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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025140213
(43)【公開日】2025-09-29
(54)【発明の名称】分別回収システム
(51)【国際特許分類】
   F15B 21/041 20190101AFI20250919BHJP
   E02F 9/22 20060101ALI20250919BHJP
   F04B 49/10 20060101ALI20250919BHJP
   F04B 49/06 20060101ALI20250919BHJP
   G01N 33/30 20060101ALN20250919BHJP
【FI】
F15B21/041
E02F9/22 Z
F04B49/10 311
F04B49/06 311
G01N33/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024039440
(22)【出願日】2024-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川崎 健司
(72)【発明者】
【氏名】秋田 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】森 健介
(72)【発明者】
【氏名】本田 充彦
(72)【発明者】
【氏名】萩原 美伸
【テーマコード(参考)】
2D003
3H082
3H145
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB05
2D003AB06
2D003BA08
3H082AA15
3H082AA21
3H082CC02
3H082DA16
3H082EE01
3H082EE07
3H145AA24
3H145BA44
3H145CA19
3H145CA26
3H145DA47
3H145EA12
3H145EA26
3H145EA50
(57)【要約】
【課題】小型の再生設備でも再生コストを削減し且つ資源を有効活用する作動油の分別回収システムを提供する。
【解決手段】分別回収システムは、油圧アクチュエータ及び前記油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧ポンプを有する油圧装置に用いられる作動油の分別回収の指示を出力する分別回収サーバと、分別回収サーバから取得した指示を表示する端末とを備える。分別回収サーバは、油圧装置に用いられる作動油の状態量を取得し、複数の再生設備それぞれに設定された作動油の状態量の許容範囲と状態量とを比較し、油圧装置から回収した作動油を、状態量が許容範囲に含まれる再生設備に運搬する指示を前記端末に対して出力する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧アクチュエータ及び前記油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧ポンプを有する油圧装置に用いられる作動油の分別回収の指示を出力する分別回収サーバと、前記分別回収サーバから取得した指示を表示する端末とを備える分別回収システムにおいて、
前記分別回収サーバは、
前記油圧装置に用いられる作動油の状態量を取得し、
複数の再生設備それぞれに設定された作動油の状態量の許容範囲と前記状態量とを比較し、
前記油圧装置から回収した作動油を、前記状態量が前記許容範囲に含まれる前記再生設備に運搬する指示を前記端末に対して出力することを特徴とする分別回収システム。
【請求項2】
請求項1に記載の分別回収システムにおいて、
前記分別回収サーバは、
前記油圧装置の作動油が予め定められた交換条件を満たした場合に、当該油圧装置の作動油を交換する指示を前記端末に対して出力し、
前記油圧装置の作動油の交換作業を開始することを示す交換開始通知を前記端末から取得したタイミングで、前記状態量を取得することを特徴とする分別回収システム。
【請求項3】
請求項2に記載の分別回収システムにおいて、
前記分別回収サーバは、複数の前記油圧装置の交換作業を開始することを示す前記交換開始通知を取得した場合に、
複数の前記油圧装置それぞれから前記状態量を取得し、
取得した複数の前記状態量を、複数の前記油圧装置それぞれの作動油量で加重平均して平均状態量を算出し、
前記平均状態量と複数の前記許容範囲とを比較し、
複数の前記油圧装置から回収した作動油を混合して、前記平均状態量が前記許容範囲に含まれる前記再生設備に運搬する指示を前記端末に対して出力することを特徴とする分別回収システム。
【請求項4】
請求項1に記載の分別回収システムにおいて、
前記分別回収サーバは、前記油圧装置に設けられた状態量センサから取得した作動油の動粘度、密度、誘電率、電気伝導度の少なくとも1つに基づいて、前記状態量を算出することを特徴とする分別回収システム。
【請求項5】
請求項1に記載の分別回収システムにおいて、
