少なくとも約30%だけ低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、治療有効量の少なくとも約40%だけ低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、治療有効量の少なくとも約50%だけ低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、治療有効量の少なくとも約60%だけ低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、治療有効量の少なくとも約70%だけ低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、治療有効量の少なくとも約80%だけ低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、治療有効量の少なくとも約90%だけ低減される。
【0168】
ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量より10~90%少ない。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量より20~80%少ない。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量より30~70%少ない。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量より40~60%少ない。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量より約50%少ない。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量は、1日あたり約20mg~約120mgの間である。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量は、1日1回約40mg、約60mgまたは80mgである。
【0169】
ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量は、1日あたり約10mg~約80mgの間、約10mg~約70mgの間、約10mg~約60mgの間、約10mg~約50mgの間、約10mg~約40mgの間、約10mg~約30mgの間、約20mg~約80mgの間、約20mg~約70mgの間、約20mg~約60mgの間、約20mg~約50mgの間、約20mg~約40mgの間、約20mg~約30mgの間、約30mg~約80mgの間、約30mg~約70mgの間、約30mg~約60mgの間、約30mg~約50mgの間、約30mg~約40mgの間のバルベナジンである。さらなる実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回投与される。
【0170】
ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤の低減された量または用量は、1日あたり約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mgのバルベナジンである。さらなる実施形態では、VMAT2阻害剤は、1日1回投与される。
【0171】
例えば、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量が1日あたり約40mgである場合、個体は、1日あたり約36、35、32、30、28、25、24、20、16、12、8または4mgの低減された投薬量を受けてもよい。同様に、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量が1日あたり約60mgである場合、個体は、1日あたり約56、50、48、45、40、32、30、24、16または8の低減された投薬量を受けてもよい。同様に、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される量が1日あたり約80mgである場合、個体は、1日あたり約72、64、60、56、50、48、45、40、32、30、24、20、16または8の低減された投薬量を受けてもよい。さらなる実施形態では、VMAT2阻害剤は1日1回投与される。
【0172】
例えば、VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約40mgである場合、個体は、1日あたり約4~36mg、1日あたり約8~32mg、1日あたり約12~28mg、1日あたり約16~24mg、またはある特定の実施形態では、1日あたり約20mgの低減された投薬量を受けてもよい。VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約80mgである一部の実施形態では、個体は、1日あたり約8~72mg、1日あたり約16~64mg、1日あたり約24~56mg、1日あたり約32~48mg、またはある特定の実施形態では、1日あたり約24mgの低減された投薬量を受けてもよい。さらなる実施形態では、VMAT2阻害剤は1日1回投与される。
【0173】
VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約40mgである一部の実施形態では、個体は、1日あたり約5~35mg、1日あたり約10~30mg、1日あたり約15~30mg、1日あたり約15~25mg、またはある特定の実施形態では、1日あたり約20mg、もしくは1日あたり約30mgの低減された投薬量を受けてもよい。VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約40mgである一部の実施形態では、個体は、1日おきに約40mgの同じ投薬量、1日おきに約5~35mg、1日おきに約10~30mg、1日おきに約15~30mg、1日おきに約15~25mg、またはある特定の実施形態では、1日おきに約20mg、もしくは1日おきに約30mgの低減された投薬量を受けてもよい。
【0174】
VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約60mgである一部の実施形態では、個体は、1日あたり約5~75mg、1日あたり約10~70mg、1日あたり約15~65mg、1日あたり約20~60mg、1日あたり約25~55mg、1日あたり約30~50mg、またはある特定の実施形態では、1日あたり約40mgの低減された投薬量を受けてもよい。VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約60mgである一部の実施形態では、個体は、1日おきに約60mgの同じ投薬量、1日おきに約5~75mg、1日おきに約10~70mg、1日おきに約15~65mg、1日おきに約20~60mg、1日おきに約25~55mg、1日おきに約30~50mg、またはある特定の実施形態では、1日おきに約40mgの低減された投薬量を受けてもよい。
【0175】
VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約80mgである一部の実施形態では、個体は、1日あたり約5~75mg、1日あたり約10~70mg、1日あたり約15~65mg、1日あたり約20~60mg、1日あたり約25~55mg、1日あたり約30~50mg、またはある特定の実施形態では、1日あたり約40mgの低減された投薬量を受けてもよい。VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約80mgである一部の実施形態では、個体は、1日おきに約80mgの同じ投薬量、1日おきに約5~75mg、1日おきに約10~70mg、1日おきに約15~65mg、1日おきに約20~60mg、1日おきに約25~55mg、1日おきに約30~50mg、またはある特定の実施形態では、1日おきに約40mgの低減された投薬量を受けてもよい。
【0176】
VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約80mgである一部の実施形態では、個体は、1日あたり約10~75mg、1日あたり約20~70mg、1日あたり約30~65mg、1日あたり約40~65mg、1日あたり約45~45mg、またはある特定の実施形態では、1日あたり約60mgの低減された投薬量を受けてもよい。VMAT2阻害剤の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない患者に投与される投薬量が1日あたり約80mgである一部の実施形態では、個体は、1日おきに約80mgの同じ投薬量、1日おきに約10~75mg、1日おきに約20~70mg、1日おきに約30~65mg、1日おきに約40~65mg、1日おきに約45~45mg、またはある特定の実施形態では、1日おきに約60mgの低減された投薬量を受けてもよい。
【0177】
患者がVMAT2阻害剤の第1の治療有効量の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しない一部の実施形態では、患者は第2の治療有効量を受けてもよく、第2の治療有効量は、第1の治療有効量と比較して同じまたはより高い用量であってもよい。一部のさらなる実施形態では、第1の治療有効量は約30~100mgの間の量であり、第2の治療有効量は約40mg~約120mgの間の量である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は、1日あたり約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mgおよび約100mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第2の治療有効量は、1日あたり約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mgおよび約120mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約40mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約40mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約40mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約60mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約40mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約80mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約60mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約60mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約60mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約80mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約80mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約80mgのバルベナジン遊離塩基である。
