(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025139738
(43)【公開日】2025-09-29
(54)【発明の名称】支持具、天井裏取付装置の取付け構造およびその施工方法
(51)【国際特許分類】
F24F 7/10 20060101AFI20250919BHJP
E04B 9/00 20060101ALI20250919BHJP
F16B 1/00 20060101ALI20250919BHJP
F24F 13/20 20060101ALI20250919BHJP
F24F 1/0047 20190101ALI20250919BHJP
F24F 13/32 20060101ALI20250919BHJP
【FI】
F24F7/10 101B
E04B9/00 Z
F16B1/00 B
F24F1/02 411D
F24F1/0047
F24F13/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024038738
(22)【出願日】2024-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000219233
【氏名又は名称】東プレ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 泰三
(72)【発明者】
【氏名】大嶽 直也
(72)【発明者】
【氏名】森本 晋平
(72)【発明者】
【氏名】相宮 宜大
【テーマコード(参考)】
3L051
【Fターム(参考)】
3L051BH02
(57)【要約】
【課題】比較的重い天井裏取付装置でも円滑に天井裏に取り付けることができる支持具、天井裏取付装置の取付け構造およびその施工方法を提供する。
【解決手段】支持具1は、天井裏に取り付ける換気扇2等の天井裏取付装置を天井構成要素である角棒状材3によって支持する。支持具1は、角棒状材3の側面部に対向する一対の対向面部11,12と、一対の対向面部11,12を角棒状材3の上面部上で繋ぐ繋ぎ面部13と、換気扇2の設置側に位置する対向面部11の下端側から換気扇2の下面の固定箇所側に延びる突出片部14と、を有しており、一対の対向面部11,12と繋ぎ面部13の少なくとも1つの面部には、当該支持具1を角棒状材3に留め付けるための留付部材4が通される留付挿通孔が形成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持対象物を角棒状材によって支持するための支持具であって、上記角棒状材の側面部に対向する一対の対向面部と、上記一対の対向面部を上記角棒状材の上面部上で繋ぐ繋ぎ面部と、上記支持対象物の設置側に位置する一方の上記対向面部の下端側から上記支持対象物の下面の固定箇所側に延びる突出片部と、を有しており、
上記一対の対向面部と上記繋ぎ面部の少なくとも1つの面部には、当該支持具を上記角棒状材に留め付けるための留付部材が通される留付挿通孔が形成されており、
上記突出片部には、上記支持対象物を当該支持具に固定する固定部材が通される固定挿通孔が形成されていることを特徴とする支持具。
【請求項2】
請求項1に記載の支持具において、上記支持対象物の設置側に位置する一方の上記対向面部と上記繋ぎ面部とに、上記留付挿通孔が形成されていることを特徴とする支持具。
【請求項3】
請求項1に記載の支持具において、上記固定挿通孔は、上記角棒状材の延設方向に長い長孔であることを特徴とする支持具。
【請求項4】
請求項2に記載の支持具において、上記固定挿通孔は、上記角棒状材の延設方向に長い長孔であることを特徴とする支持具。
【請求項5】
請求項1または請求項3に記載の支持具を用いた天井裏取付装置の取付け構造であって、天井裏で互いに平行に配置された2本の上記角棒状材の各々に2個ずつ上記支持具が、上記留付挿通孔に通された上記留付部材によって留め付けられ、合計4個の上記支持具の上記突出片部によって上記天井裏取付装置が支持され、上記固定挿通孔に通された上記固定部材によって、上記天井裏取付装置が上記支持具に固定されることを特徴とする天井裏取付装置の取付け構造。