前記分別回収サーバは、前記油圧アクチュエータまたは前記油圧ポンプが消費した単位時間当たりのエネルギー量に基づいて、前記状態量を算出することを特徴とする分別回収システム。
【請求項6】
請求項5に記載の分別回収システムにおいて、
前記分別回収サーバは、前記エネルギー量と、前記油圧装置の作業の種類とに基づいて、前記状態量を算出することを特徴とする分別回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械の作動油を分別回収するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベル、ダンプトラック、ホイールローダなどの作業機械は、稼働時間の増加に伴って、油圧アクチュエータを動作させる作動油が徐々に劣化する。そこで、特許文献1には、作業機械から抜き取った作動油を、再生するか廃棄するかを判断するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3774393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数の作業機械から抜き取った作動油を纏めて再生処理しようとすると、作動油の状態によっては不必要な処理を行ってしまい、再生設備が大型化すると共に、再生コストの上昇や資源の無駄遣いに繋がる可能性がある。
【0005】
本発明は、上記した実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業機械の作動油を回収するシステムにおいて、小型の再生設備でも再生コストを削減し且つ資源を有効活用する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、油圧アクチュエータ及び前記油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧ポンプを有する油圧装置に用いられる作動油の分別回収の指示を出力する分別回収サーバと、前記分別回収サーバから取得した指示を表示する端末とを備える分別回収システムにおいて、前記分別回収サーバは、前記油圧装置に用いられる作動油の状態量を取得し、複数の再生設備それぞれに設定された作動油の状態量の許容範囲と前記状態量とを比較し、前記油圧装置から回収した作動油を、前記状態量が前記許容範囲に含まれる前記再生設備に運搬する指示を前記端末に対して出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、作業機械の作動油を回収するシステムにおいて、小型の再生設備でも再生コストを削減し且つ資源を有効活用することができる。なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】分別回収システムの概念図である。
図2】作業機械の駆動回路の模式図である。
図3】作業機械のハードウェア構成図である。
図4】再生設備による作動油に対する処理のレシピを示す図である。
図5】分別回収サーバのハードウェア構成図である。
図6】分別回収サーバの機能ブロック図である。
図7】交換指示処理のフローチャートである。
図8】交換指示処理の実行後に端末に表示される画面例である。
図9】行先指示処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[分別回収システム100の概要]
図1は、分別回収システム100の概念図である。分別回収システム100は、作業機械1、2、3内を循環する作動油を分別回収して、複数の再生設備4、5、6のいずれかで処理するためのシステムである。また、作業機械1~3から再生設備4~6への作動油の搬送は、端末7(図8参照)を所持した作業員が乗る運搬車8によって行われる。さらに、作業機械1~3の作動油の分別回収は、分別回収サーバ9によって制御される。
【0010】
分別回収システム100は、少なくとも端末7及び分別回収サーバ9を備える。また、分別回収システム100は、端末7及び分別回収サーバ9に加えて、作業機械1~3、再生設備4~6、運搬車8の少なくとも一部をさらに備えてもよい。なお、分別回収システム100に含まれる作業機械1~3、再生設備4~6、端末7、運搬車8の数は、前述の例に限定されない。
【0011】
[作業機械1~3の構成]
本実施形態に係る作業機械1~3は、油圧ショベルである。但し、作業機械1~3の具体例は油圧ショベルに限定されず、ダンプトラック、ホイールローダ、油圧式クレーンなど、油圧アクチュエータ(例えば、油圧モータ、油圧シリンダ)を備えるあらゆる作業機械が適用可能である。また、作業機械1~3は、油圧装置の一例である。但し、油圧装置の具体例は、作業機械1~3に限定されず、油圧アクチュエータ及び油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧ポンプを有するあらゆる装置が該当する。
【0012】