【0178】
患者がVMAT2阻害剤の第1の治療有効量の投与の結果として1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する一部の実施形態では、患者は第2の治療有効量を受けてもよく、第2の治療有効量は、第1の治療有効量における量未満である。一部のさらなる実施形態では、第1の治療有効量は約30~100mgの間の量であり、第2の治療有効量は約40mg~約120mgの間の量である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は、1日あたり約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mgおよび約100mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第2の治療有効量は、1日あたり約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mgまたは約60mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約40mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約30mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約60mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約40mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約80mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約40mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約80mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約60mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約60mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約30mgのバルベナジン遊離塩基である。一部の実施形態では、第1の治療有効量は1日あたり約60mgのバルベナジン遊離塩基であり、第2の治療有効量は1日あたり約20mgのバルベナジン遊離塩基である。
【0179】
一部の実施形態では、組成物は、12時間の期間にわたって血漿1mLあたり約15ng~約60ngの間の(+)-α-DHTBZの最大血漿中濃度(Cmax)、およびおよそCmaxの約少なくとも33%~50%の間の最低血漿中濃度(Cmin)を達成するのに十分な量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、(i)約8時間~約24時間の期間にわたって血漿1mLあたり約15ng~約60ngの(+)-α-DHTBZの治療濃度範囲、および(ii)血漿1mLあたり少なくとも15ngの(+)-α-DHTBZの閾値濃度を達成するのに十分な量で投与される。
【0180】
一部の実施形態では、組成物は、第1の期間にわたって第1の量で投与され、その後量は第2の量に増加される。一部の実施形態では、第1の期間は1週間である。一部の実施形態では、第1の期間は2週間、3週間または4週間など、1週間より長い。一部の実施形態では、第1の期間は、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月またはそれよりも長い。一部の実施形態では、第1の量は、1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第1の量は、1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第2の量は、1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第2の量は、1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。
【0181】
一部の実施形態では、組成物は、第1の期間にわたって第1の量で投与され、その後量は第2の量に減少される。一部の実施形態では、第1の期間は1週間である。一部の実施形態では、第1の期間は2週間、3週間または4週間など、1週間より長い。一部の実施形態では、第1の期間は、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月またはそれよりも長い。一部の実施形態では、第1の量は、1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第1の量は、1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第2の量は、1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第2の量は、1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第1の量は、1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しく、第2の量は1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第1の量は、1日1回約80gのバルベナジン遊離塩基に等しく、第2の量は1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第1の量は1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基に等しく、第2の量は1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。
【0182】
一部の実施形態では、組成物は、第1の期間にわたって第1の量で投与され、VMAT阻害剤の投与は中止される。一部の実施形態では、第1の期間は1週間である。一部の実施形態では、第1の期間は2週間、3週間または4週間など、1週間より長い。一部の実施形態では、第1の期間は、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月またはそれよりも長い。一部の実施形態では、第1の量は、1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第1の量は、1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。一部の実施形態では、第1の量は、1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。
【0183】
一部の実施形態では、組成物は、神経学的または精神医学的疾患または障害を処置するために患者に投与される。一部の実施形態では、神経学的または精神医学的疾患または障害は、運動過剰障害、気分障害、双極性障害、統合失調症、統合失調感情障害、気分障害における躁病、気分障害におけるうつ、処置抵抗性強迫性障害、レッシュ・ナイハン症候群に関連する神経学的機能障害、アルツハイマー病に関連する激越、脆弱X症候群もしくは脆弱X関連振戦・失調症候群、自閉症スペクトラム障害、レット症候群または舞踏病有棘赤血球増加症である。
【0184】
一部の実施形態では、神経学的または精神医学的疾患または障害は、運動過剰障害である。一部の実施形態では、運動過剰障害は遅発性ジスキネジアである。一部の実施形態では、運動過剰障害はチック症である。一部の実施形態では、チック症はトゥレット症候群である。一部の実施形態では、運動過剰障害はハンチントン病である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、舞踏病様運動、全身性ジストニア、局所性ジストニアおよびミオクローヌス運動である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、ハンチントン病に関連する舞踏病である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、失調症、舞踏病、ジストニア、ハンチントン病、ミオクローヌス、不穏下肢症候群または振戦である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、ハンチントン病以外の疾患または障害である。一部の実施形態では、運動過剰障害はハンチントン病以外の疾患または障害であり、VMAT2阻害剤はデューテトラベナジンまたはテトラベナジンである。
【0185】
一部の実施形態では、神経学的または精神医学的疾患または障害は、知的発達障害(IDD)を有する患者における運動過剰障害である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、知的発達障害(IDD)を有する患者における遅発性ジスキネジアである。一部の実施形態では、運動過剰障害は、知的発達障害(IDD)を有する患者におけるチック症である。一部の実施形態では、チック症は、知的発達障害(IDD)を有する患者におけるトゥレット症候群である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、知的発達障害(IDD)を有する患者におけるハンチントン病である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、知的発達障害(IDD)を有する患者における舞踏病様運動、全身性ジストニア、局所性ジストニアおよびミオクローヌス運動である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、知的発達障害(IDD)を有する患者におけるハンチントン病に関連する舞踏病である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、知的発達障害(IDD)を有する患者における失調症、舞踏病、ジストニア、ハンチントン病、ミオクローヌス、不穏下肢症候群または振戦である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、知的発達障害(IDD)を有する患者におけるハンチントン病以外の疾患または障害である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、知的発達障害(IDD)を有する患者におけるハンチントン病以外の疾患または障害であり、VMAT2阻害剤は、デューテトラベナジンまたはテトラベナジンである。
【0186】
一部の実施形態では、知的発達障害(IDD)は、知的障害および発達障害を含む。一部の実施形態では、知的発達障害(IDD)は知的障害である。一部の実施形態では、知的発達障害(IDD)は発達障害である。一部の実施形態では、知的発達障害(IDD)は、冒されている身体の部分または系によって特徴付けられる。さらなる実施形態では、身体の部分または系は、神経系、感覚系、代謝および変性系から選択される。
【0187】
一部の実施形態では、組成物は、以下から選択される疾患または障害を処置するために患者に投与される:
