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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025140180
(43)【公開日】2025-09-29
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20250919BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20250919BHJP
【FI】
G03G21/16 133
G03G15/00 550
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024039388
(22)【出願日】2024-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 英生
(72)【発明者】
【氏名】小山 智億
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA01
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA19
2H171GA12
2H171HA05
2H171HA06
2H171HA08
2H171HA09
2H171HA11
2H171HA13
2H171HA15
2H171HA17
2H171HA22
2H171HA23
2H171HA24
2H171KA05
2H171KA09
2H171KA17
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA26
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA17
2H171SA22
2H171SA26
(57)【要約】
【課題】定着装置の着脱性を向上した画像形成装置の一形態を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、開口部を有する装置本体と、開口部を覆う閉位置と、開口部を開放する開位置と、の間で装置本体に対して開閉可能に支持される開閉部材と、開口部を介して装置本体に対して着脱可能に支持され、シートに熱及び圧力を付与することでトナー像をシートに定着させる定着装置と、装置本体に設けられ、定着装置を第1位置から第1位置とは異なる第2位置に向けて移動可能な移動ユニットと、を備える。定着装置は、開閉部材が閉位置に位置する状態で、第1位置から第2位置への移動が規制され、開閉部材が開位置に位置する状態で、第1位置から第2位置への移動が許容される。移動ユニットは、第2位置に位置する定着装置を着脱可能に支持する支持部を有する。支持部は、定着装置の長手方向に延び、定着装置を下方から支持する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートにトナー像を形成する画像形成装置において、
開口部を有する装置本体と、
前記開口部を覆う閉位置と、前記開口部を開放する開位置と、の間で前記装置本体に対して開閉可能に支持される開閉部材と、
前記開口部を介して前記装置本体に対して着脱可能に支持され、シートに熱及び圧力を付与することでトナー像をシートに定着させる定着装置と、
前記装置本体に設けられ、前記定着装置を第1位置から前記第1位置とは異なる第2位置に向けて移動可能な移動ユニットと、を備え、
前記定着装置は、前記開閉部材が前記閉位置に位置する状態で、前記第1位置から前記第2位置への移動が規制され、前記開閉部材が前記開位置に位置する状態で、前記第1位置から前記第2位置への移動が許容され、
前記移動ユニットは、前記第2位置に位置する前記定着装置を着脱可能に支持する支持部を有し、
前記支持部は、前記定着装置の長手方向に延び、前記定着装置を下方から支持する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1位置に位置する前記定着装置は、前記長手方向に見て、前記閉位置に位置する前記開閉部材に重ならず、
前記第2位置に位置する前記定着装置は、前記長手方向に見て、前記閉位置に位置する前記開閉部材に少なくとも一部が重なる、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2位置は、前記第1位置よりも上方の位置である、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記支持部は、前記長手方向に延びる1対の軸部材を有し、
前記定着装置の下面は、前記1対の軸部材が係合可能な1対の凹部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記支持部は、前記1対の軸部材の前記長手方向における両端部を連結する1対の連結部材を有する、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記支持部は、前記長手方向に延び、前記定着装置が載置される載置面と、前記載置面の前記長手方向における両端部から上方に立ち上がる1対の側面と、前記載置面から上方に立ち上がり、前記1対の側面を連結する連結面と、を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記定着装置は、前記載置面に載置された状態で、前記連結面との間に空気が流れる隙間を有する、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記支持部は、前記第1位置に位置する前記定着装置に向けて搬送されるシートが通過可能な開口を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記移動ユニットは、前記定着装置を前記第1位置から前記第2位置に向けて付勢する付勢部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記定着装置の前記第1位置から前記第2位置への移動を規制可能な規制部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記定着装置は、前記規制部に係合することで前記定着装置の前記第1位置から前記第2位置への移動を規制する規制位置と、前記規制部との係合が解除されることで前記定着装置の前記第1位置から前記第2位置への移動を許容する許容位置と、に移動可能な係合部を有する、
ことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記定着装置は、前記開閉部材が前記閉位置から前記開位置へ移動され、かつ前記規制部が前記規制位置から前記許容位置に移動されることで、前記移動ユニットによって前記第2位置に移動する、
ことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記移動ユニットの前記支持部は、前記開閉部材が前記閉位置に位置する際に、前記第1位置に位置する前記定着装置から離間している、
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
シートにトナー像を形成するための画像形成部を更に備え、
前記画像形成部は、前記移動ユニットによって前記定着装置が前記第2位置に移動した状態で、前記開口部を介して前記装置本体に対して着脱可能に構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記第1位置に位置する前記定着装置は、前記画像形成部を前記装置本体に対して着脱する際の移動軌跡に重なる、
ことを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記定着装置に向けて給送されるシートが積載される積載部を更に備え、
前記積載部は、前記開口部と同じ側から前記装置本体に対して着脱可能に構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートにトナー像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、開閉可能なドアと、ドアを開けた状態でカートリッジを外部に引き出すためのトレイと、を備える画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。カートリッジは、トレイが引き出された状態で、トレイに対して着脱可能に構成されている。
【0003】
また、装置本体に回動可能に設けられる1対のアーム部材と、該アーム部材の先端部に保持される定着装置と、を備えた画像形成装置が提案されている(特許文献2参照)。定着装置は、1対のアーム部材を回動させることにより、内部装着位置と、内部装着位置よりも装置本体の開口部に近い一時保持位置と、の間で移動可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-244018号公報
【特許文献2】特開2012-047806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、定着装置の交換やメンテナンスのために、装置本体に対して定着装置を容易に着脱可能な画像形成装置が望まれている。
【0006】
本発明は、定着装置の着脱性を向上した画像形成装置の一形態を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、シートにトナー像を形成する画像形成装置において、開口部を有する装置本体と、前記開口部を覆う閉位置と、前記開口部を開放する開位置と、の間で前記装置本体に対して開閉可能に支持される開閉部材と、前記開口部を介して前記装置本体に対して着脱可能に支持され、シートに熱及び圧力を付与することでトナー像をシートに定着させる定着装置と、前記装置本体に設けられ、前記定着装置を第1位置から前記第1位置とは異なる第2位置に向けて移動可能な移動ユニットと、を備え、前記定着装置は、前記開閉部材が前記閉位置に位置する状態で、前記第1位置から前記第2位置への移動が規制され、前記開閉部材が前記開位置に位置する状態で、前記第1位置から前記第2位置への移動が許容され、前記移動ユニットは、前記第2位置に位置する前記定着装置を着脱可能に支持する支持部を有し、前記支持部は、前記定着装置の長手方向に延び、前記定着装置を下方から支持する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、定着装置の着脱性を向上した画像形成装置の一形態を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に係る画像形成装置を示す斜視図。
図2】画像形成装置を示す断面図。
図3】移動ユニットを示す斜視図。
図4】定着装置の下面を示す斜視図。
図5】ドアを開いた状態の画像形成装置を示す斜視図。
図6】定着ロック及び被ロック部を示す斜視図。
図7】ドアが開かれた状態の画像形成装置を示す断面図。
図8】第2位置に位置する定着装置を示す斜視図。
図9】支持部から定着装置が取り外された様子を示す斜視図。
図10】第2の実施の形態に係る移動ユニットを示す斜視図。
図11】定着装置が取り付けられた状態の支持部を示す斜視図。
図12】定着装置が取り付けられた状態の支持部を示す他の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施の形態>
〔全体構成〕