本実施形態に係る作業機械1は、例えば、駐機場Aに駐機されている。また、本実施形態に係る作業機械2、3は、例えば、作業現場Bで作業を行っている。但し、作業機械1~3の設置場所は、前述の例に限定されない。以下、作業機械1について説明するが、作業機械2~3の構成も共通する。
【0013】
図2は、作業機械1の駆動回路10の模式図である。図2に示すように、作業機械1は、駆動回路10を備える。駆動回路10は、作業機械1を駆動する駆動力を発生させる回路である。また、駆動回路10は、作動油タンク12と油圧シリンダ15との間で作動油を循環させることによって、油圧シリンダ15を動作させる回路である。
【0014】
駆動回路10は、例えば、エンジン11と、作動油タンク12と、油圧ポンプ13と、バルブ14と、油圧シリンダ15(油圧アクチュエータ)と、フィルタ16と、状態量センサ17とを主に備える。なお、作業機械1に搭載される油圧アクチュエータの種類及び数は、図2の例に限定されない。
【0015】
エンジン11は、作業機械1を駆動させるための回転駆動力を発生させる。作動油タンク12は、油圧シリンダ15に供給される(換言すれば、作業機械1の駆動回路10内を循環する)作動油を貯留する。油圧ポンプ13は、エンジン11の出力軸に接続され、エンジン11が発生させる回転駆動力によって、作動油タンク12に貯留された作動油を油圧シリンダ15に供給する。
【0016】
バルブ14は、後述するコントローラ20(図3参照)の制御に従って、油圧シリンダ15に対する作動油の給排方向を制御する。油圧シリンダ15は、ボトム室及びロッド室の一方に作動油が供給され、他方から作動油が排出されることによって、伸縮(動作)する。フィルタ16は、油圧シリンダ15から排出されて、バルブ14を経由して作動油タンク12に還流する作動油から塵埃を除去する。
【0017】
状態量センサ17は、駆動回路10内(すなわち、作業機械1内)を循環する作動油の状態量を検出し、検出した状態量を示す状態量信号をコントローラ20に出力する。状態量センサ17は、例えば、バルブ14からフィルタ16に至る作動油の流路に配置されている。但し、状態量センサ17の設置位置は図2の例に限定されず、例えば、作動油タンク12内に設置されてもよい。
【0018】
状態量センサ17は、例えば、作動油の動粘度、密度、誘電率、電気伝導度の少なくとも1つ検出する。動粘度、密度、誘電率、電気伝導度は、作動油の劣化の度合い(換言すれば、品質)を示す物理量である。これらの物理量と作動油の劣化との関係は、作動油の構成する基油や添加剤の種類に依存するが、一般的に広く使われる鉱油系の作動油では、劣化(換言すれば、品質が低下)すると、動粘度は小さな値となり、密度、誘電率、電気伝導度は大きな値となる。本実施形態では、作動油の劣化が進む(品質が低下する)ほど大きくなる状態量(すなわち、密度、誘電率、電気伝導度)を前提として説明する。
【0019】
図3は、作業機械1のハードウェア構成図である。作業機械1は、コントローラ20を備える。コントローラ20は、CPU(Central Processing Unit)21と、メモリ22とを備える。メモリ22は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、またはこれらの組み合わせで構成される。コントローラ20は、ROMまたはHDDに格納されたプログラムコードをCPU21が読み出して実行することによって、後述する処理を実現する。RAMは、CPU21がプログラムを実行する際のワークエリアとして用いられる。
【0020】
但し、コントローラ20の具体的な構成はこれに限定されず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよい。
【0021】
また、作業機械1は、操作装置23と、通信I/F(InterFace)24とをさらに備える。操作装置23は、作業機械1を動作させるためのオペレータの操作を受け付け、受け付けた操作を示す操作信号をコントローラ20に出力する。オペレータによって操作装置23が操作されることによって、作業機械1(より詳細には、油圧シリンダ15)が動作する。操作装置23の具体例としては、レバー、ステアリングホイール、ペダル等が挙げられる。通信I/F24は、通信ネットワーク(例えば、インターネット、移動体通信システム、Wi-Fi(登録商標))を介して、外部装置(例えば、分別回収サーバ9)との間でデータを送受信する通信インタフェースである。
【0022】
コントローラ20は、作業機械1の全体動作を制御する。一例として、コントローラ20は、操作装置23から出力される操作信号に基づいて、エンジン11、油圧ポンプ13、バルブ14の動作を制御する。これにより、オペレータの操作に従って油圧シリンダ15が伸縮する。他の例として、コントローラ20は、状態量センサ17から出力される状態量信号及び作業機械1の動作状態(例えば、稼働時間)を、通信I/F24を通じて分別回収サーバ9に送信する。
【0023】
[再生設備4~6の構成]