脊髄小脳失調症17型(SCA17)/HDL4、失調症、脊髄性筋萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、家族性筋萎縮性側索硬化症、先天性球脊髄性筋萎縮症、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、遺伝性運動ニューロン疾患および遺伝性痙性対麻痺などの失調症または脊髄性筋萎縮症、
良性遺伝性舞踏病、舞踏病、ミトコンドリア病/ミトコンドリアの原因に関連する舞踏病、ウィルソン病に関連する舞踏病、妊娠舞踏病、舞踏病有棘赤血球増加症、薬物誘発性舞踏病、片側バリズム、リウマチ性/シデナム舞踏病および甲状腺毒性舞踏病/甲状腺機能亢進性舞踏病などの舞踏病、
アンジェルマン症候群、先天性神経学的障害、エカルディ症候群、神経線維腫症、先天性顔面神経形成不全、メビウスII症候群、コケイン症候群、シェーグレン・ラルソン症候群、ローレンス・ムーン・バルデー・ビードル症候群、脆弱X症候群およびプラダー・ウィリー症候群などの先天性形成異常、変形または異常、
エイズ関連認知症、アルツハイマー病、先天性神経変性、レビー小体型認知症、微小梗塞による認知症、初老期認知症、老年認知症および血管性認知症などの認知症、
舌痛症/口内焼灼感症候群および顎関節障害などの口腔、唾液腺および顎の疾患、
咽頭ジスキネジア、ジスキネジア、ジスキネジア(新生児)、ジスキネジア(食道)、レボドパ誘発性ジスキネジア、発作性運動誘発性ジスキネジア、発作性非運動誘発性ジスキネジアおよび呼吸器ジスキネジアなどのジスキネジア、
眼瞼痙攣、口舌症候群、薬物誘発性急性ジストニア、ジストニア、早期発症原発性ジストニア、遺伝性捻転ジストニア、手ジストニア/書痙、特発性非家族性ジストニア、特発性口腔顔面ジストニア/メージュ病、喉頭ジストニア、顎口腔ジストニアおよび痙性斜頸/頸部ジストニアなどのジストニア、
ウィルソン病、糖尿病、肥満、シンドロームXおよびレッシュ・ナイハン症候群などの内分泌、栄養および代謝疾患、
バルチックミオクロニーてんかん、良性家族性新生児痙攣、てんかん、先天性てんかん、ラフォラミオクロニーてんかん、乳児重症ミオクロニーてんかんおよび痙攣などのてんかん、
過食性障害、窃盗癖、衝動制御障害、抜毛癖、間欠性爆発性障害、病的賭博および放火癖などの習慣および衝動の障害、
ハンチントン病、ハンチントン病類縁症候群1~3型、ハンチントン舞踏病およびX連鎖マクラウド神経有棘赤血球症候群などのハンチントン病または関連障害、
統合失調症、精神病、躁病、双極性障害、うつおよび気分障害などの気分または精神病性障害、
不器用、運動低下、運動低下(新生児)、運動障害、兎の口症候群、痙縮、アップダウン現象、喘息、がん、先天性眼振、家族性片麻痺性片頭痛、胎児運動障害および関節リウマチなどの他の疾患または障害、
社交不安障害、パニック障害、全般性不安障害、強迫性障害、外傷後ストレス障害および心因性運動障害などの神経症、ストレス関連および身体表現性障害、
パントテン酸キナーゼ関連神経変性症、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、失読症、基底核変性症および神経フェリチン症などの基底核の他の変性疾患、
デミバリズム、錐体外路障害、本態性振戦、ゲニオスパスム、過剰驚愕症、アカシジア、バリズム/片側バリズム、ミオクローヌスおよび不穏下肢症候群/Willis-Ekbom症候群などの他の錐体外路および運動障害、
睡眠関連歯ぎしり、異常不随意運動障害、他人の足症候群、アルツハイマー病(激越)、不器用、間代性片側顔面痙攣、嗅神経無形成、先天性脳神経麻痺、運動失調症候群、家族性周期性四肢麻痺、先天性不全片麻痺、微細運動遅延、微細運動技能機能障害、粗大運動遅延、多発性硬化症、先天性弛緩性麻痺、先天性ホルネル症候群、小児の交代性片麻痺、運動発達遅延、脳性麻痺、アテトーシス様脳性麻痺、不自然な姿勢、偽性麻痺、精神運動亢進、運動緩徐、共同運動、無動、ライリー・デイ症候群およびアテトーシスなどの他の神経系または運動機能、
パーキンソニズム、薬物誘発性パーキンソニズム、小書症およびパーキンソン病などのパーキンソン病/パーキンソニズム、
堕落および主観的無能力を含む堕落、
注意欠陥多動障害、注意欠陥障害、多動、多動(新生児)、反抗挑戦性障害、一時的チック症、持続性(慢性)運動または音声チック症、常同運動症、常同症およびトゥレット症候群などの小児期発症行動および情動障害、
自閉症スペクトラム障害、レット症候群、アスペルガー症候群、広汎性発達障害NOSおよび失読症などの広汎性発達障害、ならびに
嗜癖障害、アルコール症、コカイン依存症、非合法薬物乱用、メタンフェタミン乱用、メタンフェタミン嗜癖/依存症、メタンフェタミン使用障害、モルヒネ乱用、モルヒネアナログ乱用、ニコチン依存症、多剤乱用および処方薬乱用などの物質乱用または依存症。
【0188】
一部の実施形態では、患者は、22q11.2欠失症候群を有すると決定されている。一部の実施形態では、患者は、22q11.2欠失症候群を有するために、精神医学的障害を発症しやすい。一部の実施形態では、患者は、COMTハプロ不全を有すると決定されている。一部の実施形態では、患者は、COMTハプロ不全を有するために、精神医学的障害を発症しやすい。
【0189】
一部の実施形態では、患者は、口蓋心顔面症候群(VCFS)を有すると決定されている。一部の実施形態では、口蓋心顔面症候群を有する患者は、3Mb欠失を有する。一部の実施形態では、3Mb欠失は、COMTおよびTBX1の欠失を含む。一部の実施形態では、口蓋心顔面症候群を有する患者は、1.5Mb欠失を有する。一部の実施形態では、1.5Mb欠失は、TBX1およびCOMTの欠失を含む。
【0190】
本明細書に記載されるありとあらゆる方法、組成物または使用はまた、必要に応じて、「VMAT2阻害剤がデューテトラベナジンまたはテトラベナジンである場合、VMAT2阻害剤はハンチントン病以外の神経学的または精神医学的疾患または障害を処置するために患者に投与される」という制限を含む。
【0191】
一部の実施形態では、組成物は、1種または複数の曝露に関連する有害反応について患者をモニタリングするステップをさらに含む。一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、過敏反応から選択される。一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、皮膚反応を伴うまたは伴わない過敏反応から選択される。一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、皮膚反応を伴う過敏反応から選択される。一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、皮膚反応を伴わない過敏反応から選択される。一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、アレルギー性皮膚炎、血管浮腫、そう痒症および蕁麻疹から選択される。
【0192】
一部の実施形態では、過敏症はI型過敏症である。一部の実施形態では、過敏症はIV型過敏症である。
【0193】
一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、蕁麻疹、そう痒、アレルギー性皮膚炎および血管浮腫から選択される。一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、蕁麻疹、アレルギー性皮膚炎および血管浮腫から選択される。一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、過敏反応および発疹である。一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は発疹である。一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、発疹、蕁麻疹および血管浮腫と一致する反応から選択される。
【0194】
一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応は、血管浮腫と一致する反応から選択される。一部の実施形態では、血管浮腫と一致する1種または複数の曝露に関連する有害反応は、顔面、唇および口の腫脹、ならびに呼吸困難から選択される。
【0195】
一部の実施形態では、1種または複数の曝露に関連する有害反応の増加したリスクにあるそれを必要とする患者は、アレルギーの病歴を有する。一部の実施形態では、患者は、1種もしくは複数の薬物、例えばペニシリンもしくはパロキセチンに対する;1種もしくは複数種の食物、例えば卵、乳汁、ピーナッツ、木の実、魚、甲殻類、コムギもしくはダイズに対する;および/またはネコに対するアレルギーの病歴を有する。一部の実施形態では、患者はじんま疹の病歴を有する。
【0196】
一部の実施形態では、組成物は、1種または複数の曝露に関連する有害反応を経験している患者に、ステロイドおよび抗ヒスタミン薬から選択される1種または複数の薬物治療を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、ステロイドは、プレドニゾンなどの全身性グルココルチコイドである。一部の実施形態では、ステロイドはヒドロコルチゾンクリームである。一部の実施形態では、抗ヒスタミン薬はジフェンヒドラミンである。
【0197】
一部の実施形態では、患者はジゴキシンも投与されており、方法は、患者に治療有効量のVMAT2阻害剤を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、ジゴキシンの用量は低減される。
【0198】
一部の実施形態では、患者はジゴキシンも投与されており、方法は、患者に治療有効量のVMAT2阻害剤を投与するステップ、続いて患者がジゴキシンによる処置を開始することを決定するステップ、および患者への治療有効量のVMAT2阻害剤の投与を継続するステップをさらに含む。一部の実施形態では、ジゴキシンの用量は低減される。
【0199】
一部の実施形態では、患者はジゴキシンも投与されており、方法は、患者に治療有効量のVMAT2阻害剤を投与するステップをさらに含み、投与は、ジゴキシン単独を投与される患者のジゴキシンの平均Cmaxより約1.5~2.5倍高いジゴキシンの平均Cmax、および/またはジゴキシン単独を投与される患者のジゴキシンの平均AUC0-∞より約1~約2倍高いジゴキシンの平均AUC0-∞を生じる。
【0200】
一部の実施形態では、患者は、シトクロムP450 2D6(CYP2D6)の低代謝群である。ある特定の実施形態では、患者は、CYP2D6低代謝群遺伝子型を有する。ある特定の実施形態では、CYP2D6低代謝群遺伝子型は、CYP2D6G1846A遺伝子型またはCYP2D6C100T遺伝子型から選択される。ある特定の実施形態では、CYP2D6低代謝群遺伝子型は、CYP2D6G1846A(AA)遺伝子型またはCYP2D6G1846A(AG)遺伝子型のうちの1種である。ある特定の実施形態では、CYP2D6低代謝群遺伝子型は、CYP2D6G1846A(AA)遺伝子型である。ある特定の実施形態では、CYP2D6低代謝群遺伝子型は、CYP2D6C100T(TT)遺伝子型またはCYP2D6C100T(CT)遺伝子型のうちの1種である。ある特定の実施形態では、CYP2D6低代謝群遺伝子型は、CYP2D6C100T(TT)遺伝子型である。一部の実施形態では、CYP2D6低代謝群遺伝子型を有する患者は、1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基の量を投与される。
【0201】