【請求項6】
請求項2または請求項4に記載の支持具を用いた天井裏取付装置の取付け構造であって、天井裏で互いに平行に配置された2本の上記角棒状材の各々に1個ずつ上記支持具が、上記対向面部の上記留付挿通孔に通された上記留付部材によって留め付けられる一方、上記2本の上記角棒状材の各々に1個ずつ上記支持具が、上記繋ぎ面部の上記留付挿通孔に通された上記留付部材によって留め付けられ、合計4個の上記支持具の上記突出片部によって上記天井裏取付装置が支持され、上記固定挿通孔に通された上記固定部材によって、上記天井裏取付装置が上記支持具に固定されることを特徴とする天井裏取付装置の取付け構造。
【請求項7】
請求項5に記載の天井裏取付装置の取付け構造を施工する施工方法であって、互いに平行に配置された2本の上記角棒状材の各々に1個ずつ上記支持具を上記留付部材によって留め付ける一方、上記2本の上記角棒状材の各々に1個ずつ上記支持具を仮配置し、
上記留め付けられた上記2個の支持具の上記突出片部によって上記天井裏取付装置の一方の片側を支持した後、上記天井裏取付装置の他方の片側の方向に、上記仮配置した上記2個の支持具をスライドさせて、これら2個の支持具の上記突出片部によって上記天井裏取付装置の他方の片側を支持し、
上記天井裏取付装置の他方の片側を支持する上記2個の支持具を、上記留付挿通孔に通された上記留付部材によって上記角棒状材に留め付け、
合計4個の上記支持具の上記突出片部の上記固定挿通孔に通した上記固定部材によって、上記天井裏取付装置を上記支持具に固定することを特徴とする天井裏取付装置の取付け構造を施工する施工方法。
【請求項8】
請求項6に記載の天井裏取付装置の取付け構造を施工する施工方法であって、互いに平行に配置された2本の上記角棒状材の各々に1個ずつ上記支持具を上記対向面部の上記留付挿通孔に通された上記留付部材によって留め付ける一方、上記2本の上記角棒状材の各々に1個ずつ上記支持具を仮配置し、
上記留め付けられた上記2個の支持具の上記突出片部によって上記天井裏取付装置の一方の片側を支持した後、上記天井裏取付装置の他方の片側の方向に、上記仮配置した上記2個の支持具をスライドさせて、これら2個の支持具の上記突出片部によって上記天井裏取付装置の他方の片側を支持し、
上記天井裏取付装置の他方の片側を支持する上記2個の支持具を、上記繋ぎ面部の上記留付挿通孔に通された上記留付部材によって上記角棒状材に留め付け、
合計4個の上記支持具の上記突出片部の上記固定挿通孔に通した上記固定部材によって、上記天井裏取付装置を上記支持具に固定することを特徴とする天井裏取付装置の取付け構造を施工する施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、支持具、天井裏取付装置の取付け構造およびその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図7および
図8に示すように、支持金具102を用いて、換気扇等の比較的重量のある天井裏取付装置100を野縁101に取り付ける試し施工を行った。支持金具102は、野縁101の側面に接する第1面102aに対して、天井裏取付装置100の下面に接する第2面102bが、90度の角度で折り曲げられたL形状を有する。この支持金具102を用いた天井裏取付装置100の取付けでは、予め、4個の支持金具102を規定位置にビス105によって固定した後、天井裏取付装置100を施工者が持ち上げて、この天井裏取付装置100を、4個の支持金具102上に載せ置く作業が必要となる。
【0003】
