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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025140182
(43)【公開日】2025-09-29
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20250919BHJP
   G03G 15/20 20060101ALI20250919BHJP
【FI】
G03G21/16 185
G03G21/16 152
G03G15/20 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024039390
(22)【出願日】2024-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山 智億
(72)【発明者】
【氏名】太田 英生
(72)【発明者】
【氏名】今泉 力
(72)【発明者】
【氏名】宮田 亮
(72)【発明者】
【氏名】尾畑 征児
(72)【発明者】
【氏名】守屋 次郎
【テーマコード(参考)】
2H033
2H171
【Fターム(参考)】
2H033AA36
2H033BA02
2H033BA03
2H033BA04
2H033BB12
2H033BB30
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA05
2H171FA19
2H171GA12
2H171HA23
2H171HA33
2H171JA12
2H171JA15
2H171JA17
2H171KA05
2H171KA13
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA25
2H171KA27
2H171KA29
2H171MA02
2H171MA07
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171SA11
2H171SA19
2H171SA26
(57)【要約】
【課題】装着ユニットが装着位置から移動する際の作業性を向上可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、装置本体と、装置本体に対して装着位置において装着される装着ユニットと、装着ユニットが装着位置から移動することを規制する規制位置と、装着ユニットが装着位置から移動することを許容する許容位置と、に移動可能な規制部と、第1コネクタと、第1コネクタに篏合することで装置本体と装着ユニットとを電気的に接続する篏合位置と、第1コネクタとの篏合が解除される解除位置と、に移動可能な第2コネクタと、第1操作位置から第2操作位置に移動することで、規制部を規制位置から許容位置に移動させ、かつ第2コネクタを篏合位置から解除位置に移動させる連動部と、を備える。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成装置において、
装置本体と、
前記装置本体に対して装着位置において装着される装着ユニットと、
前記装着ユニットが前記装着位置から移動することを規制する規制位置と、前記装着ユニットが前記装着位置から移動することを許容する許容位置と、に移動可能な規制部と、
前記装置本体及び前記装着ユニットのいずれか一方に設けられる第1コネクタと、
前記装置本体及び前記装着ユニットのいずれか他方に設けられ、前記第1コネクタに篏合することで前記装置本体と前記装着ユニットとを電気的に接続する篏合位置と、前記第1コネクタとの篏合が解除される解除位置と、に移動可能な第2コネクタと、
第1操作位置と第2操作位置との間で移動可能に設けられると共に、前記規制部及び前記第2コネクタと連動可能な連動部であって、前記第1操作位置から前記第2操作位置に移動することで、前記規制部を前記規制位置から前記許容位置に移動させ、かつ前記第2コネクタを前記篏合位置から前記解除位置に移動させる連動部と、を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記連動部は、前記第2コネクタを前記篏合位置から前記解除位置に移動させるためのカムを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記連動部は、操作部と、前記操作部と一体に回動する回動軸と、前記回動軸に回動可能に支持される前記規制部と、前記回動軸に回動可能に支持される前記カムと、を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記装着ユニットは、シートに熱及び圧力を付与することでトナー像をシートに定着させる定着装置である、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記装置本体の開口部を覆う閉位置と、前記開口部を開放する開位置と、の間で前記装置本体に対して開閉可能に支持される開閉部材を更に備え、
前記定着装置は、前記規制部が前記許容位置に位置する際に、前記装着位置から前記開口部に向けて上方に移動可能に構成されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2コネクタは、前記定着装置に設けられ、前記篏合位置から前記解除位置に向けて移動する際に上方にスライド移動する、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記連動部は、前記開閉部材が前記開位置に位置することで前記開口部から露出する操作部を有し、前記操作部が操作されることで前記第1操作位置と前記第2操作位置との間で移動する、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記連動部は、前記第2操作位置から前記第1操作位置に移動することで、前記規制部を前記許容位置から前記規制位置に移動させ、
前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置に移動することで、前記第2コネクタを前記篏合位置に移動させる移動部を更に備える、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記連動部は、前記開閉部材が前記閉位置から前記開位置に移動することで、前記第1操作位置から前記第2操作位置に移動する、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項10】
シートにトナー像を形成するための画像形成部を更に備え、
前記連動部は、前記画像形成部が前記開口部に向けて移動される際に、前記画像形成部の移動軌跡に干渉しないように退避可能に構成されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記規制部は、前記定着装置に設けられ、前記規制位置において前記装置本体に係合することで、前記定着装置が前記装着位置から移動することを規制する、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記装着ユニットは、前記装置本体に向けて給送されるシートが積載される積載装置である、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記積載装置は、前記装置本体の下方に配置され、
前記第2コネクタは、前記装置本体に設けられ、前記篏合位置から前記解除位置に向けて移動する際に上方にスライド移動する、
ことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記規制部は、前記装置本体に設けられ、前記規制位置において前記装着ユニットに係合することで、前記装着ユニットが前記装着位置から移動することを規制する、
ことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記連動部は、前記第2操作位置から前記第1操作位置に移動することで、前記規制部を前記許容位置から前記規制位置に移動させ、かつ前記第2コネクタを前記解除位置から前記篏合位置に移動させる、
ことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記連動部を前記第2操作位置で係止可能な係止部を更に備える、
ことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記連動部は、前記第1操作位置と前記第2操作位置との間の第3操作位置に移動可能であり、
前記連動部が前記第3操作位置に位置する際に、前記規制部は前記規制位置に位置し、かつ前記第2コネクタは前記解除位置に位置し、
前記連動部は、前記第1操作位置から前記第3操作位置に移動する際に、前記第2コネクタを前記篏合位置から前記解除位置に移動させ、前記第3操作位置から前記第2操作位置に移動する際に、前記規制部を前記規制位置から前記許容位置に移動させる、
ことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記連動部を前記第1操作位置から前記第2操作位置に移動させるアクチュエータを更に備える、
ことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記第2コネクタは、平面視において、前記装着ユニットの重心に重ならない位置に配置されている、
ことを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装置本体に対して挿抜可能な定着ユニットを有する画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。装置本体には、本体側ドロワコネクタが設けられ、定着ユニットには、ユニット側ドロワコネクタが設けられている。定着ユニットが装置本体に対して挿入される際に、定着ユニットのユニット側ドロワコネクタが、装置本体の本体側ドロワコネクタに篏合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-71403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の本体側ドロワコネクタ及びユニット側ドロワコネクタは、定着ユニットが装置本体に対して挿抜される際に、定着ユニットの挿抜と同時に篏合又は離間するように構成されている。このため、定着ユニットを装置本体に対して取り外す際に、本体側ドロワコネクタ及びユニット側ドロワコネクタの嵌合を解除するための力が必要となり、定着ユニットを取り外す際の作業性が低下してしまっていた。
【0005】
本発明は、装着ユニットが装着位置から移動する際の作業性を向上可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、シートに画像を形成する画像形成装置において、装置本体と、前記装置本体に対して装着位置において装着される装着ユニットと、前記装着ユニットが前記装着位置から移動することを規制する規制位置と、前記装着ユニットが前記装着位置から移動することを許容する許容位置と、に移動可能な規制部と、前記装置本体及び前記装着ユニットのいずれか一方に設けられる第1コネクタと、前記装置本体及び前記装着ユニットのいずれか他方に設けられ、前記第1コネクタに篏合することで前記装置本体と前記装着ユニットとを電気的に接続する篏合位置と、前記第1コネクタとの篏合が解除される解除位置と、に移動可能な第2コネクタと、第1操作位置と第2操作位置との間で移動可能に設けられると共に、前記規制部及び前記第2コネクタと連動可能な連動部であって、前記第1操作位置から前記第2操作位置に移動することで、前記規制部を前記規制位置から前記許容位置に移動させ、かつ前記第2コネクタを前記篏合位置から前記解除位置に移動させる連動部と、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、装着ユニットが装着位置から移動する際の作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)は、画像形成装置を示す断面図、(b)は手差しトレイを開いた状態の画像形成装置を示す断面図。
図2】定着装置を取り外した状態の画像形成装置を示す断面図。
図3】(a)は、操作レバーが第1位置に位置する際の連動ユニットを示す斜視図、(b)は操作レバーが第3位置に位置する際の連動ユニットを示す斜視図、(c)は操作レバーが第2位置に位置する際の連動ユニットを示す斜視図。
図4】(a)は操作レバーが第1位置に位置する際の画像形成装置を示す斜視図、(b)は操作レバーが第2位置に位置する際の画像形成装置を示す斜視図。(c)は係止部材に係止された状態の操作レバーを示す拡大斜視図、(d)は装置本体と給送デッキとを分離した様子を示す斜視図。
図5】連動ユニット、ロック部材及びコネクタユニットを示す分解斜視図。
図6】(a)は操作レバーが第1位置に位置する際のロック部材を示す側面図、(b)は操作レバーが第3位置に位置する際のロック部材を示す側面図、(c)は操作レバーが第2位置に位置する際のロック部材を示す側面図。
図7】コネクタユニットを示す分解斜視図。
図8】(a)は操作レバーが第1位置に位置する際のコネクタユニットを示す側面図、(b)は操作レバーが第3位置に位置する際のコネクタユニットを示す断面図、(c)は操作レバーが第2位置に位置する際のコネクタユニットを示す断面図。
図9】第1の実施の形態の変形例に係る連動ユニットを示す斜視図。
図10】第2の実施の形態に係る画像形成装置を示す断面図。
図11】定着装置を示す斜視図。
図12】連動ユニット及び定着ロック部材を示す斜視図。
図13】(a)は定着装置、定着装置側に設けられるコネクタユニット及びコネクタインサータを示す分解斜視図、(b)は装置本体側に設けられるコネクタユニットを示す分解斜視図。
図14】(a)はハンドルを第2位置に操作した様子を示す斜視図、(b)は定着装置を装置本体から取り外す様子を示す斜視図。
図15】(a)は規制位置に位置する定着ロック部材を示す断面図、(b)は許容位置に位置する定着ロック部材を示す断面図。
図16】(a)は、ハンドルが第1位置に位置する際のコネクタユニットを示す側面図、(b)はハンドルが第1位置に位置する際の定着側コネクタ及び本体側コネクタを示す断面図、(c)はリフタカムの様子を示す断面図。
図17】(a)はハンドルが第2位置に位置する際のコネクタユニットを示す側面図、(b)はハンドルが第2位置に位置する際の定着側コネクタ及び本体側コネクタを示す断面図、(c)はリフタカムの様子を示す断面図。
図18】(a)は、ドアが閉じられる途中のコネクタインサータ及びコネクタホルダを示す断面図、(b)はドアが閉位置に位置する際のコネクタインサータ及びコネクタホルダを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1の実施の形態>
〔全体構成〕
本実施の形態に係る画像形成装置1は、電子写真方式のフルカラーレーザビームプリンタである。図1(a)は、画像形成装置1を示す断面図であり、図1(b)は、手差しトレイ21を開いた状態の画像形成装置1を示す断面図である。なお、各実施の形態に記載されている構成部品の形状、それらの相対配置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を限定するものではない。
【0010】
なお、画像形成装置とは、プリンタ、複写機、ファクシミリ、及び複合機を含み、外部PCから入力された画像情報や原稿から読取った画像情報に基づいて、記録媒体として用いられるシートに画像を形成する装置を指すものとする。また、画像形成装置は、画像形成機能を有する本体に加えて、オプションフィーダ、画像読取装置、シート処理装置等の付属機器が連結される場合があるが、このような付属機器が連結されたシステム全体も画像形成装置の一種である。また、シートは、用紙及び封筒等の紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート(OHP)等のプラスチックフィルム、布などを含む。
【0011】
画像形成装置1は、図1(a)に示すように、開口部9(図2参照)を有する装置本体1Aと、開閉部材としてのドア20と、装置本体1Aの下方に設けられる給送デッキ100と、を有している。ドア20は、回動軸20bを中心に、開口部9を覆う閉位置と、開口部9を開放する開位置と、の間で装置本体1Aに対して回動可能に構成されている。また、ドア20は、回動軸21aを中心に手差しトレイ21を回動可能に支持している。
【0012】
装置本体1Aには、シートSに画像を形成する画像形成ユニット70と、給送ユニット30と、定着装置80と、排出ユニット130と、が収容されている。画像形成ユニット70は、転写ユニット40と、転写ユニット40の上方に配置されるトレイユニット50と、トレイユニット50の上方に配置されるスキャナ2と、を有している。
【0013】
トレイユニット50は、装置本体1Aに対して引き出し可能なトレイ51と、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー画像を形成する4つのプロセスカートリッジPY,PM,PC,PKと、を有している。4つのプロセスカートリッジPY,PM,PC,PKは、トレイ51に載置される。トレイ51は、ユーザが把持可能なトレイハンドル52を有している。
【0014】
なお、4つのプロセスカートリッジPY,PM,PC,PKは、形成する画像の色が異なること以外は同じ構成である。そのため、プロセスカートリッジPYの構成及び画像形成プロセスのみを説明し、プロセスカートリッジPM,PC,PKの説明は省略する。
【0015】
プロセスカートリッジPYは、感光ドラム61と、帯電ローラ62と、現像ローラ71と、を有している。感光ドラム61は、アルミシリンダの外周に有機光導電層を塗布して構成され、不図示の駆動モータによって回転する。感光ドラム61、現像ローラ71、及び帯電ローラ62のそれぞれの回転軸線の方向は、互いに平行である。
【0016】
転写ユニット40は、駆動ローラ46及びテンションローラ47と、駆動ローラ46及びテンションローラ47に巻き掛けられた中間転写ベルト41と、を有している。中間転写ベルト41の内側には、一次転写ローラ42Y,42M,42C,42Kが設けられている。また、中間転写ベルト41を挟むように、駆動ローラ46に対向して二次転写ローラ45が設けられており、中間転写ベルト41及び二次転写ローラ45は、搬送されるシートSに画像を転写する転写ニップを形成している。なお、画像形成ユニット70には、中間転写ベルト41に転写されたトナー像を検知する光学センサ44が配置されている。一次転写ローラ42Y,42M,42C,42K、駆動ローラ46、テンションローラ47及び二次転写ローラ45のそれぞれの回転軸線の方向は、互いに平行である。