一部の実施形態では、CYP2D6の低代謝群である患者への投与は、(+)-α-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールの曝露の増加をもたらす。一部の実施形態では、CYP2D6の低代謝群である患者への投与は、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状のリスクの増加をもたらす。一部の実施形態では、CYP2D6の低代謝群である患者への投与は、患者のQT間隔延長をもたらす。ある特定の実施形態では、治療有効量は、CYP2D6低代謝群ではない患者に投与される量未満である。ある特定の実施形態では、治療有効量は、CYP2D6低代謝群ではない患者に投与される量と同じ量である。
【0202】
賦形剤の選択は、特定の投与様式、活性成分の溶解度および安定性に対する賦形剤の効果、ならびに剤形の性質などの要因に大幅に依存する。
【0203】
本明細書に提供される医薬組成物は、単位剤形または複数剤形で提供されてもよい。単位剤形は、本明細書で使用される場合、ヒトおよび動物被験体への投与に好適であり、当技術分野で公知のように個々に包装される物理的に別個の単位を指す。各単位用量は、必要とされる薬学的担体または賦形剤と関連して、所望の治療効果を生じるのに十分な活性成分の所定の分量を含有する。単位剤形の例として、アンプル、シリンジならびに個々に包装される錠剤およびカプセルが挙げられる。単位剤形は、その一部または複数で投与されてもよい。複数剤形は、分離された単位剤形で投与されるように単一の容器に包装された複数の同一の単位剤形である。複数剤形の例として、バイアル、錠剤もしくはカプセルのボトル、またはパイントもしくはガロンのボトルが挙げられる。
【0204】
本明細書に提供される医薬組成物は、単独で、または本明細書に提供される1種もしくは複数の他の化合物、1種もしくは複数の他の活性成分との組合せで投与されてもよい。本明細書に提供される医薬組成物は、経口、非経口および局所的投与のための種々の剤形で製剤化されてもよい。医薬組成物はまた、遅延放出、延長放出(extended-release)、延長放出(prolonged-release)、持続放出、パルス放出、制御放出、加速放出および高速放出、標的化放出、プログラム化放出ならびに胃滞留剤形を含む改変された放出剤形として製剤化されてもよい。これらの剤形は、当業者に公知の従来の方法および技術に従って調製されてもよい。本明細書に提供される医薬組成物は、1回で、または時間間隔をおいて複数回で投与されてもよい。正確な投薬量および処置の継続時間は、処置されている患者の年齢、体重および状態とともに変化してもよく、公知の試験プロトコールを使用して経験的に、あるいはin vivoもしくはin vitro試験または診断データからの外挿によって決定されてもよいことが理解される。任意の特定の個体に関して、特定の投薬量レジメンは、個体の必要性および製剤を投与するまたは投与を監視する者の専門的な判断に応じて経時的に調整されるべきであることがさらに理解される。
【0205】
経口投与
本明細書に提供される医薬組成物は、経口投与のための固体、半固体または液体剤形で提供されてもよい。本明細書で使用される場合、経口投与は、頬側、舌および舌下投与も含む。好適な経口剤形として、これらに限定されないが、錠剤、カプセル、丸剤、トローチ、ロゼンジ、錠剤(pastille)、カシェ剤、ペレット、薬用チューイングガム、顆粒、バルク粉末、発泡性または非発泡性粉末または顆粒、溶液、エマルジョン、懸濁物、溶液、ウエハ、スプリンクル(sprinkle)、エリキシルおよびシロップが挙げられる。活性成分に加え、医薬組成物は、これらに限定されないが、結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤、流動促進剤(glidant)、着色剤、染料移行阻害剤、甘味剤および矯味矯臭剤を含む1種または複数の薬学的に許容される担体または賦形剤を含有してもよい。
【0206】
結合剤または造粒剤(granulator)は、圧縮後に錠剤がインタクトなままであることを保証するために、錠剤に粘着性を付与する。好適な結合剤または造粒剤として、これらに限定されないが、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンおよびアルファ化デンプン(例えば、STARCH1500)などのデンプン;ゼラチン;スクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜およびラクトースなどの糖;アカシア、アルギン酸、アルギン酸塩、ヤハズツノマタの抽出物、パンワーガム、ガッティガム、イサゴールハスク(isabgol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、Veegum、カラマツアラビノガラクタン(arabogalactan)、粉末状トラガカントおよびグアーガムなどの天然および合成ガム;エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース;AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC Corp.、Marcus Hook、PA)などの微結晶性セルロース;ならびにこれらの混合物が挙げられる。好適な充填剤として、これらに限定されないが、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末状セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプンおよびこれらの混合物が挙げられる。結合剤または充填剤は、本明細書に提供される医薬組成物中約50~約99重量%存在してもよい。
【0207】
好適な希釈剤として、これらに限定されないが、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、ソルビトール、スクロース、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプンおよび粉糖が挙げられる。マンニトール、ラクトース、ソルビトール、スクロース、およびイノシトールなどのある特定の希釈剤は、十分な分量で存在する場合、一部の圧縮錠剤に、噛むことによって口の中での崩壊を可能にする特性を付与することができる。そのような圧縮錠剤は、咀嚼可能な錠剤として使用されてもよい。
【0208】
好適な崩壊剤として、これらに限定されないが、アガー;ベントナイト;メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどのセルロース;木質製品;天然のスポンジ;カチオン交換樹脂;アルギン酸;グアーガムおよびVee gum HVなどのガム;柑橘類の果肉;クロスカルメロースなどの架橋セルロース;クロスポビドンなどの架橋ポリマー;架橋デンプン;炭酸カルシウム;デンプングリコール酸ナトリウムなどの微結晶性セルロース;ポラクリリンカリウム;トウモロコシ(com)デンプン、ジャガイモデンプ
ン、タピオカデンプン、およびアルファ化デンプンなどのデンプン;粘土;アルギン(aligns);ならびにこれらの混合物が挙げられる。本明細書に提供される医薬組成物中の崩壊剤の量は、製剤の種類によって異なり、当業者に容易に識別可能である。本明細書に提供される医薬組成物は、約0.5~約15重量%または約1~約5重量%の崩壊剤を含有してもよい。
【0209】
好適な滑沢剤として、これらに限定されないが、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽油(light mineral oil);グリセリン;ソルビトール;マンニトール;ベヘン酸グリセロールおよびポリエチレングリコール(PEG)などのグリコール;ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油を含む水素添加植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリン酸エチル;アガー;デンプン;セキショウシ;AEROSIL(登録商標)200(W.R. Grace Co.、Baltimore、MD)およびCAB-0-SIL(登録商標)(Boston、MAのCabot Co.)などのシリカまたはシリカゲル;ならびにこれらの混合物が挙げられる。本明細書に提供される医薬組成物は、約0.1~約5重量%の滑沢剤を含有してもよい。好適な流動促進剤として、コロイド状二酸化ケイ素、CAB-0-SIL(登録商標)(Boston、MAのCabot Co.)およびアスベスト非含有タルクが挙げられる。着色剤として、承認された、認定された水溶性FD&C染料、およびアルミナ水和物に懸濁された水不溶性FD&C染料およびレーキ顔料、ならびにこれらの混合物のいずれかが挙げられる。レーキ顔料は、水溶性染料を重金属の水和酸化物に吸着させ、染料の不溶性形態を生じることによる組合せである。矯味矯臭剤として、果実などの植物から抽出された天然の香料、ならびにペパーミントおよびサリチル酸メチルなどの心地良い味覚を生じる化合物の合成ブレンドが挙げられる。甘味剤として、スクロース、ラクトース、マンニトール、シロップ、グリセリンならびにサッカリンおよびアスパルテームなどの人工甘味料が挙げられる。好適な乳化剤として、ゼラチン、アカシア、トラガカント、ベントナイトおよびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80(TWEEN(登録商標)80)などの界面活性剤、およびトリエタノールアミンオレエートが挙げられる。懸濁化剤および分散剤として、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、Veegum、アカシア、カルボメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンが挙げられる。保存剤として、グリセリン、メチルパラベンおよびプロピルパラベン、安息香酸(benzoic add)、安息香酸ナトリウムならびにアルコールが挙げられる。湿潤剤として、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレートおよびポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。溶媒として、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコールおよびシロップが挙げられる。エマルジョンで利用される非水性液体の例として、鉱油および綿実油が挙げられる。有機酸として、クエン酸および酒石酸が挙げられる。二酸化炭素の供給源として、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムが挙げられる。
【0210】
多くの担体および賦形剤が、同じ製剤内においても複数の機能を果たす場合があることが理解されるべきである。本明細書に提供される医薬組成物は、圧縮錠剤、錠剤粉砕物、咀嚼可能なロゼンジ、急速溶解性錠剤、複数圧縮錠剤または腸溶性コーティング錠剤、糖コーティングもしくはフィルムコーティングされた錠剤として提供されてもよい。腸溶性コーティングされた錠剤は、胃酸の作用に抵抗するが腸内で溶解または崩壊し、それにより胃の酸性環境から活性成分を保護する物質でコーティングされた圧縮錠剤である。腸溶性コーティングとして、これらに限定されないが、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ワックス、シェラック、アンモニア化シェラックおよび酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。糖コーティングされた錠剤は、不快な味または臭いを隠すこと、および錠剤を酸化から保護することに有益でありうる糖コーティングによって囲まれた圧縮錠剤である。フィルムコーティングされた錠剤は、水溶性材料の薄層またはフィルムで覆われた圧縮錠剤である。フィルムコーティングとして、これらに限定されないが、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000および酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。フィルムコーティングは、糖コーティングと同じ一般的な特徴を付与する。複数圧縮錠剤は、1回より多くの圧縮サイクルによって作製された圧縮錠剤であり、層状錠剤、およびプレスコーティングまたはドライコーティングされた錠剤を含む。