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。第1の実施の形態に係る画像形成装置1は、電子写真方式のフルカラーレーザビームプリンタである。図1は、画像形成装置1を示す斜視図である。図2は、画像形成装置1を示す断面図である。
【0011】
なお、画像形成装置とは、プリンタ、複写機、ファクシミリ、及び複合機を含み、外部PCから入力された画像情報や原稿から読取った画像情報に基づいて、記録媒体として用いられるシートに画像を形成する装置を指すものとする。また、画像形成装置は、画像形成機能を有する本体に加えて、オプションフィーダ、画像読取装置、シート処理装置等の付属機器が連結される場合があるが、このような付属機器が連結されたシステム全体も画像形成装置の一種である。また、シートは、用紙及び封筒等の紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート(OHP)等のプラスチックフィルム、布などを含む。
【0012】
画像形成装置1は、図1及び図2に示すように、開口部9を有する装置本体1Aと、開口部9を覆う閉位置と、開口部9を開放する開位置と、の間で装置本体1Aに対して開閉可能に支持される開閉部材としてのドア20と、を有している。ドア20は、回動軸20bを中心に回動可能に構成されている。なお、装置本体1Aのフレーム及び外装と、ドア20と、を合わせてメインフレーム10と呼ぶこともできる。
【0013】
装置本体1Aには、シートSに画像を形成する画像形成ユニット70と、給送ユニット30と、定着装置80と、排出ユニット130と、後述する移動ユニット140と、が収容されている。画像形成ユニット70は、転写ユニット40と、転写ユニット40の上方に配置されるトレイユニット50と、トレイユニット50の上方に配置されるスキャナ2と、を有している。
【0014】
トレイユニット50は、装置本体1Aに対して引き出し可能なトレイ51と、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー画像を形成する4つのプロセスカートリッジPY,PM,PC,PKと、を有している。4つのプロセスカートリッジPY,PM,PC,PKは、トレイ51に載置される。
【0015】
なお、4つのプロセスカートリッジPY,PM,PC,PKは、形成する画像の色が異なること以外は同じ構成である。そのため、プロセスカートリッジPYの構成及び画像形成プロセスのみを説明し、プロセスカートリッジPM,PC,PKの説明は省略する。
【0016】
プロセスカートリッジPYは、感光ドラム61と、帯電ローラ62と、現像ローラ71と、を有している。感光ドラム61は、アルミシリンダの外周に有機光導電層を塗布して構成され、不図示の駆動モータによって回転する。感光ドラム61、現像ローラ71、及び帯電ローラ62のそれぞれの回転軸線の方向は、互いに平行である。
【0017】
転写ユニット40は、駆動ローラ46及びテンションローラ47と、駆動ローラ46及びテンションローラ47に巻き掛けられた中間転写ベルト41と、を有している。中間転写ベルト41の内側には、一次転写ローラ42Y,42M,42C,42Kが設けられている。また、中間転写ベルト41を挟むように、駆動ローラ46に対向して二次転写ローラ45が設けられており、中間転写ベルト41及び二次転写ローラ45は、搬送されるシートSに画像を転写する転写ニップを形成している。なお、画像形成ユニット70には、中間転写ベルト41に転写されたトナー像を検知する光学センサ44が配置されている。一次転写ローラ42Y,42M,42C,42K、駆動ローラ46、テンションローラ47及び二次転写ローラ45のそれぞれの回転軸線の方向は、互いに平行である。
【0018】
給送ユニット30は、画像形成装置1の下部に設けられ、シートSを積載するカセット31と、積載部としてのカセット31に支持されたシートSを給送するピックアップローラ32と、を有している。カセット31は、装置本体1Aに対して、開口部9と同じ側に着脱可能に構成されている。排出ユニット130は、排出ローラ対131と、排出ローラ対131によって排出されたシートSが積載される排出トレイ1fと、を有している。
【0019】
定着装置80は、シートに熱及び圧力を付与することでトナー像をシートに定着させる定着部81と、案内部材5と、反転ローラ対132と、を有している。定着部81は、不図示のヒータを内蔵する加熱ローラ83及び加圧ローラ84を有しており、これら加熱ローラ83及び加圧ローラ84によって、シートSを挟持する定着ニップが形成されている。案内部材5は、図2に実線で示され、シートSを排出パス1dに向けて案内する排出位置と、図2に破線で示され、シートSを反転パス1eに向けて案内する反転位置と、に回動可能に構成されている。
【0020】
次に、このように構成された画像形成装置1の画像形成動作について説明する。画像形成装置1は、外部ホスト装置110に接続する制御部3を有している。制御部3は、外部ホスト装置110や読取ユニットから受け取った画像信号に基づいて、画像信号に対応したレーザ光をプロセスカートリッジPYの感光ドラム61上に照射するようにスキャナ2を制御する。外部ホスト装置110は、例えば、パーソナルコンピュータ、イメージリーダ及びファクシミリである。
【0021】
このとき感光ドラム61は、帯電ローラ62により表面が予め所定の極性・電位に一様に帯電されており、スキャナ2からレーザ光が照射されることによって表面に静電潜像が形成される。感光ドラム61に形成された静電潜像は、現像ローラ71により現像され、感光ドラム61上にイエロー(Y)のトナー像が形成される。
【0022】
なお、現像ローラ71は、感光ドラム61に対して当接又は離間することができるように構成される。画像形成装置1が画像形成動作を行わない際には、現像ローラ71を感光ドラム61に対して離間させることで、感光ドラム61及び現像ローラ71を長寿命化することができる。