【0017】
給送ユニット30は、画像形成装置1の下部に設けられ、シートSを積載するカセット31と、カセット31に積載されたシートSを給送するピックアップローラ32と、を有している。カセット31は、装置本体1Aに対して、開口部9と同じ側に着脱可能に構成されている。排出ユニット130は、排出ローラ対131と、排出ローラ対131によって排出されたシートSが積載される排出トレイ1fと、を有している。
【0018】
定着装置80は、シートに熱及び圧力を付与することでシート上のトナー像をシートに定着させる定着部81と、案内部材5と、反転ローラ対132と、を有している。定着部81は、不図示のヒータを内蔵する加熱ローラ83と、加圧ローラ84と、を有しており、これら加熱ローラ83及び加圧ローラ84によって、シートSを挟持する定着ニップが形成されている。案内部材5は、シートSを排出パス1dに向けて案内する排出位置と、シートSを反転パス1eに向けて案内する反転位置と、に回動可能に構成されている。
【0019】
装着ユニット及び積載装置としての給送デッキ100は、給送ユニット30とほぼ同様の構成を有し、シートSを積載するカセット101と、カセット101に積載されたシートSを給送するピックアップローラ102と、を有している。カセット101は、装置本体1Aに対して、開口部9と同じ側に着脱可能に構成されている。また、給送デッキ100は、デッキ側コネクタ104を有しており、第1コネクタとしてのデッキ側コネクタ104は、装置本体1Aの下部に設けられた本体側コネクタ15に篏合可能に構成されている。これらデッキ側コネクタ104及び本体側コネクタ15が嵌合することで、装置本体1Aと給送デッキ100とが電気的に接続される。カセット101に積載されたシートSは、ピックアップローラ102によって給送されると、フィーダパス103を通って、装置本体1Aのレジストレーションローラ対4に向けて搬送される。
【0020】
なお、本実施の形態では、「篏合」とは、単なる当接や接触とは異なり、第1部材及び第2部材が互いに嵌め合わさることである。第1部材及び第2部材が嵌合した状態では、篏合方向と直交する方向においても第1部材及び第2部材は係合している。
【0021】
また、画像形成装置1には、環境センサ18及び制御部3が設けられている。環境センサ18は、画像形成装置1が設置された要る環境の温度及び湿度を検知することができる。制御部3は、CPU、ROM及びRAMを有し、画像形成装置1を制御する。
【0022】
次に、このように構成された画像形成装置1の画像形成動作について説明する。画像形成装置1は、外部ホスト装置110に接続する制御部3を有している。制御部3は、外部ホスト装置110や読取ユニットから受け取った画像信号に基づいて、画像信号に対応したレーザ光をプロセスカートリッジPYの感光ドラム61上に照射するようにスキャナ2を制御する。外部ホスト装置110は、例えば、パーソナルコンピュータ、イメージリーダ及びファクシミリである。
【0023】
このとき感光ドラム61は、帯電ローラ62により表面が予め所定の極性・電位に一様に帯電されており、スキャナ2からレーザ光が照射されることによって表面に静電潜像が形成される。感光ドラム61に形成された静電潜像は、現像ローラ71により現像され、感光ドラム61上にイエロー(Y)のトナー像が形成される。
【0024】
なお、現像ローラ71は、感光ドラム61に対して当接又は離間することができるように構成される。画像形成装置1が画像形成動作を行わない際には、現像ローラ71を感光ドラム61に対して離間させることで、感光ドラム61及び現像ローラ71を長寿命化することができる。
【0025】
同様にして、プロセスカートリッジPM,PC,PKの各感光ドラムにもスキャナ2からレーザ光が照射され、各感光ドラムにマゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のトナー像が形成される。各感光ドラム上に形成された各色のトナー像は、一次転写ローラ42Y,42M,42C,42Kにより中間転写ベルト41に転写され、駆動ローラ46によって回転する中間転写ベルト41により転写ニップまで搬送される。なお、各色の画像形成プロセスは、中間転写ベルト41上に一次転写された上流のトナー像に重ね合わせるタイミングで行われる。また、感光ドラム61に残った残トナーは、クリーニングブレードによって除去される。
【0026】
この画像形成プロセスに並行して、給送ユニット30のカセット31に収容されたシートSは、ピックアップローラ32により搬送パス1cに送り出される。なお、給送ユニット30に代えて、給送デッキ100又は手差しトレイ21からシートSを給送してもよい。図1(b)に示すように、手差しトレイ21は、ドア20から開かれた状態で使用される。手差しトレイ21に載置されたシートSは、ピックアップローラ33によって給送され、レジストレーションローラ対4に向けて搬送される。そして、シートSは、搬送パス1cに設けられるレジストレーションローラ対4により斜行が補正され、転写ニップでの画像の転写タイミングに合わせて所定の搬送タイミングで搬送される。
【0027】
シートSには、二次転写ローラ45に印加された二次転写バイアスによって、転写ニップにおいて中間転写ベルト41上のフルカラーのトナー像が転写される。また、中間転写ベルト41に残った残トナーは、清掃部43内に設けられたクリーニングブレード43Aによって除去される。トナー像が転写されたシートSは、定着装置80の加熱ローラ83及び加圧ローラ84によって所定の熱及び圧力が付与されて、トナーが溶融固着(定着)される。定着装置80を通過したシートSは、案内部材5によって排出パス1d又は反転パス1eに案内される。
【0028】
片面のみに画像を印刷する片面印刷ジョブが入力された際には、案内部材5は、排出位置に位置し、シートSは排出パス1dに案内される。排出パス1dに案内されたシートSは、排出ローラ対131によって機外に排出され、排出トレイ1fに積載される。
【0029】
シートSの両面に画像を形成する両面印刷ジョブが入力された際には、転写ニップによって第1面に画像が形成されたシートSは、反転位置に位置する案内部材5によって反転パス1eに案内される。反転パス1eに設けられた反転ローラ対132は、シートSの後端が案内部材5を通過した後に逆転し、シートSをスイッチバックさせる。この間に、案内部材5は排出位置に移動し、スイッチバックされたシートSは、案内部材5によって両面搬送パス20aに案内される。
【0030】
両面搬送パス20aに案内されたシートSは、複数の搬送ローラ対によって搬送パス1cに搬送され、転写ニップにおいて第2面に画像が形成される。そして、シートSは、上述したように定着装置80によってトナー像を定着された後、排出ローラ対131によって排出トレイ1fに排出される。
【0031】
[転写ユニット及びトレイユニットの移動]
次に、図2を用いて、転写ユニット40及びトレイユニット50の移動について説明する。図2は、ドア20が開き、定着装置80を取り外した状態の画像形成装置1を示す断面図である。図2に示すように、ドア20が開かれると、装置本体1Aの開口部9が開放される。ドア20が開位置に移動されると、開口部9を介して定着装置80が画像形成装置1の外部に露出する。このため、定着装置80は、開口部9を介して画像形成装置1の外部に取り外し可能となる。また、ドア20が閉位置から開位置に開かれることで、開口部9が開放され、搬送パス1c及び両面搬送パス20aが露出される。これによって、搬送パス1c又は両面搬送パス20aでジャムしたシートSを処理することができる。また、ドア20は、二次転写ローラ45を支持する二次転写フレーム25を回動可能に支持する。ドア20が開位置に位置する状態で二次転写フレーム25を回動させることで、両面搬送パス20aを大きく開くことができる。
【0032】
そして、装置本体1Aから定着装置80が取り外されると、転写ユニット40及びトレイユニット50の前方の空間が空く。これにより、開口部9を介して、シートにトナー像を形成するための画像形成部としての転写ユニット40及びトレイユニット50は、装置本体1Aに対して着脱可能となる。ユーザは、トレイハンドル52を把持して開口部9側にトレイユニット50を引き出すことで、トレイユニット50を画像形成装置1の外部に引き出せる。
【0033】
トレイユニット50が装置本体1Aの外部に引き出された状態では、プロセスカートリッジPY,PM,PC,PKは、トレイ51に対して着脱可能である。よって、プロセスカートリッジPY,PM,PC,PKを交換することができる。また、転写ユニット40を交換することもできる。トレイユニット50及び転写ユニット40を再び装置本体1A内に戻し、ドア20を閉めることで、画像形成装置1は再び印刷が可能となる。
【0034】
このように、定着装置80、転写ユニット40及びトレイユニット50は、いずれも画像形成装置1のドア20側から着脱可能に構成されている。よって、定着装置80、転写ユニット40及びトレイユニット50の着脱の際に、画像形成装置1の一方向側からアクセスでき、ユーザビリティを向上できると共に、画像形成装置1を設置する際の設置スペースを省スペース化できる。また、カセット31,101も、装置本体1Aに対して、開口部9と同じ側に着脱可能に構成されているため、ユーザビリティの向上及び省スペース化を図ることができる。