再生設備4~6は、作業機械1内を循環する(換言すれば、作動油タンク12に貯留された)作動油を処理する設備である。再生設備4~6は、作業機械1から回収した作動油を貯留する貯留槽4a、5a、6aを備える。貯留槽4a~6aの容積は、作動油タンク12の容積より十分に大きいものとする。また、再生設備4~6は、貯留槽4a~6aに貯留された作動油に対して、予め定められたレシピに従って処理を施す。
【0024】
貯留槽4a、5aには再生可能(再生処理によって、再び作動油として使用可能)な作動油が貯留される。また、貯留槽4aには、貯留槽5aより品質の高い(劣化の度合いが少ない)作動油が貯留される。さらに、貯留槽6aには、再生不能(再生処理を施しても、再び作動油として使用可能な程度に品質が向上しない)な作動油が貯留される。
【0025】
例えば、再生可能な作動油の状態量の範囲を1~100とすると、状態量が第1許容範囲(1~50)の作動油が貯留槽4aに貯留され、状態量が第2許容範囲(51~100)の作動油が貯留槽5aに貯留され、状態量が第3許容範囲(101~)の作動油が貯留槽6aに貯留される。第1許容範囲、第2許容範囲、第3許容範囲は、例えば、互いに重なり合わず且つ連続する範囲である。すなわち、再生設備4~6それぞれには、予め許容範囲が設定されている。
【0026】
図4は、再生設備4~6による作動油に対する処理のレシピを示す図である。再生設備4、5には、作業機械1~3から抜き取った作動油を再生処理して、再び作動油として使用するためのレシピが割り当てられている。一方、再生設備6には、作業機械1~3から抜き取った作動油に最低限の処理を施して、燃料として売却するためのレシピが割り当てられている。
【0027】
図4に示すように、再生設備4、5に割り当てられたレシピは、フィルトレーションの工程と、添加剤を添加する工程とを含む。なお、フィルトレーションの工程は、添加剤を添加する工程より先に実施される。また、再生設備4、5のレシピの具体例は、以下に限定されない。さらに、再生設備6に割り当てられたレシピの説明は省略する。
【0028】
フィルトレーションとは、貯留槽4a、5aに貯留された作動油に含まれる不純物を、フィルタで除去する工程である。より詳細には、再生設備4では、作業機械1のフィルタ16では除去できないほど細かい(例えば、5μm程度の)塵埃を除去する塵埃除去フィルタと、作動油に含まれる水分を除去する水分除去フィルタとを用いる。一方、再生設備5は、塵埃除去フィルタ及び水分除去フィルタに加えて、作動油に含まれる酸化物を除去する酸除去フィルタを用いる。但し、酸除去フィルタは、作業機械1~3で使用する作動油に必要な添加剤まで除去してしまう。
【0029】
添加剤を添加する工程は、作業機械1~3で使用する作動油に必要な添加剤を添加する工程である。再生設備4では、作業機械1~3で使用される(すなわち、駆動回路10内を循環する)過程で徐々に消耗する添加剤を含む添加剤パッケージA、Bを、作動油に添加する。また、再生設備5では、添加剤パッケージA、Bに加えて、酸除去フィルタで除去される添加剤を含む添加剤パッケージCを、作動油に添加する。
【0030】
[端末7及び運搬車8の構成]
端末7は、作業機械1~3の作動油を交換する作業員、及び運搬車8に乗車する作業員が所持する。また、端末7は、分別回収サーバ9からの指示(指示の内容)を表示するディスプレイを備える。なお、作動油を交換する作業員と、運搬車8に乗車する作業員とは、同一人物でもよいし、異なる人物でもよい。端末7は、例えば、タブレット端末、スマートフォン、ラップトップ型コンピュータなどである。運搬車8は、作業機械1~3から抜き取った作動油を、分別回収サーバ9によって指示された再生設備4~6に運搬する自動車である。運搬車8は、例えば、作動油を貯留する専用タンクを搭載していてもよいし、作動油を貯留したドラム缶を積載していてもよい。
【0031】
[分別回収サーバ9の構成]
図5は、分別回収サーバ9のハードウェア構成図である。分別回収サーバ9は、作業機械1~3から取得した情報に基づいて、作業機械1~3の作動油の交換と、作業機械1~3から抜き取った作動油の行先(すなわち、再生設備4~6)とを、端末7を所持する作業員に指示することによって、作業機械1~3の作動油を分別回収する。
【0032】
分別回収サーバ9は、例えば、ワークステーション、またはパーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータで実現される。図5に示すように、分別回収サーバ9は、CPU31と、メモリ32と、ストレージ33と、入力装置34と、ディスプレイ35と、通信I/F36とを主に備える。分別回収サーバ9の各構成要素は、通信バス37に接続されている。
【0033】
CPU31は、メモリ32にロードされた分別回収プログラム38に含まれる一連の命令を実行することによって、後述する処理を実現する。メモリ32は、例えば、RAM、その他の揮発メモリとして実現される。ストレージ33は、例えば、ROM、ハードディスク装置、フラッシュメモリ、その他の不揮発記憶装置として実現される。分別回収プログラム38は、ストレージ33に記憶されており、必要に応じてメモリ32にロードされて、CPU31によって実行される。