【0023】
同様にして、プロセスカートリッジPM,PC,PKの各感光ドラムにもスキャナ2からレーザ光が照射され、各感光ドラムにマゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のトナー像が形成される。各感光ドラム上に形成された各色のトナー像は、一次転写ローラ42Y,42M,42C,42Kにより中間転写ベルト41に転写され、駆動ローラ46によって回転する中間転写ベルト41により転写ニップまで搬送される。なお、各色の画像形成プロセスは、中間転写ベルト41上に一次転写された上流のトナー像に重ね合わせるタイミングで行われる。また、感光ドラム61に残った残トナーは、クリーニングブレードによって除去される。
【0024】
この画像形成プロセスに並行して、給送ユニット30のカセット31に収容されたシートSは、ピックアップローラ32により搬送パス1cに送り出される。そして、シートSは、搬送パス1cに設けられるレジストレーションローラ対4により斜行が補正され、転写ニップでの画像の転写タイミングに合わせて所定の搬送タイミングで搬送される。
【0025】
そして、シートSには、二次転写ローラ45に印加された二次転写バイアスによって、転写ニップにおいて中間転写ベルト41上のフルカラーのトナー像が転写される。また、中間転写ベルト41に残った残トナーは、清掃部43内に設けられたクリーニングブレード43Aによって除去される。トナー像が転写されたシートSは、定着装置80の加熱ローラ83及び加圧ローラ84によって所定の熱及び圧力が付与されて、トナーが溶融固着(定着)される。定着装置80を通過したシートSは、案内部材5によって排出パス1d又は反転パス1eに案内される。
【0026】
片面のみに画像を印刷する片面印刷ジョブが入力された際には、案内部材5は、排出位置に位置し、シートSは排出パス1dに案内される。排出パス1dに案内されたシートSは、排出ローラ対131によって機外に排出され、排出トレイ1fに積載される。
【0027】
シートSの両面に画像を形成する両面印刷ジョブが入力された際には、転写ニップによって第1面に画像が形成されたシートSは、反転位置に位置する案内部材5によって反転パス1eに案内される。反転パス1eに設けられた反転ローラ対132は、シートSの後端が案内部材5を通過した後に逆転し、シートSをスイッチバックさせる。この間に、案内部材5は排出位置に移動し、スイッチバックされたシートSは、案内部材5によって両面搬送パス20aに案内される。
【0028】
両面搬送パス20aに案内されたシートSは、複数の搬送ローラ対によって搬送パス1cに搬送され、転写ニップにおいて第2面に画像が形成される。そして、シートSは、上述したように定着装置80によってトナー像を定着された後、排出ローラ対131によって排出トレイ1fに排出される。
【0029】
また、ドア20が閉位置から開位置に開かれることで、開口部9が開放され、搬送パス1c及び両面搬送パス20aが露出される。これによって、搬送パス1c又は両面搬送パス20aでジャムしたシートSを処理することができる。また、ドア20は、二次転写ローラ45を支持する二次転写フレームを回動可能に支持する。ドア20が開位置に位置する状態で二次転写フレームを回動させることで、両面搬送パス20aを大きく開くことができる。
【0030】
[移動ユニット]
次に、図2乃至図6を用いて、移動ユニット140について説明する。図3は、移動ユニット140を示す斜視図である。図4は、定着装置80の下面80aを示す斜視図である。図5は、ドア20を開いた状態の画像形成装置1を示す斜視図である。図6は、定着ロック85及び被ロック部86を示す斜視図である。
【0031】
移動ユニット140は、メインフレーム10の一部を構成する不図示の右側板及び左側板の間に配置され、図3に示すように、支持部90と、昇降部100と、を有している。昇降部100は、定着装置80の長手方向LDにおける一方側に配置されるアーム101aL,101bLと、アーム101aL,101bLを付勢する付勢部材102aL,102bLと、を有している。なお、長手方向LDは、鉛直方向VDに直交し、かつ水平方向に沿った方向である。
【0032】
また、昇降部100は、定着装置80の長手方向LDにおける他方側に配置されるアーム101aR,101bRと、アーム101aR,101bRを付勢する付勢部材102aR,102bRと、を有している。アーム101aL,101bL,101aR,101bRの一端部は、装置本体1Aに対して回動可能に支持されている。これらアーム101aL,101bL並びにアーム101aR,101bRは、それぞれリンク機構を構成している。なお、付勢部材102aL,102bL,102aR,102bRは、本実施の形態ではコイルバネから構成されているが、これに限定されない。例えば、付勢部材102aL,102bL,102aR,102bRは、板バネ等の他のバネから構成されてもよく、付勢部材102aL,102bL,102aR,102bRを複数種類のバネから構成してもよい。
【0033】
支持部90は、長手方向LDに延びる1対の軸部材91,92と、軸部材91,92の長手方向LDにおける両端部を連結する1対の連結部材93,94と、を有している。連結部材93,94によって軸部材91,92が一体となっているため、支持部90の剛性を向上することができる。支持部90は、昇降部100に連結されており、昇降部100と共に昇降する。なお、支持部90は、昇降部100のアーム101aL,101aRとアーム101bL,101bRの少なくとも一方に連結されていればよい。
【0034】