【0035】
[連動ユニット、ロック部材及びコネクタユニットの構成]
次に、図3(a)乃至図8(c)を用いて、装置本体1Aに設けられる連動ユニット300、ロック部材122及びコネクタユニット320について説明する。図3(a)は、操作レバー121が第1位置に位置する際の連動ユニット300を示す斜視図であり、図3(b)は、操作レバー121が第3位置に位置する際の連動ユニット300を示す斜視図である。図3(c)は、操作レバー121が第2位置に位置する際の連動ユニット300を示す斜視図である。図4(a)は、操作レバー121が第1位置に位置する際の画像形成装置1を示す斜視図であり、図4(b)は、操作レバー121が第2位置に位置する際の画像形成装置1を示す斜視図である。図4(c)は、ストッパ127に係止された状態の操作レバー121を示す拡大斜視図であり、図4(d)は、装置本体1Aと給送デッキ100とを分離した様子を示す斜視図である。
【0036】
図5は、連動ユニット300、ロック部材122及びコネクタユニット320を示す分解斜視図である。図6(a)は、操作レバー121が第1位置に位置する際のロック部材122を示す側面図であり、図6(b)は、操作レバー121が第3位置に位置する際のロック部材122を示す側面図である。図6(c)は、操作レバー121が第2位置に位置する際のロック部材122を示す側面図である。図7は、コネクタユニット320を示す分解斜視図である。図8(a)は、操作レバー121が第1位置に位置する際のコネクタユニット320を示す側面図であり、図8(b)は、操作レバー121が第3位置に位置する際のコネクタユニット320を示す断面図である。図8(c)は、操作レバー121が第2位置に位置する際のコネクタユニット320を示す断面図である。
【0037】
図3(a)に示すように、装置本体1Aには、連動部としての連動ユニット300と、連動ユニット300に連動可能に設けられる規制部としてのロック部材122と、コネクタユニット320と、が設けられている。連動ユニット300は、回動可能な操作レバー121を有し、操作部としての操作レバー121がユーザによって操作されることで、ロック部材122及びコネクタユニット320が移動する。
【0038】
図4(a)に示すように、画像形成装置1は、ドア20とは反対側の背面1mを有しており、背面1mには、操作レバー121が移動可能に収容される凹部1nが設けられている。凹部1nは、操作レバー121の移動軌跡に干渉しないように、略扇形状に形成されている。
【0039】
図4(a)に示すように、操作レバー121は、装置本体1Aに給送デッキ100が装着された状態では、第1位置に位置している。そして、図4(b)~(d)に示すように、操作レバー121が第1位置から第2位置に回動操作されることで、給送デッキ100は、装置本体1Aから分離可能となる。なお、操作レバー121が第1位置に位置する際の連動ユニット300の位置を第1操作位置とし、操作レバー121が第2位置に位置する際の連動ユニット300の位置を第2操作位置とする。また、後述する操作レバー121が第3位置に位置する際の連動ユニット300の位置を第3操作位置とする。
【0040】
図5(a)に示すように、連動ユニット300は、装置本体1Aの不図示のフレームに回動可能に支持される連動軸124と、連動軸124に固定される平行ピンH1,H2,H3と、操作レバー121と、3つのEリング301と、を有している。回動軸としての連動軸124には、操作レバー121、ロック部材122及びコネクタカム123が回動可能に支持されている。操作レバー121は、平行ピンH1に嵌合することで連動軸124と一体に回動する。また、操作レバー121は、平行ピンH1及びEリング301によって、スラスト方向に位置決めされている。
【0041】
また、操作レバー121の上方には、図3(a)及び図4(c)に示すように、ストッパユニット330が配置されている。ストッパユニット330は、装置本体1Aの不図示のフレームに支持されるストッパホルダ128と、ストッパホルダ128に移動可能に支持されるストッパ127と、ストッパ127を付勢する付勢バネ129と、を有している。ストッパホルダ128には、案内溝128bが設けられており、ストッパ127は、案内溝128bに沿ってスライド移動可能である。また、ストッパ127は、付勢バネ129によって、所定の係止位置に付勢されている。ストッパ127の先端部には、テーパ面127aが設けられている。
【0042】
図4(a)(b)(c)に示すように、操作レバー121が第1位置から第2位置に向けて回動されると、操作レバー121は、係止位置に位置するストッパ127のテーパ面128aに当接する。更に操作レバー121が第2位置に向けて回動されると、操作レバー121がテーパ面128aを押圧し、ストッパ127が係止位置から上方に退避する。ストッパ127のテーパ面128aを操作レバー121が越えると、操作レバー121は第2位置に到達し、かつストッパ127が付勢バネ129の付勢力によって係止位置に復帰する。これにより、係止部としてのストッパ127は、係止位置において、第2位置に位置する操作レバー121に係止し、操作レバー121を第2位置に保持することができる。
【0043】
カムとしてのコネクタカム123には、平行ピンH3に篏合するピン溝123aが設けられている。このため、コネクタカム123は、平行ピンH3に篏合することで連動軸124と一体に回動する。また、コネクタカム123は、平行ピンH3及びEリング301によって、スラスト方向に位置決めされている。
【0044】
ロック部材122は、図5及び図6(a)所定の遊びP1,P2を介して平行ピンH2に対して係合可能に設けられている。また、ロック部材122は、平行ピンH2及びEリング301によって、スラスト方向に位置決めされている。図6(a)に示すように、平行ピンH2は、遊びP1,P2の範囲でロック部材122に対して相対回転可能である。そして、図6(a)(b)に示すように、操作レバー121が第1位置から第3位置に回動している途中では、平行ピンH2が遊びP1,P2を通過するため、操作レバー121とロック部材122とは連動しない。図6(b)に示すように、操作レバー121が第3位置に到達すると、平行ピンH2がロック部材122に当接する。そして、図6(b)(c)に示すように、操作レバー121が第3位置から第2位置に回動する際には、操作レバー121とロック部材122が連動し、操作レバー121及びロック部材122が一体に回動する。
【0045】
逆に、操作レバー121が第2位置から第3位置に回動している途中では、操作レバー121及びロック部材122が一体に回動する。また、操作レバー121が第3位置から第1位置に回動している途中では、平行ピンH2が遊びP1,P2を通過するため、操作レバー121とロック部材122とは連動しない。
【0046】
図3(a)~(c)に示すように、給送デッキ100の上面105には、係合穴部106が設けられており、ロック部材122は、係合穴部106に係止可能な係止爪122aを有している。図3(a)及び図6(a)に示すように、操作レバー121が第1位置に位置している際には、ロック部材122は、給送デッキ100が装置本体1Aから取り外されることを規制する規制位置に位置している。言い換えれば、ロック部材122は、規制位置において、給送デッキ100が装置本体1Aに装着される装着位置から移動することを規制する。この時、ロック部材122の先端部は、係合穴部106が画定する孔を貫通し、係止爪122aが係合穴部106に係止している。
【0047】
図3(b)及び図6(b)に示すように、操作レバー121が第3位置に位置している際にも、ロック部材122は、規制位置に位置している。これは、上述したように、操作レバー121と一体に平行ピンH2が回動しても、平行ピンH2が遊びP1,P2を通過し、操作レバー121とロック部材122とが連動しないためである。図3(c)及び図6(c)に示すように、操作レバー121が第2位置に位置している際には、ロック部材122は、給送デッキ100が装置本体1Aから取り外されることを許容する許容位置に位置している。言い換えれば、ロック部材122は、許容位置において、給送デッキ100が装置本体1Aに装着される装着位置から移動することを許容する。この時、ロック部材122の先端部は、係止爪122aと係合穴部106との係止が解除され、ロック部材122の上方への移動が許容されている。
【0048】
図7に示すように、コネクタユニット320は、装置本体1Aの不図示のフレームに支持されるガイド部126と、コネクタホルダ125と、コネクタホルダ125に取り付けられる本体側コネクタ15と、を有している。コネクタホルダ125は、ガイド部126のガイドレール126aにスライド移動可能に支持され、第2コネクタとしての本体側コネクタ15は、コネクタホルダ125と一体に移動する。
【0049】