【0211】
錠剤の剤形は、単独、または結合剤、崩壊剤、制御放出ポリマー、滑沢剤、希釈剤および/もしくは着色剤を含む本明細書に記載される1種もしくは複数の担体もしくは賦形剤との組合せの、粉末状、結晶性または顆粒状形態の活性成分から調製されてもよい。矯味矯臭剤および甘味剤は、咀嚼可能な錠剤およびロゼンジの形成に特に有用である。
【0212】
本明細書に提供される医薬組成物は、ゼラチン、メチルセルロース、デンプンまたはアルギン酸カルシウムから作製されうる軟質または硬質カプセルとして提供されてもよい。乾燥充填カプセル(DFC)としても公知の硬質ゼラチンカプセルは、1つが他方にすっぽり被さった2つの部分からなるため、活性成分を完全に封入する。軟質弾性カプセル(SEC)は、グリセリン、ソルビトールまたは同様のポリオールの添加によって可塑化されるゼラチンシェルなどの軟質の球状シェルである。軟質ゼラチンシェルは、微生物の成長を防止するための保存剤を含有してもよい。好適な保存剤は、メチルパラベンおよびプロピルパラベンならびにソルビン酸を含む本明細書に記載されるものである。本明細書に提供される液体、半固体および固体剤形は、カプセルにカプセル化されてもよい。好適な液体および半固体剤形は、炭酸プロピレン、植物油またはトリグリセリド中溶液および懸濁物を含む。カプセルはまた、活性成分の溶解を改変するまたは持続させるために、当業者に公知のようにコーティングされてもよい。
【0213】
本明細書に提供される医薬組成物は、エマルジョン、溶液、懸濁物、エリキシルおよびシロップを含む液体および半固体剤形で提供されてもよい。エマルジョンは、1種の液体が小球の形態で別の液体中に分散された2相系であり、水中油または油中水であってもよい。エマルジョンは、薬学的に許容される非水性液体または溶媒、乳化剤および保存剤を含んでもよい。懸濁物は、薬学的に許容される懸濁化剤および保存剤を含んでもよい。アルコール水溶液は、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール(「低級」という用語は、1~6個の間の炭素原子を有するアルキルを意味する)などの薬学的に許容されるアセタール、例えばアセトアルデヒドジエチルアセタール、ならびにプロピレングリコールおよびエタノールなどの1つまたは複数のヒドロキシル基を有する水混和性溶媒を含んでもよい。エリキシルは、透明な、甘味が付与された水アルコール溶液(hydroalcoholic solution)である。シロップは、糖、例えばスクロースの濃縮水溶液であり、保存剤も含有してもよい。液体剤形では、例えば、ポリエチレングリコール中溶液が、投与のために好都合に測定されるのに十分な分量の薬学的に許容される液体担体、例えば水で希釈されてもよい。
【0214】
他の有用な液体および半固体剤形として、これらに限定されないが、本明細書に提供される活性成分、および1,2-ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテルを含むジアルキル化モノまたはポリアルキレングリコールを含有するものが挙げられ、ここで350、550、および750は、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を指す。これらの製剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸およびそのエステル、ならびにジチオカルバメートなどの1種または複数の酸化防止剤をさらに含んでもよい。
【0215】
また、本明細書に提供される経口投与用医薬組成物は、リポソーム、ミセル、マイクロスフェアまたはナノシステムの形態で提供されてもよい。
【0216】
本明細書に提供される医薬組成物は、液体剤形に再構成される非発泡性または発泡性の顆粒および粉末として提供されてもよい。非発泡性顆粒または粉末に使用される薬学的に許容される担体および賦形剤として、希釈剤、甘味料および湿潤剤を挙げることができる。発泡性顆粒または粉末に使用される薬学的に許容される担体および賦形剤として、有機酸および二酸化炭素の供給源を挙げることができる。着色剤および矯味矯臭剤は、上記の剤形のすべてで使用することができる。本明細書に提供される医薬組成物は、即時放出、または遅延放出形態、持続放出形態、パルス放出形態、制御放出形態、標的化放出形態およびプログラム化放出形態を含む改変された放出剤形として製剤化されてもよい。
【0217】
本明細書に提供される医薬組成物は、所望の治療作用を付与しない他の活性成分と、または制酸薬、プロトンポンプ阻害剤およびH受容体アンタゴニストなどの所望の作用を補う物質と共製剤化されてもよい。
【0218】
投薬量
障害または他の状態、VMAT2阻害に関連する障害または疾患の1種または複数の症状の処置、予防または好転(amelioration)において、適切な投薬量レベルは、一般的に、1日あたり患者の体重kgあたり約0.001~100mg(1日あたりのmg/kg)、1日あたり約0.01~約80mg/kg、1日あたり約0.1~約50mg/kg、1日あたり約0.5~約25mg/kg、または1日あたり約1~約20mg/kgであり、これは単一または複数用量で投与されてもよい。この範囲内で、投薬量は、1日あたり0.005~0.05、0.05~0.5、または0.5~5.0、1~15、1~20または1~50mg/kgであってもよい。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約0.001~100mg/kgである。
【0219】
ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり25~100mg/kg程度である。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約0.01~約40mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約0.1~約80mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約0.1~約50mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約0.1~約40mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約0.5~約80mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約0.5~約40mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約0.5~約25mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約1~約80mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約1~約75mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約1~約50mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約1~約40mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約1~約25mg/kgである。
【0220】
ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり5.0~150mg程度であり、ある特定の実施形態では、1日あたり10~100mgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約80mgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約40mgである。
【0221】
経口投与では、医薬組成物は、処置される患者に対する投薬量の症候性調整のために、1.0~1,000mgの活性成分、特に約1、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約40、約45、約50、約75、約80、約100、約150、約200、約250、約300、約400、約500、約600、約750、約800、約900および約1,000mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供されてもよい。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約100mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供されてもよい。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約80mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供されてもよい。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約75mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供されてもよい。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約50mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供されてもよい。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約40mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供されてもよい。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約25mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供されてもよい。組成物は、1日あたり1回、2回、3回および4回を含む1日あたり1~4回のレジメンで投与されてもよい。
【0222】
しかし、任意の特定の患者に対する特定の用量レベルおよび投薬頻度は異なってもよく、用いられる特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、全般的健康、性別、食事、投与様式および時間、排泄速度、薬物の組合せ、特定の状態の重症度、ならびに治療を受ける宿主を含む種々の要因に依存することが理解される。
【0223】
本明細書に提供される化合物はまた、本明細書に提供される化合物が有用である疾患または状態、および抗精神病薬物治療によって一般的に処置される他の状態の1種または複数の症状の処置、予防または好転において有用な他の薬剤と組み合わされてもよく、またはそれらとの組合せで使用されてもよい。