定着装置80の下面80aには、図4に示すように、1対の軸部材91,92に対応する1対の凹部88,89が設けられている。定着装置80は、支持部90に支持された状態で、凹部88,89が軸部材91,92にそれぞれ係合する。定着装置80の凹部88,89が軸部材91,92に係合すると、定着装置80は、鉛直方向VD及び長手方向LDの両方に交差する交差方向IDにおいて位置決めされる。これは、凹部88が、軸部材91の、交差方向IDにおける軸部材92側の外周面に係合し、かつ凹部89が、軸部材92の、交差方向IDにおける軸部材91側の外周面に係合するためである。
【0035】
凹部88,89の間にはシートSが通過可能な空間SP1が空いている。図3に示すように、支持部90は、軸部材91,92の間に開口SP2を有しており、定着装置80が支持部90に支持された状態で、シートSは、開口SP2及び空間SP1を通って、定着ニップに搬送される。
【0036】
定着装置80は、ドア20が閉位置に位置する状態では、図2に示すように、画像形成装置1の内部に収容され、画像形成動作の際にトナー像をシートSに定着可能な第1位置に位置している。移動ユニット140は、支持部90によって定着装置80を支持した状態で、図8に示す第2位置まで定着装置80を移動させることができる。なお、定着装置80は、第1位置において、移動ユニット140の支持部90から僅かに離間し、定着装置80と支持部90の1対の軸部材91,92との間に僅かに隙間がある。
【0037】
図5に示すように、ドア20が開位置に移動されると、開口部9を介して定着装置80が画像形成装置1の外部に露出する。特に、ドア20は、図1及び図5に示すように、画像形成装置1の一側面を構成する側面20cと、画像形成装置1の天面の一部を構成する天面20dと、を有し、全体で略L字状に形成されている。すなわち、ドア20が開位置に移動されると、閉位置においてドア20の天面20dが覆っていた、定着装置80の上方の空間が開く。このため、定着装置80は、第1位置から第2位置に向けて上方に移動可能となる。言い換えれば、定着装置80は、ドア20が閉位置に位置する状態で、第1位置から第2位置への移動が規制され、ドア20が開位置に位置する状態で、第1位置から第2位置への移動が許容される。なお、本実施の形態では、第1位置に位置する定着装置80は、長手方向LDに見て、閉位置に位置するドア20に重ならず、第2位置に位置する定着装置80は、長手方向LDに見て、開位置に位置するドア20に少なくとも一部が重なっている。
【0038】
そして、ドア20が閉位置から開位置へ開かれると、ドア20と移動ユニット140との係合が解除される。すると、移動ユニット140のアーム101aL,101bL,101aR,101bRは、付勢部としての付勢部材102aL,102bL,102aR,102bRの付勢力により上昇する。このような昇降部100の上昇に連動して、支持部90も上昇する。すると、支持部90が第1位置に位置する定着装置80に当接し、その後、定着装置80を第2位置へ向けて上昇させる。
【0039】
定着装置80には、図6に示すように、定着ロック85が設けられており、定着装置80の上昇が開始されると、定着ロック85が、装置本体1Aに設けられる規制部としての被ロック部86に係合する。係合部としての定着ロック85は、規制位置と、許容位置と、の間で定着装置80のフレーム部材に移動可能に支持され、不図示の付勢部材によって規制位置に付勢されている。定着ロック85は、規制位置において、被ロック部86に係合することで定着装置80の第1位置から第2位置への移動(上昇動作)を規制可能である。また、定着ロック85は、許容位置において、被ロック部86との係合が解除されることで定着装置80の第1位置から第2位置への移動(上昇動作)を許容する。
【0040】
規制位置に位置する定着ロック85と被ロック部86とが係合した状態では、定着装置80を支持部90から上方に持ち上げることが規制される。このため、定着装置80を、支持部90から取り外すことはできない。
【0041】
なお、本実施の形態では、定着ロック85及び被ロック部86は、画像形成装置1の長手方向LDにおける一方側にのみ設けられていたが、画像形成装置1の長手方向LDにおける両側に設けてもよい。
【0042】
[定着装置の着脱動作]
次に、図7乃至図9を用いて、定着装置80の着脱動作について説明する。図7は、ドア20が開かれた状態の画像形成装置1を示す断面図である。図8は、第2位置に位置する定着装置80を示す斜視図である。図9は、支持部90から定着装置80が取り外された様子を示す斜視図である。
【0043】
まず、定着装置80を移動ユニット140の支持部90から取り外す手順について説明する。図7に示すように、ユーザは、まずドア20を閉位置から開位置に移動させる。すると、定着装置80は、移動ユニット140によって上昇動作を開始するが、図6において説明したように、定着ロック85と被ロック部86とが係合することで、定着装置80の上昇動作が規制される。例えば、搬送パス1cや両面搬送パス20aにおけるジャム処理を行う場合には、ユーザは、図7の状態でジャム処理を行うことができる。
【0044】
定着装置80を支持部90から取り外すには、ユーザは、図6に示す定着ロック85の押圧部87を押圧することで、定着ロック85を規制位置から許容位置に移動させる。これにより、移動ユニット140による定着装置80の状動作が再開され、定着装置80は、図8に示すように、第2位置まで持ち上げられる。この状態で、ユーザは、定着装置80を持ち上げることで、支持部90から取り外すことができる。定着装置80は、支持部90の1対の軸部材91,92に載置されているだけなので、定着装置80を持ち上げるだけで、容易に支持部90から定着装置80を取り外すことができる。
【0045】