【0034】
入力装置34は、例えば、キーボード、ポインティングデバイスなど、分別回収サーバ9の管理者からの入力操作を受け付ける入力インタフェースである。ディスプレイ35は、分別回収サーバ9の管理者に情報を出力(表示)する出力インタフェースである。通信I/F36は、通信ネットワークを介して外部装置(例えば、作業機械1~3、端末7)との間でデータを送受信する通信インタフェースである。
【0035】
[分別回収サーバ9の機能ブロック図]
図6は、分別回収サーバ9の機能ブロック図である。図6に示すように、分別回収サーバ9は、例えば、交換指示部41と、状態量取得部(状態量算出部)42と、比較部43と、行先指示部44とを備える。交換指示部41、状態量取得部(状態量算出部)42、比較部43、行先指示部44は、例えば、メモリ22に記憶されたプログラムをCPU21が読み出して実行することによって実現される。また、図6に示す機能ブロック(41~44)の一部は、省略可能である。
【0036】
交換指示部41は、作業機械1~3それぞれの作動油が予め定められた交換条件を満たした場合に、当該作業機械1~3それぞれの作動油を交換することを作業員に指示する。交換指示部41は、例えば、作動油の交換対象となる作業機械1~3を示す交換指示情報を、通信I/F36を通じて端末7に対して送信(出力)すればよい。
【0037】
状態量取得部42は、作業機械1~3それぞれに用いられる作動油の状態量を取得する。より詳細には、状態量取得部42は、作業機械1~3の作動油の交換作業を開始することを示す交換開始通知を作業員から取得したタイミングで、当該作業機械1~3から状態量を取得する。一例として、状態量取得部42は、通信I/F36を通じて作業機械1~3から状態量を受信してもよい。他の例として、状態量算出部42は、作業機械1~3から受信した作動油の状態を示す情報(例えば、作動油の動粘度、密度、誘電率、電気伝導度の少なくとも1つ)に基づいて、状態量を算出してもよい。さらに他の例として、状態量算出部42は、作業機械1~3から受信した稼働状況(例えば、直近に作動油を交換してからの経過時間、作業の種類など)に基づいて、状態量を算出してもよい。
【0038】
比較部43は、状態量取得部(状態量算出部)41で取得(算出)した状態量と、再生設備4~6それぞれに予め設定された状態量の許容範囲とを比較する。一例として、比較部43は、状態量取得部42が作業機械1~3の1つから状態量を取得した場合に、当該状態量と複数の許容範囲とを比較すればよい。他の例として、比較部43は、状態量取得部42が複数の作業機械1~3から状態量を取得した場合に、取得した複数の状態量を、複数の作業機械1~3それぞれの作動油量で加重平均して平均状態量を算出してもよい。そして、比較部43は、算出した平均状態量と複数の許容範囲とを比較すればよい。
【0039】
行先指示部44は、複数の再生設備4~6のうち、作業機械1~3から回収した作動油を、状態量が許容範囲に含まれる再生設備4~6のいずれかに運搬することを作業員に指示する。また、行先指示部44は、比較部43が平均状態量と複数の許容範囲とを比較した場合に、複数の作業機械1~3から回収した作動油を混合して、平均状態量が許容範囲に含まれる再生設備4~6のいずれかに運搬することを作業員に指示する。行先指示部44は、例えば、通信I/F36を通じて端末7に対して行先指示情報を送信(出力)すればよい。
【0040】
[交換指示処理]
図7は、交換指示処理のフローチャートである。交換指示処理は、作業機械1~3の作動油の交換を、端末7を所持する作業員に指示する処理である。交換指示処理は、分別回収サーバ9によって、所定の時間間隔で繰り返し実行される。分別回収プログラム38は、分別回収サーバ9のハードウェアを利用して、図7に示す交換指示処理を実行する。
【0041】
まず、分別回収サーバ9は、メモリ32に記憶された変数Nに1を代入(初期化)する(S11)。変数Nは、分別回収サーバ9の管理下にある作業機械1~3を特定するための変数である。次に、分別回収サーバ9(交換指示部41)は、通信I/F36を通じて作業機械Nの稼働時間tを取得する(S12)。稼働時間tは、例えば、直近に作動油を交換した時点を起算点として、作業機械Nのエンジン11が駆動(換言すれば、駆動回路10内を作動油が循環)している積算時間である。
【0042】
次に、分別回収サーバ9(交換指示部41)は、作業機械Nの稼働時間tと、予め定められた閾値時間THとを比較する(S13)。閾値時間THは、例えば、作動油の交換が必要になる平均的な値に設定される。作業機械Nの稼働時間tが閾値時間THに達したことは、作業機械Nの作動油が予め定められた交換条件を満たしたことの一例である。但し、交換条件の具体例は、前述の例に限定されない。
【0043】