【0224】
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物はまた、定型抗精神病薬と組み合わされてもよく、またはそれらとの組合せで使用されてもよい。ある特定の実施形態では、定型抗精神病薬は、フルフェナジン、ハロペリドール、ロキサピン、モリンドン、ペルフェナジン、ピモジド、スルピリド、チオリダジンまたはトリフルオペラジンである。ある特定の実施形態では、抗精神病薬は、非定型抗精神病薬である。ある特定の実施形態では、非定型抗精神病薬は、アリピプラゾール、アセナピン、クロザピン、イロペリドン、オランザピン、パリペリドン、クエチアピン、リスペリドンまたはジプラシドンである。ある特定の実施形態では、非定型抗精神病薬はクロザピンである。
【0225】
そのような他の薬剤または薬物は、その一般的に使用される経路および量で、本明細書に提供される化合物と同時にまたは逐次的に投与されてもよい。本明細書に提供される化合物が1種または複数の他の薬物と同時に使用される場合、本明細書に提供される化合物に加えてそのような他の薬物を含有する医薬組成物が利用されてもよいが、必須ではない。したがって、本明細書に提供される医薬組成物は、本明細書に提供される化合物に加えて1種または複数の他の活性成分または治療剤も含有するものを含む。
【0226】
本明細書に提供される化合物の第2の活性成分に対する重量比は変化してもよく、各成分の有効用量に依存する。一般的に、それぞれの有効用量が使用される。したがって、例えば、本明細書に提供される化合物が第2の薬物、またはそのような他の薬物を含有する医薬組成物との組合せで使用される場合、粒子状物質の第2の薬物に対する重量比は、約1,000:1~約1:1,000、または約200:1~約1:200の範囲でありうる。
【0227】
本明細書に提供される粒子状物質と他の活性成分との組合せも、一般的に前述の範囲内であるが、各場合において各活性成分の有効用量が使用されるべきである。
【0228】
本開示の実施形態の例が以下の実施例に提供される。以下の実施例はほんの例示として、かつ本開示を使用する上で当業者を支援するために提示される。実施例は、決して本開示の範囲を別様に制限するものではない。
【実施例0229】
(実施例1)
1.推定された曝露
患者の曝露を、INGREZZAの処方履行の主要な経路である専門薬局からのINGREZZAの調剤に基づいて推定した。患者-月における推定合計曝露を、INGREZZAを調剤された患者の数、および2018年4月10日までに各患者が受け取った供給の日数に基づいて計算した。INGREZZAを調剤されたすべての患者が、表示された使用指示に従って薬物を摂取したと仮定した。INGREZZAの承認(2017年4月11日)から2018年4月10日まで、およそ31,248患者月の推定曝露で、合計およそ10,269名の患者が少なくとも1つのINGREZZAの発送を受け取った。
【0230】
2.方法論
この安全性分析は、スポンサーの安全性データベースからのすべての関連のある市販後症例の評価を含む。スポンサーの安全性データベースは、自発的報告と非自発的(solicited)報告の両方を含む。スポンサーの患者サポートプログラムおよび専門薬局から受け取った報告が非自発的情報源とみなされる。
【0231】
2.1.市販後有害反応分析の方法論
パーキンソン様事象(広域)について医薬品規制用語集(MedDRA)の標準クエリ(SMQ、MedDRAバージョン20.1)を使用し、このSMQの基本語(PT)にマッピングしてSAEを伴う症例を特定した。検索期間は、2017年4月11日(INGREZZA承認日)から2018年5月10日までであった。
【0232】
3.データ提示
3.1.市販後データ
市販後安全性データベースで、検索基準で1つまたは複数のPTを含む合計19の症例報告を特定した。これらの19の症例報告をさらに医学的検討に供し、スポンサーのパーキンソン様事象の因果関係評価に基づいて分類した。19症例のうち10症例(非自発的7、自発的3)において、報告されたパーキンソン様事象の少なくとも1つが、INGREZZAに関連する可能性があると評価された。
【0233】
残り9症例(非自発的7、自発的2)報告で、パーキンソン様事象は、INGREZZAに対する因果関係を確立するためのエビデンスが不十分であると評価された。複数の症例でパーキンソン様事象に対する代替的な説明が報告された。症例2017NBI01466における運動機能障害事象は、抗パーキンソン薬物治療がINGREZZAの開始と同時に中止された後に生じた。症例2018NBI01364における振戦は、既存の振戦を有する患者で生じた。症例2018NBI01365では、振戦は併発する不安によって説明され、症例2017NBI00717では、振戦はパーキンソン病の病歴によって説明された。症例2017NBI01590および2018NBI00975では、事象はINGREZZAの開始後遅れて発現したため(発現までの時間>3ヶ月)、因果関係の可能性は低かった。症例2017NBI01732およびおそらく症例2018NBI00674では、パーキンソン様事象は、患者がUSPIで推奨されるよりも高い用量を摂取した後に報告された。
【0234】
遅発性ジスキネジアを有する成人での第2相および第3相対照試験(最大6週間の処置)で、パーキンソン様有害事象(AE)の発生率は3%であり(プラセボの<1%に対して)バルベナジンによる長期処置(最大48週間)中では4%であった。重篤なパーキンソン様AEは、遅発性ジスキネジア患者におけるNBI臨床試験から報告されなかった。
【0235】
この報告で提示された関連のあるSAEを伴う19の市販後症例のうち、10症例で、スポンサーによってINGREZZAに関連する可能性があると評価された重篤なパーキンソン様事象が報告され、詳細な検討に供された。そのうち7つが非自発的であるこの事象は、一般的に、患者が「すくんだ」、「辛うじて動くことができる」、「歩くことができない」「歩行が不安定」または「振戦が悪化した」と記載された。事象は、症例のうち6つで入院につながり、他の4事象は重要な医学的事象と評価された。転帰は、7症例で消散したまたは消散していると報告され、1症例で未消散と報告された。残り2症例では、転帰に関する情報は提供されなかった。
【0236】
これらの10症例で報告された情報を考慮すると、パーキンソニズム事象とINGREZZAとの間に可能性のある因果関係が存在する。可能性のある因果関係は、以下によって支持される:
・妥当な時間的関係;INGREZZAの開始から事象の発現までの時間は、1日から2ヶ月の範囲であった(ほとんどの症例でINGREZZAの開始から2週間以内);
・複数の症例(症例2017NBI00265、2017NBI00642、2018NBI00355および2018NBI00781)で薬剤中断で陽性(positive de-challenge)が報告された;
・シナプス前ヒト小胞モノアミン輸送体2型の可逆的阻害による、ドーパミン放出の低減の薬物の薬理学的作用。
【0237】
上記で記載された種々の実施形態を組み合わせてさらなる実施形態を提供することができる。本明細書で言及されるおよび/または出願データシートに列挙される米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許出版物のすべては、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。必要であれば、実施形態の態様を改変し、種々の特許、出願および出版物の概念を用いてまたさらなる実施形態を提供してもよい。
【0238】
上記の詳細な説明に照らし、実施形態にこれらおよび他の変更を加えることができる。概して、以下の特許請求の範囲では、使用される用語は、特許請求の範囲を本明細書および特許請求の範囲に開示される特定の実施形態に制限すると解釈されるべきではなく、そのような特許請求の範囲が権利を有する等価物の全範囲とともに、すべての可能な実施形態を包含すると解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって制限されない。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤の投与を必要とする患者に、VMAT2阻害剤を投与する方法であって、
治療有効量の前記VMAT2阻害剤を前記患者に投与するステップ、
1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状について前記患者をモニタリングするステップ、および
前記患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する場合、前記患者への前記VMAT2阻害剤の量を調整するステップ
を含み、
前記VMAT2阻害剤がテトラベナジンまたはデューテトラベナジンである場合、前記VMAT2阻害剤がハンチントン病以外の疾患または障害を処置するために投与されている、方法。
(項目2)
神経学的または精神医学的疾患または障害を有する患者を処置する方法であって、
治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を前記患者に投与するステップ、
1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状について前記患者をモニタリングするステップ、および
前記患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する場合、前記患者への前記VMAT2阻害剤の量を調整するステップ
を含み、
前記VMAT2阻害剤がテトラベナジンまたはデューテトラベナジンである場合、前記VMAT2阻害剤がハンチントン病以外の疾患または障害を処置するために投与されている、方法。
(項目3)
前記VMAT2阻害剤の量を調整する前記ステップが、低減された量の前記VMAT2阻害剤を投与するステップである、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記VMAT2阻害剤の量を調整する前記ステップが、前記VMAT2阻害剤の処置を中止するステップである、項目1または2に記載の方法。
(項目5)
運動過剰障害を有する患者を処置する方法であって、
バルベナジンならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を前記患者に経口投与するステップ、
1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状について前記患者をモニタリングするステップ、ならびに
前記患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する場合、低減された量の前記VMAT2阻害剤を前記患者に投与するステップ
を含む、方法。
(項目6)
運動過剰障害を有する患者を処置する方法であって、
バルベナジンならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を前記患者に経口投与するステップ、
1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状について前記患者をモニタリングするステップ、ならびに
前記患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する場合、前記患者への前記VMAT2阻害剤の処置を中止するステップ
を含む、方法。
(項目7)