なお、特許文献1には、天井裏に取り付けられる比較的軽量のダクト用換気扇が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の試し施工では、支持金具102を用いるため、天井裏取付装置100を持ち上げて支持金具102上に載せ置く際に、天井裏取付装置100が支持金具102に当たり、天井裏取付装置100の設置作業を円滑に行うことができなかった。また、特許文献1に開示された構造は、比較的軽量の換気扇を天井裏に取り付ける取付構造であり、比較的重い換気扇を天井裏に設置するには適さない。
【0006】
この発明は、上記の事情に鑑み、比較的重い天井裏取付装置でも円滑に天井裏に取り付けることができる支持具、天井裏取付装置の取付け構造およびその施工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る支持具は、上記の課題を解決するために、支持対象物を角棒状材によって支持するための支持具であって、上記角棒状材の側面部に対向する一対の対向面部と、上記一対の対向面部を上記角棒状材の上面部上で繋ぐ繋ぎ面部と、上記支持対象物の設置側に位置する一方の上記対向面部の下端側から上記支持対象物の下面の固定箇所側に延びる突出片部と、を有しており、
上記一対の対向面部と上記繋ぎ面部の少なくとも1つの面部には、当該支持具を上記角棒状材に留め付けるための留付部材が通される留付挿通孔が形成されており、
上記突出片部には、上記支持対象物を当該支持具に固定する固定部材が通される固定挿通孔が形成されていることを特徴とする(この構成を、この項において第1支持具と称する)。
【0008】
上記第1支持具であれば、上記一対の対向面部と上記繋ぎ面部によるコ字形部分を用いて上記角棒状材に引っ掛け、スライドにより位置調整できるので、上記支持対象物の取り付けに際して第1支持具に支持対象物が当たるのを回避し、その設置作業を円滑に行うことができる。また、上記繋ぎ面部が上記角棒状材の上面部上に位置することで、上記突出片部の姿勢が自ずと決まる。
【0009】
上記支持対象物の設置側に位置する一方の上記対向面部と、上記繋ぎ面部とに、上記留付挿通孔が形成されていてもよい(この構成を、この項において第2支持具と称する)。
【0010】
第1支持具において、上記固定挿通孔は、上記角棒状材の延設方向に長い長孔であってもよい(この構成を、この項において第3支持具と称する)。また、第2支持具において、上記固定挿通孔は、上記角棒状材の延設方向に長い長孔であってもよい(この構成を、この項において第4支持具と称する)。上記固定挿通孔と上記支持対象物の上記固定部材が固定される箇所との位置関係に多少のずれが生じても、上記固定挿通孔が長孔であることにより、上記固定部材を上記固定挿通孔に通して上記支持対象物を固定することができる。
【0011】
この発明に係る天井裏取付装置の取付け構造は、上記第1、第3支持具を用いた天井裏取付装置の取付け構造であって、天井裏で互いに平行に配置された2本の上記角棒状材の各々に2個ずつ上記支持具が上記留付挿通孔に通された上記留付部材によって留め付けられ、合計4個の上記支持具の上記突出片部によって上記天井裏取付装置が支持され、上記固定挿通孔に通された上記固定部材によって、上記天井裏取付装置が上記支持具に固定されることを特徴とする(この取付け構造を、この項において第1取付け構造と称する)。
【0012】
上記第1取付け構造であれば、4個の上記支持具によって上記天井裏取付装置を上記2本の角棒状材で支持させることができる。そして、上記留付部材による上記支持具の上記角棒状材への留め付けでは、この留め付けが容易となる箇所の上記留付挿通孔を用いて行うことが可能となる。
【0013】
この発明に係る天井裏取付装置の取付け構造は、上記第2、第4支持具を用いた天井裏取付装置の取付け構造であって、天井裏で互いに平行に配置された2本の上記角棒状材の各々に1個ずつ上記支持具が、上記対向面部の上記留付挿通孔に通された上記留付部材によって留め付けられる一方、上記2本の上記角棒状材の各々に1個ずつ上記支持具が、上記繋ぎ面部の上記留付挿通孔に通された上記留付部材によって留め付けられ、合計4個の上記支持具の上記突出片部によって上記天井裏取付装置が支持され、上記固定挿通孔に通された上記固定部材によって、上記天井裏取付装置が上記支持具に固定されることを特徴とする(この取付け構造を、この項において第2取付け構造と称する)。