次に、分別回収サーバ9(交換指示部41)は、作業機械Nの稼働時間tが閾値時間THに達したと判定した場合に(S13:Yes)、通信I/F36を通じて端末7に対して作業機械Nの作動油の交換指示情報を出力する(S14)。一方、分別回収サーバ9vは、作業機械Nの稼働時間tが閾値時間THに達していないと判定した場合に(S13:No)、ステップS14の処理をスキップする。
【0044】
次に、分別回収サーバ9(交換指示部41)は、管理下の全ての作業機械1~3に対してステップS12~S14の処理を実行したか否かを判定する(S15)。そして、分別回収サーバ9(交換指示部41)は、全ての作業機械1~3に対してステップS12~S14の処理を未だ実行していないと判定した場合に(S15:No)、変数Nに1を加算して(S16)、ステップS12以降の処理を再び実行する。すなわち、分別回収サーバ9(交換指示部41)は、管理下の作業機械1~3それぞれに対してステップS12~S14の処理を実行して(S15:Yes)、交換指示処理を終了する。
【0045】
図8は、交換指示処理の実行後に端末7に表示される画面例である。図8に示すように、端末7のディスプレイには、分別回収サーバ9によって作動油の交換が指示された作業機械1~3と、作業機械1~3それぞれに対応付けられたチェックボックスと、[交換]アイコンとが表示される。図8の例では、分別回収サーバ9の管理下の全ての作業機械1~3の作動油の交換が指示されたものとする。
【0046】
一例として、端末7を所持する作業員は、運搬車8で駐機場Aに到着すると、端末7に表示された図8の画面上において、作業機械1に対応するチェックボックスをチェックし、[交換]アイコンを選択する。これにより、端末7は、通信ネットワークを通じて分別回収サーバ9に交換開始通知を送信する。交換開始通知は、作業機械1の作動油の交換作業を開始することを示す情報である。また、交換開始通知は、作動油を交換する作業機械1を識別する識別情報を含む。そして、作業員は、作業機械1の作動油を交換し、作業機械1から抜き取った作動油を運搬車8に積み込む。すなわち、この例では、運搬車8には作業機械1から抜き取った作動油のみが積み込まれる。
【0047】
他の例として、端末7を所持する作業員は、運搬車8で作業現場Bに到着すると、端末7に表示された図8の画面上において、作業機械2、3に対応するチェックボックスをチェックし、[交換]アイコンを選択する。これにより、端末7は、通信ネットワークを通じて分別回収サーバ9に、作業機械2、3の識別情報を含む交換開始通知を送信する。そして、作業員は、作業機械2、3の作動油を交換し、作業機械2、3から抜き取った作動油を運搬車8に積み込む。すなわち、この例では、運搬車8には作業機械2、3から抜き取った作動油が混ざった状態で積み込まれる。
【0048】
なお、端末7を所持する作業員は、分別回収サーバ9から作動油の交換を指示されたタイミングで、直ちに交換作業を開始できるとは限らない。そのため、ステップS14で作動油の交換が指示されてから、作業員によって[交換]アイコンが選択(換言すれば、作動油の交換作業が開始)されるまでの間には、ある程度のタイムラグが生じ得る。また、作業機械1~3は、このタイムラグの間も稼働を継続している可能性がある。すなわち、このタイムラグが大きいほど、作動油の劣化が進んでいる可能性がある。
【0049】
[行先指示処理]
図9は、行先指示処理のフローチャートである。行先指示処理は、作業機械1~3から抜き取った作動油の行先(すなわち、再生設備4~6のいずれか)を作業員に指示する処理である。行先指示処理は、例えば、[交換]アイコンが選択されたタイミングで(すなわち、作動油の交換作業の開始直前に)実行される。分別回収プログラム38は、分別回収サーバ9のハードウェアを利用して、図9に示す行先指示処理を実行する。
【0050】
まず、分別回収サーバ9(状態量取得部42)は、1台の作業機械1の作動油のみを交換するか、複数台の作業機械2、3の作動油を纏めて交換するかを判定する(S21)。分別回収サーバ9(状態量取得部42)は、例えば、通信I/F36を通じて端末7から受信した交換開始通知に含まれる識別情報の数を判定すればよい。複数の識別情報を含む交換開始通知は、複数の作業機械の交換作業を開始することを示している。
【0051】
そして、分別回収サーバ9(状態量取得部42)は、1台の作業機械1の作動油のみを交換すると判定した場合に(S21:Yes)、通信I/F36を通じて作業機械1から状態量M1を取得する(S22)。すなわち、分別回収サーバ9(状態量取得部42)は、状態量M1の送信要求を通信I/F36を通じて作業機械1に送信し、状態量センサ17で検出した状態量M1を通信I/F36を通じて作業機械1から受信する。
【0052】
一方、分別回収サーバ9(状態量取得部42)は、複数の作業機械2、3の作動油を纏めて交換すると判定した場合に(S21:No)、複数の作業機械2、3それぞれの状態量M2、M3を通信I/F36を通じて個別に取得する。そして、分別回収サーバ9(比較部43)は、下記式1を用いて平均状態量Mavgを算出する(S23)。平均状態量Mavgは、複数の作業機械2、3から抜き取った作動油を運搬車8で混合した場合の状態量である。また、平均状態量Mavgは、複数の作業機械2、3から取得した状態量M2、M3を、作業機械2、3の作動油量V2、V3(すなわち、作業機械2、3それぞれの作動油タンク12の容積)で加重平均した値である。