小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤の投与を必要とする患者に、バルベナジンならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択されるVMAT2阻害剤を投与する方法であって、前記患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験しており、方法が、
低減された量の前記VMAT2阻害剤を前記患者に投与するステップを含み、投与される前記VMAT2の前記低減された量が、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験していない患者に投与される治療有効量未満である、方法。
(項目8)
神経学的または精神医学的疾患または障害を有する患者を処置する方法であって、
バルベナジンならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される低減された量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を前記患者に投与するステップを含み、投与される前記VMAT2の前記低減された量が、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験していない患者に投与される治療有効量未満である、方法。
(項目9)
前記VMAT2阻害剤の量が、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験していない患者に投与される治療有効量と比較して少なくとも約10%低減される、項目3、5、7および8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記VMAT2阻害剤の量が、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験していない患者に投与される治療有効量と比較して少なくとも約20%低減される、項目3、5、7および8のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記VMAT2阻害剤の量が、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験していない患者に投与される治療有効量と比較して少なくとも約30%低減される、項目3、5、7および8のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記VMAT2阻害剤の量が、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験していない患者に投与される治療有効量と比較して少なくとも約40%低減される、項目3、5、7および8のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記VMAT2阻害剤の量が、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験していない患者に投与される治療有効量と比較して少なくとも約50%低減される、項目3、5、7および8のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を忍容する前記患者の能力に基づき、前記VMAT2阻害剤の投与を中止するステップをさらに含む、項目3、5および7~13のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
前記VMAT2阻害剤が、神経学的または精神医学的疾患または障害を処置するために前記患者に投与される、項目1または7に記載の方法。
(項目16)
前記神経学的または精神医学的疾患または障害が、運動過剰障害、気分障害、双極性障害、統合失調症、統合失調感情障害、気分障害における躁病、気分障害におけるうつ、処置抵抗性強迫性障害、レッシュ・ナイハン症候群に関連する神経学的機能障害、アルツハイマー病に関連する激越、脆弱X症候群もしくは脆弱X関連振戦・失調症候群、自閉症スペクトラム障害、レット症候群または舞踏病有棘赤血球増加症である、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記神経学的または精神医学的疾患または障害が運動過剰障害である、項目2~4、8および16のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
前記運動過剰障害が遅発性ジスキネジアである、項目5、6、9~13および17のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
前記運動過剰障害がチック症である、項目5、6、9~13および17のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記チック症がトゥレット症候群である、項目5、6、9~13および17のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記運動過剰障害がハンチントン病である、項目5、6、9~13および17のいずれか一項に記載の方法。
(項目22)
前記運動過剰障害がハンチントン病に関連する舞踏病である、項目5、6、9~13および17のいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
前記運動過剰障害が、失調症、舞踏病、ジストニア、ハンチントン病、ミオクローヌス、不穏下肢症候群または振戦である、項目5、6、9~13および17のいずれか一項に記載の方法。
(項目24)
前記1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状が、移動の困難、筋肉を自発的に動かす能力の喪失、振戦、歩行異常および流涎から選択される、項目1~23のいずれか一項に記載の方法。
(項目25)
前記1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状が、無動、重度の振戦、歩行異常(引きずり、加速歩行)および流涎から選択される、項目1~23のいずれか一項に記載の方法。
(項目26)
前記1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状が、転倒、歩行異常、振戦、流涎および運動低下から選択される、項目1~23のいずれか一項に記載の方法。
(項目27)
前記1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状が、揺れ、身体硬直、移動または歩行困難および平衡維持困難から選択される、項目1~23のいずれか一項に記載の方法。
(項目28)
前記(VMAT2)阻害剤が、バルベナジンならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される、項目1~4および9~13のいずれか一項に記載の方法。
(項目29)
前記VMAT2阻害剤が、バルベナジンまたはその薬学的に許容される塩である、項目1~28のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
前記VMAT2阻害剤がバルベナジントシル酸塩である、項目1~29のいずれか一項に記載の方法。
(項目31)
前記VMAT2阻害剤が、式:
【化7】

によって表されるバルベナジンのジトシル酸塩である、項目1~30のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
前記バルベナジンのジトシル酸塩が実質的に結晶性である、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記バルベナジンのジトシル酸塩が、6.3、17.9および19.7°±0.2°の2シータ角にX線回折ピークを含むXRPD回折パターンを有する、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記治療有効量が、1日1回約20mg~約160mgの間のバルベナジン遊離塩基に等しい量である、項目1~33のいずれか一項に記載の方法。
(項目35)
前記治療有効量が、1日1回約20mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である、項目1~33のいずれか一項に記載の方法。
(項目36)
前記治療有効量が、1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である、項目1~33のいずれか一項に記載の方法。
(項目37)
前記治療有効量が、1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である、項目1~33のいずれか一項に記載の方法。
(項目38)
前記治療有効量が、1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である、項目1~33のいずれか一項に記載の方法。
(項目39)
前記治療有効量が、1日1回約120mgのバルベナジン遊離塩基に等しい量である、項目1~33のいずれか一項に記載の方法。
(項目40)
前記VMAT2阻害剤が、第1の期間にわたって第1の量で投与され、その後前記量が第2の量に増加される、項目1~33のいずれか一項に記載の方法。
(項目41)
前記第1の期間が1週間である、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記第1の量が、1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基に等しい、項目40または41に記載の方法。
(項目43)
前記第2の量が、1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基に等しい、項目40~42のいずれか一項に記載の方法。
(項目44)
前記1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状が、前記VMAT2阻害剤の投与の最初の2週間以内に発生する、項目1~43のいずれか一項に記載の方法。
(項目45)
前記1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状が、前記患者に投与される前記VMAT2阻害剤の量の増加の最初の2週間以内に発生する、項目1~43のいずれか一項に記載の方法。
(項目46)
前記VMAT2阻害剤が経口投与される、項目1~45のいずれか一項に記載の方法。
(項目47)
前記VMAT2阻害剤が錠剤またはカプセルの形態で投与される、項目1~46のいずれか一項に記載の方法。
(項目48)
前記VMAT2阻害剤が、食物とともにまたは伴わずに投与される、項目1~47のいずれか一項に記載の方法。
(項目49)
前記治療有効量の前記VMAT2阻害剤の投与前に、前記患者が<0.3のSimpson-Angus評価尺度スコアを有した、項目1~48のいずれか一項に記載の方法。
(項目50)
前記治療有効量の前記VMAT2阻害剤の投与後に、前記患者が>1のSimpson-Angus評価尺度スコアの変化を有した、項目1または49のいずれか一項に記載の方法。
(項目51)
前記投与前に、前記患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する増加したリスクにある、項目1~50のいずれか一項に記載の方法。
(項目52)
臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する増加したリスクにある前記患者が、1種または複数の抗精神病剤、抗うつ薬、抗てんかん薬、またはパーキンソニズムを引き起こす可能性があることが公知の他の薬物を同時投与されている患者である、項目51に記載の方法。
(項目53)
臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する増加したリスクにある前記患者が、既存のパーキンソニズムを有する患者である、項目51に記載の方法。
(項目54)
患者への前記VMAT2阻害剤の投与が、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状をもたらす場合があることを前記患者または医療従事者に知らせるステップをさらに含む、項目1~53のいずれか一項に記載の方法。
(項目55)
患者への前記VMAT2阻害剤の投与が、前記1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状のリスクの増加をもたらす場合があることを前記患者または医療従事者に知らせるステップをさらに含む、項目1~53のいずれか一項に記載の方法。
(項目56)
任意の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を医療従事者に報告するよう前記患者に知らせるステップをさらに含む、項目1~54のいずれか一項に記載の方法。
(項目57)
前記1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状のうちの少なくとも1つが、前記VMAT2阻害剤の投与の中止後に消散する、項目4、6および14のいずれか一項に記載の方法。
(項目58)
運動過剰障害を有する患者を処置する方法であって、
バルベナジンおよびその薬学的に許容される塩から選択される治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を前記患者に経口投与するステップ、
1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状について前記患者をモニタリングするステップ、ならびに
前記患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験する場合、低減された量の前記VMAT2阻害剤を前記患者に投与するか、または前記患者への前記VMAT2阻害剤の処置を中止するステップ
を含む、方法。
(項目59)
前記運動過剰障害が遅発性ジスキネジアである、項目58に記載の方法。
(項目60)
前記運動過剰障害がハンチントン病である、項目58に記載の方法。
(項目61)
前記運動過剰障害がハンチントン病に関連する舞踏病である、項目58に記載の方法。
(項目62)
前記VMAT2阻害剤が、式:
【化8】

によって表されるバルベナジンのジトシル酸塩である、項目58~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目63)
前記バルベナジンのジトシル酸塩が実質的に結晶性である、項目62に記載の方法。
(項目64)
前記バルベナジンのジトシル酸塩が、6.3、17.9および19.7°±0.2°の2シータ角にX線回折ピークを含むXRPD回折パターンを有する、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記VMAT2阻害剤の量が少なくとも約10%低減される、項目58~64のいずれか一項に記載の方法。
(項目66)
前記VMAT2阻害剤の量が少なくとも約20%低減される、項目58~64のいずれか一項に記載の方法。
(項目67)
前記VMAT2阻害剤の量が少なくとも約40%低減される、項目58~64のいずれか一項に記載の方法。
(項目68)
前記治療有効量が、1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基に等しい、項目58~67のいずれか一項に記載の方法。
(項目69)
前記治療有効量が、1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい、項目58~64のいずれか一項に記載の方法。
(項目70)
前記治療有効量が、1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基に等しい、項目58~64のいずれか一項に記載の方法。
(項目71)
前記VMAT2阻害剤が錠剤またはカプセルの形態で投与される、項目58~70のいずれか一項に記載の方法。
(項目72)
前記VMAT2阻害剤が、食物とともにまたは伴わずに投与される、項目58~70のいずれか一項に記載の方法。
(項目73)
前記1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状が、転倒、歩行異常、振戦、流涎および運動低下から選択される、項目58~72のいずれか一項に記載の方法。
(項目74)
前記1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状が、前記患者に投与される前記VMAT2阻害剤の用量の開始または増加後最初の2週間以内に発生する、項目58~72のいずれか一項に記載の方法。
(項目75)
患者への前記VMAT2阻害剤の投与が、前記1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状のリスクの増加をもたらす場合があることを前記患者または医療従事者に知らせるステップをさらに含む、項目58~74のいずれか一項に記載の方法。
(項目76)
任意の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を医療従事者に報告するよう前記患者に知らせるステップをさらに含む、項目58~75のいずれか一項に記載の方法。
(項目77)
前記患者に投与される前記VMAT2阻害剤の量を低減した後に、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を忍容する前記患者の能力に基づき、前記VMAT2阻害剤の投与を中止するステップをさらに含む、項目58~76のいずれか一項に記載の方法。
(項目78)
前記1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状のうちの少なくとも1つが、前記VMAT2阻害剤の投与の中止後に消散する、項目58~77のいずれか一項に記載の方法。
(項目79)
疾患または障害を有する患者を処置するための、バルベナジン、(+)-α-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール、ならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される治療有効量のVMAT2阻害剤を含む組成物であって、前記患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状についてモニタリングされている、組成物。
(項目80)
前記疾患または障害が、神経学的または精神医学的疾患または障害である、項目79に記載の組成物。
(項目81)
前記神経学的または精神医学的疾患または障害が、運動過剰障害、気分障害、双極性障害、統合失調症、統合失調感情障害、気分障害における躁病、気分障害におけるうつ、処置抵抗性強迫性障害、レッシュ・ナイハン症候群に関連する神経学的機能障害、アルツハイマー病に関連する激越、脆弱X症候群もしくは脆弱X関連振戦・失調症候群、自閉症スペクトラム障害、レット症候群または舞踏病有棘赤血球増加症である、項目80に記載の組成物。
(項目82)
前記神経学的または精神医学的疾患または障害が運動過剰障害である、項目80または81に記載の組成物。
(項目83)
前記運動過剰障害が遅発性ジスキネジアである、項目82に記載の組成物。
(項目84)
前記運動過剰障害が、チック症、トゥレット症候群、ハンチントン病およびハンチントン病に関連する舞踏病から選択される、項目82に記載の組成物。
(項目85)
前記VMAT2阻害剤が、バルベナジンならびにその薬学的に許容される塩および/または同位体改変体から選択される、項目82に記載の組成物。
(項目86)
前記VMAT2阻害剤が、式:
【化9】

によって表されるバルベナジンのジトシル酸塩である、項目79~85のいずれか一項に記載の組成物。
(項目87)
前記バルベナジンのジトシル酸塩が実質的に結晶性である、項目86に記載の組成物。
(項目88)
前記治療有効量が、1日1回約20mg~約120mgの間のバルベナジン遊離塩基である、項目79~87のいずれか一項に記載の組成物。
(項目89)
前記治療有効量が、1日1回約40mgのバルベナジン遊離塩基である、項目79~87のいずれか一項に記載の組成物。
(項目90)
前記治療有効量が、1日1回約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい、項目79~87のいずれか一項に記載の組成物。
(項目91)
前記治療有効量が、1日1回約80mgのバルベナジン遊離塩基に等しい、項目79~87のいずれか一項に記載の組成物。
(項目92)
前記1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状が、移動の困難、筋肉を自発的に動かす能力の喪失、振戦、歩行異常および流涎から選択される、項目79~91のいずれか一項に記載の組成物。
(項目93)
前記1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状が、無動、重度の振戦、歩行異常(引きずり、加速歩行)および流涎から選択される、項目79~91のいずれか一項に記載の組成物。
(項目94)
前記1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状が、転倒、歩行異常、振戦、流涎および運動低下から選択される、項目79~91のいずれか一項に記載の組成物。
(項目95)
前記1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状が、前記患者に投与される前記VMAT2阻害剤の量の増加の最初の2週間以内に発生する、項目79~94のいずれか一項に記載の組成物。
(項目96)
患者への前記VMAT2阻害剤の投与が、1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状をもたらす場合があることを前記患者または医療従事者に知らせることをさらに含む、項目79~95のいずれか一項に記載の組成物。
(項目97)
患者への前記VMAT2阻害剤の投与が、前記1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状のリスクの増加をもたらす場合があることを前記患者または医療従事者に知らせることをさらに含む、項目79~96のいずれか一項に記載の組成物。
(項目98)
任意の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を医療従事者に報告するよう前記患者に知らせることをさらに含む、項目79~97のいずれか一項に記載の組成物。
(項目99)
前記患者が1つまたは複数の臨床的に有意なパーキンソン様徴候または症状を経験するかどうかを決定するステップをさらに含む、項目79~98のいずれか一項に記載の組成物。
(項目100)
前記治療有効量が、約20mg~約100mgの間のバルベナジン遊離塩基である、項目99に記載の組成物。
【外国語明細書】