【0014】
上記第2取付け構造であれば、4個の上記支持具によって上記天井裏取付装置を上記2本の角棒状材で支持させることができる。そして、上記留付部材による上記支持具の上記角棒状材への留め付けでは、4個の上記支持具のうちの2個について、上記対向面部の上記留付挿通孔を用いて留め付け作業を容易にし、他の2個については、上記繋ぎ面部の上記留付挿通孔を用いる。当該他の2個について、上記対向面部が上記天井裏取付装置で塞がれても、上記繋ぎ面部の上記留付挿通孔によって上記留付部材を通すことができる。
【0015】
この発明に係る天井裏取付装置の取付け構造を施工する施工方法は、上記第1取付け構造を施工する施工方法であって、互いに平行に配置された2本の上記角棒状材の各々に1個ずつ上記支持具を上記留付部材によって留め付ける一方、上記2本の上記角棒状材の各々に1個ずつ上記支持具を仮配置し、
上記留め付けられた上記2個の支持具の上記突出片部によって上記天井裏取付装置の一方の片側を支持した後、上記天井裏取付装置の他方の片側の方向に、上記仮配置した上記2個の支持具をスライドさせて、これら2個の支持具の上記突出片部によって上記天井裏取付装置の他方の片側を支持し、
上記天井裏取付装置の他方の片側を支持する上記2個の支持具を、上記留付挿通孔に通された上記留付部材によって上記角棒状材に留め付け、
合計4個の上記支持具の上記突出片部の上記固定挿通孔に通した上記固定部材によって、上記天井裏取付装置を上記支持具に固定することを特徴とする。
【0016】
かかる方法であれば、上記2個の支持具の上記突出片部によって上記天井裏取付装置の一方の片側を支持した後、上記天井裏取付装置の他方の片側の方向に、上記仮配置した上記2個の支持具をスライドさせて、これら2個の支持具の上記突出片部によって上記天井裏取付装置の他方の片側を支持するので、上記天井裏取付装置の取り付けに際して支持具に天井裏取付装置が当たるのを回避し、その設置作業を円滑に行うことができる。
【0017】
この発明に係る天井裏取付装置の取付け構造を施工する施工方法は、上記第2取付け構造を施工する施工方法であって、互いに平行に配置された2本の上記角棒状材の各々に1個ずつ上記支持具を上記対向面部の上記留付挿通孔に通された上記留付部材によって留め付ける一方、上記2本の上記角棒状材の各々に1個ずつ上記支持具を仮配置し、
上記留め付けられた上記2個の支持具の上記突出片部によって上記天井裏取付装置の一方の片側を支持した後、上記天井裏取付装置の他方の片側の方向に、上記仮配置した上記2個の支持具をスライドさせて、これら2個の支持具の上記突出片部によって上記天井裏取付装置の他方の片側を支持し、
上記天井裏取付装置の他方の片側を支持する上記2個の支持具を、上記繋ぎ面部の上記留付挿通孔に通された上記留付部材によって上記角棒状材に留め付け、
合計4個の上記支持具の上記突出片部の上記固定挿通孔に通した上記固定部材によって、上記天井裏取付装置を上記支持具に固定することを特徴とする。
【0018】
かかる方法であれば、上記2個の支持具の上記突出片部によって上記天井裏取付装置の一方の片側を支持した後、上記天井裏取付装置の他方の片側の方向に、上記仮配置した上記2個の支持具をスライドさせて、これら2個の支持具の上記突出片部によって上記天井裏取付装置の他方の片側を支持するので、上記天井裏取付装置の取り付けに際して支持具に天井裏取付装置が当たるのを回避し、その設置作業を円滑に行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明であれば、比較的重い天井裏取付装置でも円滑に天井裏に取り付けることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施形態の天井裏取付装置の取付け構造を示した概略の斜視図である。