また、移動ユニット140が図8の位置まで上昇した状態では、シートにトナー像を形成するための画像形成部としての転写ユニット40及びトレイユニット50は、開口部9を介して装置本体1Aに対して着脱可能となっている。転写ユニット40及びトレイユニット50は、移動ユニット140が上昇した状態であれば、定着装置80が支持部90に取り付けられた状態であっても、装置本体1Aに対して着脱できる。すなわち、定着装置80が第2位置に位置した状態では、転写ユニット40及びトレイユニット50は、開口部9を介して装置本体1Aに対して着脱可能に構成されている。
【0046】
このように、定着装置80、転写ユニット40及びトレイユニット50は、いずれも画像形成装置1のドア20側から着脱可能に構成されている。よって、定着装置80、転写ユニット40及びトレイユニット50の着脱の際に、画像形成装置1の一方向側からアクセスでき、ユーザビリティを向上できると共に、画像形成装置1を設置する際の設置スペースを省スペース化できる。また、カセット31も、装置本体1Aに対して、開口部9と同じ側に着脱可能に構成されているため、ユーザビリティの向上及び省スペース化を図ることができる。
【0047】
一方で、第1位置に位置する定着装置80は、転写ユニット40及びトレイユニット50を装置本体1Aに対して着脱する際の移動軌跡に重なる。このため、画像形成装置1を小型化できる。なお、本実施の形態では、転写ユニット40及びトレイユニット50は、互いに独立して装置本体1Aに対して着脱可能に構成されているが、一体となって装置本体1Aに対して着脱可能に構成されてもよい。
【0048】
支持部90から定着装置80を取り外した状態では、図9に示すように、支持部90は、目視可能となっている。また、支持部90の軸部材91,92は、定着装置80の略全長に亘って長手方向LDに延びており、ユーザは、定着装置80を載置する位置を直感的に認識することができる。更に、定着装置80を支持部90から取り外した状態では、移動ユニット140は上昇した状態を維持しているため、支持部90が開口部9の近くに位置しており、支持部90の視認性を向上できる。
【0049】
例えば定着装置80の消耗部が寿命を迎えた際には、定着装置80が交換される。新品の定着装置80を支持部90に取り付ける際には、軸部材91,92と定着装置80の下面80aにある凹部89,89が係合するように、定着装置80を支持部90に載置する。定着装置80を支持部90に取り付けた後は、ユーザは、定着装置80又は移動ユニット140を下方に押し込むことで、定着装置80が被ロック部86によって移動規制されるまで定着装置80を下方に移動させる。定着装置80に設けられた定着ロック85が被ロック部86に係合した状態で、ユーザはドア20を閉じる。
【0050】
ドア20が閉じられる際に、ドア20に設けられた不図示の押し込み部によって、移動ユニット140が下方に押し込まれる。これにより、定着装置80は、移動ユニット140の支持部90から離間した状態で、第1位置に保持される。なお、定着装置80は、第1位置において、装置本体1A及びドア20の少なくとも一方によって保持される。なお、定着装置80は、交換のために第2位置に移動されるだけでなく、例えば定着装置80の定着ニップに挟持された状態でジャムしたシートSを処理するために第2位置に移動されてもよい。
【0051】
以上、説明したように、定着装置80は、開口部9に近い第2位置において、移動ユニット140の支持部90に対して着脱可能に構成されている。また、支持部90は、長手方向LDに延び、かつ定着装置80を下方から支持するので、定着装置80を持ち上げるだけで定着装置80を支持部90から取り外すことができ、定着装置80の着脱性を向上できる。
【0052】
更に、定着装置80を支持部90から取り外した状態では、支持部90は、開口部9の近くに位置し、目視可能となっている。また、支持部90は、平行に配置された軸部材91,92を有しているので、ユーザは、直感的に定着装置80を装着する位置を認識でき、定着装置80の着脱性を向上できる。
【0053】
また、定着装置80を第2位置から第1位置に押し下げると、定着ロック85と被ロック部86とが係合し、定着装置80がロックされる。このため、ユーザは、定着装置80をどの位置まで押し下げるか直感的に判断できる。また、支持部90は、1対の軸部材91,92及び1対の連結部材93,94によって矩形状に形成されているので、剛性を向上できる。このため、定着装置80を第2位置から第1位置へ向けて押し下げる際に、定着装置80が姿勢を維持して安定して支持され、定着装置80と装置本体1Aの内壁とが干渉せず、定着装置80の着脱性を向上できる。
【0054】
更に、定着装置80は、ドア20が閉位置から開位置に開かれても、定着ロック85と被ロック部86とが係合することで、定着装置80は第1位置に近い位置で保持される。すなわち、ドア20を開いても定着装置80は移動ユニット140によって自動的に第2位置まで上昇しない。このため、例えば搬送パス1cや両面搬送パス20aにおけるジャム処理を行う場合に、定着ロック85を押圧操作しなければ、定着装置80を昇降させる作業が発生せず、ジャム処理性及びユーザビリティを向上できる。
【0055】
<第2の実施の形態>
次いで、本発明の第2の実施の形態について説明するが、第2の実施の形態は、第1の実施の形態の支持部90の形状を変更したものである。このため、第1の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
【0056】
図10は、第2の実施の形態に係る移動ユニット240を示す斜視図である。図11は、定着装置80が取り付けられた状態の支持部190を示す斜視図である。図12は、定着装置80が取り付けられた状態の支持部190を示す他の斜視図である。
【0057】
[移動ユニット]