図3(a)及び図8(a)に示すように、コネクタホルダ125には、上下方向にコネクタカム123を挟むように配置される上側リブ125a及び下側リブ125bが設けられている。図8(a)に示すように、操作レバー121が第1位置に位置している際には、コネクタカム123の側面123bが上側リブ125aに当接すると共に、コネクタカム123のカム面123cが下側リブ125bに当接している。この時、コネクタホルダ125に取り付けられた本体側コネクタ15は、図4(d)に示すように給送デッキ100の上面105から上方に突出したデッキ側コネクタ104に嵌合する篏合位置に位置している。
【0050】
図8(b)に示すように、操作レバー121が第3位置に位置している際には、コネクタカム123のカム面123cが上側リブ125aに当接している。この時、本体側コネクタ15は、図3(b)に示すように、デッキ側コネクタ104との篏合が解除される解除位置に位置している。本体側コネクタ15が解除位置に位置している際には、装置本体1Aと給送デッキ100との電気的な接続は解除される。同様に、図3(c)及び図8(c)に示すように、操作レバー121が第2位置に位置している際には、コネクタカム123のカム面123cが上側リブ125aに当接し、本体側コネクタ15は解除位置に位置している。
【0051】
[操作レバーを操作した際のロック部材及び本体側コネクタの動き]
次に、ユーザによって操作レバー121が操作された際のロック部材122及び本体側コネクタ15の動きについて説明する。図4(a)に示すように、画像形成装置1の使用時には、装置本体1Aに給送デッキ100が装着されており、操作レバー121は第1位置に位置している。この時、図3(a)に示すように、ロック部材122は規制位置に位置し、本体側コネクタ15は、篏合位置に位置している。すなわち、規制位置に位置するロック部材122によって、装置本体1Aと給送デッキ100の分離が規制されている。また、篏合位置に位置している本体側コネクタ15とデッキ側コネクタ104とが嵌合することで、装置本体1Aと給送デッキ100とは電気的に接続されている。
【0052】
図4(b)に示すように、操作レバー121を第1位置から矢印方向に回動させると、まず図3(b)に示すように、操作レバー121が第3位置に到達する。操作レバー121が第1位置から第3位置に回動することで、コネクタカム123が図8(a)に示す位置から図8(b)に示す位置に回動する。この時、コネクタカム123のカム面123cによって、コネクタホルダ125の上側リブ125aが上方に押圧され、コネクタホルダ125及び本体側コネクタ15が上方に移動する。これにより、本体側コネクタ15は、篏合位置から解除位置に移動する。よって、本体側コネクタ15とデッキ側コネクタ104の篏合が解除され、装置本体1Aと給送デッキ100との電気的な接続も解除される。
【0053】
なお、操作レバー121が第1位置から第3位置に移動する際には、上述したように、ロック部材122は回動せず、規制位置のまま保持される。これは、ロック部材122に遊びP1,P2が設けられているためである。
【0054】
そして、図3(b)(c)に示すように、操作レバー121が第3位置から第2位置に回動する際には、図8(b)(c)に示すように、コネクタカム123のカム面123cとコネクタホルダ125の上側リブ125aとの当接点の高さはほぼ変わらない。このため、コネクタホルダ125に取り付けられる本体側コネクタ15は、操作レバー121が第3位置から第2位置に回動しても、解除位置のまま保持される。
【0055】
なお、本体側コネクタ15は、操作レバー121が第3位置から第2位置に回動することで、解除位置よりも更に上方に移動してもよい。しかしながら、本実施の形態のように、本体側コネクタ15が解除位置のまま保持される方が、コネクタホルダ125及び本体側コネクタ15が解除位置よりも更に上方に移動するためのスペースが不要となるため、画像形成装置1の小型化のためには有利である。
【0056】
また、操作レバー121が第3位置から第2位置に回動することで、ロック部材122は、規制位置から許容位置に回動する。これにより、ロック部材122と給送デッキ100との係止が解除され、装置本体1Aと給送デッキ100とが分離可能となる。
【0057】
操作レバー121は、図4(c)に示すように、係止位置に位置するストッパ127によって第2位置で保持される。このため、コネクタホルダ125、本体側コネクタ15、ロック部材122及びコネクタカム123の自重等によって、操作レバー121が第2位置から第1位置に向けて戻るのを規制できる。
【0058】
そして、図4(d)に示すように、ユーザは、装置本体1Aを上方に持ち上げることで、装置本体1Aと給送デッキ100とを分離することができ、給送デッキ100を装置本体1Aから取り外すことができる。装置本体1Aに給送デッキ100を再び装着する際には、ユーザは、装置本体1Aを給送デッキ100に載置した後、操作レバー121を第2位置から第1位置に回動させる。これにより、ロック部材122が許容位置から規制位置に回動した後、本体側コネクタ15が解除位置から篏合位置に移動する。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態では、操作レバー121を操作することで、ロック部材122及び本体側コネクタ15を移動させることができる。言い換えれば、操作レバー121を含む連動ユニット300は、ロック部材122及び本体側コネクタ15と連動可能に構成されている。
【0060】
そして、操作レバー121が第1位置と第2位置との間で回動する際には、ロック部材122が回動するタイミングと、本体側コネクタ15が移動するタイミングとが異なる。具体的には、操作レバー121は、第1位置と第2位置との間の第3位置を取ることができ、第1位置と第3位置との間で回動する際には、ロック部材122は規制位置のまま回動せず、本体側コネクタ15のみが篏合位置と解除位置との間で移動する。また、操作レバー121が第3位置と第2位置との間で回動する際には、本体側コネクタ15は篏合位置のまま移動せず、ロック部材122のみが規制位置と許容位置との間で回動する。
【0061】
このように、操作レバー121の操作にあたり、ロック部材122が回動するタイミングと、本体側コネクタ15が移動するタイミングとを異ならせることで、操作レバー121の操作力を低減することができる。
【0062】
また、操作レバー121が第2位置に位置した状態では、ロック部材122は許容位置に位置し、本体側コネクタ15は解除位置に位置している。この状態で、ユーザは、装置本体1Aを持ち上げて給送デッキ100と装置本体1Aとを分離する。このため、装置本体1Aを持ち上げる際に、本体側コネクタ15をデッキ側コネクタ104から抜くための力は必要としない。同様に、装置本体1Aに給送デッキ100を載置する際には、本体側コネクタ15をデッキ側コネクタ104に嵌合させるための力は必要としない。よって、給送デッキ100の着脱時の作業性を向上することができる。言い換えれば、給送デッキ100が装着位置から移動する際の作業性を向上できる。
【0063】
また、平面視において、本体側コネクタ15は、装置本体1A及び給送デッキ100のそれぞれの重心に重ならない位置に配置されている。このため、もし、給送デッキ100を装置本体1Aに着脱する際に、本体側コネクタ15とデッキ側コネクタ104との挿抜が必要な場合には、装置本体1Aを持ち上げるときの力のバランスが良くなく、作業性の低下の要因となる。しかしながら、本実施の形態では、本体側コネクタ15をデッキ側コネクタ104から抜いた後、装置本体1Aが持ち上げられる。このため、装置本体1Aを持ち上げるときの力のバランスを良好にすることができ、給送デッキ100を装置本体1Aから取り外す際の作業性を向上することができる。
【0064】
なお、本実施の形態では、操作レバー121は、装置本体1Aの背面1mに設けられていたが、これに限定されない。例えば、操作レバー121は、装置本体1Aの他の箇所に設けられてもよい。
【0065】
また、操作レバー121を含む連動ユニット300及びロック部材122は、装置本体1Aではなく、給送デッキ100に設けられてもよい。この時、本体側コネクタ15ではなく、デッキ側コネクタ104が移動可能に構成されると好適である。すなわち、篏合位置と解除位置との間で移動可能なコネクタは、装置本体1A及び給送デッキ100のいずれか一方に設けられればよく、移動しないコネクタは、装置本体1A及び給送デッキ100のいずれか他方に設けられればよい。
【0066】
<第1の実施の形態の変形例>
次に、図9を用いて、第1の実施の形態の変形例について説明する。図9は、第1の実施の形態の変形例に係る連動ユニット300を示す斜視図である。本変形例では、操作レバー121の代わりに、モータMによって連動ユニット300を動作させる。アクチュエータとしてのモータMは、出力軸に固定されるピニオンギアMGを有しており、ピニオンギアMGは、連動軸124に固定されるギア150に噛合する。このため、モータMが駆動することで、連動軸124が回転する。連動軸124が回転した際のロック部材122及び本体側コネクタ15の動作については、第1の実施の形態と同様である。なお、モータMに代えて、ソレノイド等の他のアクチュエータを適用してもよい。
【0067】
また、第1の実施の形態及び変形例では、ロック部材122並びに本体側コネクタ15を移動させるためのコネクタカム123は、同一の連動軸124に回動可能に支持されていたが、これに限定されない。例えば、ロック部材122とコネクタカム123は、別々の軸に支持されてもよい。そして、操作レバー121又はモータMが動作することで、これら別々の軸が回転するように制御されてもよい。この場合でも、本体側コネクタ15が解除位置に位置した後に、ロック部材122が許容位置に移動するのが望ましい。