【
図2】
図1に示した天井裏取付装置の取付け構造に用いられた実施形態の支持具を示した斜視説明図である。
【
図3】
図1に示した天井裏取付装置の取付け構造の施工方法を示す当該取付け構造の一部の概略の縦断面図であって、同図(A)は先に配置する支持具の角棒状材への留付部材による留め付けを示しており、同図(B)は後に配置する支持具の角棒状材への留付部材による留め付けを示している。
【
図4】
図1に示した天井裏取付装置の取付け構造の施工方法の後に配置する支持具のスライドを示した斜視説明図である。
【
図5】他の実施形態の天井裏取付装置の取付け構造の施工方法を示す当該取付け構造の一部の概略の縦断面図であって、同図(A)は先に配置する支持具の角棒状材への留付部材による留め付けを示しており、同図(B)は後に配置する支持具の角棒状材への留付部材による留め付けを示している。
【
図6】他の実施形態の天井裏取付装置の取付け構造の施工方法を示す当該取付け構造の一部の概略の縦断面図であって、同図(A)は先に配置する支持具の角棒状材への留付部材による留め付けを示しており、同図(B)は後に配置する支持具の角棒状材への留付部材による留め付けを示している。
【
図7】試し施工で用いた支持金具を示した斜視説明図である。
【
図8】試し施工による天井裏取付装置の取付け構造を示した概略の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1および
図2に示すように、この実施形態の支持具1は、天井裏に配置された天井構成要素である水平配置の断面矩形の角棒状材3(野縁等)に留め付けられて、天井裏に取り付ける換気扇2等の天井裏取付装置(支持対象物)の下面側縁を支持する。
【0022】
支持具1は、角棒状材3の側面部に対向する一対の対向面部11,12と、一対の対向面部11,12を角棒状材3の上面部上で繋ぐ繋ぎ面部13と、換気扇2の設置側に位置する一方の対向面部11の下端側から換気扇2の下面の固定箇所側に延びる突出片部14と、を有する金属製の曲げ加工部材である。
【0023】
また、換気扇2の設置側に位置する一方の対向面部11および繋ぎ面部13には、支持具1を角棒状材3に留め付けるねじ等の留付部材4が通される円形の留付挿通孔11a、13aが2個ずつ形成されている。
【0024】
また、突出片部14には、換気扇2を支持具1に固定するねじ等の固定部材5が通される固定挿通孔14aが形成されている。固定挿通孔14aは、角棒状材3の延設方向に長くされた長孔である。
【0025】
支持具1を用いた換気扇2の取付け構造では、換気扇2は、互いに平行に配置された2本の角棒状材3の間に配置される。そして、換気扇2の一方の片側の箇所においては、2本の角棒状材3の各々に1個ずつ配置された支持具1が、
図3(A)に示すように、支持具1の対向面部11の留付挿通孔11aに通された留付部材4によって留め付けられる。一方、換気扇2の他方の片側の箇所においては、2本の角棒状材3の各々に1個ずつ配置された支持具1が、
図3(B)に示すように、繋ぎ面部13の留付挿通孔13aに通された留付部材4によって留め付けられる。そして、合計4個の支持具1の突出片部14によって換気扇2が支持され、固定挿通孔14aに通された固定部材5によって、換気扇2が固定される。
【0026】
支持具1を用いた換気扇2の取付け施工は、天井材が取り付けられる前に、施工者は、互いに平行に配置された2本の角棒状材3の各々に、
図3(A)に示したように、1個ずつ支持具1を対向面部11の留付挿通孔11aに通された留付部材4によって留め付ける。一方、
図4に示すように、2本の角棒状材3の各々に1個ずつ支持具1を仮配置する。
【0027】
施工者は、上記のように留め付けられた2個の支持具1の突出片部14に、持ち上げた換気扇2の一方の片側を支持させる。その後、同じ施工者でもよいが、別の施工者が、換気扇2の他方の片側の方向に、上記の仮配置した2個の支持具1をスライドさせて、これら2個の支持具1の突出片部14によって、換気扇2の他方の片側を支持させる。