Mavg=(M2×V2+M3×V3)/(V2+V3) ・・・(式1)
【0053】
次に、分別回収サーバ9(比較部43)は、ステップS22で取得した状態量M1と、再生設備4~5に割り当てられた許容範囲と比較する(S24~S25)。そして、分別回収サーバ9(行先指示部44)は、状態量M1が第1許容範囲に含まれると判定した場合に(S24:Yes)、運搬車8の行先として再生設備4を指示する行先指示情報を、通信I/F36を通じて端末7に送信する(S26)。また、分別回収サーバ9(行先指示部44)は、状態量M1が第2許容範囲に含まれると判定した場合に(S25:Yes)、運搬車8の行先として再生設備5を指示する行先指示情報を、通信I/F36を通じて端末7に送信する(S27)。さらに、分別回収サーバ9(行先指示部44)は、状態量M1が第1許容範囲及び第2許容範囲のいずれにも含まれないと判定した場合に(S24:No&S25:No)、運搬車8の行先として再生設備6を指示する行先指示情報を、通信I/F36を通じて端末7に送信する(S28)。
【0054】
同様に、分別回収サーバ9(比較部43)は、ステップS23で取得した平均状態量Mavgと、再生設備4~5に割り当てられた許容範囲と比較する(S24~S25)。そして、分別回収サーバ9(行先指示部44)は、平均状態量Mavgが第1許容範囲に含まれると判定した場合に(S24:Yes)、運搬車8の行先として再生設備4を指示する行先指示情報を、通信I/F36を通じて端末7に送信する(S26)。また、分別回収サーバ9(行先指示部44)は、平均状態量Mavgが第2許容範囲に含まれると判定した場合に(S25:Yes)、運搬車8の行先として再生設備5を指示する行先指示情報を、通信I/F36を通じて端末7に送信する(S27)。さらに、分別回収サーバ9(行先指示部44)は、平均状態量Mavgが第1許容範囲及び第2許容範囲のいずれにも含まれないと判定した場合に(S24:No&S25:No)、運搬車8の行先として再生設備6を指示する行先指示情報を、通信I/F36を通じて端末7に送信する(S28)。
【0055】
すなわち、分別回収サーバ9は、ステップS24~S28において、作業機械1(または、作業機械2、3)から回収した作動油を、状態量M1(または、平均状態量Mavg)が許容範囲に含まれる再生設備4~6のいずれかに運搬することを作業員に指示する。また、端末7を所持する作業員は、分別回収サーバ9によって指示された再生設備4~6に運搬車8で移動し、運搬車8に積載した作動油を指示された再生設備4~6の貯留槽4a~6aに注入する。さらに、再生設備4~6は、貯留槽4a~6aに貯留された作動油の量が閾値量に達したタイミングで、図4に示すレシピに従って再生処理を実行する。再生処理の実行タイミングは、再生設備4~6が独自に判定してもよいし、分別回収サーバ9から指示を受けてもよい。
【0056】
[実施形態の作用効果]
上記の実施形態によれば、作業機械1~3から取得した作動油の状態量に基づいて、当該作動油に再生処理を施す再生設備4~6を選択する。これにより、作動油として再び利用可能な作動油のうち、品質の高い作動油が再生設備4に集まり、品質の低い作動油が再生設備5に集まる。その結果、再生設備4では最低限の再生処理を実行し、再生設備5では追加の再生処理(例えば、酸除去フィルタ、添加剤パッケージC)を実行することができる。その結果、品質の高い作動油にまで不必要な処理が実行されないので、小型の再生設備でも再生コストを削減し且つ資源を有効活用することができる。
【0057】
また、上記の実施形態では、作業機械1の作動油の交換を指示したタイミング(S14)ではなく、交換開始通知を受信しタイミング(S21)で取得した状態量で、作動油の行先を決定する。これにより、ステップS14、S21の間にタイムラグがあっても、交換時の作動油の状態量に基づいて、適切な再生設備4~6への運搬を指示することができる。
【0058】
ここで、作動油の分別回収の精度を高める観点では、複数の作業機械2、3から抜き取った作動油を混合しないことが望ましい。しかしながら、全ての作業機械1~3の作動油を個別に交換して運搬すると、回収コストが上昇する。これは、分別回収サーバ9の管理下の作業機械1~3が多い場合に、特に顕著になる。そこで、上記の実施形態によれば、複数の作業機械2、3の作動油を纏めて交換する場合に、平均状態量Mavgを用いて再生設備4~6を選択する。これにより、作動油の分別回収の精度と、回収コストとをバランスさせることができる。
【0059】
[変形例1]
以下、上記の実施形態と変形例1との共通点の詳細な説明は省略し、変形例1に特有の部分を中心に説明する。変形例1は、状態量の具体例が上記の実施形態(動粘度、密度、誘電率、電気伝導度の少なくとも1つ)と相違する。
【0060】