【0068】
<第2の実施の形態>
次いで、本発明の第2の実施の形態について説明するが、第2の実施の形態は、定着装置180と装置本体1Aとがコネクタによって接続されるものである。このため、第1の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。図10は、第2の実施の形態に係る画像形成装置1001を示す断面図である。
【0069】
本実施の形態に係る画像形成装置1001は、図10に示すように、開口部9を有する装置本体1001Aと、ドア20と、給送デッキ100と、を有している。ドア20は、開口部9を覆う閉位置と、開口部9を開放する開位置と、の間で装置本体1001Aに対して開閉可能に支持される。装置本体1001Aには、第1の実施の形態と同様に、画像形成ユニット70と、給送ユニット30と、定着装置180と、排出ユニット130と、が収容されている。
【0070】
定着装置180は、シートに熱及び圧力を付与することでシート上のトナー像をシートに定着させる定着部81と、案内部材5と、反転ローラ対132と、を有している。定着部81は、不図示のヒータを内蔵する加熱ローラ83と、加圧ローラ84と、を有しており、これら加熱ローラ83及び加圧ローラ84によって、シートSを挟持する定着ニップが形成されている。画像形成装置1001による画像形成動作は、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0071】
図11は、装着ユニットとしての定着装置180を示す斜視図である。図11は、ドア20を開いてユーザが開口部9から定着装置180にアクセス可能となった状態を示しているが、装置本体1001Aは省略して表示されている。
【0072】
定着装置180は、図11に示すように、定着左カバー181と、定着右カバー182と、定着前カバー183と、を有している。定着前カバー183には、被ロック部183a,183bが設けられている。装置本体1001Aには、不図示のガイド部材が設けられており、定着装置180は、ガイド部材によって、上下方向に移動可能に支持されている。そして、定着装置180は、後述する定着ロック部材202が許容位置に位置した状態で、装置本体1001Aから上方に移動することで、装置本体1001Aから取り外し可能に構成されている。
【0073】
[連動ユニット、定着ロック部材及びコネクタユニットの構成]
次に、図12乃至図18(b)を用いて、装置本体1001Aに設けられる連動ユニット400、定着ロック部材202及びコネクタユニット420,520について説明する。図12は、連動ユニット400及び定着ロック部材202を示す斜視図である。図13(a)は、定着装置180、定着装置180側に設けられるコネクタユニット420及びコネクタインサータ186を示す分解斜視図であり、図13(b)は装置本体1001A側に設けられるコネクタユニット520を示す分解斜視図である。図14(a)は、ハンドル201を第2位置に操作した様子を示す斜視図であり、図14(b)は、定着装置180を装置本体1Aから取り外す様子を示す斜視図である。
【0074】
図15(a)は、規制位置に位置する定着ロック部材202を示す断面図であり、図15(b)は、許容位置に位置する定着ロック部材202を示す断面図である。図16(a)は、ハンドル201が第1位置に位置する際のコネクタユニット420,520を示す側面図である。図16(b)は、ハンドル201が第1位置に位置する際の定着側コネクタ185及び本体側コネクタ223を示す断面図であり、図16(c)は、リフタカム205の様子を示す断面図である。図17(a)は、ハンドル201が第2位置に位置する際のコネクタユニット420,520を示す側面図である。図17(b)は、ハンドル201が第2位置に位置する際の定着側コネクタ185及び本体側コネクタ223を示す断面図であり、図17(c)は、リフタカム205の様子を示す断面図である。図18(a)は、ドア20が閉じられる途中のコネクタインサータ186及びコネクタホルダ184を示す断面図である。図18(b)は、ドア20が閉位置に位置する際のコネクタインサータ186及びコネクタホルダ184を示す断面図である。
【0075】
図12に示すように、装置本体1Aには、連動部としての連動ユニット400が設けられている。連動ユニット400は、主に、左右のフレーム部材207,208と、フレーム部材207,208に回転可能に支持される連動軸204と、を有している。より詳しくは、フレーム部材207,208は、定着装置180の長手方向LDに互いに離間している。フレーム部材207,208の間には、装置本体1001Aに装着された状態の定着装置180が配置される。回動軸としての連動軸204は、長手方向LDに延びている。なお、連動軸204は、定着装置180の下面を支持してもよい。
【0076】
フレーム部材207は、孔207a,207bを有しており、フレーム部材208は、孔208a,208bを有している。孔207a,208aは、同軸上に配置され、装置本体1001Aに設けられた軸にそれぞれ連結される。これにより、フレーム部材207,208は、装置本体1001Aに回動可能に支持される。
【0077】
孔207b,208bには、それぞれ軸受206,206が取り付けられる。孔207b,208bに取り付けられた軸受206,206は、連動軸204を回転可能に支持する。連動軸204には、平行ピンH4,H5,H6,H7をそれぞれ介して、定着ロック部材202,202、ハンドル201及びリングギア203が固定されている。また、定着ロック部材202,202、ハンドル201及びリングギア203は、平行ピンH4,H5,H6,H7とEリング401によって、スラスト方向に位置決めされている。
【0078】
右側のフレーム部材208には、カム軸209が設けられており、カム軸209には、リフタカム205が回転可能に支持されている。操作部としてのハンドル201が操作されて連動軸204が回転すると、連動軸204と一体にリングギア203も回転する。リングギア203は、リフタカム205に噛合し、リングギア203が回転することでリフタカム205がカム軸209を中心に回転する。カムとしてのリフタカム205は、後述するように、定着側コネクタ185を昇降可能に構成されている。このように、連動ユニット400は、フレーム部材207,208、連動軸204、リングギア203及びリフタカム205等を有しており、定着ロック部材202,202及び定着側コネクタ185に連動可能に構成されている。
【0079】
本実施の形態では、定着装置180が装置本体1001Aから取り外された状態では、ドア20が開かれることで開放される開口部9に連動ユニット400が配置される。第1の実施の形態と同様に、トレイユニット50が装置本体1001Aから引き出されると、連動ユニット400は、トレイユニット50によって押圧されて、孔207a,208aを中心に回動する。言い換えれば、連動ユニット400は、トレイユニット50が開口部9に向けて移動される際に、トレイユニット50の移動軌跡に干渉しないように退避可能に構成されている。また、連動ユニット400は、転写ユニット40の移動軌跡にも干渉しないように退避可能に構成されている。これにより、トレイユニット50を装置本体1001Aから引き出す際にも、連動ユニット400がトレイユニット50の引き出しを妨げることが無く、ユーザビリティを向上することができる。
【0080】
図13(a)に示すように、定着右カバー182には、庇部182a,182b及び溝182c,182dが設けられており、庇部182a,182b及び溝182c,182dは、コネクタユニット420のコネクタホルダ184を昇降可能に支持している。コネクタホルダ184には、第2コネクタとしての定着側コネクタ185が取り付けられている。定着右カバー182には、コネクタホルダ14に設けられた孔部に係合することで、コネクタホルダ184が定着右カバー182から脱落することを防止する爪部182eが設けられている。
【0081】
また、定着右カバー182には、コネクタインサータ186が回動可能に支持されており、コネクタインサータ186は、コネクタホルダ184の上方に配置されている。コネクタインサータ186は、従動ローラ187を回転可能に支持している。コネクタインサータ186の下部には、弾性変形可能な弾性部186aが設けられている。
【0082】
図13(b)に示すように、装置本体1001Aには、コネクタユニット520が設けられている。コネクタユニット520は、装置本体1001Aに取り付けられるベース部材221と、ベース部材221にガタをもって保持されるコネクタホルダ222と、コネクタホルダ222に取り付けられる第1コネクタとしての本体側コネクタ223と、を有している。コネクタホルダ222は、定着側コネクタ185を本体側コネクタ223に向けて案内するテーパ面222aを有している。
【0083】