【0028】
次に、施工者は、換気扇2の一方の片側および他方の片側を支持する4個の支持具1を、繋ぎ面部13の留付挿通孔13aに通された留付部材4によって角棒状材3に留め付ける。そして、施工者は、合計4個の支持具1の突出片部14の固定挿通孔14aに下から通した固定部材5によって、換気扇2を支持具1に固定する。
【0029】
上記構成の支持具1であれば、一対の対向面部11,12と繋ぎ面部13によるコ字形部分を用いて角棒状材3に引っ掛け、スライドにより位置調整できるので、換気扇2の取り付けに際して支持具1に換気扇2が当たるのを回避し、その設置作業を円滑に行うことができる。また、繋ぎ面部13が角棒状材3の上面部上に位置することで、突出片部14の水平姿勢が自ずと決まる。
【0030】
また、支持具1を用いた換気扇2の取付け構造によれば、4個の支持具1によって換気扇2を上記2本の角棒状材3で支持させることができる。そして、留付部材4による支持具1の角棒状材3への留め付けでは、4個の支持具1のうちの2個について、対向面部11の留付挿通孔11aを用いて留め付け作業が容易になる。一般に、角棒状材3の上方位置に、留付部材4を締め込むドライバーを鉛直向きに入れることが容易でない場合がある一方、ドライバーを水平向きにして留付挿通孔11aに留付部材4を締め込むことが容易であるので、支持具1の角棒状材3への留め付け作業が容易になる。また、他の2個の支持具1については、繋ぎ面部13の留付挿通孔13aを用いるので、当該他の2個の支持具1について、対向面部11が換気扇2で塞がれても、繋ぎ面部13の留付挿通孔13aに留付部材4を通すことができる。
【0031】
また、支持具1を用いた換気扇2の取付け方法によれば、2個の支持具1の突出片部14によって換気扇2の一方の片側を支持した後、換気扇2の他方の片側の方向に、仮配置した2個の支持具1をスライドさせて、これら2個の支持具1の突出片部14によって換気扇2の他方の片側を支持するので、換気扇2の取り付けに際して支持具1に換気扇2が当たるのを回避し、その設置作業を円滑に行うことができる。
【0032】
支持具1は、対向面部11の留付挿通孔11aと繋ぎ面部13の留付挿通孔13aとを有する形態に限定されない。例えば、
図5(A)および
図5(B)に示すように、支持具1は、繋ぎ面部13の留付挿通孔13aのみ有し、4個の支持具1のうちの先に留め付ける2個について、繋ぎ面部13の留付挿通孔13aを用い、且つ、後に留め付ける2個についても、繋ぎ面部13の留付挿通孔13aを用いることとしてもよい。
【0033】
或いは、
図6(A)および
図6(B)に示すように、支持具1は、繋ぎ面部13の留付挿通孔13aと、対向面部12の留付挿通孔12aを有し、4個の支持具1のうちの先に留め付ける2個について、繋ぎ面部13の留付挿通孔13aを用い、且つ後に留め付ける2個について、対向面部12の留付挿通孔12aを用いることとしてもよい。
【0034】
支持具1における留付挿通孔は、以上に示した態様に限らず、上記一対の対向面部11,12と繋ぎ面部13の少なくとも1つの面部に、当該支持具1を角棒状材3に留め付けるための留付部材が通される留付挿通孔が形成されていればよい。また、支持具1として、上記留付挿通孔の形成箇所が互いに違う多種類のものが用いられてもよい。そして、換気扇2の取付け構造および施工方法では、いずれかの留付挿通孔に通された留付部材4によって支持具1が角棒状材3に留め付けられ、合計4個の支持具1の突出片部14によって換気扇2が支持されてもよい。
【0035】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 :支持具
2 :換気扇
3 :角棒状材
4 :留付部材
5 :固定部材
11 :対向面部
11a :留付挿通孔
12 :対向面部
12a :留付挿通孔
13 :繋ぎ面部
13a :留付挿通孔
14 :突出片部
14a :固定挿通孔