本実施の形態に係る移動ユニット240は、図10に示すように、支持部190と、昇降部100と、を有している。昇降部100は、第1の実施の形態と同様の構成を有し、支持部190は、昇降部100に連結されることで、昇降部100の昇降動作に連動する。
【0058】
支持部190は、長手方向LDに延び、定着装置80を下方から支持する載置面95と、載置面95の長手方向LDにおける両端部から上方に立ち上がる1対の側面96,97と、を有している。また、支持部190は、載置面95から上方に立ち上がり、1対の側面96,97を連結する連結面98を有している。これら1対の側面96,97及び連結面98は、定着装置80が載置面95に載置された状態で、定着装置80の周囲を囲うように設けられている。載置面95には、開口SP3が設けられており、シートSは、開口SPを通って、載置面95に載置された定着装置80の定着ニップに搬送される。
【0059】
[定着装置の着脱動作]
次に、支持部190に対する定着装置80の着脱動作について説明する。定着装置80の着脱動作に関し、定着装置80を取り外すまでの動作は、第1の実施の形態と同様である。定着装置80を支持部190から取り外した状態では、図10に示すように、支持部190は、目視可能となっている。また、支持部190の載置面95は、定着装置80の略全長に亘って長手方向LDに延びており、ユーザは、定着装置80を載置する位置を直感的に認識することができる。更に、側面96,97及び連結面98は、定着装置80の外周に沿うように配置されているので、ユーザは、定着装置80を取り付ける位置を視覚的に認識しやすい。
【0060】
ユーザは、定着装置80を支持部190に取り付ける際、側面96,97と定着装置80の外装の位置を合わせつつ、同時に連結面98に定着装置80の背面側を位置合わせする。この状態で、定着装置80は、図11及び図12に示すように、載置面95に載置される。
【0061】
図11に示すように、定着装置80が載置面95に載置された状態では、定着装置80と連結面98との間に空気が流れる隙間99が確保される。画像形成装置1が画像形成動作を行う際に、装置本体1Aに設けられた不図示のファンによって送られた空気が該隙間99に流れることで、定着装置80から支持部190への熱の伝達を低減できる。これにより、ユーザが支持部190に対して定着装置80を着脱する際に、支持部190が高温となることを防ぎ、定着装置80の着脱性を向上できる。
【0062】
<その他の実施形態>
なお、第1の実施の形態では、支持部90は、定着装置80の凹部88,89に係合する1対の軸部材91,92を有していたが、これに限定されない。支持部90は、定着装置80を下方から支持するのであれば、形状は限定されない。例えば、支持部90は、軸部材91,92は、断面円形状に限らず、多角形や楕円等、他の形状を有していてもよい。また、軸部材の数は、2つに限らず、3つ以上でもよい。定着装置80に設けられる凹部も、軸部材と同数だけ設けてもよい。また、支持部90に1つ又は複数の凸部又は凹部を設け、定着装置80に1つ又は複数の凹部又は凸部を設けてもよい。このとき、凸部及び凹部は、互いに係合可能である。また、定着装置80は、支持部90の連結部材93,94に係合する凹部を有してもよい。
【0063】
また、第2の実施の形態では、支持部190は、載置面95と、側面96,97と、連結面98と、を有していたが、これに限定されない。例えば、支持部190は、側面96,97と、連結面98と、のいずれか一方を省略してもよい。また、支持部190は、定着装置80を挟んで連結面98とは反対側に配置され、側面96,97を連結する他の連結面を有してもよい。
【0064】
また、既述のいずれの形態においても、定着装置80の第2位置は、第1位置よりも上方の位置であったが、これに限定されない。例えば、定着装置80は、第1位置から第2位置に向けて水平方向に移動されてもよく、また、斜め下方に移動されてもよい。
【0065】
また、既述のいずれの形態においても、昇降部100は、複数のアームから構成されるリンク機構を有していたが、これに限定されない。例えば、昇降部100は、ラック部を有し、支持部90,190に設けられたピニオンギヤとラック部が噛合することによって、支持部90,190を昇降させるように構成してもよい。また、支持部90,190にピニオンギヤを設け、昇降部100にラック部材を設けてもよい。このように、昇降部100の構成は限定されない。
【0066】
また、既述のいずれの形態においても、定着装置80は、加熱ローラ83と、加圧ローラ84と、を有していたが、これに限定されない。例えば、加熱ローラ83に代えて、セラミックヒータ等のヒータ及びヒータによって加熱される定着フィルムを含む加熱ユニットを適用してもよい。また、加熱ローラ83に代えて、誘導加熱によって発熱する発熱層を有する定着ベルトを適用してもよい。
【0067】
また、既述のいずれの形態においても、感光ドラム61、帯電ローラ62及び現像ローラ71は、プロセスカートリッジ(PY~PK)に設けられていたが、これに限定されない。すなわち、感光ドラム61、帯電ローラ62及び現像ローラ71は、プロセスカートリッジ及びトレイ51のいずれかに設けられればよい。
【0068】
また、既述のいずれの形態においても、ドア20は、回動軸20bを中心に回動可能に設けられているが、これに限定されない。例えば、ドア20の代わりに、装置本体1Aに対してスライド移動可能又は取外し可能なカバーを設けてもよい。
【0069】
また、第1の実施の形態では軸部材91,92の間に開口SP2を設け、第2の実施の形態では載置面95に開口SP3を設けたが、これら開口の形状は限定されない。例えば、これら開口は、シートSが通過可能であれば、貫通孔でも、切欠きでもよい。
【0070】
また、本実施の形態の開示は、以下の構成例及び方法例を含む。
(構成1)
シートにトナー像を形成する画像形成装置において、