変形例1に係る状態量は、油圧アクチュエータまたは油圧ポンプが消費した単位時間当たりのエネルギー量Eに基づいて算出される。より詳細には、変形例1に係る状態量は、上記のエネルギー量Eと、作業機械1~3の作業の種類とに基づいて算出される。変形例1に係る状態量は、例えば、下記の式2、3を用いて算出される。
Ea=φa(1-t/Ta) ・・・(式2)
Eb=φb(1-t/Tb) ・・・(式3)
【0061】
ここで、変数tは、直近に作動油を交換してからの経過時間(すなわち、稼働時間)である。定数φa、φbは、作業機械1~3の作業の種類に対応した作動油のコンタミネーションの平均値に対応する値である。定数Ta、Tbは、作業機械1~3の作業の種類に対応して推奨される作動油の交換間隔である。定数φa、φb、Ta、Tbは、実験やシミュレーションによって予め定められている。
【0062】
作業機械1~3の作業の種類とは、例えば、作業装置のアタッチメント(例えば、バケット、ブレーカ)の違いに起因するものでもよい。バケット作業に対応する定数φaと、ブレーカ作業に対応する定数φbとは、例えば、φb/φa=3に設定される。さらに、作業機械1~3の作業の種類に応じた定数は、掘削作業、登坂走行、積荷走行などにも設定されていてもよい。
【0063】
ここで、式2、3で算出される状態量は、時間が経過する(換言すれば、作動油の劣化が進む)のに伴って、徐々に減少する値である。そこで、変形例1では、再生設備4の第1許容範囲を100~51とし、再生設備5の第2許容範囲を50~1とし、再生設備6の第3許容範囲を0以下としてもよい。さらに、分別回収サーバ9は、式2、3で算出したエネルギー量Ea、Ebを、作業機械1の作動油量V1で正規化(すなわち、Ea/V1、Eb/V2)して、状態量としてもよい。作業機械2、3についても同様である。
【0064】
[変形例2]
以下、上記の実施形態と変形例2との共通点の詳細な説明は省略し、変形例2に特有の部分を中心に説明する。変形例2では、作業機械1~3から抜き取った作動油を再生設備4~6の貯留槽4a~6aに注入したと仮定した場合に、貯留槽4a~6aに貯留される作動油全体の状態量を用いて、再生設備4~6を選択する。変形例2では、例えば、下記の式4を用いて、作業機械1から抜き取った作動油を貯留槽4aに注入したと仮定した場合に、貯留槽4aに貯留された作動油全体の状態量を算出する。
M4f=(M1×V1+M4b×V4)/(V1+V4) ・・・(式4)
【0065】
V4は、貯留槽4aに貯留された作動油量である。状態量M4bは、作業機械1から抜き取った作動油を注入する前の貯留槽4aに貯留された作動油全体の状態量である。分別回収サーバ9は、例えば、再生設備4から状態量M4bを取得してもよいし、前回の計算結果を保持していてもよい。状態量M4fは、作業機械1から抜き取った作動油を注入した後の貯留槽4aに貯留された作動油全体の状態量である。
【0066】
そして、分別回収サーバ9は、式4で算出した状態量M4fが再生設備4の第1許容範囲に含まれる場合に、当該作動油の行先として再生設備4を指示する。また、再生設備5、6に対しても同様の演算を行う。さらに、作業機械2、3に対しても同様の演算を行う。変形例2は、貯留槽4a~6aの容積が作動油タンク12の数倍(例えば、10以下)程度の小型の再生設備4~6を用いる場合に、特に有利な作用効果を奏する。また、変形例2は、上記の実施形態の状態量のみならず、変形例1の状態量にも適用可能である。
【0067】
[その他の変形例]
なお、作業機械1~3、再生設備4~6、端末7、分別回収サーバ9の役割分担は、前述の例に限定されない。すなわち、分別回収サーバ9の処理の一部が作業機械1~3、再生設備4~6、端末7で実行されてもよい。また、分別回収プログラム38によって実現される各手段の一部または全部は、集積回路などのハードウェアで実現することもできる。さらに、分別回収プログラム38は、コンピュータによって読み出し可能な非一過性の記録媒体に記録されて提供されてもよい。記録媒体とは、例えば、ハードディスク、SDカード、DVDの他、インターネット上のサーバ等を指す。
【0068】
上述した実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【符号の説明】
【0069】
1~3 :作業機械
4~6 :再生設備
4a~6a:貯留槽
7 :端末
8 :運搬車
9 :分別回収サーバ
10 :駆動回路
11 :エンジン
12 :作動油タンク
13 :油圧ポンプ
14 :バルブ
15 :油圧シリンダ
16 :フィルタ
17 :状態量センサ
20 :コントローラ
21,31:CPU
22,32:メモリ
23 :操作装置
24,36:通信I/F
33 :ストレージ
34 :入力装置
35 :ディスプレイ
37 :通信バス
38 :分別回収プログラム
41 :交換指示部
42 :状態量取得部(状態量算出部)
43 :比較部
44 :行先指示部
100 :分別回収システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9