図11及び図15(a)に示すように、ハンドル201が第1位置に位置する際には、規制部としての左右の定着ロック部材202は、定着装置180が装置本体1001Aから取り外されることを規制する規制位置に位置している。言い換えれば、定着ロック部材202は、規制位置において、定着装置180が装置本体1001Aに装着された装着位置から移動することを規制する。定着装置180は、図10図11及び図14(a)において、装着位置に位置している。この時、左右の定着ロック部材202,202は、それぞれ定着前カバー183に設けられた被ロック部183a,183bに係合している。これにより、定着装置180の移動が規制されている。
【0084】
図14(a)及び図15(b)に示すように、ハンドル201が第2位置に位置する際には、左右の定着ロック部材202は、定着装置180が装置本体1001Aから取り外されることを許容する許容位置に位置している。言い換えれば、定着ロック部材202は、許容位置において、定着装置180が装置本体1001Aに装着された装着位置から移動することを許容する。この時、左右の定着ロック部材202,202は、それぞれ被ロック部183a,183bとの係合が解除されている。これにより、定着装置180は、装置本体1001Aの外部に向けて上方に取り外されることができる。ドア20が開かれた際には、ハンドル201は、第1位置に位置しており、第1位置から第2位置にユーザによって上方に回動可能に構成されている。なお、ハンドル201が第1位置に位置する際の連動ユニット400の位置を第1操作位置とし、ハンドル201が第2位置に位置する際の連動ユニット400の位置を第2操作位置とする。
【0085】
図16(a)(c)に示すように、定着装置180側のコネクタユニット420のコネクタホルダ184は、リフタカム205に対向する被押圧面184aを有している。そして、ハンドル201が第1位置に位置する際には、コネクタホルダ184の被押圧面184aは、リフタカム205によって、まだ持ち上げられていない。このため、図16(b)に示すように、コネクタホルダ184に保持される定着側コネクタ185は、本体側コネクタ223に篏合することで装置本体1001Aと定着装置180とを電気的に接続する篏合位置に位置している。
【0086】
図17(c)に示すように、ハンドル201が第1位置から第2位置に回動されると、ハンドル201の回動と共に連動軸204、リングギア203及びリフタカム205(図12参照)が回転する。これにより、リフタカム205のカム面205aが、コネクタホルダ184の被押圧面184aを上方に押圧する。すると、図17(a)(b)に示すように、定着側コネクタ185は、コネクタホルダ184と共に上方にスライド移動し、本体側コネクタ223との篏合が解除される解除位置に移動する。これにより、装置本体1001Aと定着装置180との電気的な接続が解除される。なお、この時、ハンドル201は第2位置に位置しているので、図15(b)に示すように、定着ロック部材202は解除位置に位置している。よって、定着装置180を装置本体1001Aから取り外し可能な状態となっている。
【0087】
図18(a)は、定着装置180を装置本体1001Aに装着し、ハンドル201が第1位置に戻された状態を示している。この時、ドア20が閉位置へ閉じられていくと、ドア20に設けられた斜面部23がコネクタインサータ186に支持される従動ローラ187に当接する。更にドア20が閉位置へ向かって閉じられていくと、斜面部23が従動ローラ187を下方に押圧し、コネクタインサータ186が図18(a)の反時計回りに回動する。これにより、コネクタインサータ186の下部に設けられた弾性部186aが、コネクタホルダ184を下方に押し込み、コネクタホルダ184は本体側コネクタ223に向かって下方にスライド移動する。
【0088】
すなわち、コネクタインサータ186、従動ローラ187及び斜面部23は、ドア20が開位置から閉位置に移動することで定着側コネクタ185を篏合位置に位置させる移動部600を構成している。コネクタホルダ184に取り付けられた定着側コネクタ185が本体側コネクタ223に篏合した後、コネクタインサータ186が更に反時計回りに回動しても、弾性部186aが弾性変形することで力を吸収できる。
【0089】
図18(b)に示すように、ドア20が閉位置に位置すると、ドア20に設けられた斜面部23は、従動ローラ187を通過して従動ローラ187と接触していない状態となっている。このように構成することで、斜面部23及びドア20が、コネクタインサータ186及び従動ローラ187から力を継続的に受けることが無くなり、ドア20の変形を抑制することができる。
【0090】
以上説明したように、本実施の形態では、ハンドル201を操作することで、定着ロック部材202及び定着側コネクタ185を移動させることができる。言い換えれば、ハンドル201を含む連動ユニット400は、定着ロック部材202及び定着側コネクタ185と連動可能に構成されている。
【0091】
そして、ハンドル201を第1位置から第2位置に回動操作することで、定着側コネクタ185が篏合位置から解除位置に移動し、かつ定着ロック部材202が規制位置から解除位置に回動する。定着側コネクタ185と本体側コネクタ223との篏合が解除された状態で、ユーザが定着装置180を上方に持ち上げることで、定着装置180は装置本体1001Aから取り外される。
【0092】
このため、定着装置180を持ち上げる際に、定着側コネクタ185を本体側コネクタ223から抜くための力は必要としない。同様に、装置本体1001Aに定着装置180を装着する際には、定着側コネクタ185を本体側コネクタ223に嵌合させるための力は必要としない。よって、定着装置180を装置本体1001Aから取り外す際及び装着する際の作業性を向上することができる。言い換えれば、定着装置180が装着位置から移動する際の作業性を向上できる。
【0093】
また、平面視において、定着側コネクタ185は、定着側コネクタ185の重心に重ならない位置に配置されている。このため、もし、定着装置180を装置本体1Aに着脱する際に、定着側コネクタ185と本体側コネクタ223との挿抜が必要な場合には、定着装置180を持ち上げるときの力のバランスが良くなく、作業性の低下の要因となる。しかしながら、本実施の形態では、定着側コネクタ185を本体側コネクタ223から抜いた後、定着装置180が持ち上げられる。このため、定着装置180を持ち上げるときの力のバランスを良好にすることができ、定着装置180を装置本体1001Aから取り外す際の作業性を向上することができる。
【0094】
また、定着装置180が装置本体1001Aに装着された後、ドア20が閉じられることで、コネクタインサータ186がコネクタホルダ184及び定着側コネクタ185を篏合位置に移動させる。このため、定着装置180が傾いた状態で定着側コネクタ185が本体側コネクタ223に対して挿抜されることを防止し、定着側コネクタ185及び本体側コネクタ223の破損を低減できる。また、定着装置180の装着作業と同時に定着側コネクタ185と本体側コネクタ223との篏合作業が行われないので、ユーザの操作力を低減できる。
【0095】
なお、本実施の形態では、ハンドル201は、装置本体1001Aの開口部9側に設けられていたが、これに限定されない。例えば、ハンドル201は、装置本体1001Aの背面等、他の箇所に設けられてもよい。
【0096】
また、ハンドル201を含む連動ユニット400及び定着ロック部材202は、定着装置180ではなく、装置本体1001Aに設けられてもよい。この時、定着側コネクタ185ではなく、本体側コネクタ223が移動可能に構成されると好適である。すなわち、篏合位置と解除位置との間で移動可能なコネクタは、定着装置180及び装置本体1001Aのいずれか一方に設けられればよく、移動しないコネクタは、定着装置180及び装置本体1001Aのいずれか他方に設けられればよい。
【0097】
また、本実施の形態では、定着ロック部材202は連動軸204に固定され、定着側コネクタ185を移動させるためのリフタカム205はカム軸209に回転可能に支持されていたが、これに限定されない。例えば、定着ロック部材202とリフタカム205とは同一軸に支持されてもよい。
【0098】
<その他の実施形態>
なお、第2の実施の形態では、ハンドル201と定着ロック部材202とが常に一体に回動するように構成されていたが、これに限定されない。例えば、第1の実施の形態と同様に、連動軸204と定着ロック部材202との間に遊びを設け、ハンドル201が第1位置から第3位置に回動する際にはリフタカム205のみが篏合位置から解除位置に移動するように構成してもよい。そして、ハンドル201が第3位置から第2位置に回動する際には、定着ロック部材202のみが規制位置から解除位置に回動するように構成されてもよい。第3位置は、第1位置と第2位置の間の位置である。これにより、定着側コネクタ185と本体側コネクタ223との篏合が解除された後に、定着装置180を装置本体1001Aから取り外しできると共に、ハンドル201の操作力を低減できる。
【0099】
また、第2の実施の形態では、定着装置180は装置本体1001Aから上方に取り外される例で説明したが、これに限定されない。例えば、定着装置180は、装着位置からリンク機構等により装着位置よりも上方の上方位置に移動可能に可能に構成されてもよく、上方位置において、定着装置180は装置本体1Aに支持されていてもよい。例えば、定着装置180は、上方位置において連動ユニット400の連動軸204に支持されていてもよい。このような構成において、定着ロック部材202は、規制位置において、定着装置180が装着位置から上方位置に移動することを規制し、許容位置において、定着装置180が装着位置から上方位置に移動することを許容する。