開口部を有する装置本体と、
前記開口部を覆う閉位置と、前記開口部を開放する開位置と、の間で前記装置本体に対して開閉可能に支持される開閉部材と、
前記開口部を介して前記装置本体に対して着脱可能に支持され、シートに熱及び圧力を付与することでトナー像をシートに定着させる定着装置と、
前記装置本体に設けられ、前記定着装置を第1位置から前記第1位置とは異なる第2位置に向けて移動可能な移動ユニットと、を備え、
前記定着装置は、前記開閉部材が前記閉位置に位置する状態で、前記第1位置から前記第2位置への移動が規制され、前記開閉部材が前記開位置に位置する状態で、前記第1位置から前記第2位置への移動が許容され、
前記移動ユニットは、前記第2位置に位置する前記定着装置を着脱可能に支持する支持部を有し、
前記支持部は、前記定着装置の長手方向に延び、前記定着装置を下方から支持する、
ことを特徴とする画像形成装置。
(構成2)
前記第1位置に位置する前記定着装置は、前記長手方向に見て、前記閉位置に位置する前記開閉部材に重ならず、
前記第2位置に位置する前記定着装置は、前記長手方向に見て、前記閉位置に位置する前記開閉部材に少なくとも一部が重なる、
ことを特徴とする構成1に記載の画像形成装置。
(構成3)
前記第2位置は、前記第1位置よりも上方の位置である、
ことを特徴とする構成1又は2に記載の画像形成装置。
(構成4)
前記支持部は、前記長手方向に延びる1対の軸部材を有し、
前記定着装置の下面は、前記1対の軸部材が係合可能な1対の凹部を有する、
ことを特徴とする構成1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成5)
前記支持部は、前記1対の軸部材の前記長手方向における両端部を連結する1対の連結部材を有する、
ことを特徴とする構成4に記載の画像形成装置。
(構成6)
前記支持部は、前記長手方向に延び、前記定着装置が載置される載置面と、前記載置面の前記長手方向における両端部から上方に立ち上がる1対の側面と、前記載置面から上方に立ち上がり、前記1対の側面を連結する連結面と、を有する、
ことを特徴とする構成1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成7)
前記定着装置は、前記載置面に載置された状態で、前記連結面との間に空気が流れる隙間を有する、
ことを特徴とする構成6に記載の画像形成装置。
(構成8)
前記支持部は、前記第1位置に位置する前記定着装置に向けて搬送されるシートが通過可能な開口を有する、
ことを特徴とする構成1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成9)
前記移動ユニットは、前記定着装置を前記第1位置から前記第2位置に向けて付勢する付勢部を有する、
ことを特徴とする構成1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成10)
前記定着装置の前記第1位置から前記第2位置への移動を規制可能な規制部を更に備える、
ことを特徴とする構成1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成11)
前記定着装置は、前記規制部に係合することで前記定着装置の前記第1位置から前記第2位置への移動を規制する規制位置と、前記規制部との係合が解除されることで前記定着装置の前記第1位置から前記第2位置への移動を許容する許容位置と、に移動可能な係合部を有する、
ことを特徴とする構成10に記載の画像形成装置。
(構成12)
前記定着装置は、前記開閉部材が前記閉位置から前記開位置へ移動され、かつ前記規制部が前記規制位置から前記許容位置に移動されることで、前記移動ユニットによって前記第2位置に移動する、
ことを特徴とする構成11に記載の画像形成装置。
(構成13)
前記移動ユニットの前記支持部は、前記開閉部材が前記閉位置に位置する際に、前記第1位置に位置する前記定着装置から離間している、
ことを特徴とする構成1乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成14)
シートにトナー像を形成するための画像形成部を更に備え、
前記画像形成部は、前記移動ユニットによって前記定着装置が前記第2位置に移動した状態で、前記開口部を介して前記装置本体に対して着脱可能に構成される、
ことを特徴とする構成1乃至13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成15)
前記第1位置に位置する前記定着装置は、前記画像形成部を前記装置本体に対して着脱する際の移動軌跡に重なる、
ことを特徴とする構成14に記載の画像形成装置。
(構成16)
前記定着装置に向けて給送されるシートが積載される積載部を更に備え、
前記積載部は、前記開口部と同じ側から前記装置本体に対して着脱可能に構成される、
ことを特徴とする構成1乃至15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【符号の説明】
【0071】
1:画像形成装置/1A:装置本体/9:開口部/20:開閉部材(ドア)/31:積載部(カセット)/40,50:画像形成部(転写ユニット、トレイユニット)/80:定着装置/80a:下面/85:係合部(定着ロック)/86:規制部(被ロック部)/88,89:凹部/90,190:支持部/91,92:軸部材/93,94:連結部材/95:載置面/96,97:側面/98:連結面/99:隙間/102aL,102bL,102aR,102bR:付勢部(付勢部材)/140,240:移動ユニット/LD:長手方向/S:シート/SP2,SP3:開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12