【0100】
また、第2の実施の形態では、ドア20を開けることで露出するハンドル201を操作することで、定着ロック部材202及び定着側コネクタ185を移動させるように構成していたが、これに限定されない。例えば、ドア20と連動軸204とをリンク機構によって接続し、ドア20の開閉動作に連動して定着ロック部材202及び定着側コネクタ185が移動するように構成してもよい。この時、連動ユニット400は、ドア20が閉位置から開位置に移動することで、第1操作位置から第2操作位置に移動する。
【0101】
また、既述のいずれの形態においても、定着装置80,180は、加熱ローラ83と、加圧ローラ84と、を有していたが、これに限定されない。例えば、加熱ローラ83に代えて、セラミックヒータ等のヒータ及びヒータによって加熱される定着フィルムを含む加熱ユニットを適用してもよい。また、加熱ローラ83に代えて、誘導加熱によって発熱する発熱層を有する定着ベルトを適用してもよい。
【0102】
また、既述のいずれの形態においても、感光ドラム61、帯電ローラ62及び現像ローラ71は、プロセスカートリッジ(PY~PK)に設けられていたが、これに限定されない。すなわち、感光ドラム61、帯電ローラ62及び現像ローラ71は、プロセスカートリッジ及びトレイ51のいずれかに設けられればよい。
【0103】
また、既述のいずれの形態においても、ドア20は、回動軸20bを中心に回動可能に設けられているが、これに限定されない。例えば、ドア20の代わりに、装置本体1Aに対してスライド移動可能又は取外し可能なカバーを設けてもよい。
【0104】
また、本実施の形態の開示は、以下の構成例及び方法例を含む。
(構成1)
シートに画像を形成する画像形成装置において、
装置本体と、
前記装置本体に対して装着位置において装着される装着ユニットと、
前記装着ユニットが前記装着位置から移動することを規制する規制位置と、前記装着ユニットが前記装着位置から移動することを許容する許容位置と、に移動可能な規制部と、
前記装置本体及び前記装着ユニットのいずれか一方に設けられる第1コネクタと、
前記装置本体及び前記装着ユニットのいずれか他方に設けられ、前記第1コネクタに篏合することで前記装置本体と前記装着ユニットとを電気的に接続する篏合位置と、前記第1コネクタとの篏合が解除される解除位置と、に移動可能な第2コネクタと、
第1操作位置と第2操作位置との間で移動可能に設けられると共に、前記規制部及び前記第2コネクタと連動可能な連動部であって、前記第1操作位置から前記第2操作位置に移動することで、前記規制部を前記規制位置から前記許容位置に移動させ、かつ前記第2コネクタを前記篏合位置から前記解除位置に移動させる連動部と、を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
(構成2)
前記連動部は、前記第2コネクタを前記篏合位置から前記解除位置に移動させるためのカムを有する、
ことを特徴とする構成1に記載の画像形成装置。
(構成3)
前記連動部は、操作部と、前記操作部と一体に回動する回動軸と、前記回動軸に回動可能に支持される前記規制部と、前記回動軸に回動可能に支持される前記カムと、を有する、
ことを特徴とする構成2に記載の画像形成装置。
(構成4)
前記装着ユニットは、シートに熱及び圧力を付与することでトナー像をシートに定着させる定着装置である、
ことを特徴とする構成1又は2に記載の画像形成装置。
(構成5)
前記装置本体の開口部を覆う閉位置と、前記開口部を開放する開位置と、の間で前記装置本体に対して開閉可能に支持される開閉部材を更に備え、
前記定着装置は、前記規制部が前記許容位置に位置する際に、前記装着位置から前記開口部に向けて上方に移動可能に構成されている、
ことを特徴とする構成4に記載の画像形成装置。
(構成6)
前記第2コネクタは、前記定着装置に設けられ、前記篏合位置から前記解除位置に向けて移動する際に上方にスライド移動する、
ことを特徴とする構成5に記載の画像形成装置。
(構成7)
前記連動部は、前記開閉部材が前記開位置に位置することで前記開口部から露出する操作部を有し、前記操作部が操作されることで前記第1操作位置と前記第2操作位置との間で移動する、
ことを特徴とする構成5又は6に記載の画像形成装置。
(構成8)
前記連動部は、前記第2操作位置から前記第1操作位置に移動することで、前記規制部を前記許容位置から前記規制位置に移動させ、
前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置に移動することで、前記第2コネクタを前記篏合位置に移動させる移動部を更に備える、
ことを特徴とする構成5乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成9)
前記連動部は、前記開閉部材が前記閉位置から前記開位置に移動することで、前記第1操作位置から前記第2操作位置に移動する、
ことを特徴とする構成5又は6に記載の画像形成装置。
(構成10)
シートにトナー像を形成するための画像形成部を更に備え、
前記連動部は、前記画像形成部が前記開口部に向けて移動される際に、前記画像形成部の移動軌跡に干渉しないように退避可能に構成されている、
ことを特徴とする構成5乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成11)
前記規制部は、前記定着装置に設けられ、前記規制位置において前記装置本体に係合することで、前記定着装置が前記装着位置から移動することを規制する、
ことを特徴とする構成4乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成12)
前記装着ユニットは、前記装置本体に向けて給送されるシートが積載される積載装置である、
ことを特徴とする構成1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成13)
前記積載装置は、前記装置本体の下方に配置され、
前記第2コネクタは、前記装置本体に設けられ、前記篏合位置から前記解除位置に向けて移動する際に上方にスライド移動する、
ことを特徴とする構成12に記載の画像形成装置。
(構成14)
前記規制部は、前記装置本体に設けられ、前記規制位置において前記装着ユニットに係合することで、前記装着ユニットが前記装着位置から移動することを規制する、
ことを特徴とする構成12又は13に記載の画像形成装置。
(構成15)
前記連動部は、前記第2操作位置から前記第1操作位置に移動することで、前記規制部を前記許容位置から前記規制位置に移動させ、かつ前記第2コネクタを前記解除位置から前記篏合位置に移動させる、
ことを特徴とする構成12乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成16)
前記連動部を前記第2操作位置で係止可能な係止部を更に備える、
ことを特徴とする構成12乃至15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成17)
前記連動部は、前記第1操作位置と前記第2操作位置との間の第3操作位置に移動可能であり、
前記連動部が前記第3操作位置に位置する際に、前記規制部は前記規制位置に位置し、かつ前記第2コネクタは前記解除位置に位置し、
前記連動部は、前記第1操作位置から前記第3操作位置に移動する際に、前記第2コネクタを前記篏合位置から前記解除位置に移動させ、前記第3操作位置から前記第2操作位置に移動する際に、前記規制部を前記規制位置から前記許容位置に移動させる、
ことを特徴とする構成12乃至16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成18)
前記連動部を前記第1操作位置から前記第2操作位置に移動させるアクチュエータを更に備える、
ことを特徴とする構成12乃至17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成19)
前記第2コネクタは、平面視において、前記装着ユニットの重心に重ならない位置に配置されている、
ことを特徴とする構成1乃至18のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【符号の説明】
【0105】
1,1001:画像形成装置/1A,1001A:装置本体/9:開口部/15,185:第2コネクタ(本体側コネクタ、定着側コネクタ)/20:開閉部材(ドア)/40,50:画像形成部(転写ユニット、トレイユニット)/100:装着ユニット、積載装置(給送デッキ)/104,223:第1コネクタ(デッキ側コネクタ、本体側コネクタ)/121,201:操作部(操作レバー、ハンドル)/122,202:規制部(ロック部材、定着ロック部材)/123,205:カム(コネクタカム、リフタカム)/124,204:回動軸(連動軸)/127:係止部(ストッパ)/180:装着ユニット、定着装置/300,400:連動部(連動ユニット)/600:移動部/M:アクチュエータ(モータ)/S:シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18